07/11/14 中央社会保険医療協議会総会平成19年11月14日議事録 07/11/14 中央社会保険医療協議会          第114回総会議事録 (1)日時  平成19年11月14日(水)11:24〜12:21 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        前田雅英委員 室谷千英委員  石井博史委員 対馬忠明委員(代 椎名) 勝村久司委員 丸山誠委員  高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 鈴木満委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員        黒崎紀正専門委員       <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 八神保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○平成20年度診療報酬改定について (5)議事内容  ○土田会長  ただいまより、第114回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、小島委員が御欠席になっ ております。また、対馬委員の代理で健康保険組合連合会理事の椎名さん、高橋委員の代 理で全日本海員組合の清水さんがお見えになっております。  また、審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「平成20年度診療報酬改定について」を議題として取り上げたいと思います。  前回の総会におきましてもお話ししましたように、「中医協の在り方に関する有識者会 議」の報告書におきまして、「改定率は、予算編成過程を通じて内閣が決定するものであ る」こと、それから、「中医協においても、医療経済実態調査等を踏まえ、改定率につい て議論を行い、その結果を厚生労働大臣に意見として進言することがあり得るものとすべ きである。」ということが明記されております。  つきましては、本日は、医療経済実態調査の結果等を踏まえつつ改定率について御議論 をいただきたいと思います。  最初に、これに関連して1号側委員より資料が提出されておりますので、説明をお願い いたします。 ○対馬委員(代理椎名氏)  私どもは、まず現行の医療経済実態調査にはいろいろな問題や限界があると思っており ます。例えばこの調査は医療機関などの収支状況が中心となっております。また、6月単 月の調査であります。さらに、層化抽出を行っているにもかかわらず、調査年ごとに対象 施設や病床規模などにばらつきがあります。このような調査の問題点や限界を認識しなが ら、今回私どもは、数年間のトレンドという視点を加えてこの調査を分析いたしました。 それから、この調査の問題点や、次回以降の調査への提言、要望などもあわせてまとめま したので、簡潔に説明させていただきます。  資料の1ページは、分析結果のまとめでございます。  2ページは、平成19年の収支差額率を見たものでございます。収支差額率というのは、 下のほうにありますけれども、収支差額を医業収入で割ったもののパーセンテージでござ います。  図1の左から1つ目と2つ目の一般診療所、それから、左から3つ目と4つ目の保険薬 局、この2つは黒字を示しております。一方、右側の特定機能病院やこども病院はマイナ スで、特にこども病院は大きな赤字でございます。  恐縮ですが、このページ、1カ所誤植がございます。囲みの中で、「収支率差額」とあ りますけれども、これは「収支差額率」の誤植でございます。  3ページでございますけれども、収支差額率を経年的に見たものでございます。一般診 療所と保険薬局、つまり、図の左側の4つの固まりがございますけれども、平成11〜1 9年の経年で見ても、黒字となっております。  4ページ以降は、収支の構造を一般診療所と一般病院について見たものでございます。  4ページは、まず一般診療所を開設者別に見たものでございまして、図3は、平成17 〜19年の一般診療所の医業収入の伸び率でございますが、全体では有床・無床ともに増 収となっております。  図4でございますが、経年で見ますと、一般診療所全体の収支差額率は、2度の診療報 酬マイナス改定にもかかわらず、有床・無床ともに高い収支差額率を示しております。な お、その他の一般診療所でも黒字となっております。  5ページでございます。診療科別に一般診療所のその他を見たものでございます。向か って左側の図5でございますけれども、平成17〜19年の医業収入の伸び率でございま すが、内科と耳鼻咽喉科がプラス、他の診療科はマイナスとなっております。しかしなが ら、収支差額率の経年変化でございますけれども、図6にありますように、小児科が急激 な低下、また、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科は黒字で推移しております。  6ページでございます。一般病院を病床規模別に見たものでございまして、図7は平成 17〜19年の医業収入の伸び率でございますが、100床未満はプラス、100床以上 はマイナスとなっておりまして、特に200〜299床のマイナス幅が最も大きくなって おります。  図8、医業収支差額率を経年的に見たものでございまして、100床以上はほぼマイナ スで推移しております。また、平成19年には200床以上が特に大きなマイナス幅にな っております。  7ページは、設立主体別に一般病院を見たものでございますが、図9は医業収支差額の 伸び率でございますが、医療法人、その他はプラス、国立、公立はマイナスとなっており ます。中でも公立の減益幅が際立っており、その主な要因として、図10にありますよう に、公立では給与費の構成比が高くなっております。  8ページでございますが、一般病院の給与費でございます。図11にありますように、 医業収支差額率は平成17〜19年で医療法人、その他が上昇しておりますが、公立は大 きく下降しております。  図12でございますが、平成17〜19年に給与比率はすべての設立主体で上昇してお りますが、とりわけ公立の上昇幅が最も大きくなっております。経年でも公立は医業収支 差額率がマイナスを続ける中で、高い給与比率で推移しております。  9ページ、保険薬局の収支差額率の経年変化でございます。図のように、設立主体別に 見ますと、2度の診療報酬マイナス改定にもかかわらず、法人・個人ともに高い数値にな っております。  以上の結果の取りまとめが1ページになるわけでございます。  10ページは、この調査の問題点(1)でございますけれども、先ほども申し上げましたけ れども、調査年ごとに施設数や病床規模にばらつきがあるという問題がございます。  11ページ、問題点(2)でございますけれども、いろいろ個別の問題がございますが、こ れは時間の都合上省略いたします。  最後に、12ページでございますが、次回調査に向けて提言あるいは要望をまとめてご ざいます。  まず1番目と2番目は、先ほどの個人立の診療所と保険薬局の開設者の報酬など、ある いは病院の診療科別の収支状況などについて調査していただければと思います。  3つ目も、先ほどの調査対象の施設数とか病床規模の変動の問題について、従来から私 どもが強くお願いしております定点観測的手法による調査研究をさらに深めていただきた いということでございます。  4つ目は、現行の調査の改善に向けて、統計や会計の専門家の意見を踏まえて適切な見 直しを図っていただきたいことでございます。  最後になりますが、この調査の抜本的な改善に向けて、中長期的には、例えば診療報酬 調査専門組織等を活用して、調査の在り方について総合的に検討していただければと思い ます。  私の説明は、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  議論をいただく前に、事務局より資料が提出されておりますので、そちらの説明をお願 いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)   保険医療企画調査室長でございます。お手元の資料、中医協総−1をごらんください。 御議論に際して、材料の一つといたしまして、平成18年度、前回改定以降の賃金・物価 の動向についてまとめた紙でございます。前回の改定の際にも、こういった同様な資料を 提出させていただいております。  「賃金の動向(人事院勧告)」でございますが、平成18〜19年度にかけて、平成1 8年度は賞与を含めて0%、平成19年度は0.4%、賞与が0.3%ということで0. 7%、この2年間の増減率は、賃金につきましては0.7%の増加となってございます。 参考に、前回改定の際、16〜17年度にかけてどのような状況だったかということを申 しますと、ごらんいただきますように、2年間で±0%という結果でございました。  続きまして、下段、「物価の動向(消費者物価)」でございますが、18〜19年度に かけまして、18年度は0.2%、19年度は0.5%、2年間の増減率で0.7%の増 となっております。平成19年度の欄に「(注2)」とございます。一番下に書いており ますが、この数値は、今年の1月段階で政府経済見通しにおける見込み数値として使って おるものでございます。同様に、前回改定の際の資料であります。「〔参考〕」となって おりますが、16〜17年度にかけて、合計で0.2%の減でございました。  以上、事務局から資料の説明でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  これから議論を進めていただきますが、先ほど健康保険組合連合会のほうから出ました この資料の後半のほう、つまり、調査にかかわるところは次回の調査設計に当たって参考 にさせていただきたいということで、今回は次期の改定率に向けた議論ということで、調 査方法についてはここは一応議論の対象にしないという扱いにさせていただきたいと思い ます。  それでは、どうぞお願いします。 ○中川委員  10月31日の中医協総会において、私どもはこの実調と、それから、我々が知ってい るTKCについて説明をさせていただきました。そこで、実調では、一部医療機関に余裕 がある、増収だ、利益も上がっているということに対して、TKCの医業経営指標では、 病院の法人・個人、診療所の法人・個人、医業収入、経常利益、すべて減収・減益だとい うデータを出しました。  その理由について、先ほど椎名さんから御説明がありました中医協が非定点であること、 6月単月のアンケート調査であること、2年ごとであることといったことを申し上げ、T KCの医業経営指標が定点であること、客体が多いこと、1年間の決算データであること、 会計事務所が毎月指導しているしっかりデータがある医療機関であること、それから、毎 年の調査であることを説明申し上げました。その上で、このTKCでは、損益分岐点が診 療所も95%に迫る。病院はもとより、昨年よりもずっと悪化しているということも説明 しました。その件に関しては、対馬委員から、おおむね了解だと、同じ考えだという御発 言をいただきました。  椎名さんが今説明されましたが、健保連の資料の10ページに、「施設数および病床規 模にばらつきがあるため、正確な経年変化をみることができない」とわざわざお書きにな っているのに、1ページからずっと延々と経年変化、変化率、数年間のトレンドを加えて というお話でしたが、そういう分析をるる述べられました。  まず、再度申し上げますが、定点調査でないので、経年変化、伸び率を論じるのには適 さないと思います。また、個人立と法人を一緒に合わせて全体という表現も、これは全く なじまないと思います。にもかかわらず、非定点のデータで伸び率を論じたり、全体のデ ータで収支差額を論じている箇所が非常に多くあります。1ページごとにいろいろな意見 を申し上げたいですが、そういうことも今回はやめます。  中医協の総会で我々が意見を申し上げ、それに対しておおむね了解だと言ったことを、 さらに次の時点でこのように全くゼロからの主張をされるというのはいかがなものかと私 は思います。これから診療報酬改定の議論に向けて、健康保険組合連合会がこういう分析 をするというのは、我々はちょっと理解に苦しむということを申し上げたいと思います。  以上です。 ○松浦委員  TKCが正しいのか、実調か、こういうことなのですが、我々調査実施小委員会では、 この実調をとにかく今年もやって、それをもとに審議していこう、こういうことになって いるわけです。その大前提を崩してしまいますと、TKCか、同列に並べて実調かと、こ ういう議論をやりますと、これはもともとの実調そのものが不要論、こういう調査よりも、 もっと税務調査をしてきちっと出したほうがいいのではないかと私も主張を申し上げたこ とはあるのですが、だから、こういう議論になってしまうのです。ですから、私は一応了 解して、初めにこの調査実施小委員会が実調でいこうと決めたのなら、そのデータをもと に分析して議論をしていかなければ、これはなかなか議論が前に進まないと思います。 ○土田会長  それはおっしゃるとおりだと思います。つまり、実調の信頼性がないという わけではありませんので、これはやはり実調における定点観測といいますが、実調におけ る無作為抽出にはそれなりの調査の意義があります。ですから定点観測と性格が違います から、そこは十分わきまえて議論していただきたい。定点観測は定点観測、この間のデー タを見ましても、定点観測でマイナス幾らで全体でプラス幾らと出てきましたが、それは、 つまり、定点観測ではなく全体を平均すればどうなるかということが大事なことです。で すから、定点観測は定点観測の限界がありますので、ここはあくまでも基本としては実調 をベースにして議論していただきたいと思います。 ○対馬委員(代理椎名氏)   幾つかお尋ねがございましたのでお答えします。  今会長が言われましたように、それなりに実調のデータを今までやってきた。今回、私 ども健保連はトレンドという形で見まして、これを中医協で披露させていただいて、参考 にしていただきたいという趣旨でございます。  健保連のことをいろいろ言われましたけれども、日本医師会も、中川委員の先輩である 常務理事、中医協委員の方々が、ずっとこの医療経済実態調査を基本的な部分を尊重して 今まで改定をやってこられたと私は認識しております。  なお、10月31日に対馬が何を発言したかについて私は詳細に存じていないのですが、 今回、対馬がよんどころのない事情で私が代理として出席していますけれども、当然、本 日提出した資料に関しましては対馬の了解の下で今御説明させていただきました。  以上です。 ○中川委員  私は、もちろん好き嫌いで言っているわけではございません。この実調というものが、 1号側、2号側、公益側、すべて中医協で制度設計したということも承知しています。た だ、その在り方というか、時代の医療状況に合わせて、なかなか実態を反映しなくなって きたのではないかと思っているのです。  そこで、実調のデータそのものは、これは間違いだと思いません。アンケート調査のデ ータでございますから。ただ、そのデータから読めないものを経年変化だとかそういうこ とを無理に読んで、今地域医療が崩壊しつつあるときの診療報酬改定の重要な資料ですか ら、それをデータ以上に読み込めないところを無理に読むという分析はいかがなものかと 申し上げているのです。そのことを冷静に申し上げたいと思うのです。  TKCも完璧な調査だとは思いませんが、しかし、定評があることは間違いないし、そ のいろいろな分析をデータの下に議論しているわけで、メンツだとかプライドということ は思ってはいらっしゃらないかと思いますが、やはり真摯に今後の実調の在り方も含めて、 今度は別のところで議論するのでしょうけれども、読めないところを無理に読んではいけ ないです。その辺はぜひ御理解いただきたいと思います。 ○土田会長  今の中川委員の意見には全く僕は異存はありません。それから、日本医師会のほうで出 してきた調査結果も十分尊重すると申し上げました。ですから、そこのところを全面的な 否定とかそういう意味で言ったわけではありませんので、もう少しフレキシブルに論じて いきたいと思います。 ○対馬委員(代理椎名氏)  今の中川委員のお話ですけれども、読めないところを読んでいるとは一体どの部分でし ょうか、お知らせください。 ○中川委員  非定点で、それから内容も違う。例えば診療所のところで従業員数も違うと、前回10 月31日に申し上げました。従業員1人当たりだとプラスだったのが、診療所では5.0、 5.2に下がるわけです。それから、有床診でいろいろな問題があります。精神科の1診 療所が1月5,096万円も収入があるところも入っているとか、いろいろなことがある わけです。病院に関しても、非定点でやったら71%に医業収入が増えているところが、 定点でやるとマイナスに転じるとか、いろいろな問題があるわけです。このことを言って いて、その上で定点調査でなければ経年変化はなかなか読めないということを申し上げて いるのです。 ○小林委員  私は、もちろんTKCのデータは重要なデータだと思っております。この実調を尊重し て、基本的にこれまでやってきた実調の内容をベースにして議論していくのだということ はそうだと思うのです。もちろん、御指摘のとおり、実調が完璧なわけではなくて、いろ いろな改善すべき点はあると思います。私は会計学の立場から、キャッシュフローの分析 のようなもの、つまり、医業活動に用いている部分と、それから財務活動、設備投資をし たりとか金利を払ったりという部分と、それから投資をするところの部分、3つに分けて データを収集するということがやはり重要なのではないかと思っているのです。今回、実 調で改善されたというところは、給与のところが明確になりましたから、そこの部分を入 れれば、個人立の部分でも、収支差額の部分というのが、そのデータを入れればある程度 比較可能にはなると考えております。  問題は、診療報酬改定が医業収入と医業費用に与えるインパクトというのをどういうふ うに読んでいくかということが重要なわけなのです。ですから、もちろん経営努力によっ て改善しなければいけない部分というのもあるのです。つまり、どういうことかというと、 例えば、先ほど公立の場合は給与費が多いというのがあって、7ページの図10ですけれ ども、このデータを見ていただくと、例えば減価償却費というのも公立の場合は多いので す。診療材料費等というのも多いのです。この分析では、給与費のところだけをクローズ アップいたしましたけれども、必要な設備投資をして、減価償却費も医療法人よりは多い し、診療材料費等については、これは経営努力が求められる部分かもしれないです。だか ら、経営努力が求められる部分というものと、それから、診療報酬改定によって収入が減 って、あるいは必然的な費用はコストダウンができない部分があって、どのぐらい医業経 営が打撃を受けているかとか影響を受けているかということを見なければいけない。だか ら、経営改善上の問題と、それから、診療報酬改定が与えるインパクトの部分というのを きちんと分けて考えなければいけない。だから、その部分は非常に複雑に絡み合っていま すから、難しいと言えば難しいですけれども、医業の場合には労働集約的な部分がありま すから、給与の部分というのは非常にクリティカルな部分だと考えております。  ですから、今回出された健保連のデータは、トレンドを見たといったところでは非常に 重要なところ、インプリケーションはあると思うのです。ですから、双方とも自分のとこ ろのコストダウン努力と、それから診療報酬改定が与えたインパクトということについて 議論していただければと思います。 ○土田会長  会計学の非常にクリアな説明で、1号側、2号側、ぜひ今の発言を踏まえて御検討いた だきたいと思います。 ○対馬委員(代理椎名氏)  先ほどの読めないところを読んだということで、それは一体どこかとお尋ねしましたけ れども、お答えがないので、もし、あまりなければ議事録から削除してください。 ○中川委員  したじゃないですか。 ○丸山委員  そもそもこういう調査というのは、膨大な医療施設に対して調査するわけですし、今小 林先生がおっしゃったように、集計ルールも、フィクションと言うと誤解されますが、一 定の前提をおいてするもので、それがどのようになるかによって解が多少違う。それに、 そもそも本当のことを書かないかもしれない、これは国税が入って帳簿を見ているわけで はありませんから。だから、どうしたってある一定の幅のあいまいさというのはどんな調 査だって出るので、これでああだこうだとあまり言っても仕方がないものなのです。しか し、この健保連の資料は平成11年からの実調データをその通り並べるとこういうことに なりますねと、単に実調のデータをそろえたものなのです。ある程度丸まった形でのトレ ンドである、一定のトレンドとして見ていけばいいのではなかろうか。だけど、物の見方 によっては、TKCみたいな調査もあるよと言いたいのであればそうおっしゃればいい。 ここで内容を細かく比較するのはあまり意味がない。今「かぐや」がハイビジョンテレビ で月の表面を映したり地球を映していますが、以前の月の探検のテレビよりもはるかには っきり見えますが、あのハイビジョンだって、実物と比べたら大きな差があるはずです。  だから、お互いに精細なデータを集めようとする努力はするけれども、結局はトレンド を示すにすぎないという、それぐらいの認識で思っていないと、ここで1号側、2号側が けんかしても始まらないような気が私の立場でもいたします。 ○邉見委員  私はこちら2号側におりますが、健保連の今日の資料もわかるところもあります。結局、 この2ページを見ますと、こども病院、特定機能病院とか、一般病院も、非常にマイナス になっています。TKCもそうなのです。両方の一致するところもたくさんあるわけです。 これからこの中医協で改定率とかを考える場合、今困っている病院医療の崩壊ということ を一番の論点にしなければいかぬというのは、両方のデータから読めると私は思うのです。 田舎者ですので、よく読めないようなものは読めませんけれども、これは読めると私は思 うのです。  このときに、病院代表として2期目を迎えましたけれども、今までは診療報酬は東京の 視点。田舎には公立病院は多いです。だから、公立病院が赤字になるような点数設計にな っています。それから、診療所、入院よりも外来という感じがちょっと強すぎた。入院基 本料を上げてほしいと我々日本病院団体協議会の意見もこれに出ているのではないでしょ うか。それから、ちょっと内科系が今まで強すぎた。外科手術が非常に軽視されていた。 そういうことが、TKCにもこれにも両方出ているのではないか。  この3つの視点が今の日本の医療の混乱を大きく招いているところだろうと私は思いま す。大きなことをその辺に絞って論議していただきたいなと思います。 ○土田会長  今の発言のような議論をしていただきたいのです。つまり、データですから、それを踏 まえてどういう方向で今度改定率への意見をまとめるかあるいは改定を行っていくかとい うことの視点を出していただきたいということですから、今のような発言をぜひ突っ込ん だ形でお願いしたい。 ○竹嶋委員  今議論がこうなっているのですが、もちろん中医協の実態調査、これは私どもも無視す るわけではございません。むしろそれを大事にするから、その分析を恐らく今まで以上に 私どもはつぶさにやったのだろうと思います。そして一方では、昨年から、もう一つ別な やり方があるのではないかということから始めて、今回初めてその資料を出させていただ きました。そういうことの中から、私どもとしては、自分たちの分析をやったことをこの 前御説明申し上げました。椎名委員は御出席ではありませんでしたけれども、データもき ちっとお出しさせていただいたのです。ですから、今中川委員が椎名委員のほうにお答え をして、それの内容が十分答えになっていないということですが、ここで時間はありませ ん。恐れ入りますが、もう一回お帰りになって見ていただいて、また私どもはいつでも疑 問点の質問を受けたいと思います。  それで、今会長がおっしゃったように、実態調査、これは中心にやらなければいけませ んが、これは皆さんが御理解されたのが幾つかあったから、そういうバイアスがかかって いるようなところはきちっと除きながら、どこが一番まともかなというところで議論に付 したい。しかし、今も大変申し訳ないが、椎名委員のところも分析結果のところでぱっぱ っぱっとお決めつけになっていますけれども、このあたりはもう一回考えていくべきでは ないかと今日の時点では思います。トレンドということであれば、それなりにまた受けさ せていただきます。 ○山本委員   健保連さんの調査では、薬局が増えているということで、数字の上では確かにそのよう な数字が経年的にも出ていると思うのですが、例えば9ページのところは保険薬局の部分 でありますけれども、収支差額率というところを経年的に数字を追われている。実はこの 中では、単純に収支の差額だけを率を追ったわけでありまして、下のほうに注があって、 個人立の場合にはこれこれこうだという御指摘がありますけれども、5%、6%を高いと 見るのか低いと見るのか、丸山委員は前に高いとおっしゃったのですけれども、本当に高 いのかなという考えを持っています。  もう1点は、ここでごらんになるように、薬剤師の数、前回もお話ししたのですが、今 回人件費はかなり落とし込んでおりますし、もう1点は、人件費につきましては、企業の 方とは違うのかもしれません。私どもは処方せんの量に応じて人を増やせと義務づけられ ておりまして、それが適切な量なのかどうかということになりますと、基準をたった1枚 でも超えると人は増えますので、そうしたことを考えますと、人件費を落とすということ はどれほど大変なことかということは御理解いただけると思います。  また、かかります経費につきましても、できるだけの削減はしている現状です。薬価に つきましては、報酬改定のたびに薬価改定がありますので少しずつ下がっていきますから、 見かけ上は小さくなりますけれども、後発品も含めて在庫の量は増えておりますので、そ うしたことを考えますと、単純に経年の収支差額だけに追われて、5.7、8.3、多い ぞということではなしに、もう少し中身のほうをごらんいただいて、実際どこまで経費の 節減をし、しかも、安全を守る範囲で必要な薬剤師を確保しているかということもぜひ御 議論いただいた上で、それでも高いということであればまた別であります。それを考えま すと大変つらい、経済の言葉ではないかもしれませんが、つらい生活をしておりますので、 そのあたりはぜひお願いしたいのは、この数字だけをもって薬局は調子がいいのだという 御判断だけは、この調査の結果は尊重いたしますけれども、私どもとしてもそれだけで評 価されるのは大変困るということがあります。ぜひそのあたりを御理解いただきたいと存 じます。 ○土田会長  わかりました。 ○西澤委員  実調の結果をどう見るかというのは、立場だとか分析の仕方でいろいろ変わるというの がよくわかったと思っております。  資料に入っていないのですけれども、たしか前回、事務局で、私たちが病院団体で赤字 病院の数で見たときに、たしか6%赤字病院が増えたということを出したと思いますが、 この実調をもとにすると、たしか43%から51%へ赤字病院が8%増えたというデータ があったと思います。こういう結果を大事にしていただきたい。  それと、今日出していただいた結果、賃金が上がっている、物価が上がっている、これ をどう見るか。この2つのことをぜひ考えて、次期改定に反映していただければと思って おります。 ○土田会長  どうもありがとうございます。 ○大島専門委員  一般病院の減収が非常に大きいというデータなのですが、前からよく問題になっていま す医師不足とか、実際に私の愛知県の周辺でも、病院が医師不足などで実際に機能してい ないのです。病床が稼働していない。60%も稼働していないような病床に、収入が減っ ているとか減っていないとかというようなことを診療報酬と結びつけて考えること自体が 無理があるわけです。その辺の状況について、このデータが何を言っているのか、病院協 会のほうからももし何かあればお伺いしたいし、健保連のほうからも何かあればお伺いし たいと思うのです。 ○西澤委員  今大島先生がおっしゃったようなことは、これからは全く導き出すことはでないなと思 っています。そういうことでは、かわる資料として、先ほど言ったように、赤字病院がど れだけ増えたかというのが一つの指標かなと。あと、これ以外で全国で今どれぐらいの病 院が閉鎖したか、病床を閉めたかというデータも大事だと思っております。それにつきま しては基本問題小委で資料を出しましたので、必要があればまた出したいと思っています。 ○大島専門委員  ちょっと適切ではない言い方になってしまうかもわかりませんが、日本の病床数が多い ということについては、恐らく皆さんそれは認識していて、病床数をいかに削減していく かというのが非常に大きな方針であるということも、これも口に出すかどうかは別にして、 恐らくよく認識していると思うのです。そうすると、今の動きはその大きな流れの中にあ る。もちろん、地域の各病院にとってみれば死活問題ですから大変な問題なのですが、マ クロで見たときにはそういう大きな流れの中に来ている。来ている中でのこういう変化だ というようなことをとらえると、これはよほど慎重に見ていかないといけないのではない かなと感じます。  私は、細かい数字のことはわからないので、数字がどうのこうのということを言われて もなかなかぴんとこないところがあるのですけれども、そういう見方というのはどこかで きちんと押さえておいて議論をしていただきたいなと思います。 ○松浦委員  私はまた若干違った方向から申し上げますが、私は実は診療報酬改定は今年が最後、3 回目ですから、今まで経験した感じも含めて申し上げますと、確かに今言われたように、 医師不足とかそういったもの、例えば産婦人科の医者をどう増やしていくかということを この診療報酬改定の場で取り組んでみても、非常に影響は少ないと私は思います。それを 上げても、結果としてどういう現象が起こるかと言えば、恐らく産婦人科を志望される人 たちは、早く病院を卒業して、そこで修行を卒業して、それで開業すれば、それだけ診療 報酬が上がった部分は自分の収入になる、こういう感覚が働くと僕は思います。そういう ことでなしに、例えば産婦人科の診療報酬改定で報酬を上げるというのであれば、一方に 産婦人科のお医者さんを増やすという政策があわせてとられませんと、これは小児科にし てもそうですが、診療報酬だけに頼ってやることはできないというのが今実感です。  それから、もう1つ私は申し上げたいのは、実は、これはきのうの日経新聞で、まだほ やほやの話ですから、あえて今日申し上げようと思うのですが、公立病院改革で目標を未 達成なら病床削減、診療所への転換など赤字経営改善を促す。3つの指標、経常収支比率、 病床利用率、職員給与比率、これをちゃんと目標の数値を立てさせて、それに向かってい かない場合には廃止・統合も考える。そういうようなことを書いてあります。  私は、これに沿って、例えば病床利用率がどんどん下がっていきますと、下がっていく ということは、一方で言えば、診療報酬から考えれば、病床利用率が下がれば入院基本料 は上がる方向に働いていくわけです。だから、そういうようなことも縛りをかけておかな ければいかぬし、それからもう1つは、この目標を達成できない病院については、3カ月、 四半期でやるか、半年でやるか、それは技術的にできるできないはありましょうが、診療 報酬でペナルティを科しますよと。例えば10点を9点にしか計算しません、こういうよ うな方向で双方が補完してやれば有効に働くと私は思います。  私の意見として、ぜひこういう複合的に取り組む考え方も入れてほしいということをお 願いしておきます。 ○土田会長  御意見として承っておきたいと思います。 ○中川委員  先ほど大島委員から御発言がありましたが、日本の病床数が多いというのはだれもが反 対しないという御発言でしたが、決して私どもはそう思っていません。 ○大島専門委員  反対しないのではなくて、そういう流れはほとんど皆さんが認めているのではないかと いう意味で発言をさせていただいた。 ○中川委員  認めていません。というのは、我々は将来の急性期病床の推計をして発表もさせていた だいています。2020年を想定しますと、現行水準の100万床の一般病床は必要だと 試算しますし、2010年には一時的に95万床ぐらいまで落ちますが、決して突出して 多すぎるという認識はないということを申し上げたいと思います。まして、慢性期病床、 長期療養病床は我々は常に発表しているとおりでございます。  それから、丸山委員がさっき、本当のことを書くのかということもあるとおっしゃった。 一言説明させてもらいますが、実調は6月単月のアンケート調査で、TKCは年間の決算 データということ、まずそれを申し上げたいと思います。  それから、建設的なことを私は言っているつもりなのですが、健保連のデータで5ペー ジをごらんいただけますか。具体的に入りますと、ここで内科と耳鼻科の収入が伸びてい るとなっています。ところが、TKCでは内科は0.3%マイナス、耳鼻科は3.6%マ イナスになっているのです。いずれも減収なのです。ここで5ページのところ、客体数を ごらんください。非定点で、かつ客体数がこのような数字だということで、診療科目別に して伸びているというのは、これは無理があるのではないかと申し上げたいと思います。 今後の改定の議論に重要だと思いますので、申し上げさせていただきます。 ○対馬委員(代理椎名氏)  お答えしたいことはいっぱいあるけれども、取り下げます。 ○渡辺委員  この御提出いただいた分析ですが、なぜか歯科診療所がないというのはいかがなことで そうなのか。全体の比率も約8%から7.7%に落ちていったということで、その意味が ないということなのかどうかわかりませんが、実は、先ほど小林委員のほうから、この改 定の影響が収入にどうインパクトしてくるかという問題、そういう点をとらえるべきだと。 あるいは前回のときも、経費削減等の経営努力がどうかということも踏まえながらやって いくべきではないかというお話がありました。  そういう意味を踏まえて、前回、日本歯科医師会としては経年的なものを出させていた だきました。そのときの理由は、歯科の場合の調査は規模の変化がほとんどない。ほとん ど同じような状況で調査が行われているということをもって経年的な流れを出させていた だいたところであります。そういう点で、病床数あるいは施設数の大きな変化のある中で の比較ではないということを申し上げておきたい。厳しい状況であるということを前回出 させていただきましたけれども、前年度比約700億円のマイナスになったということは、 我々としては大変な痛手であるという現場の声をぜひ理解いただきたいと思います。 ○土田会長   そろそろ時間がオーバーしていますが、もうちょっと延長しますか。 ○鈴木委員   今の一般診療所は黒字だ、黒字だという話だったですけれども、トレンドで見て、経常 収支の差額率は経年的にトレンドとして下がっているということはこのグラフでも出てお りますし、一般診療所が赤字になればいいのかといったら、とても医療提供なんてできま せんので、その辺のところはよくおわかりだと思いますけれども、念押しをしたいと思い ます。一方で、病院がこういう状況だということ自体が問題で、そこを手をこまねくなん てことは断じてあってはならぬということだと思います。 ○土田会長   基本的な指摘だと思います。ですから、この間も申し上げましたように、医療機関ある いは診療所も含めてですが、収入は診療報酬だけですから、したがって、診療報酬がマイ ナスであるということはこれ以上続けていかないということになります。ですから、当然 プラスであるというのが正常な姿だと僕は認識しておりますので…… ○松浦委員   ちょっといいですか。 ○土田会長   それに異議申し立てですか。 ○松浦委員   条件が…… ○土田会長   それは基本的なそういうスタンスですから、ただ、経営改善の余裕があるとか、あるい はそれは先ほど小林委員が言われたことですから、今回あるいは前回の改定によって経営 状態はどうなってきたのかというところはきちっと見ていく必要はあるということです。 ○松浦委員   私のところの市立病院はかつてワーストワンで、それが今は繰り入れしないで黒字にな っています。ですから、決して公立病院は、言い訳ばかり聞いていたらだめですよ、心を 鬼にして経営改善に当たれば、私はやれると思うのです。だから、そういう経験を私は持 っているものですから、だから、あえて言わせてもらいますが、今診療所も成り立たなけ ればいかぬ、大病院も成り立たなければいかぬ。大病院、診療所も、成り立つにはそれな りの条件はクリアしてもらわなければいかぬ、こういうことです。 ○土田会長   御意見として受けます。ただ、基本的には、全体の認識としては、先ほど邉見委員から 話がありましたように、明らかに病院の経営は苦しくなってきている。非常に苦しいとい うことは、そのために勤務医の状態が非常にシビアな状態になっているということは共通 の認識です。ですから、今松浦委員の発言を全面的に否定するわけではありませんが、非 常にすばらしい経営をなさって改善されたということは非常に尊重いたしますけれども、 ただ、それがすべて当てはまるというふうには皆さん思っておりませんので。 ○松浦委員   実はこの病院を立て直していく過程、それから立て直してからも、全国からたくさんお いでになるのです。だから、私は皆もまねしてくれてだんだんよくなるのかと思ったら、 全然ならない。それで、かえって最近坂出の市立病院は特別だと言う。とんでもないです。 こういうことを言わせていたら、いつまでたっても公立病院は改善できません。 ○坂本専門委員   この調査ですけれども、先ほど丸山委員が御指摘になったように、一定の幅を持ったト レンドを見るという程度でしまっておかないと、ここでどんなに議論していても前に進ま ないと思っております。  邉見委員がおっしゃったように、地方行政を預かっている立場から発言しますと、松浦 さんのような立派な病院もありますけれども、大方は地方の公立病院は疲弊しております。 ちょうど私の病院でも、最近2名のドクターが退職されるということで、本当に医療の崩 壊が進んでいると思っております。これの一番もとは、こんなことを言っては悪いですけ れども、小泉改革の中で小さな政府を目指して医療や介護やいろいろなことが荒廃してき ている、そういうところに一番大きな原因があると私は思っております。この医療従事者 が元気が出るような、ドクターだとか看護師さんだとか、関係者の元気の出るような報酬 改定を目指していただきたいと思っております。内閣がいろいろ制約を言っておりますけ れども、中医協は意見としてそういうものをちゃんと打ち出していかなければ、何も右へ 倣えというようなことではいけないと私は思っておりますので、よろしくお願いします。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  これで最後にしたいのですが、よろしいですか。今日はフリートーキングですから、別 に結論は出しませんけれども、どうぞ。 ○勝村委員  では、私と小林委員で最後に。 ○土田会長  手を挙げていましたか、ごめんなさい。 ○勝村委員  僕はこの種の議論をするときにはぜひお願いしたいと前から言っていることなのですけ れども、絶対的な観点での議論と相対的な観点の議論を分けてやってほしい。そこを混同 してしまうと、どっちもいいかげんに終わってしまうと思うのです。絶対的に医療機関は 全部プラスであるべきだろうと、そういう意見は結構だし、去年と比べて苦労しているの だとか、そういう絶対的な議論は議論で、もちろんしていただいていいと思うのですが、 それとは別に、例えば今回の2ページ、3ページにあるように、相対的に横に比べてみて どうなのだ、という問題。この議論こそ、ほうっておけないというのがここの中医協の責 任だと思うのです。  僕は17年ほど前から医療に関心を持ちましたけれども、いろいろなお医者さんとお話 しさせていただくようになりましたけれども、当時から勤務医は大変だと、当時から病院 は赤字だとずっと言われてきて、ここに来て、新たな研修医制度とかいろいろあって、い よいよ大変だと言ってきているわけです。この間、病院の代表の人たちは何をしていたの かと思ってしまいますけれども、これまでは中医協に病院の代表の人たちが出られていな かったとか、そういうことがあったからか、何が原因かわからないですけれども、やはり 僕らはこの2ページ3ページの資料を見て、一国民として医療を受ける立場からして、例 えばこども病院はこんなままでほうっておいていいのかなということなのです。だから、 ぜひそれは相対的なものについては相対的に見る視点で、この格差はなくしていかなけれ ばいけないという立場は立場できっちり示してほしいと思います。 ○小林委員  病院経営が大変だということはそのとおりだと思うのです。もちろん松浦委員が言うよ うなグッドプラクティスというのは共有していただかなければいけないとは思うのですけ れども、経営というのは内部環境を改善すればいいだけではなくて、やはり外部環境によ って非常に大きなインパクトを受けるわけで、いろいろな地域によっての差というのが非 常に大きいのだと思うのです。そこで診療科をなくしてしまうわけにはいかないという、 そういう需要もあるという状況だと思うのです。  ですから、その部分は見なくてはいけなくて、それは日本の医療を支えていくわけです から、医療政策として考えていかなければいけないし、そういう観点で診療報酬について も、こども病院をはじめとして産科勤務医について厚く考えていかなければいけないとい うことはやはり前提なのだろうと思います。 ○土田会長   ちょうどまとめ的な御意見だと思います。  今日は、先ほど言いましたようにフリートーキングということでいろいろ意見を承りま した。それで、今日の議論はこのあたりにしたいと思いますが、前回の診療報酬改定のと きには、1号側及び2号側から、この総会の場に診療報酬改定に向けた基本的な考え方と いうものを提出していただいております。そこで、よろしければ、今回の改定におきまし ても、次期改定に向けて、1号側委員及び2号側委員のほうから御意見を提出していただ きたいと思います。それを踏まえて改定に向けてどういうふうに中医協が向かうかと判断 していきたいと思います。  その際、もう一度お願いしたいのは、1号側、2号側、それぞれある程度利益団体です から、当然自分たちの利益に基づいた、あるいは自分たちの立場に基づいた御意見という ことはもちろん基本だということは承知しておりますけれども、ただ、その場合に、国民 医療としてどういう方向にあるべきかという視点をぜひ忘れないで、そこの広い立場で将 来をある程度見据えたような、そういう御意見をぜひ出していただきたいということをお 願いいたします。 ○松浦委員  それはいいのですけれども、それについては診療報酬だけに頼ってもできないと思いま す。 ○土田会長   それは、もちろん当たり前のことですので…… ○松浦委員   だから、そこはどういう政策をやってくれるのか。 ○土田会長   先ほどあえて答えませんでしたが、医師不足については基本的に医師を増やすというこ とが必要なわけですが、それに対して診療報酬でどうのこうのできるわけではありません から、それは皆一応前提としてわきまえている意見だろうと。 ○松浦委員   革命的な取り組みをすると大臣はお答えになっていますから、そういう点を具体的に出 していかないと……。 ○土田会長   ですから、それを踏まえながらの診療報酬改定ということですから、それは恐らく皆さ ん御承知の上のことだろうと僕は認識しておりましたので、先ほどの御意見についてはあ えて申し上げなかったのですが、今もう一度松浦委員から発言がありましたので、そうい うことを踏まえながら御意見を出していただきたいと思います。  それでは、今日の総会はこれで終わります。時間を延長して、どうも申し訳ございませ んでした。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)