07/11/09 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年11月9日議事録 07/11/09 中央社会保険医療協議会          第108回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成19年11月9日(金)10:00〜11:55 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史小委員長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 前田雅英委員       対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 松浦稔明委員  竹嶋康弘委員 鈴木満委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員        <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 磯部薬剤管理官 他 (4)議題  ○後発医薬品使用促進のための環境整備について       ○訪問看護の充実について       ○在宅医療を支援する病院の評価について       ○疼痛緩和の推進について (5)議事内容  ○土田小委員長  ただいまより、第108回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催い たします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、高橋委員、白石委員及び室 谷委員が御欠席されております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、最初に、「後発医薬品使用促進のための環境整備」を議題としたいと思います。  本件につきましては、先月の17日のこの小委員会において一度議題として取り上げま した。その際、診療報酬改定結果検証部会における本年度特別調査の速報を待って、さら に踏み込んだ議論を行うことといたしました。今週の水曜日の検証部会におきまして「後 発医薬品の使用状況調査」の速報が取りまとめられておりますので、これもあわせて事務 局より資料の説明を最初にお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協診−1−1の資料と、それから中医協診−1−2の資料 を御説明いたします。診−1−2の資料は、先般報告されました「後発医薬品の使用状況 調査」の速報でございます。こちらの参考資料を適宜参照していただきなから、診−1− 1の資料に沿って説明をしていきたいと思います。  まず、参考資料の7ページをごらんいただきたいと思います。図表12でございます。 「後発医薬品への変更可」欄に処方医の署名等がある処方せんの割合、これが全体の17. 4%でございました。前年、18年度の調査では17.1%ということで、あまり変わっ ていないという結果でございます。また、この17.4%の処方せんの内訳として、実際 にその中で後発医薬品に変更したものの割合は図表13でございますが、8.2%でござ います。これは前年5.7%から若干ながら伸びているということであります。したがい まして、この掛け算をいたしますと、全処方せんにおける変更処方せんの割合は1.4% と、前回は0.98%でしたので、そこよりは、数字は低いですけれども若干ながら伸び ているという状況でございます。  9ページをごらんいただきたいと思います。「変更可」の欄に署名がなくても、もとも と後発医薬品を使っているという処方せんがございますので、その分につきまして、期間 は1週間と短くせざるを得なかったのですが、実際に後発医薬品を銘柄指定しているもの がどれくらいあるかと見ましたところ、図表17、22.1%が実際に後発医薬品を指定 しておりました。また、同じ期間で「後発医薬品への変更可」と書いた処方せんが17. 5%ということで、これだけからいきますと、合わせて約40%弱が後発医薬品を使用ま たは変更ができるという処方せんになっているという状況でございました。  10ページをごらんいただきたいと思います。図表21でございます。後発医薬品につ いて、変更できるというときに、患者さんに説明をしたけれども、希望しなかったという 方がおられます。その理由につきましてはどういうものかということを尋ねたところ、薬 剤料等の自己負担の差額がもともと小さくて変更する動機にならない、あるいは後発医薬 品に対する不安があるというものが30%ということ、この2つの理由が大きなものとし て挙げられておりました。  それから12ページをごらんいただきたいと思います。上の図表25でございますが、 薬局における備蓄医薬品数がどう変わったかということで、昨年の10月と今年の7月と を比較しております。全品目でいきますと、6.5%ほど伸びて842品目がそろえられ ている。それから、うち後発医薬品の数は76品目から94品目と、約24%伸びている ということでございます。  それから、薬局としてこの後発医薬品をどんどん進めるためにどうすればいいかという ことで、13ページの図表28をごらんいただきたいと思います。やはり、後発医薬品に 変える場合に、患者さんに十分に説明しなければいけないということで、その説明するだ けの時間とか、あるいは品目をそろえるための備蓄のコスト、これらに見合った調剤報酬 上の評価が必要だという御意見が半数でございました。またそのほか、メーカーによる情 報提供や安定供給の確保ということが20%ございました。  それから、今回は診療所や病院、あるいはそこにおられる医師に意見等を聞いておりま す。飛びますが、20ページをごらんいただきたいと思います。図表51でございます。 実際にこれは病院における外来処方に際しての後発医薬品の使用をこの病院としてどのよ うに考えているかというところでございまして、408病院から回答がございまして、後 発医薬品を積極的に使用するという方針を決めているのが20%ございました。一方、ほ とんど使用しないというのが12%、また、個々の医師の判断によるということで、それ が半数の51%でございました。  それから、今度は病院外来の診療医師に聞いております。後発医薬品の銘柄指定をした 院外処方せんを発行した経験があるかということに対しまして、651人の担当の医師が 75%あると。4分の3の担当医は、後発医薬品の銘柄指定をした処方せんを発行したこ とがあるということでございました。  21ページでございますが、一番上の図表53ですが、「後発医薬品への変更可」の欄 に署名した処方せんを発行した経験があるかと聞いたところ、診療所・病院とも60%を 超える医師が「変更可」欄に署名したことがあると答えております。  それから、これらの「変更可」と書いた医師に、例えば患者さんが希望したから書いた のですかと、このように聞いているわけですけれども、図表54では、患者の希望で「変 更可」に署名したというのが90%以上であるというのが、診療所で22%、病院で1 7%ということで、患者さんが希望してようやく署名したのがこの割合。患者の希望によ ってやったというのが10%未満、ほとんど医師側の意向で「変更可」欄に署名したとい うのが一番左の62%、あるいは59%というところでございまして、患者さんから言わ れてというのも若干ありますけれども、多くは医師の自発的な形で「変更可」欄に署名を しているということがうかがえます。  それから22ページをごらんいただきたいと思います。図表57でございます。医師が、 後発医薬品についてどの程度意識があるかというところの中で、後発医薬品の薬事承認に 必要なデータ、例えば血中濃度が先発品と変わらないでありますとか、そういう条件があ るわけでありますが、それを知っているかということを聞いたところ、2割強の医師が大 体知っている、それから3割から4割近くの方が少しは知っている、一方で4割程度の方 はほとんど知らないという状況であったということでございます。  それから23ページ、図表58でございますが、後発医薬品の処方についてどのように 考えるかということを聞いております。全体で11%の医師が、患者からの要望がなくて も積極的に処方をしている。それから、全体として70%程度は後発医薬品についての処 方について特にこだわりはないと。ただ一方で、18%ほどは、やはり後発医薬品は基本 的には処方しないのだと。このような方針で、全体としては80%強の医師が後発医薬品 の使用についてはほとんどこだわりがない、あるいは積極的に使用すると、こういうよう な状況でありました。  それから次の24ページでございますが、後発医薬品に薬局の方で変更した場合に、処 方せんを発行した医療機関に情報提供をするわけですけれども、どのような方法で情報提 供が望ましいかということを聞いております。図表60ですが、一番多いのは、FAXで 送ってくれるのがいいというのが4割強であります。それから次いで診療所では電話で連 絡してほしいと。それから病院のほうでは、逆に電話よりも患者を通じて知ればいいとい うようなこと、あるいは郵送という順番になっております。  情報のもらうタイミングとしては、診療所のほうは、変更調剤が行われた都度すぐに言 ってほしいと、これが70%ほどであります。それから、それに対して病院のほうは、そ れも48%ですが、次の診療時に提供されればよいということで、それが44%ほどござ います。このあたりは、患者さんからのいろいろな取い合わせに即座に診療所は答えなけ ればいけないというか、身近な存在なのかもわかりません。病院のほうはどちらかという と、次回来られるまでにというようなところも多いのだというような結果でございました。  以上が、今回の特別調査の中から出ました結果の主なところでございます。  それから、本体のほうの3ページに戻りますけれども、これらの調査のほかに、前回、 消費者、使う側の意識がどうかという御質問がございましたので、ここでは平成18年の 公正取引委員会の消費者モニターアンケート調査からデータを引っ張っております。この 調査によりますと、後発医薬品か先発医薬品を選ぶ場合に、必ず後発医薬品を選ぶという 方が30%強、それから場合によっては後発医薬品を選ぶという方が65%、必ず先発品 の選ぶのが3.3%という割合でございました。  それで、場合によっては後発医薬品を選ぶという場合に、では、どのような場合にやり ますかということを聞いております。4ページの図表2でございますが、78%の方が、 安全性や効き目に不安はあるけれども、医師や薬剤師から安全性や効き目について説明を 受けて納得できた場合には選びますと、こういうことなので、医師や薬剤師からの説明と いうのはかなりポイントになってくるのではないかという結果でございました。  そこで、論点でございますが、これは、前回も少し示した部分もございますが、繰り返 しになるところがありますが、まず、処方せん様式についてでございます。先ほどのよう に、後発医薬品の処方について、積極的に処方する、あるいは特にこだわりがないという 医師が8割強でございました。それから消費者のほうも、説明があれば多くの方が後発医 薬品を選んでいただけるだろう、こういうようなことがございます。また、先日御報告い たしました後発医薬品の使用促進のアクションプログラムの中でも、いろいろ、患者や医 療関係者が安心して使用することができるような、そういう体制の整備をしっかりしてい くという取り組みをすることとしておりますので、後発医薬品の使用の環境は随分とそろ っているのではないかと考えられます。  そこで、これらを踏まえまして、処方せん様式について、平成18年度「変更可」とい う欄を設けたわけでありますが、今回、その欄につきまして、後発医薬品への変更を原則 として、逆にそこの欄では、変更しないと、変更してはいけないという場合に署名をする、 あるいは記名・押印を行うという形にしてはどうかということを御提案したいと思います。  本体資料の8ページをごらんいただきたいと思います。ここでは「別紙1」と書いてあ りますが、これはほぼ現行の処方せんの様式ですが、その中で、この備考欄のところでご ざいます。現在は、「後発医薬品への変更可」と書いてあるわけですが、そこの欄を例え ば「後発医薬品への変更不可の場合、以下に署名」をしてください、このような形で注書 きをして、この後発医薬品に変更してはいけない場合にのみ署名をしていただいてはどう かということでございます。  ただ、先発医薬品について、やはり全部だめとは言わないけれども、これだけは残すべ きだと、これだけは変更に差し支えがある、そのような場合がございますので、その場合 には、ここの欄に署名をせずに、本体の次の9ページでございますが、例えば処方欄に、 ここではA錠、B錠と書いてありますが、このA錠は、そのまま何も書かない。B錠は、 その右の方に「変更不可」と書いてあります。このような形にして、何も書かない場合、 A錠は後発医薬品に変更してもいいけれども、B錠、これは変えてはいけません。このよ うな形で、変えてはいけない部分だけを「変更不可」にしていただく。先ほどの署名欄に つきましては、全部だめな場合だけ署名していただくということなので、こういう一部だ け変更不可という場合にはこの欄には署名は行わないという形にしていきたいと考えてお ります。  本体の5ページに戻っていただきますが、このように、原則、後発医薬品への変更が可 と、変更してもいいという形にして、全体がだめな場合に署名、あるいは記名・押印、あ るいは一部がだめな場合、だめなものの横に「変更不可」と記載する。このような形で処 方せんの様式を変更してみてはどうかと考えております。  このような処方せんを受け取った薬局側におきましては、もちろん患者に十分な説明を いたしまして、患者さんの同意を得て、この後発品に変更することができるような形とし ていきたいと考えております。  そこで、5ページの2の(1)でございますが、このような中で、先ほど見たように後 発医薬品の銘柄処方もたくさんありましたし、薬局においては現在備蓄品目も、特に後発 医薬品の品ぞろえをしている状況にございますし、それから、先発品1品目に対して多数 の後発医薬品がある場合に、その品ぞろえをどうするかという問題も問題になっておりま す。  そこで、原則的にこの「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名あるいは記名・押 印がない処方せん、ちょっと長ったらしいので、「「変更不可」欄に署名等がない処方せ ん」と以下いいますが、そこに記載された後発医薬品、銘柄指定をされた後発医薬品につ いて、薬局側で後発医薬品同士の銘柄変更をできるようにしてはどうかというのが(2) のところでございます。  なお、この場合においても、やはり後発医薬品の銘柄指定であっても、この後発医薬品 しかだめだという場合もございますので、もちろんその場合には先ほどと同様、後発医薬 品の後ろに、横に「変更不可」と書いていただくことによって、これは薬局側で変更して はいけないという表示をしてもらいたいと考えております。  それから次のページの3番でございますが、これは前回も少しお話しいたしましたが、 「患者の服用のしやすさが損なわれないことを前提に」でありますが、剤形の変更をして いけるようにしてはどうかということでございます。これはいろいろと先発品も剤形を少 し変わった形で発売する場合もございまして、剤形まで全く同じの後発医薬品をそろえな ければいけないかと、そういう問題もありますし、また、その剤形が変わったときに後発 医薬品が出てくるまで期間がある、そういうような場合に、飲みやすさ、服用のしやすさ、 これは大きな観点ではありますけれども、患者がそれは構わないということであるならば、 剤形を変更してもいいという形にしてはどうかということでございます。  また、これも同様に、やはり処方側で、これは変更しては困るという場合には、「変更 不可」という記載を処方せんにしていただくということにしてはどうかということでござ います。  これら後発医薬品、さまざまな形で薬局側で調剤変更できるような形にいたしますけれ ども、ただ、薬局側で、先ほども見てきましたけれども、若干ながら増えてはいますけれ ども、まだまだ変更が進んでいないという状況もございますので、薬局側の先ほどの意見 としても、備蓄コストの問題もあるということでございましたので、薬局の調剤基本料の 部分において、例えばここでは後発医薬品の調剤率、ある期間の全受付処方せんのうちの 実際に後発医薬品を調剤した処方せんの割合、これが一定以上の場合は差をつけて重点的 に評価をしてはどうかという提案でございます。これによりまして、薬局側での後発医薬 品の調剤率を上げていこうという意図でございます。  それから、これは処方せん料について、現在「変更可」欄に署名していただく、あるい は後発医薬品の銘柄指定の処方せんを出していただく、そのときには、これは調剤品目数 によりますけれども、通常の処方せん料よりも2点高く評価をしておりますが、今回先ほ どの「変更不可」欄に署名をしていただくという形にしますと、原則後発医薬品になりま すので、あまり後発医薬品に変えるという手間はなくなる。逆に、後発医薬品を使っては いけないという場合に手間がかかるということで、この従来後発医薬品の利用促進のため の2点というのは逆にここでは評価できなくなってしまうということで、この部分につい ては差をなくすということを考えてはどうだろうかというふうに思っております。  それから6番目でございますけれども、これは初めて後発医薬品に変わるような場合、 一定期間の観察も必要ですので、分割調剤をしてはどうか、これは前回もお示しをしたと ころでございます。  それから7番目でございますが、診療報酬ではなくして、保険薬局及び保険薬剤師療養 担当規則、薬担規則といっておりますが、この中で保険薬剤師について後発医薬品促進の 規定を設けてはどうか。ここでは、例えば「保険薬剤師は、保険医の交付した処方せんに 基づき、患者に対して、後発医薬品に関する説明を適切に行うこと。」、また、「保険薬 剤師は、後発医薬品を調剤するよう努めなければならないこと。」、このような規定を設 けてはどうか。  また、処方する保険医側でも、使用を考慮してもらうために、いわゆる療担規則の中で、 「保険医は、投薬、処方せんの交付又は注射を行うに当たって、後発医薬品の使用を考慮 するよう努めなければならない」旨を規定してはどうかということでございます。  資料の説明は、私どもからは以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。具体的な変更の提案が入っているわけでございます。  その前に、日本医師会の方から、後発医薬品の使用に関するアンケート調査の資料が提 出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○鈴木委員  まず1ページ目でございます。このアンケートの目的が、過去2年間ということに区切 りました。また、そういう意味での後発品のいろいろな不具合等を含めた履歴がきちんと 文書で残っているということになりますと、どうしても病院が対象になると思われました ので、薬剤師会の会員が所属する病院の病院長、それから特定機能病院の薬剤部門の責任 者と、特定機能病院の病院長に対しまして、使用状況に関する調査、個別問題事例に関す る調査、先発医薬品の使用状況に関する調査を行いました。  2ページ目でございますけれども、後発医薬品の使用・処方経験の有無。これは先ほど 課長からの話よりも、病院に限っておりますところから、非常に数字としては多く出てお ります。後発医薬品のシェアは17.1%となっておりますけれども、病院単位で見ます と、約94%の病院が過去2年間で後発品の使用・処方経験がございました。これは、各 病院、薬事委員会等で慎重審議の結果、採用しておりますし、また一方で、経営改善とい う面もあるかもしれません。  3ページ目でございます。使用中止した事例があった病院の割合でございますけれども、 後発医薬品では35%。先発が恐らくこれを下回ると思ったのですけれども、追加してや りましたところ、右の例がございますように、N数が2,800と60とは違いがありま すけれども、先発は後発以上の使用中止というようなことが見られております。これは恐 らく直近に抗がん剤のトラブルがございましたので、そういうようなものが入っているの かもしれませんけれども、先発品の方がかえって多いというような結果にはなりました。  それから、中止事例のタイプでございますけれども、4ページでございます。後発医薬 品では、やはり供給体制の問題が最も多く、品質の問題という形で、後発品・先発品とも 同じような傾向でございました。  品質というところに一番関心がございますので、後発品の品質の問題というようなこと で、回答をちょっと表にしてみますというと、5ページでございます。後発のこれは内服 薬に限ってどういう意見があるかと申しますと、後発内服薬の品質の問題による中止事例 があった232病院のうち、97病院が「薬剤の破損・変色・非溶解等の剤型の問題」を 理由として挙げられております。63病院が「使用感の問題」、そして61病院が「体内 の溶解度や安定性の問題」をこの中止事例の理由として挙げてございます。  後発の外用薬はどうかといいますと、次の6ページになりまして、この使用感の問題、 これは、べとつくとか、はがれにくいとかというようなことになりますのですけれども、 その辺が一番多くて中止したようであります。  7ページは注射薬でございまして、これは「容器・包装・表示の問題」が理由として挙 げられております。次いで「使用感の問題」、「薬剤の破損・変色等の剤型の問題」とい うような形の回答であります。  それから8ページは、60病院での過去2年間の後発医薬品の中止事例ということを集 めました個別問題事例ということになりますけれども、最も多かった問題は「副作用の問 題」でございまして20例。それから「供給体制の問題」で14品目ということにまとま りました。  9ページでございますけれども、使用中止の有無でございます。品質・副作用・効果の 問題でございますけれども、これはN数が違いすぎますので、変わらないのではないかな という感じであります。  10ページも同様で、これを供給体制、情報提供体制による使用中止の有無ということ でございますけれども、これも先ほど申し上げたN数が違いすぎますので、本当に参考程 度の数字でございます。  11ページが処方せん様式の変更ということで、病院長に聞いておるわけでございます けれども、「様式の変更に反対」というのが34.9%、「様式の変更に賛成」が26. 1%、「わからない」が34.9%という、こういう現状です。  12ページは、調査の限界というのをリストアップしてあります。まず、病院がデータ の単位になっていること。それから、医薬品全体での問題発生率は捕捉できておりません し、使用品目数や使用率の違いが全く考慮されておりません。また、後発医薬品を慎重に 選択して使用しているため、問題による中止事例はないと回答した病院も、自由回答欄で ございました。それから、問題を報告しなかった病院でも、後発医薬品の使用促進につい て不安があるというコメントが多く見られました。普及している医薬品にトラブルがある と、問題発生率は高くなります。厳密な対照調査にはなっておりませんけれども、副作用 と効果については、「先発品に比べて」問題が大きいかどうかというようなことを質問し た結果でございます。  13ページでございますけれども、過去2年間で、約94%の病院が後発医薬品の使 用・処方経験を持ちました。そのうち35%の病院が何らかの問題で後発医薬品の使用を 中止した経験、これは1品目でもですけれども、そういう事実がございます。一方、先発 品医薬品で中止事例があった病院の比率は61.7%というようなことになりましたので、 これがどれだけの意味を持つかというのは難しいところであるかもしれません。資料中止 の理由として最も多かったのは、メーカーの供給体制の問題というようなことになるよう であります。副作用の問題が、調査(2)の、これは個別事例の発生というところでございま すけれども、そこでは副作用の問題が最も多く挙げられておりました。先発品に比べまし て、後発医薬品の使用に大きな問題はないものの、処方せん様式の変更については賛成が 26%、反対が約35%でございました。慎重な後発品の使用促進が求められると思いま す。  最後、結論でございますけれども、後発医薬品には全く問題がないわけではなかった。 後発医薬品への不信感から慎重に選択して使用をしている可能性が非常に高い。特定機能 病院を対象とした個別問題事例調査からは副作用の問題が最も多く報告をされております。 現時点で、後発医薬品の全面的な使用促進というものはリスクが高かろうというふうに判 断をいたします。これは経済課でもアクションプログラムで課題にしておりますように、 ロット番号による品質確認というのは後発品では大幅に遅れておりますので、その辺の品 質の保証ということが求められると思います。処方せんにおきましては、このかかる背景 下では、銘柄指定をすることなど、医師の裁量権と責任を明確にする仕組みが必要だとい うふうに考えます。  以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。大変参考になる結果だと思います。  それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どうぞお願 いします。 ○西澤委員  今の日本医師会さんのアンケートの結果でも、医療現場ではやはり後発医薬品の使用を 推進するという立場で、しかしながら、患者さんに対する責任というものを感じながらや っているのが浮かび上がってきたのではないかなと思っています。私たちも同じ姿勢でご ざいます。  その中において今回の提案でございますが、一つ二つだけちょっと考え直していただき たいのは、剤形の変更でございますが、細粒と書いたものを例えば錠剤、あるいは錠剤と 書いたものを細粒、これは私たち現場において、患者さんにきちっと説明する中で、飲み やすさ、あるいはほかの薬剤との関係でもって説明しながら選択しております。そこを変 えられるのはちょっとつらいなと思っています。すなわち、後発医薬品の推進であれば、 細粒から細粒の後発、錠剤なら錠剤からの後発で何ら問題ないと思いますので、剤形の変 化は考え直していただきたいなと思っております。 ○土田小委員長  確かに医師会の調査でも、剤形の問題がかなり大きく取り上げられておりますので、今 回の一つのポイントかなというふうに承っておりましたが、今の問題について事務局のほ うではいかがですか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。今の御意見、よくわかるところでございます。それで、我々 の問題意識が、先ほど医療課長から申し上げたように、特に先発医薬品で、特許切れが近 いところでよく出ますのが、いわゆる口腔内崩壊錠ということで、OD錠とかD錠という 形で、水を飲まずに口の中で溶けるという、こういう剤形でございます。そうしますと、 それに対する同じ口腔内崩壊錠の後発品をつくるのに若干遅れが出まして、もともとの普 通錠については、後発医薬品があるのだけれども、その口腔内崩壊錠も、あくまで同じ先 発医薬品と後発品と同じデータで承認をされているにもかかわらず、そのためになかなか 変更ができにくいということについての問題意識があるわけでございまして、あくまで同 一の先発医薬品と同じデータ、いわゆる後発品と同じデータで認められている先発メーカ ーが出すそういった剤形についてはどうかという問題意識でございます。  ただ、今の西澤委員のお話に関しまして、例えば、先ほどの「変更不可」というのがご ざいましたけれども、これは特に患者さんとお話をして、この剤形がこの患者さんに一番 いいのだというようなことがあった場合に、「変更不可」でも、特に「剤形変更不可」と か、そういった書き方というのも一つの検討をする余地があるのではないかというふうに は思っておるところでございます。 ○鈴木委員  処方せんの様式でございますけれども、この「変更不可」というふうに右に書いてござ いますけれども、手書きの場合は判こを押したりなんかして、これでよかろうと思います が、パソコンを使ったりなんかしますと、アスタリスクであるとか、あるいはアスタリス ク以下は変更不可というようなふうに区切るとか、何かもう少し違った様式も考えられる のでないかというふうに思います。先ほど申し上げましたように、非常に後発品の場合は 品質を信頼するというところが大事なものですから、銘柄を尊重していただきたいと思い ますので、それが1つでございます。  あともう1つは、薬局の調剤基本料を見直すというようなことでありますけれども、こ れは在宅療養支援診療所のように、後発医薬品の調剤が多いとすべてを底上げするのかど うかというところがちょっと不明確で、そこの辺がどうなっているのか。それからまた、 分割調剤、趣旨はいいのですけれども、この2点に関して経済誘導というのは非常に問題 があると思いますので、その点に関しては賛意は表しかねるということであります。 ○土田小委員長  今3点お話がありましたが、一番最後のほうは、これは御意見ということだと思います が。 ○鈴木委員  はい。 ○土田小委員長  前の2点の、様式をパソコンで使う場合等々に合わせてもう少し工夫ができないかとい うことで、これについてはいかがでしょうか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  一つ、例えばアスタリスクをつけるとか、そういった場合に、これまでも実は院外処方 せんの場合に我々問題意識がありますが、例えば約束処方というような形で、ある薬局の 方だけはわかる、ただ患者さんにはその意味がどういうことかわからない。例えば記号で 書くとかそういうようなことがございまして、そういったものは院外処方せんの場合は問 題があるというようなことで、我々もそういうことはないようにという指導をしてきてい るところでございますが、例えばアスタリスクみたいなものの場合に、すべからく、患者 さんも、例えばどこの薬局に行くかわかりませんので、そういうところで、それが明確に 「変更不可」という意味なのだということがわかるかというとちょっと問題があろうかと 思います。その辺の工夫が一つ要るのではないかというふうに思っているところでござい ます。 ○鈴木委員  外国の事例でも、この四角にマークするというようなものもございましたので、その辺 も検討していただきたいと思います。 ○土田小委員長  検討していただきたいということです。  ほかにございますか。 ○山本委員  今回の調査の結果でありますけれども、数字を拝見しまして、実は予想以上に説明が進 んでいないという意味で言いますと、薬剤師会としては後発品の使用促進に積極的に協力 をする姿勢を持っておりますし、会員に対して指導してまいったわけでありますが、例え ば資料の診−1−2の10ページですと、説明したのが10%以下だったことにつきまし ては、大変まだ十分な周知が足りていない、あるいは会員に対する説明が十分に済んでい ないという意味では、さらにこれからも会員はじめ薬剤師に周知を進めなくてはいけない という認識を持っております。また、「後発品への変更可」という処方せんが増えながら 患者に対して十分に説明ができていないという点につきましては、これからも大きな課題 として認識をしていきたいと思っております。  それを踏まえた上で、今回の御提案がありました薬局にも関わる処方せんの変更、後発 品の使用に関する部分でありますけれども、この資料にもございますように、まずは説明 に極めて時間がかかるということからしますと、そういう姿勢は持っておりましても、説 明をし、かつ患者さんに理解をしていただく。特にお薬の差を見分けるわけでありますの で、十分な情報をわかりやすく説明しながら説明していくということについては意外と時 間がかかっておりまして、多少腰が引けてしまうのではないかという反省は持っておりま す。  その一方で、いざ説明をし終わってみますと、同じように参考資料の10ページであり ますけれども、価格差があまり大きくないから変えなかった、あるいは品質に不安がある ということが変更しない大きな問題として挙がっております。実は、薬局の窓口で、処方 医の先生方が後発品についてお話しになった上にさらに私どもが話をするわけであります が、根っこの部分で不安がある方々に御説明していくことについて大変難しいという問題 認識を持っております。薬剤師会でも会員が使いやすいような情報提供のためのデータベ ースもつくっておりますし、できれば来月ぐらいからオープンにしたいというようなこと も考えておりますので、それを含めて今後それに対応したいと思っております。  それを踏まえた上で、ここに御提案のあります後発品から後発品への変更という部分で ありますが、明らかに調査の結果から見ますと、処方された先生方がお薬にこだわってお られることについては十分に認識しておりますが、特にこだわりのない先生方も多くおら れるということですので、できましたら、後発品に「変更可」、そういう条件の中では、 後発品同士の変更ができますと、この先、薬剤師としても在庫の負担が軽減しつつ、より 積極的に参画ができるだろうと思っておりますので、このあたりの御提案につきましては ぜひお進めいただきたいと思っております。  先ほど御懸念がございました、薬剤師は経済的に引っ張られて何でもかんでも変更して しまうのではないかという御不安がおありのようでありますけれども、そこにつきまして は、私ども薬を扱う者として、医薬品がどうであるかということがまずあり、その上での 後発品でありますので、基本的には後発品を薬剤師の目できちんと評価した上で、十分に 御説明できる、患者さんに納得できる情報を示した上での変更でありますので、単純に点 数がついたから、ということはしないと私は信じておりますし、そのように指導するつも りでありますので、ぜひそのあたりは御理解いただきたいと思います。  それからもう1点、お試し分割の部分ですが、先発品から後発品に変わる場合に一回は どうだというお話でありますが、ここは私もそういうふうな考えには賛成です。もちろん 患者さんも不安をお持ちでしょう。私どもももちろん十分に選択はいたしますけれども、 何が起こるか分からないという意味では、不安も多少ございますし、処方された先生方の ほうも、他のものに変わることに不安もありましょうから、こうした意味でのお試しをし てみるということについて評価いただければ、薬剤師としてもより積極的に貢献できます し、かつ患者さんが安全に、しかも安心してお薬が飲めるということになりますので、そ のあたりについても御評価いただければありがたいと思います。  さらに、現実の問題として、薬担の中で薬剤師に対して後発品について説明せよと書か れますことについては、正直申し上げて大変厳しい書き方でありますが、現に調査の結果 がこうしたことでありますと、やはり薬剤師としてどう後発品使用に貢献をするかという ことからしますと、このあたりの説明の責任については、いろいろ条件があるのかもしれ ませんけれども、積極的にかかわっていく、あるいは取り組んでいくという姿勢は必要だ なと考えております。  ただ、1点だけ、4番で御提案されています調剤基本料の部分でありますけれども、こ こは確かに後発品使用について積極的に取り組む薬局とそうでない薬局ということの中に おいては、時間もそうでありますし、在庫の負担も大変でありますので、そうした部分の 評価を分けるということについては理解はできる気がいたしますが、調剤基本料というの はまさに体制整備といいましょうか、施設に関するフィーでありますので、その基本的な 部分で調整をするのがよいのかどうか、また、後発品使用について、薬剤師側ではどうし ようもない場合もありますので、基本料で格差ということになりますと、なかなか容易で はないのかなという気がいたします。このあたりが、こうした評価を基本料で行うのがよ いかどうかについてはもう少し議論を深めていただきたいなというふうに考えております。 ○土田小委員長  ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。 ○対馬委員  私どもとしましては、品質などが同一であれば、できるだけ安価な薬を望むのは、自然 なことだろうと思います。また、できるだけ使用促進を図っていきたいということですの で、医師会の調査も、慎重にということはわからなくはないのですけれども、私どももい ろいろな調査をやりますが、何か新たな変革が行われるときには、やはり慎重にすべきと いう意見がけっこう出てきます。2年間ということで、最近始めたばかりですから、特に 処方せんの様式の変更など確かに異論もあるかもしれませんけれども、ぜひ前向きに御検 討いただければ大変ありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  それから、1点質問ですけれども、後発医薬品を銘柄指定しているというところは、私 どもはあまり念頭になくて、社会医療の実態調査などを見ますと、逆にけっこう使ってい るのはどういうことなのでしょうか。今回も改めてそのデータが出されたのですが、それ はそれで結構かと思うのですが、ただ、ちょっと気になるケースなども小耳に入るところ もあるのです。病院と門前薬局との関係において、病院が一定の後発医薬品を指定すると いうところで、それが合理的な場合と、そうでないケースもあるやに伺いますので、その あたりについて何か不合理なケースがないのかどうか。特に不合理なケースと言っていま すのは、門前薬局そのものは禁止されているわけではないのですけれども、医薬分業の趣 旨に反するようなことはないのか、その点をお聞きしたいと思います。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の御質問に関しまして、前回の資料で少しお出し……、もともと後発品間の銘柄変更 の問題を提起させていただいたのは、いわゆるなかなか非常に流通量の少ない後発医薬品 をあえて銘柄処方する事例というのを私どもも耳にすることがございます。それで、その 流通量の少ない後発医薬品が、地域におきまして、その門前にある薬局にしか置いていな いと、そういうことで実質的な特定の薬局への誘導につながりかねない、こういうような 問題意識を持っていることもございまして、今回後発医薬品間の銘柄変更はどうかという ようなことも、その一つの理由としてお出しさせていただいたところでございます。  当然ながら、特定の薬局に誘導ということがはっきりしますれば、これは薬担規則、療 担規則で、そういうことはしてはならないということを明示しておりますので、そういう 場合には必要な指導が入るというふうになっておるところでございます。 ○対馬委員  よろしくお願いします。 ○竹嶋委員  前回10月17日から引き続きの協議ですが、恐らくこれは2カ月分のアンケートです ね、2年間ということで、病院に限ってではありますが、今鈴木委員のほうから御報告申 し上げました。この中で、最後のまとめのところで申し上げましたけれども、処方せん様 式の変更につきまして、その項目におきましては、反対が3人に1人、それから変更の賛 成が4人に1人、あともう1つ、鈴木委員もそのことを少し指摘しておりましたが、どっ ちにしていいかわからないという回答が3分の1あるということでございますので、この 前からこの論議は続いております。  それから、今日も新しくまた厚生労働省のほうから、今度は消費者、患者さんの立場に なられての詳細なアンケートを発表いただきました。そういうものを重ね合わせて、私ど も先ほどの問題、品質の問題とかまだまだいろいろありますが、支払側の皆さん方の御意 見も十分また尊重すべきことがあるのではなかろうか。それで、あとそのわからないとい う層、そこのところに何とか手がかりを求めていきたいと考えます。  そういうことで、従来から私ども主張しておりますように、申し上げておりますように、 処方権の全面的尊重、これはもうぜひ大前提条件にさせていただくこと。それから、今私 どもの鈴木委員のほうから、一つ具体的な技術的な処方せんの様式について工夫をお願い いたしましたので、そういうことを含めてぜひここで御承認というか、皆さんの御容認い ただくということをお願いいたしまして、私ども医師会としては、この様式変更というも のに賛成を申し上げて諾としたいと考えます。  もう1つお願いがあります。本当に今、非常に問題になっています勤務医師の不足、あ るいは過重労働という、我々医療現場としても大変喫緊の大事な課題を抱えております。 もしこれは様式変更を伴いますと、先ほど説明がありましたように、誘導していく点数の 2点というのがなくなってしまいますよね、もう要らなくなる。どれぐらいになるかわか りませんが、その分を勤務医の皆さんの過重労働、そういうところにお回し願えたらと、 これは要望でございますけれども、お願いしたいということです。 ○土田小委員長  ただいま竹嶋委員のほうから、原則として、様式変更には賛成するという発言がありま した。それにつきまして、この医師の処方権の尊重ということがその前にあるわけでござ いますけれども、これはもちろん絶対尊重していくという前提です。つまり、いかに薬剤 師のほうで変更したとしても、その結果は医師が責任を負うということになっていますの で、そこの処方権の尊重というのは大前提だろうということはわきまえております。 ○小島委員  今竹嶋委員から前向きな発言をいただきましたので、ぜひそういう方向で進めていただ ければと思っています。処方せんの変更についても、今幾つかの御意見をいただいていま すので、そういうものを含めて、より患者にとってもわかりやすいような、そういう形で の処方せんに変えていただいたらと思っております。  それと、今日の資料の1−1の3ページにあります「消費者の意識」の中で、後発品を 選ぶかどうかということで、必ず選ぶ、そして場合によっては選ぶと、9割を超える方が そう答えているということで、その場合によっては選ぶというところの、どういう場合か ということで次のページに出ているのが、この8割近い方が、「後発品の安全性や効き目 に不安はあるが、医師や薬剤師から安全性や効き目について説明を受けて納得できた場合 には後発医薬品を選ぶ」と、そう答えております。そこはぜひそういうことで、医師ある いは薬剤師の皆さんのきちんとした患者に対する説明をお願いしたい。  それとあわせて、安全性の問題、あるいは情報提供、それから安定供給ということにつ いては懸念がさまざまなアンケートからも出ております。そういう意味で、この4ページ の(2)に書いてありますように、厚労省のほうで10月にまとめた「後発品の安心使用 促進アクションプログラム」ということで、これは国とそれから後発品メーカーのこれか らの取り組みということで、きちっと安定供給、そして品質確保について十分な対応を行 っていくというふうにまとめられております。特に品質確保については、不純物に関する 試験等、あるいは問題があった場合、寄せられた場合に、品質に対する試験・検査も実施 してそれを公表していくということが書かれておりますので、それをぜひ徹底をしていた だいて、まさに利用者、国民に対する安心といいますか、そういうことを担保する、そう いう前提をきちっと実行していくということが必要だと思います。それはぜひ厚労省のほ うでも、あるいは後発品メーカーのほうでも、積極的にそこについてはこたえていただき たいということを、意見として、要望として発言したいと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○山本委員  今土田委員長から御指摘がございましたように、様式の変更について、ここに御提案の ように変わるとすれば、まさに薬剤師が現場で一番責任、変更のための説明責任を負わな くてはいけないと認識しております。今小島委員からも御指摘がありましたように、安心 して、安全で、使えるお薬は何なのだということにつきましては、私どもとしても、これ まで以上に積極的に情報提供してまいりたいと考えています。  変更につきましては、やみくもにということがよく言われるのですけれども、十分に、 まずは患者さんが御理解できるような、例えば先発と後発の比較した情報をお示しするな り、あるいは具体的にどういう効果が、変化が想定できるのかということを含めて御理解 いただけるような説明をし、かつ合理的な理由がなければ変えられないわけでありますか ら、そうしたことにつきましても、十分薬剤師として果たすべき役割を果たした上でさら に後発品が進むような方向に努力をしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたし ます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  この様式変更について診療側がそれを認めるということで、この後発医薬品については 一つの山を越えたという感じはするのですが、ただ、先ほど鈴木委員から話がありました ように、様式変更については具体的にどうするかということはまだ検討課題が残っており ますし、それから西澤委員から発言のありました剤形の問題も、これもまだ具体的にどう するかという詰めの議論が必要だろうと思います。それから、その安定供給の問題とか、 あるいは薬剤師の説明責任という問題等々残っておりますが、そういう問題を含めて、今 日の議論はこれまでにして、次回もう一回やりますので…… ○小林委員  1つだけ。 ○土田小委員長  質問ですか。はい、わかりました。 ○小林委員  ちょっとディテールに入ってしまうのですけれども、薬局の責任が非常に重いというこ とで、薬局の役割がすごく大切になってくると思うのです。それで、そのときに薬局に対 して、検証の結果のほうでも説明の時間とそれから在庫、備蓄コストの問題というのが出 ていて、それで、今日の論点の4番のところでも、「在庫管理コストの負担にかんがみ」 といったところで、そこでその評価をするというような位置づけになっていて、これは重 要なことだと思うのですけれども、在庫管理コストがどのぐらい増、ここでは在庫管理コ ストだけに焦点が当てられているわけですよね。それで、その部分を見るために、この方 法がいいのかどうか、先ほど山本委員からもありましたけれども、この方法がいいのかど うかと。その評価の方法も単位期間当たりの全受付処方せんのうちという、その方法も具 体的にそれで見合う適切な評価になるものかどうかということで、その点もやはりもっと 検討する必要があるのではないかとふうに、私の質問でございます。 ○土田小委員長  僕も聞こうと思っていました。時間の関係から簡単にお答えください。 ○山本委員  ありがとうございます。  在庫の管理コストにつきましては、従前から議論があるわけでありますけれども、1つ は、今回の調査結果にありますように、先ほども御質問がありました21の先発品に対し て複数の医薬品を持っているということですので、そこはある意味では大変在庫の幅が広 がってきます。一方、在庫の考え方なのですが、薬局の場合には、先ほど申しましたよう に、患者さんがいらっしゃるために準備をして待っているということがありますので、単 純に物が置いてあるだけでも実は管理のための費用がかかる、場所はまあ小さなものです から大きなスペースはありませんでしょうが、管理のための技術的な部分というのは極め て大きいものでありまして、なかなか数字にあらわれない部分がございます。しかも、足 が速いというか、極めて容易に壊れてしまいますので、なるべく在庫を、新しいものを使 おうとしますと非常に回転が速くなってくる、しかも、それでいながら幅広に物をそろえ るということになりますので、そうした意味で言えば、在庫のそろえ方ということについ ては大変大きな負担がかかってきておりまして、単純に、何個あったら幾らという計算で はなしに、1品目でも100品目でも管理は同じなのでありますけれども、ただ、それぞ れの医薬品の特性によって管理の仕方が違いますので、そこについては極めて神経質にな っているというのが現状であります。  したがって、そこのどういう内容を評価をするか、先生がおっしゃるように、改めて議 論は要ると思いますけれども、少なくとも、品物を使っていく時間がかかる、あるいは物 をそろえておく時間というものを考えてみますと、そうしたものをどこかで評価を、何も しない方とする薬局との差があるのは、これはやむを得ないのかなというふうに思います けれども、どれほどの幅がよいのか、あるいはどこで評価するのかにつきましては、もう 少し議論をしていただければと思います。 ○土田小委員長  よろしいですか。 ○小林委員  はい。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  それでは、まだ宿題が残っておりますが、事務局のほうでもう一度整理していただきま して、次回提出していただきたいというふうに思います。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「訪問看護の充実」について議題としたい と思います。  最初に、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  「訪問看護の充実について」、中医協診−2の資料をごらんいただきたいと思います。 訪問看護につきましては、後期高齢者医療の診療報酬のところの在宅医療のところで、退 院前後の支援を充実するとか、あるいは訪問看護の24時間体制等、あるいは終末期のと ころのお話、これらのことについておおむねこの委員会で合意が得られたと考えておりま す。  そこで、74歳以下の若人部分といいますか、その部分についても同様に考えていきた いということで、資料の2ページをごらんいただきたいと思います。訪問看護のサービス につきましては、御承知のとおり、介護保険法に基づくものと健康保険法等に基づくもの がございます。主に健康保険のほうで見ておりますのは、介護保険の対象にならない方と いう意味では若い方、それから介護保険の対象になる方でも、やはり医療的にかなり重症 で頻回に行かなければいけないとか、あるいはがんの末期であるとか、そういうような場 合には医療保険のほうで引き受けると、こういうような形になっておりますので、全体の 利用者でいきますと、半数が64歳以下の方々になっております。ただ一方で、逆に言い ますと、65歳以上の方が半数おられるわけで、70歳以上あるいは80歳以上という方 もおられるわけでございます。  そして、3ページをごらんいただきたいのですが、疾患の内訳を見ますと、もともと0 〜39歳で介護保険の対象にならないという方のところでは、神経系の疾患、それから精 神及び行動の障害というのが多くなりますし、また40〜69歳を合わせましても、やは り神経系の疾患であるとか、精神及び行動の障害というところが多うございます。ただ一 方で、この数の率的にはちょっと低くなりますが、新生物、特にがんの末期等が中心だと 思いますが、それとか、あるいは循環器系の疾患、ここには恐らく脳卒中の後遺症等が入 ってくるわけであります。このような方々も入っているということになります。  したがいまして、特に70歳を越えてきて、あるいは75歳とどれほど違うのかという 部分もございますので、個々の具体的なニーズがそれほど変わらないとすれば、やはりそ のサービスの提供も後期高齢者と同様に考えていきたい、そういう意味で、先ほどの退院 前後の支援でありますとか、訪問看護や終末期の24時間体制でありますとか、あるいは 頻回の訪問、終末期の手厚い看護等については同様に評価をしていきたいというふうに御 提案申し上げます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、お願いします。 ○西澤委員  今回の提案に関しましては全くそのとおりだというか、ぜひしていただきたいと思いま すので、賛成いたします。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。 ○対馬委員  今の西澤委員の意見と我々も全く同様の見解を持っていますので、よろしくお願いしま す。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  1号、2号から、別に異議はないということでございます。 ○古橋専門委員  専門委員の立場で、これに関しまして、同様に3つの項目をぜひとも評価の検討をお願 いするものでございます。退院前後の支援に関しましては、いわゆる退院調整とか在宅移 行支援ということがなかなかスムースではない。病院側に非常に大きな役割が期待される のですが、現在病院の医師は大変多忙でございまして、共同指導料の算定等におきまして は、地域側の訪問ナースが病院側に行って調整するということに関しまして、訪問ステー ション側には指導料の加算が認められておりますが、医療機関、病院側はないのでござい ます。病院側が算定できるのは、在宅療養支援診療所等の医師との連携においてのみでご ざいまして、訪問看護と病院の退院調整者が連携しても、病院には加算がございません。 これでは、病院側の意欲とか積極性ということがいま一つ進まないのではないかというふ うに思っておりますので、端的に言えば、病院側の退院調整部門の職員と訪問ステーショ ン側との連携ということへの評価を具体的に御検討をいただければと思っております。  それから、24時間体制に関しましては、介護保険との齟齬ということもございまして、 その辺につきましては、ここに書かれているとおり額が大変違っておりますので、そうい うあたりの検討も要るのではないか。具体に申しますと、医療保険では24時間連絡体制 加算、2,500円でございますが、介護保険では項目、名称は違いますけれども、この 倍以上であったりとか、時間外・深夜・休日等に関しての設定が医療保険ではございませ ん。そのようなこともございます。  それから、終末期、電話対応が非常に重要で、亡くなる10日前の110名ほどの方の 調査を学会がしてみますと、大体112名の方が350回近い電話があっております。そ の電話内容は、主として本人の病状の変化、亡くなる10日前でございますので、そんな ことの対応で、電話対応により52%は訪問なしでサポートができたというような結果も 出ております。ぜひともこのあたりの評価が要ると思います。  最後に、ここにございませんけれども、訪問看護とか在宅療養を進めていく上で一つ重 要なことは、在宅療養に必要な用品のサプライの問題がございます。大きな項目では、衛 生材料とか医薬品がございますけれども、ほかでも在宅療養を進めていく上での重要な器 具、器材等のサプライの問題があり、整備が遅れているように思っております。これが整 うことによって、在宅療養を選択する国民の増も期待できます。医薬品あるいは衛生材料 では患者御本人の負担が1月4,000円弱、訪問看護ステーションも原価を計算いたし ますと3,300円を超えてかぶっております。そんなあたりが検討課題になりますこと が必要と思っております。 ○土田小委員長  新たな検討課題の問題提起でございますが…… ○松浦委員  ちょっと1つ。 ○土田小委員長  今のに関連してですか。 ○松浦委員  はい。今私はお話を聞いておって、大体私ども健康保険法よりも介護保険の適用を受け るほうが安いという先入観が、僕は頭があったものですから、大体それはそろえておかな ければいかぬと思います。  この訪問看護ステーション、この2ページの図で、ここを引っ張ってありますが、これ とこれとはお金の額がどう違うのか。その点のデータがあればちょっと資料を出していた だければ議論がしやすいと思うのです。僕は今その問題、初めて気がついたのですが。 ○土田小委員長  いかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  訪問看護療養費、あるいは介護保険での値づけの仕方について、前回資料をお示してお ります。 ○松浦委員  出したのですか。そうですか。 ○事務局(原医療課長)  構造が違いますので、要するに、医療保険では1回幾らというふうに決めており、介護 保険の中では時間帯、時間が延びると増えていくとか、そういうような仕組みも違います し、それから訪問看護もステーションから行く場合と医療機関から行く場合で、その基本 部分は医療機関の場合は基本部分がない、それに対して独立したステーションの場合は基 本療養費というのがついている。それプラス訪問部分の療養費がついている。そのあたり、 前回確かに詳しくは説明はしなかったのですが、資料はお配りさせていただいております。 ○松浦委員  そうですか。また資料を勉強させてもらってからまた……。 ○土田小委員長  よろしいでしょうか。 ○山本委員  1点よろしいでしょうか。今の看護の話、中身につきまして私も賛成でありますけれど も、その中の非常に細かな部分になりますが、医薬品をどう扱うかということになります と、このあたりは私どもの領域になりますので、単純に訪問看護ステーションあるいは訪 問看護の中での扱い方なのか、あるいは医薬品をどう扱うのかということを議論しないま まに、医薬品あるいは医療材料という薬事法範疇のものが扱われるということについては、 いささか薬剤師としては抵抗感があります。もし議論をされるのであれば、きちんとした その部分の議論をしていただいた上で、評価をするなりあるいは議論をするなりしません と、少し方向が変わってしまうのではないかという気がしますので、今後の議論の中であ りますけれども、そのあたりはぜひ御注意いただきたいと存じます。 ○土田小委員長  これは75歳のところで、つまり、後期高齢者のところである程度議論したというふう に記憶しておりまして、それを踏まえてこの74歳以下にそれを当てはめようという議論 ですから、後期高齢者のところでその問題は既に議論しているというふうに僕は理解して おります。  それから、古橋専門委員が発言されたことの幾つかも、75歳以上のところでもう既に 議論しておりますので、それを踏まえて74歳以下に落としていくという話ですから、そ このところはもう一度よく御理解いただきたいと思います。よろしいでしょうか。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「在宅医療を支援する病院の評価につい て」を議論したいと思います。  これも最初に事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  「在宅医療を支援する病院の評価について」、中医協診−3−1の資料と、それから診 −3−2の参考資料を使わせていただきます。  在宅医療につきましては、前回改定のときに、在宅療養支援診療所という形の診療所を 設けたということでございます。  参考資料の1ページをごらんいただきたいと思います。ここでは、「在宅医療に関する 主な診療報酬上の評価」ということで、在宅医療に関連するところで述べております。例 えば往診料でございますが、650点ついております。これにつきましては、すべての医 療機関でとれるという形になっております。それから在宅患者訪問診療料、実際に訪問し て診療するというところ、定期的に訪問診療するという場合に、これもすべての医療機関 についておりますが、その他の医学的な管理の下に計画的な医学管理を行うという部分、 在宅時医学総合管理料というのがございます。この場合につきましては1と2がありまし て、これは高いほうと安いほうですが、高いほうは在宅療養支援診療所のみと。それから 2のほうは、その他の診療所、あるいは200床未満の病院という形で評価をしておりま す。それから在宅末期医療総合診療料、この下に注がございますが、「末期の悪性腫瘍の 患者に対して計画的な医学管理のもと総合的な医療を提供した場合」、これにつきまして は在宅療養支援診療所のみが算定できることとなっているところでございます。  この在宅療養支援診療所の普及度合いがどうかと。前回つくったところでございますの で、まだ状況的にはあれなのですが、2ページをごらんいただきたいと思います。今年の 4月1日現在の速報値でございますが、全国で1万カ所の在宅療養支援診療所がございま す。ただ、都道府県別に見ますと大きく差がございまして、平成18年10月の推計人口 で、75歳以上人口1,000人当たりで割り戻してみますと、一番多いところが大阪府 でございました。75歳以上人口1,000人当たり1.92カ所。それに対して一番少 なかったのが富山県で、0.22カ所でございます。  ここで、一応そこに数字的な自宅での死亡者割合がどうかということ、大阪の場合14. 2%、富山県の場合9.9%、このような、一見大阪府が高いなと、高いのですけれども、 何かこの在宅療養支援診療所と関係ありそうだなと思いましたが、左の47都道府県で相 関を見ましたが、相関は特に出ませんでした。ということでございます。このように、在 宅療養支援診療所、やはり非常に普及しているところと、その体制が必ずしも来ていない というところがあるというのが現在の状況だと考えております。  そこで、今回の課題でございますけれども、本体の第2の1に、在宅療養を行う診療所 がない地域、そういう地域があって、そこで病院だけがそこの地域の唯一の医療機関とい う場合がございます。そうしますと、その病院にも在宅医療の主たる担い手になってもら う必要があるというふうに考えているところでございます。  例えば参考資料の3ページでございますが、ここでは2つの病院を見てみましたが、A 病院は121床の病院で、医師が11人、在宅医療担当が3人、在宅患者さん55人を持 っておられて、週20回の往診ないし訪問診療がある。病院の周囲半径5キロ以内には診 療所がないという状況でございました。それからB病院のほうも、同じく病床が99床程 度で、医師数が8.4人、同様に在宅患者113人担当しておられて、往診ないし訪問診 療が週52件と、けっこう頻繁に行っておられます。同様に周囲に診療所がないというふ うな状況でございました。  そこで御提案ですが、もとの資料ですが、具体的には、周囲に在宅療養支援診療所等の 在宅医療を提供する医療機関がなく、また、在宅医療の主たる担い手が病院である地域に おいて、病院ですので入院患者さんが必ずおられますので、入院患者に対する医療提供体 制の確保等の要件を満たした場合に、この在宅療養支援病院というのですか、在宅療養支 援診療所と同等の評価をしていってはどうかというふうに御提案申し上げます。 ○土田小委員長  ありがとうございました。  ただいまの提案につきまして御意見あるいは御質問。 ○西澤委員  これからの在宅医療の推進というのは非常に大事なことで、そこに病院も評価していた だくというのは非常にありがたいなと思っています。  ちなみに、ある程度後ろの資料を見ますと、周りに診療所がないということで例が載っ てございまして、この例では5キロという距離が出ていますが、実際、この条件の場合に、 全国でどれぐらいの数の病院がとれるという見込みでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  わかりません。すみません。ちょうど今ある団体に聞いて、どちらかというと、地域に おられるところの団体に聞いたところ、その団体の中で4カ所ある。5キロでいくと4カ 所だと。あと、周囲の状況でいろいろあるのですけれども、今その診療所というふうに、 全く医療機関がない場合にその程度ということでございます。 ○西澤委員  厚労省が意図している在宅医療の推進、私たちも賛成でございます。それを推進するの に、今のデータでは1けた。私の頭の中でも、例えば私は北海道ですが、北海道でも5キ ロ以内にないといったら実は島ぐらいしかないのです。そういうことであまり効果がない。 やはりこれを推進したいのならば、もうちょっと効果があるようにしていただきたい。ま た、特にこの中小病院のところでは、こういう役割を担っているところは非常に多うござ いますので、そういうところを何らかの条件をつけて認めていただきたい。要するに、今 回この病院に広げるということは賛成でございます。ただ、この条件をもっと広げて、こ ういう役割を担っていて、特に周りの診療所との連携で在宅医療を推進している病院に関 してはぜひ認めていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○土田小委員長  条件というのは、今ここでは主に半径幾らという話が中心になって出てきております。 それ以外の要件ということですか。それともその半径そのものをもう少し狭くというよう な、そういうことでしょうか。 ○西澤委員  いや、距離は外していただいたほうがよろしいのではないかなと思っています。という のは、例えば診療所が中にあっても、それが今の条件では、在宅療養支援診療所と限って いないような気がしますので、全然そういうことをしない診療所がそばにあっても意味が ございません。ですから、そのあたりをどう考えるのかということです。  それから、やはり都会等でかなり人口が密集した地域でございますと、例えば診療所で 機能を担っているのが少数あっても、担い切れていない。そこはやはり補完するといいま しょうか、要するに、在宅療養の推進が地域でまだ広まっていないところは認めるなど、 いろいろな条件があると思いますので、そこをぜひ考えていただいてと思っております。 ○土田小委員長  わかりました。 ○対馬委員  在宅療養についてこれからどうやっていくかというのは、確かに非常に重要な問題だと 思うのです。在宅療養支援診療所は、そこで非常に有力な役割をしていただけるのではな いかということでつくったわけですけれども、物理的な要素である距離だけでやるという のはどうかと思いますし、データも今の説明では必ずしも十分ではないので、先ほど西澤 委員のお話がありましたけれども、例えば病院の中で、中小で非常に頑張っておられると ころがあるという話もあり、そういった病院の体制が今どうなっているのか。また、在宅 療養支援診療所が全国で各都道府県ごとにばらつきがあったというのはわかりましたが、 なぜばらつきが起きるのかということもあれば、また在宅療養支援診療所が今現在どうい った実態になっているか。例えば現在の施設数が1万弱ですけれども、そのうち実態的に 本当にやっているのが3分の1だというお話も耳にします。ここは非常に重要な問題です ので、単純に距離だけ5キロという議論ではなくそういう全体感の中で議論すべきだと思 うのです。 ○松浦委員  私も全く違った角度からちょっと意見を申し上げますけれども、患者さんというのは医 療機関にとったら顧客ですね、お客さんなのです。これは病院が在宅をある程度条件を緩 和してどんどんやれということになりますと、私は病院がかなり患者さんを抱え込んでし まう流れが起こってくるような気がするのです。むしろこういうのは、診療所があるとこ ろには、むしろ診療所のお医者さんに在宅は任せる方向に持っていって、それで病院は病 院の本来の機能をやっていくと、こういう方向も考えていく必要があるのではないかと思 います。 ○土田小委員長  いや、その方向をとっているわけです。その方向をとりながら、診療所がない場合はど うするかという話で出てきているわけです。ですから、病院と診療所の機能分化と、その 上で連携ということは前提になった上での話だろうと思いますので、ちょっと誤解されて いるかもしれません。 ○松浦委員  それで、今距離の問題とこの診療所がない地域というのはどう限定するかという、かな り厳しい条件が要ると思うのです。この「周囲に在宅療養支援診療所等の在宅療養を提供 する医療機関がなく」と、こうあるのですが、周囲が今問題になった距離がないか、これ を漠然とやるとそういう問題が起こってくると私は思います。 ○土田小委員長  わかりました。つまり、病院にある程度要件を緩和したような形で広げてしまうと病院 が囲い込んでしまう可能性があるという指摘ですね。 ○松浦委員  はい、そのとおりです。 ○竹嶋委員  今対馬委員がおっしゃった在宅支援診療所の実態、これは大事だと思います。私どもも 医師会としてもこれはしっかりと調べてみたいと思うのです。  一つ、福岡県で、福岡市の周辺です。ですから、診療所も病院も密集地ではありません ね。そういうところでの工夫ですが、去年の春、私のほうにこういうことをやっていいか と持ってきたのです。在宅支援診療所、非常に条件が厳しゅうございます、はっきり言い まして、24時間ちゃんとやらなければならない。それから、終末期になりますと、その 在宅支援診療所は1万点、そうでないところは、同じようなことをやっても1,200点 とか、そういうふうな幅がありまして、私が言いましたその地域では、在宅支援診療所に なかなか手を挙げ切らない。そこで、もとの国立病院、今の独立行政法人と、それから医 療法人病院、その2つと、それから郡の医師会、そういうところが話し合って、要するに、 後方支援をそれらの病院がちゃんとやる、それもきちっとシステムでやっていくというこ とでした。これはいいのではないか、進みなさいというようなことを私は申し上げたので すが、何かそういうふうな、仕掛けも必要ではないでしょうか。これに対して、決して反 対とかいうのではありません。距離的なもの、そういうことはわかりませんが、この考え は反対ではないのだけれども、最近そういうことがありましたので、私どももちょっと考 えてみようと思っています。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ほかに。 ○事務局(原医療課長)  今の竹嶋委員の連携のところは、在宅療養支援診療所の要件として連携病院を持たなけ ればいけませんので、病院か、あるいは有床診療所かもわかりませんが、それは入ってい ると。ただ、今回の提案は、要するに、在宅療養支援診療所を中心として在宅医療を展開 していこうと、いわゆる診療所を中心にやっていこうという18年の改定の思想の下に、 その診療所がないときにどうするかという提案をさせていただいているわけで、根本的に 在宅医療を病院も含めて、中小病院という御提案だったので、その中小病院も含めて進め ていくのかというのは非常に大きな問題なので、厳しい条件をつけるべきだという御意見 もありましたし、広げるべきだという御意見もあったのですが、そのあたり、もう少し議 論していただきたいと思います。 ○土田小委員長  そうだと思います。 ○西澤委員  今、機能分化ということになっています。病院もいろいろな機能の分化がございます。 特に入院医療については、一般病床、療養病床等々分かれたように、機能分化されていま すが、病院の外来機能というのは今のところ全く分化されていないなと思っています。私 たちは、病院の外来というものも機能分化する必要があると思っています。いろいろな考 え方があって、提案がございます。その中で、やはり私たちは地域というキーワードと連 携というキーワードでする病院の外来というものがあるのではないかなと思っています。 これは診療所と全く同じことをするということではなくて、やはり主体は診療所であるこ とは間違いない、そのとおりだと思います。しかしながら、なかなか診療所だけではでき ない、それをいかに支援をするか、あるいは補完をするかという考えが今私が言った提案 でございます。ですから、この地域というキーワードと連携というキーワードがございま すが、その中でやはり診療所がどの程度のことをやっているか、また地域の方々がその機 能といいましょうか、そのサービスを十分担っているか、診療所だけで担っていけるか、 その場合、地域においては利用者の方がそのサービスを十分受けていないのであれは、そ こを中小病院が補完してもいいのではないかなと思っております。  その前提でございますが、当然周りの診療所との連携ということがございます。それか ら、場合によっては、話が少し飛躍しますが、そうしたときに、やはりいろいろな条件づ けがあると思いますが、やはり診療所との連携をどのようにやっているかということでは、 地域の実際、在宅療養支援診療所との連携の中で、例えば夜間においての応援をどの程度 しているかとか、あるいは地域からの入院をどの程度受け入れているか、あるいはどの程 度地域の在宅に返しているか、いろいろな条件があると思います。そういうことを踏まえ た上でどうかということでございます。具体的にちょっと言い過ぎたのですが、まだまだ いろいろな考え方があると思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  先ほど対馬委員から発言のありました在宅療養支援診療所の実態はどうかということは ある程度やはり検討しておくことが前提になるというふうに思いますが、それについては 資料等ありますでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  詳しい資料は、若干調査したものもありますけれども、例えばこの前新聞記事に出てい ましたが、看取りを訪問診療している中で、亡くなられた患者さんを持っていないところ が1万カ所のうち3,000カ所ほどある。逆に言いますと、1万カ所のうち7,000 カ所は、担当しておられる患者さんを在宅で看取っておられると、あるいは最期は病院か もわかりませんけれども、そういう形で担当しておられる、そういう方々を見ているとい うのが現状でございます。 ○松浦委員  私は、この診療報酬改定で、この18年の改定をやりましてかなり動いたと思うのです。 その混乱が当然、混乱というか、ちょっと矛盾すべき点が出てきたと。こういうのを私は やろうとするときには、できるだけ少しずつ少しずつやっていきませんと、「あらしまっ た、これはもういかぬ、またやり直すか」と、こういうことになる。大体何でも僕の経験 から言うと、改革というのは気がついたらすぐ手をつけて、少しずつ少しずつというのが 私の実感なのです。ですから、こういうのも、私はある程度条件を厳しくしなければいか ぬというのは、一遍に移行させると、それで出てきてあらっと思ったときに、また反動が 出てくる、そういうようなことが起こり得るような話だと思うものですから、私はできる だけ条件を初めは厳しくしてスタートする、少しずつ様子を見ながらやっていくというの がいいのではないかと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。  結局、ここについては、事務局のほうから提案されました内容については、いいとも悪 いともここでは判断できないまま、またもう一度お返しすることになります。つまり、問 題は、在宅療養支援診療所ではない場合にどうするかという問題提起ですので、ないとい う範囲が、例えば今出てきた5キロ圏内にないという提案がありましたが、それに対して 西澤委員から、その範囲だけで決めていくのはどうかという話がありましたし、幾つか御 意見を承ったわけでございますけれども、つまり、ない場合はどうするかという、そこの 発想だけは忘れないで、次回もそこは議論していただきたいと思います。それがないとい う場合、その範囲で定めるのかどうかということを含めて、もう一度今日の議論を整理し ていただいて、もう一度提案していただきたいと思います。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「疼痛緩和の推進について」を取り上げた いと思います。本件につきましては、10月5日に「がん対策の推進」を議題として取り 上げた際に一度議論をしておりますが、本日はそのときに宿題を出されておりますので、 それを含めて資料が提出されております。  説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  中医協診−4−1の資料、「疼痛緩和の推進について」と、それから診−4−2の参考 資料、あわせて説明をさせていただきます。  まず、本体の資料ですが、緩和ケアにつきましては、患者の状況に応じて、入院、外来、 あるいは在宅、それぞれの場で身体症状の緩和や精神心理的な問題への支援というものな ど、必要な緩和ケアが提供されるよう環境を整備していく必要があるというふうに考えて おります。  ただ一方で、幾つかの課題がございます。例えば長期にわたるがん患者の療養の場とし て、介護老人保健施設や療養病床なども実際に使われております。実際、そこで最期を迎 えられる患者さんもおられまして、ここでは、例えば老健施設で亡くなった方のうち、主 な死因が悪性新生物という方が7.4%おられるということになっております。  それから、この介護老人保健施設や療養病床、ここでの入所・入院患者さんにつきまし ては、当然ながら薬剤費は包括されておりまして、現在、医療用麻薬についても保険医療 機関の医師が処方しても算定できないということになっております。しかしながら、がん の末期においては、患者の痛みの症状によっては大量な麻薬が必要な場合もございまして、 そのような場合にどう考えていくのかということが大きな問題となっております。  ちなみに参考資料の1ページをごらんいただきたいと思いますが、これはある老健施設 での具体的な例ということで出ております。一番上のA、安定しているとき、B、症状が 進行したとき、Cが終末期になってということなのですが、安定しているときの例といた しましては、例えばここに「MSコンチン」と書いてありますが、これが医療用麻薬でご ざいますが、1日500円程度の量で済むということ。それから、病状が進行していきま すと、同じくこのMSコンチンというものにつきましても量が増えてまいりまして、1日 当たり2,000円程度かかる。それから、末期になってきまして経口摂取ができないと いうことになりますと注射剤を使うことになりますし、ここでは、塩酸モルヒネの持続皮 下注ということで、この分について1,100円余りということになりますし、それから 特にこれは極量といいますが、最終的には大量に使うというような場合がありまして、例 えば3万円近くになるという場合もございます。これは、3万円使う日がずっと続くわけ ではもちろんないわけですけれども、そういう場合もあるということで、包括をしている ことによってこういうような使い方に制限が、心理的な制限がかかってはやはりまずいの ではないかというふうに考えているわけでございます。  それから、本文のほうですが、(4)、在宅における疼痛緩和を進めるためには、当然 ながら、在宅で使える薬とかあるいは器具等が円滑に使えるようにならなければいけない ということで、先ほど訪問看護のところで古橋委員からも御指摘がございましたが、そう いう意味では、必要な医療用麻薬等につきまして在宅で使えるような形を考えていく必要 がある。  それから、特に例えば持続注入のための、ここではバルーン式ディスポーザブル連続注 入器というのがあるのですが、これで持続的に鎮痛剤、麻薬を注入していく、そういうよ うな特定保険医療材料もあるのですが、現在は例えば薬局では交付できないということに なっているというように、さまざまな患者の状態に合わせてさまざまな薬剤や機器が必要 になってまいりますので、そのあたりをもう少し円滑に供給できるような体制を考える必 要があるだろうということが2つ目でございます。  そこで、参考資料の2ページでございますが、「在宅医療での緩和ケアに必要とされる 薬剤例」ということで、例えば上のクエン酸フェンタニルでありますとか、オキシコドン、 このあたりは麻薬でありますし、そのほかステロイド剤でありますとか等々、いろいろな 形でのものが必要になってまいります。特に、飲み薬はいいのですけれども、注射剤につ いては非常に制限が厳しくなっておりますので、このあたり、広げていく必要があるので はないかと。  それから3ページの、例えばこれは道具なのですけれども、これは風船を膨らまします と当然圧力でしぼんでいきますので、その圧力をもって持続的に薬液を注入するシステム でございます。これの利点は、簡便であるということと、それから薬剤を取り出せないと いうことになっていまして、したがって、この場合、麻薬を使いましても、それを外へ出 せないということになっていますので、そういう意味では、こういうようなものが便利で はないかということでございます。  それからあわせまして、前回ちょっと緩和ケアについてどのような施策をやっているの かということなので、ちょっと参考までにというか、1ページだけですが、参考資料の5 ページでございますが、がん対策の中の「緩和ケアの推進」ということです。  まず、昨年はがん診療連携拠点病院の指定要件に緩和ケアチーム、これは内科系の腫瘍 担当の医師と、それから精神科医とか、あるいは看護師、このような方々で構成されるわ けですが、それの設置を求めております。  それから、ここで緩和ケア診療加算と、この点数が昨年の7月1日現在で66医療機関 が算定している。  そのほか、この緩和ケアを広げていくために、まず、がん診療に携わる医師に対する緩 和ケアの研修、これを全国的に広げる必要があるということで、例えば、まずその前に、 緩和ケアに関する専門的医療従事者の養成研修ということで、これは国立がんセンターで 今年から始めておりまして、各地のがん診療連携拠点病院等で伝達研修といいますか、こ の人たちが講師になって地域でのがん診療に携わる医師に伝達研修をしていくと、そのた めに先行して専門的な医療従事者の養成研修をしているというところがございます。  それから、緩和ケアについて、日本国民は痛みに対しては非常に我慢強いという文化を 持っていますけれども、やはり必要のない痛み、痛みがあって必ずしもいいわけではあり ませんので、その緩和ケアについて十分国民へ普及啓発する必要があるだろうということ で、パンフレット等、そういう媒体等もつくっているということでございます。  そのほか、緩和ケアを推進するための包括的プログラムによる地域介入研究ということ で、これはがん対策の10カ年計画の第3期のときにこういう研究がございまして、その 中で、さまざまな地域介入ということで効果を見ているというふうに聞いております。  それから、最終的には年を明けると思いますが、がん診療連携拠点病院の整備指針、こ のあたりでこの緩和ケアの要綱等も改定されるというふうに聞いております。  こういう形で、徐々にではありますけれども、この指導者等も養成しながら、この緩和 ケアは普及するようにということで取り組んでいるということでございます。  それから、疼痛緩和の進捗状況ということで、これもございましたが、例えば7ページ でございますが、これは麻薬です。モルヒネ換算量で伸びてきているということ。ただ、 全体量としてはまだ国際比較をすると非常に少ない水準でございます。  それから、薬局における麻薬小売業免許の取得でございますが、これも徐々に増えてき ているということで、現在薬局のうち50%を超える約57%のところが免許を取ってい ただいているということで、麻薬の交付ということも環境は徐々には整ってきている、こ ういう状況でございました。  そこで、本体の、今回の「論点(具体的な内容)」ですけれども、(1)は、介護老人 保健施設や療養病床において、がん患者の疼痛緩和のために医療用麻薬を保険医療機関側 の医師が処方した場合に算定できることとしてはどうかということでございます。それか ら、療養病床の場合は当然自分のところでできますけれども、介護老人保健施設の場合は、 外の医師が処方した場合、こういうことでございます。  (2)が、先ほど申しましたように、医師の処方せんに基づいて保険薬局で交付するこ とができるお薬、特に注射薬、それから材料、このようなものについて広げていってはど うか、こういう提案でございます。  以上でございます。 ○土田小委員長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見。 ○鈴木委員  老健施設には看護師さんが、看護職員が24時間おりましたですか。 ○事務局(原医療課長)  最低要件には入っておりません。施設の必須要件として看護職員が24時間いるという 要件にはなっていないと。 ○鈴木委員  こういう老健なんかで使う場合の管理はどうするのか。 ○土田小委員長  老健施設でこういう場合の管理はどうするのかという御質問ですが。 ○事務局(原医療課長)  老健施設には医師が当然配置されていますので、その人の管理の下になるのだろうと思 います。ただ、麻薬そのものを今現在も老健施設の中で当然使っておられるわけで、使え るようになっていると思いますので、その部分と同様になる。 ○鈴木委員  今医者は夜いませんから、看護師さんが、看護職員が24時間いれば、指示の下に管理 はできると思うのですけれども、その辺の、麻薬が老健施設の中で実は野方図にあるとい うのはちょっとおかしいなと思います。 ○土田小委員長  この点についていかがでしょうか。 ○古橋専門委員  全数調査ではございませんけれども、少し前、2003年の医療経済実態調査によりま すと、7割の施設で毎日夜勤の看護職員がいたのですけれども、これは7割でございまし て、18.6%の施設では看護職員がいない、あるいは2.8%の施設では看護職員は1 日もいないというような事態でございまして、今原課長さんがおっしゃいましたように、 看護職、24時間体制配置というのが必置ではないという状況でございます。ただ、現場 では、やはり老健などでは、夜間当直体制で1人はいるというようなことが必要に迫られ ているということでございますが、問題は確保難がございまして、なかなか置けない。  もう1つの課題は、看護師と准看の割合が、准看護師が6割、看護師が4割というよう な状況でございます。老健の看護体制は今後に整備が求められるところだと思います。 ○土田小委員長  もうちょっとお聞きしたいのですが、すると、こういう疼痛緩和のための麻薬などを使 う場合はどういう問題点、どういう対応をそこは考えられるでしょうか。 ○古橋専門委員  医薬品管理は老健でも日常的になされます。それと、薬剤師が、非常勤でございますけ れども、配置をされていて、医薬品管理というようなことはございますが、麻薬とかある いは作用の強いもの等については、やはり現実には医師、施設長であります医師の指示の 下に看護職員が行っているという実態がございます。ただ、現状では、麻薬等の施錠管理 とか、在庫管理とか、そういうことが整備されているかというと状況がまだ整っていない だろうと思います。看護師の配置が進めば、ここに関しては、現在病院、多くの病棟でも 薬剤師の施錠管理下で看護師が連携しながらやっているという状況はございますので、医 師、薬剤師との業務分担を明確にした上でそこの能力はきちっとした研修・学習において 進むということは期待していただいてもいいと思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○竹嶋委員  古橋委員にちょっと質問したいのですが、大事なことだと思うのだけれども、今看護師 さんが日中配置されていないところもあるという御発言がありました。 ○古橋専門委員  24時間体制で配置されていない、ということでございます。 ○竹嶋委員  24時間、それはいいですね。わかりました。いや、わかりました。私の聞き違いです ね。  それともう1つは、薬剤師さんの配置の件は老健としてどうなのでしょうか、そういう 条件は。ないとは思うのですが、極めて出していると思うのです。 ○古橋専門委員  そうですね。そこのところは、私もこのことで発言の機会をいただきたいと思いますが、 薬剤師配置が、これは施設の方向で必置義務というふうになっていないとすると、自分の 管理経験での25ほどの施設では、非常勤職薬剤師は置いておりました。老健の中に薬剤 ストックがございますので、日用医薬品的な要素でございましたけれども、ここのあたり がまだ格差があるのではないかと思います。 ○西澤委員  老健の人員配置は、これは医療のほうではないので、そちらで議論していただければと 思いますが、少なくとも老健においては今麻薬を使っている現状もございまして、その管 理はきちっとした行政の指導の下でやっているので、今言ったような不安はないと言って いいと思います。そこら辺は老健局のほうに確認していただければと思っております。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  麻薬を使う場合には、最初にちょっと法律の確認をしなければいけませんけれども、い わゆる麻薬及び向精神薬取締法という別の法律がございまして、その中で、それを使う施 設については、例えば麻薬を保管する場合は金庫に保管しなければいけないとか、帳簿を つけなければいけないと、そういう義務はすべからくかかっているはずでございますので、 別途確認させていただきますけれども、多分そういう法的な規制は十分とられていると理 解をしております。 ○土田小委員長  ありがとうございました。 ○西澤委員  その上ででございますが、老健施設は現在も麻薬は内部で使用しているけれども、包括 の中でやっているということですね。それは処方は老健の医師がしているということです ね。今度の提案は、老健ではなくて、保険医療機関の医師がするということで、どうして これが老健の医師ではだめなのかというあたりを教えていただきたい。 ○事務局(原医療課長)  単純に、老健施設は保険医療機関ではないので、当然ながら。だから、もし必要ならば、 当然、別途介護保険で麻薬の分を出すということであればいいですけれども、それ以外に、 外からの医療の部分としてのアウトソーシングの部分がありますので、その部分で、医療 の包括されている介護保険では見られない部分について医療保険で見るとすると、外から 提供するしかない、そういう意味でございます。 ○西澤委員  解釈としては、今までは包括の中でやっていたのを、表に出してやるということですね。 ○事務局(原医療課長)  はい。 ○西澤委員  それは、あることでは非常にいい方向だと思っております。  ただ1つ、老人保健施設が現在はやはりがんの患者さんもいらっしゃって、最期までい るということになっているのですが、老人保健施設の機能がどうかという問題はちょっと ここと別ですけれども、そのあたりは移行型もあると思いますので、あわせた議論をぜひ 老健局とやっていただきたいと思います。  もう1つですが、療養病床ですが、療養病床というのは実は医療療養と介護療養がござ いますね、そこら辺でどのような対応をするか、教えていただければと思います。 ○事務局(原医療課長)   医療療養については麻薬とかそれからあと幾つか出来高でできる部分をつくっています ので、介護療養についても今回広げていってはどうかということです。今回の提案は、介 護療養病床についても広げてはどうかということです。 ○西澤委員  わかりました。介護療養は恐らく介護施設ですから、老健と同じ扱いになると思うので すが、違いますか。 ○事務局(原医療課長)  介護療養病床の病院でも、保険医療機関の指定を受けていると思いますので。だから、 医療の保険医療機関の指定は多分受けておりますので、普通はそれを受けているので、そ この医師は保険医ですから、その方が処方すれば医療保険に請求できますので。例えば… … ○西澤委員  わかりました。 ○事務局(原医療課長)  外来は持っていますから、普通外来は医療保険でやっていますので、保険医療機関にな っていますので、そういう意味で、そこの保険医が処方することができると思います。だ から、その部分を別途評価する。 ○西澤委員  介護療養も、実はどこからお金が出るかという話ですが、要するに、それは介護報酬の 包括ではなくて、医療保険に上乗せするということですか、それをちょっと聞きたかった のです。わかりました。 ○土田小委員長  よろしいですか。  ほかにございますか。 ○松浦委員  この薬で、Aの例、Bの例、Cの例と資料にありますけれども、これは計算をされると きに、Aの例が大体何日ぐらい、1日当たり217円60銭、それから2,031円、そ れからCが幾らとありますね。大体、Aが標準的な患者さんですね。それはAが何日、B が何日、Cが何日と、そういうようなものをつくって計算されると思うのですけれども、 その辺は計算されますか。 ○事務局(原医療課長)  要するに、高齢者になればなるほど非常に個人差がありますし、それからがんの場合に、 種類によっても違いますし、年齢によっても違うと思います。個人差が非常に大きいので、 そこが何日という計算はしないと。 ○松浦委員  しないでこの診療報酬で点数をつけていって、これは幾らとなったら、幾らと出てくる と思うのですが、それは何にもなしにやるのですか。 ○事務局(原医療課長)  多分多くの例は、老健施設でこういうような場合、あまり受け手がないわけです。今想 定しているのは、もともと少ないですから、これから老健施設でもこういうがんの末期の 方をどんどん見ていただきたい。ですから、その方は当然従来は外で、医療機関と言って もいいですが、医療機関で見ておられたわけですけれども、それが老人保健施設で見ても らうようになるわけですので、その部分については、薬の部分について増えるわけではな いと理解をしています。 ○松浦委員  私が言っているのは、老健とか施設とかいうことではないです。これは医療保険でこの 制度をもっと使わせていこうと、こういうことで今考えているわけでしょう、薬を。もっ と使って緩和ケアしようと。そうすると、それに対して当然費用はかかってくるわけです から、だから、一つのモデルがないと計算できないのではないですか。 ○事務局(原医療課長)  一定の、例えば先ほど医療用麻薬が増えてきたというのをお示ししましたけれども、あ の増加分について、改定のときに改定率何%を見込むとか、そういう形のものはとってい ませんので、そういう意味では、大幅に伸びるだろうとか、そういう場合は改めて積み上 げていきますけれども、基本的にはこのあたりのところは変わらない。それから、要する に、自然的に伸びていく部分に吸収されるだろうというぐらいの額だと思っております。 ○松浦委員  よくわかったようなわからないような。 ○土田小委員長  ほかにございますか。 ○山本委員  今はきちんと管理さていると思いますが、施設の中での麻薬の管理に御懸念があるよう ですが、確かに老健では薬剤師の配置が300人に1人というのは決まっていたように記 憶していますが、こことは別の場かもしれませんが、この点については別途議論をしなく てはいけないのではないかと思います。 ○土田小委員長  いかがでしょうか、今の問題。 ○事務局(原医療課長)  介護保険に確認をいたしますけれども。 ○土田小委員長  ほかにございますか。  それでは、この「疼痛緩和の推進」という議題についてはこれぐらいにしまして、この 問題については後で今日の議論を踏まえまして具体的な制度設計に入っていただきたいと 思います。  今日用意しました議題は以上でございます。これで終了いたしますが、何かほかに御発 言ございますでしょうか。  よろしいですか。それでは、次回の日程についてお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  次回、11月14日を予定しております。テーマは、手術について、それから糖尿病関 連についてを議題にしたいと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  それでは、終了します。どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)