07/11/07 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年11月7日議事録 07/11/07 中央社会保険医療協議会          第107回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成19年11月7日(水)9:57〜11:30 (2)場所  全国都市会館第2会議室 (3)出席者 土田武史小委員長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        室谷千英委員  対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 鈴木満委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員        <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 上條歯科医療管理官 他  (4)議題  ○歯科診療における患者への文書による情報提供の在り方について       ○入院医療の評価の在り方について       ○有床診療所の評価について (5)議事内容  ○土田小委員長  まだ少し時間前ですが、皆様おそろいになりましたので、開催したいと思います。ただ いまより、第107回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催いたしま す。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、高橋委員と前田委員が欠席 されております。  また、保険局長は公務のため途中退席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  最初に、「歯科診療における患者への文書による情報提供の在り方について」を議題と したいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  歯科医療管理官でございます。それでは、資料の説明をさせていただきます。資料につ きましては、中医協診−1−1、診−1−2、この2つの資料を御準備ください。  初めに、「歯科診療における患者への文書による情報提供の在り方について」というこ とでございます。既にこの問題自体は、中医協の検証部会で特別調査を実施しております。 今回配付させていただきました資料は、検証部会での検証の結果を踏まえまして準備させ ていただいておるものでございます。なお、歯科診療に関連するそのほかの文書以外の内 容がございますが、これについては後日また、再度資料を配付させていただくつもりでご ざいます。  診−1−1の資料でございますが、ここの第1に示します文書提供の経緯についてでご ざいます。最初に1のところですが、ここでも示しますとおり、「平成18年度診療報酬 改定の基本方針」では、患者の視点ということが示され、「患者から見て分かりやすく、 患者の生活の質を高める医療を実現する視点」が示されておりましたが、実は、18年の 改定が行われる前は、歯科の分野におきまして情報提供を文書で行った場合に算定いたし ます「かかりつけ歯科医初診料」という初診料と文書の提供を要しない「歯科初診料」と いう初診料がありまして、2本建ての報酬体系になっていたのが実情でございます。  それで、この2のところにちょっと示させていただいておるのですが、「かかりつけ歯 科医初診料」というのは、要は、いわゆる患者さんへの治療計画なり情報提供を歯科初診 以外に文書により行うという指導的な部分が初診のほかに評価された点数となっておりま した。しかしながら、実際に患者さんへのわかりやすい体系にするために、ちょっと飛び まして4のところになるのですが、歯科初診料の部分と指導管理料の部分を区分けしまし て、同時にわかりやすい報酬体系にするため指導管理体系の再編を行ったというのが実情 でございます。ですから、歯科初診料以外にほかの指導管理体系についても再編をさせて いただいているということでございます。後の資料のほうでも現行の報酬上の評価を示さ せていただいていますが、この「かかりつけ歯科医初・再診料」を廃止するということに 伴いまして、18年に総合指導料というものを新設させていただいているのが実情でござ います。  それで、この内容についてでございますが、参考資料のほうで少し説明させていただき たいと思います。参考資料のまず1ページ目をおあけいただけますでしょうか。実際に 「歯科診療報酬で文書提供が算定要件となっている項目」を示させていただいております が、上段は18年に文書提供を新たに算定要件とした項目、それから下段は18年以前か ら文書提供が算定要件とされていた項目ということになっておるところでございます。こ の中で「◎」は特に頻度が高いもの、「△」は頻度が低いものを示させていただいており まして、実は体系上で変化がございまして、このアンダーラインの部分というのは、以前 から、文書提供を算定要件として改組をした項目というふうになっておるところでござい ます。比較的多い項目につきまして文書提供を課しているという実情を参考資料は示させ ていただいております。  もう一度、本文のほうの資料に移らせていただきまして、実は歯科診療においてこうい う「かかりつけ歯科医初診料」の廃止になりました背景として、3と4の間の枠の中で示 しています「患者満足度調査」というのを行っております。初診時の説明で患者満足度調 査を行いましたところ、非常にわかりやすいと回答されている方の割合が、実際にわかり にくいと回答されている方に比較して20%ぐらい高いとの結果が示されておりまして、 そこでここの第1の3に示すとおりなのですが、文書提供自体が患者さんへ有効で効率的 な情報となり得るということから、こういったことを踏まえて文書提供を義務化したとい うのが実情でございます。  それで、本文の資料、診−1−1の2ページ目に移らせていただきますが、現行の診療 報酬上の評価自体を示させていただいております。実際に指導管理料等で患者さんに文書 提供を行った場合に限り認めておるところでございますが、2ページ目に示す枠の中が現 在の診療報酬体系ということになっております。それで、今言いました歯科疾患総合指導 料という新設した指導料のほかにも、歯周疾患指導管理料ですとか、補綴時診断料、歯科 訪問診療料など、文書提供を求めるものを現状として示しておるわけでございますが、先 ほどの参考1に示しました実際の要件として示しましたものが今の文書提供として求めて いるものになるところでございます。  それで、もう一度参考資料の1ページに移らせていただきます。実は、「かかりつけ歯 科医初診料」というのは、再編しましたときに指導管理的な部分を18年改定の際に外に 出しました。それで、指導管理料には実は18年に文書提供したものの中でも以前からあ った指導管理料がございまして、通例は大体月1回にどれか1つの指導管理料を算定する 扱いとなっております。そういったことから、バランスというものがございましたので、 「かかりつけ歯科医初診料」の後廃止した指導管理料だけが文書提供ということではバラ ンスが合わないということになりましたことから、他の指導管理料につきましても文書提 供を義務化するということになったのが実状でございます。ただし、18年に提供された 項目を見ていまして、アンダーラインの部分は以前からあったもの、それから「◎」は頻 度の高いものということになりますから、実際に新設されて増えてきたというのは、特に 傾向として多いものということで挙げますと、ここに挙げている18年の場合4つほどの 指導管理料等が増えてきているという状況でございます。  それから、参考資料の2ページ目をおあけいただけますでしょうか。こちらは、現在の 診療報酬において文書提供を算定されている項目についての詳細を2ページ目、3ページ 目、4ページ目と示させていただいております。要は、項目と主な内容とそれから実際に 提供文書の記載を求めている内容についてそれぞれ示させていただいているものでござい ます。  2ページ目にございます医学管理等、これが主体でございますが、そのほかにも欠損補 綴、在宅歯科診療、歯科矯正等で求めているものがあるというのが実情になっておるとこ ろでございます。  それから、この参考資料の5ページ目のところの参考3という資料がございます。こち らのほうには実際に18年度の診療報酬改定の結果検証についてその概要を示させていた だいております。既に検証部会のほうでもこの結果については御説明がされておりますの で、要点のみ述べさせていただきますが、「主な結果」の2番目の○のところにございま すけれども、実際には患者サイドの御意見として、約7割の患者さんがこの文書提供に満 足されておるという結果が出ております。ただ、このうちの4割の方は変化がなければ不 要との結果が示されておりまして、また、不満足と回答されている患者さんも、1割ほど いらっしゃいます。その方々は口頭説明の内容で十分ですとか、いつも同じ内容だからと いった回答が示されているのが実情となっております。  それで、この検証部会での結果につきましては、この次の6ページ目のところに「歯科 診療における文書提供に対する患者意識調査 結果概要(速報)」を示させていただいて おりますので、詳細はこちらの内容のほうに移らせていただきたいと思います。  再度本文の2ページ目のほうに移らせていただきたいと思います。第3のところで「診 療報酬結果検証部会での評価」というのが記載されております。要は、文書提供自体、こ こでは患者サイドからは一定の評価が得られていますと。しかしながら、情報提供の内容 なり提供方法等について、次期診療報酬改定に向けての検討課題ということの結論が既に 得られているというのが実情でございます。これは先ほどの参考資料に示されています。  3ページ目に移らせていただきます。「論点」でございますが、2点示させていただい ております。第1にでございますが、文書による提供につきましては、検証結果を踏まえ まして、要は、疾患やなんかの状況変化なりそれに伴う指導管理方法の変更が必要となっ た場合ですとか、歯科治療などのある程度の展開を踏まえまして状況に沿った情報提供を 行うように改めてはどうかという点がまず提案の1つでございます。  第2にでございますが、歯科医療機関が患者さんに対して行います文書による情報提供 というのは、当然有効性を踏まえつつというのが条件になりますが、必要かつ最小限なも のといたしまして文書提供の項目自体についても検討を行うべきではないかという視点を 御提案させていただいておるものでございます。  資料の説明は、以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どうぞ。 ○渡辺委員  ただいまの御説明ございました、この情報提供の在り方についてでございますが、今御 説明ありましたような「論点」の2項目についてぜひ検討を進めていただきたいと思いま す。  総論的な意見を申し上げたいと思うのですが、医療全体の中で情報提供がどうあるべき かということの基本的な視点に立っての検討が重要であろうと考えております。私たちは インフォームドコンセントに基づいて、それを基本に診療を進めるという、その中で患者 さんに理解をいただいて進めるわけですが、それには情報の提供というのは過不足なく提 供するということが重要であろうと認識しております。  また、患者さんの視点に立てば、わかりやすくということで、そういうわかりやすく提 供するという努力も我々自身しなければいけないという認識でありますし、効率的に提供 することが重要であろうと思っております。  多くの項目、資料にございますように出ておりますけれども、やはり必要性を十分に考 慮した整理・統合がされるべきだろうというふうに考えます。ぜび、この検証部会の評価 を踏まえた検討を進めていただきたいということを申し上げたいと思います。  以上です。 ○土田小委員長  ありがとうございました。  ほかにございましたら、どうぞ。 ○対馬委員  先般も申し上げたのですけれども、初診のときに総合指導料による文書の提供があって そこに患者が署名するというのは、大変わかりやすかったという経験をしたこともあり、 こういったものは非常に重要ですのでぜひ残していただきたいと思います。形式的にやっ ているものについてはもちろん整理するということも、それでよろしいのではないかと思 うのですけれども、要望が2点ほどあります。1つは、整理・統合する場合に診療側の意 見というのはもちろんよくお聞きになると思うのですけれども、先般の結果検証部会の評 価を見ましても、診療する側と患者さんの評価が顕著に差異が出ている。例えば、診療側 は理解が進んだとは思わないけれども、それに対して患者さんのほうは8割方理解が進ん だといったことですから、できるだけ患者の意見を尊重していただきたいというのが1点 です。  2点目ですけれども、説明の中でも前回大分、整理・統合を図っていただいたというこ とで伺ったし、またそのとおりなのですけれども、参考資料や項目を見ましても、さっと 内容がわかる人がどれだけいるかということになりますと、いかがかという感じがします ので、事務局はさらに全体的に整理・統合してよりわかりやすくするということを御検討 いただければ大変ありがたいと思います。 ○土田小委員長  大変納得できるお話だったと思います。 ○渡辺委員  ただいま対馬委員のほうからのお話、大きく2点あったと思いますが、当然患者さんの 立場を十分尊重してということは理解いたします。  それから、この18年、19年と、新しい制度の中で文書提供をやってまいりました。 今対馬委員のほうから、初診のときに署名をしてということがわかりやすいというお話が 出たのですけれども、実際に、初診時に、初めて見えた方にすべての診断をして、すべて を説明して署名いただくというのは難しく、国民の方々がそれに対してどう認識されるか というと、私たちは大変疑問に思っているところであります。  それからもう1つ言えますことは、実際にそういう署名をいただくということが出てい るのは、この総合指導料ですけれども、これが非常にその後の縛りがいろいろありまして、 多分近々頻度調査が出てくると思いますが、この総合指導料を実際に行われている頻度は 非常に少なくて、それ以外で指導をきちっとされているというのが今の実情だろうという ことも考えなければいけないかなというふうに思っておりますので、意見を申し上げたい と思います。  以上です。 ○土田小委員長  ほかにございますか。  よろしいですか。それでは、この歯科診療に係る質疑はこのぐらいにしておきますが、 まだ具体的にどういう項目を整理するとか、あるいは統合するというような話は出ており ませんので、事務局には次にその辺を整理して提出していただきたいと思います。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「入院医療の評価の在り方」を議題とした いと思います。  これも最初に事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協診−2−1の資料と、それから診−2−2の参考資料で す。参考資料を横に置いていただきまして説明をしたいと思います。  初めに、本日は「特殊疾患療養病棟入院料について」、それから「障害者施設等入院基 本料について」という2つをここでは御説明いたしますが、まずその全体をちょっと御理 解いただくために、参考資料の1ページをごらんいただきたいと思います。ここでは一応 左のほうに軸が縦軸と横軸がかいてありますが、医療処置の内容等の変動が非常に大きい 方と小さい方、また横向けには医療スタッフの必要度が高い方と低い方、このような軸で 考えたときに、もともと重症心身障害児や、あるいは肢体不自由児のための施設がござい まして、そのためにこの特殊疾患療養病棟入院料というのが設定されておりました。その ほかに神経難病等を専門にする病院もございましたので、そういうものをこの中で位置づ けまして、より医療スタッフの必要度が高いもの等と、それからあとは医療的な使用する 薬剤とかも含めまして、その特殊疾患療養病棟入院料、これは包括の点数ですけれども、 その中を1と2というふうに2つに分けて従来設定しておりました。  その中で、特に、中でも医療処置の内容変動が非常に大きい方がおられて、とても包括 の中では対応できないという場合がある、そういう方を中心に見ておられる施設もござい ましたので、障害者施設等入院基本料という一般病床の中に、出来高で算定できる障害者 施設等入院基本料というものが設定されてきた経緯がございました。それで、従来そうい う形で運営されてきたのですけれども、どうもその特殊疾患療養病棟入院料にしろ、障害 者施設等入院基本料にしろ、必ずしも本来の目的だけではない患者さんもたくさん入って いるという状況が見られるようになってきましたので、このそれぞれの入院料や基本料に ついて本来の目的に限って設定をしていくという工夫に変えていきたいということが今回 の御提案でございます。  それでは、本体資料の1ページのほうをごらんいただきたいと思います。まず初めに特 殊疾患療養病棟入院料でございますが、これは病棟を単位としておりまして、あと同様の 目的を持つもので病室単位で算定される特殊疾患入院医療管理料もございます。これも同 じようにこれから考えていきたいと思っております。これは今申しましたように、長期に わたり医療が必要な重度の肢体不自由児(者)等々が入院するための病棟という規定を設 けていたわけであります。ただ、この特殊疾患療養病棟そのものは、病床区分でいいます と、一般病床あるいは精神病床、それから療養病床、そのような病床にわたって、いずれ の病床においても施設基準を満たせば算定できるということになっていたわけでございま す。特に平成18年度の療養病床の入院基本料の改定がありましたときに、療養病床にお ける特殊疾患療養病棟入院料につきましては、療養病棟入院基本料へ統合していくという ことになりまして、療養病床の特殊疾患療養病棟入院料というものが設定が廃止されまし た。ただ、その中で、もともとそこに入っておられた患者さんについて、経過措置として 療養病棟入院基本料の中でも、この特殊疾患療養病棟、先ほど言いましたように1と2の 区分がございますが、1のほうの病棟に入っておられた患者さんにつきましては、いわゆ る医療区分の3相当、それから特殊疾患療養病棟の2に入っておられた方については医療 区分の2相当ということで、20年3月まではそのような形で算定ができるという経過措 置が設けられております。それにつきましては参考資料の2ページに書いてございます。 後ほどまた見ていただけたらと思います。  それから、今のが療養病床の部分ですけれども、一般病床と精神病床におけるこの入院 料につきましても、一応経過措置を設けた上で平成20年3月までで廃止するということ に現在はなっております。そのためもありまして、平成18年7月1日現在のそれぞれの 届出医療機関あるいは病床数ともに17年時点よりも減ってきているという現状にござい ます。  2ページをごらんいただきたいと思います。現在の診療報酬上の評価といたしましては、 先ほど言いましたように、これは特定入院料より上の包括の点数でございまして、ほとん どのもの、例えば人工呼吸器等の加算はございますが、ほとんどはすべて包括されており まして、特殊疾患療養病棟入院料1のほうは1日につき1,943点、2のほうは1,5 70点ということでございます。主として筋ジストロフィーでありますとか神経難病など は1をとって、重症心身障害児施設等は2をとるというのが通例の形だというふうに聞い ております。  今回この病棟の算定の病棟につきまして調査をいたしました。その結果について参考資 料の3ページ目をごらんいただきたいと思います。今年の7月から8月にかけましてアン ケートの形でとりました。先ほど言いましたように、現在残っておりますのは一般病床と 精神病床でございます。一般病床の調査対象といたしましては214の対象施設がござい まして、回答が115ございました。  あとまた、この「肢体不自由児(者)施設等」というのが出てまいりますので、それに ついて簡単に今御説明いたしますと、本体のほうの2ページをまたごらんいただきたいの ですが、ここで言っております「肢体不自由児(者)施設等」についてはこの2ページの 「※2」でございますが、「児童福祉法に規定する肢体不自由児及び重症心身障害児施設、 又は同法に規定する国立高度専門医療センター及び独立行政法人国立病院機構の設置する 医療機関であって厚生労働大臣の指定するもの。」。いわゆる肢体不自由児施設とか重症 心身障害児施設の指定を受けているところというものがこの「肢体不自由児(者)施設 等」というところでございます。それ以外に、先ほど言いましたように、この特殊疾患療 養病棟入院料の届出をしているところがあるということでございます。  参考資料の4ページをごらんいただきたいと思います。そこで、今申しました、本来そ ういう肢体不自由児(者)施設等とその他を分けて見ますと、例えばこの(2)のところ は患者構成でございますが、平均年齢のところだけを見ていただきましても、肢体不自由 児(者)施設等につきましては41歳、その他の施設は73歳ということで、明らかに患 者の層が違うのではないかということがうかがえます。それから、精神病床のほうですけ れども、これにつきましては同じく63施設が対象でございまして、回答は35から来て おりました。もともと肢体不自由児(者)施設等のところが8つで、それ以外は55とい うことでございました。  5ページをごらんいただきたいと思います。同様に年齢構成等を見ていきますと、肢体 不自由児(者)施設等の指定を受けているところは44歳、その他が78歳と、明らかに ここの部分も違っているだろうということが推察されます。  実際にどのような患者さんが入っているかということで、6ページでございますが、こ ちらは一般病床の部分でございます。左端に肢体不自由児(者)施設等を書いております が、一番大きなところが脳性麻痺の43.9%、それから筋ジストロフィーの30.1%、 それから神経難病等は3.3%ということで、このような方が中心に入っておられるのに 対しまして、例えば公立、公的、医療法人、そういう施設の指定を受けていないで特殊疾 患療養病棟入院基本料を届け出ているところなのですが、そこで見ていきますと、脳梗塞 や脳出血の患者さんが非常にたくさん入っておられる。脳梗塞や脳出血の後遺症として障 害が残って、その方々を障害者ということでこの病棟で見ているというのがこのような状 況でうかがえるわけでございます。  次の7ページでございますが、同じく精神病床ではどういう患者さんを見ているかとい うことなのですが、この肢体不自由児(者)施設等につきましては、重症心身障害児 (者)の中には重度の精神発達遅滞というものがあって、非常にまあ、行動はするのだけ れども、そのような状態の方、精神症状も伴っている方、こういう方々を対象に精神病床 でそういう方々を見ておられます。実際にここで見ますと基礎疾患でその他の精神疾患と いうのが59.3%ございます。それに対しまして、その他の施設では、特に医療法人の ところを見ていただきますと、アルツハイマー型認知症、あるいはそれ以外の認知症とい うことで、その方々が70%ほど入っておられて、いわゆる認知症の病棟としてこのもの が使われている。これは実は、18年改定のときに認知症の病棟の点数の引き下げを部分 的にやっておりますので、そちらから移ってきたのではないかと思われます。  それから次の8ページでございますが、退院の見通しについてもちょっと聞いておりま して、図表3、一般病床での退院の見込みでありますが、当然ながら肢体不自由児(者) 施設等ではほとんど退院の見通しがないと。それに対しまして、もちろん退院の見通しも ないところが各それぞれの設置別に見ても同様なのですが、それにしても90日以内に退 院できる、あるいは受け皿があれば退院できるという方々も相当程度おられるというよう な状況でございます。  精神病床のほうも同様なのですが、特にこちらのほうは認知症でございますので、すぐ 帰れるという状況の率は若干低くなっているということでございました。  それと、ついでながらもう1点でございますが、9ページをごらんいただきます。先ほ ど申しましたように、療養病床で特殊疾患療養病棟入院料を算定していた方々につきまし ては経過措置を設けておりました。それについてその状況がどうかというのを、ちょうど 療養病棟の組みかえが行われました昨年の7月1日現在で一度見ております。1のほうが 経過措置該当患者が86%、2のほうが70%。それに対しまして今年の7月にもう一度 どうだったかと聞いておりますが、そうしますと、それでもまだ60%、54%と、それ ぞれ該当する患者さんが残っておられるという状況でございました。  そこで、これらに対してどうしていくかということでありますが、本体のほうの3ペー ジをごらんいただきたいと思います。調査結果につきましてはこの3のところで書いてご ざいますが、「論点」の1つ目でございます。今この結果からもわかりますように、肢体 不自由児(者)施設等以外の医療機関では、脳梗塞等に伴う障害を持つ患者の割合が高い と。したがって、医療ニーズが比較的低い患者が多い場合もあると考えられます。このた めに、この特殊疾患療養病棟入院料につきまして本来担うべき対象を明確にするというこ となど、現在の基準をしっかり見直しを行った上で、必要な医療機関についてはこの入院 料、あるいは先ほど言いました部屋ごとの入院医療管理料、この算定を継続することとし てはどうかという御提案でございます。  それから2つ目は、廃止されました療養病床におけるこの特殊疾患療養病棟入院料にも ともと入っておられた患者に係る経過措置です。これについてどう考えていくかというこ となのですが、もともとこの特殊疾患療養病棟入院料の算定施設基準の中で、今その療養 病床で医療区分2や3の患者さんが多い病棟については看護基準を厳しく高めにしている わけですけれども、それ相当の施設基準にもともとなっておりましたので、この患者さん 方についてはそういう手厚い看護配置というものが保たれているということであるならば、 その方々についてはさらにこの経過措置を延長してはどうかというふうに考えているわけ でございます。  続きまして4ページ、その次の障害者施設等入院基本料について同等に説明をさせてい ただきます。この障害者施設等入院基本料、大きく違いますのは、包括ではなくて出来高 の病棟でございまして、したがいまして入院基本料にさらにいろいろな検査や投薬や注射 等のものが全部出来高で算定できるという病棟でございます。本来の目的はここに述べて おりますように、長期療養が必要でかつ医療処置を頻繁に行わなければならない、そのよ うな障害者、難病患者等に対する施設であったということでございます。  これにつきましては設定時から増加傾向にございまして、特に平成18年、19年の伸 びが際立っているということでございます。19年につきましてはちょっと7月1日現在 でとれませんでしたので、5月1日現在、これは7対1のときにあわせて聞いたものです けれども、それを参考につけておりますが、それにしましても近年ぐんぐんと伸びている のがこの実態でおわかりいただけると思います。  5ページをごらんいただきたいと思います。このもともとの診療報酬上の評価といたし まして、入院基本料ですので、看護職員の配置について10対1から15対1までの設定 がございます。また、どのような場合にこの病棟にするかということで、イのほうが、先 ほど言いましたように、いわゆる肢体不自由児(者)施設等と、ここではそのようにまと めて呼んでおりますが、そういう部分であるか、あるいはそれ以外で「以下の患者を概ね 7割以上入院させている」ということで、重度の肢体不自由児(者)等々、ここに掲げら れている人が7割以上の場合であって、看護基準としては看護補助者を含んで10対1以 上と、それから夜勤は看護職員1人を含む2人以上がいることと、こういうことが施設基 準として定まっているわけでございます。  そこで、ここも同様に7月末から8月について調査をいたしました。参考資料の10ペ ージをごらんいただきたいと思います。ここでは障害者施設等入院基本料算定医療機関6 80に対しまして配付いたしまして、390から返答をいただいております。下が重症心 身障害者施設等、これも重症心身と書いてありますが、同じ意味で書いておりますが、1 73のうち145からいただきまして、それ以外からも245回答をいただいております。  患者構成でございますが、下にございますように、肢体不自由児(者)施設等につきま しては39歳、その他では74歳となっております。  次の11ページをごらんいただきたいと思います。ここでも患者のデータについて聞い ておりますが、図表6でございますが、肢体不自由児(者)施設等では脳性麻痺の方が4 6%と一番多くなっております。それ以外の施設では、国立以外の設置者においてはやは り脳梗塞、脳出血が大部分、過半を占めておりまして、このような障害を持っておられる 方々を見ているのだということになります。  それから、先ほどと同じく退院の見通しを聞いておりますが、肢体不自由児(者)施設 等ではやはりほとんど退院の見込みがないと、これが8割を超えております。その他のと ころでは90日以内に退院できる、あるいは受け皿があれば退院できるという方が相当数 おられるという状況がここでうかがえます。  12ページです。また、この入院基本料につきましては、19年の時点での対象を調べ ておりますが、では18年度にどのような入院料を算定していたかを聞いております。療 養病棟の入院基本料を算定していたところ、あるいは一般病棟であったところ、それから もともと障害者施設等の入院基本料をとっていたところ等です。それごとに見ていきます と、疾患別でいきますと、療養病棟からこの障害者施設等入院基本料に来たところで、や はり脳梗塞、脳出血の方々がほとんどであると。これは療養病棟における入院基本料の設 定の際に、かなり療養病床が減ってきているのではないかと、その行き先がこの障害者施 設等入院基本料のところではないかと言われておりましたが、まさしくここら辺がその状 態ではないかと。もともと障害者施設等入院基本料をとっていたところは脳性麻痺が2 8%、ただもう既に脳梗塞は15.4%とありますので、18年度時点でも既にこのとこ ろへ来ていたところもあったというふうに考えられるわけであります。  そこで、これに対してどうするかということですが、本体資料の6ページをごらんいた だきたいと思います。「4 課題」でございますが、障害者施設等入院基本料の対象患者 は、本来であれば手厚い医療が必要であるということで、包括から出来高の入院料を設定 したわけであります。ところが、実際には脳梗塞等に伴う障害を持つ患者の割合が高いと ころもあると、そういうところでは必ずしも医療ニーズが高いわけではないのではないか と。それから、特に療養病床に医療区分を導入したことに伴って、18年度以降、この障 害者施設等入院基本料への転換が来ているのではないかということが推察されたわけであ ります。  そこで、次の7ページの「論点」ですが、障害の程度だけではなくして、やはり医療の 内容から本来対象とすべき疾患、これは先ほどと同様ですが、疾患を明確にして基準の在 り方を見直してはどうかという御提案でございます。  資料の説明は、以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明では大きく2つに分かれておりまして、1つは「特殊疾患療養病棟入院 料」、それからもう1つが「障害者施設等入院基本料」という2つに分かれております。 したがいまして、2つに区分して御意見、御議論をいただきたいと思います。  最初に、最初のほうの「特殊疾患療養病棟入院料」について。 ○鈴木委員  「論点」にございますように、特殊疾患入院医療管理料の算定の継続、それからまた (2)の延長という問題に関しては異論はございません。  しかしながら、ここを出された人たちの行き場があるかないかというのが一番問題にな ると思います。その点をしっかり確認ができませんと、在宅には戻れない脳卒中の後遺症 の患者さんたちなものですから、ただ路頭に迷うというようなことになると、これは日本 の医療と同じことになりますので、そのところは間違いのないようにひとつやっていただ きたいのが1点と、なおかつ、そうなる一つの背景といたしましては、もう1つの問題と して、医療区分1の時間等コストに見合った点数設定がされているかどうかというような 問題であります。こういうような見直しが出まして、そしてここを出た患者さんたちは相 当数がやはり区分1に該当する方々が出ていらっしゃると思いますので、ADL3・区分 1のところというのが一番問題となると思われますので、その辺のところが検証結果を踏 まえた形に評価されるということをあわせて申し上げたいと思います。 ○土田小委員長  ただいま鈴木委員のほうから2つの論点といいますか、指摘がなされましたが、これに つきまして事務局いかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  まず、厳密にこの条件を決めていきたいと。具体的には、いわゆる脳卒中後遺症の方々 についてはこの入院料について見ないようにしたいということなわけでありますが、先ほ ど見ていただきましたように、多くは例えば脳性麻痺の患者さんと脳卒中後遺症の患者が まじって病棟が構成されているわけではなくて、恐らく病棟全体がどちらかが中心という ことになると思います。したがって、脳卒中後遺症の方々を中心に見ておられる病棟につ いては、基本的には療養病棟に移ってもらうという答えになると思います。その際に、今 おっしゃいましたように、医療区分1、2、3の構成によっては採算の問題も確かに出て くることがございます。それにつきましては、その他の療養病床についても同等なわけで ありまして、必要な場合は介護保険施設等へ、介護老人保健施設等へ転換していただくと いうような形で進んでいるわけですので、そこで、その病棟なり病院なりで療養病床とし てどうしていくかということはまたお考えいただくことにはなろうかと思います。  それから、個々の、少数ながらまじっておられる方々については、その患者さんにふさ わしい介護保険施設でいいのか、あるいは医療療養病床がいいのか、そのあたりはそれぞ れに基づいて振り分けられるのだろうというふうには考えております。 ○西澤委員  この「論点」のところですけれども、事務局の提案といたしましては特殊疾患療養病棟 入院料は算定を継続ということは、前回の改定で20年3月までとしたものをやめて、期 限なしでこれは続くという解釈でよろしいのか。それから(2)の経過措置は「更に延 長」と書いていますけれども、この延長期間をどう考えているかという2点を教えてくだ さい。 ○事務局(原医療課長)  まず(1)のほうの「算定を継続することとしてはどうか」ということなのですけれど も、ここについては、基本的に長期の療養が必要だからというので療養病床に転換してい っていただくということを想定して考えていたのだろうと思います。ただやはり2年間と いう期限の中では、旧来型、古い病院でいきますと、例えばベッド面積が1床当たり4. 3平米と、それに対して療養病床は6.4平米必要ですと、その他食堂等その他の施設も 必要になる。そういう意味では、建物の建てかえ等は必要になりますので、ただ、現在で はその2年間ではそこへ至っていないところがたくさんあるということからいきましても、 施設そのものの必要性というものを考えますと、やはり現在のままできるだけ患者さんの ために広くしていただくことは必要だと思いますけれども、ちょっと2年間で期限を切っ てなくすということはできないわけです。今のままいきますと、障害者施設等へ行ける基 準であればそこへも行けますし、あるいはそこへ行くほどスタッフがいなければ、恐らく 特別入院基本料になってしまうということで、この施設の必要性からいって継続をしばら く考えていきたい。ちょっと期限を今現在区切るのは難しいというふうに考えています。  それから(2)のほうにつきましては、これはもともと療養病床で本来の目的でやって おられたところの方々がおられますので、それらの方々につきましてはまだ必ずしもほか の患者さんがいっぱい入ってきている病棟になっていないということから、当面の間、そ の継続して見る方々についてはこの医療区分3あるいは2と見なすという経過措置を延長 したい、そういうことでございます。 ○土田小委員長  延長の期限を切るかどうかという質問が残っております。 ○事務局(原医療課長)  今のところ、そこらあたりの患者さんの状態等を毎年見ながら考えていきたいというふ うに考えております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○西澤委員  今いろいろ説明がありましたけれども、やはりできるだけ患者さんが困らないようにす ることは大事だと思いますので、そこら辺を見ながらお願いしたいと思います。片方では、 やはり同じ状態の人は同じサービスを受けるという原点があると思いますので、そういう 整理も必要かなと思います。  一つちょっと疑問なのは、これは名称の問題なのですけれども、特殊疾患療養病棟入院 料がどうして一般病床の中にあるのかなと、これはわかりづらいということでは、このあ たりの整理もどこかでしていただいたほうがよろしいのではないかなと思っております。  以上です。 ○対馬委員  (1)と(2)の書きぶりが今の西澤委員の質問のとおり、非常にわかりにくい書きぶ りになっているのですけれども、それはそれとして、18年度改定のときに、患者の特性 や状態像に応じた評価をするということは基本的な方策としては間違っていなかったのだ ろうと思います。ただ、値づけの問題等さまざまな問題があることはもちろん承知してい ます。  そういう中において今の質疑を見ていますと、将来的にもこれでいくのだというような 説明ですが、そういうことになりますと、基本的に当時の考え方や検討が不十分であった というようなことになるのでしょうか。私の感じからすると、経過措置、移行措置は丁寧 にやっていく必要があるし、今現在の状況からするとすぐに廃止ということにはならない だろうということは理解しますけれども、経過措置であれば、例えば2年間とか、最大見 ても、今回療養病床の転換というのは24年3月末までであるならば、そこまでにはきっ ちり対応を図るというのが基本ではないかと思うのです。仮にそうでなくても、そこはよ く議論すべきだと思います。資料を見ますと、書きぶりもよくわかりませんし、未来永劫 というような回答ですから、そこはいかがなものかなと思います。 ○事務局(原医療課長)  議論していただきたいと思いますけれども、例えば肢体不自由児(者)施設等は、普通 の療養病棟と違って、当然ながら、福祉からもその福祉部分についてはお金が出ているわ けですので、普通の病棟でのものとの考え方を少し変えてもいいのではないかというふう には思っております。ですから、前回ちょっとこの部分は中医協でもあまり議論をやって おられなかったというふうに聞いておりますので、ここをどうしていくのかについて、必 要ならば資料をそろえて議論していただけたらと思います。 ○竹嶋委員  今対馬委員が御発言になったので発言いたしますけれども、18年にそういうふうに決 めた、これは目的もちゃんと決めるわけですね。だからこそ大事なのは、決めるのだけれ ども、実際に現場はそれによって動くはずなのですが、動くのが、我々が決めた目的どお り動いていなくて、先ほど来御説明がありましたように、対象を明確にしていった場合、 脳梗塞、脳出血とかいう、そういう疾患がこういうところに入ってくる。それは一方では、 療養病床は受け皿がないからではないかと、それは私どもいつも強調しているのです。で すから、私どもとしましては、それを例えばずっとなどと考える必要はないので、必ず逐 次きちっと検証しながらやってほしいと、そういうことこそが非常に大事だと、医療の現 場からはそう発言します。先ほど私どもの鈴木委員がこうしてほしいという言葉を使いま した。私はむしろ受け皿ができない間はやはりそういう提案は受けられないというぐらい の強い気持ちをもちろん持っております。 ○松浦委員  質問させていただきますが、特殊疾患療養病棟入院料の1、2は、「概ね8割以上」、 こういう文言がありますけれども、「概ね」というのは実態はどういうことなのでしょう か。80%以上できちっとあるのか、それとも78%か79%、そのあたりは実際は行わ れているのはどういう実態なのでしょうか。  それともう1つは、「8割以上」ですから、残りの2割は患者さんの実態はどういうこ となのか、そのあたりをちょっと説明してほしいと思います。 ○事務局(原医療課長)  これ、8割で多分やっております。ただ、その患者さんは当然動きますので、年間を通 して8割以上がこういう患者さんであれば、というふうな考え方でやっているというふう に聞いております。  残りの患者さんについては、ここで先ほど出ていましたように、回答がなかったものも ありますので、ちょっと実態はよくわかりませんが、基本的には、ここの特殊疾患療養病 棟入院料に入っておられる患者さんについては包括点数ですけれども、病棟の特定入院料 ですので、その部分は同じような点数をとっておられる。ただ、状態像はちょっと必ずし も全部はわからない。把握していないということです。 ○土田小委員長  よろしいですか。 ○松浦委員   できれば、そのあたりがどういうことになっているかというのはやはり重要なことだと 思います。 ○対馬委員  私どもの全体の流れの認識としましては、やはり前回の改定の結果、脳血管疾患とか脳 卒中の方々に動きが出てきたことで、もう一回再整理が必要ではないかということが一つ の一番大きな基点になったのだろうと思うのです。そうであるとするならば、やはり病床 転換の中で議論すべき話でありますし、或いは先ほど説明があったように、福祉との関連 もあるというような話でありますと、私どもも、もう一回全体感を勉強したいと思うので す。今までの流れの中の位置づけであれば、それなりに理解できるのですけれども、そう ではなく、物の考え方としてこういうことであるとすると、西澤委員のお話もございまし たけれども、今の体系自体も非常に複雑になっていますし、もう一回、ちょっと議論させ ていただければというふうに思います。 ○土田小委員長  先ほどの医療課長の話をもう少し詳しく説明していただきたいのですが、つまり、病床 転換ではなくて、病棟のそのもの全体を転換していくというような話でしたよね。そのこ とは、もう1つ加えますと、先ほど竹嶋委員から、あるいは鈴木委員が話しましたように、 受け皿の問題にかかわってきますので、その辺をもうちょっと詳しく説明をお願いします。 ○事務局(原医療課長)  もともとこの特殊疾患療養病棟入院料、先ほど説明申しましたように、重症心身障害児 施設とか肢体不自由児施設に指定されている福祉の施設で、当然ながら医療機関でもある 施設、そういうところの点数として設定され始めました。それに対して、あとそれから、 その施設の指定ではないけれども、神経難病の方を見ておられる医療機関が集中してあっ た。その部分について、この入院料で見てきたという経過がございます。ですから、もと もと福祉の施設でもあり、医療機関でもあるという性格を持っていたというのが一番初め の状態でした。  その中で、対象疾患の中に出てまいります脊髄損傷の方を中心に見ておられる病院もご ざいます。ただ、ここで「脊髄損傷等の重度障害者」という書き方の中で、この障害者そ のものがいろいろと認定条件も変わってきまして、脳卒中の後遺症の方も障害者の認定を 受けるようになったという経過がございます。そういう中で、脳卒中の後遺症の方々がこ の病棟の中に、入ってきたと言うのは変な言い方ですが、この該当になるということで、 この入院料が広がってきたという経過がある。  そこで、後の議題になりますけれども、特に同様の規定が精神障害者等入院基本料等に もございますので、そちらのほうは、実は、出来高病棟であるということはもう1つの大 きな問題で、入院基本料プラス昔の老人病院と同様の、点滴注射は出来高でどんどんでき るという病棟ですので、そういう現状も引き起こされかねないという現状はございます。  したがって、この際、どんどん増えてきている障害者施設等の整理をしたいということ と、それからもう1つ、特殊疾患療養病棟の本来の目的に限ってもう一回戻ってはどうか という、それが今回の提案の本筋でございます。 ○松浦委員  ぜひそうあるべきだと思います。 ○古橋専門委員  ここの「論点」の(1)、(2)、両方に書かれておりますことは、「対象とする疾患 を明確にした上で」とございます。この病棟の実態を現場から見てみますと、看護職が非 常にバーンアウトしやすい病棟でございます。それは、ケア度、介護度が高いことの上に、 退院の可能性が非常に少ないということで、急性期ではありません、急性期ではありませ んが、毎日毎日、延々と続く重い患者さんのケアに対して、看護職が意欲を保つには努力 も要します。看護職のケア提供の役割としては当然やるべきですけれども、非常にここで 看護職がバーンアウトしておりますのも事実です。  1つは、一般病床で在院日数が長くなる方たち、しかも、脳卒中後の後遺症のある障害 が重い方の入院に、こうした点数配置の中でこの種類の病棟を選択するという道が開かれ、 もちろん経営の事情もあって、この種類の病棟が増えていく実態があると思います。  その中で一つの課題は、こうしたある特殊的な趣旨を持ってやる場合は、要件とか対象 を明快にしないと、社会保険事務局は、この障害がある、しかも現実重いですから、届出 の受理をします。経営的にはこれで何とか病院経営の疲弊の部分が補てんできるわけでご ざいます。1つには、やはりこういうことが決まるときには、明快な要件ということが決 められて、社会保険事務局でもきちっと一律の指導がなされること、もう1つは看護配置 でございますが、急性期ではありませんけれども、ケア度は高いのです。それは前回7対 1判定要件の調査でも出たような状況でケア度は高いので、看護配置は少なくとも看護職 的には10対1の配置が要る病棟であろうと思っております。 ○土田小委員長  ありがとうございました。  そういう点を含めて御検討いただきたいと思います。  それでは次に、「障害者施設等入院基本料」について御意見、御質問を承りたいと思い ます。 ○鈴木委員  基本的には特殊疾患療養病棟と同じ考え方でありますけれども、風通しをよくすること は必要ですが、先ほど竹嶋委員からも御指摘があったように、実は療養病床の再編が終わ っていないというところもございますので、介護での100%のキャッチアップがないと いう状況はやはり考慮しなければいけないと思います。  あと1点ですけれども、6ページの「※5」ですけれども、「重症心身障害児施設」と いうような記載もございますが、私はちょっと考えたのですけれども、NICU等で算定 できているお子さんは、赤ちゃんは3割程度で、実は7割は算定できないままに人工呼吸 器をつけて退院の見込みがないという状況が続いているわけですけれども、こういうとこ ろが整理されると、こちらのほうに移ることができるような形になりますか。これは違い ますか。 ○事務局(原医療課長)  NICUでは、生まれた状態によって算定できる期間が決まっていますので、それを超 えてNICUにとどまっている方がたくさんおられる、そういう実態があるということ、 前にも御意見をいただきましたけれども、そういう方々については、恐らくこの重症心身 障害児の該当になりますので、この部分、ベッドがあいていれば、当然受け入れる部分に はなるということになります。 ○土田小委員長  よろしいですか。ほかにございましたら、どうぞ。 ○対馬委員  最後の「論点」で、医療と障害の程度とのかかわりについては、恐らくここに書かれて いるように、障害の程度と医療の必要度や、患者の状態は必ずしも一致するわけではない と思うのですけれども、例えば、障害の認定ですと、症状が固定したということで認定さ れるわけです。ペースメーカーの場合、ペースメーカーを入れる前の状況というのは非常 に患者としては厳しい状況にある。ペースメーカーを入れた後は比較的安定するが障害と してはペースメーカーが入ればそこで症状が固定したということで、障害等級が変わるこ ともあると聞くのですけれども、資料中で「障害の程度」とここに書かれている「医療の 内容」というところが、例えばどういったケースがあり得るかをご説明いただければと思 います。 ○事務局(原医療課長)  障害のというと、内部障害と身体障害とある欄がそれぞれ決めているというふうに聞い ていますけれども、ここで考えておりますのは、例えば障害の程度、直接と言うよりも、 医療の内容、先ほど言いましたように、包括病棟と出来高病棟と考えていただきますと、 先ほどの特殊疾患療養病棟入院料のほうは、比較的医療的にも安定しているといいますか、 それほど変動がないという方々が中心である。ですから、包括の形で評価をしていく。そ れに対しまして、日々の医療的に見た変動が極めて大きい方々がおられるということで、 そういう方々が多いところはやはり出来高でないと対応ができないということで、この入 院基本料が設定されたというふうに聞いております。  具体的にというと、私もそれを今想定して頭がちょっと思い浮かばないので、その点は ちょっと回答を控えさせていただきます。 ○対馬委員  先ほど来議論されている脳卒中との関係ではどうなのでしょうか。障害の等級と医療の 必要度や患者の状態では、どうでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  脳卒中後遺症の方々でこの病棟におられる方、全般が具体的に全部調べているわけでは ありませんのでわかりませんけれども、恐らく障害の等級でいきますと、今この例えば8 割以上というところの対象になり得る人たちは、一応身体障害者手帳で言うと2級相当以 上、2級、1級の方々が該当するというふうに考えられます。ただ恐らく、後遺症で寝た きりに近い方が多いのではないかというふうに思います。あと、ただ医療的にどうかとい うと、その点はよくわかりません。そこまで今回調べていないのでわかりません。 ○松浦委員  さっきの、私、概ね8割ということを質問したのですが、これも、障害者を概ね7割以 上入院させていること、やはりこのあとの3割というのが、相当自由度が高いというのが、 一つは前にも障害者施設等の届出数の推移を見てみますと、16年、15年あたりは倍増 していますね。そういうところと関係はないのですか。 ○事務局(原医療課長)  こちらのほうは、入院基本料の設定でございますので、残りのこの該当しない患者さん については、これは一般病棟の特別入院基本料のベースの部分、算定することになります。 あと、当然出来高ですので、投薬・注射・検査等は出来高で算定できるという形になりま す。 ○松浦委員  ですから、出来高部分があるわけですから、かなり自由度が高くなっているわけですね。 だから、そのあたりをしっかり検証して、実態はどういうことなのかと、これだけ病床数 は増えていますから、ぜひ検証もしてほしいと思います。データがあれば出してください。 ○事務局(原医療課長)  今回、もしここで御賛同いただければ、例えば脳卒中の後遺症の部分を外せばどうなる か等々、そのあたり、数等も精査していって条件を決めていきたいというふうに思います。 ○土田小委員長  ぜひお願いしたいと思います。  ほかにございますでしょうか。  ほかに御質問がないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりにして、次の議題に移 りたいと思いますが、この件は、ただいま御議論いただきましたように、診療報酬体系の 簡素化が必要であるということで18年度改正でも取り上げました。その一方で、医療サ ービスの受け手のニーズに応じたきめ細やかな診療報酬の設定も現在求められているとい う状況だと思います。  本日、事務局のほうから提案されましたことは、障害を持つ方やあるいは難病の方に対 して、現在提供されているサービス体系を基本的には維持しながらも、それぞれの体系で 本来期待している役割を担っていくための措置を考えていきたいというふうなことだろう と理解しております。事務局には今日の議論を踏まえまして、幾つかの注文が出ておりま すので、整理して、次回提出していただきたいと思います。  次の議題は、「有床診療所の評価」に係る問題でございます。  最初に、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  中医協の診−3の資料をごらんいただきたいと思います。有床診療所につきましては、 医療法の中で、患者さんを入院させる施設を持っている診療所ということで、その入院さ せるベッドの数が19床以下という場合に、この有床診療所という取り扱いになっており ます。  平成18年の医療制度改革全般の中で医療法も改正されまして、それで、そのときにこ の有床診療所に係る規定が改正をされておりまして、今年の1月1日から適用されており ます。  そこで、変更されました大きな点は2点でございます。2ページの四角で囲んであると ころをごらんいただきたいと思います。医療法第十三条、改正前のところでございますが、 ここは有床診について書かれております。「診療所の管理者は、診療上やむを得ない事情 がある場合を除いては、同一の患者を四十八時間を超えて入院させることのないように努 めなければならない。ただし、療養病床に入院している患者については、この限りでな い。」。療養病床が新しくできたときにこのただし書きがついたのですが、もともと「や むを得ない事情がある場合を除いては、四十八時間を超えて入院させることのないように 努めなければならない。」ということで、短期的に入院で退院できるような患者さんであ るとか、緊急的に一時的に入院をしていただくような場合を想定してこの有床診療所とい うのはつくられていた。  それが19年1月1日施行のこの改定のところでは、このいわゆる48時間規定という ものがなくなりまして、その入院している患者さんについて、短期であるとかということ を求めないようになったわけでありますが、ただ、そのために、その改正案文では、「入 院患者の病状が急変した場合においても適切な治療を提供することができるよう、当該診 療所の医師が速やかに診療を行う体制を確保するよう努めるとともに、他の病院又は診療 所との緊密な連携を確保しておかなければならない。」。このような規定に変わりました ので、有床診療所に入院しておられる患者さんに対応する対応の仕方がここで大きく変わ ったということが言えるのではないかということでございます。  そこで、1ページ目の「論点」のところでございますが、この医療法改正に伴いまして、 今法律で書かれております入院患者の病状の急変に備えて診療所の医師が速やかに診療を 行う体制の確保に努めるということなので、このような体制が確保された場合について評 価をしてはどうか。  2点目は、48時間を超える入院を当然想定されることになっているわけでありますの で、やはり従前よりも手厚い入院医療が求められるということから、看護の部分について も評価をしてはどうか。現在、当然、患者さんがおられますので、最低1人は夜勤がつい ておられるわけですけれども、複数の看護要員の夜勤があれば、その部分について少し加 算をしてはどうかということが今回の提案でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  もう1つ、この有床診療所に関しまして日本医師会のほうから資料が提出されておりま すので、説明をお願いいたします。 ○竹嶋委員  それでは、お手元に資料をお届けさせていただいておりますが、あわせまして、この有 床診療所の問題につきまして、私のほうから、お願いといいますか、希望を述べさせてい ただきます。  お手元の資料に、まず、「有床診療所の機能と減少」ということでタイトルを出してお りますが、もっと言うならば、「地域特性に応じた日本の医療の提供体制」ということで 私はお話をさせていただきます。最初は少し観念的になりますけれども、日本の戦後、こ の医療の提供体制、これは廃墟の中からそういうようにつくられてきたのですが、そのこ ろから、病院というものがすぐにはできないという状況の中で、地域の医療が少ない、こ れは紛れのない事実でございますので、有床診療所というのがつくられてきました。そし てその中でずっと有床診療所が、実際の呪縛のようになってまいりましたのが例の48時 間という、そういう縛りがありましたね、その中で、とはいいながら、48時間で退院さ せるなどということは実際に現実にはできない患者さんがたくさんおられるということの 中から、はっきり言いまして、その48時間を超えてずっと来た。これはやっと去年の1 8年6月の医療法改正の中で、これが入院医療病床として認められた。これは本当に有床 診療所の皆様方にとっては大変ありがたいことだと思うのです。  そこにありますように、地域のニーズ。これは都会ではもう当然地価等が高いので、1 8床、19床、20床などという、そういう病院を建てることは不可能でございます。地 方におきましては、これは今特に東北、それから四国、九州、それから中国の一部、こう いうところでは今でも地域の医療のニーズをしっかり支えている、そういう現状がござい ます。まずは、非常に近いところにあるということで、いつでも気軽に応じられるという こともありますし、都市部におきましては、産科とか整形外科とか眼科という、そういう 専門科、短い入院施設として病院のかわりとなっている事実がありますし、いまだにあり ます。地方におきましては、今度は内科とか外科、そういうところが地域のかかりつけの 医師として機能している。  もっと大事なことがあるのです。僻地・離島におきましては、これは病院がありません。 少ない。そういうところの中で入院機能を有する唯一の施設として大きな役割を現在果た している、この現状があるということをまず私どもは認識したいと思います。  しかしながら、有床診療所は、ここにグラフにありますように、無床化が進んでまいり ました。過去20年間に施設数は今1万2,500弱、それから病床数も、ここにありま す15万五、六百というところまで減ってまいりました。その一つの原因は、施設の大体 一人医師、それから看護師さん、准看護師さんと一緒にやるわけですが、それによる機能 の運営ということ自体もきついところがありますが、診療報酬はずっと少なくなってきた ということももちろんございます。  2ページですが、ここにありますように、入院基本料、これは18年6月に改定されま したが、先ほど原医療課長がおっしゃられましたように、その位置づけを、ここのところ で急性の場合に対応できるというようなことをお話しになられましたが、そういうことが 基本だと思いますけれども、とはいいながら7日以内というところにこのような点数配分 で、私たちが問題にしているのは、8日以後は極端にこのように少ない点数配分になって いる。ここのところが一つ私どもは大きな問題だと考えております。実際問題といたしま して、1週間で、例えば外科系の手術をする患者さん、あるいは整形外科の骨折でもいい ですね、そういう患者さんが、すぐ退院させられるか、これまた大変無理なところがあり ますので、このあたりの入院基本料の見直しということを次期改定で十分御検討いただき たい。  それからもう1つ、先ほど来も申しましたが、療養病床の介護病床の廃止、それからま た15万床の医療療養病床の廃止に持っていくという方向で進んでおりますが、何度も申 しますけれども、そういう受け皿というものがない状況のときに、やはりそういうものを 受ける一つの施設としても、私は今後十分機能を果たしていけるのではないか、そういう ように考えています。日本の本当に今まである意味では独特のこういう医療の提供、地域 住民に本当に感謝されながら来た、そういうものをやはり私は、残すものは残していく、 改革の中で残すものは残していく、そういう中で大事にしていっていただきたい。  最後に高齢者医療、日本の高齢者がここまで進んできたという一つの大きな役目を、少 なくとも地域においてはやってきたということで、この灯を消してはならないということ を私は申し上げて、ぜひお願い申し上げたいと思います。  以上です。 ○土田小委員長  それでは、この有床診療所につきまして御質問、御意見ございましたら、どうぞお願い します。 ○対馬委員  まず1点質問なのですけれども、「論点」が2つに分かれていて、1では、「速やかに 診療を行う体制の確保に努める」、その体制を評価したいということで、2は夜間の評価 なのですけれども、1は2の前段で、最終的に夜間の評価のことを言っているのか、それ とも、夜間と、1は別途の評価をしたいということなのか。そこがよくわからない。 ○事務局(原医療課長)  1のほうは、医師の診療体制の確保ということに着眼をした場合に点数をつけてはどう か。2のほうは、看護要員が夜勤、ここは複数夜勤を考えておりますが、ができるように なったら、それを評価してはどうかと、別のものを考えているわけです。 ○対馬委員  もしそうであれば、資料の構成も、例えば図表では、夜間の看護体制のことだけではな くて、医師の体制がどうなっているかということが当然必要だろうと思うのです。「速や かに診療を行う体制」と言っても、例えば医師が1人であればおのずと限度があると思う のです。  あとは、意見になりますが、竹嶋委員からは、有床診の機能等で資料もお出しいただい て、意見を承ったのですけれども、この有床診の問題についても、毎回議論されています が、私どもは、再三言っていますのは、有床診にはさまざまな実態があるのではないか、 そういう中で全体をトータルしての議論をしてもなかなか進まないので、おのおのごとの 実態が本当にどうなのか、明らかにしていただいて、それをもとにして議論しようではな いかということを申し上げているのです。  そして、今回改定においても、定性的には、都市部や地方部、僻地・離島では、もちろ んここに書かれているとおりではなくて、恐らくさまざまな状況はあるのでしょうけれど も、その話から急に入院基本料が低いので全部上げてくれという話になってくるので、そ の関係がどうなのか、もう少し実態がよくわかるようにしていただきたい。例えば最後の 地域医療の関係等は、今現在、問題になっている、特に高齢者等を対象にした在宅支援や 夜間対応が一体どういう実態にあるのか。支援診療所と有床診療所がどのように絡んでい るのか、そういった実態もあれば、もう少し議論が進むのだろうと思うのですけれども、 そこを明らかにしていただければありがたいと思います。  また、夜間の体制の評価は、特に、先ほどの地域との関係で考え方としてはわかります。 ただ、これも体制の評価ですので、評価したけれども、必要性はあったのか、7対1と同 じような議論が起きる懸念もありますので、そこはどう考えているか、これは質問です。 ○土田小委員長  前半のほうの質問は事務局が答えられると思います。今の後半のほうの質問についても、 答えられる限りでお願いします。 ○事務局(原医療課長)  まず、医師のほうなのですけれども、医師の人数は、だれかが当然いるわけですけれど も、夜間の体制は病院と違いまして、当直義務は課されておりませんので、ちょっと実態 はつかめておりません。診療所が、例えば自宅と併設の場合も多々あると思うのですけれ ども、そういうときに連絡をとってすぐ駆けつけられるようになっているところもあるで しょうし、その他の場合はちょっとよく、その実態をつかんでいるわけではないというこ とでございます。  今回は、一応努力義務が課されておりますので、そこら辺は、ちょっと診療報酬上の評 価をする場合にどのような条件づけでやっていくか、考えていかなければいけないと思っ ていますけれども、基本的には恐らく1人の方がやっておられますので、その1人の方が 365日、24時間ずっと、というわけにいきませんので、その方が例えば旅行に行かれ るときもあるでしょうし、学会に行かれるときもあるでしょうし、あるいは夜間はだれか を頼むということもあるでしょうから、その方が対応できないときにどういう体制をとっ ているかを、例えば届け出ていただくとか、そういうような形の条件づけを行いながら、 努力規定のところをちゃんとやっている部分について評価してはどうかというふうに考え ているということでございます。 ○土田小委員長  そういうことに対して、資料があるかどうかという質問がありました。 ○事務局(原医療課長)  それは一番初めに申し上げましたように、常勤換算で医師が何人いるかというのはある のですけれども、夜間においてどういう対応をしているかというのは、ちょっとそれは調 査しておりませんので、わかりません。 ○竹嶋委員  対馬委員からの御質問というか、データのことですね。私ども有床診療所連絡協議会と いうのが昭和63年からできていて、そこで、そういうデータを調べておりますが、こう いう中医協の場にまず出すときに、それだけでいいかなというのがちょっと一つあります から、出しておりません。  それから、お話に出ましたが、有床診療所のありていといいますか、それは原則1人の 管理者が24時間の体制をとっております。とはいいながら、先ほどおっしゃったように、 病気することもありますし、学会に行くこともあって、そのときは、大抵大学病院から派 遣してもらうといいますか、それで皆さんやっています。その差はそれぞれあるかもしれ ないけれども、原則はそういう形でやっていますし、例えば老人保健施設ですね、これは 平成12年から介護施設と変わりましたけれども、それまでは御存じのように医療でやっ ていまして、老人保健施設の常勤医は1人ですよね、それも日勤、常勤が1人でいいです ね、夜はいなくてもいい。ところが、100床のお入りになっていらっしゃる方々の中に は、区分2とか区分3とか、療養病床で言えば、ああいう医療密度の高い方も何人か入っ ていらっしゃる。そういうところで、夜は当直医がいない、いなくていいのですよ、法的 には。しかし、それはそれでやっているわけですね。  有床診療所は多くて18、19床、まだ今平均10床ぐらいでしょうか、そういうとこ ろでも、夜はオンコールというか、医師が大抵自宅に、あるいは近くにおります。そうい う実態は、今申し出がありましたから、厚生労働省もお調べいただくと大変ありがたい。 まず私は入院病床としてきちっと位置づけるということを18年に医療法で決めたこと、 これを非常に大きく評価させていただいて、それに対して私どももきちっとしたデータ等 もつくっていきたいと思います。 ○土田小委員長  有床診と在宅医療支援診療所はどのぐらいかというような質問も入っておりましたが、 そういうデータはございますか。 ○事務局(原医療課長)  在宅療養支援診療所のほうの調査は一部やっていまして、その部分でありますので、そ れはまた後日ちょっとお出ししたいと思います。 ○鈴木委員  有床診療所、御指摘のように、非常に多彩といいましょうか、それとも非常にそういう 意味で専門特化した有床診療所と、もう1つはその療養病床を取り入れたような、本当に 地域の交番としての機能を重視したというところがございますので、特化している有床診 療所は、在宅支援診療所を必ずしも志向していないわけでありまして、100%療養病床 を含めた有床診であれば、なるほど在宅支援診療所の比率というものが反映されると思い ますけれども、そこのところは対象が違うという、機能も違う有床診療所が存在するとこ ろを御理解いただきたいと思います。  あと1点、ぜひ申し上げたいのは、実は、この参考資料の2ページ目にございます四角 で囲ってございます右下の31日以上だと280点というところなのです。これは非常に 屈辱的な点数というふうに私は考えていまして、280点だけとれば、カプセルホテルよ り安いのに医者と看護師がついているわけですし、逆に言って、4時間未満の通所リハよ り安い。しかも、それが入院料であるという点でありまして、ほかに、後発医薬品を選択 したときにつける20円とIT化の30円とこの2,800円が、現行の診療報酬上、医 者にとって最も屈辱的な点数だというふうに私は思っております。 ○松浦委員  これは私は全く角度が違うほうからちょっと申し上げますけれども、今まだ改定率が出 ていませんですね。勤務医と開業医との格差についていろいろと議論が出て、経済実態調 査などでも、何倍でしたか、1.何倍ですか、などという記事が躍ったりしていまして、 そのあたりばかり議論になって、一般の国民所得、国民の平均の皆さんのいわゆる所得と の議論がここではもう出ていないのです。そうすると、上げる話ばかりずっと出ていって、 果たしてそれでいいのかなと、改定率が出ていないので。そういう、ちょっともう一つ、 もっと踏ん切りの悪い議論というか意見になってしまうのです。確かに、こういうところ に焦点を当てて2,800円と言われる、その気持ちはよくわかるのですが、一方で、実 調などのデータではかなり高い数字も出ていますし、今また所得の格差なるものが大きな 問題として日本にある中で、ひとつ早く改定率を出してもらったら、もう一つ後の、こち らが言った議論ができるような気がするのです。意見として申し上げます。 ○竹嶋委員  貴重な御意見でございます。私どもも改定率、早く出してほしいし、また、実際に今の 日本の医療費が、これは委員の方々もいろいろなデータで見ておられると思いますが、世 界のOECD比較、あるいは先進7カ国と比較しても全体が大変低いということは、皆さ ん御存じのとおりと思います。問題は、財政審もきのうかおととい出しましたね、それか ら、私どももこの前資料を出させていただきました。そして厚労省のほうも実調の報告を 出されました。やはりこの3つの資料を突き合わせて今からいくべきだと思うのです。  この会で前々回、土田会長もおっしゃいましたように、ひとつひとつ積み上げていこう と。それは今しなければ、全体の改定率は12月に入らないと出てこないわけですから、 そこのところまでの間に、我々はそれぞれいろいろな代表をして来ているわけでしょうか ら、あるいは個人の資格でもいいですが、ここは大変だと、ここは必要だというところを 十分議論していくべきだと思います。私はそういう考えを持っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○松浦委員  診療されるお医者さんのサイドから見ますと、また、医療を純粋に考えてみると、確か に積み上げ方式という、これは正解な議論かもわかりませんが、一方でお金というものが ありますから、私は一つ総額管理という頭も、支払側としては当然持たざるを得ない。一 番対立するかもわかりませんけれども、そういう問題は避けて通れないような気がします ので、ちょっと意見として申し上げておきます。 ○土田小委員長  有床診の話から大分飛んでしまいましたが、改定率をめぐる議論は楽しみにとっておく ことにして、今日の議論はこれぐらいにして終わりにしたいと思います。  引き続いて検証部会がありますが、その前に、次回の基本小委の日程が決まっておりま したら、お願いします。 ○事務局(原医療課長)  次回は11月9日の金曜日、場所は厚生労働省を予定しております。議題につきまして は、この後検証部会でも報告されます後発医薬品の促進問題についてを中心にお願いした いと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。それでは、しばらくお待ちください。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)