07/11/01 審議参加と寄付金等に関する基準策定ワーキンググループ 平成19年11月1日議事録 審議参加と寄附金等に関する基準策定ワーキンググループ  議事録 1.日時及び場所   平成19年11月1日(木) 13:30〜   霞が関東京會舘「エメラルドルーム」 2.出席委員(8名)五十音順     岩 田   太、 笠 貫   宏、 神 山 美智子、 永 井 良 三、    西 島 正 弘、 樋 口 範 雄、 日比野 守 男、◎望 月 正 隆 (注) ◎座長 3.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、   中 垣 俊 郎(審査管理課長)  他 4.備  考   本ワーキンググループは、公開で開催された。 ○総務課課長補佐(吉田) 定刻も過ぎていますので、ただいまから第3回の「審議参 加と寄附金等に関する基準策定ワーキンググループ」を開催させていただきます。本日 は、先生方におかれましては大変ご多忙のところをご出席いただきまして、誠にありが とうございます。笠貫先生はお越しになられるという連絡をいただいておりますが、若 干遅れているようでございます。それでは、望月座長、議事進行のほど、どうぞよろし くお願いいたします。 ○望月座長 それでは、議事に入りたいと思いますが、その前に配付資料の確認をお願 いいたします。 ○総務課課長補佐 配付資料を確認いたします。お手元に座席表のほか議事次第があり ます。資料No.1が名簿、資料No.2が今後検討すべき主な論点(案)、資料No.3が国内大学 における寄附金・契約金等の実態調査の概要、資料No.4が暫定ルール策定後の審議参加 状況の資料、資料No.5が前回までの議論を踏まえた主な論点・考え方(案)、資料No.5-1 が申し合わせ(案)、資料No.5-2が日米欧の論点との対比表、資料No.5-3が前回のヒアリ ングにおける意見書、資料No.5-4が国家公務員倫理規程からの抜粋、資料No.5-5が競合企 業の取扱い方に関する考え方(案)、資料No.5-6が家族の取扱いに対する考え方(案)、 資料No.6が神山委員から提出いただいている資料です。本日当日配付資料としまして、 前回までの議論を踏まえた海外調査結果概要(その2)というペーパーをお配りしてお ります。資料については以上ですが、過不足等がありましたらお申し出いただければと 思います。 ○望月座長 早速、議題に入りたいと思います。本日の議題といたしまして、「基準策 定にあたっての論点に対する考え方」ということになっております。前回まで、論点に 対する各種調査の報告や、関係団体からのヒアリングなどを行ってきたわけですが、追 加調査事項があるようですので、まず、その結果について事務局より報告を受け、その 後、論点に対し討議していただいてはどうかと考えます。それでは、追加調査事項の結 果のうち、国内大学における寄附金・契約金等の実態と、暫定ルール適用後の審議参加 状況等について、事務局より説明をお願いします。 ○総務課課長補佐 資料No.3、資料No.4に基づいてご説明申し上げます。まず、資料No.3 です。「国内大学における寄附金・契約金等の実態調査、暫定集計」ということです。 これは、こういうことにつきまして厚生労働科学研究の研究班を組織いたしまして、そ の調査をしていただいているところですが、とりあえずそのデータの一部を使いまして、 暫定的に集計して取りまとめたものを本日お配りしているものです。  調査の概要ということで、2頁をご覧いただければと思います。「調査の目的」です。 大学における寄附金・契約金等の実態を明らかにする、利益相反等の問題の基礎資料を 得るという目的で実施しているものです。「調査項目」としましては、学部に対する調 査と教授に対する調査を行っております。2006年度のものの奨学寄附金等の把握状況 と、教授についてはそれに加えて講演料・原稿料、特許使用料の受領状況などを調査項 目としております。  「調査対象」としましては、学部調査については全国の国公私立の医学部、薬学部の うちから無作為に3分の1を抽出して、合計43の学部に対して学部調査を実施していま す。教授調査については、その43学部におかれます教授を各5名選んで215名を調査対 象としているということで、医学部については臨床系の講座の教授から選んでいますし、 薬学部については全講座の教授から無作為に選んでいるというものです。  調査は8月に実施しまして、自記式の郵送調査ということで回答をいただいています。 回収率ですが、学部調査が81.4%、35通。教授調査が42.3%です。調査票の代表例を3 頁に載せてありますが、このようなものをやっているということです。4頁からが「学 部調査の結果」という形になっておりまして、15頁からが「教授調査の結果」という形 になっております。5頁は「回答者の属性」で、医学部、薬学部の内訳がこういう形で す。「不明」というのは、その学部欄にチェックが入っていなかったということで不明 となっています。  6頁から8頁ですが、奨学寄附金についてまとめております。6頁の図2は学部として の掌握状況です。7頁の図3は、それぞれの学部ごとの1学部当たりの奨学寄附金の受 領件数の学部数の分布です。図4は受領総額ごとの学部数の分布です。8頁の図5は奨 学寄附金について1件当たりの金額とその件数の分布を載せております。この場合の 「注」ですが、「1件当たりの金額」ということで、1件につきましては基本的には申込 みのあった件数を1件ととらえていますが、一部の電話調査が可能であった調査対象に 確認したところ、1つの寄附あるいは委託研究に複数の研究者がリストアップされてい る場合は、個々の研究者ごとに配分された金額を記入しているという回答もありました ので、そういうものも混じったような結果となっていることにご留意いただければと思 います。  その場合、1件当たりの金額ですが、算術平均を出してみると、ここにあるような70 万余りの平均という形になっております。正規分布ではありませんので、代表する値は なかなか難しいのですが、50パーセンタイル値から90パーセンタイル値を出すと、こ のような数字が出てくるということです。  9頁から11頁ですが、同様に委託研究としてのいわゆる臨床研究です。その治験、市 販後臨床研究も含めた臨床研究について同様に学部調査を行ったものです。11頁の図9 ですが、臨床研究について1件当たりの金額とその件数の分布はこのような形になって おります。薬学部は2件しかありませんので平均等は省略していますが、1件当たりの 算術平均は医学部で75万円余りという形でした。  12頁から14頁ですが、治験などの臨床研究を除く委託研究についての結果です。14 頁の図13では、同様に1件当たりの金額とその件数ということでお示ししております。 こちらのいわゆる臨床研究を除く委託研究につきましては、算術平均を出すと医学部が 327万円余り、薬学部は900万円余りということで、分布についても、高い金額のもの も含む形で分散しているという結果です。  15頁からは教授についてのアンケート結果です。17頁からが奨学寄附金についての結 果ということで、19頁の図18は奨学寄附金について1件当たりの金額とその件数をお 示ししております。先ほどの学部調査とほぼ同様な結果と思われますが、算術平均で医 学部が58万円余り、薬学部は78万円余りという結果となっております。  20頁からですが、いわゆる臨床研究についての結果です。22頁の図22は臨床研究に ついての1件当たりの金額とその件数をお示ししております。算術平均が68万円余りと なっております。23頁からが臨床研究を除く委託研究費の結果です。25頁の図26は1 件当たりの金額とその件数ですが、医学部の平均が239万円余り、薬学部は135万円余 りということで、こちらも高額の金額のものもあるという結果になっております。  26頁からですが、こちらは教授に直接聞いておりますので、講演料について聞いたも のです。28頁ですが、講演料についての1件当たりの金額です。これはすべて50万円 以下という度数分布になっております。29頁からは原稿料についてですが、31頁の図 34は特に1件当たりのものについてお示ししています。こちらもすべて50万円以下と いう結果になっております。32頁ですが、製薬企業からの特許使用料についてどうかと いうことをお聞きしましたところ、誰も受け取っていないという結果になっております。  33頁の図36ですが、これは教授各1人当たりに今回お聞きした奨学寄附金と受託研 究費、講演料や原稿料、その他諸々の金額をすべて足し合わせた金額の分布を、機械的 に私どもでやってみた結果です。これをご覧いただければ分かりますように、1人当た りの年間の金額の分布はここにあるような形になっておりまして、算術平均を出すと全 体でも600万円を超えます。医学部においては1,000万円を超えますし、薬学部は100 万円ちょっとという形になっています。こういうような結果になるということで、これ は複数の会社からいろいろな項目における研究、いわゆる受託研究も含めてですが、受 取総額を出すとこのような結果になっているということでありまして、今回の基準づく りにあたっての参考になるデータではないかと思っているところです。以上が資料No.3 についてのご説明です。  資料No.4です。こちらにつきましては、4月23日に薬事分科会としての暫定ルールを 策定したわけですが、その後、10月24日までの間、部会等を延20回開催しておりまし て、それぞれの会議においての暫定ルールの適用結果がどうなのかということをお示し したものです。医薬品第一部会はこれまで6回開催しておりまして、それの延出席委員 数が78名になります。審議品目が延31品目になりまして、共同開発のものもあります ので、括弧内の企業数はそれよりも若干多い36となっております。  その延検討人員というのは、注釈の下の方にありますが、各部会開催ごとの出席委員 の数に検討した企業の数を掛け合わせたものを足し合わせたものを延検討人員としてお ります。そういたしますと、第一部会におきましては476人が延検討人員となるわけで す。そのうち、審議に何らかの形で不参加等の取扱いになった者の数をその右側に書い ております。退室することになったのが延5人、参加をしたけれども議決には加わらな かった者が45人、合計延50人の方が暫定ルールの適用を受けた形になるのかなと思い ます。その割合が、延検討人員476人のうちの50人ということで10.5%という形で算 出しております。  同様に、第二部会、その他の部会についても計算すると、合計で延検討人員950人の うち、審議不参加等の取扱いの適用を受けた者が71名ということで、割合としては7.5 %がこの暫定ルールで審議不参加等の取扱いを受けたということです。これも今後の基 準づくりにあたり議論の参考になるかと思いましてご提出したものでございます。以上 です。 ○望月座長 ただいまの事務局からの説明にご質問等がありましたらお願いいたしま す。いちばん最後の審議参加状況の数字などをご覧になって、予想されるような値かな と思うのですが、いかがですか。それでは、また何かありましたら戻ってご質問等をい ただくことにしまして、次に、追加調査事項の結果のうち、海外調査の結果について事 務局から説明をお願いいたします。 ○総務課課長補佐 それでは、本日配付いたしました「当日配付資料」に基づきまして ご説明いたします。「前回までの議論を踏まえた海外調査結果概要(その2)」です。 前回も海外調査の結果につきまして概要をご報告いたしましたが、そのうち、引き続き 調査事項であった事項について、この間、結果を得た部分をまとめたものです。2頁以 降はその詳細でありまして、1枚目にその結果をまとめてあります。  主な事項で2つご報告させていただきます。まず、1点ですが、治験などの臨床研究 あるいは受託研究における契約金などがどのように取り扱われているのか、ということ について照会した結果です。回答としましては、アメリカ、ヨーロッパ、いずれも臨床 研究の契約あるいは助成は、通常、企業と組織との間でそういう契約・助成が行われて いるようです。その上で、アメリカFDAは、委員が所属する組織との契約・助成金につ いては、いま案が示されているガイダンスにおいては、経済的利益の5万ドルの中に含 めるという方向で検討がされているということです。ただ、注釈としましては、実際の 審議品目あるいは競合製品とは異なる製品に関する研究の契約・助成金である場合には、 その額はこの5万ドルの中には含めないことにするということだそうです。  一方、ヨーロッパEMEAは、委員が所属する組織との契約・助成金については、その5 万ユーロの中には含まれない形にしているということだそうです。ただ、そういうもの については、臨床研究あるいは受託研究に係る活動をどう評価するかということについ て、その委員が審議対象あるいは競合品目のコンサルタント、あるいは治験責任医師あ るいは治験分担医師という立場で活動していたかどうかということで評価をする。金額 の方に含めるのではなくて、そういう立場としての活動があったかどうかということで 評価をしているのだ、というのがヨーロッパの取扱いだそうです。  もう1つ大きな問題がありますが、いわゆる「競合企業の取扱いについて」です。こ れについては詳細を聞いているところで、まだ完全に十分ではないかもしれませんが、 アメリカFDA、ヨーロッパEMEAともに、審議対象品目と同じ効能・効果の医薬品を製造 する企業を競合企業として、それの経済的利益を合計して評価をしているそうです。さ らに、ヨーロッパEMEAについては、そういう関与企業等のリスト化をいたしまして、そ れが5万ユーロを超えるかどうかというところで判断をするということでありまして、5 万ユーロを超えている場合にはその内訳も示すということです。その内訳を示した後ど うするかということについては、まだ調べきれていない部分があるのですが、何らかの 措置を検討するという形なのではないかと推測されるところです。追加調査結果につい ては以上です。2頁以降はその詳細ですので、必要であれば後ほど確認いただければと 思います。以上です。 ○望月座長 ただいまの事務局からのご説明にご質問等がありましたらお願いいたしま す。 ○神山委員 この競合企業の取扱いのところなのですが、「同じ効能・効果の医薬品を 製造する企業との経済的利益を合計する」というのは、当該申請企業と競合企業と両方 を足すという意味ですか。 ○総務課課長補佐 そのように考えていただければと思います。 ○望月座長 ほかになにかございますか。 ○日比野委員 1番のほうですが、FDAが含める予定でEMEAが含めないというのはどう いう考え方の差なのでしょうか。 ○総務課課長補佐 ここにつきましては、前回も少しご指摘があったところですが、す べて金額に換算して評価するか、あるいはそういう立場にあることをもって利益相反か どうかを判断する、という両方の考え方があるということす。ヨーロッパにおいて5万 ユーロというのは、株式とかコンサルタントとか、そういうものについては5万ユーロ という金額で評価する。もう1つはその立場で評価するということで、臨床研究などに おける治験責任医師、分担医師などについては、金額にかかわらずそういう立場にあれ ば即利益相反の申告対象にするという形になっていますので、ここについてはヨーロッ パはその考え方を取っているということです。アメリカの方はそれを金額で換算すると いうことで、含める形になっているということです。 ○望月座長 ただいまの説明の中の1番の最後の「評価される」ということですが、誰 がどのように評価するかというのは分かっているのでしょうか。 ○総務課課長補佐 評価委員会がEMEAの中に別途ありまして、それぞれ申告されてきた 内容について評価していくという形です。基準がありまして、責任医師だった場合はそ の評価が例えばCであるとか、分担医師であればBであるとか、それが過去5年より前 なのか後か、1年以内なのかどうかとか、そういうところの基準があります。その基準 に基づいて、最終的にはその評価委員会が評価をして、最終的な審議参加の可否を決定 しているということです。 ○神山委員 そのDIAGは常設の評価機関で、審議があるごとに開かれているということ なのでしょうか。 ○総務課課長補佐 一応、常設の委員会ということで、任期も定められていると聞いて おります。その評価は審議のたびに行っているというふうに理解しております。 ○望月座長 ほかにはございませんか。それでは、ひとまず先に進みたいと思います。 追加調査事項の結果報告は以上ですので、各論点に対する考え方について議論していき たいと思います。事務局より考え方の案が提示されていますので、まずは事務局より説 明をお願いいたします。 ○総務課課長補佐 それでは、お手元の資料の資料No.5から資料No.5-6、資料No.6までを 使いましてご説明いたします。基本的には資料No.5がメインの資料です。「前回までの 議論を踏まえた主な論点に対する考え方(案)」ということで、これまでの議論を踏ま えて、各論点ごとに事務局の方でこのような考え方があるのではないか、というものを 少しご提案させていただいているものです。  資料No.5の1頁目です。まず「総論」です。議論のベースですが、いま運用している 暫定ルールにつきましては、基本的な骨格はこれまでの議論で一応支持されていると考 えていいのではないか。したがって、暫定ルールをベースに検討してよいのではないか というのが最初の○です。  2つ目ですが、このルールを適用する薬事分科会の中の部会等の範囲です。一般的な 事項まで含めていくと、当該分野を専門とする委員の確保等に支障が生じるというよう なこととか、アメリカにおきましても「特定の事項」がガイドラインの対象ということ もあります。そういうことなどを踏まえまして、いまの暫定ルールもそうなのですが、 個別の医薬品等の承認審査あるいは安全対策に係る審議を行う分科会・部会・調査会を 適用対象とするということで、その暫定ルールにおける取扱いのとおりというものでよ ろしいのではないか、というのが1つの考え方です。  1番の「寄附金・契約金等の対象範囲」、最初の論点ですが、この四角に括っている のがその具体的な論点の部分です。これについての考え方ですが、まず、暫定ルールに おきましては、審議会委員と企業との関係において、およそ想定される経済的利益は網 羅されているのではないか。さらに加えまして、前回の議論を踏まえると国家公務員倫 理法の取扱いなども参考にしたらどうかということです。  2頁ですが、奨学寄附金につきまして前回ご議論いただいていますが、その使途など につきましては正しく認識することが必要だと思われます。その上でも組織的な利益相 反の可能性を排除する必要はあろうかと思いますので、奨学寄附金は対象として含める こととしてはどうかということです。この点を踏まえますと、基本的には暫定ルールを 基本とするという形ですが、例えば国家公務員倫理法の取扱いも、踏まえると、ここに あるような贈与された金額あるいは提供された役務、供応接待、ゴルフ、旅行の相当額 も含めるという案についてはどう考えるかということです。4つ目の○は株式の扱いで すが、これについては欧米も金額に基づく評価という形にしておりますので、株式の時 価総額で評価するという暫定ルールの扱いどおりではどうかということです。  資料構成としましては、資料No.5-1が、例えば「申し合わせ(案)」でどう具体的に 書くかということを、1つの提案という形にしているわけですが、いまの部分につきま しては資料No.5-1で申し上げれば、2頁目の注3に赤で加えております。例えばそういう ような書きぶりになるのではないかという形です。以後、随時該当する部分を資料No.5-1 でご紹介する形で説明させていただきます。  また資料No.5に戻っていただきますが、2つ目の論点です。「寄附金・契約金等の名宛 人と使途決定権との関係(組織の利益相反)」の関係のことです。これにつきましては、 その評価対象は、欧米におきましても臨床研究などにおける契約金は組織との契約です が、組織的利害も評価の対象としている。そして、その評価にあたっては、結局は個人 の実質的使途決定権と連動した形になっているのではないかと思われますので、暫定ル ールにおける取扱いと同じ扱いでいいのではないかと考える次第です。ここにつきまし ては資料No.5-1の2頁の注4ですが、これは特に今のままでよろしいのではないかとい うことです。  論点の3番「金額水準」のことです。資料No.5の3頁に戻っていただきますが、金額 水準の取扱いについては、収入ベースか所得ベースかということについて、アメリカが 収入ベースということでしたので、収入ベースで計算し全体をまとめて一律水準を設け るという、いまの暫定ルールの扱いのとおりとしてはどうかということです。具体的な 金額水準ですが、先ほど資料No.3で我が国の実態をご紹介いたしました。そのような実 態も踏まえ、さらには医薬品等の開発に関与する可能性が高い第一人者の先生ほど、そ ういう審議会の委員として欠かせない立場であるという、そこが重なる部分があるとい うことも勘案していただいて、妥当な金額水準を設定する必要があるのではないかとい うことです。   4番目の「競合企業の扱い」です。これにつきましては資料No.5-5をご用意しており ます。「競合企業の扱いに対する考え方(案)」というものです。その1枚目ですが、 欧米における扱いは、ヨーロッパ、アメリカとも基本的には「同じ効能・効果を目的と する医薬品」とか「市場で競合すると考えられる医薬品」ということになろうかと思う のですが、それが対象であるということを前提としまして、その基準設定にあたっての 考え方の案ですが、最初の○にあるように、基本的には競合企業からの寄附金・契約金 等も対象とすべきではないだろうかということです。2つ目ですが、しかしながら我が 国の実態なども踏まえ、かつ審議会委員として必要な人数を確保するためには、現実的 な範囲で限定してもよいのではないかということです。  具体的にどういう考え方があるかということですが、実は、日本においても医療保険 における薬価を薬価基準で定めております。それの考え方を一つ参考にしてはどうかと いうことで、資料No.5-5の7頁、8頁に薬価の算定ルールをご紹介しております。8頁を ご覧いただければと思います。細かいことは省略しますが、大きく2つの薬価の定め方 があるということです。類似薬がない場合には原価計算方式、すなわち原価を積み上げ て定める方法なのですが、類似薬がある場合には類似薬効比較方式という方法で薬価を 定めております。  その類似薬の定め方は7頁です。基本的にはその類似薬と市場で競合するという考え 方から、1日当たりの薬価を類似薬と合わせるという形で新しい薬価を定めております。 そういう類似薬をどういう考え方で定めるかというと、7頁の図の中の右側に四角で括 っています。効能及び効果、薬理作用、組成及び化学構造式、投与形態、剤型区分、剤 型及び用法といったものから見て、類似性があるものを類似薬という形で選定し薬価を 定めている。そういう例がありますので、例えばそういうものを参考にして競合企業の 扱いを考えてはどうかということです。  また1頁に戻りまして、いちばん下の○の「具体的には」と書いてあるところです。 市場において競合することが想定される効能及び効果、薬理作用、組成及び化学構造式、 これを例えば医療機器に適用すると「又は」以降になるのですが、例えば構造及び原理、 使用目的、性能等から見て類似性があると認められる医薬品などの群、グループが出て まいるわけです。そのうち、最も市場影響が大きいものとしまして、売上高が最上位の 医薬品、そのデータは審議時点で得られる直近のデータに基づく形になろうかと思いま すが、そういう売上げ最上位の医薬品を製造販売する企業を「競合企業」とするという 考え方でどうかということです。  具体的なイメージとしては、2頁以降に医薬品の例を示しています。例えば循環器薬 では高血圧の治療薬でいろいろなものがありますが、そのうちのARB剤というものがい ちばん上にあります。このARB剤が類似薬の群になるのだろうと思いますが、市場規模 が最も大きいもの、この場合だと武田のブロプレスになると思いますが、その武田を競 合企業とする。同様に、カルシウム拮抗剤につきましてはノルバスクを製造販売してい るファイザーを競合企業とする、そのような考え方はどうだろうかということです。資 料No.5-5はそういう形です。  また資料No.5の3頁に戻ります。次の論点ですが、5番目の「考慮対象期間」です。こ れにつきましては欧米の取扱い、すなわちアメリカは1年、ヨーロッパは5年を見てい ますが、それを参考として現実的な範囲で、暫定ルールと同じく過去3年で十分ではな いだろうかということをご提案いたします。  4頁です。次の論点、「家族の取扱い」という部分ですが、これにつきましては資料 No.5-6を用意いたしました。「家族の取扱いに対する考え方(案)」というものです。 まず、1番と2番は基礎情報ですが、ヨーロッパは家族を対象としていない、アメリカ は配偶者と未成年の子どもを対象としている。ちなみに、国家公務員倫理法は家族に関 する規定はないと。そういうものを背景情報としまして、この「基準設定にあたっての 考え方(案)」ですが、最初の○にあるように、委員の家族、例えば配偶者と未成年の 子どもと仮にした場合に、その家族が当人の役務、例えば働いていることとかそれ相当 の地位があるという場合に、正当な報酬が得られるわけですが、それに基づいて購入し た株式などの経済的利益は正当な報酬に基づいたものですので、それまでも当該委員の 寄附金・契約金等に含めてカウントするのはおかしいではないかという考え方です。  2つ目の○ですが、問題にしなければいけない分は、本来的には委員本人への利益と なることを意図していながら、当該委員の家族に対する利益となっている場合です。例 えば家族に対する便宜供与を行っているような場合ですが、そういうものを申告対象と して含める、という考え方をとるべきではないかということです。  また資料No.5に戻りますが、4頁です。7番目の論点ですが、審議不参加の具体的な取 扱いの部分です。退席するかどうか、あるいは議決のみに加わらないという2段階の取 扱いの部分ですが、これについては欧米もそういう2段階の取扱いをしていますので、 暫定ルールにおける取扱いのとおりでいいのではないかということです。  8番目の「公表の扱い」です。これにつきましても、前回の議論でも情報公開が重要 だというご意見があったかと思います。情報公開の重要性に鑑みまして、いま暫定ルー ルで決めている取扱いに加えて、各委員から提出された寄附金・契約金等の受取額申告 書、これは別紙として6頁に付けていますが、毎回この申告書を先生方に提出していた だいているわけです。例えばこれを厚生労働省のホームページ上で公表するという案に ついてはどのように考えるのか、という形でご議論いただければと思っております。  5頁ですが「その他」ということで、これまでの議論の中で出てきた主なその他の議 論をピックアップしております。最初は、第三者委員会を立ち上げるべきではないかと いう部分ですが、これにつきましては実効性のある審議会運営の観点ということで考え ると、なかなか難しいのではないか。むしろ行わなければいけないことは客観性の高い 本ルールづくりをすることではないか、ということを最初の論点として書いております。 虚偽申告の取扱いについてです。これにつきましては虚偽申告が発覚した場合には、そ もそも審議会委員を解任するというか、辞めていただくという措置をとることになりま すので、あえてその制裁規定を明示的に盛り込む必要はないのではないかということで す。  3つ目ですが、公益法人の取扱いです。これはそもそも公益法人の在り方そのものの 問題であって、一律なルールを適用するのはいささか問題があろうかと思いますが、審 議会の透明性の観点、一層の確保という観点から考えると、公益法人からもらっている 奨学金・契約金等であっても、それが単にその公益法人を介した形、いわゆるトンネル 的な形で寄附されていることが自明な場合には、それを申告対象にするという案につい てどう考えるかということです。  最後ですが、見直し規定ということです。いろいろな実態は時代とともに当然変化し ていくということもありますし、定めたルールもいろいろと不都合があろうかと思いま すので、本ルールについても一定期間経過後には再度見直しを検討するという、そうい う検討事項を盛り込んではどうかということについて、ご議論いただければということ です。それの該当する部分は資料No.5-1でそれぞれ赤で書いておりますので、そちらの 方も随時ご参照いただければと思います。  資料No.6です。これにつきましては神山委員からご提出いただいている資料ですが、 一般に公告されている内容ということでご披露させていただくものです。趣旨といたし ましては、弁護士の方々につきまして、いわゆる利益相反にあたるような者からそれ相 応の金額、例えば1枚目の者については30万円を受け取って何もしなかったというか、 やや問題のある行動をとったと。2枚目の者につきましては500万円の貸付を受けたと か、500万円のさらなる支払いを別の者から受けたとか。そういうことを行った場合に は、それぞれ前者は戒告処分、後者は業務亭止2カ月の処分を受けていますよというこ とで、いわゆる法曹会といいましょうか、弁護士の世界の利益相反の取扱いについてご 紹介いただいたものということです。今回の基準づくりの参考情報としてご提出いただ いたものと理解しております。少し長くなりましたが以上でございます。 ○望月座長 神山委員は追加のご説明がございますか。 ○神山委員 そういう処分を受けるだけではなくて、これだけの個人情報が公開されて いる、雑誌に全部掲載されてしまうという、社会的な評価が下がってしまうような制裁 もあるということを付け加えさせていただきます。 ○望月座長 それでは、資料No.5の各事項ごとにご質問も含めてご議論いただきたいと 思います。まずは、0の「総論」についてはいかがですか。 ○神山委員 基本的にはこういうことでやらざるを得ないのだろうと思うのですが、国 家公務員の倫理規程は、そもそもやってはいけないということですよね。 ○望月座長 そうですね。禁止行為ということはやってはいけない。 ○神山委員 だから、例えばゴルフをやってはいけないとか供応を受けてはいけない。 その考え方は、今回のこの案にどのように反映するのかというところのご議論はもう終 わっているのでしょうか。 ○望月座長 終わっておりません。それは、むしろ、その1番目の「寄附金・契約金等 の対象範囲」の中に、その倫理規程に基づくような行為も含めようということが提案さ れているかと思うのです。そういうことでよろしいですか。 ○総務課課長補佐 はい。 ○望月座長 それは1番のところに行ったら議論させていただきたいと思いますが、0 の総論についてはいかがでしょうか。 ○樋口委員 座長の審議の進め方のほうが本当は1つひとつについての論点がきちっと していいと思うのですが、少し全体にわたって発言させてもらってよろしいですか。も ちろん、議事進行は座長の職権ですので、それに違反するようなことはやりたくないの ですが、この利益相反の問題は、この場面だけではなくていろいろな所で問題になって いて、それこそ、弁護士さんであれ何であれ、非常に難しいところがあります。  それで、おさらいなのですが、この問題は、まず、アメリカであれヨーロッパであれ 日本であれ、国がきちんとした良い医薬をできるだけ早く患者のために作り出して行こ うという話になっていて、そこで研究機関と製薬会社等の経済界とが一致して協力して やるのだという現状があります。産学連携というものを国策として押し進めているわけ ですよね。一方、しかし、個別に承認申請に上がってきた医薬に対して承認を与えるか どうかというところに、必ず利害関係が何らかの形であるような人が関与して審査せざ るを得ないという状況を自ら生み出して、それの弊害のところだけは何とかせんといか んだろうということで、どの国も苦労しているという状況です。  私は、理想論かもしれないのですが、この利益相反という状況のディレンマは抜け出 せないとます認識し、それに対して何で対抗するかというと、「本当に正しい人、本当 の専門家は正々堂々」ということがキャッチフレーズになっていて、自分の属している 大学あるいは自分の属している研究チームは、公共目的のために製薬会社からお金はも らって研究をきちんとやっているけれども、個別の薬事審議会等で自分が意見を求めら れたときには、それとは独立してきちんとした専門家の意見として言えるのだというの が本当の専門家であって、そういう専門家がいなくなったらどんな制度を作っても国は 滅びますよね。だから、そういう人たちを排除してしまうようなルールを作っては意味 がないのです。  そこで、その間を貫くのは、先ほどの国家公務員法というのは禁止ルールで、非常に 単純化された形式化したルールを作っているわけですが、そうではなくて、プロヒビシ ョンではなくてディスクロージャー中心の考えで行くべきだと思います。正々堂々、公 明正大ですから、私の所の研究チームはこれだけのお金をもらっていますけれども、今 回はその製薬会社に対して厳しい意見もきちんと言います、というのを公開した上でそ れもきちんと言える。あるいは、製薬会社寄りの意見に偏るようなことばかり言ってい れば皆が見ていますよという、本当は自制でなければいけないのですが、そういうディ スクロージャー中心のルールを作っていくのが本当は筋かなと思っています。  しかも、前回、4者の意見陳述というものをお聞きして、薬害オンブズパースンであ れ全国薬害被害者団体連絡協議会であれ、私の聞き間違いでなければ、公表ルールのほ うが、公開性、透明性というものが大事ということをおっしゃってくれたので、そうだ とすれば、そういう方針をまず立てたらいいかなと考えたのです。このあとの議論で私 も考え方を変えるかもしれませんが、私はそう思ってやって来たのです。  2つ目として、いまはとにかく暫定ルールがあって半年以上行われてきた。今回、暫 定ではなくて正式ルールづくりに入るにあたっては、暫定ルールがものすごくうまくい ってよかったというのならばともかく、それはなかなか評価が難しいのだろうと思いま すが、こういうワーキンググループで案を作るからには、プラスアルファ、暫定ルール よりも一歩か二歩かは進めたいと思うのです。それで、今日の厚生労働省の方の案でも プラスアルファの部分がいくつもあって、それはそれでいいのですが、さらに、できれ ば、我々はヨーロッパとアメリカのルールを見ていて、ヨーロッパとアメリカのルール も当然参考にすべきなのですが、それと同じレベルにようやく達するというのではなく て、そこから一歩か二歩かはプラスアルファを作ってみる。  しかし、こういうルールがうまくいくかについては、実際にやってみないとなかなか 分からないので、これは5年後見直しみたいなことがいちばん最後に書いてありますが、 できれば3年程度暫定的にやってみて、うまくいかないようだったらもう少しアップす るなり何なり、というような試行錯誤を覚悟する態度をとってみたらどうかと考えてい るのです。  それで、あとは個別のところに入るのですが、プラスアルファのところをいくつか考 えてみたのです。暫定ルールからプラスアルファのところと、アメリカとヨーロッパの ルールに比べてプラスアルファのところですが、これから並べてみてもよろしいですか。 資料No.5に従ってなのですが、どの点かを入れていただければ私個人としてはありがた いと思っております。  まず、総論の部分ですが、一律の金額水準を基に審議の可否を判断するという基本的 な骨格を維持するというお話でした。前回でも、ヨーロッパと同じように、例えば治験 責任医師を務めていた委員が、その当該薬について参加できないのは当たり前だし、コ ンサルタントとしてかかわってきたとか、製薬会社の運営委員会や諮問委員会に入って いるのは、ヨーロッパルールで初めから排除することになっているというのは、あまり 当たり前だから我々は書いてないだけですよね。だから、そこは金額ルールだけではな くて、そういう地位も含めてきちんとチェックしていますよ、というふうに言ったほう がいいと思うのです。そのほうが正解ですし、印象としては暫定ルールよりプラスアル ファと言えるかどうか分からないけれども、それがはっきりする。  それから、これは少し難しい点ですが、総論の2つ目の○で、一般的な事項まで含め るというのは、例えばヨーロッパやアメリカでも特定の薬品が問題になったときだけこ ういうことを考えているというのですが、一般的なガイドラインを作るときも利益相反 の関係はあり得るので、これは禁止ルールはやめて、何らかのディスクロージャーを検 討するか考えるかということを提案します。ディスクロージャールールだけは、一般的 な事項について皆が議論するときにも、それぞれの委員が製薬会社との関係はこのぐら いはあります、というのがあってもいいのかなと私は考えてみたのです。そこはそれも 含めていろいろ議論があるだろうと思います。  次の2頁のいちばん上に行きます。これは表現の問題かもしれませんが、「組織的利 益相反の可能性を排除する必要がある」という、自分個人の研究チームの話と別に自分 が属している機関、大学という組織に関する利益相反の問題があります。ここでいう可 能性を排除する必要がどういうものであるか分かりませんが、私は研究者もいろいろな ので、大学に大きなお金が入っていると、やはり忠誠心を大学に感じてということもあ り得ると思うのです。組織と企業との関係も、これもディスクロージャーという話なの です、禁止とかの話ではなく。ディスクロージャーということを工夫することが可能な ら、やったほうがいいような気がするのです。  そのあと、○の2つ目の提供された役務かゴルフ、供応接待というのは、これは既に プラスアルファですね。暫定ルールよりはプラスアルファなので、これはこのまま維持 する。だから2の「組織の利益相反」で、自分が実質的な名宛人でというところは、ち ゃんと組織の名前でも押さえておきますというのは、暫定ルールでやっていることだか ら、これを維持するというのはいいのです。さらに、組織自体のほうのかかわりも何ら かのディスクロージャーを工夫してはどうかという意味です。  3枚目の「競合企業の扱い」も新しい論点なので、きっとプラスアルファなのだろう と思っているのですが。例えば、1社の薬品が、私は薬事審議会の中まで知らないので すが、問題になったときに、その当該社から、私が例えば研究者で何らかのかかわりを 持っているのと、競合企業からのかかわりを持っているのは、競合企業はもっとたくさ んいるわけでしょうから、それを全部把握して、これと同じルールというのは何かちょ っと違うような気がするのです。ここは一つとの関係だけを強調して、ここは複数の所 との関係という話であれば、複数の所と関係を持ちやすいはずだと私などは思いますか ら、だから同じルールを適用することに対しては少し工夫があってよいという感じがす るのです。ちょっと誤解かもしれないのですが。  先ほど、この競合企業の扱いについて1つご提案があったのですが、競合企業の中で 1社から、例えば、あとで500万円ルールみたいな話が出ますが、500万円ルールという、 つまりいま薬品が問題になっている当該社からも500万円ルールであれば、競合企業の 中から1社だけを取り出して、とにかくもう500万円ルールみたいなのが適用される場 合には同じルールでいいと思うのですが、複数という話になったら、それはちょっと違 うのではないかなと思っています。そちらは500万円ルールではなく、むしろ利害関係 を公表するだけのルールで留めてもいいのではないかという気がしているのです。これ が良い案なのかどうかはちょっと自信もないのですが。  4頁目は、家族についてです。家族についてはヨーロッパは大らかで、気にしない。 アメリカはFDAで、配偶者と未成年の子どもについてだけは気にするというわけです。 こういう例があるかどうかは分かりませんが、自分の配偶者がその製薬会社の役員を務 めているというのでは、全然無視するわけにもいかない。やはりFDA程度のルールは入 れるが、その経済的利益を配偶者等についても事細かにというのはなかなか難しいと思 います。それはあとでの公表の話になると思うのですが、その500万円以上とか以下く らいのことだけ申告していただくようなことなら、少なくともそのような形にしてはど うかと考えました。  8番目でいくつかの公表の問題が出ています。まず、議事録について「2年間は委員名 を伏せた形」というのは、先ほどの正々堂々ルールから言うと、この際なかなか難しい のかもしれませんが、ほかの厚生労働省の委員会などでは全部、例えば樋口という名前 が出て、こんなつまらないことを言っているというのがインターネット上に出ているわ けですから、薬事審議会も委員名をもう伏せるのはやめて、行ってみたらどうかと思っ ているのです。別途、申告書についてだけ公表するということに、ここではなっている のですが、議事録のほうも公表する形にされたほうがいいと考えました。公益法人の取 扱いについては、新たにこういうものを入れようということですから、これはプラスア ルファです。  最後にもう1点だけ、いちばん最後にFAXの回答表があって、これがいま行われてい るようです。500万円以下か500万円超だけかをとにかく簡単に報告してください。ど うも厚生労働省の方がいろいろ調べてくださった中では、どうやらヨーロッパなども5 万ユーロ以上か以下かで、いちいち細かな明細などは一切求めないという話です。FDA も結局そのくらいの話になるのでしょうか。  だから、それと足並みを揃えるという意味ではこのままですが、もう一歩を考えると、 やはり500万円超でも、それこそ何千万というのもあるし、それから500万以下でも50 万もあれば400万もあるわけです。もう少し金額の特定をして、マル、バツという話で はなく、少し詳しい区分で申告を日本は求めるようにしようとするのはどうでしょうか。 あるいは、さらにもう一歩、どういう項目でいちばん利害関係が大きいのか程度のこと はやはり示してもらい、ディスクロージャーを他の国よりももう一歩進める。しかし、 あんまり細かな領収書を付けたりとペーパーワークだけ増やすような形式的な話はちょ っと避けるけれども、とりあえずこれより一歩だけディスクロージャーの度合いを強め ることを考えてみてはどうかという提案です。考え足らずのところがたくさんあると思 いますので、ほかの諸委員のご意見を伺えればと思いました。全体にわたって、長く発 言して申し訳ありません。 ○望月座長 ありがとうございます。全体にわたった今の樋口委員の意見に対して、岩 田委員はお急ぎのようなので、一言ありましたらどうぞ。 ○岩田委員 申し訳ありません。2点だけ言わしていただきます。個別の議論なので、 もうすでに樋口委員も言われましたし、このあと議論されると思うのですが、家族のを 含めるかどうかという議論です。これは場面が異なるので、うまくそのままが適用する かどうかわからないのですが。望月座長もそうですが、私は厚生労働科学研究における 利益相反の検討委員会に入っています。そこでは、一応生計を同一にする一親等の家族 については入れることにしているのです。すでに、それについては大学側で、大学の方 が中心ですから、大学のほうできちんと管理することは考えられているようなので、実 効性の観点から言うと、こういうことを含める、この薬事審議会のほうで含めることも、 そんなに難しいことではないのかなという印象は持ちました。  あと1点は議事録の点です。樋口委員が先ほど言われたように、ここでもまさに私た ちの名前が出て、議論がされていて、それが公表されていることを考えたり、透明性が 非常に重要だと考えると、多少こういうワーキンググループと薬事審議会は違う可能性 もあるかとは思うのですが、そういうものができるようになるとより透明性が高まって いいのかな、という印象を持っていることだけお伝えさせていただきたい。 ○望月座長 ありがとうございます。ただいまのお二人の委員のご発言ですが、要する に、ディスクロージャーといいますか、物事を全部禁止するのではなく、何をやってい るかをきっちり公表してわかるようにして、その上でそれを判断する。もちろんその基 準として何かは必要ですが、そのプラスアルファ、マイナスアルファという細かい数字 で規定するのではなく、それを公表して判断していただこうというのと、どうせ作るの ならヨーロッパ・アメリカよりも良いものを作るべきである。折角集まって時間かけて 作っているのですからということで、その2つを全体の流れとして考えながら進んでい ったらどうかということなのですが、全体的なことに対してはご意見いかがですか。 ○笠貫委員 私も、樋口委員のご意見に基本的に賛成です。今回の大前提は、患者さん のために良き医薬品、医療機器を開発していくところにあるのだろうと思います。その 一方、産学連携というものが不可欠であることも前提としてある。そこでどうしても個 別の審議に利益相反という問題が出てくる。その弊害を最小限度にするか、あるいはそ の弊害を取り除くためにどうしたらいいかという方策を考えるのは、私も基本的なスタ ンスとしてはその確認は必要なのだろうと思います。  それは私も前回の各意見陳述をお聞きしても、そこについては大きなコンセンサスは 得られているのではないかという感じはいたしました。その前提に立ちますと、やはり 問題は禁止事項ではなく、禁止ルールを作ることが目的ではなくディスクロージャーと いうものをどうしていくのか、そのルールづくりをするこで、そのディスクロージャー で、公開性と透明性をどう担保していくのかということを基本として、それを最初に謳 ってもよろしいのではないかという感じがいたしました。出発点としては、樋口委員の ご意見のところで、そうしたコンセンサスがこのワーキンググループで得られるかどう かは大事なことかと思いましたので、発言させていただきました。 ○望月座長 ありがとうございます。ほかの委員の方からいかがでしょうか。 ○西島委員 先ほどの樋口委員が最初におっしゃったことで、治験実施責任者をしてい る場合はもう当然ではないかということでしたが、この資料の5-1のいちばん最後に「申 し合わせ」が付いていますが、ここでその点が触れられているのです。今回は、私の感 じでは、これをさらにもうちょっと具体的に、金額にまで及んで考えようということだ と思います。したがって、ここにあることですが、それに加えて、総論でもさっき樋口 委員がおっしゃったようなことは、再度加えてもいいかと思います。こういうことは既 にいままでもあるということを、一つ感じました。  具体論になってしまうのですが、ディスクロージャーということで、委員の名前を出 すことですが、たぶん問題は名前が出てしまうと、知り合いの者からいろいろ問合せが きたりすることがあり得るということで、そういうことも含めて名前が出ないようにし ているのではないかと、私は思います。以上です。 ○望月座長 8番に出ていますが、「発言者を直ちに公表することにより公正な審議が 阻害されることを防ぐ」という辺りが含まれていることで、2年になっているかと思う のです。それについては、後ほど順番に議論していただきたいと思います。  それでは、ただいま出ましたようなディスクロージャー、公開性を第一とすることを、 この総論に入れていただくことを基準として、それらを頭に置きながら個々の点につい て検討していきたいと思いますが、よろしいですか。  総論の中で、暫定ルールというのは、これまで半年ほどこの暫定ルールに基づいて審 議会を運営してきたわけですが、格別に問題は起きてないという理解の上から、この暫 定ルールをベースに検討していこうという議論になったと思うのですが、その点につい てはご意見いかがですか。よろしいですか。ベースがないと動きがとれないということ で、そう理解していただきたいと思います。それから部会の範囲についても、いままで どおり、全部にわたるのではなく個別の医薬品等の承認審査、安全対策に係る審議を行 う分科会・部会・調査会に限るということです。これについてもよろしいかと思います が。 ○樋口委員 私は審議の内容がよくわからないのですが、すべての企業に影響を与える 可能性がある一般的な事項、一般的なガイドラインを作成する会についても、もちろん これはディスクロージャーだけなのですが、それぞれの委員が、そうなると製薬会社全 体だと思いますが、あるいはその組織も含めて、どういう形のかかわりを持っているか だけは公表した上で、議論していただいたほうがいいような気がするのですが、ご意見 を伺えればと思います。 ○望月座長 この意味がちょっと曖昧なので、事務局から説明してください。 ○審査管理課長 具体的にどういう状況を想定しているかをご説明したいと思います。 例えば、日本薬局方といって、2,000品目から3,000品目の日本で売られている医薬品 のほぼ中心的なものがすべて載っている規格書、品質の規定書があるわけです。これを 改正するのは、日本薬局方部会で議論します。そうしますと、医薬品企業がいま販売し ているものの主なものがすべて載っているわけですから、ここでの対象企業は、製薬企 業すべて、全社になります。  さらには、ここで議論するのが1回に例えば100品目とかいうような議論になってき ます。と申しますのも、部会は最後の最後のチェック段階です。ある面で申しますと、 そういう方針でよろしいですかという議論になってしまいますので、1品目ずつ個別に 議論するわけではありませんが、影響としては、この100品目なら100品目みんなに及 んでしまう。その意味から申しますと、利害相反的なものが及ぼす悪影響というのはあ まり大きくないのではなかろうかとも考えられるのかと。一方において、先生方にとっ てみると、実質的に医薬品全社について調査するのも、また実務的にも大変なのかなと も思うわけです。  また別の場面を紹介いたしますと、例えば安全対策部会があります。安全対策部会に おいては、直近3カ月か4カ月かに出された副作用報告の全件について、リスト化した 形で20、30頁にわたるものを報告いたします。即ち成分ごとに類型、例えば呼吸器系の 副作用であるとか、消化器系の副作用であるとか、精神神経系の副作用であるとか、そ ういうものの整理した数を報告してまいるわけです。ですから、これもまた全社になる わけです。一般的事項で想定している主なものは、主にそういう場面があるのだろうと。 ○望月座長 そういうことですので、やはりある程度個別に限らざるを得ない場合が多 いということだと思います。逆にいうと、そこまで広い範囲にわたって、この薬事・食 品衛生審議会が仕事をしていることにもなる。ですからその中のいちばん個別の医薬品 についての承認審査に係るものに適用しようということです。よろしいですか。それで は、総論はただいま申し上げたようなことを含めて。 ○審査管理課長 先ほど樋口委員から、また西島委員からもご発言のあった件ですが、 いまの暫定ルールが確かに経済的利益で金額だけで追っているわけですが、西島委員か らご紹介されたとおり、別の申し合わせで、いわゆる立場についても議論をしている。 今回のルールのタイトルをどういう形にするかにもよるのだろうと思いますが、いわゆ る利益相反みたいな形に書くのであれば、その立場についても別のルールがあることを 含めて、立場からと金額からと、2つから整理していることが明示的にわかるように工 夫をするというのが樋口委員、西島委員のご提案だと思うわけです。そこは、暫定ルー ルとは違っているのではないかとも思うわけです。  一方、今回の所掌範囲が寄附金の取扱いについての形のルールにするのであれば、ま さしく暫定ルールと同じように、寄附金だけで整理するやり方もあるのだろう。即ち、 今回のターゲットと申しますか、全体をどのように整理するかによって若干違うのかな とは思いますが、そこはご議論願えればと思う次第です。 ○望月座長 いかがでしょうか。暫定ルールは、確かにある金額を超えるものについて は議決に加わらないとか、審議させないことをきっちり決めただけです。本日の樋口委 員のご意見から、そういうことを細かく禁止するルールを作るよりも、やはりディスク ロージャーをすることを中心として判断できるようなものを作りたいという意見だった のですが。 ○神山委員 質問です。もう1つのほうの立場についての申し合わせというのは、ここ に付いているFAX用紙みたいなものを、例えば治験に参加したとか、資料作成に参加し たとか、そういうものを出していただいているのですか。今回の案のようにそれを公表 することはどうなっているのですか。 ○審査管理課長 資料5-1の10頁をご覧ください。いまの神山委員からのご質問は、「申 し合わせ」の中にすでにございます。1.(1)で申請者がいちばんそれがわかっています。 この申し合わせによると、申請者から関与者のリストの提出を受け、審議の開始の際、 その氏名を報告する手続をとっています。このような形で現実の部会を運営させていた だいているところです。 ○神山委員 そう書いてあるのですが、つまりリストはあるとしても、ここにある「FAX 回答表」みたいなものは、ないということですね。 ○審査管理課長 この「FAX回答表」は委員からいただくもので、この13年1月の申し 合わせについては、申請者から私どもがいただき、私どもから部会において、この品目 については例えば永井委員と笠貫委員は、13年1月の申し合わせでいうところの関与委 員ですので、退席していただくことになるのをご報告させていただいています。それは 議事録の中に当然反映されているところです。 ○望月座長 よろしいですか。各々のFAXではなく、もともとの薬を申請するときにそ ういうリストを出していただくということです。それも含んで、いまは判定といいます か、判断しているということです。それをさらに詳しく、値段、金額だけではなく、そ ういうことをきちんとやっていることを、ここに謳うかどうかになるかと思います。方 針として、その公開性をきっちり出して、ディスクロージャーすることによって、これ らの問題を解決するではないのですが、何かいい言葉はないですか。 ○審議官  克服するとか。 ○望月座長 克服に替える。日比野委員、お願いします。 ○日比野委員 直接のきっかけが、確かに審議参加と寄付金の問題だったとしても、欧 米のを見ると、もう少し広い範囲で立場のことも触れていますね。そうすると、先ほど の確認事項というか、ディスクロージャーでいくということ。もう1つは、少なくとも 欧米を多少でも上回るレベルのものでやっていこうとすると、暫定ルールをベースにし ながらも、やはりそこにもう少し、いま言われた最後の「申し合わせ」のことも付け足 して、それほど不都合でなければ入れたほうが、より完璧なものになるのではないでし ょうか。そういう作業がそれほど難しくなければ、そのほうが、今の時代に応えるもの になるのではないでしょうか。 ○望月座長 ではそのような形に。金額だけではなく、そういうディスクロージャーに ついても判断をすることを、どこかに入れていただきたいと思います。  では、実際に寄附金・契約金等の対象範囲という1番のほうにいって。先ほど出まし たが、国家公務員倫理法、本日の資料5-4になります。今回、こういうことをしてはい けないというのは、これは国家公務員ですが、この審議会の委員というのは、こういう のをしたらしたで、報告をしなさいということになるかと思うのです。報告をしなさい というか、金額に換えて報告することになります。このあたりの考えは、先ほどの資料 5-1の2頁の注3に入れられたのは、「供応接待、遊戯又はゴルフ、旅行の相当額を含 む」ということ、だからそういうのも全部加えて額を出してほしいという形になるので すが、この表現についてはいかがでしょうか。 ○笠貫委員  樋口委員から出ましたように、供応された金銭や物品等、やってはいけ ないことは、信頼を得るという意味では当然のことはきちんと書いておいたほうが、い いのではないかと思います。先ほど項目の話も出ましたが、研究契約金もそうですが、 どういう使用目的で、どういうプロセスで決定され、どういう目的で使われていたかに ついて、ディスクロージャーできるというプロセスさえ確保しておけば、研究者として 正々堂々とできるんだという人に国の委員をやっていただくように、基本としておかな いと、逆に常にその問題を指摘されてしまうと思います。すべてそのプロセスを最初か らしておくかどうかはわかりませんが、求められたときに正々堂々とできる研究者を、 是非、国の審議に関わる委員として選んでいくというプロセスがあってもいいのかなと 思います。 ○望月座長 事細かにこういうことを書くよりも、何か問題があるときにはそれを全部 公表するという。 ○笠貫委員 少なくともこういうことに関わる場合には、それぞれの研究者が、開示を 求められたらできるプロセスを出しておくことも、1つの考え方かなと思います。 ○望月座長 表現が難しい。 ○審査管理課長 笠貫委員がおっしゃっているのは、基本論というか、考え方としてそ のとおりだろうと思います。現実問題として、暫定ルールを運用している中でも各対象 企業に対する寄附金等の受領について、先ほど見ていただいたようなFAXの形で出して いただいているわけです。そういう意味で、求められたら開示することをお約束の上で、 委員になっていただいているということなのだろうと思います。それは今後より詳細な、 あるいはより広範な形になればなるほど、そうした宣誓とまではいいませんが、そうい うお約束のもとで委員になっていただくことになるのだろうと思っています。 ○望月座長 そういうのを含んでいるという考え方であります。 ○笠貫委員 例えば、受領なし・ありという金額だけではなく、どういう目的で、しか もどういうふうにして使ったのかを求められることもあり得るのではないか。ここに「遊 技又はゴルフ」なんていうのがありますが、そんなことも含めて、分かるようにする。 いま悪いほうを言ったのですが、きちんとした目的で成果を上げた、正々堂々と使えた 研究費であるならば、それを書ける。求められたら書けますというものがあるのだった ら、その額は同じ500万円でも意味が違うものではないでしょうか。疑義があるとした ら、先ほどの第三者委員会でそこを議論していただいてもいいのではないかと思います。  医師主導型臨床試験はこれから日本の1つの大きな課題だと思うのです。新薬を開発 することと同時に、医師が開発された医薬品を患者さんにとって必要だということでの 臨床試験を組もうというときにその目的とその成果がきちんとしたものであるときに、 それと同じ額で括られてしまうと、意味が違ってくるのではないかと思います。先ほど 樋口委員が言われた、大きな目的に合致したものであるならば、この額はそうした合致 したものとして使っていますということを公表するのは、私はディスクロージャーの中 で第三者から見て評価し得る内容を伴うもののほうが良いのではないでしょうか。この 金額だけというのは違うのではないかと思います。 ○審査管理課長 あまりに難しい問題を提起されているようで、私が答えるわけではな いのですが、考え方からだけ申しますと、同じ100万円をもらっても、その使い方によ って、我々がこの場面で懸念しているような利益相反というものの発生の仕方が違うと いう考え方でしょうか。例えば、100万円もらった、研究に必要な試薬を買うためにそ の100万円を使った。あるいは、その100万円のうち大半は秘書の給料に当てた、酒を 飲むために当てた。そうした使い方によって利益相反、懸念しているような企業との関 係、審議との関係に影響があるのかないのかを提起されているのだろうと思います。こ れはありそうな気もしますし、仮にそれが正当な研究であっても、研究を進めたいとい う個人の欲望がある限りにおいては、懸念しているような企業の品目の審議との関係に おいては同じというような気もいたしますが、委員の方々、いかがでしょうか。 ○笠貫委員 医師主導型の研究が個人の希望なのか、あるいは患者さんのためのより良 き医療の医薬品・医療機器の拡大のためかについては、私は決して個人の希望ではない。 それが、医師主導型の臨床試験です。そのところに、先ほど樋口委員が正々堂々と言っ たのが、言葉としては非常にわかりやすくて、使いたいと思いますが、それで社会がど う判断していただけるのか。あるいは、社会というものがあまり大きいとしたら、第三 者機関がどう判断していただけるかで、そこにある程度のフォーマットさえ作っておい ていただければ、むしろ審議はされやすいのかという感じはいたします。  そうしないと、なかなか医師が、こういうことをらしななり、決して個人希望ではな くて、患者さんのためにこういうことを、先ほどの産学共同で研究したいという良い芽 を摘んでしまうのではないかということを一方では懸念するのです。 ○神山委員 笠貫委員がおっしゃっていること、ちょっと理解できないところがあるの ですが、金額ルールとは別にということですか。つまり、ここで言われている話ですと、 医師主導型であろうが、そうでなかろうが、あるいはゴルフであれ旅行であれ、そうい うもの含めて、金額ルールを作りましょう。2段階か3段階かわかりませんが、そうい うような方向で議論していると思うのです。そのときに、医師の個人的な欲望なのか、 患者さんのためなのかなんていうのは誰も判断のしようがないのではないかと思うので す。客観的な外形でそういうものもみんな含めて、ルールには入れるしかない。あとは、 今おっしゃったように第三者機関みたいなものが、毎回審査できるかどうかは別として、 やはり必要ではないかと思います。そういう所で何かチェックすることはできるのかと も思いますけれども。毎回、そういう具体的な内容が医師主導型の研究なのかとか、何 なのかということまで公表しなさいとおっしゃっているのですか。 ○笠貫委員 実は私は非常に悩みながら話はさせていただいているので、ここに自己矛 盾があるかもしれませんけれど。決してその金額を、こういった決めたものを公表する ことについて否定しているわけではないのです。ただ、それが一方では良い医薬品・医 療機器の開発という意味合いでの金額の使い方というときに、常に金額という外形だけ で評価されるものではないでしょう。それが外形だけでしたときに、どうしても禁止事 項という方向の意味合いが強くなってしまって。そこに先ほどのいちばん最初の総論で 是非謳っていただきたいのは、利益相反という、良い面と悪い面とのぎりぎりのところ で、どういった弊害を取り除けるかという枠組みづくりをしているときに、外形だけと いうのはリスクではないでしょうか。そういう意味で、私は質的な内容も含めるという、 そうした枠組みが大変難しいとは思うのですが、何かそこに入込みができないでしょう かと、そういう提案と取っていただけたらと思います。 ○望月座長 厚生科学研究での利益相反の委員会では、厚生科学研究費を申請する方の 組織において、利益相反委員会をつくって、そこできっちりと認められて、正々堂々と 利益相反事項は起こっているということを示すことが前提で、お金を申請できる形にな っている。そこは全く利益相反というのを悪いことだとは規定していないのです。それ を黙っていることが悪いのであって、そういう委員会できっちり承認されて、正々堂々 と出すということ。それがわかっていれば、別に金額とかそういうことは一切関与して ないというのが、科学研究費をいただく場合です。  今度の場合には、その企業から出された申請書に対して審査をするときに、やはり正 々堂々というのは同じですが、基準としてある程度何かを作らなきゃいけない。審議会 の委員は全部「利益相反委員会」を経てから出る形、これもまた難しいことになるかと 思いますので、それに代わるような形としていま出たのは、ある程度正々堂々とやるん だという、そういうことを含めて、その上にある額を決めようという。  確かに500万円というのは、全部正々堂々といえる額であるかもしれないけれど、こ こで自分たちというより、周りから世の中から見たときに、あの人は5,000万円ももら っている、500万円もらっている。どう見られるかわかりませんけれど、そういうとき に正しい適正な審査ができるかという疑いをかけられる恐れがあるというので、そのた めに、先ほど作りました暫定ルールができたわけなのです。その辺りをうまく組み合わ せた基準が、ここで作れるかというのがいちばんの問題かと思います。 ○永井委員 かなりQ&Aとか、いろいろなもので少し補足する必要があるだろうと思い ます。例えば、この寄附金の決定権というのがありましたね。この2頁目に、名宛人と 使途決定権ですか。これなんかもちょっと曖昧で。例えば、学会を主催する、研究会を 主催するというときに、相当いま日薬協ですか、全社に幅広に割り振るのですね、1%か ら。そうすると数百円、数千円の所から数百万円の所までいろいろあるわけなのですが。 研究会、学会はいいのかという話になりますね。使途決定権は会長にありますから。 ○望月座長 確かにそうですね。 ○永井委員 そういうことまで含めると、まず学会、研究会を主催する。そして日薬協 にお願いに行った人は、全部の審議に決定権、発言権ないとか、そういうことも起こり 得るので、その辺はどこを捉えるか。多少テクニカルな話になると思うのですが、少し 議論したほうがいいかなということと、Q&Aを作っておく必要があるのではないかと思 いますが。 ○望月座長 確かに学会の場合は、その学会開催のため。学会開催というのは自分のた めじゃないですね。 ○永井委員 そうすると目的の話になってしまって、ややこしくなりますね。 ○望月座長 そうですね、ややこしくなります。でも、事実はそうですね。 ○永井委員 決定権はやはり会長にありますので。 ○審査管理課長 もう運用の中で学会については、いわば医学部という組織の長という 形と同じような整理で、個人的なものではないということで除外をして、いま運用させ ていただいています。その線については、確かいちばん最初議決いただいた、本年の4 月ですか、その分科会においても、そのような問答をさせていただいたのではないかと 思います。 ○永井委員 まだいろいろな問題がありまして。学会のランチョンに呼ばれて、講演を して。あるいはどこかで研究会に呼ばれて講演をして。そうすると、実はそこにメーカ ーが共催になっていて、謝礼はメーカーからきて、呼ばれたのは研究会だと。これは果 たして、メーカーからの供与ということに。今はなっていると思うのですけども、そう いうところの整理が必要だと思うのですが。 ○審査管理課長 いま委員がおっしゃったように、それはメーカーになるのだろうと私 も思っています。研究会というのの母体にもよってくるのだろうと、限りなく学会に近 いようなものなのか、限りなく企業の主催する勉強会なのかによって、また変わってく るのかもしれませんけれども。私どもがいま運用でやっているものが、学会という形で 一応の区切りをさせていただいている。スポンサーが付いているものというのは、そう いう意味で申し上げると、その企業からの寄附金なり、あるいは原稿料なり講演料とい うことで整理させていただいている状況です。 ○望月座長 要するに、学会自身の運営と、それからそういうようなランチョンでの謝 礼とは別に考えることになりますね。 ○西島委員 5-1の2頁目に加えられた注3に、ゴルフ等が入っているのですが、私は ゴルフ等はお金に代えられないことだと思うのです。これはお金がいくらであろうとも、 こういうことがあれば、当然企業と何らかの関係があるということなので、ちょっと性 質が違うかなという思いがしています。あえてこういうことは触れない、加えることに ついてはちょっと疑問を感じます。 ○樋口委員 ここの問題は、永井委員があとのこともおっしゃいましたが、やはり具体 的にこういう場合はどうなのか、各委員で必ずしもわからないから、Q&Aを作ってあげ るというのは非常に良いことだと思うのです。その上で、これは理想論なのかもしれな いけれども、実際に行われているのは、結局は自己申告なのです。専門家の自律的な話 でやっていて。その一つひとつ全部に領収書をつけて、ゴルフは何月何日に誰と行きま したと、それで本当のディスクロージャーでいえば、全部徹底すればそういうことにな るのでしょうけども、そこまでやる必要があるのだろうかという気は私もするのです。  しかし、どこまで必要があるかはやはり現実との関係で出てくるわけであって、今回 暫定ルールから正式ルールといいましたが、その正式ルールだって未来永劫これでやろ うという話は誰だって考えられないわけです。 ○望月座長 3年、5年で直す。 ○樋口委員 ええ。やはりそうやって見ていくのだから、そうすると少なくともさっき 言ったように、私も先ほど思い切ってここまで言っておいて、ちょっと引っ込むようで 申し訳ないのですが、やはりプラスアルファ1点だけはいこうというのだと、例えば私 なんかですと、取りあえずは金額が500万円以上ですか以下ですかというのは、あまり にも雑駁なので。その上、例えば上の場合も、何か金額を特定するところまでいかなく てもも、何万円から何万円という枠の中で、大体自分はここなんですというふうに申告 すればよい。下のほうもそうですけれど。もう少し細かな申告は要求しても、そんなに 過大な要求ではないだろうということです。  それから、これだけもらっている人が審議会記録が実名であれば、あとの8番目にく るのですが、こういう形の意見やっているのはちょっとどうなのだろうということが、 場合によってはわかるかもしれない。いやいや、これだけもらっていても、この先生は ちゃんと言うべきことは言っているんだということのほうが望ましいわけですからね。 そういうところの関係で、取りあえずは一歩。  あと項目を1つひとつ、ゴルフは何回行きましたかというのを全部というのも、なく はないのですが。それは将来もしかして、そういうことが必要になってきたらやらざる を得ない時代もあるのかもしれないのだけれども、取りあえず一歩進めるというくらい で、実験的にやってみるのがいいのかなとは思ってはいるのですが。 ○審査管理課長 いまの樋口委員のご意見ですと、仮に暫定ルールで申しますと、500 万円を超えた場合にはもう退室ですから、ここを押さえる、いくつかランクをつけても しょうがございませんので、500万円以内のところを、例えば2段階に分けて、こんな に上のほうだけれども、ちゃんとやっているなとか、下のほうだけれども何かおかしい なとかいうような話であれば、500万円以内をいくつかに分けるということなのかなと いうのが1点です。  それと欧米プラスアルファというところで申しますと、これは当初の暫定ルールから 実はそうだったのですが、欧米のルールはその品目に係る、例えば臨床研究の契約金、 その品目に係るというのがすべてです。ところが、Aという同じ会社が同じような品目 をいくつか開発していることもありますし、別の類のものも開発していることもありま すので、暫定ルールにおいても、その会社の研究費、「その会社の」という形で、もう 品目の概念を取りはらっています。ですから、そういう意味で申しますと、暫定ルール も欧米に比べて、広い範囲を実は対象としていることは言えるのだろうと思っています。  委員がおっしゃっているのは、折角ワーキンググループつくったのだから、暫定ルー ルでも欧米プラスアルファになっていても、もう1つ欧米プラスアルファ・アルファな のだということだろうとは思いますが、一応ご参考までに。 ○神山委員 さっきからゴルフとかいう話ですが、やはりこれだけ世の中で一部の特定 の方であったとしても、何百回もゴルフをやるとか、ゴルフクラブのセットをもらうと か、料亭でという話を国民が全部知っている。そういう中で、望月座長のように、ゴル フに行ったからって手心を加えるなんていうことはないと言うのは当然だと思いますけ れど、やはりその癒着ということを疑わせる行為だと思いますので、それをどうするの か。金額にするのか、あるいは国家公務員みたいに、やってはいけないというのかは、 難しいところとは思いますが、その辺をちゃんとしておかないといけないのではないか と思います。 ○望月座長 コミュニケーションして、良い薬ができるのであれば、それは正々堂々と ゴルフをやればいいではないか、というのが私の考えです。たぶん笠貫委員が先ほどお っしゃったのは、そういう意味かと思うのです。  そういう意味で、事細かにこのような禁止、公務員の倫理規程に合うようなことを、 文章の中に入れるのがなんとなく不安というか、そこまで細かく言わないでもいいので はないかという気がちょっとしました。それについてはQ&Aなりその補足なりで加えて おけばいいのではないでしょうか。 ○笠貫委員 冒頭、神山委員が言われたように、いわゆる国民に疑念を持たせない、李 下に冠を正さずという意味では、1つの象徴的なものだとは思うのです。審議会に属し ているときに、Q&Aでいいと思うのですが、国民にこうですよという注意の喚起は、最 低限必要かなと思います。  そういう意味では先ほどのディスクロージャーの問題と、審議会・分科会のメンバー として国のお役に立とうというときには、自分で自分を律するというものが、どういう ところに線があるのですかという事項を、Q&Aでも示していただいたらいいのではない かという感じはします。 ○望月座長 それではこの項に関しては、ほかの範囲についてはおそらく、いままでの 話から奨学寄附金の扱い、あるいはコンサルタント料、指導料以下、ここに書いてある ようなことはいいかと思うのですが、ただいまのゴルフ等というようなことについては、 Q&Aの中に明示するということでよろしいですか。あまりここでこだわっても先へ進ま ないので、この辺で次へいきたいと思います。  組織の利益相反については先ほど出ましたが、自分に使途決定権がある場合と自分に は使途決定権がない場合、それは、奨学寄附金については分けて考えたほうがいいだろ うということです。学部全体でもらったということで、学部全体でそれを教育あるいは 研究の向上のために使った場合には、これは範囲外として、名宛人が自分であるときに は、それはその中に含めるという形。学会についてはいま、ある程度基準というか、従 来の慣例どおりにやる。学会というのはやはり社会的に全部還元するので、原則として それは決定権はない。ある企業のためにやっているわけではないから、それは入れない でいいだろう、しかし学会中に特別に謝礼を受けた場合には、それは当然含まれるとい う形になるかと思います。  それで、金額の水準をどうするか。いままでの話に出たのですが、ある額をそこに入 れる、あるいはその幅をつけて、それに対して先生方がこういう考えを持っているとい うことを補足事項として書いて、それを公表するということが、特に医学部の先生にと っていいかどうかというのは、これは永井委員、お考えになっていかがでしょうか。こ れは原則としてFAX回答表で出したものを、そのまま公表するということがあとで出て くるのですが、そういうことに対して、いかがでしょうか。 ○永井委員 これ自体がもう情報開示の対象になっているわけですね。ですからそれに 準じて考えれば。出し方は少し工夫が必要なのかもしれませんが、出すこと自体は問題 ないと思います。 ○望月座長 もう少しその内容を詳しく書くことも、特に問題ないという考えでよろし いでしょうか。 ○永井委員 そこはもう少し議論が必要かと思います。 ○日比野委員 先ほどのFAX回答とか、あるいは自己申告するときに、例えばこのあい だも議論がありましたが、収入ベースか、経費を除いたベースとかいうことがあって、 一応、収入となっているのだけれど、その申請をする人も、言いたい部分というか、こ れはそんな目的ではないのですとか、何かそういう注釈を付けるようなことは可能です か。これはこういう場合なのですとか言って、特に自分で強調したい、例えば金額はこ んなに大きいのだけれど、これはこういうためなのだというように何か、エクスキュー ズとは言わないけれど注釈を申請する人がこの回答表などに付けることは可能ですか。 ○望月座長 というか、このワーキンググループでそういう方向を決めて、例えば500 万円を超えているのだけれど、こういう理由があるから私は審議会に出るのが正当であ るということを、滔々と述べていただくということですよね。それをどこかの委員会で あるか、あるいは座長が考えて「よい」とすれば、その場合は参加してよいのではと思 います。 ○日比野委員 そういう、特にコメントを作るところを正式にきちんと作ってしまうと いうか、そういうことをやるのですか。 ○望月座長 それもここで議論していただけばいいと思いますし、当然そういうことは、 審議会の最初に審議会の委員全員に諮って、この先生は議決に参加していいかどうかと いうことを、やはりそこをまず諮って、よければそれは問題ないと思います。 ○永井委員 先ほどの、学会はいいけれど研究会は駄目。結構そこはボーダーのところ がありましてね。私も3月に研究会というか、そういう会を開くのですが、少し足りな いので、もちろん自己資金も用意するのですが、足りないところを日薬連ですか、お願 いする。日薬連のシステムというのは、加入全社に均等配分しますから70社、80社、 数百円、数千円からずっとパーセントで割り振るわけです。そうすると全部に引っかか ってきますので、そういう場合も少し個別の審議が必要な気もするのです。その辺の線 引きは意外と難しいところがあるのではないかと思いますね。 ○望月座長 そういうのはどうでしょう、製薬協にお願いしてきた場合。 ○審査管理課長 いずれにしても先ほど笠貫委員がおっしゃったこと、あるいはいま日 比野委員がおっしゃったことは、例えば暫定ルールで申し上げますと、500万円を超え るのだけれど審議に参加をしたい、あるいは、500万円内で議決権がないのだけれど、 議決に参加をしてもいいのではないかというときの、特例の扱いになるのではなかろう か。その特例のときにそういった事情を説明いただいて、その座長なりあるいは部会で 審議していただいて、それを公開した上で、その特例を認めるというような方策を、今 回のルールの中に織り込んでいくのかなと考えているのですが、いかがでしょうか。 ○笠貫委員 研究会でも永井委員が言われたように、製薬協にお願いして、寄附金をい ただいて研究会という目的を達成する場合と、完全にある企業丸抱えの研究会があり、 その実態が、この利益相反のところにも関係はしてくる。実態としてはほとんど同じ研 究会と、全く一企業の研究会とがあります。その実態論あって初めて利益相反、先ほど の弊害の問題をどう取り除くのかというところに入るので、これはあくまでも自己申告 ですから、自分でそういったものを出して、それをどう評価するかは、第三者の所で判 断するというようにしていただければ、私はいいのかなと思います。 ○望月座長 第三者のそういう委員会をつくるというのが、実際にどのように機能する かというのは、やってみるとなかなか難しいことなのですね。ですからいまの段階は、 出されたものを座長が判断して、その場その場で皆さんの意見を伺う、という形になる かと思うのです。 ○笠貫委員 それでよろしいと思います。 ○望月座長 そうですね。それはそれなりに機能するような気がするのです。そそれか ら先ほどの研究会で、製薬協その他でまとめてきたときにどうするか。それは、個々の 企業で額を取れば非常にわずかになってしまうので、それほど、全体の金額をそこに付 ける必要はないような気がします。 ○西島委員 むしろそういうシステムができたこと自身が、利益相反を防ぐためにでき たわけですよね。だから永井委員、あまり心配しなくていいのではないでしょうか。私 はそう理解しています。 ○永井委員 いや、実際には、振り込まれるときは、見かけ上各メーカーから。参加企 業から個別に振り込まれますから。 ○西島委員 そうなんですか。 ○永井委員 はい、パーセントで。製薬協はただ割り当てるだけで。ですから見かけ上 同じになるのです。 ○望月座長 その使い方になるのですよね。研究会として使う分には問題なく公益性。 公益性と言ってはおかしいのですが、その学問の進歩のために使うということでいいか と思います。  ここで、金額水準を設定してはどうかということが、3の最後のところにあるのです が、この場で、例えば500万円とか、あるいは50万円ということを決定するのがいいか どうか。これについては各々の先生方、神山委員と樋口委員、薬学の私、西島委員、医 学の笠貫委員、永井委員で、みんな違うのですよね。いちばん最初に出ましたが、それ ぞれの感覚が違うので、これをいくらと決めるのは非常に難しいかと思うのです。この あいだのヒアリングでは、限りなく低くせよということですが、限りなく低くして誰も 審査できなくなったら、それは大きい問題ですので、やはりある程度の水準というのは 必要だろう。その水準が先ほどのデータ、半年間のデータだと、大体、500万円とする と、全体で10%ぐらいの方が議決には加わらないという形になりましたが、それだった ら審議にはそれほど影響はないだろうということで、いまのところは500万円という数 字は残っている。これについてはいかがでしょうか。 ○神山委員 質問ですが500万ルールの人は、退室の9人ではないのですか。 ○望月座長 そうですね、退室のほうです。失礼しました、50万円から500万円が議決 のほうです。その額についてはいかがでしょうか。ここで決めることができるか、ある いはもう少し考えて、次回のときに額については残しておくかということですが。 ○日比野委員 金額はいくらがいいかというのは、私もちょっとわからないけれど、た ぶん薬学、医学の人にすれば500万円、1,000万円の研究費というのは、非常に少額だ と思うのです。これが世間一般だと、たぶんそういう感覚ではない、500万円、1,000 万円というとすごい額。そこにギャップがあるということは踏まえていてほしいのです。 研究者の方は500万円、1,000万円ぐらいもらっても、そんなもので左右されないとい う気持ちだと思うのです。それが世間では、500万円、1,000万円すごいなというか。何 に使われているか知らないということもあるのですが、そこがずれると困るなと思うの です。その点は折り合いがつくような形にしたほうがいいかなと思うのですが。 ○望月座長 そう思います。最初からこれにはそういう問題があるということで。 ○笠貫委員 そういう意味で、より良い研究、そして、国民への貢献ができる研究をど ういうふうに、いま日本の枠組みができているかというと、私は別に国を責めるわけで はないですが、科研費の決め方、額がどうするかは、これから改善すべき問題がたくさ んあると思うのです。そういう意味で、産学の共同研究というのは非常に大きな意味合 いを持っていてこの金額だけではなくて、額にプラスどういう目的でどう使って、どう いう成果物を上げて、それが国民にどういうふうに還元されるのか、ということをきち んと書いておく。申告でいいのですが、それをまた第三者がどう評価するのかといった ところまで開示をして、理解をしていただくということが必要かなという意味合いで、 先ほどお話をしました。 ○望月座長 先ほど出ました全体のルールの総論と言いますか、そこに記すことと、個 々の申告のときに必要があればそういう意見を含めるということで、それを解決したい と思います。金額については先ほど資料3で事務局から説明されましたが、この資料3 の中身から、ある程度の線は出てくるものでしょうか。 ○総務課課長補佐 この額から理論的に議論して出てくるものではないだろうと思いま す。この数字はあくまでサンプル調査ですが、大体、今回のようなルールづくりをして、 仮に全部足し合わせていった場合にいくら、例えば70パーセンタイル値を取ったとする と一定の額が出てきます。そうすると毎回毎回、3割ぐらいの人は外れていく可能性が ありますと、そういう見方をしていただくのかなと考える次第です。 ○望月座長 ということで、これからすぐに決めるというわけにはいかないのですが、 例えば18頁にありますのは、2006年度は奨学寄附金でどうかということで、医学部だ と500万円から1,000万円未満というのが14件でいちばん多くて、その次が1,000万円 から2,000万円。21頁にいって、臨床研究についての教授1人当たりだと、200万円か ら500万円未満というのがいちばん多くて、500万円から1,000万円未満ですか。とい う形の受領総額ということで、大体500万円ぐらいがいちばん多い値になっている。そ ういう意味での500万円をここに入れたと考えるとなんとなく納得できる。  ただ、これが一般の研究者ではない人から見て、500万円というのはやはり非常に大 きな額ですから、それに対して、やや高すぎる、そんなにもらって本当に、490万円も らって、審議会の審議に何か違うことが起こるのではないかという心配があるかもしれ ないのですが、いままで大問題は起きていないと考えると、500万円というのが、ここ で決めるのはある程度適切かなという気がします。それで3年か5年の間には、それに 沿ってまた直そうということが出る。 ○神山委員 いまの資料の33頁のところでちょっと質問です。民間企業からの受領総額 というのが1人当たり、医学部が1,164万円ですよね。競合企業のことを考えたときに、 欧米のように競合企業が1社ではなくて、全部入れるということをもし決めると、平均 1,160万円で、500万ルールにすると誰も入らなくなってしまうということはないのでし ょうか。 ○審査管理課長 先ほど申し上げましたように、欧米は競合企業ではなくて競合品目。 競合企業の、その品目に係る研究費という形でやっていますので、そういう意味でおそ らくやっていけるのだろうと思います。  また、暫定ルールにおいても、品目ではなくて企業にした、そこが欧米プラスアルフ ァだということを申し上げましたが、いま神山委員からご指摘いただきましたように、 これを企業で競合企業にして、さらに先ほど、例えば高血圧の薬でどうかということで 見ていただきましたが、日本のトップメーカーはほとんど高血圧の薬を持っている。と いうことは、委員がおっしゃっているように、仮に競合企業にして、すべてを含むとし て議決50万円とし、その上で、委員の過半数がいないと議決できないというルールを維 持するのであれば、会議は成立しないだろうと思います。むしろ、利益相反の懸念を優 先して、会議成立のルールを緩和するのか。そこの変数の取扱いで議論をすべき議論に なっていくのだろうと思います。 ○望月座長 申請された企業と、それと競合する企業、その2つから。ですから、全体 が平均で1,100万円であろうと、一般的には500万円いかないと思えます。 ○審査管理課長 いや、仮に競合企業を欧米並に全部にした場合ということですから、 そうすると先ほどちょっと申し上げましたように、過半数の委員がいない限り議決でき ないというルールを変えない限り、運営ができないだろうと思うのですが。 ○望月座長 競合企業というところに入ってきてしまうと思うのですが。競合企業につ きましては、先ほどの資料も見て、全部を入れるわけにはいかないということで、いち ばん大きい所という形ですか。資料5-5にあるような形ですね。「最も市場営響の大き い売上高が最上位の医薬品等を製造販売する企業」というような限定をつけないと、い ま言ったような問題が起こり得るということになりますか。 ○笠貫委員 競合企業が先ほどの問題と、さらに、いま日本の場合にはたくさんの企業 がありますが、これからだんだん厳しい環境になって、企業同士の合併吸収といった集 約化が入ってきたときに、いまの問題というのは非常に深刻になってくると思うのです。 現時点ではこういった枠組みを決めるので緩和してくるのか、あるいは先ほどの、現実 的にはやはり欧米並に企業の集約化がこれから図られるとするならば、品目に留めると いうのも私は1つの現実的には考え方だと思うのです。一度そういう形で競合企業とい うようにして、上のほう何位としておいて、それが、ある時期がきたら企業の数がどん どん減ってきました、集約しました、そこでまたそれを変えるということよりも、欧米 に学んでも、私はそれは悪くないのではないかという感じはします。 ○望月座長 いかがでしょうか、いまの競合企業については。競合すると考えれば医薬 品を特定するということで、特定の仕方としては、市場影響の大きい最上位の医薬品と いう形でスタートするということです。 ○神山委員 その表の中で、1位はかなり上のほうで、2位以下はそれよりも下という表 もありましたが、1位、2位、3位がほとんど同じ金額という薬もあって、そういうのは どうするのかという話が出てきますよね。それでちょっと先走る話ですが、私が第三者 機関を是非つくってほしいと思うのは、1回の審議ごとにそこで評価しているというの は間に合わないとして、最初に座長が皆さんに諮って決めるというのはいいと思うので すが、やはりそういう第三者評価機関みたいなものを置いておいて、こんなにいろいろ な問題があるわけですから、事後的にも、こういうことでよかったのかを、評価できる ということが必要ではないかという気がするのです。 ○望月座長 ある意味ですと、この委員会をつくったあともずっとそのまま、第三者評 価委員会に名前を書き替えて維持していったほうがいい。この委員会とは限らないです、 この形の委員会を、というご意見と受け取ってよろしいでしょうか。 ○神山委員 常置するのかどうかはちょっとまだわからないのですが、でも、例えば半 年に1回とか1年に1回ぐらい、そういう事後的な評価をしてみる。3年とか5年とか 待っていられないのではないかという気がするのです。 ○望月座長 これは大事な問題だと思うので、事務局で検討していただいて、次回には その点に対しての答えを出したいと思います。 ○西島委員 薬関係の業界ニュースで見たのですが、癌学会がやはり決めた。あのとき には100万円という基準だったと思うのです。その中身の詳細は覚えていないのですが。 学会ごと、あるいは立場とか、それぞれ違ってくる可能性があって、その辺、将来的に は整合性を持たせないといけないと思うのです。私は治験のほうは全然経験がないので わかりませんが、研究費については、大学の先生方が教室を運営していくにあたって、 500万円ぐらいというのは非常に必要な額です。したがって私はその額として500万円 は、世間的には多いかもわからないけれど、実際の大学の先生方にしてみれば、妥当な 線ではないかと思います。 ○望月座長 それでは、その500万円というのを一応の線として、先ほど出ましたよう に500万円を超える場合でも、特記事項がある場合には書ける。それについては然るべ き委員会で審議するか、あるいは、座長がその審議会にかけて最初に検討するという形 にしたいと思います。それから全体的な利益相反と言いますか、この審議に係るワーキ ンググループに代わるような第三者委員会をつくるかどうか、つくる方向というか、そ ういう形のものを何か検討していただきたいということを、事務局の宿題にしていきた いと思います。  それから、競合企業についてはいろいろな意見がありましたが、やむを得ず、同じよ うなのがたくさん並んでいるからということはあり得るのですが、どこかを選ばないと、 先ほど出ましたような、全員が出られないということになってしまいますので、これは 一応1番の、トップの企業という形にさせていただきたいと思います。  「考慮対象期間」はこれは過去何年かということで。その企業との関係が過去10年ま で遡れる記憶はないでしょうし、1年というのはあまりに短い。アメリカとヨーロッパ の真ん中を取って、3年ぐらいとここに出ているのですが、これについてはいかがでし ょうか。 ○神山委員 寄附を受け取る側の記録というのは、どれぐらい出てくるものなのでしょ うか。 ○望月座長 大学に寄附の受取りについての規定はありましたか。経理関係の規定では、 保管期間何年というのがありますね。 ○神山委員 例えば教授個人が受け取った原稿料とか講演料といったものも入ってきま すよね。そういうときに大学が保管しているのではなくて、自分が帳簿をつけていると かそういうことは。 ○望月座長 おそらくないですね。出したほうには記録はあるでしょうが、もらったほ うは記憶しかないですね。 ○審査管理課長 税金を申告する際に、その領収書何年保存というのがあったと思いま す。ちょっと調べてみますが、おそらくそれは5年とか7年とか、そういう数字ではな かったかと思います。 ○望月座長 それを調べますが、一応3年ぐらいが妥当かなということで。 ○審査管理課長 事務局が議事を戻らせて申し訳ないのですが、競合企業のところです。 いまご提案しているのは、販売されているいちばん多額の企業という形でやっているわ けですが、もう1つ類型を考えなければいけないと思っているものに、どちらも開発中 というのがあります。例えば、いま念頭に浮かんだものだけで申し上げますと、子宮頸 がんの予防ワクチンが開発されていまして、それが、いま市場で売られているもので競 合品があるかというと、それはないです。ところが2社がデッドヒートを繰り広げてい るというものがあるわけです。そういう意味で申し上げると、先ほどの、ナンバーワン 企業だけを選ぶのかということと同じように、ここはもう少し考えないといけないなと。  それと、これも先ほど申し上げたのですが、議決あるいは会議を開催するルール、こ れとの調整というのか、関係でここを整理をする。競合企業を1社に絞ってもどうかな と思っているわけです。現実問題として、いまの、過半数の委員が議決できるような状 態でなければ議決できないという規定を持っている限り、議決できない状況というのが 起きてくるだろうと思うのです。ですから、そのあたりとの調整も含めて、そこはもう 少し整理させていただいて、また次回、問題提起をさせていただくということでよろし いでしょうか。 ○樋口委員 競合企業の問題はなかなか難しくて、最大のシェアを持っている所だけと いうのは、本当は、論理性は全然ないわけです、みんなに影響を与えているから。競合 企業のところは、なにしろ複数ありますから、それを全部足すという考え方がそもそも 違うのではないか。だから、1社1社で考えていくというほうがいいのかなとも思うの ですが。  他方で、例えば500万円というルールを作ったときに、500万円を超えると、もうな んにも参加できないことになるから、これから何年こういうルールをやっていくのか、 このあとの進行の具合なのですが、ディスクロージャーを進めていく上では、この500 万円はむしろ1,000万円かなんかのほうが、このディスクロージャーの中身を充実させ ていくにはかえっていいわけですね。低ければ低いほど、もう駄目ですと言って、その 中身は一切、何もわからないという状態になるわけですね。また、実際の議事運営のほ うでも、50万円というルールだと、もう議決に参加できない人が軒並み出てきて、とい うことでも本当は困るのではないかという話もあるので、その両様の話を少し考えてみ ると、競合企業については、いま問題になっている企業についてのルールと、ちょっと 別の考え方をしてみるということもあるのかなと考えています。 ○望月座長 確かに競合企業は難しい問題。デッドヒートというのはいちばん大きいと ころですからね。 ○樋口委員 それを入れるということはいいと思うのです。プラスとマイナスの話だか ら、考えないといけないというのは当たり前のことなのですが。 ○望月座長 これはもう一度検討して再提案させていただきます。額について、1,000 万円で、その下はある程度意見を出せるような形にしたいと思います。 ○樋口委員 500万ルールなのですが、よく考えると、透明度を高めるためにはむしろ、 そういう話もかえってあるかもしれないということです。それは将来的な話ですけれど。 ○望月座長 そうですね。ある幅については、ディスクロージャーによってOKになり得 る。1,000万円以上はもうディスクロージャーもなにもなくて、ノーということを言え るという、そういうルールですね。途中幅を持たせるということですよね。 ○樋口委員 そうですね。たぶん共通のご理解があると思うのですが。 ○望月座長 その次の「考慮対象期間」については、一応3年ということでよろしいか と思います。「家族の取扱い」で、これは欧州と米国では違うということですが、これ はどのように考えるか。一緒に住んでいる、生計をともにする子どもは含んだほうがい いだろうという考えと、全く個人だけにするという考え。ヨーロッパは家族は報告対象 とされていない、FDAは配偶者と未成年の子どもという形ですが、これについてはいか がでしょうか。 ○神山委員 これはつまり、研究費の問題ではないですよね、少なくとも。奥さんに研 究費を出すなんていうことはあり得ないことですから。 ○望月座長 そうですね。その会社の株とかがあり得るかと思います。 ○神山委員 株は個人的な利益供与だと思うので、やはり入れるべきだと思います。 ○望月座長 これはFDAと同じ形で持っていくということでいかがでしょうか。 ○神山委員 大学を卒業するころにはもう未成年ではないですが、同居しているという ことがあると思いますので、生計を一にするあるいは、未成年とか。 ○望月座長 これをこれ以上広げる必要はないですよね、すでに独立した子どもとか、 生計をともにしない別の親とか兄弟とかいうことまでは、それは必要なくてよろしいで すね。 ○神山委員 これも、例えば企業側がこのルールを潜脱する目的で、それこそ、生計を 一にしていない人にも送るということがあるとすれば、それはどうするのかという問題 はあると思うのですが。 ○日比野委員 そこまで利益を受ける人と、これをやりだしたら、大変な議論になって しまう。法律ではない以上ガチガチにはできないから、原則は、同居の家族ということ にしておいたほうがいいと思います。例えば兄弟とかなんかにもということになると、 それはどの兄弟まで入れるかという議論になるから収拾がつかなくなる。だから、原則 そこにしておいて、何かほかに協議が必要なことがあれば、排除するとか、評価委員会 等で担保したほうがむしろいいのではないですか。 ○望月座長 確かに、それではただいまのご意見にしたがいまして、原則は生計をとも にする家族といいますか、配偶者と子どもということにしたいと思います。  その次は「審議不参加の具体的取扱と特例扱い」で退席または議決のみに加わらない。 このような取扱いでよいかどうか、これについてはいかがでしょうか。すべて退席にす るというのが、この前のヒアリングでどこかから出ましたが、そこまで強くしなくて、 退席または議決のみに加わらないとして、現在の暫定ルールの取扱い程度がいいという ことです。  次は「公表の扱い」ですが、2年間は委員名を伏せた形で議事録を公表しているとい うことです。これは、公正な審議がされるためには、一般に薬の審議にはこれだけかか るということが元にあるわけです。審議の最中ということになりますか。その間に委員 名が出た形では出さないほうがいいだろうということです。それと、そのほかに各委員 から出された先ほどの申告書はホームページ上に公表する。この2点についてはいかが でしょうか。 ○樋口委員 繰返しになりますが、私はこの薬の審議会は特別なのかもしれませんが、 それにしても議事録で名前がなくてということが非常に少なくなっている現在、どうも 違和感を感じざるを得ません。やはりディスクロージャーというのは、ここだけは少な くとも必要であり、これまでの慣行を変更されたらいいかなと思ったりするのですが。 ○日比野委員 それと、2年間も必要なのですかね。私が記憶している限り、審議会の 議事録を2年後に公表するというのは、薬害エイズのときに決まったのではなかったで すか。それまでは、審議会は密室だ、密室だと言われて、パテントだとかいろいろな問 題が絡むから、しばらくは公開できないけれど2年後に公開すると。薬害エイズを契機 にして、そのように決まったような記憶があります。さらに例えば薬の承認申請なんか でもだいぶ早くなっているときに、2年も必要なのかなと思うのですが、どうですか。 ○望月座長 いかがですか、この2年という数字について。現状の審査の過程で、2年 というのはどのような意味を持っているか、課長から説明いただけますか。 ○審査管理課長 確かに日比野委員がおっしゃるように、審議もスピードアップされて きましたので、そういう意味で申し上げますと、この2年の意味というのは、ある意味、 薄れてきているのかなと思います。おそらく、昔のやり方ですと、部会の下に調査会と いうのをやっていて、この調査会までそのルールがすべてかかっているわけです。この 調査会においては、同じ品目について、複数回議論をしていただくというのが通例でし た。そこで議事録を公開するとどういうことになるかというと、例えば神山委員からこ の点を指摘されている、神山委員にここをご説明に伺うとか、神山委員に納得していた だくためにどうしようと言って、みんなが神山委員の所に行くというようなことを防ぐ 意味があったのだろうと思います。  現在はこの調査会というのは、基本的に独立行政法人の医薬品機構の中で専門家を雇 用して、そこで議論をする形にしておりますので、そういう意味で申し上げますと、こ の2年という意味はだいぶ薄れてきたのだろうと思いますし、ほかの審議会、私もたく さん経験させていただいておりますが、樋口委員がおっしゃるように、いくら反対意見 を言っても、それは責任を自分で負わなければいけないというのが、普通のいまのルー ルですから。事務局が独走するわけでもありませんが、できればほかの実際に審議、審 査等に携わっていただいている委員の意見も聞いてみたいと思います。 ○笠貫委員 私、参加している側としては、オープンでかまわないかなと思います。そ れが先ほどのような、個人的に接触がきたとしても、委員として受けている以上、それ に対しては正々堂々と毅然とした態度をとる。そういう委員を選んでいただくというこ とにして、もしそこになんらかの圧力があったら、それはちゃんと、審議会のほうで守 っていただくということにしていただければ、ここにあまりこだわらなくてもいい。こ の2年を1年にしても、本質的な問題かというと、あまりそうでもないように思います し、私はそういう形でご検討いただいてよろしいのではないかと思いますので。 ○望月座長 本委員会みたいに公開の委員会は全然問題ないのですが、公開ではない審 議について、公正さが保たれる範囲内で、できるだけ早い段階で公表するという形でと します。2年間にこだわらずに、1年でも半年でも、問題がないと判断したら、名前を入 れた形の議事録を公表するということでいかがでしょうか。技術的には可能かと思うの ですが。難しいですか。 ○審査管理課長 ルールはある程度明確にしていただかないと、公正さを保つというこ とになりますと、運用がなかなか難しいかなと思いますし、いま笠貫委員からいただい たご意見、おそらく審議会に携わっていただいている先生方は同じようなご意見だと思 いますが、もしよろしければ事務局としても、何人かの委員に聞いてみたいと思います。 ○望月座長 そうですね。そのような形にします。申告書については、これは公表でよ ろしいですね、ホームページで公表するということです。「その他」で、第三者委員会 方式については先ほどご検討をお願いしましたので、どういう形にするか。これはそう いうことですね。これはまた違う委員会ですか。 ○審査管理課長 先ほど神山委員から提示があって座長がまとめられたのは、事後評価 をしたらどうだというような話で、例えば年に1回とか、そういうご提案で、そのため の委員会を、なんらかの形でセットするようにしようということで、座長がまとめられ たと思っております。 ○神山委員 その評価の委員会をつくるときにはもっと幅広く、いろいろな人たちの参 加をいただいたほうがいいのではないかと思います。 ○望月座長 いまのはあまりに狭すぎますか、ではその形で進めます。それから、個々 の内容についての審査と言いますか、委員の議決参加あるいは退席については、特に特 別な委員会をつくらずに、個々の審議会で座長に任せるということでよろしいでしょう か、当面はです。それについて問題があればこのワーキンググループで新しいルールを 作っていただくということにしたいと思います。  それから「虚偽申告の取扱い」、これは、虚偽申告が発覚した場合には、審議会委員 を解任するということで、それですべて終わりということです。「公益法人」、これに ついていかがでしょうか。特定の企業が、いわゆるトンネル法人をつくって、そこから 寄附金を出すというような形がないことはないということで、これも考慮しなければい けないのですが。すべての公益法人をそれに指定するというのはおかしいことで、公益 法人はもともと公益性があるから公益法人だということですので、これは個々に判断す るしかしょうがないと思うのですが、これはよろしいでしょうか。  いちばん最後の「見直し規定」の中に、ルールを一定期間ということではなくて、例 えば半年に1回あるいは1年に1回、先ほどの第三者委員会というようなものをつくっ て、そこで内容について検討を続けていくということで、必要があれば、少なくとも5 年あるいは3年以内に、新たな見直しの規定を作るというような形になるかと思います が、これでよろしいでしょうか。  時間がすぎてしまって申し訳ありませんが、本日検討する事項については検討させて いただきました。全体として何かご発言ありますでしょうか。 ○樋口委員 いちばん初めに申し上げたことですが、次回にまた今日の議論を踏まえて 事務局のほうからステップアップしたものが出てくると思うのです。そのときに、暫定 ルールに比べてこういうところがプラスアルファで、それから、私も理解が十分でなか ったので、欧米のルールに比べても、この点はいいところなんですということを教えて くださるような、明記してくださるような形で出していただけるとありがたいと思って います。 ○望月座長 特にその公表ということ、誰が見てもわかるような形の公表方法を検討し ていただくということも、大事かと思いますので。そういうような形で本日はいろいろ 意見をいただきましてありがとうございました。これで閉会といたします。なお、次回 につきましては、改めて事務局から文書等で連絡しますのでよろしくお願いいたします。 どうも本日は長時間にわたりありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714)      - 1 -