資料4 民生委員・児童委員活動の現状 厚生労働省社会・援護局 地域福祉課 民生委員・児童委員の位置づけ ○ 民生委員法において「民生委員は、社会奉仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めるもの」と規定。 市町村の区域に置かれる。 ○ なお、児童福祉法に基づき、児童及び妊産婦の福祉の向上のため必要な相談・援助等を行う「児童委員」を兼ねる。 一部の児童委員は児童福祉に関する事項を専門的に担当する「主任児童委員」の委嘱を受けている。 ○ 民生委員の性格は、平成12年の民生委員法改正により「名誉職」から「給与を支給しない」として位置づけ。 ○ 守秘義務と政治的中立を規定。 ○ 委嘱は、厚生労働大臣。職務に関する指揮監督は、都道府県知事。 (非常勤特別職の地方公務員とされている) ○ 都道府県知事が市町村の意見を聞いて定める区域ごとに「民生委員協議会」を組織。 (市は数区域に分けた区域、町村はその区域で1区域。現在10,459協議会) 要件及び委嘱手続き、定数 ○ 民生委員は、人格識見が高く、広く社会の実情に通じ、かつ社会福祉の増進に熱意のある者の中から推薦。 ○ 任期は3年で、再任は可能。(本年12月1日が改選日) ○ 都道府県知事は、市町村の民生委員推薦会から推薦された者について、地方社会福祉審議会の意見を聴き、厚生労働大臣に推薦。 ○ 定数は、厚生労働大臣の定める基準に従い、都道府県知事が、市町村長の意見を聴いて定める。 ○ 定数充足率は全国ベース98.57%。 指定都市で低い傾向。 職務 ○ 民生委員は調査・実態把握、相談支援を行うほか、各種行事への参加協力や自主的な地域福祉活動等、幅広い活動を行っている。 ○ 最近では、ふれあいいきいきサロンなどの小地域活動や災害時の要援護者支援などに活動の場を広げている。 ○ なお、近年、住民意識の変化や個人情報保護法への過剰反応などから、民生委員への情報提供が円滑に行われない等の状況が生じてきていることから、本年8月、厚生労働省より都道府県・指定都市・中核市民生主管部(局)長に対し、「要援護者に係る情報の把握・共有及び安否確認等の円滑な実施について」を通知。 民生委員・児童委員の具体的な活動内容 主な他法律等での民生委員・児童委員の位置付け 民生委員・児童委員の協力活動 ○ 民生委員法第14条第1項第5号に「社会福祉法に定める福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)その他の関係行政機関の業務に協力すること」が規定。 ○ 「業務に協力する」とは、関係行政機関がその権限に基づいて継続して行う社会福祉に関する事務又は事業について協力すること。 主な他法律における民生委員・児童委員の協力活動の具体的内容(A市のある民生委員・児童委員の例) ○ 生活保護関係については、保護の受給開始と廃止の連絡が入ることになっており定期的に保護受給者リストが福祉事務所から渡され、支援の必要があると思われる世帯には訪問や見守り活動を行う。 ○ 児童関係については、虐待の通告を受けた児童相談所から、訪問要請が来ると訪問する。 ○ 障害関係や老人関係については、行政の訪問調査への協力や行政や団体の行事への参加依頼に対応。 要支援者の把握等について行政等から情報提供や支援要請を受けることはほとんどなく、民生委員の自発的な活動に拠っている。 民生委員・児童委員の状況 民生委員・児童委員数 平成17年度末現在の民生委員・児童委員の総数は、226,613人。 性別・年齢 ○ 男性4割、女性6割 ※平成7年に女性の数が上回る。 ○ 60歳代が全体の5割、70歳以上が2割であり、全体の7割が60歳以上。 経歴 ○ 現在の就労状況は、無職が5割、自営・経営2割。 ○ 前職は、サラリーマン、自営・経営、農林水産業などの福祉未経験者が8割。 ○ 民生委員の地域での活動経験は、「町内会や自治会の役員」が7割、「PTAの役員」が5割、「福祉関係団体の役員」が3割強、「ボランティア活動等」が3割。 活動状況 ○ 年間の総活動件数は約3,000万件。 ○ 相談支援活動については、784万件を超えており、 @ 分野別では、「高齢者に関すること」が半数を超え、「子どもに関すること」が2割弱、「障害者に関すること」が1割弱。 A 内容別では、日常的な支援、在宅福祉、健康・保険医療、児童関係など幅広い相談を実施。 ○ 民生委員1人の1月当たりの活動は、相談支援件数が約3件、訪問連絡調整回数が約17件、その他の活動件数が約8件で、1月当たりの平均活動日数は、13.2日。 ○ 近年は、相談支援は減少、生き生きサロン等の地域福祉活動・自主活動は増加傾向。 民生委員・児童委員の沿革 ○ 民生委員制度の起源は、大正6年(1917年)に、岡山県に設置された「済世顧問制度」(※1)と、大正7年(1918年)に大阪府で始まった「方面委員制度」(※2)の両制度。 ○ 昭和11年の方面委員令公布による全国統一的な運用等を経て、昭和23年に民生委員法制定。 ○ 平成12年に民生委員法の一部改正により、基本理念(「保護指導」から「相談、援助」へ)、性格(「名誉職」から「給与を支給しない」へ)、職務内容等について改正。 沿革 民生委員・児童委員活動への財政的支援 <民生委員・児童委員の委嘱・解嘱の流れ> <地方分権改革推進委員会における民生委員・児童委員の委嘱に関する問題提起> 民生委員法(昭和23年7月29日法律第198号)全文 児童福祉法(昭和二十二年十二月十二日)(法律第百六十四号)-抜粋-