07/10/29 未承認薬使用問題検討会議 第14回速記録 第14回未承認薬使用問題検討会議 速記録                             平成19年10月29日(月) 於:霞が関東京會舘「ゴールドスタールーム」 ○ 中垣審査管理課長   それでは定刻となりましたのでただいまより第14回未承認薬使用問題検討会議を開催 させていただきたいと存じます。  本日の出席状況について御報告申し上げます。本日は岩砂先生から御欠席という御連絡 をいただいております。林先生からは御出席という御連絡をいただいておりますが、何ら かの事情でおくれられているのだろうと考えております。以上ただいま10名の委員に御出 席をいただいているところでございます。  それから本日御議論をお願いする個別品目の検討に当たりまして、事前に座長の堀田先 生より、ワーキンググループの専門家を御指名いただいております。本日の会合に検討結 果を御報告いただくために東京女子医科大学の寺村先生、国立成育医療センターの中村先 生、国立がんセンターの藤原先生に参考人として御出席いただいているところでございま す。よろしくお願い申し上げます。  ただいま林先生も見えられましたので、出席予定の11名の委員がおそろいいただいたと ころでございます。それでは座長の堀田先生、以降の議事進行をよろしくお願い申し上げ ます。   ○ 堀田座長   それでは皆さんこんにちは。ただいまから議事進行を始めたいと思いますが、まず事務 局から本日の配布資料についての確認をお願いします。   ○ 事務局   それでは本日の配布資料でございます。議事次第、配布資料一覧、座席表の他。  資料1、ワーキンググループで御検討いただいた医薬品の一覧。  資料2−1、検討結果報告書「ルフィナマイド」。  資料2−2、検討結果報告書「オキシコドン注射剤」。  資料2−3、検討結果報告書「メサドン」。  資料2−4、検討結果報告書「エクリズマブ」。  資料2−5、ワーキンググループ専門家リスト。  資料3、7月から9月に提出されました未承認薬に関する要望書等の一覧。  資料4、本年7月から9月の間に欧米4カ国で新たに承認された医薬品のリスト。  資料5、本検討会で検討された医薬品のリスト。  参考資料1、開催要項。   参考資料2、構成員名簿。  参考資料3、対象医薬品の類型。  参考資料4、医療上特に必要性が高いものの考え方。  参考資料5、ワーキンググループの設置について。  また、先生方の机上に本日の資料2、4に出てきます7品目の医薬品の欧米の添付文書 等につきまして、英文のコピーを置かせていただいております。大部でかつ英文でござい ますが、傍聴されている方々の中でこの資料を御希望される方は、恐縮ですが会議終了後、 事務局までお声をおかけください。以上でございます。 ○ 堀田座長   ありがとうございます。資料の欠落等がありましたらお申し出ください。  それでは議事に入りたいと思いますが、個別の品目の検討に入る前に、前回7月30日だ ったと思いますけれど、会議で検討され早期の治験を行うべきと結論された品目について、 現在までの対応状況を事務局から報告していただきます。   ○ 事務局   前回の会議で御検討をいただきましたスチリペントールでございますけれども、資料5 の検討結果の最後に1行追加してございます。現在のところ開発企業を探しているという ところでございます。現在厚生労働省のホームページにおきまして、この開発の要請をす るということで告知をしておりまして、開発企業の募集をしているところでございます。 以上でございます。   ○ 堀田座長   ありがとうございます。それでは先生方からこのスチリペントールにつきまして、御質 問があればお受けしたいと思います。いかがでしょうか。大澤委員は何か。   ○ 大澤構成員   企業がもし全然手を挙げてくれなければ、どうなるのでしょうか。   ○ 堀田座長   難しい問題ですね。何か事務局の方から、それについてのコメントがありますか。   ○ 大澤構成員   次の手は医師主導治験しかないということですか。もし企業が手を挙げてくれなければ。   ○ 中垣審査管理課長   仮に医師主導治験をやったとしても製造承認の主体は、どこかの民間企業にならざるを 得ませんので、そういう意味で申し上げますと、どこかの民間企業にやっていただくとい うことは、今の我が国だけではなくて、欧米の法制度においても必須であろうと考えてお ります。  しかしながらおかげさまで今までやってきた品目というのは、何かの形でどこかの会社 が手を挙げていただいているところでございます。今ホームページで募集をしているとこ ろでございますけれども、今しばらく待ってどこも手を挙げてくれないということになる と、今度は業界団体に特別にお願いに行くとか、様々な形でまたそういう道を開いていき たいと考えております。 ○ 大澤構成員   ぜひ強力な御指導をお願いします。 ○ 堀田座長   その一方で例えば医師主導治験でやるということであれば、そういう手もあるとは思い ますが、なかなか大変だろうということですね。よろしいでしょうか。引き続き開発を呼 びかけるという形で対応させていただきたいと思います。  それでは本日の具体的な議事に入りたいと思います。まずは前回の会議においてワーキ ンググループで検討を行うべきとされた品目で、ワーキンググループの先生方に御検討を いただいておりますので、事務局から資料について、まず御説明ください。 ○ 事務局   それでは資料の1でございます。前回の検討会議の結論に基づきましてワーキンググル ープで検討をいただいた4品目でございます。  最初のルフィナマイドにつきましては、4月の検討会議において欧米4カ国で新たに承 認された医薬品として紹介されまして、今回検討に付されたものでございます。  2番目、オキシコドン注射剤及び3番目のメサドンにつきましては、学会からの要望に 基づき、前回の検討会議において検討することとされたものでございます。  4点目のエクリズマブでございますけれども、前回7月の検討会議において欧米4カ国 で新たに承認された医薬品として紹介されて、検討することとされた医薬品でございます。 またあわせて早期承認に関する要望書も提出されているところでございます。  これらの医薬品につきましてワーキンググループに御検討をお願いいただき、検討結果 報告書をまとめていただきましたので、これに基づいて御議論をお願いしたいと思います。 以上でございます。 ○ 堀田座長  はい。それではワーキンググループに報告をまとめていただいた医薬品の検討に移りま す。まず資料2−1、ルフィナマイドにつきまして、中村先生から御説明をいただきます。 よろしくお願いします。 ○ 中村参考人  ルフィナマイドにつきましてワーキンググループにおける検討結果を御報告いたしま す。ルフィナマイドはレノックス・ガストー症候群に伴う発作の治療における補助療法、 4歳以上についてEU、EMAによるCentral Procedureによって承認されています。  対象疾患ですけれどもレノックス・ガストー症候群(以下LGSと略させていただきま す)は、小児のてんかん症候群の中で最も重篤なものの1つで、約半数では脳症など何ら かの脳の器質的障害が原因とされているようです。  頻度ははっきりとしたデータがありませんけれども、過去のデータから見る限り、全小 児てんかんの1〜10%と推定されています。通常1〜8歳程度で発症し、多くは成人期ま で生存しますが、その予後は不良で、多くの症例で発達遅滞もしくは学習障害も合併いた します。  強直・脱力発作、これでしばしば転倒し外傷を負います。また非定形欠神発作、その他 の複数の発作を呈し、脳波上はびまん性の遅棘徐波複合を伴うことが特徴でございます。 発作のコントロールが極めて困難で、外傷さらに高用量の抗てんかん薬の複数併用により、 さらに症状は修飾されます。このようにLGSは既存のてんかん薬では効果が不十分な、 極めて難治性のてんかん症候群でございます。  本剤の医療上の有用性についてですけれども、本剤は既存の抗てんかん薬とは類似性の ないトリアゾール誘導体というものでございます。小児及び成人のLGSを対象としたピ ボタル試験、Study 022は4〜30歳の1〜3剤の抗てんかん薬を併用させながら、コント ロール不良のLGS症例138例を対象に、ルフィナマイドもしくはプラセボを12週間併用 したプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間の多国籍の比較試験でございます。  ルフィナマイドの投与量は45mg/kg/日、最大投与量は体重当たりで最大推奨量というの が設定されておりますが、それを目標としております。  この試験において28日当たりの総発作頻度の減少率、28日当たりの強直・脱力発作の 頻度の変化率、Global Evaluation of patient's conditionという評価法のてんかん重症 度サブスケールの改善率、それから28日当たりの強直・脱力発作の頻度が50%以上減少 した患者の割合のいずれにおいても、ルフィナマイドの有効性が示されております。  さらに124症例については、実薬への変更期間を経て、非盲検の長期投与試験で販売ま で評価されております。これらのうち効果不十分で試験中止された症例が51症例で、試験 を完了したのは42症例に過ぎなかったのですが、経時的に見た総発作頻度の減少率等か ら、EMAの審査側は、有効性は18カ月以上持続すると判断しております。  主な有害事象は神経症状(頭痛、嗜眠、めまい、倦怠など)、それから嘔吐、下痢など です。さらに製造販売後に体重、身長、思春期での発育を含む一般的発育、認識等への影 響についての調査が行われることになっています。  検討結果でございますが、ピボタル試験及びその他の臨床試験の結果より、本剤は4歳 以上のLGS患者に対するてんかん治療の併用薬として有効性が明らかな、既存薬と構造 的に非類似の抗てんかん薬でございます。  疾患の重篤性、難治性を踏まえて、国内において早急に治験を開始するとともに、海外 データの活用も積極的に検討するべきであると考えます。以上です。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。それではルフィナマイドにつきまして先生方の御検討をいた だきたいと思います。御意見がある方はどうぞ。御質問、いかがでしょうか。  このピボタル試験では差が有意に出ておりますが、効果不十分で試験中止になったとい うのは、期間はどれぐらいですか。最初は効くのだけれども、長期に見ればだんだん効か なくなるということでしょうか。 ○ 中村参考人  審査報告書から細かいことが読み取りづらいので、何ともそこは評価しにくいのですが。 ○ 堀田座長  一応有効性が18カ月以上続くとなっていますから1年半ぐらいは続くと考えてよいで すね。 ○ 中村参考人  はい。 ○ 堀田座長  ただし何年という単位で見るということでしょうか。 ○ 中村参考人  市販後のデータがまだ余りありませんので、長期的な評価はこれからだと思います。 ○ 堀田座長  その他いかがでしょうか。作用機序でトリアゾール系というのは、これまでにない抗て んかん薬だという位置づけのようですが、薬剤関係の先生方ありますか。堀内構成員。 ○ 堀内構成員  今座長が指摘されたことが気になりました。初期においては有効性と副作用の発作が少 なかったということですので、開発を進めるということでよろしいのではないかと思いま す。 ○ 堀田座長  全小児てんかんの1〜10%ということですが、実数としては大体どのぐらいと予想され ますか。大澤先生、何か。治験対象として可能かどうか。 ○ 大澤構成員  私共小児科の1年間の新患のてんかん薬800例中1例位です。レノックス・ガストー症 候群というのは年齢的にある一定の年齢を過ぎると、発作が変容していきます。そしてや はり強直・脱力発作などによりまして患者さんが転倒してけがをするということが非常に 多いものですから、そのために学校生活などの制限がかなり出てまいりますので、その発 作が抑えられると大変ありがたいと思います。 ○ 堀田座長  ほかの先生はいかがでしょうか。有吉先生。 ○ 有吉構成員  日本の場合は小児の治験というのは、体制としてでき上がっているのでしょうか。 ○ 新木研究開発振興課長  治験の体制整備を担当しております研究開発振興課でございますが、小児の治験体制に つきましては大変弱いという御指摘を従来からいただいております。このため昨年度から 治験の中核病院といたしまして、国立成育医療センター、またそれと連携して治験を行う ということで今年度から治験の拠点病院というのを始めました。その中で小児病院という ことで特別に小児はなかなか治験の件数も上がりにくいという特性もあってほかのと競争 するとなかなか数字的には厳しいものがありますので、それとは別に指定して、今年度か ら治験の拠点病院も中核病院にあわせて始めたところであります。  これらが動き出せば改善が進むのではないかなというふうに思っておりまして、現在実 動に向けていろいろ調整や働きかけを行っているところであります。 ○ 有吉構成員  この薬剤は今の報告書によりますと、早急に治験を開始するというふうにリコメンドし ているのですが、対象が外国の場合4歳から30歳になっています。そうすると小児と大人 が混じってくるわけですね。こういう場合はどういう形をとるんでしょうか。 ○ 堀田座長  それにだれか答えられますか。中村先生、実際の内訳でいうと小児はどれぐらいなんで しょうか。 ○ 中村参考人  大澤先生の方が。 ○ 堀田座長  では大澤先生、コメントをお願いします。 ○ 大澤構成員  小児のてんかんは、年齢によって病型が変化致します。4歳ぐらいからレノックス・ガ ストー症候群の診断がついて、途中で脳波のパターンとかが少し変わって、厳密なレノッ クス・ガストーから少し外れる症例もあるのですが、そのまま積み残して大人になり、難 治性でずっと見ていくという方が結構いらっしゃいますので、そのためだと思います。  小児神経科医あるいは小児のてんかんを治療している人が大人も一部は見ていて、そこ で治験をすることになるのかなと。  厳密な形に絞っていきますと、症例数が足りないかなと思って、多数の症例ではできな いと思います。 ○ 篠山構成員  川崎病なども小児で発病してその後成長してきた時に内科が見るか、小児科が見るかと いう問題が出るケースが多いのですが、小児科医でフォローアップされているケースも結 構あると思います。同じようなケースではないかと思います。 ○ 堀田座長  慢性の疾患でありますと小児科で成人になってもフォローしているというケースが大変 多いですよね。そういう場合にも治験としては大人と子供は別個の仕分けで実施する必要 があるのでしたか。この辺はいかがでしょうか。 ○ 事務局  予定される効能効果とリンクして臨床試験があると思いますので、そこは必ずしも小児 で区切るというものではないというふうに考えています。  また先ほど来御説明がありましたし、前回企業の方からもありましたけれども、本件に 関しては患者数が非常に少ない疾患だということでありますので、そういった点も考慮し て臨床試験が組まれ、評価をしていくことになるのではないかと思います。 ○ 堀田座長  それは画一的ではないということですので、必要に応じて年齢幅を広げて対応していた だけるということだと思います。よろしいでしょうか。では堀内先生。 ○ 堀内構成員  患者数が少ない場合、特に小児等については海外データを使う必要があると思いますけ れども、どのようにお考えでしょうか。 ○ 事務局  堀内先生が御指摘のとおり、当然海外データもそれも検討に含めて行っていくというの は、通常ほかの品目でも行われていることでございますので、その海外のデータも十分に 活用して評価をしていくというふうになっていくと思います。 ○ 堀田座長  よろしいですか。海外データだけでと言っているわけではなく、日本の治験でそれほど 症例数がそれほど潤沢でない場合でも海外データと合わせて評価できるということだと思 います。よろしいでしょうか。それでは特に御異議がなければ、この品目につきましては ワーキンググループからの報告のとおり、早期の治験開始を関係企業にお願いしたいとい うことで、要請をお願いいたします。  それでは2番目のオキシコドンの注射液です。これにつきましては藤原先生からお願い いたします。 ○ 藤原参考人  お手元の資料2−2でございます。オキシコドン注射薬でございます。報告書に従って 述べてまいります。対象疾病でございますけれども、がん患者にあらわれる身体症状のう ち、痛みの出現頻度は高く、がんと診断された時点で30%、進行がんにおいては60〜70%、 末期がんにおいては75%と報告されています。痛みの頻度です。その50%は中等度から高 度、30%は高度から耐え難い痛みであると報告されていまして、痛みの治療はがん患者の QOLにとって非常に重要でございます。  WHO方式のがん疼痛治療法によりがん性疼痛の80〜90%は改善すると言われており ますけれども、現在我が国の除痛率は50〜60%と他の先進国に比べて不十分と言われてお ります。  オキシコドン注射薬でございますけれども、オキシコドンはオピオイド鎮痛薬の1つで 薬理学的にはモルヒネと異なる点は、モルヒネがほとんど肝臓で代謝されて活性代謝産物 のモルフィン6グルコナイド、M6Gとなって鎮痛効果及び副作用に影響すると考えられ ております。  このM6Gが腎臓から排出されることから腎機能障害者には注意が必要だというふうに 言われているのですが、このオキシコドンは、その3行下ぐらいにまとめてありますよう に、腎機能障害の方にも比較的安全に使用できると考えられているという薬でございます。  過去にオキシコドン注射薬を用いたランダム化比較試験を中心に見てみますと、10の論 文のうちランダム化比較試験が4つほどございまして、そのデータがその下のパラグラフ に記載しております。  参考文献の7番と9番が主にがん患者さんを対象にした海外の試験でございますけれど も、既存のモルヒネ注射薬と比較いたしまして、このオキシコドン注射薬の副作用あるい は効果の度合いというのはほぼ同様というふうに判断されています。  このページの一番下の方に日本でのオキシコドン注射薬の使用経験というのを少し述べ させていただいたのですが、日本では武田薬品からパビナールという複方オキシコドンと いうオキシコドンと別のお薬のヒドロコタルニンというものとを混ぜたお薬が存在してい ます。これも薬価収載は1950年くらいです。販売開始が1968年という非常に古い薬なの で私はまだ使ったことはありませんけれども、これを使った塩酸モルヒネ注とこの複方オ キシコドン注射薬との用量比較、必要用量がどれぐらいスイッチするときに必要かという 臨床試験が、北海道の病院の先生方がやっていらっしゃる成績が、日本での成績として報 告されています。塩酸モルヒネ注と複方オキシコドン注射薬の比が大体モルヒネ1に対し て複方オキシコドン1.6ぐらいでほぼ同じような効果、副作用が出ますという報告が本邦 ではございます。  検討結果、次のページをめくっていただいて読み上げさせていただきます。以上からオ キシコドン注はモルヒネ注とほぼ同等の効果及び副作用を有すると考えられ、腎機能障害 者においても使用可能であることから有用性が高い。  がん性疼痛患者では経口投与不能なことも多いため、オピオイド注射薬の需要が高い。 海外のNCCN、これはNational comprehensive cancer networkという有名なグループ ですけれども、NCCNのガイドラインでもモルヒネ、オキシコドンのほかにコデイン、 ハイドロコドン、ハイドロモルフィン、レボファノールと多くの薬剤が示されていて、現 在我が国で承認されているオピオイド注射液はモルヒネ注のみで複方オキシコドンに関し てはありますけれども、オキシコドン注射薬はございません。  がん性疼痛治療の対象となる患者さんは経口摂取が不能な場合も多く、このため注射剤 である本剤が、がん性疼痛治療の上で不可欠の薬剤と考えられ、本剤の国内開発が早急に 行われるよう検討すべきと考えています。以上でございます。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。それでは御議論をお願いいたします。いかがでしょうか。こ の品目につきましては緩和医療学会の方から要望書が出ておりまして、日本の緩和医療の 疼痛緩和についての薬剤、手持ちが少ないということで、ぜひこれを進めてほしいという ことになっております。  今の藤原参考人からありましたように、日本ではオキシコドンについては複合のタイプ のものはあるけれども、本来の標準薬となるオキシコドンがないというところで要望書と してはそのようなことに触れております。いかがでしょうか。現場ではモルヒネだけでし たか。この系統では。 ○ 藤原参考人  ええ、注射はモルヒネあるいはフェンタニールの注射というのもありますけれども。 ○ 堀田座長  フェンタニールがかなり多く出ているかもしれません。いかがでしょうか。有吉先生。 ○ 有吉構成員  フェンタニールはまだ治験中じゃないでしょうか。がん性疼痛としては。だから、やは りいろいろな戦略的な考え方というのですか、必要な薬剤として注射液が必要な場合が多 いと思いますので、これも学会の要望もあるとすればやはり早急に治験が開始され。オキ シコドンは確か経口剤がありますね。ですから注射薬もそろえておいた方がいいのではな いかと思います。 ○ 堀田座長  フェンタニールはどうですか。 ○ 藤原参考人  フェンタニールの注射薬は、一応激しい疼痛(術後疼痛、がん性疼痛)などに対する鎮 痛という効果で注射薬はありますけれど、多分今は口腔のやつですか。チューインガムみ たいなやつですか。ああいうようなやつじゃないですか。 ○ 有吉構成員  ちょっと忘れました。 ○ 堀田座長  効能効果の適応はありますか。今別の規格のものをやっているのではないでしょうか。 ○ 有吉構成員  そうですね。今まだあるのは術後疼痛には外科の麻酔科の先生が使っておられると思い ますが、がん性疼痛にも使っていますか。 ○ 藤原参考人  うちでは今使っています。 ○ 堀田座長  現場ではしょっちゅう使っているようですけれど、それが本当に承認されているのかど うかというのはちょっと確認しないといけません。どなたかわかりますか。 ○ 林構成員  当院でもモルフィンの注射とフェンタニールの注射はがん性疼痛の患者さんにも使われ ていると思います。ただフェンタニール注については、どちらかと言うと術後の使用量の 方が多いようには思いますが、多分今御紹介があったように、適応上は激しい疼痛で括弧 して術後とがんも一応入っているので、保険上も使おうと思えば使えなくはない状況です。 一方、オキシコドンは報告書にあったように、やはり排泄のパターンがモルヒネとは違い ますので、腎障害等でオキシコドン内服でコントロールをして、いよいよ注射剤というと きにはやはり必要な薬剤だと思います。そういった使用実態とは別にこの薬剤の必要性は、 私も高いと思います。 ○ 堀田座長  というようでありますが、いかがでしょうか。 ○ 堀内構成員  麻薬の注射薬はいろいろありますが、日本では1つだけです。米国を見ますとハイドロ コドンの使用量が大変多いと思われます。オキシコドンと比べると3倍ぐらい処方量が多 いと報告されていると思います。ハイドロコドンとオキシコドンのうち今回オキシコドン が出ているわけですが、両者の評価がわかりましたら教えて下さい。 ○ 藤原参考人  ハイドロコドンとオキシコドンの違いというのは、私は今回調べておりませんので把握 していないです。 ○ 堀田座長  それではそれについては別途調べて報告させていただくということにしたいと思いま す。そのほかにいかがでしょうか。このオキシコドンというのは眠気とかそういったモル ヒネのような副作用は少ないのですか。幻覚、吐き気は少ないわけですか。 ○ 藤原参考人  比較試験等を見てみると差はないと思います。実際私どもNSコンチンとオキシコンチ ンの経口剤、それを使っていてもそんなに差はない。人によると吐き気はオキシコンチン は少ないとか、立ち上がりがいいから早く吸収するとかという人もいますけれどもエビデ ンス的に見ると効果も副作用もほとんど変わらない。  オピオイドローテーションという概念がございまして、ある系統のオピオイドの鎮痛薬 を使って効かなければほかの系統の鎮痛薬にかえるというローテーションをすると効かな い人が効いたりとか、副作用が軽減されたりということが経験上知られているので、いろ んな製剤があってそれを使ってみるというパターンで臨んでおります。 ○ 堀田座長  よろしいでしょうか。ほかの先生方、いかがですか。後藤先生はよろしいですか。 ○ 後藤構成員  肺がんの現場などでも末期の疼痛に対しての需要というのが非常に大きいと思います。 これからこれを皮切りにして、こういう系統の薬剤がさらに承認される方向で考えていた だければと思います。 ○ 堀田座長  川西先生、よろしいですか。 ○ 川西構成員  ある部分モルヒネと際立ったメリットがあるというわけでもありませんけれど、薬の性 質からいくとやはり選択肢をふやすという意味では、オキシコドンは必要と考えた方がい いと思います。 ○ 堀田座長  大体よろしいでしょうか。今の緩和委医療の世界、日本は随分おくれているということ が指摘されておりまして、最近モルヒネの使用量等も日本もかなり欧米並みに近づいては おりますけれども、手持ちのものが少ないとどうしても効かない、あるいは副作用等でい ろんな手持ちを持たないとコントロールできないという場合もあります。  この品目につきましては検討をいただきましたように、ワーキンググループの報告に基 づきまして、早期の治験を開始するように要請することにしたいと思います。よろしくお 願いします。  それではその次です。もう1つ鎮痛薬でありますが、これはメサドン、オピオイド系の 鎮痛薬であります。これも藤原先生、お願いいたします。 ○ 藤原参考人  はい。メサドン、資料2−3でございます。対象疾病については先ほどのオキシコドン 注射薬とほぼ同じでございますけれども、少し違う点としましては、オピオイドの効きに くい難治性の神経障害性疼痛、これは英語ではneuropathic painといいますけれど、この 神経障害性の疼痛についてメサドンが割と効くのではないかということも言われておりま して、海外でのメサドンの使用頻度は、安いこともあって非常に使われていて期待が高い という違いがございます。  本剤の医療上の有用性でございますけれども、メカニズムは、メサドンは他のμ受容体 アゴニストとの交差耐性が不完全なため、モルヒネや他のオピオイドで鎮痛が得られてい ない症例やオピオイドで耐性を発現した症例に対して、効果が期待できると考えられてお ります。  メサドンは未変化体として腎臓から排泄される割合が約21%、ほとんどが肝臓で代謝さ れ、その代謝物は不活性で腎排泄か糞便中に排泄されております。そのためメサドンはモ ルヒネと異なって腎機能低下患者においても安全に使用できる可能性があると思われてお ります。  臨床試験報告としましては、ここに幾つか後ろの参考文献の4番、5番、6番、7番、 8番、9番あたりがそのものでございます。主にがん患者さんを対象にしたものが報告を されております。例えば真ん中あたり、ランダムに割りつけられた103例のがん性疼痛患 者さんにメサドン49例、モルヒネ54例の効果及び副作用を比較検討が2004年の「Journal of clinical oncology」に出されていますけれども、メサドン投与群とモルヒネ投与群で は効果及び副作用ともに有意差はなく同等であったと報告されています。というふうな報 告がございまして、モルヒネとほぼ同様なものだろうというふうに思っています。  神経障害性疼痛に対して特徴があるというふうに言われているのは、例えば一番下の方 ですけれども、これは比較試験ではございませんけれども、シングルアームのトライアル でそういう効果があったというものとか、ビトロの成績でNMDAに対する受容体の阻害 作用をこの薬が有するということから、そういう類推がなされております。  10月15日付の報告書ですが、その後サーベイしていましたら、10月17日にCochrane collaborationからメサドンに対するレビューのアップデートが出ていましたので、そち らの方を見ていただければより詳細に現時点での比較試験あるいはシングルアームのトラ イアルの成績のサマリーとその評価というのがなされております。  検討結果を述べさせていただきます。2ページ目を見ていただきたいのですが、以上の ことからメサドンは他のオピオイドと同等の効果及び副作用を有すると考えられ、腎機能 障害患者においても安全に使用できる可能性があり、さらに神経障害性疼痛にも有効であ る可能性が示唆されております。  またメサドンは他のオピオイドで耐性を生じた場合にも有効であることが示唆され、が ん疼痛治療において必要性が高い薬であると考えられております。また低価格であること から患者への経済的な負担も軽減できると考えられます。  しかしながらFDAから昨年の11月ですけれども、メサドンの過剰投与それから薬物相 互作用、心毒性(QT延長)を起こすということ、生じるという副作用が報告されており まして、これに関しては非常に注意が必要というふうに思っています。これはCochrane のレビューの方でもメサドンの使用については限られた専門医によって使うのみに限定す べきというようなことが書かれておりました。  以上を踏まえまして本剤の国内開発は早急に行われるよう検討すべきと考えておりま す。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。引き続いてのがん性疼痛治療薬ですが、いかがでしょうか。 何か御質問、堀内先生。 ○ 堀内構成員  メサドンは従来のものと体内動態等も違っておりますので日本でもできるだけ早く使え るようにすることが必要だと思います。ただこれは大変古い薬で1947年ぐらいでしたか、 米国で使用され始めてずっと余り使われてこなかった。ところがここ数年急激に使われる ようになっていると思います。それに伴ってメサドンによる死者もふえており、この5年 で5倍にふえております。  今藤原先生からお話があったように、かなり注意して使うべき薬だと思います。特に体 内動態がモルヒネ等とはかなり違っています。モルヒネは1時間から2〜3時間で半減し ますけれど、メサドンははるかに長く、8時間から数十時間です。それから個体差が大変 大きいと言われており、米国でも今年再評価されております。必要な薬だと思いますけれ ども、その使い方についても議論しながら開発を進めていただければと考えています。 ○ 堀田座長  いかがでしょうか。そういう御意見でありますが。 ○ 有吉構成員  今の御意見に私は賛成でありまして、さっきのオキシコドンは注射薬ということで剤形 の違いで投与方法が違うということがございますが、このメサドンはまず価格は恐らく日 本に来ると高くなる可能性があるのではないでしょうか。  それからもう1つはやはりFDAからの報告のように、この副作用で仮に死亡例が出た とすれば、これはかえってモルヒネの方が皆さん使いやすいということと慣れているとい うこともありますので、やはりメサドンの開発というのはどういう患者に必要かというこ との対象例をきちんと定めた上で開発すべきだろうと私は思います。開発に賛成ではあり ますが、非常に慎重な姿勢がいるというふうに私は思います。 ○ 堀田座長  同じくがん領域の吉田構成員、いかがですか。 ○ 吉田構成員  おっしゃるとおりでいいのですが、1つ行政側として麻薬に関する考え方というのをど ういうふうにとらえるか。あるいは考えていかれるのかというのを、ちょっと思うのは、 例えばイギリスなんかで私が聞いた話ですけれども、ヘロインとかそういったものがもう 医療の現場で使われていて、多幸感でがん末期患者さんをコントロールするというような こともやられているように聞いています。  日本の場合はそういう麻薬は一切合切使えないですね。医薬的なもので証明されればど んな麻薬でも一応受け入れるという考え方なのか。それとも麻薬一般の取り締まりの中で 医薬と取り締まる対象というのは、何か区別をされるというか、こういったものは困るん だというようなことがあるのか、ないのか。ちょっとお聞きしたいなと。 ○ 堀田座長  その辺、何かコメントができますか。 ○ 中垣審査管理課長  一般論で申し上げますとなかなか難しいわけでございますけれども、いろんなデータが 示しているところは、やはり日本のがん性疼痛のコントロールという点から申し上げます と、麻薬の使用を控えておられるのか、なかなかまだまだ日本では改善の余地があるのだ ろうと。そういう点から使いやすい麻薬製剤を供給していく努力というのは必要なのだろ うというふうに考えているところでございます。  もちろん先ほどお話がございましたように、このメサドンについてもこれから供給する ということになると、値段が高くなるのではないかという御指摘もいただいているわけで すが、Pharmacokineticsにかなり特徴があるようでございますから、日本でどうなるのか というのはある程度調べてみないといけない。そこには当然お金がかかってくるというこ とになって、そこで患者数もそれほど伸びないとすると、かなりの開発費がかかるのもま た事実でございます。治療の手段としての麻薬製剤をふやしていくという努力もまた必要 なのだろうというふうに考えている次第でございます。 ○ 吉田構成員  そういうことでどうも今まで、先ほどのワーキンググループの報告にもありましたけれ ども、日本で麻薬がうまく使えていないというのは、取り締まりとの関係もあってなかな か皆さんがhesitateするというか、そういうことがあってなかなかうまくいかないのだと いうことをちょっと現場から聞いたことがあるものですから、お伺いしたんですけれども、 強い薬になってきますと先ほど有吉先生が言われたように、副作用の問題がかなりありま す。  治験をするにしてもただ単に疼痛がとれたというだけではなく、フォロー、末期がんの 患者さんにどれぐらいフォローを見たらいいかというのもあると思うのですが、その辺も しっかり見ていくという体制も考えながら治験を組んでほしいという希望を出すというこ とになると思います。 ○ 篠山構成員  QT延長が起こるという副作用が挙げてあるのですが、これは頻度はどのぐらいなので しょうか。要するにQT延長というのは心室細動を起こす可能性が非常に強い。突然死な どの原因になる場合が多いと思います。頻度がどれくらいかをちょっとお聞きしたい。 ○ 藤原参考人  お手元にあるかどうかちょっとわからないのですが、私がFDAのサイトからダウンロ ードした安全性情報のところには正確な頻度は書いていなくて、ケースレポートの集積で そういうことが起きたと。この薬剤としてはKチャンネルの阻害をすることによってQT が伸びるというような薬理作用があるというふうに述べられておりました。 ○ 篠山構成員  こういうがんの末期の疼痛を緩和するためにはたくさんの薬があった方がいいという御 意見が今出ているわけです。前お話ししたことがあると思いますが、心不全に強心薬を使 うとかえってやせ馬をむち打つようなことになって、一時的にはよくなっても生命予後に はかえってよくないということで、余り慢性に使われないのが一般的です。  ところが、ある強心薬が死亡率を非常に増やしたのですが、クオリティーオブライフは 逆に改善したという試験結果が話題になったことがあります。だからクオリティーオブラ イフを改善するということも、エンドポイントとして非常に重要なのではないか。死亡が 改善されなかった1つの理由というのは、やはりその薬が直接原因か、あるいは患者さん の状態が改善して運動量が増えたため、肉体的な負荷が多くなったという原因も考えられ ますが、とにかく心室細動を起こして不整脈による突然死が多かったというデータです。  そのときにはNew England Journal of Medicineのletter to editorで、何もモタリテ ィがすべてではないのではないか。クオリティーオブライフが改善するのであれば、それ を目的として治療を考えてもいいのではないか。もし心室細動であればimplantableなペ ースメーカーを埋め込めば解決できるのではないか、もし本当に患者さんが苦しんでいる のであれば、一時的にでもクオリティーオブライフが改善するのであれば、そういう治療 を行ってもいいのではないかという意見がありました。  同じようにがんの疼痛で苦しんでいる患者さんにいろんなことをやっても、なかなかよ くならない。もしこの薬があればQOLが改善するという場合には、ただ副作用だけで慎 重になる必要はないのではないか。むしろ副作用に対する対応を考えていけばいいのでは ないかなという気がするんですけれども。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。栗山先生、何かコメントをいただけますか。 ○ 栗山構成員  篠山先生がおっしゃったことは、我々毎日肺がんなんかを相手にした臨床をやっていま すと、大変強く感じます。肺がんということであれば、予後の延長は原則的には目標とし ますけれども、内科的治療の場合は限られておりますから、QOLを改善するという意味 で非常にこういった治療を使いこなすことが大事だと思います。  今までいろいろな鎮痛薬がありますけれども、人によって効き味が変わっております。 その副作用の出方も違います。そういった場合に次の薬を持っているかどうかということ がすごく大事なことです。患者さんにもこの薬だけしかないという場合と、幾つかの手持 ちがあってこれがだめだったら次があるよという、これは随分大きな希望を与えているこ とになるのです。そういう意味ではやはり多種、いろいろな種類のものをそろえておくと いうことは必要だと思うのです。  それからこの薬に関してはちょっと藤原先生にお伺いしたいと思っていたのは、がん性 の疼痛に対しては他の薬と同じように有効なのだけれども、もう1つ神経障害性疼痛とい うのが特徴であると。この神経障害性疼痛というのは、がんに伴ったという意味でしょう か。それともそのほかの機序で起こってくる神経障害性疼痛も含まれているのでしょうか。 ○ 藤原参考人  いろいろあると思いますので、必ずしもがんだけに起因する、じんじんとかびりびりと かすごい、何か患者さんが非常に嫌がる痛みなのですが、それはがんだけではありません ので、海外でのこういうオピオイド系のやつを見てみると、例えば手術後の痛みとかいろ んながん以外の痛みにも、こういうオピオイドの薬は結構FDAの承認があるので、治験 として海外で臨床試験をやられる場合には、例えばneuropathic painといってもがんだけ ではなくいろいろな背景疾患のある患者さんを対象にやられていることが多いと思いま す。 ○ 栗山構成員  例えば幻肢痛というのがありますね。腕がないはずなのにとても痛んでという。あれは 治療が非常に難航するのですが、そういったものにも例えば効くということであれば、非 常に患者さんにとってはありがたい薬だということになると思いますけれど。 ○ 堀田座長  今回そこまで踏み込んで記述はしていないので。 ○ 藤原参考人  余りそこまでは踏み込んでおりません。 ○ 堀田座長  そういう可能性もあるかもしれないですよね。今回はがん性疼痛ということでの開発を するかどうかということになっていますけれど、がん性疼痛といってもいろんなバラエテ ィーがありますので、その中にはそういったものも含まれてくるということかもしれませ ん。  皆さんのご意見として副作用等々を考えますと慎重であるべきだけれども、手持ちの薬 をふやしていくという努力をすべきだと、大体そのように受け取らせていただきましたが、 よろしいでしょうか。安い薬なので開発してくれるところがあるのかどうか問題がありま すし、欧米で承認されているのが随分古いもので、当然古いGCPで通ったものですので 新しい仕切りの中でどのように開発するかというのは、少し工夫が要るかと思います。  しかし前向きに検討していただくということで要請していただくというようにお願いし たいと思います。よろしくお願いします。  それでは4番目、エクリズマブです。これは発作性夜間ヘモグロビン尿症というちょっ と聞き慣れない対象でありますけれども再生不良性貧血から移行、もしくは類似の疾患と して造血幹細胞という幹の細胞に後天的に障害が起こってくる病気があります。それに対 する特異的な治療薬として初めて出てきたというものであります。このエクリズマブにつ きましては、寺村先生に検討していただいておりますので、報告をお願いいたします。 ○ 寺村参考人  資料2−4をごらんください。エクリズマブはヒト補体C5成分に対するヒト化モノク ローナル抗体でございます。  対象疾病でございますけれども、発作性夜間ヘモグロビン尿症、以下PNHと略します が、これはPIGA遺伝子に後天的に持った造血幹細胞がクローン性に拡大した結果、補 体による血管内溶血を主徴とする造血幹細胞疾患でございます。再生不良性貧血を代表と する造血不全疾患としばしば合併・相互移行いたします。  臨床所見としましては貧血、黄疸のほかヘモグロビン尿を認めます。時に静脈血栓、出 血傾向、易感染性も認めます。先天発症はございませんが、青壮年を中心に広い年齢層で 発症します。  厚生労働省の平成10年度の疫学調査班のアンケート調査によりますと、我が国における PNHの推定有病者数は430人でございます。  PNHに対する主な治療法としましてはタンパク同化ホルモン、副腎皮質ホルモン、免 疫抑制剤、造血幹細胞移植がございます。薬物療法につきましては、いずれもその効果は 十分なものではなく、また長期投与によりまして副作用が大きな問題でございます。  同種造血幹細胞移植は根本的治療でございますけれども、本症の平均生存期間は32.1 年といわれていまして、これを考慮しますと治療関連死が高率である移植の適応について は慎重に判断するべきだと思われます。  本剤の医療上の有用性についてですが、本剤は補体C5を認識するヒト化モノクローナ ル抗体でございます。C5に結合することによって、C5転換酵素の作用を阻害し、炎症 性メディエータであるC5aの放出を阻害するとともに、C5bの引き続く膜攻撃型補体 複合体の形成を阻止します。その結果本症における補体による血管内溶血を抑制する効果 を有します。  本剤はC5特異的で補体前期成分を抑制しないため、オプソニン作用や免疫複合体の除 去などには影響いたしません。  本剤はPNHの治療薬として米国FDAあるいは欧州委員会においてそれぞれ2007年 3月、6月に承認されております。  本剤のPNHに対する有用性につきましては2つの臨床試験が行われております。米国、 カナダ、欧州、オーストラリアの34施設で行われたプラセボ対照二重盲検無作為化第III相 試験(TRIUMPH)の結果によりますと、これは2006年9月に発表されています。本 試験は18歳以上で少なくとも12カ月以内に4回の輸血歴のあるPNH患者87例を対象と しています。  本剤の投与は初めの4週間は週1回600mg、その後は隔週900mgを静脈内投与し、計26 週間投与されています。その結果ヘモグロビン値の安定化が本剤投与群で49%に認められ ましたが、プラセボ群では全く認められておりません。  臨床試験中の輸血量に関しましては、本剤投与群では赤血球輸血総量、患者1人当たり の中央値は0単位、プラセボ群では10単位でございました。試験期間中輸血非依存性とな った症例は本剤投与群では51%、プラセボ投与群では0%でありました。  溶血量を血清LDH値を指標として算出すると、本剤投与群ではプラセボ投与群に比し、 86%の溶血抑制効果が認められております。  さらにはFACIT-FatigueとEORTC QOLというQOLの評価におきましても 著明な改善が認められております。  有害事象としましては頭痛、鼻咽頭炎、背部痛、悪心などが見られましたけれども、プ ラセボ群と比べて優位に高い副作用は認められておりません。  本剤の安全性と有効性を評価するために血小板減少症例3万/μlまでの症例を含み、 または過去2年間に1回以上の輸血歴を有するPNH患者97例を対象とした国際多施設 共同によるプラセボ対象なしオープンラベル第III相臨床試験、これをSHEPHERD試 験といますが、これが行われております。本剤の投与方は前述のTRIUMPH試験と同 様であります。  主な有害事象は頭痛、鼻咽頭炎、上気道感染症でございまして、いずれも軽度で重要な 副作用は認められておりません。  溶血は有意に抑制され、LDHは治療前2051から269と著減し、患者当たりの年赤血球 輸血量は平均12単位から平均6単位へと減少し、約半数が輸血非依存性となっておりま す。またQOLも著名に改善しております。  以上により本剤は血小板減少症合併患者を含む多くのPNH患者に対して安全かつ長期 投与が可能であることが明らかにされています。  検討結果でございますけれども、本剤はPNHに対する初めての特異的治療薬でござい ます。国際的な臨床試験の結果では、期待された血管内溶血の著明な抑制とそれに続く貧 血の改善、輸血からの離脱、QOLの改善が認められております。また有害事象としても 重大なものは認められておりません。本症に対する治療の画期的薬剤と位置づけていいと 思われます。  ただし本剤は生涯にわたる投与が必要であると考えられますので、有害事象に関しまし ては引き続き長期間の経過観察が必要であると考えられます。また血栓症の発症を抑制す る効果があるかどうかにつきましても、今後の検討課題であると考えられます。  本症の臨床像は人種間の差異があり、我が国の症例では欧米症例に比べまして、造血不 全を反映する血球減少が多く見られ、血栓症の頻度が低いことが知られております。した がって我が国において本剤の臨床試験を行うことは極めて重要であり、患者のベネフィッ トを考えると速やかな臨床試験の施行が望まれると思われます。 ○ 堀田座長   ありがとうございました。それではエクリズマブについて御検討をいただきたいと思い ます。いかがでしょうか。これはヒト化モノクローナル抗体ということであります。正常 な赤血球では膜表面の糖蛋白が補体をくみ出して補体溶血を生理的にはブロックしている わけですが、その機構が破綻している赤血球に対して、この抗体は補体のそれ以後の活性 化を阻害することによって溶血を防ぐ。こういった薬のようでありますが、いかがでしょ うか。 ○ 吉田構成員  このように外国で既に臨床試験が行われていて、明確に例えばプラセボが0で、本剤投 与群が非常に有効であるとかというふうなことが明確に出ている場合に、どんなタイプの 臨床試験を行うべきだというふうにいうかというのが、結構難しいと思うのです。比較試 験をすること自体が実は倫理的に問題かもしれないというふうなくらいに、かなり強いエ ビデンンスがある場合ですから、これは例えばは第II相レベルの試験でよしとするという、 こちらが言う話ではないかもしれないのですが、そういった考え方で臨床試験をしていく ということになるのでしょうか。そこのところをちょっとコメントをいただきたいのです が。 ○ 事務局  海外でどのようなデータがあるかということを先ずもとにして議論をしなければいけな いと考えておりますので、一律に何でもかんでも日本でフルの臨床試験をやるというもの ではございません。例えば実際の治験に関しては事前相談という制度もありまして、そこ でどういった海外のデータが今あるのか。そういったものを前提にして、試験計画を立て るという制度がございます。  なお本品目については、前回の会議でも治験準備中というふうに御報告していますが、 既に企業の方は治験の実施に向けてかなり準備が進んでいるところだというふうに聞いて います。 ○ 堀田座長  治験のやり方についてはもともと稀少疾患でもありますし、海外データもあるというと ころを十分に活用していただくということにはなるのかと思います。  浜田先生、何かありますか。 ○ 浜田構成員  私もこれだけ薬効がはっきりしている薬剤で、非常に患者さんも困っていらっしゃるこ とですので、余り比較試験というよりは、海外のデータを参考にしていただいて、海外の 成績と同じような結果が出ればいいぐらいの開発方針でいいのではないかと、個人的には 思います。  ただ安全性とか用量については、十分日本人に合ったものを検討する必要があるのでは ないかと思います。 ○ 堀田座長  ほかの先生方、いかがでしょうか。 ○ 林構成員  すいません。私も開発に十分値する薬剤だと思うんですが、海外の添付文書のボックス ワーニング等で髄膜炎菌、ちょっと1つ教えていただけるでしょうか。Neisseria meningitidisに対するワクチネーションを行うよう記載されていることとか、ワクチンを していない人は、contraindiationだと書いてあるんですが、これはこの薬の作用とこの 菌種は特定の問題があるというような知見は得られているのでしょうか。 ○ 寺村参考人   恐らくそういうことではなくて補体の後期成分です。後期成分をブロックするので、細 菌の殺菌作用が恐らく障害されるであろうという懸念があるので、髄膜炎菌あるいは肺炎 球菌などのワクチンの事前接種は必要であるというふうに考えているためだと思われま す。 ○ 堀田座長  確か海外のこの文書によりますと、200例中2例とかぐらいの頻度でそういった感染症 が起こるということが書いてあります。頻度は1%程度ということですが、日本では余り 髄膜炎菌というのは我々は経験しないです。したがってワクチンを全部やらないといけな いという仕切りにするかどうかというのは、ちょっとまた開発のときに個別に検討するこ とになろうかと思います。  ほかにいかがでしょうか。 ○ 篠山構成員  臨床像に人種差があるということなのですが、臨床像に人種差がある場合には治療にも 人種差がありますか。 ○ 堀田座長  寺村先生、いかがですか。 ○ 寺村参考人  臨床像というのは日本人では血栓症は少ないという、そういう臨床像があります。ただ この薬は溶血を抑えるということで、そちらには効くのですが、実は血栓症に関しても最 近ではこの薬が、効果があると言われています。血栓症も予防する効果があると言われて いるのです。血栓に関しても溶血に関してもこの薬は恐らく有効だと考えられるので、特 に臨床像の違いによって効果が異なるということは恐らくないのではないか。両方の症状 にこの薬は効くのではないかと考えています。 ○ 篠山構成員  私は循環器のことしか知らないのですが、例えば心不全の病態は、日本人と欧米人とで 随分違うところがあります。死亡率も随分違います。例えば心臓移植をしなければならな くなるような、ターミナルな心不全。外国では一番多いのは虚血性心疾患で半数を占めま す。ところが我が国では80〜90%ぐらいは非虚血性の原因です。現に虚血性心疾患にしま しても心不全にしましても、死亡率は欧米に比べ非常に少ないという病態の違いがあるの です。  薬物治療に関しても、例えばベータ遮断薬の用量は日本人では欧米の4分の1ぐらいで 有効です。さらに、さっき話が出ましたように、欧米では死亡率を増加させるからという 理由で認可されなかった強心薬の中でも日本人では死亡率が少ないのでクオリティーオブ ライフを改善するという意味でjustifyされるのではないかという薬もあるのです。この 様に病像が違うと治療法自体が随分違う。用量も違うし使える薬も違うのではないかとい う気がするわけですが、こういった考慮はこの薬に関しては要らないのでしょうか。 ○ 寺村参考人  この薬の一番の目的としては溶血を抑えるという目的が一番強いのです。それが日本も 欧米も全く差がなく同じぐらいの頻度で起こるので、そういう意味では有用性があると思 うんです。ただ日本では血栓症の頻度が少ない。この病気以外のバックグラウンドの違い、 人種の違いによって血栓症の違いであらわれているのだろうと考えられているようです。  ですからこの薬の目的は溶血を抑えて輸血の頻度を減らすということが恐らく主なの で、それは日本の患者さんでも非常にメリットがあると考えております。 ○ 堀田座長  この疾患ではPIG‐Aという遺伝子が造血幹細胞、根っこの細胞、赤血球にも白血球 にも血小板になるもとのところで障害が起こるものですから、血小板や好中球にも同じよ うなそういうGPIアンカーといわれる膜に結合させるところが緩んでしまって外れちゃ うというわけですから、それが血栓症の原因でもあろうというふうに類推があるわけです。 ですから機序的には日本人でも欧米でもほぼ同じだろうと考えられます。  問題は寺村先生がおっしゃったように、ほかの薬剤でもそうですけれども、例えばサリ ドマイドなんかでは、日本人は血栓症は余り起こらないけれども欧米では非常に頻発する というようなことも言われておりますので、そういったことがバックグラウンドにあるだ ろうというふうに思われます。  ほかにいかがでしょうか。御意見をいただけませんか。大体よろしいでしょうか。この 病気では今まではどちらかと言うと補足的な治療しかなくて、造血幹細胞移植というのは あるのですが、それもこういう慢性疾患は一般に対象ではないということになりますと、 こういった特異的な治療薬が出てきたというのは、大変いいことではないかなと思ってお ります。髄膜炎球菌の感染症につきましては慎重に対応するということで、治験を進めて いただくことでよろしいでしょうか。  ありがとうございました。それでは本日の個別の品目の対応につきましては、以上のよ うな形にさせていただきたいと思います。  それから続きまして資料3を御参照いただきたいと思います。資料3はこの7月から9 月に学会、患者団体からの追加で検討要望のあった未承認薬のリストであります。これに ついての検討に入りたいと思いますので、事務局から簡単に御説明をいただきたいと思い ます。 ○ 事務局  それでは資料3でございます。本年7月から9月の3カ月間に承認薬に関する要望書は、 上の段の7件、6成分ございました。それらのうち現在申請中、あるいは治験中ではない ものは、エクリズマブ1品目でございました。エクリズマブにつきましては、ただいま御 検討をいただいたところでございますけれども、それ以外のものに関しては承認審査中あ るいは治験実施中という状況でございます。  なお、そのほか未承認薬以外のその他に関する要望につきまして、参考として下の欄に まとめているところでございます。これらの医薬品の中でワーキンググループで詳しい検 討を行うべきものがあるかについて、御意見を伺いたいと考えてございます。以上でござ います。 ○ 堀田座長  ありがとうございます。いかがでしょうか。エクリズマブ以外は既に治験実施中あるい は審査中という段階にありますので、ここで改めてこれをどうするかということにつきま しては、特別な御意見がなければ通常どおり進めていただいて、なるべく早くやっていた だくということにつきましては、それなりの要望をお伝えするという形になろうかと思い ます。いかがでしょうか。 ○ 篠山構成員  参考の中にベプリジルというのがありますね。これはもう10年ぐらい前から既に狭心症 と心室性の不整脈に関してはもう認可されていますね。ごく最近心房細動に関するデータ が出たところだと思うのですが、このままいくとこれは当然それを前提にして審査が行わ れると思うんですが、早期にこれを認可するということが可能なのですか。 ○ 堀田座長  これは要するに国内未承認薬ではなく、既に何かの適応がとれているということですか ら、現状は適応外ということになるわけです。それが治験を今やっているかどうかという ことについてはわかりますか。 ○ 篠山構成員  もう結果は出ているはずですけれど。 ○ 堀田座長  治験はもう終了して、だから承認申請中ですか。 ○ 篠山構成員  だからその承認を1日でも早くという意味ではないかと思うんですが。心電学会がこう いう要望を出したというのは。 ○ 事務局  ベプリジルの心房細動につきましては先月末に申請が提出されたところでございまし て、現在審査に取りかかるという状況でございます。 ○ 篠山構成員  私が聞きたかったのは、心電図学会の少しでも早くという要望に対して何か対応ができ るのかどうかということなのですけれども。 ○ 中垣審査管理課長   今御質問をいただいたベプリジル以外のものにつきましても、こういう要望書が出てい る背景というのは、一刻でも一秒でも早くというようなことだろうと思うわけでございま す。そういう面から申し上げますと、我々としても限られたマンパワー、ヒューマンリソ ースをどこに使っていくかというのをまた考えなくてはいけないということだと思いま す。  またこういうのがたくさん出てくるということも、我々として反省すべきだろうという ふうに考えているわけでございます。  そういうこともございましてことしの4月に医薬品機構を抜本的に拡充するということ で、現在大体医薬品の審査をやっているのが200名、新薬をやっているのがそのうち100 名でございますけれども、新たに新薬をやる人間を230人ぐらいふやすと。全体で申し上 げますと430人規模にふやすと。これをこの3年でやるのだと。またそれによって審査期 間をこの5年間のうちにアメリカに少なくとも追いつくのだというような一大目標を掲げ たところでございます。  したがいまして正直申し上げて我々としても今少し時間をいただきたいというのが本音 のベースでございますけれども、それはそれとしてこの未承認薬検討会でやっていただい ているように、こういった効能追加につきましても非常に画期的なものというのは薬事法 上の優先審査の規定というのを使って前倒し、順番を飛び越えて審査をしていくというこ とも必要になってまいるわけでございます。このベプリジルにつきましても優先審査の希 望が企業から出されているというふうに聞いておりまして、医薬品機構においてまだ申請 を受け取ったばかりでございますから、薬事法における優先審査の規定に合うのか、合わ ないのか、これからその最初の段階の審査が始まるというふうに考えております。 ○ 堀田座長  よろしいでしょうか。それでは川西先生。 ○ 川西構成員  この参考に挙げられている効能追加等にかかわるというのは、これはもうすべて効能追 加の申請が出ているものですか。 ○ 事務局  申請が出ているという意味ではございません。つまり何らかの効能、承認があって効能 効果の追加の要望書をここに掲載したものでございます。実態としては治験中のものもご ざいますし、審査中のもの、あるいは申請を検討しているものもございます。 ○ 川西構成員  ということは結局今審査中のものを新たに言っても始まらない。始まらないということ はないですけれども。だからその辺の情報をちょっと加えておいていただくと、またこれ はやはりという議論にもなると思うのですが。 ○ 堀田座長  この未承認薬検討会が適応外医薬品を引き受けるかどうかという問題も絡むのですが、 適応外の効能追加を急いでほしいという要望を受けるところが余りはっきりしないので本 検討会に来るという形をとっているのです。それは恐らくちょっとこの未承認薬検討会の 本来の仕切りとは違うところの話ですが、このあたりはほかに受け皿があるかどうかにつ いて、課長さん、何か。 ○ 中垣審査管理課長  今座長から御指摘のあった点というのは非常に難しい議論だろうと思います。この未承 認薬検討会は17年1月に発足するときに議論がございましたのを議事録等で確認させて いただきますと、もの自体がないということが議論の対象となっているわけでございます。 そういう点から申し上げますと一義的な目的からは効能追加に当たるようなもの、適応外 に当たるようなものというのは、この検討会の所掌に入っていないということだろうと思 います。  一方におきまして現実問題として適応外についても早く、あるいは追加を認めてほしい というような意見が多々あるわけでございます。その背景にありますのは、もう皆様方御 存じのとおり、医療保険における扱いというのがあるのだろうと思います。  法的に申し上げますと、薬事法が、医薬品企業が表示できる、あるいは宣伝できる範囲 を決めているものであって、極論を申し上げますと、その処方権みたいなものまでを縛る ものではないわけでございます。現実問題として医療保険の中で使える範囲というのを規 定するような効果を持っている。そのために早く認めてくれとかというような話があると いうことなんだろうと思うわけでございます。  したがいまして、この検討会自体の所掌の範囲ではないのですが、報告させていただい ておりますのは、特に目につくのがあれば教えてほしいと。これは何とかした方がいいぞ 課長というのがあれば教えてほしいというような趣旨でございます。  先ほど川西委員からありましたように、資料3の上半分では備考欄に、現在の状況が書 かれているのに対して下半分では備考欄がございませんので、以後そういう形でつけ加え た上で趣旨としてはどうしてもこれは早くした方がいい、我々が見落としているような部 分があるということであれば、教えてほしいというような趣旨でお考えいただければと思 います。ありがとうございました。 ○ 堀田座長  もともとこの未承認薬検討会の前身が抗がん剤の併用療法の検討会という前身がありま した。そこでは適応外で海外で標準的な薬が日本で使えないという状況を解決しようとい うことで始まっているわけです。それは一定度解決を見たということで、この未承認の方 に移ってきたわけです。そういう点では改めて幾つか問題のある点もありますので、特に この点はどうかという急ぐ必要があるものがあれば指摘していただいて、その旨を伝えて いただくということにしたいということであります。 ○ 有吉構成員  この要望書等の報告があるということは、私たちも何らかの意見を言うべきだというふ うにとっていいのですか。今の話と。要するに例えばここに学会あるいは患者の会から要 望書があるということは、非常に重いことは重いと思うんですが。例えば効能追加に係る 早期承認などの中にも、果たして本当に早期承認が要るのかという理由が余りはっきりし ないものも、私はあると思うのです。  なぜかと言うと現場のエゴといいますか、学会のエゴみたいなものもあります。ですか ら未承認薬の早期承認ということを、私たちは検討するという課題を持っているんですが、 提出者の理由が全くわからずにぜひやってくださいという言い方をするというのも、いろ いろ問題があるので、こういう要望書がある場合には、なぜこれを要望するかという、せ めて簡単なコメントぐらいつけていただかないと、全部学会の言うことが正しい、患者の 会の言うことが正しいというふうになったら、それはもう私たちの仕事じゃなくなると思 うので、検討会ですからぜひその辺のところをお願いしたいということが1つと。  それからもう1つは例えばサリドマイドとレナリノマイドがあるのですが、これは堀田 先生にお聞きしたいんですが、これは例えば最近レナリドマイドなんかはほぼファースト ラインのスタンダードに近いようなデータが出てきているわけですね。そうするとこれが 出ればサリドマイドが本当に要るかどうか、そういう問題はいかがでしょうか。 ○ 堀田座長  そういう個別の話はわかりませんけれども。 ○ 有吉構成員  要するにここに挙がっている以上、何らかの検討をする必要があるとか、ただどうぞ、 どうぞ早くやってくださいということなのか。その辺の。 ○ 堀田座長  資料3というのは要するに既に承認審査中だとか実施中ということであるものですか ら、未承認としてはすぐに取りかかって治験をどこかの企業に手を挙げてもらうという対 応ではないものですから、そういう意味では今の流れを粛々とやっていただくということ が基本ではないかと思いますが、その辺はどうですか。 ○ 有吉構成員  ただ報告書と受け取って、ああそうですかでいいんですか。 ○ 中垣審査管理課長  資料3をごらんいただきたいと思います。本日の品目というのは、1番から7番まであ るわけでございますけれども、この備考欄を見ていただきますと、承認審査中であるとか 治験中であるとか治験実施中であるとかというようなものでございます。そういう意味で 申し上げますともう既に動いているというようなものでございます。  先ほど来座長から御示唆があったのは、仮に8番というのがあって、治験もやっていな い、審査も承認もまだ申請していないというものがあるときに、これを日本として取り上 げるべきということでございましたら、先ほど有吉委員から御指摘のあったような要望書 なりをつけて、本格的な御審議を賜るということになるのだろうと思います。  そういう意味で申し上げますと本日はたまたまでございますけれども、1番から7番ま ですべて手がついているというような御報告であったということだろうと考えておりま す。 ○ 堀田座長  ということでありまして既に動いているものでありますから、基本的にはそういう要望 もあるということは、当事者には届いているかというふうに思います。この会で特別これ を、今から例えばワーキンググループの検討に付すかどうかということにつきましては、 そこまでは必要ないんじゃないか。必要性はもうわかっているということでよろしいので はないかと思いますが、いかがでしょうか。  それから効能効果の追加については、小さい字で書いてあるように、この会の本来の対 象ではないけれども、こういう要望が挙がってきていることを参考にお示ししているとい うことですので、これをまた同じようなウエイトで検討するということはちょっと避けた いと思っています。よろしいでしょうか。大澤先生。 ○ 大澤構成員  今のお話ですとあえて申し上げてはいけないのかもしれませんが、この参考の中に挙が ってきております。  6番のタクロリムスですけれども、これは重症筋無力症の大人にしか使えない、胸腺を 取った大人にしか使えない状況ですけれども、お子さんの中にもほかの薬剤や胸腺を摘出 してもだめで、これが効く人もいますのでその辺もお願いしたいと思います。 ○ 堀田座長  わかりました。効能効果の追加につきましては、基本的には治験という形で適用拡大の ための治験を組んでいただくというのが原則であります。海外で医学薬理上公知でガイド ラインにも載っている、それからピュアレビュージャーナルもしっかり書いてあるという ものについては、いわゆる104号通知というようなもので対応できる道もあるということ でありますので、それはそちらの方で対応してもらいたいというふうに思っております。  それでは事務局の方から。 ○ 事務局  ただいま承りました意見は、開発企業の方にも伝えるようにいたします。迅速に進むよ うにしたいと思います。 ○ 堀田座長  よろしいでしょうか。ありがとうございます。大分時間をとりまして申しわけございま せん。  それでは7月から9月の間に欧米4カ国のいずれかの国で新たに承認された類型Iに当 たる医薬品が本日3件リストアップされています。この中でさらにワーキンググループで の検討をお願いすべきものがありましたら、それについての御検討をいただくということ でまいりたいと思います。最初に御説明をいただけますか。 ○ 事務局  それでは事務局より説明をいたします。資料4でございます。本年7月から9月に欧米 4カ国のいずれかで新たに承認された医薬品は全部で3品目ございました。  まず1品目目マラビロックでございます。こちらはファイザー社が開発した抗HIV薬 でございます。  この効能効果でございますが、治療歴があり、CCR5指向性HIV-1に感染している 成人において他の抗レトロウイルス剤との併用というものでございます。  本薬剤の作用機序でございますけれども、細胞表面にあるCCR5という受容体の拮抗 作用を有するものでありまして、これはHIV−1が細胞内に侵入する際に足がかりとす るものでございまして、このCCR5への拮抗作用によってウイルスの細胞内の侵入を防 ぐという機序でございます。  新規作用機序でございますので、同種同効薬はないという状況でございます。  本品目につきましては、HIVの感染に関しては、このCCR5のほかにCXCR4と いう類似の受容体がありまして、その受容体の発現している患者さんにはむしろ効かない。 したがいましてこのCCR5を有している患者さんであるかどうかという判断が重要とな る医薬品であることから、このような効能効果になっているわけでございます。  この品目につきまして現在国内状況におきましては、ファイザーでは高いニーズがある ということを認識して、現在国内開発に向け検討しているというところでございますけれ ども、先ほど申し上げましたCCR5の指向性の診断につきましては、サンフランシスコ に置かれている会社での分析が唯一臨床的にバリデードされた方法であるということか ら、その特殊なアッセイの関係上、患者さんの効能効果の適用があるかどうかという診断 について企業と連携して検討している状況というふうに聞いております。  続きまして2番目のトラベクテジンでございます。こちらは本年9月にEUで承認され たものでして、効能効果としましてはアントラサイクリン系薬剤及びホスファミドによる 治療が無効な進行性軟部組織肉腫でございます。  こちらの作用機序としましては、いわゆるアルキル化剤の一種でございますけれども作 用機序が通常のものとは異なりまして、アルキル化する部位がDNAのマイナーグルーブ のグアニンに結合しN-2位をアルキル化するということによって、抗腫瘍作用を持つとい うものでございます。そういう意味で作用機序としては通常のものと少し異なるものであ るというものでございます。  現在国内での開発状況等は、なされていないということでございます。  続きましてページをおめくりいただきまして3番目、ビルダグリプチンでございます。  効能効果としましては2型糖尿病、メトホルミン、スルホニルウレア剤、またはチアゾ リジンジオン系薬剤との2剤併用というものでございます。  作用機序はDPP−IVを阻害することによりGLP−1及びGIPの分解を抑制し、β 細胞のグルコースへの感受性を増強するというものでございます。したがいまして作用機 序としては新しいものであります。  なお現在我が国におきまして第III相の治験を実施中というふうに聞いております。以上 でございます。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。それでは最初のマラビロックについて御検討をいただきたい と思います。CCR5の指向性の抗HIV薬ということでありますけれども、今御紹介の あったようにこのCCR5はアッセイ自体がバリデートされているのが、1カ所しかなく てどこででもアッセイできるわけではないというのを聞いております。このCCR5を介 してHIVのウイルスが細胞内に侵入すると。そこをブロックするから感染の中に入れな いように食い止めるということでウイルス自体に対する作用ではないと、こういうことの ようであります。 ○ 中垣審査管理課長  HIVの薬は省の方針としても急ぐということが確立しておりますので、ここの検討会 で改めて御議論をいただく必要はないと思います。したがいまして2番と3番をよろしく お願いします。 ○ 堀田座長  わかりました。御承知のようにHIV薬は基本的には承認を急ぐということで治験等は 海外のデータがきちんとしていれば、それを利用して承認にもっていくという、そういっ たスキームが流れておりますので、これはそれに流していただくということにしたいと思 います。 ○ 後藤構成員  そのスキームでやっていただくべき薬だと思います。今お話があったように今までの抗 HIV薬とは全く違う、新しい作用機序ということで、その重要性というのがかなりある ということを、一応この会として指摘しておいた方がよろしいと思います。 ○ 堀田座長  という御意見がありますが。 ○ 中垣審査管理課長  先生が御指摘のとおりで、我々も実はこの会に諮るまでもなく、ファイザーの方に早く 持ってくるようにということで話をし始めたところでございます。そういう意味で先ほど 事務局の方から御紹介申し上げましたけれども、検査法が非常に特殊でサンフランシスコ のある会社に限られていると。そこに検体を持っていって測ってどうのこうのと、またそ このパワーも問題があるということで、急ぎ調整するようにお願いをしているところです。 ○ 堀田座長  それではそのような対応で承認を急いでいただくという形で対応していただきたいと思 います。  それでは2番目、トラベクテジンですね。これはいかがでしょうか。アントラサイクリ ン系の薬剤とか、イホスファミドに無効な進行性の軟部組織肉腫に対するもの、適応とい う形でのものでありますが、EUでとられております。これは何か御意見がございますか。  私も余り細かいことは知らないのですが、機序としては新しいのですか。この辺はいか がでしょうか。 ○ 有吉構成員  保険適用される軟部組織肉腫などほとんどない状態なので、一度どういう薬かもう少し はっきりさせた上で対応したらいかがかと思います。 ○ 堀田座長  と申しますとワーキンググループにおろすという意味ですか。 ○ 有吉構成員  藤原先生、どうですか。不要ですか。 ○ 堀田座長  もともとこの軟部組織肉腫なんていうのは、はっきりと適応として書いてある抗がん剤 なんてないですね。それにもかかわらずこの両薬剤に抵抗になってからしか使えないとい う、かなり厳しいのでありますが、何か事務局の方から、これについて方針について、コ メントはありますか。 ○ 事務局  先ほど軟部組織肉腫に関しては、今イホスファミドやドキソルビシンが軟部腫瘍という 効能で承認された品目はあるようでございますけれど、作用機序としては新しいといいま すか、通常の作用機序とはちょっと異なるのかなと思っています。 ○ 堀田座長  それではこれにつきましては海外で承認が得られましたけれども、国内での状況がまだ はっきりしないという段階でありますので、一度ワーキンググループで評価していただい て、その上でこちらで検討したいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。 ○ 中垣審査管理課長  いろいろこの品目を調べてみると、ヨーロッパでは承認になったようでございますが、 アメリカではほとんど進んでいないというような状況もあるようでございます。ワーキン ググループに御負担にならなければ、ワーキンググループでやっていただくのが一番あり がたいわけでございますけれども、余り芳しい評価もまだ聞いていないのも事実でござい ます。ですからどうでございましょうか。ワーキンググループにおろしてもらって、ワー キンググループでよさそうであれば真剣に御議論を願う。余り芳しくないようであれば短 いレポートというような、ある程度効率性というのも考えないといけないと思いますから、 そこはワーキンググループにお願いするということにするか。それとももう少し調べて、 次回もう一回この場で御議論してワーキンググループに御負担をお願いするか。要するに ワーキンググループの負担というのが若干私は心配になっているわけでございます。 ○ 堀田座長  藤原参考人、いかがですか。 ○ 藤原参考人  やれと言われれば。 ○ 有吉構成員  今おっしゃったとおりだと思います。私も強いてとは言わないので、次回まで整形外科 系統の先生方の御意見など参考にして、次回でも結構だと思います。確かに藤原先生など の御負担になってはほしくないと思いますので。 ○ 中垣審査管理課長  では議事進行の提案でございますけれども、藤原先生の余り御負担にならない範囲で、 余り芳しくないのであれば、そういった話を次回この場でやっていただければありがたい と思いますし、いやこれは進めるべきだというようなワーキンググループの結論であれば、 ワーキンググループの審査報告書みたいな形でおまとめいただくというようなことで、ワ ーキンググループに幅広い権限と申しますか、宿題をお願いするということでいかがでし ょうか。 ○ 堀田座長  ではそのような形で対応させていただきますので、藤原先生はその辺は自由に。自由に というのか、辛口に見ていただいて結構でありますので、どうぞよろしくお願いします。  それでは最後にビルダグリプチンですか。これは糖尿病の新しい作用の薬でありますけ れども、既に国内で治験第III相が走っているという状況であります。学会、患者団体から の要望は特にないということでありますし、疾患の重篤性あるいは代替薬のあるなしとい うことで言えば、新規ではありますけれどもそれほどの緊急性はないのではないかと、勝 手に私が先に言ってはいけないのですが、そんな感じがしますが、いかがでしょうか。御 意見をいただきたいと思います。川西先生。 ○ 川西構成員  1つは治験実施中、1つはこのメカニズムは、私は個人的には興味がある。それは確か なんですけれど、治験が実施中であるし、病気の種類ということから言って、画期的な薬 である可能性はゼロではないかもしれませんが、いずれにしてもその結果を見てみるとい うことでいいのかと思います。 ○ 堀田座長  ほかの先生はいかがですか。よろしいですか。それではこの品目につきましては、重篤 性、緊急性、あるいは代替薬の関係からいって、特にここでは取り上げないという形です。 そうすると2番目のものだけが藤原先生、また御苦労をかけますけれども、よろしくお願 いしたいと思います。  それでは品目の検討を終わりまして、最後に資料5ですね。これまでの検討会議での検 討品目についての現在までの対応状況をまとめた一覧表がございますので、これを事務局 から説明していただきます。 ○ 事務局  それでは資料5をごらんください。前回から進展のあった品目を中心に御説明いたしま す。まず1ページ目の真ん中より少し下、No.9、第5回で検討されましたエルロチニブで ございますが、本年10月19日付で承認されました。  同じページの下から2番目13番イブリツモマブチウキセタンでございますが、こちらに つきましては、先週 10月24日の医薬品第2部会で審議をされたところでございます。  ページをめくっていただきまして上から3行目No.17、ネララビンでございまが、この 品目につきましては平成19年10月19日、本年10月19日に承認されました。  続きましてNo.28、下から2番目になります。ソラフェニブ、こちらも先週10月24日 の医薬品第2部会において審議をされたところでございます。  ページをめくっていただきまして3ページ目の上から3行目、ダサチニブでございます。 こちらにつきましては承認申請が提出されたところでございます。  そしてその1行下33番、イデユルスルファーゼでございます。こちらにつきましては本 年10月4日に承認されまして10月17日付で薬価に収載されたところでございます。  以上が前回から進展のあった品目でございます。以上でございます。   ○ 堀田座長   ありがとうございました。このように順次対応が進んでおりまして、既に承認、薬価収 載になったものもたくさん出てきております。何か特に御質問がございますでしょうか。 ○ 川西構成員  ちょっと私はさっきの要望書との関連であれっと思ったのが、これで今の最後の資料5 のリポソーマルドキソルンビシンで、これは対象疾患が卵巣がん、エイズ関連カボジ肉腫 で、今回承認がされたのは対象疾患がエイズ関連カボジ肉腫ということで、恐らく卵巣が んの方が対象疾患にここでなっていたのが、一応承認は卵巣がんはまだされていないとい うこと。これは扱いとしてはこの検討会としてはどういうふうに考えるんだろうかという ふうに、ちょっと今気がついたのですが。 ○ 堀田座長  これは対象疾患と書いてあるものは、海外の承認事項ですよね。承認になったときのも のですね。 ○ 事務局  この左側の対象疾患は、この未承認薬検討会議で対象となったものでございますので、 海外での承認とも一致はしておりますけども。 ○ 堀田座長  実際に薬価収載になったのが、エイズ関連カボジ肉腫ということになって卵巣がんが落 ちていると、このことを問題にしているんですね。 ○ 川西構成員  そうですね。そうすると先ほどの効能追加ということに関しても、この検討会としては 卵巣がんもやってくださいということは生きているというふうになってくると思うんで す。 ○ 堀田座長  それでいいですか。 ○ 事務局  はい。事実関係を申し上げますと、まずこの未承認薬会議におきましては、卵巣がん及 びエイズ関連カボジ肉腫ということで御審議、御議論をいただいた。その後企業の方から まずエイズ関連カボジ肉腫で申請があり、そして本年1月に承認され、さらにその後企業 の方から卵巣がんについての申請が出されて、現在審査中であると、そういう状況でござ います。 ○ 堀田座長  わかりました。ということのようです。ですからちょっと時差が起こっているけれども、 基本的には対応しているということかと思います。よろしいでしょうか。  そうしましたら全般を通じて何か御意見をいただけますでしょうか。よろしいでしょう か。今度の進行につきまして。それでは課長さんの方から今後のこの会の運営状況につき まして、何か御意見をいただけますか。 ○ 中垣審査管理課長  事務局といたしまして1つ御礼とお願いをさせていただきたいと思います。この未承認 薬使用問題検討会議でございますけれども、平成17年の1月に発足させていただきまし た。そういう意味で申し上げますと。丸3年おかげさまでやらせていただいたところで、 厚く御礼申し上げたいと思います。  一方におきまして審議会など、いわゆる行政が行うものすべてそうですけれども、御協 力をいただいている委員には任期があるというのが当たり前でございます。ところがこの 検討会議をつくる際、相当慌てていたものと思われておりまして、実は任期が書かれてお りません。次回が来年の1月ということで、ちょうど3年を過ぎたところの会合というこ とになるわけでございます。  そういう観点から申し上げますと、普通の審議会等々の任期というのが短いと2年、長 くて3年ということでございますから、この3年を1つの節目にして委員の交代というの を考えておるわけでございます。  一方においておまえは勝手なことばかり言うなとおしかりを受けそうでございますが、 全員かわっていただくと、会の運営にも支障がございますので、事務局としても少し考え なければいけませんが、例えば半分ぐらいこの3年を機会におかわりいただいて、残りの 半分をまた来年ぐらいにおかわりいただくというようなことでどうだろうかというふうに 考えているわけでございます。  もちろん委員の改選というのは、何か先生方に不都合があってやるようなものではござ いませんから、そういう意味で申し上げますと、例えば参考資料2の名簿で申し上げます と、奇数番の先生におかわりいただくとか、そういう形でやりたいとは思っておりますけ れども、少し専門性にも配慮しないといけないと考えておりますので、そこは申しわけご ざいませんが、座長と相談させていただいて、そのような構成員の変更というのを来年の 1月考えているというようなことで、御礼と御了解をいただければありがたいと思います。 よろしくお願い申し上げます。 ○ 堀田座長  ということでございますが、何かこの点について提案ないしは御質問がありますでしょ うか。現在事務局としては、そのような対応を今後したいということの提案でございます。 よろしいでしょうか。  それでは本日の検討会議をこれで終了したいと思います。どうもありがとうございまし た。 (了) 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課 03−5253−1111 37