07/10/26 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年10月26日議事録 07/10/26 中央社会保険医療協議会          第104回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成19年10月26日(金)10:01〜11:14 (2)場所  厚生労働省講堂 (3)出席者 土田武史小委員長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 前田雅英委員       室谷千英委員  対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 高橋健二委員(代 小出)  松浦稔明委員  竹嶋康弘委員 鈴木満委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員        <事務局>       水田保険局長 原医療課長 他 (4)議題  ○後期高齢者医療について        ・在宅医療等について (5)議事内容  ○土田小委員長  定刻を過ぎましたので、ただいまより、第104回中央社会保険医療協議会診療報酬基 本問題小委員会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、白石委員が御欠席になっ ております。また、高橋委員の代理で全日本海員組合の小出修三さんがお見えになってお ります。  審議官は、公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  今日は、後期高齢者医療に関しまして、前回の12日に入院医療について取り上げまし たが、これに引き続きまして在宅医療などを取り上げていきたいと思います。  最初に事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○竹嶋委員  会長。  おはようございます。会議に先立ちまして、本日のこの会議並びに今後の中医協にかか わります極めて重大な案件と考えますので、1点確認をさせていただきたいと存じます。  会長はじめ委員の皆様方は既にお目を通しておられると存じますが、昨日並びに今日の 日本経済新聞の朝刊に、この本日の、今から行われる調査実施小委員会に報告されます医 療経済実態調査の結果に関する記事が掲載されました。ここに持っております。  まず、中医協の審議の前にその内容が報道関係者に漏洩していることは極めて遺憾な事 態であります。このような傾向は特に最近強く、厚生労働大臣の諮問機関である中医協の 存在自体にもかかわる重大な問題であると認識しております。中医協の総意として、情報 の管理について徹底することをまず確認いたしたい、そう願います。  そして、これは事務局に説明を求めますが、その記事の内容に、「「病院勤務医に比べ て高い」といわれている開業医の給与収入について初めて調査。」、「初めて調査」とい う記事がございました。これが1点です。それからまた、「政府は2008年度の診療報 酬改定で開業医の初診・再診料などの引き下げを検討する予定。」との記事が出ておりま すが、その事実関係についてまず私どもは事務局に説明を求め、お答えいただきたい。  大変恐れ入りますが、まず冒頭、その作業をお願いしたいと思います。 ○土田小委員長  わかりました。たいへん重要なことについて、ただいま竹嶋委員から発言がありました が、これについて事務局はいかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。昨日の日本経済新聞の記事の内容ですけれども、御承知のよう に、中医協の内容につきましては、審議前に中医協の委員や、あるいは物によりましては 関係者に対して必要に応じて説明を行っております。その中で、今回、内容が新聞に漏れ たのだろうと思われますが、今後とも事務局として情報管理に十分気をつけるとともに、 関係者の方々にもお願いをしていきたいと思います。  それから、初・再診料あるいは調査の問題につきましては、中医協の特に総会において 示した審議予定にのっとってこれからやっていただくわけでございまして、まさに今後こ の中医協の基本問題小委員会で議論をしていただくということでございますので、御指摘 の新聞記事について私どもが取材に応じたことは一切ございません。 ○竹嶋委員  ありがとうございました。 ○土田小委員長  よろしいですか。  ただいまの情報の管理の徹底につきましては、今医療課長のほうから話がありましたよ うに、事務局のほうでは、一層の情報の管理について留意していただきたいと思いますが、 私たち中医協の委員も公務員であるということになっておりますので、情報管理の責任を 有しているわけです。したがいまして、事務局をはじめ今後情報管理の徹底につきまして は、中医協の委員も含めて十分に留意して対応していきたいと思います。どうぞよろしく お願いいたします。  よろしいですか。 ○竹嶋委員  はい。よろしくお願いします。 ○土田小委員長  それでは、議事に入らせていただきます。  先ほど申しましたように、今日は後期高齢者の在宅医療などについて議題としておりま す。  最初に説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協の診−1と診−2の資料をごらんいただきたいと思いま す。診−2の資料をお手元横に置いて適宜御参照ください。本日は、後期高齢者医療の中 の在宅の分野について、それと終末期医療について御説明したいと思います。  中医協診−1のほうで、1ページ目の上に囲まれておりますが、項目として、「後期高 齢者医療の診療報酬体系の骨子」で示された方向性でございます。在宅医療につきまして は、ここに挙げられています6つの項目、また、終末期医療につきましては2つの項目が 書かれておりました。終末期医療の疼痛緩和ケアにつきましては、このがん対策の中で前 回も取り上げましたが、今後またさらにそのがん対策のほうで考えていきたいと思ってお ります。  それでは、順次説明をしていきます。まず、「第1 在宅における連携の強化と病院等 による後方支援」でございます。ここに「課題と論点」というのを示しておりますが、こ れは、「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」のほうに書かれたものをほぼ抜粋をして おります。中身といいますと、ここでは、医療関係者のみならず、それから福祉・介護関 係の方々とも相互に情報を共有する、そして連携をするということが必要である。  それから、そのための費用について、診療報酬上評価してはどうかということが(3) に書かれております。  それから、在宅医療をされている方につきましても、病状が悪化して、急変して入院す る必要があるわけでありますが、それについて、在宅での治療方針といいますか、それが 引き続き入院後も行われるような連携というのが重要ではないかという視点でございます。  2ページをごらんいただきたいと思います。このような医療機関間の連携が強化される ための診療報酬の評価をどうするか。  お手元の参考資料のほうの1ページをごらんいただきたいと思います。前回もよく似た 資料を出しましたけれども、今回、左のほうに「外来」「在宅」となっておりまして、真 ん中が入院医療であります。これはシェーマとして見ていただけたらと思います。在宅医 療から急性増悪して入院する、今回はその部分を少し考えてはどうかということでありま す。前回はここで言うところの入院から外来あるいは在宅へ移行するときのものについて 説明をさせていただいたと思います。  本文のほうですが、現在の診療報酬上、この連携等についての評価は、例えば在宅療養 支援診療所の要件として、「他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当 する者と連携していること」という、連携の項目がございます。  それから、後の項目で、在宅患者応急入院診療加算というのがありますが、これは、 「居宅において療養を行っている患者の病状の急変等に伴い、医師の求めに応じて入院さ せた場合」、これは入院させた医療機関側でこれがとれる。在宅から入院へのスムーズな 移行ということでございます。  そのほか、連携の項目としましては、居宅療養管理指導という項目がございまして、医 師や歯科医師などがその介護サービスとの関係で指導・助言を行った場合にとれるという 点数でありますとか、サービスの担当者会議、ケアプランというサービス計画をつくるた めに関係者が集まったときに、その担当者会議のための費用というものが認められている と聞いております。  「具体的な取組」のところでございますが、まずは、情報の収集及び共有ということで、 参考資料の2ページをごらんいただきたいと思いますが、「主治医」と右のほうに書いて ありますが、薬局やあるいは訪問看護ステーション、歯科医、こういうところと情報のや りとりをして情報を集約化する。このときに、カンファレンスという形で一堂に会する場 合もあるでしょうし、それからさまざまなメディアを通じて情報を収集するという場合も あるかと思います。そういうような医療的なことを中心にですけれども、情報が共有化さ れた後、それについて、それをもとに、ケアマネージャーに対して介護サービスに必要な そういう情報を提供していく。そのような形で、この患者さんの周りで集約化された情報 をもとにさまざまなサービスが行われるという形をつくっていきたい、こういうふうに考 えているわけであります。  それから、本体に戻りまして、2ページの一番下の項目でありますが、先ほども言いま したように、病状が急変した場合、入院をさせる医療機関側では、在宅患者応急入院診療 加算というのが現在もついているところですが、ここでは、在宅療養をしている場合に、 その担当しておられる主治医の方が前もって入院させる医療機関等に情報提供をしまして、 その在宅医療での治療方針というものがその入院医療においても引き続き行われるように ということで、前もって連携をとっていただく、そういう部分について、先ほどの在宅患 者応急入院診療加算に加えてもう少し評価してはどうかということでございます。  3ページをごらんいただきたいと思います。「第2 在宅歯科診療について」でござい ます。在宅歯科診療につきましても、「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」のほうか らも書かれております。そこでは主として、必ずしも口の中というのが、もちろん、歯科 の疾患そのものもありますが、そのほかに誤嚥性肺炎を発症しやすくなるとか、そういう 観点からも重要だというふうな指摘がございます。  さらに在宅において、在宅における歯科診療というのは、歯科診療の場合は非常に道具 立ても大変なわけでございまして、そういう意味では、十分にサポートするものも必要に なりますし、それから、在宅医療をしている医科の医師のほうからも十分な情報提供が必 要なのではないかということで、そこの情報提供を考えていきたいということでございま す。  参考資料の3ページに、「在宅歯科医療における需要と供給体制との間に差がある。」 と書いてあります。これは、厚生労働省の科学研究費で出された、調査された結果であり ますが、その結果の一番下のところでございますが、「歯科治療の必要性については、8 9.4%のものが「何らかの歯科治療または専門的な口腔ケアが必要」である一方、実際 に歯科受診を受診した者は26.9%」と、大体9割近い人が、治療は必要だけれども、 約4分の1強しか受けていない、こういうような状況があったということであります。  それから、ついでに参考資料の4ページでございますが、これは、「要介護者に対する 専門的口腔清掃の効果」ということで、口腔ケアをしていますと、2年間の肺炎発症率で すが、対照群に比べまして優位に低い誤嚥性肺炎の発症であったという調査結果がござい ます。  それから、本体に戻っていただきまして、在宅歯科につきまして具体的にどういう取組 をするかということでありますが、3ページの下のほうでございます。後期高齢者に対す る口腔機能の維持を含めた総合的な口腔管理、これについて評価してはどうか。  また、居宅において療養を行っている患者の利用するさまざまなサービス、医療サービ ス、福祉サービス、これらを集約する主治医等と連携して必要な指導及び助言を行うこと ということで、この連携部分について歯科の分野でも評価してはどうかということであり ます。  それから(3)は、先ほど言いましたように、在宅歯科診療を進めます際に、なかなか 道具立ても含めましてさまざまなサポートが要るだろうということで、そういう支援する 機能を有した歯科診療所や病院歯科について評価してはどうか、このような項目を挙げて おります。  続きまして、「第3 在宅療養における服薬支援」でございます。これは先に参考資料 を見ていただきますと、5ページにございます。ちょっと写真ですのでなかなか見にくい かもわかりませんが、左側が在宅患者さんがおられるのですけれども、その周りに薬など がこのようにばらばらに置かれております。医療機関Aから7種類の薬を処方され、医療 機関Bからは4種類処方された。合計11種類あるのですけれども、これだけありますと、 いつどれを飲むのかという問題が出てきますので、例えば右側にありますように、この壁 に張ってありますのが服薬用のためのお薬のカレンダーでございます。ここでは日曜日か ら土曜日、それから朝、昼、晩、夕方と、そういうところのポケットにそれぞれ必要なも のを入れて飲んでいく、このようなものとか、あるいは薬の一包化ということで、さまざ まな種類をそのときに飲むための袋に一つにしてしまう、そういうようなやり方がいいの ではないか。これによって、服薬に対するコンプライアンスが非常に上がるということで ございます。  本体部分の4ページに戻っていただきたいと思います。このような在宅における服薬支 援というのは非常に重要だとわかっていただけると思いますが、さらにそれに加えて、在 宅療養のときの患者さんの病状の急変、そういうときに臨時の処方が行われます。そうい うようなときに、あるいは医師・歯科医師から急な求めがあって、当然ながら薬剤師によ る調剤、あるいはその必要な場合の服薬指導、こういうものが臨時的に行われることもあ るので、それを考える必要があるということであります。  それから、在宅療養において患者が適切な薬物治療を受けられるよう、薬剤師による必 要な薬学的管理及び指導が行われるための診療報酬上の評価の在り方、これらを検討して はどうかということでございます。現在は、調剤報酬上、在宅患者訪問薬剤管理指導料と して、月の初めに行ったときに500点、2回目以降は300点ということで月4回まで。 例えばがん末期や中心静脈栄養法の患者については週2回かつ月8回までの算定の制限が かかっております。  実際にこの調剤のほうの「具体的な取組」でございますが、それは先ほど出ましたよう に、服薬カレンダーでありますとか一包化ということによって、その服薬管理をしっかり していただこう、そのような取組を評価してはどうか。  さらに、患者さんの病状の変化に合わせた臨時の処方や、あるいは急変時の訪問服薬管 理指導、そういう部分についても評価してはどうかということが述べております。  次に、「第4 訪問看護」でございますが、訪問看護については、在宅療養を進める上 でなくてはならないという認識を持っているところでありまして、今入院医療のところで も退院前後の支援とか、そのあたりについて話をさせていただきましたが、そのほか、在 宅医療では緊急時の対応を含めた24時間体制の問題とか、あるいは患者の状態に応じて は原則週3回になっておりますが、それ以上の訪問が必要になるのではないかということ で、実際そういうこともやっているというふうな状況がございます。  参考資料の6ページをごらんいただきたいと思います。訪問看護ステーションの数と利 用者数の推移でございます。棒グラフのほうが訪問看護ステーションの数でございます。 平成12年までずっと伸びてきまして、その後は微増という感じでございます。黒い色に 塗ってある部分が、そのうち24時間連絡体制加算の届出があるステーションでございま す。18年についてはちょっと内訳がわかりませんので、全体数を示しております。利用 者数は、このステーションの数よりも比較的順調に伸びてきているということでございま す。  それから7ページ、訪問看護についての報酬体系でございます。医療保険と介護保険、 それぞれ持っております。介護保険のほう、右側でございますが、時間単位で回数に応じ て設定がされる。当然ながら、在宅サービスのほうで支給限度額があるということになっ ております。その他さまざまな加算があります。  医療保険のほうですが、これは、医療機関から訪問看護をする場合もありますので、訪 問看護ステーションの場合と医療機関の場合とに分けております。医療機関から訪問看護 する場合には診療報酬の点数で表現しておりますし、訪問看護ステーションからの訪問看 護につきましては療養費の形をとっております。訪問看護ステーションのほうは、訪問看 護基本療養費、これが行って看護をするという部分の本体部分。それプラス訪問看護管理 療養費というものを考えております。訪問看護管理療養費という部分につきましては、こ れはステーションの維持をしていくための費用、医療機関の場合は当然医療機関本体があ りますので、その部分が要らない、こういう評価の形になっています。そのほか基本療養 費やあるいは管理療養費に対する加算は下に多々書いてございます。それぞれの状況に応 じて加算がとれるということになっております。  それから、ついでに8ページをごらんいただきたいと思いますが、今原則介護保険と医 療保険について対象が分かれておりまして、当然介護保険のほうは介護保険の要介護認定 を受けた方々が使う場合ということになります。原則は65歳以上になるわけですが、4 0歳以上で65歳未満の方で、右側に「特定疾病」と書いてありますが、こういうような 状況の場合は介護保険からの給付も受けられるということになります。  それから医療保険のほうは、その右側の介護保険の対象にならない方を対象に、当然な がら通院困難な居宅において療養を行っている患者さんということになります。原則的に は週3日以内ということになっております。それから回数制限のない対象者ということで、 ここに末期の悪性腫瘍等々、こういうような患者さん、あるいは病気・疾病の方、あるい はこの状態の方については、一応この週3日以内という枠が外れます。また、これらの疾 病以外でも、特別指示書という形で、病状が急変したと、急に悪くなった、そういう場合 には医師から特別指示書が出されて、月1回まで14日間を限度としてその枠、週3日以 内という枠が外れる、こういうような構成をとっているわけであります。  本体に戻っていただきまして、5ページの下のほうからでございますが、このような形 の中で、「具体的な取組」としては、訪問看護ステーションは規模が小さいところも多う ございまして、24時間連絡体制というのは、非常にとりにくいというところがございま す。それについて少し評価を上げてはどうか。  それから、人工呼吸器の装着者や、あるいは標準的な訪問時間を超える長時間の訪問、 これなどは実際に行われているということもありますので、そういう部分について少し考 えてみたらどうかということでございます。  参考のところに、実際に週4日以上訪問している割合ということで、例えば気管切開か ら喀痰の吸引をしなければいけないという患者さんの場合には、3分の1程度はもう週4 回を超えている。実際に行っている。それから、例えば長時間の訪問看護でいきますと、 20%以上が実際に長時間の訪問看護している。これはある程度想定された時間内ででき ないと、非常に医療の依存度が高いというような理由だそうでございます。  それから、「第5 居住系施設等における医療」の問題でございます。これも、参考資 料の9ページ、10ページをごらんいただきたいと思いますが、9ページにイメージの図 をつくっております。「医療提供体制の高低」ということで、それぞれの施設における医 療の提供度合い、提供能力といいますかが想定されている部分でございます。あるいは右 端の療養病床は、これはもう病院でございますので、医師の配置とそれから看護師の配置 は当然十分にある。それに対しまして自宅は当然配置としてはゼロですので、なしと。そ の間、特定施設とか特別養護老人ホーム等々、このあたりの施設で、看護師や医師が少し ずつ配置といいますか、仕事をすることになっているということです。  次の10ページをごらんいただきまして、「居住系施設等の概要」ということで、先ほ ど出ました高齢者専用賃貸住宅から、右のいわゆるグループホーム、それから特定施設と 言われているもの、特別養護老人ホームと並べておりますが、このそれぞれの人員配置基 準、高齢者専用賃貸住宅そのものは特に規定はないわけですけれども、そのうち例えば特 定施設に該当するものもあるということで、その場合にはそれぞれ人員配置をとらなけれ ばいけないということになっております。このように、居住系の施設がこれからますます 必要になってくるわけでありますが、そこに対するサービスをどうしていくかということ が大きな問題だという認識でございます。  本体の6ページに戻っていただきたいと思います。今のように、居住系施設を含むさま ざまな施設等を利用しておられる高齢者について、医療を外からどのように提供していく か、こういうような問題であります。当然ながら、先ほど出ました療養病床、これは病院 ですからわざわざ外から行く必要はないということですけれども、自宅には、これは完全 に外からサービスを提供しなければいけない。そのほか、その間の部分というのは、それ ぞれの施設基準に合わせた形で何か考えていく必要があるだろうと思っております。  7ページの上のほうで、現在の診療報酬の体系、ここでは、実際に訪問するということ 自体を評価した、例えば往診料でありますとか在宅患者訪問診療料という、これは訪問す るという部分を評価したもの、それから実際に訪問した後、そこでいろいろと診療すると いう部分につきましては、例えば在宅時医学総合管理料等々の中で評価をしているところ であります。  「具体的な取組」でございますが、例えば往診などにつきまして、高齢者が多く生活す る施設に対しまして、往診あるいは訪問診療する場合、実際の行く手間という部分につい ては手間がかからないということですので、ここを適正な評価としてはどうか。  ただし、実際に行ってそこで患者さんを診るという、診療する医学管理の分野について は、これは往診等の機会費用とは別の話ですので、その部分については考えるわけですが、 それぞれの施設に例えば配置医師がいるとか、そういう問題があるならば、その部分は考 えた上で評価してはどうか、こういうことであります。  それ以外にも、訪問系のサービス、多々ございますので、それもあわせてここで考えて いきたいと思います。  それから最後に、「第6 終末期医療」の部分でございますが、参考資料、ちょっと飛 ばしまして14ページでございます。ここでは、「終末期医療の決定プロセスに関するガ イドライン」、ここの手続きについてちょっとイメージをつくってあります。これはそれ ぞれ患者の意思が確認できる場合・できない場合、できる場合は患者の意思決定を基本と して、医療・ケアチームで検討していく。患者の意思が確認できない場合は、推定できる 場合は尊重するけれども、あとは家族と十分に話し合うことがまず必要だと、こういうよ うな形で決めていきましょうと。なかなかそういう形で決まらない場合については、複数 の専門家から成る委員会というようなものをつくっておいて、そこで検討してはどうか、 こういうようなことでございます。  そこで、本体の8ページに戻っていただきますが、このように、本人からの書面で示す ということを考えた上で診療報酬上評価してはどうかと。  それから、看取りの際の最期の部分については非常に頻繁な対応が迫られるということ がありますので、その部分について今回さらに検討してはどうかということでございます。  そこでの現行の診療報酬上の評価はちょっとごらんいただきたいと思います。  9ページ、「具体的な取組」の部分でございますが、医師、看護師その他の医療従事者 及び社会福祉士等が、患者の希望を踏まえて、急変時の対応を含めた終末期の診療内容に ついて十分な話し合いを行って、患者との合意内容を書面にまとめた場合に評価すること としてはどうかということで、先ほどのガイドラインの流れに沿った形ではあるのですが、 それを最終的に書面で形にして、そして関係者、家族を含めて十分にそういう内容を周知 してはどうかということでございます。  それから、参考のところを飛ばしまして下に、また、在宅で看取りに向けた十分な支援 ができるよう、終末期における訪問看護についての評価を充実してはどうかということで、 これにつきましては、参考資料の12ページでございますが、非常に、夜間や早朝の訪問、 あるいは電話相談というものが頻繁に行われるのだということで、ここでは、幾つかのス テーションからデータを集めまして、例えば上の表では、在宅死亡者96人に対する夜 間・深夜・早朝の訪問をした利用者、これが死亡からさかのぼって1週間の間に52%ほ どあった。やはり最期になるとかなり頻繁な対応が必要になるということが考えられます。  それから、点数につきましては13ページに載っておりますが、これはまた後ほど参考 にしていただけたらと思います。  在宅医療の分野と終末期医療につきましては、資料の説明は以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  今医療課長のほうから、在宅医療それから終末期医療について説明がありましたが、こ れから順次議論をしていきたいと思いますが、ここの診−1のほうで、第1から第6まで、 一応項目が分かれておりますので、この順番に従って御意見あるいは御質問等を進めてい きたいと思います。  それで最初は、「在宅における連携の強化と病院等による後方支援」ということにつき まして御意見あるいは御質問等ありましたら、どうぞお願いします。 ○小島委員  これは全体に係るちょっと質問なのですけれども、後期高齢者の在宅医療ということな ので、そういう意味では、ここに出されている各課題について、これは75歳以上の後期 高齢者について、ここでこういう要件のところについては評価すると。74歳未満のとこ ろについては特段ここで指摘しているような評価はしないという、そういう整理なのです か。 ○事務局(原医療課長)  項目によっては、当然74歳以下の方々についても必要な分はありますので、そこはそ れでまた考えてきたい。  それからあと、74歳以下の在宅医療の問題についてもまた後で議論したいと思ってお りますが、そのときに重複しますけれども出てくるということです。 ○土田小委員長  ちょっともう一回確認したいのですが、すると、今説明いただきましたのは、75歳以 上に特定するものについて説明したわけで、74歳に共通するものについては特に説明は していないということですか。 ○事務局(原医療課長)  いや、そうではなくて、ここ、少なくとも75歳以上の人を想定してつくりましたけれ ども、このうち、74歳以下にも必要な部分については当然ながら74歳にも適用してい る。その部分については、また別途74歳以下の在宅医療のところで再度説明させていた だきます。 ○土田小委員長  わかりました。逆でしたね、どうもすみません。 ○竹嶋委員  今お答えいただいたのですが、私どもも実は小島さんと同じような質問というか確認を しようかと思ったのですが、やはり暦年齢ではなくて、特に医療を提供する私たちの側と しましては、74歳以下の方々に対しても同じように、提供される医療がそこでぽっと変 わるということはないように、私たちは、すべてそうしたいと思うし、また、そうあるべ きだろうと考えています。今お答えいただきましたので結構でございます。そういうこと で進めていただけたらと思います。  それからもう1つ、具体的に議論に入って行く前に、どうしてもこれは確認していただ きたいのは、在宅医療の推進、これは流れとしては今進んでいます。そこでいつも私ども 申し上げているのですが、やはり患者さんの生活環境等に十分考慮して行うべきでありま す。ということは、入院・入所の受け皿、前から言っていますが、この整理を並行してや っていただく、あるいはやっていくということをやはりここで基本的に合意というか確認 しておいて、今からいろいろな具体的なことを進めていくということをぜひお願いしたい と思います。 ○土田小委員長  これは事務局から一応確認を。 ○竹嶋委員  いや……。 ○土田小委員長  よろしいですか。はい、わかりました。  では、ほかにございましたら、どうぞ。 ○鈴木委員  ちょっと確認なのですけれども、こういう6項目が該当しない項目もございますが、実 は8ページのターミナルケアのときに、在宅療養支援診療所の看取りに関しましては1万 点と1,200点の差がある。訪問看護のターミナルケア療養費は1万5,000円と1 万2,000円であまり差がないというのは、こういうような状況というのが、この該当 するような各項目すべてにやはりこういう差をつけていくということなのでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  在宅療養支援診療所とそうでないところの差があるのではないと。差がありますけれど も、それは実際には差をつけているのが現在の状況だということなのですけれども。 ○鈴木委員  例えば「具体的な取組の評価」の(1)でございますけれども、ここで在宅療養支援診 療所が行った場合とそうでないというようなときには、その差が出てくるのでしょうか。 カンファレンス等を行って、評価に関しましても。私どもはそれはあまりよろしくないの ではないかというふうに思うのですけれども。 ○土田小委員長  ちょっと質問の趣旨がはっきりしないので確認したいのですが、つまり、在宅療養支援 診療所とそれからそうでない診療所、点数で格差をつけていますよね。そのこと自体がこ れからも進めていくのがどうかと…… ○鈴木委員  いえいえ、こういうような、今評価しようということで議論が始まった事柄に関しても 同様の扱いがされるのかどうかということの確認なのですけれども。今後の問題というこ とで。 ○事務局(原医療課長)  先ほど言いましたように、在宅療養支援診療所そのものに、ここでのサービス、連携調 整を担当するという者を配置。連携者とちゃんと連携したかという項目がつけられている のです。だから、そういう意味で、連携、前提ではなっているわけですけれども、そのほ かの手間とかいろいろ考えていく必要があるだろうし、そこは、その差をつけるべきでな いという御意見ならそういう御意見として承っておきたいし、やはり差があるのだという なら、そこはこの場で議論していただけたらと思います。 ○土田小委員長  わかりました。 ○竹嶋委員  表現をかえれば、在宅医療を普及していこうと、やっていきますよね、私どもは。その ときに、在宅療養支援診療所、これは特定の施設ですが、ここでやったものを特化して評 価していくということでなく、これは私たちの立場からすれば、そうではなくて、そこで 実施された内容が同じであれば、それに対して評価していくというふうなことが必要では ないかということなのです。在宅療養支援診療所にそれを特化していくのか、そういうふ うに今後持っていくのですかということの質問です。 ○土田小委員長  今医療課長が答えたようなことで、よろしいですか。  はい、わかりました。 ○鈴木委員  具体的な話でお願いいたします。2ページ目の「具体的な取組の評価」の(1)でござ いますけれども、「カンファレンス等を通じて集約し」というようなことがあります。こ れは特別部会でも、カンファレンスの場合は、入院中は病院のスタッフが皆おりますので できますけれども、診療所等でカンファレンスというのはなかなか難しいというような話 を聞いたことがあるのです。まず、そこの情報の集約化みたいなところには知恵が当然要 るようになりますけれども、これは病院に対して……、これは診療所で算定するのでしょ うか、病院で算定するのでしょうか。「等」が非常に気になります。 ○土田小委員長  質問の趣旨はわかりますか。カンファレンスをやる場合、病院に入院されているものに ついては病院で一括してできるので非常に簡単なのだけれども、在宅の診療所などでやる 場合には、どういう形でやったらいいのか、あるいは非常にやりづらい問題が出てくるけ れどもどうかということですよね。それと、報酬をどういう形で、病院と診療所との、ど ういうふうに支払うのか。 ○事務局(原医療課長)  ここでは在宅患者さんなので、今基本的に病院がすぐ出てくるということを考えていな い。在宅を担当しておられる先生方、主治医がおられると、そのほか訪問看護なり訪問薬 剤管理指導や訪問歯科もあるかもしれない。あるいはその介護のスタッフ、そういう方々 が集まるというイメージを持っております。もちろん、後で出てきましたけれども、いざ というときの入院のためのバックベッドを持っている病院の先生が出てこられる場合もあ るでしょうけれども、基本的には多分実際にその場で、そのときにかかわっている方々が 集まるのだろう。だから、その病院につくということは多分ない。 ○土田小委員長  その場合に、どういう形でその点数をつけるかという話です。 ○事務局(原医療課長)  それにつきましては、共同指導という形で現在あるいは病院の中でも退院の前後にやる 場合についておりますし、そういうような集まって、それについて話をするということに ついて評価をする。これについてはそれぞれの例えば調剤なら調剤、薬局が来た場合だっ たら調剤報酬で考えなければいけないし、歯科の先生が来られたのならば歯科の点数の中 で考える。それぞれ考えていきたい。 ○鈴木委員  カンファレンスが絶対要件になりますか。算定の要件みたいなものを教えていただきた い。 ○事務局(原医療課長)  ここでは、全部が集まらなければいけないとは思っていませんで、「等」というのは、 その集まれない場合も多々ございますので、そこにつきましては、逆に先ほどメディアで と言いましたけれども、紙なりいろいろな媒体があると思うのですけれども、そういうも ので情報を共有化していく、そういうことを考えております。 ○土田小委員長  よろしいでしょうか。 ○対馬委員  この問題に限らず、全体的な関係者の連携というのは一つのキーワードのようになって いるわけでして、またそれはそれで、後期高齢者を中心に考えた場合に特に必要だという ことはよくわかるのです。現実にどういった評価のつけ方をするかということについては、 いずれこれから議論し、最終的にまとめられる時点で再度議論できるのだろうと思うので すが、そのとき、全体感がよくわかるようにしていただけると大変ありがたいのです。一 般的、抽象的には、こういうことも確かにそうだなと思うのですけれども、実際の連携に 対しての評価のつけ方は技術的にもなかなか難しいところもあるだろうと思いますので、 そこはもう一回再整理したところで議論させていただければありがたいと思います。 ○鈴木委員  私の知りたいのは、算定するのがどちらなのか、また、算定要件がどうなのかというこ と、今イメージだけでも教えてくださいと、そういう意味なのです。(2)の場合、「円 滑に入院ができた」というようなことがございますけれども、この辺は先ほどの御説明で、 在宅でやっていたそういう療養が、そのまま入院してもできるというようなお話でござい ますけれども、そのほかにも、キャッチアップは当然のことだと思います。これは当然病 院あるいは有床診療所で算定するものだろうという推測はつきますけれども、そのほかに もう少しイメージといいましょうか、説明の補足がいただければと思います。 ○土田小委員長  この(2)のほうですね。 ○鈴木委員  はい。 ○土田小委員長  (2)のほうで、「連携医療機関に円滑に入院ができた」という、その「円滑に入院が でき」るということについてもう少し具体的なケースを交えながら、あるいは具体的な在 宅療養支援診療所とそうでない診療所の場合だとか、そういうことを踏まえて説明してい ただきたいということですよね。 ○鈴木委員  はい。 ○事務局(原医療課長)  ここは先ほどのカンファレンス…… ○土田小委員長  もう1つ言っておきます。そのあれは病院に入るのか、あるいは診療所に入るのかとい うことを含めてですが。 ○事務局(原医療課長)  入院を受けた側、病院のほうに当然入ることを考えておりますが、それは今現在も在宅 患者応急入院診療加算というのがあって、これは入院させたときに病院がとれるのですが、 それは、主治医からその求めがあって入ってきた、そのときにとれることになっているの ですが、今回はそれに加えて、あらかじめこの人はこういう状況でこういうような診療方 針でやっています、だから入院してもそういうような方針でお願いしたいということを十 分に病院と話をしていただいて、入院したら、急にまた、例えば非常に診療方針が変わっ て、やたら積極的な医療に入っていくというようなことはあっては困るだろう、そういう ことを想定しているわけで、前もって十分に病院側と話をしていただく、そういうような ことを条件に考えていきたい。 ○土田小委員長  よろしいですか。  ほかにないようでしたら、「第2 在宅歯科の歯科診療について」のほうに移りたいと 思いますが、第1のほうでよろしいですか。 ○西澤委員  これは非常にいいことだと思うのですが、2ページの参考の中にあるように、今の介護 報酬上の評価というのがあるのですね。けっこうカンファレンスとか似たようなことをや って、こちらとの関係、要するに一つの場でやったときに、介護報酬上の評価もしていた だけて、また診療報酬上の評価とダブルでしていただけるのかとか、そのあたりの全体図 がわからないので、できればもう少し介護のほうの図も持ってきてきちっと整理していた だけるとありがたいなと思います。要するに、カンファレンスのときは、療養のほうのを することと、当然在宅療養する場合には、介護サービスも同時に受けていることが多いわ けですから、そこを明確にしないとちょっと現場ではわかりづらいかなと思いますので、 よろしくお願いいたします。 ○土田小委員長  非常に重要な指摘だと思います。これについてとりあえず今答えることはございますか。 ○事務局(原医療課長)  重なるということは基本的にないというふうには考えておりますけれども、そのあたり をきっちり整理をしろということですので、また、いずれ最終的な形のときには整理した 形で御提示したいと思います。 ○土田小委員長  よろしいでしょうか。  それでは、「第2 在宅歯科診療」につきまして。 ○渡辺委員  在宅歯科診療についてですが、後期高齢者の特別部会の論点をきちっとまとめられて、 その具体的な取組、この評価は結構だと思っております。特に、参考資料の3ページにも ありましたように、介護を受けられている在宅の方、ほとんど重症のう蝕があるとか、義 歯についても、実際に必要な患者さんが大多数なのだけれども、実際に受けられていない のだと。また、先ほど課長のほうからも御説明がありましたが、9割方が治療が必要であ るけれども、約30%弱しか受けられていないという、こういうことを踏まえて、歯科医 師の積極的な在宅診療の取組ということを進めていきたいと思っております。まず第1点、 それを申し上げたいと思います。  それで、特にしっかり食べられるということは、論点にありますように、健康維持に非 常に重要でありますし、健康を取り戻すという意味で必要ですので、そういう考えであり ます。  「具体的な取組」の中の(1)の口腔機能の維持管理、まさにこれが患者さんの機能を 維持していくということで重要だと思いますし、(2)の連携は、すべての面においてキ ーワードだと思いますし、こうした連携を推進する評価が必要だというふうに認識してお ります。  また、(3)の在宅診療、実際に今約1万2,000軒の診療所が対応しているのです が、まだまだ少ない。これを推進するためのこういう機能に対して評価をするということ は重要だと思いますし、実は、在宅での歯科診療というのは大変難しい困難な医療環境と いうか、治療環境、条件の中でやっております。そうした困難な状況の中での歯科診療と いうものについての理解の上での適切な評価をぜひここで進めていただきたいということ を総括的に申し上げたいと思います。 ○土田小委員長  ほかにございますでしょうか。  よろしいですか。それでは、「第3 在宅療養における服薬支援」について。 ○山本委員  在宅療養における服薬支援という視点から、薬剤師がどうかかわっていくかいう、概念 や在り方あるいは必要性、具体的な作業を担うべき役割というのがイメージされたという 理解をしております。私ども、こうした考え方に大変賛成であり、ぜひ評価をお進めいた だきたいのと、こうした大変大きな期待がありますので、そうした期待と評価に恥じない ように、十分な体制をとってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしま す。 ○土田小委員長  ほかにございますか。 ○鈴木委員  一包化を評価するということに反対するわけではないのですけれども、これは院外調剤 だけを評価するのかどうか。  私が伺いたいのは、院内の処方もあるわけで、そちらのほうの一包化も同じ手間をかけ てお渡しするわけなものですから、薬剤師さんが、在宅の推進だからこっちは知らないよ ということなのかもしれないのですけれども、同じことをやられているところの評価はし ないのかということです。 ○事務局(原医療課長)  調剤報酬の中に当然ながらその在宅患者訪問薬剤管理指導料というのがあるのですけれ ども、医科点数表にも医療機関から訪問薬剤管理指導という形で、訪問して薬剤師さんが 行ってやるというところもあります。そういう意味では、両方評価していますので、医療 機関の中でその他の必要なそういうものをやった場合には同等に評価をしていきたいと思 います。 ○土田小委員長  よろしいですか。  ほかにございますか。それでは次に移りますが、「第4 訪問看護」を議題とします。  どうぞ、御意見、御質問等お願いします。 ○古橋専門委員  訪問看護に関しましては、先ほど説明のありました参考資料の8ページにもありますよ うに、医療保険と介護保険というものを区分して実践しているということが大変ございま す。介護保険を提供されている事例もむしろ多いぐらいでございますけれども、ここに書 かれております24時間の体制及び24時間の連絡体制というのがこれからの在宅医療で 非常に重要でございまして、その点からいきますと、現行の診療報酬体系では、夜間とか 深夜、早朝というものに関しましては特段の配慮がなくて、一応24時間連絡体制加算と いうものが2,500円という形で示されておりますが、例えば介護報酬では、緊急時訪 問看護加算というのは5,400円でございます。そうした点では、診療報酬と介護報酬 という点での格差というようなものがございまして、訪問ナースたちの現場では多少葛藤 もございます。そういう点での配慮ということが今後十分必要ではないか。特にこれは在 宅看取りという場面でかなり出てまいります。  それから、先ほど説明がございましたけれども、訪問看護療養管理料というものが月初 めに算定できることになっておりますけれども、ちょうど該当の状況等が月初めに発生し ないとこれが算定できないというような考え方が訪問ステーションでとられておりまして、 その事態が発生した時期によって非常に報酬額が変わってくるというようなことも起きて いるようでございます。そんなあたりの適正化が図られる必要があるのではないかと思っ ております。 ○土田小委員長  今の問題についていかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  ちょっと状況がよく把握できていなかったのですが、管理療養費のほうは、実際これは 訪問看護をしないと、どちらにしろ事態が発生しないので、訪問看護に行っていただいた その初日に基本療養費と管理療養費は算定していただくということになると考えておりま すけれども。 ○土田小委員長  よろしいですか。 ○古橋専門委員  月の初めではなくて、開始初日で算定が可能という理解をすればよろしいわけでござい ますね。 ○土田小委員長  はい、そういうことだそうです。 ○対馬委員  在宅医療を支えることに対する訪問看護ステーションの重要性というのは非常によくわ かりますし、一つのキーだろうと思います。ただ、ステーションは今5,400箇所ぐら いですけれども、当初はもっと増えていく想定でした。結果的にはあまり増えず、やや停 滞気味でしょうか。それで、医療経済実態調査等で、例えば病院、診療所、薬局等々はわ かるのですけれども、訪問看護ステーションの、例えば経営状況がどうかといった数値と いうのはわかるのでしょうか。要は、訪問看護ステーションの全体図が見えた 上で、やはりこれは評価しなければいけないというような議論ができればということです。 これは医療課に聞いたほうがいいでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  手元にありますので、訪問看護ステーションに係るコスト調査研究ということで、56 9ステーションを調べた結果がございます。それによりますと、訪問看護ステーションの 損益は、これは年間だと思いますが、5.1%、15万1,000円の利益ということに なっています。そのほか、例えば日本看護協会でも調べておられますが、そのときの赤字 か黒字か、こういうのがございますが、平成17年度、赤字のステーションが25.6%、 そのうちで利用者数が30人未満、小規模なステーションですが、ここでは赤字が50% ということになっております。今手元にある資料は、以上でございます。 ○土田小委員長  よろしいですか。 ○対馬委員  はい。 ○竹嶋委員  初めてこの数字を見せていただいたのですが、ちょっと気になるのですけれども、平成 13年までは、訪問看護師の方々の伸びが非常に多く出てきていますね。そして14年は 2,000ほどですか、そしてぽっと落ちて、またこれが15年に3,000ほど増えて、 16年がまた落ちてというふうになって、今2万7,000ぐらいですが、この見通しと いうのはどうなのですか。どれぐらい必要で、またこの見通しは、だんだん伸びが悪いよ うに思うのだけれども、このデータから見て、そのあたりどうなのですか。どれぐらい必 要になっていくのかということと、それのまた確保といいますか、その見通しはどうなの でしょうかね。やはり在宅医療を支える面で極めて重要なお役をすると思うので、あえて お尋ねしているのですが。 ○土田小委員長  いかがでしょうか。これは聞かれている趣旨はわかりますよね。この6ページの一番下 の表が13年度以降がほぼ横ばいになっているということで、これから重要性が指摘され るけれども、今後の見通しはどうかという質問です。 ○事務局(原医療課長)  大分前に、「ゴールドプラン21」というのがあるのですけれども、そのときの、それ は平成元年からずっと伸ばすときに、平成16年度の目標が9,900カ所という目標を 立てていました。ですから、今現在5,000カ所強ですので、その当時からいっても伸 びがとまっているのは確かではございます。ただ現在、現時点において明確な目標等々に ついて、私どももそうですし、多分老人保健局のほうでも明確なものを持ってはおられな いと思います。 ○土田小委員長  いかがでしょうか。よろしいですか。 ○古橋専門委員  今の問題に関しましては、総体的には、訪問看護ステーションの事業規模の零細性とか、 なかなか広がらない。そこのところのやはり根幹には、訪問看護が受ける収入が非常に少 なくて、働く人たちへの給与がなかなか安定しない。しかも病院で働くナースなどよりは 低いという状況で、訪問看護に関する関心とか思いとか、基礎教育でも広がってきており ますけれども、事業経営的に困難度が高い。そして、今医療課長の御説明もございました けれども、小規模が大変多うございまして、そこが、給与を支払うのも困難だというよう なことも多々出ております。詳しい数字は省きますけれども、やはり事業経営上の困難、 医業収入の低さ、このあたりが大きいと思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○事務局(原医療課長)  先ほどの訪問看護ステーションの経営状況のところで、損益5.1%のプラスで、15 万1,000円と言いましたが、すみません、1月間のデータでございました。 ○西澤委員  やはりこれから在宅というのは非常にキーワードとして進めていくためには、この訪問 看護ステーションはもう少したくさん増えていかなければだめだと思うのです。今古橋専 門委員がおっしゃったように、いろいろ報酬面で問題もありますし、また看護師さんの絶 対数の中で、今回ちょっと7対1等々で、法人によってはそちらをとるために訪問看護ス テーションを閉めたとか、そういう例もあります。そういうことで、看護師さんたちをい かに有効に使うかとか、そういう論点も必要かなと。  もう1つ、やはり医療保険と介護保険の両方でやっていると。全体像が見えない。ここ では今医療保険のことだけやっているのですけれども、実は介護保険のことは介護給付費 分科会でやると。同時で議論する場がない。しかも、報酬改定は片方2年ごとの、片方3 年ごと、そういうあたりでどうもギクシャクしている。現場では非常にやりづらい。この あたりも制度上の問題もありますので、そこを含めて考えていただいて、やはり訪問看護 ステーションをもっと伸ばす方向をぜひ考えていただきたいなと思っております。 ○土田小委員長  それと、先ほど依頼のあった資料についても、ここを含めて次回でも提供していただき たいと思います。  ほかにございましたら、どうぞ。  よろしいですか。それでは、「第5 居住系施設等における医療」について御意見、御 質問を承りたいと思います。 ○鈴木委員  「高齢者が多く生活する施設」というのは、参考資料の10ページの上段の分類という ことで理解してよろしいでしょうか。 ○土田小委員長  御質問は、この10ページについて何ですか。ちょっと後半のほうが聞こえなかった。 ○鈴木委員  居住系施設の概要で、賃貸住宅、グループホーム、特定施設、特別養護老人ホームとい うふうにありますけれども、この「高齢者が多く生活する施設」というのは、これを言っ ているということでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  今介護保険のほうで規定されている施設、住宅そのものは、これプラスサービスがつい たらこの特定施設に入るという部分なのですけれども、そういうような意味では、この規 定されている施設ということでは、特養はちょっと別になりますけれども、類型として大 きく言えばこの3つを考えております。 ○土田小委員長  ほかにございましたら、どうぞ。 ○西澤委員  7ページの「具体的な取組」、今、高齢者が多く生活する施設への場合、時間的・距離 的な負担が少ない、だから適正化、下げるという意味だと思うのですが、これは具体的に ちょっとここだけではわかりづらい。普通の在宅にいる人のところに行った場合と、特定 施設に行った場合、現在の、点数は同じでしょうけれども、そのほかどういうことで、こ のような特定施設のほうが時間的・距離的な負担が少ないというようなことになっている のかの説明をお願いします。 ○事務局(原医療課長)  10ページの「居住系施設等の概要」の一番下の段に、「1施設当たり患者数」という のがございます。これは、その施設に、ゼロの場合は省いて、患者がいる場合に何人いる かということですが、高齢者専用賃貸住宅では11.1人、いわゆるグループホームでは 12.1人、特定施設では23.1人、これだけ患者さんとしておられますので、計画的 に例えば訪問診療で行くなら、そのうちどれだけを診ておられるかわかりませんけれども、 10人なら10人まとめて診たらどうかと、こういう発想です。それで、いろいろ、ただ、 この住宅に1人しかいない場合ももちろんあるかもわかりませんけれども、そこは一定割 り切りの世界かもわかりませんが、こういうようなところで複数おられるということが想 定されるので、行くという機会は、行った機会に合わせてここを診療されてはどうかと、 そういうふうに考えているわけです。 ○土田小委員長  よろしいですか。 ○西澤委員  はい。 ○土田小委員長  ほかにございましたら、どうぞ。 ○西澤委員  ちょっと私もはっきりしていないのですが、この訪問診療料等につきまして、特定施設 に行く場合に、たしか設立主体といいましょうか、同一法人内の場合は、とかいうのがあ ったような気がするのですが、そのあたりをちょっと教えていただければと思います。 ○事務局(原医療課長)  訪問診療料についてはとれないという整理を今現在している。これは、いろいろな場合 があるのですけれども、開設者が同一の場合、明らかに施設が単に分離しただけで、行っ て、訪問するというような形をとって、ひたすら訪問診療料をとるということが可能にな りますので、そういうことも想定されるので、同一開設者の間の医療機関と施設という場 合には訪問診療料はとれないという整理をしております。 ○西澤委員  今1つの例が出たのですけれども、そのような例を除いて、普通であれば別なところに、 同一法人であっても、診療所、病院なりがあって、特定施設があって、そこから行った場 合には同じサービスをするわけですし、または受益者といいましょうか、利用者、患者さ んの方は同じサービスを受けるのであればやはり評価をしていただきたい。その項目はぜ ひ変えていただきたいなと思っています。 ○土田小委員長  よろしいでしょうか。  ほかにございますか。 ○鈴木委員  この居住施設のところなのですけれども、くれぐれも(2)のところでは、いろいろ、 多少、看護師さんとか医師とかがいるようなところとそうでないところの医学管理に差を つけるというようなことが書いてございますけれども、そのバランスと、それからなおか つ、介護があって、ずっと前々から医療と介護のすみ分けというようなことでお願いをし ておりますので、その辺もあわせて整合性をきちんととっていただきたいというふうにお 願いします。 ○土田小委員長  これは要望ですね。よろしいでしょうか。  ほかにございますか。  それでは、最後の「第6 終末期医療」に移りたいと思います。  御質問、御意見ございましたら、どうぞ。 ○竹嶋委員  最後の死をお迎えになるときに、国民の皆さんがどこでそれを選ばれるということの調 査といいますか、厚労省はやっておられましたかね、日本医師会としても実は意識調査を やりました。それによりますと、受ける場所として、やはり国民の皆さんとしては多様な 選択肢を求めている答えが出ているのです。特に、患者さんの方はそのパーセントが多い ということもあります。  それで、お願いは、こういうことを僕は議論していくときには、そういう資料がまた今 後とれれば一番いいのです。もう時間がないのでしょうが、在宅一辺倒に偏重しないで、 さまざまな環境整備を行っていくということを基点に置きながらいってほしいと、これは 要望でございます。 ○古橋専門委員  この資料1−1の8ページにございます(2)に関しまして、4月から9月までの間に 在宅死をなさいました18人について現場の訪問看護ステーションからいろいろ情報をい ただきました。亡くなる2週間前の状態で情報を得たのですが、その結果によりますと、 緊急訪問というのが4割を超えている。そして、平均の滞在時間は1時間以上である。死 亡日は、やはり訪問ナースは2時間3分というのが平均時間でございまして、1時間以上 がもう95%であったというようなことでございます。  それで、一つ大変これはうまくいき始めているのだなと思ったところは、こういう亡く なる2週間前の状態に関しましては、医師への報告とか指示受けなど、ナースと指示をな さる医師との連携が非常に密度濃く実施がされているということもわかりました。ちなみ に、医師、主治医、担当医の滞在時間というのは、大体死亡日で28分でいらっしゃると いうこともわかりまして、当然機能が違うのですけれども、そういうようなデータもわか っております。  もう1つ、やはり先ほどの議論でございますけれども、介護保険の適用で、ターミナル で訪問したほうが医療保険よりかなり高額になるということも、訪問看護ステーションの 現場からは情報がとれております。そういう点では、やはり介護保険と医療保険の統合と か一体的な運用とかは、なおなおこの場面で一層検討される必要があるのではないかとい うふうに思っております。  この亡くなった18人のうち17名まではがんでいらっしゃいました。1名が難病であ るということでございました。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○遠藤委員  ちょっと総合的な話でよろしゅうございますでしょうか。このような在宅医療を進めて いくというようなことになりますと、さまざまな重症度の方々が在宅療養するということ になりますので、その際、診療所あるいは訪問看護ステーションにとって、経済的理由で 重症度の高い人たちを敬遠するというような報酬体系にはならないように、その辺のとこ ろは基本方針として、20年以降の議論にもなると思いますけれども、ぜひ守っていただ きたいなと思っております。そのためにも、コスト調査を、例えば訪問診療について行う とか、あるいは検証部会でどういうような重症度の人たちが訪問診療の対象になっている のかを調べる。いずれも20年度の話になると思いますけれども、そういうことをぜひ積 極的にやるようにしていただければなという、そういう要望であります。  以上です。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。非常に重要な指摘だと思います。  ほかにございませんでしょうか。そろそろ時間でございますが。  ほかに御質問ないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。今 日の議論におきましては、在宅における連携の強化、病院等における後方支援ということ を診療報酬においても推し進めていくということが一応確認されたというふうに思います。  それから、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等々の専門職職種間の連携の重要性、また それぞれが専門性に応じて在宅サービスを提供するということの重要性についても認識が 一致したというように思われます。  また、施設入所者につきましては、実情に応じましてきめの細やかな対応、あるいは介 護保険との連携ということの必要性が再認識されたというふうに理解しております。  さらに、終末期医療につきましては、患者の方の希望を踏まえて、病態変化の見込み等 を共有しながら、その尊厳の維持ということを重要視していく必要があろうというような 御意見だろうというふうに承っております。  いずれも重要な視点だと思いますので、事務局におきましては、今日の議論を踏まえて、 もう一度論点の整理を行うようお願いしたいと思います。  それでは、今日の小委員会はこれで終了にしたいと思いますが、次回の日程について決 まっておりましたら、お願いします。 ○事務局(原医療課長)  次回は10月31日、厚生労働省内の会議室で行いたいと思います。 ○土田小委員長  それでは、これで基本小委を終了します。  引き続きまして調査実施小委員会がございますので、しばらくお待ちください。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)