07/10/25 第106回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会議事録 第106回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 1 日時  平成19年10月25日(木)9:00〜 2 場所  厚生労働省職業安定局第1会議室(13階) 3 出席者    委員  公益委員 :鎌田委員、北村委員、清家委員        労働者代表:市川(佳)委員、長谷川委員、古市委員        使用者代表:市川(隆)委員、山崎委員、輪島委員   事務局  大槻職業安定局次長、鈴木需給調整事業課長、        田中派遣・請負労働企画官、松原需給調整事業課長補佐、        松浦需給調整事業課長補佐、佐藤需給調整事業課長補佐 4 議題  (1)労働力需給制度について       (2)その他 ○清家部会長  ただいまから「第106回労働力需給制度部会」を開催いたします。本日は、最初に公 開で「労働力需給制度について」をご審議いただきます。また、その後、一般労働者派 遣事業の許可の諮問、有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可の諮問に係る審議 を行いますが、許可の審査につきましては、資産の状況等の個別の事業主に関する事項 を扱いますことから、これについては「公開することにより、特定の者に不当な利益を 与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当いたしますため、非公開とさせてい ただきますので、傍聴されておられる方には、始まる前にご退席をお願いすることにな りますので、あらかじめご了承ください。  議事に入ります。最初の議題は「労働力需給制度について」です。まず、事務局に検 討課題III及びIVに関する資料のご説明をお願いします。 ○松原補佐  まず、資料の確認をお願いします。資料1-1、1枚目のタイトルが「派遣労働者の教 育訓練について」です。資料1-2、1枚目のタイトルが「労働者派遣事業における適用 除外業務について」です。参考としまして「労働者派遣制度に関する検討課題」です。 それとは別に委員名簿を再度配付させていただいています。労働者代表の古市委員の役 職が、書記次長から書記長に変わられております。よろしくお願いいたします。  説明させていただきます。本日の議題ですが、参考の「労働者派遣制度に関する検討 課題」です。2頁のIII「派遣元事業主・派遣先事業主の講ずべき措置」これが論点とし て3点ございます。IVですが、「適正な労働者派遣事業の運用の確保」というもので、 これも論点が4つほど提示されています。IIIに対応した資料が資料1-1、IVに対応した資 料が資料1-2です。  まず、資料1-1をご覧ください。「派遣労働者の教育訓練について(1)」です。派 遣労働者について、教育訓練を受けた時期について複数回答を求めたものです。まず、 いちばん多いのは「受けていない」という回答です。総数で45.2%です。登録型は54.9 %、常用型は38.6%となっています。  その他の教育訓練を受けている方については、「新規採用・登録時」「派遣直前」「 派遣後」という回答ですが、「新規採用・登録時」が総数で23.8%、「派遣後」が26.6 %になっています。  次は真ん中の表で、教育訓練の方法です。これも派遣労働者に複数回答を求めている ものです。「派遣先で受けた」が47.2%、「派遣会社でのoff-JTを受けた」が33.5%で、 登録型、常用型で大きな差異はさほどないかと思っています。  いちばん下は教育訓練の内容です。どのようなものを受けたかということで、ここに 並べているものから選んでいただいております。教育訓練を受けた時期ごとには取って いません。いちばん多いのが「パソコン・ワープロ操作」、次が「マナー」、あとは「 一般常識・教養」という順番になっています。  次に2頁をご覧ください。「派遣労働者の教育訓練について(2)」です。いちばん上 の表ですが、派遣元事業主が教育訓練を行うに当たっての問題点、それをどのように考 えていますかということを派遣元に聞いた調査です。一般労働者派遣事業主、特定労働 者派遣事業主の両方に聞いておりますが、いちばん多いのが「業務の都合で実施しにく い」となっており、一般、特定の両方で44%程度となっています。  一般のほうで次に多いのが、「教育訓練を受けてやめてしまう人がいる」27.8%、「 コストがかかりすぎる」26.7%です。続いて「労働者が受講を希望しない」「実施すべ き教育訓練の内容の把握が難しい」が20%程度ございます。特定のほうは、先ほど申し 上げた「業務の都合で実施しにくい」に続いて、「コストがかかりすぎる」が23.1%に なっています。  真ん中の表ですが、派遣労働者の知識、技術、経験等を活かして、就業機会と密接に 関連する教育訓練の機会の確保に努めているかという質問で、こちらについては一般、 特定の両方の事業主から、「はい」という回答が85%程度です。  いちばん下は、派遣元事業主が行う教育訓練・能力開発について可能な限り協力して おりますかという質問です。これは派遣先に聞いています。これも「はい」と答えた方 が85%程度となっています。  3頁をご覧ください。「派遣労働者の福利厚生等について(1)」という資料です。労 働・社会保険の関係です。種々いままでもご議論がございましたが、このアンケート調 査におけるデータとしてお示しさせていただきます。労働・社会保険への加入状況につ きまして、派遣労働者にお聞きした数値です。雇用保険が88.7%、健康保険が85.1%、 厚生年金が82.4%となっています。自分の名義の保険に加入しておりますかという聞き 方をしています。登録と常用の差異ですが、常用型のほうが登録型に比べて、各保険と も多くなっています。  4頁をご覧ください。「派遣労働者の福利厚生等について(2)」です。表が3つあり ますが、いちばん上の表は、福利厚生等の措置について、派遣先の労働者との均衡に配 慮して必要な措置を講ずるよう努めていますか、ということを派遣元事業主にお聞きし たデータです。一般、特定の両方に聞いておりますが、それぞれ「はい」と答えた方が 94.3%と89.2%になっています。  真ん中ですが、これは派遣先に聞いたものです。派遣労働者が使用できる施設はどう いうものですかと聞いて、これについては「社員食堂」が52.6%、「休養、娯楽施設」 が47.4%、「診療所」が25.3%となっています。  いちばん下は、福利厚生等の実情把握のための、派遣元事業主への必要な情報提供を 行っているか、と派遣先に聞いたところ、73.6%が「はい」、22.4%が「いいえ」とい う回答でした。  5頁をご覧ください。「派遣労働者の苦情について(1)」です。派遣労働者の過去1 年間の苦情(不満)の有無を派遣労働者に聞いたものです。「苦情あり」が総数で27.9 %、登録型33.6%、常用型24.4%となっていて、「苦情なし」が総数で67.3%になって います。  次に、「苦情あり」と答えた方に、苦情(不満)の発生原因を、誰が原因だと思いま すかという聞き方で聞いています。「主に派遣先」に苦情発生の原因があると答えた労 働者が、総数で48%、登録型51.0%、常用型44.7%となっています。  6頁をご覧ください。「派遣労働者の苦情について(2)」です。苦情があった場合の 苦情の申し出先につきまして、派遣労働者にお聞きしたものです。いちばん多くなって いるのが「派遣元責任者」で、総数で53.6%となっています。その他については、「派 遣先責任者」が12.7%、「その他の派遣元の担当者」が12.3%となっています。  真ん中の表ですが、苦情の解決状況について、解決しましたか、しませんでしたかと 聞いたものです。「あまり解決しなかった」「全く解決しなかった」があわせて6割ちょ っとぐらいで、「すべて解決した」「ほとんど解決した」があわせて26%程度です。  「あまり解決しなかった」「全く解決しなかった」という方に対して、さらに苦情が 解決に至らない理由をお聞きしたものが、いちばん下の表です。総数でいちばん多いの が「派遣会社が問題解決に消極的である」が多くなっていて、続いて派遣先、派遣元責 任者が問題解決に消極的であるという労働者が多くなっています。  7頁をご覧ください。「派遣労働者の苦情について(3)」です。苦情の内容につきま して、複数回答で5つまで○を付けてくださいという形で聞いています。総数で多い順 番に並べています。いちばん多いのが「派遣先の上司・同僚との人間関係に問題がある」 「給与等賃金関係に不満がある」「派遣契約と実際の業務の内容が違う」が10%以上で す。そのあとに続いて、派遣先で働く他の派遣労働者との人間関係の問題、就業時間等 について派遣契約と実際が違う、という回答が続いています。派遣元に聞いた調査もあ りますが、これも人間関係、業務内容、賃金諸手当についての苦情という回答が多くな っていますので、労働者の認識と大きな差異はないと考えています。  8頁をご覧ください。「労働者派遣契約の中途解除について」です。派遣途中で労働者 派遣契約が解除されたことの有無につきまして、派遣労働者にお聞きしました。「まっ たくない」が約9割ありますが、「よくある」「たまにある」「ほとんどない」を全部含 めますと、全体で5.4%となっています。  この「よくある」「たまにある」「ほとんどない」という方々に聞いた中途解除の理 由ですが、「派遣先の事業計画の急な変更・中止等があったため」が54.1%、「知識・ 技術が派遣先の要望と食い違っていたため」が13.2%、「派遣先の上司・同僚との人間 関係に問題があったため」「派遣先の欠員補充が可能となったため」が8.8%と続いてい ます。右の点線のところですが、中途解除の原因をつくったのは誰ですかと聞いていま す。「主に派遣先にある」が66.7%となっています。  その下の表ですが、中途解除があった際の派遣元事業主の対応はどのようなものです か、と派遣労働者にお聞きしたものです。総数でご覧いただきますが、「他の派遣先を すぐに見つけてもらった」が47.2%です。  いちばん下ですが、中途解除があった際の派遣先の派遣元事業主に対する対応につい て、派遣元事業主に聞いたものです。総数でご覧いただきますが、「打ち切り前の予告 があった(予告期間1ヶ月以上)」が72.5%となっています。以上が資料1-1の説明です。  続いて資料1-2です。「労働者派遣事業における適用除外業務について」で、IVに対応 しております。皆様ご承知のとおりでございますが、港湾運送業務、建設業務、警備業 務、これが労働者派遣法の法律において適用除外業務となっています。それと医療関連 業務の一部につきまして、政令におきまして適用除外業務となっています。  まず、いちばん上の「港湾運送業務」ですが、これが適用除外になっている基本的な 理由についてです。「業務の波動性等その特殊性にかんがみ、労働者派遣法に基づく労 働者派遣事業とは別に、港湾労働法において、港湾労働の実情を踏まえた特別な労働力 需給調整制度として港湾労働者派遣制度が導入されているところであり、労働者派遣法 の労働者派遣事業の対象とすることは適当ではない」という理由です。  続いて「建設業務」が適用除外になっている理由です。「受注生産、総合生産等その 特殊性にかんがみ、建設労働者の雇用の安定を図るため、労働者派遣事業とは別に、建 設労働者の雇用の改善等に関する法律において、建設労働者の実情を踏まえた特別な労 働力需給調整制度として建設業務労働者就業機会確保事業制度が設けられたところであ り、労働者派遣法の労働者派遣事業の対象とすることは適当ではない」という理由です。  続いて「警備業務」です。「請負形態により業務を処理することが警備業法上求めら れており、労働者派遣を認めた場合、その業務の適正実施に問題が生ずることとされて いることから、労働者派遣法の労働者派遣事業の対象とすることは適当ではない」とい う理由です。  いちばん下の医療関連業務の一部ですが、先般医師の関係でご議論いただいておりま したが、この適用除外の理由としましては、「病院等が派遣労働者を受け入れると、病 院がチーム医療の構成員を特定できず、また、チーム医療の構成員に派遣元事業主の都 合によって差し替えられる者が含まれることとなり、チーム医療の構成員によるお互い の能力把握や意思疎通が十分になされず、チーム医療に支障が生じ、また、患者に提供 される医療に支障が生じかねないおそれがあることから、一律に労働者派遣法の労働者 派遣事業の対象とすることは適当ではない」という理由で整理をしています。  2頁をご覧ください。「労働者派遣事業に係る法違反の是正措置について」。派遣元事 業主、派遣先、それぞれに対する形で整理しています。まず、法違反が起こった場合で すが、まず是正指導をすることになっています。「法の施行に関し必要と認めるときは、 派遣元事業主及び派遣先に対し、労働者派遣事業の適正な運営又は適正な派遣就業を確 保するために必要な指導又は助言を行うことができる」と、法律上このような書振りと なっております。  まずはこの是正指導をいたしまして、こちらで基本的には改善をしていただくことに なるわけですが、それでも改善が見られないような場合にどうなのかということで、ま ず派遣元事業主ですが「改善命令」があります。重大な法令違反、繰り返し違反の場合 に改善命令をかけることができます。真ん中ですが「事業停止命令」、重大な法令違反、 繰り返し違反の場合、改善命令違反のとき、許可の条件に違反したときに、事業の停止 命令をかけられるようになっています。  いちばん下ですが「許可の取消等」で、改善・事業停止命令違反のとき、禁固以上の 刑又は労働関係法、入管法等による罰金などの欠格事由に該当したときに、許可の取消 が行われると法令上規定されております。件数につきましては右に記載しています。こ の派遣元事業主に対する改善命令、事業停止命令、許可の取消については、行政処分に なりますので、原則公表することとしております。  次に、派遣先をご覧ください。是正指導のあとの運びです。是正指導で改善が見られ ないような場合については、まず「勧告」という制度があります。法令違反に対して、 第48条1項の助言又は指導した場合において、なお違反しているときに勧告という制度 が設けられておりますが、派遣先については※のとおり、「適用除外業務への受入」「 無許可・無届の事業主からの受入」「派遣受入期間制限違反」「雇入れ申込義務違反」 の場合に限定されまして、勧告という制度が発動されることがあります。この勧告に従 わなかった場合につきましては、企業名等の公表が制度上あります。この勧告、公表に つきましては、過去にこれを行った事例はありません。  いちばん下をご覧ください。派遣元事業主、派遣先両方に該当することですが、「刑 事告発」が当然できるようになっていまして、※で、悪質な法令違反の場合等に検討さ れるものです。なお、派遣先の罰則規定は限定的です。これは平成19年度に1件、無許可 事業所について刑事告発をした事例があります。  3頁をご覧ください。「労働者派遣事業に係る違反について」ですが、文書指導件数及 び文書指導率を出しています。一般的に、是正を求める場合には、文書によって指導す る形になっておりますので、それを出しています。  左側の図です。文書指導件数については、平成14年度600件、平成15年度1,002件とい う形で伸びてきていまして、平成18年度は6,281件となっています。調査対象事業所の 文書指導率については、平成18年度64.2%となっています。  右側をご覧ください。こちらは監督に入った後に文書指導をした割合について、派遣 元事業主、派遣先、請負事業者、発注者で、何パーセントかを見たものです。どの類型 においても伸びている状況はありますが、特に派遣先においては、指導率が高まってい る状況にあると認識しております。  最後の資料は、「請負と労働者派遣と偽装請負について」です。いちばん上の(1)「請 負」ですが、これはご承知のとおり、請負事業主と発注者と請負契約を結びまして、労 働者との関係は請負事業主が雇用関係を持つと、労働者に対する責任については、すべ て請負事業主が負うという形になっています。  「すべての責任を負う」というものが、労働者派遣においてはどうなのかというのが、 真ん中の(2)です。派遣元事業主と派遣先が労働者派遣契約を結ぶ形になっていまして、 派遣元事業主と労働者は雇用関係、派遣先と労働者の関係は指揮命令関係となっていま す。派遣元事業主は「指揮命令に伴うもの以外の責任」、基本的な責任を負うという形 になっていまして、時間外協定、労災補償等、あとは実効性担保のため労働者派遣法の 規定、許可・届出制、派遣契約の締結、責任者の設置、台帳の整備等の責任を負う形に なっています。  対しまして右側の網掛けですが、派遣先です。こちらは指揮命令に伴う責任です。危 険防止措置、健康障害防止措置、労働時間管理等の責任です。あとは、派遣契約の締結、 責任者の設置、台帳の整備等の義務もかかってくる形になっています。労働安全衛生関 係等については、法によって、それぞれの分担が決められています。  (3)の「偽装請負」の場合はどうなるかですが、請負を偽装していることになりますの で、実質労働者派遣に該当するということで、労働者派遣法違反というものです。こち らは、請負事業主と発注者の関係で請負契約を結んではおりますが、請負事業主と労働 者の関係は雇用関係、発注者と労働者の関係が指揮命令関係になりますので、こちらは (2)と全く同じ形態となっておりますので、実質労働者派遣に該当するものです。  この場合は、当然派遣元事業主、派遣先が、それぞれ果たすべき役割が、(3)でいう請 負事業主、発注者にかかってくるわけですが、当然両者とも労働者派遣の認識がござい ませんので、これらの責任が果たされていない状況になるわけです。  いちばん下の「偽装請負とは」というところですが、「請負、業務委託と称して、労 働者派遣契約を締結しないまま、労働者派遣を行うこと。」と整理させていただいてい ますが、これに伴いまして、安全衛生等の事業者責任の所在が曖昧となり、危険防止措 置等が十分に講じられないことによる労働災害の発生などの問題が起こることが懸念さ れると考えております。資料についての説明は以上でございます。 ○清家部会長  ありがとうございました。では、本日の検討課題の、資料のIII「派遣元事業主・派遣 先事業主の講ずべき措置」と、IVの「適正な労働者派遣事業の運用の確保」について、 本日はご議論いただきたいと思います。ただいまの資料のご説明も含めて、ご自由にご 発言いただければと思います。 ○長谷川委員  IIIの「派遣元事業主・派遣先事業主の講ずべき措置」の教育訓練についてです。今日 のアンケートの結果のこの数字をどう見るかということで、本来はもう少し中身を聞い てみないとわからないのですが、私どもが聞いている限りは、数字的に少し表われてい るのは登録派遣のところで、派遣先で受けた、派遣会社でoff-JTを受けたというのを見 ても、40%ぐらいです。普通の職員だと、何らかの形で訓練は受けるのです。採用時訓 練、それからずっと普段の仕事をとおしながら訓練されていって、ときどき集合訓練が、 3年目とか、5年目とか、7年目とかに行われるのです。そういう意味では、これは何と も言えない数字で、本当にこれでスキルアップできるのかなというところでは、派遣労 働者の能力開発は大きな問題を抱えているのではないかと思います。  その他に、日々派遣が問題です。最近話題の日々派遣とか、スポット派遣と言われて いる人たちは、どこでも訓練されることはないわけで、この人たちをどうしていくのか ということはあるのではないかと思います。訓練の問題は、20代で派遣で働いた人たち が、いま30代で派遣でいまして、それが40代、50代になったときに、どうなるのかと いうのは言われているわけで、この教育訓練というのはもう少しきっちりと考えること が必要なのではないかと思います。  社会保険ですが、今日の状況で見ると、雇用保険、健康保険、厚生年金で80%なので すが、やはり漏れている人がいるのです。派遣の場合は派遣健保などがあるのですが、 別のアンケートでは、派遣健保に入っているのは40%ぐらいだという数字もあります。 派遣健保でない人は別の保険には入っていると言われているのですが、この辺りも実際 に数字に表われているのと、ほかの派遣スタッフからのアンケートでは若干変わります。 そもそも本来は100%でなければいけないのですが、88%とか、85%とか、厚生年金だ と82%なので、これをどのように読むかというのは重要なのではないかと思います。  それと、派遣の許可の申請のときに、あとで加入するとなっているのだけれども、そ の確認がないのです。だから、厚生労働省が調査していると思うのですが、社会保険、 労働保険に入っていないところに対して、どういう指導をしていくのかというのは重要 なのではないかと思います。ただ、ヨーロッパなどでは、そういう違反があったときは 全部派遣先が払うという、連帯責任を負うというのもあるわけです。連合の中で議論し たときに、社会・労働保険に対して、派遣元が入っていないときは派遣先が連帯責任を 負うべきだという意見も強く出されているので、この問題は次の段階で検討したらどう かと思います。  派遣元倒産時の未払賃金などについても、派遣先が立替払いすることは必要だと思い ます。ある派遣先で、派遣労働者がほしかったというか、スキルの高い人だったから、 派遣元が倒産したときに、一時的に賃金を支払ったとJAMで聞いたのですが、その派遣 先は非常に優良企業だったので、そういうところは大臣表彰したらどうかと思ったぐら いです。そういう優良企業もあるわけです。こういうものを制度として作ることが必要 なのではないかと思います。  賃金について少し言いたいのですが、賃金に対しても派遣労働者からいろいろな苦情 があるし、ヒアリングしたときも交通費の話なども出ていたと思うのです。そうすると、 派遣労働者の賃金の均等待遇とか、均衡待遇をどう考えるか、前から私は検討してほし いと言っているのです。  昨日、連合にフランスの政労使、研究者が来ていたのですが、フランスの派遣法を見 てみると、フランスの人たちは均等とか均衡は当たり前だと思っているのです。だから、 日本の話をしてもなかなか理解していただくのは大変だったのです。今回パート法で、 均等、均衡という問題が随分議論されて、もう少しちゃんとしてほしいという思いはあ りますが、少し法整備されて、パート労働者にとっては一歩前進だったと思います。派 遣労働者についても、均等、均衡待遇とかというものについて、もう少し積極的に研究 して、考え方を出すことが必要なのではないかと思います。とにかく同じ仕事をしたら 同じ賃金というのは、当然だと思うのです。  ところが、もともと1985年に派遣法ができたときの通訳の人などの専門の人たちは、 ものすごく高い賃金だったのです。ところが1999年の法改正以降、一般の事務だとか、 製造業に解禁されて以降の派遣労働者というのは、本当に素晴らしい賃金かといったら、 違うわけで、労働者派遣、特に物の製造のところなどはワーキングプアの温床だとも言 われているわけです。均等、均衡待遇というものの検討は、もう少し必要なのではない かと思います。  労使関係で言えば、派遣元と派遣先の共同責任をどう考えるかについて、積極的に考 えることが必要だと思います。派遣元は雇用責任があるということと、派遣先は派遣元 の労働者を実際に使用するのだから、まったく使用者責任はないのだということではな くて、もう少し共同責任の考え方について、検討すべきではないかと思っています。 ○山崎委員  IIIの教育についてです。派遣労働者に対する教育訓練につきましては、派遣元事業者 の問題として「業務の都合で実施しにくい」が結構多いと思いますが、派遣元には教育 訓練を行う努力義務がありますよね。派遣先から求められる能力は、非常に多様化して いるところが近頃はありますので、体系的な訓練の実施が難しいのではないかと思いま す。  結果としてここにもありますように、パソコン・ワープロのスキルを上げることとか、 最低限のマナーの勉強が行われることが多いと聞いております。その一方で受入先では、 派遣労働者が受入先企業で能力を発輝して業務に取り組んでいただけるように、OJT方 式で、結果として労働者に訓練をしているところがあるように聞いているのです。です から、ある意味では派遣労働者の教育訓練の分担については、あまり私どもは制度を変 える必要はないかなと思っているのです。  社会保険の問題ですが、これは3枚目にありますが、雇用保険に88.7%が入っている 状況になっているのですが、この中身というのは加入対象者、1年以上働いていて、週 20時間以上の方々が、すべてなのでしょうか。 ○松原補佐  そうなります。 ○山崎委員  施設の利用についても、派遣先の労働者との均衡に配慮している企業が多いですので、 これも制度はこのままでよろしいのではないかと思っています。 ○市川(隆)委員  最後の偽装請負についての質問ですが、業種的にどういう業種が多いということとか、 件数、全体の中でのボリュームというか、その辺りのデータはあるのでしょうか。 ○松浦補佐  偽装請負につきましては、業種的なものを取っているわけではないので、内訳として は正確にはわかりませんが、平成18年度につきましては、9月に製造業における請負業 における違反の防止解消ということが、かなり社会問題化している部分もあったので、 取組みを行ったというのがございます。  実務の中でよく聞くものとしては、製造業のほか、情報通信関係などにもよく見られ ます。あと販売関係などでも見られるといったことは聞いております。ただ、それらに つきましては、産業の地域的な分布というのは非常に差がありますので、それは地域の 労働局によって、どういったものを特に監督する必要があるか、あるいは監督しなけれ ばならないような情報が入ってくるかというのは、かなり違ってきているような実情に あるようです。  総件数につきましては、労働者派遣の派遣元事業主に対しては、平成18年度で3,032 件、派遣先の事業主に対しては603件、請負の事業主の派遣法違反、これが偽装請負に なりますが、1,843件、同じく発注者に対する派遣法違反等の指導件数が803件というこ とです。合計しますと、6,281件です。 ○清家部会長  市川委員、よろしいですか。 ○市川(隆)委員  結構です。 ○長谷川委員  資料の8頁に、労働者派遣契約の中途解約について、その中途解約の理由で、派遣先 の事業計画の急な変更・中止等があったためという理由があるのです。この派遣契約の 中途解約があって、派遣労働者がそれで雇用契約が終わりとなった場合に、このときに 解雇予告金を払うのかどうなのか。こういう派遣労働者の派遣先が、そういう理由で派 遣契約が解約されて、派遣労働者が解雇されたというときに、解雇となるのかどうなの か。派遣法の問題となるのか、労働基準法の問題となるのかを教えてほしいのです。 ○松原補佐  労働基準法になるのか、派遣法になるのかということですが、基本的に派遣契約が解 除されてしまって、これに伴い、労働契約自体が完全に解除されているのであれば解雇 になると認識しています。つまり、雇用関係のあるものがなくなれば、雇用契約が解消 されるわけですので、それが事業主の都合によるものであれば解雇になるという認識を しています。その意味で解雇予告や予告手当ということになれば労働基準法の話となり ます。  あとは派遣法の関係でどうなるかということですが、休業手当などの関係も派遣法と いうよりは労働基準法等の関係になってくるわけで派遣契約解除について指針に基づき 指導等をしていくことになると認識しています。 ○輪島委員  こういうことでいいのですか。まず常用型のところで中途解除になったときに、常用 型ですから派遣元の常用雇用労働者となっていて、違う派遣先に行くということになれ ば、そこは解雇にはならない。契約は続いているのでそこはいいと。登録型のところで いって、労働者派遣契約に基づいて、契約が3カ月あったと。3カ月の2カ月目で契約自 身が解除になったので、それに伴う雇用契約が解除になれば、それについては解雇にな ると。 ○松原補佐  あくまでも労働者と事業主の雇用契約になりますので、派遣元と派遣労働者の関係は どうなるかということで判断されますので、輪島委員のおっしゃったように、常用型で 期間の定めのない労働契約が結ばれているような場合であれば、その関係が切れない限 り解雇には該当しないという形になります。 ○市川(佳)  常用型はわかりました。登録型の場合で、例えば派遣契約が6カ月、雇用契約も、派 遣元と派遣労働者で6カ月という契約で始めて、あくまでも派遣先の都合で、4カ月で、 もう仕事がなくなったので解除したいといった場合、そうすると、派遣元と派遣先の雇 用関係、4カ月以降の残りの2カ月の分についての雇用契約は生きているのだというこ とですよね。  残り2カ月は生きていると解釈していいのですか。登録型の雇用契約というのは、派 遣契約があるときに雇用契約が発生する、というような説明を昔聞いた覚えがあるもの で。派遣契約が途中で解除された残りの部分も、雇用契約は続いていると解釈していい のですか。 ○鈴木課長  ちよっと整理します。派遣法では派遣契約と雇用契約の二重の契約になっていますの で、ただ、それが指針等ではリンクさせろという努力をさせておりますけれども、基本 的には契約上は別でございます。  それから、いま登録と常用というのがございましたが、登録型でも雇われて就労が始 まってしまえば、単に雇用関係が入っているというだけですので、働き始めた段階にお いては、有期の契約か無期かだけの違いであって、そうなると登録型か常用型かは働き 始めれば関係ないということになります。  その場合に、まず派遣契約が解除されますと、それと独立した雇用契約が存続してい るはずです。その場合はどういう状態になるかというと、派遣元に雇われているけれど も、派遣就労していない状況になります。その場合には派遣元はどうするかというと、 代わりのところを探して派遣する。これは通常の派遣に戻りますという形です。  それから、仕事がないので休業させましょうと、これは雇用契約があるけれども仕事 がない。これは基準法でいうところの、事業主の責めに帰すべき休業状態です。この場 合は休業手当が必要になります。さらには解雇するという形があって、その場合は基準 法などの解雇規制、整理解雇になろうかと思いますが、そういう規制もかかってきます。 新たな派遣をする、休業させる、解雇をする、この3つです。その場合、大体その状態 に至りますと、派遣法というよりも基準法の世界で処理がされます。このような関係か と思います。 ○長谷川委員  派遣元とスタッフの間は雇用関係があるので、すべて労働基準法が適用されて、派遣 契約期間は派遣元と派遣先の企業間の話であって、労働者に対しては有期契約であれば、 契約の満了日までは賃金を支払うと。使用者の責めに帰するというのであれば、最低限 法定の補償をしなければならない。解雇するのだったら、解雇予告を払うと。  ただ、その3つというのは派遣元に徹底されていないのではないですか。私は徹底さ れていないと思います。もらったというのを聞いたことがありません。 ○鈴木課長  そこは労働基準法を周知徹底をしていくということになるかと思います。 ○長谷川委員  ほとんど基準法違反だと思いますよ、派遣労働者のそういう話は。ただ、それは本当 は労働基準法違反だというのがちゃんと言われてないから、みんな派遣労働者は、私は 派遣だからしょうがないのよねとあきらめるのです。連合に相談に来れば、すぐに交渉 してあげるとは言うのですが、おそらく普通の人はその制度はよくわかっていないと思 います。 ○鈴木課長  派遣元事業主、派遣労働者に、派遣法と労働基準法の周知がなされていないというご 指摘ですが、私どもは周知しているつもりではありますが、足りない点につきましては 今後とも引き続き徹底するよう努めてまいります。 ○北村委員  素朴な数字上の疑問なのですが、テーマIIIに関してです。資料1-1の最初の質問では、 労働者に聞くと、教育訓練は受けておりませんというのが、約半数いるわけです。2頁 で、派遣元に教育訓練の機会の確保に努めているかについては、8割オーバーが「して います」と。これは認識の違いなのか、実態の違いなのかはよくわからないのですが、 おそらく実態が違うのでしょう。  先ほど山崎委員からもご指摘がありましたが、派遣先の業者によって要求する能力の 内容が非常に多様化しているということなので、むしろこれは元より先に教育が期待さ れているのか、そういう流れなのかという気もするのです。少なくとも、登録して、あ るいは常用でも、働こうという労働者にとって、自分はどこで磨かれるのかということ についての情報は取りようがないですね。このところの数字の差はどのように理解した らいいのでしょうか。 ○松原補佐  まず資料1-1の1頁目ですが、確かに委員のおっしゃるように、教育訓練を受けていな いという方が45.2%いらっしゃるのは事実です。その一方で、2頁目で、機会の確保に 努めているかという数字が85%あるということです。  基本的に委員のおっしゃったように、現行の派遣法の体制では、派遣元が教育訓練を 行ってくださいとなっています。派遣先はそれについて協力するという形のスキームで す。  予断をもってお話をするわけにはいきませんが、2頁の「派遣元事業主が教育訓練を 行うに当たっての問題点」のところに、「教育訓練を受けてやめてしまう人がいる」と か、 「労働者が受講を希望しない」ということがあります。ですから、このアンケート上で は労働者に聞いたときに、「教育訓練を受けていない」という回答をした方には、受講 を希望をしないという方々も入ってくるのではないかと認識しています。  その一方で、実態がどうかということですが、これはアンケート調査ですので確実に 行っていることをチェックしたようなものではありません。労働者の方の認識と派遣元 事業主の認識の差は実際に行っているのかいないのかということもありますが、それだ けがこの差の理由とはならないのではないかと思っております。 ○松浦補佐  数値的なものとして別の資料がありますのでご紹介します。毎年行っている事業報告 によりますと、派遣元事業主のうち、一般労働者派遣事業ですが、「Off-JTで訓練を実 施している」とほとんどが答えています。内容を聞きますと、比較的初歩的な訓練とい うか、そういうものが入っているようですので、そこは派遣するに当たって、基本的な ことを派遣元事業主が教えるということと、さらにスキルアップするような追加的な教 育訓練をどこまで見るかということによって、少し労働者と事業主のほうで、訓練の範 囲の見方がずれているという可能性があるとは思います。 ○北村委員  そうすると、例えば行儀よく行きなさいというレベルのことであるのか、そとも、こ れはあなたが別の職場に行っても通用することですよという普遍性のある技術であるの かということについては、わからないわけですね。 ○松浦補佐  それはこの統計でも、あるいはこのアンケートでもわかりません。 ○北村委員  資料1-1の最初のですと、派遣後というのが多いですが、いまおっしゃったのはこれ は派遣先でという意味なのでしょうか。それとも派遣元でフォローするような形でとい うことでしょうか。 ○松浦補佐  派遣の教育訓練の中身を事業報告で出てくるもので見ていきますと、OJTがかなり含 まれています。OJTの中には、派遣先でさらに追加的に教えてもらうことが含まれる可 能性が高いのではないかと思っています。 ○清家部会長  関連して伺いたいのですが、教育訓連を受けた人の教育訓練の方法で、「派遣会社で のOJT」とあります。常用型はいいのですが、登録型の人も3割近く派遣会社でOJTを受 けたと答えているのです。派遣会社のOJTというのは何でしょうか。これは派遣元です よね。 ○松原補佐  派遣元です。 ○清家部会長  派遣元が登録型労働者にOJTというのは、どういう形でやるのでしょうか。 ○松原補佐  具体的な統計があるわけではないのですが、基礎的なパソコンとかワープロをやるの は多くなっておりますので、それは派遣元のほうでスペースさえあればできることにな ると思いますので、たぶん基礎的なものはやっているということになると思います。 ○清家部会長  それをOJTと言っているわけですか。 ○松原補佐  このアンケート調査上ではそういう可能性があるかと思います。派遣会社でOJTを受 けたかという聞き方しかしておりませんので、それが派遣先の意向を受けたものなのか ということは分からないのですが、基本的には派遣会社でOJTをしているということに なるかと思います。 ○長谷川委員  今は、会社の帰りとか、あなたの時間がいいときに来てここで研修していいですよと 言って、すごく環境が整っている優良な派遣会社と、全然駄目なところと極端なようで す。だから、すごく優良なところは、そういうことでスキルアップのための努力をして います。 ○市川(佳)  そういうのをOJTと言うのですか。OJTというのは普通の業務をしながらという形で の訓練教育のことを言うのではないでしょうか。  どの会社でも人を採用したら、何らかの形で絶対に教育訓練するはずなのです。この 派遣労働者の皆さんが教育訓練をどう受けるか。特に日本の場合は、従来は企業が雇っ たら、企業の中で訓練をして、スキルアップをしてというのが多いですよね。職業訓練 校とかありますが、それよりもどちらかといえば企業の中で、実際の実務をしながら訓 練をしていく。そしてスキルを上げていく、あるいは社会人として、あるいは組織の中 で働くとか、いろいろな知恵などを身につけていって、一人前の社会人になる。  そういう方たちが、過去に日本が経済的に成功して、優れた製品を生み出す、優れた サービスを生み出すようになったのは、やはりそういう企業が努力をされて人材をつく って、平均的に高い能力の労働者がたくさん出たところに成功の秘訣がある、というよ うなことが言われていますが、どうも昨今それが非常に落ちている。  1つその要因は、やはり派遣の方とかはスキルアップする場が持てない、そういう方 があまりにも増え過ぎているのではないかという疑念、不安を持っています。それに代 わる社会的な職業訓練の場とか、そういうものをきちんとやるんだというのがあれば別 ですが、いまの現状、日本ではそういうのがないというときに、企業が直接雇った労働 者はそれなりに訓練するけれども、では派遣労働者は誰が訓練をするのか。そうすると、 いま問題になっている日雇の方たちみたいに、ほとんどたぶん教育訓練を受けていない ないだろうなという方が増えてしまうと、将来的にこの国の労働力の質がものすごく劣 化するのではないか。そのことは、やはり労使双方にとってはよろしいことではないの ではないか。  その意味からいくと、この教育訓練は、派遣労働者が昔の専門能力があって、労働者 としての競争力がある人にだけに認められているというような時代はいいですが、やは り1999年以降いろいろな人たち、あるいは学生、新卒の学生がそのまま派遣でずっとい る。これは教育訓練というものをきちんと位置づけないといけない。  どちらに責任があるかという議論があると思いますが、本来の派遣法が求めているの はやはり派遣元ですよ。派遣元が人を雇って、一人前の訓練をして、どんな企業の求め にも応じて、こういう人がほしいと言ったときに、はいと出せる。これが文字どおり、 人材ビジネスです。人材のザイは「財」だとも言われます。それが崩れていて、「人」 ならいいですよと。労働力ならいいですよという程度に、派遣元が相当質が落ちてきて いるのではないか。  派遣先のニーズが、山崎委員がおっしゃったように、いろいろ多様なればこそ、この 人材ビジネスというものがニーズにどう応えるか、派遣元がきちんとそういう人材を育 てて供給できるか。これがいま求められているのであって、単に労務提供で、それもま た派遣先も安易に使ってしまうことが、トータルとして労働者の質の劣化を招くと思う のです。派遣労働者の教育訓練問題は、今のままではやはり非常に不安があると思って います。  この聞き方も「確保に努めていますか」です。努めていますかと聞かれれば、これは 派遣元指針なのですから、それは「はい」と答えるだろうなと思います。派遣元の資質 を問うというのですか、それはもうちょっときちんとやって、そういうところでないと 人材ビジネスとは認めない、という縛りが必要ではないかと思います。 ○清家部会長  ありがとうございました。山崎委員、どうぞ。 ○山崎委員  市川委員の話もわかるのですが、以前私、言ったことありますよね。教育の、例えば 派遣先のほうでCADができる人がほしいという要請があったときに、非常に稚拙なこと で、こんな人駄目よという人がいたので、もっと勉強してらっしゃいよと言って、それ こそ解約したと思うのです。だから、そういうときにやはりミスマッチなわけですね、 受け入れる方から見て。  だから教育のほうではABCランクつけたらどうかという話を以前したことがあるので す。それも一生懸命やっていただいて、何か派遣元のほうの、この2枚目のを見ますと、 「教育訓練を受けてやめてしまう人がいる」というのを見たときに、これはABCランク つけても、自分がAだと思うといなくなってしまうのかなと。せっかく派遣元がお金を つぎ込んでやらせたのに、いなくなってしまったら元も子もないですね。だから、そう いったことで派遣元のほうも、教育はしっかりするけれども、それはそれなりに元のほ うでしっかり何か縛りができるようなことを考えていただかないと、安心して教育がで きないのではないかと思ったのです。  この中でも「業務の都合で実施しにくい」と、私はいま言ったのですが、これは単な る、もしかしたら逃げかなと思ったりするので、やはり教育訓練というのは派遣元の法 で責任を持って、安心してかかれるような体制づくりというのが必要かと思いました。 ○北村委員  情報が曖昧で申し訳ないのですが、最近派遣元会社の中には、自分が派遣社員として 雇用した人に限らず、有料で、つまりお金を取って技能訓練を施すところというのが出 てきています。それは、例えばパソコン教室であるとか、オフィスの何とかみたいな形 で。1つの生き方だと思うのですけれども、それで山崎委員がおっしゃったようなリス クを避けるという意味では、本気でやる人がある程度のお金を払って、自分をスキルア ップして、そこに登録するというのはあり得るべきことだとも思うのです。しかし、事 例を把握しているわけではないので、ちょっと曖昧な言い方になるのですが、本来の派 遣元業者の義務というものを別箱に入れて、ビジネス化するという匂いがしないでもな いという気がするのです。だからその辺、実際にそれが適正に行われていれば全然問題 ないと思うのですが、同じ系列の会社でそういうことをする。おそらく苦肉の策的なと ころがあると思うのですが、その辺の整理というのをどこかで釘を刺しておく必要があ るのではないかなと、そんな印象を持っています。 ○輪島委員  教育訓練の話がいろいろ出たのですが、先ほど長谷川委員がおっしゃったように、そ の時間外というか、派遣元に来てOJTをやる。もっとやっているところは、おそらくeラ ーニングで自社のホームページからIDとパスワードで入って、それで教育訓練をやる。 ワードならワードでどのランクまでが合格しているか、それはそのままスキルチェック になるわけなので、それがご本人のバリューになるという形にしているわけです。そう いうものが人材ビジネスで、そういうような教育をしてくれる派遣元に、派遣スタッフ も集まるようになるわけなので、そういう流れをひとつきちんと作ってやることが重要 だと思います。  北村委員がおっしゃったのは、基本的に派遣元でやる派遣元としての責任と、それか ら教育訓練機関としてのビジネスですね。それがごっちゃになるのかどうなのか分かり ませんが、有料の世界の中で教育訓練を行うということをもって、総合人材ビジネス企 業であれば何かの歯止めをかける必要があるのかどうかは、よく分からないです。  日々派遣のところですが、日々派遣の教育訓練って、仕事は何をやっているのかにも よると思うのです。ですから業種、業務でつかまえるのは難しいというところになって いるわけです。1日で行く通訳添乗のスキルのある教育訓練と、それから軽作業で行く 者との違いによって自ずと教育訓練の差は出てくると思います。  社会保険の関係ですが、派遣健保、非常に健全な健保組合になっていて、最近ほかの 健保組合にない、若い人がたくさん入ったので給付がないということなのだと思います が、そういう仕組みが新たにできています。そういう意味での80%、高くなってきたの だろうと思います。それ以外のものが漏れなのか、事務局がおっしゃったように本人の 名義になっている人はと聞いているわけですから、そうではない第3号被保険者も含め て、あるとすればその社会保障全体の制度の問題で、15%から20%が漏れているという 認識なのかどうかという整理が別に必要なのだろうと。  問題は、社会保障全体からいえば、働き方に中立な社会保障制度なのかどうか。個人 で見てないわけですから、世帯だとかというようなところで見ている社会保障制度全体 の課題と、派遣だから85になっているという議論にはならないのではないかと思います。  均衡の話です。どことどこを比べるのかはよく分からなくて。派遣元の派遣スタッフ で違う派遣先A、Bに行っているときの仕事が同じだったら、派遣元と雇用契約で均等・ 均衡な処遇なのか。それとも派遣先に行っていて、派遣先の社員と均衡なのか。それか ら派遣元Aからの派遣スタッフと、違う派遣元Bからの派遣スタッフが同じ職場に行って いて、2人の派遣スタッフの処遇が均衡なのか。何を比べて均衡とするのかとなると、 私どもは頭が凍ってしまって、どこを基準にどうやって比べる必要があるのかがよく分 からないと思っています。  共同責任の関係ですが、サービス経済化がどんどん進めば進むほど、そこの基本的な 集団的な労使関係と、その個別の労使関係との区別は、なかなか難しいことになってい るのだろうと。特に、この三者間雇用関係の中でどう見るのかはたぶん難しくて、整理 はまだあまりされていないのだろう。  特に、三者間雇用関係の中で、派遣スタッフが派遣先に行って、それが例えば床屋さ んでも、タクシーに乗っていても、派遣先はその場の人から指示を受けるわけです。頭 を刈上げにしていいのか、パーマをかけるのかというのは、派遣先のサービスを提供す る人が、どうしてほしいと言うわけですね。そこを指揮命令というわけです。床屋さん の従業員は床屋さんで給料はもらっているわけですが、その指揮命令はその床屋さんか らされるわけではなくて、サービスを受ける人からされるわけです。  そういうところはどんどんサービス経済化が進んでいけば、その指揮命令と雇用関係 がずれてくることはある。どうしても、特にこの三者間雇用関係を認める限り出てくる はずなのです。そこを厳密にやるとして、例えばそれを共同責任という形にするという のは、やはりかなり広い概念をこの中に持ち込まなくてはいけませんから、なかなか難 しいだろうなと。そういうことを原則にするのであれば、いまの現状の派遣元の雇用責 任は、派遣元にかけているわけです。派遣先については、それぞれの配慮というような 仕組みというのは、現状についてはそれなりによく出来ている制度なのだろうなと、問 題がないとは言いませんが、そう思っています。 ○北村委員  さっきちょっと脱線してしまいました。私が言いたかったのは、しばしば、ある派遣 元が経営するビジネス学校みたいな所でスキルアップした人が、そのまま登録されると いうような例が多いので、それは有料で、自分が顧客として得た技術でそこに登録する というのは、どこへ線引きをするのかなという疑問が1つあったということです。別の 件について申し上げたいのですが、それはいまのお話が終わってからまた。 ○長谷川委員  次のIVにいっていいですか。 ○清家部会長  はい、お願いします。 ○長谷川委員  本当は輪島委員にもうちょっと反論したい気持もあるのですが、一先ずそこは置いて おきます。IVで、まず1つめの○の建設、港湾の禁止業務がいまでもあるのですが、な ぜ派遣法が出てきたのか。職安法44条はやはり直接雇用で間接雇用というのを禁止して、 44条からこの派遣法が出てきたわけです。そういう意味では、建設や港湾というのはな ぜ禁止なのかという歴史的な経過があるわけですから、私はこれ以上の規制緩和はすべ きではないと思っています。だから解禁すべきではないと。この間まで医療関係やって いて、いまでもまだ何となく引っ掛かっているのですが、政省令で徐々に緩和するとい うやり方が本当にいいのかなどうなのかは、疑問に思っています。  2つめの派遣元の情報開示ですが、やはり派遣元の情報公開は必要なのではないかと思 っています。派遣元の情報開示について着目した物言いでいうと、一般業務で1年を超 えて受け入れる場合には、派遣先に労働組合がある場合には、労働組合に通知し、それ で意見を聞くというのがあったわけですが、私はこれをもうちょっと拡大したらどうか と思っているのです。派遣先の労働組合に対して、派遣のすべての業務について、その 派遣を受け入れる期間や業務や人数とか、賃金や社会・労働保険の加入状況や派遣料金 とか、どこの派遣会社から入れているのかとか、そういうのを通知して、意見を聞いた らどうかなと。  確かに労働組合、組織率が18%に落ちてきて、最近集団的な労使関係はいかがなもの かと、随分ご指摘はされています。でも18%いるわけですからね。これはある意味では、 集団としたら我が国の中で非常に大きい集団です。ある面では、労働組合にそういうこ とを情報提供をして、意見を聞いて、例えば労働組合が、いや、ちょっとまずいんじゃ ないかとか、社会保険・労働保険なんか入っていないようなところから受け入れたら、 やはり良くないから、それはやめたほうがいいんじゃないかとか。そういうのを率直に 聞いて、意見交換したらどうかなと思います。  もう1つは、有料職業紹介と派遣事業というのは、少し均衡が必要ではないかと思っ ています。契約単価と賃金の差ですね、その上限規制を行ったらどうかなと考えていま す。例えば、いま派遣料をどのぐらい取っているか、35%とか32%などの数字も出てき ているわけですが、結局どのぐらい取るかによって派遣労働者の賃金に関係してくるわ けです。40%取るところはやはり派遣労働者の賃金は下がってくるわけだから、そうい うマージンの上限規制を行ったらどうかと思っています。  3つめ、4つめの○で、偽装請負とか違法派遣とか監督指導の話があったのですが、厚 労省はこれまで以上に法違反とか、偽装請負の解消を図ることは重要なのですが、最近 私は何か行政指導をやるよりは民事規定をかけたほうが、経営者というのはかえってき ついのではないかと思っているのです。だから違法派遣とか、そういうことをやったら、 もうそういうものについては全部、その派遣スタッフを派遣先の期間の定めのない長期 雇用にするとか。違法で派遣を出した場合にはそうするとしたほうが、派遣先はいいと ころしかもう派遣を使わなくなると思うのです。変な、労働保険にも入ってないとか、 そういうところから採らないで、やはりある意味ではちゃんとしたところと取引すると 思うのです。  私は、やはり違法をした者については、もう派遣先が責任を持って長期雇用をすると いうみなし規定を、フランス、ドイツなどもそういうものがあるのですが。そういうふ うにやって、民事規定をかけたほうが私はいいのではないかと思っています。いくら罰 則をかけても、すぐに忘れて、またすぐ同じような悪さをするというのが結構あるわけ です。今回の肝炎を見れば明らかなようなものです。したがって、この民事規定をかけ るような、そういう制度を派遣法で導入すると、もう少し良くなるのではないかなと思 います。  さっきの偽装請負と違法派遣の図で、ちょっと不思議なのは、私の理解が悪いのかも しれませんが、4頁のこの最後の図です。請負の場合、鉄鋼の構内請負とか建設の請負 だと、結構ユーザー責任を労働安全衛生法の関係の中でかけられていますね。労働安全 衛生法の改正のとき、それから派遣法のときもそういうのを見ていると思うのですが、 今回その請負に対しても、作業の合図をするとか、連絡調整するというのが、労働安全 衛生法の中でかかっているのです。そうすると、労働者に対する責任は無しではないの です。そういう意味ではユーザー責任という考え方を、こういう間接雇用のときに労使 関係の中でとり得るかどうかだと思うのです。  先ほど輪島委員は、三角関係のときの雇用と使用の関係について述べたのですが、確 かに我が国社会、特に最近のこの10年間でいろいろな法律、労働関係の法律がずっと規 制緩和されて、必ずしもピタッと当てはまらない経済的な従属関係にある労働者が、す ごく増えてきたわけです。この間のバイク便などもそうです。そういうときに、やはり ユーザーの責任をどうするのかということについて、共同雇用という考え方をもう少し 発展させながら、ユーザー責任なども考えることは、間接雇用がこれだけ広がったとき には重要なのではないかと思います。 ○清家部会長  では古市委員どうぞ。 ○古市委員  建設その他の業務に派遣を禁止をしているわけですが、建設業が禁止をしている理由 はここに書いていますが、これを補強するような建設業の実情について、少しお話を申 し上げたいと思うのです。今年の6月に国土交通省が、建設産業政策について取りまと めをした文書がございます。その中のいくつかをご紹介したいと思います。  建設業を営む場合は、建設業法に基づいて国土交通大臣か県知事の許可を受けること になっています。いま、52万業者が、許可を受けているのです。そのうち皆さんがどな たもご存じのような大きい建設会社が54社あります。これは54社だけです。それから都 道府県に建設業協会があり、そこに加盟をしている地域の中堅業者が約2万5,000社あり ます。この2つがちゃんとした社屋を構えた、立派な建設会社ということになると思う のです。それ以外に、ほぼ50万の業者がいるわけです。  この報告によりますと、残り50万業者のうち30万業者が年間の工事高が100万円に満た ない。100万円に満たないということですので、事実上実体のないペーパーカンパニーが、 身軽な経営状態を利用して工事を受注をして、技術者を抱えている真面目に努力してい る建設会社がどんどんつぶれている。この数年間1日に1社ずつつぶれている。 地域にある建設業協会に加盟をしていた会社というのは3万2,000社あったのですが、い ま2万5,000社にまで減ってきた。毎日どんどんつぶれている。こういったことが指摘を されておりまして、適切な施工能力を有しない、いわゆるペーパーカンパニーなどの不 良不適格業者が非常に多い。こういう実態を指摘をしているわけです。  しかも、法令違反を認識してない、ここでも法令違反のことありましたが、法令違反 を認識してないということで、法令違反から決別して、法令遵守をやろうということを、 国土交通省が呼び掛けているわけです。  もう一方、建設産業では、片務性というのが非常に強くあります。発注者と設計者の 間の片務性、設計者と施工者の間の片務性、発注者と施工者との間の片務性、元請業者 と一次下請との間の片務性。二次下請、三次下請、四次下請、五次下請、川上から川下 まで存在する、この片務性を是正しないといけない。私が言っているのではなくて、国 土交通省がそう言っているわけです。それで不当に低い代金で下請契約を締結させたり、 社会保険や労働保険の未加入などの法令違反が目にあまるので、行政の厳格な対応が求 められると書いてあるのです。  これはたぶん基準行政に対して物を言っていると思うのですが、まあしっかりやって くれよと、こういうふうに言っています。国土交通省は、建設業法を遵守するためのガ イドラインを今年やっと初めて作りました。自覚しないままに法令違反が広く行われて いるので、こういう場合は建設業法違反ですよという具体的事例、ガイドラインをやっ と作ったのです。こういうことを一方で呼び掛けている。  もう1つ、少し長くなって恐縮ですが、申し上げますと、公共工事の設計労務単価と いうものがあるのです。日本の建設投資の約4割は公共事業です。この公共事業での労 務単価というのが全体に大きく影響するものですから、国土交通省などが建設業者など の賃金などを調べて、公共工事の設計労務単価というものを決めるのです。平成17年 10月の調査によりますと、調査対象になった会社が21万4,384社で、調査をした。とこ ろが調査はしたのですが、それを使うことができなかった会社が42.1%ありました。 使えたのは12万4,076社、57.9%でした。棄却標本率という言葉を国土交通省は使って いるのですが、要するに使えなかった。  なぜ使えなかったのかと言いますと、労働者名簿がなかった、賃金台帳をつけていな かったなどという、労働基準法のイロハのイが行われてない業者が42%もいる。こうい うことを毎年明らかにしています。何社か調べた結果、ここの会社は法令違反があった ので、使えたのはこれだけですというのを毎年発表しています。  少し古いのですが申し上げますと、平成16年は棄却率が45.1%、平成15年は47%、平 成14年は46.8%、平成13年は45.5%あった。こう見ますと、ほぼ半分は建設会社では労 働基準法が守られていないことを国土交通省は知っているわけです。20万社も調査をし て、半分は労働基準法が全然守られていないことは、分かっている。こういう状態のと ころに派遣を解禁するなどということが起こると、戦前行われた強制労働とか、そうし たことが直ちに起こってくる。こういうことは明らかで、派遣を建設業に解禁すること は全く不適切だという話であります。  少し余分な話ですが、実は「労災かくしは犯罪です」というポスターを厚生労働省は 作っています。犯罪ですと言わないと、労災かくしが広く行われているわけです。それ で救急車などが来たりすると口封じができませんので、監督人の許可なく救急車を呼ん だりすると、もう明日から仕事はさせられないという状態です。わざわざそういう状態 を厚生労働省も認識しているものですから、「労災かくしは犯罪です。労働災害には健 康保険は使えません。」というポスターを作ったのです。  これは厚生労働省にも話をして、私たちは自分たちの健康保険証のカバーにこのポス ターを刷り込んで、日常的に持って使っています。現場であったときに、監督から健康 保険証でやってくれと言われたときに、うちの健康保険証にはこんなこと書いてありま す。こうやって見せてもらう。こんなことをして法令遵守を少しでもしようということ をやっているのですが、そういう実態のところに派遣を解禁するというのは、非常に適 切ではない。こういうことであります。  もう1つだけ、建設作業は派遣法は禁止しているのですが、現場の施工管理は禁止を していないのです。いま建設会社は建設投資が落ち込んで、非常にリストラが続いてお りまして、現場の施工管理する人が派遣の監督というのが非常に増えてきました。そう すると、建設現場では手直しですとか、手順どおりいかないということが非常に頻繁に 起こります。そのときに派遣の監督がいる現場ですと、誰が責任を負うのかが非常に問 題になりました。要するに、元請会社が本来負うべきなのですが、派遣の監督がやって いると、誰が責任を負うのかということがいつも問題になります。最終的に、力の弱い 片務性が非常に極端ですので、力の弱い三次業者、四次業者、五次業者が責任を負わさ れる。やり直し工事があったときに、その責任を下請業者が負わされる、こんなことが 非常に起こっていて。大きな建設会社、住宅企業などと交渉、41社と今日話合いをやっ ているのですが、こうしたことが広く行われています。  建設現場に、施工管理という人が1人派遣でいるだけで、そういう問題が広く発生す るというようなことであり、現場作業員に派遣を解禁するなどというようなことは全く 不適当だということについて、発言をさせていただきました。 ○清家部会長  ありがとうございました。それではまだほかにご意見はあるかと思いますが、次に、 許可の諮問の案件もありますので、検討課題についての意見交換はこの辺りにさせてい ただきます。もし、どうしても何か一言という方がございましたら、どうぞ。 ○輪島委員  情報開示の関係は、いま派遣元のホームページを見ると、かなり社会保険料部分がど れくらいか、派遣料金の中のシェアとか、そこら辺を開示している会社はだいぶありま す。先ほどの前段の話ですが、良い派遣元をどうやって育てていくのか。寡占、独占状 態とまでは言いませんが、もう少し寡占状態ぐらいになるような派遣元の整理統合とい いますか、良い派遣元を育てる必要はあるのではないかと思います。  紹介と派遣の均衡の関係です。上限規制って、突然の話なのでそこはよく分かりませ ん。人材ビジネスとして、育てている人がある意味で高くハンティングされるというと ころのコストに上限をかけておく必要が、本当にあるのかどうか。むしろそれぞれの単 価が高くなると、それがトランスファー・フィーにかかってくるのかどうかがある。本 当にほしければ、高くとも払ったほうがいい。そういうコストは、むしろ良い人材を高 く買うということを、もっと育てたほうがいいのではないかと思うと、上限規制という のはちょっとどうかなとは思います。 ○清家部会長  ありがとうございます。なお、ほかにいろいろご意見、ご質問等ありましたら、また 別途事務局にメール等でお寄せいただくことも可能かと思いますので、よろしくお願い いたします。  これで一応9月以降4回にわたり、I II III IVと検討課題について議論を行ってきたわけ ですが、各課題についての議論ももちろん時間があればいろいろということあるかと思 いますが、一巡したかと思いますので、事務局においてはこれまで出た意見等の取りま とめを行うようお願いしたいと思います。そのようなことで、よろしいですか。   (了承) ○清家部会長  では、そのようにさせていただきます。次に、一般労働者派遣事業の許可の諮問に移 りたいと思います。冒頭に申し上げましたように、傍聴されている方については、ここ でご退席をいただきますようお願い申し上げます。また、大槻職業安定局次長におかれ ましても、所用により退席されると伺っていますので、よろしくお願いいたします。 (傍聴者・大槻次長退室) ○清家部会長  何か事務局からございますか。 ○松原補佐  次回の部会については、現在日程調整中ですので、各委員の皆様には別途ご連絡をさ せていただきます。 ○清家部会長  では事務局にはそのようにお願いします。委員の皆様方には別途いろいろご連絡をさ せていただくと思いますので、よろしくお願いいたします。以上をもちまして、第106 回労働力需給制度部会を終了いたします。なお、本日の署名委員は、雇用主代表山崎委 員、労働者代表市川委員にお願いいたします。では、委員の皆様、どうもありがとうご ざいました。   照会先    厚生労働省職業安定局需給調整事業課調整係    〒100-8916東京都千代田区霞が関1−2−2    TEL03(5253)1111(内線5747)