07/10/17 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年10月17日議事録 07/10/17 中央社会保険医療協議会          第102回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成19年10月17日(水)9:59〜11:32 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史小委員長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        前田雅英委員 室谷千英委員  対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 高橋健二委員 松浦稔明委員  竹嶋康弘委員 鈴木満委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員        <事務局>       木倉審議官 原医療課長 磯部薬剤管理官 武田医政局経済課長 他 (4)議題  ○後発医薬品使用促進のための環境整備について       ○患者の視点の重視について       ○医療安全対策について (5)議事内容  ○土田小委員長  ただいまより、第102回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催い たします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、保険局長は、公務のため欠 席される旨の連絡を受けております。また、審議官は、公務のために途中から出席される という連絡が入っております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、最初に、「後発医薬品使用促進のための環境整備」を取り上げたいと思います。  後発医薬品につきましては、平成14年度診療報酬改定で後発医薬品を含む処方を行っ た場合の「処方せん料」を引き上げるとともに、前回改定においては、処方せん様式を変 更するなど、診療報酬におきましても使用促進のための施策を講じてきております。その 一方で、後発医薬品の品質や安定供給に関する不安の声も示されております。  このような状況の中で、厚生労働省においても、後発医薬品の使用促進のための環境整 備を進めるための施策を新たに取りまとめたとのことであります。  これらも含めて、事務局より説明をお願いいたします。最初は、武田経済課長、お願い します。 ○事務局(武田経済課長)  医政局経済課長の武田でございます。  お手元の資料の中医協診−1−3という3つ目の資料を見ていただきたいと思います。 10月15日に私どもが取りまとめました「後発医薬品の安心使用促進アクションプログ ラム」、最初の2ページが概要になっておりまして、本文10ページ、別添1ページとい う構成になっております。  後発医薬品につきましては、ただいま小委員長からも話がありましたような、先発医薬 品と同等であるということで厚生労働大臣が承認をした医薬品でございますけれども、現 場の医療関係者等から、その品質、供給体制、情報提供体制などに関して問題点が指摘さ れるなど、医療関係者等の信頼性が必ずしもまだ高くないという状況でございますので、 私ども厚生労働省といたしまして、患者・医療関係者が安心して後発医薬品を使用するこ とができるよう、その信頼性を高め、使用促進を図るために、国及び関係者が行うべき取 組を明らかにしたものでございます。  1ページ目の概要版を見ていただきますと、上の箱の中にございますが、(1)安定供給、 (2)品質確保、(3)後発品メーカーによる情報提供、(4)使用促進に係る環境整備、(5)医療 保険制度上の事項ということで、5つの事項につきまして取組を明らかにしてございます。 詳しくは本文を参考にしていただきたいと思いますけれども、医療現場からの御指摘の点、 これまで講じてきた措置、それから今後講じるべき措置の国の分、関係者の分、こういう 構成で各項目を整理したものでございます。概要版は、その中の主なものを抜き出したも のでございます。  まず、(1)安定供給でございますが、医療現場の声といたしまして、発注から納品までに 時間がかかることがあるなどの声が寄せられているところでございます。右の国の事項で ございますが、私ども、安定供給の指導の徹底ということで、医療関係者からの苦情の受 付体制をとりまして、日本医師会などの関係団体にもお願いいたしまして、苦情が一元的 に私ども経済課の方に集約をされ、関係業界を指導する体制をとっているところでござい ます。これまでも何件か苦情が実際寄せられてきているところでございますけれども、こ れにつきましては、個別にメーカーの指導を行い、かつ悪質な事例につきましては、文書 による指導、または指導内容の公表も含めた対応をとるということにしているところでご ざいます。今後ともこの指導の徹底を図ってまいりたいと思っております。  なお、今回後発品メーカーの団体でございます医薬品工業協議会、医薬協と言っており ます、この団体が自主的な取組として以下の措置を講ずることを表明をしておりますので、 私どもとしてはこの自主的取組を見守り、かつ適宜フォローし、必要に応じ指導をしてい くこととしております。  代表的な事項といたしましては、納品までの時間という御指摘もありましたので、納品 までの時間短縮といたしまして、卸への翌日までの配送は100%これを行う。それから、 卸に在庫がない場合、卸への即日配送につきましても、20年度中に75%が実施できる ようにする。こういうことを自主的取組として行っていただくこととしております。また、 品切れを起こさないように、社内在庫・流通在庫各1カ月以上確保するというような取組 も行うこととしてございます。  それから、(2)品質確保につきましても、医療現場の声といたしましては、一部の後発品 では、溶出性、それから血中濃度といった点につきまして先発品と異なるのではないか、 または不純物が本当にないのかなどの声が寄せられているところでございます。  国の事項でございますが、国といたしましても、後発品の品質に関する試験検査を国と して実施をし、結果を公表するということで、予算要求を現在しているところでございま す。  さらに、先般中医協でも御議論がありましたように、後発品の品質に関する研究論文な どにつきましても収集整理をするという方針でございます。  それから、市場に出ております後発品につきましては、従来から、都道府県におきまし て一斉監視指導ということをやっておりますが、あわせまして、来年度以降、これも予算 要求中でございますが、国の立入検査、それから検査指定品目の拡充といったことを予定 をしております。  それから、後発品メーカーにつきましても、製造ロットごとに製品の試験を本年度中に 実施をしていただくというようなことにしてございます。  また、承認要件以外に、例えば長期に保存した場合に品質が変わらないかどうかといっ た点につきましても、年度内に企業として着手をするというようなことでございます。  それから、関連文献につきましても、医薬工業協議会という団体におきまして、調査・ 評価、それから必要な対応ということをとることとしてございます。  次のページをおめくりいただきたいと思いますが、(3)後発品メーカーによる情報提供で ございます。これにつきましても、医療現場から、MRの訪問がないとか、「先発メーカ ーに聞いて欲しい」など情報が先発メーカー頼みである、こういう声が寄せられていると ころでございます。  国といたしましては、これまで添付文書の充実ということで、特にこれも中医協で御議 論ございましたが、生物学的同等性、実際に血中濃度がどれくらいの時間でどういうふう に濃度が上がっているかというデータにつきまして、添付文書の中に記載をするというこ とを求めております。これは、私どもの出した通知で、来年の3月末までにすべての後発 品の添付文書を改訂するように求めておりましたが、今般、後発品メーカーが自主的にこ れを前倒しいたしまして、今年の12月までにすべての添付文書の改訂を行うというよう なことで確約をいただいたところでございます。  さらに、後発品メーカーの情報提供体制につきましても強化を指導しております。こう いった点につきましては、後発品メーカーはどうしてもMRの数は先発メーカー並みとは いきませんので、また、ホームページによる情報提供なども活用して情報提供していただ くことにしてございます。  それから、(4)使用促進に係る環境整備ということでございますが、これにつきまして は、主に関係者、それから国民向けのPRということになりますけれども、現在ポスター ・パンフレットによる普及啓発を予定しておりますとともに、来年度におきましては、私 どもこれを予算要求中でございますが、一部の都道府県では関係協議会を既に設置をして 使用促進策の検討を関係団体とともに行っている都道府県がございますので、都道府県レ ベルの協議会の設置につきましても、来年度以降、検討・実施してまいりたいと思ってお ります。  なお、後発品メーカーにつきましても、既に自主的に「ジェネリック医薬品Q&A」と いったものを医療機関に配布を行っているところでございます。  それから、(5)医療保険制度上の事項ということでございまして、これにつきましては中 医協で御議論を現在いただいているところということでございます。  なお、3ページ以降、本文になりますけれども、トータルで言いますと12ページ、最 後から2枚目の紙を見ていただきますと、最後のところに、「III 当計画の実施状況の モニタリング」というところがございます。以上、その国及び関係団体の取組を明らかに いたしましたが、私どもこの計画の実施状況を定期的にモニタリングを行いまして、その 結果については公表させていただきたいと思いますし、その必要に応じて追加的な措置を 講ずるというようなことを考えているところでございます。  最後のページは、後発医薬品メーカーにおいて実施するべき目標値、可能な限り、実施 年度と目標数値をつくっていただきましたので、これをここに一覧表にしてございます。 これを私ども指標といたしまして、今後、関係業界を通じてモニタリング、フォローアッ プということに努めてまいりたいと思っております。  私から、以上でございます。ありがとうございました。 ○土田小委員長  ありがとうございました。  それでは続きまして、原医療課長から。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協診−1−1の資料をごらんください。なお、説明はこち らを使いますけれども、適宜中医協診−1−2、参考資料もごらんいただきたいと思いま すので、横に置いておいてください。  後発医薬品の使用促進につきましては、平成18年度の結果検証部会におきます特別調 査で調査をいたしておりました。これについては既に御報告したところでございますが、 簡単にかいつまんで、ここでは2ページ半にわたって述べておりますので、再度御紹介を いたします。  まず、「後発医薬品への変更可」という処方せんの欄に処方医の署名等がある処方せん の割合、これが全体の17%ございました。そのうちの、実際に後発医薬品に変更した処 方せんの割合は5.7%。掛け算いたしますと、全処方せんに対する割合としては、約 1%程度が置きかわったという結果でございました。  (2)でございますが、実際に後発医薬品へ変更した薬局が293あったわけでありま すが、その薬局において、実際に、この「変更可」の処方せんがどれぐらいあったかとい う処方せんの割合ですが、その割合で、5%未満の薬局が78薬局ありました。一方で、 90%以上「変更可」という処方せんがあったところは41薬局あったということで、薬 局によって非常にばらつきがあった。これは、医療機関側の出し方の差であるのかもわか りません。  それから次のページでございますが、(3)ですけれども、その金額について聞いてお ります。実際に、後発医薬品に変更した処方せん1,000枚における薬剤料でございま すが、記載銘柄どおりに調剤した場合は、薬剤料の平均が839.47点、それを後発品 に切りかえて実際に調剤したわけですが、その場合の薬剤料の平均は605.72点。た だ、これは図表4の表をごらんいただきますように、平均値に対して標準偏差は非常に大 きゅうございますので、処方せんごとの薬による値段の差が相当あるということで、なか なか平均値だけではわからない。ただ、実際にそれぞれの処方せんごとにいわゆる銘柄が 書いてある薬剤と調剤した後発医薬品の価格の差をとってみますと、それの平均が約6 5%程度であった。それぐらい薬剤料が差があるということが出てきたわけであります。  検証部会としての評価としては、ここにございますように、全処方せんのうち、後発医 薬品に変更された処方せんの割合は低く、今後の改善が望まれる。とりわけ、変えてもい いよという処方せんに対して実際に変えられたのが約6%しかなかったということ、また、 薬局ごとに変更率に差があったということがわかったということであります。こうしたこ とから、平成19年度においても継続的に調査を実施して、特に薬局でなぜ変わらなかっ たのかという理由についても調査してはどうか。それから、さらに処方する側の意識等々、 医療機関等の調査対象としてその意識等について調べてはどうか、こういうことが言われ ておりました。実際、後でも申しますが、これらをもとに、19年度も特別調査を実施し ております。  2番目に、実際の入院外、あるいは入院別に見た後発医薬品の使用状況でありますが、 ここでは、平成18年の社会医療診療行為別調査から6月審査分について、平成16年、 17年、18年について実際に見てみました。これは、レセプト1枚の中に後発医薬品が あるかないかというものを見たものでありまして、1つでもあれば「あり」ということで、 その割合がここに出ております。後発医薬品が出てくる明細書の率でありますが、入院外 の院外処方、したがいまして、調剤薬局から出てくるものにつきましては、平成16年か ら18年にかけて39.1%、38.9%、41.4%であった。また、それぞれの医療 機関内で処方されている場合の明細書に出てくる割合は、それぞれその率で、平成18年 は48.6%でございました。また、入院のレセプトで出てくる割合は75%であったと いうことで、これは、実際に先ほどの後発品に変えられたという率は1%であったわけで すけれども、実際にレセプトで見てみると、相当といいますか、1種類でもあれば「あ り」ですので、数量的にはわかりませんけれども、相当程度使われているのではないかと いうことがここから推測されるわけであります。  また、先ほどの、変更しないでも実際に使われているということは、後発医薬品を銘柄 指定するという場合が多くあるのではないかということがここから推察されます。  4ページをごらんいただきたいと思います。後発医薬品の実際の市場シェアがどうなっ ているかということであります。医薬工業協議会でお調べいただいておりますが、数量ベ ース、これは、錠剤でしたら1錠、2錠というその数、それから粉薬でしたら1包、2包 という、そういう単位それぞれを1つと数えて幾らかというのが数量ベースになるわけで すけれども、平成16年度においては、数量ベースで16.8%が後発医薬品であった。 ただ、金額的にはやはり相対的に安いですので、金額ベースでは5.2%の使用状況でご ざいました。  また、薬価の本調査において、これも出てくるわけでありますが、これは前回の平成1 7年9月の薬価調査での結果であります。先発医薬品、後発医薬品、その他というふうに 分けておりますが、先ほどと同様に、数量シェアで見ますと、後発医薬品の使用が17% ということで、医薬工業協議会の調べと同じ程度でございました。また、金額シェアにい たしましても6%でございます。  また、ここからわかりますのは、先発医薬品の後発品ありの数量シェア35%部分、こ の部分が後発医薬品に変わり得る部分でございます。その他の部分は変わらない、変えよ うがないという部分でございますので、後発医薬品を進めていくと、最大でこの部分まで は変わってくるだろうということでございます。  それで、この後発医薬品の使用促進、長年続けておりますけれども、それの診療報酬あ るいは調剤報酬における取組でございますが、まず、診療報酬における取組では、平成1 4年度から、処方せん料について、後発医薬品を含む場合は、その他の場合に比べて2点 高くしております。5ページの上の表がそれでございます。処方せん料、記載される薬の 種類によって点数が変わるわけでありますが、いずれの場合も2点上乗せをしている。  それから、調剤報酬における取組でございますが、これも同じく14年度から保険薬局 において後発医薬品を調剤した場合に、やはり調剤料に2点加算しております。  それから、後発医薬品への変更を促進するために患者さんへの説明をしてくださいとい うことで、平成14年度から、後発医薬品の品質や薬価について説明した場合、受付1回 につき10点の情報提供料を出しております。また、平成18年度からは、それに加えて、 先発医薬品との薬剤料の差についても説明するように求めております。  それから、医師から出されます処方せんの様式でございます。これは、御承知のように、 平成18年度から変更いたしました。具体的には、参考資料の1ページにございますが、 処方を書く欄の下に備考欄というものがございまして、備考欄の中に「後発医薬品への変 更可」という欄を設けまして、そこにチェックをしていただいて署名をしていただく、こ のような様式を設けたところでございます。  本体の6ページでございますが、後発医薬品の使用促進のための新たな取組ということ で、今現在、今武田課長の方から説明がございましたアクションプログラムをつくりまし て、これでもってドライブをかけていこうということにしております。  それで、先ほど少し触れました後発医薬品の使用状況調査でございます。平成19年度 分でございますが、現在集計中でございますが、これは先ほどの改定結果検証部会の方か ら出された結果をもとに、まず、保険薬局に関する調査でございますが、新たに「変更 可」欄に処方医の署名がないけれども、実際には後発医薬品を銘柄指定しているものがど れぐらいあるか。ここでは(2)の項目でございます。それから(3)の、説明を行ったにもか かわらず、患者さんが希望しなかった。なぜ希望しなかったか、その患者の数と理由につ いて聞いております。さらに(6)として意識の問題として、どのような対応が進めば、薬局 として進めてもよいと考えるか、このような意識の調査も薬局に対して聞いております。  7ページでございますが、今回は新たに保険医療機関また医師に対する意識等々につい て、この(1)から(5)の項目について現在調査をして集計中でございます。  そこで、これらを踏まえまして論点を幾つかまとめておりますが、1番目、上記第1の 2のとおり、先ほど言いましたように、実際にはレセプト上は相当程度出てきているので はないか。そういうように、銘柄を指定する形で後発医薬品が多く処方されているだろう。 それから、上の特別調査の処方側の意識の調査、その結果を踏まえてさらに議論を進めて はどうか。  また、後発医薬品の処方を実際に増やすために、処方せん様式についていろいろと御意 見があると聞いておりまして、これについてもこういう調査結果を踏まえて、11月にな ってからになると思いますが、その結果を御報告するとともに、検討していただいてはど うか。  それから3番目の点でございますが、これは先ほどから言っておりましたように、後発 医薬品の銘柄指定がございます。そうなりますと、薬局側では、銘柄処方に対して準備す るために、例えば1つの成分に対して10種類、20種類の後発医薬品がございますので、 それを全部そろえていかなければいけないのかと、それを全部の薬局がそろえるというこ とは非常にコストがかかるという問題もございまして、その後発医薬品の銘柄指定につい てどう考えるかということがございます。  その中で、この「また」以下に書いてございますが、特に流通量が極めて少ない後発医 薬品を銘柄指定をされますと、受け付ける薬局側では対応できないということが多々あり まして、それが結果的に、特定の薬局への誘導につながっているという、そういう御指摘 が幾つか出ております。そういうことも踏まえまして、それから先ほどのすべての後発医 薬品の銘柄をそろえるのかという問題も含めまして、そのコストの問題も含めて、後発医 薬品の銘柄指定の処方せんに対して、それを受け付けた薬局の薬剤師が、処方医に疑義照 会することなく、後発医薬品同士であれば、もちろん患者さんに説明をした上で同意した 場合に、後発医薬品同士で銘柄を変更していいのではないか、そのような取り扱いをして はどうかということでございます。  それから4番目でございますが、次のページになりますが、「後発医薬品への変更可」 の処方せんを受け付けた薬局で、実は、先発品もだんだん特許切れが近づいてまいります と、成分は同じなのですが、剤形を少し変えた形で発売されることがございます。この場 合に、厳密に言いますと、例えばここでは注に書いておりますが、ある成分の先発医薬品 の口腔内崩壊錠、口の中で溶けやすい、そういうお薬が指定されてきた。それに対して実 際は、成分的には後発医薬品の普通錠と、それから、先発の当然普通錠、これらはすべて 先発の普通錠との同等性が確認をされているわけでありますので、したがって、Aが来た 場合にBという薬に変えてもいいのではないかと。BはXと同じと、こう証明されている。 AはもちろんXと同等だということになりますと、BとAとは同等ではないか。したがっ て、Aの処方があったときにBに変えてもいいのではないか、それがこの4番目の論点で ございます。  それから、5番目でございますが、後発医薬品に対する患者さんの不安を和らげるため に、薬局において変更する場合に、少し分割をして出してはどうか。これは例えば、最近、 長期間投与の処方がございます。60日間、90日間というものもございますので、例え ば60日間、いきなり先発医薬品から後発医薬品に変えて渡すのはなかなか不安もあると いうこともあって、患者さんに十分説明をした上で、例えば2週間分だけとりあえず処方 して、まずこれで飲んでくださいということで、分割して調剤してはどうか。分割調剤、 いろいろな非常に長期保存がきかない薬剤等については今現在これを認めているわけです けれども、こういうようなものについて後発医薬品に新たに変更される場合について認め てはどうかというのが5番目でございます。  6番目でございますが、ここは、それぞれ意識の問題等の結果も踏まえる必要がござい ますけれども、後発医薬品の調剤が促進されるための医師側の意識、それから薬局側の意 識、このようなところを例えば保険医療養担当規則でありますとか薬剤師の薬担規則等に おいて促進するような文言をつけ加えることができないか、このあたりを検討していただ きたい。  7番目は、その他の方法はないだろかということでまとめております。  それから、参考資料の2ページ目以降に、諸外国でどのような処方せんが使われている かをつけておりますので、参考にごらんいただきたいと思います。  2ページは、イギリスの処方せんの例でございます。左側半分が日本語訳、右側が実際 の処方せんの例でございます。実は、イギリスでは後発品に変えていいとかいけないとか いう欄がございません。イギリスの場合は、一般名処方が約80%されているということ から、変える変えないではなくして、実際どの銘柄を選ぶかは調剤する薬局で決めている ということでございます。また、一般名処方の場合の償還価格は、後発医薬品の加重平均 が基本ですので、実際問題にはほとんど先発品ではなくして後発医薬品、60%以上は後 発医薬品で調剤されているという結果になっております。  3ページでございますが、これはフランスの処方せんの例でございます。ここでは、 「ZINNAT 250」という、これがメーンの薬で処方が出されております。フラン スの場合も、やはり「後発医薬品への変更可」「不可」などのチェック欄はございません。 変更不可の場合のみ、「変更不可」という文言と、それからその理由を処方医が処方せん に記載するということで、何も書いてなければ、調剤薬局側で変更をしても構わないとい うことになっております。実際この場合、「ZINNAT」という薬をこの右上に書いて あります「Cefoxime」という薬に変更して調剤したと。これは「Substitute per Cefoxime」と書いてあるのですか、これが調剤薬局側で記載されたもので、実際にこれ で処方されたということになっております。  4ページをごらんいただきたいと思います。ドイツの場合でございます。5ページが実 際のもので、4ページがドイツの日本語訳でございます。ドイツの場合は、後発医薬品へ 変更しないでくれという場合に、この「変更」という欄にチェックを入れるということで、 チェックがない場合は、当然ながら変更していい、こういうような取り扱いになっており ます。  それから6ページでございますが、アメリカは州によって若干取り扱いが異なります。 ここではニューヨーク州のものを出しております。処方せんの一番下に2つ四角の欄がご ざいますが、その真ん中のところに大きい四角がございます。もし後発医薬品へ変更しな いでくれという場合は、「記載通り調剤のこと」と、「Dispense As Written」というの が英語の方に書いてありますが、「daw」、そういうふうにこの四角の欄に書けばもと の銘柄で処方する、それ以外の場合は後発品に変えると、こういうことになっております。  それから7ページは、これは同じくアメリカのマサチューセッツ州のものでございます。 ここも基本的には後発医薬品へ変えるという原則の下、「変更不可」と、もし処方せんが、 実際にはそう記載すれば変えられないわけですが、もし書いてなければ、ここでは、英語 で言いますと、「Interchange is mandated」と、要するに、変更しなければいけないと いうことが調剤薬局側に義務づけられているという、このような処方せんの例でございま す。  このように、諸外国でも、さまざまな後発医薬品の使用促進のために処方せん様式等に ついて工夫がされている。このあたり、今回あるいは次回、また詳しく議論をしていただ ければと思います。  説明は、以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  経済課長の方からアクションプログラム、それから医療課長の方からは最近の状況を踏 まえて論点等々が示されておりますが、この説明につきまして御質問あるいは御意見あり ましたら。 ○鈴木委員  質問ですか、論点ではなくて。 ○土田小委員長  どちらでも結構です。 ○鈴木委員  論点に関して、もう時間もあれでしょうから、率直にお話しさせていただきますと、や はり銘柄指定と一般名とは大きな違いがあるというふうに考えております。現在、鋭意、 後発医薬品に対するアンケート調査が取りまとめられつつありますので、次回提示できる と思いますけれども、銘柄を指定する形で後発医薬品が多く処方されているということは、 中間報告を見てもうなずけるところがございます。しかしながら、処方せん様式というも のを変えるということに関しましては、そのアンケートにも回答を求めておりますので、 もう少し明白な形で現場の意向というものが提示できると考えておりますが、原則、処方 せん様式の変更というのは、そうたびたびやられたのでは現場も混乱いたしますので、現 在では賛成はいたしかねます。  また、3番でございますけれども、こういうふうに、誘導で流通量の極めて少ない銘柄 を使うというようなやり方は、このもっと別な方式で工夫をしていただきたいと考えます。 処方医に疑義照会することなく薬が変更されるということは、処方権の侵害でありますし、 このアクションプログラムの概要を見ていただいても、安定供給に関しまして、在庫の確 保が品切れ品目ゼロということになるまでは、21年、まだ2年先の話でありまして、そ れを今から都合よくやれというのは迷惑な話であります。  また、品質確保にいたしましても、ロットごとに製品試験を実施したと、今年初めて始 まったばかりのものが、まだ後発医薬品でロット番号が変わると品質の確認がされていな いような薬を、今度は一般名だけで、右から左、AからBへ、先ほど4番も同じことであ りますけれども、この問題に関しては反対をさせていただきます。  分割調剤に関しましては、これは、患者さんが不安を解消できるというようなことです から、結構なことだと思います。しかしながら、それを評価することによって非常に不必 要な分割投与がチェーン薬局等で行われるというような危惧がございますので、その点は 十分考慮した対応をしていただきたいと考えます。  6番、7番に関しましては、コメントはございません。皆様の意見を伺いながら、また 考えさせていただきます。 ○土田小委員長  ありがとうございました。ただいま鈴木委員の方からは、その処方せんの様式の変更に ついては反対ということと、それから3番、4番についても基本的には反対であると、5 番については、もう少し慎重に検討してから決めるべきである、そういう 御意見だったと思います。  この問題につきましてはいかがでしょうか。 ○対馬委員  今、鈴木委員からお話があったのですが、処方せん様式については調査結果を踏まえた 上でということで、また次回以降議論していけばいいと思うのです。ただ、やはり今日の 各国の状況を見ますと、イギリスの場合は一般名ですし、フランス、ドイツは変更不可の 場合のみ、アメリカは州ごとに随分違うようですけれども、今日の資料によりますと、変 更不可の場合のみということですから、全体の方向としては、日本だけがその逆というこ とはあまり理屈が立たないし、患者さん、国民に対しても説明が難しいのではないかと思 います。  それから、論点の3についても、調査結果を踏まえてということですから、そのときに よく議論したいと思いますけれども、全体的には後発医薬品の使用促進で、そのためには 何ができるのか。よほどの問題が生じない限り、その方向なのだと思います。  それから、8ページ目の6ですけれども、療担規則や薬担規則についても、課長から一 応努力義務をうたってはどうかという口頭での説明がございました。それによって一気に 状況が変化するということではないかもしれませんが、やはり現状よりは一歩でも二歩で も前に進むということであれば、そういう方向で議論して、結論を出していくべきではな いかと思います。 ○竹嶋委員  今の対馬委員の御意見に対してですが、今、初めて私もこの場で諸外国状況についての 説明をお聞きしたのですが、御承知のように、ほかの諸外国は、もう歴史が多少あります。 恐らくその最初の、私たちの今の日本のようにこれに取りかかったとき、そのときの状況 がどうであったのか、そのあたりまで国民の皆さんがどういうお考えを持っていたのか、 あるいは医療関係者がどういう考えを持っていたのか、あるいは国がどういうふうに持っ ていったのかというところまで、やはり私は確かめる必要があると思います。ですから、 安易に、諸外国がこうである、だからわが国でもこうだということはいかがかということ をまず申し上げたいと思います。  それから、日本医師会の方でも、私ども先般ここで会員アンケート資料を一回出しまし た。ただ、これはたしかここでおしかりを受けたように、少しデータが甘いのではないか と。早速私ども9月に綿密な調査を再度やりまして、10月にそのまとめに入っておりま す。11月には出せると思うのですが、医療関係者に出した私どものアンケートの中で、 使用感、これは大変なあいまいな表現です、わかり切っています。要するに、医師が使う ときにそのお薬の使用感、私も実際に使っておりますが、例えば錠剤でも大きいより小さ い方がよいというのがありますね、それから飲んで、後味の感じ、それからそれが何時間 ぐらいして効いてきたなというような感じですね、そういう使用感は、これは医師も、患 者さんにその次に来たらどうでしたかと必ず聞きますが、患者さんの方がそれを一応感じ ているわけです。  今日、武田課長からアクションプログラムのお話が冒頭にありました。私もそのとおり だと思います。患者さんと医療関係者が安心して安全だということを確認できて使える、 そういうアクションプログラムをつくるということでございまして、その中で今日、その 後、原課長からまた御説明がありましたけれども、今回の調査の中で、これは私は聞き漏 らしたかもしれませんが、患者さんに対して、後発医薬品を使ってどうだったとか、ある いはそれに対してどうお考えかというふうなことが、正式にというか、きちっとなされた かどうか、これは対馬委員への反論と別に、これはこちらの方に、厚労省にお尋ねしたい と思います。安心と安全ということを私どもは言い続けてまいりましたけれども、医薬品 であるという観点から、日本は慎重にいってもおかしくないというふうに私は考えますの で、意見申し上げます。 ○土田小委員長  ありがとうございました。  今竹嶋委員の方から1つ確認の話がありましたが、患者に対する項目について。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。  今の19年度の調査におきましては、患者調査をどうするかという議論も実はあったの ですけれども、最終的には、今回は、保険薬局と医師、保険医療機関の調査だけというこ とにさせていただいております。ただ、実際に、たしか薬局の方の調査項目で、特に患者 さんの意識といいますか、患者さんの意識でこのような、結局例えば後発医薬品について の説明を行ったけれども、希望しないという患者さんはどういう理由なのかと。そういう ことについては、薬局の方の薬剤師さんにそのような設問をして、患者さんの意識をそう いう経緯で、間接的でありますけれども、そのような設問はつくっております。 ○竹嶋委員  私が感じていたとおりだと思うのですが、実際使われるのは患者さんなのですね。その 患者さんが、御自身でそういうどうだという意見を出していなくて、一方的に、厚労省も そうでしょう、我々もこういうところで議論をしていって誘導していく、こういう方法は いかがかなと、まず基本的にそういうことを私は考えます。だからこそ慎重に我々は議論 していかなければいけない。ぜひそれをやっていただきたい。難しい問題ではないのです よ。診療所とか病院に窓口でしてもらってもいいし、薬局でしてもらってもいいですね、 患者さんに、そんな難しいものではないし、これが基本だと思うのですが、いかがでしょ うか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今私が申し上げたのは、今回の検証の中で患者調査をやるかどうかという問題でござい まして、そのほか、例えば公正取引委員会など、実はいろいろなところで患者さんのそう いった調査もされておりますので、そういったものを私どもの方で調べて御提供すること は可能かと思います。 ○竹嶋委員  ぜひ次回出していただきたいと思います。要望します。 ○土田小委員長  今の話は基本的にはこの論点の1番、2番で、処方医の意識あるいは患者の意識あるい は今回行っている調査結果を待って議論しましょうという枠の中ですから、それを待って 行うということには、結論としてはなるのですが、ただ一応今の竹嶋委員の話は承ってお きます。 ○事務局(原医療課長)  これは全体としてはどう進めるかという議論と、実際に変更するのかどうかというとこ ろはまた違うと思います。実際に変更する場合には必ず患者の同意を得て変更することに なっているので、患者さんの意向に反して、例えば先発銘柄を後発品に変えるということ は起こり得ないというように考えております。 ○山本委員  私も、1番、2番につきましては、今後調査の結果が出てからという議論ですので、そ の議論に任せたいと思いますが、3番以降につきましては医薬品にかかわる部分で、私ど も薬局があちらこちらに出てまいりまして、今幾つか御指摘をいただきましたので、反論 というか、言い訳というか、少しさせていただきたいのは、基本的には、私ども今までも、 「後発医薬品への変更可」という処方せんをちょうだいしたときには、変更につきまして は、処方医に御相談した上で、患者さんの同意を得て後発品同士の中で変更するというス タイルをとっています。そのことで、これまで大きな問題が起きていないというふうに理 解をしておりまして、私どもアクションプランにもありますけれども、品質も含めた物の 見極め方というのが薬剤師の仕事だと思っておりますので、先生方がお書きになる処方せ んと、その治療効果あるいは目的について、著しく外れるような医薬品を選んでいるつも りはございません。それは自信を持ってお勧めできるという気がしています。 その中で、 先ほどの3の論点で申し上げれば、あたかも誘導するのではないかという御懸念を呈され ているわけですが、確かにそうしたクレームが、何もないとは申しませんが、むしろその ことよりも、医薬品として日本にあるものが十分に供給されない体制が放置されているこ とが問題なのであって、むしろメーカーとしてはきちんと供給する責任があるわけですか ら、そうしたものをどんなものであってもまず供給するべきだと、それがまず第一点であ って、その後に、なおまだそうしたことが起こるのであれば、またそれは問題であります けれども、この中でそのことをもって後発品がいけないという言い方はなかなか難しかろ うという気がいたします。  その中で、私ども患者さんの同意を得て変更していくということですので、そのあたり、 御信頼いただきたいのと、4番、5番で申し上げれば、いわゆる剤形の変わったものはど うかという御指摘もあって、私どもとしては、いわゆる後発品を使うことについて積極的 に協力していこうという姿勢からしますと、これだけの医薬品をそろえることにつきまし て大変な負担もかかりますので、その中でどれが変更可能なのかという論点も含めて言え ば、例えば先生方が御指示いただいた剤形を含めて考えれば、口腔内崩壊錠が例に出てお りましたけれども、そのことを、患者さんの状況を無視をして、手元に持っているものを 出すというようなことは当然するべきではありませんし、それは医療上極めて問題であり ますので、そうしたことは当然患者の状況なり、あるいは状態なり等を踏まえた上で、か つ患者さんの状態を伺ってからお出ししているというふうに考えております。  一方、先ほど竹嶋先生から使用感という問題がございましたが、この部分は、調査はも ちろん私ども待ちたいと思うのでありますが、日々窓口におりますと、味がという、ある いは張りが、つきぐあいがという話をたびたび聞きますので、そうしたときには、むしろ、 もとに戻すなり、あるいは従来お使い慣れたところに戻すなりというようなことをしてお りますので、やみくもに後発品を使うのだという、あるいはあるもので使ってしまうのだ という姿勢を持っておりませんし、まさにこれからアクションプランで各メーカーさん、 後発メーカーさんが情報提供をする、かなり早い時間で情報提供していただけるというこ とになれば、そのことが我々の判断基準になりますので、むしろそうしたアクションプラ ンを進める中で私ども対応していきたい。  もう1点は、後発品を使った場合に、言ってみればお試し的に少し使ってみる分割調剤 はどうだと。確かに御指摘のように、悪いやつが出るのではないかと。これはどんな制度 をつくりましても悪いやつは出てくるのですが、少なくともこの問題につきましては、新 しく使うのではなしに、今まで使っていた薬を他のものに変えるわけでありますから、そ こで起きる不安感というのは、当然薬剤師の方にもございますし、処方する先生の方にも ございましょうし、患者さんにもあるわけですから、そこはあえて自分たちのためではな しに、後発品を使うことのよさを患者さんに理解していただく、そういう意味からすれば、 やみくもに分割をして、評価があるから、その分を稼いでしまおうという薬剤師がいると いうことは私どもあまり考えにくうございますので、そのあたりも含めて、医薬品はきち んと品質を選んで提供できるということでありますので、誤解といいましょうか、ぜひ私 どもが今していること、現に行われていることについて御理解いただきたいと存じます。 ○土田小委員長  今回の後発品の使用促進につきましては、薬局あるいは薬剤師というものが非常に重要 な役割を担うことになるわけですが、ただいまの山本委員の話は、一応そういう点では非 常に参考になるというふうに受けとめております。 ○西澤委員  1つ質問ですけれども、8ページ目の4番ですが、崩壊錠ですが、現在「後発医薬品へ の変更可」という場合には、その先発品に対して後発品がある場合に限るチェックなので すけれども、この崩壊錠が先発品にあった場合に、後発品は崩壊錠の後発品がある場合で ないとチェックできないのか、普通錠でもチェックできるのか、ちょっと教えていただき たいと思います。 ○事務局(原医療課長)  当然、剤形も同じものがなければ原則いけないということです。だから、それを今回、 特に口腔内崩壊錠が必要のない場合は、成分的には同じ普通錠に変えてもいいのではない かというのを論点に書かせていただいた。現実はその剤形は同じものでないといけない。 後発品に変えていいよという場合は、その剤形も同じものが存在しないとだめだというこ とです。 ○西澤委員  ということは、現在は私たちは崩壊錠で後発品がない場合にはチェックしないわけです よね。 ○事務局(原医療課長)  そうです。 ○西澤委員  だから、そういうときもチェックしたということは、当然、崩壊錠ではなくてもいいと いう意味でチェックすることになると思うのです。そういうことになりますよね。 ○事務局(原医療課長)  それは後発医薬品には、当然先発医薬品がありますので、先発医薬品の何の後発医薬品 かというときに、その口腔内崩壊錠だったら、やはり口腔内崩壊錠としての後発品という のがあるわけです。だから、それは間違ってチェックされる場合もあるでしょうし、変え ていいよという意味にとれるとは必ずしも言えないと思います。だから、そういう意味で 厳密に言うと、口腔内崩壊錠と書いてあって、後発の崩壊錠はないけれどもチェックして あった場合は、変更できないというのが取り扱いになると思いま す。 ○西澤委員  私たちは、やはり剤形というのは、山本委員が言ったように非常に大事なので、普通錠 と崩壊錠があったときに、我々が出すときには、必ず説明して、一回変えてみて、どちら が飲みやすいかということを聞きながら出しているということで、やはり崩壊錠と出した 場合、それは意味があって出している。ですから、それを普通錠にするということは、現 在の状況においては、ちょっと私たちとしては受けづらいなという気がしております。 ○土田小委員長  わかりました。意見として承っておきたいと思います。 ○松浦委員  今、患者さんがどういう感覚を持っているかということを調査するということですけれ ども、患者さんは、医療そのものに対する情報というものが、我々がここで議論している のと全然違うと思うのです。そうすると、患者さんが例えば味がこっちの方がいいからこ っちの高いのにしてくれとか、こういうよう程度のことで希望するときには、それはやは り私は説得することも一つは大事なのではないかと思います。意見として申し上げておき ます。 ○土田小委員長  意見として承っておきます。 ○丸山委員  論点の3番についてはもう少し専門的に議論してもらった方がいいと思うのです。処方 せんの問題ですけれども、今いろいろおっしゃいましたけれども、私も今まで何回かこの 中医協の場で、後発医薬品に関するバリアが非常に高いではないかという発言をしてきた と思うのですが、これは私自身が自分の経験で言っても、30%負担が自分にかかってく ることになって、医薬品はこんなに高いものだったのかという実感を自分で経験している わけです。安全で安心できて安価な薬があるとしたら、当然患者はそれを求めるというの は、これは自然な成り行きです。したがって、そういうものがあるとしたら、バリアは極 力低くしてほしいと思っていたのですが、いろいろお医者さんの立場でいろいろな意見を 言われて、やや不安な向きもないわけではないのが正直なところなのです。しかし今日武 田課長の御説明で、「安心使用促進アクションプログラム」が出されてきた。これがよう やく出てきたのかという感じが実はするわけで、本当はもっと早くこういう行動を起こす ことがジェネリックの普及になるのだと思うのですが、ようやく出てきた。ようやく本腰 を入れてきたのだということだと思うのです。このアクションプログラムが円滑に実施さ れていくことを担保にしても、まだ実際の処方せんの段階で物すごいバリアがある。要す るに、後発品に変更することにドクターの署名が必要とされている。むしろこれだけやる のならば、先発品でなければだめ、後発品を使用してはいけないということの方に署名が 必要というのが当然の、論理的な結論ではなかろうかと思うのです。  だから、諸外国がこうだからああだからという、グローバルスタンダードばかり言うの ではないのですが、さらに慎重にと言われるが、慎重にこしたことはないのだけれども、 それを言うと、論理的に合致しなくなると思います。もう処方せんの方式は変えるべきで ある、もっと門戸を開く方向で変えるべきであるという、私の意見を申し上げておきたい と思います。 ○土田小委員長  わかりました。大分1号側と2号側の意見が違っていることが明確になったと思います。 ただ、今日は時間が制限されておりますので、全般についてはちょっと論じ切れませんし、 また改めてもちろん取り上げますが、今日とりあえずこの3番、4番の議論を進めたいと 思います。先ほど鈴木委員が処方権を侵害するのではないかというような発言もありまし たが、これにつきまして、前田先生に振ってよろしいですか、法律の専門家として。もし、 まだ明確でなければ明確でないでもちろん結構でございますが。 ○前田委員  やはり法的に処方権を侵害するというようなことというのは、そんな明確にはいかない と思うのですが、伺っていて、やはり経営上の問題も含めて、これまでやってこられた医 療の側が守ろうとしている患者の利益、それが害されるかどうかということと、その値段 を下げることとのバランスをとるということで、処方権が侵害されるからすぱっとだめだ と、あまりかたくなに医療の側もおっしゃることではないのだと思うのです。  ただ逆に、竹嶋先生なんかがおっしゃることもよくわかりますし、そのバランスで、で すから、このアクションプログラムができて、その中で、だから、挙証責任がひっくり返 って、今度は移してはだめだよというチェックに変えなければいけないという方向に少し 動くというのはあるのですけれども、なおやはり医療側としてはこういう不安があるし、 使い勝手も微妙だしということで、やはり折り合いをつけながらバランスをとっていくと。 その中でやはり処方権というのは、医師の側でそういうふうなものを使っていくときに、 医療の観点のことは医師に任せていろいろなことを決定する権限があるということを象徴 しているのだと思うのですが、だから、あらゆることについてのオールマイティーの切り 札になるというような議論ではないという感じはいたします。ただ、こういう形で今度調 査結果が出てきて、そのバランスの上でどこまで進めるかというところで、ただ、やはり 現場の側としては、患者の安全という観点で強く発言していただくということは非常にい いことだと思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。大変参考になりました。 ○鈴木委員  この3番に関してお話をいたしますと、「処方医に疑義照会することなく」というとこ ろが一番問題なのでありまして、一般名で書いてあればこの必要もないはずでございます ので、銘柄指定をして処方を切ったのにもかかわらず、この疑義照会なくして、ほかの成 分が同じとしてほかの薬が充てられるということの結果責任は一体どこにあるのだという ような話になりますので、疑義照会することなく変更するというところが一番の問題であ ります。 ○土田小委員長  今の問題につきましていかがでしょうか。これは恐らく一番重要なポイントと思います が、今すぐ答えるというのは難しいとすれば、次回、またこの点は検討したいと思います。 それにつきまして、医療課長、どうぞ。 ○事務局(原医療課長)  まさしくそこがポイントなので、疑義照会をして変更するのは今でもやっているわけで すね、ただ、品ぞろえが、実際にはこういう薬がないので、うちにそろえているこれでい いですかというのを確認してやっている。そのときの医師側の反応は、こだわらない人が ほとんどで、一々聞いてくれるなという返答が多いというふうに聞いてはおりますが、だ から、要するに、やはり後発品のこれでしかいけないというよりは、多分処方する側もそ れほど信念を持っていらっしゃる人は少ない。一部ちょっといろいろあるかもわかりませ んが。そういう意味では、例えば先発品を変えて後発品は何でもいいよというのは今の多 くの状況ですけれども、後発品を変えたとしても、では、なかったらそっちでもいいよと いう意識が多分多くの一般的なところではないかと。そのときに、先ほど言いましたよう に、一々照会されるというのが非常にわずらわしいというような話も聞いております。  そういう意味で、疑義照会をして変更することは現在でもやっているわけなのですが、 ここの論点は、後発品同士であれば、例えば今でも、だから先発品が書いてあって後発品 可という場合に、どれを選ぶかはすべて薬局側と患者さんに任されているわけですので、 そういう状況がある中で銘柄を書いてあったとしても、薬局側と患者さんで変えてもいい のではないか。もしそれが絶対嫌なら、例えば今でも先発品、この先発品は絶対変えては だめだと、ほかの先発品は変えていいよという場合には、変更可の欄にチェックをした上 で、変えてはいけないところには、これは「変更不可」と書いていただいています。そう すると、この薬剤そのものは変わらない。それと同じように、この後発品は絶対変えては 嫌だという場合には、「変更可」と書いてもだめですよという記載をしてもらえば、その 後発品が調剤されるという形になりますので、そこは、その書く手間が面倒だというのか、 あるいは原則的には変えていいけれども、変えてくださいというのか、あるいは絶対一々 相談しないと変えてはいけないというのかと、その違いであろうと考えております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○竹嶋委員  極めて大事な問題、そこが大事な問題だと意見は一致しているのですけれども、問い合 わせが来たら一々聞いてくれるなという話がある。私はこういう席で、その話が、これは 本当にどの程度の信憑性があって言っておられるのでしょうか。まさに医師不信を醸すと いうことにもつながる問題です。僕らが一所懸命申し上げているのは、我々サイドの問題 ではなくて、本当に患者さんの問題なのです。医師が処方した場合に、調剤薬局でそれを 違うのに変え、そのときに何か起こったとすると、その責任もどうなるのだと、じんま疹 が出た、どうしたのこうしたのとなってきたときに。そういうことまでも含めて、我々は、 慎重にというのはそういう意味なのです。財源はこれしかない、だから、これでこういき ましょう、と言っているので、これは中医協の問題ではないのだけれども、もっと違う視 点も当てながら進めていかなければいけないのではないでしょうか。そう考えたときに、 原課長の今のお話は、どうも受け入れられませんね、これは許しがたい。 ○土田小委員長  まだ議題が残っておりますので、この後発品の問題としては一応ここで打ち切りたいと 思いますが、ただ、今日の話を聞いていて、あるいは特に山本委員の話を聞きまして、そ れで確かに1号側と2号側といいますか、あるいは診療側とこちら、大分意見が食い違っ ておりますが、ただ、やり方としては、かなりフレキシブルに、柔軟な対応の道というも のは当然あり得るなと、そういうことはある程度見えてきたような感じがいたします。で すから、方向としてはもちろん後発品の使用促進という方向を目指しますが、それができ るだけフレキシブルな形で対応できるような、そういう仕組みというものを考えていきた いというように思っております。  この使用状況等につきましては、改定結果の検証作業が現在進められておりまして、そ れが出た段階で、もう一度この問題を取り上げて、具体的な制度設計に入っていきたいと 思います。  事務局におきましては、今日の議論を踏まえて、論点の整理をもう一度お願いしたいと 思います。よろしいでしょうか。  それでは、次の議題に移りたいと思いますが、よろしいですか。次は、「患者の視点」 を議題として取り上げたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、最初に説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  中医協の診−2−1の資料をごらんいただきたいと思います。あわせて診−2−2、参 考資料をつけておりますので、横に置いて適宜参照をお願いいたします。  今回、「患者の視点の重視について(明細書等)」でございますが、この「明細書等」 の「等」の話は、実は、掲示事項の話であります。患者さんにいろいろな情報を提供する という意味で、1つは、医療費の内容のわかる明細書、それからもう1つは、前に議論が ありました、明細書を発行していても、していますという情報がわからなければ求められ ないという話もあったので、それを掲示事項にしてはどうかという、この2つの大きな問 題をここでは出しております。  まず、「第1 明細書等の現状」でございますけれども、これは、平成18年度、前回 改定において、「患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を 実現する視点」という中で書かれておりまして、いわゆる療担規則の中で領収証の発行を 義務化するということ、それから、いわゆる明細書に相当するものの発行についての努力 義務というものが私どもの局長通知で書かせていただいたところでございます。  実際に、明細書がどのように発行されているかにつきましては、18年度の結果検証部 会の特別調査で既に報告をしたところでございますが、それにつきましては、参考資料の 1ページ目以下、2ページ、3ページにわたって書いております。その中では、一番大き な結果としては、55%が発行していると回答があったということでございました。  それから、あと関係する事項として、掲示事項についてここでは現状を述べております が、今現在院内に掲示する事項として、医療機関、薬局等で、例えばいろいろな施設基準 でありますとか、入院基本料の区分でありますとか、そういうことを院内の見やすい場所 に掲示してくださいということを書いております。これは参考資料の5ページにございま すが、その項目は、もちろん1つの医療機関が全部該当していれば全部書くわけですけれ ども、該当していなければ当然書きませんけれども、一応書くべき項目としては、これは 数えますと300項目ほどございます。それのうち、該当しているのがどれかということ を実際に書いていただく、掲示していただくということで、7ページに、これはある病院 の掲示板でございますけれども、例えば施設基準で、このような施設基準をとっておりま すということで、ずらずらずらと、ここでは2枚にわたって書いてございます。このよう な事項が提示事項でございます。  そこで、実は明細書の発行について論点で述べているのですが、その際ちょっと、現在 その明細書について発行するかどうかのところの参考になるのが、いわゆるIT化のとこ ろに関連して、実はその明細書の問題が出てきております。そこで、本体の3ページ目、 「参考」というところがございます。少し話がそれますが、IT化の話を少し触れさせて いただきます。「第1 医療サービスの質の向上のためのIT化の推進」ということで、 参考資料の8ページの方に、「規制改革推進のための3か年計画」、これは19年6月の 閣議決定でありますが、この中で、電子レセプトによるオンライン請求推進ということで、 平成20年度から順次義務化をして、平成23年度当初から原則完全オンライン化をする ということが閣議で決められ、それに向けて環境条件等をそろえているわけでございます。  参考資料の9ページをご覧下さい。これはタイムスケジュールでございまして、医科に 関しましては上の方に書いてございまして、まず400床以上の病院を対象にしていきま しょう。400床以上の病院でも、特にレセ電有、これはレセプトコンピュータでいわゆ るレセプト電子請求を既に行っている病院、あるいは400床以上の病院で、いわゆるレ セプトコンピュータで、レセプト文字データ変換ソフトの適用が可能である場合、これは いわゆるオンライン請求に準じた形の情報が出せるという状況のところですが、これにつ きましては、20年度からオンライン請求を義務化する。それから、400床以上であっ ても、そういう対応ができていないところとか、あるいは400床未満でも既にそういう 請求に対応ができるようなところについては、21年4月から義務化、それから、その他 のところで、それぞれいろいろな条件が書いてありますが、こういうようなところについ ては原則23年からということになります。ほとんど患者さんが来られないようなところ もございますので、そういうところは、23年以降の範囲内で別に定める日まで猶予は残 していくということになっております。ですから、23年までにいわゆるオンライン請求 はできるのですが、それをできるだけ前倒しして進めようということで、このIT化の促 進のための点数ということで、本体の4ページでございますが、電子化加算というものが 評価されております。  電子化加算につきましては、必須要件と選択要件に分かれておりまして、(1)の必須 要件の方は、ア、イ、ウの3つの条件すべてを満たさなければいけない。それから(2) の選択要件の方は、どれか1つでも満たせばいいということで、この中の、(2)のウの ところに、例えば、「患者から求めがあった時に、算定した診療報酬の区分・項目の名称 及びその点数又は金額を記載した詳細な明細書を交付する体制を整えていること。」。で すから、この条件でIT化加算をとっているところは明細書を出していただいているはず でございます。こういうようなところにこの要件が出てきております。  ただ、前回ここの議論の中で総会でも議論になりましたけれども、明細書は出している けれども、特に出していますという掲示がなされていないので患者がわからないのではな いか、そういうような議論があったというふうに記憶をしております。  そこで、本体の本来に戻りますと、ここもちょっとややこしいのですけれども、2ペー ジを先にごらんいただいた方がいいかもわかりません。論点の2でございますが、「一定 の条件を満たした400床以上の病床を有する医療機関」、ここは先ほど言いました平成 20年4月からオンライン請求が義務化される病院でございます。ここについては、そう いうオンライン請求ができるという基盤は、逆に言うと、明細書を発行する基盤でもあっ て、明細書を随時発行できると考えられます。このため、このような医療機関については、 明細書を発行する基盤があるということで、「実費徴収を認めつつ、明細書の発行を希望 する患者に対して明細書の発行を義務付けてはどうか。」ということでございます。この 明細書の発行とともに、そういう場合には、掲示といいますか、患者さんにわかりやすく お知らせをしてほしいということは、当然ながらついてくるわけであります。  1ページに戻っていただきまして、400床未満の病院等々、こういうところについて は、レセプトオンライン請求が義務化はされないわけでありますけれども、とはいえ、そ れを促進するというIT化の加算点数を設けておりますので、そういう医療機関で今言っ たような(2)のウの条件、明細書を発行しますよというような選択要件の下でIT化の 加算を請求される医療機関については、その明細書発行とともに、その発行をしている旨 の掲示を義務づけてはどうかということでございます。  これが今回、その明細書のところでの論点でありまして、いずれこのIT化の加算につ きましては、IT化の促進という意味でつけておりますので、全部が義務化されますと当 然ながら促進費は要らないということになってきますので、そのあたり、徐々に、恐らく 多くの400床以上の病院がこの義務化される体制になりますので、そういうところでは、 当面実費は徴収しつつも、患者の求めに応じて明細書を発行していただいてはどうか、こ れが(2)でございます。  以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  この問題について議論をしていただきますが、その前にちょっと一言申し上げておきま すが、本件に関連して、1号側の小島委員より、連合で行いました調査について資料が提 出されておりますことを一応申し添えたいと思います。  それでは、ただいまの医療課長の説明つきまして御意見、御質問などございましたら、 どうぞお願いします。 ○小島委員  今御紹介いただきましたけれども、連合で年明けから、この領収書が義務づけられた昨 年10月以降、医療機関にかかられた方に対する調査を行いました。それの結果について 今日は配付させていただいております。これらについて内容を少し御紹介しながら、今回 の明細書等についての論点に示されたことについて少し意見を述べたいと思います。  まず、私どもの調査の内容ですけれども、1ページ目です。年明けのところ、連合のホ ームページ(インターネット)を通じての調査をしたところです。数的には343件とい うことで少し少ないのですけれども、これで全国的なところをすべてこの傾向だというこ とは言えないと思いますけれども、一定の傾向は出てきているのではないかと思いますの で、今後の審議の参考にぜひしていただきたいと思っております。  今回の調査は、大きく言えば3つほど設問を立てております。1つ目はそこの(1)に ありますけれども、まず、今回の領収書の発行の義務づけられたことを知っているかどう かということについてですけれども、5割の方が知らなかったと答えておりますので、こ れについては、まずは、領収書の発行が義務づけされたということの周知徹底が必要では ないかと思っております。  それから、2つ目の(2)ですけれども、では、実際、医療機関にかかって領収書をも らったときに、どういう種類の内容の領収書を受け取っているかということについての調 査であります。表の左側の全体のところを見ていただきますと、上から、個別単価までわ かる明細書発行、これは無償、それから有償を含めて13%ぐらいの患者さんが明細書を いただいているということです。その下の3つ目が、義務づけられた領収書、これが6 5%を超えるという内容になっています。問題は、その下でありまして、引き続き、合計 のみの領収書しか受け取っていないという人が14%、そして領収書をくれなかったと言 う方が7%近いということで、いわばこの2割近い人が、今の療担規則違反の状態になっ ているという、そういう結果になっていますので、これがすべてこういう状況だとは思い ませんけれども、やはり今回の連合のインターネット調査ではこういう結果が出ています ので、ここは検証部会で、義務づけられた領収書については、おおむね発行されている、 遵守されているという評価になっておりますけれども、必ずしも連合の調査とは違う結果 になっています。まずここは義務づけられたことのまさに徹底ということが必要だと思い ますので、2号側、医療提供側の皆さんも、その旨ぜひ努力をお願いしたいと思っており ます。  それから3つ目、下の(3)のところですけれども、明細書を発行している医療機関の 院内掲示についての調査も行っております。それで、院内掲示があったというふうに確認 した人は全体で15%ということになっております。そして、掲示がないというふうに答 えた人が3割近くおります。「分らない・気づかない」という人が6割近くいるのですけ れども、「分らない・気づかない」と答えた人の中には、掲示はされていたけれども、そ れに気がつかなかったという人もいるのだろうと思いますけれども、いわば「掲示無し」 「分らない・気づかない」と答えている人が85%ほどおりますので、これは検証部会の 特別調査でも言っているように、75%ぐらい掲示されていないということと、そこは同 じような傾向が出ていると思いますので、これも、今回の論点に出ているような、まずは 掲示の義務づけというのが必要ではないかと思っております。  あと、3ページ以降については、各自由記入欄ということで、アンケートに答えた方の 主な意見を拾っております。今回の義務づけについては、当然、あるいは評価していると いう意見も多く出されておりますけれども、その3ページの後段の方の表に出ている意見 は、領収書あるいは明細書をもらったけれども中身がよくわからないというようなことが 記載をされている。特に医学管理料について、そういう項目があるけれども、これはどう いうことかよくわからないというようなことにもなっておりますので、患者の視点の重視 という観点からしますと、やはり、領収書あるいは明細書だけではなくて、診療内容の、 特に医学管理料等についてのもっとわかりやすいような説明とか、そういうものが必要に なってくるのではないかと思っております。  それと、先ほどの後発品の関係ですけれども、この5ページの最後の表の下に93番と いう意見が出ていますが、その中には、この方が通っている総合病院にはジェネリック医 薬品が全くないのが不満だという意見が出ています。患者の側からは、やはり後発品の使 用促進というのを望んでいるというふうに考えられる。私たちの組合の中にも、もっと後 発品を促進すべきではないかという意見も多くて、やはり今、患者窓口3割自己負担とい うのは、それはやはり多く影響していることだろうと思います。  ということで、この結果を踏まえながら、ぜひ今回出されている論点は進めていただき たいと思っております。  その観点で、2ページの2つ目の論点ですけれども、明細書のオンライン請求に合わせ て義務づけをしていくということについては、ぜひここは進めていただきたいと思ってお ります。これは従来から、今でも明細書の発行については義務づけ、特にIT加算をとっ ているところについては義務づけをすべきではないかと思っておりますけれども、今回の ような、現実的には段階的な実施にしていくということが必要だろうと思います。  それと、この中には「実費徴収を認めつつ」という表現になっておりますけれども、私 どものアンケートの中には、明細書を発行されているところで、病院ではすべて無償で発 行しているということであります。診療所でも若干有償発行はありますけれども、ほとん どは無償で明細書を発行しているという、それが現実だと思いますので、実質的には無償 で明細書の発行ができるような仕組み、いわば明細書つき領収書という形で無償で発行す るという方向での対応が必要ではないかということであります。  ちょっと長くなりましたけれども、以上であります。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  これは言わなくても当然だと思いますが、ここはジェネリック医薬品ではありませんの で、そこは一応除いた議論をお願いしたいと思います。  それで、先ほど医療課長の方から話がありましたのは、400床以上については実費を 徴収するということを前提として発行を義務づけるということですが、これはあくまでも 患者が希望した場合という枠ですので、ですから、領収書に全部添付するということでは ないことを一応断っておきたいと思います。  それから1の方は、400床未満のところについては、現在行っているような努力義務 としてそれを課して、それで掲示を行うという、そういう説明でございます。  これにつきまして。 ○鈴木委員  だが、義務化というのはどうしてもやはり抵抗がございます。現状どおりで、患者さん の要求に従ってお渡しするということが円滑に回るようなことの努力ということでいかが かと思います。 ○土田小委員長  これは鈴木委員は勘違いされていないと思いますが、これは患者の方が求めた場合に発 行を義務づけるということですよね。 ○鈴木委員  発行するのは当たり前だと思います。 ○土田小委員長  当たり前であれば、義務化ということと同じだというふうに解釈できるのですが、それ が努力義務として当たり前だという場合と、義務化して当たり前だと、どこが違うのです か。 ○鈴木委員  義務化すれば、しなければいけないということになりますよね。 ○土田小委員長  そうです。 ○鈴木委員  でも、当たり前ということは、それは当然そのものに対して、例えば領収証なんかの話 であれば、ちょうだいした金額をきちんと証明するというのでしょうか、それは当たり前 の話だと思います。  今、カルテ開示ですとかレセプト開示もされているわけで、その上で、明細書まで毎回 毎回細かいところが必要だというところを、2年前に随分議論されたのかもしれませんけ れども、もう少し患者サイドに立って、こういうことなので要るのだということをちょっ と教えていただきたいのです。 ○小島委員  では、いいですか。 ○土田小委員長  手短にお願いします。 ○小島委員  このアンケートの中にも、例えば3ページの下の表の欄に幾つか出ているのですが、も っと詳しい領収書といいますか、明細書が必要だという御意見が幾つかあります。例えば 23番、あるいは24番、25番というようなところについては、いろいろ項目が入って いると。例えば23番で言えば、「診察・投薬・注射・処置・検査・画像診断・その他」 とありますが、「その他」とは何だということとか、それから25番で言いますと、「検 査」、「医学管理料等」の項目があるけれども、何を検査したのか、あるいは「医学管理 料」という、その中身はよくわからないといったようなことから、より中身のわかる明細 が必要だというのが患者側からの要望としては当然出てきておりますので、まずそういう ことが必要ではないかということと、それとやはり患者自身も、自分が受けた診療行為が どういう行為を行ったか、あるいは薬はどういう薬を投与されたのかということと、それ を通じて、やはり自分のそれに対する値段がつきますので、点数がついておりますので、 その一つ一つの処置あるいは薬の値段が一応それでわかるということなので、本当にそれ でいいのかどうかということで、いわばこれは医療全体の値段というのか、診療行為の、 そこを含めてやはり患者自身が理解をしていくということが、結果的に今の医療をどうす るかということについて、患者自身、国民自身もそこは真剣に考えていくということに、 そういう契機になるのだということで、やはりより内容のわかる明細書の必要性というこ とを私どもは従来から強く主張している。もう一人の勝村委員は常にそこを強調している ところなのです。 ○鈴木委員  それであれば、支払者側もそれぞれの立場から、我々もそれぞれの立場から、こういう ものの意味することがどういうことであるかという、診療報酬の体系全体が理解できるよ うな普及啓発事業というのがその前に必要なのではないですか。 ○土田小委員長  その前か後かわかりませんが、そういうことが必要であるということは間違いないと思 います。ただ、それが直ちに領収証の発行を義務づけるということとどういうふうに関連 してくるか、もう一つぴんときませんが。 ○鈴木委員  あまりにも短絡的ではないですか、そういう努力もせずに義務づけてしまうのでは。要 は、もっとわかっていただくということでしょう。 ○土田小委員長  つまり、基本的なスタンスは、患者が受けた医療の内容を患者自身が知りたいというこ とがベースにあるわけで、それでその場合に、領収証だけではなくて、どういう内容を受 けたかという情報を提供してほしい。提供してほしくないという患者がいた場合はもちろ んそれはそれで提供しなくていいのですが、提供してほしいと言う患者がいた場合に、そ の400床以上の病院については、それでは提供する。つまり、IT化が整っているわけ ですから、特に事務作業も必要でないので、そのことを有償でもって義務づけるという話 ですから。 ○鈴木委員  そういう話であれば、義務も努力義務も同じ話だろうと思いますので。 ○土田小委員長  いえ、努力と義務は全く違うわけで、つまり、努力であればそれは断れるわけですけれ ども、ただ、義務であれば断れないということになりますから、明らかにそれは違うと思 います。 ○竹嶋委員  いつも持論は一緒ですが、この経過を見て、例えば求められて出しているとかいう、そ ういう施設がもう全然動かないのか、増えてきているのかということが一つある。それと、 やはり信頼関係、これは私どもの方はきちんと患者さんに対してお示ししなければいけま せんが、この信頼関係があれば、私のところは小さな診療所ですが、実際に本当に見せて くれと言う方はいないのです。やはり信頼関係がないからだと思うので、これはこれでや らなければいけない。一つの例で、僕らは診療時間というのを8時半から5時とか5時半 とか出しますね。これは、その時間帯に応招義務というのがありますので、やはりよほど 私がぐあいが悪いとかなんとかない限りは、きちっと診察しなければいけない。だけど、 例えば5時なりあるいは4時半なり、飛び込んでお見えになった急患の方が、7時なり8 時なりになって、それにつきましては、我々は別に新たな診療費を要求したりとか、そう いうようなことはないわけで、そこら辺のところが私は医療の世界にはあると思うのです。 これをやはり大事にしていかなければいけないから、形だけそうしても、本当にそれでい いのですかと、日本の医療はそれでいいのですかというふうなところに行き着くわけです。  今鈴木委員が言いましたのは、義務と努力は違うと。私も違うと思います。しかし、 我々医療関係者が自主的にやっていく、そういうふうに進めていきたい。そして、来年は 何10%増えたとか、そういうふうにやっていくということをやはり考えていきたいので す。そういうことでお願いします。 ○土田小委員長  今、今日はこの問題はここで決めるわけではありませんので、ですから、もう少し御意 見を承りたい。 ○対馬委員  この問題自体については小島委員と意見は一緒なので再説はいたしませんけれども、患 者の視点の重視という項目の中では、明細書等の問題と掲示の問題だという説明がありま したけれども、前回の改定では、4つのカテゴリーに分けた中の第1番目が患者の視点の 重視だったのです。その中には幾つか項目がありましたが、特に、この診療報酬体系につ いて、先ほどもご意見として、簡素化とかわかりやすさといったことが第1番目に出てい ましたので、やはり患者の視点の重視は明細書などということではなくて、もっと大きな 視点で患者の視点の重視について重要視していただければと思います。またいずれ再整理 する機会があるのだろうと思いますけれども、事務局にお願いしたいと思います。 ○土田小委員長  よろしくお願いします。  ほかにございますか。 ○山本委員  先ほど委員長がおっしゃったのは、つまり、求めがあったら出せという、そういう意味 での義務化だという理解でよろしいのだと思うのですが。 ○土田小委員長  ちょっと確認します。そうですね。 ○事務局(原医療課長)  はい。 ○山本委員  そのことについて私も前の改定の経過を多少存じ上げているので、それについてはあえ て反対というか、そういうことであればよろしいかと思うのですが、ただ今日の論点を見 ますと、400床以上の病院ないし医療機関では、既にインフラ整備ができているだろう、 だから出しなさいということになっていて、それ以下については、出すような努力のため の評価をしましょう。多少ひがんだ言い方になるのですが、薬局は大変電子化が進んでい ますので、その結果を受けると、結果として薬局が進んだからもっとやれということにな るのはちょっと悲しい気がします。点数がどうの、評価がどうのいうことではありません が、そのことについては、議論の方向としてはいいと思うのですが、問題は、この資料の 中にせめて薬局はどうなっているのだといった資料程度は付けて欲しいと思います。21 年にオンラインが半ば義務化されていますので、そういった意味では、他の医療機関より はかなり進んでいますので、薬局の場合の義務づけられている領収証のさらに上の明細書 になりますと、レセプトそのものになってしまいますので、毎回毎回そのことを、必要な らば、もちろん出しますけれども、その辺のところは少し何か書いておいていただけない かなと、ちょっとひがんだ言い方で申し訳ないですが。 ○土田小委員長  重要な指摘だと思います。これは薬剤管理官いかがですか、あるいは医療課長、どちら か。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  その点、配慮が欠けておりまして、非常に申し訳なく思いますが、またその辺も、少し 中でも検討させていただいて、どういうふうな対応、検討できるのか、考えてみたいと思 います。 ○山本委員  評価がどうのではなくて、実態だけはぜひお示ししていただければと思いますので、よ ろしくお願いします。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○小林委員  一言だけ。先ほどのジェネリックのときもそうなのですけれども、やはり患者さんに対 して情報を持っているのは医療の方で、情報の非対称性があるのです。ですから、患者さ んはやはり自分の状況について詳しく知りたいですし、その一つの方法として、こういう 明細書であるとかということがあるのだと思いますので、その説明責任といいますか、説 明責任と言うとちょっと大げさになりますけれども、患者さんに対して、薬局もそうです けれども、説明をしていただくという機会を、ルートをたくさんつくらないといけないと いうことだと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。大変重要な指摘で、先ほど竹嶋委員が話されたことと非 常に重なっている御指摘だと思います。  まだ議論はいろいろ尽きませんが、本日はこの後でまだ材料部会が残っております。そ れで、領収証の発行につきましては、前回、非常に活発な議論が行われてきておりまして、 それで現在の形に落ちついたという経緯があります。今日の議論でも、先ほど私が申し上 げましたように、患者が受けた医療の内容を可能な限り伝えていくというその取組という のは重要な課題であるということについては、ここで皆さんの意見が相違ないというふう に認識しております。  事務局におきましては、今日の議論を踏まえてもう一度論点整理の方をお願いしたいと 思います。  それで、今日はもう1つ「医療安全対策」という課題がのっておりましたが、ちょっと これはまた時間がかかるかと思いますので、この議題は金曜日に回させていただいて、今 日せっかく医療材料部会の方たちが見えておりますので、医療材料の方に移りたいと思い ますが、よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田小委員長  よろしいですか。どうもありがとうございます。  それでは、本日の基本問題小委員会はこれで終了いたします。  次回の日程につきましてお願いします。 ○事務局(原医療課長)  次回につきましては、今週の金曜日19日、場所は未定という ことです。項目につきましては、今日の残りました「医療安全対策」、「救急医療」、そ れから「心の問題」について御議論をお願いしたいと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  それでは、基本小委はこれで終了いたします。しばらく時間、お待ちください。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)