07/10/01 第1回医道審議会保健師助産師看護師分科会 保健師助産師看護師国家試験制度改善部会合同会議議事録 第1回 医道審議会保健師助産師看護師分科会 保健師助産師看護師国家試験制度改善部会合同会議 議事録                   日時 平成19年10月1日(月)16:15〜      場所 厚生労働省省議室(9階) ○島田指導官 定刻になりましたので、始めさせていただきます。ただいまから、医道審 議会保健師助産師看護師分科会および保健師助産師看護師国家試験制度改善部会の合同会 議を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にも関わらずご出席いた だきまして、誠にありがとうございます。初めに医政局長よりご挨拶申し上げます。 ○外口医政局長 8月24日付で医政局長に就任いたしました、外口でございます。よろし くお願いいたします。医道審議会保健師助産師看護師分科会並びに保健師助産師看護師国 家試験制度改善部会の開催にあたりまして、ご挨拶申し上げます。  我が国におきましては、少子・高齢化の進展と共に国民の医療に対する期待も高まって おり、国民のニーズに応え得る看護の提供が求められております。このような中にあって、 保健師助産師看護師の国家試験は看護の質を担保する上で、大変重要な役割を担っている と認識しております。本日ご審議いただく議題は、保健師助産師看護師国家試験制度改善 部会における検討課題等についてですが、これは今後国民の期待に応えて、看護の質をさ らに向上させていくために大変重要なテーマであると思います。  最後になりましたが、今後とも厚生労働行政の推進のため、とりわけ看護の質の向上の ために、皆様方のご指導とご協力をいただけますようお願い申し上げて、簡単ではござい ますが、挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○看護課長 看護課長の野村でございます。私から委員のご紹介をさせていただきます。 時間は限られておりますので、氏名のみのご紹介といたします。  まず、分科会委員のご紹介をいたします。分科会長の濱田悦子委員です。井部俊子委員 です。榮木実枝委員です。永井正規委員です。井廻道夫委員です。牛島康栄委員です。川 村佐和子委員です。北川浩明委員です。草間朋子委員です。津村智惠子委員です。永山く に子委員です。中山洋子委員です。羽生田俊委員です。久常節子委員です。なお、阿曽洋 子委員、上泉和子委員、小松美穂子委員、坂本すが委員からはご欠席のご連絡をいただい ております。  次に、部会委員のご紹介をいたします。井上智子委員です。荒川眞知子委員です。大場 エミ委員です。鈴木美恵子委員です。高木廣文委員です。春山早苗委員です。福井トシ子 委員です。堀内成子委員です。前川眞一委員です。村嶋幸代委員です。なお、井部委員、 榮木委員、永井委員には部会委員も兼任していただいております。委員の皆様方、どうぞ よろしくお願いいたします。  次に、医政局長に加え、異動があった事務局の職員をご紹介いたします。大臣官房審議 官の宮坂です。以上です。  分科会長の濱田先生、議事進行をよろしくお願いいたします。 ○濱田分科会長 早速始めさせていただきます。どうぞご協力お願いいたします。  初めに、事務局より資料の確認とご説明をお願いします。 ○島田指導官 お手元の資料の確認をさせていただきます。資料1「保健師助産師看護師 国家試験制度改善部会について」、資料2「保健師助産師看護師国家試験制度改善部会スケ ジュール(案)」、資料3「保健師助産師看護師国家試験の変遷について」、資料4「保健師 助産師看護師国家試験の現状について」、資料5「保健師助産師看護師国家試験制度の改善 に向けた検討事項(案)」。それから、参考1として「保健師助産師看護師国家試験制度改 善部会報告書」、平成14年3月のものです。参考2「看護基礎教育の充実に関する検討会 報告書」、参考3「保健師助産師看護師学校養成所指定規則別表1〜3新旧対照表」でござ います。その他の参考資料として、「保健師・助産師・看護師国家試験出題基準」、「第93 回保健師、第90回助産師及び第96回看護師国家試験問題」を配付いたしております。以 上でございます。 ○濱田分科会長 それでは、早速議論を進めたいと思います。本日の合同会議では、保健 師助産師看護師国家試験制度の改善に向けて、現状ではどのような問題や課題があるのか、 いろいろな意見を出していただきたいと思います。出されたご意見は、これから改善部会 で具体的に検討する土台となりますので、分科会委員も部会委員もどうぞ様々なご意見を お願いいたします。まずは事務局より資料の説明をお願いします。 ○島田指導官 初めに、本日は合同会議となっておりますが、今後「保健師助産師看護師 国家試験制度改善部会」を開催していく趣旨をご説明いたします。4月に開催いたしまし た保助看分科会で、改善部会の設置については既にご了解いただいておりますので、簡単 に説明します。  資料1をご覧ください。改善部会の設置の趣旨ですが、保助看国家試験は、これまでも 質の高い看護師等の確保を図るために重要な役割を担ってきたところですが、今後も国民 のニーズに応え得る看護師等としてふさわしい能力を問うものであるよう、保健師助産師 看護師国家試験制度を改善させていく必要があります。また、カリキュラムの改正案が報 告され、カリキュラム改正も予定しているところであり、保健師助産師看護師分科会の下 にこの国家試験制度改善部会を設置して、現行の保助看国家試験を評価するとともに、同 国家試験の改善事項について検討を行うものといたしております。  次にスケジュールですが、資料2をご覧ください。「制度改善部会スケジュール(案)」 とありますが、事務局としては、いまの時点ではこういった案でご検討を進めていただき たいと考えます。まず本日は、保助看分科会と制度改善部会の第1回会議を合同会議とい う形で開催して、国家試験制度の改善に向けた課題についてご意見をいただきまして、そ れをとりまとめて検討事項とし、ワーキンググループを制度改善部会の下に設置して、4 回ほどのご議論をいただきたいと考えています。検討事項について議論した後にその議論 をとりまとめていただきまして、3月末ごろかと思いますが、第2回の合同会議という形 でこのような会議を開催して、その場で検討課題についてのご議論のまとめを報告してい ただく予定です。このご議論のまとめに基づいて、国家試験出題基準の改定といった作業 に着手することも考えています。  資料1の1頁の3、主な検討課題をご覧ください。改善部会での検討事項としましては、 前回、平成13年度の制度改善部会における指摘事項、それから、前回の改善部会での報告 を踏まえた改善事項の評価、そして、出題基準における改善事項、その他の改善事項、と いったことについて検討していただくことを予定しています。  次に、資料3に基づいて、国家試験の変遷についてご説明いたします。資料3をご覧く ださい。資料3の1頁ですが、昭和56年8月からの検討委員会における改善事項及び改善 時期がとりまとめてございます。まず、昭和56年8月から昭和60年6月に設置された「国 家試験の改善に向け検討する会」で中間意見書をいただいております。その中で、検討中 に改善されたこととしましては、看護師国家試験については、「指定規則」に応じて、試験 科目ごとの出題数の変更を行っております。それから、状況設定問題の導入を行っており ます。昭和58年から一部実施という形になっています。それから、主要科目の出題目標と 範囲の明確化ということで、出題基準の試行を昭和59年春から実施しています。  その時期に改善が提案された事項としては、国家試験の実施を年1回とすると提案され ておりまして、保健婦・助産婦の国家試験については昭和63年から、看護婦国家試験につ いては平成2年から実施しています。そして、今後検討を要する事項として、保健婦・助 産婦国家試験にかかる主観式問題の採点法の工夫及び状況設定問題の導入が指摘されてい ます。それから、試験問題のプール制の導入についても、今後の検討ということでご報告 をいただいています。  その後、昭和63年4月14日までこの会議が継続的に検討されまして、そこでの報告書 としては、客観式多選択肢問題(一般問題)の出題形式の変更を行うことで、五肢択一か ら四肢択一へ。看護師国家試験については出題数を150問にし、総解答時間を2時間30 分にする。それから、保健師・助産師については出題数を75問、解答時間を1時間15分 にするとして、平成2年から実施しています。それから、看護師国家試験において、出題 数を60問、総解答時間2時間の状況設定問題を導入しています。また、出題基準ですが、 平成2年から保健婦助産婦看護婦国家試験出題基準の適用を実施しております。それから、 完全プール制の導入については、その時点では不可能であるという報告をいただいており まして、既出問題の一部を洗練し、問題をプールし使用することが適当であるといったご 報告をいただいています。  その後、平成6年11月18日から平成7年3月30日まで開催された国家試験検討委員会 においては、国家試験の実施時期を1週間繰り上げるということで、平成9年からこうい った形で実施しています。それから、保健婦・助産婦国家試験の主観式問題を、客観式問 題に変更することを検討するといったご報告をいただいております。  その報告を受けまして、平成7年8月30日から平成8年3月26日までに開催された国 家試験検討委員会におきまして、保健婦・助産婦国家試験の状況設定問題導入の検討が行 われまして、平成9年から主観式問題を状況設定問題に変更することで、出題数30問、解 答時間1時間という形で導入しています。  その後、平成13年7月10日から平成14年3月29日まで、国家試験制度改善部会が開 催されまして、そこでの改善事項としては、応用力を問う問題を導入するため試験時間を 延長すると報告されていて、平成15年から実施しております。その結果、保健師・助産師 国家試験については、総解答時間を2時間20分に変更しております。看護師国家試験につ いては4時間45分に延長となっています。それから、看護師国家試験において必修問題 30問を導入することで、平成16年から実施していまして、それに伴い出題数及び時間の 延長が行われていて、出題数240問、総解答時間5時間15分に延長となっています。  合格基準については、必修問題が絶対基準を用いて、その他の問題は相対基準を用いる ことになっております。それから、試験問題の公募及びプール制については、これを導入 するという報告をいただいております。そして、その報告書の中で、今後引き続き検討を 要する事項として、看護師国家試験における禁忌肢の導入、保健師助産師国家試験の改善 (必修問題の導入の可否等を含めて検討)といったことがご提案されておりまして、まと めとして、定期的に部会を開催し、制度の評価・改善方策を検討することが必要といった ご報告をいただいております。以上が保助看国家試験の改善の経過になっております。 ○赤熊補佐 続きまして、資料4の現状についてご説明させていただきます。資料4をご 覧ください。先程の説明にあったように、国家試験制度の改善報告等を受けまして、改善 が図られてきましたが、現在の実施状況を平成19年春の国家試験の例でご説明いたします。  試験日については、保健師は平成19年2月23日、助産師が2月22日、看護師が2月 25日に行われ、3月27日に合格発表を行っております。試験地については、全国11カ所 で行っております。試験時間については、保健師の国家試験は2時間20分、助産師の国家 試験も同様に2時間20分、看護師国家試験については5時間15分です。  試験問題は保健師が105題、内訳としましては、一般問題が75題、状況設定問題が30 題、助産師国家試験についても105題で、同様に、一般問題75題、状況設定問題30題で す。看護師国家試験については、必修問題30題、一般問題150題、状況設定問題60題の 計240題です。出題内容ですが、試験問題は、保健師助産師看護師として具有すべき知識 及び技能について、広く一般的実力を試し得るものとされていまして、具体的な出題範囲 は、保健師助産師看護師の国家試験出題基準、いわゆるガイドラインに準拠して行ってお ります。  2頁をご覧ください。試験問題の作成にあたりましては、試験委員会が問題の作成・修 正を行って、試験後に医道審議会保健師助産師看護師分科会K・V部会において問題の妥当 性を検討していただいております。  合格基準すなわち合格者の決定方法については、保健師助産師看護師分科会で決定して いただいておりますが、保健師助産師については絶対基準、看護師については、必修問題 が絶対基準、一般問題、状況設定問題が相対基準を用いて決定しております。試験結果の 通知・公表ですが、受験者数、合格者数、合格基準については、合格発表と同時に厚生労 働省のホームページ等で公表しております。また、個人の試験結果については、郵送で受 験者に通知しております。また、問題及び正答ですが、平成18年より試験問題の持帰りを 認め、厚生労働省のホームページに試験問題と正答を掲載しております。  次に、プール制の実施ですが、平成14年の報告書を受けて、保健師助産師看護師の学校 養成所、実習施設、元国家試験委員および教育関係団体等に、試験問題の作成について協 力依頼を行っております。また、プール問題の蓄積を進め、徐々にプール制に向けた準備 を行っているところでもあります。また、公募問題・既出問題については、ブラッシュア ップ担当委員がプール問題の選定・修正を行っています。以下は、参考として合格率の推 移を掲載しております。以上でございます。 ○濱田分科会長 いま事務局からご説明がありましたが、何かご質問はございませんか。 ○井部委員 教えていただきたいのですが資料3の所で、上から3つ目の検討委員会で、 主観式問題と客観式問題というのが出てくるのですが、この主観式と客観式はどういう内 容のことをいうのか、教えていただけますか。 ○濱田分科会長 事務局のほうで、どなたか。 ○赤熊補佐 主観式とは記述で解答する問題で、客観式というのは、いわゆる現在行って おりますが、マークシートの記号や番号を選ぶものです。 ○濱田分科会長 よろしいですか。その他、ご質問ございませんか。なければ次に進みま す。ただいま説明があった資料の中にも検討事項がありますが、それを事務局に少し整理 していただいたので、そのご説明を伺いたいと思います。 ○島田指導官 資料5をご覧ください。ただいま分科会長よりお話がありましたが、検討 事項について、事務局のほうで少し項目をまとめさせていただきました。4つほど○があ ります。  まず1つ目が、前回の改善部会報告を踏まえた改善事項の評価です。先ほど説明しまし たが、試験時間を延長していますが、これがどうかといった評価、それから、看護師国家 試験への必修問題及び相対基準を導入しましたが、これがいかがであるか。それから、試 験問題の公募及びプール制の導入を始めていますが、これについていかがかを評価してい ただくことが1つ、検討事項としてはあるかと考えます。  2つ目の○です。平成13年度に行われた前回の制度改善部会ですが、そこで引き続き検 討すべき事項として2点ほど出されておりました。看護師国家試験における禁忌肢の導入、 それから、保健師助産師国家試験の改善で、必修問題の導入の可否等も含めて検討すると いったことです。これらについてご検討いただきたいと考えます。  3つ目の○ですが、保健師助産師看護師国家試験出題基準における改善事項について、 検討いただきたいと考えています。これは平成21年4月からの適用を予定している看護基 礎教育カリキュラムの改正を含め、それ以外にも、出題基準において改善すべき事項につ いてのご意見をいただければと考えています。  4つ目の○ですが、上記3つの事項に関わらず、この制度改善部会は、保健師助産師看 護師国家試験の制度全般についてご議論いただく場ですので、いろいろなご意見をいただ ければと考えています。以上です。 ○濱田分科会長 それでは、委員の皆様の異論がなければ、資料5の「保健師助産師看護 師国家試験制度の改善に向けた検討事項(案)」に沿って、議論を進めてまいりたいと思い ます。最初の○にあります前回の保健師助産師看護師国家試験制度改善部会報告を踏まえ た改善事項の評価について、どのような点を検討する必要があるのか、ご意見をいただき たいと思いますが、いかがでしょうか。どなたからでも結構です。 ○羽生田委員 このポツの2つ目にあります必修問題及び相対基準の導入ということで、 前回のこの検討会のときに相対基準が入ったわけですよね。そのときの議論が、どのよう な形で相対基準を入れるということになったのかの説明をいただきたいと思います。それ から、今回の看護師の国家試験の場合、約5,000人近くが国家試験に落ちているのですが、 相対基準の結果、いろいろな相対基準での点数評価の仕方があるのでしょうが、非常に厳 しかったのではないかという気もしています。以前は、95%を超える合格率のときもあっ たわけで、いま非常に看護師不足も言われている中で、相対基準によってこの合格率は大 体同じぐらいになるのでしょうが、そういった必要があるのかどうかは、再度検討する必 要があるのではないかということで、前回の相対基準を入れたときのお話を少し教えてい ただければと思います。 ○濱田分科会長 いかがでしょうか、答えていただけますか。 ○島田指導官 本日、参考1として、平成14年3月29日付の報告書ですが、前回の制度 改善部会の報告書を添付しています。4頁をご覧ください。4番目に合格基準という所があ りまして、ここが只今のご質問の看護師国家試験への相対評価の導入について取りまとめ られている部分です。参考までに少し読ませていただきます。「看護師国家試験は資格試験 であり、看護師として必要な知識及び技能を有しているか否かを評価するものである。そ のなかでも、必修の基本的事項については、看護師免許を有するにふさわしい最低限度の 知識と臨床能力を有しているか否かという絶対的な基準をもとに合否を判定することが必 要となる。しかし、看護師国家試験において、看護師として業務を開始するに当たり必要 な知識及び臨床能力を評価するには、基本的な必修事項だけではなく、広い範囲で様々な レベルの出題が必要になってくる。この領域については、望ましい到達目標が必ずしも明 確ではないことから、試験問題の難易度が変化しやすくなる。したがって、到達すべき目 標の明らかな必修問題に対しては絶対基準(一定のレベルに達しているか否かを判定)、そ の他の問題については平均点と標準偏差を用いる相対基準が設定されることが現実的であ る。なお、必修問題についてはその他の問題と異なった合格基準を設定することから、ど の試験問題が必修問題であるかを受験生に明らかに示すことが望ましい」と当時の報告に ありました。 ○濱田分科会長 いかがでしょうか。 ○羽生田委員 言われている意味はわかるのですが、いわゆる国家試験というのは私は資 格試験でのいわゆる最低基準だと思います。そのときに、こういうことを知っていればい いという形で問題が作られている。その中でほかの職種の国家試験については、ほとんど 絶対基準で決められていると思います。やはり、問題がこれだけ知っていればいいという ことで出された以上は、相対的なものでなく問題について解答がきちんと正解できるかど うかということになれば、やはり絶対基準でもいいのではないかという疑問をもちますの で、あえて言わせていただきました。 ○濱田分科会長 それに関連する質問はありませんか。もしないようでしたら、この件も 是非改善部会で検討していただく課題として回してよろしいでしょうか。いま相対評価を していますが、羽生田委員のご意見も参考に今後考えていただけたらと思います。 ○久常委員 これは、相対基準を設定することで、ここでの点数がすごく低かったらたく さんの不合格者が出ますよね。そこのところを調整するために、こういう視点でやってい るわけで、これがあることで羽生田委員が心配することが守られるのではなかったのです か。 ○濱田分科会長 事務局の方、いかがでしょうか。 ○羽生田委員 確かに、いま久常委員の言われたように、低いときに合格率が上がってそ れなりの数の確保ができるという意味では、非常によくわかります。ただ、これはいわゆ る全体的な問題がどうかということで、問題を作る方が大体どのぐらいの解答率、正解率 になるだろうということを想定して作られることが前提であるとすれば、試験問題がもう 少し洗練されるべきであるということと、よほど低い正解率にならないように問題をきち んと設定する。それによって、通常であれば6割という線が使われていますから、そこま でできれば看護師の資格として、最低限の知識という判断ができるのではないかという意 味で、この相対基準という基準だけの問題ではなく、それに伴なって問題自体が洗練され て、問題を作ったときにどの程度の正解率が出るはずだという、問題を作る方がそこまで 考えて作られるというところまで、当然必要だと思います。 ○濱田分科会長 よろしいですか。いまの羽生田委員の説明は、出題する側も責任があっ て非常に難しくなるだろうとは思うのですが、何かそれに関してご意見はありますか。 ○北川委員 私も相対評価か絶対評価かどちらがいいかと言われたら、試験の本質、王道 は、絶対評価だと思います。ただ、それはここにも書いてあるのですが、難易度が一定で あるという前提が必要で、この報告書のように難易度が変化しやすくなるという現状も、 やはりしっかり見なければいけないと思います。その妥協案として、いまの看護師のほう の制度ができているのだと思います。羽生田委員がおっしゃるように、ほかの職種は絶対 評価だと。そうすると、やはりこれからの議論の中でほかの職種がどうして絶対評価がで きるのかというのを、もう少し知る必要があると思います。実際に、どういう問題の作成 をしているのかとか、プール制も含めてどのぐらいの蓄積があって絶対評価が維持できて いるのかがわからないと、これからの作業部会ではなかなか話が進まないのではないかと 思います。ですから、事務局には是非資料を提示していただきたいと思っています。よろ しくお願いします。 ○羽生田委員 相対評価の場合に、例えば試験問題と解答が出たときに、私は何点取って いるのに落ちたという、今回は何点が線になったかは私はわかりませんが、普通でいう 60%という線から考えると、試験のあとに正解を全部計算して点数を皆さんが出すわけで すよね。そのときに、私はこれだけできているのに落ちたという感覚は、非常にかわいそ うというか、落ちてしまった人はかわいそうだなという気がします。ですから、その辺り の問題と相対基準との関わりの点は、やはりもう一度よく検討していただければと思いま す。お願いします。 ○濱田分科会長 では、いまの意見は1つの課題として、検討事項に回したいと思います。 そのほかに、何か評価の点についてご意見はありませんか。 ○久常委員 国家試験の問題と答は、オープンにしているのですよね。そうしたら、間違 った計算はできないはずで、いま羽生田委員のおっしゃったようなことは具体的に出てく るのですか。 ○羽生田委員 いや、ですから60点で切ったとすれば、私が受かっていたのにという。 ○久常委員 60点で受かるような人が、実際に落ちていますか。 ○羽生田委員 相対基準となるとそうですよね。正解率がすごく良ければ、相対基準は高 くなるわけですから、相対基準というのは6割以上できていても合格点に達しないという ことが起きるわけですよね。 ○久常委員 そこのところは、具体的にどうなっているのですか。専門の方、教えてくだ さい。 ○試験免許室長 合格基準に関することですので、ワーキングで議論していただければと 思っています。このような場で、私どものほうから具体的にお答えするというのはできな いことですので。ちなみに、今年の合格ラインについては、資料の2頁の4番の合格基準 の所にも記載してあるとおり、ここの合格基準が各受験生全員に通知されるということで すので、おおよそ受験生はわかっていると理解をしています。以上です。 ○濱田分科会長 それでは、久常委員、いかがですか。 ○久常委員 先ほど免許室長がおっしゃったように、言いにくいことがあるかもしれませ んが、これから全部オープンにしていくという話ですから、合格基準も何も明確にして、 そしてここでどなたが見てもおかしくないようなやり方をしていくとしたら、方法として は一体どれがいいのですか。国家試験の問題ですから、ほかの方が見ても、みんながなる ほどと分かるように全部していくということは、やはり基本だと思うんですよね。そうい うことを考えるとしたら、先ほどの相対的基準があったほうがいいのか、あるいはそれは 一切やめて、絶対的基準だけにしたほうが、非常に透明性があって一般の方にわかりやす いとか、どちらになるのですか。それだけの問題ではないかもしれませんが、試験内容を 決めるというのは。 ○試験免許室長 いま久常委員からいろいろお話がありましたが、そういうことも踏まえ てワーキングで議論いただいて、分科会で了承を得られればと思っています。その際、事 務局で北川委員からもいろいろお話がありましたが、資料の提出はしたいと思っています。 ○濱田分科会長 それでは、了承いただけますか。それ以外の評価に関する質問、ご意見 はありませんか。試験問題の公募及びプール制の導入に関しては、先生方ご意見はありま せんか。 ○永井委員 私は、どこまでプールができ上がっているのかがわからないのですが、その 辺りをワーキングで明確にして、どこまでどう使えるようなものが何問あるのかというこ とを確認していくことが1つは必要だと思います。もう1つは、一度出た問題であること、 公表した問題であること、正解を既に決めてしまった問題であること、プール制を利用す るときにこの点をどうするのかということを考える必要があります。一時は秘密にして取 っておかれたと理解していますが、それを公表しなければいけないということになって、 公表していってプールしていった。それが、今後、出題すべきプール問題として、どこま で使えるのかという問題が検討されるべきではないかと思います。  それから、良い問題であったか良くない問題だったかという評価は一応はしてプールさ れているのだとは思いますが、良い悪いというのは正解率と識別指数だけで決められてい て、実際に何割正解だと思っていたのに何割であったとか、そういうきちんとした評価が 行われていないのではないでしょうか。1つ言えるとすると、正解率、識別指数というこ とだけではなくて、難易度の評価をする。正解率でそれがわかるのかどうかはまた別の問 題だと思いますが、年によって難易度が変わるということがいま問題になっていますので、 去年の問題と今年の問題がどちらが難しかったのかというような評価まで含めて、プール していくような工夫をされたほうがいいのではないかと思います。 ○濱田分科会長 ありがとうございます。いまの意見は、是非改善部会の検討事項にと思 いますが、よろしいでしょうか。これに関連して、何かほかに意見はありますか。 ○井部委員 問題のプール制に関しては、看護に関連した試験問題のプールが、いちばん 遅れているのではないかと思います。医師や薬剤師などの問題に関してのプール制のほう が、もっと進んでいるというか、活用ができているのではないかと思っています。ほかの 医療関係職種の国家試験におけるプール制の活用というのは、どの程度なのか、相対的に どうなのでしょうか。看護職の国家試験が極端にプール制が遅れているということはない のでしょうか。 ○試験免許室長 薬剤師は、ちょっと私どもの所管ではないので状況を把握していないの ですが、ほかの医師、歯科医師等については、それなりに公募問題であれば、各大学等か らいろいろと協力をいただいて、一歩一歩ですが進んでいます。確かに、保助看について は、相当遅れているというか、全然ご協力をいただいていないということが現状です。 ○井部委員 それは、何か理由があるのではないかと思うのですが、どのようにお考えで すか。 ○試験免許室長 まず、医学部、歯学部については、もちろん4年生のときにいろいろな 試験、コアカリ、CBTとかいろいろ各大学でやっているものがあります。たぶん、看護は4 年制大学と3年制の養成所があるわけですが、そういった中であまり国家試験の勉強とい うか、医学部、歯学部はたぶん学内で国家試験と同じような形式で作成されている部分が あるやに聞いています。そういった部分が、看護の関係でどうなっているかはよく把握し ていないのですが、そういった違いもあるのかなとは想像はしています。 ○久常委員 この問題は、こうしてやっていく以上は、問題がたくさん出てこないと意味 がないわけですよね。そのときに、もう1点聞きたいのは、井部委員はいま大学協議会の 会長だと思うのですけれども、大学協議会及び養成職員会とかそういうところは、こうい うことを組織として依頼されて、組織として進んでいくようなことは何かやっているので すか。 ○井部委員 私は、4月からの新米の会長ですけれども、やっていないですね。 ○久常委員 いままでは、ですか。 ○井部委員 いままでは、広く呼び掛けはあったでしょうが、例えば日本看護系大学協議 会としてプール問題に積極的に取り組もうといったようなことは、少なくとも私は認識し ていなかったのです。私立看護系大学協議会の中にはそういう委員会があって検討はされ ていました。一部の委員が頑張ったのですが、あまり数は多くなかったと思います。です から、部分的に努力している所と、あまり関心がなかった所とあると思います。 ○牛島委員 いまのプール制の問題ですが、私はこの看護業界のいろいろな面での欠点の ようなものが出ているのではないかと思います。なぜなら、皆さんが兼任兼任でおやりに なるのですね。いろいろな仕事もしながら試験問題も作りましょうという発想でやってい くと、いい問題はできないですよ。我々の所にも大学からいろいろきますけれども、日常 臨床をやっていていい問題を作ろうと思っても、これは非常に難しいです。ですから、や はりそういう、作るというプロを養成するような組織を何らかの形で、井部委員と大学の 関係といった所できちんと作っていかないと、私は現実的ではないと思っています。 ○久常委員 具体的にそういうことをやっているような所はあるんですか。 ○牛島委員 大学のほうでは、やはりそういう方が学部長に指名されて一生懸命やってい るワーキンググループがあります。 ○井廻委員 それと、教育に携わる人に関しては、大体どこの学校も医学教育研修を1回 は受けさせるようにしています。そこでどのように教えるかとか、あるいは試験問題をど のように作っていくのかという、2泊3日ぐらいの研修を行っている所が、特に私立の医 科大学が多いです。そういう意味では、試験問題の公募などにも応じることは、簡単とい えば簡単です。なかなかいい問題は作りにくいですが、そのような理由で医師国家試験の ほうは増えているのだと思います。 ○濱田分科会長 この問題はいろいろな方法があろうかとは思いますが、是非改善部会で 具体的にどのようにしたら問題が集まるかという方向で、検討をお願いできたらと思いま す。もう1点、国家試験の試験時間が延長しましたね。これについては、いかがでしょう か。 ○北川委員 試験時間が延長したのは、問題出題の考え方が多少変わって、参考資料1の 前回の改善部会でいいますと、2頁のIIの1の部分です。ここの上から3行目ぐらいから 始まる「応用力試験を増やすべきとの意見が寄せられてきた」と。要するに、タキソノミ ーの1を減らして、2、3を増やそうという考えから始まったことだと思います。  先ほどの説明では、タキソノミーの話はどうも改善部会の作業とは別の所から出てきた みたいで、ある時点から重視されてきたと思います。改善部会の報告と少しずれていたの で、入っていないのではないかと思います。先ほどの資料3の歴史的な流れで出てきませ んでしたが、これは結構この10年間の流れの中で大きなテーマで、タキソノミーを重視す ることによっていろいろな従来とは違う、例えば時間もそうですが、難易度が変化しやす いというような側面が出てきています。ですので、時間もそうなのですが、もっと本質的 なタキソノミーをどのように処理していくか、本当に応用力を見る2や3がよろしいのか を議論すべきではないかと思います。  実際に、合格率や識別指数で望ましい問題と考えられるのは、タキソノミーがどのぐら いの分布になっているかですね。私の大雑把な印象では、1も2も3もそれほど差がない ような気がしますし、むしろしっかり勉強した実績を調べるには、1のほうが向いている のではないかという印象をもっています。ということは、まだ2と3が洗練されていない ということなのだと思います。そこが解決できるかどうかが、問題の質を高められるかど うかだと思います。それも、過去の資料に基づいての議論が必要だと思いますので、タキ ソノミーの分類が始まってからの資料を提示していただけるとよろしいと思います。 ○濱田分科会長 いまの件についても、改善部会に回してよろしいでしょうか。お願いし たいと思います。 ○永山委員 いまのタキソノミーの件については、平成15年度に私どもが少し研究をした 成果を一応公表していますので、それをもう一度検討の資料にさせていただければと考え ています。 ○濱田分科会長 本当にタキソノミー2と3の問題を作るというのは大変なことだろうと 思います。是非この辺りも議論していただけたらと思います。それでは、最初の議案につ いてはこのぐらいにしたいと思います。ご意見をありがとうございました。  次の議論に移りたいと思います。2つ目の事項である前回の保健師助産師看護師国家試 験制度改善部会における指摘事項があります。これについてのご意見を少しお願いしたい と思いますが、いかがでしょうか。 ○津村委員 引続き検討すべき事項の1番の看護師国家試験における禁忌肢の導入ですが、 これに関してはいままでも入っていた気もします。これはどういう意味なのか、もう少し 詳しく教えていただきたいと思います。その次の、保健師助産師国家試験の改善に関して は、新しいカリキュラムが平成21年度から施行されます。その中では、わりと暫定ではあ りますが、到達目標等も明確になっていますので、保健師のほうに関しても必修問題の導 入はやはり必要かなとは理解します。しかし、一方で先ほども議論になっている絶対評価 というのは、これは当然ではありますが、相対という評価に関しては、本当に国家試験に それの導入がいいのかどうか、今回の試験問題等を見ても、昨年やその前が悪かったせい もあって、99%の合格率のような形にはなっていますが、私も試験委員をいろいろしてい まして、この辺りは試験問題をもう少し精製、改善する必要はあるとは思いますが、相対 評価に関しては賛成でき兼ねると思います。 ○濱田分科会長 いまのご意見等について、何かありますか。また違った角度からでも結 構ですが。 ○島田指導官 津村委員からの最初のご質問についてですが、現在看護師国家試験に禁忌 肢は導入されていません。前回の改善部会で禁忌肢を導入してはどうかということが課題 として提示されていました。それについて、一定の議論をいただいて導入するかどうかを 議論していただきたいと思います。 ○津村委員 禁忌肢という意味を教えていただけますか。 ○島田指導官 何問かの問題が設定されていて、その中の何問か、その数自体も設定する ことになるのですが、その何問かを、ある割合で不正解の場合には、それ以外の問題の成 績が良くても、合格とはしない扱いとなります。 ○試験免許室長 そもそも禁忌肢というのは、臓器の廃絶とか、それからこういった行為 をやってしまったら生命に関わるというような問題です。それを、問題数はまたいろいろ あるわけですが、それはいま島田がお話したような内容です。看護師でいえば、これを診 療の補助をやってしまったら、患者が死んでしまうというようなことだろうと思います。 ○井廻委員 第101回の医師国家試験の委員長をやりまして、この禁忌肢に関してはいろ いろな議論がありました。委員からは、ある何問かを踏んだだけで不合格ということに関 しては、出題したほうも少し罪悪感があります。実際に大学で教えている立場としても、 やはりかわいそうだというのがあります。それと、やはり踏んではいけないという問題と 同時に、これは絶対に間違ってくれたら困るというような問題は、同じようなレベルでは ないか。むしろ、禁忌肢を踏んだ場合と絶対的な正答肢を選ばなかった場合を一緒にして 減点にしたらいいのではないかというような意見もありました。  それから、これまでの経過を見ても、禁忌肢が多いときはいいのですが、少ないとやは りかなり成績のいい人でも、それ1問で不合格になることがありますから、もし導入され るのでしたらできるだけ多い数でやる、あるいは直ちに不合格とするのではなくて、減点 方式にするとかいろいろな方法があると思います。これは、部会のほうで検討いただけた らと思います。 ○試験免許室長 禁忌肢ですが、保助看は四肢択一で、他の医師や歯科医師は五肢です。 その問題が全部不正解ということではなくて、ある選択肢の1つに入っているということ ですので、不正解ではないということだけ申し上げておきたいかと思います。 ○濱田分科会長 井廻委員からのご意見は、改善部会で参考にしていただきたいと思いま す。この禁忌肢の問題はいかがですか。もっともっと改善部会で議論していただいて、導 入をどうするか検討していただいてよろしいでしょうか。それとも、もうこれはしなくて もいいのではないかというようなご意見でしょうか。 ○井廻委員 個人的には、やはりやったほうがいいとは思いますが、どのように運用して いくかをよく検討いただけたらと思います。 ○中山委員 禁忌肢の問題は前回の改善委員会でも検討され、まずは必修問題の導入とい うことで、その中に基本的に必要なことも盛り込む形できたのだと思います。私は、禁忌 肢を入れますと、必修問題との兼合いの問題が出てきますので、十分検討していただいて、 必修問題の中にもう少し倫理的な課題が多くなるというような工夫でもいいのかなという 気もしています。その辺りは、部会で検討していただければいいことかなと思っています。 ○濱田分科会長 いま出てきている議論をそちらのほうで再度検討していただこうと思い ます。この件についてはよろしいですか。もう1点、次の保健師助産師国家試験の必修問 題導入の件は、先生方はどのようなご意見をお持ちでしょうか。 ○川村委員 私は保健師の場合については、必修問題を入れることには賛成します。保健 師の場合には、地域的な条件、例えば産業保健や学校保健など、非常にある意味では地域 的なニーズが違う、それから教材の条件が違うということもありますので、必修問題をき ちんと押さえて、その上でそれら地域的な差異のあると思われる問題を入れていただいた らどうかと思います。そういう意味では私は、相対的な評価も考えるべきではないかと思 います。いままでの試験の結果に何かの条件によって差異があるかどうかというのはわか りませんので、そういう検討もいただけたら、ありがたいと思います。 ○濱田分科会長 必修問題に関して、どなたかご意見はございませんか。先ほど津村委員 から必修問題は保健師については賛成というご意見をいただけましたが、助産師のほうは いかがですか。 ○草間委員 一応保助看という形で試験をやるとしたら、助産師だけ必修問題は必要あり ませんということはないと思うのです。だから私は看護師に入れた段階で、本来は保健師、 助産師に入れるべきだったのではないかと思いますので、そういう意味では是非入れてい ただきたいと思います。  必修問題を作ってあとのものを相対評価にするかどうかというのは、これはまさに出題 の難易度との関係があると思います。だから必ずしもまだ問題等が十分洗練されていない ことを考えると、さまざまな資料を検討していただいて、部会のほうで十分ご検討いただ くほうがいいと思いますので、助産師についても必修問題を入れることには私は賛成です。 ○濱田分科会長 ほかにどうぞ。 ○永井委員 必修問題についてですが、必修問題は何のためなのか、入れるならという意 見があるのだったら、きちんと表現していったほうがいいと思います。例えば先ほどお聞 きした保健師は、地域的な問題がある。だけど全国的に共通の課題について必修問題にし ようと。これはいままでの看護師の必修問題の考え方と全然違います。比較的易しくて重 要で、これを間違えてはいけないような問題を必修問題としよう。先ほどの禁忌肢の話と 似たような目的だったと思うのですが、そういうものがあるのか。つまり基本的で国家試 験ではたくさん勉強した人にはなかなか聞けないが、本当はとても重要なところがあるの だから、そこのレベルも聞いてあげようということが、それぞれの試験にあるのかどうか という点から考えられるべきだと思います。 ○草間委員 先ほど津村委員も言われたように、それぞれ到達目標を文科省の検討委員会 等では出しています。そういう意味では、必ずしも必修問題の中の、禁忌肢の意味合いだ けではなく、これだけは保健師助産師看護師として必ず知っておくべきだと。どちらかと いえば必修問題という意味合いが強くて、その中に仮に禁忌肢を入れるとしたら、禁忌肢 だけ別にという形よりも、必修問題の中に上手に入れ込んでいくというやり方が、私はい いのではないかと思います。 ○永井委員 出題基準に書いてあるような到達目標というのでしたら、私はそれが普通の 問題であって、いわゆる必修問題というのは、それには書いてないような低レベルだけど 重要という考え方だったような気がするのですが。 ○津村委員 到達目標は当り前のことなのですが、その中で絶対これは落としては困る、 この知識だけはきちんと持っておいていただかないと、間違いを犯すことになるというも のがあると思うのです。そういうものを入れていただきたいという意味なのです。 ○濱田分科会長 いかがですか。 ○永井委員 もう1点追加すると、看護師でこれを入れると合格率が低くなってしまうけ どいいねという議論があったことをご承知おきいただきたいと思います。つまり全体的に 成績がいい人でも、このレベルのものができない人は落とそうという意味で、これが入っ たのです。 ○津村委員 それは当然だと思います。わかっていないと間違いを犯すという意味では、 同じ意味だと思います。 ○久常委員 そういうようなことが、保健師の場合にあるかどうかということです。看護 師とか助産師に関しては、私は事実あると思うのです。保健師に関しては、そういうレベ ルの話は事実あるのですか。 ○津村委員 私はあると思っております。 ○村嶋委員 私も大変難しい問題だなと思います。ただ必修問題にしたときに、どうして も保健師の中で基礎的に知っておかなければいけない、そして割とエビデンスが明確にな りやすい疫学や保健統計、それから法律のことや発育、発達のこと、割と生理的なことは 作りやすいと思います。一方、保健師の仕事は割と自由度が高いです。同じ1つの山に登 るのに、いろいろな道があるというような自由度の高い問題があると思います。そういう 意味で必修問題を導入するときには、ある程度エビデンスがはっきりしている問題に限定 せざるを得ないと感じています。  そういう意味でいろいろ難点はあっても、基礎的な一定水準を維持し担保するのが国家 試験の目的ですので、基礎的な能力を明確にして必修問題を導入していく努力はするべき だと思います。 ○濱田分科会長 そのほか何かございますか。むしろいろいろな議論が出たところで、い まの議論を踏まえて、もう少し必修問題の取扱いについて部会でご検討いただきたいと思 いますが、この辺で切ってもよろしいでしょうか。 ○井部委員 今年度から看護師の国家試験が不合格だと、保健師も助産師も資格としては 認められなくなります。そういう考え方からすると、看護師の上にというか看護師がベー スで保健師、助産師という国家試験の構成を考えますと、先ほど出た必修問題というのは 一体何なのかという原点の議論を十分にしないと、おっしゃっている必修問題に関する認 識が違うように、冷静に見ていると思うのですが、そこは整理しなければいけないかなと 思います。 ○濱田分科会長 いま井部委員から、今年度から看護師国家試験に落ちた場合は保健師助 産師になれないとありましたが、この件についての説明を事務局でお願いします。 ○看護職員確保対策官 いまの点を正確に申し上げますと、今年度の受験生の方から、要 は保助看を全部受けて、例えば保は受かりましたが看は落ちましたという方については、 保は受かっていても保の免許は与えないということになります。いま持っていらっしゃる 方について、特にそれが取り消されるわけではないということです。 ○濱田分科会長 いまのでよろしいですか。 ○村嶋委員 そういう意味では看護師で問うような問題は避けて、そして保健師の能力と して必修の部分でかつエビデンスの高いところを何か集中的に必修問題としていくという ことだろうと思っています。ただそういう意味では、禁忌にはならないような気がします が、減点対象になるか、そこら辺は考えないといけないのだろうと思います。 ○久常委員 ちょっと心配するのは、そういうことになった場合には、客観的なことがき ちんと明確になるような問題しか作れません。そうなった場合には、疫学とか統計という 客観的なものが出るものに関してはいいかもしれませんが、それが保健師に非常に重要か といったら、重要ですがメインではないです。そこのメインではないところのものが必修 問題になってやっていくやり方が本当にいいのかということも、1回考えなければいけな いという気がしますが、どうですか。 ○草間委員 もともとかつて記述式だった問題が選択肢になった段階で、まさに客観的で なければいけないので、いずれにしても答は1つしかないものを出すわけです。そういう 意味ではいまの試験の方式が、どちらかというとすべてエビデンスベースかどうか厳密に 言われると難しいですが、答は誰が見ても1つのものという形の試験の出し方はしないと、 客観的な方法でやろうとしたら、それはもうそれしかないと思います。  もし保健師ですごく自由な発想をとなればまた記述式にということになると思うのです が、これは採点等が大変ですので、いまの選択肢でとりあえずしばらくの間はやらざるを 得ないのではないかという気はするのです。 ○中山委員 1つだけ発言させてください。看護師の国家試験の落ち込んだときのデータ を見るとわかりますが、タキソノミーの問題を工夫した結果がデータの落込みになって、 必修問題を作り、できるだけ安定したという推移があると思うのです。私は保健師の国家 試験のここのところの揺れ動き、そういった問題の根本的なことが何かといいますと、保 健医療福祉の社会情勢が変わってきたことが、相当影響しているのではないかという気も するのです。そういう分析を踏まえた上で、もし必修を入れるのだったらどのようにする のかという議論をしていただければいいのかなと思っています。  保健師の問題作成をされる方が、どんなに苦労しているのかはわかるのですが、これだ け社会情勢が動きますと何を国家試験問題として出したらいいのかと、非常に悩まれてい るのではないかと思われますので、その辺の社会情勢との関係もこの揺れ動きについては、 分析していただけるといいのかなと思います。 ○北川委員 先ほど助産師はどうかというお尋ねがありましたが、ちょっといままでイメ ージしていなかったのですぐには即答できなかったのですが、この経緯を見ていると、必 修問題というのは、絶対評価を残そうというところで出てきたのではないかと思うのです。 いままでの必修問題を見ていても、結構難しいものもあるし優しいものもあるし、これが 必修問題だと決めるのはなかなか難しいです。ただ絶対評価をどこかでしないと、全部相 対評価ではおかしいのではないかという考えがあるから、だから必修問題という枠を作っ たのではないかと思います。  この話は相対評価を入れるか入れないかと、絶えず対になった話だと私は思います。と いうところで、助産師の場合には大体合格率が高い年が多いのです。これはなぜかという と、必修問題的な正解率が高い問題が多いからです。だから、やろうと思えばすぐにはで きます。ただ現実的にはどんな問題がいいとか、さっきのいろいろなお話を聞いて考えて みますと、あまりいまのやり方を変えるようなメリットはないと思いますので、何となく イメージが湧かないのでお答えできなかったです。 ○濱田分科会長 この問題も結論の出ることではなく、本当にいろいろな角度から分析し、 社会の変化に対応していくことも求められております。中山委員がおっしゃったように、 必修問題導入の効果が得られるかもご検討いただくということでよろしいでしょうか。部 会へ回していきたいと思います。  もう1問あります。3つ目の議案ですが、保健師助産師看護師国家試験の出題基準にお ける改善事項につきまして、何かご意見ございますか。 ○津村委員 平成21年度からのカリキュラムの改善に向けて、当然のことながら現在の中 には入っていないものが明確にいくつかありますので、当然改善しなければいけないと思 っています。 ○濱田分科会長 この件については、是非とも改善部会でご検討いただきたいということ ですね。 ○津村委員 はい。 ○牛島委員 いまの発想は、私はいいと思うのですが、いつからということを考えていた だかないと、教える側のほうはきちんと浸透していないうちに、そこの問題がポンと出て しまうことにならないようにしてあげないと、受験生はお気の毒だという理解をしている のですが、その点についてはいかがでしょうか。 ○津村委員 カリキュラム改正そのもの、いつから国家試験が変わるのかについては、厚 生労働省へ各大学から問合せが出されていると思いますので、そちらのほうで検討してい ただきたいです。 ○牛島委員 問題を作る場合に、これはいつ変わったのかを把握しないと、問題は出せな いのです。それは、随分、私は苦労した覚えがありますので、その辺のことをご理解いた だきたいと思います。 ○島田指導官 いまお話のありましたカリキュラムの改正そのものについては、いつから 適用かをこちらで決めているところですが、それを受けて出題基準としてはいつから改正 するかということも、改善部会の方でご議論をいただいて決めていただきたいと思います。 ○濱田分科会長 そのほか何か出題基準についてございますか。 ○羽生田委員 先ほどのお話ではいまの改正が平成21年度の4月で、そこの方々が卒業す る3年後以降、少なくとも4年後もあるから4年後、そういうことではないのですか。 ○島田指導官 カリキュラム改正のスケジュールから申し上げますと、平成21年4月に入 学された方から適用する予定ですので、3年課程の方ではその3年後に卒業となります。  保健師助産師の専門学校につきましても、平成21年4月からの適用予定です。おそらく 多くの養成所は1年で養成されていると思うので、卒業は1年後となります。 ○羽生田委員 全国一斉にやるわけですから、最大限4年かかるわけですよね。そうする と、少なくとも平成25年の国家試験からということになりますか。 ○津村委員 いままで新旧については2本立てですね。 ○羽生田委員 2本立てにするのですか。 ○津村委員 あれは2本立てでしたね。 ○島田指導官 それについても改善部会でご議論いただきまして、何年間かは重複させて 新旧の試験問題で行うのかどうかといったことも、出題基準の適用という観点でご検討い ただければと思います。 ○濱田分科会長 そのほかございませんか。出題基準に関してはいかがでしょうか。いま の改正に伴って、いつからどのようにするかということをご検討いただきたいということ です。 ○北川委員 新しい出題基準については、私自身はカリキュラムもわからないのでちょっ とコメントしかねますが、出題基準に準拠する問題作成ということで、ちょっとお話をし たいと思います。  従来の問題作成ですと、例えば状況設定問題はどの科目から1問とか2問という出題の 仕方を指定されます。せっかく1つの状況について3問作るならば、いろいろな科目に跨 ったような総合的な見方で作っていったほうがよろしいのではないかと思います。これは 問題を作っているときからいつも感じていますが、問題の作りやすさから考えるとだいぶ 違いますし、あとカリキュラムをいろいろ変えていったときに、科目で縛ってしまうと非 常に移行期に作りにくくなると思うのです。それよりは科目ではない小項目を自由に選ん でいいスタイルで作ることを考えておけば、そんなに大きく出題基準が変わったからとい って、混乱は起きないのではないかなと思います。これは具体的に問題を作るときのお話 になるのですが、準拠の仕方というところでそこを議論していただくと、よろしいのでは ないかと思います。 ○井上部会長 いまのは作成委員会のことですよね。前段階としての出題基準への反映の 仕方というところで、何かご意見をいただきたいです。いまのはそれを基に問題を作ると きの枠組みだったので、それ以前のところで。 ○濱田分科会長 よろしいですか。 ○羽生田委員 国家試験出題基準をいま見ましたところ、必修問題の導入についての最後 の文言で、看護師の必修問題の所に、将来的には出題数を増やしていくことが望ましいと いうのがあります。ですから、今後検討する場合には、いまの30題を増やすかどうかも検 討していかなければいけないことになるのでしょうか。 ○濱田分科会長 いかがですか。 ○島田指導官 それも含めて、評価とともにご検討をいただければと思っております。 ○濱田分科会長 では、よろしくお願いします。そのほかございませんか。皆様からご意 見をいただいた以外の最後の改善事項について、自由に何かご意見がございましたらどう ぞ。 ○久常委員 その他の改善事項ですが、先ほどから出ている国家試験の問題で、看護師と 両方受けたときに看護師が受かっていなかったら免許を与えないと。今回は看護師の国家 資格を前提として、保健師助産師が存在することが明らかになりました。いままではそれ を明確にしないできたので、どちらかが通っていたらそれを合格にするというやり方にし たのは、非常にきれいにきちんとしたと思って、私は改善だと思います。これを前提とす るならば、基本的には看護師の国家資格を通った人間のみに、保健師助産師の国家試験の 資格を与えるようにしていくべきではないかと思いますが、その検討はしなくてもいいの ですか。 ○看護職員確保対策官 おそらくいまご指摘いただいた点については、我々も真剣に考え たことはなかったのですが、直感的にはちょっと難しいのかなと思っています。というの は、いちばん大きな理由は、4年制の大学を出られる方の場合には、看護師と保健師を4 年生で受験される方が多くて、同時に出願される場合がほとんどだと思っています。  そういった方に前後でというようになりますと、看護師の合格が確定してからその方の 保健師の受験資格を認めると。その上でさらに試験をやって合格となりますと、かなりの タイムスパンが必要になるかと思いますので、おっしゃられる趣旨はよく理解できますが、 日程的にはかなり難しい点があるかと思います。 ○久常委員 そういうことを可能にしてきたから、保健師という国家試験が看護を前提に するのだと、あるいは助産師もそうですが、そういうことが曖昧になってきた教育の運営 があるのではないかなと。そういうことは私はきちんとすべきではないかという気がする のですが、もし大学の場合で3年間で看護の国家試験の内容を勉強した場合には、3年間 で受験することは不可能ですか。大学受験生を排除するという意味ではなくて、3年以上 という教育になっていますから、3年以上の教育が終わった段階で看護の国家試験を普通 だったら受けることができるわけですよね。 ○看護職員確保対策官 たぶんそれも教育の順序性の問題になるかと思っています。多く の大学では、いまは看護の指定規則に見合った形でカリキュラムが組まれていれば、当然 国家試験受験のための指定をするわけです。その際にどういう順序で何をやるかという話 についてはそれぞれの学校でお考えいただいて、保健の部分と看護の部分を前後して教え ている場合があるかと思います。ですので、3年までに看護のカリキュラムを全部終わっ て4年生が保健師ですよという学校もあるかもしれませんが、多くの学校がおそらくそう ではない形でやっているのだと思います。今後仮に、もしそういうふうにするのであれば、 ルールとして1年生から3年生まで看護をやりなさい。4年生で保健をやりなさいという ことになれば、そういうこともできなくはないわけですが、まあそういうことになる方向 では、いまは議論はされていないというところだと思っています。 ○濱田分科会長 これは議論をするとなると、大変な問題があると思います。今後一つの 課題として、そういう発想も考えていただきたいという問題に残してよろしいでしょうか。 そのほか何かございますか。 ○牛島委員 私がいま心配していることをお話します。5月から8月にかけて東北から近 県に、私は埼玉にいますから看護師募集に行きましたら、看護の専門学校で、実習する場 がどんどん減っているのです。そうすると、教育のイーブンの、機会均等ということが守 れないようです。  我々の機構の病院でも、東京都の学生さんが山梨に行って、実習を受けている実態がち ゃんとあるのです。特に自治体病院を頼りにされているような看護学校は、行く所がない のです。だからきちんとした機会均等の教育を提供しているかどうかを誰がチェックして 見るのかなと思って、それが私は非常に心配です。でないと、必修問題や禁忌の問題を作 っても機会均等になっていないから、何の意味もないのです。そのチェックをどうするの か。これからまだまだ医療の崩壊、現場の崩壊は続いていくと思いますので、その辺を理 解して見ていただきたいです。でないと若者、特に女性は、この業界から駄目だとあきら めるのです。そうしたらもっと崩壊が進むのです。これは現場の意見として、十分お考え になっていただきたいなと。どなたがやるかどうかはわかりませんが、そういう目で今後 見ていかないと、日本の将来はちょっと暗いなという感じがしています。 ○村嶋委員 いまのに関連して、保健師の実習先も大変困っています。というのは、看護 系大学がどんどん出来ていますが、大学では学生全員が保健師の国家試験受験科目が卒業 要件になっているという実態があります。ですから、保健師になりたい学生もなりたくな い学生も、一律に保健師の実習に行かなければいけないという現状があります。それをこ なすために、2、3週間ごとのローテーションで、いろいろなパートを回ります。このため、 保健師の実習に行くのに、他の看護師の科目を全然実習していないのに、保健師の実習に いかなければいけないという実態があります。そういう意味では、看護師の免許を取った 上で保健師の実習をすることが望ましい。看護師の免許があれば、家庭訪問をしたときに も、やらせていただくことの自由度がずっと広がりますので、そこの教育のあり方、各大 学への自由度の付与の仕方も含めて、検討していただきたいと思います。大変大きな問題 です。 ○羽生田委員 いま言われた実習病院が非常に少なくなっているというのは、いわゆる地 域偏在よりも地域の中での偏在が進んで、中小病院が医師不足、看護師不足になってきて、 産婦人科や小児科がなくなったりということで、全部の科目が実習できなくなってきてい る。そこへもってきて、いま看護師の実習は県外まで行かなければならないような状況で すが、例えば医師の臨床研修の場合では、わずかですが病院に対しての手当があるわけで す。  それがいい悪いはまた別として、看護師という国家資格の人たちは、国民の保健医療、 福祉のために育てている職種ですから、国民のために国が責任を持って養成をしなければ いけないというときに、いまの補助金額を毎年あれだけどんどん下げているような状況で は、とても国が責任を持って養成しているとはいえない。医師の臨床研修は、わずかなが ら診療報酬の中から出ているわけですが、診療報酬の中から出すよりは、きちんと看護師 養成、あるいは助産師養成、保健師養成というものを、国の責任で養成をしていく。  実習病院でそれだけの手当をしなければ、実習は受けられないです。ましてや実習担当 者、実習指導者まで必要でそれも研修を受ける。専任養成講習といっても、給料を払って いる上に病院を休んで行かなければならない状況を作っているわけですから、制度上の問 題もありますが、いちばんは病院に対しての補助がなければ実習病院は続けられないです。 今後看護師の卒後研修という話になったら、きちんとした担保をしてもらわなければこれ もできないです。その辺は、是非国のほうできちんと考えていただきたいという要望です。 ○濱田分科会長 恐れ入りますが、国家試験の改善の事項と思って議論をいただきました が、ある意味事務局へのいま現実の問題が委員の皆様から出たのではないかと思います。 改善部会を作るに当たって、是非この件を検討していただきたいということがありました ら、どうぞ。 ○榮木委員 臨床サイドからですが、合格発表が少しずつ年々早まってきてはいるのです が、まだ登録は4月1日には間に合わないのです。このことに関しては、登録できない看 護師が配置基準にどう影響するかということもありますので、登録が4月1日に間に合う 日にちの設定で合格発表を出していただけると、助かるのですが。 ○濱田分科会長 スケジュール的に改善が可能かどうかをご検討していただけたらと思い ますが、そのほか何かございますか。 ○井部委員 いまの試験ですと、合格発表が大体試験日から1カ月ぐらいかかっています。 その1カ月というのはギリギリ必要なのでしょうか。もっと機械化をすれば早くできるの ではないかと思うのですが。 ○試験免許室長 3月末に発表というのが、いまの試験日程からするともうギリギリです。 合格発表をするということは、各4年制の大学、養成所を含めて、卒業しているという前 提があります。  いま井部委員がおっしゃったように、1カ月というのはもちろん手作業でやっているわ けではありません。機械化されてすべてやっていますが、その期間は必要です。 ○久常委員 先ほど村嶋委員がおっしゃった話で、いまの看護教育の統合教育というのは、 看護の基礎がまだ十分でないときに、実習も終わっていない前段階から保健師の実習が始 まると。看護の基礎がきちんとできていない、実習も終わっていない、あるいは途中でも いいのですが、最初から保健師の実習が始まる所もあるわけです。私もそれをやってきま したが、少なくとも看護を前提とするという国家資格となっているときに、そういう教育 でやってきた形が認められるのか。国家資格の構図を考えたときに、そこのところは看護 課のほうで検討を1回きちんとした上で、返答を出していただきたいと思います。  看護を前提としている国家資格になっているのにもかかわらず、いまの保健師の教育自 身は看護教育の基礎になっているような運営の仕方をされている所もある。それで保健師 の国家資格の教育と言えるのかを、1回看護課として明らかにしていただきたいです。 ○濱田分科会長 そのほかございますか。 ○羽生田委員 いま現在でも国家試験の問題を作成するのに、試験委員を中心か、その他 まで含めてかはわかりませんが、研修的なことをやっているという話は聞くのですが、回 数的、期間的にどの程度なのかはわかりませんが、その辺をもう少し充実していただきた いという希望があります。国家試験ですから、試験のレベルは非常に大切だと思います。  私は他の国家試験にも関わってきましたが、きちんとしたレベルの試験を作ることは、 非常に大変ですし大切です。いまいちばん充実しているのは、医師国家試験だと思います。 だから国家試験の問題を作成するに当たって、医師国家試験の作成を経験してきた先生方 を講師に呼んで、どういう形でどういうことに注意してきちんとした問題を作っていくか。 結局正解肢が1つでなければいけないし、正解がないのはいけないですし、そういったと ころの洗練という意味で、是非そういった研修を充実していただきたいと思います。 ○濱田分科会長 そろそろ時間となりましたが、まだこの意見だけは是非という方はいら っしゃいますか。 ○井部委員 いまの国家試験が例えば年1回とか、紙に向かって全員がやるという基本的 なところも改善部会で議論することは可能なのでしょうか。いまの枠の範囲内で行うとい う前提があるのでしょうか、あるいはもう少し自由に検討してもよろしいのでしょうか。 改善部会の委員の検討範囲としては、限界はどこに設定されているのでしょうか。 ○島田指導官 ご議論の結果として来年から適用するというものもあるでしょうし、中長 期的に議論していただかなければできないこともあるかとは思いますが、現行規定の枠の 中でという限定はありませんので、国家試験としての趣旨に合ったよりよい制度とするに はどうしたらいいかを、全般的にご議論いただきたいと考えています。 ○井部委員 アメリカは州の試験ですが、コンピュータでやるので書類が整えばいつでも 受けられるということを聞いています。日本の国家試験は大量な人数が一度にやるという いまの体制も、検討してよいのではないかと思いました。 ○濱田分科会長 今日は皆様から活発なご意見をいただきまして、ありがとうございまし た。本日は多くの問題点や課題が出されました。今後は改善部会においていま議論した問 題点、課題等を詳細に分析して改善策を導き出していただきたいと思います。  改善部会では、ワーキンググループにて詳細な分析や改善策を検討すると伺っています が、部会の数名の委員にも、検討を進めるにあたり、加わっていただきたいと思います。 ご参加いただく委員の選定は、分科会長の私と事務局に一任させてもらってよろしいです か。 (了承)  それでは、ご了承されたということで選定させていただきます。事務局からの連絡事項 がありましたら、どうぞ。 ○島田指導官 皆様ご多忙のところ活発なご検討をいただきまして、誠にありがとうござ いました。今後の会議日程等につきましては、後日改めてご連絡しますのでよろしくお願 いします。 ○濱田分科会長 何か全体で、質問等はございませんか。なければ、これをもちまして本 日の合同会議を終了させていただきます。本日はお忙しいところご出席いただきましてあ りがとうございました。 照会先         厚生労働省医政局看護課(島田/初村) 電話03−5253−1111(内線2595)