07/09/27 第104回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会議事録 第104回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 1 日時  平成19年9月27日(木)9:30〜 2 場所  厚生労働省職業安定局第1会議室(13階) 3 出席者    委員  公益代表 :鎌田委員、北村委員、清家委員        労働者代表:市川(佳)委員、長谷川委員        使用者代表:山崎委員、輪島委員   事務局  大槻職業安定局次長、鈴木需給調整事業課長、        田中派遣・請負労働企画官、松原需給調整事業課長補佐、        松浦需給調整事業課長補佐、佐藤需給調整事業課長補佐 4 議題 (1)労働力需給制度について      (2)その他 ○清家部会長  ただいまから、第104回労働力需給制度部会を開催します。本日は労働側の古市委員、 使用者側の市川委員がご欠席ですが、それぞれ代理として全国建設労働組合総連合の山 下組織部長、全国中小企業団体中央会の矢野主幹にご出席いただいています。  本日は、最初に、公開で「労働力需給制度について」をご審議いただきます。その後、 一般労働者派遣事業の許可の諮問、有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可の諮 問に係る審議を行いますが、許可の諮問については資産の状況等の個別の事業主に関す る事項を取り扱うことから、これについては「公開することにより特定の者に不当な利 益を与え、又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開とさせてい ただきますので、傍聴されている方には始まる前にご退席をお願いすることになること を、予めご了承いただきたいと思います。  早速、議事に入ります。最初の議題は「労働力需給制度について」です。まず事務局 から前回質問のあった件への回答をお願いします。 ○松原補佐  おはようございます。最初に資料の確認をお願いします。資料1は労働者派遣制度に 関する検討課題です。資料2-1は図になっていますが、医療対策協議会の調整を介した 医師派遣という2枚紙です。資料2-2は地域医療確保のための医師の労働者派遣に係る 見直し案についてです。これが公開部分の資料です。それと部会長からお話があった非 公開部分の資料として、No.1は一般労働者派遣事業の許可についての資料です。No.2は 有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可についての資料です。もう1点、皆様の 机の上に黄色いファイルを置いております。これは前回から検討課題の議論が始まった ということで、基本的に今後、前回の資料から委員各位がいつでも参照できるようにと いうことで、用意させていただいたものです。部会当日にお配りするものについてはお 持ち帰りいただいて結構ですので、終わった後に新たなものを1部事務局のほうで追加 させていただく形にしたいと思っています。よろしくお願いします。  ではまず前回の部会において宿題になった事項について、ご説明申し上げます。労働 者側の市川委員からお話がありましたが、前回の部会で事務局より提出した資料の短期 派遣労働者について、黄色いファイルで資料2の8頁に、短期派遣労働者と日雇労働者 (直用)という資料があるかと思います。この部分で委員から、短期派遣労働者のとこ ろで4つ目の○に、「今後も現在のままでよい」というのが45.7%となっていますが、 括弧内の男性が47.7、女性が56.9となっているのは、不整合ではないかという指摘があ りました。これについて、全体の45.7%のところですが、「今後も現在のままでよい」 とする割合には無回答が入っています。一方、下の括弧の男性、女性のところで、公表 資料でもそうなっているので、無回答部分を除いた形の集計になっています。それでこ の不整合が出たということです。前回の資料作成のときに、それをそのまま事務局のほ うで引っ張ってきてしまいましたので、そのような不整合が出てしまったということで す。公表資料との統一性をとるという意味では注なりを入れるべきでしたし、数値的な 整合性という意味では、男性、女性がいま47.7、56.9となっていますが、これに無回答 を入れた数値が43.5、49.4という数字になりますので、そうすべきものであったという ふうに認識しています。訂正してお詫びさせていただきたいと思います。  前回の部会で宿題となったもう1点、北村委員から、日雇労働者などの民間の調査が ないかどうか調べてくれというお話がありました。これはまだ調査中ですのでもうしば らくお待ちください。 ○清家部会長  ありがとうございました。では検討課題についての議論をお願いします。検討課題は 資料1のところに掲げられていますが、前回のお話を少し整理させていただくと、前回 は労働側委員から、登録型は1つには雇用が不安定であり、専門26業務のみに絞る等の 方策を考える必要があるのではないかということ。もう1つは、日々、雇用される労働 者は労働者派遣で行うべきか職業紹介で行うべきか、ということを考えてみてはどうか という点、さらに常用雇用型の26業務であっても、すぐに雇用申込義務を廃止するのは 難しいのではないか。労働者派遣は臨時的、一時的な需給調整機能を担うという前提で ある以上、期間制限は延長するべきではないということ。さらに無許可、無届けの事業 者からの派遣を受け入れた場合等のみなし雇用制度を検討すべきであるという意見が出 ました。  また使用者側委員からは、1つには登録型、非26業務型であっても、一定のニーズが 認められ、直ちに専門26業務に絞るということにはならないのではないかという意見、 また常用雇用型26業務については、雇用の申込義務を撤廃すべきであるという意見、さ らに40条の5があるために、期間制限がないにもかかわらず契約を3年で切らざるを得な い状況もあり、派遣労働者の雇用を不安定にしている等の意見が出されたところです。  なお、日々雇用の派遣労働あるいは社員への登用制度については、前回はあまりご意 見が出なかったように思いますので、そのあたりも含めて更に追加、補足のご意見があ れば本日、お願いしたいと思います。では皆様方、ご自由によろしくお願いします。 ○輪島委員  日々雇用の関係ですが、前回、鎌田委員が日々雇用の関係で派遣法上の問題と、その 他基準法や最低賃金など、その手の整理が必要なのではないかという意見があったと思 います。その点は事務局のほうは何かご検討ないし資料等があるのでしょうか。 ○松原補佐  前回、ご指摘がありました点について、今日の時点でまだ資料は用意していませんが、 派遣法、基準法の観点から資料を用意させていただきたいと思っています。 ○清家部会長  ではそのようにしていただけますか。輪島委員、よろしいですか。 ○輪島委員  はい。 ○長谷川委員  前回、全部発言しなかったところもありますので、全体的にIの項目について述べさ せていただきたいと思います。(1)の登録型の派遣ですが、雇用契約の細切れが結構問 題になっていて、派遣元指針で努力義務とされている派遣契約期間と雇用契約期間の一 致というのを、ある意味で義務化して短期の細切れの雇用契約の防止を図ることが必要 なのではないかと思います。  派遣の許可要件に対して、許可基準の厳格化など、派遣元事業者に対する規制をかけ ることが必要なのではないかと思っています。それは、専ら派遣の定義の明確化、貸金 業との兼業禁止、雇用管理や教育訓練の基準の引上げ、派遣元責任者の要件の見直しや、 更新時の審査についてもっと実績を評価する等厳格化して、許可基準をもう少し締めた らどうかと思います。  次に日々雇用の派遣ですが、前回、日々雇用について派遣としてどうなのかというこ とも提起したのですが、日々雇用型の派遣の実態が本当にこれは労働者派遣と言えるの かどうなのか。前回も検討すべきだと言ったのですが、登録型の一般業務は禁止すべき だというのは登録のところでお話しましたが、それで日々雇用の派遣労働者の保護が全 部できるのかというのは、ちょっと私どものほうもまだ定かではないのです。まだきっ ちり精査できていません。そうだとすると、日々雇用のような働かせ方、日々雇用の派 遣を認めるかどうなのかということについても検討することが必要で、私は日々雇用の 働かせ方は、むしろ派遣でやるのではなく、直接雇用でやったほうがいいのではないか。 それが原則ではないかと思っています。  1つ聞きたいのですが、日々派遣に対していろいろな行政指導などが行われているよ うですが、行政が監督指導するときに派遣法に違反しているところを見ているのか、そ れとも労働基準法や労働安全衛生法から見ているのか、そのことを教えていただきたい と思います。  派遣受入期間と派遣労働者の雇用申込義務についてですが、現行の派遣を1年超えて 受け入れるときに、労働組合に通知して意見調整するというのが3年前の改正のときに 盛り込まれました。この場合、一般業務で1年を超える場合となっていますが、一般業 務で1年を超える場合に限定しないで、すべての業務について派遣労働者を受け入れよ うとする場合に、期間、業務、人数、派遣労働者の処遇、社会労働保険の加入の有無、 派遣料金、派遣元事業者を派遣労働組合に通知して意見調整することを義務づけたらど うか。何らかの形で派遣先の労働組合と、派遣労働者を受け入れる場合の通知、意見聴 取を盛り込んだらどうかと思います。  労使関係の問題ですが、派遣労働者が労働組合を作ったときに、現行法だと使用者性 は派遣元にありますから、団体交渉応諾義務は派遣元にはあるわけです。派遣労働者が 労働組合を作ったときに、むろん派遣元と団体交渉をやるのは当たり前ですし、できる わけですが、派遣先と団体交渉する、例えば労働安全といった問題について派遣先労働 組合と団体交渉することが、この派遣法の中でできないのかどうか検討したらどうかと 思っています。  雇用申込義務ですが、一般業務の派遣可能期間は最長3年です。そもそも一般業務と いうのは臨時的、一時的だという位置付けなわけですから、3年を超える場合に雇入申 込義務があるというのは、私は当然なのではないかと思います。  派遣先における派遣労働者の正社員登用制度についてですが、資料に示されているよ うに、派遣労働者を派遣先の正社員で登用するというのは17%なのです。70%は登用制 度がない。この派遣先の社員登用制度と現行の雇用申込義務との関係というのを、どん なふうに考えるのか、どんなふうに分析しているのか、少し厚生労働省の考え方もお聞 きしたいと思います。  例えば申込義務をなくした場合、それは使用者の人たちからも言われているし、ヒア リングのときもそういう話があったのですが、雇入申込義務がなくなってしまうと、事 実上、正社員になる道はなくなってしまうのではないかと思います。だからこの辺はも う少し、どういう形で社員登用制度を作るのかについて、検討が必要なのではないかと 思います。以上が前回漏れたところです。 ○清家部会長  いくつか事務局に質問がありましたので、事務局からお答えいただきます。 ○松原補佐  日雇い派遣のところで、派遣法、労働基準法、安全衛生法のどの観点で指導している のかという御質問ですが、基本的にはそれぞれの法律の観点からすべからく、というこ とになるかと思います。職業安定局においては派遣法の観点から、派遣契約、就業条件 の明示等という観点から指導していますし、禁止業務に派遣している場合の指導も当然 行っています。現実的に派遣元への指導で多くなっているのは、就業条件等の明示と派 遣契約の内容をちゃんとするようにということです。そういう現状にあります。また昨 年、労働基準局との連携通達を出していますので、その観点から合同監督等も行ってい ます。  また、労働基準関係法令の面からは労働基準法24条などの賃金の関係や安全衛生の観 点から、労働基準局、監督署において指導を行っています。これら指導はばらばらとい うことではなくて、当該違反事業所に対して法違反については基準法、派遣法の両方の 観点から統合的に指導を行っているというものです。  また、いわゆる日雇い派遣について何件指導しているかという数字はありません。先 程申し上げた大枠の数値しかありませんが、派遣法で指導が多くなっているのは就業条 件の明示、契約の内容等という状況です。  次に、前回の資料でお出ししている派遣労働者を社員に登用する制度の有無というと ころで、「正社員として登用する制度がある」が17.0%となっていて、「ない」という 所が70%でご指摘のとおりです。これについて雇用の申込義務との関係をどう考えてい るかという質問ですが、雇用の申込義務と関係を精査した調査は正直ありません。この 正社員として登用する制度があるというのが、雇用の申込義務を念頭に置いて答えてい るのか、そうでないか定かではありません。ですから、これが17.0%であるからといっ て、期間制限が来た時に正社員に全然登用していないということを明言できるほどの資 料ではありませんので、そこはご理解いただきたいと思っています。 ○清家部会長  長谷川委員、よろしいですか。 ○長谷川委員  はい。 ○山崎委員  登録型の派遣労働についてですが、平成19年度の労働政策に関するアンケート調査結 果というのが商工会議所で出ています。その中で平成19年度の当初実施した結果による と、今後、派遣労働者の受入れについて、一時的な対応要因として活用を拡大したいと いう企業の意向が大変強いです。「派遣労働者の受入れを拡大する」と回答した企業の 内で、その理由の1つに「一時的な対応要因」と回答した企業は56.6%あるわけです。  また本日配布されている資料ですが、登録型の26業務ですけれども、この登録型の派 遣労働者については、今後も派遣労働者として働きたいという希望を持つ労働者が3、4 割程度いるということで、このように登録型の派遣労働という形は、労使双方のニーズ に合うのではないか。一律に規制をかけたりするのではなく、多様な働き方の1つとし て尊重していくべきではないかと思っています。  また契約期間が細切れ的だということなのですが、このあたりはそもそも私どもは、 労働者派遣法は派遣労働者の常用的な活用の防止というのを目的としていて、派遣期間 の制限などさまざまな規制を設けているため、特に登録型の派遣労働の働き方において は、派遣期間が短くなったりすることもあるのかなと思っています。そういうことで現 在の派遣法の目的を変えることなく、登録型の派遣労働者の雇用の安定を図ろうとする のであれば、労働者派遣法の見直しのみで対応すべき問題ではなく、雇用対策全体の中 で検討していけたらいいのではないかと思っていますので、よろしくお願いします。  前にドイツと同じみなし雇用ということで、お話があったのですが、私もいろいろ考 えたら、これは一定の期間を超えると派遣先での期間の定めのない雇用とみなされる、 いわゆるみなし雇用ということですけれども、これがあると一定期間までで雇用契約を 終了させることになると思っています。その結果として、派遣労働者の雇用を不安定に するのではないかと私どもは考えていますので、企業のほうが雇用を控えることになら ないといいなと思いまして、その件に関しては反対です。 ○清家部会長  わかりました。ほかにご意見、いかがでしょうか。 ○輪島委員  全般的には前回、お話をした点と重複する部分もあるかと思いますが、せっかくの機 会ですのでお話をさせていただければと思います。まず1番の登録型の派遣ですが、基 本的には前回の数字で193万人という人たちが現実に就労している現実もありますし、 一定のニーズがあるというふうに思っているわけです。そういう意味で登録型の派遣を、 図のほうで言うと2番と4番で縦軸のところですが、縦軸のところで切るというところに ついて言うと、そこは原則的には難しいだろうと思っています。そこのところで細切れ になることが問題になるという認識は、私どもも共通に持っているわけです。  派遣契約を短くしていくということが、なぜ起こるのかということを、もう少しよく 議論する必要があるのだろうと思います。私どもの見方は、1つは制度が難しくなって 複雑になってくる。規制がかかってくるということになると、それを回避するために、 なるべく期間を短くしていくという行動になることが多くなっているのではないかと思 っています。  ですから、安定的な雇用契約、派遣契約というのを、どうやって結ぶのかを考える必 要はあるのではないか。故に、なるべく細切れにしないという意味合いでの、それが努 力義務なのか何なのかわかりませんが、現実的に契約がなるべく長くなるような仕組み を、別途考える必要があるのではないかと思っています。  登録型のいわゆる自由化業務、26業務以外のものというところが課題になっているわ けですが、先ほど長谷川委員が言われたように、2番と4番のところに労側で指摘がある わけですけれども、さらに4番のところの登録型の自由化業務というところの何が問題 なのかを、もう少し労使で詰めて議論するべきなのではないか。  次が日々雇いの話ですが、日々雇いの話もディメンジョンから言うと(4)のところに入 ってくるわけなので、ここのところも何が問題なのかを整理する必要があるだろうと思 います。特に前回の資料2の6頁の事業運営の実態というところで、いちばん最後の主な 取扱い業務ですけれども、いわゆるこれまでの従来型の日雇労働で行われている仕事と、 派遣労働で行われている仕事というのがあると思いますので、そこのところも含めて日 雇労働の延長である応用型である日雇派遣と、日々で適切に需給調整が行われる日々働 く派遣というところを、どういうふうに切り分けられるのかを、もう少し整理して議論 をするべきなのではないかと思っています。  ただ、その点で基本的に日雇派遣について問題があるということであれば、その対象 をしっかりと見極めて規律の強化というか、そういう意味合いでの議論というのは反対 ではないという立場は、そういうことだと思います。  常用雇用型の派遣ですが、ここについて言うと基本的には労働者派遣は雇用の安定、 その他福祉の増進に資することというのが、そもそも労働者派遣法の目的だと私どもは 理解しています。この点、特定派遣については雇用の安定と常用という形で、それが実 現されているのではないかと思っています。前回、市川委員の質問で、常用型になって いるけれども3カ月の繰り返し、継続反復になっているというのも実態としてどうなの かという質問がありました。期間雇用になっていても、それが反復更新されていて実質 的に常用雇用、期間の定めのない雇用とみなされているが故に、常用型派遣だと整理さ れていると思っています。そういう意味で、特定派遣については雇用関係と指揮命令関 係が異なることから、必要な労働者保護についての基本的なルールを除いては、40条の 5の部分ですけれども、期間制限や雇用契約の申込義務などについて、見直しをする必 要があるのではないかと思っています。  みなし雇用の関係ですが、前回、長谷川委員に確認的にドイツ型ですかとお聞きした わけですが、まだコンセンサスというのは漠然としたものだと思いますので、基本的に ドイツ型というふうにおっしゃった点で言うと、例えば無許可業者からの派遣を受け入 れているとか、適用対象業務以外のものを受け入れているとか、現状でもそれは違法状 況なわけですから、そこら辺をどういうふうに切り分けるのかも含めて、もう少し例示 を示していただいた上で議論することが必要なのではないかと思っています。  最後に、派遣労働者の登用制度ですが、なかなかこれは難しいと思っています。もと もとは派遣元の社員ですし、十分ではないというご指摘があるのかもしれませんが、教 育訓練や雇用管理をしっかりしている派遣元というのはたくさんあるわけです。派遣元 の人材としての派遣社員を、派遣先の社員として登用していくことが本当にいいことな のか。そうすべきものなのかということからすると、そこは、せっかく人材育成をして いる派遣元にとっては人材の流出になるわけです。一義的に派遣先がすべて派遣スタッ フを吸収していくという方向性が、本当に正しいのかどうかとなると、そこまでそうい うふうにする必要があるのか、「ねばならないのか」というと、そういう状況ではない のではないかと思っています。 ○市川(佳)委員  前回も話したことでダブるかもしれませんが、1番の登録型のところです。山崎委員 や輪島委員がおっしゃることは全く理解しないわけではありません。臨時的、一時的な 需給調整というのは、派遣先にとって臨時的、一時的であって、決して働くほうにとっ て臨時的、一時的でいいということではないのです。一部ニーズがあるというのは、確 かに自分の都合のいいときだけ働けばいいと思っている派遣労働者も、もちろんいらっ しゃると思いますが、実はいまのこの百何十万人という実態に増えてしまったのを見る と、そうでなくて、本当はずっと正規で働きたいけれど、一時期の不況のころから派遣 でずっときてしまったということなのではないかと思います。  働く者にとっては臨時的、一時的な仕事では困るのですから、それを派遣制度の中で 雇用の安定をどのように確保するのか。ニーズがあることは否定はしません。しかし大 多数というか、何パーセントが大多数か別として、正社員に早くなりたいという方もい らっしゃるわけですし、あまりにも数が増えてしまったということです。  本来、臨時的、一時的な需給調整制度であるはずの派遣が、あまりにも実態として数 が増えてしまって、臨時的、一時的な需給調整制度だけで生きていかなければいけない という労働者の方たちがあまりにも増えてしまった。非常に低収入で年収100万円台や 200万台で、年を重ねても賃金が上がらない、スキルも結果として上がっていかない。 このことが非常に大きな問題だと考えています。  雇用の安定という意味から、もう少し登録型のあり方というものをきちんと位置づけ ることが必要ではないか。そういう意味で労働側としては、本当は登録型というのはや めてほしいという気持です。しかし、そうは言ってもというところで、どういう議論が できるかだと考えています。  それともう1つ、派遣先における社員登用制度ですが、制度があるからいいとは私は 思わないのです。制度がなくたって正社員になる方もいらっしゃるでしょうし、制度が あったって一切実績がないということもあるでしょうし、輪島委員の言われたように、 常用型の中で派遣元できちんとした雇用関係があって、雇用が確保されているという方 に対し、社員登用制度はいかがなものかという理屈もよくわかります。しかし、前回も 私が言ったように、すべての常用型がそういうふうには言えないところがあります。一 部そういう所もありますが、そういう企業があって常用型で、きちんと雇用管理されて 教育も受けている。待遇もきちんとしている。でもそれがすべてではないので、法律に おいてすべて常用型の場合は安心な雇用なのだから、規制を緩めていいということは、 労働側としては言えないということを申し上げておきたい。 ○山崎委員  素朴な疑問なのですが、長谷川委員が今おっしゃっているのは分かるのです。ただ、 ある意味、使用者側から考えますと、大企業のほうにはそういったことがすべて合うの ですが、中小企業、零細企業のところでは、雇用したいという要望があっても、そうい う所には派遣労働者は来ないのです。そういうことも聞いているのです。ですから、大 中企業がそういうことで問題とされていて、小と零細企業に対して、そういう労働者が 来ないということに関しては、どういうふうにお考えですか。 ○長谷川委員  それは、私は日ごろずっと思っているのです。中小と言っても300人以下が中小だか ら、私は100から300なんていうのは地方に行ったら立派な大企業だと思っていますが、 どちらかというと中小零細企業に派遣の人たちが来ない、来ないと言うのです。私は1 つはハローワークが駄目だと思っているのです。ハローワークの相談員が、仕事を探し ている人に対してうまくマッチングする努力をしていない。だから私はもう少しハロー ワークが営業活動しなければいけないと思っています。  もう1つは、有料の職業紹介事業所がいっぱいあります。ハローワークの紹介で就職 する人は2割で、8割は民間のそういう所です。民間も大企業に対してはすごく一生懸命 営業活動をやるのですが、中小の零細に対しては意外とやらない。それと派遣会社もそ うなのです。大手の派遣会社は大手のところにやるのですが、中にすごく小さな派遣会 社もありますけど、なかなか大手の派遣会社が中小零細企業にまで営業活動をやらない から、結果的には大企業、300人以上の所に営業活動の人たちはみんな行ってしまって、 要するに50人未満の所に営業が来ないのです。  50人未満の所というのは、街中を歩いているとよくわかりますけど、従業員募集とい うのがあったり、必ず金曜日に入って来る求人広告で募集していたりするのです。そう いうところに対して手厚くアドバイザーがやらないから、どうしてもマッチングしてい かないのだと思います。フリーターの人たちも職を探しているて、本当は中小の人たち はほしいと思っている。ここがマッチングしないのは、私は本来、職業紹介を業として やっている8割のところと、ハローワークの努力がまだ足りないためだと思っています。  今回、予算で政府も相談員とかにお金をかけるようですが、できたら私みたいな人を 雇っていただいて、そういうところのマッチングさせる努力をすること。それと、中小 企業のほうがものすごく働きやすいんだよと、将来のことを考えたら、そういう所のほ うがいいのだと自信を持って言える人がいないことに原因がある。だからもっと営業活 動を大手ばかりやらないで、そういうところに目を向けることが私は必要だと思います。 ハローワークはもっとそういうところで頑張らなければいけない。 ○山崎委員  そういう零細企業のほうが、正社員にすぐになれる可能性はあるのです。ですからそ ちらのほうにもう少し。 ○長谷川委員  事業主の顔の見えるところにいるから、本当はもっとそこをマッチングさせる営業活 動が私は必要だと思います。 ○市川(佳)委員  私どもの組合は、ほとんど中小企業の組合を組織しているものですから、山崎委員の 言われることはよくわかる。逆に、私どもの組合でも中小は派遣なんか使っていないで す。小さい所は派遣のほうが高く付きますからね。むしろ中堅以上の所が派遣とか請負 とかを使う。中小はいま本当に人が、特に技能を持っている職人的な人たちの後を受け 継いでくれる若手が採れない。非常に苦労していて、経済産業省が物づくりの問題だと か、厚労省の職業訓練の問題とか、いろんな施策をいつも要求していますし、こういう 事はちゃんとやっていかなければいけないというのは、おっしゃるとおりだと思います。 ○清家部会長  よろしいですか。ハローワークにも頑張ってもらうと。 ○長谷川委員  輪島委員が言った4つの切り口を、私はもう少し丁寧に分析することが必要なのでは ないかと思います。 ○輪島委員  市川委員が先ほど言われた、登用制度ではなくて、前段の臨時的・一時的な需給調整 のほうですが、そこも4つの切り口のところでおっしゃる臨時的、一時的というのは、 それは3番と4番のほうになるわけで、2番と4番というのは登録型ということになるわけ です。制度的にこういうものを用意しておいて、それで臨時的、一時的な仕事がこうで すよというふうに募集をかけ、それの仕事をしているという現実の中で、労働者側とし ての保護が足りないというふうになると、そこはなかなか、どっちがどっちなのかとい うのは難しい話だと思います。  私どもの考えるのは、1番と2番のところで言うと、相対的に今後も派遣労働者として 働きたいというわけですから、労働者のほうの希望として派遣労働者として働きたいと いうのは、いわゆる26業務だとなれば、働きたくなければ辞めればいいとなる。そこも 難しいところですが、しかしながら、少し切り分けるとすれば1番と2番、3番と4番の横 のところに価値観の違いが出ている。労側のおっしゃる2番と4番の縦のラインで登録型 がいけないというところが、どうしてそうなるのか。特に2番の登録型の26で今後も派 遣労働者として働きたいということになれば、労働者の考え方も尊重されるべきだろう と思います。縦の2、4のところで切るというところが、どうなのか。  再三申し上げるように、1と2の横のラインで切る。3番と4番のところをどういうふう にするのか。特に(4)のところの登録型の自由化業務のところ、なかんずく、その中のい わゆる日々派遣と言われているところが、どういうふうになるのかという整理をするこ とについて言えば、そういう必要があるだろうと思います。 ○清家部会長  この(1)〜(4)の内容を精査していくというのは、とても大切なポイントだと思いますの で、次回以降もそのような形で少し議論をしたいと思います。今日はIIのほうにはいく 時間がないかもしれませんので、そこを含めて次回以降、議論を深めてまいりたいと思 います。本日はもう1つ大きな宿題があります。前回から議論している緊急医師確保対 策について、前回の検討事項への回答も含め、事務局から説明をお願いしたいと思いま す。 ○中村企画官  前回、ご指摘をいただいた点について、本日、資料を用意させていただきましたので ご説明申し上げます。資料2-1です。  1枚目にあるのが都道府県レベルでの調整の場合のスキーム図です。真ん中に四角囲 みで都道府県の医療対策協議会での事務の流れを書いています。いちばん右ですが、医 師不足が深刻な医療機関から県に対して要請があることについて、医療対策協議会の場 で状況把握等を行った上で、医師確保あるいはその病院の医療機能が必要であるかどう か等について判断されます。その結果、各エリアにおいて協力していただける病院があ る場合にはその病院に要請し、都道府県レベルで調整が成立するということですので、 この場合について派遣元の病院と派遣先の病院とで労働者派遣契約を結んでいただく。 そんなことが考えられるというのが1点目です。  2頁目ですが、今、1枚目で申し上げた都道府県レベルでの調整というのが右側の四角 のところです。その結果、なかなか難しいと、圏域レベルでは協力いただける病院が見 つからないという場合に、国のほうへ要請をいただくことになります。医政局の中に設 置している地域医療支援中央会議の場で議論いただいた上で、全国的な病院グループ等 へ協力の要請をさせていただきます。その結果、協力していただける所が見つかった場 合には、その病院と派遣先となる病院との間で労働者派遣契約を結んで、実際に医師に 派遣労働者として行っていただく。こういったことを手続として今回、是非とも実現を お願いしたいということで、お願いしているところです。簡単ですが以上です。 ○清家部会長  ありがとうございました。ただいまのご説明及び本日配布されている資料等をご参考 に、ご質問、ご意見等ございましたら、よろしくお願いします。 ○長谷川委員  図を書いていただいたのでとてもよくわかり、ますます疑問が湧いてきたわけですが、 この図を見て明らかなように、医療対策協議会もしくは地域医療支援中央会議、これは 両方使うということですか。 ○中村企画官  国での調整を行う場合には地域医療支援中央会議において議論されますが、現実には まず都道府県の医療対策協議会での議論が先行します。 ○長谷川委員  そうすると、この2つのパターンがあるということですよね。2つのやり方があるとい うことでいいですね。 ○中村企画官  はい。 ○長谷川委員  そうすると、問題なのは左なのです。左で協議会が派遣先の医療機関を決めるという のはわかったのですが、今度要請するときに派遣元事業主が、派遣元事業主イコール病 院だというのを、どこで読むのですか。派遣元事業主は病院に限るということを法律に 明文化するという解釈でよろしいですか。 ○中村企画官  法律ということではございません。各都道府県の医療対策協議会で議論が行われる場 合に、当然、必要な医師をどこから確保するかという議論があるわけです。その場合に 地域で一定の医師をしっかり確保し、実際に医療を提供している地域の比較的有力な病 院がその候補先になるというのが、いわば実務と言えば実務です。そうした所へお願い し、そこから医師を出していただくということが、私どもが考えているケースです。  したがって、それ以外のケースというのは、逆に申し上げれば私どもの念頭にないわ けです。その点について前回からご懸念をいただいていますが、そうした点については 私どものほうも各都道府県に周知したいと考えています。 ○長谷川委員  労働契約は個人の契約で言うと、今までは例えば私が医師だとすると、私の雇い主は ○○病院だったわけです。今度これを作ると、○○病院の従業員ではないのです。派遣 元事業主が雇用主になるわけです。その派遣元事業主が病院に限るということであれば、 その病院で派遣会社を作って派遣すればイコールになるでしょうけども、結局、雇用主 は変わってしまうわけです。  それと、医師が必ず帰って来ることをちゃんと担保することが重要ですね、という話 をしたのですが、こうなると派遣元事業主を病院に限るということがないと、結果的に はどの派遣会社でも、医師の派遣をできるというふうになってしまいます。前回、聞い た時に「病院と限りません」と言っていたけれど、そうなれば、○○病院ということも あるでしょうし、派遣会社が医師を派遣することもあり得るわけです。この派遣元事業 主というのは派遣会社のことですね。 ○中村企画官  医療機関ですから病院の場合と診療所の場合があると思いますが、病院又は診療所が 自ら派遣元事業主になることを想定していますし、現実問題としては、自分のところの 既にお勤めになっている医師にお願いして、派遣先に行っていただくということでしょ うから、派遣法との関係で言えば届出手続が行われる特定労働者派遣事業のスタイルに なると考えています。 ○長谷川委員  おそらく、これがもしできるとなった場合に、○○大学とか○○病院とかの医療関係 機関が、派遣会社の届出をしてくると思います。そうするとそこは派遣できる。それは 一番きれいなスタイルなのです。ところが、法律に「医療機関等に限る」というものが ない限り、いまの派遣会社は医療関係もやっている所がありますから、要するに普通の 派遣会社がこれもできることになります。そうすると、そもそも予定したものと違うも のができるのではないかと思います。だから私は、ここは最初に期待したものと違うも のに絶対なると思っているのです。 ○中村企画官  私どもが今回、是非とも実現をしたいと思ってお願いしているのは、まさに本日お出 しした資料2-1の2つのケースです。逆に申し上げれば、それ以上の部分について、この 派遣法に基づく派遣が広がることについては本意でもないということですので、この点 については先ほど申し上げたように、しっかり周知を図っていきたいと考えているとい うことです。 ○長谷川委員  もう多くは申しませんけれど、本意ではないと言っても私も前に言いましたが、要す るにスポット派遣だとか日雇派遣なんか誰も想定していなかった。想定外のことが起き てしまった。だからこの医療も純粋な基本パターンで考えたとしても、この派遣法の中 に、医療派遣の派遣元事業者となり得るのは、医療機関に限ると規定しない限りは、誰 でもできますよとなる。だからそれは本意でないと言っても、不本意なことが法律の盲 点を突いて起きるのがこの社会なのだから、そのためにいろいろなことで歯止めをかけ るわけです。これだと派遣法の法律改正をして、限るというふうにしない限り無理だと 思います。あとはこれ以上言いません。 ○輪島委員  これ以上ということですが、私の前回の説明で理解しているところは、長谷川委員と はたぶん違うのだと思います。少なくとも基本的に制度上は民間の業者が参入できる。 実質的にどうなるのかはわかりませんが、そういうふうに理解しているので、いまの答 弁だと、それはちょっと困るなと。基本的には民間業者が入ることができるけれども、 実質的に排除できるのかどうなのか知りませんが、そういうような仕組みにしますよと いうのが前回の説明であったと理解しているので、それは答弁が違うのではないかと思 いますが、そこはどうなのですか。 ○長谷川委員  1、2、3と違う。1回目と2回目と3回目と。 ○輪島委員  そういうふうな理解をしていないのですけれども。 ○清家部会長  事務局、どうぞ。 ○中村企画官  前回から同じ説明を申し上げているつもりなのですが、私どもが実現をしたいと思っ ているのは、まさに今回のこのケースであるということです。それを派遣法の政令なり 省令を改正していただく中で、現行の派遣法の体系の中で、どういう形で実現していた だくかというお話なのだろうと思っています。  ですから、そこについて双方のご意見を承っていますが、それを踏まえてどういう工 夫ができるのかというのは、検討していく必要はあるのかもしれませんが、今の私ども 医政局としての考え方は申し上げているとおりです。 ○鈴木課長  3回の説明が違うと言われたので、ご説明申し上げると、説明自体が変わったつもり はありません。当初から申し上げているのは、労働者派遣法の中の法律なり政令なり省 令を前提に議論すると、派遣先については例えばへき地であればへき地の場所に限ると、 限定することは可能です。今回も資料2-2で提案していますけれども、派遣先の病院を 大臣告示などで限定していって、そこに限るような形での特例を設けていこうというふ うにしているので、派遣先については限定は可能です。  ただし、派遣元については、現在は許可なり届出なりをして派遣元事業所となってい ただいた所からの派遣という体系になっているので、そこを限定してやる仕組みにはな っていないので、派遣法上、元は限定できませんということです。したがって、例えば 派遣法だけ考えると、このスキームで開いたときには、民間の例えば一般の派遣会社で 医師派遣をやっている所を排除するスキームには、政令や省令ではできませんというこ とを申し上げたのです。  それにプラスして、医政局のほうからも申し上げているとおり、その上に今回、この 図にありますとおり四角の部分があって、都道府県の医療対策協議会が、この全体のい わばコーディネート的なことをやります。その中で前提としているのは、派遣先の病院 から要請が出た場合に、派遣元となるべき病院等に対して要請をして、これについては 一般の派遣会社を想定しておらず、それについては都道府県の協議会に対しても周知す るので、そこでスキーム的には入って来る余地が実質上ないということです。そういう 説明を前回も前々回もしたかと思います。それについてブレはないつもりです。 ○清家部会長  そうすると、こういうことですか。制度的には民間の派遣業者は排除されていないけ れども、しかし、実態としては病院以外にはやらせないように何らかの策を講じるつも りだと。だから制度は可能だけど実態はそうならないようにする、そういうご見解でよ ろしいということですか。労使双方がそれでいいかどうかは別として。 ○鈴木課長  そういうことになります。 ○清家部会長  では、そういう前提でいかがでしょうか。 ○輪島委員  その点で言うと、資料2-1のところで医療対策協議会が、(4)番のところで医療機関に 要請し、実質的に排除されている。あと特定していくということになると、独占禁止法 ということにはならないのですか。 ○中村企画官  結局、派遣という形態で医師を出すことをまず先に判断し、医師を探す訳ではないの です。医療対策協議会が医師を確保しようとするときに、どこかの病院で、この地域の 医師不足の病院に医師を出していただける病院がありませんか、ということで一生懸命 探していただく。その結果、協力をしましょうという病院が見つかったときに、その協 力の仕方として、今までであれば退職をし、新しい病院で採用されるというパターンが 一般的でした。これは前に説明しました。  ところが、今回、今年の6月に国レベルで行った第1陣の派遣でもそうでしたが、医師 にとってみれば辞めてまで行くのは嫌であるという話です。辞めないで済むなら協力し ましょうという話もある。ではそれを実現するにはどういう形態があるか。辞めずに今 のままのスタイルで行っていただく場合について、後から派遣法に違反しているのでは ないかという指摘を受ける可能性があるということであれば、そこは、せっかく医師確 保にご協力いただく病院が、後から法令違反と言われることがないように、しっかりと 法令上の手当を措置した上で、そうしたことを実現したいと考えています。 ○北村委員  いまのお話を伺っていると、医師不足ということが言われてマーケットとしては圧倒 的な売手市場的なところだと思いますが、その中でなかなか来てもらえないところに導 くために、こういう仕掛けを作るということですよね。これは医師の方にしてみれば、 原籍を保ったままだったら行ってもいいよというのは、言ってみれば病院内部の人事力 学だと思います。それをマーケット的なところで解決するというのには、本来の筋から 違うのではないかという印象があります。おそらくそのような派遣で自分のところの人 材を出すということになると、そこにはまた別の力学が病院内で、例えばAさん行って くれといったときに、それに対して、よく出向ではあることですがギブ・アンド・テイ クが働いたりとか、この人はしょっちゅう派遣に出ているみたいなランク付けができた りというようなことが生じてくる。つまり何と言うのでしょうか。本来だったらマーケ ットで派遣という形で解決されるべきものが、なかなか病院内部の人事力学で叶えられ ていないのを外から1つ圧力をかけるように見えて、これは本当は需要と供給を市場で バランスをとる狙いからすると違うのではないかという気がします。受け皿のほうも予 め資格が問われることになりますと、かなり相対取引的なところがあって、専ら派遣的 な匂いが少しする。まず最初に受け皿ありきで、ここに来てくれよということになると、 そこに名乗りをあげた各病院では既に行き先が決まっているとなると、あそこへ出すな らということで元のほうもかなり制約されてくるだろうということは考えられると思い ます。  こういった医師の人材をやり取りするということを流通といったら言葉は悪いのです が、機会というのはゼロなのでしょうか。というのは、ドクターバンクのような形でか なり募集であるとか、求職ということは既にネット上でありますよね。おそらくこれは 需要が高いだろうと思われる、産科と婦人科の医師であっても大体求人が非常に少ない です。例えば北海道とか、いかにもそういう人材が欲しいだろうなと思うところでも該 当ありませんみたいな形になっていて、いったいそういう具合にして人材を求めるとい うアクションが、もちろんネット上の求人だけではなくて、ほかにもいろいろあるでし ょうけれども、流通自体があまり熱心に行われていないのではないかという気がしまし た。実際、こういうWebサイトで求人している所は完全なリクルート関係の企業なわけ です。ということは、もしもこれで派遣がオーケーということになれば、そういった業 者の方々が参入してくることは十分考えられるわけで、それを病院に限る、受け皿も限 るとするのは非常にクローズドな印象がありまして、本来的な派遣とはちょっと馴染ま ないなという印象がありました。以上です。 ○清家部会長  事務局からありますか。 ○中村企画官  まず、ご指摘を正確に理解できているかどうか自信がない部分がありますが、1つは 医師不足でお困りの病院が医師を確保する手段というのは、このスキームには限らない 訳です。これは前回お示ししましたが、今までであれば、しかも今も一番メインの所は そうだと思いますが、大学の方へ適切な人材がいないかということをお伺いになってい るのが一般的のようです。それから、医師個人の人的なネットワークを活用されたり、 今委員がおっしゃったような職業紹介を業とされている会社にあっせんを要請するとい う様々な取組をされていると思います。しかしながら、そうしたことの自助努力をされ る一方、そうしてもなかなかうまくいかない場合に県のほうへ上がってくるわけで、そ うしたときに県にイニシアティブを取っていただく形で少し地域の力のある病院にご協 力いただけませんかということをお願いしていただく。その結果、協力いただける場合 に初めて今回のスキームが出てくるというものですので、今回の医師派遣が実現したか らといって他の医師確保、例えば、医師を通常採用する、募集する構造に影響を与える ものではないと考えています。 ○北村委員  そうすると、協議会がこの病院からの派遣ならオーケーと限定する根拠に、何かニュ ートラルなものがあるのでしょうか。それとも、協議会がなんとなく評判であるとか良 い人材であるとかは判断するのか。 ○中村企画官  医師不足病院から内科の医師が足りないとか、産科の医師が足りないという要請が当 然あります。例えば、内科でも特定の技術あるいは手技ができる医師はいませんかみた いな話もある。そういった方がどこにいらっしゃるのかというのを地域の有力な病院に ご照会をし、派遣元となる病院についてもそういう医師は自分の所も手いっぱいだとい うことも一般的に多いわけですが、二次医療圏内を見たときに、確かにそのエリアにお いてその病院の診療科がなくなるというのは、地域医療への影響が大きいということで あれば協力をしましょうと言っていただける場合が現にある。そうした場合に、医師を 送り出す方法として派遣という形態は、今はへき地しかできないわけですが、果たして へき地以外で可能とならないだろうかというのが今回のご議論をお願いしているという のが、まさに根幹です。 ○北村委員  まず受け皿からのリクエストがあって、先からのリクエストがあって、それに該当す る最初にマッチングを行って、それからあなたの所は派遣してもいいよという形になる わけですね。言ってみれば、マッチングが出来上がったところでこういうシステムが機 能するようにするということ。当然のことながら、今度は両者で普通の雇用関係である ならば、医師と雇用する側がバーゲニングをするわけですが、病院対病院での何か問題 が生じてくるわけでしょうか。理解として、それを知りたいのですが。 ○中村企画官  まず、派遣元の病院は医療対策協議会なり県からそういう要請を受けた場合に、多分 自分のところでそういう余力が果たしてあるだろうかというご判断をされると思います。 通常は院長先生なり管理者なり、自分の病院で抱える医療スタッフの状況をよくご存じ の方が判断をされる。そのときに、場合によっては、自分のところに勤務する医師に打 診をされるようなこともあるのかもしれないです。その結果として、何カ月か行ってき ましょうかということで、辞めて行かれるということであれば派遣の問題にならないわ けですが、行ってもいいけれども辞めずに身分は残してほしいという話があり、そうい う形態が可能だったら協力しましょうという話になるということです。その後、今おっ しゃった派遣をする場合に当然派遣されている間の給与等の問題もあるでしょうから、 派遣先病院からそれに見合う金銭等を派遣元がお受けになるかどうか。それは個別の問 題だろうと思っています。 ○北村委員  理解が悪くてごめんなさい。要するに、協議会で一定のマッチングが出来上がった段 階でこれを適用するかどうかということで、まずこのシステムができていますので、さ あ皆さんということではないということですね。例えば関連病院の皆さん、受け皿の側 も派遣元の方も、どちら様もご参加くださいという種類のものではないということにな るわけですね。 ○中村企画官  基本的にはそうなります。 ○鈴木課長  専ら派遣ではないかというご指摘の回答をします。もっぱら派遣というのはご存じの ように派遣の許可の段階で、専ら労働者派遣の勤務を特定のものに提供することを目的 として行われるものは許可しません。これを専ら派遣といっております。典型的には、 子会社を作って自分の所に派遣をするためだけにその許可を取らせるということですが、 今回これに当たらないという解釈をしています。というのは、確かにこの協議会で認め られて、こことここという格好でやりますが、そこの元については例えばへき地に派遣 することも、その当該許可、届出においてやることも可能ですし、協議会からほかの所 の派遣の要請があれば、その許可なり届出の中でほかの所にも派遣することができます ので、これは専ら特定の病院なり派遣先に派遣することを目的としているものではない ということで解釈をしています。 ○北村委員  いまおっしゃることの説明は理解できました。 ○清家部会長  ほかにございますか。 ○輪島委員  形態として、届出になるのか許可になるのか、そういうのは何を想定するのかという ことと、余計なことかもしれませんが医師は26業務ではなくて自由化業務ですねという ことですが、それはそういうことなのですか。 ○鈴木課長  26業務ではありません。それから、何を想定するかですが、いろいろな形態があろう かと思いますが、通常想定するのは先ほど医政局から申し上げたとおり、病院に雇われ ている常用の方を派遣する特定型の派遣が多いだろうなと思っています。 ○市川(佳)委員  もう言いたくなかったのですが、今日輪島委員のお話を聞いていて非常に問題がクリ アにわかりました。医療の分野で派遣をどうすべきかという立場が労使で違うことは置 いておいて、輪島委員のご意見はとても明解でよかったのですが、要するに派遣元を特 定するというのは難しいのです。民間の医師を派遣できる業者があって、そこは除外す るというのを何かで決めるのは難しいのだろうなというのが輪島委員のお話を聞いてい てわかりました。それを賛成しているという意味ではなくて、理屈がわかったというこ とです。この議論をしていくと、長谷川委員が言ったように想定外のことがたくさん出 てくるので、1回へき地を認めてくれたじゃないかと言われてしまうとそれまでですが、 こうなってくると医療が一応原則禁止業務になっていて、そのことの是非はどうなのか という議論になってくるのかなと。ここの省令を改正するからやらせてくれというだけ の問題で済まないのではないか。これを認めるとするならば、本当に医療が禁止業務に なっていることの議論をせざるを得なくなってくるので、もう少し議論が必要だなとい う感じがしました。  これは私の考えですが、前回も言いましたが、医師不足が深刻な医療機関があって、 例えば産婦人科の医師がいない。地域住民が困っています。病院も困っていますといっ たときに、北村委員が需給関係とか競争とおっしゃったけれども、放っておけば、うち は産婦人科がいません。地域の住民は我慢してくださいという話なのです。ただの競争 原理でいったらです。でも、そうでは済ませられないのが医療であり、社会保障です。 うちは競争力がなくて、産婦人科の医師が取れません。来てくれる所がないです。何科 と何科はあるから、それだけで地域住民は我慢してくださいと、普通の商売だったらそ う言うしかないのです。デパートやスーパーだったら。うちは医療品は置きません。食 料品しか置かない。でも、病院はそれでは困るのです。そういうことで考えれば、別に 派遣法をいじるということではなくて、もっと根本的に社会保障の問題として抜本的に 解決してくださいというのが要望です。 ○清家部会長  ほかに何かありますか。もし、できたら資料としてあとで教えていただきたいのです が、過疎地の所は比較的にわかりやすいわけですが、今回は過疎地ではなくて地域の中 で医師が不足している所に派遣するということです。つまり過疎地でもない所で特定の 医師が不足している理由といいますか、労働条件が良くないのかどうかはわかりません が、その理由は何かお調べになっているのでしょうか。過疎ですとわかりやすいですが、 同じ地域の中に不足していない病院もあり、不足している病院もあるとなると、不足し ている病院は何か問題があるから不足しているのではないかという感じもしますが、そ の辺はどうなのでしょうか。 ○中村企画官  結局、個別の病院ごとという話になっていくと思いますが、そこで診療を行っていく 上で、医師にとって医学的な観点からの魅力があるかどうかというのが1つはあるだろ うと思います。従来であれば大学にお願いし、そこから医師を送り出していただくのが 一般的だったということですが、現状においては大学で研修を受けられる若い医師もか なり減ってきていることもあって、大学自身がそれほど余力をお持ちの状態ではなくな っているときに、自分の関係の医師をどこに優先的に配置していくかをお考えになると きに、いちばん条件が悪いのはへき地だと思いますし、さらにそのエリアが少しずつ外 にまで広がってきている状況であろうと思います。 ○清家部会長  派遣先を選定されるわけですね。その際には、例えば経営者とか院長に非常に問題が あって人が居着かないとか、すごく営利に走っているから良心的な医師は絶対に行かな いとか、そういうような理由を排除していって、どう考えても良心的な経営者が真っ当 にやっているけれども、なぜかよくわからないけれども医師がいない。そういうところ になんとか手当をしましょうという話になるのですか。 ○中村企画官  資料2-1にありますが、要請を受ければ何でも派遣のアレンジを試みるということで はありません。まずその病院の例えば小児科医がいなくなったので、なんとかなりませ んかというお話があったときに、その病院の小児科がないとその地域住民にどれだけの 影響があるのかというのを一番先に考えなければいけない話だと思います。極端な話、 例えば車で10分行けば他の小児科を掲げている病院がありますということであれば、そ こに行政が出ていく余地はない訳です。このように、まず個別の判断があります。医師 確保の是非の検討と(3)に書いてありますが、十分に状況把握あるいはそれぞれの病院自 らのご努力を見た上で、そこにその医療機能がないと県として困るという判断があって 初めて(4)へ行くということですので、極端な話、医師がうちに来ないからとか、少し前 からお願いしている大学に頼んだら駄目だと言われたのでお願いをしたいぐらいでは、 なかなか次へ進まない状態だろうと思います。 ○山崎委員  お伺いします。そんなに遠くないニュースで、妊婦がいないからといってたらい回し にされて、とどのつまりは亡くなってしまったという事件がありましたよね。ああいっ たのは、どうして起こっているのですか。 ○中村企画官  奈良県のケースをおっしゃっているのだと思いますが、このときには1つは、そうい う分娩状態がハイリスク状態に変化したときに、それを医療機関のネットワークでより 高度な医療を提供できる病院に搬送するというシステムというかネットワークを各県に 作っていただくようにお願いをしていますが、残念ながら奈良県の場合はまだそれが立 ち上がっていない状態であったのが1つです。その背景として、産婦人科が足りないと いうお話も当然指摘としてはあります。こうした問題は、当然この派遣の問題とは別に というか医師確保の全体としての取組になってまいりますが、特に産科、小児科に関し て申し上げれば数年来お願いしているのは、地域で非常に小さな病院が比較的近接エリ アに隣接をされているような場合に、それぞれ医師が1人、2人いらっしゃるような状 態では医療安全面あるいは医師の労働環境からしても適切ではないのではないかという ことで、1つ拠点病院となるものを作るように調整していただいて、医療スタッフや医 療設備をそこに集約することによって、難しいお産についてはしっかりした体制で臨ん でいただく。その代わり、例えば月々の検診といったものについては元から病院であっ たところの機能として、分娩はやらないにしても、検診だけはそこでやっていただくと か、そういった仕組作りをよく各都道府県でご検討をお願いし、その結果については昨 年の法改正で成立した新しい医療計画の中においてもしっかりと位置付けて、地域住民 の方にもその県での産科の医療の確保をどのように進めていくか。あるいは、医療機関 がどのような役割分担をしているのかについて、しっかり周知いただくことをお願いし ているのが今の状況です。 ○山崎委員  いまのように集中医療というか、例えば築地の市場がなくなりますと言いますよね。 そうすると、あそこでオリンピックの何々という競技場を作るのもいいと思いますが、 またあの周りには病院も多いので、あの辺を素晴らしい何かと集中した施設ができるの は国でしかできないと思うので、そういうような方向で動いていると受け止めてよろし いのですか。 ○中村企画官  今起きている問題の一つとしては通常のお産をする場が少しずつ減っている状況に対 して、どう対応していくのかという話があります。それと高齢出産、晩婚化等に伴って 非常に危険度の高い分娩が増えているのではないか。傾向として帝王切開も見ると、か なり数が増えてきている状況もあるようですので、いざというときの体制をどうするの か。両面からネットワークを考えるときには進めていくわけです。今おっしゃった特別 の施設を作るかということはない訳ですが、この分野について国で申し上げれば、国立 成育医療センターというナショナルセンターが既に世田谷区の大蔵のほうに出来ていま すので、あそこを中心に対応していくのが今の状況です。 ○山崎委員  そういう所が増えるといいと思っています。ありがとうございました。 ○鎌田委員  皆さんのご意見を聞いていますと、緊急医師確保対策のスキームの中で緊急臨時的医 師派遣システムが効率的に機能するか、有効かどうかという議論もありますが、1つの 選択肢としてこういうものも可能かどうかということかと思います。だから、こういう スキームで医師の派遣をやることについては、そういうニーズはあると思います。問題 は、これを派遣法のシステムの中にスポンと入れられるかどうかということだと思いま す。これは皆さんのご意見も聞きますと、そもそも派遣というのはこういうシステムで かなり特定化されたところで、受け皿としてはあまりにもコンセプトが違っているシス テムが出来上がっています。ですから、このシステムの中で限られた特定の医師につい て派遣という制度を使うという趣旨が出来上がっていると思います。それを本体の中で どう受けるかになると、なかなか整合できない。私は当初、法改正の中でどう受け皿を 作るのですかという問題提起をしたのですが、今度のは基本で政令で禁止されています ね。部分的にポツポツと既に抜けているのがあります。この辺の調整が非常に面倒で、 私も関わっているので反省しきりですが、いろいろな理屈で抜いているわけです。質問 ですが今回もこのシステムの中で、限られた範囲で抜くことは可能ですか。つまり、事 務局がおっしゃっていたのは全体として受け皿を派遣法で受けるということですが、そ うではなくて政令の中で緊急の医師派遣システムに基づく派遣については、政令で禁止 しているものについて適用除外にするという仕組みですか。いま、ここで答えろと言っ ても難しいと思いますが、そういうことで非常に複雑になってきますが、政令禁止して いるものについて既にいくつかさまざまな理屈で抜いているわけです。全体としての平 仄性というのはどうかというのは確かにあります。それは置いておいて、この緊急臨時 的医師派遣システムは法令で定めているわけですね。この緊急医師確保については先ほ ど説明されているように本来の姿というのは実務上確保できるようなシステムになって いる。そういうものの中で派遣というものが違法な状態にならないようにするには、ど うしたらいいかという発想なのです。ですから、それが禁止されている政令の部分につ いてのみ、医師の派遣については適用除外にする仕組みで考えるのが、いまのところい ちばんわかりやすい感じがします。それができないならばまた考えますが、そんなこと で考えるとどうかなと。その辺で皆さんのご意見があればと思います。 ○輪島委員  結局、これで港湾、運送、建設が禁止業務になっていて、医療関係についても一応政 令で禁止になっている。それ以外のところが今、方向ができていて、ただしということ で紹介予定派遣や病院、診療所等で行われるものはいまは抜いているということなので、 いまのご提案ではなくてこちらのほうの抜き方で抜けるかどうかかなと理解しています。 ○長谷川委員  その点、港湾や建設と同じようなものを作れば一番いいのではないのですか。 ○鎌田委員  建設ほどだと大仕掛けになって、要するに総合的なのです。いま医療をいくつか抜い ているから、医療の労働力需給システムをシステムとして全部作りますかという話は大 変だと思います。筋としてはいいかもしれないけれども、それはポツポツ抜いている。 ただ、この問題で医師派遣について緊急医療対策でそれなりの効果に対する評価という のはあると思いますが、そういうことで可能性として認めるということであればそうい う技術論と言うかもしれないけれども、考え方ができるのではないかと思います。 ○長谷川委員  私も反省したのは、この案を出されたときに嫌だなと思ったのです。結局、禁止して いるものを解禁する話ではないですか。最初は産前産後休暇の代替でやって、紹介予定 派遣でやって、次はへき地でやってと。いつも労側が嫌がるのは、1個穴を開けると、 最初はこんなホッチキスぐらいの針の穴だったものがどんどん大きくなっていくのが、 そういう例の1つなのです。本当に今回は審議会員として深く反省しているのは、1個穴 を開けると必ずこうなってきて、次の理屈立てがすごく難しくなる。今日は鎌田委員か ら言われたので少し検討はしてみますが、これは委員としてはすごく気分が悪いです。 本当に気分が悪くて、こうやって、どんどん認めていって気付いたときには全部解禁に なっているという例になってしまうなという気がしたのです。何回も労側が言っており、 私が本当に医政局に言いたいのは、安易であるということなのです。医師の確保は違い ます。なぜ、みんなが産婦人科になりたくないのか。なぜ外科の良い医師になりたくな いのか。なぜ医師が都市だけに集中するのか。そもそも根本的な解決策を打たないで派 遣でやったらどうかなどという。私は意地悪だから思いますが、派遣でも作っておけば、 とりあえず何かしらやったということなのでしょう。へき地のときも、へき地は大変だ からと言われて、そうだなと思って、へき地でやったら2件しかないというのでしょ。 だから、アリバイ的な制度を作るのだけはやめてほしいのです。本気で医師の確保につ いて、もっと別な観点から検討してほしいと思います。今日、鎌田委員の言われたこと については、私たちももう1回考えてみなければいけません。 ○輪島委員  いまのところ4つくらいの案があって、事務局が提出しているスキームと、いま鎌田 委員がおっしゃった抜く方法と、長谷川委員がおっしゃった別の法律で作る方法と、私 どもの案に近いのですが、そもそも医療を解禁するの4つの案でご検討いただきたいと 思います。 ○清家部会長  事務局には、いま議論が出たような案を踏まえて、次回までに少しご検討をお願いし ます。よろしいですか。それでは、この件はこれまでとします。  次に、一般労働者派遣事業の許可の諮問に移りますが、冒頭に申し上げましたように 傍聴されている方については、ここでご退席いただきますようお願い申し上げます。ま た、大槻職業安定局次長におかれましても、所用により退席されると伺っています。 (傍聴者、大槻次長退室) ○清家部会長  事務局より何かありますか。 ○松原補佐  次回の当部会は、10月15日(月)の朝9時から11時で、同じ13階の職業安定局第1会議室 で予定しています。 ○清家部会長  次回の部会は10月15日(月)の9時から11時まで開催しますので、日程の確保等をよろし くお願いします。以上をもちまして、第104回労働力需給制度部会を終了します。  なお、本日の署名委員は、雇用主代表輪島委員、労働者代表長谷川委員にお願いしま す。どうもありがとうございました。   照会先    厚生労働省職業安定局需給調整事業課調整係    〒100-8916東京都千代田区霞が関1−2−2    TEL03(5253)1111(内線5747)