07/09/21 医道審議会医道分科会診療科名標榜部会第3回議事録 第3回医道審議会医道分科会診療科名標榜部会 日時 平成19年9月21日(金) 15:00〜 場所 厚生労働省省議室 ○保健医療技術調整官(菊岡)   ただいまから、第3回「医道審議会医道分科会診療科名標榜部会」を開催いたしま す。委員の皆様方におかれましては、大変ご多忙の中、当部会にご出席をいただき、 誠にありがとうございます。議事に入ります前に、本日の委員の出欠状況についてご 報告をいたします。本日、欠席のご連絡をいただいている委員ですが、東北福祉大学 の岩淵委員、国立長寿医療センターの大島委員です。岩井委員が遅れておりますが、 特にご連絡はいただいておりません。   続きまして、事務局の人事異動がありましたので、ご紹介させていただきます。医 政局長の外口です。遅れておりますが、医政・医療保険担当審議官の木倉です。よろ しくお願いいたします。   次にお手元の資料の確認をいたします。議事次第、座席表、委員の名簿のほかに、 資料として「標榜診療科の表記方法の見直しについて(案)」です。参考資料として、 学会からの要望書をまとめて付けております。委員のお手元には、前回、前々回に使 用した参考資料を用意しておりますので、ご確認ください。参考までに、前の議事の 記録についても、お手元に配らせていただいております。  続きまして、医政局長の外口からご挨拶を申し上げます。 ○局長(外口)   医政局長の外口でございます。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいとこ ろをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。もう皆様ご存じのように、 この診療科名、標榜科名については、現在の制度としては医科が33種、歯科が4種と なっているところですが、平成18年の医療法改正により、情報提供の推進の取組みと いう方向が出されました。そういった中で、広告可能な診療科としての標榜診療科に ついても、患者・国民にとってよりわかりやすいものであるべきであり、そして適切 な医療機関の選択に役に立つものであると同時に、また客観的なものである必要があ るわけです。こういった中で、診療科名の標榜の方法について、前回、前々回と叩き 台についていろいろご議論いただきましたが、そういった中で、引き続き関係方面か らのご意見もいただきながら、今日お示ししているような案について、事務局のほう で用意させていただいたわけです。是非、さらに議論を深めていただいて、より良い 仕組みとなるようご検討をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたしま す。 ○保健医療技術調整官   カメラ撮りについては、ここで終了をお願いいたします。部会長、議事のほうをよ ろしくお願いします。 ○部会長(金澤)   議事に入りますが、本日は前回に引き続き、標榜診療科の表記の見直しということ でご議論をいただきたいと思います。前回が6月11日でしたので、少し間が開いてお ります。いろいろな情報をいただいたことをまとめて、今日、見直しの案が提出され ておりますので、事務局からその説明をお願いします。 ○保健医療技術調整官   お手元の資料で説明いたします。資料の2枚紙ですが、まず1枚目です。前回の第 2回目のところでご指摘を受けたように、今回私どもはいろいろな関係学会からお話 を伺わせていただきました。そのような中で、最初に提示した叩き台からどのような 形で見直して事務局案として整理をすればいいかということで、整理をさせていただ きました。その結果として、お手元のように資料を簡単にまとめたものです。  本日お手元で用意したのは、「現状」と「見直し後」という形で、2つ上下に段になっ ております。この背景として、今般の医療法の改正、その中で広告の制度自体が限定 列挙という形から、包括的な規定の方式に変えて、医療機関での広告制度そのものを 広く拡大をするという法改正を行っております。ご存じのように、標榜診療科名につ いても、医療機関における広告制度の1つです。そういった観点から、新たな標榜表 記の方法をどのようにしていけばいいのかということで、整理をさせていただきまし た。   医療機関の標榜診療科名については、広告可能なものを限定列挙の方式でしている のがいまの「現状」です。これは医療法の政令に掲げられているものですが、「見直し 後」としては、医療機関の標榜診療科名を、こういった限定列挙の方式から、包括的 に規定をする方式に改めてはどうかということです。具体的には、(1)です。4つ掲 げてありますが、1つ目が臓器や体の部位に関すること、2つ目が症状、疾患に関する こと、3つ目が対象となる患者の特性、これは具体的にはお子さん、女性、お年寄り などといった概念になると思います。4つ目が診療方法に関すること。こういうこと について、内科、または外科、または歯科と組み合わせて標榜できることを、最初に もってまいりました。   このように規定をすると、医科で言うと、内科や外科と組み合わせて標榜するのは 非常に難しいものもあります。具体的には(2)に小児科や精神科などとありますが、 ほかには産婦人科などといったものについては、内科、外科等と組み合わせることが 困難です。そういったものについては、別途、省令に列記して単独で標榜ができるこ ととするというものです。   括弧で小さく書いてありますが、当然そういった内科、外科以外で規定されるもの についても、「臓器や体の部位」「症状、疾患」「患者の特性」「診療方法」といった包 括的に規定する部分と組み合わせることは可能であるというルールです。このような ルールで、現状の標榜診療科名から新たにどのような標榜診療科名が標榜可能かとい うことで、例示という形で整理したのが次の頁のものです。   最初に当然、内科は単独で書けるのですが、体の臓器、部位ということで、例えば 呼吸器、循環器、消化器といったものと内科を組み合わせて、呼吸器内科、循環器内 科、消化器内科というような形で書けるということです。同様に下のほうにもずっと 書けるものの例示がされてあるわけです。その下に小児科、精神科等々、内科、外科 と組み合わせるのが困難であるようなものについての列記がされております。   外科の部分についても、外科から下にいくつか例示がされておりますが、呼吸器外 科、心臓血管外科、消化器外科、乳腺外科、小児外科、気管食道外科、肛門外科とい った、外科と組み合わせて標榜できるものも例示がされているところです。ずっと外 科の関連が続いて、泌尿器科、産婦人科、リハビリテーション科、救急科、病理診断 科、臨床検査科といったものが例示として出ているわけです。   歯科についても、同様の考え方でここに示したのは、歯科、小児歯科、矯正歯科、 歯科口腔外科といったものがあるでしょうということで、こちらに掲げているもので す。本日、資料の中には盛り込まなかったのですが、当然、最初の叩き台の中に考え 方として入っている部分として、こういった形で包括的に規定するとはいっても、や はり客観的にちゃんと真実と言えるもの、それから事後評価が可能なものが許される わけで、そういったものを逸脱されるものについては、いくら包括的な規定の中で書 けるといっても、そこは難しいということはそのとおりです。   もう1点、診療所、クリニックに関しての標榜ですが、1人で医師または歯科医師 の方が診療を行っているような場合については、主な診療科目について、ほかの診療 科も、2つ以上掲げる場合なのですが、原則2つまで主な診療科目がわかる、区別で きるような形で表示をしていただきたいと。今日、資料は用意しておりませんが、叩 き台の中で示しておりますので、その点についても、引き続き意見交換をしていただ ければということです。簡単ですが、事務局からの説明は以上です。 ○部会長   委員の方々はご記憶だと思いますが、初めに説明された内容から骨格はそんなに変 わっていないのかもしれません。それでも、表現の方法、その他、細かいことを言う とかなり違ってきており、まずはその辺のご理解をいただかなければいけないかと思 います。最初のころは基本的な領域とかサブスペシャルティなど、大変刺激的な名前 が結構あったのですが、いろいろなことを経て、各学会、あるいは患者の団体、その 他、多くの方々からのご意見も含めて、このようなある意味ではわかりやすいものに なったのではないかと思ってはいますが、その辺はこれから皆さん方のご意見を頂戴 して、結論に近付けていきたいと思いますので、ご協力をお願いしたいと思います。   今日やらなければいけないことは骨格が2つあって、1つは標榜診療科の見直しの この案をどう考えるかということと、もう1つはここに書いてありませんで、もう記 憶の彼方かもしれませんが、最初のころに指摘のあった、たくさんの診療科名をバー ッと並べることが、患者たちにとって本当に適切かどうかということから、2つない しは3つという意見もあったかと思いますが、そのぐらいにしてはどうかという意見 も一緒にあったと思うのです。その2つの問題を主にしたいと思います。   最初は、標榜診療科の見直しの例にあるようなものを省令で例示するということ。 その前段階として、医療法の政令のほうにはこのように具体的に診療科名を挙げるの ではなくて、包括的に規定をするのだということです。いかがでしょうか。どなたか 口火を切っていただけますと助かりますが。 ○高久委員   今日示された例で、大体皆さんというか、今までに前の案に対するいろいろな方々 のご意見は吸収されるのではないかと思います。これに内科と外科をくっつければ、 これ以外にもまたある程度表示することも可能だと思いますので、非常識な例を挙げ れば切りがないと思いますが、基本的にはこの案で特に問題はないのではないかと思 います。 ○内田委員   私も今回の広告規制の見直しから、そういう方向性を踏まえての包括規定、もう1 つは病院・診療所を通じてのわりに統一的なといいますか、表記ができたという点で は、評価したいと思っております。これで患者にわかりやすい名前かどうかというの は、また別の問題があるかもしれませんけれども。1つだけお聞きしたいのは、今後、 これで、もしかなり自由な裁量が出てくるということになると、そこで疑わしいケー スであるとか、問題事例が出てきたときに、その取扱いをどうするのかというところ をご説明いただければと思います。 ○保健医療技術調整官   まず、明らかに不適切な標榜名が出た場合については、当然、都道府県を通じて改 善の指導等が行われて、それに従わないような場合には医療法に基づいた処罰が関係 してくるということになると思います。例えば非常にグレーなもので、これは果たし て適切なのかどうかという判断が非常に難しいようなものについては、広告の制度と 同様に、広告の制度のほうはそういった中身を判断するような検討会が立ち上がって おりますので、そういったところの仕組みを準用するような形で考えられると思いま す。 ○内田委員   そうすると、今後Q&Aとか事例集といった形での提示というものは、出す予定があ るのでしょうか。 ○保健医療技術調整官   どういう形になるかは別ですが、Q&Aや事例集というのは、少なくともどういうも のが広告できるのか、それからどういうものが広告できないものなのかなどといった ものは、通知その他の方法でお示ししていくことになると思います。 ○内田委員   原則だけで結構なのですが、グレーの部分に関しては事前にやるのでしょうか。許 可する以前にやるのか、事後にやるのか。 ○総務課長   この標榜科に限らず、ほかの広告規制も同じなのですが、ある程度包括的に書いて いくと、グレーのものというのが、これは良いのか、悪いのか、判断に迷うといった ケースが予想されるわけです。そういったことについては、もちろん私どもに相談を いただければ、グレーなものについては、一旦は一応消極目に取り扱わせていただき つつ、私ども常設の検討会として、情報提供のあり方の検討会というものがあります ので、そういったところに諮らせていただいて、これは良いのか、悪いのかといった 判断を求めていって、これは良いということになれば、これは良いのだということで、 先ほど先生がおっしゃいましたようなQ&A、あるいは通知といったものを直すことで 対応していく。そのような形が基本ではないかと思っております。したがって、この 標榜科についても、同様な扱いが考えられるのではないかと思っています。 ○部会長   いまのお話は、事前というようにも受け取れるのですが、そのように規定されてい るわけではないのですか。 ○総務課長   はい、明確に駄目というのであれば、もちろん、それだけで一定の指導なり、命令 などといったことはあり得るわけですが、グレーのところについて言えば、基本的に 言えば慎重に取り扱ってくださいという指導から始めるのだろうということだと思う のです。もちろん、それに従っていただけない場合に、強行的な措置までいけるのか どうかというのは、おそらく議論になるところだと思いますので、そういったことの ために検討会というのがある。そういった検討会に諮らせていただいた上で、白黒と いいますか、そういったものをはっきりさせていくと。はっきりしたあとは、それに 従って必要な措置を講じていくということだろうと思っています。 ○内田委員    わかりました。 ○部会長   わからない場合は、ちゃんとそういうところに相談をすることができるというよう に、明記してくださればよろしいわけですね。 ○住友委員   医療広告のガイドラインに出ている、内田委員がいつか言われたポジティブリスト ですね。ここはいま例示で何個か出ていますが、それは最終的に各学会に募集すると いいますか、求めることはするのですか。 ○総務課長   いまこの資料の2枚目に、「今後通知で示す予定」ということで、いま現在で間違い なく問題ないだろうと思われるものについては、こう書きました。しかしながら、こ ういうのも現実にはあるということがあるかと思いますので、できるだけ紛れのない ように、実際考え得るようなものについては、できるだけ広く通知で示しておいたほ うが間違いないのであろうと思っております。最終的にこういった方針を示していた だいた上で、また政令改正なりが終わったあとで、こういった通知を示す段階で、ど ういったところまで書いたほうがいいのかということについては、また関係の皆様の ご意見を聞かせていただきながら、やっていくことになるだろうと思っています。 ○部会長   省令というのは、厚生労働省の中で考えることができる、変えることができるもの ですから、議論はこれから続くだろうと思うのです。ほかにいかがでしょうか ○江里口委員   歯科は前からずっと変わっていないということなのですが、前のサブスペシャリテ ィという考えから言いますと、歯科の場合は臓器別や症状や患者の特性よりも、どち らかというと、診療方法、特に先進医療などを掲げている診療所が非常に多い。その 中で、歯科の場合は1人とか2人ぐらいでやっている小さな診療所が多い所へ、科と いう名前をつけて、あまりにもおこがましいような、例えばインプラント科などと、 デンタルインプラントとして、サブスペシャリティだと科を付けないで、何が得意分 野かというのを列挙すればいいという話になっていました。今回のを見ると、ほとん どの事例では科が付いていると、あまりにも大きな名前がつきすぎているのではない かと。歯科だけの問題かもしれませんが、科を付けなくていいのか、ちょっとお聞き したい。 ○保健医療技術調整官   そこの部分は、基本的に歯科の領域で言えば、今日出させていただいた案は、歯科 という文言と、そういった概念を組み合わせるということまでをルール化するもので すので、例えばインプラントという診療方法を歯科という標榜科と組み合わせてどう いう表記にするかは、むしろ適正な形というのはたぶんあるのだと思います。全部科 を付けて並べるなどということではなくて、適正な形で書いていただければいいのか と思います。 ○南委員   私はちょっと先に失礼するので、意見だけ申し上げます。このような結果になった ということは、これはこれで最初に座長がおっしゃいましたように、前のものと大き くはあまり違わないのかという気はするのですが、問題はやはり議論の経過だと思う のです。最初は、患者にとってアクセスがしやすくなるようにということにいちばん 大きな目的があって非常に大きな整理をしていたのが、最終的に各関係の団体その他 からの申入れや要望を全部汲み取ると、このようになったということで、結果的には 患者にとってこれでわかりよくなったということであればいいと思うのですが、たし か1回目のときに座長もおっしゃいましたように、日本でも長いこと、患者が自分で こういう症状だからここにかかるというような、何となく暗黙の棲み分けみたいなも のができてしまっている中で、最初に提示されたような基本領域とサブスペシャリテ ィというのがくると、確かに非常に唐突感があったのです。そこから今度はまたこの ようになってくると、これはこれでそんなに違いはないのかもしれないのですが、医 療を受ける側からしたら、いままでとあまり変わらない感じになるのかと。最初の改 革の信念みたいなものは、ちょっとわかりにくくなった、消えてしまったのかという 部分もあるのです。この辺は是非、今後、少し患者にとってどうかということも視野 に入れながら、紆余曲折していくというか、本来、関係の方々の意見なども最初にき ちんと入れた上で、もう少し丁寧に議論すべき多大な部分があると思いますので、そ の辺を是非、今後考慮に入れていただきたいと思います。 ○部会長   確かに南委員がおっしゃるとおりなので、先ほど内田委員も「本当に患者のために わかりやすくなったかどうか、ちょっとわからないけれども」とおっしゃったので、 ちょっと気になっています。折角、辻本委員がいらっしゃるので、南委員がいらっし ゃる間にご意見をお願いします。 ○辻本委員   私も同様のことを申し上げたいということで、今日ここの場に座りました。結果と しては、省令で「今後通知」という中身を見せていただくと、収まるところに収まっ てホッとしているという気持は正直なところです。ただ、最初この会が招聘されたと きの意気込みと、結果ここに落ち着いたということの間の問題が何やらうやむやにさ れてしまって、私たちは大切な情報を知らないままに享受するということで、何かい ままでと全然変わらないなというような一抹の不満が、正直言って心の中に残ってお ります。   この会に関して、委員として参加させていただくと、私などにも妙に水面下からい ろいろな声が届いてきていて、いままでほかの議論に参加したときには経験のなかっ た、うさん臭さみたいなものまで感じてしまったのです。それがいったい何なのかと いうことを、やはり国民にははっきりと明らかにしていくことが、むしろこの通知で 示されたものをより理解して受け止めるというところにつながっていくと思いますの で、その辺りをこの検討会の役割としていただけたらありがたいと思います。 ○保健医療技術調整官   大変貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。十分なお答えがで きるかどうか難しいのですが、まず1つ、今回この部会の事務に携わって、患者の側 からアクセスしやすい情報の提供ということを考えたときに、単純に標榜の表記の仕 方だけを工夫すればわかりやすくなるのかということではなくて、やはり患者はどの ようなことを求めているのか、医療機関のほうはどういうことを出したいのかという ことが相互に関係して、おそらくわかりやすい情報提供ができてくるのだろうと思っ ています。   そういう中で、従来、限定的に規定をするという方式自体が、ある意味硬直的な部 分がありましたので、幅として振れる部分が少ないのではないか。そういう点から考 えて、今回、標榜できる範囲というものを一定程度拡大されるということで、これだ けで単純にわかりやすくなるということではなくて、そういった提供側と受け手側と の関係の幅が広がるということで、結果的にこれからわかりやすくなっていくように 発展するのではないか。実はそういう思いもあるものですから、こういう形で提供さ せていただいている部分もあります。 ○高久委員   これには学会からの要望書しか載っていませんが、私の所には患者団体からも要望 書があって、例えば私が関係している、「リウマチ友の会」の人たちの話ですと、自分 はリウマチを長い間わずらっている。前の案だと内科になって、リウマチが小さく出 ているので、何となく自分の病気が非常に小さく見られたみたいだ。そういう感情的 な議論ですが、おそらくこちらのほうが患者の団体としてはハッピーなのだと思いま す。理論ではなくて、気分の問題だとは思いますが。 ○辻本委員   もう1点、例えばここに通知で示されているのは病理診断科ということで、私は前 の意見で、是非とも標榜科に加えてほしいということを申し上げました。患者として はこれからはセカンドオピニオンとして病理の専門の意見を聞きたいという意見を申 し上げました。そのことが十分議論されないままにスッとここに入ってしまっていま す。うれしい反面、もう少しほかの方たちのご意見も聞かせていただきたいと思った りもします。 ○部会長    というご要望ですので、どうぞご意見をいただけませんか。 ○住友委員   いまの辻本委員の話は、やはり患者の意向といいますか、意見を代表していると事 務局が認識したのだと思うのです。私もこれに入っていて、別に何も違和感がなくて、 これでいいのではないかと。ですから、先生の発言は非常に重かったのだと思います。 前回から今回の3回の間に、随分時間があったのです。それで、私自身もどうなって いるのかと思って、今回この形で出された、これは非常に努力のあとが見えるといい ますか、私自身は評価をしている。やはり患者の意向もここにちゃんと入っているし、 各専門の先生方の意向も入っている。あるところの妥協点というのがないと、この話 は決まらないのではないか。そういう意味では、大変出来が良いという言い方は失礼 なのですが、事務局案としていいものを出してこられたと思って感心してはいます。 ○部会長   やはり各学会、あるいは患者の団体もそうでしょうけれども、こういう会にご出席 にならない方々というのは、少し事務局が努力をして説明をしませんと、ご理解いた だけないのです。相当努力をしていたことは確かです。かつ、いちばんわかっている 人たちは、政令に自分の科が出てくるかどうかというのを非常に気にされるわけです。 患者の団体もそうなわけです。政令というのは、医療法の中の、法律の中の一部です から、かなり重いわけです。実際にはそんなに大きな差がないのですが、そういう思 いは非常に強いのです。既に載っているものがなくなるということは、先ほど高久委 員のおっしゃったリウマチに関することだって、そうだと思うのです。そういう方々 には、やはりそれなりの時間をかけてご説明をしないといけないわけです。しかし、 そうはいうものの、政令では、いままで限定列挙していたわけです。それを包括列挙 でいかがかという意見です。包括的な規定にすれば、細かく全部そこで言わなくて、 あとは省令で厚生労働省の中での議論で変えることができる、そういう方式に変えて はどうかという意見が出てきたところで、大きく転回したわけです。これは非常に大 きなことです。   ただし、これはいまここで議論しておりますし、あとでお示ししますが、この会か ら厚生労働大臣に向けて意見書を出すことになります。その原案を一応作ってあるの ですが、つまり、その中にこういう案でどうかという提起をするわけです。それを受 けて、法務省ですかね。ここから先は課長が説明したほうがいいようです。 ○総務課長   今日、私どもがこの見直しの案を説明して、これでよろしいということになった場 合には、この部会のほうから私ども厚生労働省に対して意見書という形で、こういう 考え方で直せというような意見書を出していただきたいと思います。その後、その意 見書に基づいて、私どもとしては具体的な政令なり、省令なりの作業をいたします。 その条文は、もちろん内閣法制局とか、然るべきところの審査を受けて確定するわけ で、文言としてはいろいろ細かいことはあるかと思います。そういったことを踏まえ て、作成をいたします。その作成をしたものに関して、今度はまた法律で定められた プロセスがあって、法律上のプロセスで言うと、医学・医術の団体の意見を聴きなさ いということがあります。これは具体的に言うと、医師会、医学会といったところに 意見を聴くというプロセスがあります。それから、最終的には医道審議会にもう1回、 この条文でよいのかということの意見を聴くというプロセスがあります。   もう1つ、政令に関して言えば、いまどのような政令に関してもそうですが、パブ リックコメントといったプロセスがあります。そういったプロセスを経た上で、最終 的なものが確定するということですので、そういった作業に入るに当たっての基本の 考え方、それが先ほど私どもが提示させていただいた(1)と(2)のルール、それと その具体のものを通知なり何なりで紛れがないように示すべし、こういったことが基 本のルールになるのだと思うのです。そういったことについて、この部会で行政当局、 私どもに対してご指示をいただければありがたいということです。 ○部会長   ということで、患者の団体なりというのは非常にたくさんが対象だったものですか ら、時間がかかったのはそういうことです。それと、こういう包括的に規定というこ とで、政令を見直すということでどうだろうかという案が出てきたのは、比較的最近 ですので、そういうまとめる段階でいろいろ紆余曲折があったことは間違いないと思 います。それを一つひとつご報告をしなかったのは申し訳なかったと思いますが、ご 理解いただきたいと思います。 ○内田委員   ちょっと確認させていただきたいのですが、第1回目の資料のときに、「一般」とい う名称がつくところがありましたね。「内科一般」であるとか「皮膚科一般」であると か、この「一般」の取扱い。もう1つは「専門」というものも今後出てくると思うの です。例えば「肛門外科、痔の専門」など、後ろに「専門」とつけるような形ですね。 そういうのが出てくる可能性が非常にあると思うのですが、その取扱いについてはど のように整理するか。 ○部会長    わかりました。まず「一般」だけはお答えください。 ○保健医療技術調整官   いまご質問のありました「一般」ということについて、最初お示しした中では確か に「一般」という形で出しておりますが、今回ご提示した形でいうと、例えば仮に内 科と一般を組み合わせることがどうかということで考えてみると、ルールは1枚目に あるルールですので、この4つの項目で一般ということが読めるかということになる と思います。おそらく、いちばん近いのは「診療方法」かと思いますが、「一般」とい う文言が診療方法として読めるかというと、たぶん読めないのではないかと思ってお りますけれども。 ○内田委員    下げたと、一般は。 ○保健医療技術調整官   いや、下げたというか、それはちょっと組み合わせ方の違いで出てきているだけで すので、一般という概念を確立して出したわけではなくて、話が非常にわかりにくく なりますが、1回目の叩き台のときには、より専門的な用語と区別するために、「一般」 というものを置いていただけなのです。ですので、1回目の叩き台のときに例示の中 で出ていたものは、そこまで意味のある「一般」ではなかった。 ○総務課長   あえて言うと、最初叩き台を出したときは、基本とサブという形で出したわけです ね。基本があれば、その基本の部分を表現するにはどうすればいいのだろう。だから 「一般」と言ったわけですが、むしろ何が基本で何がサブかということは、そういっ たことはかえっていろいろな学会の方、それから患者から見ても、必ずしも何が基本 で何がサブかといって区別することは、どうも適切ではないといったようなご意見が 非常に強かったのだろう。そういったことで、いわば何が標榜できて何が標榜できな いかということでは、実質の案は変わっていないのですが、基本の思想として、基本 とサブを区別するということは、今回の案では提示していないわけなのです。それと の関連で、「一般」といった用語は、今回の案から言うと、おそらく一般内科というの は標榜としては認められないほうになるのだろうと考えます。   それから、先ほどの「痔の専門」というのもそうなのですが、痔というのは、おそ らく症状なり疾患なりということだと思いますので、これも基本的にどういう疾患か というのは一般に通ずる概念だと思いますので、それはいいのだろうと思いますが、 「専門」となると、これは臓器からどれを見ても、このルールからいくと専門という のはありませんので、専門を標榜科としていうのは、もちろん何かの専門医でおとり になっておられるのはまた別個の話として、自分はこの専門医であるというのは別個 の広告規制があって、その広告のルールさえ守っていただければ表記して構わないの ですが、標榜科という形での表記に関しては、それはこのルールを当てはめると許さ れないほうに該当するのであろうというように理解をいたします。 ○部会長   たぶん、いずれかの時点で、案の「現状」と「見直し後」の(1)で、「臓器や体の 部位」「症状、疾患」のそれぞれについて、「例えば」という、多くの方々が誤解がな いような形のものをいくつか例示したほうがいいのだろうと思うのです。先ほどもち ょっとQ&Aという話が出ましたが、これはどう考えても駄目でしょうというグレー以 外のものも、やはりいくつか出したほうがわかりやすくなるだろうという気はします ね。どうでしょうか。 ○江里口委員   いま「専門」という所が×ということを言われてしまうと、日本医学会のほうで高 久委員もこの前あるシンポジウムで、「一般医科のほうの専門医の不備」ということを 書かれていたのですが、歯科医師会のほうでもやはり専門医という問題が非常に大き く取り上げられてきたときに、この専門医というのは、どうしても学会中心型でとる ので、歯科の場合でもやはり大学に長く在籍した人がとりやすくて、開業医の長い経 験のある中で、それを本当に専門にしている人たちが非常にとりにくい専門医制にい ま実はなっております。   そこで、先ほどは専門医は標榜できるということを言われたのですが、本当にそれ と同じぐらいのレベルで診療サービスができるのに、こちらで標榜するときに、専門 という言葉がもし生きてくれば、例えば我々の分野ですと、義歯を非常にうまくでき る人は義歯の専門とか、義歯という言葉がちょっと不適切かもしれませんが、そうい うものの専門という言葉をつけさせていただくと、専門医と専門という言葉が峻別と いうか、その辺ができるのではないかと思うので、これは歯科独特の標榜かもしれま せんが、何かそこに許されるものがあると専門医と、本当に専門という意味が非常に 狭い分野なのですが、表示しやすくなるのではないかという希望なのですけれども。 ○内田委員   専門を出せるかどうかというのは非常に難しい問題だと思うのですが、私はやはり 患者の立場に立つと、専門という名前が出ていると、ここへ行けば大丈夫なのかなと いうことに見えますが、実はそうでない先生が専門と出したときに、どういう問題が 生じるかというのは非常に大きな問題だと思うのです。 ○総務課長   おそらく、そういったことのために、専門医という制度に関して、こういった基準 を満たす専門医については広告してもよいです。その基準を満たさない、何か小さな 学会で認められました、あまりきちんとした基準がないところで認められました、こ ういう基準を満たさない部分に関しては、広告してはいけませんという規制になって いるわけなので、一応その基準を満たしたものに関していえば、皆さんに言っていい ですよと。こういう規制が別途ありますので、そちらのほうを是非満たしていただい た上で、広告をしていただくのが一般の考え方ではないかと思っております。 ○部会長   ちょっと言い過ぎかもしれませんが、専門医制度そのものも、内容的にいま混乱し ているのです。そこに標榜科として、さらに専門という言葉を使ってもいいというこ とになると、さらに混乱するのです。これはできれば避けたほうがいいのではないか と、私は個人的には思いますが、いかがですか。患者にとってみると、本当に困って しまうのですね。高久委員、いかがですか。 ○高久委員   先ほど総務課長がおっしゃったとおりで、専門医の広告ができる外形基準がありま すから、その基準を満たしている学会が出した専門医の広告は可能です。それは妨げ られない。もう1つ、来年の4月からですか、各病院の持っている機能を県のほうに 提供して、それを患者が自由に検索できるという制度が始まりますから、その中には 当然、この病院なり診療所にはこういう専門医がいる、あるいは認定医がいるという 事は、出さなければならない。ですから、だいぶ変わってくると思いますが、歯科の 場合と医科の場合は違っている点もある。歴史的に医科の場合には、いまのところ学 会が中心になってきた経緯があって、それを覆すのは非常に難しいと思います。 ○内田委員   ここで議論する話ではないのかもしれませんが、施設の名称ですね。従来、標榜科 として認められないときに、その診療科名を施設の名称につけて、例えば「埼玉痛み のクリニック」であるとか、「○○痔専門病院」などというのを施設名称にするという のがありました。その問題をどこでやるのかというのが1点です。もう1つは、セン ターというのも、ある程度そういう機能を持っていなければ、センターを名乗っては いけないという規制があったような感じがするのですが、それを勝手に自分でセンタ ーを立ち上げて、○○センターを作ってしまう。 ○総務課長   まず、診療科の規制がこのようにかかっていると。それを逃れるという意味もあっ て、病院なり診療所なりの名前のところに、診療科に類するような部分を入れてとい う形があったかと思います。この点に関して言えば、従来は診療科の規制を類推する ような形で、病院、診療所の名前についても、標榜科として認めていないものが入る ことは好ましくありませんと、過去そういった指導をしてきたのだと理解をしており ます。しかし、病院の名称というのは広告規制の一般にかかわることですが、広告規 制の一般に関して言えば、もう既にこの4月から法律改正により、包括的な広告は構 いませんとなっているわけで、むしろ特に規制のほうは逆に緩和されております。   したがって、具体で言いますと、ペインというのがいまは標榜科として認められて いない。「ペインクリニック」というのは、正面から私どもが聞かれれば、過去は「そ ういった名称は必ずしも適切ではないのです」と言っていたわけです。この4月以降 は、むしろそういうものが駄目という規制はもうなくなりましたので、4月以降は病 院、診療所の名称に関してはペインというのも問題ない、こういう形になっているわ けです。   ところが、一方、標榜科のほうは、いま政令のほうはまだ直っておらないので、そ ういうことで言うと、「ペインというのはいけません」といった、ちょうど中ぶらりん の状態になっているのが現状と。そういうことで、今回こういった見直しをすれば、 名前のほうもOKですし、標榜科のほうもOKになるという状況にあるのだと考えてお ります。 ○部会長   そういう話を最初のほうに聞いていれば、あまり誤解しなかったのですが。わかり ました。 ○保健医療技術調整官   センターの名称については、ちょっと言い方が丸っこいからなのですが、本当にそ ういうセンターとしての機能があればいいというルールになっています。 ○住友委員   私の原点といいますか、平成19年3月30日に出された医療広告ガイドラインです ね。いちばん最初に出されてきた案でいくと、医療広告ガイドラインとの整合性とい うか、読み込みが非常に難しかったのです。今回出されてきたもので、医療広告ガイ ドラインがやはり背景にあって、大変読みやすくなった。そこに包括規定方式を述べ られていたのが、ここできちんとそれが提示された。ですから、これがバイブルにな って表示ですね、そういうものがある意味では規制をかけられるのではないかと思っ ているのです。ですから、整合性がとれているというところで、私は大変評価をして いるのです。 ○部会長    岩井委員、あとでお見えになりましたが、いまの時点で特にご意見はありますか。 ○岩井委員   いろいろなご要望が出てきて、こうして見てみると、結構皆さんの要望も入ってわ かりやすくなっているという感じがして、患者がアクセスするときにわかりやすくな るということが望ましいことだなと思っております。 ○部会長   その辺をとりあえずの議論のまとめにさせていただいて、次のいくつまで担当の診 療科を掲げられるかという話についてご議論いただきます。先ほど案として、常識的 に見て2つぐらいではないかという意味の提案があったわけですが、彼らが言うのは、 もちろんそれ以外のものはいけないというわけではないのでしょう。2つ主なものを 出して、ほかにいくつか出してもいいかもしれませんが、やはりその2つとは区別し て出すようにという指導なのではないかと理解していますが、そうですね。内田委員、 どうですか。 ○内田委員   医師会の立場から申しますと、2つに規制するというのは、結構クレームが出る可 能性があると思うのです。ですから、主たる標榜科は2つですよということを強調す るのではなくて、その次のところにいくつでもOKですよというのが付いているという ほうを強調していただければ、非常にありがたいです。 ○辻本委員   どういう観点で苦情が出るかということを、ちょっとご説明を頂戴したいと思いま す。 ○内田委員   これは地域の特性もいろいろあるかと思いますが、例えば田舎で直径10kmの圏内に 診療所が1軒しかない。最初はとにかくそこにかかるしかない。その先生がどうして もできない診療科もあるかもしれないけれども、大体のことは医学部で勉強して、そ のあとの研修時代にもやったということで、整形外科も外科も消化器科も循環器のほ うも、ある程度見れますよ。特に救急センターをやったような先生は、そういう先生 が結構いらっしゃる。そういうところを2つだけと限定、制限してしまうと、かえっ てその地域における医療で混乱するということもありますし、もうそういう形で定着 していらっしゃる先生も結構いらっしゃると。ですから、現状追認という形では、そ ういうことを認めていただくほうがいいのかなと。 ○部会長   いまの内田委員の配慮はどうですか。というのは、2つだけというのではなくて、 先ほど私も紹介したように、それ以外のことも可能である。ただ、なぜ2つかという 精神を少し言わないと、やはりいままで厚生労働省のほうにも、一般の方からも含め て、いろいろ意見があったのではないかと思いますが、何でもできるというか、たく さんゾロゾロ書かれてもと、地域のことを考えない場合の話ですけれども、おそらく、 そういうことがあったのだろうと思うのです。ですから、その辺をある程度理論武装 しておかないと、なぜ2つなのかという各論が出てくる可能性がある。それ以外に、 いくつかもちろん言っていただいていいけれども、2つとは区別してという、その思 想ですよね。 ○内田委員   これは急に2つだけというようにすると、看板の作り替えとか、いろいろ費用がか かる話も出てきますから、当然、経過措置というか、移行期間を設けていただくと。 ○総務課長   まず、2つというのも、前提案したのも、原則2つということで、しかもそれは主 たるものが2つなのであって、要するに太く書くものは原則2つですよと。大きく書 くものは原則2つですよと、こういうことを前に提案しており、その点についてはい まも変わらない提案をしているということです。2つ以上、3つ、4つ、5つ言っては いけないということではなくて、主たるものとそうでないものの区別。その主たるも のというのが原則2つぐらいだろうということで、それも絶対3つあってはいけない のかということではないということで提案をしており、その点についてはいまも変わ っていないということです。   それから、経過措置についても、これも最初提案したときと何ら変えておらないの ですが、従来のもう既に出しておられる看板を変えるということではなくて、その看 板を何らかの形で変えられるときに変えてください、ということになろうかと思いま す。新しく認められた表記があるわけですから、その表記に早く変えたいということ は、もちろん変えていただいて結構なわけですが、変えなければいけないのかという ことに関して言えば、それは従来の看板について言えば、経過措置は当然必要であろ うということで、もともと提案していたものについても、経過措置が必要であるとい うことは私どものほうも提案しております。 ○部会長   大体そういうところでよろしいでしょうか。先ほどの話にもありましたように、こ の会でまとめを作って、大臣に向けた答申というか、意見書を出すことになります。 その原案を作っておりますので、お配りして皆さんに見ていただきたいと思います。  それでは、これは読み上げてください。 ○保健医療技術調整官   それでは、読み上げさせていただきます。平成19年ということで、日時は抜けてお ります。「医道審議会医道分科会診療科名標榜部会。標榜診療科名の表記方法について (意見書)(案)」です。   1.新たな診療科名の表記方法。医業・歯科医業に関して広告可能な事項については、 医療法第六条の五及び第六条の六に定められており、広告可能な事項の一つである標 榜診療科名については、同法施行令第三条の二に基づき限定的に列挙する方式で定め られている。今般の医療法改正においては、「患者等への医療に関する情報提供の推進」 に関する取組として、適切な医療機関の選択と受診を支援する観点から、広告可能な 事項についても、大幅な規制緩和が行われた。具体的には、広告可能な事項の規定方 法を、各項目を個別に列挙する方式から、一定の性質を有する事項を包括的に規定す る方式に改めることにより、客観的な事実について相当程度にまで広告可能な内容に 拡大することとされた。これに伴い、当部会においては、標榜診療科名についての審 議を行い、以下のとおりその結果をまとめたので報告する。  (1)標榜診療科名の表記方法について。標榜診療科名については、今般の医療法の改 正等を踏まえ、患者や住民自身が自分の病状に合った適切な医療機関の選択を支援す るという観点から、一定の性質を有する事項を包括的に規定する方式に改め、標榜で きる診療科名を相当程度拡大すべきである。したがって、医療法施行令において、下 記に包括的に規定される事項と内科、外科又は歯科とを組み合わせることにより、標 榜診療科名とすることが適当である。  臓器や身体の部位。症状、疾患。対象とする患者の特性。診療方法。   また、小児科、産婦人科、精神科など、内科、外科及び歯科と組み合わせて標榜し た場合、患者や住民に混乱をきたす可能性があると考えられる診療科名については、 単独で標榜できる診療科名として別途規定することが適当である。この場合において も、医療法施行令に規定する事項(「臓器や身体の部位」、「症状、疾患」、「患者の特性」、 「診療方法」)と組み合わせて標榜診療科名とすることができるようにすることが適当 である。なお、標榜診療科名は、医療法改正における広告規制の考え方に則り、客観 的評価や事後検証が可能なものに限られることが必要である。このため、標榜可能な 診療科名と標榜が不適切な診療科名をできるだけ幅広く例示して通知することが適当 である。  (2)医師又は歯科医師の主たる診療科が分かる表記方法について。診療所においては、 当該診療所に勤務する医師又は歯科医師一人について「主たる診療科名」を原則2つ 以内とし、その他の診療科名と区別して表記することが適当である。   2.経過措置。今回の医療法施行令の改正等に当たっては、必要な経過措置を講じる 必要がある。   以上です。 ○部会長   この会で議論したものは、一応網羅されているとは思うのですが、いかがでしょう か。先ほどの原則2つ以内、診療科名と区別して表記するということですから、3つ4 つやってもいいということは、暗に読めると思います。それと省令として、いくつか を例示することが適当であるということも述べられておりますが、いかがなものでし ょうか。ちょっと合議のご意見を頂戴できたらと思いますが、高久委員どうぞ。 ○高久委員    これで結構だと思います。 ○部会長    よろしいでしょうか。    (異議なし) ○部会長   どうもありがとうございます。それでは、基本的にこのまま受け入れていただいて、 訂正がないようですからこのまま事務手続に入っていただいて。今後のことを説明し てください。 ○保健医療技術調整官   今後の事務手続についての説明をさせていただきます。意見書が正式にまとまった 段階で、医療法施行令の改正条文案を作成します。その上で、医療法第6条の6第2 項に規定されているのですが、具体的には日本医師会、日本歯科医師会、日本医学会、 日本歯科医学会に意見照会をさせていただき、それに併せてパブリックコメントを実 施します。そのような手続が進む中で、医道審議会へ政令条文案を諮問答申という形 で手続をとらせていただいて、いま説明した手続を経て、政令の改正という形につな がるということです。 ○部会長    ということは、この会は今後どうなるのですか。 ○保健医療技術調整官   これは次回以降の議事の日程に近い話ですが、具体的には標榜の表記の見直しの部 分については、先ほど意見書という形でおまとめいただけるということですので、ひ とつけじめがついたのかと思っております。 ○部会長   それではこの会は解散かというと、実はそうではなくて、もう1つ大事な宿題が残 っていたのです。ご記憶の方はあるかもしれませんが、総合科のことです。これは世 の中いろいろ動いておりますので、それも含めて改めてまた議論を始めないといけな い宿題になっております。それは改めてまたご通知をさせていただきますので、ご参 集いただきたいと思っております。とりあえずこの標榜診療科の現時点での結論を厚 生労働省のほうに意見書として出したというところで、とどめさせていただきます。 早めですが、これで本日の会は終わらせていたただきます。皆さん、ご協力どうもあ りがとうございました。 1