07/09/18 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 平成19年9月18日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 議事録         日 時:平成19年9月18日(火) 15:00〜17:18 場 所:経済産業省別館1028号会議室 1 開 会 2 審 議    議 事:1 議題       (1)食品添加物の指定の可否について       (2)食品中の動物用医薬品の残留基準設定について       (3)食品中の農薬の残留基準設定について        2 報告事項       (1)FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス委員会)          第7回バイオテクノロジー応用食品特別部会(TFFBT)の          開催について 3 閉  会 ○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会、本年 度3回目の食品衛生分科会を開催します。  本日は、御多忙のところお集まりいただき、厚くお礼を申し上げます。  まず、本日の委員の先生方の出欠状況について御報告いたします。内田委員、垣添委員、 神田委員、岸委員、児玉委員、鈴木委員、田中委員、長尾委員、渡邊委員から御欠席との 御連絡をいただいております。現在の分科会員総数19名のうち10名の御出席をいただい ておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告いたします。  審議いただく前に、8月24日付で事務局の異動がございましたので、御紹介申し上げま す。大臣官房参事官医薬食品担当の牛尾光宏でございます。  企画情報課長の松田將でございます。  本日の議事ですが、議事次第をごらんください。審議いただく事項としては、食品添加 物の指定の可否について1剤、食品中の動物用医薬品の残留基準設定について7剤、食品 中の農薬の残留基準設定について7剤でございます。また、その後、報告事項といたしま して、コーデックスの第7回バイオテクノロジー応用食品特別部会が来週開催されますの で、それを御報告申し上げます。  資料の御確認をいただきながら御審議いただく事項を御紹介申し上げます。  資料1−1が食品添加物の関連で、ネオテームです。  資料2−1−1ですが、ここから動物用医薬品で、トルトラズリルです。資料2−2− 1がフルニキシンです。資料2−3−1がマルボフロキサシンです。資料2−4−1がメ ロキシカムです。資料2−5−1がトリニューモウイルス感染症生ワクチンです。資料2 −6−1が豚丹毒の不活化ワクチンです。資料2−7−1がマレック病・鶏痘混合生ワク チンです。  資料3からが農薬ですが、資料3−1−1がピリプロキシフェンです。資料3−2−1 がビフェントリンです。資料3−3−1がピラクロニルです。資料3−4−1がペノキス スラムです。資料3−5−1がスピロメシフェンです。資料3−6−1がシニドンエチル です。資料3−7−1がジクロトホスです。  最後に、報告資料といたしまして「FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス委員会) 第7回バイオテクノロジー応用食品特別部会(TFFBT)の開催について」です。  以上が本日御審議いただく資料ですが、今の時点で不足等ございましたら手を挙げてい ただけますでしょうか。審議中もお気づきの点があれば、挙手の上御指摘いただければと 思います。  それでは、以降の進行につきましては、吉倉分科会長にお願いいたします。よろしくお 願いいたします。 ○吉倉分科会長 今のような調子で今日は議題がたくさんありますので、要領よくやりた いと思います。  それでは早速、添加物の方からネオテームの食品添加物としての指定の可否について、 事務局からお願いします。 ○事務局 それでは、資料1−1に従いまして御説明させていただきます。1ページ目が 諮問書になります。3ページ以降が資料1−2、添加物部会の報告書になります。31ペー ジ以降が、資料1−3、食品安全委員会の食品健康影響評価となっております。  5ページ目の部会報告書から御説明させていただきます。ネオテームは要請者からの指 定要請に基づく品目であり、新たに添加物としての指定を行うとともに、規格基準の設定 を行うものでございます。添加物部会では、安定性について、フェニルケトン尿症者に関 する注意喚起として、L−フェニルアラニン化合物を含む旨の表示の必要性の有無につい て、あと、規格について、この3点につきまして中心に議論が行われました。  1、品目名はネオテーム。  2に、構造式、分子式、分子量の記載がございます。  3、用途は甘味料でございます。  4、海外及び諸外国での使用状況につきましては、本品は昭和58年に既に指定済みになっ ておりますアスパルテームの誘導体になる甘味料であり、砂糖の7,000倍から1万3,000 倍、アスパルテームの30〜60倍の甘味度を有しております。本品につきましては、既に 19か国以上で食品添加物として甘味及びフレーバー増強の目的で使用されており、欧州に おいては現在、認可に向けて検討が進められているところでございます。また、JECFAで も既に安全性評価が行われている品目でございます。  安定性については、部会でも議論となった事項でございまして、7ページの中程以下で 本品目の安定性に関する基本的性質を示しております。本品目はpH3〜5.5の範囲で比較 的安定でございますが、3以下5.5以上、あと温度が高くなるにつれて加水分解を受けやす くなるという性質を有しております。  8ページで、本品目と類似の構造を有するアスパルテームとの安定性の比較を行ってお ります。2つのpHでそれぞれ温度での半減期を見ており、こちらの結果からネオテーム はアスパルテームに比べ、同等以上に安定であることが示されております。  引き続きまして、実際の使用実態を踏まえた安定性について検討を行った結果が9ペー ジからになります。熱安定性、発酵耐性、保存安定性について検討を行っておりますが、 いずれもアスパルテームと同等以上の安定性が示されております。  次に、実際の食品にネオテームを添加した場合の安定性について、検討を行った結果が 10〜11ページになります。その結果、炭酸飲料、紅茶飲料水等に添加して安定性を確認し ましたところ、22〜25週間の安定性が得られており、通常の賞味期限の範囲内で甘味度が 保持されているということが確認されております。  安定性に関連して、分解物の安全性という点につきましても添加物部会で議論を行いま したが、その結果、分解物についても安全性は確保できているとの審議結果をいただいて いるところでございます。  6、食品安全委員会における評価結果についてでございますが、ネオテームのNOAEL につきましては、ラットを用いた2世代繁殖試験の結果を根拠に、NOAEL96.5mg/kg体重 /日と考えられることから、ADIは安全係数を100として1.0mg/kg体重/日と評価されて おります。  次に、7、摂取量の推計を御覧ください。ネオテームの摂取量の推計につきましては、 平成13年の国民栄養調査成績の食品群別摂取量を基に、食品中の砂糖をすべてネオテーム に置き換えた場合を仮定して、摂取量の推計を行っております。その結果、ネオテームの 推定摂取量は0.0769mg/kg体重/日となっておりまして、こちらは先ほどのADIの約10 分の1となります。  また、マーケットバスケット方式による摂取量調査を基に、アスパルテームをすべてネ オテームに置き換えた場合の推計につきましては、0.00292mg/kg体重/日となっており、 これはADIの約300分の1となります。  8、ネオテームのL−フェニルアラニン化合物である旨の注意喚起についてでございま すが、類似の化合物であるアスパルテームにつきましては、フェニルケトン尿症者に対す る注意喚起といたしまして、L−フェニルアラニン化合物である旨、またはこれを含む旨 の表示を義務付けているところでございます。  アスパルテームと同様の表示の必要性について検討しましたところ、ネオテームがすべ てL−フェニルアラニンに変換されると想定した場合に、ネオテームから摂取されるL− フェニルアラニンは、フェニルケトン尿症患者の摂取目安値の0.7%以下に相当するという 結果が得られております。  以上のことから、ネオテームにつきましてはL−フェニルアラニンに関する注意喚起を 行う必要はないとされております。  なお、米国や欧州におきましても同様にネオテームにつきましては、L−フェニルアラ ニンに関する表示は不要とされているところでございます。  9、新規指定についてでございますが、部会では、ネオテームを食品衛生法第10条に基 づく添加物として指定することは差し支えない。ただし、本品目については同法の第11条 第1項の規定に基づきまして、17ページ以降の成分規格を定めることが適当であるとの審 議結果をいただいております。  また、使用基準につきましては、食品安全委員会における評価結果、摂取量の推定から ADIよりもその摂取量が十分に低いため、使用基準は設定しないこととすることが適当 であるとの審議結果をいただいております。  25ページ、答申案でございますが、以上の添加物部会での審議結果を踏まえまして、ネ オテームについては食品添加物としてヒトの健康を損なうおそれがないことから、指定す ることは差し支えない。なお、指定に当たっては、以下のとおり成分規格を設定すること が適当であるということで、25〜27ページに掛けて成分規格案をお示しさせていただいて おります。  本品目につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。何か御意見ありますか。  これはADIを決めるのに、えらいたくさんの化合物を食わせるわけですけれども、ネ ズミというのは幾ら甘くても平気で食うんですかね。別にいいんですが。  あと、アスパルテームとほとんど同じですね。ネオテームと何か特別に違うところがあ るんですか。審議には直接関係ないと思うのでよろしいんですが。 ○國枝課長 11〜12ページに味の特性というのがございますけれども、ここにネオテーム が従来のものに比べて苦みの後味が少ないということとか、アスパルテームと同様に甘味 の後味が長く残るという味覚の特質があるということがございます。それから、安定性が アスパルテームに比べて同等以上という結果が出ているという部分がございます。また、 量がアスパルテームに比べてかなり少なくて済むということがございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。25ページの答申案、指定することは差し支えない、それ から、指定に当たっては次の成分規格ということですが、よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、次に行きましょう。今度は動物用医薬品ですね、トルトラズリル をお願いします。 ○事務局 資料2−1−1に従いまして御説明申し上げます。動物用医薬品のトルトラズ リルにつきましては、3ページ以降が資料2−1−2、部会の報告。23ページ以降が資料 2−1−3といたしまして、安全委員会の食品健康影響評価となっております。  トルトラズリルにつきましては、コクシジウム原虫に対する寄生虫の駆除剤という形で 使われる薬でございます。今回の評価に当たりましては、我が国におきましては現在薬事 法において、使用についての承認が得られていないということでございますが、海外の開 発メーカーから本剤につきまして残留基準設定を要望するという旨の申請書が提出されて おり、これに従い残留基準設定を行ったものでございます。  簡単に薬事法と食品衛生法の概要を御説明させていただきますと、薬事法における承認 という行為が求められた場合につきましては、食品衛生法に基づく残留基準設定の必要性 について農林水産省の薬事担当部門からお問い合わせが来ます。私どもとしましては、食 品安全委員会の食品健康影響評価を踏まえまして残留基準を設定し、これに基づきまして 農林水産省が薬事法に基づく休薬期間を設定をするという仕組みとなっております。  今回の申請されている内容につきましては、いわゆる薬事法に基づく申請手続ではなく、 海外から直接食品衛生法上の残留基準設定を要望したというものでございます。簡単に御 説明を申し上げます。  まず、食品安全委員会の評価につきましては、28ページに結果が取りまとめられており ます。本剤につきましては、各種毒性試験が実施されております。また、トルトラズリル につきましては、動物体内で代謝されまして、通常はトルトラズリルのスルホンという形 で存在することが判明しております。このため、食品安全委員会の評価におきましても、 このトルトラズリルのスルホンというものにつきましても評価がなされております。結果 といたしましては、いずれもトルトラズリルと比較いたしまして弱い毒性影響しか示さな かったということが示されております。  また、ADIの設定につきましては、各試験の無毒性の最小値につきましてはラットを 用いました30か月慢性毒性/発がん性併合試験、また、ラットを用いました催奇形性試験 の1mg/kg体重/日というものを用いております。これを安全係数100で除した0.01mg/kg 体重/日というものがADIとして評価なされているところでございます。  お戻りいただきまして、5ページをごらんいただければと思います。トルトラズリルの 部会報告案を取りまとめております。本剤につきましては、(1)概要、(2)にございますよ うに、海外から残留基準設定要望がなされ、今回残留基準設定の検討を行ったというもの でございます。  また、本剤につきましては、諸外国におきまして既に幅広く使用されている実態が6ペー ジの表でごらんいただけると思います。ウシから始まりましてブタ、ヒツジ、ニワトリ等々 各家畜に使われるという薬でございます。  また、2、対象動物における分布、代謝でございます。(1)といたしまして、ウシにおけ る分布、代謝が記載してございますが、親物質でございますトルトラズリルを投与いたし ますと体内における分布、代謝において、トルトラズリルスルホンがほとんどとなるとい うことが示されております。また、トルトラズリルスルホン以外にもトルトラズリルスル ホシキドというものも生成されることがわかっておりまして、それにつきましても代謝、 分布等の報告がなされているところでございます。  (2)ブタについての分布、代謝試験でございます。試験期間を通じまして主要な残留物に つきましては、トルトラズリルのスルホンであったということが報告されているところで ございます。  また、ヒツジにつきましてもトルトラズリルスルホンの残留濃度が測定されております。  更に、鳥類につきましても残留性試験に成績がございますが、いずれもトルトラズリル のスルホンが主要な残留物であったという報告となっております。  9ページ以降につきましては、各家畜の所要の投与量に基づきまして投与がなされた場 合の残留の値というものを取りまとめてございます。  ウシにつきましては、最も短い休薬期間56日となっておりますので、この56日を参考 に残留基準の設定を行っております。  また、10ページにはブタの残留性試験の結果、休薬期間の最も短いものが49日でござい ますので、この49日を参考として残留基準の設定の検討を行っております。  また、11ページ以降はヒツジでございます。ヒツジについては42日のデータを用いてお ります。具体的な表につきましては12ページにお示ししてございます。  また、ニワトリにつきましては13ページにその値を示しておりますが、最も短い休薬期 間は8日となっておりまして、この8日を参考といたしまして基準値の設定の検討を行っ ております。  また、14ページに七面鳥についての報告がございます。(5)の8日というものを参考とい たしまして残留基準の設定の検討を行っております。  4といたしまして、先ほど御紹介いたしました食品安全委員会のADIの評価の結果で ございます。トルトラズリルといたしましては0.01mg/kg体重/日がADIとして報告され ております。  6、基準値案につきましては、食品安全委員会等でも代謝物につきまして評価がなされ ているという観点から、今回残留の規制対象といたしましては、トルトラズリル、トルト ラズリルスルホンをトルトラズリル含量に換算したもの、また、代謝物といたしましては スルホキシド体もございますので、スルホキシド体をトルトラズリル含量に換算したもの の総和という形で残留基準値の設定の検討を行っております。  基準値の案につきましては、17ページ別紙1に取りまとめてございます。「筋肉(牛)」 から始まりまして、以降ブタ、家禽というものにつきまして残留基準値の設定を行ってお ります。  また、これらの基準の設定に対しまして、暴露量につきましては16ページ(3)といたし ましてADI比を示しております。最も多い幼小児におきましても35.9%という値となっ ておりまして、ADIの80%を十分下回るという形で基準値の設定をしているところでご ざいます。  これらを踏まえました答申案でございますが、20ページ、こちらが御検討をお願いした い答申案となっております。  また、21ページにつきましては、既にパブリックコメントを行っております。(1)につ きましては8月8日から9月7日までパブリックコメントを行っておりまして、こちらに ついて特段のコメントは寄せられていないというものでございます。  また、(2)WTO通報につきましては、現在通報の手続を行っているというものでござい ます。  説明につきましては以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。  これは、ニワトリ、それからニワトリ以外の鳥の卵は要するに一律基準になるわけです か。 ○事務局 さようでございます。 ○吉倉分科会長 一番最初に説明のあった農水との管轄の関係ですが、要するに、農水は 休薬期間で一応決めるというレギュレーションをやると。こちらの方はそれを考慮して決 めた残留量で決めるという仕組みですが、いかがでしょうか。ここで合意しなければいけ ないのは、この答申案でよろしいかということですが。 ○品川(森)委員 この医薬品は日本で薬事法で認められていないというわけですが、こ れは申請がなかったからなんですか。それとも、申請があってもだめだったのか、その辺 りはどういうことになっているんでしょう。 ○事務局 本剤につきましては、いまだ申請者の方から日本の国における使用の要請とい うものがなされておりませんで、今回御審議をいただいた後に日本に対しまして申請をし たいという意向を示しております。 ○吉倉分科会長 まあ、いいんじゃないでしょうか。  ほかにいかがですか。普通は逆ですね。 ○廣橋委員 カナダで承認が取り消されているというのは何か理由があったんでしょうか。 ○吉倉分科会長 29ページの食品安全委員会で、一番下のカナダでは2005年に承認が取 り消されている。 ○事務局 カナダの件でございますが、本件当方で確認を行っておりまして、結論といた しましてはカナダで承認をまだ得ていないということでございます。承認の手続を行って いる中で、カナダの行政庁の方から各種いろいろな成績を求められたという経緯もござい まして、それに対する対応を続けることが困難だという判断から、自ら申請の提出を撤回 したということが報告されております。 ○吉倉分科会長 要するに、カナダ当局からデータをいろいろ求められて、もうそれには 付き合いきれないとあきらめちゃったという話ですね。要するに、認可されていたのが取 り消されたということではないという理解ですが、よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、一応20ページの答申案で部会としては承認ということだと思 います。あと、パブリックコメントその他については、現在のところ特にないということ ですが、よろしいですか。  さっきネオテームのときに聞くのを忘れてしまったんだけれども、ネオテームはパブ リックコメント、その他はいかがですか。 ○事務局 WTOとパブリックコメントについては、今実施中ということでございまして、 今のところコメントはないということでございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。何かあれば、もう一回ここに戻ってくるかもしれないと いうことですね。  それでは、次に行きましょう。フルニキシンをお願いします。 ○事務局 続きまして、動物用医薬品のフルニキシンの御説明をさせていただきます。資 料につきましては2−2−1でございます。3ページ以降が部会報告として資料2−2− 2、19ページ以降が食品安全委員会の食品健康影響評価書となっております。  食品安全委員会におけるADIの評価でございます。24ページをごらんください。本剤 につきましては、平成7年12月に我が国の当初の承認を受けております。当初の承認から 所定の期間が経過したことから今回再審査が行われまして、これを踏まえた残留基準の設 定の検討を行ったというものでございます。  本剤につきましては、2の(1)に書いてございますとおり、諸外国の食品安全評価機関に おきましても、その安全性の評価が行われております。FDAやヨーロッパのEMEAにお いて評価が行われております。なお、JECFAにおける評価は行われていないというもので ございます。  本剤のADIの設定につきましては、3に承認時から新たな副作用の報告はなかったと いうことが報告されております。また、毒性評価につきましては、フルニキシンといたし まして0.0098mg/kg体重/日という数字が設定されております。  こちらの設定の根拠となったものにつきましては、NOAELがラットの1年間の慢性毒性 試験から求められております。この値が0.98mg/kg体重/日というものであったことから、 こちらに安全係数の100を用いまして最終的にADIといたしましては0.0098mg/kg体重 /日という値が示されたところでございます。  部会の報告につきましては、5ページ以降をごらんください。1、概要の(2)といたしま して目的が記載されております。本剤につきましては、ウシの細菌性肺炎における解熱及 び消炎、馬における運動器疾患に伴う消炎及び疼痛の緩和、疝痛時の鎮痛というものでご ざいます。  本剤につきましては、諸外国でも幅広く使われております。(5)適用方法及び用量でござ います。対象動物といたしましては、ウシや泌乳牛、ブタ、ウマといった動物に使われて いるものでございます。また、幅広い国で使われているということが、こちらからお読み いただけると思います。  2、対象動物における分布、代謝でございます。ウシにおける分布、代謝につきまして は、速やかに代謝が行われるということ。そして、泌乳牛に対する投与試験の結果が報告 されております。本剤につきましては、泌乳牛に投与した場合にその代謝が速やかに行わ れまして、5−ヒドロキシフルニキシンという形に変化することが知られております。ま た、存在比につきましては経時的に親物質でありますフルニキシン、そして、5−ヒドロ キシフルニキシンの値が同様の値を示すということが報告されております。このため残留 基準の設定につきまして、EUやアメリカにおきましては、当初の比較的残留量が多い5 −ヒドロキシフルニキシンをマーカー残留物として残留基準を設定しているという状況で ございます。  (2)ブタにおける分布、代謝でございます。投与された物質につきましては、大半がフル ニキシンとして存在すると。また、代謝物としては微量ではございますが4’−ヒドロキシ フルニキシン、2’−ヒドロキシメチルフルニキシン、また5−ヒドロキシフルニキシンが 検出されるということが報告されております。  (3)ウマに対する投与試験でございます。ウマにつきましては、速やかに24時間以内で 投与されたものにつきまして、検出限界以下となるということが報告されております。  3以降に、各動物におけます投与試験、残留試験の成績が示されております。  ウシにつきましては、最も短い休薬が3日という形で示されておりますので、この3日 のデータを参照としております。また、泌乳牛につきましては最も短い休薬期間が0時間 となっておりますので、最も短い12時間という値を参考としております。  また、ブタの具体的に参照としましたデータにつきましては、10〜11ページに掛けて掲 載されております残留試験のうち、11ページの(6)の14日というデータを採用しているとこ ろでございます。  (7)といたしましてはウマの残留試験の結果。こちらは最も短い日数が1日となっており ますので、この1日のデータを参照したというものでございます。  4、食品安全委員会のADIの結果でございます。値といたしましては0.0098mg/kg体 重/日という値となっております。  次に、6、基準値案でございます。まず、残留の規制対象といたしましてはフルニキシ ンを対象としているところでございます。また、各基準値の案につきましては、14ページ に別紙1といたしましてウシ、ブタ、その他の陸生ほ乳類、乳というものにつきまして基 準値案をお示ししているところでございます。  また、暴露でございますが、設定いたしました基準値を用いましたADIに対する比率 につきましては、13ページに一覧表として6の(3)で取りまとめておりますが、最も高い 幼小児におきまして8.7%となっておりまして、ADIの80%を十分下回るというもので ございます。  本部会に御検討をお願いしたい答申案は、17ページに取りまとめてございます。「筋肉 (牛)」から始まりまして「乳」まで一覧としてお示ししているものでございます。  18ページにつきまして、8月8日から9月7日までパブリックコメントの募集を行って おりますが、現時点までコメントは特に寄せられていないというものでございます。また、 WTO通報につきましては、現在、通報の手続を行っているというものでございます。  説明は以上でございます。 ○吉倉分科会長 17ページの答申案について、何か御意見はありますか。 (「なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、次にいきましょう。マルボフロキサシン。 ○事務局 続きまして、動物用医薬品のマルボフロキサシンにつきまして資料2−3−1 を用いまして御説明申し上げます。  資料につきましては、3ページ目以降に資料2−3−2といたしまして部会報告、17ペー ジ以降から資料2−3−3といたしまして、食品安全委員会の食品健康影響評価の結果と なっているものでございます。  食品健康影響評価の取りまとめでございますが、概要につきましては22ページをごらん いただければと思います。要約といたしまして、マルボフロキサシンについての食品健康 影響評価の概要が記載されております。本剤につきましては、特段の遺伝毒性等を示さな かったということが記されております。  また、ADIの設定等につきましては、微生物学的ADIを用いております。微生物学 的ADIのin vitroのMIC50の知見から得られております0.0032mg/kg体重/日というも のがございまして、こちらの値を最終的なADIとして評価を行っているというものでご ざいます。  部会報告につきましては5ページをごらください。マルボフロキサシンの部会報告とい たしまして、1、概要、(2)用途でございます。本剤は、ウシ及びブタの細菌性肺炎の治療 を目的に欧州等で使われている薬でございます。  各国における使用状況等につきましては、6ページに適用方法と用量を取りまとめてお ります。本剤につきましては、ウシ、ブタ、泌乳牛に対しましてEU、ニュージーランド で使用が認められているというものでございます。  2、対象動物における分布、代謝でございます。(1)ウシについては、残留している物質 の大半が未変化体で残留していたということが報告されております。  また、(2)といたしましてブタにおける分布、代謝が報告されております。尿中、または 糞中における残留物の動態が示されておりますが、いずれも未変化体が大半であったとい うことが示されているところでございます。  3、残留試験の結果としまして、分析の概要につきましてはその対象化合物をマルボフ ロキサシンとする。  そして、8ページ以降にウシ、ブタ、泌乳牛につきまして、残留性試験の結果をお示し しております。ウシにつきましては、最短の休薬日数でございます4日を参考としており ます。また、ブタにつきましては2日を参考としております。泌乳牛につきましては、最 も短い休薬が24時間でございますので、この24時間を参考として残留基準の検討を行っ ております。  4、許容一日摂取量、ADIにつきましては、先ほどの数字のとおりマルボフロキサシ ン0.0032mg/kg体重/日となっているものでございます。  6、基準値案でございます。残留の規制対象といたしましては、マルボフロキサシンを 対象とすること。  (2)基準値案でございますが、12ページに別紙1として一覧をお示ししております。  また、お示ししている基準値案に基づきまして暴露の評価を行った結果といたしまして は、(3)ADI比でございますが、最も高い幼小児におきまして35.0%という数字となって おります。  本分科会で御審議をいただく答申案は、15ページに取りまとめてございます。「筋肉(牛)」 から始まりまして「乳」までとなっているものでございます。  最後に、マルボフロキサシンにつきましてもパブリックコメントを行っておりまして、 8月10日から9月10日までパブリックコメントの募集を行いましたが、特に意見は寄せ られていないというものでございます。また、WTO通報につきましては、現在通報の手 続を行っている最中でございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。これは非常に安定なわけですね。そうすると、環境中に どんどんたまるわけですかね。この抗生物質使用について、その辺は何かやっているんで すか。環境中で分解されないような抗生物質に関する規制というのはありますか。差し当 たりは食品の残留量なのでいいんですけれども。  品川先生、何かありますか。 ○品川(森)委員 耐性菌がどうなるかという、耐性菌の出方の問題ですよね。 ○國枝課長 耐性菌の関係については、抗生物質である飼料添加物と、これら飼料添加物 と共通する動物用医薬品について、農林水産省から、食品安全委員会に評価依頼が来てお りまして、これまで、モネンシンが問題がないという結果が出ておりまして、今たしかフ ルオロキノロン系のものについて評価中と聞いております。吉倉先生からお話のあった環 境中の分解の件については、そういう形でやっているかどうかはわかりません。 ○吉倉分科会長 もしも何かまた情報があれば適宜お願いします。  それでは、15ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、このまま答申するということで、次をお願いします。 ○事務局 続きまして、資料2−4−1、動物用医薬品のメロキシカムでございます。部 会の報告は3ページ以降となっております。また、17ページ以降が資料2−4−3といた しまして、食品安全委員会の食品健康影響評価の結果となっているものでございます。  本剤につきましては、非ステロイド性の抗炎症薬となっておりまして、我が国における 新規承認の申請が現在提出されているというものでございます。  食品安全委員会の評価の結果につきましては、22ページをごらんいただければと思いま す。本剤につきまして、農林水産省に対しまして現在承認の申請がなされているというこ とが冒頭に書かれてございます。また、本剤につきまして非ステロイド性の抗炎症薬であ ること等につきましては、1の中でお示ししております。  3といたしまして、本剤に関する安全性に関する知見等でございますが、既にヨーロッ パの評価期間でございますEMEAにおきましては評価がなされておりまして、1.25μg/kg 体重/日のADIが設定されております。JECFAにおいては現時点では評価はなされていな いというものでございます。  このため、食品安全委員会におきまして、本剤についてのADIの評価を行っていただ いたというものでございまして、結論といたしましては、メロキシカムといたしましては 0.00063mg/kg体重/日という数字が示されております。こちらはラットの生殖発生毒性試験 のNOAELから安全係数を用いて求められたADIでございます。  部会の報告につきまして、5ページをごらんいただければと思います。1、概要の(2) 用途といたしましては、非ステロイド性の抗炎症薬であること。ウシにおきましては呼吸 器感染症による炎症の緩和、ブタにつきましては運動器疾患、また、泌乳牛におきまして は乳房炎等の炎症の緩和等々に用いられているというものでございます。現在、薬事法に 基づく承認の申請が行われているということを記載してございます。  6ページに、本剤におきます適用方法、用量を取りまとめてございます。本剤につきま しては、ウシ、ブタ、ウマ、泌乳牛というものにつきまして、EU、オーストラリア、ニュー ジーランドという国々で、この使用が認められているというものでございます。  また、2、対象動物における分布、代謝ございます。(1)ウシにつきましては、血漿中の 放射性活性の大半は未変化体であったと。また、各組織中にも数種類の代謝物が見られた が、大半は未変化体であったということが報告されております。  また、(2)ミニブタにおける分布、代謝試験でございます。投与後の血漿中濃度における 未変化体の割合が約60〜80%と、その大半が未変化体であるということが報告されている ものでございます。  3、対象動物における残留試験の結果でございますが、代謝残留の結果を踏まえまして、 分析対象化合物につきましてはメロキシカムを対象としております。  組織における残留につきましては、(2)以降に記載してございます。まず、(1)がウシの表 でございますが、最も短い休薬であります8日というのもを参考といたしまして残留基準 の設定の検討を行っております。  また、(2)ブタ、(3)ウマについて残留試験の結果をお示ししております。ブタにつきまし ては2日、ウマにつきましては48日を参考として基準値の設定の検討を行っております。  また、9ページに泌乳牛の乳中の残留試験の結果が示されております。こちらにつきま しては、84時間を参考にして基準値の設定の検討を行っております。  4につきましては、先ほど御説明申し上げましたADIの評価の結果、メロキシカム 0.00063mg/kg体重/日というものでございます。  6、基準値案でございます。残留の規制対象といたしましてはメロキシカム。  (2)基準値案につきましては、11ページの別紙1に一覧を取りまとめてございます。  また、 (3)ADI比でございますが、御提案申し上げております基準値案に従いまして ADI比を計算した結果につきましては、最も高い幼小児におきまして46.0%という値と なっております。  分科会で御審議をお願い申し上げたい答申案につきましては、14ページに取りまとめて ございます。こちらはメロキシカムの「筋肉(牛)」から始まりまして「乳」に至る基準値 の一覧でございます。  最後に、メロキシカムに係るパブリックコメントを8月8日から9月7日まで求めてお りまして、寄せられたコメントはなかったというものでございます。また、WTO通報に つきましては、現在手続を行っているものでございます。  説明は以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。この答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、14ページの答申案で答申したいと思います。よろしくお願いしま す。  それでは次をお願いします。 ○事務局 続きまして、資料2−5−1といたしまして、動物用医薬品のトリニューモウ イルス感染症生ワクチンでございます。3ページ以降が部会の報告案、資料2−5−2と なっておりまして、9ページ以降が資料2−5−3、食品安全委員会の食品健康影響評価 の報告書となっているものでございます。  食品安全委員会の評価の結果につきましては、6ページをごらんいただければと思いま す。承認時から再審査調査期間中にこれまで把握されていなかった新たな副作用報告、安 全性を懸念させる研究報告は認められていないと。また、提出された資料の範囲におきま して、当製剤に関する安全性を懸念させる新たな知見の報告は認められないと考えられ、 当生物学的製剤が適切に使用される限りにおきまして、食品を通じたヒトの健康に影響を 与える可能性は無視できるものと評価されているところでございます。  これを踏まえまして、5ページが部会の報告となっております。本剤につきましては、 1の概要、(2)鶏のトリニューモウイルス感染症による呼吸器症状の予防を目的として使わ れるものでございます。  また、説明が前後してしまいましたが、本剤につきましては当初の我が国における承認 を平成11年7月に受けております。そこから所定の期間が経過したということをもちまし て、今回再審査が行われたというものでございます。その旨を1の概要(2)の後段で示して いるものでございます。  有効成分等につきまして、また適用方法、用量につきましては、(3)(4)にお示ししてい るとおりでございます。  また、(5)につきまして、諸外国においても使用が承認されているということを記載して ございます。  2、残留試験の結果は、本剤の評価等を踏まえまして、主剤等の残留試験は実施されて いないというものでございます。  3、食品安全委員会におけるADI評価を踏まえまして、4、残留基準の設定は、残留 基準を設定しないこととするということを御審議いただければと思っております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。トリニューモウイルスというのは人間はかからないんで すか。 ○事務局 はい、人畜共通感染症とはみなされておりません。 ○吉倉分科会長 人間にはかからないから休薬期間とかそういうのは考えなくていいとい うことですね。  いかがでしょうか。6ページの評価結果を踏まえ、残留基準を設定しない。よろしいで すか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、これで答申したいと思います。トリニューモウイルスというのは 頭がブワッと腫れて、写真を見せてもらったけれども、頭部に浮腫を起こすんですかね。  では、次をお願いします。豚丹毒。 ○事務局 続きまして、資料2−6−1といたしまして動物用医薬品の豚丹毒(酢酸トコ フェロールアジュバント加)不活化ワクチンについて御説明を申し上げます。部会の報告 書につきましては、3ページに資料2−6−2といたしまして、また、食品安全委員会の 食品健康影響評価の結果につきましては、9ページ以降に記載してございます。  食品安全委員会の評価の結果につきましては、5ページから御報告を申し上げておりま す。本剤につきましても、先ほどのトリニューモウイルス感染症生ワクチンと同様に、既 に我が国における承認を得ている薬剤でございます。当初の承認は平成11年10月に得て おりまして、そこから所要の期間が経過したことをもちまして、今回再審査が実施され、 これを踏まえて残留基準の設定の検討を行ったというものでございます。  食品安全委員会の評価結果につきましては、承認時から再審査調査期間中にこれまで把 握されていなかった新たな副作用報告、安全性を懸念させる研究報告は認められていない ということ、提出されました資料の範囲におきまして、当製剤に関する安全性を懸念させ る新たな知見の報告は認められないと考えられ、当生物学的製剤が適切に使用される限り におきまして、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると評価されて いるところでございます。  これを踏まえました当部会の報告でございますが、豚丹毒(酢酸トコフェロールアジュ バント加)不活化ワクチンの概要等を示してございます。  1、概要でございますが、(2)本剤の用途につきましては、豚丹毒の予防を目的に使用さ れるものでございます。また、再審査が行われた旨が記載されてございます。  (3)有効成分でございますが、本生物学的製剤につきましては、ホルマリンで不活化がな されているものでございます。抗原といたしましては豚丹毒菌M2型アルカリ処理菌体抗 原というものでございます。  (4)適用方法、用量。  (5)諸外国で数十か国において使用が承認されているということを示してございます。  2、残留試験結果でございますが、主剤等の残留試験は実施されていないということを 報告してございます。  3、食品安全委員会の健康影響評価の結果を踏まえまして、4、残留基準の設定でござ いますが、残留基準を設定しないこととするということにつきまして御審議を賜れればと 考えているところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 これは不活化ワクチンなんですが、よろしいでしょうか。  豚丹毒というのは菌としては溶血性連鎖球菌ですか。 ○品川(邦)委員 エリシペロトリックス。 ○吉倉分科会長 一応、菌としては……。 ○品川(邦)委員 この菌はブタに典型的な、敗血症、心内膜炎、関節炎などを起こしま す。 ○吉倉分科会長 グラム陽性菌ですか。桿菌ですか。どうもありがとうございました。  では、次はマレック病混合生ワクチンをお願いします。 ○事務局 続きまして、資料2−7−1に基づきまして、動物用医薬品のマレック病(マ レック病ウイルス2型・七面鳥ヘルペスウイルス)・鶏痘混合生ワクチンにつきまして、御 説明申し上げます。部会の報告が3ページ以降、9ページ以降に、食品安全委員会の食品 健康影響評価の結果をお示ししているところでございます。  本剤につきましても、既に我が国における承認を得ている生物学的製剤でございまして、 当初の承認は平成11年5月に得ております。そこから所要の期間が経過したということを もちまして、今回、再評価が行われまして残留基準の設定の検討を行ったものでございま す。  食品安全委員会の報告につきましては、6ページをごらんいただければと思います。承 認時から再審査調査期間中にこれまで把握されていかなった新たな副作用報告、安全性を 懸念させる研究報告が認められていないと。また、提出された資料の範囲におきまして、 当製剤に関する安全性を懸念させる新たな知見の報告は認められないと考えられ、当生物 学的製剤が適切に使用される限りにおきまして、食品を通じてヒトの健康に影響を与える 可能性は無視できるものと評価されております。  これを踏まえまして、5ページが部会報告でございまして、マレック病(マレック病ウ イルス2型・七面鳥ヘルペスウイルス)・鶏痘混合生ワクチンというものでございます。  本剤につきましては1、概要にお示しするとおり、(2)用途でございますが、マレック病 及び鶏痘の予防を目的として使われるというものでございます。  (3)有効成分につきましては、各ウイルスの所要とされる株が記載してございます。  (4)摂取の方法。  (5)諸外国における使用状況を記載しております。本剤につきましては、諸外国での承認 はないというものでございます。  また、本剤につきましては食品安全委員会の評価書の中に記載してございますが、そも そも人畜共通感染症ではないという評価がなされております。このようなことを踏まえま して、2、残留性試験の結果でございますが、残留性試験は実施されていないというもの でございます。  また、3、ADIの評価を踏まえまして、4、残留基準の設定でございますが、食品安 全委員会における評価の結果を踏まえまして、残留基準を設定しないこととするというこ とについて御審議を賜れればと思います。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、このまま答申ということで次をお願いします。ピリプロキシフェ ン。 ○事務局 続きまして、農薬ピリプロキシフェンにつきまして、資料3−1−1、資料3 −1−2、資料3−1−3に基づきまして御説明申し上げます。資料3−1−1は諮問書 でございます。3ページ、資料3−1−2でございますが、薬食審の農薬・動物用医薬品 部会の部会報告でございます。27ページから資料3−1−3ということで、食品安全委員 会の評価書という構成になってございます。  5ページ、部会の報告書でございますが、この剤につきましては殺虫剤ということで、 昆虫内の幼若ホルモンとして作用するということで、殺卵作用、また、蛹化、成虫化を阻 害する変態阻害作用があるというものでございます。  国内で既に登録されてございまして、お茶に対する適用拡大、また、ポジティブリスト 制度導入時に米国の基準等を参考に暫定基準を設定したということがございますので、そ の部分の御審議ということでお願いしたいと思います。  化学名、構造式につきましては記載のとおりでございます。  使用方法につきましては、5に記載してございます。  6ページの表の一番最後、お茶に四角囲みをしてございますけれども、ここが国内での 適用拡大、今回申請があったところでございます。  6、作物残留試験の結果ということで記載してございますが、11ページに別紙1−1と いうことで表に取りまとめてございます。こちらにつきましては、国内で行われた作物残 留試験の結果をまとめたものでございます。  12ページからは別紙1−2ということで、海外で実施されました作物残留試験の結果に ついて取りまとめてございます。これらに基づきまして、基準値の検討を行ったところで ございます。  8ページに戻っていただきまして、この剤につきましては飼料経由で畜産物にも残留す るという可能性について検討されてございます。乳牛におきまして残留試験が行われてご ざいます。乳牛に対してピリプロキシフェン0ppm、3ppm、9ppm、30ppmを含有する 飼料を牧草とともに28日間にわたり摂食させて、牛乳、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓に含まれ る当農薬の残留量を測定したということでございます。これらにつきましては、JMPRで も同様の試験結果を評価してございます。  8、ADIの評価ということで、食品安全委員会の評価書のとおりでございますが、イ ヌで行われました慢性毒性試験1年間の結果から無毒性量を求めまして、それから、安全 係数100ということでADI0.1mg/kg体重/日と評価されてございます。  9、諸外国の状況でございますが、2001年にJMPRでも評価されてございまして、柑橘 類、また綿実等につきましてコーデックスの基準が設定されてございます。米国、カナダ、 EU、オーストラリア、ニュージーランドについて調査したところ、米国でアボカド、柑 橘類等の果実に基準が設定されている、また、大豆、野菜等にも基準があるということで ございます。  基準値案でございますが、残留の規制対象といたしましては、ピリプロキシフェン本体 ということで提案させていただいてございます。基準値案でございますけれども、別紙2、 17ページの網掛けになっているところがポジティブリスト制度導入時に海外、また、当時 の農薬登録保留基準を参考に基準を設定したところでございます。その隣の基準値案とい うところが、見直しの作業をした結果改めて御審議いただく基準値でございます。  海外の基準値につきましては、作物残留データがあるものにつきまして基準を見直して ございます。例えば、大豆からその他の豆類につきまして、アメリカの基準を参考に、ま た、アメリカで実施された作物残留試験の結果を参考に、現行は0.1ppmという基準でござ いますけれども、0.2ppmと上方修正しているところでございます。  はくさい、キャベツ、芽キャベツ等、中段につきましても同じような作業でございます。  19ページの中段に茶がございます。登録の有無の欄に「申」とございますが、これが国 内の今回適用拡大の申請があったところでございまして、今回提出された作物残留試験の 成績結果に基づきまして、現行の0.1ppmから0.3ppmに上方修正ということでございます。  また、一番下にミネラルウォーター類が記載してございますが、ボトルに入った清涼飲 料水のミネラルウォーター類ということでございます。これにつきましては、ポジティブ リスト制度導入時にWHOの飲料水水質ガイドラインに設定されている値をそのまま暫定 基準として設定したところでございます。今回、部会の中の検討におきましても、それを そのまま基準値として採用するのが適切であろうという検討結果に基づきまして、今の暫 定基準をそのまま本基準案ということで設定してございます。  これらに基づきまして、暴露評価でございますが20ページでございます。基準値を設定 したものについての暴露評価、TMDI評価ということで基準値に摂取量を掛けた方式で評 価してございます。  ADI比といたしまして国民平均で14.3%、幼小児の方で25.2%、妊婦の方で13.2%、 高齢者の方で14.0%ということで、いずれもADI比が80%を下回っているということで ございます。  この中でミネラルウォーター類につきましては、ボトルに入ったお水をどれだけ飲むか というデータがございませんので、摂取量につきましてはいわゆるお水の摂取量というこ とで、国民平均、妊産婦の方、高齢者の方では一日2リットル、また幼小児の方につきま しては一日1リットルという摂取量で試算してございます。  答申案でございますけれども、ADI80%以下ということが確認されてございますので、 この基準値案で答申案として23ページに取りまとめてございます。  パブコメ等、またWTO通報でございますけれども、パブコメにつきましては8月8日 から9月7日まで実施してございまして、意見等はなかったということでございます。W TO通報につきましては、8月15日から10月14日ということで現在、通報中でございま すが、意見等につきましては現在のところ届いてございません。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。この設定は、すべての農薬について肉、乳、ミネラルウォー ターなどについてやるのでしたか。 ○事務局 畜産物につきましては、海外等で基準があるものについてはこういったデータ を取り寄せて、その基準について採用するかどうかを部会で審議いただくということにな ります。また、ミネラルウォーターにつきましては、先ほど申し上げましたWTOのガイ ドラインの中で、環境中から飲料水に混入されやすい物質といたしまして、34の農薬につ いて基準値を設定してございまして、ポジティブリスト制度導入時にこれらをそのまま参 考にして基準値に準拠させていただいたということでございますので、今後この34の農薬 につきましては、それぞれ基準値の検討の中でその値についての御審議をいただくことを 考えてございます。 ○吉倉分科会長 聞いたのは、農薬がたくさんありますね。動物の残留量というのは、ど の農薬についてもやっていましたか。要するに、これは飼料から入る可能性があるからや るわけですね。 ○國枝課長 飼料等で入る可能性があるものについて、海外で既に設定されているものを ポジティブリスト導入時に暫定的ということになりますけれども、設定をしたということ になります。ですから、飼料中から入らないようなもので、海外でももし設定されていな ければ、この部分は何も書いてございませんので、一律基準の0.01ppmとなります。 ○吉倉分科会長 触れていないものは全部一律基準だという理解ですか。  それでは、23〜24ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、これで答申したいと思います。  次をお願いします。 ○事務局 次に、農薬ビフェントリンについて御説明申し上げます。説明に入る前に若干 資料の訂正がございます。申し訳ございません。26ページでございます。基準値案の一覧 表、別紙2でございますけれども、その中で中段にクレソンという農作物がございます。 基準値案として「1」という数字でございますが、これはEUの基準を参考にして置きま したので、実際の基準値案としては「2」ということで訂正でございます。  その参考にしましたEUの基準「2.0」でございますけれども「2」でございます。  その下、ゴボウから始まるグループの中にエンダイブという農作物がございますが、外 国基準値、EU「2.0」とございますが、これも「2」でございます。  作物残留試験の成績のところが空欄になってございますが、これはEUのレタスを参照 ということで、先ほどのクレソンと同じデータを参考にして基準を設定してございます。 「EUのレタスを参照」を入れていただければと思います。  先ほどクレソンの修正でございまして、30ページの別紙3、暴露評価でございます。こ れはクレソンの基準値案を1ppmで試算した表になってございます。基準値案を「1」か ら「2」に修正します。暴露評価につきましてはすべて基準値2を参考にしますので、次 のところが「2」でございます。  摂取量について、国民平均からずっと「0.1」という数字が並んでございますが、基準値 案「2」を参照しますので「0.2」になります。  32ページの表のトータルでございますが、クレソンの摂取量が「0.1」から「0.2」に増 えてございますので、合計はすべて0.1ずつ足し算して、左から、「478.3」「459.5」「280.0」 「91.4」「451.2」「441.0」「504.6」「179.9」となります。  ADI比一部修正で、左から3つ目の「177.1」が「177.2」です。1つ飛びまして「81.1」 が「81.2」でございます。次の「25.3」が「25.4」でございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 余り変わらないですが、資料ですから正確でないと困るので、そういう ことです。 ○事務局 それでは、資料の5ページから御説明申し上げます。  この農薬につきましては、平成4年に初回農薬登録ということで、かなり前から使われ ている農薬でございまして、食品衛生調査会の時に一度基準の設定につきまして御審議い ただいてございます。その後、適用拡大に伴う基準設定、また、ポジティブリスト制度導 入時に海外等の基準を参考にして暫定基準を設定してございますので、今回はその部分に ついて御審議いただくということでございます。  1、品目名はビフェントリンということで、2、用途については殺虫剤。これはピレス ロイド系の殺虫剤でございまして、昆虫の神経軸索の神経膜に作用して、神経刺激の軸索 伝導を阻害するということでございます。  3、化学名、4、構造式については記載のとおりでございます。  5、使用方法につきましては、6ページからでございます。今回適用拡大がなされてご ざいますのは8ページでございますけれども、これは違う剤型で、リンゴ、ミカン、ミカ ンを除く柑橘につきまして、記載の方法での使用についての適用拡大ということでござい ます。  6、作物残留試験の結果につきましては9ページからでございます。従来から提出され たものも書いてございまして、下線を引いた部分が新たな作物残留試験の結果ということ でございます。19ページから、作物残留試験について取りまとめてございます。別紙1−1、 これは国内で実施された作物残留試験の結果ということで、先ほどの下線の部分につきま しては、網掛けで色づけをしてお示ししてございます。  24ページからが海外の作物残留試験の結果でございます。  17ページに戻っていただきまして、この剤につきましても飼料経由での畜産物への残留 ということで、乳牛における残留試験が実施されてございます。ウシに対してビフェント リン5ppm、15ppm、50ppmの濃度に含有する飼料を28日間投与して、牛乳、筋肉、脂 肪、肝臓、腎臓についてデータをとっているということでございます。  8、ADIの評価でございますが、食品安全委員会の評価でラットの発生毒性試験の結 果を踏まえまして、安全係数100ということでADI0.01mg/kg体重/日という値でござい ます。  9、諸外国の状況でございますが、JMPRの方でもADIを評価されてございまして、 コーデックス基準が麦類、また畜産物等について設定されているという状況でございます。  また、米国、EU、オーストラリアでも、穀類、野菜類、畜産物について基準が設定さ れているという状況でございます。  10、基準値案でございますが、残留の規制対象といたしましてはビフェントリンという ことでございます。  基準値案につきましては26ページからでございます。基準値案の現行のところで網掛け になっている部分が、今回ポジティブリスト制度導入時に暫定基準ということで設定した 部分でございます。また登録の有無で「○」がついているところは、過去に既に登録があっ たものでございます。  また、27ページのように、登録の有無の欄に「申」と打ってございますが、ここは今回 適用拡大の申請があったという部分でございます。  海外の基準等を参考に置いたところで、作物残留試験の結果の提出があったものについ ては、その結果に基づきまして基準値の設定を行ったというところでございます。  また、本基準の改定の部分でございます。柑橘類でございますが、27ページのミカンか ら始まるところでございますけれども、夏ミカンの果実全体、レモン、グレープフルーツ、 ライム、その他の柑橘果実類というところが現行では1ppmという値でございます。これ らにつきましては、今回新たな申請に添付されました作物残留試験の結果に基づきまして、 1ppmから2ppmへの上方修正をしてございます。リンゴにつきましても0.5ppmが今の 基準でございますけれども、今回の新たな試験結果に基づきまして1ppmに上方修正とい うことでございます。  当然、海外基準で作物残留試験のないものは暫定基準が置いてあるものであっても削除 してございます。  28ページの後段から畜産物でございますけれども、コーデックスの基準があるものにつ いてはその基準を採用してございます。また、海外の基準につきまして、先ほどの乳牛へ の残留試験の結果について評価いたしまして、基準を設定してございます。  暴露評価でございますけれども、32ページ、先ほど修正いただいた点でございますが、 この剤につきましては非常に適用の作物が多うございまして、そのまま基準値案からTMDI 試算をいたしますと、ADI比の欄を見ていただければと思いますが、国民一般でも89.7%、 幼小児でも177%というように、すべての年代につきましてADI比80%以上を超えると いうことでございます。  次のステップといたしましてEDI試算ということで、作物残留試験のデータがあるも のについては、そのデータを元に試算し直したところ、国民平均で29.9%、幼小児で57.8%、 妊婦の方で25.4%、高齢者の方で33.2%ということで、80%以下であることが確認されて ございます。  答申案として34ページに取りまとめてございます。  なお、この剤につきましては、パブコメ、またWTO通報につきましては、現在手続中 という段階のものでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。 ○品川(森)委員 中身の表現なんですけれども、いろいろなところで「ppm」と書いて あるんですが、これは濃度ですよね。それがあたかも何マイクログラムだとか何ミリグラ ムと同じように使われている感じのところがあるんです。「ppm」だったら、例えば投与量 だったら、その濃度のものでどれだけ与えたかということがなかったらわからないんじゃ ないかと思うんですけれども。前のものについても同じようなものがあるんですけれども。 ○吉倉分科会長 例えば、先生どの辺ですか。 ○品川(森)委員 例えば、表の残留量。残留量というのは量ですよね、濃度じゃないに もかかわらず単位が「ppm」になっていますよね。別紙1−1もそうですし。  それから、17ページの7、これは濃度だからいいんですよ。濃度に含有する飼料を与え たといっても、これはどれだけ与えたかがないから、どれだけの薬物を動物が摂取したか ということと何もつながらないわけですよ。ですから、そういうものが結構いっぱい、見 ていただくと面倒くさくなるほどありますので、まず、これでいいのかどうか。よくなかっ たら直していただきたいということの2つなんですが。 ○吉倉分科会長 今のところはいかがですか。おっしゃることはよくわかるんですが。 ○國枝課長 まず、先ほどの別紙1−1の「ppm」の部分は濃度ということでよいと思い ます。  それから、17ページは確かに、ここは濃度ですが、飼料は一日ごとにどれくらいの濃度 かを掛け合わせないと薬物の投与絶対量になりません。恐らくここの趣旨は、通常の毒性 試験ですとどれくらいの投与量かというのをもう一度計算してそれを記載しているのです けれども、多分これは飼料という形になっているので、食べる量を動物に任せているから ではないかと思います。 ○品川(森)委員 だけれども、報告書はきちんとした書類にもかかわらず、その辺りが いいかげんになっていたら困るんじゃないですか。  例えば、先ほどの表の残留量の「ppm」は濃度なんですが、どれだけのところでどれだ けということも何もないわけですか。要するに、ここで「ppm」で表しているのは、どれ だけのボリュームの中にどれだけ入っているんだといえば、すべての比較だとか何かがで きるんですけれどもね。悪く言えば、あのものは10ccだけど、これは1ccだとか、こちら は1リットルだということになったら全然話にならなくなっちゃいますからね。農薬関係 は、こうして表すのが慣用的で当たり前のことなんでしょうか。 ○國枝課長 残留量というのはある絶対量に対して残っている、例えば、対象作物につい てある一定の重さに対して農薬がどれだけ入っているかというので、100万分の1なら100 万分の1という形になります。ですから、実際に割合ということで濃度ということになり ます。 ○西島委員 バリエーション重量から計算した量ですね。 ○國枝課長 そういうことになります。 ○西島委員 だから、こちらはいいと思うんです。 ○國枝課長 7の方は先生がおっしゃったように、確かに濃度だけでは実際には毒性量と いうのは食べる量によって依存しますので、ppmだけでは正確ではないと思いますが、例 えば、量を制限すれば毒性は当然違ってまいりますので、そういう意味で言うと、量を入 れないと本当は科学的には正しくないと思います。恐らくこれは飼料として通常使ってい るということで、強制的に食べさせるとかそういうことではなかったのではないかと思い ます。後で確認してみますが、量があれば書きたいと思いますが、ただ、通常の毒性試験 と違いますので、量をどこまできっちり確認しているかが場合によってはわからないかも しれません。 ○吉倉分科会長 国外のデータですか。 ○國枝課長 確認してみます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。残留の方はやはり「ppm」で出すでしょうね。それか ら、摂取量は確かにどのくらい食べたかというのは問題にはなりますが、通常食べる量で 飼料にかけてやったのだろうと思います。5ppm、15ppm、50ppmで通常の食べる量とい う掛け算ということでしょうね。 ○品川(森)委員 まさにそこなんですが、結構文献でも「ppm」だけ書いてあって絶対 量を書いていないのが多くて困ることが実際にあるんですけれども、通常の毒性試験で あっても。 ○吉倉分科会長 ウシが食べる量というのは大体わかっているから、これで大体の感じが とれるという話だろうと思いますが。 ○品川(森)委員 残った量を見れば、摂取した量というのは出てくるわけで、実際、動 物を使った実験というのはそういうことをやるわけですよね。 ○吉倉分科会長 計算できなくはないですからね。 ○國枝課長 確認してみます。 ○吉倉分科会長 それでは、先ほどの34ページの答申案でよろしいかと思います。  クレソンは1でいいのでしたか。さっき訂正したのがありましたね。 ○事務局 クレソンは2でございます。 ○吉倉分科会長 答申案のクレソンが「1」になっていますが、これを「2」に変えると いうことです。それだけでしたか。この答申案でよろしいですか。  その前のADI比が、これは乳幼児でしたか。EDIにして、その比はどこに出ていま すか。 ○國枝課長 32ページの訂正したところで、TMDIでいきますと177.2というのがござい ますが、その右になります。 ○吉倉分科会長 57.8ですね。乳幼児で1〜6歳、TMDIとEDIでEDIにしたという ことでよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 あとは、コメント、WTO通報は手続中ということです。では、この委 員会としては34ページの表で答申ということになります。  では、次をお願いします。ピラクロニル。 ○事務局 次に、農薬ピラクロニルにつきまして資料3−3−1に基づきまして御説明申 し上げます。1ページは諮問書でございます。3ページからが部会の報告書でございます。 17ページからが食品安全委員会の食品健康影響評価の内容でございます。  5ページ、この農薬につきましては、今回新規の農薬登録に伴う基準設定依頼というこ とでございまして、農林水産省から厚生労働省にあったものでございます。  2、用途につきましては除草剤ということで、作用機構といたしましては植物内のポル フィリンに関与する酵素の活性阻害ということでございます。  3、化学名、4、構造式につきましては記載のとおりでございます。  5、使用方法でございますが、今回新規登録にございますのは米のみでございます。6 ページから各剤型ごとの使用方法について表で取りまとめてございます。  作物残留試験につきましては、12ページから表に記載してございます。別紙1というこ とで水稲についての試験結果でございまして、ここで基準値に用いられてございますのは 「水稲(玄米)」ということで、上から2番目と4番目のカラムの作物残留試験の結果を基 準値の設定に用いてございます。  10ページに戻っていただきましてADIの評価でございますが、食品安全委員会でラッ トの慢性毒性/発がん性併合試験の結果から無毒性量0.44mg/kg体重/日ということで、安 全係数100ということでADI0.044mg/kg体重/日という評価をいただいてございます。  9、諸外国の状況でございますけれども、JMPRにおける毒性評価はなされていないと、 国際基準も設定されていないと。また、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージー ランドについて調査したところ、これらの国々について残留基準の設定はないということ でございます。  10、基準値案でございますけれども、ピラクロニル本体を残留基準の規制対象としたい ということでございます。作物残留試験につきましては、代謝物M−1、PM−5という2 つについても分析が行われてございますけれども、それぞれ検出限界未満ということでご ざいますので、規制対象といたしましては本体のみということで考えてございます。  基準値案につきましては、13ページでございます。「米(玄米)」ということで、0.05ppm ということで基準値案を提案してございます。  暴露評価でございますけれども、14ページ、TMDIの試算でそれぞれ国民平均で3.9%、 幼小児の方で7.0%、妊婦の方で2.9%、高齢者の方で4.0%ということで、ADI比80% 以下を確認してございます。  答申案といたしましては16ページでございますが、米0.05ppmということでまとめて ございます。  このものにつきましては現在、パブコメ、WTO通報ともに手続中の段階でございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。何かコメントはありますか。 (「なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、16ページの数字で答申したいと思います。  それでは、次をお願いします。ペノキススラム。 ○事務局 農薬ペノキススラムというものについて御説明申し上げます。資料につきまし ては、資料3−4−1から資料3−4−3まででございまして、1ページ目が諮問書でご ざいます。3ページ目から資料3−4−2ということで部会の報告書でございます。17ペー ジから資料3−4−3ということで、食品安全委員会からの食品健康影響評価の結果でご ざいます。  5ページに戻っていただきまして、このものにつきましては除草剤でございます。作用 機序は、植物体内の生合成酵素でございますアセトラクテートシンターゼを阻害するとい うことでございます。この剤につきましては、ポジティブリスト制度導入時に米国の基準 を参考にして米について基準を置いてございます。今回日本でもこの剤を米に使うという ことで新規農薬の登録申請がございましたので、その部分についての御審議ということに なります。  5、使用方法につきましては6ページでございます。これは日本での使用方法というこ とで、今回新規の登録申請があった部分でございます。  6、作物残留試験の結果は6ページの後段から書いてございますけれども、これを表に まとめたものが9ページでございます。別紙1−1ということで、国内で実施されました 作物残留試験の結果の一覧表ということでございます。  10ページから、米国での作物残留試験の結果ということでございます。これらに基づき まして、基準値の設定の検討を行うということでございます。  7ページに戻っていただきまして、7、ADIの評価でございますが、食品安全委員会 で今回は2種類の毒性試験の結果からADIを評価いただいてございます。1つは、ラッ トの慢性神経毒性試験の結果ということで、無毒性量5.0mg/kg体重/日。また、もう一つ は、ラットの慢性毒性/発がん性併合試験2年間という毒性試験の結果から導き出されま した無毒性量5.1mg/kg体重/日という値、これらにつきまして安全係数100ということで、 ADIといたしましては0.05mg/kg体重/日という評価でございます。  8、諸外国の状況でございますが、国際基準については現在のところ設定されてござい ません。米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドについて調査したとこ ろ、米国について米に基準が設定されているということでございます。  9、基準値案につきましては、残留規制の対象といたしましてはペノキススラム本体と いうことを考えてございます。基準値案は12ページでございます。米のみでございますが、 現行の基準は0.02ppm、これはアメリカの基準値を参考にしてございますけれども、今回 日本での作残データから基準値案0.05ppmということで上方修正ということでございます。  ADI比でございますけれども、13ページ、基準値案0.05ppmを用いましたTMDI試 算で、国民平均0.3%、幼小児の方で0.6%、妊婦の方で0.3%、高齢者の方で0.3%という ことで、いずれもADI比80%以下を確認してございます。  答申案といたしましては15ページにまとめてございますが、米といたしまして0.05ppm ということで取りまとめてございます。  この剤につきましては、パブコメ、WTO通報ともに現在手続中という段階のものでご ざいます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。米だけに使うと。よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、これで答申したいと思います。  次をお願いします。次、スピロメシフェン。 ○事務局 農薬スピロメシフェンについて御説明申し上げます。資料3−5−1からでご ざいますが、1ページが諮問書でございます。3ページからが資料3−5−2、農薬・動 物用医薬品部会報告でございます。25ページからが資料3−5−3、安全委員会の評価書 でございます。  5ページをごらんいただければと思います。この剤につきましては殺ダニ剤ということ で、脂質の生合成の阻害ということで作用するということでございます。  今回、日本での新規農薬の登録に伴う基準設定部分と、ポジティブリスト制度導入時に 米国の基準を参考に暫定基準を設定したということがございますので、その御審議という ことでございます。  5、使用方法につきましては6ページからでございます。今回、新規の登録申請という ことでございまして、トマト、リンゴ、なし、おうとう、茶というものに申請があるとい うことでございます。  作物残留試験の結果でございますけれども、12ページから表にまとめてございます。12 ページ別紙1−1につきましては国内で実施されました作物残留試験の結果、また、13ペー ジ別紙1−2は海外で実施されました作物残留試験の結果、また、17ページ別紙1−3も 海外の作物残留試験の結果なのでございますけれども、米国で後作物ということで、例え ば、この農薬を実際に別紙1−2にあるような作物にまいた後、その土地に小麦、大麦、 テンサイを栽培したときに、その小麦、大麦、てんさいについては実際にはこの剤は使わ ないんですけれども、土壌への残留からこのものについても一定の残留があるということ で、それらの試験成績で基準を設定してございます。今回これらについてもこのように残 留試験の成績の提出がございましたので、この成績を評価し、基準の設定を検討したとこ ろでございます。  9ページに戻っていただきまして、この剤につきましても乳牛における残留試験が実施 されてございます。乳牛に対してスピロメシフェンを5ppm、15ppm、50ppm濃度の残留 飼料を経口投与しているということでございます。  これらの結果に基づきまして、畜産物の基準値の設定について検討をいただいたという ことでございます。  8、ADIの評価ということで、食品安全委員会の評価結果でございますけれども、ラッ トの2世代繁殖試験の結果から無毒性量2.2mg/kg体重/日で安全係数100ということで、 ADI0.022mg/kg体重/日と評価いただいてございます。  9、諸外国の状況でございますけれども、JMPRでも評価されてございませんので、国 際基準もないということでございます。また、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュー ジーランドについて調査したところ、米国においてトウモロコシ、アブラナ科葉菜類、イ チゴ、乳等に基準値が設定されているということでございます。  10、基準値案でございますが、先ほどの作物残留試験の結果等から検討したところでご ざいまして、残留の規制対象といたしましては、スピロメシフェン本体と代謝物のM−1 の和で基準値案を決定するということを考えてございます。  農作物における米国基準につきましては、規制対象としてスピロメシフェンのほかM− 1について設定されております。ただ、先ほど説明しました後作物としての小麦、大麦、 てんさいについては、米国ではスピロメシフェンとM−1のほか、M−2またはM−2の 構造を有した代謝物を含めて設定されてございます。  また、畜産物における米国の基準については、スピロメシフェンとM−1のほか、M− 1の構造を有した代謝物、M−2、またM−2の構造を有した代謝物を含めて設定されて いるということでございます。  これらについて検討したところ、まず畜産物につきましては代謝物の分析値を見ると、 米国で実際に分析しているM−2及びM−2の構造を有した代謝物については非常に含有 量は少ないということがございましたので、畜産物についても農作物と同様に、スピロメ シフェンとM−1の合計で妥当であるという検討結果をいただいてございます。  また、小麦、大麦、てんさいにつきましては、それぞれ代謝物の部分を補正した形でス ピロメシフェンとM−1の合計という方で規制するように基準値案を設定してございます。 それを表にしたのが18ページからでございます。現行のところで網掛けがございますのが ポジティブリスト制度で暫定的に基準を置いたものでございます。原則、作物残留試験の 結果があったものについて、それに基づいて暫定基準から本基準への設定について検討し たということでございます。  また、登録の有無の欄で「申」と書いてございますトマトとかリンゴ、なし類、おうと う、茶は、日本の作物残留試験に基づきまして新たに基準を設定したということでござい ます。  小麦、大麦、その他の穀類、てんさいについては、基準値現行といたしまして米国の基 準値0.03ppmを参考に置いていますけれども、代謝物の部分を補正して、スピロメシフェ ンとM−1の代謝物の和で基準値を設定するということで、0.03ppmから0.01ppmへの下 方修正を行っております。てんさいについても同様でございます。  これらに基づきまして暴露評価でございますが、20〜21ページに表をまとめてございま す。TMDI試算をしたところ21ページの下の欄でございますが、国民平均といたしまして は68.1%、幼小児の方では134.3%、妊婦の方で58.5%、高齢者の方で73.3%ということ で、幼小児の方で80%を超えるということがございましたので、作物残留試験があるもの についてはこのデータを基にEDI試算をし直したところ、国民平均で37.1%、幼小児の 方でも73.4%、妊婦の方で29.4%、高齢者の方で41.2%ということで、それぞれ80%以下 であることを確認してございます。  これらに基づきまして答申案でございますが、23ページに表にまとめてございます。  この剤につきまして、パブリックコメントにつきましては8月8から9月7日まで実施 してございまして、意見については特になかったということでございます。WTO通報に つきましては、8月15日から10月14日までの期間ということで行ってございますけれど も、今までに寄せられた意見はないということでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 後作の残留基準設定はどういう具合に使うんですか。17ページの後作の データ。後作のこういうデータが出たのは今までなかったような気がするんですが。 ○事務局 日本でも農薬登録の際に、こういった後作の問題の可能性があるものについて は試験データをとっているようなんですけれども、そのデータに基づいて後作を考慮した 基準を設定したものは今までないということでございます。そのGAPに基づいて農薬を使 用した後、小麦を植えて実際に小麦についてどれだけ残っていくかというのを測ったとい うことでございますので、考え方としては通常の作物残留試験の結果と同じように評価す るということになるかと思います。 ○吉倉分科会長 使わなくてもこれぐらい出てくるという話ですね。  23ページの答申案でよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、これで答申ということで。  大分時間が経ってくたびれてきたかもしれないけれども、よろしくお願いします。 ○事務局 農薬シニドンエチルでございます。資料3−6−1でございますが、1ページ が諮問書、3ページから資料3−6−2ということで、農薬・動物用医薬品部会の報告書、 17ページからが資料3−6−3、食品安全委員会の評価書ということでございます。  5ページを開いていただければと思います。シニドンエチルは除草剤でございます。植 物体内のポルフィリン合成を阻害するという作用でございます。  3、化学名、4、構造式については記載のとおりということでございます。  これにつきましては、日本では農薬取締法に基づく登録はなされていないということで、 使用はないということでございますけれども、ポジティブリスト制度導入時に海外の基準 を参考に小麦等につきまして基準を設定してございますので、その部分についての御審議 ということでございます。  5、使用方法でございますけれども、小麦類等についての使用方法でございます。  6、作物残留試験の結果ということで書いてございますが、これにつきましては8ペー ジに別紙1でまとめてございます。今回、EUのうちドイツで実施されてございます穀類 に対する作物残留試験の結果が提出されてございまして、それをまとめたものでございま す。  7、ADIの評価でございますが、6ページに戻っていただきまして、食品安全委員会 の評価でございます。イヌの慢性毒性試験の結果から安全係数100ということで、 0.01mg/kg体重/日ということでございます。  8、海外における状況でございますけれども、JMPRにおける毒性評価はなされていな いということで、国際基準も設定されていないということでございます。米国、カナダ、 EU、オーストラリア、ニュージーランドについて調査してございますが、ドイツにおい て穀類等に基準が設定されているということで、今回ドイツにおけるそれらの基準値設定 に係る作物残留試験のデータの提出があったということでございます。  9、基準値案でございますが、規制の対象といたしましてはシニドンエチル本体という ことです。残留試験ではE体について分析を行っておりますけれども、実際には非常に低 くて定量下限未満ということでございます。また、E体とシニドンエチル本体とは分析上 の分離が可能ということでございますので、シニドンエチル本体を分析対象とするという ことでございます。  基準値案でございますけれども、9ページ別紙2でございますが、暫定基準として置い てございますのが基準値現行の網掛けの部分でございます。EUの基準を参考に基準値を 置いてございますけれども、その根拠となる作物残留データがないということでございま す。その代わり、ドイツでの作物残留試験の結果の提供がありましたので、ドイツの基準 を参考に小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、ソバ、その他の穀類、ホップについて設定 するということでございます。ホップにつきましては、穀類の試験結果を参考に基準を設 定しているということでございます。  12ページの暴露評価でございますけれども、国民平均でADI比2.4%、幼小児の方で 5.6%、妊婦の方で2.3%、高齢者の方で1.7%ということで、いずれもADI比80%以下を 確認しているということでございます。  答申案といたしましては、14ページに取りまとめているとおりでございます。  この剤につきまして、パブリックコメントにつきましては8月8日から9月7日まで実 施してございまして、意見は特にございませんでした。また、WTO通報につきましては 8月15日から10月14日まで実施しているところでございますが、現在まで意見は寄せら れていないというものでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがですか。TMDIのADIに対する比も非常に低いですし、よろし いですか。  今まで見逃していたんだけれども、5ページの適用方法の「50g ai/ha」の「ai」は何の 略ですか。 ○國枝課長 active ingredient。 ○吉倉分科会長 要するに、ばっとまいたときにヘクタール当たり50gになりますよとい う。 ○國枝課長 有効成分である活性成分のことです。 ○吉倉分科会長 わかりました。要するに、一部は不活化されるかもしれないということ ですかね。要するに、アプライしたときに……。 ○國枝課長 製剤で実際の有効成分はそれぞれ違っているので、有効成分としての量とい うことです。 ○吉倉分科会長 わかりました、active ingredientですね。  よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、これは14ページの答申案のとおり答申したいと思います。  次をお願いします。ジクロトホス。 ○事務局 最後でございます、農薬ジクロトホスについて御説明申し上げます。資料3− 7−1でございます。1ページは諮問書でございます。3ページからが資料3−7−2、農 薬・動物用医薬品部会の報告書でございます。15ページからが資料3−7−3、食品安全 委員会の報告書ということでございます。  5ページをお開きください。ジクロトホスは有機リン系の殺虫剤ということで、作用機 序はコリンエステラーゼ阻害をすることにより作用するということでございます。  3、化学名、4、構造式については記載のとおりでございます。  本剤につきましては、我が国では農薬取締法に基づく登録はなされていないということ でございますので、我が方では使用はないということでございますが、ポジティブリスト 制度導入時に米国で綿実につきまして基準がありました。それを参考に暫定基準を設定し てございますので、今回はその部分の御審議ということでございます。  使用方法につきましては5にまとめているところでございます。綿実につきまして、こ れらの使用方法で用いるということでございます。  6、作物残留試験の結果でございますけれども、9ページに米国で行われました結果と いうことでまとめてございます。  7、ADIの評価ということでございますが、食品安全委員会で評価をしてございまし て、今回この剤につきましては無毒性量が評価できないということで、最小毒性量からA DIを評価してございます。EPAの方でも同様の評価で無毒性量がとれないということ で、最小毒性量について安全係数300をとってございます。これはラットの慢性毒性/発 がん性併合試験の結果からでございますけれども、食品安全委員会といたしましてもこの 安全係数について妥当であるということから、ADI0.000066mg/kg体重/日という評価で ございます。  8、諸外国の状況でございますけれども、JMPRでの毒性評価はなされていない、国際 基準も設定されていないと。米国等について調査したところ、米国のみで綿実に基準が設 定されている状況にあるということでございます。  9、基準値案でございますけれども、まず、残留の規制対象でございますが、ジクロト ホス本体ということでございます。前にも違う剤でございましたけれども、ジクロトホス の使用で代謝物モノクロトホスというものの残留があるということでございます。ただ、 今回基準値の規制の対象につきましては、基準値設定の参考にした米国での規制対象に合 わせるということで、ジクロトホス本体のみでこの剤については規制するということを考 えてございます。  注意書きに書いてございますが、代謝物のモノクロトホスにつきましても別途農薬とし て使用されているということで、国際基準等が設定されていたことがある。また、国内で も農薬取締法に基づく登録がなされていたこと、また、米国、カナダでも現在も代謝物モ ノクロトホスが使用されて基準値が設定されているということでございましたので、ポジ ティブリスト制度導入に際して、モノクロトホスとして参考に暫定基準を設定していると いうことがございます。これは別途、食品安全委員会に健康影響評価を依頼して、基準値 の設定を見直すということとしてございます。ジクロトホスとモノクロトホスは親と代謝 物という関係がございますので、モノクロトホスの食品健康影響評価の結果を踏まえて、 今後、これらについて御審議いただくような場合があるということでございます。  基準値案につきましては10ページでございますけれども、綿実ということで0.05ppm としてございます。  11ページ、暴露評価でございますが、TMDI試算でADI比、国民平均で0.1%、幼少の 方で0.5%、妊婦の方で0.1%、高齢者の方で0.1%ということで、いずれもADI比80%以 下を確認したということでございます。  8ページに戻っていただきまして、先ほど口頭で申し上げましたけれども、(5)ジクロト ホスの基準につきましては、その代謝物であり、農薬としても使用されるモノクロトホス の基準値の検討の結果を踏まえて、今後必要に応じ見直しの検討を行うものとするという 一文を入れさせていただいてございます。  答申案といたしましては、13ページでございます。綿実のみでございますが、0.05ppm ということで取りまとめてございます。  この剤につきましては現段階におきまして、パブコメ、WTO通報ともに手続中という 段階のものでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 この申請はジクロトホスで、残留量としてはジクロトホスだけを決める と。代謝物としてモノクロトホスが出てくるけれども、これはモノクロトホスとして別に 残留量を設定しているという話ですね。ADI評価の説明がよくわらかなかったんですが、 係数300を掛けているんだけれども。 ○事務局 安全委員会の評価書の28ページに、無毒性量の比較ということで書いてござい ます。各種実験結果を踏まえたものでございますけれども、無毒性量が設定できずという ような形で評価されている毒性試験が多数ございまして、これらを踏まえまして、食品安 全委員会では無毒性量の最小値は決定できないということで、最小毒性量を用いたADI 評価をするということにしたものでございます。 ○吉倉分科会長 これは無毒性量が設定できないというのは、幾ら薄めても毒性が出ると いう意味ですか。毒性があるのか、ないのか。 ○國枝課長 これは多分、2年間慢性毒性試験の投与量の設定が0、0.05、0.5、5なんで すけれども、当初想定されたよりも低いところになったので、本当であればNOAELがと れる量が出ていればよかったんですけれども、それができなかったので結局LOAELになっ てしまったと。その関係で、通常NOAELだと今回のように2年間の慢性毒性ですと10掛 ける10の100を安全係数でとることができるんですが、結局LOAELということなので、 安全係数を見るときの考え方がいろいろあると思うんですけれども、この場合には実際に 出てきている2年間の毒性とか発がん性試験といったものから判断して、EPAでもそう している300でいいのではないだろうかという判断をしたということだと思います。 ○吉倉分科会長 要するに、毒性のない量がなかったということですか。 ○國枝課長 つまり、設定する投与量で残念なことに出てしまったという。 ○吉倉分科会長 最後まで出てしまったということですね。それで掛ける3という話です かね。  よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 モノクロトホスのあれが出れば、また見直すということですね。そうい うことを一応含んでおいて、13ページの表で答申したいということです。  あと、これはパブリックコメント、WTO通報は経過中ということです。  それでは、これで議題は終わって、あと報告事項をお願いします。 ○池田室長 それでは、報告資料という最後の2枚紙に基づきまして、御説明させていた だきます。  来週9月24〜28日まで、幕張メッセでコーデックス委員会の第7回バイオテクノロジー 応用食品特別部会が吉倉分科会長を議長として開催されますので、御案内させていただき ます。  開催目的・経緯につきましては、御案内のように2003年までの間に既に3つの文書につ きまして、やはり吉倉先生を議長として取りまとめてございまして、2004年に第2フェー ズの再設置が決定され、日本が再度議長国を引き受けることとなっております。  第2フェーズにおきましては「組換えDNA動物由来食品の安全性評価の実施に関する ガイドライン」、それから、第1フェーズで採択されております「組換えDNA植物由来食 品の安全性評価の実施に関するガイドライン」の付属文書として、「栄養又は健康に資する 組換えDNA植物由来食品の安全性評価の実施に関するガイドライン」、それから、同じく 付属文書として「輸出国では承認されているが輸入国では未承認の組換えDNA植物が微 量に存在する場合の安全性評価及び情報共有メカニズム」につきまして、最終的な確定は まだでございますが、100か国弱ぐらい参加をして議論が行われる予定でございます。  一般募集につきましては既に締め切らせていただいておりますが、委員の方々でもし御 希望があれば、事務局に事前に言っていただければまだ対応ができますので、御案内をさ せていただきます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 これは報告ですから、よろしいですか。  それでは、これで全部終わったわけですけれども、事務局の方から何かあればお願いし ます。 ○事務局 特にございません。 ○吉倉分科会長 次は大体いつごろになりますか。 ○事務局 今までは大体3か月置きでしたが、最近いろいろと多くなりましたので、2か 月後か3か月後をめどに日程調整をさせていただきまして、確定し次第御連絡いたします ので、よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしくお願いします。  それでは、どうも御苦労様でした。 照会先:                   厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                   TEL:03−5253−1111(2449)