07/09/14 第2回社会保障審議会医療部会議事録          第2回 社会保障審議会医療部会   日時 平成19年9月14日(金)16:00〜 場所 厚生労働省省議室 ○企画官 ただいまから、第2回「社会保障審議会医療部会」を開催いたし ます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をご出席いただきまして 誠にありがとうございます。  前回欠席のため紹介できなかった委員をご紹介いたします。九州大学大学 院医学研究院教授の尾形裕也委員です。社団法人日本歯科医師会副会長の箱 崎守男委員です。本日は代理の方にご出席いただいておりますが、小島茂委 員、鮫島健委員、潮谷義子委員、島村勝巳委員はご欠席です。また、熊坂義 裕委員、辻本好子委員、山本文男委員から欠席のご連絡をいただいておりま す。田中委員は、若干遅れるとのご連絡をいただいております。  事務局に異動がありましたので紹介いたします。医政局長の外口です。医 政・医療保険担当審議官の木倉です。大臣官房参事官の岡本です。初めに、 医政局長の外口からご挨拶を申し上げます。 ○医政局長 委員の皆様方には、日ごろから医療行政に多大なるご支援、ご 協力を賜っておりますことを改めて厚く御礼申し上げます。  さて、改めて申し上げるまでもなく、我が国の医療をめぐる環境は急速な 少子・高齢化の進展、また医療技術等の進歩など大きく変化をしてきており ます。国民の医療に対する安心・信頼を確保し、質の高い医療サービスが適 切に受けられる体制を構築していくことが求められております。  また、医師不足を訴える声も大きく、地域医療の確保、安心・信頼の確保 を図っていくことが喫緊の課題となっております。現在、平成18年に成立い たしました医療法等改正の施行に取り組んでおり、医療機能の分化・連携を 推進し、切れ目のない医療の提供を行うための医療計画制度の見直し等を受 けた着実な実施に取り組んでいるところです。また、医師不足の問題につい ては、政府・与党において取りまとめられた、緊急医師確保対策を受け、さ らに対策の充実・強化を図ろうとしているところであります。  この医療部会では、医療を提供する体制の確保に関する重要事項を調査・ 審議いただくこととなっておりますが、本日のテーマに限らず、医療提供体 制の確保、医療政策に関するさまざまな課題について、今後とも活発なご議 論をお願いしたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○企画官 資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、委員名簿 のほか、議事次第に記載しておりますとおり、事務局で用意いたしました資 料が資料1-1から資料3-4まであります。また、佐伯委員、椎名参考人、堤 委員、中川委員、箱崎委員、古橋委員から提出のありました資料をお配りし ております。なお、本日はご欠席ですが、熊坂委員から提出のありました資 料もお配りしております。  以後の議事進行は鴨下部会長にお願いいたします。 ○部会長 最初に、委員が欠席する際に、代わりに出席される方の扱いにつ いては、事前に事務局を通じて部会長の了解を得ること、及び当日の部会に おいて承認を得ることにより、参考人として参加し、発言をいただくことを 認めることとしております。  本日の会議については、小島委員の代理として、日本労働組合総連合会総 合政策局生活福祉局部長の飯倉裕之参考人。鮫島健委員の代理として、社団 法人日本精神科病院協会副会長の山崎學参考人。潮谷義子委員の代理として、 熊本県健康福祉部次長の東明正参考人。島村勝巳委員の代理として、健康保 険組合連合会理事の椎名正樹参考人。以上四方のご出席をお認めいただきた いと思いますがよろしいでしょうか。 (異議なし) ○部会長 ありがとうございました。本日の議題の1つ目は、現在「後期高 齢者医療の在り方に関する特別部会」で検討が進められておりまして、9月4 日の特別部会において、事務局より提出された「後期高齢者医療の診療報酬 体系の骨子(案)(たたき台)」についてご議論いただきます。まず、事務局 から説明を受けた上で、委員の皆様からご意見等をいただき、特別部会にお ける「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」の取りまとめに向けた議論に 供していきます。  議題の2つ目は、「平成20年度の診療報酬改定に向けた検討について」が 挙がっております。これについては、「中医協の在り方に関する有識者会議」 報告書に基づき、診療報酬の改定に当たっては、社会保障審議会医療部会及 び医療保険部会において定める「診療報酬改定の基本方針」に沿って、中医 協において議論することとされております。平成20年度診療報酬改定に向け、 診療報酬改定の基本方針を定める必要がありますことから、今回から議論し ていただきます。  まず、事務局から「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)」 について説明をお願いいたします。本日は、資料もご意見もたくさん出して いただいておりますけれども、できるだけ多くの委員のご発言をいただきた いと思いますし、時間も限られておりますので、事務局からの説明はできる だけ簡潔にお願いいたします。 ○医療課長 資料1-1、資料1-2、資料1-3についてご説明いたします。資料 1-3は、前回この医療部会で後期高齢者医療の在り方の基本的考え方の案を提 示させていただきましたが、そのときに議論していただきました。その後、 特別部会で基本的考え方を4月11日にまとめていただきました。これについ ていままでご報告する機会がありませんでしたので、本日配付させていただ きましたので後ほどご覧いただきたいと思います。  資料1-2で、現在の検討状況を説明させていただきます。1頁は特別部会の 構成ですが、これは前回お示ししたとおりです。2頁は、特別部会の検討の経 過ということで、今年の4月11日に基本的考え方がまとまりました。その後、 1カ月間パブリックコメントを取り、6月から7月にかけ、特別部会で議論を 進めてまいりました。9月4日に第11回特別部会を開催し、今回の、診療報 酬体系の骨子(案)(たたき台)を提示して議論をしていただいたところです。  本日は医療部会でこの議論をしていただき、また来週は医療保険部会を開 催させていただき、このたたき台についてのご意見をいただき、これらを総 合的に踏まえて10月に全体の骨子の取りまとめを進めていきたいと考えてお ります。高齢者医療の診療報酬本体については、その骨子に基づき、中医協 において個別の点数の議論を進めていくこととしております。  3頁は大体のスケジュールです。本日は9月になっておりますが、この辺り で診療報酬本体の議論も今後細かく詰めていくわけです。その中にこの骨子 を含めた後期高齢者医療についても議論をしていただくことにしております。 通常の予定ですと、2月中旬ごろに最終的な案が取りまとまるという形態を考 えております。4頁は、先ほどの基本的考え方を図にしたものですので説明は 省略させていただきます。  本日のメインの議題であります、資料1-1、診療報酬体系の骨子(案)(た たき台)の説明をさせていただきます。簡潔にということですので、かい摘 まんで説明させていただきます。  前段に○が3つ並んでおりますが、これは骨子を作るに際しての前書きで す。  1つ目の、基本的事項では、基本的考え方に示された後期高齢者の心身の特 性が3点ほど書いてあります。さらに、こういう心身の特性から、後期高齢 者に対する医療を次のような形で考えてはどうかということで、ここでも基 本的考え方から3点引用しております。例えば、疾患が長引くということか ら、後期高齢者の生活を重視した医療という視点が必要ではないか。特に認 知症等が問題になりますと、本人の意思をどう考えるかという難しい場面が 出てきますが、そういう際にも尊厳に配慮した医療が必要ではないか。後期 高齢者保険制度では、エンドポイントは必ず死という場面ですので、その際 に本人・家族が安心・納得できるような医療という視点が必要だとまとめて います。  次の○では、特に急性期の疾患の治療において、74歳と75歳でどう違うの かという議論もあり、大きな流れとして75歳以上の医療が、74歳以下の医療 と切れ目があってはいけないという認識を示したものです。その切れ目のな い医療に加え、後期高齢者の特性を踏まえたものを考える、ということをこ こで書いております。  2番目が本体部分ですが、診療報酬に反映すべき事項ということです。初め の○では、高齢者の診療報酬のことについては、従来も老人保健法の下で、 老人診療報酬体系として順次整備してきたわけです。その中で良い点・悪い 点さまざまあったかと思いますが、それらのことを踏まえながら、必要なと ころはそれらも参考にしながら今度は体系を考えていくべきではないかとい うことです。  3頁からは、必要な医療を場面ごとに考えております。1つ目は、高齢者が まだ動ける状態で、外来に通院してくる外来医療についてという場面。2つ目 は、入院した場合の医療、3つ目が在宅の医療、4つ目が終末期の医療という 観点から4点にまとめております。  1つ目の外来医療では大きく3点述べております。1つ目は、後期高齢者を 総合的に診る取組の推進。75歳以上の多くの方が医療機関を受診していると いうデータがあります。何らかの疾患をもって医療機関にかかっているわけ ですが、そういう中で複数の医療機関にかかっている方も当然あるわけで、 それはそれで必要な医療を必要な所で受けていただくのは当然のことなわけ ですが、やはり高齢者を人として総合的に健康面、医療面から診ていただく というような主治医を持ってはどうかということです。  その主治医にはどういうことをやっていただくかというと、1つ目はいろい ろな患者の病歴を含め、現在のその他の医療機関の受診状況等、医療に関る 情報を一元的にこの主治医はまず把握してください。主たる何らかの病気で かかっているのでしょうけれども、その病気だけではなくて、後期高齢者に なると認知症が出てきたり、あるいは高齢者のうつの傾向が出てきたり、さ まざまなことが考えられますので、その主たる疾患以外に、その患者として 総合的にいろいろ状態を評価していただきたい。その結果を踏まえて療養生 活の指導をしていただきたいという点。当然ながら、自分の専門以外の領域 については、専門の医療機関に紹介していただく。このような役割を主治医 に求めたいと考えております。  複数の医療機関にかかることも多々あります。そういうときによく言われ るのが、胃薬をよく出されますが、それがいろいろな所から重複して出され ている場面もありますので、そういう意味での薬歴管理をしっかりしていっ てはどうか。  それから、これは後の場面でも共通いたしますが、患者を中心にさまざま なサービスが必要になってくる。医療だけではないという場面もありますの で、それぞれの場面で、その患者を取り巻く関係の方々がその患者に関する 情報を共有化し、連携を取ってサービスを提供していく、という体制をしっ かり作るべきではないかということをここで述べております。  入院医療の場面については先ほども触れましたが、例えば急性期の医療の 場面において、74歳以下と大きく変わることはないと思っております。それ は、従来の診療報酬の体系の中で考えていきたいと。ただ、後期高齢者の場 合慢性化するといいますか、長期の療養が必要な場合も出てきますので、退 院に向けての視点が重要だろうということで3点書いてあります。  当初入院し、その入院目的の治療が行われた後、ある一定段階になると退 院に向けてどうしていくかも考えていただきたいということで、退院を見越 した入院医療を考えてはどうか。  2点目は、入院中に主たる病気以外のさまざまなこともすべて含めた総合的 な評価をしていただいてはどうか。それが、退院後療養が必要な場合にはそ ういう場面でも活かしてもらってはどうかということです。  3点目は、入院から外来なり在宅に移っていくわけですが、退院をするとい うイベントが患者にとっては大きな落差といいますか、大きなストレスにな るわけですので、その辺りのケアを十分にしていく必要があるだろうという ことで、退院の調整であるとか、退院前の指導等を十分にできるようなこと を考えてはどうか。これによって、入院から外来、あるいは在宅医療へスム ーズにつなげることができると考えております。  在宅医療の場合には、主として患者はあまり動けない状態になっています ので、主治医は自ずから決まってくるというのが通常の状態です。ただ、主 治医だけがすべてできるわけでもありませんので、そこにもさまざまな医療 関係、あるいは福祉介護関係のサービスが入ってくるわけですので、その辺 りは十分な連携が必要だと言われています。医療情報のみならず、介護関係 のことも含め、全体で情報の共有をし、連携をしていただきたいということ です。  在宅医療の場面においても、入院が必要になる場面も多々出てくることが 考えられますので、その際にバックアップをしていただける病院等を確保し ておいていただいてはどうか。その際に在宅での医療の方針が大きく覆るこ とがないよう十分な情報提供をしていただく必要があると考えております。  特に在宅の場合、いわゆる寝たきりの状態になると口腔のケアは必ずしも 十分ではない。そういう状態の中で誤嚥性の肺炎を頻繁に起こすとも言われ ております。そのための口腔衛生の管理は非常に重要だと聞いておりますの で、在宅の口腔衛生管理や歯科診療を重視していきたいと考えております。  在宅における薬の「飲み忘れ」が多々あるという状況もありますので、そ れらを防ぐような方策をしっかり訪問しながらやっていきたいと考えており ます。  在宅医療で欠かせない部分として、当然ながら訪問看護があるわけですが、 この訪問看護についてはさまざまな制約条件がいまはありますけれども、そ の中で十分に活躍していただけるような体制も考えていきたいと思っており ます。  さまざまな福祉系、あるいは介護の施設がありますけれども、今後特に必 要になっていきますのは居住系の施設であろうと考えられます。そこにおけ る医療をどのようにして提供していくか、というところも工夫する必要があ ると考えております。  終末期における場面では、終末期の医療をどのようにしていくのかという ところを、患者・家族と十分に話をしていただいて、ターミナルの状態でど のようになるのかということも含め、十分に話し合っていただいた上で、ど のような医療をしていこうかということを患者自ら納得していただいた上で、 書面で残していただいてはどうか。それを中心に、そこに関わるさまざまな 医療関係、あるいは介護関係のサービスの関係者が、それらを踏まえた上で サービスの提供をしていただくことが重要だろうと思っております。  疼痛緩和ケアというのはさまざまな場面で出てくるわけですが、特に在宅 のターミナルケアという場面を考えると、これは高齢者だけに限らず、特に がん末期の患者に対してどうするかというときに、この緩和ケアは重要にな ってまいります。この場面では、特に在宅ターミナルケアにおいて、麻薬の 使用が頻繁になりますが、そこの管理について十分できるような指導等をし ていきたいと考えております。  その他留意すべき事項として、ここではまとめ言葉としても、医療関係者 や介護・福祉関係者との連携及び情報の共有が必須であるということ。でき るだけ無駄のない医療が必要になってくるという視点。この制度の持続可能 性という観点からも、あるいは被保険者である後期高齢者の負担等も考慮し、 できるだけ効率的な医療の提供が必要であろうということも付言させていた だいております。  資料の説明は以上です。 ○部会長 ただいまの説明や、資料に関する質問等も含め、自由に意見交換 をお願いいたします。資料を提出していただいている委員もいるわけですが、 指名は特にいたしませんので、補足説明等の必要がありましたら併せてご発 言をいただければと思います。先ほども申しましたが、時間が限られており ますし、できるだけ大勢の委員からご発言をいただきたいと思いますので、 質問にしても、意見にしてもポイントを突いて、ご発言はできるだけ簡潔に お願いいたします。 ○中川委員 最初に質問させていただきます。3頁の外来医療における「後期 高齢者の総合的に診る取組の推進」の中に、「主治医」ということ、「一元的」 「総合的」というキーワードがあるのですが、これらの文脈を見ますと、現 在医道審議会医道分科会診療科名標榜部会で審議されている、厚生労働大臣 許可による総合科の創設と総合科医の認定と非常に似通った感じがしており ます。  私は総合科医というのは、フリーアクセスの制限になることを危惧してい るのですが、このたたき台に示した外来医療における主治医というものが、 この総合科、総合科医構想を想定してあるのかないのか。もし違うのであれ ば、どのように違うのかということを説明していただければありがたいです。 ○医療課長 医政局でやっている総合科医の場面でありますと、例えば医者 として、医療として子供から大人まで、あるいは内科から末梢外科、眼科、 軽い処置といったようなものをすべてやっていくようなものを想定されてい るのだろうと思います。ここで言っている主治医に期待している役割という のは、別に子供も診られるような役割を求めているわけでもありませんし、 そういう意味では総合科医を想定したものではないということははっきりと 申し上げたいと思います。  その上で、これはいろいろ議論がありまして、ここでは「主治医」という 言葉を使わせていただきましたけれども、議論の当初は「かかりつけ医」と いう言葉も使ったりしていましたが、必ずしも明確ではないということで一 応「主治医」という言葉を使わせていただいて、その方にとりあえずここに 書いてあります3点ぐらいの役割を担ってもらおうと考えているところです。  それから登録制度の話がありましたけれども、それについてはさまざまな 団体からご意見があることは承知しております。特別部会の中で議論してい く中では、例えば主治医というのは患者が決めて、あるいはその主治医の役 割をやっていける、当然これは総合的に評価してくださいとかいろいろ勉強 はしてもらわないといけないと思いますけれども、そのようなものが自ずと 主治医という形で自然と決まっていくのがいいというようなご意見も出てお りますので、制度的に登録を進めるということを考えているわけではありま せん。 ○中川委員 主治医というのは、1人なのかそれとも複数もあり得るのかとい うことが1つあります。もし1人ということを想定しているのであれば、そ れを診療報酬上で評価することになると一歩踏み込むというふうに聞こえる のですが、この辺はいかがですか。 ○医療課長 診療報酬の議論はこれから中医協でやっていただくことになろ うかと思います。医療の在り方の議論の中で、やはり誰か1人信頼できると いいますか、全面的に自分の健康状態といいますか、医療に関連する状況を、 1人の人に十分相談できるような人がいるのがいいだろうという議論があり ました。  そういう中で考えていきますと、やはり主治医というのはたぶん1人に決 まっていくのだろうと思います。例えば高血圧でかかっている。だけど、そ の先生には高血圧だけ診るのではなくて、そのほか最近変わったところはな いかとか、たまには糖尿病のチェックをしてもらうというような役割は期待 しているわけです。腰が痛いから整形の先生を紹介していただく、というよ うな役割をお願いしたいというような意味では1人に限るということになる と思います。 ○村上委員 それに関連してですけれども、その主治医というのは診療所の 医師だけを想定しているのでしょうか、それとも病院の医師も入ってくるの でしょうか。どうも聞いていると診療所を想定しているようですけれども、 先日日本病院会で調査したところ、患者2万8,000人を取りますと、病院医 師を主治医としている患者が30何%おります。しかも、実際に介護保険の主 治医意見書というのは病院医師がだいぶ書いています。そういう面もありま すので、もし1人と限った場合に、これを診療所に限るのか、病院医師に限 るのかその辺のところの見解をお願いいたします。 ○医療課長 どのような条件を付けるか、というのはたぶん中医協での議論 を待たないといけないと思います。想定されますのは身近な所にいる、それ から一定期間長く診てもらうという意味からいって、あとは病院と診療所の 役割の分担、そのような観点からいくと診療所が想定されると考えておりま す。ただ、診療所のない地域も当然ありますし、そういう中で病院が診療所 の本来やるべき役割をやっている所もあります。そういう所も含めてどの程 度の限定的な条件を付けるかは中医協で議論していただけたらと思います。 ○佐伯委員 意見書を書かせていただきましたが、そもそもパブリックコメ ントで広く国民的な議論にということで1カ月したということですが、これ は連休も挟んでいて実際に何通あったかというのが、7月6日の特別部会に出 ていますが22通しかないのです。しかも、この中で一般の本当に当事者と思 われる方というのは1人いるかどうかというぐらいで、これで国民に広く議 論をしてもらったのかというと、違うだろうと思うのです。  本日、私は東京SP研究会という、医学教育に関わっている60歳以上の方 が何人もいる所で、メンバーは医療に対してかなり関心のある方、見識もあ る方なのですけれども、その方たちに後期高齢者医療制度をご存じですかと 聞いてみたところ、ほとんどご存じありませんでした。こうやって当事者も 知らない、ましてや勤労世帯といいますか、実際にいま保険料を納め、税金 を納めている現役世代の人たちがほとんど知らないだろうというところでこ れだけ進んでしまっていいのだろうかというのがいちばん感じるところです。  ついでに申し上げますと、先ほどいろいろな所で評価、評価とおっしゃい ましたが、よく聞いているとほかの科を紹介するとか、もともと普通の医者 だったらしていただいていることではないか。なにをわざわざこれから特別 に評価するとか、そういうものになるのだろうか。言い方は悪いのですけれ ども、おいしい制度を作ろうとしているのかという気がいたしますので、国 民にとってもっとわかりやすく説明していただければと思います。そして、 そんなに急がなくても、もうちょっと議論を国民にも広げていただいて、納 得の上でやっていただきたいと思います。 ○医療課長 パブリックコメントの数ですが、全体としては326通ありまし た。そのうち、いま委員がおっしゃられました22というのは、医療関係者以 外と書かれたものが22通です。その他を含めて全体で326通あったというこ とです。 ○箱崎委員 歯科の分野から発言させていただきます。5頁の在宅歯科診療と いうところに、5行ほど4月時点からこういう記載がありました。非常に端的 にまとめていただいたと思いますが、内容的な部分について私どもとしては もう少しお話したい部分があります。本日、お手元に2枚物の「概要」と、 日本歯科医師会としての「後期高齢者医療制度における歯科医療の構築に向 けて」という部分を提出させていただきました。時間の関係もありますので 概要の部分の2の「本制度の実施に向けての歯科医療提供の在り方について」 だけ発言させていただきます。  後期高齢者の部分で、私ども歯科から見ていちばん大事な部分は、医療連 携だろうと思っております。従来我々歯科は、ともすると歯科単独型でやっ てまいりましたが、後期高齢者の部分に対すると、あらゆる医療職種も一緒 になって対応する中に、私ども歯科もそこに参画して対応すべきだろうとい う意見に集約しております。是非その部分をご理解いただいた中で、今後の 制度の仕組みの中に、歯科の取組をお願いしたいと思っているところです。  要約の2頁には、それについての歯科診療報酬の在り方についてというこ とで記載しておりますが、時間の関係上この部分については省かせていただ き、この場では医療提供の部分だけでとどめさせていただきます。どうぞよ ろしくお願いいたします。 ○竹嶋委員 先ほどこちらから意見がありましたが、いま地域医療の中では 特に問題なくどなたがお見えになっても、自分の診療の専門の疾患でなけれ ばきちんと紹介いたしますし、やっているので、特に主治医を限定して、そ こに診療報酬上の評価をするというのはいかがかというご意見がありました。 歯科の代表の方からも、地域の医療関係者の連携ということが出ましたけれ ども、現在はそれでいっています。  だから、ここであえて主治医というものを取り上げて、そこに評価をする ということは診療を押し付けるということになるだろうと思うのです。今後 引き続いての議論になると思いますけれども、ここは基本的な施策を議論す るということですから、その前の段階であえてそれをする必要があるのかと いう疑問を抱かざるを得ないということです。 ○豊田委員 3点お願いいたします。1点目は質問です。先ほど村上委員から 出た意見ですが、主治医になる医師が診療所に限るのかどうか。これについ ては中医協で議論されるというお答えがありましたけれども、この問題は非 常に大事な問題であります。地域において、もちろん診療所の先生方の多く のほとんどは主治医として仕事をされています。同時に、病院の先生方も主 治医として仕事をされている、また患者もそう思っているということが現実 には行われているわけですので、これを診療所に限るということに私は反対 です。  その議論を中医協に委ねるというのはどうなのでしょうか。基本的な日本 の医療の現状を考えれば、こういった問題こそこの部会で、これは診療所や 特定の所に限るのではないということを言わないと、中医協で従来も診療報 酬で制度に先行してきた部分があります。今回もそういう懸念を持つわけで、 私の意見としては診療所に限るということではないということを、この部会 ではっきりさせていただきたいということが1つです。  それから、2頁の中ほどに75歳以上の医療は「74歳以下の者に対する医療 と連続しているもので、75歳以上であることをもって大きく変わるものでは ない」と書かれています。  しかしながら、その後に出てくるのは、何歳だろうと保険診療では守られ るべきこと。例えば漫然・画一的な診療、複数医療機関での受診云々、これ は保険医療としてごく普通に保険医ならやっていることであります。この中 で、あえて「みだりに」という言葉を使って、複数医療機関受診ということ を、なぜ高齢者に対してあえてここに書かなければならないのかということ です。みだりに行っているデータがあったらお知らせいただきたい。主治医 については先ほどからいろいろな意見が出ていますので省略いたします。  5頁に「終末期の医療」というのがあります。これは、最初から言われてい ますが、高齢者であっても尊厳をもって、本人の意思を尊重する、というこ とがこの中に出ているわけです。高齢者の中には、認知症が多いということ も書かれています。そうしますと、現実の問題として、80歳を超えた認知症 の患者にがんが見つかったときに、この人について手術をするかしないか本 人の意思確認は難しいです。これは多くの場合家族の意見で決まっているの が現状だと思います。この辺について、これから高齢者が増える中で、はっ きりしたガイドラインがないと、またいろいろな問題が生じてくると思うの です。今回この中にはそれが落ちているので、その辺についてはいかがでし ょうか。 ○医療課長 1点目は、この部会として診療所に限ってはいけないのだ、とい う意見をまとめてはどうかということなので、医療部会全体としての意見な のか、豊田委員の意見として私どもが受け止めるかそこはお任せしますけれ ども、村上委員からもそういうご意見がありましたので、それは受け止めて おきます。  2点目はあまり美しい言葉ではないですけれども、「みだりに」ということ ですが、これは現在の老人医療担当基準の中で、既にこういう文言で使われ ています。その経緯はつまびらかではありませんけれども、老人保健法がで きて、老人診療報酬体系ができる中で、やたら点滴をしていたとか、そうい う状況が過去にあって、たぶんこういうことから来ているのだろうと推測は いたします。条件的にどれだけのものがあるのかと言われても、その部分に ついては私どもは承知しておりません。  終末期の認知症の方の治療についてどうするかということですが、それに ついて制度的にガイドラインで縛るのがいいのか、そこは主治医と家族との 話合いの中でどのような方向を選択するのか、その辺りは場面、場面によっ て違うのではないかと思います。制度的に何かあるようですので、医政局総 務課長からお答えいたします。 ○総務課長 ご承知かと思いますけれども、終末期の医療のあり方について は、プロセスに関してのみです。終末期医療の内容にまで踏み込むようなガ イドラインはお示しできてはおりません。プロセスに関してはガイドライン という形で、厚生労働省でガイドラインをお示ししております。これについ ては、原則として患者本人の意思を尊重するということです。それが確認で きない場合には家族の意見を参考にする。医師が1人で判断するのではなく、 医療チームとして判断してほしいといった、プロセスに関してのガイドライ ンをお示ししたところです。そういうものを参考にしていただきながら、各 医療現場で判断していただく必要があろうかと考えております。 ○田中委員 5頁にあります「居住系施設等における医療」について1つ質問 をして意見を述べます。ここで言っている、「居住系施設を含む様々な施設等」 には介護保険施設を含んでいるわけですね。 ○医療課長 はい。 ○田中委員 老健と特養を含むということだと思います。そもそも「居住系 施設を含む施設等」とは、わかる人にはわかるけれども、一般の住民には何 を言っているのかよくわからない言葉だとの感想は別にして、この点はとて も重要なので、外からの医療提供に対する適正な評価の在り方については、 介護保険を担当する部局とよく相談をし、適切な医療を使えるようにしてい ただきたいと考えます。  住む場所の選択によって使える医療が違うような姿は好ましくないし、逆 に言うと、たまに必要かもしれない医療を心配するがゆえに住み方を変えて しまうような社会はよくないと思いますので、どこにいても適切な医療が使 えるように、医療側の部局と介護側の部局とで、きちんとすり合わせを行っ ていくべきだということを主張しておきます。 ○杉町委員 後期高齢者医療の話が出た背景として、高齢者は大変医療費が 嵩むので、なんとか医療費を抑えたいということがあってこの話が出てきた と思うのです。確かに検査の重複だとか、投薬の重複を避けるのは当然です。 例えば胃がんの手術をしたときに、その場合に74歳までの方の場合と、75歳 以上の場合に、これから点数は決まるのでしょうけれども、75歳以上を少し 安くすると。同じ医療行為をして安くするということになると非常に問題が あると思います。同じ医療行為をする場合には、75歳以上であっても、74歳 以下であっても、是非同じ点数にしていただきたい。  そうしないと、75歳以上の方は病院側にあまり歓迎されない患者というこ とになります。患者の立場から言うと、なにか病院にもかかりにくいとか、 そういう現象が起こりかねないと思います。同じ医療行為については、75歳 を超えても同じような点数を付けていただきたいと思います。 ○堤委員 今回のたたき台を読ませていただいて、先ほどどなたかがご発言 されていましたが、74歳と75歳を境にしても治療行為は変わらない。ただ、 その外縁のサービス等についていろいろ配慮が必要であって、診療報酬上の 在り方を検討しなければならないと私は読みました。支払い側としては、最 後の「留意すべき事項」の「医療資源の重複投入の抑制」であるとか、「効果 的・効率的な医療提供の視点が重要である」という部分を強調させていただ きたいと思います。  別添で1枚物の意見書を出しております。日本経団連としての意見ですの で簡単に読ませていただきます。「新たな診療報酬体系の設定にあたっては後 期高齢者のみではなく、制度の支え手である現役世代の納得性の観点も踏ま えるべきである。そのためには必要な医療が提供されることを前提に、給付 費の増加の抑制が図られるような、効果的・効率的な医療提供を促す体系」 としていただきたいということで、「包括的な支払方式を基本とした体系の構 築」であるとか、先ほど議論になっていた「『主治医』機能の明確化」は是非 お願いしたいと思います。  いろいろありますけれども、先ほどの主治医のお話で、後期高齢者を総合 的に診る主治医の3つの役割を担うということになっていますが、この「役 割を担う」ということは「能力がある」ということであって、誰でもできる ということであれば、これは評価は不要なのであります。そうではなくて、 能力が必要であったり、あるいは手間がかかるということであるから評価を するのである。評価をして、点数を付けるということになれば、これはそう いう業務に対する責務を持つのだ。責務を持つということは、当然これは公 的医療費の話ですから、チェックなり評価ということをきちんとやっていか ないと主治医とは言えないのではないかと考えます。  診療所なのか病院なのかという議論はあるようですが、いずれにしても身 近な機関とすると診療所中心となると思うのです。そこで介護の方とか、い ろいろな方が関係者として関ってくる際に、それを極めて効率的にやるため にはICTをきちんと使っていかないと、無駄な打合せ、移動ということが考 えられますので、ここのところはきちんとICT化を進めていただきたいと思 います。 ○小山田委員 2点お伺いします。1点は、後期高齢者の医療費の財源はどの ような構図を書いておられるか。何パーセントを国が持ち、何パーセントを 個人だ、それから保険だということが明確にできたら教えてください。その ときに、この制度が発足して来年度からやった場合に、どのぐらいの医療費 がかかるのかという点です。  2点目は、ここに示された各ステージの後期高齢者の医療の在り方について は理解しますが、これは各ステージごとに大体どのぐらいの医療費がかかる のだろうか。それは齟齬が生じた場合にどうなるのか。それは、新しい制度 を作る前と比べて高くなるのか、どのようなことになるのかという想定があ るのだろうか、ということをお伺いします。 ○医療課長 まず財源の構成です。医療費全体の中で、多くの患者には原則 として1割の自己負担をしていただき、残り9割の給付費をどのように分担 していくかということです。その給付の中で、およそ半分を公費(国・都道 府県・市町村)が入れます。残りの約4割が若人保険(74歳以下)、各種それ ぞれの保険からの支援金という形でいただきます。残った給付費の1割は、 後期高齢者1人ずつから保険料をいただくという形の構成になっております。  各場面、場面でどの程度分けていくのかというのはまだ計算できているわ けではありませんのでお答えはできません。全体としての医療費は、平成20 年度の概算要求の段階で、医療費として11.9兆円ほどかかるだろうと見込ん でおります。 ○小山田委員 従来のものと比べてどうですか。この制度ではなくて、いま までのことからすると予想としては医療費が抑制されるのですか、それとも 増えるのですか。 ○医療課長 それは、最終的には改定率をどうするかと。どういう形で出す のかわかりませんけれども、後期高齢者も含めた全体として改定率をどうす るか、医療費として全体どれぐらいを見ていくのかというところにつながっ てきますので、現段階でどうなるかということはお答えできません。 ○西澤委員 3頁のいちばん上の○ですが、「主治医」というものができて、 例えば患者のいろいろな情報を一元化して把握するというのは非常にいいこ とだと思います。それを、診療報酬上の評価と急に言っていますが、その前 にシステムとしてきちんと情報というものが出されていて、それを集めるシ ステムというものがあって、初めて診療報酬上で評価すべきではないか。診 療報酬上の評価の前に、そういうシステムをこういうふうに作るのだ、とい う議論をどこかでしていただきたいと思います。例えば、IT化等の整備も含 め、そういうことを先にやってから診療報酬上の評価だと思うのです。その 辺りについて医政局としてはどのように考えていますか。 ○総務課長 参考資料3-4に、医政局の平成20年度の予算要求が付けてあり ます。これまでも医療のIT化といったことを推進してきているわけです。8 頁になりますが、これまでも進めてきているわけですが、今後においてもこ ういうことを進めるための予算要求をしております。 ○西澤委員 いまのは平成20年度の概算要求でした。いまは診療報酬の話で、 平成20年度の改定なのでちょっと間に合わないと思うので、早急に診療報酬 上の評価をするのであれば、それに対応して医療機関が対応できるような何 かのシステムを同時にしていただければありがたいと思います。 ○部会長 とりあえず、ご意見として伺っておきます。 ○古橋委員 私からも意見を出させていただいております。細かく説明する 時間はないのですけれども、来年4月から動き出しますこの制度についての 議論なのです。先ほど佐伯委員からもありましたように、約半年後に動き出 すことにしては、いま厚生労働省でこんな議論があるということについて、 国民は非常に情報が少ない。  骨子案の1頁から2頁に書いてある、「生活を重視した医療」というのは一 体どういう医療なのだという辺りで、医療界自身もいままでは「治す医療」 ということで、医師を中心に大きく努力してきたわけです。「生活を重視して いく医療」というのは、どういうものなのであるかというのが徐々に見えて くる、医療関係者にも、また国民にもということが大事だろうと思います。  そういう点では、1人の後期高齢者の中には、医療ニーズと介護のニーズと、 どこで暮らし、どう眠るかという辺りの要素が一体的に発生してまいります。 そういう点では地域医療計画、地域ケア計画、そして医療費の適正化計画と いう辺りが厚生労働省の中では組織横断的に議論が進められているというこ ともお伺いいたしました。以前、この医療部会が法律改定で意見集約すると きには、その辺りが非常に横断的に連携がまずいのではないか、橋が架かっ ていないのではないかということを感じました。その辺りが約1年の間に、 厚生労働省としてどんな体制で議論が進んでいるのかどうかを知りたいと思 います。  同時に、いわゆる介護保険と医療保険は、それぞれ何を持つか、プラス部 分を医療保険がやるということではなかろうと思います。介護の領域を医療 保険が扱うということでもなかろうかと思います。そういう点では、今どん な議論がなされているのかということと同時に、国民に情報をどう提供する かが重要です。そんな辺り、時間的には大丈夫なのかという思いがございま す。  もう1つは、主治医に関して当初から議論が出ていますが、「主治医」の明 確化と、これに関する情報提供が要ると思います。いま主治医はおおかた決 まっているというご意見もありましたが、それは何となく自然発生的にでき ているのでありまして、制度としてこういうものにしていくという点につい て、国民は当初混乱があろうかと思います。そういう点では、例えばここの 意見書でいう「主治医」あるいは「総合診療医」に国民はどこで、どのよう に出会えるのか、そういうことも含めて情報が必要かと思います。その辺り をどんなふうに受け止めておいたらいいのか知りたいと思います。 ○医療課長 初めのほうに医療と介護と住まいのお話がありました。いま現 在、医療計画をはじめとするさまざまな計画を都道府県で作っていただいて いるわけですが、そのような計画の案文のガイドラインを示す際に、それぞ れの部局と相談をしながら出しているという意味で、連携はとれているだろ うと思っています。1点目の答えがそれでいいのかどうかは後でお願いしたい と思います。  主治医のお話なのですが、私どもで考えて、制度化というイメージのもの ではなくて、ある患者がある先生にこういうことをしてもらいたいというと きに、そういうことをやってくれる人をここで「主治医」という言い方をし ているのです。極端に言えば、名前は何でもいいのですが、いま考えている のは、こういう3つのことを総合的にやっていただける医師に診療報酬を、 という形で考えてはどうかということで話をしている状況なのです。だから、 法律を作って制度的にそれを決めていくのだというような議論は、いま私ど もの中ではされていないということです。 ○山本(信)委員 今回の後期高齢者医療制度のテーマといいますか課題が、 施設間あるいは職種間連携をうまくすることによって、後期高齢者に対して 十分な医療を提供していこうと、そういう論点だと理解しています。そうし た意味でいえば、薬剤に関わる部分について、薬剤師あるいは薬局の役割と 読める部分が明確にされていることについては大変ありがたいと思っていま す。  とりわけ外来医療の中でいえば薬歴。今まで私どもはこれを中心に調剤の 仕事をしてきたわけですが、明確に「薬歴」という言葉が出てきてその必要 性が謳われていることについては、今までの仕事のやり方がよかったのでそ の必要性が認められたと考えています。在宅の面でいえば、服薬支援。麻薬 の最終的な扱いとしては、薬剤師が調剤し、薬剤師がきちんと管理せよと、 そこまでの期待があるわけですので、そういう取りまとめ方については大変 ありがたいと思っていますし、明確な位置づけができたことについては大変 感謝しています。  ただ、スケジュールを見ますと、今日の議論を踏まえてこの骨子(案)が 整理され、さらに取りまとめられると聞いています。今後中医協に下りてい く中で、より具体的な点数はり付けあるいは点数の議論が始まるときに、そ うしたことが見やすいような、あるいは必要な医療が常に提供できるような 体制が組めるような取りまとめの仕方を是非お願いしたいと思います。 ○樋口委員 私はこの委員会も新任なもので、こういうものも初めて読ませ ていただいたのです。このたたき台について、私の理解では、後期高齢者な るものがどういう状況にあるかというと、普通には治療が長期化している人 が多いし、複数疾患を持っている人も多い。中には認知症の人もいる。そう いう中で、もちろん尊厳には配慮しないといけないのですが、周りを囲んで いるいろいろな人たちのキャッチワードは2つあって、「情報共有」というの が何カ所も出てきます。いろいろな専門にかかっているから医師間の連携も あるし、大病院に入院しているときは、普通のかかりつけ医との間での情報 連携も必要です。また、薬局とも、歯科医とも、介護事業者等とも連携して 情報を共有して、その人を守ってあげようというわけです。反面としては、 二重の投薬とか、重複の検査とかという無駄も省けるということかなと思っ ているのです。  そこで、2点だけ申し上げます。情報共有の話では、そういうことの共有が 簡単にできるような状況になっているのだろうかと。そういうシステム的な 配慮がないと、ここでいろいろなことを書いてあるが、どうなのだろうかと いうことが1つあると思うのです。  初めに申し上げておきますが、私はたまたま法学部から出ているので、私 自身、こういう情報共有は進めるべきだと思っています。しかし、一方で個 人情報保護法なるものもあって、個人情報保護法とはこういう形で折合いを つけているということを、はっきりとお聞きしたい。折合いがつくはずなの ですが、それをお聞きしたいというのが1点です。  長広舌になって恐縮なのですが、もう1つだけ。こういうものが診療報酬 体系にどうやって反映されるのかというのが私自身にはよくわからないので すが、そのための議論です。先ほどの74歳と75歳の話もそうですが、経済 的なインセンティブは大きいので、診療報酬体系を変えていくというのは全 国的に大きな影響があると思うのです。そうすると、非常に大きな影響を及 ぼすかもしれないことを常に全国一律にやる必要があるのだろうかという疑 問があるのです。  いまの法体系でそういうことはできないとおっしゃるのかもしれないので すが、私が少しだけ関与した終末期の医療で一例を言います。5頁目で、本人 から書面等で示された、終末期に希望する診療内容等について情報を共有す るとあります。これを保険の点数に反映するとしたら、入院したときに誰で も1枚紙を渡されて、人工呼吸器は付けますか、希望しますかということで ○や×をつけるような話になっていて「はい○」とか何とか言う。それが後で 効果を発するという実態的な問題のほかに、こういう書面を用意した所には 何点か付けますよという話になれば、全国一律でそういうものを付けるよう になると思うのです。それが本人の希望を尊重することなのだ、本当なのだ と言われて、そういうものをいきなり保険の点数にと。もしかしたら、そん なことは考えておられないのかもしれないので少し勇み足かもしれませんが、 全国一律にそういうことになって、「ああ、みんながよかった」ということに 本当になるのかどうかということがあるのです。だから、ある拠点地域のと ころだけ1、2年そういうことをやってみて、患者と遺族の間で、こういうも のはやっぱり役には立ったのだとか、立たなかったのだとか。それから、本 人が認知症である場合には家族から、本人だったらどういうことを希望する と思われますかという書面を作って何点か付けるという発想をする。全国一 律にいきなりやるのはリスクが大きいような気がします。どこかで何年かや ってみて、これはいいではないかと言ったら拡げていく。これは1つの例な のですが、そのような手法というものがあり得ないものかどうかと考えてみ ました。 ○医療課長 個人情報保護法との関係は今後詰めていかなければいけないと いう認識で、現段階で完全に詰められているわけではないということが1点 です。  あとは、保険でモデル的点数というのは基本的にできない。保険者はどこ かだけで決まっているわけではなく、全国に散らばっているわけですから、 点数化するのに、モデル的なものは基本的にあり得ないわけです。実際にで きる所とできない所とが生じる場合もありますが、モデル的に、この地域だ けでこの点数が取れるという形のものは、原則的にはあり得ません。もしモ デル的に何かチャレンジしてやってみようというなら、何かのモデル事業と いう形で、医政局かどこかわかりませんが、そういうところでやっていくと いう形の中で、成果としてうまくいったら診療報酬へという形のやり方はも ちろんあります。基本的に、今回お出ししているものは、現場のご意見等を 聞きながら、こういう形ならできるのではないかということで、とりあえず まとめている部分がございます。 ○中川委員 資料を提出いたしましたので、要点をかい摘まんで説明いたし ます。日本医師会の「後期高齢者の診療報酬体系のあり方について」という 資料をご覧ください。  まず2頁をご覧ください。日本医師会は、2008年4月に始まる後期高齢者 医療制度についてはあくまでもスタートラインと位置づけ、あるべき姿につ いて次のように提案させていただきます。4.の「理念」で、後期高齢者は疾 病が発症するリスクが高く、保険原理が働きにくい上に、保険料、患者一部 負担は後期高齢者にとって大変大きな負担になります。したがって、国は、「保 障」の理念の下で制度を支えるべきだと思います。財源には公費を医療費の9 割に投入して、公費は原則国庫が負担し、財源の地域間格差が生じないよう にすべきです。これに伴って、後期高齢者支援金は廃止します。  4頁。後期高齢者は、加齢のために全身の一般状況が急速に低下することが あります。同時期に複数の疾患に罹患しがちという状況を考慮した上で、複 数疾患に対応できる全人的な医療の提供が求められると思います。また、こ のグラフに示すように、75歳以上の3分の1が「独居」または「老々世帯」 に暮らしています。したがって、後期高齢者にとって、現在の在宅偏重の政 策は危険を伴うもので、入院・入所施設の整備も求められます。  5頁。日本医師会は、ここに示す3つの、尊厳と安心、暮らしの支援、地域 の中で健やかに老いる医療という基本的な考え方に立って、次のように考え ます。  6頁。「かかりつけの医師」を枠内のように定義しました。すなわち「何で も相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要なときには専門医、専門 医療機関を紹介でき、身近で頼りになる『地域医療、保健、福祉を担う幅広 い能力を有する医師』」としました。現在厚生労働省が「総合科医構想」を打 ち出していますが、これは医療の集約化を通じた医療費抑制を狙ったもので あると考えざるを得ません。もし、国が「総合科医」を認定するようになれ ば官僚の権益が拡がり、地域医療提供体制全体の管理統制につながりかねな いと思っています。  一方、日本医師会が定義する「かかりつけの医師」とは、地域住民を誕生 から介護、看取りまで幅広く包み込んで支える役割を指します。厚労省が示 すような統制的な管理医療の下で実現できるものでは決してございません。 また、厚労省の「総合科医構想」は、初期診療を「総合科医」に限定するも のです。  7頁。しかし、それは患者から自由に医療機関を選択する権利を奪うことを 意味します。日本の公的医療保険制度の優れた特徴は、「国民皆保険体制」「現 物給付」そして「フリーアクセス」です。「総合科医構想」は、この「フリー アクセス」を揺るがすものだと考えます。日本医師会の「かかりつけの医師」 は、厚労省の「総合科医」とは全く異なるものであり、日本医師会は、断じ て「総合科医構想」を認めることはできないということを明確にしたいと思 います。  次の(2)に「『高齢者は在宅へ』という流れの是正」とあります。現在、 後期高齢者の3分の1は独居または「老々世帯」と申し上げました。在宅偏 重の政策は、例えば孤独死の急増などの危険を伴うことになります。  療養病床は、2005年度には医療、介護を合わせて38万床ありましたが、国 が2006年度の医療制度改革で打ち出した方針では、2012年度には医療療養病 床のみの15万床になる見通しです。日本医師会の試算によると更なる高齢化 が進展するため、2012年には医療療養病床は26万床必要になります。また、 介護療養病床に代わるものとして、新たな介護施設等も15万床必要です。  8頁。このまま進めば、2012年度に適切な医療を受けられない人が最大11 万人、適切な介護を受けられない人が最大15万人、合計26万人が行き場を 得られないことになります。  次は9頁5行目ですが、2006年度の診療報酬改定によって、在宅療養支援 診療所が導入されました。これを算定すると患者負担増につながるため、現 場では機能させにくいという問題が生じています。一方で、在宅療養支援診 療所の届出をしていないと、それまで在宅医療に取り組んでいても「看取り」 が十分評価されないという不整合もあります。在宅でも、入院でも、さらに は外来でも、提供された医療を適正に評価する診療報酬上の仕組みが求めら れるのではないかと思います。  10頁。日本医師会は、後期高齢者の診療報酬体系については、「外来は出来 高払いとする。入院も原則出来高払いとし、慢性期の一部を選択性の包括払 いとする。いずれの場合も、個々の病態に配慮しない画一的な支払方式に陥 らないよう柔軟な対応を行う」べきと考えます。  11頁。(1)「かかりつけの医師」は幅広い活動が求められ、多様な医療連携 が要求されています。まずは医療連携の機能を評価すべきです。更に継続性 を保障するためには、「かかりつけの医師」の地域医療活動全般の評価も重要 だと思います。  (2)、療養病床について、厚労省は「医療区分1」を「社会的入院」と見なし、 医療の必要性が低いとしていますが、中医協の慢性期入院医療の包括評価調 査分科会の「平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査(中間報告)」 では、「医療区分1に関して、入院医療を必要としないという政策判断がなさ れ、診療報酬についてもコストに見合わない点数が設定されている」と記載 され、コストとは無関係に、政策判断のみから療養病床が削減されようとし ていることを認めています。  また、現在の診療報酬は医療区分別の評価がなされていますが、13頁に示 すタイムスタディ調査からも明らかなように、コストのみならず、ケア時間、 医療処置時間も診療報酬と見合っていません。厚労省は「医療区分1」を「社 会的入院」であると見なしていますが、「医療区分1」の患者については、医 師の指示見直しは少ないものの、医療処置を受けている患者は少なくありま せん。「医療の必要性がない」、すなわち入院医療の必要がないと言うのは間 違いです。  また、現在、介護施設、在宅医療体制は、療養病床の必要な患者の受け皿 になることは困難です。したがって、特に医療区分1については、時間やコ ストに見合う点数設定をし直す必要があることを強調したいと思います。  最後は(3)、介護施設における医療についてです。厚労省は、療養病床から の老人保健施設への転換を進めようとしていますが、現在の介護保険下の老 健施設では、他の保険医療機関からの往診等が必ずしも適正に評価されてい ないとの指摘が多くあります。必要な医療は医療保険の下で適正に評価され、 十分に提供されるようにすべきです。以上です。 ○椎名参考人(島村委員代理) 私ども健保連は、今年3月のこの医療部会 に「後期高齢者医療に関する考え方」というペーパーを提出いたしましたが、 その後さらに検討を進めて、本日、提言という形で提出いたしました。  時間の都合で説明は省略いたしますが、この中身は医療提供体制を含めた 高齢者の診療報酬体系のあり方について、私どもの考え方を取りまとめたも のですので、今後、具体的な議論の際に是非とも参考にしていただければ大 変ありがたいと考えております。 ○竹嶋委員 この会は非常に大事な会で、基本的なことを協議する会ですか ら、むしろ、いろいろな組織や団体、あるいは個人がこういう資料をお出し になったらよいと私は思います。それを作るまでには、皆さん大変考えてい るのです。ですから、こういう所で遠慮しないでご発言いただいて、それに 対して議論をする。会が10分か15分遅れても、本当に日本の医療全体から 考えた場合には極めて大事な会だと私は位置づけております。  1つだけお詫びを申し上げます。先ほど私どもの医師会の中川から説明しま したが、今日の後期高齢者の診療報酬体系特別部会のたたき台では触れてい ない総合科・総合医について少し詳しく述べました。これについては医政局 が出した資料の中にきちんと入っているものですから論を及ばせたのですが、 保険局の今日のたたき台の中に、そういう言葉は全く入っていません。そう いうことで少し申し添えたいと思います。議論を十分ここでやらせていただ けたらと思います。 ○部会長 おっしゃるとおりではありますが、時間がかなり限られています。 今日は参考人も含めて、いろいろな方面のいろいろな委員からご意見をいた だきましたが、あと10分ぐらいはよろしいかと思いますので、おっしゃるこ とがあったら、どんどん言ってください。 ○飯倉参考人(小島委員代理) 今回の診療報酬体系の骨子(案)について、 いくつか意見を述べさせていただきます。まず、後期高齢者にふさわしい医 療ということで、若年者との比較による心身の特性等が整理されているわけ ですが、基本的な認識としては、このとおり、理解できるのではないかと思 っています。その上で、75歳と74歳以下との間で、年齢によって受けられる 医療に違いが生じるようなことがあってはならないと考えます。  これは体系というよりも、診療報酬の具体的なつけ方になるかもしれませ んが、後期高齢者の経済的な視点というところでも一定の配慮や検討が必要 なのではないか。つまり、昨年の秋から、いわゆる現役並み所得のある高齢 者については3割負担ということで自己負担が引き上げられており、負担と してはかなり厳しくなったという意見が連合の中にも寄せられています。後 期高齢者の心身の特性を踏まえた保険制度にしていくということがあります。 若年者に比べて、どうしても受診回数が多くなるということがあるのですが、 収入が一緒だから負担が一緒ということで考えますと、生活における医療費 の占める割合、負担も大きなものになってきますので、そういった影響も一 定考慮に入れる。もちろん受けた医療、そのパフォーマンスに対する対価と して支払う部分で、若年者と高齢者層との差はなくていいと思うのですが、 受診機会がどうしても多くなってしまうという特性を踏まえて、経済的な面 から、高齢者が逆にそのことで必要な医療を抑制してしまうことがないよう な検討が必要なのではないかと思います。  個別の内容のところでは、随分ご意見が出ております主治医、いわゆる「か かりつけの医師」の位置づけについて。基本的には、十分国民的なコンセン サスが得られるような議論が必要だろうと思います。その上で、ここの中に も、他の医療機関の受診状況等を一元的に把握するとか、重複投薬を防ぐと いう記述があります。現実的にそういう問題が少なからずあるのではないか ということであれば、情報をきちんと整理して、ゲートキーパー的に患者に 対してきちんとした導きをして、総合的に指導をしていただけるような医師 を制度的に構築していくことも必要なのではないかと考えております。  最後に在宅医療のところ。この間、病院から在宅へということがありまし た。その意図は十分にわかっているのですが、在宅で支えられる体制という のが整っていなければ、いくら診療報酬なりで工夫をしても絵に描いた餅に なってしまいますので、まずは高齢者の生活が確保できる施設の整備、充実 が重要だろうと思います。高齢者がベッドの上だけではなく、尊厳ある暮ら しをしながら医療や介護が受けられる場を確保していくことが喫緊の課題で はないかと思います。その点の検討を是非お願いしたいということで意見を 申し上げたいと思います。 ○村上委員 基本的には、医療部会が討議した内容が中医協に行って協議さ れるのだと思うのです。ここで主治医というのはどういうものか。ここに書 いてあるような3つの機能を実際にやってできるのは、本当を言うと病院の 医師なのです。自分の所で管理して、自分の病院の中で各科を回したり、薬 歴管理もできます。本来外来はすべて診療所で診るべきだというコンセンサ スがこの医療部会で決まっているのでしょうか。 ○部会長 特にそういうことを決めた覚えはないのですが、事務局のほうは いかがですか。 ○医療課長 進め方として、医療部会でさまざまなご意見が出てきた。医療 部会でこういう議論があったということをまとめていただいて、それを特別 部会のほうにご紹介します。それを踏まえてたたき台を、変える部分と変え ない部分とがあると思いますが、それを全体としてまとめて、最終的には特 別部会の責任でまとめていただく。それを中医協にかけていただくという進 め方を考えています。 ○部会長 まだご意見はおありかもしれませんが、ほぼ1時間討議していた だきましたので、この議題についてはこれで終わらせていただきます。なお、 もしご意見があれば、ファックスなりメールなりで事務局に、できれば1週 間以内。来週医療保険部会が開かれるようですので、それまでにお出しいた だきたいと思います。本日ここで非常に活発にご意見を頂戴いたしましたの で、それを事務局で整理して、後期高齢者の診療報酬体系のあり方に関する 特別部会に提出させていただくということで、報告の内容につきましては、 最終的には部会長と事務局のほうに一任させていただければありがたいと思 いますが、よろしいですか。 (異議なし) ○部会長 もう1つの議題も大きなものです。「平成20年度の診療報酬改定 に向けた検討について」、説明をお願いいたします。また、「緊急医師確保対 策」や検討会の報告等について、事務局で資料を用意しておりますが、診療 報酬改定の議論に関係するところでもありますので、保険局からの説明に続 けて説明をお願いし、その後委員の皆さんでご議論をいただきたいと思いま す。では説明をお願いいたします。 ○医療課長 資料2-1に沿って説明いたします。資料2-2は参考資料として、 この項目に沿って背景になるようなデータ等を集めたものですので適宜参考 にしていただきたいと思いますが、今日の説明には使いません。  先日、中医協に「平成20年度の診療報酬改定に向けた検討について」とい うことで項目の案を出したわけですが、資料2-1は、その案に少し説明文を 付け加えて改訂したものです。医療部会と医療保険部会、それぞれで議論を いただいて、改定に向けての基本方針を決めていただくことになります。今 日はその第1回目ということで、中医協で検討すると思われる項目も付け加 えて出しております。  まず前書きのところ。診療報酬改定そのものは、この社会保障審議会でま とめた基本方針と、内閣において決定される改定率を踏まえて行われるとい う認識。それから、今回非常に強い周辺状況として、一定の地域、あるいは、 産科・小児科などの特定の診療科において、医師確保が非常に困難になって いるという状況もある。そのために提供体制が不十分で、患者が受診できな いということも生じているということもあり、ここの部分については特に重 点的な配慮が必要だということを前書きで書いてあります。  その上で、具体的な項目として以下のように考えてはどうかと。まず1番 目は「より良い医療の提供を目指すための評価」として、「医療の実情を踏ま えた視点からの検討」をすること。その1として、勤務医の負担軽減のため の方策を考える。病院勤務医の過酷な勤務の状況はさまざま出ておりますの で、このようなことをどうするか。それから救急医療、産科医療、小児医療 等の重点的な評価。ここはさまざまな領域で足りない部分ですので、こうい う分野を考えてはどうか。  それから「医療機関・薬局の機能を踏まえた視点からの検討」。初・再診療 の体系を含めて、外来医療の評価をどうしていくのか。ここでは役割分担を どう考えるのかについても検討すべきだと思います。  2頁目で、入院医療の評価。入院についてはさまざまな機能があるわけです が、大病院等の入院医療の比重を高くしていただく。それによって勤務医の 負担軽減にも資するだろうという意味で、入院医療を評価をしていきたい。  「個別の医療施策を推進する視点からの検討」では2項目。法律が出来た がん対策についての評価、それから、特にここ数年、死亡が3万人を超えて いる自殺問題に対応する対策や児童精神の問題、これらについて考えてはど うか。  「患者の視点の重視」では「安心・納得できる医療の評価の検討」。前回の 改定時においては、医療費の内容のわかる領収書を発行していただくという ことで医療機関側にお願いをし、それらの検証も行っていますので、そのほ かにどういうことがあるのかという点も検討をする必要があると。  次は「医療技術の適正な評価」。1つ目が、「真の医療ニーズに沿った医療の 評価」。ここでは7対1入院基本料の問題を出しております。非常に豊富な医 療資源が人的、財政的にあれば余裕を持った対応もできるわけですが、必ず しもそうではないときに、真の医療ニーズを持ち、本当に必要なところに優 先的に配置すべきではないか。7対1についてはその条件を考えるようにと中 医協からも言われていますし、このような真の医療ニーズに沿った医療を特 に評価すべきだと言われています。  それから「医療技術の評価・再評価」。技術がどんどん進歩してまいります ので、新しい技術をどう導入していくか。また逆に、ある程度陳腐化したも のについての再評価をしてはどうかということです。  次は「医療の質の評価」。今まで、質の評価として、さまざまな施設基準を 作りながらやってまいりましたが、それに加えて、結果から見てどうか、評 価できないか、そのような手法について検討してはどうかと。  次は革新的新薬・医療機器等。イノベーションの適切な評価と合わせて、 後発品の使用促進、医薬品や医療機器についての検討を進めていきたいと考 えています。  これら以外の重要項目としては、歯科診療の特性を踏まえた評価というこ とで、指導管理料等の文書情報提供について、結果検証を踏まえて、どうな のかという検討をしていきたい。  それから「DPCのあり方の検討」。DPC対象病院、準備病院は非常にたくさ んの病院から手が挙がってきているわけですが、その対象範囲をどうしてい くのかということも踏まえて考えていきたいと思います。  4頁、「診療報酬改定結果検証を踏まえた検討」。さまざまな新規項目等につ いて、平成18年改定の結果検証を現在実施していますが、その結果検証を受 けて必要な見直しをしてはどうか。  「その他」、初診料の電子化加算、地域連携パス等さまざまな項目がありま すが、それらも現状に合わせて検討してはどうかと考えております。資料2 に関しては以上です。 ○企画官 続いて資料3-1から資料3-4について説明いたします。資料3-1 は緊急医師確保対策ということで、今年の5月31日に、政府・与党として取 りまとめた対策の資料です。医師確保対策については従前からさまざまな対 策を進めているわけですが、今年度、予算的には92億円をいただいて医師確 保対策を進めております。こうした取組みを、昨今の状況を踏まえ更に緊急 に対策を講じる必要があるであろう、ということでまとめられたのがこの対 策です。  1枚目が緊急医師確保対策の全体像で、1〜6まで6本の柱を立てて対策を 講じていこうというものです。次の頁に、当時の政府与党協議会のメンバー が載っていますので、ご覧いただければと思います。  3頁。具体的には来年度概算要求で、今年度の92億円に対し160億円とい う要求をいたしました。具体的には、「医師不足地域に対する国レベルの緊急 臨時的医師派遣システムの構築」ということで、制度のポイントとしては、 各都道府県の医療対策協議会における調整でなかなか対応が難しいところに ついて、国レベルでの調整を行った上で実際の医師確保をする。そのことで 全国的な病院グループ等にご協力いただいて取組みを進めているところです。 予算としては、協力いただける病院等への財政的な支援を要求しています。  4頁以降は、「病院勤務医の過重労働を解消させるための勤務環境の整備等」、 あるいは、女性医師が増えており、その働きやすい職場環境整備のための取 組みに関して、資料にあるような予算要求をしております。  「研修医の都市への集中の是正のための臨床研修病院の定員の見直し等」 ということで、都市部の臨床研修病院にご協力いただいて、地域での医療研 修をしていただくような場合には、補助制度を創設する等の予算を要求して います。  5頁、「医療リスクに対する支援体制の整備」。産科に関して申し上げれば「産 科補償制度」いわゆる無過失補償制度の検討をいま鋭意進めているところで、 今年度中の創設を目指して、そのための広報経費等を要求しています。  それから、医療事故に関連する死因究明制度ということで、第三者的な組 織を立ち上げて具体的な真相究明、再発防止につなげていこうというもので す。予算的には、モデル事業をすでに始めていますが、その拡充等の費用を 要求しています。  直接予算とは関係ありませんが、6番目の柱として、いわゆる医学部の定数 増、養成医師数の増があります。昨年度の新医師確保総合対策において、特 に医師不足が深刻な10県を選んで医学部の定数増を打ち出しているわけです が、今年度は地域医療に従事する医師を養成していくという観点から、都道 府県において奨学金を用意してもらい、卒業後に、知事が指定する地域の病 院なり診療科で勤務していただくということを前提に医学部の定数増を容認 するということを打ち出しています。後ろにそれの詳しい資料を付けてあり ますので、お目通しをいただければと思います。  続いて資料3-2と資料3-3、検討会についての報告資料を紹介いたします。 まず資料3-2です。平成17年12月に、前の体制の本医療部会においてまと められた意見の中で、地域医療支援病院、特定機能病院、医療法に基づく医 師数の配置標準について別途検討会を設けて検討を進めるべきであるという 指摘がされました。したがって、本部会の委員でもある田中先生に座長をお 願いし、「医療施設体系のあり方に関する検討会」ということで、昨年来1年 間にわたりご議論をいただきました。  さまざまな課題についてご議論いただいたわけですが、例えば地域医療支 援病院、特定機能病院に関して申し上げれば、役割、目的の明確化が必要で あるという問題意識の下に、さまざまな視点から今後の課題や論点等を整理 していただきました。いずれ医療部会においても本格的な議論をお願いする ときに、この検討会でまとめていただいた整理が土台となるものと考えてい ます。内容についてはお目通しをいただければということで、今日は省略い たします。  同じく前回の医療部会でご指摘いただいた課題として資料3-3、「病院にお ける薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会について」。病院に勤めている 薬剤師が今後、調剤行為のみならずチーム医療の中に積極的に参加し、さま ざまな分野で活躍していただくという観点から実態調査を行った上で、その 業務のあり方等についてご議論をいただいたものです。  昨年の12月に立ち上げて、実態調査を経て7月30日の第3回でおおむね 報告書をまとめていただきました。最終的に8月10日にまとめた資料が後ろ に付いています。4頁に目次が書いてあります。「病院薬剤師のあるべき業務 と役割」、薬物治療の安全確保と質の向上のための業務ということで1〜11ま で挙がっておりますが、それぞれの業務について、チーム医療の一環として 病院薬剤師が重要な役割を果たしていくべきである等のことについてまとめ ていただきました。  7頁。病院における薬剤師の人員配置標準については、現行の人員配置標準 をただちに見直す必要までは認められないだろう。ただ、その一方で、当該 病院の規模や機能に応じて、個々の病院で必要な医薬品関連の業務が実施さ れるのに十分な薬剤師を確保することが重要である。また最後のところに「顔 の見える薬剤師」と呼ばれるよう努力を求めるという形でまとめていただき ました。  資料3-4は、先ほど申し上げた医師確保対策以外の分も含めた医政局の概 算要求の概要についてのPR版ですので、ご覧いただければと思います。私か らは以上です。 ○部会長 後期高齢者のことから頭を切り換えていただかなければならない のですが、診療報酬改定についての議論は今日がスタートです。十分な時間 はありませんが、ただいまの説明あるいは資料に関するご質問等があれば、 できるだけ簡潔にご意見をいただきたいと思います。 ○竹嶋委員 いま必要なこと、これは国民の合意を得ていますが、医師・看 護師を含めて人的支援が足りないということ、これはどこかできちんと確認 していただきたいと思います。厚生労働省がお出しになる資料を私どももつ ぶさに見せていただきますが、こういう資料で報道もなされますので、その 確実性を求めたいのです。資料2-2の5頁に「医師需給に係る医師の勤務状 況調査」が出ています。まさに、勤務医の皆さん方の過重労働ということで 勤務医が職場を離れる、ということが社会問題から政治問題に発展していま す。その中で、この資料にある長谷川先生の資料はいつの時点のものかと質 問させていただきたいのです。  それから「休憩時間・自己研修・研究を除いたものを従業時間とする」と いうことについて、次回で結構ですので、アンケートの内容をお出しいただ きたいのです。  私ども日本医師会で行った2005年の11月と12月の調査、それから厚生労 働省の医師需給に係る医師の勤務状況調査(病院分)の中の中間集計結果か らまとめたものでは、20歳代が77.3時間、31〜34歳でも71.2時間、45〜49 歳も64.9時間なのです。私が単純に割りましたら、医者が当直したり、手術 の後9時とか10時まで残るというのは、この辺までしかできないのです。単 純に割りましても、50歳ぐらいまでの間に70.3時間という数字が出ています。 ですから冒頭に申し上げたように、アンケートでどういう聞き方をしたのか を出していただきたい。必要であれば、我々が調査した内容を喜んで提出さ せていただきます。そういうことの中から、実態はどうなのかという議論を することからまず始めていただきたい、それを要望しておきます。 ○部会長 この点は次回お答えをいただくことにして、ほかの方の質問を受 けることにいたします。 ○小山田委員 各論についてはいろいろな議論があるとは思いますが、最も 基本になる診療報酬全体をどうしたらいいのかという議論を、今回は駄目で も、この次に是非させていただきたい。医療関係者は全部そうですが、いま のままの診療報酬全体の中でやっていくことは、もう限界である。これ以上 やれば、国民医療は崩壊するという認識に立っておりますが、これも議論が 必要です。この部会でのこうした意見が内閣に反映されるような討論をする ことをお願いいたします。 ○尾形委員 資料2-1を拝見して、もちろん現時点での重点的事項というこ とでしょうから全てが網羅されていないのは当然だろうと思いますが、通読 して若干気になったのは「在宅医療」のことが一言も触れられていないこと で、先ほどの後期高齢者の資料とは非常に対照的に思います。この部会でも 一昨年、在宅医療についてはかなり議論をし、国民医療費が33兆円ぐらい使 われているうち7,000億円強ぐらいしか在宅医療に使われていないと。資源 配分を変える必要があるのではないかという議論があったと思います。それ で、昨年の診療報酬改定で在宅療養支援診療所という制度が出来たわけです。 いまのところ、それはかなりのスピードで普及してそれなりに機能している とは思いますが、これをどう評価して次にどういうステップを考えるのかと いう辺りは、検討をする必要があるのではないかと思います。 ○佐伯委員 平成18年のときの基本方針と照らし合わせてみたところ、私が 出した意見書に(1)として書いたように、大事にしていた文言が抜け落ちてい る。特に思いましたのは、患者にわかりやすいということが無くなっており ました。まずわかってもらい、納得してもらわないと、国民皆保険と言いな がら、堅持はできないだろうと思います。したがって、どのようにすればい ちばん大事なところを理解していただけるか、そのことをここでいろいろご 議論いただきたいと思います。 ○田中委員 勤務医の負担軽減の話です。地域別や診療科別の医師不足につ いては緊急対策を着実に進めていただくとして、勤務医の負担が増えている 共通の理由に、医療に要する時間の増大があるはずです。医療の高度化、説 明と同意書を取る時間、事後的な書類づくりが昔に比べてはるかに多くなっ ている実態を私は目にします。しかし、そのために、単に病院での初診料を 数パーセント上げるといった一般的な解決策では答えにならないと思います ので、医師が業務を効率化できるように補助業務者を付ける体制に対して補 助をつけるといった、めりはりのついた形にするとよいと思います。  もう1つは、私は全然専門ではないのですが、心のケアについて。これは 私の研究仲間で厚労省の研究班の班長をしている学者から教わった話ですが、 心の病を持った方全員が自殺するわけではない。資料2-1の2頁の3のイに 書かれている心の問題は自殺と子どもだけになっていますが、実は企業の中 で、心の病ゆえの休職者、離職者が増えているとか、介護をなさっている方 の心の問題もあるので、自殺だけではないというニュアンスが出るようにし ていただいたほうがよいのではないかと思います。 ○佐伯委員 高齢者については、とても綿密に手厚い制度を用意しようとい うことですが、妊娠期間中のことも。出産以降、誕生というところは入って いるのですが、その手前、280日間の妊娠期間中のことも、きちんとケアをす るべきだと思います。先日の奈良の、かかりつけ医を持っていなかった妊婦 の方も、1回当たりの自由診療にお金がかかるということがあった。ワーキン グプアでも若い世代が増えていますので、安心して次の世代をこの国がつく っていくということで、医療の中に妊娠を全部入れていただきたい。そんな こともこの部会でお話し合いいただきたいと思います。 ○豊田委員 「平成20年度の診療報酬改定に向けた検討について」の3頁の (3)「医療の質の評価」の下から2番目に、「提供された医療の結果により質を 評価する手法を検討する必要がある」と書かれていますが、これは非常に大 きな問題を含んでいると思います。直ちにこれが診療報酬とリンクして検討 されることは、場合によってはその病院のあり方に大きな影響を与えます。 つまり、医療というのは病を治す、人の命を助ける、それが結果です。そう しますと、当然のことながら、重症の患者を受け入れる所は結果が悪いので す。ですから、その辺は慎重に扱っていただきたいと思います。 ○山崎参考人(鮫島委員代理) この中で、最近非常に増えている高齢者の 認知症対策の項目が1つも入っていないのですが、認知症についての外来の 診療、あるいは入院の医療についてどのように対応するかということも、今 度の診療報酬改定の項目に入れてほしいと思います。 ○山本(信)委員 全体の政策をここで議論して、その後それに従った診療 報酬を組んでいくという観点ですね。今回は第1回目ですので、全体として 大枠の中が示されていることについてはやむを得ないと思うのですが、議論 が進む中で基本方針がまとめられるわけですから、それに向けて、もう少し 具体的な記載をしていただきたいというのが1点です。  もう1点は非常に細かなところになりますが、佐伯委員からもご指摘のあ った2頁「患者の視点の重視」というところ。今回医療政策を見ますと、キ ーワードとして安心と納得、プラス安全が挙がっています。わかりやすいと いうこともそうですが、安全をどう守っていくかという視点も要るのではな いかという気がいたしました。  もう1点は3頁。片方でイノベーションを進めるということで、新しい薬 をどう評価するかという部分と、それに合わせて後発品を進めていこうとい うことです。ここでは簡単に、後発品への置換えが着実に進む方法を検討す るのだということですが、実際にそれを進めるためには環境整備も当然必要 なわけで、そうしたことも議論の中で十分に進めていくようなことをお考え いただきたい。単純に置き換えればいいというわけではありませんので、今 後の基本方針をまとめるまでの議論の中で、より具体的に記載できるような 検討を是非お願いしたいと思います。 ○渡辺委員 尾形委員もおっしゃいましたが、在宅のことについて。4月17 日の、例の都道府県向け云々という参考資料の中で、特に診療所は24時間在 宅といった方針を打ち出しておいて、ここに在宅ということが一切触れられ ていないのは何か意図があるのですか。 ○医療課長 これの基になった中医協での検討項目(案)のたたき台で注釈 は付けておりましたが、在宅医療という分野は後期高齢者の医療におけるニ ーズが非常に高く、そちらのほうで十分検討するということで、そちらのほ うで十分書いてまいりました。別に74歳以下で在宅医療はないという認識で はなくて、当然共通する部分はありますので、その部分については後期高齢 者についての部会で十分な検討をしていこうと。中医協の中に入っていくと、 当然それは一緒に議論されます。そういう意味で今回この部分には書いてな いものです。 ○古橋委員 在宅に関しては私も同じ思いですが、もう1つは、これから地 域で連携していくことが本当に重要になります。いま病院勤務医師が本当に 長時間労働で疲弊しているということは政治問題になりました。国民の受診 行動というものは、大きな病院へ行きたい、その地域の中核になる病院へ行 きたいと。そういう思いが自然に出てきて、応需限界を超えるほどたくさん の患者が、ある病院で集中的に受診する。そういう構図をどう整理していく かという辺りについては、確実な情報を提供していくこと。国民が悪いわけ ではないのでしょうが、そういうことは非常に重要ではないか。  これは消防庁の関係ですが、救急車の依頼についても、コールが一定枠を 超えてあるということについて、賢い受診の仕方という点の啓蒙・啓発が重 要です。もう1つは、地域で連携する医療ということについては、是非とも 診療報酬で評価をし、かつ、それが国民にもわかっていくという対策が要る と思いますので、地域連携医療の評価は是非積極的にしていただきたいと思 います。 ○箱崎委員 今日の医療部会の議論は特別部会からの資料を基に議論されて いるわけですが、長寿センターで在宅医療推進会議がなされ、そこでいま諸々 の作業と議論が進められていると聞いています。したがって、医療部会にそ ういった資料が出されて、それを踏まえてまた議論なさるのか、あるいは特 別部会と長寿センターとの具体的な部分での連携が今後どうなるのか。事務 局のほうで方向性をお示しいただければお答えいただきたいと思います。 ○医療課長 長寿センターでいろいろ検討会を行っていることは承知してい るのですが、そこでは在宅医療の取組みに対する具体的な研修をどうするか とか、もう少し実践的なところをやっていると聞いていて、直接的にこの制 度の中でそれを取り上げることは考えていません。 ○中川委員 今後の診療報酬のあり方を考える上で忘れてはいけないのは、 今の混乱の1つは特定機能病院、特に大学病院がほかの一般病院と同じ土俵 に上がってきたことだと思うの です。それは7対1看護に見られるように、大学病院が全国の看護学校をかけ ずり回って集めるという行動によって大変な混乱を起こしました。高度の医 療を提供し、教育・研究といったことを責務とする大学病院は、補助金・寄 付金、それから委託研究の利益を得る等、財政基盤が違います。そういう大 学病院がほかの一般病院と同じ土俵に上がってくるということが、大混乱を 招いた1つの原因だと私は思います。  そこで、日本医師会として提案なのですが、前年度の実績を担保するとい ったDPCはこの際一旦廃止して、大学病院に特化した新たな包括化の制度を 作るようなことを考え直してはどうか、そのことを最後に申し上げたいと思 います。 ○椎名参考人(島村委員代理) 改定の基本方針が今後この部会で議論され ていくと思いますが、その議論の前に、前回の基本指針がどうなったのか、 その後中医協でどのように具体化されたのか、あるいは具体化されなかった のか、その辺をまず検証する必要があると思います。そこで、次回以降にそ の辺の議論ができるような材料を提出していただければ大変ありがたいと思 います。これは要望です。 ○部会長 次回以降への宿題がたくさん出たようです。そして、おそらく、 まだご意見はあると思いますが、一応予定の時間になりましたので、本日の ところはこの程度で終わらせていただきたいと思います。今後の進め方につ いて、事務局から説明をお願いいたします。 ○企画官 今後の本部会の開催時期ですが、平成20年度の診療報酬改定に向 けて「診療報酬改定の基本方針」の取りまとめをお願いしたいと考えており ます。そういうことで、10月と11月に複数回開催を予定させていただきたい と思います。現在日程調整を始めておりますので、日程が決まり次第改めて ご連絡をさせていただきます。  本日1つ目の議題「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)」 ですが、事務局において本日いただいたご意見を整理し、部会長にもご確認 いただいた上で特別部会に提出させていただきたいと思います。文書でいた だいたご意見についても、是非とも特別部会に提出したいと思っております。 もし、何か追加でご意見等をいただけるという場合には、先ほど部会長から1 週間ほどというお話がございましたが、できれば20日中に事務局のほうへ、 ファックスかメールで結構ですので、いただければ、今日のご意見と併せて 特別部会に提出したいと思っています。 ○部会長 本日はこれで閉会させていただきます。お忙しいところ、長時間 にわたって大変活発なご討論をありがとうございました。 照会先 医政局総務課 高島、柳田 連絡先:03−5253−1111(内線2519)