07/08/29 中央社会保険医療協議会総会平成19年8月29日議事録 07/08/29 中央社会保険医療協議会          第110回総会議事録 (1)日時  平成19年8月29日(水)10:58〜11:33 (2)場所  全国都市会館第2会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員  前田雅英委員 室谷千英委員  対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員  大内教正委員(代 清水) 松浦稔明委員        竹嶋康弘委員 鈴木満委員 飯沼雅朗委員(代 中川) 石井暎禧委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員        黒崎紀正専門委員       <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官 他 (4)議題  ○医療機器の保険適用について       ○臨床検査の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○社会保障審議会・後期高齢者医療の在り方に関する特別部会        における議論について (5)議事内容  ○土田会長  ただいまより、第110回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  まず、委員の選任について御報告いたします。青柳親房委員におかれましては、8月2 4日付で退任され、その後任として、同日付で石井博史委員が任命されております。まだ お見えになっておりませんが、お見えになってから御挨拶をいただきたいと思います。  続きまして、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、飯沼委員の代理で日本 医師会常任理事の中川俊男さんがお見えになっております。それから、大内委員の代理で 全日本海員組合の清水さんがお見えになっております。  次に、厚生労働省におきまして異動がありましたので、事務局より紹介をお願いいたし ます。 ○事務局(原医療課長)  8月24日付で異動がございましたので、紹介させていただき ます。  大臣官房審議官(医療保険・医政担当)の木倉敬之でございます。 ○木倉審議官  よろしくお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  それから、保険局総務課長、深田修ですが、所用のためにちょっと遅れております。  以上です。 ○土田会長  それでは、議事に入らせていただきます。  最初に、「医療機器の保険適用」について議題としたいと思います。  区分A2及びBにつきまして事務局から御報告をお願いします。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、中医協総−1、横長の表の資料をごらんいただきたいと思います。まず、医 科として、新たな保険適用区分A2(特定包括)でございますが、ことしの8月1日に保 険適用を開始されました特定包括のものが出ております。特定の診療報酬項目において包 括的に評価されている区分ということで、こちらにございます12件でございます。  1枚おめくりいただきまして、医科の区分B、材料価格として個別に評価されている部 分、これにつきましては、2ページ、3ページにわたっておりますが、24件でございま して、先ほどの12件と合わせまして、医科は36件でございます。  続きまして、一番最後のページでございますが、歯科につきましては、区分A2につい てはこちらの2件、区分Bについてはやはりこちらの2件ということで、歯科は4件。  これで歯科と医科合わせまして、合計40件でございます。以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。  よろしいですか。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「臨床検査の保険適用」について議題とし たいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  資料の中医協総−2をごらんいただきたいと思います。まず、こちらにございます区分 E2(新方法)(測定項目は新しくないが、測定方法が新しい品目)として3点出てござ いますが、その1つ目、「淋菌核酸増幅同定精密検査」ということで、測定方法はSDA (Strand Displacement Amplification)法というのがございます。この測定目的として、 尿、子宮頚管擦過物、男性尿道擦過物中または咽頭擦過物中のナイセリア・ゴノレア、こ れが淋菌ですけれども、そのDNAの検出ということで、点数210点とあります。  これにつきましては、1枚おめくりいただきまして3ページの説明をごらんいただきた いと思います。3ページに、この「淋菌核酸増幅同定精密検査」の説明がございますが、 この「有用性」というところをごらんいただきたいと思います。この検査で、DNAの増 幅と検出を同時に行うということで、時間短縮等ができる。この方法については、従来か ら認められていたわけなのですけれども、従来、口腔内常在菌が非常に影響を受けやすか ったということで、咽頭検体についてはこういう検査がなかったのですけれども、今回に ついては、その咽頭検体においても確度の高い診断ができるということで、薬事法上の一 部変更が行われて承認されたということで、こちらの方も保険収載をということで出てき ておるということでございます。  続きまして、その次の「フィブリンモノマー複合体定量精密測定」でございますが、こ れについては、主な対象として、DICと静脈血栓症または肺動脈血栓塞栓症の診断及び 治療経過の観察というふうになっておりますが、これにつきましても、従来、DIC(播 種性血管内凝固)については認められておったものが、今回新たにこのDICに加えて、 こちらにございます血栓症についても薬事法上の一部変更が行われて承認されたというこ とで、今回上がってきておるということでございます。  1枚目に戻っていただきたいと思いますが、この「フィブリンモノマー複合体定量精密 測定」、EV−FIAというこの測定法について今回上がってきたということで、点数は 240点、判断料としては、血液学的検査判断料135点ということでございます。  2ページ目でございます。同じ測定でございますが、測定方法が先ほどのEV−FIA ではなくてLA(ラテックス凝集法)についても、やはり先ほどと同様に、DICに加え まして血栓症が薬事法上承認されたということで、こちらに上がってきております。点数、 判断料については同じということでございます。  そして、その下に区分E3(新項目)というのがございますが、これは「血清中抗BP 180NC16a抗体」、測定方法はELISAということでございます。これにつきま して4ページ目に説明がございますが、この対象として水疱性類天疱瘡、これは皮膚科の 病気でございますけれども、これの診断または治療効果の判定ということです。この水疱 性類天疱瘡というのは、自己免疫性の疾患なのですが、この表皮と基底膜の接着に関与す るヘミデスモゾームの構成タンパク質、非常にわかりにくい説明になっておりますが、要 は、皮膚の下というか、そこの部分のタンパク質に対して反応してしまう抗体がこの病気 の原因になっているということでございまして、今回の試薬は、この病気の原因になって いる抗体のある部分に対する、それを検出するような抗体を測定するということでありま して、この新しい検査によって組織採取等を必要としないで測定が可能になったというこ とで今回認められたということでございます。  2ページ目に戻っていただきたいと思いますが、この点数は270点、判断料は144 点ということでございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございますでしょうか。  よろしいですか。ないようでしたら、本件につきましては、中医協として承認するとい うことにしたいと思います。  次の議題に移りたいと思います。「先進医療専門家会議の検討結果」について議題とし たいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  資料、中医協総−3をごらんいただきたいと思います。こちらに、19年6月受付分の 「先進医療専門家会議における科学的評価結果」ということで示されておりますが、今回 は、「膀胱水圧拡張術」というものが適当とされて上がってきております。この適応症は 間質性膀胱炎という病気でございまして、先進医療費用としては5万9,000円、保険 外併用療養費としては15万8,000円ということでございます。  2ページ目に示されておりますが、この検査、水圧拡張術は、腰椎麻酔下で、または全 身麻酔下で、膀胱内に水を注入して膀胱を拡張して行うというものなのですけれども、こ の治療的な意味と、また診断的な意味と、両方にわたって診断的治療というか、そういう ことができるということで、極めて有用であるというような判断がなされております。  適格性につきましては3ページの方に書いてございますが、適応症、有効性、それぞれ よいというような判定になっておりまして、一番下の総合判定は適となっております。  次の4ページ目でございますが、医療機関の要件として、泌尿器科において5年以上の 経験を持つ泌尿器科専門医が行うということなどの要件がこちらに示されております。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。  よろしいですか。それでは、ただいま説明いただきました技術につきまして、保険給付 との併用を認めることにつきまして承認したいと思いますが、よろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございました。  最後の議題になります。「社会保障審議会・後期高齢者医療の在り方に関する特別部会 における議論」につきまして議題としたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。後期高齢者医療の在り方に関する特別部会での議論につきまし ては、この4月の頭に、この特別部会で基本的な考え方をまとめていただきまして、それ については中医協でも御紹介をいたしました。その後、特別部会で、基本的な考え方をも とに様々な医療の場面を想定しながら議論を進めてまいりました。今日御紹介いたします のは、この特別部会で議論されました主な事項を、総論的な部分から、外来、入院、在宅 医療また終末期医療と、その場面に合わせて取りまとめたものについて御紹介をさせてい ただきます。  なお、特別部会におきましては、来月9月4日に、最終的には中医協で議論していただ くための診療報酬体系の骨子を議論していただくことになっておりまして、最終的には9 月末から10月頭ぐらいに取りまとめた上でまた中医協に御報告をしたいと思っておりま す。そういう意味で、今回お示しします資料は、その中間段階のものであるということで ございます。  2ページをごらんいただきたいと思います。まず、この総論部分でございます。ここで は、基本的な視点に加えて、特に意見が多くございましたのは医療の連続性ということに ついてでございます。ここでは幾つか書いてありますが、75歳以上かどうかという理由 だけで区別することが前提ではなくて、患者の尊厳の保持や患者の視点に立った「支える 医療」の構築という観点を頭に置きつつ、後期高齢者医療の在り方を検討すべきではない かという御意見や、基本的な医療の内容は、患者の必要度に応じて提供されるものであり、 74歳以下と変わらないのではないかという、医療の連続性等についての御意見がござい ましたし、また、国民の声には、少ないかもしれないが、必要な治療が受けられないので はないかという不安もある。これがなくなることを目指して検討していただきたいという ことがございました。  3ページでございますが、外来医療の場面においては幾つかのテーマがございましたけ れども、ここでは3つにまとめてございます。1つ目は、総合的に診る医師ということで、 後期高齢者については、総合的に診ることができる医師は大切であって、研修等を通じて その養成を充実していくべきではないかという御意見がございましたし、また一方で、患 者が病院の外来に行くことを直接制限するのではなくて、地域で総合的に診る医師が出て くる中で、そこでの診療が中心となるよう自然と収れんしていく方向をとるべきではない かといった御意見がございました。  また、この総合的に診る医師の役割として、患者の病歴等の一元的な把握ということが ございますが、その2番目に書いてありますが、診療の中心となり、患者の病歴、受診歴 や服薬状況を把握し、あわせて他の医療機関への受診状況等も含め一元的に把握し、患 者・家族・医療従事者間をつなぐ役割を医師が担うことが重要ではないか。このあたりは、 患者さんを総合的に診る医師がこういう中心の役割を果たしていただきたいという御意見 でございました。  4ページでございますが、同じことですが、「総合的に診る」という言葉の中には、他 科での受診状況をしっかりと把握すべきだということで聞き出す努力が必要ではないかと いう御意見がございました。また、薬に関しましては、服用している医薬品の情報を一元 化し、医師、歯科医師、薬剤師及び看護師がそれぞれ確認できるようにするとともに、あ わせて患者自身も把握できるようにすることが重要である。この薬に関する情報を共有す べきという意見で、そのための方法としては「お薬手帳」などがあるということが言われ ております。  また、関連しておりますが、情報の共有と連携というところで、受診歴、病歴、投薬歴 などの情報が、患者・家族、それから医療従事者等と共有されていることが重要ではない か。また、医療従事者間の情報の共有のみならず、介護・福祉等のサービスとの連携を進 めるため、主治医等を中心に相互の情報共有を図ることが重要ではないか。また一方で、 地域での連携は、ケアマネジャーも重要な役割を担うべきではないかというような御意見 がございました。  5ページでございます。入院医療につきましては、主として入院中にどうのこうのとい うよりも、退院を見据えたところの場面での御意見が多くございました。1つ目は、退院 後を見据えた入院医療ということで、退院後の生活に医療や介護がそれぞれどの程度必要 となるかは個々人によって様々である。そして、退院後の生活を見通した総合的な入院診 療計画を通じて、一律ではなく個々人に応じたきめ細やかな対応がなされるようにすべき ではないかという御意見、また、入院される際に、それまで診てきたかかりつけ医と入院 先の担当医との間での情報共有が必要ではないのか、こういう御意見がございました。  それから、入院中の評価及び関係者との情報共有ですが、入院中に生活機能等を含めて 高齢者の評価を行い、その情報が患者の在宅生活などを支える関係者に共有されるという イメージ、それは大変よいのではないかという御意見がございました。6ページでありま すけれども、退院後も医療と介護が継続的に提供されるためには、ケアカンファレンス等 による情報伝達や共有が不可欠である。また、現場任せにせず、これらのことが第一線で 実践されるための仕組みづくりを考える必要があるのではないかという御意見がありまし たし、ただ一方で、このようなケアカンファレンス等をすべての退院患者に対して一律に 行うのは困難かもしれないという御意見もございました。  それから、退院時及び退院後の支援ということで、入院から退院されるときの支援です が、患者は退院直後に最も不安となるが、このあたりをしっかりと支えることが求められ るのではないか。また、退院後の生活を支えられるよう、病院、地域ともに十分に連携し て積極的な役割を果たすべきではないか。それから、地域に戻っても必要な医療が継続的 にできるような仕組みが必要である。退院調整がなかなか現場で行われていないが、退院 調整がどうやってできるか、あるいは医療機関同士だけでなく、様々な職種が連携するこ とが大事ではないのかというような御意見が出されておりました。  それから7ページ、在宅医療でありますけれども、いろいろな場面の中で、この在宅医 療がやはり一番大きなウエートを占めて議論をされたところでございます。主な議論の意 見でございますが、8ページをごらんいただきたいと思います。ここでは、「在宅療養を 支えるチーム医療」という言葉でまとめております。まず1つ目、やはり「情報の共有と 連携」というところですが、まず1つ目が医療関係者間の連携等。主治医等が中心となり、 患者に関する情報を提供し、医療従事者間での情報の共有を図ることが重要ではないかと いうこと。また、主治医を中心に、患者・家族・医療従事者間で、急変時の対応を含めて、 連絡先等の情報を共有することが重要ではないか。予測される急変時に慌てて救急車を呼 んで、それまでの医療が中断されて別の医療の世界に入ってしまうというようなことが想 定されるので、こういうような情報共有が必要だという御意見でした。  また、介護従事者等の関係者との連携ということで、1つ目、2つ目は先ほどの外来の ところでも出てまいりました情報の共有化が1つ、それから、その後の方に主治医が行う 総合評価の結果を、患者・家族・医療・介護従事者間で共有し、診療や介護予防等に活用 することが重要ではないか。高齢者に対する総合的な評価、様々な、意欲があるかとか、 あるいは認知症がないかとか、そういうような評価を今後やっていく必要があるという意 見を踏まえての御意見でございます。  そのほか、病院による後方支援ということで、この在宅の患者さんと病院とのつながり のところなのですが、在宅患者の病状の急変時等入院が必要となった場合等に、円滑に入 院できるようにするとともに、在宅での診療内容や患者の意向を踏まえた診療が、入院先 の医療機関においても引き続き提供されるよう、医療機関間の連携を強化することが重要 ではないか。このあたりは、在宅での診療の継続ということを入院した場合にも進めるべ きではないかという御意見でございます。  9ページでございますが、その他、在宅療養を支える各種支援ということで、1つ目、 歯科医療でございます。要介護者の継続的な口腔機能の維持・管理を推進することが重要 ではないかということ。  また、服薬管理等に関しては、本人や家族、介護者による服薬管理等を支援するための 「服薬カレンダー」の活用や必要とされる「薬の一包化」等を推進することが重要ではな いかという御意見がございました。  また、訪問看護の場面においては、定期的・継続的な訪問看護を夜間・深夜・早朝を含 めて24時間いつでも提供できるよう、充実を図ることが重要ではないか。このあたり、 なかなか訪問看護、量的にもまだ十分ではないという御意見を踏まえての御意見でござい ます。また、在宅医療を行う医療機関等との連携体制の充実が重要ではないか。また、在 宅療養する高齢者で状態が不安定であり医療行為の必要なケースに複数回の訪問が必要と なることもある、そういうような評価を十分するべきではないかという御意見等がござい ました。  また一方で、介護保険の施設としての居宅系施設を含む様々な施設等における医療とい うことで、こういう居宅系施設を含む様々な施設等の中で、現在確保されている医療の内 容、基本的に想定されている医療の内容も踏まえつつ、施設の外から医療を提供していく というような形態を今後考える必要がありますが、それについて適切な評価を行うことが 必要ではないかということがございました。  10ページ、終末期における医療についてでございます。ここでは、やはり「本人の意 思の尊重等」というところで意見がございまして、終末期の意思確認は、後期高齢者一人 一人に必要ではないか。終末期が見通せる状況であれば、本人の意思を確認できる仕組み を整えることが重要ではないか。また、本人が意思表示できない場合で、しかも本人の意 思を代弁できる家族がいないときなどの延命治療の在り方について、はっきりとさせてお くべきではないのかという御意見もございました。  それから、終末期における診療、看取り等に関してでございますけれども、2つ目にあ りますが、終末期に希望する診療内容等について、事前に書面等で示し、関係者間で情報 を共有することが重要ではないかという御意見がございました。また、最終ステージでの 看取りの段階になりますと、事前に臨終の予測、あるいは死亡確認の段取り、看取り後の ケア等について、家族に十分説明し、また医師とも連携して看取りを行うことが重要なの ではないかという御意見がございました。  また、最後の11ページでございますが、疼痛緩和ケアでございます。これは特にがん の末期の患者さん等についてですけれども、緩和ケアについて我が国は必ずしも十分では ないという指摘もございますが、特に在宅にかかわる医療従事者が正確な知識と認識を持 つべきであり、専門家による研修等の充実が必要ではないかという御意見がございました。 また、在宅ターミナルケアで使用する医療用麻薬の服薬指導等について、特にこれは医療 機関ではなくて患者の居宅で当然保管されますので、廃棄などの方法等についても十分な 指導やあるいは定期的な確認ということが重要になるという御意見がございました。  このようなものを踏まえまして、骨子に向けての取りまとめを現在している段階でござ います。  説明は、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御意見、御質問などございましたら、どうぞお願いします。 ○坂本専門委員  最後の11ページのところですけれども、「退院後、数時間から」云々と書いてありま すが、「医師は死亡確認をするが、看取りの前後は看護師がケアを行っていることに留意 すべきではないか。」、これはどういうことを言わんとしているのでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  ここの意味は、この看取りの前後、訪問看護ステーションから看護師さんが行って診て いる場合が多い。それについて十分評価をしていただきたいという意図が多分この裏にあ るということでございます。  もう少し具体的に言いますと、例えば在宅療養支援診療所、平成18年度につくってい ただきましたが、そのときの看取りといいますか、最後のターミナルケアの部分で、在宅 療養支援診療所がそのターミナルケアを行うのは1万点という点数がついている。それに 対しまして、訪問看護ステーションの場合は、金額で1万2,000円ということで、点 数にすると1,200点、そこで随分差があるのではないかということを踏まえての御意 見だったと記憶しております。 ○土田会長  ほかにございますでしょうか。 ○古橋専門委員  9ページの5つ目の丸でございます。訪問看護の領域でございますけれども、在宅医療 では、電話等によります相談、支援というものの意味と効果が大変ございます。やや乱暴 かもしれませんが、例えば一つの地域を病棟ととらえますと、電話はナースコールと同じ ような、患者さんとのやりとりの中で重要でございます。そうした電話対応というものを どう評価していくのか。それは的確に正しく実質的に評価できるのかどうかは悩ましい点 もございますけれども、地域を一つの医療提供体制の区画、区分ととらえますと、この電 話によります支援、相談というのは本当にホットなものがございます。そういう点を今後 どう評価されるかということは大事な論点のように考えます。この5つ目の丸の記載に関 しましても十分な検討がなされることが必要と思います。 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○対馬委員  今後のスケジュールの関係で、冒頭もちょっと説明がございましたけれども、この特別 部会で9月4日にできれば骨子をまとめ、それを踏まえて医療保険部会とか医療部会の方 で議論し、議論を踏まえてこの特別部会の方で取りまとめをするのでしょうか。その後我 々中医協の方に出されるということなのかもしれませんけれども、特別部会での取りまと めと、それから医療保険部会・医療部会、そこでの審議、そこの関係がいま一つよくわか らない。つまり、医療保険部会・医療部会では、診療報酬について、2年ぐらい前ですと、 基本的な考え方を取りまとめたのですね。それを後期高齢者を中心にしたこの問題につい ても、医療保険部会・医療部会としては、基本的な考え方を取りまとめるのか。そうでは なくて、議論のみ行い、それを踏まえた上で、改めてこの特別部会で議論を踏まえて取り まとめを行うのか、そのあたりの関係がよくわからないのです。 ○事務局(原医療課長)  まず進め方としてですが、9月4日に診療報酬の骨子のたたき台をそこでまとめていた だく。それをもとに医療部会と医療保険部会でそれについていろいろ議論をいただいて御 意見をちょうだいして、それを踏まえて特別部会の方で骨子の取りまとめを行います。診 療報酬の基本方針というのを前回の改定時に取りまとめいただいていますけれども、それ をもとに中医協で肉づけをしていくという段取りですが、後期高齢者医療の診療報酬につ いては、この特別部会の骨子を中医協に持ってきて、それに肉づけをしていただくという ことを考えております。  ただ、それ以降は、一番初めですのでこういう形をとりましたし、また、後期高齢者に ついては特別部会という形で設置をしているということもありまして、次の22年になる かどうかは別にしまして、それ以降の改定作業についてどういう形でするかはまだ中でも 検討はしておりません。未定であるということであります。ただ、1回目のときはそうい う形でやらせていただくことにしております。 ○対馬委員  わかりました。 ○土田会長  そうすると、後期高齢者の基本方針と、それから一般の次期改定の基本方針と、2回出 てくるということですね。 ○事務局(原医療課長)  言葉として、あれは基本的方針だと思うのですけれども、それと、後期高齢者の方は骨 子と言っておりましたので、イメージは同じものなのですが、名前はちょっと違いますが、 それがそれぞれ出てくるという形になります。 ○土田会長  わかりました。  ほかにございますか。  それでは、大島先生、せっかくですから何かございますか。 ○大島専門委員  特別部会において議論されている事項で、在宅医療は、これからの医療で極めて重要な ものになってくると思います。私どもの長寿医療センターの何か宣伝みたいな話になりま すけれども、それを踏まえまして、在宅医療の受け皿を具体的に一体どうするかというこ とが関係者の間で1年以上も前から非常に大きな議論になっていまして、ことしの5月に、 医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、あるいは関連の医学会など18団体が一緒に なって、在宅医療推進会議をたちあげました。参加している諸団体すべて、これからの医 療の中で在宅医療は極めて重要だという点で完全に認識が一致しております。制度が在宅 医療の方向にどんどん進んでいますけれども、実際の受け皿については非常に不安です。 そこで、目標を、看取りまできちんと行える在宅医療の受け皿をきちんとさせるというこ とで、今精力的にその議論を進めております。年内に、今日ここで示されているような課 題にこたえられる具体的な実行計画をまとめる段取りというのか、そういったことが進ん でいるということを御報告させていただきます。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは、ほかに御質問などないようでしたら、本件につきましては引き続き御議論い ただくということで、今日はこれで終わりにしたいと思います。本日総会に用意してあり ます議題はこれだけでございます。  次回の日程が決まっておりましたら、教えてください。 ○事務局(原医療課長)  未定でございますので、また御連絡いたします。 ○土田会長  それでは、これで終わります。どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)