07/08/29 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年8月29日議事録 07/08/29 中央社会保険医療協議会          第98回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成19年8月29日(水)10:01〜10:54 (2)場所  全国都市会館第2会議室 (3)出席者 土田武史小委員長 遠藤久夫委員 白石小百合委員 前田雅英委員        室谷千英委員       対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 大内教正委員(代 清水)        松浦稔明委員        竹嶋康弘委員 鈴木満委員 石井暎禧委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員        <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官 他 (4)議題  ○今後のDPCの在り方について (5)議事内容  ○土田小委員長  ただいまより、第98回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催いた します。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、大内委員の代理で清水さん がお見えになっております。  なお、保険局長は、公務のため遅れて出席するとの連絡を受けております。  次に、厚生労働省におきまして異動がありましたので、事務局より紹介をお願いいたし ます。 ○事務局(原医療課長)  厚生労働省において8月24日付の異動がございましたので、紹介させていただきます。  審議官ですが、木倉敬之大臣官房審議官(医療保険・医政担当)でございます。 ○木倉審議官  よろしくお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  それから、保険局総務課長、深田修がかわりましたけれども、公務で遅れております。  以上でございます。 ○土田小委員長  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、去る8日に引き続きまして、「今後のDPCの在り方」につきまして議題とし たいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。それでは、資料に従いまして順次説明させていただきます。 本日は、「今後のDPCの在り方」ということで、何種類か資料を提出させていただいて おります。  まず、中医協診−1、「今後のDPCの在り方について」という資料がございます。こ れは、前回8月8日に提出させていただきました資料ですので詳細は説明いたしませんが、 まず1枚目に「目的と経緯」ということで、こちらに書いてございます。  1枚おめくりいただきまして、2枚目のところに「DPCの現状」、そして「今後の在 り方」ということでございますが、これまでの経緯、現状を踏まえて、今後の在り方とし て、前回も御報告させていただきましたが、今年度DPCの準備病院の方を募集しました ところ、約700の病院が手を挙げてきたということで、当初DPCが始まったときから 比べまして、大きな総合病院からいわゆる専門病院までさまざまな病院が入ってきている、 こういう中で、今後DPCをどのようにしていくのかということについて御検討いただき たいということでございます。  そして、「検討すべき課題」として、白丸2つ書いてございますが、1つはDPC対象 病院数の拡大に伴い、制度・運用の見直しが必要ではないかということ、それからもう1 つは、医療機関別係数についてどのように対応するか検討すべきではないかということ。 この2点につきまして前回御議論を始めていただいたということでございます。  その次の3ページ目は、18年2月の中医協答申附帯意見、それからその下にDPC対 象病院の基準とございますが、1つ目の白丸は必須の条件、2つ目の白丸が、満たすこと が望ましいという条件が5つございますが、これについてどのようにしていくかというこ とを御議論いただきたいということでございます。  その次の4ページ目でございますが、前回まで公表させていただきましたそれぞれの対 象病院の病床数の状況をここに御報告させていただいたということでございます。  これが前回の資料ということでございます。  次に、中医協診−2−1をごらんいただきたいと思います。前回の御議論の中で、これ までの拡大の経緯、そして趣旨というようなお話しがございましたけれども、なかなか資 料の中で趣旨について明記したものがございませんで、それぞれの拡大の時期にどのよう な議論があったのかということを、この診−2−1、横長の資料で示させていただいたと いうことでございます。  平成14年の改定時には、この2月20日の中医協総会の答申書附帯意見として、特定 機能病院等における入院医療に係る支払方式を、患者の疾病に応じた医療機関別の包括払 いを原則とした方式とするということ、おおむね1年後を目途に導入を図るということが 附帯意見として出されたということでございます。  平成15年の改定時には、1号側・2号側意見と、一緒に書いてございますが、この1 4年・15年改定のときには、1号側・2号側ともこういった特定機能病院に対してDP Cを適用するということについて両者賛成という御意見でございました。そういうことか ら、1号側・2号側、一緒に書いてございます。具体的には「特定機能病院に導入すべ き」、「今後データ収集、分析を行い検証すべき」、「必要に応じて柔軟に見直しを行う べき」ということで、導入に当たって、そのデータを収集して検証しながらやっていくべ きだというようなお話でございました。  その結果、平成15年2月26日の中医協総会の答申書附帯意見として4点ほど書いて ございますが、1番目として、「診断群分類等については、この実施状況等を踏まえ、柔 軟に必要な見直しを1年以内に行うこと」、2番目として、「特定機能病院の機能を適切 に評価するという観点から、引き続き、外来の機能の評価の在り方を含めた医療機関別の 評価の指標について検討を行うこと」、3番目として、「包括評価の範囲について検討を 行うこと」、4番目として、「包括評価については早期に実施されるよう努めること。ま た、実施の猶予期間については、大学病院における準備状況を把握の上、必要な措置につ いて検討すること」ということでございます。  その下の四角にこのDPCの導入状況を書いてございますが、特定機能病院である大学 病院、国立がんセンター、循環器病センターの計82病院ということでございます。この ときの診断群分類は2,552、そのうち包括が1,860ということでございます。  そして、資料に書いてないのですけれども、実はこれを踏まえて、このときの15年3 月28日には閣議においてもこういったDPCについて包括評価を実施するということが 決定されております。  続きまして2ページ目でございますが、16年の改定時、このときにDPC拡大の議論 につきまして、1号側と2号側で御意見が割れております。  1号側の御意見としては、対象病院拡大を推進すべきである。特に実施したいと言って きている一般病院もいるところでありまして、そういった病院についても対象にすべきで あるというような御主張でございました。この拡大推進の理由として、DPCによって患 者や家族が非常にわかりやすくなるということ、それから、過剰診療というものが解消さ れる効果があるということ、それから医療の効率化というか、特に事務的な部分について の効率化も進められるというようなお話がございました。  これに対して2号側の御意見としては、対象病院拡大に慎重ということでございまして、 こういった包括払いによって、患者選別、軽い患者さんを診るように選別してしまうので はないかというおそれがあるということ、それから粗診粗療のおそれが出てくるというよ うなこと、また、こういった定額ということによってなされる医療行為が決まってくると いうか、そういうことから医療の硬直化が起こるのではないか、そういうようなおそれが 御意見として出されました。そして、この特定機能病院について検証を行っているわけで ございますが、この検証が十分行われるまでは対象を広げるべきではないと、特定機能病 院等に限定すべきである。  こういった、1号側と2号側の御意見が分かれておったということでございます。  そして、御議論をいろいろ重ねた末に、2月13日においてまとまりましたこの中医協 総会の答申書の附帯意見としては、「急性期入院医療については、DPCや手術の施設基 準などについて、必要なデータの整備や分析体制の強化等を図り、その評価の検証を行う こと」。こういった御意見をつけて同意に至ったということでございます。  そしてその一番下の四角に書いてございますように、対象病院として、平成15年度か らの82病院に加えまして、62病院について試行的適用病院という形で追加されたとい うことでございます。  続きまして3ページでございますが、18年の改定時でございます。18年につきまし ては、やはり1号側の御意見としては、この対象病院拡大を推進すべきであるという御意 見、2号側につきましては、やはり16年のときと同じように、拡大に慎重という御意見 もあったわけございますが、ただこのときに委員の変更があったということもあって、実 施したい一般病院については拡大してもいいのではないかというような御意見も2号側の 御意見として出てきたということでございます。  具体的に申しますと、まず1号側の御意見として、拡大推進の理由として、在院日数の 短縮、過剰診療の解消、医療の効率化、これは16年度と変わらないわけですが、このよ うな理由で拡大すべきである。  それから2号側の御意見としては、やはり粗診粗療あるいはアップコーティングという ような問題も出てきている、そして検証を十分行うべきではないかというような御意見、 これがその慎重な御意見ということでございます。それに対しまして、一般病院も対象と すべき、拡大していくべきという御意見としては、このDPC導入によって他の病院と比 較することにより医療の標準化というものができるのではないかという御意見、それから、 DPC導入によって職員のコスト意識が高まってくる、こういう効果があるというような 御意見もございました。そして、拡大するに当たっては、医療の質を担保するためにDP C対象病院の基準が必要ということで、先ほどお示しさせていただいたような必須の基準、 また望ましい基準というものが出てきたということでございます。  このような御議論を踏まえまして、18年2月15日の中医協総会において、対象病院 を拡大するということで諮問があったわけでございますが、答申として、その附帯意見に は、DPCについては円滑導入への配慮から、制度の安定的な運営への配慮に重点を移す 観点も踏まえ、調整係数の取り扱いなど適切な算定ルールの構築について検討を行うこと、 このような附帯意見がついて合意に至ったということでございます。  そして対象病院としては、15年度の82病院、16年度の62病院に加えまして、こ の18年度に216病院加わりまして、合計360病院となったということでございます。  次に4ページでございますが、こちらに、先ほど申しました質を担保するための基準と して、まず上の白丸がその必須の基準、看護配置10対1、診療録管理体制加算算定また は同等の体制を有する、それから標準レセ電算マスターに対応したデータの提出を含め 「7月から12月までの退院患者に係る調査」に適切に参加できる、この3つの必須の基 準、そしてその下に5点ほど書いてございますが、「望ましい」という基準が示されたと いうことでございます。  その次の5ページですが、これは4ページと5ページと同時に見ていただいた方が多少 わかりやすいかと思うのですけれども、5ページには、「望ましい基準の届出要件と医療 機関数」ということでお示しさせていただいております。そして、例えば「望ましい基 準」の一番上の「特定集中治療室管理料を算定していること」というのがございますが、 これの人的要件、施設要件についてこちらにお示ししてございます。  そして、一番右側の欄に、実際に届け出ている医療機関数というものが示されておりま すが、これは平成18年7月1日時点での、全国の医療機関について届け出ているものが 554病院であるということでございます。その次の救命救急入院料についても同様に示 させていただいておりますが、これにつきましては188病院しかないということでござ います。病理診断料につきましては届出義務がないので、特に数字はこちらにお示しさせ ていただいておりません。把握しておりません。それから麻酔管理料については2,71 0病院、画像診断管理加算については、この管理加算1を届け出ているのが751病院、 156診療所、管理加算2を届け出ているのが868病院、2診療所ということでござい まして、特に救命救急入院料をごらんいただきますと、これで縛るだけで現在の360病 院に満たない。つまり、この「望ましい要件」について今後御議論いただくわけでありま すけれども、もしこの要件を必須にしてしまうと、現在の360病院の中でもこの要件を 満たさない病院が数多く出てくることになるということでございます。また、特定集中治 療管理料につきましても、非常に厳しい要件であるということがこちらでおわかりになる と思います。  続きまして、診−2−2の資料について御説明させていただきたいと思います。今お示 しさせていただきました「望ましい要件」について、どの程度の病院が算定しているのか ということについてが示されたのがこちらの表でございます。一番上の表の平成15年度 DPC対象病院をごらんいただきますと、これが82病院ですが、この82病院、ほとん どこの5要件を満たしていると言いたいところなのですけれども、実は特定集中治療室管 理料についても2病院がまだ満たしていない、それから、救命救急入院料算定につきまし ては、先ほどお示しさせていただいたように非常に厳しい基準なのですけれども、半分も 算定できていないというような状況がございます。  これが16年度対象病院、18年度対象病院、また、18年度準備病院、19年度準備 病院というふうに下っていくに従って、これはむしろ2つ目の表でごらんいただいた方が わかりやすいと思うのですが、何%の病院がこういうものを算定しているかということに ついてこの表は示しているのですけれども、全体的に言って、下に下っていくほど、どち らかというと算定が低くなっているというような状況がごらんいただけると思います。  それで、ここでちょっと、後ほどまた説明いたしますが、19年度DPC準備病院につ いて、一応702という現時点の数字を示させていただいております。約700病院とい うことで前回お伝えしているのですが、まだ若干落ちる病院もあるかとは思いますが、現 時点で702ということでこちらをお示しさせていただいております。  そして、上から3番目の表でございますが、こちらに先ほど示しました5つの「望まし い要件」のうち、幾つの項目について算定しているかということを示させていただいてお ります。これをごらんいただきますと、15年度DPC対象病院は、ほとんどの病院が4 項目もしくは5項目について算定しているということでございます。これが16年度の対 象病院ですと、そのピークは3項目と4項目のあたりに来ておりまして、18年度対象病 院は4項目のところがピークであります。これが18年度準備病院になりますと、3項目 のところがピークになっておりまして、19年度準備病院については、1項目か2項目の ところがピークになっておるということで、この算定項目の数について見ますと、やはり 大体下に行くほど算定できている項目の数が減少するような傾向が見られるということで ございます。  続きまして、2ページをお開きいただきたいと思いますが、上の図は、横軸に「望まし い要件」を満たしている数、つまり、0というのは5要件のうち1つも満たしていない。 それから1、2、3、4、5と、右側の5がすべての要件を満たしている病院をあらわし ておりますが、縦軸に調整係数を示させていただいております。  これで何を見ているかと申しますと、調整係数が高いほど医療資源を投入しているとい うことから、これは一つの仮説でありますけれども、例えば項目をたくさん満たしている 病院ほど、それだけ例えば難しい患者さんも受け入れて資源を投入して調整係数も高いの ではないかというような、そういう発想からこのようなデータをとってみました。しかし ごらんいただけばわかりますように、やや右肩上がりのようにも見えますけれども、それ ほどはっきりしていない、つまり、項目が多いほど、先ほど申しましたような仮説が必ず しもちゃんと合っているかどうかというか、そこのところはあまりはっきりしないのでは ないかというようなことがわかると思います。  ただ、下に表がございますけれども、「望ましい要件の数」が0とか1とかについては、 病院の数が少ないので、この辺について、統計的にきちんと解析するとどうなるかという のはまた難しいところだと思うのですけれども、少なくともこれで見る限り、要件をたく さん縛ればそれだけ高度な医療というか、そういうものに結びついているということがこ のデータからはなかなか言いにくいのではないかなということでございます。  続きまして3ページでございますが、今度は15年度、16年度、18年度の対象病院 と調整係数の分布について白丸でプロットさせていただいております。これをごらんいた だきますと、1番目の15年度対象病院、これは特定機能病院ですけれども、調整係数が 1.0〜1.1ぐらいのところにたくさん集まっているというような感じで見られます。 16年度につきましては、1.0をちょっと上回ったところに少し数の多いところがある のですが、けっこう散らばっているように見えます。18年度対象病院については、1. 0、やや低いところか、その前後ぐらいに非常に固まっているというようなことが見えま す。  この図から2点言えると思うのですけれども、1つは、15年度対象病院であるこの特 定機能病院の方が、やはりほかの病院のグループに比べて、どちらかというとやや調整係 数の高いところに固まっているかなということ、それから2点目は、18年度対象病院と いうのは、今回拡大ということで、特定機能病院と違うかなりいろいろな病院が入ってき ているのですが、多様だ多様だと言われている割には比較的ある部分でわりとまとまって いるというようなことが見えるのではないか、そういうことがこのグラフからわかると思 います。つまり、資源の投入についてどのぐらいばらばらかという話とか、この条件とか、 そういうことについて、この5条件で縛るということが、本当にこういった資源の投入な り質というものに結びついているかということがなかなか評価しづらいのではないかとい うことがこの辺のデータからわかるのではないかと思います。  続きまして、診−2−3の資料でございますが、これは、前回お示しさせていただいた 表に19年度準備病院の数字を入れたものでございます。例えば一番上の表でごらんいた だきますと、19年度準備病院702ということで、約700病院、現時点で702病院 にほぼ固まりつつある。先ほど申しましたけれども、まだちょっと今月分のデータはきち んと出せるかどうかというところで、若干減る可能性もあることはありますけれども、大 体ここから大きく変わらないだろうということで、とりあえず702ということで示させ ていただいております。ただ、変更があるということで星印で注釈をつけさせていただい ておりますが、こういう分布の状況になっております。下から2番目の表をごらんいただ きますと、この19年度準備病院も含めまして、DPC対象病院と準備病院合わせまして 45万7,691床ということで、ベッド数にしますと、一番下の表にございますように 50.62%になっている。現在こういう状況まで来ておるということでございます。  それから2ページ目でございますが、「DPC病院における10対1以上の入院基本料 算定状況」ということで、このDPCの必須の基準として10対1をとってくださいとい うことを言っております。ただ、現在とれない場合は来年の4月までにとってくださいと いうことで、若干とっていないところもあるのですけれども、これをごらんいただきます と、一番右側の欄をごらんいただくとわかりやすいと思うのですが、例えば7対1の入院 基本料につきましては、現在7対1をとっている病院のうち、62.2%をこのDPC対 象病院・準備病院が占めている。それから10対1入院基本料については、41.5%を DPC対象病院・準備病院が占めているという、現在こういう状況であるということでご ざいます。  以上でございます。 ○事務局(原医療課長)  資料、ちょっと一部だけ訂正をさせていただきます。中医協診−2−2の2ページ目で すけれども、上のグラフで、2項目、3項目、4項目を満たしているところの下の方とか 上の方に「○」が外れ値として書いてありますが、そこの横に数値が書いてありますが、 その数値が若干間違っておりますので訂正させていただきます。2項目めで下の方に外れ ている「0.8048」と書いてあるのは、「0.802」という値に訂正をお願いしま す。3項目の上の方に外れている「1.114」ですが、これを「1.197」に訂正を お願いいたします。それから4項目のところの外れ値の「1.178」を「1.227」 に訂正をお願いいたします。これはいずれも下の表の最小値あるいは最大値のところに数 値は出ておりますので、写し間違えということで訂正をお願いいたします。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  準備病院を含めまして、DPCの病院が非常に拡大しておりまして、新たな調査分析が 必要になってきているというような状況であるとか、あるいは基準の見直しが必要ではな いかというような状況がただいまの説明からうかがわれるわけでございますけれども、こ の説明につきまして御質問あるいは御意見等ございましたら、どうぞお願いします。 ○石井委員  質問です。現在、準備病院で手を挙げているところで、この必須要件の方は全部満たし ているのか、満たしていないところも一応準備病院として手を挙げているのか、その辺を お伺いします。 ○事務局(宇都宮企画官)  先ほど示しましたように、必須の条件につきましては満たしておりますが、ただ、10 対1については平成20年度までに満たすべく計画を策定ということで、ここの部分で、 一部現時点では満たしていないところがございます。 ○土田小委員長  よろしいですか。ほかにございましたら。 ○対馬委員  質問ですけれども、1つは、診−2−3の2ページ目で、7対1をとっている中でDP Cは約6割強、10対1だと4割ということですけれども、いずれまた7対1の議論をす る必要もあるということですので、7対1をとっている病院のうち、ベッドの数で言うと 大体何割ぐらいになるのかというのはわかりますでしょうか。62よりはもう少し高くな るのではないのかなという感じはするのですけれども。また10対1もわかればというの が1つです。 ○事務局(宇都宮企画官)  まだ集計してございません。 ○対馬委員  それは集計すれば出るわけですね。 ○事務局(宇都宮企画官)  ええ、最終的には出ます。 ○対馬委員  また後ほど教えてください。  それからもう1点ですが、診−2−2の3ページ目で、これは異常値と言うとちょっと 言葉は過ぎるのかもしれませんけれども、例えば上から2番目の16年度対象病院のとこ ろを見ますと、1.2より高いところ、また、(3)の18年度の調整係数で言いますと、0. 8という低いところがあります。こういった調整係数というのは、どういう病院がどうい う理由でこういった係数なのかはわかるのでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官)  こういった病院については、前回の資料でもそれぞれの調整係数を公表させていただい ておりますので、そちらをごらんいただけば何病院かというのはわかると思います。その 理由というのはちょっと現時点では詳しく調べていないので、何とも一言でお答えいたし かねます。 ○対馬委員  病院の名前を知りたいというよりは、むしろ要因を知りたいということなのです。調整 係数の議論をするときにも、調整係数が高いというのはどういう要因なのか、低いという のはどういう要因なのかということを知りたいわけでして、そのあたりは、今日でなくて も結構ですから、またの議論のときによろしくお願いしたいと思います。 ○土田小委員長  よろしいですか。次回お願いします。  ほかにございますでしょうか。 ○竹嶋委員  診−2−1の「DPCの拡大をめぐる論点の整理」、これはありがとうございました。 私ども昨年4月からこの席に着かせていただきましたので、これまでの経緯がよくわかり かねるところがあったのですが、参考とさせていただけて助かりました。その中で、15 年改定時も当然でしょうが、「今後データ収集、分析を行い検証すべき」と。それからま た、16年度もやはり「検証」ということを何度も言ってきているのだけれども、16年 2月ですね、この資料の2ページのところを見ますと、新たな対象病院拡大144という のがありますが、このときの検証というのはどこかで十分なされたのですか、どうなので しょうか。 ○事務局(宇都宮企画官)  御質問は、16年度の62病院について検証した上で入れたかということでございます か。 ○竹嶋委員  この点については私は確信はないのですが、16年度改定時に両方でかなり御議論があ ったと、それは聞いております。そのときに、1つは82特定機能病院ですね、対象の、 そのうちの4つか5つか、そういう病院のデータの検証であったと、これは間違いないの ですか。私は質問させていただきたいのは、去る16年2月13日、中医協総会の答申書 附帯意見のうちで、「必要なデータの整備や分析体制の強化等を図り」ということを再度 強調しておりますので、その後きちっとした対象病院をもっと広げてなさったでしょうか という、単純な質問です。 ○事務局(宇都宮企画官)  それにつきましては、15年度にDPC評価分科会というものを立ち上げまして、その 中でこういった病院からとったデータについての検証をしておるというところでございま す。先日、4月でしたか5月でしたか、そのときに行われた報告では、粗診粗療というよ うな質の低下については認められないというような御報告をいただいております。 ○鈴木委員  御説明で、現在のDPCが玉石混交だという事実はよくわかりました。したがいまして、 何らかの意味でふるいにかけ直す必要があるようなことの私は意見でありまして、200 5年と2006年を比較しますと、これは社会医療診療行為別調査でございますけれども、 DPC病院はプラス7.6%でございまして、それ以外の病院は0.2%のプラスになっ ております。平成14年の過去3度の改定で、病院経営というのが非常にがけっ縁に立た されまして、DPCはある意味で病院の救世主でありました。しかしながら、結果として はこういう形になっております。早期退院の促進でございますとか、後発医薬品の使用等、 経営の合理化を優先した行動を派生したということの是非は問いませんが、医療経営上に インパクトを与えたという、そういう役目は一応終えんしなければいけない時期ではない かと考えております。  したがいまして、これから調整係数というものが数年後に廃止されるのであれば、これ は限りなく出来高払いに移行するという結果になります。急性期病院の条件整備をもう一 度構築していただきたいと思いますし、私はこれは個人の考えとしては、現在のDPC、 アップコーディングとかの、前回阿部室長にいろいろ説明を受けましたが、DPCには明 瞭なペナルティーが今存在しておりませんので、そのあたりを含めたルールづくりをお願 いしたいと思います。 ○土田小委員長  ほかにございますか。 ○松浦委員  私も今の意見は賛成でございます。 ○古橋専門委員  いわゆる準備病院等の流れを見ますと、本当に急速に増大しているという現象が事実ご ざいます。もともとDPCというものの導入の目的の原点には、急性期入院医療というも のをどうとらえるかということがあったと思います。そういう点では、入院基本料の議論 もそうですけれども、急性期入院料というものの領域とか制度的な定義・概念というもの を明らかにしていくことが、医療を受ける国民の側にもわかってくるので、私はこのDP C論議の論点の中から、急性期入院料というようなものがどういうものであるかというも のの整理ということがなされていいのではないかと思っています。  それで、医療提供制度という領域では、もう拠点化、機能分担、そういうようなことが 少しずつ定着しつつある時期に入っておりますので、あわせまして、こういう急性期入院 料というものを中医協でもある程度国民にわかりやすく固めていく、概念整理をしていく ということが必要と思います。よろしくお願いしたいと思います。 ○石井委員  こういう形で今日報告を受けますと、急性期入院医療に関しては、それをやっている多 くの病院がDPCという支払方式が基本的に主流になってきているということはもうはっ きり言えると思いますので、そうしますと、枠が拡大してきたと言いますけれども、急性 期入院医療のどこまでを急性期入院医療と言えるのか、これまでの議論も、療養病床との 関係でどういうふうに急性期入院医療というのを位置づけて、今後の日本の急性期入院医 療というのはどういうものとしてイメージしていくのかということがないと、DPCをど のように改めていくかということがはっきりしてこないと思います。  それで、病院係数の問題もそうなのですけれども、病院の機能分担がだんだんと進んで きている。明らかにこれを見ますと、さっきの御報告にありましたように、看護師さんの 要員という点からいうと、10対1以上に今の準備病院はみんななってきているというこ とですので、現状の日本では広い意味での急性期入院医療がその水準のあり、DPC病院 としては、そういうところが手を挙げていると思います。この数が多いかどうかという議 論があり、45万床というのは、もうこのくらいで世界的な標準からいったら、急性期病 床は足りるのではないかという意見もあります。しかし、日本の病院の現実を見ると、ま だDPCに手を挙げていないところも実際は急性期入院医療をやっている病院も多く、こ れは増えていくということになりますので、そうすると、今やっている病院の中で、これ はすべてが急性期の病床かどうかということも含めてきちっとした検証をしていく必要が あると思います。  これはDPCの方だけではなくて、この間、慢性期の方の分科会の報告の中では、現在 の療養病床の中で患者さんの状態を比較するだけでなくて、一般病床の中でもそういう患 者さんがいるのではないかという観点に立って、そういった調査もしてほしいという意見 が相当あったと、ただし、それは分科会で決められることではないので中医協ということ だったのです。やはりこの辺で、DPCだけではなくて、広く日本の病院医療において、 どういう患者さんが、その病態像、入院の日数も含めて、そういったことがどういう病院 でどういうふうに実際上その機能を果たしているのかということについてのもう少し広い 調査をぜひお願いしたいと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。  大変重要な指摘だと思います。つまり、DPCが急性期の対象ということになっている わけですが、今45万床になって、また病院も1,400というようになった場合に、急 性期入院医療というのは果たしてどういうものかということをまた改めて点検する必要が あるという発言だと思います。そういうことを含めて今後検討課題が出てきたというふう に私も認識しております。 ○丸山委員  意見というか、よくわからないので質問をいたしますが、診−2−2の3ページの「病 院類型別と調整係数の関係」の表を拝見していると、DPCの対象病院が、準備病院も含 めて、増えていくにつれて、DPCの本来の姿、すなわち医療の標準化、透明性の向上の 進展がみられるように思えます。調整係数が1.0にだんだん収れんしているという現象 はそういうことを言うのではないのかと思うのですが、そういうことは、玉石混交などと いう意見もありましたけれども、どんどん急性期入院を扱う対象病院が増えていくことに よって、DPC本来の効果がはっきりしていく。むしろ、この15年度から対象病院だっ た特定機能病院など非常にスペシャルな病院については調整係数のばらつきが多くて、同 じDPCの基準ではかると、これがむしろ非常に難しいということで、これはレイヤーが 違う取り扱いをするのか、DPCの対象にむしろならないのか、そういう気がするのです。 その辺ちょっと教えていただきたいのです。 ○土田小委員長  非常に重要な質問だと思いますが、事務局、いかがですか。 ○事務局(宇都宮企画官)  今、丸山委員のおっしゃるとおりでございまして、やはり参入する病院の種類が増えて くれば、本当に一くくりのままでいいのかという御議論はあると思います。そういう部分 も含めて、今後御議論いただきたいと我々としては考えております。 ○丸山委員  ちょっと、今の見方でよろしいのですか。 ○土田小委員長  今の最初の方の発言でよろしいかどうかという……。 ○事務局(宇都宮企画官)  ある程度まとまっているところとスペシャルな病院というのはまた別のものがあるとい うようなお話ということですか。 ○土田小委員長  いや、そうではなくて、医療の標準化、今回は準備病院は別として、今までの対象病院 について言えば、医療の標準化ということが進んでいるというふうに読んでよろしいかど うかと、最初はそういう質問です。 ○事務局(宇都宮企画官)  進んでいるかどうかまではなかなか言いにくいかなというところはございますが、少な くともこの標準化というのが、お金の面での包括化という面と、それから平均在院日数の 短縮という形では進んでいるというふうには言えるのではないかと思います。 ○土田小委員長  そこがやはり今回の検証の重要なポイントで、先ほど16年度の改定のときに医療の標 準化が進むということを導入の一つの理由に挙げていたわけですが、果たしてそれが本当 に進んでいるかどうかということの検証はやはりきちっとする必要があろうと思います。 ○竹嶋委員  先ほど古橋委員が御発言になりましたけれども、私はちょうどこれを見ていまして、昨 年来から我々協議してまいりました例の7対1入院基本料、あれによる、我々の当初の目 的とは違って動いていったということで、建議を出すまでに至りましたね、それと本当に 似ているような気がすると単純に思います。これは今日お出しいただいた資料の診−2− 2の「「望ましい要件」の算定」で、19年度にいきなりこういう数が増えてきたという ことと、それから病床が少ないからできないというのではないのだけれども、一般的に考 えて、やはり人員配置、そういうものも含めまして、200床以下、100床以下という のはかなり難しい、苦しいところがあると思うのですけれども、そこが増えているのです。 はっきり出ていますよね。こういうところは、当初これをお決めになったときの医療の質 を効率よくやっていく、急性期のそういうものに手厚くしてというものとははっきり逸脱 しているわけでして、これは先ほど石井委員が、今から手を挙げているところがあるのだ と言うけれども、それならなおのこと、やはりそういうことに関しては要件をつけてやる わけですから、「望ましい要件」と、そういうものをどう見ていくかというところをこの 際本当に立ちどまってしっかり考えていく、国民の医療のために当然そうすべきだと私は 思います。ぜひDPC分科会で十分御協議いただきたいとお願いいたします。 ○石井委員  DPCイコール急性期医療になると枠がはっきりしてきているかというと、必ずしもそ うではない。というのは、日本のDPCは、いわゆる外国のDRG/PPSと少し違って、 1日当たりの評価ですので、これはいわゆる亜急性期とか、そういったものもある意味で は包含し得る可能性を持っている。長く入れておいても、それはそれなりの費用が入って くるということで、必ずしも短くするのがすべていいという状況ではありません。現実に、 今のDPCの中では、あまり短くすると、むしろ経営的には非常に困難になるということ を病院経営者はみんな言っておりますので、むしろある程度入院させておかなければいけ ないという構造です。それがいいか悪いかは別です。1件当たりですと、標準化も、それ から短縮も非常にはっきりしますけれども、そういう点では日本の制度は、比較的日本の 現状に合わせた形でもって、長期入院もそれなりに可能というか、一つの病院の中で相当 いろいろな病態の人をずっと長く入れておいてもそれなりに対応し得るという形をとって おりますので、そういう点では、そう急速には標準化には行かないだろうと思います。  ただし、今度は病院係数だとか1件当たりのようなものも議論になっているので、そう いう状況になるとまたこれは変わってくるので、それは我々の政策としてどういうことが 現実の日本の状況の中で望ましいかという議論をきちっとしていただいて、あまり混乱が ないように進めていただきたいと思います。 ○鈴木委員  今、石井委員のおっしゃったことと同じ話だと思うのですけれども、医療の標準化に関 してちょっとコメントさせていただければ、白血病を治療できる病院と、それから急性肺 炎をきちんと治す病院とは、医療の標準化と言っても同じ医療の質ではないのです。その ところがまじり合っているというところで私は玉石混交というようなお話をしました。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○対馬委員  確かにここまで来ていますので、足元で、今、手を挙げているところをどうするかとい う問題もあれば、今後、急性期、慢性期、亜急性期とか、ないしはリハビリ等々を含めて 全体をどう考えていくかということは当然議論していかなければいけないのだろうなと思 うのですけれども、ただ、DPCの基準で、特に「望ましい要件」については、やや印象 論的に言いますと、当時の特定機能病院あたりを少し念頭に置きながらつくったという感 じがしますので、現状を新しい目で見たときに本当にどうなのかという議論を一たん、や はりDPC分科会等々でもんでもらって、またここに返していただいて議論してはどうか なと、こういうふうに思うのです。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。 ○鈴木委員  ちょっと1点お願いします。この中に専門病院も入っていると思うのですが、専門病院 の比率といいますか、あるいは専門病院がとるには何床とか、大まかなところはわかりま せんか。 ○事務局(宇都宮企画官)  専門病院入院基本料をとれるのは200床以上ということで、入ってはいますが、数と してどのぐらい入っているかというのはちょっとわかりません。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。  いろいろ議論、ありがとうございます。大体方向が見えてきたといいますか、つまり、 非常にDPCが急速に拡大しておりまして、それでその制度の運用等について専門的な検 討が必要であるということについては皆様の御意見はほぼ一緒だというふうに理解いたし ます。  そういうことから、これからは先ほど話が出ましたDPC分科会において、今回新たに 準備病院になった病院も含めまして、その分析や今後の基準の在り方について検討してい ただくということで、DPC分科会にこの問題を一たんおろしたいと考えますが、よろし いでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  よろしいですか。それで、そこでまとまりましたら、またここで議論させて いただきたいと思います。どうもありがとうございました。  それでは、今日予定しております議題はこれだけでございますので、今日の基本小委は これで終わりにしたいと思います。  続きまして総会がありますので、しばらくお待ちください。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)