07/08/27 第22回労働政策審議会障害者雇用分科会議事録 第22回 労働政策審議会障害者雇用分科会 議事次第 1 日時    平成19年8月27日(月) 13:00〜15:00     2 場所    厚生労働省 安定局第1会議室(13F)      3 出席者   ○ 委員   (公益代表)  今野委員、岩村委員、菊池委員、佐藤委員、平木委員、松矢委員   (労働者代表) 泉田委員、豊島委員、長谷川委員   (使用者代表) 飯ヶ谷委員、斉藤委員、新澤委員、輪島委員   (障害者代表) 副島委員、舘委員、松井委員   ○ 事務局     太田職業安定部長、岡崎高齢・障害者雇用対策部長、長門企画課長     吉永障害者雇用対策課長、濱島障害者雇用対策課調査官     白兼障害者雇用対策課主任障害者雇用専門官 4 議題 (1)障害者雇用をめぐる現状と課題について  (2)障害者雇用対策の充実・強化について (3)検討項目及びスケジュールについて (4)その他 5 資料  資料1 障害者雇用をめぐる現状と課題について  資料2 「障害者雇用促進のための3つの研究会、報告書まとまる      ―障害者雇用対策の充実強化に向けて−」(平成19年8月7日付け記者発表)  資料3 労働政策審議会障害者雇用分科会における検討項目(案)について  資料4 労働政策審議会障害者雇用分科会の検討スケジュール(案)について      6 議事経緯 ○障害者雇用対策課長  ただいまより、第22回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催いたします。委員の皆 様には、お忙しいところ、また、非常にお暑い中、ご参集を賜りまして誠にありがとう ございます。  議事に入ります前に、分科会委員の改選後のはじめての分科会ですので、新しく分科 会委員に就任された方について、ご紹介させていただきます。公益側代表委員で、東京 福祉大学大学院社会福祉学研究科教授の平木典子委員です。本日は遅れるという連絡を 受けています。(首都大学東京の菊池委員です。)労働者側代表として全日本電気・電 子・情報関連産業労働組合連合会書記長の泉田和洋委員、国公関連労働組合連合会副中 央執行委員長の豊島栄三郎委員です。使用者側代表の委員です。株式会社日立製作所労 政人事部長の飯ヶ谷清明委員です。ご欠席ですが、株式会社千疋屋総本店代表取締役社 長の大島博委員です。花椿ファクトリー株式会社代表取締役の斉藤好委員、福島県中小 企業団体中央会会長の新澤昌英委員です。障害者代表の委員です。本日ご欠席ですが、 社会福祉法人日本盲人会連合情報部長の鈴木孝幸委員です。なお、本日は、大島委員、 高橋委員、野村委員、鈴木委員がご欠席です。  事務局にも異動がありましたので報告いたします。所用で遅れて参りますけれども職 業安定局長の太田、企画課長の長門です。私は、障害者雇用対策課長の吉永です。よろ しくお願い申し上げます。  次に、分科会委員の改選後はじめての分科会となりますので、分科会長を選任とする ことになります。労働政策審議会令第6条第6項の規定に基づき、分科会長は、本分科会 に属する公益を代表する労働政策審議会の本審議会委員のうちから、本分科会に属する 労働政策審議会本審議会委員が選挙することとなります。本分科会におきましては、今 野委員、岩村委員のお二人が労働政策審議会本審議会の委員です。かつ、お二人とも公 益代表の委員ですが、あらかじめ相談させていただいた結果、引き続き今野委員に分科 会長の就任をお願いしたいと考えております。  それでは、ここからは今野分科会長に議事進行をお願いします。今野分科会長、よろ しくお願い申し上げます。 ○今野分科会長  今野でございます。議事進行を担当させていただきますので、ご協力の程よろしくお 願いいたします。  それでは、分科会長の代理を選任させていただきます。労働政策審議会令第6条第8項 の規定に基づきまして、分科会長代理は、公益を代表する委員又は臨時委員のうちから 分科会長が指名することになっております。したがって、私から指名をさせていただき ます。分科会長代理を岩村委員にお願いしたいと思います。よろしゅうございますか。                  (異議なし) ○今野分科会長   よろしくお願いします。それでは議事に入ります。まず、岡崎高齢・障害者雇用対策 部長から一言ご挨拶をお願いします。 ○高齢・障害者雇用対策部長   本日からまた、新しいメンバーで当分科会をお願いすることになりました。障害者の 問題につきましては、例えば雇用率を見まして、法定雇用率1.8%の定めの中で、徐々 に上がってきたとはいえ、まだ1.52%とまだまだ十分ではない状況ではないかと思って おります。政府全体におきましても、例えば成長力底上げ戦略でも、その他の部分と合 わせて障害者の一般雇用への就職促進が1つの柱になっています。また、国際的に見まし ても、国連の障害者権利条約の採択もあったわけです。そういう中で障害者の雇用政策 を今後どのように進めていくかということにつきまして、現状も十分見ながら新たな取 組も必要ではないかと考えているところです。  障害者雇用対策法の改正は、平成18年4月から施行されていますが、その際の分科会の 審議、あるいは国会の審議等の中でもまだ積み残しといいますか、次の課題として提示 された事項もあったわけです。そういったことを中心としましてこの分科会でご議論を いただければと思っております。その中で取り上げられた課題の中で、いくつかのもの は有識者の方々によります研究会を行ってまいりました。本日もご説明をさせていただ きますが、教育・福祉との連携の下にどういう形で障害者の雇用対策を進めていくかと いう課題でありますとか、あるいは短時間労働者や派遣労働等が拡大している中で障害 者雇用をどう考えていくかということです。かつては中小企業のほうが障害者雇用が進 んでいたわけですが、最近は大企業での取組が進む中でどちらかというと中小企業がや や停滞ぎみという状況です。その中で中小企業におけます障害者雇用をどうやって進め ていくかという課題もあります。  それ以外の課題もあろうかとは思いますが、そういったものを含め、ぜひこの分科会 でご議論をいただければと思っています。分科会の議論の推移にもよりますけれども、 できれば必要な部分は障害者雇用対策法の改正も含めて対応を図っていきたいと思って いる次第です。詰めた議論もお願いすることになろうかとは思いますが、障害者雇用が 一歩でも進みますようにご協力、ご理解いただければと思います。よろしくお願いしま す。 ○今野分科会長   ありがとうございました。それではまず議題1の「障害者の雇用をめぐる現状と課題」 について、事務局から説明をしていただき議論をしたいと思います。それではよろしく お願いします。 ○調査官   まず資料1、障害者雇用をめぐる現状と課題について、説明をさせていただきます。  1頁では、障害者雇用施策の対象となる障害者数について触れています。障害者の総 数は、身体・知的・精神の3障害は約709万人というデータがあります。このうち、労働 力人口に相当いたします18歳から64歳の方々、なかなか即座に雇用に結びつかない人も 含まれているとは思いますけれども、約360万人が私どもの施策の対象となる障害者で あると言えようかと思っています。  次の頁では、障害者の雇用数についてのデータを掲げております。私どもでは5年お きに、障害者雇用実態調査という調査を行っております。ここに出ておりますのは、常 用雇用5人以上の規模の企業ですが、推計値で大体49.6万人という数字が出ています。 また、もう1つのデータは、私どもは障害者雇用状況報告を毎年聴取しており、56人以 上の規模の企業が対象となります。重度の障害者については、ダブルカウントした人数 となっておりますが、28万4,000人という数字が出ています。障害者の雇用者数は大体 こういったデータとなっています。  3頁では、障害者の雇用数、実雇用率の推移です。折れ線グラフを見てください。現 在のところ障害者の実雇用率は1.52%となっております。また、先ほど説明をしました 28万4,000人の内訳ですが、身体障害者が23万8,000人、知的障害者4万4,000人、精神障 害者2,000人で、およその数字ですが、こういう結果となっております。  4頁では、企業規模別の障害者の雇用状況について記しております。左側のグラフは 企業規模別の実雇用率です。真ん中の太い線が全体、平成18年で言いますと1.52%です。 企業規模別にはかなり差が出ていまして、1,000人以上の企業は1.69%ですが、100〜299 人の規模のところでは1.27%、56〜99人の規模の企業は1.46%と、大企業のほうがかな り平均を上回っている一方で、中小企業のほうは低迷している状況になっております。 特に中小企業の中でもサイズの大きい企業がなかなか厳しい状況であると言えようかと 思います。  右側のグラフは企業規模別達成企業割合です。こちらは平均で言いますと43.4%の企 業が達成しています。太いグラフを見てください。実雇用率と比較して企業規模別で見 ると逆の結果が出ていまして、中小企業のほうが達成企業の割合としては高い、逆に 1,000人以上の規模などの大企業のほうが低いという結果となっています。  5頁では、障害者の就職件数の推移です。左側の上のほうのグラフは年間の数字です。 ハローワークにおける障害者の就職件数は、着実に伸びてきています。最近では、前年 度比10%の伸びを連続して続けているところです。平成18年度は13.1%の増加であり、 約4万4,000件の数字となっています。この理由を分析してみますと、障害者の「働きた い」という意欲の高まりが出てきた。ここには掲載していませんが、平成18年度の新規 求職件数は約10万件ということで、こういったものが着実に伸びてきているといえよう かと思います。  また、企業側の取組の拡大として、いろいろな形で取り組んでいると思います。この ように障害者の就職件数が非常に好調であると思います。  次の6頁では、すでにご存知の方も多いかとは思いますが、私どもの所管しておりま す障害者雇用促進等の法律の内容に触れたいと思います。目的は、障害者の雇用義務等 に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリテーション措置等を通じて、障害者 の職業の安定を図ることであります。柱は大きく分けると2つあります。事業主に対す る措置と、障害者本人に対する措置があります。事業主に対する措置は、小さな柱とし て、雇用義務の制度があります。これは事業主に対し、障害者雇用率に相当する人数の 身体障害者・知的障害者の雇用を義務づけるものです。  もう1つに障害者雇用納付金制度があります。納付金制度は、納付金と調整金、各種 助成金に分かれます。納付金と調整金は障害者の雇用に伴う事業主の経済的な負担の調 整を図るものです。即ち雇用率未達成事業主から不足1人あたり月額5万円を徴収いたし ます。そして雇用率達成事業主には、1人超過につき月額2万7千円を支給いたします。 いずれも常用労働者301人以上の企業が対象となっております。このほか、300人以下の 事業主には報奨金の制度がありまして、障害者を4%又は6人のいずれか多い人数を超え て雇用する場合、超過1人あたり月額2万1千円を支給する制度となっております。  このほか助成金として、障害者を雇い入れるための施設の設置、介助者の配置等に助 成金を支給する制度があります。  また、もう1つの大きな柱、障害者本人に対する措置としては、地域の就労支援関係 機関において、障害者の職業生活における自立を支援するものです。例えばハローワー クですとか、地域障害者職業センター、あるいは障害者就業・生活支援センターなどが あります。  7頁は障害者の雇用を支援をするための施策です。障害者の雇用を促進を図るため、 雇用率制度に基づく事業主への雇用率達成指導、あるいは、障害特性に応じたきめ細か な職業相談・職業紹介を実施することに加え、次のような支援策を実施することによっ て、障害者本人や障害者を雇用する事業主を支援しているところです。具体的には、「 トライアル雇用」による障害者雇用のきっかけづくり。あるいは、職場適応援助者(ジ ョブコーチ)による支援。3は障害者就業・生活支援センター事業というものですが、 就業面と生活面における一体的な支援。あるいは5番目ですが、ハローワークを中心と する関係機関の「チーム支援」による福祉的就労から一般雇用への移行の促進など、諸 々の雇用施策を展開して、障害者本人ならびに障害者を雇用する事業主を支援している ところです。  8頁です。このように私どもは法律に基づき、また、様々な雇用支援策に基づき施策 を展開してきたところですが、平成19年2月15日、内閣官房長官をヘッドに関係省庁の 事務次官で構成される構想チームによる「成長力底上げ戦略」が策定されました。この 中には、「『福祉から雇用へ』推進5か年計画」といったものを作ることとなっており ます。内容は、まず、地域の特性を活かした就労支援体制を全国展開する。その中の具 体的な施策として、「障害者就業・生活支援センター」を全障害保健福祉圏域に設置す る。ハローワークを中心とした「チーム支援」として、「就労支援チーム」の体制・機 能の強化、障害者雇用促進法制の整備におきまして、短時間労働・派遣労働を活用した 雇用の促進、中小企業における雇用促進等を図るための障害者雇用促進法制の整備とい ったものが掲げられているほか、関係者の意識改革を通じて、雇用機会を拡大していく といったような施策が掲げられています。このように障害者の就労支援施策は厚生労働 省の施策から国、ないしは内閣を挙げての取組をしていくといったようなものとなって きており、政策の位置づけが非常に高まってきていると言えようかと思います。  次の9頁です。経済財政改革の基本方針2007です。抜粋ですが、これはいわゆる骨太 の方針2007です。平成19年6月19日に閣議決定がなされたものです。その中に先ほど説 明をしました「成長力底上げ戦略」が掲げられています。(2)の就労支援戦略の中で、 「『福祉から雇用へ』推進5か年計画」が策定されることになっております。内容を見 てみますと、障害者等の就労移行につきまして、5年後の具体的目標を平成19年以内に 策定し、平成19年度から21年度を目標実現の集中戦略期間として、就労支援体制の全国 展開、ハローワークを中心とした「チーム支援」、関係者の意識改革のための情報提供・ 支援のネットワークづくり等を推進すると書き込まれています。  10頁からは、私どもがこの分科会を開くに当たって、参考としていただきたい資料で す。平成17年の法律の改正時に衆議院、参議院の厚生労働委員会から附帯決議を、ある いは労働政策審議会から意見書を頂戴しています。こういったものに的確に対応してい く必要があると。そのときの附帯決議等についての資料です。  1枚目は、衆議院厚生労働委員会の附帯決議です。派遣労働者としての障害者雇用に 関することですとか、障害者の働く場の一層の創出を図るために、障害者を多数雇用す る企業に仕事を出し合うことを通じながら、企業が企業内外における障害者の働く場の 創出に取り組むことを推進することについて触れています。  次に参議院の厚生労働委員会の附帯決議です。ここには4つほど出ています。1つは精 神障害者に関することでありますとか、一般雇用への就労が困難な障害者に対して、多 様な就労の場が確保されるよう積極的な取組を行うこと。11は短時間労働について。12 は派遣労働について。13は、先ほど衆議院と同様に障害者を多数雇用する企業に仕事を 出し合うことを通じて、企業が、企業内外における障害者の働く場の創出に取り組むこ とを推進すること等について書かれているところです。  なお、12頁ですが、労働政策審議会の意見書につきましても、概ね短時間労働、派遣 労働、企業等の協働による障害者雇用創出について、ご意見を頂戴しているものです。 こういった附帯決議並びに意見書に対して、適切に対応していくことが求められていま す。 障害者の雇用をめぐる現状と課題については以上です。 ○今野分科会長   ありがとうございました。それではただいまの説明にご意見、質問がありましたらお 願いします。 ○副島委員   育成会の副島です。まず5頁の障害者の就職件数の推移ですけれども、好調であると 聞いたのですが、実際現場の中で好調とは言えないと思うのです。確かに平成16年、17 年という所で出てきた数字だけを見れば、多いかもしれない。しかしその数が、本当に 地域の中の就労希望の声に応えているのか、まだ就労したい人は一杯いるのです。就労 したい人はいるのだけれども、就労に結びつかないという方々がまだまだ沢山いるとい うことを知っていただきたいと思うのです。  就労に結びつかないというのは、今回の資料には入っていましたけれど、関係者の意 識の問題があります。本人は、ある程度は働きたいという意欲が高まっています。とこ ろが家族、支援者、特に福祉関係の支援者は、残念ながら就労に対する意識づけがすご く弱いです。そこが本人の就労したいという気持を助長していかないし、具体的に就労 に結びつかない原因になると思うのです。そういうところでは、ぜひ障害者福祉と連携 を取っていただく。就労だけでなくして、やはり意識の問題が大切です。特に障害者の 場合には、ある面では、差別の中で扱われた時代があります。地域の中にはどうしても、 障害者が就労できるのかという意識があります。我々の立場は知的障害者ですけど、知 的障害者についてはそういう見方がどうしても強いです。その中で、それをはねのけな がらやっていかないといけないということは、支援者と親に対する意識づけは強いもの が要ります。そこのところを十分にクリアーしていかないと、就労の実際の現場での数 値は上がっていかないと思います。  7頁では、支援策の中でいろいろと言われていて、新しい方針も出ています。一番大 事と我々が考えているのは、3番の障害者就業・生活支援センター事業なのです。これ は確かに、取組としてはいい成果を納めていると思いますけれど、いま福祉の現場では、 魅力のある職場ではないという形で職員の将来的な夢が描けない職場になっているので す。この障害者就業・生活センターの場合も、就労については、2名の職員の配置で800 万円、1名の職員配置の生活支援で500万円です。これで事務費・事業費全てを賄ってい くことになれば、これだけでは働く人の将来的な夢というのは描けません。そういう面 で、我々が聞いている中では、せっかくいい職員として教育したにもかかわらず、5年、 6年たったら将来の夢がないから辞めていくということも聞いています。そういうところ も含めて検討をしていただきたいと思います。  これは期待ですけれども、8頁の「成長力底上げ戦略」は、いろいろな形がこれから具 体的に検討されると思って期待しています。特に最後にある関係者の意識改革とか、ハ ローワークを中心とした「チーム支援」、このような形でいかにして地域の中で働くと いうことを支えていくのか、ぜひこのことは具体的に審議されることを望みたいと思い ます。以上何点か申しましたけれども、意見というよりも思いを申し上げました。 ○今野分科会長   何かコメントはありますか。 ○高齢・障害者雇用対策部長   そういうことを含めてこの分科会でも議論いただきたい。最初の就職件数については、 伸びている部分と、そうは言ってもハローワークも苦労しているという部分もありまし て、やはり障害をもっている方から見て雇用の環境が現時点で整っているかというと、 そうではないということは私どもも十分に認識しております。さらに、どのように全体 の意識を変えてやっていくかという意識改革みたいなことも、「成長力底上げ戦略」の 中にも書いてありますけれども、ここら辺も含めて、どうやっていくかということは議 論いただきたいと思っています。  それから、障害者就業・生活支援センターの話がありました。後ほど研究会の報告を 説明いたしますけれども、研究会の中でもいま指摘があったような就職支援をしている 方の待遇を含めた議論が出ています。また研究会の報告を聞いていただいた上で、十分 に議論して、いずれにしましても、どういう形であれば障害者雇用が更に進んでいくか という観点から意見をいただいて、方向性を取りまとめていただければありがたいと思 っています。 ○今野分科会長   今、主に4点ほど言われたのですが、1つは就職件数のデータの問題で、それは少し横 に置いておいて、残りの3つの件は分科会で今後何を議論していくかという重要な情報 ですので、それは今日後から議論いたしますが、今後この分科会で議論する内容を決め るときの貴重な意見としてお伺いしておきたいと思います。他にございますか。 ○輪島委員   前回の分科会で発言いただいた内容とほとんど同じになるかもしれませんが、障害者 雇用全体のグランドデザインというか、今後法改正を前提に議論をするということで、 どういう方向性にもっていくのか、全体の位置づけがよくわからないので、その点で数 字も含めて資料を用意していただけないかとお願いをして、それで資料1のような形に なったのではないかと思いますので、それについては改めて御礼申し上げます。  ただ、もう少し今のご意見も含めて言うと、全体に私ども企業側で不安に思っている ことは、団塊の世代を含めて2007年問題ではありませんが、これまでの企業の中で、身 体障害者を中心にしてきた雇用のモデルのところでいうと、2007年以降定年退職を迎え てそれなりのボリュームの方が今後2、3年で退職をされるのではないかと、その後退職 をされた方々の後継として、いわゆる雇用率を維持するためにどのような採用をしなく てはならないのかを考えると、同じような職種、同じような職場でこれまでと同じよう に継続してやっていけるのかというと、そういう感じの労働市場にはなっていなくて、 身体障害者をイメージすると、高齢化、重度化をしていますので、新しい方をその中か ら採用するのは難しいので、そうなると、追々知的障害、それから精神障害の方々の雇 用の場をつくっていかなくてはならないだろうと思いますが、そこら辺の考え方をどう やって切り替えていったらいいのかというところの漠然とした不安感があるのではない かと思っています。  それを踏まえて現在の景気情勢といいますか経済情勢を踏まえると非常に、障害をお もちの方の労働市場は逼迫していて、なかなかいい人材を採りにくいのが現状だと思っ ております。その点でこの2、3年ないし5年ぐらいが障害雇用を促進していく上での基 本的に重要な時期ではないかと思っておりますので、その点も踏まえて、今後どのよう な障害者雇用のグランドデザインを描くのか位置づけの中でわかるような議論をしたい。 資料2以降のどういう法改正なのかということを踏まえながら議論をしたいと思ってい ます。  2点目はその観点でいうと前回お願いをしましたが、1.8%の雇用率に対して現状1.52 %という実雇用率の乖離について、その間に何人不足しているのか、というところがよ くわからない。それは統計数字としても発表されたことがないと思いますので、そうす ると1.8%を達成するためには、何人の雇用の場の提供が必要なのかというマクロ的な 押さえというのは、あまり統計数字は見たことがない。  求職者について言うと、ハローワークには15万人の求職登録者がいらっしゃると統計 数字ではよく見ますが、ある意味では即戦力である15万人の求職者の障害種別や地域な どを含めてどのような状況になっているのかというのを一度分析をしたものを見せてい ただきたい。  それからマッチングですから、求人側ですが、全体に企業の求人がどれぐらい出てい て、どうなっているか、就職率は先程の表で出ますが、結果はわかるが状態がどのよう になっているのかが実際にはよくわからないので、そのような基礎的なものを次回以降 で結構ですから見せていただきながら議論をしたいと思っているところです。  3点目は質問です。資料の9頁に5年後の具体的目標を平成19年度内に策定するとあり ますが、これについてはどういう形で、どういう目標をどういう枠組みで話をして目標 を設定するのかを教えていただきたい。以上です。 ○今野分科会長   それでは今大きく3つの点をおっしゃられましたので、一番最初の点はここの分科会 でそのような議論をしてほしいというご意見だと受け取ります。  2点目はマクロ的な状況を知らせる統計が欲しいということですので、次回以降事務 局のほうで用意をしていただけますか。  3点目については、事務局からコメントいただけますか。 ○事務局   9頁の中の5か年計画の策定の中で具体的な目標を策定するということですが、19年内 ですので、この間にいろいろな形での施策をまず議論させていただきながらそれぞれに ついて数値目標等を検討していくというようなことであろうと考えております。 ○今野分科会長   ついでにこの分科会とどういう関係があるのかもお教えください。 ○高齢・障害者雇用対策部長   骨太2007で書いてあるものは、政府全体で数字を今後検討して、政府全体としての目 標を定めていくということです。ただ、私どもとしては今回障害者雇用についてご議論 をいただきますので、その作業と並行しながらこの分科会での議論も反映させて適切な 数値目標等を定めていくと、大体並行して作業は進むのではないかと考えます。  先程のグランドデザイン等につきまして、ちょっとまだ資料1は粗い数字であります ので、もう少しいろいろな形で検討して、分科会の中でどういう方向性で進めていくか というご議論もあると思いますので、そういったものを含めて、できれば年末までにご 議論をまとめていただきたいと思います。その中ではこの分科会として、グランドデザ インという言い方がいいかはともかくとして、全体的な方向性とともに、だからこうい う施策を、あるいはこういう法制度にして、それで最後は全体をまとめていただきたい と思います。その前提となるような資料につきましては、もう少し精査しながら逐次出 していってご議論に供していきたいと思っております。 ○今野分科会長   よろしいですか。それではこの議題はこの辺にさせていただきます。  次の議題は「障害者雇用対策の充実強化」についてです。先般取りまとめられました 障害者雇用関係の3つの研究会の報告書がございます。その報告書について事務局から説 明をしていただき、議論をしたいと思います。 ○調査官   お手元の資料2をご覧ください。「障害者雇用促進のための3つの研究会、まとまる」 という報道発表資料が出ているかと思います。平成18年4月に改正障害者雇用促進法が 全面施行され、またその過程で労働政策審議会の意見書や国会審議の際の附帯決議等に おきまして、次期制度改正に向けた障害者雇用対策のさらなる充実強化が求められてお りました。また、本年2月にまとめられた「成長力底上げ戦略」においても、障害者等 に対する「就労支援戦略」の一環として、「障害者雇用促進法制の整備」が位置づけら れているところです。  障害者雇用をめぐる状況として、近年、短時間労働、派遣労働等就業形態が多様化し ており、こうした就業形態に対する障害者のニーズを踏まえつつ、働き方の選択肢を拡 大しながら障害者の雇用を進めていく必要があろうかと思います。  また、中小企業における障害者の雇用状況が低下傾向にあることも踏まえ、中小企業 における障害者の雇用を促進することも必要になってこようかと思われます。さらには、 雇用、福祉、教育等の分野の関係機関が役割分担の下、各地域において就労支援のネッ トワークを構築すること等も重要になってきていると考えております。  こういった中、厚生労働省は、平成18年7月から3つの研究会を立ち上げ、学識経験者 等にご参集いただき、ご意見等を頂戴しながら開催をし、それぞれの研究会の検討結果 がこの月初めにまとまったところです。その内容についてご説明いたします。  資料1-1で、1つ目の研究会は「多様な雇用形態等に対応する障害者雇用率制度の在り 方に関する研究会」です。ご参集いただいた委員やその他の概要は別紙のほうをご覧に なっていただければと思いますが、報告書の概要につきまして読み上げをいたします。  障害者の短時間労働について。障害者雇用における短時間労働の位置づけ。障害者の 短時間労働者が増加している中で、障害者の短時間労働に対するニーズも相当程度存在 することから、障害者雇用における短時間労働の位置づけについて、改めて検討する時 期にきている。障害の特性や障害の程度、さらには加齢に伴って体力等の面で課題が発 生する場合等を考えると、短時間労働は障害者の就業形態の選択肢の1つとして有効な 面があると考えられる。また、障害者自立支援法の施行により、障害者の就労支援策が 強化される中、福祉的就労から一般雇用へ移行していくための段階的な就業形態として も有効であると考えられる。  障害者の短時間労働に対する障害者雇用率制度の適用。今後は事業主による社会連帯 の理念の下で、新たに短時間労働も含めて障害者の雇用機会を確保・拡大していくこと が必要であるという考え方に基づき、障害者雇用率制度において、週所定労働時間が20 時間以上30時間未満の短時間労働についても雇用義務の対象としていくこと。具体的に は、雇用義務の基礎となる労働者数及び雇用をしている障害者数の算定において、短時 間労働者も加えることとすることが考えられる。短時間労働を雇用義務の対象とする場 合、短時間労働者及び短時間労働者の障害者について、具体的にどのように算定するこ ととするかについては、本人の希望や適性に応じた働き方へ移行することを阻害しない ようにすることにも留意して、検討する必要があり、短時間労働者及び短時間労働の障 害者については0.5カウントとして算定することが適当であると考える。  適用時期等。短時間労働者を多数雇用している企業においては、短時間労働が雇用義 務の対象となった場合の影響が大きいことも想定されるため、短時間労働を雇用義務の 対象とするに当たっては、各企業に対して円滑かつ速やかな準備・取組を促すことによ り、短時間労働による障害者の雇用機会が実際に拡大していくよう、適切な一定の準備 期間を設けることが必要であると考えられる。  障害者の派遣労働及び紹介予定派遣について。障害者雇用における派遣労働の位置づ け。派遣労働が選択肢の1つとなってきている中で、派遣労働で働く障害者は現状では 極めて少ないものの、派遣労働に対する障害者のニーズが一定程度あることも踏まえつ つ、障害者雇用対策の面から、その位置づけや課題について整理することが必要である。 派遣労働においては、障害者の場合は職場定着に相当の配慮や時間を要することがある ことから、派遣元事業主の配慮や支援により、できるかぎり安定的な形態での派遣労働 をすることができるようにしていくことが望ましい。労働者派遣を通じて派遣元事業主 が有する労働力需給調整の機能に着目すると、福祉的就労から一般雇用への移行等に関 して、そのチャンネルの1つとして機能することが期待される。  派遣元事業主及び派遣元の障害者に対する配慮に関する役割分担等。障害者が派遣労 働という形で安心して働くことができるようにするためには、障害者の派遣労働に関し て派遣元事業主または派遣先がそれぞれ配慮すべき事項、あるいはともに配慮すべき事 項について雇用関係と指揮命令関係との関係を踏まえ、具体的な整理を行い明確にして いくことが適当である。障害者である派遣労働者を派遣先が円滑に受け入れられるよう にするためには、派遣元事業主及び派遣元の役割分担も考慮しつつ、派遣元における受 入態勢の整備について支援策を検討していくことも重要である。  障害者の派遣労働に対する障害者雇用率制度の適用。障害者の派遣労働による就業機 会を確保し、また、これにより障害者の雇用機会全体の拡大を図っていくためには、実 際に働く場所となる派遣先が、障害者である派遣労働者の受入を前向きに考えることが 不可欠であると考えられる。そのためには、障害者である派遣労働者を受け入れた場合 にメリットが生ずるよう、障害者雇用率制度において、派遣先においても一定の評価を 行うことが適当である。この場合、障害者の雇用義務が雇用関係を基礎として事業主に 課されている中で、派遣労働においては、派遣元事業主と派遣労働者との間に雇用関係 があることから、派遣元事業主に障害者の雇用議務があることを前提とすることとし、 障害者の雇用義務の算定の基礎となる労働者数については、現行と同様に派遣元事業主 において算定することが適当である。また、障害者雇用率制度において、派遣労働者が 一般の労働者よりも優位に評価されることのないようにすることや、派遣先における障 害者の直接雇用が後退するようなことのないようにすることに留意しつつ、1人の障害 者である派遣労働者について、例えば、派遣元事業主及び派遣先においてそれぞれ0.5 人分ずつと算定することが考えられる。  障害者雇用における紹介予定派遣の活用。紹介予定派遣の場合、一定の派遣期間を介 することによって企業と障害者の双方の不安感の解消にもつながるものと考えられ、さ らに同一の企業において派遣期間を経て直接雇用を目指すものであるため、職場定着に 相当の時間や配慮が必要な知的障害者や精神障害者の場合であっても、また、福祉的就 労から一般雇用への移行の場面においても活用の可能性があると考えられる。障害者に 係る紹介予定派遣については、まだほとんど実績がない状況にあると考えられることか ら、今後はまず、これを活用した障害者雇用促進のモデルを確立していくことが重要で あると考えられる。このようなモデルが確立するまでの一定期間は、支援体制や相談体 制の整備等を行って、障害者に係る紹介予定派遣を実施する派遣元事業主に対し、一定 の助成処置を講じていくこと等、その支援策について検討を進める必要がある。  次に資料1-2をご覧ください。「中小企業における障害者雇用の促進に関する研究会」 の報告書の概要を記しています。内容を読み上げます。  中小企業に対する雇用支援策の強化について。中小企業に対する雇用支援策の現状と 課題。我が国の企業数の大半を占める中小企業において、十分な障害者の雇用の場を確 保することは重要であり、また、中小企業は身近な地域で自立した生活を求める障害者 に対し、雇用の場を提供することができる地域の主要な担い手としても重要。中小企業 における障害者雇用を促進するため、障害者雇用についての理解の促進、マッチングに 関する支援、職場定着に関する支援等、様々な観点から新たな取組について総合的に検 討をすべき状況にある。  障害者雇用についての理解の促進等。中小企業における理解の促進のためには、行政 や関係機関からの働きかけだけではなく、中小企業団体や業種別団体を活用し、企業同 士の情報交換等を含めた自主的な取組を進めていくことも効果的であり、一定期間集中 的にこのような取組を全国的に実施し、中小企業における障害者雇用の取組に弾みをつ けることも重要。障害者を雇用した経験のない中小企業等では、障害者雇用について消 極的・否定的な考えにとどまっている場合が多いと考えられるため、地域において中小 企業と障害者団体、福祉施設、特別支援学校等との交流の場を設けて障害に関する理解 を深めたり、企業と施設・学校の相互の理解や連携を深めたりしていくことも1つの方 策。さらに、実際に雇用を進める中で事業主の理解の促進や不安感の解消を図るという 面から、トライアル雇用や障害者委託訓練の活用も有効であるとともに、はじめて障害 者を雇用する中小企業に対して職場実習の受入等に関する促進策を講ずる等により、ま ずは障害者との接点をつくることを促すことも重要。中小企業側と障害者側(または障 害者の就労支援を担う側)の間においては、マッチングの大きな制約となるギャップが 存在することから、これを少しでも埋めて両者を近づけていく工夫・ツールが不可欠。 例えば、中小企業向けには障害者雇用に関して自社の状況・可能性を自己評価できるチ ェックリストのようなツール、また、求職障害者向けには、障害者が自ら適性や能力、 アピールポイント等をわかりやすくまとめることができるシートのようなツールがある と有効。  複数の中小企業が共同で障害者を雇用する仕組み。中小企業において障害者の雇用機 会を拡大していくためには、職務の分析・再整理を通じて仕事を切り出す(生み出す) ことが重要であると考えられるが、中小企業においては、個々の企業では障害者雇用を 進めるのに十分な仕事量を確保することが困難な場合もあると考えられる。このような 場合、事業協同組合等を活用して複数の中小企業が共同して障害者の雇用機会を確保す ることが有効ではないかと考えられることから、このような仕組みについて今後検討を 進めていくことが必要。  中小企業における経済的負担の調整の実施について。障害者雇用納付金制度の障害者 雇用における効果。実雇用率の推移、企業規模300人を境とした障害者雇用状況や障害 者雇用に関する考え方の違いにかんがみると、障害者雇用納付金制度による経済的負担 の調整が実施されてきたことが、大企業における障害者雇用の取組や理解の促進につい て、相当程度の効果を上げてきたと考えられる。  今後の制度の在り方。障害者雇用納付金制度においては、300人以下の規模の中小企 業は障害者雇用納付金の徴収対象となっていないため、301人以上の規模の企業であれ ば法定雇用率を超えて1人でも多く障害者を雇用していれば支給される障害者雇用調整 金が支給されず、障害者を4%または6人のいずれか多い数を超えて雇用している場合 について報償金が支給されており、その支給を受けている中小企業はごくわずかとなっ ている。このような制度の状況は、中小企業における障害者雇用の取組を促進していく ためには十分なものとは言えない状況にあると考えられる。したがって、中小企業にお いても障害者雇用を確実に進めていくためには、法定雇用率を超えて障害者を雇用して いる中小企業と、法定雇用率を達成していない中小企業との間の経済的負担の不均衡を 調整していくことが必要となっており、300人以下の規模の中小企業についても障害者 雇用納付金制度の適用対象、すなわち障害者雇用納付金を徴収し、障害者雇用調整金を 支給する対象とすることを検討することが適当であると考える。この検討に当たっては、 中小企業の経営実態等に十分配慮しつつ、規模別に見た障害者雇用の状況や経済的な負 担能力を勘案して、実施時期や、対象とする中小企業の範囲をどのようにするかという こと、また対象とする際に中小企業に対する支援策を集中的に実施することにより障害 者雇用を促進する流れを強めていくことも含め、今後さらに検討することが適当である。  引き続き資料1-3で、「福祉、教育等との連携による障害者の就労支援の推進に関する 研究会」の報告書の概要です。  地域の就労支援のネットワークの構築。障害者の希望・ニーズに応じた就職を実現し、 働く障害者を支えていくためには、雇用、福祉、教育等の各分野の連携が不可欠であり、 各支援機関の役割分担の下、個々の障害者のニーズに対応した長期的な支援を総合的に 行うためのネットワークを地域ごとに構築することが必要。就労支援ネットワークは、 障害者の身近な地域に設置される就労支援機関が中心となって構成されるものであり、 支援ニーズに応じて地域ごとに各支援機関の強みを活かした効果的な役割分担やネット ワークの構成を検討することが重要。また、都道府県レベルで設置される機関は、相互 の連携を密接に図りつつ、地域のネットワークを支える役割を果たすことが必要。  地域における各分野の就労支援機関の役割と今後の在り方。ハローワーク。全国の各 地域に設置されている第一線の労働行政機関として、職業相談・職業紹介や企業指導等 を通じ、障害者の雇用機会の確保というセーフティーネット機能を十分に発揮すべき。 また、就労支援のプロセスの中でも特に重要なマッチングを担う機関として、ネットワ ークの構築に中核的な役割を果たすべき。ハローワークのみでは支援の完結しない求職 者や、福祉・教育から雇用への移行を希望する者等に対してきめ細かな支援を効果的に 行うために、ハローワークが中心となり地域の支援機関と連携して個別支援を行う「チ ーム支援」をハローワークの業務として明確に位置づけるとともに、地域の支援機関の 機能に応じた役割の調整を行い、一貫した効果的な支援となるよう、関係機関に対する コーディネート力を高めることが必要。知的障害者、精神障害者等のよりきめ細かな支 援を必要とする求職者の増加を踏まえ、質の高い職業紹介を行うことが求められ、職員 研修の充実等を通じて障害者担当の専門性を高めるとともに、十分な実施体制を確保す ることが必要。  地域障害者職業センター。中核的な職業リハビリテーション機関として設置され、障 害者職業総合センターを中心に全国ネットワークを形成し、豊富な支援実績に基づくノ ウハウを集約して蓄積しており、地域の就労支援の広がりの中で、その高度な専門性と ノウハウの蓄積を活かした業務の展開を図るべき。地域の支援機関による質の高い就労 支援が、どの地域においても提供されるようにするためには、今後は、(1)地域において 就労支援を担う専門的な人材の育成、(2)地域の支援機関に対する助言・援助の業務を同 センターの基幹業務の1つとして位置づけ、地域の就労支援力の底上げを図ることが必 要。また、地域の就労移行支援事業等の支援機関との役割分担を明確にし、地域センタ ーにおいては就職等の困難性の高い障害者(精神障害者、発達障害者等)に対する専門 的支援を自ら実施することとすべき。地域センターの業務の新たな方向性を踏まえ、実 施体制の充実や障害者職業カウンセラーの資質の一層の向上を図ることが必要。  障害者就業・生活支援センター。就業面と生活面の一体的な支援を行う身近な地域の 職業リハビリテーション機関として着実に実績を上げている。地域の関係機関と連携し ながら、相談から就職準備、職場定着に至るまで、障害者に必要な支援をコーディネー トする役割が求められ、地域のネットワークの一員として不可欠な存在であることから、 全ての障害保健福祉圏域への設置を計画的かつ早急に進めることが必要。また、様々な ニーズを有する障害者に対する支援をコーディネートする機能を十分に発揮していくた めには、専門性の高い人材の育成・確保を図ることが重要であり、事業の委託の在り方 を見直すとともに、支援担当者の専門性を高めるための研修の充実を図ることが必要。 さらに、センターの支援により就職を実現した利用者をはじめ、支援対象者が増大して いることを踏まえ、地域のニーズ及び支援実績等を勘案しつつ実施体制の充実を図るこ とが必要。また、定着支援に果たす役割をセンターの業務として改めて位置づけるとと もに、定着支援機能の強化を図ることが必要。  障害者雇用支援センター。就職が特に困難な知的障害者等に対する長期的な職業準備 訓練の場として、全国14カ所に設置され、地域において就労支援の実績を上げてきたと ころ。障害者自立支援法の施行により目的・機能が雇用支援センターと極めて類似する 就労移行支援事業が創設され、全国に展開されつつあることから、センターの制度的な 位置づけを見直す必要が生じており、地域の実情を踏まえつつ、就労移行支援事業に移 行することが適当であると考えられる。  就労移行支援事業者。新たに就労移行支援事業に取り組む事業者が相当数見込まれて おり、各事業者が支援の質を確保し、良質なサービスを提供するためには、事業者自ら 就労支援に関する専門性の向上に取り組むことが必要であるとともに、地域センターが 技術的・専門的な観点から、助言・援助を行うことも有効。利用者の訓練終了後の就職 を円滑に進めるためには、ハローワーク等の労働関係機関との連携を図ることが必要で あるとともに、就職後の定着支援については、障害者就業・生活支援センター等と連携 してサポートしていくことが重要。  特別支援学校。学校卒業後の成人期における職業生活の充実に向けて、職業教育の充 実、指導内容・方法の改善、職場実習の拡充等を地域の関係機関と連携しながら進める ことが必要。また、進路指導担当教員の専門性の向上や進路指導体制を充実することも 重要。卒業後も継続して必要な支援が受けられるよう「個別の教育支援計画」の策定段 階から関係機関等の連携を図り、卒業後の支援体制の構築につなげていくことが重要。  就労支援を担う人材の分野横断的育成・確保のあり方。就労支援の強化が求められる 中で、支援の担い手の育成と専門性の確保が追いついていないことから、人材育成の取 組を強化することが不可決。人材育成に当たっては、就労支援の裾野を広げること、専 門性を高めることの双方から育成を進めることが必要であり、そのためには専門的支援 を行うジョブコーチを含め、就労支援を担う人材に必要なスキル・能力をレベルごとに 明確化するとともに、育成方法についても体系化することが重要。人材育成方策の具体 化に当たっては、必要な知識・スキル等の能力要件、研修カリキュラム、一定の資質・ 水準を確保するための能力評価の仕組み等について、今後幅広い見地から検討していく ことが必要。支援機関と雇用の現場をつなぐジョブコーチの育成・確保が重要であり、 全国で養成研修が受けられる体制をつくることが求められるとともに、養成研修につい ては、一定の水準を確保することも重要。  連携による就労支援を効果的に実施するためのツールの整備。ネットワークの支援機 関の間の共通理解を促進し、雇用、福祉、教育等の各分野の連携による支援を効果的に 進めるため、支援に当たって必要な情報や支援ツール(個別の支援計画等)を共有でき るようにすることが重要である。  以上です。このほかにも多数のご意見を頂戴しましたので、それについては報告書を ご覧いただければ、概ね掲載されています。以上です。 ○今野分科会長   ありがとうございました。ただいまの説明についてご質問、ご意見があれば、お願い いたします。 ○佐藤委員   1つは、障害のある人が、派遣や20時間なり短時間などの働き方で勤務することは、 働き方のノーマライゼーションとして非常に大事だと思っていますので、非常にありが たいことです。  もう1つは、中小企業への拡大で、特に派遣はかなり意味があるだろうと思っていま す。中小企業が障害者を雇用するといっても、その仕事がいつまであるのか、仕事の範 囲が限られてきますから、もちろんテンポラリーという意味ではなくて、ある程度ある のですが、3年後、5年後にどうかという不安があります。派遣であれば、ある程度期間 を限って受け入れることが可能だということです。  もう1つは、受入側にもある程度専門的なサポートが必要になるのです。人数に関係 なく一定のサポートが必要なわけですが、中小企業になればなるほど、やはりサポート の人の育成・確保は難しいと思いますが、派遣の場合、一応雇用管理が分かれるという メリットもあって、本来の企業であれば受入側がやっている部分を、派遣会社がやって くれる仕組みが出来上がれば、派遣を使う形で、専門的なサポート要員を置けないよう な中小企業でも受け入れやすくなるのではないかという可能性があるということで、私 は、いいことではないかと思います。  あとは追加的なことです。ハローワークは障害者雇用に重要な役割を果たしているの ですが、窓口を2カ所置くときに、障害者も2つになるのか。障害者だけ排除するように ならないようにということなので、市場化テストの窓口は両方やるのですね。その市場 化テストで、ハローワークの窓口が2カ所できたとき、障害者雇用がどうなるのか説明 していただければと思います。  もう1つは、短時間です。もともと短時間でも、30時間までは雇用率の適用対象にな っていたわけです。今度の短時間は、より短時間なのです。障害者雇用の専門の人なら よく分かっているわけですが、企業の人の中には、従来の30時間も雇用率の対象になっ ているのを理解していない人もいるので、今回、短時間と打ち出すときに、やはり留意 していただきたいと思います。パート労働法の短時間は、フルを切っての短時間ですか ら、短時間が決まったときに、その辺りを分かりやすくしていただければということで す。  最後は、皆さんご存じのように、雇用率1.8のときに、対象の事業所は、1.8を掛けて、 1人になる所を切ったわけです。ですから、例えば雇用率が1.5のときは67人以上だった わけですが、厳密に考えると、0.5人が雇えるようになれば、28人まで可能性があるの です。つまり、いままでは雇用率を動かすと、適用対象を動かしていたのです。 多分、自動的にだと思います。今回は、20時間とか派遣で0.5人という雇用が可能にな ったわけですが、つまり1人しか雇えないから切っていた論理的には、28人まで拡大し てもいいわけですが、その辺どうかということです。 ○今野会長   市場化テストと、今のこと、いかがですか。 ○高齢・障害者雇用対策部長   市場化テストからいきますが、市場化テストはまだ大枠しか決まっていなくて、今後、 必要な法改正を含めてやっていくわけですが、いまのところ考えているのは、障害者等 も含めて、すべて官民どちらも選べるようにすることです。これは、選べるという意味 ですので、来た方を自動的に割り振ることではなくて、両方窓口を開いて、どちらも選 べるようにして、選ぶことも含めて、官民競争であるという基本的な考え方です。  将来どうなるかというのもありますが、障害を持っている方や就職困難な方を含めて、 きちんとやっていくのがハローワークの機能ですので、そのうちの一部分だけが民間で できるのではなくて、ハローワーク全体の機能としてどうかというのは検討すべきだろ うというのが基本です。そういった意味です。その部分を含めて、どう評価するか、評 価基準その他もこれからですが、一応、いまのところはそう考えています。  2つ目のご質問は、まさにご議論いただくことだろうと思います。確かに0.5人という 雇い方はあり得るようになるのですが、ただ、そうしますと、56人以下の所は、短時間 労働か派遣労働でというのが前提になってしまうと、本当にそれがいいかという議論も あり得ると思いますので、これは、その部分をご議論いただく際に、またご検討いただ ければと思っています。 ○副島委員   3番目の福祉、教育との連携についての障害者雇用支援センター、就労移行支援事業 者の地域での支えのところです。今回の法律で地域自立支援協議会に就労専門の部会が 位置づけられたのです。  県と話をしてもあまりパッとしないのです。市町村の地域自立支援協議会に、地域の 支えのための就労支援専門部会があります。ここで地域の中での支えがしっかりやって いければいいのですが、この地域自立支援協議会の発足が地域によってはすごく遅れて います。就労に対する対策を十分検討されているにもかかわらず、地方においては、そ の取組が遅れているのです。そことの連携プレーをしっかりやっていただかないと、結 局、空論に終わってしまうのです。その点は十分に市町村現場を把握してもらうことが 必要だと思います。  もう1つは、学校教育ですが、特別支援学校などを含めて、我々は福祉事業をやって いますが、その福祉の現場の中に、学校からの就業・就労実習がたいへん増えています。 おそらくこれは骨太2007年の方針でもあると思うのです。それだけの希望が増えたのに、 現常の職員で対応しなければいけない。結局、実習をするための受け皿となるべき職員 の増配はできないのです。しかし、就労の練習や意識づけのためにどんどん送り込まれ て来ます。  これは受けなければいけないことは分かるし、その取組は正当だと思います。ところ が、それに対する人の手当てが何もない中で、受けろ、受けろということを言っても、 結局、現場は本当に混乱してしまうのです。その面を含めて、やはり学校との連携を取 るのであれば、連携の取りやすい体制づくりも十分に吟味してもらわなかったら、結局、 いいことだからやっていこうというだけで終わってしまって、現場は混乱してしまいま す。ぜひ、そういうところも議論の中に入れていただきたいと思います。以上です。 ○今野分科会長   先ほど私が言いましたように、分科会で今後議論するときの重要な情報にさせていた だきたいと思いますが、事務局から何かありますか。 ○高齢・障害者雇用対策部長   今回、「雇用と教育と福祉の連携という研究会」を設けたこと自体は、いまご指摘の ようなことを含めて、やはり問題意識があったということで、ここの部分は、私ども職 業安定局だけでは対応しきれない面があるのですが、いま、本省レベルでも、障害保健 福祉部と文科省と私どもと三者でいろいろ協議の場を設けながらやっていますし、3つの 系統で、それぞれ地方にもいろいろな指示なり要請なりをしながら、各地域地域で、い まおっしゃったような部分を含めてきちんと対応できるようにと努力はしていますが、 まだ、やや日が浅いところもあって、きちんといっていない部分もあるのも認識してい ます。そこをどうやって進めるかも含めて、この分科会でご議論いただいて、私どもが やることはきちんとやっていくという形でやっていきたいと思っています。 ○今野分科会長   ほかにありますか。よろしいですか。ないようでしたら、次の議題にいきます。また ありましたら、あとからでも結構です。  次の議題に入りたいと思います。次の議題は「検討項目およびスケジュールについて」 です。事務局から、まず説明をお願いします。 ○調査官   お手元に資料3「労働政策審議会障害者雇用分科会における検討項目(案)」をご用意 ください。  まず、検討項目の案としては、3つの研究会においてご議論いただいた事項です。す なわち、「多様な雇用形態に対応する障害者雇用制度の在り方について」は、障害者の 短時間労働について、障害者の派遣労働及び紹介予定派遣について。「中小企業におけ る障害者の雇用促進について」は、中小企業に対する雇用支援策の強化について、中小 企業における経済的負担の調整について。「福祉、教育等との連携による障害者の就労 支援の強化について」は、連携による障害者の就労支援について、職業リハビリテーシ ョン機関の今後の在り方についてです。これら3つの研究会の検討事項はそれぞれ重要 性があるということで、ご審議をいただきたいと考えています。  また、その他の事項としては、2つの事項とその他を掲げています。1つは、障害者雇 用率の見直しについてです。障害者雇用率見直しについては、法律第43条第2項により、 少なくとも5年ごとに検討し、政令で定めていくこととなっています。前回は平成14年 度に検討して、据え置くことになっていますが、本年の分科会で検討していただく必 要があると考えています。  次の除外率の引下げは、法律の付則第3条第3項において、除外率の設定期間・業種に ついて、「雇用状況や障害者が職業に就くことを容易にする技術革新の進展状況その他 の事項を考慮して、段階的に縮少されるように制定され、改正されるものとする」とさ れています。「段階的な引き下げ」とありますので、制度に関する議論のあるときには 検討していただくべき性質のものであろうかと思います。  なお、前回の除外率が平成16年4月1日に引下げを施行されています。平成17年改正の 時点で分科会が開催されていたのは、平成16年秋以降です。そういう意味で、今回が実 質的に検討できる最初のタイミングですので、取り上げさせていただきました。  そのほか、会長からもご指摘を頂戴していますが、重要事項等について、分科会委員 の皆様からご意見がありましたら頂戴したいと考えています。検討項目の案は以上です。  次の資料4をご覧ください。「検討のスケジュール(案)」です。本日第1回において、 こうした内容について検討していただいた後、第2回、第3回、第4回については、研究 会の成果等それぞれの内容についてご検討いただく予定としています。  第5回はその他です。第6回から第10回までは、第5回までの議論の進捗等を踏まえて、 内容をいろいろな形で、事務局としてもご相談をさせていただき、年内、12月19日ま での10回にわたる分科会においてご検討をいただくスケジュールとなっています。 それぞれの日付の予定については、そのスケジュール(案)のとおりとなっています。 よろしくご検討をお願いします。以上です。 ○今野分科会長   ありがとうございました。この資料3にありますように、とりあえず検討項目(案) は、3つの研究会で取り上げたテーマを中心にして、ここで書いています。ただ、その 他の項目にその他とありますように、今日、委員の皆さんから、こういうことを検討す べきだということがあったら、意見を出していただいて、それを受けてもう一度これの 整理をして、検討項目を決めたいと考えています。  すでに、この点に関連して意見をいただいていますが、それ以外にあれば、ここでご 意見をいただきたいと思います。 ○菊池委員  先ほど来、現状と課題のところで、精神障害の方の雇用が非常に少ないということで、 例えば、福祉と教育と雇用の連携のほかに、医療との連携も非常に大事だと思います。 と申しますのは、いま現在、精神病院のデイケアにおいては、これまで作業所に通って いらした方が、自立支援法絡みで、作業所に行くと利用料が徴収されることになったの で、作業所の利用をやめて、デイケアに戻っていらっしゃる方が増えているのです。  しかし、実際デイケアの現状を見ますと、20代、30代、40代の働き盛りの方もいら っしゃるわけですから、その辺はデイケアとうまく連携することによってと言いますか、 医療とも連携しながら、精神障害の方の雇用を進めていくことになっていけばいいので はないかと思います。そういうことで、医療との連携も中に入れて検討していただけた らと思います。 ○今野会長   他にどうぞ。 ○松井委員   ちょっと迷いもあるのですが、組織を代表している者として、やはり一言お願いして おきたいと思います。  私どもは地方にいて、中小企業の多い地域だからということが言えるかも分かりませ んが、そんなに障害者の雇用が促進されている、進んでいるという実感は正直言ってあ りません。しかし、今日ご報告いただきました雇用率の対象になる企業にご縁のある障 害をもった人たちの就労は、いろいろご配慮いただいているのかなと思っています。  いまもお話がありましたが、近くの作業所へ通うことが、大企業に勤めている人に匹 敵するぐらい人生の生きがいであったり、目標であったりする障害をもった人がいっぱ いいるわけです。その人たちは、いま政府を挙げて、これだけの取組をしているにもか かわらず、自立支援法の関係もあって、むしろ作業所へ行くことさえ、利用料の関係で、 もうやめなければいけない、あるいは現実にもうやめている人が結構いるわけです。そ の人たちのことについて別のところで論じるのだということであれば仕方ないのですが、 障害をもった人たちの中には、そういう人もたくさんいて、就労というよりも、作業所 へ通うことさえ断念せざるを得ない立場の人たちが地域にたくさんいて、大げさに言え ば泣いている、辛い思いをしている現実をご理解いただきたい。こういう議論の中で、 その人たちはどうすればいいのかを考えていただきたい。  福祉就労から一般就労へという話はいいのですが、作業所で皆と和気あいあいと働い ていることが、先ほど申し上げましたように、それ以上に生きがいがないという位置づ けで、頑張っている人もいるわけです。ですから、一般就労にスムーズに本人の意思も あって移行できる人はいいのですが、そのことにあまりこだわりを持つこともないので はないか。そういう世界はそういう世界で大事に、そこで皆が頑張れるようにしてあげ るのも、国の施策の1つではないかと思いますので、ぜひ皆さんに理解していただきた いなと願っています。 ○松矢委員   菊池委員から出たご意見の関連ですが、精神障害者については、やはり中間年でもあ りますから、きちんと扱っていただきたいことと、やはり、できるところではプロジェ クトを立てて進めていただきたいと思います。前の分科会のときに、教育委員会の例を とりました。実際に雇用率が上がらないのは、障害のある方で教員免許を持っている方 が少ないし、まだまだ障害のある若い人たちがチャレンジすることでは、数は期待でき ないだろうと。しかし、免許を持っている方で、病気のために現場へ戻れないという心 の病をもった方々の数はかなりいらっしゃるわけです。要するに、教員はフロントヤー ドなのです。子供と保護者に対応しなければならない。人間関係において非常にストレ スの多い職場ですから、再発してしまうこともあります。  ですから、そういうことを考えると、例えばラボラトリーなどの教材開発というバッ クヤードを用意して、そこでは手帳を持たなくても、医師の診断等があればカウントす るようなラボをつくっていく形で一定の地域に用意して、もちろん回復していけば、テ ィームティーチングのサブティーチャーになっていく、戻れれば戻っていくというリワ ークの研究がないのではないかと思います。  これは、やはり組合と使用者側、教育委員会がよく話し合って、実際には、そういう プロジェクトを考えてみるといった具体的な切り方をしないと、教員の雇用率は上がら ないのではないかと思います。ずっと棚上げになっています。その使用者、組合関係も、 そこの問題をもう少し具体的に詰めていくことが必要なのではないかという感じがして います。そのような具体を詰めてということを、ぜひ、お願いしたいと思います。 ○今野会長 ありがとうございました。他にございますでしょうか。どうぞ。 ○輪島委員   同じく「その他」のところですが、障害者雇用促進法において障害者雇用率の率は、 企業にとっては非常に大きな問題で、障害者雇用率の見直しが「その他」の位置づけに あるのは、非常に軽いのではないかと思います。項目として表現を改めていただきたい と思います。  2つ目が、いまの点でもありますが、教育委員会の法定雇用率を、いつまで2.0に放 置しておくのかがあまり議論されていないので、計画もそろそろ一旦終わりの時期だと 思いますので、計画は計画で淡々とやるのでしょうが、法定雇用率自身は、もう2.0に 合わせて、一律の取扱いにすることがあっても然るべきなのではないかと思います。  3点目は、障害者権利条約との関係ですが、「その他」の項目の中に権利条約の点をど う踏まえていくのかということだけでも、内閣府なのか、どうなのか分かりませんが、 そこら辺でどうするのか。特に私どもで気になっているのは、雇用の場面においての事 業主にとっての合理的配慮の点ですが、その点をどう考えるのか。その点も条約を批准 することが前提であれば、多少前もってワーニングといいますか、こういう点は、制度 や法律でこうなる前に、こういう対応が必要だということも含めて、少し前もってお話 をいただきたいと思います。  最初に発言をした内容で、こだわるわけではありませんが、東京都も障害者雇用・就 労のことを考えていて、東京都としては、3万人の就労を目指しています。勝手に言っ ているのか、調整しているのか知りませんが、東京都は3万人という目標を出している わけです。先ほど申しましたように、全体がどうなっているのか分からないのに、東京 だけは3万人と言っている姿のほうが、やはり課題があるのだろうと思いますから、国 全体の中で東京はどういう位置づけなのかも整理した上で議論がされるべきなのだろう なと思います。  除外率ですが、そのときの議論だろうと思いますが、手続き的な問題がどうなるのか をあとで教えていただければと思います。以上です。 ○今野分科会長   検討してほしい事項とお受けしますが、除外率についての手続きについては。 ○輪島委員   議論のときで結構です。 ○今野分科会長   ほかにありますか。よろしいですか。たくさんその他に関連してご意見をいただきま したので、これはもう一度整理して、検討事項としてもう一度まとめたいと思います。  議事進行係としては、これだけいっぱいのものをこんな短期間でやるのは大変心配な のです。それでなくても、分科会のスケジュール(案)にありますように、今年いっぱ いで10回やろうというのですが、検討項目からすると、10回で済むのかと心配してい ますが、そういう形でもう一度テーマを整理させて、一応このスケジュールに沿って議 論を進めさせていただければと思います。  多分、次回以降は大変長くなると思いますので、今日ぐらいは早く終わろうかなと思 います。最後ですので、あとから太田職業安定局長がいらっしゃいましたので、一言ご 挨拶をいただければと思います。 ○職業安定局長   職業安定局長の太田です。24日付の人事異動で職業安定局長の席に就いています。ど うぞよろしくお願い申し上げます。  若干ご挨拶方々私事で恐縮ですが、障害者雇用対策とのかかわりをお話させていただ きます。私が本格的に障害者雇用対策を担当させていただいたのは、平成5年に障害者 雇用対策課長として勤務していたときです。そのときは知的障害者の……の問題あるい は地域における雇用・就労支援策など大変大きな課題になっておりました。そのあと節 目としては、平成14年に高齢・障害者雇用対策部長として勤務させていただきました。 そのときは、いまも話題になっていました精神障害者の雇用・就労策の充実強化の問題 あるいは在宅就労の充実強化等々が大変大きな課題になっていました。  今日、また先生方に大変たくさんの新しい課題を短期間のスケジュールでお願いして いるわけで、どうぞよろしくお願い申し上げます。先生方のご指導をいただいて、障害 者雇用対策の充実強化に全力で取り組んでまいりますので、今後ともご指導のほどよろ しくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。 ○今野分科会長   本日の分科会はこれで終了したいと思います。  議事録の署名ですが、労働者側代表委員は泉田委員にお願いいたします。使用者側代 表委員は新澤委員にお願いいたします。障害者代表は副島委員にお願いいたします。  次回の分科会の日程は、9月18日(火)15時からを予定しています。正式には追って 連絡があると思います。よろしくお願いします。  今日は終わります。ありがとうございました。               <照会先>                厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課 調整係                 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2                       TEL  03(5253)1111 (内線 5783)                   FAX  03(3502)5394