病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する
実態調査の概要

1.調査の目的

病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会において、業務及び人員配置のあり方を検討するにあたり、病院における薬剤師の業務及び人員状況配置の実態を把握するために、実態調査を実施した。

調査は、社団法人日本病院薬剤師会(以下「日病薬」という。)に依頼し、日病薬では、上記目的を達成するため、会員施設を中心にアンケートによる調査を実施した。

2.調査対象及び調査方法

調査対象は、日病薬会員が所属する医療機関のうち20床以上を有する6703施設とし、各施設に調査票を郵送し回答する方式と、日病薬ホームページに調査票を掲載しダウンロードして回答する方法により実施した。

調査データは平成18年6月の1ヶ月のデータとした。

3.主な調査項目の概要

調査項目は、第1回「病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会」において検討され、了承されたものである。

主な調査項目は、「薬歴に基づく処方鑑査とそれによる情報の共有化」、「ハイリスク薬の取り扱い業務手順書の有無」、「夜間休日体制の有無とその業務内容」、「病棟に薬剤師が常駐あるいは定期訪問していることのメリット」、「病棟で薬剤師が直接患者に調剤薬を交付しているか、その場合のメリット」、「理解力や身体機能低下のある患者への服薬支援についてその効果」、「感染制御チーム、褥瘡対策チーム、緩和ケアチーム、栄養サポートチームへの参加」、「現在の薬剤師数に対する充足感」、「採用の難易度」、「当直体制をとるために必要な人数」、「6年制実務実習受入学生数」などである。

4.調査結果概要

(1)回答病院数及び回答率

回答病院数は4714施設であり、回答率は70.3%であった。

なお、日病薬非会員施設22施設を含め、合計4736施設からの回答があり、そのうち、集計に用いることのできた回答病院数は4474施設であった。

病院の規模別の内訳は、図1に示すように20〜49床が271施設(6%)、50〜99床が861施設(19%)、100〜299床が2121施設(48%)、300〜499床が824施設(18%)、500床以上が397施設(9%)であった。

常勤換算した薬剤師1人当たりの入院患者数の区分は、「精神病床のみを除く病院」が図2、「精神病床のみの病院」が図3で示したとおりであり、それぞれ薬剤師1人当たりの患者数が30人以下の施設が2254施設(57%)、18施設(4%)、30〜50人以下が1043施設(26%)、67施設(13%)、50〜70人以下が385施設(10%)、145施設(28%)、70〜100人以下が190施設(5%)、192施設(38%)、100人超の施設は92施設(2%)、88施設(17%)であった。

(2)単純集計の概要

集計表は、精神病床のみを除く病院(3964施設)と精神病床のみを有する病院(510施設)の二つに分けて作成した。

代表値については、施設間での数値のばらつきが大きいことから、平均値ではなく、実態をより適切に表すものとして、中央値を採用した。

区分は病床規模(20〜49床、50〜99床、100〜299床、300〜499床、500床以上)、薬剤師数の区分(1人、2〜4人、5〜9人、10人以上:常勤換算した薬剤師数の小数点第1位を四捨五入)、対患者数区分(30人以下、30〜50人以下、50〜70人以下、70〜100人以下、100人超:常勤換算した薬剤師1人当たりの入院患者数)で、切り分けして集計した。



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