07/07/30 独立行政法人評価委員会 第39回 労働部会議事録 独立行政法人評価委員会 労働部会(第39回) 日 時:平成19年7月30日(月)14:00〜18:15 場 所:厚生労働省共用第8会議室 出席者:井原部会長、篠原部会長代理、今村委員、小畑委員、川端委員、堺委員、谷川 委員、寺山委員、松田委員、宮本委員、本寺委員 ○井原部会長  それでは定刻となりましたので、ただいまから第39回の「独立行政法人評価委員会・ 労働部会」を開催させていただきます。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとう ございます。今回は本寺委員が少々遅れているようですが、まもなくお見えになると思 います。そうしますと欠席の方はございません。それでは初めに事務局から本日の議事 について説明をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  それでは本日の議事についてご説明申し上げます。  お手元の議事次第にございますように、まずは「高齢・障害者雇用支援機構」の関係 につきまして、評価の視点の変更・追加についてご審議いただいた後、平成18年度の個 別評価についてご審議いただきます。この後、5分程休憩をとっていただきまして、そ の間、事務局を入れかえさせていただきます。次に「雇用・能力開発機構」の関係です が、高齢・障害者雇用支援機構と同様に、評価の視点の追加についてご審議いただいた 後に、平成18年度の個別評価についてご審議いただきます。この後、重要な財産処分に ついてご審議いただき、最後に業務方法書の改正についてご審議いただきます。  以上でございますが、本日ご審議いただく時間が合計で4時間を越えて長丁場となろ うかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○井原部会長  それでは本日の議題に入りたいと思います。まず、高齢・障害者雇用支援機構の評価 の視点の追加につきまして事務局から説明をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  ご説明に先立ちまして、資料について簡単にご説明申し上げます。  前に置いてございます資料は、高齢・障害者雇用支援機構の分でございます。後半の 雇用・能力開発機構の分につきましては、先生方の左手にまとめて置いてございます。 参考資料も該当法人分はまとめて置いてございます。  それでは資料についてご説明いたします。資料1、追加される評価の視点につきまし て、高齢・障害者雇用支援機構につきましては他の法人と同様に、人件費の関係、それ から業務システム最適化関係につきまして該当システムの関係がございますので、その 2つの関係について、評価の視点の追加ということになってございます。内容はご覧に なっているとおりでございます。以上でございます。 ○井原部会長  ただいまの説明について、何かご質問等がありましたらお願いしたいと思います。よ ろしゅうございますか。  それではこの内容で評価の視点の追加につきまして了承したいと思います。  では、次の議題に移りたいと思います。これより実際の評価に移りますが、各法人の 状況も含めて取りまとめた理由を事務局から説明をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  はい、参考資料の1、3及び4についてご説明申し上げます。  前回の労働部会でも申し上げましたが、総務省の政・独委からの文書等を踏まえまし て各法人共通の部分、人件費については参考資料1、そして随意契約については参考資 料の3をお配りしているところでございます。また参考資料4につきましては業務シス テム最適化の該当システムが当該法人にはございますので、資料としてお付けしており ます。  それでは法人の方からご説明をお願いします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  高齢・障害者雇用支援機構の総務部長の藤澤と申します。どうぞよろしくお願い申し 上げます。  今、評価官室から説明がございましたように、私から最初に3点ほどまとめてご説明 を申し上げたいと思います。初めにお手元に参考1をお願い申し上げたいと思います。 当機構の役職員の報酬・給与等についての資料ですが、その概要をご説明申し上げます。  この参考資料1の1ページをご覧いただけますでしょうか。最初に役員の報酬からご 説明を申し上げたいと思います。大きなIの1の(2)、この1ページの真ん中辺でござい ますが、役員報酬水準の改定内容のところをご覧下さい。理事長、理事等の別に記載を しております役員報酬でございますが、昨年度、平成18年度は7%の引き下げを行った ところでございます。これは昨年、既に給与規程の改定ということで、この労働部会に もご報告を申し上げたところでございます。  次に職員の給与につきまして申し上げます。1ページめくっていただきまして、2ペ ージをご覧いただけますでしょうか。まず、中ほどの大きなIIの(1)の人件費管理の基本 方針の欄にございますように、私どもの目標でございますが、現行の中期計画におきま して13%の人件費の削減、それから18年度から5年間で5%以上の人件費の削減を行 うという目標になっているところでございます。同じ2ページの下の方で、「ウ」でござ いますが、18年度における給与制度の主な改正点でございますけれど、俸給の平均4.8% の引き下げ、それから昇給カーブのフラット化、昇給幅の抑制等を行ったところでござ います。これらにつきましては後ほど評価シートの説明の際にも再度説明を申し上げた いと思います。  少しページが飛びますが、7ページをご覧下さい。7ページの下の方に(5)としまして、 国家公務員の給与水準との比較、いわゆるラスパイレス指数について説明を申し上げま す。18年度の当機構のラスパイレス指数はここにございますように、事務職員で117.0、 研究職員で90.9となったところでございます。  8ページにまいりまして、上の方に( )書きで記載がしてございますように、この事 務職員につきましては17年度は117.6でありましたので、18年度にかけまして0.6ポ イントの低下となったところでございます。また同じ( )の中の(1)、(2)のところに記載 がしてございますが、これまで再三申し上げておりますように、当機構は東京で勤務す る職員が多いこと、またほとんどの職員が大卒であるということから、地域・学歴を調 整した事務職員のラスパイレス指数はここにございますように106.9、これは前年度よ り1.1ポイントの低下となったところでございます。  簡単でございますが、役職員の報酬・給与等につきましては以上でございます。  次に参考3をご覧いただけますでしょうか。随意契約等の状況につきまして次に参考 3でご説明申し上げます。初めにこの資料の1ページ目をご覧下さい。  平成18年度で100万円を越える総契約件数は、左側に書いてございますように483 件。119億7千万円でございました。うち、右の方に行きますと一般競争入札が99件、 指名競争入札が5件、随意契約が379件でございました。初めに一般競争入札について 少し申し上げますと、17年度は23件でございました。18年度はここにございますよう に99件となり、本年度の19年度はこの後申し上げます随意契約の見直しによりまして 154件となるような見込みとなっているところでございます。次に指名競争入札は17年 度は26件、今年度は0としまして、すべて一般競争入札に移行する見込みでございます。 3点目の随意契約でございますが、17年度は496件でございました。18年度はここにご ざいますように379件、19年度は291件まで減少させる見込みでございます。  また表にはございませんが、このうち企画競争、公募による調達が18年度は29件か ら、19年度は58件まで倍増させるといったような見込みとなっているところでござい ます。さらに随意契約の中には長期のリース契約や3年計画の研究調査などで直ちに入 札に移行できなかったものが含まれておりますが、19年度は約100件を既に入札等に移 行させたところでございます。来年度以降も更新の際などに入札等に移行させて、契約 手続きの改善を図っていく方針でございます。それからこのページの一番右側の欄に、 厚生労働省が所管する公益法人との契約、56件とございます。これが17年度は65件で ございまして、9件減ったところでございます。今年度はさらに減少すると見込んでい るところでございます。  次に同じ資料の3ページ目をご覧いただけますでしょうか。随意契約によることがで きる限度額でございますが、この3ページの独法の上から4つ目に当機構がございます けれど、国における限度額と同様に規定をし、契約の適正化に努めているところでござ います。2点目の随意契約の状況等につきましては以上でございます。  3点目、最後に参考4でございますけれど、当機構におけます業務・システムの最適 化の取り組みの状況につきましてご説明を申し上げます。この参考4の1ページ目、下 から2行目に私どものことが記載されてございますが、その取り組みの体制であります けれど、CIOには理事を充てております。またCIO補佐官にはここにございますよ うに赤堀英之を任命しているところでございます。このCIO補佐官はもともとおりま した内部の職員に兼ねさせているものではございませんで、専門性を持った外部人材を 新たに採用したものでございます。赤堀はネットワークやシステムの設計、構築、運用 等についての幅広い知識・ノウハウを持っておりまして、現在は当機構の様々なシステ ムの効率化や経費の節減、また透明性の確保等に積極的に取り組んでいるものでござい ます。さらに当機構の最適化の対象システムは障害者雇用支援システムでございます。 これにつきましては次の資料でご説明申し上げたいと思います。  同じ資料の4ページ目をご覧いただけますでしょうか。4ページ目の真ん中の欄にご ざいますけれど、当機構の中期計画に記載をして取り組んでおります業務・システムの 最適化の状況につきましてご説明申し上げたいと思います。障害者雇用支援システムで ございますが、これは最適化の対象となっておりますが、少し口頭で申し上げますと、 後ほど評価シートの方にも出てまいりますが、各都道府県の地域障害者職業センターに おきまして職業リハビリテーションサービスを提供しております。その対象の障害者の 方々の支援記録や、あるいは事業主への支援記録をデータベース化しまして、必要な都 度利用しやすいものとし、また機構本部において統計的に処理して今後の職リハ対策の 実施に効果的に反映させるためのシステムでございます。  昨年度は中期計画または総務省のガイドラインに沿いまして刷新可能性調査を実施し たところであり、本年度も計画どおり年末までに最適化計画を策定することとし、現在 着実に取り組んでいるところでございます。業務・システムの最適化については以上で ございます。  以上、3点報告しました。よろしくお願いいたします。 ○井原部会長  それでは、ただいまの説明の内容につきましてご質問・ご意見があればお願いしたい と思います。 ○今村委員  参考資料4の外部CIO補佐官の件ですが、これは外部人材の採用ということなんで すが、処遇とか他の職員と同等なのかどうか、そういうことについてもう少し教えてい ただければと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  処遇でございますが、嘱託という形で採用しております。ただし、非常に専門性の高 い人材を採用したわけでございますので、レベルや質が高い人材を採用しておりますの で、処遇についても通常の職員並もしくは非常に高い給与を、それなりの人材を採用で きるだけの給与を、求人条件を示して採用したところでございます。 ○井原部会長  そのほかにございませんか。  それでは実際の評価に移っていただくわけでございますが、お手元に各法人の平成17 年度実績の個別評価という資料をお配りしております。これは昨年度も同様にお配りし たものですが、評点をつけていただく際のご参考にしていただければと思います。  では、まず高齢・障害者雇用支援機構の荒川理事長からご挨拶・ご説明をいただきま して、次に平成18年度の法人業務につきましてご説明をお願いします。なお、今年の夏 の独法評価委員会におきましては議題が大変多いので、説明の時間を例年より短縮して いただいております。それで理事長のご挨拶も含めまして合計50分でお願いしたいと思 います。時間を超過することのないように、是非協力をお願いしたいと思います。では 理事長からお願いします。   ○高齢・障害者雇用支援機構荒川理事長  高齢・障害者雇用支援機構の荒川でございます。よろしくお願い申し上げます。当機 構の運営に当たりまして重点的に取り組んでいる事項についてお話を申し上げます。  高齢者雇用につきましては、昨年4月に改正高齢者雇用安定法が施行され、65歳まで の雇用確保措置が企業に義務づけられたところです。当機構としてはその円滑・着実な 実施のために企業における人事・雇用管理面での専門的なアドバイスなどサービスの強 化に努めております。また、昨年12月に取りまとめられました再チャレンジ支援総合プ ランにおきまして、2010年までに「70歳まで働ける企業」の割合を20%まで引き上げ ることが目標に掲げられたところです。当機構としては、厚生労働省からの委託事業で ある「70歳まで働ける企業推進プロジェクト」の的確・効果的な実施に取り組んでいる ところであります。  次に障害者雇用につきましては、昨年6月の民間企業の実雇用率は1.52%と引き続き 改善が見られております。しかし、なお6割弱の法定雇用率未達成の企業があり、特に 中小企業の改善の遅れが見られるところであります。また近年、重度知的障害者、精神 障害者、発達障害者など就職困難度の高い障害者の職業的自立が重要な課題となってい ます。再チャレンジ支援総合プランを初め、福祉的就労から一般雇用へという政策課題 を踏まえ、障害者雇用の進展のために、「1.カウンセラー、ジョブコーチによる職業リ ハビリテーションサービスの充実」、「2.納付金制度の適切な運営」、「3.事業主に対 する相談・支援サービスの強化」に一層積極的に取り組んでいるところであります。  また、独立行政法人として効果的・効率的な運営を図るべく、業務の効率化、給与制 度改革の実施や、一般競争入札の推進によるコスト削減にも積極的に取り組んでいると ころであります。  高齢者、障害者雇用の重要性が一層高まる中で、当機構に課せられた役割を十分に果 たすべく全力を挙げて取り組んでまいりたいので、よろしくお願い申し上げます。   ○井原部会長  どうもありがとうございました。引き続き平成18年度の業務実績等についての説明を お願いします。   ○高齢・障害者雇用支援機構企画啓発部長  資料の2-6、平成18年度業務実績説明資料に沿ってご説明申し上げます。この資料 は業務実績評価シートをわかりやすく説明したもので、評価区分ごとの自己評定及び業 務実績を記載しております。なお、当機構の場合、後でもご説明しますように、業績評 価を厳正・公正に行うために雇用・福祉・医療の専門家といった外部の有識者から構成 される外部評価委員会による評価をそのまま自己評定としていますことを申し上げてお きます。  1ページから3ページまでは機構の概要、高齢・障害者雇用対策の体系、中期目標・ 計画のポイントをまとめております。  4ページをご覧下さい。個別の評価シートのご説明の前に、「高齢者・障害者雇用支援 業務の統合効果」についてご説明します。この労働部会より高齢・障害の2つの団体が 統合したことによるメリットの発揮の重要性について指摘をいただいています。一番上 の囲みが、「統合によるサービスの効率化・充実」ですが、左側は統合による役職員の削 減、経費節減といった効率化メリットをお示しし、右側に業務の連携によるシナジー効 果をお示ししています。シナジー効果の取り組み例としては、助成金関係では高齢・障 害双方の助成金を掲載したパンフレットの作成などによる効果的な周知、不正受給事案 を踏まえた共同でのチェックリストの作成、不正受給者情報の共有化による不正受給の 防止の取り組みを行っています。昨年度、ご指摘いただきました調査・研究関係では、 高齢・障害双方に役立つ職域開発、職場改善事例について、手法・成果の普及のための 検討連絡会を開催して検討を行っております。また、機構ホームページの高齢者雇用支 援のページからも、障害者就労支援機器の情報にアクセスできるよう改善を図ったとこ ろです。  次に真ん中の囲みの都道府県協会の統合の推進をご覧下さい。本部での高齢・障害業 務の統合を踏まえ一層効果的な業務運営を図る観点から、地方の業務運営主体の都道府 県協会についても統合を進めてまいりました。19年4月1日現在で11月に開催される ユニバーサル技能五輪国際大会終了後に統合する静岡協会を除く46都道府県で統合が 完了しました。これにより、左側にありますように、都道府県協会の役職員の削減、経 費の節減を図るとともに、右側にありますように、利用者への支援窓口のワンストップ サービス化が実現しました。また、高齢者雇用アドバイザーが事業所訪問時に障害者雇 用のニーズを把握し、障害者雇用アドバイザーにつなぐといった情報の共有化、高齢・ 障害に関する優良事業所表彰など啓発イベントの統合など、地方の窓口サービスのレベ ルでも統合効果を発揮できるようにしております。  ここからは個別評価シートのご説明に移ります。6ページをご覧下さい。評価シート の1、「効率化等」の取り組みです。ページをめくっていただき、まず「効果的な業務運 営体制・経費の節減」についてご説明します。一番上の青の囲みは業務運営体制の効率 化です。地域障害者職業センターの管理業務について、業務の効率的実施の観点から4 カ所、8センターにおいて試行的に2カ所の事務を一人の事務職員で処理する取り組み を行ってまいりましたが、19年度よりこれを7カ所、14センターに拡大をしました。せ き髄損傷者職業センターは福岡県飯塚市において併設の労災病院、総合せき損センター との連携のもと、入院中のせき損患者等に対する職業評価、職業指導等を実施している ものです。近年、入院患者の高齢化や入院期間の短縮を背景に、入院期間中の職リハサ ービスの利用を希望する患者が減少していることを踏まえ、本年度から業務実施体制の 合理化を図ることとしました。都道府県協会の統合につきましては先ほどご説明したと おり、19年度11協会が統合し、46都道府県で実現をいたしました。  次に真ん中の赤の囲みの一般管理費・業務経費の節減をご覧下さい。経費の節減につ いては中期目標で一般管理費を期間中13%削減、業務経費を毎年度1%削減することを 掲げており、その目標達成に向け積極的に取り組んできたところです。この結果、一般 管理費は予算上、前年度と比較して3.2%の節減を図ったほか、19年度はさらに予算の 節減を図り、14年度と比較して13.7%減と目標を達成いたしております。  以上に加え、予算執行の経費節減として、一般競争入札の積極的実施、人件費の節減 等により2.9%の節減を実現しました。業務経費についても同様に、予算上3.3%の節減 を図った上で、さらに予算執行の経費節減として6.0%の節減を実現しました。  次のページはこの労働部会でのご指摘を受け、一般管理費及び業務経費の予算及び決 算額の経年推移をグラフで示したものです。ご覧いただきますように、一般管理費及び 業務経費とも毎年度予算額を着実に節減する一方、仕様書の見直し、一般競争入札の拡 大等、予算執行時のさらなる節減を行い、18年度決算額でみると一般管理費では14年 度予算に比べて11.7%、業務経費では15年度予算に比べて13.5%の節減と大幅な効率 化を実現しました。  恐縮でございますが1ページ戻っていただきまして、一番下の緑の囲みの給与制度改 革の実施による人件費削減をご覧下さい。17年12月に閣議決定された「行政改革の重 要方針」を踏まえ、18年度以降5年間で人件費を5%削減することとし、中期目標にお いて最終年度の19年度末までに1%以上節減することとしています。これに対し実績を 見ると、18年度において既に前年度と比較して3.0%の節減を実現いたしております。 18年度においては俸給の引き下げを初めとした抜本的な給与制度改革を実施、俸給の平 均4.8%の引き下げ、賃金カーブのフラット化による中高年層の俸給を最大7%引き下 げ、昇給幅の細分化による昇給抑制など思い切った改革を実行したところでございます。  9ページをご覧下さい。「給付金及び助成金業務の効率化」です。資料の一番上の囲み にありますように、18年度においては給付金・助成金とも年間処理件数が急増し、両者 あわせて89,093件と14年度と比較して39.9%増加しました。しかし、このような処理 件数の急増にもかかわらず、当機構としては様々な手を尽くし1件当たりの平均処理期 間を逆に76.9日に短縮し、目標値である83.8日を大幅に上回る成果を挙げることがで きました。取り組みで最も重点を置いたのが事務手続きの効率化です。  資料の中ほど、緑の囲みの給付金という部分ですが、昨年度は継続雇用定着助成金の 制度変更があり、助成期間が短縮されることとなったため前倒しで継続雇用制度の導入 を図る大量の事業主が駆け込み申請をしてきました。その件数は当機構の予想を大きく 上回り、処理件数は上半期で約4万件と、前年度同期と比べて約2倍の量となりました。 このような事態を受けて当機構は次のような緊急対策を実施しました。  一つ目が、システムの更改です。データチェックのため機構と情報処理会社間で磁気 テープを搬送する従来システムを、機構内で一貫処理する新システムに改めました。2 つ目は、審査体制の強化です。外部からの問い合わせ等、付随業務は管理部門で処理す るなど、部内挙げての応援体制づくり、申請書・添付書類の記載漏れチェック等を担当 する臨時職員の配置、管理職を含めた残業や土日出勤等、総力を挙げて審査の迅速化に 取り組みました。3つ目は、都道府県協会への指導です。都道府県協会における処理期 間を20日以内に厳守させ、これを超えた場合は遅延理由書を提出させるなど、協会トッ プ自らが遅れの原因究明と改善策を講じるよう統一的な指導を行いました。この緊急対 策のほか、資料にお示しした種々の取り組みが相まって効果を上げ、今回の大幅な処理 期間の短縮を実現しました。これにより、本年3月で定年退職予定であった多くの高齢 者の65歳までの継続雇用の確保が実現したものです。  10ページをご覧下さい。「業務・システムの最適化」です。一番上の囲みにあります ように、機構では中期計画・年度計画に沿って18年度に現行体系の課題の整理を行い、 刷新可能性調査を実施、19年度に見直し方針を決定し最適化計画を策定することといた しております。18年度に実施した刷新可能性報告書では、下の囲みの中に「システム刷 新の可能性」のところがありますように、システムの再構築と機器リプレースの2通り の見直しの可能性が示されているところですが、今後は具体的な最適化計画の策定を行 いシステムコストの削減や業務運営の合理化につなげてまいります。  以上が評価シート1番で、組織運営の合理化、経費の大幅な削減、抜本的な給与制度 改革、給付金・助成金の処理期間の大幅な短縮が評価され、当機構の外部評価委員会よ り「S」と評価されたところです。  11ページをご覧下さい。評価シート2の「業務の質向上の取り組み」です。ページを めくっていただくと、「評議員会の開催・外部評価の実施」についてですが、当機構では 関係者の皆様からのニーズを幅広く把握し、業務改善につなげていく取り組みを重点的 に行っています。ここには書いてございませんが、利用者に対する様々なアンケート調 査を行っております。18年度は新たに助成金の窓口に対応に対するアンケートを実施し たり、職リハ関係の研修について満足度調査に加え、追跡調査を実施するなど充実に努 めています。また本部においてアンケートの自由記述を分析し、具体的なニーズの把握 と今後の対応を検討するとともに、地域センターや都道府県協会にその内容をフィード バックして業務の改善につなげています。  資料の下の囲みの業績評価のところをご覧下さい。機構においては内部評価委員会と 外部評価委員会の2本立てで業績評価を行い、PDCAサイクルの徹底を図っています。 内部評価委員会は機構本部の部長を構成員とし、実務的な立場から毎年度の業績評価を 行うほか、年度計画に沿った進捗が図られているか定期的な進捗管理を行っています。  さらに、18年度は新たに重点テーマの設定による業務進捗状況の把握分析を行い、進 捗の思わしくない業務の改善や取り組みの遅れている地域センター、都道府県協会への 指導の徹底を図ったところです。一方、冒頭お話をしましたように、厳正・公正な業績 評価の観点から雇用・福祉・医療の専門家といった外部の有識者から構成される外部評 価委員会を設けて評価をお願いしております。左下の外部評価のところにありますよう に、外部評価委員会は学識経験者5名で構成されていますが、職業リハビリテーション 業務についてはより専門的な見地から評価を行っていただくために、別に各種リハビリ テーション分野の学者・専門家による評価をお願いしています。ここでは2月、6月の 年2回、各業務の進捗状況をご報告してご意見をいただくとともに、6月には前年度の 実績評価を行っていただいております。外部評価委員会での評価の方法はこの労働部会 と同様であり、外部評価委員会での評定結果を機構の自己評定とし、本日提出させてい ただいております。  13ページをご覧下さい。機構の「ホームページの運営状況」です。魅力があり、利用 しやすいホームページ作りに努めており、左側の囲みにありますように、週1回の定期 更新のほか、随時更新を行い最新の情報を提供しています。アクセス件数は毎年大幅な 伸びを示しており、18年度は591万件、前年度比30%増となり目標を大幅に上回ってい ます。また右側の囲みをご覧いただきますと、ホームページを通じた各種問い合わせに ついて回答までの日数の短縮に取り組み、問い合わせ件数の増加にかかわらず回答まで の日数を大幅に短縮させました。  次のページはホームページの改善についてですが、ご覧のとおり情報公開ページの改 善、就労支援機器情報の高齢者支援ページからの発信、視覚障害者向けPDF読み上げ 用ツールの導入などの充実を図ってまいりました。  以上が評価シート2番で、自己評定は「A」でございます。  以降は高齢・障害個別ごとのご説明を申し上げます。初めに高齢者事業ですが、16、 17ページをご覧いただきますように、65歳までの雇用確保に加え、「70歳まで働ける企 業」の普及・促進が重要な政策課題となっております。  19ページをご覧下さい。評価シート3の給付金の支給です。次のページをご覧下さい。 ご覧のように制度の周知・広報と、不正受給防止対策の強化という2本柱の業務運営を 進めています。特に18年度は資料の右下の不正受給発覚件数のところにありますように、 昨年秋に架空の事業活動と空雇用により高年齢者等共同就業機会創出助成金が不正受給 されるという事件が発覚しました。この事件は16年に起きたもので、極めて巧妙な手口 で給付金が詐取されたケースでした。機構ではこれまでも不正受給防止対策に努めてま いりましたが、今回のような巧妙なケースにも対応できるよう重点的に対策を講じまし た。  具体的には資料中ほどの「不正受給防止対策の強化」にありますように、審査点検チ ェックリストを作成し不正受給防止のためのポイントを漏れなく点検することとしたほ か、事業所の実在、高齢者の雇用実態を確認するため労働保険データとの照合、電話に よる確認、無予告の事業所訪問などを確実に実施することといたしました。実際に18 年度の事業所訪問件数は2,573件と、前年度の641件を大幅に上回っておりますし、一 番下の囲みにありますように、都道府県協会と都道府県の職業安定機関との情報交換も 1,668回と、前年度の約3倍と大幅に増加しています。なお、本件詐取事案による不正 受給額については、全額返済済みであることを申し添えます。  以上が評価シートの3番で、自己評定は「A」です。  21ページをご覧下さい。評価シート4の「高齢者雇用に関する相談・援助」です。次 のページをご覧下さい。高年齢者雇用アドバイザーは高齢者雇用を進めるに当たって不 可欠な賃金・退職金制度などの条件整備について企業の相談に応じるものです。特に左 上の囲みにありますように、18年度から改正高齢法が施行されたことを踏まえ、高年齢 者雇用確保措置の導入が遅れている中小企業への相談・援助や、雇用確保措置を導入し たものの企業内の条件整備が不十分で様々な課題を抱えている企業に対する継続雇用制 度等の定着のための支援を重点的に行いました。この結果、定着支援の割合は昨年度の 10倍と大幅に増加したほか、相談・援助件数全体も32,150件と目標の3万件を上回り ました。また一番下の緑の囲みにありますように、アドバイザーの質的向上のためのブ ロック別経験交流会、グループ討議を中心とした実務研修等における事例検討を行うな どの取り組みを行っています。この結果、右上の緑の囲みにありますように、アンケー ト結果による利用者満足度は92.2%と高い評価を受けているものです。  具体的には24ページをご覧いただきますと、「企画立案制度を利用し賃金体系につい て分析、新体系の確立ができた」といったご意見をいただいております。  25ページをご覧下さい。「高年齢者等の雇用に関する各種講習」ですが、左上の囲み にある3種類の講習を実施しています。右側の囲みにありますように、855回を開催し 目標の640回を大幅に上回りました。特に力を入れたのは、右下の追跡調査の実施です。 受講した企業の雇用管理が実際にどのように改善されたのかを把握し、そのニーズを踏 まえた講習内容の実現、取り組みの進んでいない企業に対するフォローアップを積極的 に行っています。この結果、講習後に具体的な改善が進んだり、検討に着手した企業の 割合は89.7%と、前年度の68.1%を大幅に上回る実績をあげています。  具体的な雇用管理改善の内容としては27ページをご覧いただきますと、希望者全員の 65歳までの継続雇用制度の導入といった具体的な取り組みにつながっています。  以上が評価シート4番で、自己評定は「A」です。  28ページをご覧下さい。評価シート5の「高齢者雇用に関する調査・研究」です。次 のページをご覧いただきますと、高齢関係の調査研究の3本柱をお示ししていますが、 いずれも目標とされる研究本数、産業団体数を上回っています。18年度は65歳までの 雇用確保措置導入後の生産性の維持向上のための支援ツールの開発と、「70歳まで働け る企業」の普及・啓発に向けたモデル事例の構築に特に力を入れて取り組みました。ま ず一番上の囲みの「中高年従業員の仕事能力把握ツール」ですが、次のページをご覧い ただきますと、価値創造力、専門能力形成力といった8つの側面から従業員の仕事特性 を把握し、中高年従業員の能力の有効活用の方策を提案するツールを開発しています。 左側にあります40項目からなる中高年従業員へのアンケート「仕事生活チェックリス ト」を分析することにより、右側にお示ししているように、それぞれの能力の側面の強 み・弱みを洗い出し、その背景要因や年齢階層ごとの能力特性を明らかにし、企業が抱 える課題や解決方策を目に見える形で提示するものです。  恐縮ですが、1ページ戻っていただきますと、右上の「成果・活用」の囲みにありま すように、このツールは高齢社員の戦略的人材化に向けた効果的な支援技法であり、ア ドバイザーからも「ツールを活用することで企業に入り込んだ支援が可能になった」な ど、今後のアドバイザー活動の基軸になるものとして高い評価を得ています。次に真ん 中の共同研究、その下の産業別推進事業につきましては、代表的な事例を31ページに載 せておりますが、共同研究では「70歳定年制導入に向けた能力開発システムの構築と作 業負荷軽減」をテーマに調査研究を行い、定年70歳に向けた教育訓練システムの確立、 エイジレス賃金制度としての年俸制の構築といった先進的なモデル事例を構築いたしま した。  また研究成果の活用を図るため、29ページの右側にありますように、研究成果をホー ムページに掲載し、広く周知を図り、報告書等のダウンロード件数も増加をいたしまし た。産業別推進事業につきましては、参加企業へのガイドラインを配布するとともに、 各産業団体による普及啓発セミナーを27回、3,921社を対象に開催しており、アンケー ト調査では参加企業の89%から積極的な評価をいただいております。  以上が評価シートの5番で、自己評定は「A」です。  32ページをご覧下さい。評価シート6の「高齢者雇用に関する啓発広報活動」です。 第一は、次のページの「高齢者雇用フェスタの開催」です。高齢者雇用フェスタは表彰 式、シンポジウム、フォーラム、講演等を複合的に実施し、啓発効果を高める手法をと っています。18年度は2007年問題を目前に控えていたことから「団塊世代」に焦点を 当て、公開シンポジウムでは2007年問題、団塊の世代について様々な角度からその役割 や影響力を徹底的に探り、今後、超高齢社会のあり方を展望する企画を立てました。ま た18年度は改正高齢法施行元年ということから、65歳雇用の確実な定着を目指した啓 発に力点を置き、65歳雇用時代の人事戦略をテーマとしたフォーラムを開催し、特に一 番下の黄色の囲みにありますように、高齢者の能力の具体的な活用事例を紹介してほし いという企業のニーズに応えるため、高齢者の技能・能力の活用、モラールアップの2 つのトラックを設けて、大企業、中小企業を交えた先進企業からの事例発表を企画しま した。  こうした取り組みの結果、右上の囲みにありますように、来場者数は過去最多の2,678 人、「課題解決のヒントが得られた」など高齢者雇用問題の理解度は92.5%と目標の80% を大きく上回りました。また、この内容はNHK「土曜フォーラム」で放映され60万世 帯が視聴するとともに、高齢者雇用専門誌「エルダー」に掲載して全国6万事業所に配 布したところです。  次のページは「エルダーの発行等啓発広報活動」です。発行部数の目標は6万部と達 成いたしております。「エルダー」の質の高さについては企業担当者や学識経験者から定 評があるところですが、中ほど右の囲みにありますように、読者アンケートの結果を見 ても「具体的な企業の事例が参考になる」など、93.1%の方から「役立つ」「参考になる」 との評価をいただいております。内容的には下の方に書いてございますように、編集委 員、読者アンケートの結果を踏まえ、高齢者雇用に関する具体的なノウハウや参考とな る企業の取り組み事例を中心に紹介し、企業が高齢者雇用の現実的な課題を解消できる よう配慮しております。  以上が評価シート6番で、自己評定は「A」です。  35ページをご覧下さい。評価シート7の「高齢期雇用就業支援コーナー」です。次の ページをご覧下さい。高齢期雇用就業支援コーナーでは在職者に重点を置いて退職準備、 キャリア設計等に関する相談・援助、セミナーの開催を行っています。高齢者の職業再 設計に関するニーズは非常に高く、左の囲みにありますように、相談件数は56,609件と 目標の36,000件を大幅に上回っているほか、特にセミナーの開催は4,196回で目標の 1.7倍、受講者数は約10万人に達しております。下のピンクの囲みをご覧いただきます と、18年度に重点的に取り組んだ事項を紹介しています。在職者へのサービスの向上を 図るべきとの労働部会のご指摘を踏まえ、在職者が利用しやすい土日・夜間の実施や、 事業所に赴いての出張相談、セミナーの開催に積極的に取り組みました。相談・援助に つきましては、初めて土日・夜間のサービスを開始しましたし、セミナーについては土 日・夜間、出張セミナーを大幅に増やし、全体の半数以上をこうしたサービスに振り向 けています。こうした取り組みの結果、上の青い囲みにありますように、相談援助の満 足度が97.4%、セミナーの満足度が95.0%と目標を大きく上回る実績をあげているとこ ろです。  以上が評価シート7番で、自己評定は「A」です。  次のページからは障害者事業ですが、38ページから40ページまでは国と当機構の役 割分担、障害者雇用促進法の改正概要等であります。  41ページをご覧下さい。評価シート8の「地域センター実施業務」です。次のページ をご覧下さい。18年度の地域センターの業務運営については青い囲みにございますよう に、就職困難度が高い障害者の利用が増加する中で、障害者一人一人の特性に一層配慮 した支援が必要なこと。「福祉的就労から一般雇用へ」という施策の流れの中で、福祉施 設等との関係機関との連携を強化すること。そして18年4月1日施行の改正障害者雇用 促進法を踏まえ、精神障害者に対する支援に積極的に取り組むことに重点を置きました。 その結果、その下にありますように、18年度の数値目標はすべて達成しております。以 下、地域センターの主要な業務についてご説明します。  43ページの職業リハビリテーション計画の策定をご覧下さい。左側の囲みにあります ように、福祉施設等との連携、精神障害者への取り組みの強化によって障害者の受け入 れが大幅に進み、18年度は26,189人と初めて25,000人を超えました。また左下のグラ フの地域センター利用者数の推移にありますように、グラフのピンク色の精神障害者の 人数・割合が大きく伸びています。こうした利用者実態を踏まえ、右側にありますよう に障害者の自立に向けた具体的な支援計画である職リハ計画の策定に当たり、実際の作 業場面を活用した職業評価を実施した上で一人一人の特性に応じた計画づくりに努めま した。特に支援ニーズの高い精神障害者については的確に職リハ計画を策定することと し、右下の「職リハ計画の策定状況」にありますように、精神障害者に対する計画策定 件数が56%増と大きく伸びています。また職リハ計画の利用者満足度も、「適切で的を 射た計画と具体的な目標でわかりやすい」など、86.1%と高い評価を受けています。  44ページは「障害者の就労の可能性を高めるための支援」です。地域センターでは基 本的な労働習慣の体得や、職業に関する知識の習得のための職業準備支援を行っていま す。資料中ほどの左側の白い囲みにありますように、17年10月より就職困難度の高い 障害者への支援を効果的に行うため、模擬的就労場面での作業支援、講話や事業所見学 など職業知識の習得、対人技能訓練等を通じた精神障害者自立支援という、3つのカリ キュラムを一人一人の障害者の課題に応じて組み合わせて実施する個別カリキュラム方 式を導入いたしております。こうした取り組みにより下の青の囲みにありますように、 就職等に向かう次の段階への移行率が75.7%、修了者の就職率が53.5%と目標を上回る ものとなっておりますし、特に増加傾向のある精神障害者の移行率が70%を越えるなど、 個別カリキュラム導入の成果が着実に発揮されてきております。  45ページの「ジョブコーチ支援事業」ですが、これは左上の写真にありますように、 ジョブコーチを職場に一定期間派遣し障害者が仕事を行う上での援助を行ったり、障害 者と事業主、同僚等との職場でのコミュニケーションをとりやすくするなどして、障害 者の就職や職場定着を促すことを目的としています。真ん中の左側の囲みにありますよ うに、18年度は精神障害者を重点にジョブコーチ支援の充実のための取り組みを積極的 に実施した結果、支援対象者が3,306人と、目標の1,870人を大きく上回りました。特 に精神障害者の利用は166人増の546人と急増いたしております。このように支援が難 しい対象者が増加する中で、サービス提供の成果としての定着率は84.3%と、目標の 75%、前年度の83.6%を上回る実績を挙げており、利用者満足度も「人間関係など職場 で過ごしやすい環境をつくってくれた」など、86.1%と高い評価を受けております。  右側の囲みをご覧下さい。「福祉から雇用へ」の流れの中で、今後のジョブコーチ支援 については、地域センター自らが支援を強化するとともに、福祉施設や事業所における 支援も充実させていく必要があります。17年10月より福祉施設等がジョブコーチを配 置する際の助成金制度が創設され、その配置数も順調に伸びてきているところです。18 年度はさらにその充実を図るため、地域センターと福祉施設等とのジョブコーチの共同 支援や「ジョブコーチ支援事業推進協議会」の開催を進めてまいりました。  46ページをご覧下さい。17年10月から地域センターで新たに実施している「精神障 害者体系的支援プログラム」です。うつ病などで休職中の精神障害者の方を対象に、精 神障害者、事業主、主治医の合意形成を図りつつ職場復帰に向けた支援を行うなど、精 神障害者に対する様々な職リハサービスの提供を行うものです。18年度は資料中ほどの 緑の囲みにありますように、地域における精神障害者の雇用支援ネットワークの構築・ 整備を図るため、医療機関・事業主向けの活用促進のためのパンフレットの作成や、雇 用支援の連絡協議会、フォーラム等を通じた医療機関等への積極的な働きかけを行って います。また、支援の質的充実を図るため、支援担当者会議、経験交流会議、職業リハ ビリテーション業務研究会の開催等により全国の地域センター間でのノウハウの蓄積・ 共有・活用を進めました。  以上の取り組みの結果、下の白抜きの囲みにありますように、支援対象障害者は1,011 人、対象事業所は2,254所と、いずれも目標を上回ったほか、サービス提供の結果とし ての復職・雇用継続率も78.9%と目標の50%を上回る成果を挙げました。このように新 規の取り組みで初めて年度計画で目標を立てて実施したものですが、その目標を大きく 上回る実績をあげることができました。  47ページをご覧下さい。「障害者の雇用管理に関する事業主支援」についてですが、 左上の囲みにありますように、支援対象事業所は12,551所、目標の7,110所を大きく上 回ったほか、事業主支援ワークショップの開催、事業主支援計画に基づく体系的支援を 積極的に行いました。  以上が評価シートの8番で、目標を大幅に上回る支援対象者を受け入れ、かつ精神障 害者等就職支援が困難な障害者が着実に増加していく中で、これら障害者への的確な職 リハサービスの提供によりその成果指標である定着率、復職・雇用継続率等が極めて高 い水準になっていることと等が評価され、当機構の外部評価委員会より「S」と評価さ れました。  48ページをご覧下さい。評価シート9の「職リハ人材の育成」です。次のページをご 覧下さい。「福祉から雇用へ」という施策の流れの中で重要度が増している分野で、黄色 で示しております2つの柱を立てて展開しております。一つは、福祉施設等における職 リハ人材の育成です。障害者自立支援法の施行等により福祉施設等において就労支援に 積極的に取り組むところも出てきており、就労支援の人材の十分な養成・確保を求める 声が強くなっています。こうした社会的要請に応え職リハ人材の養成を図るため、総合 センターにおいて就業・生活支援センターの職員、福祉施設等のジョブコーチ、福祉・ 医療等の分野の職員を対象とした3種類の研修を実施しています。  18年度に取り組んだ事項としては、資料中ほどの囲みに示してありますように、ジョ ブコーチ養成研修の実施回数を5回から7回に増やし希望者全員の受け入れを図ったほ か、職リハ実践セミナーの受講枠を400名から500名に拡大するとともに、少人数のグ ループ編成で密度の高い効果的な討議を行うなど工夫を行い、研修の質・量における充 実を図りました。  第2の柱は下の黄色のところですが、地域における雇用、福祉、医療、教育等の関係 機関による職リハネットワークの形成・整備を目的とした地域センターにおける研修で す。地域職リハ推進フォーラム、地域就業支援基礎講座の2種類を行っており、特に18 年度は先ほどご説明した精神障害者総合雇用支援の推進を図るため、精神障害者関係の テーマを設定し医療機関等とのネットワーク作りをしました。この結果、地域センター において昨年度を大幅に上回る精神障害者に対して支援を行うことができました。  次のページはこれら各種研修ごとの修了者数と満足度を示していますが、いずれも受 講者は増加傾向にあり、満足度も90%を越えています。18年度は修了した研修が実際に 現場で役立っているかどうか把握するため新たに追跡調査を実施しましたが、満足度は 90%から100%と積極的な評価を得ています。  以上が評価シート9番で、自己評定は「A」です。  51ページをご覧下さい。評価シート10の「職業リハビリテーションに関する調査・ 研究」です。52ページをご覧下さい。職リハ研究は左上にありますように、幅広く関係 者からニーズを把握した上で、発達障害者、精神障害者等に関する先駆的研究、地域セ ンター等での課題解決に役立つ研究等に重点を置いて実施しています。18年度は右側に ありますように、目標の12テーマを上回る13テーマを対象に研究を行い、7テーマに ついて報告書を作成しています。研究成果については外部の学者等からなる研究評価委 員の評価を受け、4段階中上から2段階以上の評価を得ることを目標にしていますが、 すべての報告書で目標を達成するとともに、ピンクで記している3つの研究テーマでは すべての研究委員から最高評価を受けました。単年度で3つの研究テーマですべての研 究委員から最高評価を受けるのは18年度が初めてであり、研究の質の向上が着実に図ら れていることを示しています。個別の研究の紹介は省かせていただきますが、お手元に 幾つかの研究報告書を配布させていただきましたので、後ほどご覧いただければと思い ます。  次のページは「職業リハビリテーション技法の開発」ですが、これは発達障害者、精 神障害者、高次脳機能障害者に対しそれぞれ図のとおりの支援技法の開発を行うもので す。ご覧のとおり18年度は目標の3テーマについて技法の開発を行い、実践報告書の作 成を行っています。  次のページをご覧下さい。職リハ研究においてはその成果を福祉・医療・教育・NP Oなど実践現場において活用していただき、実際に役立つことが大事です。このため研 究成果物を関係機関に配布しているほか、右上にありますように研究部門ホームページ を立ち上げPDFで情報発信をしており、年間アクセス数は209万件と急増しておりま す。また資料の中ほどにありますように、研究成果が広域・地域センターや就労支援機 関など、外部機関でどのように活用されているかアンケート調査を実施しています。右 の円グラフをご覧いただきますと、外部機関で研究成果を活用して得られた効果として、 「障害理解の深化」、「就労支援のヒントになった」とする割合がそれぞれ3分の1ずつ となっています。  以上、評価シート10番で自己評定は「A」です。  55ページをご覧下さい。評価シート11の「障害者職業能力開発校」です。次のペー ジを見ていただきますと、機構運営の職業能力開発校は「重度障害者に対する先導的職 業訓練の実施」と「職業訓練技法の開発」という2つの役割を担っています。左側を見 ていただきますと、職業訓練の実施の面では受講者数を14年度に比べ30%増加させる ことが中期目標とされていますが、18年度は訓練ニーズに対応して知的障害者・発達障 害者の訓練定員の拡大、訓練コースの新設等を行った結果、初めて受講者数が目標を上 回り、かつ訓練定員を超える285名の受け入れを実現しました。また、本施設の主目的 である重度障害者に対する訓練の実施という観点からは、左上の棒グラフの青の部分を 見ていただきますと、18年度は受講者に占める重度障害者の割合は83.5%と過去最高と なっています。さらに左下のところが就職率ですが、個別カリキュラム方式、技能指導 と生活指導の一体的実施等により訓練効果を高める取り組みを行い、18年度は過去最高 の93.2%の就職率を達成しました。目標の60%、障害者職業訓練校の平均就職率の 68.5%と比べ高水準の就職率を実現しました。  次に右側の訓練技法の開発の面ですが、所沢の中央校では精神障害者に対する指導技 法の開発、岡山の吉備校では発達障害者に対する指導技法の開発に取り組み、それぞれ 実践報告書、中間報告書を取りまとめているところです。開発した技法については関係 機関に配布するとともに、右上にある障害者能力開発校の指導者交流会等を通じて普及 促進を図っています。なお、これまでの労働部会でのご意見を踏まえ、こうした技法が 障害者職業訓練校だけでなく発達障害者関係のNPOと関係者に幅広く周知活用が図れ るよう、一層努力をしてまいります。  以上が評価シート11番で、自己評定は「A」です。  58ページをご覧下さい。評価シート12の「障害者雇用納付金の徴収等」です。雇用 率未達成の事業所から納付金を徴収し、雇用率を上回っている事業所に対して調整金・ 報奨金を支払う業務を行っています。次のページをご覧下さい。  18年度は納付金の収納率の向上、利用者の利便性の向上、事務処理の効率化に積極的 に取り組みました。まず収納率ですが、目標の99%以上に対して前年度を上回る99.71% を実現しました。これは事業主説明会を前年度以上に積極的に実施したことや、電話や 文書による納付督励・督促を積極的に行ってきた結果です。未収分は資金繰りの悪化等 によるものでもありますが、早期の収納に向け工夫を凝らしてまいります。なお、17年 度分以前のいわゆる過年度収納率の状況ですが、真ん中の緑の囲みにありますように、 ほぼ100%が収納済みとなっていることをご報告いたします。また18年度においては電 子納付システムの稼動、納付金の申告書と調整金の申請書の統合による利用者の利便性 の確保、電算機処理システムの更新による事務処理の効率化を実現しました。  以上が評価シート12番で、自己評定は「A」です。  60ページをご覧下さい。評価シート13の「障害助成金の支給」です。次のページに ありますように、18年度は事業主の利便性の向上と不正受給の防止に力点を置いて取り 組みました。一番上の囲みが事業主の利便性の向上のための取り組みですが、ホームペ ージに新たに15種類の助成金申請書等のPC作成用ダウンロードファイルを掲載しま した。助成金の支給要件変更の場合のホームページの掲載についても、目標の7日以内 にすべて実行しました。また、都道府県協会の助成金担当者の窓口対応を把握するため、 18年度に初めて利用者に対する満足度調査を実施しました。93%の方から「窓口対応や 問い合わせへの回答が適切であった」という肯定的な評価をいただいております。また、 助成金の効果的な活用により事業主が積極的に障害者雇用に取り組むよう、事業主説明 会の積極的な開催に加え、障害者雇用アドバイザーの相談・援助や各種講習の機会をと らえた周知、ハローワークや地域センターとの連携による周知に積極的に取り組みまし た。  この結果、右上の助成金支給件数は22,458件と前年度に比べて19%増加と、高い伸 びを示しました。助成金の活用により採用されたり、継続雇用される障害者の数も大幅 に増加しました。  もう一つの柱の不正受給防止対策の強化ですが、真ん中の囲みにありますように、高 齢者給付金のところでご説明した不正受給の発覚等を踏まえ、再度これまでの不正受給 事案や対策を分析し高齢助成部局との情報交換を行うなどして、新たな不正受給防止対 策強化の方針を立てました。具体的には支給請求書受理時における障害者雇用の確認・ 小規模事業所の実在確認の徹底、支給対象費用の妥当性の厳格な審査、事業所訪問調査 の強化といった内容となっております。なお、18年度に発覚した不正受給件数は1件の みで、既に全額返還決定されていることを申し添えます。  以上が評価シート13番で、自己評定は「A」です。  62ページをご覧下さい。評価シート14の「障害者雇用に関する調査・研究の実施」 です。事業主の障害者雇用に関する雇用管理上の課題解決や職域開発に向けた実践的な ノウハウの開発・普及を目的とするものです。ページをめくっていただきますと、18年 度に取り組んだ3つの柱が緑の囲みで記されています。第1点が左側の囲みで、事業主 ニーズ、国の施策動向を踏まえた調査研究の実施で、重度聴覚障害者、盲ろう者、内部 障害者、精神障害者等の特別な雇用管理が必要となる重度障害者の雇用事例の収集・分 析やノウハウの開発に重点を置いて、目標である5件の調査研究に取り組みました。右 側の囲みはわかりやすい事例集・マニュアルの作成を求める事業主からのニーズにお応 えし、それぞれの研究成果物について一読して調査・研究のポイントがわかるサマリー の掲載、これは初めての試みですが、専門的知識がなくても理解できるコミック版の精 神障害者雇用マニュアルの作成、写真や図表を多く用いて改善のポイントがよくわかる 内部障害者の職場改善事例集の作成等、様々な工夫を行いました。  そして、これら収集した事例・研究成果については、真ん中の緑の囲みにありますよ うに、関係機関への配布、ホームページへの掲載等を通じて普及に努めました。ここに は書いてありませんが、事業主等からの研究成果物の請求数は年々増加し、18年度は992 件、35,480部と前年度の617件を大きく上回り、また事業主へのアンケート調査では 93.3%の方から障害者雇用に取り組む上で役立ったとの評価をいただいております。  以上が評価シート14で、自己評定は「A」です。  64ページをご覧下さい。評価シート15の「障害者雇用アドバイザー業務等」です。 次のページにありますように、雇用率未達成の事業主等に対し、雇用管理の改善や助成 金の活用等に関する相談を行っています。18年度の重点としては、左上にありますよう に、障害者雇用の成功事例といった具体的な情報提供、各種助成金、就労支援機器の活 用提案など、機構・都道府県協会が持っている支援ツールを組み合わせて効果的な相談・ 援助を行うとともに、ハローワーク、地域センターと一体となった相談・援助を実施し たところです。この結果、目標であるアドバイザー一人当たりの相談件数165件を上回 る201.9件の相談援助を実施しました。利用者アンケートの結果を見ても、「効果があっ た」とする割合が87.1%と、目標の70%を大幅に上回りました。一番下に行きまして障 害者雇用管理等講習は、18年度の重点としてアンケートを踏まえ障害者雇用のより具体 的な情報をお伝えできるよう講習内容に工夫をしたり、講習の中に事例発表、ディスカ ッション、ハンディキャップ体験を組み入れ、より実践的な内容になるよう留意をしま した。この結果、講習回数は348回で、目標及び前年度実績を上回る23,676人に講習を 受講していただきました。また、アンケート結果を見ても92.5%の方が「講習は有用だ った」との回答をいただき、目標を上回る評価を得ています。さらに前年度に受講した 事業主を対象に追跡調査を実施しましたが、次のページをご覧いただくと、「新たに雇用、 または職場復帰をサポートした」など、71.1%の事業主等が何らかの具体的な取り組み につながったとしています。  次のページは就労支援機器の貸し出しですが、右上の囲みにありますように、貸し出 し事業所数は145件で、目標及び前年度実績を上回っています。さらに対象事業所への アンケート結果では81%が「役立った」とし、68.1%がその後機器を購入するなど、障 害者雇用に直接効果があったことをご紹介させていただきます。  以上が評価シート15番で、自己評定は「A」です。  68ページをご覧下さい。評価シート16の「障害者雇用の啓発広報活動」です。次の ページをご覧下さい。第一は、左側の「障害者ワークフェアの開催」です。障害者の就 業実態を紹介する展示や実演を行っておりまして、18年度は香川県で、この後ご説明す る全国障害者技能競技大会全国アビリンピックと合わせて開催しました。18年度の新た な取り組みとしては、中ほどの囲みにありますように、県や地元市民団体の企画イベン トとの共催、車いすサッカーなど健常者との交流機会の増加や、県との広報活動の強化 に取り組みました。この結果、来場者は前年度比78%増、過去最多の41,000人、満足 度調査でも「多くのことを理解できた」「よい経験になった」など、92.5%の方から肯定 的な評価をいただきました。  次に資料の右ですが、啓発用テレビ番組の制作では全国アビリンピックでの選手の活 躍の様子などを内容とする番組をテレビ東京系列で放映しましたが、関東エリア視聴率 4.0%、視聴世帯131万世帯と、この種の番組としては非常に高い視聴率を得ました。さ らに右下にありますように、都道府県協会での地方アビリンピックにも力を入れ、精神 障害者に対する参加勧奨、競技種目の拡充、都道府県主催イベントとの連携により参加 選手数、種目数、来場者数とも過去最多を記録するなど実績をあげています。  次のページは啓発誌「働く広場」の発行ですが、目標どおり5万4千部を発行しまし た。18年度の取り組みとしては、下の方にありますように、編集委員会、読者アンケー トの要望、意見を踏まえ紙面の充実を図ったことや、内閣府主催の「障害者週間連続セ ミナー」の一環として「働く広場」公開座談会を初めて企画し、30周年記念号に掲載し て広く周知するといった取り組みを行いました。この結果、読者アンケート結果では 86.4%の方から「大変よい」「よい」と評価をいただきました。  以上が評価シート16番で、自己評定は「A」です。  71ページをご覧下さい。評価シート17の「全国アビリンピックの開催」です。次の ページをご覧下さい。18年度は香川県で開催しましたが、本年11月に静岡県で開催予 定の国際アビリンピックの選手選考を兼ねた重要な大会であることから、関係者の協力 のもと例年以上に積極的に取り組みました。右の「新たな取組」のとおり、参加選手を 精神障害者に拡大し、身体・知的・精神と3障害の競技大会参加を実現しました。また、 先ほどの障害者ワークフェアのところでもご説明したとおり、県等との共同による広報 活動の強化を図りました。さらに国際大会をにらみ競技種目を9種目追加し、過去最多 の32種目とするとともに、既に国際大会への参加が予定されている代表候補選手の技能 向上機会の提供も行いました。この結果、左側にありますように、選手参加数313人と 目標の240人を超えて過去最多となり、来場者数も41,000人と、昨年度を78%上回る 過去最多の動員を図ることができました。  次のページは今年開催予定の「国際アビリンピックの準備」です。国際アビリンピッ クは11月14日から5日間にわたり静岡県において若者を対象とする国際技能五輪大会 と合わせてユニバーサル技能五輪国際大会として世界で初めて開催されるもので、技能 競技のほか展示・デモンストレーション、国際会議、芸術祭とあわせた複合的なイベン トとなっています。世界36カ国・地域が参加する大きな大会となることから、18年度 から国民の参加を促すPR、行事や会議の企画、ユニバーサルデザインに配慮した会場 設計など、開催に向けた様々な準備を行ってまいりました。障害者も健常者も地域住民 参加型の大会運営として、「参加してよかった」、「観に来てよかった」、と評価される大 会になるよう全力を尽くしていきたいと考えています。  以上が評価シート17番で、自己評定は「A」です。  75ページをご覧下さい。「予算、収支計画及び資金計画」です。76ページのグラフは 評価シート1の「効率化」のところでご説明したところですが、一般管理費、業務経費 とも目標を上回る水準で予算の節減を図った上、さらに予算執行としても毎年度相当額 の節減を図っています。例えば下のグラフの業務経費で見ますと、目標は毎年度1%の 節減ですから、18年度は15年度予算と比較して3%の節減が目標となりますが、既に 予算ベースで8.0%、18年度決算と比較すると13.5%の節減を図っています。  次のページをご覧下さい。左側のグラフのとおり経費節減の手法として、一般競争入 札の推進を図っているわけですが、18年度は99件と前年度の4倍以上に拡大しており ます。落札率が81.0%ですので、一般競争入札の導入により予算を約2割節減しました。 また右側の図のように、16年から18年にかけて段階的に経理システムの拡充をしてお ります。これにより施設ごとに、予算科目ごとに、事業区分ごとの予算額、執行額につ いて双方向オンラインシステムによりリアルタイムで集計ができるようになりました。 19年度からは新しい経理システムの導入により、事業ごとの予算執行管理、コストの把 握・分析、マネジメント管理が可能となり、これを通じた一層の効率的予算管理及び執 行が可能になるものと考えています。  以上が評価シート18番で、自己評定は「A」です。  78ページをご覧下さい。評価シート19の「人事・人員等」です。次のページをご覧 下さい。まず効率的な人員配置ですが、中期計画において期間中に新規事業分を除き、 14名削減の目標を掲げていますが、左上の棒グラフを見ていただきますと、当機構創設 当初の15年が736人、途中、精神障害者体系的支援プログラムの創設に伴う新規増員分 47人を除くと、18年度が667人となり計69人を削減した形になります。人員削減とあ わせて給与制度改革によるさらなる人件費の削減に取り組んでいます。右上をご覧いた だきますと、18年7月から俸給引き下げを初めとする抜本的な給与制度改革を実施し、 平均4.8%の職員俸給引き下げ、ここには書いておりませんが、役員は7%の俸給引き 下げ、賃金カーブのフラット化による中高年層最大7%の俸給引き下げ、昇給幅の細分 化による昇給抑制等を図ったところです。  以上、申し上げました定員・給与の思い切った節減を進めておりますので、障害者・ 事業主への効果的な支援サービスを実施するために優秀な人材を確保し、職員一人一人 の能力を高めていくことが一層重要であります。このため資料の中ほどの「人材確保・ 計画的な研修の実施」のところにありますように、幅広く応募を呼びかけ、面接重視で 真に優秀な人材の採用に努めるとともに、職員に求められる専門能力の効果的・効率的 に付与していくべく研修の見直しを行っています。障害者職業カウンセラー研修におい て、発達障害者や精神障害者に対する専門的な支援技法の習得や、地域の就労支援機関 への職リハのノウハウの移転やバックアップのための能力を付与することを初め、今後 の職リハ業務を展望した改善を行っています。  最後に一番下の「Eサービス運動」についてです。今、申し上げました給与制度の改 革のもとではいかに職員のモチベーションを高めるかが重要な課題となります。Eサー ビス運動は職員みずからが行う職場単位の改善運動のことで、本部の各部、都道府県別 の地域センターなどの職場ごとに実施されるものです。18年度は窓口サービスの向上、 職場内コミュニケーションに係る工夫をテーマに実施しました。優秀な取り組みについ ては全国会議で理事長が表彰し、機構全体に普及させる取り組みを行っています。  以上が評価シート19番で、自己評定は「A」です。  以上、駆け足でございましたが、18年度業務実績の概要につきましてご報告申し上げ ました。よろしくお願いします。   ○井原部会長  ありがとうございました。うまく時間内に収めていただきまして、本当にありがとう ございました。プレゼンテーションも大変わかりやすくてよかったです。  ということで、質疑応答に入りたいと思いますが、高齢・障害者雇用支援機構につき ましては評価シートの順に、業務のまとまりごとに3つに分けて進めていきたいと思い ます。なお、評価点の記入の時間を別途設けておりませんので、質疑を経ながら各自評 価シートへ評点やコメントをご記入いただきますようお願いします。  最初に評価シート1〜7まで、これについて質問等をお願いしたいと思います。 ○寺山委員  すみません、ちょっと前の委員会で伺ったと思うんですけれど、こちらの機構は自己 評定の基準が内部評価と外部評価をあわせたものでお出ししているということで伺って いるんですが、その割合というか、単純に足して2で割るとかそういうのか、何か方式 があるんでございますか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  先ほど冒頭と、それからもう一回、今部長がご説明申し上げたのではないかと思いま すが、外部評価どおりにしています。実は内部評価はもうちょっと高かったんですけれ ど。外部評価というのは社会政策の学者の先生とか、障害者のリハビリテーションの専 門家とか、医療の人とかそういう人からなっていて、その評価をそのままこちらに持ち 込んだのです。 ○寺山委員  外部評価をそのまま転載したと。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  はい、外部評価のとおりです。 ○寺山委員  わかりました。ありがとうございました。 ○井原部会長  ほかに、どうぞ。 ○堺委員  この説明資料10ページの業務・システム最適化のところでございますが、システム最 適化につきまして今のご説明を伺いますと、準備を進めておられるというように理解し まして、その成果につきましては今後それが出てくるというそういう段階かと思いまし たが、それでよろしゅうございますか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  大体おっしゃるとおりでございまして、昨年の春ごろにちょうど中期目標・中期計画 が改定されて、障害者雇用支援システムの最適化に取り組みなさいという目標をいただ いたわけでございます。それは基本的に2年間で最適化計画をつくれということになっ ておりまして、昨年度1年間はその予定に従いまして刷新可能性調査を実施いたしまし た。今年度は最適化計画をつくっていく予定でございます。それで実際に最適化計画に 基づいてシステムを改定して、それの効果が出てくるのはまたもうちょっと先というこ とになる予定でございます。 ○松田委員  統合効果ですけれど、都道府県の協会を統合する、これは非常にいいことですね。そ れに合わせまして常勤職員を削減すると。もしも出来たらこの障害者雇用アドバイザー とか、それから高齢者アドバイザー、これも一本化したらどうなんですか。これは一つ にしないで、どんどん増えていって、しかも65歳から70歳になるんでしょう。どんど ん増えていきますよ。統合はいいけれど、統合に合わせてそれも減らしたらどうなんで すか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  今おっしゃるとおりだろうと思います。昨年度から本格的に統合に取り組んで、今年 の4月に静岡を除いて統合したということで、とりあえず事務所を統合した。それから 役員を減らした、総務部門を減らしつつあるということで、今後の課題は、一つは今お っしゃったとおり、高齢と障害と統合したメリットをどう出していくかという中で、統 合したことによって、障害は障害で専門性がありますし、高齢は高齢で専門性があるの ですけれど、おっしゃるように事業所は一つですから、高齢と障害を両方対応できる部 分についてはそこの努力をすると。それで70歳とか新しい部分についての財源にしてい くということも重要だろうと思います。  それからもう一つは、統合する中でそれぞれの協会のスリム化を図っていく必要もあ るんじゃないかと思いますので、業務量をよく見ながらアドバイザーも含め、職員も含 め、適正規模というのはどんなものかと、そういうあたりも検討してまいりたいと思っ ておりまして、そこはお話を受けて検討を進めたいと思っております。   ○松田委員  大体、何年計画でやるのですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  実は今年の4月から、地方の委託先の協会の組織、業務、人員、それを詳細に把握し ようと思って調査を始めていまして、次の中期計画期間中には最終的なところまで持っ ていけるようにということで、とにかく1年でも早くということで取り組み始めており ます。あとはそれぞれ、ちょっとこれは生首がかかっているものですから、一気にはと いうことにはならないと思いますので、そのあたりを見ながら。我々も業務量というか、 予算を減らしていかないといけないものですから、そういう意味では我々も必死なので、 そこはきちんと取り組みたいと思っております。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事  高齢者雇用担当の理事の伊澤と申します。今後の方針については今、理事長代理の方 からお話を申し上げたところでございますが、高齢者のアドバイザーについては65歳か ら70歳を目的というので、今後また増やしていくということではなくて、既に今、少な くとも現時点においても今いるアドバイザーに70歳についての雇用の相談・援助もやっ てもらうという方針で考えておりまして、今後につきましては今も理事長代理の方から 申し上げましたように、さらにどういう形でスリム化していくか、効率化していくかを 考えていきたいということでございます。以上でございます。 ○宮本委員  この資料の9ページでございますけれど、事務手続き効率化で大幅に短縮されたとい うご説明です。それで、他の機構にも伺ったことと同じなんですけれど、この期間短縮 でコスト削減とサービス向上の両方の面があるかと思いますが、主に現時点ではどちら の効果になっているでしょうか。もしサービスの方が向上したと、コスト削減にはまだ 直接影響していないということであれば、コスト削減に結びつけるにはここでもう一段 何が必要なのか、そのあたりを伺えればと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  高齢者につきましては先ほどご説明申し上げましたように、制度が去年の4月から大 きく変わってしまうということで、ある種駆け込みの申請があって、去年の秋ぐらいま では前年同期に比べて倍ぐらい増えてきた。それから障害者の方も一つは全体の雇用情 勢が上向いてきているということ。もう一つは障害者を雇おうという意欲とか、あるい は企業のコンプライアンスということがあって、雇うという企業が増えてきている。そ れから障害者の方も自立支援法の施行ということもあって、養護学校の先生、それから 両親、本人はもとより働こうという人が増えてきて、実は助成金の支給件数が増えてき ています。それである意味で先生がご質問のコストという意味では、1件当たりのコス トは間違いなく下がっていると思います。短縮していますから。ただ、件数が増えてし まっているものですから、グロスとして、全体としてのコストは短縮効果ほどは減って いないということではないかと思います。  それで今後は、おそらくもっと体系的に業務処理できるような工夫というのをもう少 ししないと、独立行政法人になってから毎年毎年支給期間の短縮を目標に掲げてきて、 毎年毎年短縮しているんですけれど、ある意味限界生産力逓減の法則みたいなので、だ んだんもうきつくなってきていますので、助成金制度の合理化というか、あるいは簡素 化とかも含めて抜本的な見直しが要るんじゃないかと思いますので、制度は厚生労働省 が作るものですから、厚生労働省ともよく相談してやらないといかんのですが、だんだ んコストにはね返ってきかねないということがあるんじゃないかと思います。我々はと にかくサービス向上にはなっていると思いますし、コストも1件当たりのコストから言 うと、下がってきているんじゃないかというように思っています。   ○今村委員  先ほどの外部評価のこととちょっと関係するんですけれど、独立行政法人の業務実績 に関する評価基準細則というこの資料の59ページにあるところの判定基準で、「S」と いうのは中期計画を大幅に上回っている、「A」は中期計画を上回っている、「B」で中 期計画におおむね合致するという基準なんですけれど、その外部評価をされる場合でも これと同じ基準で適用されたのかどうかということと。  それからそれに関連して、従来からこの部会で出ているように、満足度調査というか、 研修に対する評価がどうもこれは端的に申し上げますと、「ほぼ満足している」も含めて 90%の評価というのは飽和状態なんですね。むしろ改善という目的、サービスの改善と いう目的のためには悪い評価、つまり色々と細かく注文がついてくる部分についてどう 改善するかというフィードバックの方が重要ではないかと思うんですが、この報告書を 見ていますとそういう情報は一切入ってないんですが、その2点についてどういうこと なのか教えていただければと思います。   ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  一つは外部評価委員会の評価ですが、これは当労働部会の評価基準と全く同じ評価基 準でお願いしています。こちらの評価基準をそのまま外部評価委員の先生方にお示しし て、これでやってほしいと、こういうことをお願いしております。  それからもう一点は、全くおっしゃるとおりで、実は今年の外部評価委員会でも同じ ことを指摘されました。来年度以降、新中期計画に向けてそういう利用者の方のニーズ、 それから利用者といっても直接研修を受けた方の評価だけじゃなくて、研修を受けた人 を実際に使う方々、研修に送り出した方々の評価もしたらとか色々ご意見がありまして、 次の中期計画に向けて改善したいと思います。今のご指摘も踏まえて改善します。   ○篠原部会長代理  参考1の8ページに、総人件費について書いてあるんですが、人員は減らされている、 色々なことをやっている、単純に考えれば非常に過酷労働かなという感じがしており、 これを見ますと非常勤職員給与は増えているんですね。それで僕の勘ぐりでは結局、減 らした分そっちを雇っているのかなという気がするんですが、非常勤職員の給与が何で 増えたかという分析はされているんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  お答えを申し上げたいと思いますが、私どものここに書いてございます非常勤役職員 等の給与は、先ほど例えばご質問いただきましたCIO補佐官も、例えばここに給与は 計上されております。ただし、CIO補佐官は一人しかおりません。それで実際に一番 多いのは、先ほどの評価シートの方でずっとご説明申し上げましたが、例えば地域障害 者職業センターにおりますジョブコーチでありますとか、その他そこで仕事をしており ます業務を支える補助の職員が実際に多くなっております。これは17年度と18年度を 比較しまして増えておりますのは、これも先ほどございましたが、17年の10月から精 神障害者対策が非常に強化されました。それで職員についても先ほどありましたように 増員しているわけでありますが、嘱託職員についてもその部分の対策については嘱託も 一部組みかえもしておりますが、増員したりしておりますので、そういう意味で対策が 強化された分、主に増員になっているというようにご理解いただければと思います。 ○松田委員  関連して質問です。参考資料の1番ですが、8ページ、ラスパイレス指数が117、高 いですよね。これは地域手当がついているから高いということですが、地域手当は幾ら ついているんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  私どもは今おっしゃいましたように、基本給以外に地域手当を支給しております。そ れで東京は現在6%、この4月から6%になっております。公務員は、東京はこれから ずっと引き上げて、確か18%まで引き上げていく予定でございますが、私どもはそこま で上げる予定はなく、基本的に地域手当はすべて10%以内に収める予定でございます。 ○松田委員  一人当たりの給与は幾らですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  一人当たりはおおよそ月額40万円としまして、6%ですから、2万円かそこらという ことになります。 ○松田委員  2万円下げたらどうなります。ラスパイレスはどう変わりますか。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  仮に6%下げれば、単純に基本給に上乗せしておりますので、110幾つかの6%分下 がるということになろうかと思います。 ○松田委員  ですからラスパイレス指数が117からどのように変化するんですか。100を切るんで すか。そうじゃなくても皆さんの機構は全般的に高いんですから。技術系はこれは90.9 でしょう。なんで事務系だけ117なんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  一つは職員ほとんどが大卒であるといった、学歴の問題であります。公務員の場合に は恐らくまだ40代、50代の職員は3種の職員だと高卒がかなり混じっているというの が一つあると思います。もう一つは、今ご質問のように、東京周辺というか、東京に勤 めている職員の割合が非常に高い。それは我々としてはラスパイレスを下げるべく、地 域手当を東京に勤務していたとしても公務員より上げるというより、下げてみようとい うことでやろうということです。それでちょっと計算しないとわかりませんが、恐らく 100を割ることにはならないと思います。地域手当をなくしたとしても。今は107ぐら いですから、おそらく100ぎりぎりに近づくのではないかとも思いますが、ちょっと計 算してみますが、今、にわかにパッとは出てきませんので。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  少し追加させていただきますと、地域手当はそうなんですけれど、国の方との給与の 比較で国家公務員の方は今後新たに、例えば本府省手当でありますとか、広域移動手当 とかいうのを今後つくっていくことを予定しているようでございますが、私どもは国の 方が今後やる予定のものについても一部はやらない予定でおりますので、そういう分で はさらに国との格差は縮まっていくだろうというような見通しは持っております。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  正直言って手取りが減った職員は間違いなくいるわけで、どこまでどうされるのかと いうことに多分なるんだろうと思いますので、我々としては。 ○松田委員  言いたいことは、国家公務員と比較するつもりは毛頭ないんです。これは皆、国家公 務員との比較でしょう。こんなの要らないんですよ。だからどういうように平準化して やるか。それを考えて下さいよ。   ○谷川委員  済みません、9ページで予算以上に削減しているということなんですけれど、削減し たら結果はどうなるんですか、翌年の何か、あれはよくわからないのは削減して大変立 派なことでいいんですが、その後どういうことになるのかなと。削減した金額というの は、普通は民間会社の場合にはこれは剰余金がふえるんですけれど、それはふえないで お返しするのか何かそういうことの理解でよろしいんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  基本的には国からの委託費分はそれぞれ費目が決まっていますから、人件費とか管理 費とかで、それを圧縮して剰余が出れば年度末にお返しするということだろうと思いま す。   ○井原部会長  それでは8から11までの評価に移りたいと思いますが、 ○川端委員  障害者の法定雇用率がございますね。民間だと1.8%、公務員だと2.1%と。これはど うなんでしょうか、まだ達成できていないと思うんですが、その達成状況は上がってい るんでしょうか、どうなんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  これはここ2年、続けて上がっています。一昨年が1.49%でした。去年が1.52%、0.03 ですが。 ○川端委員  それで色々な努力をされておられますけれど、長期的に見ていくと多分、これは感覚 的なものですけれど、障害者は増えるんではないかという気がするんですが、その長期 的視点における法定達成率、あるいは障害者の就職等々について何かどういうお考えを お持ちなのか、独法としてどういう長期的な方策をお考えなのかお聞かせいただければ と思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  一つは企業の取り組みが規模間で差があるということがあると思っています。大企業 は雇用率が毎年着実に上がっています。それで中小企業は昔は法定雇用率を達成してい たんです。それがどんどん下がってきて、どうして下がったのかというと、理由は2つ あって、一つはバブルがはじけた後にリストラをやって中小企業の体力がなくなって、 中小企業で障害者をかなり希望退職や解雇をしたという事案が見られました。もう一つ は、中小企業の経営者が代がわりして障害者の雇用に非常に熱心に取り組んでいた事業 主がかわってしまって、銀行の指導がきついとか色々な要因があって雇わなくなってし まった。このように、規模間の問題があって、中小企業の雇用率をどう上げていくかと いうのが一つ大きな課題になっていると思います。  それからもう一つは、今は企業、特に大企業を中心に障害者を雇用しようという意欲 が高いものですから、重度でない障害者の場合には就職がかなり昔に比べて容易になっ ています。非常に熱心に、いい人がいたら絶対にとります、という企業が大部分になっ てきています。そうすると残っているのはやっぱり重度の知的障害者、それからなかな か進まないのが精神障害者、それから今、先生がご質問のように、これから増えるだろ うというと、多分高齢になってから事故によって障害者になってしまう、あるいは脳溢 血とか脳血管障害で高次脳機能障害と呼んでいるんですが、そういう障害者。それから、 もう一つは世の中が複雑になってきたものですから、今はニートの中のかなりの部分が 発達障害者ではないかと我々は思っているんですが、何かうまく上司や同僚とのコミュ ニケーションがとれないとか、仕事を計画的に進められないとか、あるいは予定どおり の進行状況でなく何か不測の事態が起きるとパニックになってしまうという発達障害者 がいるんですが、こういう人たちをどうやっていくのかという意味で、今まで以上に多 分、職業リハビリテーション、職業的自立の支援により高度な、あるいはより先進的な 技法が必要になってくるんじゃないかなと思っています。ただ、ヨーロッパなんかを見 ると、フランスなんかは日本よりも数倍高いんですね。雇用率が。これはどうなってく るかということだと思いますね。国連で障害者の差別の禁止の条約が採択されて、日本 がそれをどう取り組むのかというのがあるんですが、これを取り組んでいった時に障害 者雇用がどこまでさらに進展するかということだと思うので、そういう意味で色々な観 点からニーズが増えているんじゃないかという印象を持っています。   ○川端委員  雇用率達成できない場合にペナルティがありますね。あれは何人ぐらいの企業からで すか。中小企業ですが、多分「中」は入っているんじゃないかと思いますが。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  実は雇用率を達成していないと、不足分、一人当たりにつき5万円の納付金というの を取ることになっています。法律上は。ところが、法律の附則で300人以下は当分適用 しないと、こうなっています。ですから301人以上からということで、これをどうする かというのが大議論になっておりまして、恐らく来週か再来週ぐらいには厚生労働省の 報告書がまとまると思いますが、ここで中小企業まで法律の附則を変えて適用するかど うかというのが大きな議論になっています。 ○堺委員  説明資料の44ページ、右側の、18年度重点の精神障害者への支援を「医療機関等と 連携し」という部分がございますが、これは具体的にはどのような連携を、幾つぐらい の医療機関と行われたんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  職業リハビリテーション部長の田窪と申します。こちらの医療機関との連携の部分に つきましては、ご承知のようにやはり精神障害の場合に主治医の方との連携・情報を密 にしながらやっていかないといけないということで、具体的にそういう機関との連携を とろうということでやってございます。  それの関係でちょっと申し上げますと、ちょっと46ページをお開きいただきますと、 中ほどの四角囲みのところの上の段にございますが、これの左側が特に医療機関との連 携ということで、特に18年度実施させていただいたものでございまして、これはリワー クという休職中の方を職場復帰していただくための事業でございますけれど、それのた めの周知・広報のための医療機関なり事業所向けのパンフレットを10万部作成させてい ただきまして、配布させていただいております。それで、あと右の方に書いてございま すように、こういう精神障害者の方の支援をするための連絡協議会等々の開催をやって ございまして、18年度においては2,836機関がご参加いただいているという状況でござ います。   ○堺委員  そうしますと、パンフレットの配布、あるいは活動の働きかけということで、個々の 精神障害者の方にどのような支援を行ったかということとは異なるわけですね。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  パンフレットということで申し上げますと、10万部ということになりますが、個々具 体に精神障害の方ということになってまいりますと、ちょうど46ページのところをまた ご覧いただきますと、18年度実績というところ、白囲みのところ、ちょっと青い字で真 ん中よりちょっと下にございますが、こういう精神障害者の総合雇用支援としては18 年度として1,011名の方に支援を行ってございますし、冒頭におっしゃっていただきま した44ページの方をご覧いただきますと、ちょうど真ん中の右の方にございますけれど、 これはちょうど職業準備支援の施策の方になりますが、ピンク色のところが精神障害の 方を対象にしてこの事業をやった実績になってございまして、18年度でいきますと全体 の32.9%が精神障害の方を対象にして実施しているということで、各種事業のところで 具体的に地域センターの業務では精神障害の方の対応をやらせていただいているという 状況にございます。 ○堺委員  先ほどご説明にもございましたが、精神障害者の方の場合に具体的な支援というのが かなり困難な部分がございますので、具体的な内容が何だったのかなと思ってお尋ねし ました。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  これは一つはお医者さんにどれだけ前向きに取り組んでいただけるかというのがござ います。それから事業主がどれだけ理解があるかということだと思います。それで東京 とか名古屋とかは結構前向きになってきています。それをどうやって広げていくかとい うこと、どうやってPRしていくかというあたりで試行錯誤しているということだろう と思います。それでお医者さんによっては非常に評価していただいているお医者さんが いて、それではということで、他の患者さんが来ると「職業センターに行ってみたらど うか」と、こういうところがあります。それから企業の方は、東京でこのリワークをや っていて、従業員が埼玉県に住んでいるというと、埼玉県の職業センターにうちの従業 員をやってくれと、こういうところがあったりして、ただ、まだすそ野が狭いのでそれ をどう広げていくのかというところかなと思います。とにかくお医者さんと事業主と本 人と皆がやる気にならないと非常に難しい、非常に苦労しているというのが現状だと思 います。 ○宮本委員  資料の49、50ページの職業リハビリテーションに係る人材の育成という件でご質問を したいんですが、先日、国立職業リハビリテーションセンターを視察させていただきま して、その時に民間の若年者支援の資料を送っていただきたいということを申し上げま したが、早速対応していただきましてありがとうございました。それにかかわって、こ この人材育成の対象というのが「雇用、福祉、医療等の分野の職員を対象に」とこうな っておりまして、50ページでみると支援センター職員研修、ジョブコーチ養成研修、職 リハ実践セミナーということで、気になりますのはここにおそらく対象にはなっていな いけれど、実際に職リハに近いことをやっている人たち、特に若年者分野でかなり多く 出ていて、このあたりをこの機構はどれだけ責任を持つのかということに関してでござ います。それとのかかわりで、ここはずっと終始一貫「障害」ということでカテゴリー が出ているんですが、実際の若年者支援の、先ほどお話があるニートの問題に関しては、 障害というカテゴリーに認定されない人たちが相当いて、その人たちはこの機構の事業 の中では対象になり得るのか、ならないのか。それで実際にはそこを対象にしていただ きたいということでございますが、よろしくお願いします。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  本人が発達障害者であるというように認めるというか、自覚するというか、そういう ところからスタートしているというのが一般的です。実はハローワークの窓口で何度も 面接するけれど、一向に就職できないという若者が結構おりまして、それでハローワー クから「あなたは発達障害ではないか」と言われて、それで「職業センターに行ってみ てはどうか」ということになると、当機構はそこは門戸を広げていて、別に障害者手帳 がなくても対応します、ということをやっています。それからもう一つは、職業センタ ーに「うつ病だ」といって来てみたら、実は発達障害だったというケースも少なからず あって、それも対応しております。  だから問題は、ハローワークなり、あるいは地域での発達障害者の支援に取り組んで いる色々な方々、先ほどお話のNPOとかでやっているような方々とかをどうやって全 体のネットワークを組んで機構ができる支援をしていくのかというのがおそらくこれか らの課題なんだろうと思います。我々はとにかく、来れば必ず対応するということにし ております。ただ、障害者だと言われるのが嫌で、障害者センターというなら俺は障害 者ではないから行きたくないという方がいて、これはかなり困っているという面があり ます。 ○宮本委員  本人もそうですし、親も認めないんですけれど、実際のところは情報提供・啓発啓蒙 そのあたりがほとんどなくて、そういう理解のない中で問題が解決できないで、かなり 量を抱えているのではないかという気がしまして、その点では専門的な情報提供、ある いは教育、そういうものをぜひ少し事業の中に新しい分野として拡大していただく必要 があるのではないかと思いますが。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  それはおっしゃるとおりで、実は厚生労働省から本年度それに取り組んでほしいとい う話が来ておりまして、随分難しい話だなと思っているんです。マニュアルを、発達障 害者だと認めたがらない本人並びに親にそういう意欲を持つというか、相談を受けてみ ようと思ってもらうためにはどうしたらいいのかというあたりから含めて研究をやるよ うに言われておりますので、今年から取り組もうと思っています。   ○井原部会長  それでは最後に12から19までをどうぞ。 ○寺山委員  今の46ページの精神障害者の総合雇用支援ですが、これはこの制度というか、社会保 障審議会で障害者雇用分科会でしたか、議論があった時も非常に難しい問題だけれども ということで、色々なことが。特に主治医を初め医療関係者と職リハの関係の、こちら の側との連携問題についてはかなり議論があったと記憶しているので、私もその後の経 過というのに関心があるんですが。  先ほどご回答で「苦労している」という一言でしたけれど、実際にはこの連携の到達 像というか、中身、それはお示しいただくと私どもとしても非常に課題が明確になるか なということなんですけれど、今回は結構ですが次回あたりに。重度であればあるほど、 この問題というのはどこでも苦労しておりますので、よろしくお願いしますということ です。  それから56ページのところの、私もここを久々に見学させていただきまして、大変リ ニューアルして、個別プログラムも開発されていて、なかなか活気があっていいなとい う感想を持ったんですが、一つ、職業的重度障害者ですね、これは何か定義があるんで すか。職業的重度障害者というのは大変全体の中の技法が開発されたり、景気がよかっ たり色々すると、昔は重度でも今は重度でなくなるような、非常に相対的な問題も含ま れていますが、ここのレベルで言う「職業的重度障害者」というのはどういう基準があ るのでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  はい、職業的重度障害者の部分のご指摘でございますけれど、ここで使っております 用語について特に法律とかで定義が設けられているということはございません。まず、 そこは申し上げておきます。ただ、重度というとらえ方につきまして、いわゆる障害者 手帳で言っている障害の程度というものだけでなくて、やはり就職とか職場定着という 観点で見た時に色々支援を、複雑に支援を差し上げないとなかなか就職なり職場定着に 結びつかない状況にあるという方々に対して、重点的に支援を行おうという意味合いで こういう言葉を我々の方で使わせていただいているというところです。 ○寺山委員  一般的な考え方ですね。拝見しますと、昔は国リハのみ受け入れていましたが、今は 要するに職業的重度障害者や発達障害者、精神障害者も含めて直接に開発されています よね。それで、あの方たちが職業的重度障害者なのでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  まずご指摘の昔、身障リハビリテーションセンターの方からのみの入ってこられると いう状況であったんですけれど、精神障害の方とか発達の方とか、高次脳機能障害の方 というような方で、やはり症状の揺れが大きい状況であったり、対人技能に非常に支障 があるというようなことで、実際に就職するに当たって、また職場定着するに当たって 非常に困難性が伴う方々の就労支援ニーズが増えてきているという状況の中で、やはり そこにも対応していく必要があるだろうということで、そういう部分も含めて対応しよ うということでやってきているところでございます。 ○寺山委員  わかりました。言葉で明確に表現しておいた方がよろしいかと思いますけれど。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  これは多分2つあって、一つは障害者福祉法で重度と重度でないという分け方をして いるんですけれど、機構ではそこをもうちょっと広くとらえてみようということが一つ あると思います。それからもう一つは、今我々が抱えている2つの事例があるんですけ れど、これはもう首から下がほとんど動かないような方の職業訓練もやってみようとい うことで、どこまでやるかというのは非常に難しいと思いますけれど、病院に入院され て治療を受けておられる方が一定の段階で、これ以上治療をしてもということで、どこ かで治療効果というのが安定してしまうという時に、ご本人は施設等で介護を受ける生 活を選ぶのか、介助を受けつつ職業生活を目指すのかといった時に、職業的重度障害者 というのはどこで線を引くのでしょうかと。別の難しさもあって、では、当方でそうい う方を職業訓練しますと言って、職業訓練する時には介助者の方にも一緒に来ていただ いてやるんですけれど、では企業に行った時に企業はどこまで雇ってくれるんですかと。 これは、企業の採用の可能性等、我々が職業能力開発して技能・知識を身につけてもら って就職する可能性がどのぐらいあるのかというあたりをどうやってみておくのかとい うのがあって、これは非常に悩ましいところで、我々は今のところ両極端に、かなり広 く見てやっているということで、そのために「的」とかつけていまして、何か余り的確 でないというか、定義ははっきりしないというのがあるんですが。もうちょっと検討し てみますが、今のところ柔軟にやろうというのが「職業的」になってしまっているとい うことかなと思います。ただ、おっしゃるように当方も独立行政法人ですから、きちん と目標を明確にしてやるというのも重要だと思いますので、ちょっと検討してみます。 ○寺山委員  お願いします。時代とともに変わるべきものだとは思いますので、この時点でどうか というお話をぜひお願いしたい。 ○今村委員  先ほどの私の質問と若干関係ですけれど、どちらかと言うと8、9、10あたりに戻っ てしまうんですが、こちらの資料2の4にかなり膨大な詳細な結果が、アンケートなん かが載っていまして、それで先ほど私が質問申し上げました訓練内容に対する否定的な 意見というのもかなり詳しく載っているんですね。それで、質問のその1は、こういう データに関して理事長代理さんは、来年度以降に活用するとおっしゃったんですが、そ れは現場では恐らく情報としては流れていると思いますが、例えば地域障害者職業セン ター等とかそういうところでどのようにフィードバックされているのかという、その利 用状況というか、それをもう少し教えていただければと思います。例えば、講師に関し ては通り一辺倒で教科書を読めばわかるなんてことが書いてあって、余りニーズに合っ ていないというようなケースもあったりするんですが、そういうものがどう。これは恐 らく地域の問題になるかと思いますが、講師の選定等の仕方等。そうするとこの評価シ ート9にありますような研修制度、機構内での職員の研究制度等とも関係してくると思 いますが、そういう地域等を含めた全体のガバナンスというか、人的なガバナンス、そ ういうものに関する機構全体としてどのように取り組んでいるのかということをまずお 伺いしたい。  もう一つは、評価シート10番に関して「非常に高い評価」というように書いてあるん ですが、私も国立職業リハビリテーションセンターを見学させていただきまして、例え ば技術的な部分、就業支援ツール等に関しての開発は非常にレベルが高いと思いますが、 つまり研究は現場にフィードバックするという方は非常に強調されているんですが、現 場での色々な経験、つまり障害者の問題というのは個別的ニーズにどう対応するかすご く大きいと思いますが、そういう現場から研究へのフィードバックみたいなもの、これ は個人情報とか色々な問題もあると思いますが、そういう体制について、ある意味で機 構は色々なデータの宝庫だと思うんです。そういうものについてどうお考えかと、この 2点をお伺いしたい。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  まず障害者関係の外部人材の方に対する研修等を含めたアンケート、今ご指摘いただ いたような形で取らせていただいております。もう少し詳細に申し上げますと、我々の 方は講師ごとにその講師の内容についても細かくアンケートを取っていますし、全体と して満足いけるものだったのかどうかということについて定型的に取らせていただいて おります。さらに加えて自由記載欄で色々、こういうところを改善した方がいいんじゃ ないかという部分も取らせていただいて、お配りしているような形でまとめさせていた だいております。それで、まず各講師の方には講義ごとに受講生のアンケートはこうだ ったですよということをお知らせして、次回以降またお願いする時にはそれを踏まえた 研修をやって下さいというようなことをお願いしてございます。それで、どうしてもこ こは評価的に難しいかなという場合には、カリキュラム全体を変えて別のものに変える というような工夫をさせていただいております。  あと現場における色々事業のアンケートも取らせていただいておりますが、それは一 旦我々本部の方で一回全体を集計しまして、それについては必ず現場の方に自由記載欄 も含めてフィードバックしておりまして、それをベースに施設ごとに反省なりをしてい ただいて、もし批判があったとすればそういうことが二度とないようにというような努 力をしていただくというようなことをさせていただいております。  もう一つ、2点目の総合センターの方での研究成果について、資料にもお配りしており ますが、当然その成果について各地域センター等に配布しておりますが、それでこれに ついては各地域センターでの活用状況とか、その意見についても当然吸い上げをして、 それをまた研究開発につなげていくというサイクルを作るようにしているところでござ います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事  ただいまの最初のご質問のアンケート調査の結果をどうしているかということについ て、高齢者の関係についてもお答えさせていただきますが、まず今ご指摘のありました 資料2-4で取りまとめさせていただいている、例えば8ページからはアドバイザーによ る相談・援助に関するアンケートというものでございますが、これについては取りまと めた上で必ず我々の事業を委託しております地方の高齢者雇用開発関係の協会に送って おりますし、その中で特に11ページなどをご覧になっていただきますと、自由記述の欄 の要因分析というものを我々の方でやっております。ちょっと字が細かくて恐縮ですが、 上の欄の方は「効果があった」という意見について書いてありますが、真ん中のところ で「効果がなかった」というところの分析について、例えば真ん中のところに、訪問前 に企業のニーズ把握に不足があったためにこういう効果がなかった、という回答があっ たのではないかということで、今後の対応ということで例えば職業安定機関との連携を 密に保つ必要があるとか、こういうことをきちんとつけさせていただいて地方に流す、 あるいは関係機関に送らせていただいて今後の対応に役立てているということでござい ます。 ○篠原部会長代理  随意契約についてちょっと質問したいんですが。前回、松田委員も随意契約における 問題点を指摘されていたんですが、この中には色々と問題のある契約も、いわゆるマス コミ等の報道でみればあり得る。特に公益法人等は高めの契約とか指摘されていますの で、こういう随意契約について、いわゆる監視委員会みたいなのを作られているか、あ るいは監事は特別な課題としてこれらを監査しているか、その辺をお伺いしたいんです が。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  基本的にはどうしても随意契約でないと事業の所期の目的が達せられないもの以外は、 速やかに随意契約を止めようというように思っております。それで、今のご質問は恐ら く都道府県の協会が皆、随意契約ではないかというお話だと思いますが、これは一つは 高齢者・障害者それぞれに助成金の業務をやっている。それからあとは先ほど来ちょっ と議論になっていましたが、雇用率未達成の301人以上の企業から納付金を徴収してい るということがあって、このあたりを的確にやれる団体ということになると、昔から都 道府県の協会がずっとやってきていて、ほかになかなか適切にやっていただけるところ がないんじゃないかと。それからもう一つは、先ほどから議論になっていますが、事業 主あるいは在職高齢者、離職高齢者に対する様々なアドバイス・支援・相談、これが事 業主相手のものというのは助成金とセットでやると効果的だというあたりがあって、そ ういう意味でここはまた厚生労働省とも相談した上で、随意契約でやっているわけです が、それ以外は土地の賃貸関係とかそういうものを除いて一つでも多く、説明のつかな いものは速やかに随契を外していこうということで取り組んでいます。それで監事から は、もう非常に厳しく指摘は受けていますので、とにかく監事にもお答えしなければい けないので、きちんとやろうというように思っています。 ○井原部会長  それではよろしゅうございますでしょうか。それでは最後に全体を通じて何か個別に ご質問等があればお願いしたいと思います。どうぞ。 ○松田委員  雑誌の発行ですけれど、「エルダー」と「働く広場」、これはなかなか読んで参考にな りますし非常にいいんですが、2つあわせて10万部でしょう。これを例えば20万部と 30万部にして書店でも売れるようにして、それで60歳近い人、あるいは65歳になりそ うな人に、一般のそういう人を対象にしてこれを販売したらどうなんですかね。売れる かどうかわかりませんよ。ただ、この内容は非常にいいんですよ。ですから、「エルダー」 と「働く広場」を一般読者向けに直して、そして売る。これを少しでも運営交付金を減 らすというそういう立場に立ってできませんかね。 ○高齢・障害者雇用支援機構企画啓発部長  先生のおっしゃっているご趣旨は非常によくわかるんですが、今やはり障害者の問題 とか、あるいは65歳高齢者、そういう話になりますとやはり自らお金を出して購入して も、実際にお金を払って購入するだけのそういうものがあるかどうかというのはちょっ と今のところわからないところがあります。ただ、今6万部、あるいは5万4千部とい う形で発行しておりますが、それ以外に企業の方、あるいはそういう一般の方からご要 望があれば実際に販売いたしております。それで、それぞれの部数は非常に少ないんで すが、それぞれ600〜700ぐらい販売しているような実績もございます。それで先生がお っしゃるように、今後もっと内容を充実させるというか、そういう引き合いがあるとい うか、そういう売れるぐらい質を高められるように努力していきたいと思いますが、現 段階で市販してペイするだけのニーズがあるかどうかというのはちょっとわからない。 ○松田委員  売り方も考えないと。ですからペイするような作り方をするんですよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  ということなんですけれども、それでもっと言うと、実は「エルダー」は今まで随意 契約だったんですけれど、今年から入札方式に切りかえています。「働く広場」も来年か ら入札に切りかえる予定です。それで実は同じ議論が外部評価委員会でも出たんですね。 もっと安く売れないのかと、今は680円で。そういう議論があって確かに重要だと思い ます。だからそこは確かに重要だけれど、「エルダー」も高齢者雇用に取り組んでいただ くための啓発の有力な武器ではあるんですね。ご指摘もあるので、出版社とも相談して みます。    ○寺山委員  67ページの就労支援機器の話ですが、私も最近は行ってないのですが、これはリニュ ーアルはいつもしているんでしょうかということと、それから新しく購入する場合のあ れでしょうか、企業から持って来て貸してくれるとかそういうシステムなんでしょうか。 ちょっと確認したいんです。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  これは新しい機器をなるべく導入というか、取り組むようにしていて、これは企業か らリースで借りています。それから利用度の低いというか、在庫率が高くなってしまう ようなケースのものは企業にお返ししています。在庫管理をやって、回転率の高い機器 だけ使おうということで、今、リース契約でやっています。 ○寺山委員  では一銭もかからないですね。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長代理  いえ、倉庫代が要るんです。外部の倉庫を借りていて、そこに置いてあるんです。企 業に預かってもらうわけにいかないものですから、企業からリースで借りて倉庫に置い てあるので、倉庫代がかかっています。あとは発送費というか、それがかかっています。 企業までお送りするとか。 ○井原部会長  はい、評価シートへの書き込みが進んでいると思いますが、まだ終わらないという方 がいらっしゃいましたら、評価シートはお帰りまで回収しませんので、引き続きご記入 いただいて結構でございます。  では、ここで事務局の入れかえを行いますが、次は16時15分から始めたいと思いま す。よろしくお願いします。    (事務局入れ替え) ○井原部会長  それでは皆さんお揃いでございますので、議事を再開したいと思います。次に雇用・ 能力開発機構の評価の視点の追加について、これを事務局から説明をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  まず資料についてご説明します。資料3以降の紙が各委員の左側のところにあると思 いますが、左側の資料でございます。資料3でございますが、各法人共通で追加される 評価の視点でございます。  内容としましては、人件費の関係と業務システムの関係につきましては当該法人につ きまして該当システムがございますので、その関係、この2点と追加となっております。 以上です。 ○井原部会長  はい、ただいまの内容につきまして何かご質問・ご意見があればお願いします。よろ しゅうございますか。それでは、この内容で評価の視点の追加について了承したいと思 います。  では、次の議題に入ります。これから雇用・能力開発機構の評価に移りますが、最初 に事務局から参考資料についての説明をお願いします。   ○政策評価官室長補佐  参考資料についてでございますが、A3の資料4-4の真上に参考資料がございます。 参考資料の2から4についてご説明申し上げます。先ほども申し上げましたとおり、総 務省政・独委からの文書等を踏まえまして、法人共通で該当がございます人件費、それ から随意契約についての資料が参考資料2と3でございます。それから業務システム最 適化につきましては該当システムがございますので、参考資料4としてつけておりまし て、これについての説明を踏まえて評価をしていただければと思います。それでは法人 からご説明をお願いします。   ○雇用・能力開発機構総務部長  それでは、まず参考資料2からご説明いたします。独立行政法人雇用・能力開発機構 の役職員の報酬等について、いわゆるラスパイレス関係のものでございます。まず、役 員報酬についての業績反映のさせ方につきましては、そこに書いてございますように、 17年度の業績評価結果が標準的なものであったことから、増減は行っておりません。  それから(2)でございます。役員報酬基準の改定内容としましては、18年度におきまし ては常勤役員の本俸月額を約5%引き下げる改定を18年7月に行いました。当評価委員 会の方でもそのとおりにご説明させていただいております。  それから次のページをめくっていただきまして、役員の報酬等の支給状況につきまし ては、その表のとおりでございます。理事長が2千万強、その他、以下記載のとおりで ございます。  それから下に参りまして、役員の退職手当の支給状況でございます。18年度に退任し た役員はおりませんが、17年度に退任した役員の退職金を18年度に支給したため、今 回計上しております。なお、支給額はガイドラインの定めによりまして独法の役員とし ての期間に相当する金額を計上しております。  次のページに行っていただきまして、3ページ目につきましては職員の給与に関する 事項でございます。下段の一番下の「ウ」のところに、平成18年度の給与制度の主な改 正点として3点記載しております。年功的な給与上昇の抑制、民間賃金の的確な反映、 勤務成績を反映した厳正な職位制度の運用などを行うため、18年4月1日から実施した ところでございますが、一つは低位の等級の一部を除きまして、昇給間差額を従前の2 分の1から6分の1程度まで圧縮した俸給に切りかえました。それから、国家公務員の 地域手当を参考とした調整手当の支給地域及び支給割合の見直しを行っています。それ から、職位を決定するための標準的な職務の見直し、この大きく3点を改正したところ でございます。  次のページに行っていただきまして、4ページ目は職員給与の支給状況でございます。 常勤職員が3,555人、平均年齢45歳、平均給与額7,975千円ということでございます。 以下、記載のとおりでございます。  それから5ページは常勤の事務・技術職員の年間給与の分布状況でございます。  それから次のページに行っていただきまして、6ページ目の(3)、(4)につきましては、 常勤の事務、技術職員の職級別在職状況でございます。そして下の(5)、ちょっと小さい 字でございますが、この(5)のところがいわゆるラスパイレス指数でございます。国家公 務員行政職と比較したラスパイレス指数で、国家公務員を100としますと本年度は113.0 ということで、前年度から0.3ポイント低下しております。その下の対他法人指数とい うのは、全独立行政法人の平均給与と比較した場合の指数でございますが、18年度は 105.2ということで前年度から0.2ポイント低下しております。  続きまして、次のページに行っていただきまして、給与水準の比較指標について参考 となる事項でございます。今申し上げましたように、対公務員指数につきまして113.0 でございます。年々下がっておりますけれど、引き続き国家公務員より高い状況でござ いまして、その要因としましてはそこに書いてございますように、機構の事務・技術職 員の大卒者の割合が国家公務員の大卒者の割合よりも高い、あるいは従前の人事管理上 の運用におきまして、職員の年齢・経験年数による昇格・昇給の取り扱いが現在の給与 水準に反映されたものだと考えております。なお、先ほど申し上げましたように、18年 度におきましては今後の給与水準に影響を及ぼすものとして、先ほど申し上げました3 点の見直しを行っているところでございます。  次のページ以降は総人件費でございますが、そこに書いてあるような金額でございま す。それで恐縮ですが、次のページの総人件費の参考となる事項のところをご覧いただ きますと、機構につきましては中期目標・中期計画におきまして、人件費削減につきま して17年度を基準として18年度以降の5年間で5%削減を行うこととしております。 18年度につきましては、これは17年度に比べまして13.5億円の削減を行っております ので、削減率は3.9%ということになっております。数字は先ほどの前のページの「給 与・報酬等支給総額」の一番上のところの(A)のところの右から2つ目のところで− 3.9%とございます。以上、給与水準の状況となっています。   ○雇用・能力開発機構経理部長  それでは引き続きまして経理部長でございます。随意契約の状況についてご説明申し 上げます。資料は参考3になります。  平成18年度に締結いたしました契約の総数は8,143件、総額は86,699,418千円でご ざいました。このうち随意契約につきましては6,878件、74,160,692千円、率にしまし てそれぞれ84.5%、85.5%という状況でございます。また、随意契約の中で厚生労働省 が所管する公益法人のうち、契約を締結した日に国の常勤職員であったものが役員とし て在職する法人との契約、これにつきましては62件、36,637,848千円、率にしまして それぞれ0.8%、42.3%という状況でございます。なお、平均落札率でございますが、 一般競争入札による場合、82.9%、指名競争入札による場合84.2%、そして随意契約に よる場合99.2%となっております。随意契約の状況につきましては以上でございます。   ○雇用・能力開発機構企画部長  それでは私の方から独立行政法人の業務システム最適化の状況についてご説明をしま す。参考4でございます。  私どもの方で最適化の推進に当たりましてCIOを選任するほか、推進委員会を立ち 上げまして現在、最適化の推進を図っているところでございます。最適化の対象システ ムとしましては、「私のしごと館情報システム」が対象となっております。19年度中に、 20年の3月までに最適化計画を策定するということで、現在進めているところでござい ます。  なお、後ろの方に資料がございます中期目標・中期計画などにつきましては説明を省 略させていただきたいと思います。以上でございます。   ○井原部会長  はい、それでは以上の内容につきまして何かご質問・ご意見があればお願いします。 よろしゅうございますか。  それでは実際の評価に移りたいと思います。まず雇用・能力開発機構の岡田理事長か らご挨拶・ご説明をいただきまして、次に平成18年度の法人業務につきまして雇用・能 力開発機構より説明をお願いしたいと思います。なお、今年の夏の独法評価委員会にお きましては議題が大変多くございますので、説明時間等を例年より短縮させていただい ております。理事長の説明を含めまして合計50分以内で説明を終わらせていただきたい と思います。時間を経過することのないよう、ぜひご協力をお願いします。それではお 願いします。   ○雇用・能力開発機構岡田理事長  理事長の岡田でございます。委員の皆様には日ごろ当機構の運営に当たりましてご指 導をいただいておりまして、厚くお礼申し上げます。会議の開催に当たりまして当機構 の現況を、平成18年度及び中期目標期間の業務実績の資料に基づいてご説明いたします。  さて、当機構は平成16年3月に独立行政法人に移行して以来、お手元の資料4−1の Iに記載してある5項目の基本方針を掲げて、職員の意識改革を図りつつ組織の総力を 挙げて中期計画の目標達成に努めてまいりました。その結果、主要な中期目標を前倒し に達成しまして、当初4年間の中期計画を1年繰り上げて昨年度完了することができま した。このように計画を上回る業務成果を挙げることができましたのは、職員の努力は もとより委員の皆様のご支援のたまものであり、重ねてお礼申し上げます。  さて、平成18年度の重点項目の実績につきましては、お手元の資料のIIに記載のとお りでありますが、自己評価との関連で後ほど説明することとしまして、ここで私は昨年 度完了しました中期計画の実績を資料のIIIによりまして総括させていただきたいと思い ます。まず、第1の一般管理費及び業務経費の削減につきましては、組織の簡素化を初 めとする業務改革を積極的に実施しまして、平成14年度に比較して15%、165億円以上 削減するという中期目標に対しまして、平成18年度では18.7%、206億円削減しまして、 人員の削減も計画どおり3年間で450名、率にしますと10%実施しております。  第2の就職率の向上につきましては、市場のニーズに対応した職業訓練ときめの細か い就職支援を実施しまして、資料のIIの平成18年度の実績に記載のとおり、離職者訓練 につきましては施設内、及び委託訓練、並びに学卒者訓練のいずれにおきましても就職 率の目標値を超過達成しております。また第3の利用者の満足度の改善、及び第4の若 年者対策の推進につきましても、中期目標を達成するとともに、着実に業務の成果を挙 げまして雇用の改善に寄与することができたと考えております。つきましては、これら の実績に満足することなく、今後は業務のさらなる質的向上に努めてまいる所存であり ます。  次に資料は特にありませんが、中期計画の業務実績を財務体質の面からご説明したい と思います。当機構の独立行政法人発足時におけます利益剰余金は、256億円の赤字で ございましたが、18年度末では175億円の黒字となりまして、この間432億円改善して おります。主な改善理由としましては3つありまして、第1は運営費交付金の効率的な 執行によりまして、3年間に蓄積した利益剰余金が173億円、財形融資の事業収益によ りまして141億円、第3には雇用促進住宅の収支の改善によりまして130億円でありま して、業務の着実な改革が財務体質の改善をもたらしたと考えております。なお、運営 費交付金の削減分の累積など167億円につきましては、第1期中期計画が完了しました ので今回国庫に返納することといたしております。  さて、当機構は本年度から5カ年の第2期の中期計画をスタートしております。現下 の雇用情勢は改善しておりますが、雇用のミスマッチの解消、若年者の雇用の支援、並 びに国際競争力強化のための技術力の向上など、職業能力の開発を中心とした当機構の 役割はますます重要になっていると認識いたしております。つきましては第2期中期計 画におきましてはまず中期目標を達成するとともに、懸案の諸課題に積極的に取り組ん で解決を図りまして、社会の負託に応えていく所存でございますので、引き続き委員の 方々のご指導をお願いしまして私の挨拶とします。どうもありがとうございました。   ○井原部会長  ありがとうございました。それでは引き続きまして18年度の業務実績等について説明 をお願いします。   ○雇用・能力開発機構企画部長  では私の方から説明をさせていただきます。資料No.4-4、評価シートによりましてご 説明をさせていただきます。  評価シート1、組織体制・経費削減についてご説明申し上げます。まず組織体制につ きましては、(2)の「なお」書きにありますけれど、平成18年度におきましては本部 組織につきましてスリム化、及び業務集中化を図るための改編を行いました。地方組織 につきましては、都道府県センターと職業能力開発促進センターの事務・業務を1人の 統括所長の下で1つの組織で実施する一元処理を17年度の27道府県に引き続き、19府 県で行ったところです。この結果、一元処理は46道府県となりまして計画を完了したと ころでございます。  経費の削減につきましては、昨年の評価委員会の指摘を踏まえまして適切な計画のも と執行に進めたところでございます。14年度比16.3%削減をいたしました18年度計画 を達成するとともに、(1)にありますように、情報システムの削減などそういうものを 通じましてさらに26億円の削減をしたところでございます。一般競争入札につきまして は、18年度における実績は973件となっているところでございます。  (4)の人事・給与制度の見直しにつきましては、次のページになりますが、昇給間 差額を従前の2分の1から6分の1程度に圧縮しました俸給への切りかえなどによる新 しい人事・給与制度を実施しました。その結果、人件費につきましては17年度に比較し まして3.9%削減したところでございます。  自己評定に移ります。組織体制の簡素化、効率化につきまして一元処理計画を完了し たこと、また経費につきましても18年度計画を達成するとともに、さらに15%以上の 削減という目標に対しまして3.7%を上回る18.7%の削減を行っております。こういう ことから計画を上回る結果と判断しまして、自己評定を「A」としたところでございま す。  続きまして4ページでございます。助成金の支給に関する効率化についてでございま す。平成18年度も助成金の支給期間の短縮に向けた取り組みを(1)〜(4)にありますように、 説明会及び相談の実施、あるいは審査能力の向上のための職員研修の実施、あるいは手 続きの簡素化などに取り組んだところでございます。とりわけ平成18年度は17年度の 評価委員会の指摘を踏まえまして、手続きの簡素化などを進めたところでございます。 具体的には(3)の(イ)のところにございますけれど、建設雇用改善助成金につきまして 受給資格認定に係る申請手続きの廃止を行ったこと。または、キャリア形成支援関係助 成金につきましては様式の記載項目の見直し、あるいは簡素化といったものを行ったと ころでございます。  次のページでございます。この結果、短縮状況につきましては、(2)でございますが、 平成18年度の処理期間は24日となりました。平成14年度の28日と比較しまして、10% 以上の短縮を目標としておりますが、14.3%の短縮をしたところでございます。  自己評定に移ります。6ページでございます。先ほど申し上げましたように、評価委 員会の指摘を踏まえましてこれまで以上に利用者の視点から一層の手続きの簡素化を進 めました。そういうことを踏まえまして中期計画どおりの進展と考えまして、自己評定 を「B」としたところでございます。  続きまして7ページでございます。職業能力開発業務に係る効率化でございます。ま ず在職者を対象とする訓練コースの見直しにつきましては、(1)にありますように、地 域の事業主・団体の人材育成に関する課題につきましてヒアリングを行うとともに、民 間教育訓練機関の教育訓練コースの実施状況を踏まえまして見直しを行ったところでご ざいます。見直しに当たりましては、本部、訓練施設での精査というのはもとより、47 都道府県に設置しています産官学関係者を構成員とする人材育成地域協議会におきまし て意見を聴取いたしました。その結果、(2)にありますように、約8割について見直しを 行い、その結果をホームページに公開したところでございます。  離職者訓練につきましては、下段の方でございますけれど、在職者訓練と同様の仕組 みによりまして見直しを行いました。その結果、約3割につきまして見直しを行いまし て、8ページにございますけれど、ホームページで公開したところでございます。  続きまして委託訓練の実施についてでございます。求人・求職ニーズに対応しました 訓練コースの設定を図るために、(3)にありますように、プロセス管理セミナーによる 委託先の拡大を図りました。また(2)にありますように、2,386の機関に対しまして、 (1)にありますように、国の計画10万6千人に対しまして受講者9万9千人、約94%、 ほぼ計画どおり実施をしたところでございます。これによりまして民間委託の割合は 75.3%となりまして、17年度と比べましても2.9ポイント増加したところでございます。  下の方でございます。学卒者を対象とする訓練科につきましても、次のページでござ いますけれど、耐震に関する教科目を加えるなど、産業界の現状や技術動向を踏まえつ つ見直しを行いホームページに公表したところでございます。民間外部講師の活用につ きましては、先端的技術を中心に活用を図りました。その結果、その活用の割合につい ては17.1%となっておりまして、平成14年度に対しまして7.1%増加したところであり、 18年度計画を達成したところでございます。  続きまして「私のしごと館」関係でございます。私のしごと館の運営につきましては 支援協議会の提案・意見を踏まえまして例にございますように、中高生向きの新たなプ ログラムの開発など、様々な取り組みを行ったところでございます。その結果、自己収 入でございますが、17年度の1.1億円に3千万ほど増えまして、1.4億円となったとこ ろでございます。  続きまして次のページでございます。経費の効率化につきましても取り組んでまいり ました。10ページの(2)でございますが、一般管理費の削減、業務の重点化などによ りまして、経費のところをご覧いただきますと、平成18年度は17年度比1.7億円、約 12%減の13.2億円となったところでございます。また最後の方の「●」のところですが、 17年度の評価委員会から受けました「私のしごと館」の方向性を明らかにすべきという 指摘に対しましては、アクションプランを作成しまして現在進めているところでござい ます。  ここで市場化テストの導入について触れたいと思います。私ども平成18年7月施行の 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律に基づきまして「私のしごと館」が 実施する職業体験の一部につきまして、19年4月から市場化テストを実施しております。 またアビリティガーデンにおきましても、訓練の一部につきまして17年度からモデル事 業として実施しておりましたが、19年度においても在職訓練の一部を実施しているとこ ろでございます。  自己評定でございます。11ページでございます。先ほどご説明した実績につきまして 計画どおり進展していると判断しまして、自己評定を「B」としたところでございます。  続きまして14ページでございます。業績評価の実施・公表による業務内容の充実につ いてご説明します。まず業績評価の実施につきましては、適正な業務の推進に資するた めに全国100余りある施設ごとの目標値の設定を行いました。定期的にその実績を把握 し、進捗管理を行って評価を行ったところでございます。評価につきましては、学識経 験者その他有識者13名の委員からなります運営協議会におきまして意見を聴取したと ころでございます。  また業務の見直しにつきましては、本部職員からなる業績評価、・業務改善、検討委員 会を設けまして厚生労働省評価委員会からの指摘に対しまして、アンケート調査におけ る意見などを分析し、適切に業務に反映させるための取り組みを行ったところでござい ます。アンケートに記載した設問項目から、講習やセミナーの内容の妥当性、あるいは コースごとの教材、講師の課題、こういうものを分析しまして改善を行ったところでご ざいます。  また政策目標と合致しているかの視点を踏まえまして、平成17年度に引き続き(1)〜(6) にありますけれど、それらの事業につきまして業務改善に資するため事業効果に係る調 査を実施し、重ねてこういうことを踏まえまして改善を図ったところでございます。  次のページでございます。平成17年度の業績評価につきましては18年8月に、暫定 評価につきましては18年の12月に公表しております。業務内容の公開につきましては、 わかりやすい方法でホームページなどを使いながら情報の提供を進めたところでござい ます。  16ページでございます。自己評定に移ります。先ほど申し上げました実施につきまし て、中期計画におおむね合致すると判断しまして、自己評定を「B」としたところでご ざいます。  続きまして18ページでございます。評価シート5に移ります。評価シート5は中小企 業事業主の雇用管理改善に関する相談、講習会の実施に係る実績を記載しております。 講習会・セミナーなどにつきましては対象者ごとに実施している関係上、本シートの記 載内容が多岐にわたっております。したがいまして、中小企業に関する雇用管理の改善、 講習会等、建設業に対する相談・講習会に区分しまして、この2つをご説明申し上げま して代えさせていただきたいと思います。  最初に中小企業事業主に対する雇用管理改善に関する相談業務について説明します。 相談業務につきまして申し上げます。平成18年度は(1)の(1)の3つ目のポツにありま すけれど、雇用情勢の改善の弱い7道県に創業支援コーナーを設置しまして、相談業務 の充実強化を図ったところでございます。また、よくある質問につきましては、見直し を行いまして回答をQ&Aとしてホームページに公開しました。この結果、募集・採用・ 配置に関する相談を中心に、中ほどにありますが、相談件数は8万3千件となっており まして、平成17年度よりも増加し、14年度と比較しまして10%以上の目標に対して 28.3%増加となっております。また、相談者に対するアンケート調査でございます。(2) にありますけれど、アンケート調査の結果を踏まえまして相談事例・好事例など実践的 な例を提供した結果、アンケート結果でございますけれど97.4%の方から、雇用管理を 進める上で「役立つ」と、このような回答をいただいたところでございます。  次のページでございます。続いて講習会・セミナー関係でございます。中小企業にお ける雇用管理の改善を図るためのセミナーにつきましては、テーマ例にありますように、 業界と話し合いながら地域の実情に応じたテーマを設定し、601回開催しまして約2万 人の方々が受講しました。この受講された方のアンケートにつきましては「ロ」にあり ますが、97.2%の方々から、雇用管理の改善を進める上で「役に立った」という回答を いただいたところでございます。  なお、「ハ」にありますけれど、その後、参加者が具体的に雇用管理改善に取り組んで いるかフォローアップ調査も実施しております。講習会受講後おおむね3カ月経過した 時点で、事業効果に係るフォローアップ調査を実施しました。70%の方から、雇用管理 の必要性を認識し取り組んでいる、あるいは取り組む予定だという旨の回答をいただい たところでございます。(2)からその次のページまではほぼ同様の結果でございますので 省略をさせていただきます。  先ほど申し上げましたとおり、次に建設業の関係をご説明します。21ページでござい ます。建設業関係の雇用管理の改善を進めるためには、私ども2点に留意して進めてお ります。一つは、業界と共同で進めるということでございます。2つ目としましては、 継続的に普及啓発をしっかりやっていくということが重要と考えております。18年度に おきましては相談業務を実施するに当たりまして、(1)の一つ目のポツにありますけれど、 業界と共同で周知を行うとともに、(2)にありますが、11月を建設雇用改善推進月間と位 置づけまして、業界と共同で人材確保の課題等に対して催しを実施したところでござい ます。その結果、相談件数につきましては、(1)ですけれど、人材確保などを中心に5万 8千件となっておりまして、平成17年度よりも上回ったところでございます。また相談 者に対するアンケート調査結果は、(3)の「ロ」にありますように、96.6%の事業主から 雇用管理の改善に「役立った」、あるいは「どちらかといえば役立った」という高い評価 を得たところでございます。  続きまして雇用管理研修関係でございます。(2)の(1)でございますが、建設事業主等 と情報交換を行いつつ、ニーズに応じた雇用管理改善に関するテーマに係る雇用管理研 修を206回、約8千人の方々に受講いただきました。  次のページでございますけれど、こういう講習会を受けた方々のアンケート調査によ れば、98.1%の方々から雇用管理の改善を進める上で「役立った」旨の回答をいただい たところでございます。また、その後の事業主の雇用管理の改善の取り組みにつきまし ても、(3)でございますけれど、フォローアップを実施しております。研修受講後3カ月 経過した時点で、雇用管理の改善の必要性を認識したという方々が63.8%いらっしゃい ます。このような回答を得たところでございます。  沖縄県における離職者に対する援助業務の実施などにつきましては、相談件数、ある いは満足度とも昨年を上回っているところでございます。  次のページでございます。自己評定でございます。先ほどご説明したとおり相談件数、 満足度、事業効果などの実績につきましては中期計画を大幅に上回っていると判断しま して、自己評定を「A」としたところでございます。  続きまして28ページ、シート6でございます。雇用開発関係の助成金につきましてご 説明を申し上げます。本業務は評価委員会の指摘を踏まえましてアンケート調査結果の 業務への反映、あるいは不正受給防止対策の強化を柱に進めたところでございます。  まず助成金の支給に当たりまして、(1)の(1)にありますように、制度の周知につきま してはホームページを活用しまして活用事例の公開、よくある質問の見直し、あるいは 制度内容の公開など周知に努めたところでございます。さらに一番下でございますけれ ど、(3)にありますように、関係機関と連携を図りながら効果的な説明会・相談会を実施 したところでございます。  次のページに移ります。その説明会の開催回数につきましては約2,800回、参加者は 約78,000人、相談件数も約78,000件となっております。またアンケート調査によりま すと、91.7%の方から「説明内容が理解できた」、あるいは「どちらかといえば理解でき た」という旨、ご回答いただいております。17年度と比較しましても改善しているとこ ろでございます。これはまだまだ不十分でありますけれど、各施設がアンケート結果を もとにケース会議などによりまして説明資料、説明時間の配分などについて工夫をした 結果だと思っております。  さらに下の方の(4)の不正受給の防止につきましては、(1)にありますように、支給 要件に合致しているか否かの確認のための事業所訪問を3,155件行って確認をいたしま した。さらに18年度から、(2)にありますが、建設雇用改善助成金につきまして都道府県 労働局と雇用保険データの照会を行い、不正受給防止の強化を図るとともに、(3)にあり ますけれど、不正受給防止対策としまして本部に監察役、あるいは都道府県センターに 給付調査役を配置しまして、次のページになりますが、巡回指導や給付調査役による研 修などによりまして、不正受給防止体制の強化を図ったところでございます。  一方、(5)にありますように、フォローアップ調査も実施しております。中小企業人 材確保助成金の支給を受けました事業主を対象に実施しました。その結果、80%の者方 から雇用管理改善事業実施前と比較しまして、「雇用管理の改善が図られた」との回答を いただいたところでございます。  31ページでございます。自己評定に移ります。先ほど説明しました実績につきまして、 中期計画どおり進展していると判断しまして、自己評定を「B」としたところでござい ます。  続きまして33ページでございます。関係機関との連携及び人材ニーズの把握について ご説明をします。まず関係機関との連携の関係でございます。求人・求職ニーズに応じ ました訓練を各訓練機関がそれぞれの役割に応じまして提供するため、機構は都道府県 との連携を深めております。一つは(1)にありますように、地域の教育訓練資源を活 用しまして多様な訓練を提供するため人材育成地域協議会を47都道府県で94回開催し ました。さらに(2)にありますように、求職者の就職促進におきます対策としまして、就 職促進能力開発協議会を47都道府県で103回開催しまして、就職支援に関する体制を強 化したところでございます。また、都道府県への訓練コースの提供などにつきましても、 (2)にありますように、提供しております。さらに(3)をご覧いただきますと、各都道 府県のニーズを踏まえながら都道府県の職業訓練指導に対する再訓練も実施しておりま す。実践に重点を置きましたコースの開設を行いまして、こういう内容につきまして次 のページでございますけれど、140コース、638人に対しまして実施しております。この 結果、各都道府県の指導員の指導能力といったものの向上が図られたと思っております。  人材ニーズの把握につきましては、(1)の(1)にありますように、求人・求職ニーズを 的確に把握するため、機構はニーズを保有する中央業界、あるいは機関に直接ヒアリン グをしまして、(2)にありますように、各訓練につきまして見直しを行ったところでござ います。見直しの内容、仕組みにつきましてはシート3においてご説明しましたので、 ここでは省略させていただきます。  35ページでございます。在職者に対する訓練につきましては、さらにきめ細かなニー ズに基づいたオーダーメイドの訓練を2,758コース、実施しました。技能継承などの今 日的課題に対応しているところでございます。  自己評定に移ります。先ほどご説明しました実績につきまして、中期計画どおり進展 しているものとし「B」としたところでございます。  続きましてシート8でございます。シート8は在職労働者に対するキャリアアップの ための訓練の実績を記載しております。今後とも競争力維持・向上をしていくためには 中小企業、とりわけものづくり分野における従業員の技能・技術のアップが課題となっ ております。機構はこういう課題に対応するために、中小企業の従業員を対象にものづ くり分野における実践的な人材の育成を目指しまして、実習を中心とする短期間の高度 訓練を平成18年度は8万2千人に実施したところでございます。  実施状況をご説明します。(1)でございます。最初に受講者に対するアンケート調査 結果を申し上げます。この調査は受講者約8万2千人の83%の方から回答をいただいて おります。97.1%の方から職業能力の向上に「役立った」、あるいは「どちらかと言えば 役立った」旨の評価をいただいております。約7割が「役立った」と回答しております。 17年度よりもさらに改善されております。また受講者を派遣しました事業主に対するア ンケート調査も実施しております。95.2%の事業主から受講者が学んできた技術・知識 が役立っている、このような評価をいただいております。これは約1万72千事業者か らの回答でございます。  また、さらに修得した能力の測定評価につきましても実施しております。訓練内容を 主要項目に区分しまして、受講前・受講後の理解度の測定を全国で行ったところでござ います。また訓練就労終了1カ月後、どの程度現場で生かされているか、こういうこと も測定しましてコースの見直しなどを行っているところでございます。  次のページです。自己評定に移ります。先ほど申し上げました結果につきまして、中 期計画を大きく上回ると判断しまして「A」としたところでございます。  続きましてシート9でございます。離職者訓練に関する実施についてご説明申し上げ ます。雇用情勢は改善されつつありますが、平成18年の失業率は4%、失業者は約281 万人を数えております。雇用・能力開発機構は国にかわって離職者訓練を実施し、雇用 のセーフティネットの役割を果たしているところであります。18年度は都道府県を含め て全体で17万人計画され、機構は約その8割に当たる13万人を計画し実施したところ でございます。実施に当たりましては理事長のリーダーシップのもと、最重要課題の一 つと掲げまして進めたところでございます。  実施状況をご説明します。離職者に対する訓練の実施に当たりましては、失業者が早 期に再就職できるよう、(1)にありますように、約70万件のキャリア・コンサルティング を実施しまして、本人の適性・能力などを十分に把握しました。また、受講生の選考に つきましても面接試験などを実施しましたし、委託訓練の受講者の選考に当たりまして は委託先の参加による選考を行ったところでございます。さらに施設内訓練におきまし ては、入所から修了までの間における訓練生に対する就職支援につきまして徹底して行 うとともに、委託先につきましても委託先ごとに巡回指導による指導というのを6千件 余り実施しまして、就職支援を徹底したところであります。  この結果、次のページになりますが、施設内訓練におきましては81.5%、委託訓練に おいては68.6%の就職率となりまして、施設内につきましては1.9ポイント、委託訓練 につきましては2.6ポイントの17年度実績を上回ったところでございます。  先ほど離職者訓練の就職率が81.5%と申し上げました。その就職率の内容につきまし て雇用情勢の厳しい7道県で見た場合、どのような状況にあるかご紹介しますと、雇用 情勢の改善が遅れている北海道、青森、沖縄などの7道県の有効求人倍率は全国平均の 1.06倍に対して、0.56倍と厳しい状況にあります。こういう状況にある地域に配置して おります私ども施設の就職率は、平均は約80%でございます。委託訓練をあわせますと 習得した技能・技術を生かして就職した人は8,600人となっております。地域の雇用対 策に十分に貢献できたのではないかと、このように思っているところであります。  次のページでございます。自己評定でございます。先ほど申し上げましたとおり、離 職者の早期再就職のニーズを反映した訓練コースの設定、あるいはきめ細かな就職支援、 こういうことを行ったことによりまして18年度の就職率は17年度を上回るとともに、 年度計画・中期計画を大きく上回ったことから、自己評定を「A」としたところでござ います。  43ページでございます。続きましてシート10の学卒者訓練の実施についてご説明を します。私ども職業能力開発大学校を全国のブロックごとに10校配置をし、理論と実践 を融合しました訓練方法により、みずからものづくりができる人材を育成するというこ とで、年間約4千人養成しまして、中小企業の製造現場に送り出し、中核的な存在とし て活躍をいただいているところでございます。  実施状況をご説明申し上げます。まず就職支援関係です。1年次から就職ガイダンス、 あるいはキャリア・コンサルティングをきめ細かく実施しました。あるいは生産現場を 直接体験するインターシップなども取り入れて積極的に行ったところです。この結果、 就職希望者、これは進学者を除くすべての修了者を指しますが、2,372人のうち2,332 人が就職をいたしました。その就職率は98.3%となっております。  続きまして、大学との連携についてご説明をします。平成17年度の評価委員会から引 き続き大学との連携、あるいは地域との連携を深めるようご指摘がございました。平成 18年度につきましては、若者に対する実践的な技術協力を充実させるために工業高校、 あるいは高専、大学との連携を行いました。特に高校・大学などから実習の受け入れを 行いまして、その数は70件となっております。さらに(2)でございますけれど、職業能力 開発大学校におきまして共同研究、受託研究、あるいは施設の開放といったものを積極 的に実施しました。いずれも平成17年度を上回る実績でございます。  次のページでございます。ものづくり体験教室、約1万5千人に実施いたしておりま すし、あるいは地域との連携といったことで地域の企業誘致や企業支援につきまして、 人材育成や技術の両面から協力しているところでございます。職業能力開発大学校の運 営に当たりましては、地域のかかわりを重視しまして、地域が抱える課題といったもの を共同研究のような形で取り上げまして、地域の産業を地元の施設、あるいは地元の若 者が積極的に支えていくような運営をしているところでございます。  45ページでございます。自己評定に移ります。きめ細かな就職支援によりまして年度 計画を上回る高い水準の就職率を維持していること、あるいは委員会の指摘を受けまし て共同研究、受託研究を積極的に実施しまして、地域社会との連携を一層強化している と判断しまして、自己評定を「A」としたところでございます。  評価シート11でございます。新分野展開、指導員の養成についてご説明します。まず、 新分野事業展開の支援でございます。これまで東京・大阪に起業・新分野展開支援セン ターを設置しまして、新分野の事業展開などの支援を行ってまいりました。新分野の事 業展開に係る開催地域について適正に選択される必要があるとの委員会の指摘を踏まえ まして、平成18年度は創業が見込まれる北海道・福岡の2カ所に新たに創業スポットを 設置しまして、新分野展開に係る情報提供を中心に支援を行ったところでございます。 実施結果につきましては、(1)〜(2)にありますように、新たな分野の進出に必要な 相談を始め、新分野展開につながる技術指導の紹介など、幅広い支援を行っているとこ ろでございます。その結果、(1)の相談・援助件数は17年度を20%上回る8,600件と なっております。利用者総数は12,000件にのぼっているところでございます。  次のページでございます。47ページでございます。続きまして職業訓練指導員の養成 につきましてご説明をいたします。職業訓練指導員の養成につきましては、職業能力開 発総合大学校において主にものづくり系に係る指導員を養成しているところであります が、指導員ニーズの変化に対応するため16年度から訓練計画策定などの新たなニーズに 対応したカリキュラムにより人材の養成を行っております。3年目に当たる平成18年度 におきましては、長期課程、及び研究課程におきましてキャリア・コンサルティングな どの講座を実施しました。既に指導員として従事している方々に対しても、研修課程と して216人にカウンセリング技術演習などの指導業務の充実を図ったところでございま す。  自己評定に移ります。先ほどご説明しました実績につきまして、おおむね計画どおり と判断いたしまして、自己評定を「B」としたところでございます。  評価シート12、若年者対策及びキャリア・コンサルティングの実績についてご説明を します。若年者を巡る雇用情勢につきましては改善が見られるものの、失業率などにお きまして依然として厳しい状況にあります。平成18年度につきましては、このような情 勢を踏まえまして、重点事項の一つに掲げ定期的な進捗管理などを行いながら進めたと ころでございます。  最初に(1)にありますように、若年者向けキャリア・コンサルタント養成講座について ご説明します。若年者向けのキャリア・コンサルタントの養成につきましては、カリキ ュラムに若年者の行動特性などに関する内容を加えまして、1,212人に実施しました。 このほか、これらを修了した方を対象に、若年者のコンサルティング演習に重点を置い た若年者向けの講座を348人に実施しました。これらによりまして18年度までに5年間 で5,500人を養成するという計画に対しまして、5,788人となり目標を達成したところ でございます。  続きまして(2)のヤングジョブスポットでございます。ヤングジョブスポットにつきま しては、使命を明らかにした上で他の機関との連携を図るべき、との本委員会の指摘を 踏まえまして、若年者が職業意識に対する相互啓発を促進できる場を提供するとともに、 職業意識を高めた若年者が早期再就職に結びつくよう職業安定機関やジョブカフェに職 業相談や職業紹介へ誘導するなど、情報交換を図りながらフリーター等若者が集中する 大都市部14カ所で実施したところでございます。なお、実施に当たりましては若年者の 参加が見込まれる場所に出向いて行うとともに、携帯電話用サイトを活用した情報提供 を行うなど、効果的に実施したところでございます。その結果、職業ふれあい事業やフ ォーラム事業の参加者・利用者が21万人となっておりまして、17年度を大幅に上回っ ております。  またフォローアップ調査につきましても、ヤングジョブスポット利用者に対しまして 利用後3カ月の調査を実施しました。83.6%の方々から「就職に対する行動に変化があ った」との回答をいただいたところでございます。  次にしごと館に移ります。しごと館の利用者総数につきましては利用が低調な県、あ るいは教育委員会、校長会を訪問しまして積極的に勧誘を行いました。その結果、各事 業のサービス利用者は延べ50万7千人となっております。年度計画の40万人を大きく 上回っているところでございます。また「ロ」「ハ」にありますように、利用者のアンケ ート調査におきましても目標を超える高い結果を維持しているところでございます。な お、中段ほどにありますが、平成18年度から「私のしごと館」を利用した失業者に対し ましても、利用後3カ月経過した時点での調査を実施しております。81.7%の方から「就 職に向けて何らかの行動を起こした」という、変化があった旨の回答をいただいたとこ ろでございます。  続きましてデュアルシステムによる訓練でございます。訓練計画ごとに実績を申し上 げます。専門学校に委託する委託訓練活用型のデュアルでございますが、1,649コース、 2万5千人余りが入所し、就職率が75.6%でございます。職業能力開発大学校を利用し たデュアル訓練につきましては62人が入校し、92.1%の就職率となっております。また、 職業能力開発促進センターの1年間の訓練につきましては、普通課程デュアル型でござ いますが、10科、183名、92.9%という高い就職率となっております。  続きまして54ページでございます。キャリア形成に関する相談についてご説明します。 都道府県センターに配置しましたアドバイザーによりまして、(1)(2)にありますよ うに、労働者、あるいは事業主及び事業主団体等に対する相談援助を実施しております。 その数は約102万件となっております。またキャリア・コンサルティングを受けました 利用者につきまして満足度、あるいはフォローアップ調査を実施しております。(3)(4) でございますが、この結果につきましても高い実績となっているところでございます。  56ページでございます。自己評定に移ります。先ほどご説明したとおり、いずれも年 度計画を大幅に上回るとともに、高い事業効果があったと判断しまして自己評定を「A」 としたところでございます。  続きまして評価シート13でございます。調査・研究についてご説明をします。機構に おきましては政策上必要なものについて産業界の代表者などで構成する委員会を設けま して調査・研究を実施しております。平成18年度におきましては、(1)にありますように、 政策上必要とされるもの、あるいは訓練の実施の課題というものの約10テーマについて 実施したところでございます。その実施結果につきましては、総合大のホームページ、 あるいは研究報告書を作成しまして民間教育機関などに配布したところでございます。 また、その活用状況は評価シートの後ろの方に記載しておりますけれど、ダウンロード 件数16,000件となっております。  続きまして61ページ、ホワイトカラーの能力開発に関する調査・研究でございます。 業界の動向に関する情報をもとに5テーマについて選定しまして、学識経験者、あるい は産業界の代表、有識者からなる研究会におきまして、それぞれ業界の特有の課題に対 応しました人材育成コースを30コース開発したところでございます。その成果につきま しても、「なお」書きのところがありますが、それぞれ民間、あるいは事業主団体等に報 告書を作成し配布しておりますし、生涯職業能力開発促進センターにおきましてもホー ムページで公開したところでございます。そのアクセス件数は3万件となっております。  自己評定に移ります。先ほど申し上げましたように、開発したコースを利用する産業 界の参加と協力のもと、職業能力開発に必要な調査・研究を実施し、その成果も活用さ れております。これらのことを踏まえて計画どおりと判断し、自己評定を「B」とした ところでございます。  続きましてシート14でございます。職業能力開発関係助成金の支給につきましてご説 明申し上げます。この業務の実施に当たりましては、当委員会の指摘を踏まえましてア ンケート調査結果の反映、あるいは不正受給防止の充実・強化の2点で進めました。ま ず、キャリア形成助成金につきましては、(1)の(1)、「イ」「ハ」にありますように、ホ ームページによりまして制度内容の周知に加えまして、活用事例なども公開しました。 そのほか、申請の手引きなど公共職業安定所にて配布しまして周知に努めたところでご ざいます。また、事業主の団体や労働関係団体などと共同で様々な場を活用しまして、 制度の周知から支給申請にいたる各段階に応じた説明会・相談会を実施しました。その 数、約2千回、5万4千余りの方が参加されました。また個別の相談は4万3千件とな っております。参加者のアンケート調査におきましても、92.1%の方から「説明内容が 理解できた」との評価をいただいたところでございます。  次のページでございます。また手続きの簡素化につきましても、17年度の評価委員会 からの指摘を踏まえまして検討いたしました。添付様式の統合・廃止、記載項目の整理 というのを行った他、さらに支給申請時期の弾力化といったものも図ったところでござ います。  それから(4)でございます。先ほど申し上げました不正受給の関係でございます。不正 受給の防止につきましては、疑義事業所38件を含めまして899件の事業所を訪問し支給 要件を確認しました。さらに、労働局と保険データの照会なども行い、不正受給の防止 を図っております。さらに不正受給防止体制というものも強化しております。これは雇 用開発関係の助成金と同様でございますので省略させていただきます。  また、助成金に係る効果につきましてもフォローアップ調査をしております。(5)にあ りますように、助成金を利用した事業主を通じてその効果を測ったところ、99.4%の方 から「訓練等からキャリアアップにつながった」という旨の回答をいただいたところで ございます。技能者育成資金につきましてもホームページを活用した広報、あるいは審 査能力の向上などの対策を講じたところでございます。  67ページでございます。自己評定に移ります。先ほどご説明した実績につきまして計 画どおりと判断しまして、自己評定を「B」としたところでございます。  続きましてシート15でございます。財産形成関係の業務実績をご説明します。制度の 周知につきましてはホームページを活用しまして、よくある質問などにつきましては回 答をQ&Aとしてホームページに公開するとともに、ホームページの財形資料請求コー ナーを活用しまして、利用者の請求などに迅速に対応したところでございます。また制 度変更につきましては、すべての変更が確定した日から7日以内にホームページにおき まして公開したところでございます。  さらに(2)にありますように、徹底した啓発活動や利用者の利便、申請内容の適正 化を図るために、財形制度の説明会を850回、あるいは事業所訪問を1万2千回実施し ました。相談件数は1万9千件となっております。このように制度説明の徹底を図った ところでございます。ホームページのアクセス件数につきましては、7万8千件となっ ております。平成14年度の2万2千件と比較しましても、253%の増加となったところ でございます。   さらに71ページでございます。不正受給防止体制につきましても能力開発関係の助成 金と同様の措置をとったところでございます。貸付金利の設定等につきましても関係機 関との連携を図ったところでございます。  72ページでございます。自己評定に移ります。先ほど申し上げました実績につきまし て、中期計画どおりと判断しまして、自己評定を「B」としたところでございます。  続きまして73ページでございます。情報提供と特例業務の実施についてご説明します。 平成18年度につきましては周知・広報や発信機能の充実を図ること、とりわけ直接利用 者と接することとなる当施設のホームページの充実を図ることをしました。具体的には (1)の「イ」にありますように、受講希望者が適切な訓練コースの選定が行えるよう、 訓練コース600につきまして、訓練概要はもとより、就職での仕事例、過去の就職実績、 賃金情報などにつきまして画像を織り交ぜながらわかりやすく掲載したところでござい ます。また、(2)にありますように、若年者にとって代表的な情報支援ツールである携 帯電話から手軽に日本版デュアルシステムやヤングジョブスポットの情報が得られるよ う、ホームページ上にQRコードを設置したところでございます。また、機構業務のわ かりやすい迅速な公開につきましては、ホームページに設置しました利用者の声を紹介 する「町かどの機構」コーナーに、修了生の企業での活躍状況を加えるなど、身近な情 報として発信したところでございます。  74ページでございます。ホームページのアクセス件数につきましては、618万件とな っております。200万件の年度計画の達成はもとより、17年度実績の493万件を25%上 回ったところでございます。そのほか事業主がみずから行う訓練の振興に資するため、 職業訓練指導員を延べ4,700人派遣するとともに、事業主の要請に応じまして18万人に 対して訓練を実施したところでございます。  自己評定に移ります。先ほど申し上げました実績につきまして、計画どおりと判断し まして、自己評定を「B」としたところでございます。  続きまして評価シート17でございます。予算、収支計画、資金計画についてご説明を します。財形融資の債権管理につきましては、累積欠損金の解消、適正な債権管理を行 っております。平成140年度までに調達金利と貸付金利に逆ざやが発生したことにより 発生した、累積欠損金につきましては、11年度に対応措置を講じたところであり、平成 18年度は当期利益として53億円を計上した結果、累積欠損金は328億円から275億円 と減少したところでございます。さらに雇用促進融資につきましては、平成14年度から 新規貸付を廃止したところでありますけれど、債権管理につきましては受託金融機関と 連携を図りながら債務者の抵当物件に関する情報収集・現状把握、債権の適正な管理を 行うとともに、貸付業務を受託している金融機関に対しまして業務指導を実施し、債権 の一部につきましては法的措置を講ずるなど等により、債権の回収・処理を進めたとこ ろでございます。また、財投への償還につきましては、約定どおり償還したところでご ざいます。  雇用促進住宅でございます。一番下にございますけれど、平成33年度までの15年間 で住宅を譲渡・廃止する旨の方針が決まりました。これに従いまして実施計画を策定し、 現在進めているところでございます。また、譲渡に係る取り組みにつきましては、地方 公共団体等との協議によりまして3住宅、7棟を譲渡したほか、中ほどにありますが、 譲り受けを検討している地方公共団体への譲渡に向けまして、引き続き協議を行ってい るところでございます。  また(4)でございますが、管理経費の削減につきましては、(2)にありますように、 集中管理方式の推進により管理主事の削減や計画的な職員数の削減によりまして、14年 度と比べまして29%、約28億円を削減しました。18年度計画の25%を4%上回る結果 となったところでございます。  予算・収支計画の実績につきましては決算書、財務諸表のとおりでありますし、短期 借入金につきましては424億円となりまして、つなぎ資金として限度額の範囲内で借り 入れを行ったところでございます。  ここで内部統制について触れたいと思います。機構における内部統制の取り組みとし ましては、会計事務については本部を始め、施設に会計責任者を配置し牽制体制を確立 しております。また施設に対する事務業務指導による統制も行っております。さらに助 成金のところでご説明しましたが、助成金の不正受給防止の取り組みとしまして、本部・ 総務部に監察役を、都道府県センターに給付調査役を配置しているところであります。 さらに内部統制の充実強化を図るために、現在、監事監査、会計監査人と役割分担や業 務リスクの適切な対応を含めまして、更なる規定の整備や内部監査統制の体制について 検討をしているところでございます。  78ページ、自己評定でございます。先ほどご説明いたしました実績につきまして、中 期計画どおりと判断し、自己評定を「B」としたところでございます。  続きましてシート18、人事・施設・設備関係をご説明します。職員の研修につきまし ては(1)(2)にありますように、新たな指導員ニーズに対応するために訓練コーディ ネート力向上研修、あるいは就職相談支援研修を100人に実施しました。また職業訓練 指導員につきましても適性を考慮しまして採用審査を行いました。さらに民間企業の活 力を生かす観点から、任期付きの職業訓練指導員を33名受け入れて実施したところでご ざいます。  人員に関する計画につきましては、18年度末の常勤職員数につきましては17年度末 に比べまして137名削減しました。期間中の削減数は、16年度から18年度までの毎年 度の計画に相当する450名の削減となったところでございます。また。施設設備につき ましては、施設の老朽化等を踏まえまして計画的な修繕に努めたところでございます。  自己評定でございます。81ページでございます。先ほど説明しました実績につきまし て、計画どおりと判断しまして、自己評定を「B」としたところでございます。  以上でございます。   ○井原部会長  はい、ありがとうございました。時間内に収めていただきました。それでは質疑応答 に入りたいと思いますが、評価シートの順に4つに分けて進めていきたいと思います。 なお、評点等の記入時間を別途設けておりませんので、質疑を経ながら各自評価シート への評点やコメントを記入していただきたいと思います。  では、最初は評価シート1〜4について質問等をお願いしたいと思います。   ○本寺委員  すみません、人件費のことについてお伺いしたいんですが。これは資料の参考2を見 ると、これは昇給額を前年の2分の1から6分の1に圧縮したということで、でも人件 費としては3.9%の削減になっているということを見ると、これは通常の昇給が1.5%だ ったら、それを0.5%にしたと。でも人員減、これが137名減っているから、その結果 として3.9%減になったと、そう理解してよろしいですか。 ○雇用・能力開発機構総務部長  はい。 ○本寺委員  そうすると、今の人員構成を見ると割と40のところがポコンと引っ込んで、それで割 と高齢者の方が多い状態なんですけれど、基本的にはこれは人員減というのは自然減だ と思ってよろしいですか。 ○雇用・能力開発機構総務部長  基本的には定年退職などによるものです。 ○堺委員  資料の10ページでございます。10ページの(2)の経費の効率化の取り組みでござ いますが、警備・清掃、あるいは日常運転監視等を節減していらっしゃいますが、これ は仕様をお決めになった上で競争入札なさったんでしょうか。それともこの段階ではま だ指名入札でなさいましたんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  仕様書の見直しを行いました。 ○堺委員  仕様を見直して、それでその上で競争入札をしますともっと下がりますし、それがま だできない時には随意契約で、仕様の分だけ下がるということになりますが。もっと申 し上げますと、民間の企業なんかはもっと行けるかというように思います。 ○井原部会長  今年度はもっと節約可能であると、19年度は、そういうように期待していいですか。 ○雇用・能力開発機構経理部長  申しわけございません。私どもは100ほど施設がございまして、その施設の長がそれ ぞれ契約を行っております。大変申しわけないんですが、そこまで今日は「しごと館」 の分を把握してございません。競争入札か随意契約かまではちょっと資料がございませ んので、何らかの方法でお伝えするなりしたいと思いますが、よろしゅうございますか。 ○篠原部会長代理  今の関係でご質問があります。契約で競争入札をやっておられて、26億の資産があっ たと。そして先ほどの随意契約の状況では随意契約が85と圧倒的に多い。それで公益法 人等も半分ぐらいあるということで、随契というのはコンピュータ費用のように変える ことが出来ないということで行われていることが多いんですが、入札したらえらく安く なった、そういう意味でこの中身をきちんと分析して、これはもっと安くいけるとか、 そういう分析はされているんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構経理部長  一応、中身を分析してございますが、契約総数が8,143件ございますけれど、このう ち随契でやっております5千件ほどは職業訓練の民間教育訓練機関への委託、要するに 委託訓練を6割強やってございます。額にしまして196億円。これにつきましては、訓 練の委託に当たりましては民間教育訓練施設の設備の状況、あるいは訓練のカリキュラ ム、講師の状況、そういう付帯設備等々もポイント制にしまして、それで適格者を決め ているんでございますけれど、契約の分類上、これにつきましては随意契約というとこ ろに入れさせていただいているということでございます。  それからもう一つ言わせていただきますと、職業訓練用の機器がございますけれど、 これにつきましてもリース契約で調達してございます。5年、7年、9年ぐらいのスパ ンを決めて契約しているわけでございますが、このリース契約に当たりましては当初の 契約は一般競争入札をやってございますが、2年目以降につきましては当初の契約でも って額が決まっていくわけでございますけれど、それにつきましても随意契約の欄に入 れて今のところ整理しろということでございますので、ちょっと弁解がましく聞こえる かもしれませんが、これにつきましても361件、約78億円ございます。そういうことで、 これから一般競争入札への切り替えを、移行を拡大しなければいけないんでございます けれど、そういう要素の随意契約が結構あるという、そういうような現状でございます。 ○雇用・能力開発機構岡田理事長  今、件数で申し上げましたが、金額的に一番多いのは雇用促進住宅の管理を委託して いる雇用振興協会がございまして、これは随意契約の740億円のうちの半分の額、360 億円です。これにつきましては全国にわたる雇用促進住宅の管理を委託しているところ ではございますが、この住宅は今後は廃止することにしておりますので、当面は現状ど おりというように考えておりますが、ご指摘のように経費の削減は強力に進めておりま して、先ほどご説明しましたように、人件費、管理費につきましては過去3年間で3割 減らしており、今後とも経費の削減には強力に推進してまいりたいと思います。 ○川端委員  7ページですが、在職者を対象とする訓練コースの見直し状況、これを見ますと見直 しは6,600、18年度実施コースが8,000で、廃止が5,997と、これはすさまじい数です が、これはどういうことなんでしょうか。今まで溜まっていたのを一気にそうしたのか、 これはしょっちゅうこれぐらいのペースで見直しをしているのか、この数字の意味がよ くわからないんですが。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  まず18年度中に、実を言いますと色々な例えば官民競争入札監理委員会とか、公共サ ービス改革小委員会とか、そういう中で在職者訓練のあり方そのものについて色々なご 意見を賜っておりまして、例えば管理事務系、俗に言う経理事務系のようなものとか、 情報系の訓練については縮小なり廃止をいたすべしというご意見を賜っておりまして、 ものづくりに特化していくべきであろうというようなご意見があったわけでございます。 最終的に厚生労働省の方から在職者訓練についての基本方針というのが、ちょうど19 年度の年度当初の方にお示しいただくというようなことがございまして、それを見込ん でコース設定そのものをちょっと控えさせていただいたというのが現状でございます。 ○川端委員  それにしてもすごい数ですよね。ということは、今まで普通のちょっと、斜めから見 ると余り必要でないものをずっとやっていたというように見られてもやむを得ないぐら いでかい数字ですよね。これぐらいのことを止めると、例えば人員であるとか色々なと ころの人が不要になってくるというのが出てくるんじゃないでしょうかね。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  今現在、18年度で大体7,600強のコース、そのうちの6,637というのが廃止なり内容 変更ということでさせていただいたわけでございますが、今現在19年度、ちょうどこの 時点で、まだ年度の初めの方でございますが、既に5千数百のコースを行っておりまし て、年度いっぱいになりますと昨年度より若干低い程度の数の対象の訓練が行えるもの と思っております。 ○宮本委員  今の同じ質問箇所なんですけれど、これに関してこういうコースに受講した人たちの 満足度調査が色々行われていて、それで7割、8割が「満足だった」というように回答 しているんですが、これだけの数のコースが廃止といった時に、その結果がどうであっ たかというのは、参加した人の満足度調査からははかれないと思いますね。それで昨年 も機構としては真に高度な訓練に対応する人材育成とか、ものづくりというようにして、 民間とはっきり分けていくということであったんですが、その結果が適切だったのかど うかというのは、これはどうやって評価をなさったんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  それにつきましては、人材育成地域協議会という産官学の有識者の方にお集まりいた だいた会議がございまして、その中で私どもはコースをお示しし、こういうコースを廃 止する、また新たに立ち上げる、こういうものは民間と競合がございませんといったよ うなことを、色々と各県単位でそういう会合を持たせていただきまして、そういう中で 評価なりご理解を賜っているといったところでございます。 ○宮本委員  それが要するにコースを決める前にそれをやっていると。その後のフォローアップ調 査とかに関してはやっていないわけですよね。それでこの地域の協議会というのはコー スをつくる前の段階でやっていることで、このご説明では、その後それがどうであった かというのはやっていないみたいですね。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  協議会の方でコースを実施した後の評価でございますか。協議会そのものでというこ とはございませんが、各受講者等、もしくは派遣元の事業主さんの方にはそれぞれアン ケート調査等を実施させていただいております。 ○谷川委員  それに関連してですが、なかなか難しいことだと思いますが、ニーズから実際のコー スに行き着くリードタイムというか、大変気にしていまして、今、世の中の動きが大変 早くなっていますので、どんなにいいコースも時代の要請に合わないとうまくいかない。 だから時代が何を必要としているかというのを早めに見て、それからそれを実際の教育 訓練に反映して、そして今お話に出ていますように、それを実行したらチェックすると いう、プラン、ドゥ、シー、チェックを回すというそういう仕組みというのを機構さん は今どのようにやっておられるのかというのをご説明いただけたらと思います。 ○雇用・能力開発機構企画部長  恐れ入りますが、説明資料がございまして、説明資料2というのがございます。在職 者訓練コースの設定というフロー図があろうかと思います。機構本部、それから実際に 訓練を行う能力開発施設の2つに分けて記載いたしておりますが、本部におきましては 訓練ニーズ、大きな全国的なニーズを把握し各施設の方に配布します。各施設におきま しては、これまでの訓練実施結果がどうであったかというのを踏まえまして、地域のニ ーズというものをそれぞれの主要な団体、業界などにおきまして調べます。その結果を 施設の中でカリキュラム精査委員会というのを設定しまして、この中で色々とご議論い ただく。それは民間との問題とか、真に高度かとか色々ございますけれど、そういう議 論をいただいて、その後に右側にございますが、先ほど申し上げました47都道府県に設 置しました人材育成地域協議会、あるいは私どもの推進協議会がございまして、その中 で色々ご議論をいただいた末に、その結果として本部にこういう形で行うという連絡を 受け決定しております。  したがいまして、こういうものを毎年行っておりますので、私なりの感じではござい ますけれど、かなり技術動向の変化が激しいわけですから、約5年しますと同じコース が存在しなくなってくる。より基礎的なものであればずっと変わりませんが、そのよう な環境にあるというのが在職者訓練でございますので、ある意味では2割、3割が変わ っていくというのが現状だというように理解しております。したがいまして、私どもは ダブルチェックというか、中と外のダブルチェックをしながら行っているということで ございます。   ○谷川委員  逆に言いますと、それだけ経験をお持ちですと、例えば毎年2割は確実に見直そうと か、1年経ったら、スタートしたら1年ぐらいのうちに新しいコースを紹介しようとか そういう、逆に我々は「ターナーランドタイム」と言うんですが、それを設定するとか、 そういうことはまだやっておられないんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  古いものなど、これまでのものを見直すというのが一つあります。それからもう一つ、 新たなものも出現しますから、そういうのを加えて実施をしていくというように考えて おります。 ○谷川委員  単純に申し上げたかったのは、ある具体的な数値目標を持っていませんとなかなか、 「やっています、やっています」ということになって、ですから今5年、6年たったら 全部コースの中身が変わるんだというお話がありましたので、2割はもう確実に1年経 ったら見直そうとか、新コース割合を2割とか、そういうのをやっておられますかとい う単純な質問なんです。 ○雇用・能力開発機構企画部長  明らかにどの程度の数値目標でやっていくかというのは持ち合わせておりません。た だ、少なくとも継続するもの、変えるもの、廃止するもの、新設するもの、そういう区 分でやっております。 ○松田委員  私のしごと館についてお尋ねします。収入の増加に向けて色々なことをやっています よね。色々な改善策をやっている。それは1年前に比べてかなり前進したと思いますが、 高々3千万でしょう。550億の資金を回収して、これでいいなと。あるいは、これでペ イするなというのは大体どの程度までやればいいんですか。 ○雇用・能力開発機構岡田理事長  収入の増加につきましては、入場料の単価を上げるというようなことがまず考えられ るわけでございますが、ご承知のように中高生主体の施設でございますので限界がござ います。我々としては、有料の施設をふやすとか、あるいは駐車場をふやすとか、懸命 に収入の増加に努力しているところでございます。私としましては収入を増加させるこ ともさることながら、トータルの経費を減らしていわゆる国の負担になります運営費交 付金を減らすということが非常に重要だというように考えているところでございます。 その目標としましては、16年度と比べまして既に19年度では3割の運営費交付金を減 らすことにしておりますが、今度の新しい第2期の中期計画におきましては、21年度ま でには運営費交付金を9億台にするということで、当初の16年度に比べますと実に36% 減らすようにしております。私としましては運営費交付金を9億台にまで減らすことが できれば、現在の与えられた施設の意義を考えますと、まず第一次的な到達点になるの ではないかというように考えているところでございます。 ○井原部会長  ここでさらに評価シート5から10までふやしてみたいと思います。前に戻っても結構 です。この範囲でご質問をお願いします。 ○篠原部会長代理  今の私のしごと館に関連して、自己収入をふやしているけど、経費をどんどん減らす と。そうすると先ほどの研修コースでどんどん変わっているように、世の中の仕事も変 わっているので、新たな投資というのがこの中でできるのか、やっておられるのか、そ の辺はだんだん魅力ない私のしごと館になってしまうのかなという危惧があります。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  アクションプランにおきまして21年度までの3年間を改革期間としております。その 中で特に収入面におきましては、18年度、19年度で新たに高いレベルの職業体験を追加 しまして、18年度では27職種を増加しまして、また19年度にも増やしていくというこ とで、体験職種の新たなプログラムにつきましては一部を残して作成済みという状況で ございます。  修復費につきましてはまだ開館してから3年ぐらいですから、大規模な修復工事等は 要らないだろうということで考えているところでございます。 ○堺委員  シート6の28ページ、ホームページでございます。大変よく整理されて、後ろの74 ページを拝見しますと200万件の予定のところ617万件のアクセスがあったということ も拝見しました。せっかくたくさんのアクセスを得ておられますので、技術的には極め て簡単だと思いますので、ページビューを何ページトータルで見ていただけたかという ことも出していただきますと、訪れた方がどのぐらい中を詳しく見ていただけたかとい うこともわかりますので、ぜひご検討いただければと思います。 ○雇用・能力開発機構企画部長  こちらの方に計上しております数字は実数と申しますか、一回入れば一件というカウ ントをしております。したがいましてページビューでどういうところに重点的に見てい るかということに関して、今私が承知しておりますのが、私ども100余りの施設を全国 に配置しておりますが、そういうところでの訓練の実施概要というか、求職者や在職者 の方々に提供するそういう内容につきましてかなりのアクセスがあるというように私ど もは承知しております。個別具体的にどこが何件かというのは承知しておりませんが、 感覚で申し訳ありませんが、そんな状況でございます。 ○川端委員  すみません、ちょっと教えていただきたいんですが、色々な研修をおやりですよね。 雇用管理研修であるとか職員研修、受講料というのはどれぐらいのものなんでしょうか。 「役に立った」というのが、やっぱり受講料が幾らかによってかなり変わってくると思 うんですけれど。どれぐらいでおやりになっているんでしょうか。大体の額で結構です。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  セミナー等につきましては一般的には受講料は取っておりません。ただ、教材で実費 が要る場合には教材代はいただくことにしております。 ○川端委員  これは受講料は取れないんですか。取ってはいけないんですか。私のしごと館よりも もうかると思いますけれどね。こちらの方が。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  相談業務、研修的、啓発的なものが多いことから、例えば利用者の方に相当なメリッ トがあるといいますか、そうであればまた受講料をいただくことも考えられるんですが、 一般的には啓発業務とか助成金の説明業務ということで実施しているものですから、現 在のところは取っておりません。 ○宮本委員  それに関係してですが、そうすると受講した人の満足度調査をやっていて、満足が多 いと。しかし、これだけ何百も何千もコース数を減らしたということなので、違います か。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  今の雇用管理研修とかそういう研修は政策的なもので無料ということで、私どもの先 ほど委員の方からお話があった在職者訓練そのものは受講料を取っております。 ○宮本委員  それは民と比べると安いんですか、同じですか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  平均で大体18年度実績で1コースが1万5千円程度でございます。高いコースになり ますと6万円のコースとか、私どもはものづくり系なものですから、材料がかかるもの については高いというような傾向にございます。 ○宮本委員  そうすると機構は民ができることは極力手を引くということでやってきているので、 そうすると機構の方が安いとなれば当然そこに参加した人の満足度は高くなり、その調 査をしていれば満足度は高いけれど、コース数をこれだけ大幅に減らした結果がどうで あったかということは、そこに入らなかった人たちの意識がわからない限り総合的な評 価にならないように思うんですが。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  基本的には民間でやっていないコースをやっているというコース設定でございます。 そのために事前に、先ほど申し上げました協議会等で競合等のご確認もいただいて実施 させていただいているといったところでございます。 ○雇用・能力開発機構岡田理事長  今の説明でご納得いただけましたでしょうか。行政改革の流れの中で一つの重要なテ ーマが、民間との役割の分担ということでございまして、それで先ほどからご説明して おりますように、民間でできるものは極力民間に移管するということをいたしておりま す。したがいまして、私どもの在職者に対するセミナーもものづくり系、あるいは真に 高度なものに特化しておりまして、そういう意味では民間ではできないセミナーに限ら れているということでございます。このため民間と比べて安いか高いかというようなこ とは、それ自身がちょっとお答えしにくい状況になっているというように理解していた だきたいと思います。 ○井原部会長  それではまた質問の範囲を広げてみたいと思います。評価シート11〜14を追加させて いただきます。 ○今村委員  評価シートの11と12に関してですが、ちょっと聞き方が難しいんですけれど、先ほ どからキーワードとして「真に高度なもの」、あるいは「ものづくり」というような機構 の性格づけのキーワードが登場しているわけですが、ここでは新分野展開ということで、 つまり機構が持っているコンピテンスというか、一番重要な知財の部分と若干領域がず れるような印象を持つんですが。この新分野に関しては例えば外部から人材とかそうい う方をお願いして新分野に色々情報提供していらっしゃるのか、その辺の裏づけとなる 人材がどこにいらっしゃるのかということをまずお伺いしたいということです。  それからもう一つは、これは十分に理解していないせいかもしれませんが、キャリア・ コンサルティングとか若者の問題に関しても、そういう意味では「真に高度なもの」と か「ものづくり」というように限定されると、そういう若者とか幅広いキャリア・コン サルティングに関しては逆に自分たちの手足を縛って十分に対応できないんじゃないか という危惧が直感的には感じるんですが。その辺の、つまり提供されるサービスが余り にも幅広いだけに、その裏づけとなる知財というか、人的資本というか、そういうもの の裏づけが十分に取れていらっしゃるかどうかということをお伺いしたいんですが。基 本的には講師とかそういうサービスを提供する人材の教育の問題ですけれど。 ○雇用・能力開発機構企画部長  ここの新分野展開の事業展開ですが、説明が不十分だったんですが、中小企業創業・ 経営革新などを職業能力開発の側面から支援するというのが一つの考え方でございます。 従いまして、起業を直接支援するというよりも、職業能力開発の側面から支援する。そ ういう意味におきましては私ども職業能力開発の専門家というか、長年やってきており ますので、そういう部分は私どもで対応できているというように考えております。  具体的にどれかと申し上げますと、46ページで言えば(3)の在職者訓練もそうでご ざいますし、次のページにございますが、新分野展開の事業展開を担う人材養成のため の離職者訓練、こういうものはまさに起業などに向けて人材養成するという、そういう 人材養成のノウハウを使いながらやっているというのが私どもの考え方でございます。 ただ、一部少し周辺になりますが、外部の専門家方にやっていただくものもあります。 ただ、技術的なものは総合大学校の教授がここでやっておりますので、例えば46ページ などの公開講座などはすべて起業に結びつくような、そういうシーズを公開してやって いくというようなやり方でございます。 ○今村委員  簡単に言いますと、真に高度なものとか、それからものづくりということと、幅広く 若者やキャリア・コンサルティングを支援するという関係が、逆に余りキーワードを強 調されるとあいまいになってきてしまうんじゃないかという、若干抽象的な質問ですけ れど、その辺はどうですか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  キャリア・コンサルティングを実施する際には、私どもの訓練コースはもちろん、都 道府県が有するコースも持っておりますし、あるいはほかの民間が持っているコースな ども一緒に融合した形でコンサルティングを通じて情報を提供しておりますから、私ど もだけでなく、幅広くしてやっておりますので、その地域内のニーズに満遍なく対応し ているということでございます。 ○堺委員  今の質問に関連しますキャリア・コンサルティングのところですが、こうやって養成 されましたキャリア・コンサルティングの雇用者、あるいは事業主からのご評価という ようなものもお調べいただきますと、この養成コースの質がわかっていいかなと思いま す。今すぐでなくて結構ですけれど、ご検討いただければと思います。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  機構のキャリア・コンサルタント養成講座では5,500人ほどが修了されたんですが、 今年度から養成後のフォローアップをすることとしておりますが、ご意見等も踏まえま して、今後の課題として検討していきたいと思います。 ○川端委員  すみません、51ページでヤングジョブスポット、これは大変重要な仕事をされている んですが、この中で職業ふれあい事業にしてもフォーラム事業にしても、回数と人数を 見ると、平均すると1回10人ちょっとというぐらいですね。ちょっとイメージが湧かな いんですが、大体それぐらいしか集められないというか、それぐらいでなければだめな のかというか、あるいはそれで十分なのかと。このあたりはどういうようにお考えにな っていますか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  数が少ないというようなところはあろうかと思います。ただ、こういう若者の方が自 分の意見を言えるようになるということになりますと、余り多人数ですと自分が言える 機会もないということになってしまいまして、ある程度少人数でやっていくというのが 現状だというように聞いております。 ○川端委員  意図的に人数を絞っているわけですか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  そうです。 ○川端委員  フォーラムと両方とも。 ○雇用・能力開発機構企画部長  そうです。 ○井原部会長  ではまた範囲を広げたいと思います。評価シート15〜18を追加したいと思います。ど うぞ。 ○篠原部会長代理  78ページに財形融資について欠損金を328億から275億に減らしたと。これは民間で あれば今期の利益目標とかやるように、この財形融資について欠損をとにかくこれを減 らすという、そういうやり方というのはされていないんですか。 ○雇用・能力開発機構岡田理事長  私どもとしましては23年度までに、ちょうどこれが今度の第二期計画の最終年度にな るわけでございますが、それまでには累積欠損を解消したいというように思っておりま す。先ほどご説明しましたように、大体800億ぐらい新規の融資を継続することができ ておりますので、それが継続しますと毎年50億でちょうど解消するという目標でござい ます。 ○篠原部会長代理  私は労働部会では財務に関して担当しているんですが、色々な質問をすることはどち らかと言うと制度とか会計基準の欠陥のような、いわゆる誤解を与えるとかそういう分 でなるべく質問をしているんですが、例えばこちらの決算資料の75ページ、財形勘定で 益になっていますよね。それで、これも3年にわたって、益の場合には国に返さないで 累積欠損補填にできるから、できたら行政サービス実施コストを修正するか、説明を加 えるべきというお願いを3年やって、実は今年も何も対応していないと。それでこれは 僕も毎回説明しているんですが、対応している独立行政法人もあるんですね。それで、 どうも会計監査人の方で対応してくれないということで、僕の立場としては大臣に対す る財務に関する意見具申では、こういうものを書きづらいんですけれど、何と言うか、 積極的に財務諸表をわかりやすいものにする方向にいるのか、あるいは会計基準どおり やればいいよ、いつもこういう質問に対する回答は、私どもは法令準拠絶対主義ですと。 あるいは、会計基準どおりやっているから何が問題ですかと。こういう場合には僕は、 マイナスをゼロにすることだと思うんですが、いわゆる積極的開示は行いませんと。そ ういう回答が来ているんですが、当独法においてはその辺はいわゆる誤解を与えるよう な情報に対してどういう方針で当たられるんですか。 ○雇用・能力開発機構経理部長  私どもの行政サービス実施コスト計算書、決算資料の75ページの件につきましては、 個別のヒアリングの時にも先生にご指摘いただいているところでございまして、確かに これで2年ほど「△」が出て、いわゆる益が出ていながら、これについてわかりづらい 財務諸表となってございます。私どもは決して基準どおりということだけでやろうとい うことではございませんので、決算情報はなるべくわかりやすいように公開していくと いう信念のもとに、先生のご指導もいただきながら対応してまいりたいと思いますので、 よろしくお願いします。 ○篠原部会長代理  これは当然そういうことを質問するというのは、学者とかこれを作った人の様々な意 見を聞いた上で、こうですよと。それを会計基準どおりという回答は的を射ていないの で、そういう質問をしているんです。  それで次は79ページ、これも昨年は一切聞かなかった運営費交付金の収益化基準なん ですが、ここに運営費交付金の収益については費用進行基準を採用し適正に実行してい ると。これは何回か法人を通して聞いたことがあるんですが、費用進行基準以外を採用 したら不適正だと。多くの会計士は反対しているんですね。ただ、僕は今現在どういう 判断をしているかというと、費用進行基準だけを採用したら僕は不適正にするべきだと 思います。なぜかというと、給料とか水道・光熱・電力費なんていうのは毎月、期間進 行基準にぴったりした費用であり、これは費用を分析していけば期間進行基準に最低対 応できるわけですよね。それを費用進行基準とやるのは、言葉は悪いんですが昔と同じ ように予算消化型でしょうと。せっかく独立行政法人が目標管理ということで、会計の 中にそれを組み込んだのを否定しているんじゃないですかと。だから、これは反対して いる人は罪が重いと思っているんですが、次の中期の時も同じような方針でやられるん ですか。 ○雇用・能力開発機構経理部長  費用進行基準につきましても、元々が成果進行型とか、期間進行型というのが本来独 法会計処理の考え方だというように聞いております。私どもはちょっと考え違いをして いる部分もございましたので、すぐできるかどうかわかりませんが、実は一昨年から予 算管理型からできれば決算の数値、管理型に変えようということで、帳簿あるいは帳票 の処理をコンピュータシステムを組みかえながら対応してきているところでございます。 やはりコストと業務というようなことで少しずつ明らかにしないと、先生は費用進行基 準だけではだめだということでございますが、その根拠となるもの、これをまずつくる ような努力から始めたいというように考えてございます。 ○雇用・能力開発機構岡田理事長  もう一つ、私どもからのお願いでございますが、独立行政法人の趣旨からしますと、 成果進行型、あるいは期間進行型に移りたいというのが本来だと思いますが、ご承知の ように制度上、費用進行型以外の場合であると努力したかどうか、ある経費が削減され ましてもそれが努力されたのか、あるいは仕事が少なくなったからなのか、そういうよ うなことをいちいち説明しなければいけないことになりますので、その手間を考えます となかなか移行しにくいなというように思っているところでございます。  蛇足でございますが、私どもとしましては予算というものは正規のものであるとすれ ば、実績との差は経営努力によるものだというように認定していただいて、一応、全部 それは利益準備の方に認めていただいて、ただ、それを使用する時には非常に厳しく審 査するというような仕組みに変えていただけたらと思っております。   ○篠原部会長代理  これは様々今、理事長さんが指摘されたように問題点があって、僕らもその辺を見な がら費用進行型以外の収益化基準をお願いするといっても、ちょっと一歩も二歩も下が った状態で、奥歯がはさまったような状態でやっているというのは、やっぱり運営費交 付金の債務を貸借対照表に残した方が使い勝手がいいものですから、多くは残している んですね。それで結局、積立金に持っていったら、結局それを使いたかったら赤字にし なければいけないという、だから僕らもあえてこれを入れないんですけれど、やっぱり 根本に戻るという部分で、その辺がジレンマがあるんですが、やっぱり今後の独法のよ り効果があるといえば、やっぱり目標管理をきちんと入れるという形かなという気がし ているものですから、あえて言わせていただきました。 ○井原部会長  よろしゅうございますか。それでは最後に全体を通じて何か個別にご質問があればお 願いします。よろしいですか。  それでは評価シートへの記入はお進みでしょうけれど、書き込みがまだ終わらないと いう方は評価シートはお帰りになるまで回収しませんので、引き続き記入をお願いした いと思います。  それでは次の議題でございますが、雇用・能力開発機構の重要な財産処分についての ご審議をいただきます。まず事務局から説明をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  今般、雇用・能力開発機構より厚生労働大臣に対し重要な財産の譲渡に係る認可申請 がありました。独立行政法人通則法上は厚生労働大臣は認可をしようとする時には、あ らかじめ独法評価委員会の意見を聞かなければならないこととなっておりますので、今 回、皆様のご意見をお伺いさせていただくという運びになっております。  なお、本議題に係る資料等の取り扱いにつきましては、申請書に処分予定の不動産の 評価額が記載されており、またその額が公開されてしまうと入札に支障が出てまいりま すので、契約締結までは非公開とさせていただきます。委員の皆様方におかれましても、 資料の取り扱いにつきまして特段のご留意をいただきますようお願い申し上げます。  では資料5でございます。機構の方からお願いします。 ○雇用・能力開発機構経理部長  それでは資料5をご説明させていただきます。まず、財産の内容でございます。新潟 県小千谷市にございます小千谷情報処理技能者養成施設でございます。飛びますが、4 にありますように、この施設は技術革新の進む情報処理関連の分野に有能な人材を供給 するという目的で、小千谷市から土地を借り受けまして平成元年に設置したものでござ います。鉄筋コンクリート造、3階建、延べ床面積2041.61平方メートルの建物でございます。施 設の運営は当機構から新潟県、小千谷市を通じまして職業訓練法人・新潟情報処理開発 財団に委託をいたしまして、これまで主に情報ビジネスコース、情報システムコース、 マルチメディアコースといった2年間の訓練を実施してまいりました。平成18年度末ま でに700名を超える人材を輩出してきたところでございます。  しかしながら、新潟県内におきましても情報関連の教育機関が増えましたこと、それ から少子化の進展とも相まって年々入校者が減少しております。定員の確保が難しい状 況となってまいりました。財団では定員確保のために募集案内の送付先を拡大してみた り、進学情報誌への案内を掲載する、あるいは合同進学相談会へ参加するなど色々取り 組みを行ってまいりましたが、結果として入校者の増加につなげることができませんで した。また、平成16年10月23日に発生しました新潟県中越地震によりまして、経済的 にも甚大な損害を受けたことなどもございまして、平成17年1月に開催されました財団 の理事会において、収支状況の改善が一層困難な状況となることが見込まれたため、平 成18年度から入校者の募集を停止する決議がなされたところでございます。  この財団の決議を受けました新潟県から当機構に協議がございまして、当機構として も事情やむを得ないものと判断しまして、これを了承したところでございます。  最後になりますが、財産の処分等の条件及び方法でございますが、小千谷市では市民 の多種多様な学習ニーズに応えるために、既存の施設のほかにこの施設を生涯学習セン ターとして活用することとして有償譲渡を希望しております。今後の契約の手続き等の 関係もございますので、金額を読み上げることは差し控えさせていただきますが、1の (2)のとおり、不動産鑑定士2者の鑑定評価額、これを平均した額を売却予定額とし て小千谷市に有償譲渡しようとするものでございます。以上でございます。よろしくお 願いします。 ○井原部会長  ということでございますが、何かご質問等はございますか。よろしゅうございますか。  それでは法人の方で粛々と進めていただければと思います。よろしくお願いします。  それでは次の議題でございますが、雇用・能力開発機構の業務方法書の改正について ご審議をいただきたいと思います。まず事務局から説明をお願いします。 ○職業能力開発局総務課長  資料6でございます。「独立行政法人雇用・能力開発機構業務方法書の一部改正につい て」という資料、一枚紙をおつけしているところでございますが、雇用情勢の厳しい地 域の支援を重点化するという目的から、地域雇用開発促進法の見直しが行われまして、 この見直しの中で4つの地域類型を2つの類型に再編したところでございます。この地 域類型の再編に伴いまして雇用・能力開発機構から支給しております地域人材高度化能 力開発助成金、これにつきまして廃止しまして、新たに地域雇用開発能力開発助成金、 これを創設することとなったため、業務方法書についても所要の改正を行うこととした ものでございます。  具体的には助成金の改廃、また対象地域類型の再編、廃止される助成金の経過措置的 業務に係る規定を設けるものでございます。なお、施行日につきましては関係政省令の 公布予定日であります8月4日を予定しているところでございます。以上でございます。 ○井原部会長  この内容につきまして何かご質問・ご意見があればと思います。 ○川端委員  具体的にはこれは1番で、第1で書いている廃止して創設する、このねらいというの は違うんだろうと思いますが、ちょっとご説明していただけますか。 ○職業能力開発局総務課長  現在、地域雇用開発促進法の中では4つの地域類型が示されておりまして、その中で このキャリア形成促進助成金の上乗せの対象となりますこの地域雇用助成金につきまし ては、能力開発促進地域でございます能力のミスマッチが存在しているという地域、ま た高度技能活用雇用安定地域と言っております高度な技能者・労働者を必要とする雇用 事業所が集積している地域、こういう地域におけます事業所の能力開発について助成金 を対象としているというものでございました。これに対しまして、今回の地域雇用開発 促進法の改正によりましてそれぞれの地域につきまして、特に雇用情勢、つまり地域格 差が激しいということから、雇用情勢が特に悪い地域、こちらに支援策を重点化すると いうことを目的としまして、雇用開発促進地域といったものを指定するといったことに なったところでございまして、能力開発に係ります助成金につきましても、この新しく 指定することになった地域について対象とするというものでございました。 ○井原部会長  はい、そのほかによろしゅうございますでしょうか。これは関連改正法令の公布のま だされていないことから、このような形でご審議いただきました。  本日はご審議いただいた範囲で業務方法書の改正について了承したいと思います。な お、関連法令等の改正がなされ、業務方法書の変更につきまして申請がなされた場合に は、事務局より各委員に送付していただくようお願いします。  それでは本日の議事は以上でございますので、事務局から何か連絡事項があればお願 いします。 ○政策評価官室長補佐  まずは皆様におかれましてはお忙しいところ、また暑い中、土日をはさんで2日にわ たって労働部会にご出席いただき本当にありがとうございました。  次回の第40回労働部会は8月8日、水曜日の15時から18時30分、厚生労働省庁舎 9階の省議室にて開催させていただき、議題としましては各法人の総合的評価について 行うことになっております。引き続き恐縮ですがご参集いただきますよう、よろしくお 願い申し上げます。また、評価シートにつきましては机の上に置いたままでお帰りいた だきますよう、お願いいたします。評価シートへの書き込みがまだ足りないという方が いらっしゃいましたら、評価シートはお帰りになるまで回収しませんので、この場で引 き続き記入いただいて結構ですので、よろしくお願いします。  なお、評価シート以外の評価に係る資料につきましては、必要に応じてお持ち帰りい ただければと思います。また、事務局にお申しつけくだされば事務局より後ほど郵送さ せていただきます。どうぞよろしくお願いします。 ○井原部会長  では、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり熱心なご討議をどうもあり がとうございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)