07/07/30 第30回労働政策審議会安全衛生分科会議事録 第30回労働政策審議会安全衛生分科会 1 日 時 平成19年7月30日(月)17:00〜18:00 2 場 所 霞が関東京會舘エメラルドルーム 3 出席者 (委 員)公益代表 平野委員、相澤委員、今田委員、露木委員、内藤委員、  中原委員 労働者代表 鈴木委員、高橋(孝)委員、中桐委員、仲田委員、  古市委員(代理)、眞部委員、芳野委員 使用者代表 高橋(信)委員、豊田委員、中村委員、松井委員、  三浦委員、山崎委員 (事務局)      青木労働基準局長、小野安全衛生部長、山越計画課長、高橋安全課長、金井労働衛生課長、 平野化学物質対策課長、 4 議事録 ○計画課長 ただいまから、第30回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。  本日は、委員改選後の初めての分科会になりますので、分科会長選出までの間、計画課長の私、山越が議事進行を務めさせていただきます。  本日は、名古屋委員、古市委員、伊藤委員は、所用のため欠席されております。それから、芳野委員が少し遅れてこられるということです。労働政策審議会令第9条に規定する定足数を満たしておりますので、当分科会が成立していることを申し上げます。なお、本日欠席の古市委員に代わりまして、全建総連労働対策部長の宮本様に代理出席をいただいております。  では、議事に入ります前に、新しく分科会の委員に就任されました皆様をご紹介させていただきたいと思います。参考資料4に委員名簿を付けさせていただいておりますのでご参照いただきたいと思います。順にご紹介させていただきます。まず公益代表の露木保委員、中原俊隆委員です。使用者代表の高橋信雄委員、中村聡子委員です。  次に、分科会長の選出について説明させていただきたいと思います。労働政策審議会令第6条第6項に基づきまして、分科会長は、分科会に属する公益を代表する労働政策審議会の委員のうちから選出されることになっております。当分科会において、公益を代表する労働政策審議会の委員でいらっしゃいますのは、今田委員と平野委員です。したがって、このお二方の委員のいずれかに分科会長をお願いすることになりますけれども、何かご意見がございますでしょうか。 ○相澤委員 ご経験豊かでございますので、平野委員にお願いしたらどうかと思いますが。 ○計画課長 平野委員に分科会長をというご推薦がありました。平野委員に分科会長にご就任いただくということでよろしいでしょうか。 (異議なし) ○計画課長 それでは平野委員に分科会長にご就任いただくことにし、以降の議事進行につきましては平野委員にお願いをしたいと思います。 ○分科会長 今ご指名いただいた平野です。この委員会のことすべて隅から隅までわかっているわけではありませんが、一生懸命やりますので、ご協力よろしくお願いいたします。それでは、これより私が議事進行を務めさせていただきます。最初に分科会長代理についてですが、これは労働政策審議会令第6条第8項において、分科会に属する公益を代表する委員又は臨時委員のうちから、分科会長が指名するということになっております。私としてはこの分科会が所掌します労働安全衛生の分野の全般にわたり見識をお持ちの露木委員に分科会長代理をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○分科会長 よろしくお願いいたします。  それから、もう1つございまして、当分科会に置かれておりますじん肺部会の委員についても分科会長が指名することになっております。参考資料5のいちばん最後の頁ではないかと思いますが、ここに記載されております15人にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは早速ですが、本日の議題に移りたいと思います。  本日の議題は、次第にございますように、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令案要綱について」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について」という2つでございます。  この件は、厚生労働大臣から労働政策審議会会長あての諮問案件で当分科会において審議を行うこととしたいと思います。まず、事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○労働基準局長 それでは、私から2つの諮問案件について概要をご説明申し上げます。まず「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令案要綱」でございますが、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令によりまして、昨年9月1日から、石綿等の製造等は全面禁止をいたしましたけれども、特殊な用途のガスケット等については、国民の安全確保上、例外的に禁止を猶予するとともに、その非アスベスト製品への早急な代替化を指導してまいりました。その結果、今般その一部について代替化が可能となりましたので、これらの製造等を禁止するため、改正政令について所要の改正を行うものでございます。  続いて、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱でございますが、これは石綿の健康管理手帳の交付要件につきまして、現行規定による交付対象者に加えまして、石綿の取扱作業に一定の期間従事したものについても交付を行うこととするため、労働安全衛生規則について所要の改正を行うものでございます。詳細は担当のほうからご説明をさせますので、よろしくご審議をお願い申し上げます。 ○分科会長 それでは、まず労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令案要綱について、事務局から内容の説明をお願いいたします。 ○化学物質対策課長 化学物質対策課長の平野です。私のほうから、石綿等の全面禁止に関わる労働安全衛生施行令の一部を改正する政令の改正につきまして、その詳細についてご説明をさせていただきます。資料番号1の別紙1は、要綱です。  資料番号No.2をご覧いただきたいと思います。まず「改正の趣旨」につきましては、先ほど労働基準局長のほうから説明させていただきましたとおりです。改正の内容ですが、実証試験の結果、現在適用除外製品となっておりますものの一部につきまして、代替化が可能となったということで、今回全面禁止の措置をその部分について行うというものです。  今回行いますものは、2の「改正の内容」の(1)に載せておりますものですけれども、まず[1]石綿ジョイントシートガスケッチングから切り出した石綿を含有するガスケットであって、国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分、250度以上の温度の高炉ガス又はコークス炉ガスを取り扱う部分に限るわけですが、それに使用されるもの、それと、国内の既存の非鉄金属製造業の用に供する施設の設備の接合部分、これは450度以上の温度の亜硫酸ガスを取り扱う部分に限るわけですけれども、それに使用されるもの、それと、[2]でございますが、石綿を含有するグランドパッキンであって、国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分、これは500度以上の転炉ガス又はコークス炉ガスを取り扱う部分に限るわけですけれども、それに使用されるもの、これらにつきまして適用除外製品等から外して全面禁止の措置を取ろうというものです。  資料No.2の2枚目の頁に、適用除外製品等の全体のリストが載せてあります。そのうちの網掛けをしている部分につきまして、今回適用除外製品等から外そうということです。  次に、要綱の第二関係ですけれども、この政令の施行の日において現に使用されているものについては、同日以後引き続き使用されている間は、製造等の禁止の規定は適用しないという経過措置を設けることとしております。また、[2]でございますが、そのことに関連いたしまして、表示あるいは文書交付制度等に関して所要の経過措置を設けることにしております。施行期日については、要綱の第三です。平成19年10月1日から施行ということを予定しております。以上でございます。 ○分科会長 ありがとうございました。ただいまの説明について、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○中桐委員 比較的早い時期に代替品のほうに移行できるということで、努力していただいたことに感謝申し上げたいと思います。併せまして、今後、適用除外製品見直しの実施状況について、是非行政側で調査をして、適宜この分科会にご報告を願えればありがたいと思います。以上です。 ○分科会長 ありがとうございます。これを審議していたとき、私は一緒にやっていたのですが、これらの中には、審議した当時、代替品が全くないわけではなかったのだけれども、実際に試験をしてみなければいけないとか、試用期間を少し置いてくれというのがいくつかあるのですね。ですから、今回みたいな感じの適用除外の排除というのが、たぶん毎年同じくらいの量ずつ出てくるのではないかと思います。やはり厚生労働省の目標としては、全面禁止という方向に行きますので、いまご意見があったとおりのことを、これまでの資料でもある程度はわかると思うのですが、また詳しく調査をしたら、こういうところで公表していただきたいと思います。よろしくお願いします。ほかにはございませんでしょうか。 ○松井委員 このポジティブリスト化については、昨年議論したときも、事業主側としていろいろとご意見を申し上げました。中桐委員がおっしゃることは至極もっともであると思いますし、代替化を進めるに当たっての方向性は賛成しておりますけれども、代替化によってきちっと安全が確保されるということがまず一番重要であるということも忘れないでいただきたい。今後の代替化を進めるに当たっても、その点については十分慎重な検討をした上で、ポジティブリストから外していくという対応をお願いできればと思います。 ○分科会長 ありがとうございます。ちょっと私から付け加えさせていただきますと、代替品ができたとしても、非常に高温であるとか、化学的に反応性が高いと、始終取り替えなければいけない。そうすると、その取り替えに伴ういまおっしゃっているような危険性なんかもありますので、十分に検討してくださっているというふうに、私は思っておりますが、いまのは、ご意見としてまた課長のほうで留意をしていただいて進めるという、そういうことでよろしいですよね。 ○化学物質対策課長 残るポジティブリストの部分につきましても、現在、関係業界のほうで実証試験を実施していただいておりまして、その結果につきましては報告をお願いしております。その報告に基づきまして、必要な場合には、専門家による検討を行っていただいて、今回のような措置をやっていきたいというふうに考えております。 ○分科会長 決して経済的なバランスを欠くところまで踏み込むという、そういうことはやっていないと思いますので。ほかに何かご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ほかにご発言等なければ、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令案要綱」については、当分科会としてはこれは妥当であるということにしてよろしいでしょうか。 (異議なし) ○分科会長 ご賛同ありがとうございます。では、そうさせていただきます。  それでは、続きまして「労働安全衛生規則の一部を改正する省令要綱」につきまして、事務局から内容の説明をお願いいたします。 ○労働衛生課長 労働衛生課長です。別紙2の「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」をご説明させていただきます。資料は、別紙2のほかに資料番号No.3とNo.4がございます。初めに、資料番号No.3のほうでご説明させていただきます。  まず改正の趣旨については労働基準局長のほうからご説明がありましたが、これまでの交付要件に加えて、一定の従事歴のある方についても交付要件として加えるというものでございます。  省令案の内容ですが、まず(1)、健康管理手帳の交付対象者の拡大等でございます。要綱第1関係です。まず[1]、石綿等を製造又は取扱業務に従事した者について、健康管理手帳を交付する対象者とするということについては、現行では「両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること」、これが交付要件になっているわけでございます。すなわち、石綿等を取扱ったもしくは製造したという従事歴プラス胸部エックス線の所見が必要だったわけです。これに加えまして、次のア〜ウのいずれかに該当する者を追加するというのが趣旨でございます。  まずアの所ですが、ここには4つの作業が記載されております。まず1点目が、石綿等の製造作業でございます。2点目が、石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等の張付け、補修若しくは除去の作業、これが2点目でございます。3点目ですが、石綿等の吹付けの作業。4点目ですが、石綿等が吹き付けられた建築物、工作物等の解体、破砕等の作業。括弧書きでございますが、吹き付けられた石綿等の除去の作業を含む。これが4点目です。この4つの作業に1年以上従事した経験を有し、かつ、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上を経過していること、この「かつ」の、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上経過というのは、これは潜伏期でございまして、10年経たないといろいろ障害が出てこないということもございますので、10年以上ということを規定しております。これが1つです。  もう1つは、石綿等を取り扱う作業で、アの作業を除くわけですが、その作業に10年以上の経験を有しているという、これが2点目です。  3点目が、ウでございますが、ア及びイに掲げる要件に準ずるものとして厚生労働大臣の定める要件に該当すること、これは告示で定めるわけですが、考え方としましては、まずアの業務に1年未満の期間しか従事していない、かつ、同時にイの業務に10年未満の期間しか従事していない方の取扱を決めるということを予定しているわけです。この場合の考え方ですが、それぞれの期間を月に換算いたしまして、アの業務については重み付けをして10倍にする、イの期間は、そのまま月数で、合計120月以上の場合には該当することとする、そういう予定をしているところです。このア〜ウまでのいずれかに該当するものを追加するということでございます。  あと、2点目ですが、所要の規定の整備を行うということでございます。これは、石綿の健康管理手帳に喫煙歴の欄を追加するほか、申請書の若干の改正を行うということがございます。そういったことの整備を行うということです。  第二の関係です。施行期日等ですが、平成19年10月1日から施行するものとするということです。2点目ですが、この省令の施行に関し必要な経過措置を定めるということで、この省令の施行の際に提出又は交付されている改正前の様式による申請書なり手帳は、改正後の様式による申請書なり手帳と見なすと、そういった趣旨で経過措置を定めるということです。  要綱の説明は以上ですが、資料No.4がございますので、若干ご説明をさせていただきます。ただいまの省令案の考え方でございますが、専門家に最新の医学的知見を集めていただいて取りまとめていただいたものでございます。それがこの調査研究結果というものでまとめられているわけです。下の「記」の所でございますが、石綿に係る健康管理手帳の交付要件について。これは先ほど申しました要綱の考え方、それの基になったものでございます。  次の頁ですが、健康管理手帳の検査内容についてということで、これは規則の改正には直接関係ないのですが、検査内容についても若干の見直しが必要という意見をいただいております。  3.その他として、健診の実施医療機関についても拡大を図る必要があるとか、今後検討すべき内容として、職業性の間接ばく露についても今後の課題とすべきであると、そういったご意見をいただいているということです。これは参考ですけれどもご説明させていただきました。以上でございます。 ○分科会長 ありがとうございます。ただいまのご説明について、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○中桐委員 健康管理手帳ですけれども、これは重度の健康障害を発生させる業務に従事した者に対して、退職後、事業者に代わり国が健康管理を行うという制度でございます。罹患から発症まで平均して数十年程度かかるというように、幅があるので、アスベストの患者を早期に発見するというのは、かなり困難な作業でございますが、今回示されております従事した作業、並びにその年数につきまして、それがすべてではないというふうに私どもは思います。手帳の制度の趣旨からも、今後とも適宜要件の見直し、並びにその追加が必要であると思いますが、この辺はどのようにお考えか、見解をお聞きしたいと思います。  それから、また、これまで経験してきましたように、この制度を知らない労働者、特に退職者の中に多いわけですが、その広報活動に私どもも積極的に協力するということを、この機会に申し出たいと思っております。以上です。 ○労働衛生課長 まず1点目の適宜要件の見直しの今後の考え方ですが、今回、先ほど申しましたように、最新の医学的知見というものを専門家にいろいろ集めていただいてご議論いただいて、まとめたものでございます。そういった新たな知見、医学的な知見、そういうものが新たにあれば、それを基に必要な見直しというのをやっていくということになるというふうに考えております。  あと、2点目の広報、これは我々としても努力しなければいけないというのは、重々理解しておりますけれども、関係者の皆様方にもご協力いただければありがたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 ○分科会長 よろしいでしょうか。ほかには何かご質問ございますか。よろしいでしょうか。あるいはご確認とかございませんでしょうか。もしほかにご意見等がなければ、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱については、当分科会としては妥当であるということにしてよろしいでしょうか。 (異議なし) ○分科会長 ありがとうございました。それではそのようにさせていただきます。  以上の審議の結果、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令案要綱、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について、それぞれ当分科会としては妥当と認めることになりましたので、その旨の報告を私から労働政策審議会の会長あてに行うこととしたいと考えますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 (異議なし) ○分科会長 それではそのようにさせていただきます。なお、報告文については、私に一任させていただくということでよろしいでしょうか。 (異議なし) ○分科会長 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。では、ここで一言ご挨拶をいただきましょう。 ○労働基準局長 ただいまご諮問いたしました政令案要綱と省令案要綱につきまして、これを妥当と認める旨のご報告をいただいたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。これを踏まえまして、速やかに政省令の改正作業を行いまして、円滑な施行に努めてまいりたいと考えておりますので、今後ともご協力のほどよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。 ○分科会長 それでは本日の会議は以上をもちまして終了いたします。議事録の署名は、仲田委員と高橋信雄委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○分科会長 それでは、皆さん、お忙しい中どうもありがとうございました。これで閉会いたします。