07/07/20 第47回労働政策審議会職業安定分科会議事録 第47回 労働政策審議会 職業安定分科会 1 日 時 平成19年 7月20日(金)17:00〜19:00 2 場 所 厚生労働省職業安定局第1会議室 3 出席者 委 員(公益代表)            大橋分科会長、岩村委員、大沢委員、征矢委員 (労働者代表)            徳茂委員、成瀬委員、長谷川委員、古市委員、堀委員 (使用者代表)            荒委員、石井委員、石原委員、川本委員、北城委員、            尾崎委員代理(吉免氏)、成宮委員代理(原川氏)       事務局 高橋職業安定局長、鳥生職業安定局次長、            岡崎高齢・障害者雇用対策部長、生田総務課長、宮野企画課長、            宮川雇用保険課長、小川雇用政策課長、三上雇用開発課長、            川中参事官(地域担当)、尾形外国人雇用対策課長、            阿部若年者雇用対策室長、山田公共職業安定所運営企画室長 4 議 題 (1)雇用保険施行規則等の一部を改正する省令案について(諮問) (2)改正雇用対策法及び地域雇用開発促進法に係る省令等について(諮問) (3)その他 5 議事内容 ○総務課長 ただいまから、第47回労働政策審議会職業安定分科会を開催いたします。 まず初めに、職業安定分科会長につきましては、労働政策審議会令第6条第6号により まして、労働政策審議会の本審に所属する公益委員の中から選出されることとなってお り、大橋委員が選出されております。  また、分科会長代理については、労働政策審議会令第6条第8号により、同じく公益 委員から分科会長が指名することとされており、清家委員が指名されています。  それでは、大橋分科会長に進行をお願いします。よろしくお願いします。 ○大橋分科会長 大橋です。ただいまご説明にありましたように、私が分科会長を仰せ 付かることになりました。つたない司会になると思いますけれども、よろしくご協力を お願いいたします。  最初に、委員の交代がありましたのでご紹介いたします。まず、公益委員として、岩 村委員、征矢委員です。労側委員として、斉藤委員。今日は欠席されます。続きまして、 使側委員として、荒委員、川本委員、北城委員の各委員が新たに就任されています。 (出欠状況報告)  それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題は3つございます。まず、「雇用 保険法施行規則等の一部を改正する省令案について」、次いで「改正雇用対策法及び地 域雇用開発促進法に係る省令等について」及び「その他」でございます。  1つ目の議題は、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について」です。 本案の失業等給付に係る部分については、あらかじめ雇用保険部会において議論されて おり、その議論の内容も含めて事務局からご説明いただき、その後で議論を進めてまい りたいと思います。  では、雇用保険課長、お願いいたします。 ○雇用保険課長 お配りいたしました資料のNo.1-2が、本日の諮問文でございます。具 体的な内容は4頁以降にございますが、内容につきましては資料No.1-1とNo.1-3を適宜参 照して説明させていただきます。  No.1-1の1頁をご覧ください。「趣旨」ですが、雇用保険法等の一部を改正する法律の うち、失業等給付に係る改正部分が本年10月1日施行となっておりまして、関係省令に ついて所要の規定の整備を行う必要があるという点と、特定求職者雇用開発助成金の助 成額の変更等を行う内容となっています。  具体的には、2番の「改正雇用保険法施行規則の一部改正」の(1)「特定受給資格者 の範囲の改正」のところをご覧ください。イにございますように、雇用保険部会の報告 及び改正法の国会審議を踏まえ、線の引いてあるところですが、「1年未満の有期労働 契約の締結に際し契約の更新があることが明示されていた場合で、契約の更新がなされ なかった場合(1年以上引き続き同一の事業主に雇用されている場合は除く。)につい ても、特定受給資格者とし」ということです。  内容ですが、12・13頁をお開きください。今回の改正雇用保険部会の報告に基づく雇 用保険制度の見直しのための部会報告が12頁以下にございますが、このうち、2の(1) の「基本手当」の改正部分が法律改正としてありました。すなわち、その1段落目にあ りますように、被保険者資格の一本化に伴い、受給資格要件、現行ですが、通常6月で 月14日以上、短時間の場合は12月で月11日以上ということで、短時間労働者か否かと いうことで分けていたものを一本化する。  2段落目にありますように、この場合、解雇・倒産等による離職である特定受給資格 者の受給資格要件は6月。特定受給資格者以外の方、具体的には自己都合離職者、期間 満了者などですが、これは12月になるというような改正でしたが、尚書きのところに 線を引いていますが、「被保険者期間1年未満でいわゆる雇止めによって離職した者に ついて、特定受給資格者とする範囲を適切に見直すべきである」というご意見、報告で ございました。  それから先の改正項目ですが、13頁の(2)「特例一時金」です。季節労働者向けの 特例一時金ですが、これについての改正内容に合わせて、3段落目ですが、「これに関 連して」ということで線が引いてありますように、「積雪寒冷地等の地域雇用対策を推 進すべき」ということで、これは後ほど述べます常用就職支度手当の対象範囲の改正に 関わる部分です。  17頁をお開きください。これは、国会における平成19年4月10日、参議院厚生労働委 員会の附帯決議で、二の線を引いてあるところですが、国会での審議の中で、1つは先 ほどの部会報告にありましたような、「被保険者資格が1年未満でいわゆる雇止めにより 離職する期間雇用者」につきまして、解雇・倒産等と同様に取り扱う、すなわち具体的 には6月で被保険者資格が得られるようにするという点が1点。もう1つは、国会審議の 中で、いわゆる正当な理由がある自己都合退職の基準に合致する被保険者についても、 解雇・倒産等と同様に取り扱うようにという附帯決議がなされました。  具体的に正当な理由は何かと申しますと、22頁です。正当な理由がある自己都合とい うのは何かと申しますと、1番目の○にありますように、正当な理由がなく自己都合で 退職した場合には、現在の制度では、全員に掛かります7日間の待期満了後、3行目です が1カ月以上3カ月以内の間、具体的には3カ月ですが、基本手当を支給しないという、 いわゆる給付制限の対象になるかどうかというものです。正当な理由がある自己都合で ある場合には、この給付制限には掛かりません。  具体的にどういうものがあるか、その主な基準としては1から5に該当するようなもの、 すなわち身体的条件に基づく退職、妊娠等で受給期間延長措置を受けた場合、そのよう な内容が入っているものです。附帯決議の内容については、この部分について6月で受 給資格が得られるようにすべしという形での附帯決議であったわけです。この内容につ いて、今回の省令案の中で盛り込もうというものです。  また、1頁をお開きください。経緯の説明が全体にかかってまいりましたが、先ほど 申しましたように2の(1)のイは、1年未満の有期雇用者の雇止めの場合、6月で受給資 格が得られるようにするということです。  ロですが、改正法の国会審議を踏まえ、正当な理由による自己都合離職者のうち、6 月以上12月未満である者についても、当分の間、特定受給資格者として取り扱う。「当 分の間」としましたのは、この制度が先ほど申しました「正当な理由」というのが、あ くまでも、いわゆる給付制限期間の対象となるものとしての基準であることと、一方で、 ここで問題となっています「特定受給資格者」というのは、どれくらいの給付の厚さを するべきかで、特定受給資格者か否かの判断をするわけですが、その両者の関係につい ては、いずれは整理する必要が出てくるのではないかという形で、今回の経過措置とし て、「当分の間」の措置として扱わせていただくという内容で諮問させていただいてい ます。  もう1点(2)ですが、常用就職支度手当と申しまして、季節労働者が通年雇用された 場合に、常用就職支度手当として一定の金額が支給されるわけですが、現在、この要件 といたしまして、通年雇用される場合の業種、具体的には建設業や林業など、こういう 方々がなりやすいような職種を今までは指定していたわけですが、今回の改正で、ここ の部分についての「通年雇用に係る業種の限定」というものを廃止しようというもので あります。  2頁をお開きください。今までが、趣旨のところで申します、本年10月1日施行分の改 正に係るものですが、2頁の(3)(4)及び3の部分につきましては、今回の改正とは直 接関わらないものではございますが、1つは(3)のイにありますように、求職活動等 支援給付金、あるいはロにあります中小企業基盤人材確保助成金は、労働時間の長短に よる取扱いを行っておりましたが、今回これを機に、労働時間の長短による取扱いの差 異を廃止するという内容です。  それから、(4)及び3です。これは特定求職者雇用開発助成金で、表の中にあります ように高年齢者や障害者を雇い入れた方に対する助成措置ですが、線を引いてあります ように、従来の助成金の額について、一定額の割合を比率で出すという形のやり方から、 雇い入れた労働者一人当たりの定額支給という方式に改正しようと。併せて、同助成金 中緊急就職支援者雇用開発助成金について短時間労働者を除外していたという取扱いも 改めるというものです。3の雇用対策法施行規則も同様の改正でございます。  4の「施行期日」については、平成19年10月1日からということですが、この内容につ いては、先ほど分科会長からも紹介がありましたように、事前に雇用保険部会に意見を 聴くことといたしまして、その結果が資料としましては、8頁です。  これは、本日清家部会長が欠席でございますので、私のほうから説明させていただき ます。平成19年7月20日に雇用保険部会を行い、先ほど申しました雇用保険法施行規則 のうち給付関係の部分について、具体的には2の(1)と(2)の関係について審議をお 願いしました結果、記のところにございますように、「標記については、別添厚生労働 省は、おおむね妥当と認める」という考えをまとめていただきました。  「なお」として、先ほど申しました2の(1)のロに関係します、雇用保険の基本手当 の受給資格要件、特定受給資格者となる要件の整理については、施行状況を見つつ、今 後の課題とすべきであるというご意見があり、これを付記することとなった次第でござ います。私のほうからの説明は、以上でございます。 ○大橋分科会長 本件につきまして、ご質問、ご意見がありましたら、ご発言をお願い いたします。よろしいでしょうか。  本件につきましては大体ご了解いただけたようですので、当分科会としては、労働政 策審議会に対しまして、雇用保険部会から提出された意見を付記して、「おおむね妥当」 ということで報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 ありがとうございました。  それでは、報告文(案)の配布をお願いいたします。 (報告文(案)配布) ○大橋分科会長 お手元に配布していただきました案ですけれども、この案によりまし て労働政策審議会長あてへ、報告することにしてよろしいでしょうか。 (異議なし) ○大橋分科会長 それでは、そのようにさせていただきます。  次は、「改正雇用対策法及び地域雇用開発促進法に係る省令等について」でございま す。これについては、あらかじめ雇用対策基本問題部会において議論いただいておりま す。私が部会長ですが、事務局より、その議論の内容も含めてご説明いただき、その後、 議論を進めてまいりたいと存じます。それでは、よろしくお願いいたします。 ○総務課長 お手元の議事次第の4の配布資料のところの、資料No.2-1からNo.2-19までが この案件についての関係資料です。今回諮問案件になっていますのが、資料No.2-1に関 わるもので、これに7つのものが付いております。1頁に諮問案件のリストが載ってい ます。今回の諮問案件は、記の1と2にあります政令が2件、3が施行規則省令が1件、4か ら7が大臣告示で4件ということで、この7件について諮問させていただくというもので す。  これらの案件については、その前提となる雇用対策法、地域雇用開発促進法の改正に ついて、当分科会で昨年末に建議をいただきまして、今年の1月22日にはご答申をいた だいて、2月13日に閣議決定をし、国会に提出したところです。この改正法については、 6月1日に成立しまして、6月8日に公布されています。その後、政令、省令、告示等につ いて基本問題部会で6月22日、7月10日、7月18日の3回にわたり、議論をいただいてお ります。  ただいまからの資料の中身のご説明の過程で、議論の内容についても若干触れながら 進めてまいります。  まず2頁です。最初の諮問案件で、これは施行期日を定める政令案です。8月4日を施 行期日とするということで、参考の※に書いてありますように、法律の本体のほうで、 年齢制限の問題、若者の問題、外国人関係については、10月1日施行ということで、既 に決められておりますが、それ以外について8月4日施行と定めるものです。これにつ いては、特段のご意見等はありませんでした。  続きまして3頁から4頁です。これは2つ目の政令の案件です。外国人雇用状況届出に 係るものですが、民間企業の届出については、施行規則のほうで対処するということで す。しかし、国、地方公共団体の雇入れ・離職については、政令で具体的な対策を定め るということになっています。3頁の第一に書いてありますように、「外国人雇用状況 の通知は」ということで、国、地方公共団体の場合は「通知」という名前が付いていま すが、「通知」については、「新たに外国人を雇い入れた場合にあっては当該事実のあ った日の属する月の翌月10日までに、その雇用する外国人が離職した場合にあっては当 該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、厚生労働大臣が定める様式により行 うものとすること」という手続を定めるものです。また、関係政令の整備、その他施行 期日について書いていまして、この政令についても、特段のご意見等はありませんでし た。  5頁以下が、施行規則の関係です。まず第一が、雇用対策法の施行規則です。一で「 基本方針の策定」となっています。この基本方針の策定については、年末の建議では特 に指摘されていなかった事項ですが、国会審議の過程で対応することになったものです。 これに関連するものとして10頁の四に、「国と地方公共団体との連携」という部分があ ります。これは昨年末の建議でご指摘いただいたものです。雇用対策基本計画を廃止す ることに伴いまして、四の(一)に書いてありますように、都道府県労働局長は、都道 府県知事の意見を聞いて、雇用に関する施策を講ずるに際しての方針を定めるというこ とを、施行規則で措置することになっていました。これがその部分です。  11頁の(二)で、「厚生労働大臣は、毎年度、(一)の方針の策定の指針を定るもの とすること」となっています。この部分についても、都道府県労働局長が定める方針を 定めるに当たっての指針を厚生労働大臣が定めるということで、建議でご指摘していた だいた事項です。これを施行規則で定めるものです。  この2点については建議で指摘していただいていたわけですが、5頁に戻りまして、 一の「基本方針の策定」は、毎年度改定する方針・指針とは異なりまして、中期ビジョ ンに相当するものです。雇用対策基本計画は廃止されましたが、ビジョンという形で、 中期的な雇用見通し、あるいは施策の見通しを示すべきであるということに応えたもの で、これに施行規則上の根拠を設けるものです。そこに書いてありますように、「雇用 対策法第四条第一項各号に掲げる事項について講じようとする施策に関し、その基本と なる事項を定めるとともに、雇用に関する状況等を勘案し、必要な見直しを行うものと すること」ということで、一旦、中期ビジョンを定め、ローリングで徐々に見直してい くというものです。  二の「外国人雇用状況の届出等」で、これについては、施行に当たっての細則を決め るということで、(一)が、対象外国人の範囲です。これについてはイにありますよう に、雇用状況の届出、外国人労働者の雇用管理の改善、再就職支援の努力義務の対象に なる外国人の範囲です。昨年末の建議でお示しいただきましたように、特別永住者を除 くということになっていますが、形式的には外交・公用の在留資格をもって在留する方 も除くということですので、その旨を書いています。  ロですが、再就職の支援については、厚生労働省令で定める人は除くということにな っていまして、それについて、「解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。) その他事業主の都合」については、再就職援助の努力義務の対象から除くということで す。この場合の、「その他事業主の都合」については、雇用保険の特定受給資格の取得 ができるような理由を想定しているということで、部会の場で議論がありました。  6頁の(二)は、「外国人雇用状況の届出事項」です。これについては、イに書いて あるような事項について、新たに雇い入れた場合について、「(イ)から(ト)((ホ) を除く。)」ということ。離職した場合については、「(イ)から(ハ)まで、(ホ) 及び(ヘ)に掲げる事項とすること」ということです。これらの内容については、昨年 末の建議と全く同じ内容を整理しています。  6頁のロは被保険者でない場合ですが、届出事項が若干減っておりまして、7頁の冒頭 にありますように、雇入れについては、イの(イ)から(ニ)までに掲げる事項、離職 については、イの(イ)から(ハ)までに掲げる事項というように整理をし、建議と同 様の内容です。  7頁の(三)の「外国人雇用状況の届出事項の確認方法等」ですが、施行規則の中に は、こういう書類で確認するということを、あるいは届出の時期について整理していま す。確認方法が(イ)の3行目にありますように、外国人登録証明書又は旅券で確認す るということです。(ロ)は、資格外活動の許可を受けている場合については、資格外 活動許可書又は就労資格証明書で確認することを書いています。  ロの届出時期ですが、これについては(イ)で被保険者である場合については、雇用 保険被保険者取得届・喪失届と全く同じタイミングで、雇い入れた場合については翌月 の10日まで、離職した場合にあっては翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者 資格の得喪届出と合わせて届け出るということになっています。この届出の方法につい ては、資格の得喪届の中に、得喪届に盛り込まれていないことについて、記入できる欄 を設けて対応するということです。  (ロ)の被保険者でない場合については、別に定める様式で先ほどご説明しました項 目を届け出るということです。  続きまして三の「募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保」とい うことで、これは雇用対策法上、年齢差別禁止の努力義務が義務化されたことに伴う措 置です。ここでは年齢差別禁止の義務化の除外事由、例外事由を(一)で列挙していま す。  10頁の(二)では、募集採用に当たっての手続について明確化しています。  まず、8頁の(一)ですが、内容については、従来、雇用対策法で、年齢差別禁止が 努力義務化されていましたときに、年齢指針ということで、大臣告示の中で、例外事由 が10項目書いてありました。その10項目について、必要最小限のものに絞り込むという ことで精査をしました結果として、(一)になりました。  これについては、イとロですが、この2つについては法令上等の理由で当然のものを 明確化したものです。イは、「事業主が、定年の年齢を下回ることを条件として労働者 の募集及び採用を行うとき」ということで、期間の定めのない労働契約を締結すること を目的として、労働者の募集・採用を行う場合について、定年の年齢を下回ることを条 件とすることは構わないというものです。ロは、「事業主が、労働基準法等の規定によ り特定の年齢層の労働者の就業等が禁止又は制限されている業務について当該年齢層の 労働者以外の労働者の募集及び採用を行うとき」ということで、法令上禁止されている ような業務について、その禁止されている年齢について除外することは構わないという ことです。  ハがその他の事由です。これについては、「必要最小限のものとする」ということで、 柱書きにありますが、「必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限である場合 として次のいずれかに該当するとき」ということで、(イ)から(ニ)まで4項目あり、 この4項目に絞り込むということです。  (イ)が、長期間のキャリア形成の観点から必要なもので、「長期間の継続勤務によ る職業能力の開発及び形成を図ることを目的として、青少年その他特定の年齢を下回る 労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的と する場合に限り、かつ、当該労働者が職業に従事した経験があることを求人の条件とし ない場合であって学校(小学校及び幼稚園を除く。)、専修学校等を新たに卒業しよう とする者と同等の処遇で募集及び採用を行う場合に限る。)」と書いています。  (ロ)ですが、これは企業あるいは事業所の年齢構成で、特定の年齢層が非常に数が 少ないときに、少ない年齢層の募集をする場合ということです。「当該事業主が雇用す る特定の年齢層の特定の職種の労働者の数が相当程度少ないものとして厚生労働大臣が 定める条件に適合する場合において、当該職種の業務の遂行に必要な技能及びこれに関 する知識の継承を図ることを目的として、特定労働者の募集及び採用を行うとき」とい うことですが、あくまで「期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合 に限る」ということです。  2行目の「厚生労働大臣が定める条件」については、先ほど大臣告示で定めていると いうことでご説明しましたが、先にこちらをご説明いたします。21頁の一と二ですが、 一にありますように、「厚生労働大臣が定める条件は、当該事業主が雇用する特定の職 種に従事する労働者(当該事業主の人事管理制度に照らし必要と認められるときは、当 該事業主がその一部の事業所において雇用する特定の職種に従事する労働者)の年齢に ついて、30歳から49歳までの範囲内において、5歳から10歳までの任意の幅で一定の範 囲を特定した場合に、当該特定範囲の年齢層の労働者数が、当該特定範囲の幅と同一の 幅でその両側に設定したそれぞれの範囲の年齢に属する労働者数のそれぞれの2分の1以 下であることとすること」ということで、30歳から49歳の年齢の間で特定の年齢の幅を とって、その人数が両隣に接する同じ年齢幅の労働者の人数に比べて2分の1以下である ときには、その年齢層の募集をして構わないというものです。  これについては、審議会の中での議論で、企業単位で人数の少なさを見るのか、それ とも事業所単位で人数の少なさを見るのかという議論がありましたが、これについては、 先ほどありましたように「当該事業主の人事管理制度に照らし必要と認められるときは、 その一部の事業所において雇用する特定の職種に従事する労働者」を採ることは構わな いということで、人事管理制度に照らして必要があると認められるときには、企業が基 本ですが、事業所単位で構わないということです。  戻っていただきまして9頁です。除外事由の3番目、(ハ)ですが、「芸術又は芸能の 分野における表現の真実性等を確保するために特定の年齢層に属する労働者の募集及び 採用を行うとき」ということです。  4番目の(ニ)ですが、「高年齢者の雇用の促進を目的として、特定の年齢以上の高 年齢者(60歳以上の者に限る。)である労働者の募集及び採用を行うとき、又は特定の 年齢層の労働者の雇用を促進するため、当該特定の年齢層の労働者の募集及び採用を行 うとき(当該特定の年齢層の労働者の雇用の促進に係る国の施策を活用しようとする場 合に限る。)」としました。以上4つについて、例外事由として整理をさせていただき ました。  (二)に手続が書いてあります。これについては「事業主は、法第10条に基づいて行 う労働者の募集及び採用に当たっては、事業主が当該募集及び採用に係る職務に適合す る労働者を雇い入れ、かつ、各労働者がその年齢にかかわりなく、その有する能力を有 効に発揮することができる職業を選択することを容易にするため、当該募集及び採用に 係る職務の内容、当該職務の遂行に必要な労働者の適正、能力、経験、技能の程度等を できる限り明示するものとすること」ということで整理しています。これは努力義務が 義務化される前の雇用対策法に基づきます年齢指針の中に、同様の手続が定められてい まして、それを省令に引き上げたというものです。  10頁の四は先ほどご説明しましたので省略させていただきまして、11頁の五の「その 他」です。その他の(一)は、外国人の雇用状況の届出についての権限委任の規定です。 届出については、「都道府県労働局長等に委任する」となっていますが、最終的には労 働局長から公共職業安定所長に委任するということとしておりまして、その内容を整理 したものです。(二)で、「その他所要の規定の整備を行うこと」といたしております。  続きまして11頁の第二「地域雇用開発促進法施行規則の一部改正」についてです。こ れについては、一で「雇用開発促進地域及び自発雇用創造地域の要件」について整理を しております。これらの内容については、年末の建議で整理をしていただいた内容です。  (一)ですけれども、「雇用開発促進地域の雇用情勢に係る要件」ということで、雇 用が特に厳しい地域の要件について整理をしたものです。  イで、最近3年間の地域の労働力人口に対する地域求職者数の割合の月平均値と、全 国のその数値を比べた場合に、全国の数値以上であるということを要件として書いてい ます。  ロは有効求人倍率に係る要件です。事実上こちらの要件が相当利いてくると思ってい ますが、「最近3年間及び最近1年間の地域求職者数に対するその地域内に所在する事業 所の求人数の比率の月平均値が、それぞれ当該期間の全国の求職者数に対する求人数の 比率の月平均値に3分の2を乗じて得た率以下であること」ということで、基本的に全国 平均の3分の2以下の有効求人倍率を想定しているということで、3分の2を乗じて得た率 が1を超える場合については1ということですが、現在、そういう数値にはなりそうもな いので、全国平均値の3分の2以下ということです。  それから、但し書きで、「最近3年間及び最近1年間の地域有効求人倍率の月平均値が 0.5以下である地域については」、先ほどのイの要件については緩めて考えるというこ とで、「月平均値以上」という要件を、「月平均値に3分の2を乗じて得た割合以上」と いうようにしました。  12頁の(二)ですが、自発雇用創造地域ということで、雇用情勢が少し悪い地域で、 市町村が独自に計画を作って雇用創出に取り組むという地域です。この場合の要件につ いては、「最近3年間及び最近1年間の地域求人倍率の月平均値が、それぞれ当該期間の 全国求人倍率の月平均値以下であること」ということで、全国平均値が1を超えるとき は1ということです。  12頁の二、「同意雇用開発促進地域における支援措置」ということで、支援内容を整 理しています。(一)が同意雇用開発促進地域の支援対象事業主として、イロハの事業 主を考えています。イが、事業所を設置整備して求職者を雇い入れる事業主について書 いています。ロが、高度の技能、知識を有する者を受け入れて、求職者を雇い入れる事 業主について書いています。ハが、設置整備する事業所に雇い入れられる求職者につい て、職業に必要な技能、知識を習得させるための教育訓練の実施等の措置を講ずる事業 主について書いています。  13頁の(二)ですが、特例措置について書いています。これは先ほどの支援策につい て特別の要件を満たす地域については、特に手厚く対応しようというものです。イが、 雇用開発奨励金という、雇用開発促進地域の助成措置について、特に手厚くするもので、 大規模雇用開発に相当するものについて手厚くするものです。(イ)のように、100人 以上の労働者を雇い入れて、(ロ)のように50億以上の費用で事業所設置をするといっ たような事業主の方に支援をする。この場合については、助成額が本来の雇用開発奨励 金については、30万円から1,250万円なのですが、これを1億円から2億円まで増やすと いう特例措置です。  ロは雇用開発促進地域で、かつ、(イ)にあるような、市町村が独自に計画を作る同 意自発雇用創造地域に所在して、その計画の中で地域重点分野に属する事業を行うよう な事業主については、通常ですと、雇用開発奨励金の支給期間が3年なのですが、それ を5年間に延ばすというものです。  ハが中核人材活用奨励金という助成金について、ロと同じように市町村が独自に計画 を作る同意自発雇用創造地域に所在して、地域重点分野に属する事業を行う場合につい ては、その中核人材として雇い入れた場合に、一人当たり、通常100万円、中小企業で すと140万円の助成金なのですが、それを通常150万円、中小企業210万円に引き上げる という特例措置を講ずるものです。  14頁の三ですが、同意自発雇用創造地域、自発的に雇用創出を図る地域についての支 援措置です。(一)にありますように、昨年末の建議でまとめていただいた内容を整理 しておりまして、「雇用開発を促進するため、地域雇用創造協議会からの提案により当 該協議会等に委託して実施する事業は、次に掲げる事業とすること」ということです。  イにありますように、事業主で自発雇用創造地域に居住する求職者を雇い入れようと するものの相談に応じ、助言、指導等を行う事業。ロが、就職等に必要な知識及び技能 を習得させるための講習等を行う事業。ハが、同意自発雇用創造地域に所在する事業所 の事業の概要、求人等に関する情報を収集、提供し、求職者等の相談に応じ、助言、指 導等を行う事業。ニが、その他、雇用の創造に資すると認められる事業。こういった事 業を行う場合に、支援措置を講ずることとしています。  (二)では、こういった支援措置の対象は地域雇用創造協議会ですが、地域雇用創造 協議会以外にも委託ができるということで、それは厚生労働省令で定めることに法律上 はなっていました。その内容を15頁のイロハに書いています。地域雇用創造協議会を構 成する法人で、必要な職員配置等の体制が整備され、効果的・効率的に事業ができると 認められる所については、協議会でなくても委託できるということとしています。  (三)にありますように、委託契約に関する細目を定めるということにしています。  四の「その他」ですが、(一)にありますように、委託募集の特例規定を法律で作っ ています。その委託募集を行う際に、中小企業者が委託する中小企業団体としてはどの ような団体が考えられるか、といったことについて整理しています。(二)は、地域雇 用創造計画の同意について、同意されると支援の対象になるわけです。地域雇用創造計 画は、自発雇用創造地域、市町村が計画を作る地域についての、厚生労働大臣の同意の 権限ですが、これについては都道府県労働局長に委任するということです。ここに書い てありませんが、雇用開発促進地域の計画については、厚生労働大臣が引き続き同意の 権限を有するというものです。その他所要の規定の整備を行うこととしています。  最後に、15頁の第三「雇用保険法施行規則の一部改正」ということです。これについ ては、先ほどもご説明しました、地域雇用開発促進法施行規則の省令で定める助成措置 等の内容について、財源上の手当てを雇用保険法施行規則に書くという趣旨です。大体 同様の内容が出てまいります。  一の「地域雇用開発助成金制度の改正」ということで、先ほどの助成金を作るという ことで、(一)にありますように、地域雇用開発促進助成金という従来の法律に基づく 助成金を廃止いたしまして、地域雇用開発助成金というふうにしまして、その下に、雇 用開発奨励金と中核人材活用奨励金を創設するということで、先ほどご説明した奨励金 です。  16頁の(二)ですが、雇用開発奨励金については、雇用開発促進地域に事業所を設置 整備して、雇用開発促進地域に居住する求職者を雇い入れる事業主に対して支給すると いうことが書いてありますが、それと併せて、「過疎雇用改善地域を過疎等雇用改善地 域に改め、地理的条件により雇用機会が著しく不足するおそれのある地域を対象に加え ること」と書いてあります。この趣旨は、地域法に基づく雇用開発促進地域以外に、雇 用保険法施行規則で、過疎地域については支援策の対象としておりましたが、その考え 方を若干精査をしまして、過疎地域の中で雇用状況が悪い地域に支援対象を限定すると ともに、併せて、公共職業安定所の管轄区域の単位ではなかなか指定しにくい離島があ りますが、離島については雇用状況が悪いということを前提に、各法律で指定されてい るということもありますので、離島を支援対象に加えるというものです。過疎地域につ いて、地域限定を加えるとともに離島を加えるというのが(二)の内容です。  (三)ですが、中核人材活用奨励金については、中核人材5人までについて、1人につ き100万円、中小企業については140万円支給するという内容を整理しております。  16頁の二「キャリア形成促進助成金制度の改正」です。これは地域法の能力開発につ いての助成金の部分について、キャリア形成促進助成金として、(一)にありますよう に、地域雇用開発能力開発助成金を創設するということです。(二)に助成金の内容が 書いてあります。雇用開発促進地域に事業所を設置整備して、雇用開発促進地域に居住 する求職者を雇い入れ、当該事業所の労働組合等の意見を聴いて作成した事業内職業能 力開発計画に基づき作成した年間職業能力開発計画に基づき職業訓練等を受けさせる事 業主等に対して支援をするということです。支援の内容は17頁の冒頭に書いてあります ように、かかった金額の3分の1、中小企業事業主は2分の1ということです。  三は、以前の法律に基づいて実施していました地域求職活動援助事業を廃止して、若 干、雇用情勢が悪い地域であります、自発雇用創造地域の支援策である、地域雇用創造 推進事業を創設するということです。  四は、その他所要の規定の整備をすることにしています。  第四「その他」にありますように、施行期日については、基本的に8月4日ですが、17 頁の但し書きに書いてあるように、第一の二「外国人雇用状況の届出」、三の年齢差別 の禁止の関係、五の(一)の外国人雇用状況の届出の権限委任については、10月1日から 施行ということです。その他に経過措置等を定めるということです。  続きまして19頁から20頁にかけて、「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適 切に対処するための指針」、いわゆる「青少年指針」と呼んでいるものです。これにつ いては、昨年末の建議で、具体的な内容にまで踏み込んだご指摘をいただきまして、そ れを整理して並べたものがこの別紙です。  基本的に建議でご指摘いただいたことが並んでいるのですけれども、若干手厚く表現 している部分としては、19頁の第二の四の下のところに、尚書きがありますが、これが 手厚く書いてありますので、読み上げさせていただきます。「なお、青少年の募集に当 たっては、企業の求める人材像や採用選考に当たって重視する点等を明示し、いわゆる フリーター等についても、その有する適性や能力等を正当に評価するとともに、応募時 点における職業経験のみならず、ボランティア活動の実績等を考慮するなど、その将来 性も含めて長期的な視点に立って判断することが望ましい。また、採用内定者に対して は、文書により、採用の時期、採用条件及び内定の取消し事由等を明示するとともに、 採用内定者が学校等を卒業することを採用の条件としている場合についても、内定時に その旨を明示するよう留意すること」と整理をしています。  続きまして21頁の資料については先ほどご説明しましたので、省略させていただきま す。  22頁以下ですが、外国人労働者の雇用管理の改善等に関して、法律上、雇用管理の改 善、再就職支援の努力義務ができ、併せて、雇用状況の届出義務が創設されました。そ れらに関する指針が22頁以下です。この指針については、昨年末の建議でも整理してい ただきましたように、いま現在、三局長通達、職業安定局長、労働基準局長、職業能力 開発局長の通達で、同様の内容の指針が出ていますけれども、その指針をベースにしま して、若干内容を追加して手厚くしています。  22頁の第一の「趣旨」については、新しく法律で根拠条文ができたものですから、そ の趣旨を書いています。  第二については、労働関係法律について具体的な法律名を列挙して、そういう法律違 反をしないようにということを前提に、外国人の職業能力が有効に発揮できるように対 応していくという趣旨です。  第三は基本的に従来の指針と同じですが、対象範囲について、施行規則と同様の内容 を整理しています。尚書きで、技能実習についても対象になるということを明確化して います。  第四の一「外国人労働者の募集及び採用の適正化」の1「募集」以下ですが、これら の内容については、従来からの指針に盛り込まれています。  23頁の二「適正な労働条件の確保」についても、基本的に従来の指針に盛り込まれて います。  三の「安全衛生の確保」については、6の「労働安全衛生法等関係法令の周知」の部 分について、従来の指針に盛り込まれていませんでしたので、盛り込むこととしました。 これは23頁の4の「労働基準法等関係法令の周知」と横並びで手当てする必要があるだ ろうという趣旨です。  24頁の四「雇用保険、労災保険、健康保険及び厚生年金保険の適用」という部分です。 こういったものについても、基本的に盛り込まれていますが、25頁の2「保険給付の請 求等についての援助」の部分については、相当手厚く書き込んでありますので、読み上 げさせていただきます。「事業主は、外国人労働者が離職する場合には、外国人労働者 本人への雇用保険被保険者離職票の交付等、必要な手続を行うとともに、失業等給付の 受給に係る公共職業安定所の窓口の教示その他必要な援助を行うように努めること。ま た、外国人労働者に係る労働災害等が発生した場合には、労災保険給付の請求その他の 手続に関し、外国人労働者からの相談に応ずること、当該手続を代行することその他必 要な援助を行うように努めること。さらに、厚生年金保険については、その加入期間が 六月以上の外国人労働者が帰国する場合、帰国後、加入期間等に応じた脱退一時金の支 給を請求し得る旨帰国前に説明するとともに、社会保険事務所等の関係機関の窓口を教 示するよう努めること」。こういった内容を盛り込んでいます。  25頁の五「適切な人事管理、教育訓練、福利厚生等」の1の「適切な人事管理」の部 分については、今回定めることになる指針等とのバランスも考えながら盛り込みました。 「事業主は、その雇用する外国人労働者が円滑に職場に適応し、当該職場での評価や処 遇に納得しつつ就労することができるよう、職場で求められる資質、能力等の社員像の 明確化、職場における円滑なコミュニケーションの前提となる条件の整備、評価・賃金 決定、配置等の人事管理に関する運用の透明化等、多様な人材が能力発揮しやすい環境 の整備に努めること。その際、公共職業安定所の行う雇用管理に係る助言・指導を踏ま え、適切に対応すること」としております。  25頁の3の「教育訓練の実施等」ですが、その中については3行目、「苦情・相談体 制の整備、母国語での導入研修の実施等」といったような事例を内容として盛り込ませ ていただいています。  26頁の6の「労働者派遣又は請負を行う事業主に係る留意事項」ですが、これについ ても従来から内容が盛り込まれていましたが、その中の又書きが、いままでの内容をよ り明確化するということで整理をしています。「また、請負を行う事業主は、自ら雇用 する外国人労働者の就業場所が注文主である他の事業主の事業所内である場合に、当該 事業所内で、第六で選任する雇用労務責任者等に人事管理、生活指導等の職務を行わせ ること」というように整理をしています。それ以外の点については、基本的にいままで の指針と同じです。  26頁の第五「外国人労働者の雇用状況の届出」と書いています。これは、いままでの 指針にはなかつたものです。ただ、基本的には、先ほど施行規則の内容を説明させてい ただきましたが、それと重複している部分が大部分です。重複していない部分が、27頁 の四で、「確認に当たっての留意事項」という部分が指針独自に書きくだした部分です。 「事業主は、雇い入れようとする者について、通常の注意力をもって当該者が外国人で あると判断できる場合に、当該者に係る一の事項を確認すること」ということで、これ は届出事項です。「ここで通常の注意力をもって当該者が外国人であると判断できる場 合とは、特別な調査等を伴うものではなく、氏名や言語などから、当該者が外国人であ ることが一般的に明らかである場合をいうこと。このため、例えば、通称として日本名 を用いており、かつ、日本語の堪能な者など、通常の注意力をもっては、当該者が外国 人であると判断できない場合にまで、確認を求めるものではないこと。なお、一に掲げ る事項以外の事項の確認・届出は必要のないものであり、外国人労働者のプライバシー の保護の観点からも、この点に十分留意すること」ということで整理をさせていただい ています。指針については以上です。  最後に29頁以下、地域雇用開発関係の指針を整理しています。これについても、先ほ ど施行規則で説明しました、地域の指定の要件等が整理されておりまして、基本的には 同じような内容が盛り込まれています。更に踏み込んだ内容を書いている部分がありま す。それは29頁のロの(ロ)のところの要件です。先ほど、雇用開発促進地域の要件に ついて、有効求人倍率について、全国平均値の3分の2以下ということを申し上げました けれども、その有効求人倍率について、一般有効求人倍率というデータと、常用有効求 人倍率というデータがあるのですが、そのどちらを活用するかといったようなことにつ いて整理をしたものです。結論としましては、(ロ)にありますように、「次のいずれ かに該当すること」として、どちらでもいいとした上で、(i)の冒頭にありますよう に、「最近3年間及び最近1年間におけるその地域の一般有効求人倍率の月平均値が」と いうことで、一般有効求人倍率が3分の2以下でもいいし、次の30頁の冒頭の(ii)にあ りますように、「最近3年間及び最近1年間におけるその地域の常用有効求人倍率の月平 均値が」ということで、常用有効求人倍率が3分の2以下でも地域指定の対象にするとい うふうにしています。  30頁の(2)は、同じように自発雇用創造地域の要件についても、同様の対応として、 ロの(イ)の所に書いていますが、最近3年間及び最近1年間におけるその地域の一般有 効求人倍率の月平均値が、それぞれ当該期間における全国の一般有効求人倍率の月平均 値以下、(ロ)にありますように、最近3年間及び最近1年間におけるその地域の常用有 効求人倍率の月平均値が、それぞれ当該期間における全国の常用有効求人倍率の月平均 値以下ということで、このいずれでも、自発雇用創造地域に指定することとしています。  31頁には2、3として、地域の産業政策等の連携が必要である旨、あるいは国、地方公 共団体、地域における関係者間の連携が大切である旨、記載しております。  31頁の第2以下は、地域雇用開発計画に記載すべき事項等について事務的な整理をし ているもので、これは省略させていただきます。  以上が諮問事項として部会でご議論いただいた内容です。部会でいただいた意見の主 なものをご紹介させていただきますが、まず、外国人雇用状況報告の届出については、 使用者側の委員から、今後とも事業主負担の軽減が図られるように、常に努力してほし いというご指摘がありました。  労働者側委員のほうからは、外国人雇用状況の届出についての個人情報の取扱いに当 たりまして、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に従って、その保護に万 全を期すということをご注文いただいていますし、法務大臣からの情報提供の求めに対 しては、その目的・必要性等を慎重に検討して、厳格に運用すべきだということで、非 常にこれは強いご意見がありました。  続きまして年齢制限の例外事由の問題ですが、これについては、技能、ノウハウの継 承等の観点からは、特定の職種において、労働者数が相当程度少ない年齢層に限定して 募集採用をする場合、この事由についての議論が多うございました。それについて、労 働者数が相当程度少ないか否かは、部会での当初の議題では企業単位で判断するという ことでしたが、先ほどご説明しましたように、事業所単位で採用を行っている場合など も考慮して、人事管理制度に照らして必要と認めるときには、企業内の一部の事業所単 位での判断ということも可能としました。  もう1つ、特定の年齢層の労働者数が相当程度少ない場合の条件としまして、その年齢 層の労働者数がその前後の年齢層の労働者数の2分の1未満ということで、当初の叩き台 では2分の1未満ということでご議論いただきましたが、労働者数が少ない中小企業にも 配慮して、2分の1以下とすることとしました。これについては、今後の運用の中で、必 要に応じて見直しを行っていくことが適当であるといったご議論がありました。  それから、青少年の応募機会の拡大についての指針については、昨年の法改正の検討 過程、特に建議の中で相当具体的にご指摘いただいたということもありまして、若干の ご意見はありましたが、最終的には本日の資料のとおりになったということです。  地域雇用開発促進法の関係については、特段のご意見はありませんでした。  その結果、部会では全体として、「おおむね妥当」という結論になっていますが、先 ほど申し上げました、労働側委員からの外国人雇用状況の届出に係る個人情報の取扱い についての強いご意見については、答申文に付記するということを条件に、「おおむね 妥当」という結論になったところです。私のほうからは以上です。 ○大橋分科会長 それでは本件について、ご意見、ご質問等がありましたらご発言をお 願いします。 ○成瀬委員 何点かありますが、まず質問を先にさせてください。年齢差別の禁止とい いますか、「年齢にかかわりない均等な機会の確保」の部分です。資料で言いますと8 から9頁。参考資料で言うと、44から50頁に書いてあるところなのですが、8頁の三の (一)のイですが、「(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に 限る)」と限定されていますので、これは有期の場合について、ロやハにも該当しない 場合については、一切年齢の差別をしてはいけないということになるという意味ですか。 結果としてそうなると理解していいのですか。 ○企画課長 ただ今のご指摘のとおりです。 ○成瀬委員 今後の施策の展開に向けての中長期的な要望・意見ということで、何点か 発言させていただきたいと思いますが、まず1つは、「募集及び採用における年齢にか かわりない均等な機会の確保」の部分ですが、これについては当分科会から、建議段階 ではなくて、その後で加わった部分ではありますが、年齢差別をしないということにつ いて、努力義務から義務になるということについては前進と受け止めていますが、ただ、 今回の改正された法律については、罰則が何もないわけでございまして、努力義務が義 務になったことの是非はともかくとして、義務と言うからには、やはり罰則等によって、 履行の担保をしていかなければいけないのではないだろうかと思っています。今後、中 期的あるいは長期的に、履行の確保をどうしていくのかという点から、ご検討されたほ うがいいのではないかと思っております。  それから、同じく年齢の部分なのですが、後ろのほうの資料を見ても、非常にわかり にくい事例が多いのではないか。44頁、45頁、50頁まで、いろいろ具体例を書かれて説 明されていますが、是非、周知に当たっては、わかりやすいパンフレット等の作成、あ るいはホームページ等も含めて、組合も含めて各企業ができる限り対応に間違いがない ような形で、誤解を生まないようにわかりやすく周知を行っていただきたいというのが 2つ目です。  その際、50頁の、現行の年齢指針と今後の省令案の対比表ですが、この対比表におい て、1番、2番、3番、4番、いちばん下の※は現行指針で言う10番に対応する部分ですが、 ここについては表現の厳密化なり、努力義務から義務に変えるに当たっての必要な修正 等というように理解はできるのですが、現行指針の3番、新しい省令案で言うと※にな っているところについては、ここの対応だけは質的にかなり異なる内容ではないかと感 じております。現行の指針で言いますと、例えば、定年60歳の場合、58歳や59歳の方は 機会を与えないということができることになるのでしょうが、今後は、定年60歳の場合 には、60歳未満はすべて差別してはいけないことになりますので、質的に異なる内容で はないかと思います。ですから、そこの部分も含めて、わかりやすく周知をしていただ ければと思います。  19頁〜20頁に青少年指針の案ということで出されております。具体的には20頁になり ます。青少年指針は雇用対策法の7条に基づきますが、7条自身が事業主の努力義務にな っております。したがって、指針に書かれていることは、全般的に努力義務ではあるの ですが、20頁の上から2行目、「次に掲げる措置を講ずるよう努めなければならない」と なっており、そこの(二)で、「意欲や能力を有する青少年に安定した雇用機会を提供 するため、・・・正社員への登用の可能性が与えられるような仕組みを検討すること」 となっております。この部分については、部会でも相当の議論があったとお聞きしてお りますが、全体が努力義務である上に、(二)の文末が「仕組みを作ること」ではなく て、「検討すること」となって、二重に弱められている感覚を拭えないわけです。 次の段階の施策としては、中長期的には仕組みを作ること自体を努力義務にしていただ くとか、あるいは検討すること自体を義務とする、という方向に一歩踏み出していただ きたいと思います。  外国人労働者の関係ですが、22頁からの別紙6の指針の25頁の部分、これはあくまで 現行制度の説明になり、かつ、内容としても当分科会の所管ではないのですが、あえて 感想として申し述べたいと思います。この第3段落で、「さらに、厚生年金保険につい ては」というところで、「帰国後、加入期間等に応じた脱退一時金の支給を請求し得る 旨」となっています。もちろん帰国確認後でないと、帰国すると偽って脱退一時金をも らってしまおうという不心得者がいないとも限らないので、このような制度になってい ることは理解はしております。しかし、帰国後に請求することは、当該外国人労働者に とっては非常に大きな手間がかかる、申請書の記入方法がわからない場合もなかなか聞 けない等々ありますので、本来的にはその辺を考えて、当該外国人労働者のためになる 制度へ転換をしたほうがいいのではないか。機会があれば、是非、関係部局に伝達をし ていただければと希望しております。  同じ頁の五の2番、「生活指導等」となっており、未成年者にはともかく、外国人労 働者の多くの場合は未成年ではないと思いますので、「生活指導」という言葉はちょっ とどうかなと思います。次の段階でもし改定する場合には、その辺の表現も是非考えて いただければと、今後の対応ということで要望しておきたいと思います。  11頁及び29頁、有効求人倍率のところです。雇用開発促進地域の指定要件になります が、そこで、最近3年間及び最近1年間の有効求人倍率については、一般か常用かという のがありますが、有効求人倍率を使われるということです。ただ、最近3年間及び最近1 年間の両方の数字で押さえていくと、いま悪くてその対象になっている所については、 改善したときには割と早くその対象から抜けていく。かつ、いま対象になっていない所 が悪化したときには、なかなか対象に指定されないという結果になるのではないかと感 じます。ですから、今後もし見直すときがあるとすれば、「最近3年間又は最近1年間」 とするか、そもそも「最近3年間」というのが要るのかどうかも含めて、今後、ご検討 をいただければと思います。  何点も話して申し訳ないのですが、以上、今後において検討をお願いしたいと思いま す。 ○大橋分科会長 この7点ほどについては、部会でも議論させていただいて、労側の意 見をきれいにまとめていただいたという形になっております。これは、今後こういう方 向でという要望でしたが、何か事務局からありますか。 ○企画課長 まず、年齢制限の関係についてお答えします。ご意見がありましたとおり、 そもそも今回の募集・採用の年齢制限のあり方については、引き続き、そのあり方全体 を中長期的な課題として見直すことも必要であると思います。  当然、罰則のあり方もその中に入るのかもしれませんが、一方で、現在の考え方を申 し上げておきますと、やはり募集・採用の年齢制限の禁止というのは、単に罰則を科す だけではなく、やはり年齢を問わない求人をなるべくたくさんいただくことが究極の目 的ですので、罰則というよりも、今回の改正法の規定にあるように、助言、指導、勧告 という手段が法律で認められていますので、そういった形でこの趣旨を十分ご理解いた だいて、法律に沿った形の求人を出していただくということで、事業主の方にはご理解 をいただいて進めていきたいと思います。  そういった意味で、2番目の周知の点ですが、これは部会のご議論でも、多くの委員 の方から周知の重要性についてご指摘をいただいております。施行が10月1日ですので、 非常に限られた期間ではありますが、さまざまな形で私どもとしても周知には全力を尽 くしていきたいと思います。  その観点で、50頁の現行の年齢指針の3番、定年年齢のところですが、ご指摘のとお り、年齢指針につきましては、これは定年年齢が60歳の場合、例えば、その仕事がある 程度の技能を習得するまで3年かかるのであれば、57歳という形の年齢制限を設けるこ とができるという規定になっています。これが新しい省令では、60歳という形になると いう点で違いがあります。これは確かに、技能の習得が3年かかるという面はあります が、一方で、明日からすぐ即戦力ということで使える方が応募する可能性はあるわけで す。そういったことを考えれば、必ずしも3年間は必要ないということで、年齢制限の 上限としては、定年の年齢として定めているものです。いずれにしても、現行の年齢指 針がどう変わったのかということも含めて、十分周知を進めていきたいと思います。 ○若年者雇用対策室長 青少年の指針の関係で、ご指摘のところはもっともだと思いま すが、今回の若者対策については、今までは法令的な根拠もない中でやってきた部分も あり、努力義務、今回の指針で制度化したということですので、まずもって第一歩とい うところですので、ご意見を踏まえて今後の対応を考えていきたいと思います。 ○外国人雇用対策課長 外国人の指針の関係で2点ほどいただいております。まず、脱 退一時金の問題については、制度を適正に運用していくという観点から、現状はこうな っていることについては、一定のご理解をいただきまして大変ありがたく思っておりま す。  ただ、そうは申しましても、権利行使をするに当たっての便宜という観点も重要です。 今回、ご発言があったことは、そういった趣旨として担当局、年金局のほうに伝えたい と思います。  2つ目の「生活指導」という言葉に対する違和感については、確かに風紀委員という か、高校・中学における生活指導とは、これは明らかに違うものです。ただし、最近の 外国人が定住化しており、生活者としての側面が強調されているという点から、やはり、 生活にいかに早く溶け込んでいただくかということは、労働者としての外国人という側 面から見て も重要であろう。そういう意味で、「生活」という言葉を使わせていただいていますの で、他に適切な言葉があればいいのですが、そういう意味の言葉としてご理解いただけ ればと思います。 ○参事官 雇用開発促進法の3年及び1年ということで、この要件が厳しいのではないか ということでしたが、これについては今後ご意見を踏まえて、検討していきたいと思い ます。ただ、従来は4つに地域が分かれていましたが、新しい法律にするときに2つの地 域に再編するという議論の中で、特に雇用の情勢が厳しい地域という条件で新しい地域 を作ったものですから、3年及び1年ということに今のところなっています。 ○川本委員 私から2点ばかり意見を申し上げます。1つ目は、21頁の募集、採用にかか わる年齢制限禁止の例外事項のうちの1つにつきまして定めがあります。  特定一部の事業所において、30歳から49歳までの範囲内において、5歳・10歳刻みでと いうことで、前後幅を比べるという話です。この中で「2分の1以下」という記述があり ます。これは中小企業を配慮していただいて、「未満」から「以下」と表現していただ いたわけです。そうは申し上げても、実は、これが合理的な基準かどうかというのは、 非常に判断が難しいわけです。したがって、施行後にその状況を見ていただいて、何か 問題が生じるようであれば、改めて見直しの議論をすべきではないかと思っています。  2点目は、外国人の雇用状況報告についてです。雇用保険の被保険者でない場合の外 国人労働者の雇用状況の届出というのは、今回の法改正に基づいて新たに届出、手続が 発生します。したがって、施行に当たって、届出書類への記入や提出方法の面で、企業 実務に過度の負担にならないように、是非、ご配慮をいただきたいと思います。 ○徳茂委員 質問が1点と要望が1点あります。青少年の雇用機会の指針、外国人労働 者の指針の2つについて、これは教えていただきたいのですが、前提として努力義務で あるという範囲の中で、「講ずるべき措置について定めた」とありますが、それぞれの 措置の中身の語尾が、言葉尻を取るようで大変恐縮ですが、「努めること」、「明示す ること」、「設定すること」、「検討すること」、「留意すること」とありまして、こ れは努力の具合について語尾の違いで、努力の段階に違いがあるのかどうか、ご説明い ただけたらありがたいです。  あるのかなと思いまして、あるという前提で外国人の雇用管理の指針を見て、先ほど のご説明で新しく補強されたと伺ったと思いますが、24頁の三「安全衛生の確保」の2 「労働災害防止のための日本語教育」、3「労働災害防止に関する標識、掲示等」につい て、労災防止は大変重要と思いますし、場合によっては命にもかかわることですので、 本当に十分な理解をいただく必要があると思います。しかし、そこが「努めること」と なっており、もしランクがあるとすれば、言い切り型の措置を明確にとるような指針に していただくことはできないのか。今日無理でも、再検討していただく機会があるのか どうかについてお伺いします。 ○石井委員 募集及び採用における年齢に関係ないという話ですが、事業主は非常に良 い人材を求めようとして募集をするわけです。そのときに、年齢制限がないということ になれば拡大するわけですので、多くの人たちが仮に応募するとすれば、面接に時間が かかりますし、零細・中小企業のジャンルですが、非常に事務コストがかかってしまう。 ですから、そういうことを避けるためには、いわゆるミスマッチを防ぐためにはどうし たらいいのかということです。10頁の(二)、募集内容、募集資格、職務の内容を、労 働者の適性、能力、経験、技能の程度を詳しくうまく表現できれば、ミスマッチがない。 企業側が求めている人間が応募してきてくれる。それは非常にスムーズですが、果たし てどうやってそのように募集したらいいのかということになると、中小企業、あるいは 零細企業になるとなかなか知恵がないですから。ハローワークがどの程度、いろいろ面 倒を見てくれるのか、指導してくれるのか、そういうものを大いに期待したいと思いま す。なるべくミスマッチのないようにしなければいけないと思います。  外国人労働者の件ですが、今回、生年月日、性別、国籍、住所、いろいろな項目にわ たって届出をしなければいけない。しかも、適正でない、ペナルティーがあるという話 ですので、当然、そういう決定をされているのでやっていかなければいけないわけです。 ただ、8頁の(イ)、雇い入れたら翌月の10日までにとか、離職したら翌日から起算し て10日以内とか、かなり厳しい規定があるわけです。短期間の間にハローワークに行か なければいけないということになるわけですので、この辺はもう少し余裕をもって届出 ができるようにしていただくと、事務コストといいますか、そういう経費がかからない、 余計なコストがかからないということで、この辺はもう少し寛大にしてもらうべきでは ないかと思います。以上です。 ○企画課長 まず、年齢制限の関係で川本委員と石井委員からご意見をいただいた点で す。1点目は、告示の2分の1という数字です。これは部会でもご議論をいただきました が、私どもは2分の1という数字自体に、2分の1では困るが、例えば3分の2だとオーケー だというような、実証的なデータに基づく数字ではありません。ご指摘がありましたよ うに、施行状況を十分注意していきたいと思います。  また、石井委員からのご指摘の点も、同じく部会でもご意見をいただいた点です。先 ほど周知の点を申し上げましたが、これは例外事項、当たる、当たらないという点と合 わせて、年齢不問で求人を出す場合、職務の内容をどのように書いたらわかりやすいの か、そういった点も含めて、周知を進めていきたいと思います。以上です。 ○外国人雇用対策課長 外国人の関係でご意見をいただいた点ですが、まず、指針の言 葉遣いに使い分けがあるのかということです。もともと努力義務に対応して、事業主が 講ずべき、対処すべき指針ということですが、この中には、例えば労働基準法のような 法定労働条件を定めたようなものもあり、そういったものについては義務としてやって いただく趣旨から、「何々すること」という表現にしています。その法定労働条件にか かわるような部分、例えば、23頁の「適正な労働条件の確保」に書いてあります「均等 待遇。労働者の国籍を理由として、・・・その他の労働条件について、差別的取扱いを してはならないこと」。これは労働基準法3条に明記してあることをそのまま書いてあ り、こういうことで言い切り型になっているわけです。こういった部分は、この指針に 書いてある、ないにかかわらず、監督官が来るということです。そういうものと、この 指針に基づいて指導させていただくという物事と、ややそこは法律上の位置づけが違う ものですので、言葉遣いを分けています。「努めること」となっているものについても、 それは当然この指針に基づいてやっていただいた上で、不十分な点があればハローワー クが行ったときに、こういったことについて改めて周知・啓発するわけですし、必要に 応じて監督署のほうから、きちんと、外国人であっても労災の問題について不十分な対 応のないようにお願いしたいということになるわけですので、言葉の使い分けはあくま でも法律上のそれぞれの根拠の違いに基づくものであることを前提に、全体としてご理 解をいただければと思います。  使用者側の川本委員、石井委員からいただいた届出事項について、使用者側の負担と いうものを軽減してもらいたい、余計なコストがかからないようにしてもらいたいとい うお話ですが、その点につきましては、建議をいただいた段階から一貫してそのような ご要望をいただいているわけです。その趣旨で、今回も配慮した内容として提示してお ります。例えば、被保険者にならない者であっても、新たに届出をしていただくことに なるわけですが、雇入れ、離職という行為が、例えば届け出ていただく期間の中に両方 来るような場合、あるいはそういう行為が何回も重なるような場合についても、まとめ て1枚の様式で出していただけるように、また、それは電子申請も可能なように考えて お諮りしております。  ハローワークに足を運ぶのは大変だというのは確かにそうですが、必ずしもハローワ ークに足を運ぶことを必然としているわけではないのです。是非、こういった入管法に 基づくルールとして、このような合法な労働者を雇うに当たって、資格を確認していた だくことについては、使用者側の責務としてご理解いただき、最低限の負担としてこう いったこともお願いしたいと考えております。 ○高齢・障害者雇用対策部長 補足しますが、雇用保険の被保険者資格の得喪届が、離 職の場合10日以内となっていますので、そちらのほうはそれと同じということです。こ れができたからもう1回行くことになるというわけではなく、被保険者届と合わせて、 逆にその期限になるということでご理解をいただければと思います。 ○高齢・障害者雇用対策部長 辞めた場合には、とにかく10日以内に被保険者の資格喪 失届を出していただかなければいけませんので、逆にそれと合わせてあるということで す。 ○石井委員 それはそうですが、いままで以上に何回か行かなければいけないというこ とは。 ○高齢・障害者雇用対策部長 同じ紙に書いて出していただくので、来ていただく回数 は変わらないのです。 ○石井委員 なるべく負担がかからないように是非。会社というのは大企業もあります が、中小企業もありますし、零細企業もありますので、経済コストから考えますと、な るべく負担がかからないことがベストです。 ○成瀬委員 非常に細かい点で恐縮です。先ほど私からの要望に対して、外国人の指針 ですが、何かいい言葉があれば、逆に教えていただきたいという説明でしたので、例え ば「生活支援」とか「生活習慣、文化等の理解促進」などの表現がよろしいのではない でしょうか。 ○総務課長 今回は、このような内容で部会でご議論をいただいて整理させていただき まして、いまのご意見を参考にさせていただいて、今後考えていきたいと思います。 ○大橋分科会長 外国人でも程度がありまして、全く日本のことを知らない人と、ある 程度知っている人がいまして、これは知らない人に対しては指導でいいと思うのですが。 いろいろとタイプがある中では、指導のほうがいいと思います。他にご意見がないよう ですので、当分科会として労働政策審議会に対して、諮問案は妥当である旨報告したい と思いますがよろしいですか。 (異議なし) ○大橋分科会長 ありがとうございました。それでは報告文(案)の配布をお願いしま す。 (報告文(案)配布) ○大橋分科会長 お手元の報告文(案)により、労働政策審議会長あて、報告すること としてよろしいですか。 (異議なし) ○大橋分科会長 それでは、そのようにさせていただきます。なお、今回諮問されまし た、地域雇用開発促進法関係の省令の一部については、職業能力開発関係の助成金の改 正が含まれています。したがいまして、その部分については、7月24日(火)に開催さ れる職業能力開発分科会に諮問されることとなっております。したがいまして、労働政 策審議会としての答申は24日以降になると見込まれます。  ご案内状には、議題として「その他」とありましたが、これは分科会運営規程の改正 についてです。事務局よりご説明をお願いします。 ○総務課長 お手元の資料No.3、「労働政策審議会職業安定分科会運営規程の一部を改正 する規程案について」ということです。具体的な内容については、3頁に規程の別表が付 いています。規程の別表には、各部会の審議事項について整理しております。いちばん 右が雇用対策基本問題部会です。まず、所掌事務が書いてあります。失業の予防及び再 就職の促進対策の在り方に関し必要な調査審議をすること等、所掌事務が並んでいます。  その下の「専決事項」は、部会でご議論をいただけば、分科会にかける必要がなく、 分科会が省略できるといったものです。その冒頭に、従来、地域法に基づいて4つの地 域がありましたが、その4つの地域について計画を作っていただいたときに、雇用対策 基本問題部会でご議論をいただくことになっておりました。ところが、地域法の改正に 伴って、こういった計画については地方の審議会で対応するということで仕切りがつき ましたので、専決事項の内容から形式的に除いたものです。  そういうこともございまして、1頁、1の「趣旨」のところですが、「雇用対策法及び 地域雇用開発促進法の一部を改正する法律による改正により、地域雇用開発促進法に基 づき都道府県等が策定する個々の計画に対する厚生労働大臣の同意については、地方労 働審議会には引き続き付議することとしつつ、労働政策審議会への付議は不要としたと ころ。これに伴い、計画の同意について、労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本 問題部会の専決事項として規定している労働政策議会職業安定分科会運営規程を改正す ることとする」。  内容は2です。施行については8月4日を想定しています。以上です。 ○大橋分科会長 何かご質問はありますか。それでは本件につきましては、事務局説明 のとおり改正することといたします。  その他、報告事項が1つありますので、事務局から説明をお願いします。 ○公共職業安定運営企画室長 資料No.4、「ハローワーク関係業務の平成19年度目標設 定について」です。ハローワーク関係業務の目標管理につきましては、平成16年度から 全国目標を定め、平成18年度からは地方の計画策定項目ということで、全国だけではな くて、労働局・安定所ごとに目標を設定して、それをPDCAサイクルによって管理すると いうことで、業務運営に取り組んでいます。  平成19年度については、平成18年度に引き続いて地方計画策定項目について労働局・ 安定所ごとに目標を設定して管理していきます。それと、それ以外の全国目標を掲げて、 達成状況に応じて労働局・安定所を本省が指導するということで、2つに分けて設定し ています。  資料に移ります。まず、地方計画策定項目。労働局・安定所ごとに目標を設定して、 運営を管理していく項目として2点あります。  1点目は1の「ハローワークの就職率」です。平成17年度の実績は31.6%ということで、 それを踏まえて、平成18年度の目標は32.0%程度を設定しました。結果、平成18年度の 実績は32.4%ということで目標は達成されております。ただ、今年度は更に昨年度実績 を上回る目標ということで、33%以上を目標に取り組んでいくことにしております。  雇用保険受給資格者のうち早期再就職者の割合についてということを、2点目の地方 計画策定項目として設定しています。これについては、雇用保険受給資格者について、 的確な基本手当の支給と、相談・職業紹介をハローワークで一体的に実施して、それに よって雇用のセーフティネットたる雇用保険財政の健全な運営を確保して、その十分な 機能を図るために目標を設定しています。これについては、平成17年度の実績14.0%を 踏まえて、平成18年度については16%としております。平成18年度の結果については、 平成17年度は超えていますが、目標そのものは届かず15.1%という結果になっておりま す。  今年度については、算定方法を変えて、従来、再就職手当の受給者だけを対象にした 算定方法にしていましたが、再就職手当を受給していないけれども、安定所の紹介で早 期再就職をした者や、積極的な情報提供によって、早期再就職が実現した者等も対象に した形で、すなわち再就職手当の受給の有無にかかわらず、所定給付日数を3分の2以上 残して再就職した件数を計上する形に算定方法を変えております。その結果、昨年度の 目標である16%に相当する割合としては29%強になりますが、それを上回る30%を新し い目標にしております。  2頁の「その他の目標設定項目について」は、主だった所だけ説明いたします。1つ目 は、「障害者の就職件数」についてです。これについては、平成18年度の目標が対前年 度2,500件の増ということで、これが雇用率達成指導の強化や、相談窓口におけるきめ 細かな職業相談等を徹底したことによって、実績については4万3,987人になって、目標 を上回ることができたということです。  平成19年度については、新規求職申込件数の延びを踏まえて、対前年度3,500件の増 加、4万7,487件相当を目標として、関係機関とのチーム支援等、さらに対策を強化し ていくことにしております。  「フリーターの常用雇用者数」については、平成18年度よりフリーターの25万人常用 雇用化を目指した対策を実施しています。そのうち12.7万人分をハローワークにおける 常用就職支援事業の目標として掲げています。特に担当制によるきめ細かな支援に努め た結果もありますが、その倍近い24.8万人ということで、全体としては35.1万人の達成 ができた次第です。今年度については、今はだいぶフリーターの数は減ってきておりま すが、就職させることが非常に難しい年長フリーターに重点を置く形にした対策を実施 することもあり、18.5万人ということで目標を設定しております。  4頁の6で、「若年者・中高年齢者・障害者・季節労働者トライアル開始者数、常用雇 用移行率」を挙げております。上の3つの若年者・中高年齢者・障害者については既に やっている事業ですが、これに加えて、新たに季節労働者のトライアル雇用の支援事業 が開始されることになりましたので、これを新たな目標管理の指標として設定すること にしました。  6頁の10番、「65歳定年企業等の割合」については、65歳以上の定年企業等の割合につ いては、昨年末に策定した再チャレンジ支援総合プランの中で、平成22年度までに50% という長期的な目標を掲げています。この目標を達成するために、まず中間段階として、 平成20年の高年齢者雇用状況報告で42%以上とする目標を設定することにしております。  平成19年度においては、以上の目標管理指標でもって、これを目標にして業務運営に 取り組んでいく所存です。以上です。 ○大橋分科会長 この件につきましては報告ということですので、質疑はございません が、大変面白いデータが載っておりまして、興味をそそられるのですが、以上で予定さ れた議題はすべて終了です。その他、何かご意見がありましたらお出しください。 ○職業安定局長 最後になりますが一言ご挨拶を申し上げます。本日は大変お忙しい中 をお集まりいただきまして、改正雇用保険法及び改正雇用対策法、改正地域雇用開発促 進法、それぞれの施行に向けた関係政省令等につきましてご審議をいただきました。ま た、答申としておまとめをいただいたわけで、改めて皆様方にお礼を申し上げます。  今後、施行に当たりまして、当分科会におきましていただいたご意見等も踏まえ、ま た、関係の地方公共団体、あるいは事業主団体等からもご協力をいただきながら、改正 法が十分実効を上げることができますよう、改正内容の周知はもとよりですが、事業主 に対する適切な指導・援助等々、その施行に万全を期してまいりたいと考えております。 今後とも各委員におかれましては、引き続き職業安定行政の推進に当たりまして、ご協 力、またご理解を賜ることをお願い申し上げ、お礼のご挨拶に代えさせていただきます。 どうもありがとうございました。 ○大橋分科会長 これで本日の分科会を終了いたします。 (署名委員指名) どうもありがとうございました。 (照会窓口)                        厚生労働省職業安定局総務課総務係 TEL:03-5253-1111(内線 5711)