07/07/20 独立行政法人評価委員会年金部会議事録掲載 第13回 独立行政法人評価委員会 年金部会 日時 平成19年7月20日(金)13:00〜 場所 厚生労働省共用第8会議室 〇政策評価官  定刻になりましたので、ただいまから第13回独立行政法人評価委員会年金部会を開 催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、 まことにありがとうございます。  独立行政法人評価委員会は、6月30日付で一部新たな委員にも入っていただき、新 たなサイクルに入ったということでございまして、本日、部会長を御選出いただくまで の間は、政策評価官でございます私が議事の進行を務めさせていただきます。よろしく お願いいたします。  それでは、初めに委員の先生方の御紹介をさせていただきます。50音順でございます。 お配りしております資料の1−1というものに委員名簿がございます。こちらに沿いま して御紹介を申し上げます。  正委員でございます川北英隆委員でございます。新任でございます。  佐野慶子委員ですが本日は御欠席ということでございます。  竹原均委員でございます。新任でございます。  山口修委員でございます。  臨時委員でございます。遅れてこられますが安達茂夫委員でございます。  大野早苗委員でございます。  光多長温委員でございます。 では、議事に入らせていただきます。  お手元にお配りをしています議事次第の順でございます。まず、当部会の部会長の選 出をお願い申し上げます。  厚生労働省の独立行政法人評価委員会の設置政令におきましては、部会長は「委員の 互選により選任する」こととなっております。どなたか御推薦いただければ幸いに存じ ます。 〇大野委員  年金分野全般にわたって幅広い御見識をお持ちで、当年金部会成立時以来、年金部会 の委員として御活躍いただいている山口委員が部会長として適任と思いますので、御推 薦申し上げたいと思います。 〇政策評価官  ありがとうございます。山口委員を部会長にという御推薦がございましたが、よろし いでしょうか。山口先生お引き受けいただけますでしょうか。  では、山口委員に当部会の部会長をお願いいたしたいと思います。以降の議事進行に つきましては、山口部会長にお願いを申し上げます。 〇山口部会長  よろしくお願いいたします。まず初めに、部会長代理を決めさせていただきたいと思 います。部会長代理につきましては、「部会長に事故があるときは、部会長があらかじめ 指名するものがその職務を代理する」こととなっております。  財務省の国有財産分科会の委員及び私学共済の資産運用検討委員会の委員でもあり、 資産処分及び資産運用に関する御見識の高い川北委員に、部会長代理をお願いしたいと 存じます。よろしいでしょうか。   〇川北委員  では、微力ながら部会長代理を務めさせていただきたいと思います。よろしくお願い いたします。 〇山口部会長  では、川北委員に部会長代理をお願いすることといたします。よろしくお願いいたし ます。  次の議事に移らせていただきます。さる7月4日に第18回独立行政法人評価委員会 総会が開催されましたが、そこでの決定事項等につきまして、事務局から御説明をお願 いいたします。 〇政策評価官  お手元にお配りしております。資料1−2、参考1、参考2というものをつかいまし て御説明を申し上げます。  本委員会につきましては、6月30日付で一部新たな委員に御就任いただくというこ とで、新たな体制で発足ということでございます。早速、7月4日に全体の総会を開か せていただきまして、この評価委員会の部会の構成及び今後の進め方等について、御説 明を申し上げ御了承をいただいたということでございます。  まず、資料1−2でございます。総会におきましては、委員会の部会構成を従前どお りに計6部会という形で設置し、それぞれの部会で担当していただく法人も、従来どお りに当てはめるということをお決めいただきました。  それとともに全体の総会につきましては、労働部会の井原委員を委員長に、国立病院 部会の猿田委員を委員長代理、ということで御選出をいただいたということでございま す。そして委員の先生方の分属につきましても、この表にあるような形でお願いをする、 ということになったところでございます。  参考1、参考2で御説明をいたします。今後の独立行政法人評価委員会の進め方とい うことでございます。参考1でございます。  これは骨太の方針と呼ばれているものでございます。関係部分を抜粋したものでござ います。「4.公務員制度改革」からはじまっておりますが、具体的には、2ページにご ざいます。「5.独立行政法人等の改革」ということで、このような形で行っていくのだ ということを、先月の19日に閣議決定をしたというものでございます。  読み上げる形で御紹介いたします。政府が果たすべき機能の見直しの第一弾として、 独立行政法人の改革を行う。現行の独立行政法人が制度本来の目的にかなっているか、 制度創設後の様々な改革と整合的なものとなっているか等について、原点に立ち返って 見直す。ということが書かれております。改革のポイントにつきましては、すべての独 立行政法人、政府全体で101ございますが、それについて民営化や民間委託の是非を検 討し、整理合理化計画を策定する。という形になってございます。  具体的な手段として、3原則というものが掲げられております。3ページでございま す。これは経済財政諮問会議の民間委員のほうから提出されたペーパーに基づいて、原 則1〜3までが定められていると理解しております。  「行政改革推進本部」は、総務省と連携して、次の原則に基づき、101全法人を対象に 見直しを行う。行革推進本部は、総理大臣を長として閣僚全員で構成されているもので ございます。総務省と連携してということでございますが、総務省は政策評価・独立行 政法人評価委員会というものを所管しておりまして、独立行政法人制度の全般の制度面 を所管している省庁ということでございますので、行革本部は総務省と連携して見直し をおこなう。  原則1 「官から民へ」という原則です。民間にゆだねた場合には実施されない恐れ のある法人や事務・事業に限定する。それ以外は、民営化・廃止・民間委託等をやる。  原則2 競争原則です。法人による業務独占については民間開放できない法人・事務・ 事業に限定する。それ以外は、民営化・廃止・民間委託等を行う。  原則3 整合性原則です。ここに一緒につけさせていただいておりますが、公務員制 度改革、政策金融改革、随契の見直し、資産債務改革等との整合性を確保する。という 形になっているところでございます。  (2)「独立行政法人整理合理化計画」の策定、というところでございます。こうした 見直しの結果を踏まえ、年内を目途に「整理合理化計画」を策定する、という形になっ ております。  (3)独立行政法人の不断の見直しということで、存続する法人については、すべての事 務・事業について市場化テスト導入の検討対象とする、ということになっております。  ポイントはこの具体的な進め方でございます。(4)見直しの進め方です。  (1)に書いてございますが、(1)の3原則を踏まえ、政府としての計画の具体的な策定方 針を速やかに決定し、各主務大臣はその方針に沿って所管する全法人について整理合理 化案を8月末を目途に策定する、という形になっているわけでございます。  この政府としての策定方針については、現在のところはまだ策定されていないという 認識をしております。基本的には内閣官房なり総務省のほうで策定方針というものを策 定し、各省にお示しになられるものと思っております。  こういう整理合理化案を全法人について、8月末を目途に各省がまず策定する。これ にあわせ、これはルーティンでございますが、中期目標期間終了時の組織業務の見直し については、平成19年度は全政府で23法人が対象になっておりますが、来年度に見直 すこととなっている予定の12法人についても前倒しで対象とする、という形になって おります。  この8月末に各省からでてきた整理合理化案については、「行政減量・効率化有識者会 議」、これは先ほど御説明しました行政改革推進本部の下に置かれている外部有識者から なる会議でございますが、そこと総務省の「政策評価・独立行政法人評価委員会」、さら には内閣府に置かれている諸々の会議とが連携を図りつつ、有識者会議において議論を 集約した上で、本年内を目途に行革本部において整理合理化の内容をとりまとめ、政府 としての整理合理化計画を策定する、という形になっているということでございます。  そういうことを踏まえて参考2でございます。今後のスケジュールでございます。  6月に新たな委員の任命、7月4日には総会、その後、各部会においてルーティンと しての毎年度の実績評価を行っていただく、ということが8月にかけてのお願いでござ います。  8月に入りましたら、昨年度中期計画期間が満了した法人、さらには今年度満了する であろう法人について、最終評価や暫定評価を行うということでございます。  それとともに、本年度中期計画期間が満了するものについては、組織業務の見直しの 当初案を御審議いただく。これについては、来年度の部分も前倒しでやるという形にな るということでございます。  それとともに一方で、全法人を対象に整理合理化案を各省庁はまとめなければならな い、という形になってございます。  こうした流れの中で、それぞれの部会において毎年度の実績評価、最終評価なり暫定 評価、さらには組織業務の見直し当初案について御議論をいただき、8月末には2日間 にわたり総会でそれらの部会における審議結果というものを御報告申し上げ、組織業務 の見直し当初案を固めるということになります。  秋になりますと、私どもがとりまとめた見直し当初案を総務省に提出し、総務省では 政・独委において、改めてそれを踏まえて御議論をされた、見直し当初案を踏まえた見 直しの勧告の方向性というものがでてくる。それを踏まえて改めてまた部会で見直し案 について御審議をいただき、年末には、組織業務の見直し案というものをとりまとめて いただく、という段取りになっているところでございます。  本部会でお願いしている法人につきましては、この最終評価、暫定評価、組織業務の 見直し当初案の策定につきましては、農業者年金基金が対象になるわけですが、基本的 には、この法人は農林水産省が主な官庁でございますので、本部会におきましては、厚 生労働省所管業務についての御審議をいただく、ということにとどまるものかなと思っ ているところでございます。  今後のスケジュール等については以上でございます。 〇山口部会長  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御質問等がございました らお願いをいたします。よろしいでしょうか。  では、次の議題に移ります。独立行政法人評価委員会年金部会の当面のスケジュール 等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。 〇政策評価官  A4横で資料2というものがございます。先ほど御説明申し上げた一連の流れの中で、 本年金部会におきましては、ここに示させていただいた形で、本日を含めて4回の部会 開催をお願いしたいと思っております。それぞれの法人の年度評価、農年基金の見直し というものを主な議題とし、4回に分けて御審議をいただくということでございます。  大変な夏の暑い盛りに御無理をお願いいたしますが、なにとぞよろしくお願いを申し 上げます。以上です。 〇山口部会長  なにか御質問ございますか。よろしいですか。  では次の議題に移ります。本日からの個別項目の評価の進め方につきまして、事務局 で資料を用意していただいておりますので、それの説明をお願いいたします。   〇政策評価官室長補佐  資料3−1、3−2をごらんください。当部会でございますが、本日御審議いただき ます農業者年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人、年金・健康保険福祉施設整理 機構の3法人を所管している部会でございます。  資料3−1及び3−2によりまして、本日御審議いただく年金・健康保険福祉施設整 理機構及び8月6日、次回ですが部会において御審議いただきます年金積立金管理運用 独立行政法人に係る個別評価の進め方と各法人の起草委員(案)について御説明いたし ます。  なお、農業者年金基金に係ります評価の進め方につきましては、別途、法人所管課か ら御説明する予定でございます。  資料3−1でございます。施設整理機構におきましては、平成17年10月の設立の法 人でございまして、昨年度はじめてこの部会で御評価をいただきました。管理運用法人 におきましては、昨年18年4月に設立をしました法人でございますので、業務の実績 の評価につきましては、今回はじめてこの部会におきまして御評価をいただくというこ とになります。  はじめに申し上げておきますが、本年度の評価におきましては、個別項目の評価につ きまして、説明時間等を従来より若干短く効率的に御説明することを予定しております ので、法人のほうもその辺をよろしくお願いしたいと思います。  審議にあたりまして、まず理事長から重点事項について御説明をいただきまして、そ の後に法人から御説明をしていただく、ということにしたいと思っております。  さらに法人からの説明終了後に、質疑応答を経ながら、評価シートの評点、コメント を御記入いただきたいということでございます。  実際の評価でございます。資料3−1の四角の枠の下にございます「判定基準」です。 評価段階としては、S・A・B・C・Dと5段階の評価を行っていただくことになりま す。  Sが中期計画を大幅に上回っている場合。  Aは中期計画を上回っている場合。  Bと申しますのが一般的で中期計画に概ね合致している場合ということでございます。  Cの場合は中期計画をやや下回っている。  Dとしては、中期計画を下回っており、大幅な改善が必要であるという場合。  こういう基準で採点をしていただくことになります。  今回、これとは別に机上配付をしている資料で、大変に恐縮ですが、机上配付資料を 御用意しております。昨年度、平成17年度の各法人の採点表を配付しておりますので、 これをあわせてごらんいただければと思っております。  具体的な進め方です。資料3−1の2枚目の別紙です。各グループにわけまして、法 人の説明、質疑と評価シートに評定をするコメントする、というものを繰り返して行い たいと思っております。  また、整理機構におきましては、評価項目の1〜3を1つのグループ。4〜8を1つ のグループ。9以降を最後に1つのグループ、という形で進めさせていただきたいと考 えているところでございます。  資料3−2でございます。こちらにつきましては年金部会の起草委員の名簿案という ものを示しております。  起草委員につきましては、留任いただいた委員の方につきましては、昨年度と同じ法 人を御担当いただきたいと考えております。また新任の委員につきましては、各委員の 御專門や御経験を踏まえまして案を作成しておりますので、この案でよろしいかどうか お決めいただきたいと思います。事務局からの説明は以上でございます。 〇山口部会長  今年度の個別評価につきまして、いま御説明がございました形で進めていきたいと思 います。起草委員の案を含めまして御了解いただけますでしょうか。はい、御了解いた だいたものとしたいと思います。  続きまして共管法人でございます農業者年金基金の評価について、所管課より説明を お願いいたします。 〇年金局企業年金国民年金基金課長  御説明いたします。年金局の企業年金国民年金基金課長でございます。A4縦の資料 4−1から4−6までの束がございます。この資料で御説明させていただきます。  真ん中ほどの資料4−4です。「独立行政法人農業者年金基金の概要について」という ことでございます。この法人の目的でございますが、農業者に係る二階部分の年金給付 を行う、ということが目的でございます。  「3.主な業務内容」というものがございます。実は、平成14年から年金給付の仕 組みが大きく変わっております。新制度と旧制度と別れております。ちなみに厚生労働 省の所管は旧制度に係る給付に関する事項ということでございます。  制度の具体的な内容です。資料4−4の5ページをお開きください。旧制度の年金で すが、農業者に係る二階部分の年金で(4)です。従来、旧制度については、賦課方式、世 代間の支えということで、年金給付が行われていた。大きく分けて二つの年金がござい ました。  (1)経営移譲年金、これは農業の後継者に移譲を行った人ということで、農業政策上の 観点から年金給付を行うという年金でございます。  (2)一般的な老齢年金です。この二つが主な内容です。  この旧制度につきましては、平成13年度で終わっておりまして、14年度から新制度 に移行ということでございます。  7ページです。「(6)経過措置」ということで、この旧制度の賦課方式については、非 常に財政が苦しいということで、経営移譲年金については、約10%弱の削減ということ で、全額国庫負担で賄われるということになっております。  また農業者年金、一般的老齢年金については、削減なしということで、これは保険料 財源、掛け金財源で賄うという仕組みでございます。  ちなみに、厚労省の所管ではございませんが、新制度につきましては、401K確定拠 出型の年金ということでスタートして、いま制度が運営されております。以上が制度の 概要でございます。  資料4−3でございます。農業者年金基金の業務に係る所管でございます。「1.所管」 とございます。主務省、一般的な業務運営に関する事項、新制度に係る事項については、 農林水産省の所管ということで、厚生労働省と農林水産省が共管になっておりますのは、 旧制度の給付に係る業務に関する事項、これに限られております。  独立行政法人の厚労省の評価委員会の役割ですが、業務方法書の認可。中期目標の制 定等については、共管ということで、所管部分についてはそれぞれ厚労省と農水省が評 価委員会に意見を聴取するという形になっております。今回議題になっている、実績の 評価に関する事項につきましては、基本的には農林水産省の評価委員会に意見を聞くと いうことで、農林水産省の評価委員会が意見を申し述べるにあたって、厚生労働省の評 価委員会の意見聴取をする、こういう形になっております。  つまり、農林水産省の評価委員会の意見聴取に対しまして、厚労省の評価委員会が意 見を申し述べる。こういう形でございます。  具体的な評価基準でございます。7ページです。基本的な評価項目はSからDまでと いう形については、先ほどの説明とほぼ同じです。評価基準そのものは、詳細にわたっ て農林水産省で策定したものに従って評価するということで、これから御説明するのは、 農林水産省の評価委員会で定めたものでございます。  評価の基本的考え方につきましては、1の(2)です。各事業年度の実績評価については、 別紙ということで、11ページに項目が載っております。大・中・小と3つの項目があり ます。この中の中項目を評価単位としまして、中項目の評価、それから中項目の評価を 踏まえた大項目の評価、大項目の評価をふまえた全体の評価。こういう3段階で行うと いう形になっております。  基本的には、採点基準というか評価基準はほぼそれぞれの段階で同じような形になっ ております。ちなみに、中項目の評価方法を御紹介します。7ページの下の2の(1)でご ざいます。  中項目の評価については、中項目に係る具体的な項目のうち最小のもの、小項目です が、小項目の評価結果を積み上げて評価するということで、達成度合いがaとされた小 項目が2点、bが1点でこれが標準、cが0点です。その項目数を2倍した数を基準と して3段階で行うということです。  8ページです。小項目の合計数値の割合が基準値の90%以上の場合にはA、50%以上 で90%未満も標準的な場合にはB、それ以下の場合にはCという評価基準でございます。  ちなみに、A項目のうち、特に良いという場合にはS評価、またC評価のうち要因を 分析し必要に応じてDとすることもできる、という形になっております。  基本的にはこういう形で、小項目をベースに中項目、中項目をベースに大、大をベー スに総合評価ということです。基本的にはこのような同じような基準で総合評価まで行 うという形になっております。以上が評価基準でございます。  最後にスケジュール等でございます。恐縮ですが4−2の1枚紙です。本日審議をい ただくということでございます。最終的に評価が農林水産省で行われますのは8月22 日ということです。逆算しますと8月の上旬には農林水産省の評価委員会で意見書の提 出が必要だということで、それまでに意見案の作成等の事務作業を行っていただく必要 があるということでございます。簡単ですが以上でございます。 〇山口部会長  ただいまの事務局の説明につきまして、御意見等がありましたらお願いいたします。 〇安達委員  意見案作成のために農業者年金の委員のあれを31日となっておりますね。これは今 日できるのですか。それとも別に。 〇山口部会長  それにつきましてはこの後に進めさせていただく中でまた御説明させていただきたい と思います。他に御意見はございますか。では、今の御説明は御了解いただいた、とい うことで進めていきたいと思います。  続きまして、農業者年金基金の平成18年度の業務実績に係る意見を各委員の皆様か らお伺いするに先立ちまして、事務局より御説明をお願いしたいと思います。この中で また御意見をいただければと思います。  まず、事務局より御説明をお願いします。 〇農業者年金基金企画調整室長  農業者年金基金の企画調整室長の高本でございます。よろしくお願いいたします。  お手元の資料4−6をごらんください。本来は実績報告を御説明してからということ でございますが、自己評価シートで御説明をいたします。共管部分は黒枠で囲っており ますので、その部分を中心に御説明いたします。  全体の概要というか参考までにということでございます。最初に経費の削減、1ペー ジの業務運営の効率化の中の「1.運営経費の抑制」というところで若干御説明します。  私どもの農業者年金基金の全体の運営経費がどのような形で削減されているのか、と いうことを御説明したいと思います。  大きくはこの運営経費は、一般管理費と事業費ということで別れております。当然な がら一般管理費は、人件費あるいはそれ以外の光熱費や事務所の借料が入っております。 それが18年度の年度計画で、予算対比で2.3%を削減するという年度計画を立ててござ います。事業費につきましては、システム開発等がございますので、大体前年同という ことで年度計画を立ててございました。  それで次の2ページをごらんください。具体的に数字が載ってございます。あわせて 40億円強でございます。予算対比で18年度は17年度に比べて2.3%、事業費も抑制を した。これは予算対比でございます。  ただ実際の決算、実績ベースでみますと、一般管理費は3%、事業費は3.1%を削減 したということで、参考として数字を載せてございます。予算対比でみますと計画どお りということになってございます。  人件費につきましては、他の独立行政法人と同じように、人件費を削減するというこ とで、トータル1.8%の削減をしました。計画では1.0%ということでございましたが、 それを1.8%です。2ページの真ん中に数字が載っております。17年度は754,840千円、 18年度は741,527千円で1.8%を削減したということでございます。中身につきまして は、国家公務員の構造改革にあわせて私どもの役職員の給与を下げたということ、3ペ ージにございますが、19年の1月からそれに加えて基金独自として役職員の給与を下げ ているということでございます。  評価の対象ではございませんが、御説明をさせていただきました。  3ページでございます。四角で囲っているところがございます。ここからは「2.業 務運営の効率化」という観点からの計画を立て、それの評価ということでございます。 電算システムの開発ということでございます。  ここはまず特例付加年金、これは新制度、現行の制度の中で保険料補助があるものに つきまして、一定の要件を満たす者に対して、保険料補助があるものにつきまして、特 例付加年金ということでございます。その特例付加年金につきまして、まだ制度が始ま って5年が過ぎたばかりでございますが、特例付加年金の裁定がそろそろ出てくるとい うことです。それにあわせてシステム開発をしたということでございます。  4ページです。「(2)電子情報提供システム」と書いてございます。私ども農業者年金基 金の実際の業務は、受給者あるいは被保険者が全国津々浦々にいらっしゃるということ です。農協あるいは農業委員会に業務を委託してございます。その業務の受託機関の方々 にとって業務の効率化ということで、そのためにこういうシステムの開発をしていると いうことでございます。  大きくはその3つございます。被保険者の名簿照会システム、例えば農協の窓口ある いは農業委員会の窓口で相談にこられたときに、この人はどのような納付状況になって いるのか、ということがすぐにわかるようなシステムが一つです。  年金がどのくらいになるのか、ということを聞かれる。そういう数字がすぐに出るよ うに、そういうシステムが二つ目のシステムです。それが年金試算システムです。  申出書作成支援システム、これにつきましてはいろいろと書類を書かないといけない。 そのときに例えば年金番号を入れれば、名前とか生年月日がすぐにプリントされるとい うシステムでございます。それがそれぞれ4ページの上にございますように、昨年の12 月には2システムが運用を開始し、今年の3月からは申出書作成支援システムが運用を 開始しているということです。  そういうことで評価指標にあわせてみれば、運用を開始しましたので「a」という評 価としました。  次の「セキュリティポリシーの実施状況の外部監査及び見直し」です。私どもの年金 でございますので、個人情報をたくさんもっているわけです。その意味で、セキュリテ ィポリシーというのはかなり重要だということでございますので、外部の評価というか、 外部の監査を実施するということも18年度においてやりましたし、それにあわせて私 どものセキュリティポリシー、これは実際には規定がございますが、その規定を見直し たということでございます。そういうことで評価は「a」評価となってございます。  続きまして6ページです。6ページからは業務運営の能力の向上というのが大きな目 標の中で、6ページからは、当基金の職員、都道府県段階あるいは市町村段階の担当の 方々、そういう方々の能力向上というか、そのために研修等を行うということを年度計 画の目標で定められております。  6ページは、まず「(1)基金の職員に対する研修」ということで、異動等がございまし たら新任の職員の研修、專門的な研修としまして、年金資産、これは新制度に係るもの でございますが、あとは経営移譲、あるいは経営継承、これは経営者年金あるいは特例 付加年金に係るものでございますが、それに係る研修を実施したということでございま す。aという評価をさせていただきました。  7ページです。これは「(1)都道府県段階の業務受託機関」に対するいろいろな研修と いうことでございます。これも年度計画に載せておりましたが、5月には全国に担当者 会議を開く。6月には都道府県段階の新任の研修の方の研修を行う。  8ページです。3にブロック会議と申し上げておりますが、全国を6つのブロックに 分けてそれぞれの県段階の担当に研修あるいは意見交換ということを行ってございます。 8ページの真ん中ですが、年度計画にも書いてはございますが、特例付加年金あるいは 資金運用に関する研修会も18年度は特に開催いたしました。そういうことで、計画ど おりに開催したということで、この項目は「a」ということにさせていただいておりま す。  8ページの下です。「(2)市町村段階の受託機関の方々に対してどうするのか」というこ とでございます。これは各県でいろいろと研修会等を行いますので、それに対して基金 から講師を派遣する。要請を受けて派遣するということをやってございます。18年度は 148件の依頼がございまして、それに対してすべて対応しましたが、そういうことで自 己評価としては「a」としました。  9ページです。「5.評価・点検の実施」です。これは運営評議会というものがござい まして、被保険者の方が8名、学識経験の方が10名、全部で18名の方に運営評議会の 委員になっていただいておりますが、その運営評議会を開いていろいろ御意見をいただ き、それを反映させるということでございます。9月と3月に開催をしております。  ここにでてくる意見というのは、現行制度に対する加入をもっとやったらいいのでは ないか、という御意見が多かったので、そういうことに対応して、そういう意見を踏ま えていろいろなPRに務める、あるいはダイレクトメールを出す、そういうことを実施 しました。そういうことで評価は「a」とさせていただいております。  あとは「(2)考査」でございます。9ページの下に考査がございます。これも私どもの 業務委託に対して業務委託費を配分しているわけでございますが、市町村段階でそうい う業務が適正に行われているかどうか、ということを考査指導ということで毎年させて いただいております。  全国の47県のうちの半分、2年に1回で考査をする、という基本的な考え方をして おりますが、18年度におきましては25県にお伺いして、そこの市町村段階の農協ある いは農業委員会にお邪魔して、考査指導をしたということでございます。そういうこと で計画どおりに考査を実施したということで「a」という評価をさせていただいており ます。  11ページです。ここの項目は国民に対する質のサービスの向上という項目です。下で す。1点目は、いろいろな手続きを迅速化しようということでございます。その中でい ろいろな申出書につきまして迅速に処理をしようということでございます。  12ページをごらんください。標準処理期間というものを私どもは定めております。そ れにつきましては例えば12ページの左から2番目の列に書いてございます。申出書は 60日、あるいは年金の裁定関係は90日ということでございます。その標準処理期間内 に処理したのか、ということを8月分と2月分につきまして調査をします。その目標の 97%以上を標準処理期間内に処理できるように、ということで計画を定めているわけで ございます。  12ページの右に表がございます。18年の8月と2月ということで、処理の%は98.1% ということでございます。目標が97%以上だということでございますので、それを割る と101%ということで、評価指標からみますと100%以上になっているということで 「a」という評価をさせていただいているところです。  次は不備申出書、そういうものにつきまして、記載もれとかあるいは添付書類がない とか、そういう不備がございます。そういう場合に私どもは返戻ということで、即日戻 しまして、また出していただくということをやっております。なるべくその返戻を無く していくという努力は、チェックシートもつくりながら返戻を少なくするということを 目標に掲げ、計画に掲げております。一応、来たものに対しては即日に返戻し、いろい ろと返戻が少なくなるような指導等を行った、ということで「a」という評価をさせて いただいております。  12ページの一番下です。これは標準処理期間での処理につきまして、しっかりとホー ムページで公表し、それを業務受託機関に対して指導し、働きかけを行ったかどうかと いうことでございます。これも計画通り行いましたので「a」という評価をさせていた だきました。  以上、一応は黒枠で囲って共管の点につきまして御説明をさせていただきました。よ ろしくお願いいたします。 〇山口部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の説明につきまして、特に共管部分は太 線で囲ってあったところでございます。これにつきまして御意見御質問等がございまし たらお願いいたします。 〇安達委員  概ね金額をきちんとクリアされておりますので、その意味では大変に評価できると思 います。全体的な農業者年金そのものについてはまた別ですから、共管部分ということ ですので、この評価に私も同意できます。 〇光多委員  この囲ったところの共管部分については、ここでも評価する作業をするわけですね。 そういう前提でいきますと、この情報量があまりにも限られているので、我々はどう考 えればいいのかと思います。  例えば、職員の研修を行った、というのは外形基準ですが、本当にそれが効果があっ たのかどうか、という形が本当は評価の基準だと思います。それから、要請があったと ころに対してどれだけ派遣したのか、これでいくと100%を依頼に対して対応したとい うことですが、この派遣の依頼が本当にそれだけこの基金が評価されて、それだけ依頼 がたくさんきたのかどうか、逆にいうと閑古鳥が鳴いて依頼が来なかったら、逆に評価 が上がるということになるかもしれない。これでいくと、どうも情報量が不足していて、 この数字でいくとこの形があって、外形的にはだから達成されたということでしょうが、 正直いってこれで実際に責任をもって評価しろというのは、かなり難しいのではないで しょうか。  もう一つ、先ほどの突合のところは、これは評価対象外ということでよろしいのです ね。被保険者の整合のところは評価対象外ですね。 〇山口部会長  それはフレームワークの外です。昨今非常に問題になっていることの年金記録の関係 で、いろいろと問題になっておりますので、その辺の状況についても事務局から、フレ ームワーク外ですが、もし可能であれば御説明いただければありがたいと思います。 〇農業者年金基金業務部長  業務部長の峯村と申します。いまの件につきまして御説明させていただきます。10ペ ージの後半からということです。突合、被保険者資格の適正な管理ということで、項目 があげてございます。農業者年金の資格につきましては、国民年金の1号資格を持って いる方々に加入資格がある、ということになっているわけでございます。当然、農業者 の方々は、出稼ぎ等で国民年金の2号に変わったり、また1号に戻ったりする。そうい う出入りがありますので、そういう場合には被保険者の方からきちんとした届出をして、 資格が途切れないようにしていただくという形になっているわけですが、なかなかそう いう点についてきちんと出されない方もいるのではないかということで、年に2回、5 月と11月に社会保険業務センターの国民年金に係わる被験者記録と私どもの農業者年 金の被保険者記録を突合しまして、不突合のあった方に対して、リスト作成をしまして、 そのリストに基づき、被保険者の方に対する指導を、受託機関のほうから、受託機関と いうのは農業委員会JAになるわけですが、そこから指導して資格の届出をきちんと出 していただくということをしているわけです。  昨年度、5月の突合で4,443人の方が不整合、被保険者である対象者81,025人のう ちの4,443名が不整合であった。11月の段階で4,117名が不整合であったという結果が 出ております。そのうち、5月の不整合者4,443名のうち、11月においても引続き不整 合という結果になってしまった方々が3,161名ということで、人数的には1,200名ほど 減少しております。3,000名ほどの方が不整合という結果になるということでございま す。  私どもとしては、評価の指標として、3割以上の減少率ということを評価指標で示さ れておりますので、それに則しますと、減少率が28.9%ということでございますので 「b」という評価をこの部分につきましてはいただいたということでございます。  この不整合の内訳です。そこにも特記事項ということで書いてございますが、加入年 月日の違いなどの資格記録の不整合、加入番号間違いや国民年金付加保険料の記録など があるわけですが、国民年金の付加保険料については、農業者年金の適切な給付に影響 を及ぼすことはない、ということから評価にあたって付加保険料に係わる不整合につい ては、除外をする、ということで除外をして不整合者を出したのは下の欄でございます。 それが27.6%という減少率になっているということでございます。   〇農業者年金基金企画調整室長  例えば、研修ということで市町村の派遣のことで情報量が少ないということでござい ましたが、昨年は114件で148名を派遣しております。その意味では今年は148件の要 請でございます。その意味では増えているということでございます。その辺の情報量に つきましては、これから検討させていただきたいと思います。 〇光多委員  本来は、対応率ではなくどのくらいの要請があったのか、という件数のほうがと思い ます。 〇農業者年金基金企画調整室長  要請が来たものについては、全部対応しているということでございます。本当に要請 があったものについて、例えば、ある県からこういう人間を派遣してくれということに つきまして、要請があったのは148件でございまして、それについてすべて対応してい るということでございます。 〇安達委員  これは評価外の質問になります。いま加入者はどのくらい増えておりますか。81,000 件とおっしゃいましたが、当初は70,000件ちょっとだったと思います。進捗状況はど うでしょうか。 〇農業者年金基金企画調整室長  お答えします。新しい制度が平成14年1月から始まっております。その際に加入者 は77,000人くらいでした。最近の状況は、約85,000人に増えております。平成15・ 16・17と大体の新規加入が1,600人程度でございました。それが18年度は2,300人で 4割増し、ということで加入者は増えてきております。原因としては、旧制度の年金を カットした、ということで非常に旧制度のイメージというか不信感がなかなか抜けきれ なかったということでございましたが、最近ようやくそういうことも薄らいできたのか なと思います。あとは私ども年金以外の農業者年金以外の年金については、いろいろと 世間的にも関心を持たれてきたのではないか、ということで増えてきているのではない かと思っております。 〇川北部会長代理  12ページの申出書等の迅速な処理ということで、中期目標に関して、例えば加入の申 出書の処理を60日以内にするという、それ以外にも60日もしくは90日という期間が 設定されている。それに対する達成率は全体で98%ということですが、一般の感覚から すると、加入申出があって2カ月係るというのは、少し長いような感じがします。  逆に、この処理の日数がほとんど達成されているというのであれば、むしろ中期計画 のところを、例えばシステム対応とかを努力されて進められているということであれば、 中期の途中であっても、この申出書の処理の計画日数を短いほうに改定されるとか、そ ういうことは考えられているのかどうか教えてください。 〇農業者年金基金業務部長  お答えさせていただきます。処理期間、加入関係の申出書等につきましては60日、 裁定に関しては90日という日数を設定させていただき、それ以内で処理をするという 形になってございます。時間を要しているという部分につきましては、ただ裁定請求書 の例をあげますと、私どもで裁定請求書をあげる際に受託機関を2か所通って基金のほ うに送られてくる、という形になっております。裁定請求書の受付窓口がJAになるわ けでございます。そこで金融機関としての立場、氏名とかの基本的な情報と、振込先と か、そういう関係のチェックをした後に、そこから農業委員会、各市町村に置かれてい るわけですが、そこの行政機関である農業機関に送られます。例えば農地に係わる年金、 経営移譲年金とか特例付加年金があるわけですが、農地に係わる審査というものを十分 にした上で私どものほうに送ってくる。そういう点での日数がどうしてもかかってしま う、という部分があろうかと思います。  また基金の場合、我々基金の本部で資格の決定と裁定の決定は基金で行う。法律上で 明定されておりまして、私どものほうで行っているわけです。その基金での決定の処理 の流れがバッチ処理になっている。いろいろなシステムの手直し等は今後の課題という ことになるわけですが、処理のタイミングによって、どうしても30日前後のずれが生 じる。早く来たものと日数がちょっとずれると30日を終えた形で処理が行われる、そ ういう部分で日数をとられるという部分がございます。  いずれにしても、業務受託機関での処理というものを迅速していきたいということ、 事務処理能力を高めて、一層の迅速化を図りたいということもございます。  システムに関しても、今後、将来的には処理をできれば効率化できる形で考えて、今 の例えば標準処理期間についても、今後、どのような形にしていくのかということにつ いて検討していかないといけないと認識しております。   〇川北部会長代理  バッチ処理というのは月に一回ということですか。 〇農業者年金基金業務部長  そういうことでございます。 〇山口部会長  ほかに御意見御質問はよろしいでしょうか。 〇光多委員  この資格のところで、何らかの形で評価をするとしたときに、全体的にこういう評価 基準があって、一応決められたとおりにやりましたよ、そういう雰囲気の事業報告とい うのはそういう雰囲気が強い印象を受けます。それだと独立行政法人として、事業の効 率化を図るというのが見えない感じがします。いってみればアウトプット報告のような 感じがするのです。今の御意見もありましたが、事業報告のところをもう少しアクティ ブに、評価基準はこれであったが、例えば、講師の派遣件数は達成した、しかし、その 中で非常に講師の派遣は評価を得たとか、その中で大変好評であったとか、もう少しア ウトカム的なものを付け加えて評価しないと、運営評議会を何回開催してそのとおりや りました。というように全部受け身の評価です。アクティビティが全然感じられないよ うな感じがするので、もう少しこの報告のところを、ここに定められた評価基準はこれ だが、これだけやりました。しかもこれだけの成果がでました、という民間企業のよう な雰囲気の報告にしていただくといいと思います。   〇農業者年金基金企画調整室長  御意見賜りました。工夫をしきたいと思いますか。 〇山口部会長  今のご意見について、今後参考にしていただくという形で進めて下さい。では農業者 年金基金の平成18年度の業務実績に関して、農林水産省の独立行政法人評価委員会に 提出する意見につきましては、本日の御議論を踏まえて、私と農業者年金基金担当起草 委員であります安達委員、さらに事務局と相談をいたしまして案をまとめまして、書面 で皆様にお諮りをすることとし、最終的には私に御一任をいただきたいと考えておりま す。それでよろしいでしょうか。  では、そのようにさせていただきます。  なお、厚生労働省の評価委員会令、同運営規定などによりまして、「各事業年度の実績 評価」に関する事項につきましては、この部会の議決が評価委員会の議決となります。  それでは、農業者年金基金に係る審議は以上といたします。引き続き年金健康保険福 祉施設整理機構に係る審議となりますので、事務局の入れ替えをお願いいたします。          (事務局入替)  引き続きまして、年金健康保険福祉施設整理機構に係る審議を行います。最初に事務 局より「評価の視点」の追加について、御説明をお願いいたします。 〇政策評価管室長補佐  「評価の視点」の追加について御説明を申し上げます。資料5をごらんください。  説明にあたりまして、まず中期目標、中期計画を見直すこととなっておりまして、そ の経緯の背景について御説明を申し上げたいと思います。  お手元に独法評価関係資料集をお配りしております。こちらの225ページをごらんい ただきたいと思います。恐縮でございます。  こちらが行政改革の重要方針ということで、平成17年12月24日に閣議決定された ものでございます。240ページをごらんください。こちらの閣議決定におきまして、こ ちらの240ページに書いてございます、ウ・その他の公的部門の見直しでございますが、 ここにおきまして、(1)独立行政法人に基づく法人、こちらについてアとしまして、法人 ごとに国家公務員に準じた人件費削減の取組を行うことを中期目標において示す、とさ れております。イ、各法人は中期目標に従い、今後5年間で5%以上の人件費の削減を 行うことを基本とする。これに加え、役職員の給与に関し、国家公務員の給与構造改革 を踏まえた見直しに取り組むものとする。このようにされているところでございます。  これを踏まえまして、当年金部会におきましては、昨年3月に御議論をいただきまし て、資料5に今回お示ししている中期目標・中期計画を追加したということでございま す。この追加部分につきまして、今回御審議をいただくにあたり、まず評価の視点を定 めてから御審議をいただくものとして今回案をお示ししているものでございます。  評価の視点でございますが、右側の欄でございます。2つございます。上ではまず人 員の削減を行うための取組を進めたかという点、下のほうでは必要な見直しを進めたか、 という点を評価の視点としているところでございます。  なお、この評価の視点の案でございますが、厚労省所管の他の法人におきましても共 通内容でございますので、同様の内容で修正しているもの、また今後部会におきまして 見直しを行うもの、と予定していることをあわせて御報告いたしたいと思います。事務 局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 〇山口部会長  ただいま事務局より説明のありました評価の視点につきまして、御意見等がありまし たらお願いいたします。よろしいでしょうか。ではこの内容で評価の視点の追加につい て了承をいたしたいと思います。  次の議題に移ります。これより実際の評価に移ります。最初に事務局から参考資料に ついての説明をお願いいたします。 〇政策評価官室長補佐  参考資料について御説明申し上げます。資料は参考5・6・7、別途追加配布資料と いう事務連絡・19年度7月11日のものを机上に配付しておりますので、こちらをごら んいただきたいと思います。  まず参考資料の5でございます。こちらにつきましては、総務省の政・独委から各省 庁あてに出ているものでございます。平成17年度の当評価委員会における実績報告、 こちらにつきまして政・独委からの二次意見と呼んでおりますが、共通の意見として昨 年の11月に出されたものでございます。その中でも特に1つ目の人件費削減の取組状 況についての評価。2つ目の随意契約の見直しの取組状況についての評価でございます。 こちらは、全法人につきまして共通する課題でございますので、事務局からの全体の取 組状況等を御説明したいと思います。  なお、いま申し上げましたこの追加配布資料、19年7月11日の日付でございますが、 こちらにつきましては、「独立行政法人の中期目標期間終了時の見直し及び業務実績評価 に関する当面の取組方針」の送付。ということで総務省の行政評価局から示されたもの でございます。  これにつきまして、4ページをごらんください。この取組方針4ページの最後の2行 を読んでいただきたいと思います。「以上のような中期目標期間終了時の見直し及び業務 実績評価の具体的な取組について、当委員会としては、下記の方針に基づきこれを行う こととする。」と書いてございます。  つまりこれはどういうことかと申しますと、昨年11月に示しました二次意見がござ いますが、これとの違いが大幅に違うのかというとそういうものではなく、これまでの 指摘は踏襲するという内容が多く含まれているところでございます。  具体的には、今後、総務省政・独委がこういう取り組みをする内容で新たに追加され ていることもございますので、いくつか紹介したいと思います。  6ページです。「(3)ア.財務内容の改善」(1)欠損金、剰余金の適正化。(2)リスク管理 債権の適正化。というものがございます。こちらについて新たに追加されております。  また、7ページです。「エ.その他」(1)内部統制についての事項。(2)目的積立金の計上 につながるような経営努力。ということがございます。こちらについて新たに総務省政 独委としては評価を行っていく、ということを示されたものでございます。  また、今回総務省から送られておりますこちらの文章でございますが、7月11日付 となっております。各法人から提出されます業務実績報告書というものにつきましては、 独立行政法人通則法におきまして、毎年6月30日までに御提出いただくことが義務づ けられております。当該法人におきましても、6月末までにこの御報告をいただいたと ころでございます。  したがいまして、今回政独委から出ているものの中に該当するものがございます。そ ういう場合がございましたら、適宜法人より御説明をしていく、ということにさせてい ただきたいと思います。   〇政策評価官  ちょっとわかりづらいのかもしれないので補足説明をします。  私から冒頭に御説明しましたように、この6月の閣議決定骨太の方針で独立行政法人 について整理合理化案をまとめるということになる。それについては全法人を対象にと いうことであります。当然ながら、中期目標期間が終わろうとするものについては、組 織業務の見直し案も当初案もつくらないといけないということです。それについては、 行政改革推進本部なり総務省が中心になってまとめますということです。  そういう動きを受けて、総務省の行政評価局としては、今後、総務省として特に政・ 独委が置かれておりますが、そこではこのような観点に特に着目をして我々は審議をし ていく、という形で出されたペーパーということでございます。  これについては、これまで昨年寄せられた政・独委二次評価で出されている参考の5 でお配りしているような、人件費や随契諸々のことを基本的には踏襲しているわけです が、基本的にはここに書かれているように、追加配布資料の2ページにあるような形で より厳しい態度で我々としてはみていく。3ページでは、毎年度の実績評価については、 特に人件費の部分についてより見る。人件費削減の取組状況や法人の給与水準が国家公 務員の水準を上回る場合の適切性等に関して、厳格なチェックを行う、という問題があ るということになっております。  そういうことも踏まえて、昨年度からの二次評価で出された意見、さらには骨太の方 針を受けて、総務省として今年こういうところに力点を入れて見るという点について御 説明したあと、とりあえず、人件費の問題とマスコミ等々で問題になっている随意契約 の問題については、特にすべての法人共通に、まず冒頭にそれなりの資料を作成して御 説明をした上で、それを踏まえつつ、後ほど全体のそれぞれの法人の実績を御説明して 御意見をいただく、こういう流れにさせていただきたいということでございます。 〇政策評価官室長補佐  続きまして具体的な内容につきまして御説明申し上げます。  参考資料6と7でございます。6におきましては、人件費についてでございます。ラ スパイレス指数というものでございまして、当該法人におきまして、国家公務員の給与 水準に比べてどうであるか。また他の独立行政法人に比べてどうであるか、ということ を示すものであります。詳細につきましては、後ほど御説明していただきたいと思いま す。  参考7です。こちらは随意契約の状況を示すものでございます。2ページをごらんく ださい。随意契約の状況がどうであるかということを整理したものでございます。一番 上に国の限度額がございまして、工事・製造、それぞれごとの基準が示されております。 厚労省における法人につきましては、いずれも国の基準並びですでに基準を定めている という状況でございます。  また右側の欄にございますように、基準につきましては、ホームページ等で公表を行 っているというところでございます。またこれにつきましての詳細につきましても法人 から御説明をいただきたいと思います。以上でございます。 〇山口部会長  では参考6・7及び追加配布資料に関しまして、法人からポイントを中心に5分程度 で説明をお願いいたします。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構審議役  参考6・7につきまして御説明をしたいと思います。まず参考の6です。  当機構の役職員の報酬・給与等についてとりまとめたものでございます。当機構は、 常勤職員としましては、理事長と職員35名、これは昨年度末、3月31日現在で35名 の職員がございます。職員の中には直接採用者、民間企業からの出向者、官庁からの出 向者で成り立っております。  役員報酬でございます。「(1)平成18年度における役員報酬についての業績報告のさせ 方」という項目でございます。(1)に書いておりますが、役員給与規定第8条2項という ものがございまして、役員の特別手当につきましては、当独立行政法人の評価委員が行 う業績評価の結果等を考慮して増額または減額することができる、という規定がござい ます。それに沿いまして、平成18年度におきましては、17年度実績における当委員会 の評価、18年度上期における売却実績を点数化しまして支給割合基準という基準がござ いまして、それに基づきまして支給割合ということにさせていただいております。  「(2)役員報酬基準」そのものの改定はございませんでした。役員の報酬の支給状況は、 ここに書いてあるとおりでございます。  「3.退職手当」の対象者はございませんでした。  2ページです。役員給与についてでございます。人件費管理の基本方針としましては、 中期計画において、平成21年度末までに、平成17年度に比べて4%以上の人員の削減 を行うということ。国家公務員の給与構造改革を踏まえて、必要な見直しを進める、と いうこととしております。  その基本方針に沿いまして、所要の措置を講じているところでございます。特に能率、 勤務成績の給与の反映ですが、当機構においては、専門職員と一般職員という区分をし ております。専門職員につきましては、実績評価、一般職員につきましては、実績評価 と能力評価、というものを評価制度において導入しているところです。  「2.職員給与の支給状況」です。これは民間からの出向者を除いたものでございま す。常勤職員が8名、任期付職員が9名ございます。任期付職員は1年の任期で更新を するということで進めさせていただいております。それは9名ということでございます。  3ページです。この任期付職員のうち譲渡専門職員を除きまして事務・技術職員と常 勤職員の8名を加えたものを年間給与の分布状況を示したものでございます。ごらんい ただいているとおりでございます。  (3)につきましては、職級別の在職状況を示したものでございます。  4ページは、任期付職員の一般職員の3名について示したものでございます。  5ページです。賞与における査定部分の比率ということです。一律支給分と査定支給 分についての割合を示しております。ラスパイレス係数につきましては(5)で書いてあり ますように、対国家公務員の行政職と比較しますと109.1、他の法人と比較しますと 101.8という状況になっております。  6ページです。総人件費についてでございます。これは民間からの出向者・派遣職員 を含めて総トータルで支給した額を示したものでございます。前年度が半年間、当機構 は17年10月から発足しておりますので、前年度は半年分を前提に推計した数字でござ いますが、それと比較しまして給与報酬等の支給総額、これは直接当機構から給与を払 うという部分でございますが、これについては2,100万円のマイナス、非常勤・役職員 等給与、これは民間からの出向者と派遣職員についての給与でございます。これが890 万円の増です。最広義の人件費としましては、前年度と比べると1,350万円程度、マイ ナス3.7%程度の減となっております。  参考7です。当機構の契約内容の状況でございます。平成18年度に締結した契約の 状況でございます。一般競争入札と指名競争入札、随意契約ということです。契約内容 のそれぞれの特性に応じて入札を行っておりますが、総件数が100万円を超えるもの、 契約金額が100万円を超えるものに限っております。総件数は89件で、一般競争入札 が12件、指名競争入札が8件、随意契約が69件となっております。金額につきまして は、一般競争入札が1億4,000万円、指名競争入札が4,400万円、随意契約が3億8,000 万円ということとなっております。簡単ですが以上でございます。 〇山口部会長  ただいまの内容につきまして、御質問御意見等がありましたらお願いいたします。よ ろしいですか。  では、これから個別評価に移っていただくわけです。お手元に各法人の平成17年度 実績の個別評価という資料をお配りしております。これは昨年もお配りしたものでござ いますが、評点を付けていただく際の御参考にしていただければと思います。では実際 の評価に移ります。  まず年金・健康保険福祉施設整理機構の水島理事長から、平成18年度の重点事項に ついて御説明をいただきまして、引き続き平成18年度の法人業務について、年金・健 康保険福祉施設整理機構のほうから御説明をお願いしたいと思います。  では、理事長よろしくお願いします。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  水島でございます。よろしくお願い申し上げます。18年度の実績につきましては、私 からはポイントとして3点を、資料はございませんが申し上げたいと思います。  いまお話したとおりに、当機構は民間人が主体でございます。40名弱でございますが、 行政からの出向者は9名でございます。それ以外はすべて民間人でございます。5年の 有期でございまして、すなわち解散時期があらかじめ決まっている法人です。17年10 月に発足をしております。  17年度は半年でございましたが、機構の立ち上げ及びテストマーケティングが主体で ございました。18年度が本格的な活動を開始した初年度ということになります。  申し上げます第1点につきましては、譲渡実績でございます。譲渡実績につきまして は後ほど詳しく申し上げます。御存じのとおりに当機構に課せられている役割は、年金 等の施設を1円でも高く譲渡する、というのが第一の役割でございます。それとともに 施設職員の雇用及び公共性に配慮する、ということでございます。これらの目的を同時 に達成するために、従来の国有財産の譲渡方式は、事業を廃止した上で不動産として譲 渡するということでございましたが、当機構としましては、施設を生きたまま売ってい く、すなわち事業譲渡を基本的なコンセプトとして対応するということに関しては、昨 年本委員会で御報告を申し上げたとおりであります。  この観点から、まず譲渡額でございます。18年度の落札ベースでは62施設で286億 円でございました。これは簿価、簿価と申しますのは、公告時と申し上げたらいいと思 いますが、その時点で不動産鑑定をし直した価格でございます。したがいまして、時価 とお考えいただいていいと思います。これに対しましては140億円のプラスでございま した。すなわち簿価は146億円であったということです。したがいまして、約2倍で譲 渡ができている。  私どもの仕入れ原価である出資価格でございますが、これに対しましては80億円の プラスでございます。約1.4倍でございます。発足来、すなわち17年10月1日からの 実績は350億円になっております。これは収支価格対比100億円のプラスを達成できた という状況にございます。  次に基本コンセプトでございます。どれだけ事業として譲渡ができたかということで ございます。約8割の施設が事業として譲渡できました。その結果として、雇用に関し ましても、約6割の施設で譲渡先・買い受け先がその雇用を継続してくれた、というこ とでございます。ただ雇用人数としましては約5割でございます。  この中には富山県の氷見で職員が共同で買ったという事例もございまして、MBOが 実現した事例もございました。  もう1点、公共性の観点でございます。地方公共団体が購入した例というのは、昨年 度は岡山県の津山市1件でございましたが、私どもとしましては、各自治体が公共性の 観点からその事業を継続してほしい、という要望がある場合に、購入者に対しますイン センティブを地方公共団体に与えていただけないか、というお願いをいたしております。 具体的には、一定期間の固定資産税の免除でございますとか、途中用途制限の緩和等の 支援策でございます。かなり御協力をいただいておりまして、現在、その支援策を検討 する、あるいはやると表明をしていただいている自治体が約40団体にのぼっておりま す。この御意向を私どもとしては大切にしてまいりたい、と考えているところでござい ます。以上、18年度実績の概要でございます。  譲渡価格がかなり上回りました。これが良いか悪いかということに関しましては、絶 対額でございますので、評価、私どもが評価するべきことではないと思っておりますが、 この上盛りした要因としては、都市部における不動産市況の好転があったのは事実だと 思っております。ただし、地方は不動産市況の好転は及んでおりませんで、地方物件に 関しましては、ほとんど出資価格対比で損をして売ったというのが極めて少ないという 状況でございます。これが実際に実績が高くなった要因であると考えております。  これは従来、公的財産の譲渡におきましては、例えば事業価値がどうなるか不動産調 査の詳細というのは示してこなかった、というのが実態であったと思います。私どもと しましては、事業価値、不動産調査の詳細、あるいはキャッシュフローに着目したマー ケティング資料を作成しまして、広くマーケティング活動を行った結果であると考えて おります。  落札率です。17年度は前回も申し上げましたが、45%でございました。本年度は92% まで向上しました。これはマーケティング活動を本格化したことがベースであるという ことはもちろんでございますが、従来、公的財産について原則非開示でございました最 低売却価格に関しまして、当初は1億5,000万円以下、今回は3億円以下について開示 をすることにいたしました。これによって約半数程度の施設について、現状、最低売却 価格を開示できていると思っております。  それから複数物件の一括譲渡についても実施をいたしました。  私どもとしましては、最低売却価格の開示に関しましては、透明性の確保という観点 から、極力価格の上方硬直性を招かないように十分に注意をしながらでありますが、全 件開示という方向で現在問題の詰めを行っているところでございます。  第2点目でございます。決算の状況です。これも後ほど詳しく申し上げますが、簡単 に数字だけを申し上げます。  18年度の総利益は120億円でございました。予算対比は約200億円のプラスでござ います。200億円の内訳は、譲渡実績で約140億円のプラスが出たことでございます。 残りの60億円でございますが、経費予算の圧縮でございます。  経費予算77億円に対して17億円の実績でございました。60億円の圧縮でございま す。この要因は、事業譲渡を原則としましたことによりまして解体費予算を使わなかっ たということが一つ。私どもとしましては100万円以上については、すべて一般競争入 札を行うように指示をいたしております。ただなかなかこれしかないというものもござ いまして、難しい面はございますが、昨年度は随契の比率がプロポーザルを含めて66 億ぐらいあったと思いますが、本年度はほとんど随契はなくなると思っております。  こういうことの積み重ねで、77億の予算に対して17億円の実績であったということ です。私どもの5年間の経費予算は270億円でございますが、これに関しても大幅に削 減ができるという見通しは立ったと考えております。  第3点目は、ちょっと趣が変わりますが、リスク対応の重要性についてでございます。 私ども民間から来たわけですが、ここまで約1年半やってまいりまして、全く驚いたと いうのは、公的財産の処分について、好ましからざる勢力の介入が極めて多いというこ とでございます。好ましからざる勢力の詳細につきましては、私どもの機構の安全対策 上からここでの公表は差し控えさせていただきますが、きわめて幅広い勢力が介入をい たしてまいります。もちろん暴力団も含めましてでございます。  具体的には、明示的なリスクとグレーゾーンに属するリスクがございますが、明示的 なリスクの典型的なものは、既に御存じだと思いますが、私どもは一般競争入札しかや りませんが、ある人を通せば随契ができると言って回っていらっしゃる方々がたくさん いるということでございます。こういう情報が入った都度、ホームページで公開して関 係当局にも通知をいたしておりますが、私どもとしては被害が発生しないように万全を 期したいと考えております。  次にグレーゾーンに属するリスクとしましては、入札者の中に好ましからざる人たち が存在する懸念があるということです。これらの情報を入手した場合の対処方法として は、グレーのリスクが確認できないから参加させるというか、あるいはグレーのリスク について我々がリスクをとって排除するかどちらかです。私どもは排除をいたしており ます。排除をする際に、私どもだけでは入札妨害という事態も発生しますので、これに 関しては公取からも顧問を頂戴しました。さらにその時々に諮問委員会にお諮りして、 決定をいたしております。  ただし、参加を認めないという場合に、マスコミやその他いろいろなルートを通して 私どもに対して執拗な攻撃がございます。しかし私どもとしては、問題を事前に防ぐと いう観点からは、リスクを恐れずに、公的財産の譲渡対象者としては相応しくない人に は売らない、という毅然とした態度をとり続けることがなによりも重要だと思っており ます。  非常に譲渡は順調でございますが、その周辺に非常に問題が多いということは事実で ございます。私の仕事のかなりの部分は、譲渡というよりも、そのような非常に雑多な リスクに対応するということに忙殺されているというのが現状でございます。しかし毅 然として対応してまいりたいと考えております。  以上3点を申し上げました。私どもは、合目的性、公正性・透明性ということを基本 の原点としまして、私どもは民間人でございますので、この仕事をやってよかったと思 えるように引続き最大限の努力をしてまいるつもりでございます。ぜひ皆様方の御支援 御指導をお願い申し上げます。以上です。 〇山口部会長  ありがとうございます。では個別評価に入りたいと思います。評価シートの順に3つ に分けて進めていきたいと思います。なお、法人の説明の都合により、内容のまとまり を踏まえまして、評価シートにおける個別項目の順番を一部入れ替えてあるとのことで すので、あらかじめ御了承ください。  また評価等の記入の時間を別途設けませんので、質疑を経ながら各自が評価シートに 評点やコメントを御記入いただきますようにお願いをいたします。  では、その3つに分けた第1グループの評価シートの左上の項目番号1〜3までの実 績について、手短に御説明をお願いいたします。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構審議役  かなり大部の資料で限られた時間で十分な御説明ができるかどうかわかりませんが、 まず評価シートを3つの項目に分けられております。ただいまから御説明しようとして いる評価シートの(1)〜(3)につきましては、当機構の組織、運営の効率化について、どの ように進めてきたのかということを御説明をしたいと思います。  第2グループ、これは評価シートの(4)〜(8)までですが、これは当機構の中核的な業務 である売却業務について示したものでございます。  最後の(9)〜(13)につきましては、決算、国庫納付金、人事面、その他の状況について 記載したものでございます。  まず、(1)〜(3)について御説明をしたいと思います。 2ページ目でございます。業務運営の効率化についてでございます。  業務体制の確立ということでございます。資料6−4、説明資料をごらんください。 13ページになりますが、当機構の組織図がついております。当機構は総務部、企画部、 施設部、業務推進部、管理部という部に別れております。このうちの施設部におきまし て、具体的なマーケティング活動を行っているわけでございます。現在、開発担当1部 開発担当2部という2つの部に別れております。この2部体制にしましたのは、このシ ートに書いてございますが、平成18年10月1日からでございます。当初は3グループ という体制でいっていたのですが、情報の共有化、業務の一層の効率化を図るという観 点から2部体制にしたものでございます。  19年2月、理事長からも説明がありましたが、多様な来訪者が来るということで、そ れへの対応を行わないといけないということで、リスク管理の観点と、当機構は本部が 千葉の稲毛にございまして、そこで管理部が仕事をしておりましたが、施設の売却と施 設の管理については、連携強化を図る必要があるという観点から、東京のサテライトオ フィスの2階に新しいスペースをつくりまして、この2つの要請に対応したというもの でございます。  3月31日の職員数は35名体制になっております。  機構の業務につきましては、高い価格での売却と雇用、公共性の配慮等に応じて機動 的な対応が必要になってまいります。いろいろなニーズが発生しますが、それに応じて 職員の入れ替えを行っております。参考までに、主な出身職種と資格取得者の状況を書 いておりますのでごらんいただきたいと思います。  3ページです。アウトソーシングの状況です。平成17年度につきましては前回の独 法評価委員会でも御説明しましたが、総合アドバイザーを委託しまして不動産の調査、 デューディリ等を行って非常に詳細な成果を得たわけでございます。この成果を受けま して、18年度以降のマーケティングや計画策定において活用をしたところであります。  平成18年11月に追加出資がございました。当初は288施設が出資をされていたわけ ですが、平成18年11月、出資されていなかったもののうち14施設につきまして新た に出資をされましたので、この物件につきまして総合アドバイザー業務をさらに依頼を しております。  不動産の売却業務につきましては、当機構がさまざまな観点から売却を行っているわ けですが、その業務を充実強化するために、委託業者に委託をしまして、入札参加の申 し込み受け付けとか、不動産の物件の概要書の作成等、重要事項の説明等の業務委託を 行っております。  18年度は5社に業務委託を行いまして、17年度は20件でございますが、3倍強とな る76件の入札を円滑に行うことができたものと考えております。  現在、施設につきましては業務を行っているわけですが、この業務につきましては、 運営を社会保険庁時代に委託をしておりまして公益法人に引き続き依頼をしているとい うことでございます。  自己評定のところでございます。組織の統廃合、危機管理の体制の強化等について機 動的な対応を行ったということで「S」としております。  続きまして評価シート(2)に移らせていただきます。「業務管理の充実」でございます。 国から出資を受けました資産については、さまざまな情報がその文献情報としてあるわ けですが、それにPDFファイル化等の措置を講じることによって、適切な管理態勢の 確立を図っております。  出資以降につきまして、資産が毀損したり、あるいは別の施設に移るという移動情報 の管理につきましてもあわせて行っております。  出資を受けた絵画につきましては、当初、出資の価格の設定につきまして会計検査院 から指摘がありまして、その見直しが国のほうにあったわけです。その検討の間、当機 構としましては、美術品に関して当機構として合理的な基準を設けまして予定価格に反 映させ、売却に影響がないように務めたところでございます。  (2)の業務の進捗管理です。業務の進捗管理につきましては、会議による管理とシステ ムによる管理という2つの方式でやっております。会議による管理につきましては、幹 部会、役員会に加えて日常管理として、理事長が主催する原則毎朝開催の打ち合わせ会 を開いて情報報告や進捗管理を行っているところです。  システムによる管理としては、情報管理、計画管理、進捗管理、実績管理の項目をデ ータベースに構築することによって、情報を共有化し、日々の管理が円滑に行えるシス テムを整備したところです。  (3)のリスク管理でございます。リスクにつきましては多様なものがございます。入札 に係るリスク、ここに書いておりますように暴力団と談合、偽情報等がございます。風 評リスク、途中で都市計画法等の法規制が変更されるというリスク、あるいは災害リス クと多様なリスクがございますが、これについては、その都度、業務打ち合わせ会で対 応方針を検討して円滑に即時に対応できるようにしているところでございます。  特別顧問としまして、現在4名設置をしているところでございます。顧問の分野とし ましては、警察関係、国有財産の売却業務に詳しい方、医療、公正な入札という方面で の顧問をいただいております。  5ページです。自己評定としましては「S」。3つ目の・に書いてあります。多様なリ スクに対して的確に対応をしておりまして、現状これらのリスクが当機構の業務及び買 い受け人等関係者への悪影響を回避されていると考えております。  評価シートの3です。6ページです。業務運営の効率化に伴う経費節減という観点で す。  一般管理費につきましては、予算が5,100万円に対して実績が3,800万円ということ です。1,300万円の節減を行ったところでございます。  業務経費につきましても、予算が75億円のところを約16億円ということで、約60 億円の節減をしたところです。これは当初予算に組み込まれておりました施設解体費用、 災害復旧費用、アスベスト、土壌汚染費用、各種調査費用等につきまして、不要となっ たということか主な原因でございます。  当機構は事業継続ということを基本としてやっておりますので、当初に予算に組み込 んでいた施設解体という費用が少なくなるということでございます。  人員につきましては、(3)ですが、売却業務が17年度と比べて極めて多くなっている 中で、業務の効率化を図りつつ現状の人員で対応したというものでございます。自己評 定としては、こういう節減の程度、人員の維持ということにつきまして評定を「S」と させていただいたところです。  以上でございます。 〇山口部会長  御質問がありましたらお願いいたします。また質疑を経ながら、各自、評価シートへ 評点やコメントを御記入いただきますようお願いいたします。 〇光多委員  大変に厳しい状況の中できちんとやっておられると思います。大変に御苦労様だと思 います。確認の意味を含めて3つお伺いしたいと思います。  1つは、3ページの総合アドバイザー業務(不動産調査を含む)ということで、三井 不動産と名前が書いてあるわけです。これは下に書いてありますように、コンサルタン トではなくアドバイザーという形で長期的にやっておられると思います。期間とかどの くらいのアドバイザー契約の期間なのか、できましたらアドバイザーのコストと費用を ある程度教えていただけないか。  もう一つは、これは確認です。こういう不動産の売却になりますと、不動産業界との 関係で出てきます。三井不動産は、一番しっかりしたところだということで、確か前回 に理事長が、もうしっかりしたところを選ぶのだということをおっしゃっていたのでそ れは了解いたします。それにしても三井不動産も利害関係者になり得る可能性もあり得 ます。その辺をどういう形で考えておられるのかということを第1点としてお伺いした い。  第2点目です。6ページの業務経費が60億円くらい圧縮できたということです。こ れはこちらのほうが評価を考えないといけないのかもしれませんが、少しどう考えたら いいのかという形でコメントをいただきたいと思います。  理事長から御説明いただいたように、そのまま売るという形なので、これだけ価格が 下がったという形で考えていいと思います。例えば施設解体費用とか、災害復旧、アス ベスト、こういうものは本当は処理した上で売る。そのまま売るということをどう考え ればいいのか。  失礼な言い方ですが、ひとつはこういう形を見込んでいたところが、必要ないのに見 込んでいたと考えるべきなのか。またはこれは価格に上乗せされたという形なので、経 費は下がっているが、価格はその分だけは売却のほうがその分下がっていると考えるの か。60億円の節減をどう考えるのかということについて、本来は我々のほうが評価しな いといけないと思いますが、もう少しコメントをいただきたいというのが2番目です。  3番目です。先ほどの世の中でいまいろいろと言われている随意契約との関係です。 一般競争入札と指名競争入札と随意契約とあります。この公募プロポーザブル、これは 一応、随意契約の中に入れておられるわけですね。ただ随意契約というのは、この中で いくと、例えば入札のときに、先ほどのように従業員の問題とか、価格だけではなく、 もっと質的なところも含めて、提案していただくという形があった場合には、これは公 募プロポーザルになるわけですかね。  するとこの3つの中でいくと随意契約に入らざるを得ないのかもしれませんが、純粋 のほかの言われている随意契約とはちょっと違って、質的な入札という形をもう少し別 掲していいのか。この6ページでいきますと、一般競争のこれこれについて、効率的な 執行に務めたというのが、今度は随意契約の問題に入ると思いますが、この辺はもう少 し、この3つの分け方以外の形でうまくやったという形をもう少しおっしゃってもいい のかなという感じがいたします。3つあいまいなことですみませんがお願いします。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  お答えします。まずアドバイザーに関しまして、これは指名で公募をとったわけでは ございません。広く一般から公募というかプロポーザルをとったわけです。その中で不 動産会社で入ってきたのは三井不動産だけであったということでした。それ以外はコン サルティングファームが大体主体でございました。あとは山田&パートナーズ、これは 税理士法人でございます。結果として三井不動産と山田&パートナーズを選んだわけで す。  語弊があるかもしれませんが、私がいままで民間でいろいろとコンサルタントをつか った経験として、自らがある程度方向をきちんともっていないときに、コンサルタント を使っても意味がないと考えましたし、非常に高額でございました。プロポーザルその ものがね。  その意味で三井不動産にやらせたことは、これは、最適利用は価格、一つ一つの施設 について、価格は収益の価格と積算の価格、積算というのは工事価格とかの意味ですね。 開発の価格、この3つの価格を全部出させたのです。  その上でこれはいくらで売れると思う、三井不動産ならいくらで売る、という価格を 出させましたそれがひとつです。  すべての不動産について、支障、地歴の調査まですべてさせました。不動産として売 るために、売る状態にするためには何をしなければならないかという調査をさせました。 これはコンサルティングファームではできません。  例えば、コンサルティングファームを選ぶとしますと、後ほど数字は申し上げますが、 多分三井不動産に払ったのは4億円ぐらいだと思います。約1年間です。1人平均でい きますと大体2万円ぐらいだと思います。パーアワーですね。例えば具体的な名前を出 しませんが、著明なコンサルティングファームではパーアワーが5万円とか8万円とい う価格でございます。それでいま申し上げたようなことは、そこからまた出すのです。 外注するのです。ですからコンサルタント料以外にそれがまた次に乗ってくるわけです。 すると、いま三井不動産にやらせている4億円というのは、コンサルティングファーム では多分、十数億円になったと思います。  事業価値を算定することに関して、山田&パートナーズにやらせました。これはコン サルティングファームにやらせても良かったのですが、コンサルティングファームにや らせるとすごく高いのです。具体的にこのような宿のようなレジャーランドのようなと ころの収益性を、どこが算定できるのかというとできないのです。これは我々が一緒に つくっていくしかないのです。すると手足として使える人たちを使わないと意味がない と私は考えました。その結果として、コンサルティングファームを全部排除して、実務 ができるところを選んだというのが現状でございます。山田&パートナーズは多分パー アワーは1万5千円ぐらいだと思います。非常に安くやってくれています。  その意味で山田パートナーズはいま2年でございますが、約3億円程度払っておりま す。  後ほどの業務経費に絡みますが、業務経費で解体費が100数十億円のっているわけで す。当初予算として、そういう予算があるのであれば、解体せずに売るためにどういう プレゼンテーションをしなければならないか、という資料をつくることに、そういうお 金をつかったが、それを世の中で言われているコンサルティングファームをつかうこと はしなかった。これに関しては僕は正しかったと思っております。  是非、もしよろしければ成果物をごらんいただければ、これはすごいものができたと 思います。 〇光多委員  契約は1何年ですか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  1年です。更新です。 〇光多委員  1年更新ですか。価格もその度に見直しで、委託する業務内容もその度に見直しです か。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  見直しです。基本的には安くしております。三井不動産はもう終わりました。山田の デューデリーは毎年のデータがございますので、毎年のデータを更新して、私どもとし ては、このように事業をよくしてくださいというお願いをしているわけです。その決算 がいくらになったのかということを踏まえてデータを更新して、もう一回事業としての プレゼンテーション資料をつくり直すという作業が必要になります。それを翌年度から 委託しているということになります。 〇光多委員  すると三井は1年で終わったのですか。スターティングアップのアドバイザーと考え ればいいのですね。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そうです。そこで終わりました。買いに入れるんじゃないかということについては三 井不動産は終わっていますので、今後に関しましては、基本的には三井不動産は参加す ることは妨げないと考えておりますが、三井不動産は考えていきたいと思います。 〇光多委員  週刊誌に取り上げられますからね、理論武装していただく。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  ついでに申しますと、三井不動産販売が私どもの委託業者として今回入ったわけです が、これは私ども売り側の業者であり買い側として入ったわけではありません。これは いまは競争入札です。 〇光多委員  これはこれからも続くわけですか。全部三井不動産販売に委託するのですか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  違います。これは数ある業者の中のひとつです。全部で10社ありますが、そのうち のひとつが三井不動産販売です。又、買い側ということですが委託業者と関係がある者 であっても、別法人、上場会社で別法人であるような場合は、入札参加を認めています。 三井不動産販売は委託業者であり、我々の代理人です。ここでは利益相反はない。  2番目は、アスベスト、土壌汚染、これに関しては、私どもはすべて調査を行います。 土壌調査を行い、耐震調査を行い、アスベスト調査を行いまして、アスベストに関しま しては処理をして、耐震と土壌汚染に関しては、こういうことがありますよ。例えば耐 震で、耐震構造はいくらぐらいかかりますという情報提供をいたします。そして、それ によって買手に判断をしてもらいます。そこは、なぜ改修工事を行わないのか、土壌改 良工事を行わないのかということでございますが、その建物をつかうということが明ら かであれば、耐震工事を行って、譲渡することが望ましいと思います。ただ、必ずしも そういうことになりません。その建物をリニューアルするとか、我々がやるよりも、買 手側が自分の意に応じて改修を含めてやったほうがいい。ですから、我々が勝手にいま の状態のままでやってしまうというのは、むしろ売値を安くすることになると思います。  次に土壌の問題です。被覆、そのままだと問題はないわけです。ところが例えばそれ をマンションにする場合には、土壌が問題になる。その建物を使ってリニューアルをし てやるのであれば、下は全部、土壌汚染の問題は、土壌汚染があるとしても問題はない。 それで土壌を入れ換えるという工事は、それをやったとしても、コストは無駄になるか もしれない。したがって情報提供でやるというように今は考えております。 〇光多委員  ある物件を、例えば壊して売ったほうがいいのか、それとも土壌改造などしてこちら でやったほうが売りやすいのか、その辺のところは一件・一件判断してやっているとい うことですか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そうです。ただ非常に難しい問題です。例えば、ある施設について、例えば、自治体 などがぜひ残ししてほしいというようにおっしゃるのですが、事業価値としては、例え ば10億である。ところがそれをマンションにすると50億円で売れるということがあり ます。  そうしますと、それに対して、耐震工事をやります、土壌調査をやるが、我々がやる というのは、やったら価格になりますね。するとどんどん事業ベースができなくなる。 相反するわけです。  ですから、基本的には情報提供して、それによって買手の判断を最終我々としては、 マンションでもしょうがない。これで判断してくれと、でも行政のことを考えると、果 たしてマンションという結論を出してやってしまうのは問題があるなというように思う ところはいっぱいあります。そこが悩ましいのです。 〇光多委員  なるほど、古い施設が多く、周辺も変わっているので、用途を変えたほうが、そのま ま売るよりは利用価値があるわけですね。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そうです、それは非常にたくさんございます。それは用途を変えたほうがいいのです が、そこは我々が事業価値をプレゼンテーションするときに、こういう用途に変えれば これだけキャッシュフローをうみますということは言います。この部分でこれだけ生み ますということは言うわけです。こういうプレゼンテーションをしているということで す。 〇光多委員  そういうことで貢献できるわけですね。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  そうです。ちょっと長くなりますが、これは行政財産を普通財産に直して売るという 基本的なスタンスをベースとしてやっているわけですから、それをすでに独法財産だか らどういうように扱っても自由ですよねということを前提にしておりますので、そもそ も考え方が違ってくる。ですから、私は御指摘のとおりに、60億円を節減したといって も、それはそうではないのではないのかということに関して申し上げれば、そのとおり です。  そのとおりですが、ただ、その解体費を使わなかったことについて、200何十億円の 予算に対して、一体いくらつかったのか、これは解体費分ぐらいは浮くと思います。そ のくらいでさらに削減をしていきたいと考えているということです。  ただ、御理解いただきたいのは、一般管理費も含めて当初予算よりも削減をいたして おりますので、そこの点については御理解をいただければありがたいと思っております。  随意契約、これはおっしゃるとおりでございます。公募プロポーザルというものを随 意契約のところに入れることについて、もう少し幅広い分類があってしかるべきだと思 います。そうしないとアドバイザーなども選べなくなってしまいます。そうしますと、 それをやろうとすると総合評価方式にならざるを得ないのです。  総合評価方式となると、これも評価の方法をつくるのが難しいということがあります。 これは非常に悩んでおります。   〇光多委員  確かこれは( )で書いたらどうか。EUなども随意契約と総合評価は分けてやって いますよね。だから私は主張されたらと思います。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  その意味で、下に、いまここで本当に随契といっておりますのは、ほとんど登記費用 なのです。登記費用というのは国有財産はみな登記しておりませんから、登記しないと 売れませんよね。登記費用がほとんどこれの主体です。これは各都道府県に一か所しか お願いするところはありませんで、これは随契にならざるを得ないのだそうです。  あとは、不動産鑑定とか耐震工事の調査も土壌の調査もすべて一般競争の入札でやっ ております。 〇大野委員  いまの業務経費の件です。施設解体費とかが不要または先送りになったということで、 総計で22と18と11億円で51億円が不要先送りになったということでございますが、 中には事業を継続するということで解体費を使わなくて済んだ、これは不要ということ になると思いますが、この51億円の中で先送りされまして、来年度以降に業務経費と して出てくるものはどういうものですか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  11億円です。土壌調査、アスベスト調査等費用です。 〇大野委員  この11億円が来年度以降ですか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  来年度以降に出てくる可能性がある。いま11億円になるかどうかは別として、そこ はいま土壌調査と耐震調査を全部行っておりますので、この費用は今年度に出てまいり ます。昨年度まではアドバイザー費用の中に入っていたのです。アドバイザー期間が終 了して、私ども独自に行いますので、その費用はアスベスト土壌調査費用の今年度に先 送りされていると考えていただいて結構です。 〇山口部会長  よろしいでしょうか。先に進めます。では第2グループの評価シート、左上の項目番 号の(4)〜(8)までの実績について説明をお願いたします。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構審議役  7ページでございます。まず各施設の経営状況の把握という項目です。この点につき ましては、各施設の経営状況、今後の経営状況見込み、施設の老朽度等の状況の調査を 行って、これらの状況を買い受け希望者に提供してマーケティング活動を行い、19年度 の施設譲渡計画に活用をしております。  公共性の観点というのは、非常に重要なわけでございますして、地方公共団体への説 明の状況です。平成17年11月に当機構発足当初、各自治体に対してアンケート調査を いたしました。そのときに回答がなかったところにつきましては、直接訪問をしまして、 18年度の譲渡対象施設を中心に当機構の業務についての説明を行っております。  また、回答があった先につきましても、必要な場合に説明を実施しまして、意見の聴 取を行ったところであります。具体的には施設の実査、地元の買い受け候補者へのマー ケティングの実施時期にあわせまして自治体の担当局を訪問しまして、入札公告時まで の意向聴取を実施いたしております。  それに伴いまして、入札公告時に、買い受け希望先に伝えるべき情報があった場合に は、地方公共団体がいろいろな支援をするという情報につきまして、入札説明書におい て情報提供を行っております。  自治体の意向を確認するなかで、施設機能の存続を希望する自治体に対しましては、 仮に事業継続があるという場合の固定資産税の減免、補助金の交付、既存不適格施設に 係る用途の変更等について、支援策を出していただけないかということを、その取り付 けに尽力をいたしております。  これに関しまして自己評定です。全施設につきましての事業調査、不動産調査を実施 いたしまして、有効なマーケティング資料を整備して、買受希望者からも非常に充実し た資料の提供が行われているという評価をいただいているところでございますし、自治 体の意向につきましても、幅広く聴取をいたしまして、その支援策の取り付けにつきま しては、大きな成果を得たと評価をいたしております。「S」という評価をさせていただ いております。  次の評価シート(5)です。施設の譲渡の業務についての実績でございます。  まず公序良俗に反する使用につきましては、禁止をしているわけです。契約書上禁止 をいたしております。その公序良俗に反していないかということを定期的にチェックを する、という仕組みを導入しております。平成17年度に売れました8物件につきまし ても、18年度中に実査をしまして、その結果、問題がないと確認をしております。  譲渡施設の選定、譲渡時期です。当機構は平成22年9月までの有期の法人でござい ますが、現在の公表している計画としましては、ここにありますように、21年度中にす べての物件を売却する。22年3月から9月までは残務整理期間という整理をさせていた だいております。21年度中にすべて売却する、という計画を立てているところでござい ます。  平成19年度の譲渡施設、今年度の譲渡施設につきましては、総合アドバイザーの報 告等を踏まえ、昨年の10月から全施設を対象に個別に選定作業を行って、経営状況と か老朽度、買受け事業の観点を総合的に判断して、90施設を今年度の対象施設として選 定をいたしております。  これとあわせて、昨年度不落になった施設について、10施設を加えますと100施設 を19年度の対象としているところでございます。  18年度の譲渡実績はここに書いてある表のとおりです。落札ベースの数字をあげてお ります。譲渡施設の実績が62施設81物件でございまして、売却額が286億5,000万円、 簿価対比140億円、簿価比が196.7%、当初出資価格との対比がプラス80億円で出資 価格比が139.1%というものになっております。  落札状況につきましては、事業継続を重点としたマーケティング活動の本格的な開始、 最低売却価格の事前開示という方式の導入、一括譲渡方式の導入を要因と考えられます が、落札率は17年度は45.0%であったわけですが、18年度は92.1%というように上昇 をしております。  1件あたりの応札件数につきましても、マーケティング活動の結果、1回あたりの平 均応札件数は17年度2.0件から18年度は4.1件と着実に増加していると考えておりま す。  事業継続の状況は下の表のとおりでございます。既に売却時点におきまして廃止され ていた17施設を除いて45施設あったわけですが、事業が継続されたものが35施設、 非継続のうち一部事業としては他の事業体が引き受けたというものが4施設ございます。 あわせますと85%は事業を継続したという状況でございます。  次のページです。職員の雇用継続の状況です。これも譲渡時に従業員がいた施設のう ち28施設が継続をいたしております。一部採用したケースが2施設、調整中のものが まだ残っておりますが2施設ございます。このような状況で、雇用もある程度は引き継 がれたと考えております。  (2)の契約方法です。平成18年度の物件につきましては、すべて原則通りに一般競争 入札ということで対応しております。借地上の建物につきましては、随意契約の方式も 認められるわけですが、こういうケースは18年度においてはございませんでした。  10ページです。譲渡条件がございます。当機構の施設は一般的には譲渡条件を付けな いで売却をするわけですが、健康管理センターと医療系の施設、老人ホームについては、 事業を継続するということが条件になっております。18年度におきましては、別添資料 5に出ておりますが、契約書におきましても条件を付けております。健康管理センター が2施設、保養ホームの1施設について、この譲渡条件を付けて一般競争を実施してお ります。  譲渡価格でございます。譲渡価格については、不動産鑑定手法に基づき予定価格を設 定する、ということが中期計画上で定められております。出資価格の適正な市場価格を 把握するための公募プロポーザルによって不動産鑑定業者を選定しまして、必要に応じ て再鑑定評価を入札に際しまして実施できる体制を整備しました。  平成17年度の入札におきましては、隔地物件など買受者にとって価格設定が非常に 難しいという物件があったので、平成18年度からは最低売却価格を公表する方式を新 たに導入いたしております。当初は、低額物件として1億5,000万円以下のものを、最 低売却価格を公表する対象としていたわけですが、18年12月からは3億円以下に引き 上げるということをいたしまして、全体の5割を超える物件については、最低売却価格 を事前に公表するということにしました。  平成18年度におきましては、出資から6カ月を経過したということに伴いまして、 改めて不動産鑑定評価額の有効期間と予定価格の設定基準を策定しまして、このルール に基づいて予定価格の設定を厳選に行っております。  (5)の対価の支払方法につきましては、即時払いが原則になっておりますので、すべて 即時払いという対応をしております。  老人ホームの入居者の配慮の項目につきましては、18年度は対象施設がございません でした。  委託先公益法人の従業員の雇用への配慮でございます。これにつきましては買受先の 確保の段階、マーケティングの段階から事業継続を前提として買受を希望している方々 に対して、従業員の再雇用の依頼をしております。また実際に落札者が事業継続を予定 されているという場合には、売買契約時から折衝を行いまして、従業員の再雇用に向け た面接の機会を設けていただけないか、というようなことをお願いをしているというこ とでございます。  具体的には、譲渡時点で従業員がいた施設のうち62%については、雇用が継続をされ ております。また理事長からも説明がありましたが、運営委託先の公益法人の従業員で ある社員が落札したケースもございました。  (8)地方公共団体との相談です。事業継続となった場合の固定資産税の減免、補助金の 交付を申請しまして、現在約40施設の地方公共団体から支援の意向の表明をいただい ております。  19年度の入札の施設につきましても、折衝を実施しております。現時点では2施設、 鹿児島県にございますが「サンピアあいら」「ペアーレ生駒」につきまして、支援の意向 表明を受けているところでございます。  既存不適格になっている施設についての用途変更を要請をしております。先ほどの垂 水という施設は、固定資産税を減免していただける施設ですが、この施設につきまして は、都市計画審議会の付議を予定していたということです。現在、第二種中高層住居専 用地域でございまして、実際はホテルができない施設でございます。この規制を緩和し ていただくということをお願いする予定でございます。  (4)温泉の分湯条件とか、借地の場合の賃借条件等の施設運営が必要な条件についても、 自治体の間で折衝を行う必要がございます。  11ページは自己評定です。実績のところでかなりの部分を触れておりますので、割愛 させていただきます。触れていないところについて説明いたします。上から4つ目の・ です。19年度の譲渡施設の選定については、先ほど100施設の計画を立てていると申 し上げましたが、当初計画の2割増の110施設程度を選定して実際上は、運営委託先に 通知を行うということにしております。  途中で計画上、選定していても抹消が生じるというケースもございますので、運営委 託先には2割増しの通知をさせていただいております。その結果、19年度末時点で180 施設程度、全体の6割程度の譲渡を実施することを計画しているものでございます。  それから下に3つ下っていただきまして、17年度に不落・不成立になった11施設、 18年度に不落・不成立になった10施設については、改めてマーケティングを行いまし て、最低売却価格を開示して再度入札を行った結果、15件が落札となっております。  落札された健康管理センターにつきましては、落札者により円滑な事業継続が図られ ておりまして、譲渡条件及びその判断基準は妥当なものであったと判断をしております。  自己評定としましては、18年度の売却物件については、円滑に進められたと考えてお りまして、「S」という評価をさせていただいております。  12ページです。年金福祉施設の運営、資産価値の保全の点です。現在、運営を公益法 人を中心に行っていただいておりますが、売却する際に、いま事業価値を高めるという 観点から、現在の経営状況をみながら施設訪問の都度、事業価値の向上に向けた個別指 導を実施しているところでございます。  (2)施設の管理です。施設の整備につきましては、緊急災害、法令に抵触をするもの等 については、当機構の負担によって行っておりまして、整備件数としては97件、金額 で1.8億円を整備しております。  また委託先にお願いしているケースもございます。30件、4.3億円の整備をいたして おります。  国から出資を受けたあとの物品につきまして、自動車とかの物品につきまして、廃棄、 施設間の移動というものが生じております。それもきちんとチェックして齟齬がないよ うにしているところでございます。廃棄件数が321件、管理換の件数が28件となって おります。  現在行っている事業の運営の停止でございます。経営を継続することは不適切、と認 められる施設については、18年度譲渡計画に盛り込んで順次運営を停止をしております。 譲渡計画に予定していなかった施設が、施設の都合によって運営を停止せざるを得なか ったという場合には、施設の事業価値、資産価値を高め保全し、あるいは劣化防止を防ぐ ということが課題になってまいります。民間事業者との間で管理・運営委託あるいは管 理委託を行っております。  具体的には「社会保険東大阪健康づくりセンター」「ちば社会保険センター」について は、運営の委託をしております。委託替えを行っております。「源平荘」と「きつれがわ」 につきましては、ハード面の管理を委託をして、いつでも事業が再開できるという状態 を保って維持しているということでございます。  次のページに自己評定です。これについては「A」評価とさせていただいたところで ございます。  14ページです。買受需要の把握及び開拓です。機構といたしましては、事業継続の買 受先の開拓、デューディリジェンス結果に基づいて施設の最有効用途を踏まえた買受先 の開拓、及びファンドを含めた全国展開企業を中心にマーケティング活動を行っており ます。情報の収集方法としましては、銀行、地元の有力企業、地方公共団体、売却業務 委託先等、幅広く活用しております。明らかに不動産価値が事業価値を上回る施設を除 きまして、経営改善計画、期待キャッシュフロー等の資料作成をしまして、詳細な説明 を行って事業継続を促す活動促進をしたところでございます。  これにつきましての自己評定です。応札件数も2.0から4.1に着実に増加しまして、 落札率も大幅に改善いたしております。事業継続を主体としての譲渡が多く実現された と考えておりまして、自己評定を「S」とさせていただいております。  15ページ、情報の提供でございます。情報の提供につきましては、機構の概要ですと か、あるいは中期目標、中期計画等の情報を開示をする、ということになっております ので、これを継続して行っております。  (2)の譲渡の対象となる施設に関する情報です。これは別添資料6に当機構のホームペ ージの具体的な例が出ております。できるだけ幅広い情報を開示して、需要を喚起して いくという観点から、わかりやすいホームページの作成に努めたところでございます。  16ページ、情報提供につきましての自己評定です。こういう点を踏まえまして自己評 定を「A」とさせていただきました。以上でございます。 〇山口部会長  ありがとうございました。御質問等がありましたらお願いいたします。また質疑を経 ながら各自評価シートへの評点やコメントを御記入いただきますようにお願いいたしま す。 〇川北部会長代理  8ページに譲渡計画がありまして、平成18年の譲渡計画、施設数、物件数、計画比 未達という状況になっております。これに関し、後段に少し工夫を凝らして、今年度か なり落札をしたという情報もあったと思います。これは例えば、売りやすいものから比 較的簡単に売れるものから売っていくということであるとすると、かなり前倒しで進む とか、いろいろな状況が考えられると思います。例えば、8ページにある年度別の譲渡 施設の計画というものに関する見通しというか、18年度が未達であったことも踏まえて、 計画上の譲渡先の売却が容易であるとか難しいとか、そういうことも踏まえて、計画の 達成に関する現時点での見通しのようなものを少し教えていただければと思います。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  件数で未達になっている要因は、昨年度までは昨年度に閉鎖をするという通知をまず しないといけないわけです。今年度譲渡します、という通知をしないといけません。そ の場合に、通知をする件数と譲渡する件数を同一にいたしておりました。これは、実は、 私どもはこの計画を出しているわけですが、現場としましては、これは一体どこの施設 だということになるわけでございます。それを順次開示していくわけです。  今年度、18年度に閉鎖を通知する数と譲渡計画数が同一で、18年度はそういう意味 で行ったということです。したがいまして、通知でやってみて不落になりましたという のが要因としてございます。もう一つは、不動産支障があとからわかって、例えば土壌 汚染があるということがわかって、土壌汚染調査を行わなければならないということが あったとか、あるいは接道状況が実は接道していなかったとか、そういう要件がござい ました。それでその年度の計画から外したものがございます。  本来は、他のものを入れてそれをカバーするべきですが、実は18年度については、 これだけですよという通知をしておりますので、現場は18年度はまだ仕事ができると 思っているわけです。この人たちに、我々はあそこはだめだったから、あなた方にさせ てちょうだい、ということは言うべきではないと考えまして、18年度については、そう いうものについては、先送りしています。  19年度に関しましては、そういう実績を踏まえまして、実は通知するということを多 めに通知しております。通知することとしております。したがいまして、もしもそうい う施設が出たとしても、数も含めて19年度の実績計画が担保できるような仕組みとい うものを、19年度についてはつくっておりますが、現実には、私はいまこのように考え ております。  最後の21年度に売るものというのは、多分、50〜60ぐらいになると思いますが、こ れは例えは、非常に大型の会館で、総本山のようなところがございます。こういうとこ ろに関しては、雇用も千人単位の雇用がございます。そこについてはある程度は地なら しをしていかないといけないところがあります。  実は、雇用のことを考えますと、ある程度は最後はバルクでやることが必要だと思っ ております。30ぐらいですね。事業価値が不動産価値を上回ると思われるものを、論理 的にロジックとしてそうなるであろうというものをまとめて、雇用を守ってあげるため にも、そういうものを譲渡する。  実は、退職金が払えないというところがあります。どうしても最後まで稼がせてもら って、退職金を払って辞めたいというところがございます。そういうものを合わせると 大体、50ではないかと思います。最終年度は。  来年度は、あと全部いってしまうつもりです。原則として売れるかどうかは別です。 そういう意味で、年度計画というものを柔軟に考えていかないと、現場に人がおります ので、年度計画を我々が達成するために、売却時期、譲渡時期というものを恣意的に動 かすというのは、現場に対して申し訳ないという気もしております。私本人としては、 それを数字はきちんと守るべく運営はしてまいりますが、今年度と来年度で概ね譲渡す るべきものはする。  もう一点御理解いただきたいのは、今まで売っているものは売りやすいものではござ いません。赤字老朽化施設、今年度は特に赤字老朽化施設の売りにくいものを全部売っ てしまおうと思っております。  本当に儲かるもの、利益が出るものについては、来年度、再来年度になります。それ は本当は今年度でやって利益を出したいと思いますが、それをやりますと雇用に非常に 大きな影響が発生しますので、これはやむを得ないなと思っております。  先ほど来いろいろと数字を申し上げておりますが、数字は昨年度はそれなりに確かに 売りやすいものが2〜3件、数字が上がるようなものを数件売りました。3件売りまし た、その影響も非常に多いのです。今年度はそういうものもございませんので、今年度 はちょっと数字は下がるかなと思っております。それでも達すべきところについては、 本年度にやってしまうということでございます。  数字は守りますが、基本的には来年度をトータルで考えていったほうがいいかな、現 場のことを考えますと、そのようにいまは考えているということです。 〇光多委員  1つは出資価格と簿価と販売価格、出資価格というのは多分つくった原価だと思いま す。簿価というのは売る直前に現状の用途で売った場合の価格、販売価格というのは、 もっと最適な用途で売られるもの。その点でいくと確かに140億円プラスでいいのです が、簿価というのはどういう意味があるのか。  いまの用途で売られた場合の価格という形での参考措置だと思えばいいのではないで しょうか。私どもは売られた価格が時価だと思います。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  確かにそうです。ですから、そもそも私どもは、企業会計原則に基づいて資産につい て再評価を行わないといけないということでございますので、これは販売不動産でござ いますから、これはすべて再評価を行うというのは原則でございます。ですから、再評 価を行いますというのは会計規定に基づいて行っておりますということになるわけです。  決算をするためにはそれが必要です。簿価を時価というか、売価を時価というかは、 これはこういうことだというように、僕はどうして時価といっているのかということで ございます。  これは国会で時価はどれだと聞かれるわけです。そのときに簿価ですと答えているの です。それは直近の鑑定価格です。直近の鑑定価格ですからそれです。ただ、直近の鑑 定価格もすべて事業価値ベースでは必ずしもありません。でも原則は事業価値です。  出資価格のほうは、都道府県別に鑑定しておりますから、そこは比較的積算も入った ものが多いのです。ですからそこの差です。それに比べていくらであったのかというこ とに関しては、簿価に関しては聞かれたときに、時価はこれだというふうに申し上げる ための価格です。我々は目標は出資価格、仕入れ価格よりもどれだけたくさんのプラス が出て、それはそれから経費を引くといくらより返せたのか、償却されている部分につ いてですね。特別勘定として償却されているものをどれだけ返せるのか、ということが 我々の使命であると思います。 〇光多委員  この売却益の内訳というのは、どこかに資料がありますか。個別のものです。確か昨 年度も一発で稼ぎましたよね。錦糸町のところでね。でかいものはありますか。コツコ ツと稼がれたのですか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  でっかいものもあります。 〇光多委員  昨年度は内訳表があったのです。個別の販売価格とそこでいくらの売却益が出たのか というのは、今年はないのでしょうか。資料6−4ですか。これのどこで利益が出てい るのでしょうか。この140億円というのは。簿価対比額で140億円というのは、どこで これだけ出たのでしょうか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  62件のうちで簿価を下回って売ったところは、ほとんどないと思います。コツコツ稼 いだということと、損をするところを損しないで、儲けるべきところで儲けたのです。 ですからこの中で例えば、「大濠荘」などはかなり儲かっています。 〇光多委員  一発というものはなくて、今年はコツコツ稼がれたと理解してよろしいですね。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  一発ではなく数発で儲けたものはあります。しかしそれを打ち消すような損が出ない ように運営している、と御理解ください。 〇光多委員  140億円というのは生半可な数字ではないので、どこかで大物で稼がれたと思います が、先ほども少しおっしゃっておりましたが大都市圏の中で比較的用途が変換されて、 そこで稼がれたものがあるということですね。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  100億とかはありませんよ。一番大きいもので20億円ぐらいだと思います。 〇光多委員  いやいや簿価対比が合計で140億プラスでしょう。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  140億円の内訳として、一番大きいプラスは20億円程度です。例えば100億円とか のプラスがあるということではございません。 〇光多委員  わかりました。昨年も申し上げたのですが、この11ページです。ここでいくら販売 実績があったのか、という一番の中心的な評価項目であると思います。11ページで「S」 と書いておられまのですが、私は先ほどのお話をお伺いしていると、例えば販売につい てはいろいろな御苦労があるわけです。今までの役所であれば、これだけ売るという形 でやって、出し入れなしということだったのですが、多少は出し入れも考えておられる。 いろいろな形で工夫をしておられるわけですよね。これだけ成果が出ている。  昨年も申し上げましたが、どうもそこが、役所表現で淡々と書いておられる。こうい う形を考えて、これだけ実現したという訴えるものがなくてSと書いておられるので、 もう少し、いまおやりになったことを入れ込んでお書きになったほうがいいのではない かと思います。  自己評定に合うような形ですね。淡々と書いておられてSということですが、いまお 伺いしていると、もっといろいろな工夫をしておられる。そういう形をもっと主張され たらいかがと思います。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  よくわからないのですが、評価の視点というのが一番左にあるのです。これに沿って 書くとこうなるのです。ですから、これをまとめて書き方を工夫します。 〇光多委員  以上です。 〇竹原委員  2点確認します。8ページの落札状況のところで、17年度は2.0件から18年度は4.1 件と大幅に件数は増加しています。これがもう少し4.1件の内訳を教えていただきたい というのが一つ目です。例えば、特定の都市圏の非常に需要が高いところで応札件数が 多く、それ以外のところでは、例えば、1件とか2件という極めて少数に止まっている ような状況がないのか、ということがまず1点です。  もう1点です。最初の川北先生の御質問とも関係します。計画があって、売却施設を 選定されているということはわかります。それを具体的になにかの文書あるいは計画の ようなもので、マスタープランとして計画書のようなものはあるのでしょうか。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構理事長  まず計画のほうは年度計画それぞれを立てております。そこで計画をしているという ことでございます。ただ個別施設名に関しては、通知をするときに、譲渡広告をします ので、譲渡広告をするときに通知をいたします。それはなぜかと申しますと、決めてか らタイムラグがございます。この間にもうやるよというと、施設はどんどん劣化します。 したがいまして、やると決めたときに通知をして、そこから走り出すということです。 個別名は書いてございませんが、計画としては年度計画それぞれにやっていくというこ とでございます。  2.0か4.1件という評価でございます。例えば1件で、10件以上というものは、私の 記憶では62件のうち、申し訳ございません、ベースの数字で若干の違いがございます が、10件以上は4件で、いま私が持っておりますのは74件ベースでございます。10件 以上が4件、5〜9件が20件、3〜4が27件、2件が17件、1件が6件、こういう モードでございます。これが17年度の2.0件のときはどうであったかということです。 20件ベースですが、1件が8件、2件が6件、3〜4件が2件、5〜9件が1件という モードです。  ですから、明らかに一つ一つの物件について入札者数が増えているということは御理 解いただけると思います。 〇山口部会長  よろしいでしょうか。では続きまして第3グループの説明に入りたいと思います。そ の前に第3グループの個別評価に当たっての留意事項につきまして事務局から説明がご ざいます。 〇社会保険庁運営部企画課施設整理推進室長  社会保険庁施設整理推進室長大場でございます。評価シートの最後の2枚、23・24ペ ージにつきましては、これは14の厚生年金病院、15の終身利用型老人ホームについて でございます。これにつきましては昨年同様に、平成18年度業績評価におきまして評 価の対象外とさせていただきたいと思っております。  これは整理機構に出資をしていないためでございます。理由につきまして、資料はご ざいませんので恐縮でございますが口頭で簡単に御説明をいたします。  14の厚生年金病院でございますが、これには23ページに中期目標等が記載をされて おります。厚生年金病院は全国に10か所ございます。これの譲渡にあたりましては、 平成17年の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の法案の国会審議の際に、 衆議院の厚生労働委員会におきまして、政府は、厚生年金病院の整理合理化計画につい ては、地域の医療体制を害うことがないように十分に検証した上で策定すること、とい う附帯決議が採択をされております。  これによりまして、この附帯決議を踏まえまして厚生年金病院の整理合理化の策定を しているところでございますが、現在検討を進めておりまして、具体的な整理合理化計 画の策定には至っておりません。したがいまして、整理機構には出資をしていないので ございます。  15の終身利用型老人ホームにつきましては、これも同様にこれは全国に1か所でござ いますが、平成17年の施設整理機構法案の国会審議の際の同じ附帯決議の中で、政府 は終身利用型老人ホームの譲渡に当たっては、設置時の主旨及び終身利用という事情を 踏まえ、適切な結論を得ることということにされております。このために終身利用型老 人ホームの譲渡条件の策定に当たりましては、現在の経営状況、あるいは譲渡後の改善 案等々の検討を進めておりまして、現在まだ譲渡方針の策定には至っておりません。  したがいまして、整理機構には出資をしていないわけでございます。  以上によりまして、個別項目の(14)厚生年金病院、(15)終身利用型老人ホームにつき ましては、昨年度と同様に評価の対象外とさせていただきたいと思いますので、よろし くお願い申し上げます。以上でございます。 〇山口部会長  では第3グループの評価シート左上の項目番号の(9)〜(13)の実績について説明をお 願いします。  部会長は暫時席を外させていただきますが、その間、川北部会長代理に進行をお願い したいと思います。よろしくお願いいたします。 〇川北部会長代理  では、第3グループの評価シート(9)〜(13)の実績について御説明をお願いします。よ ろしくお願いします。 〇年金・健康保険福祉施設整理機構審議役  17ページでございます。財務内容についての項目でございます。予算、収支計画、資 金計画につきましては、資料6−2におきまして財務諸表等の資料をお手元に配付をし ておりますので、詳しい中身については、そちらをごらんいただきたいと思っておりま す。  短期借入金の限度額は、18年度計画においては29億4,400万円ということになって おります。当機構におきましては、18年度短期借入金を借り入れることなく、売却収入 と当機構の収入を原資として運営を行っておりますので、18年度の借り入れは行ってお りません。  重要な財産につきましては、重要な財産を譲渡し、または担保に供しようとするとき は、その計画ということになっておりますが、そういう実績はございませんでした。  剰余金の使途につきましては、後ほど御説明をしますが来年度の運営計画、及び国庫 納付金としてつかうこととしております。  18ページでございます。予算につきましては、ここにございますが、収入の部では予 算比で17億円の274億円、費用の部は予算比181億円のマイナスということでござい ます。その結果、総利益は120億円となりまして、予算比が198億円となっております。  そのうち施設譲渡により生じた収入でございます。これは、先ほど来、御説明をして おりますが、落札ベースの額ではございません。落札をしましても、契約後に入金があ るのは翌年度というものも数物件ございまして、52施設、先ほど申し上げましたものの うちの52施設につきまして、18年度の決算として計上されております。  施設譲渡により生じた収入は、予算比257億円に対して実績は271億円で、予算対比 は14億、簿価対比が137億、出資対比が73億円ということで大幅に上回っております。  そういうことで自己評定を「S」とさせていただいております。  19ページの人事に関する問題です。人事につきましては職員の専門性を高めて、その 勤務成績を考慮した人事評価を実施するために、譲渡専門職員については、民間に準じ て成果主義に基づく実績評価を、一般職員については、実績評価と能力評価による評価 制度を導入をいたしました。  売却業務が本格化し、業務量が増加する中で、業務の効率化を図りつつ現状人員を維 持しております。  自己評点につきましては、そういう実績を踏まえて「A」とさせていただいておりま す。  20ページです。国庫納付金に関する事項です。当機構の計上利益になるものについて は、それぞれの特別会計に納付するという法律上の規定がございます。17年度におきま しては、厚生年金の勘定に約12億円の納付をいたしたところでございます。平成18年 9月11日に納付をいたしております。  平成18年度に係る国庫納付金につきましては、19年度の収入、今年度の5月までに 入ってくる収入を加味をして国庫納付金を確定し、厚生年金、国民年金、健康保険、3 勘定にすべて国庫納付ができるということで、あわせますと229億5,000万円の国庫納 付をするということといたしております。  自己評定としましては「A」ということにしております。  次の21ページです。外部の有識者からなる機関に関する事項でございます。当機構 におきましては、第三者機関としまして譲渡業務諮問委員会というものを設けておりま す。3名の委員の先生方に就任いただいております。弁護士、事業再生の専門の大学の 先生、不動産業界の専門家の方、この3名を諮問委員にさせていただいております。四 半期に1回の開催を原則として、譲渡方針等を含めて幅広い議論を行っていただいてお ります。  18年度は、入札参加資格における機構が不適当と認めたものの具体的な事項、最低売 却価格公表ルールの見直し、老人ホームの売却方針、売却業務委託に関する報酬方式に ついて、耐震設計基準による出資施設の状況と耐震診断の実施等について諮問をいたし、 幅広い観点からの議論を行っていただいております。  自己評定のところに書いてございますが、この議論を踏まえて適宜機構の運営に反映 しております。これについては「S」という評価をさせていただいております。  20ページです。保有する個人情報の保護に関する事項です。個人情報の保護につきま しては規定を設けまして適切な管理を行っております。あわせまして総務省の研修会等 知識の向上に向けた業務の執行をしているところでございます。これについては自己評 定は「A」とさせていただいております。以上でございます。 〇山口部会長  失礼いたしました。進行を元に戻させていただきます。ただいまの御説明につきまし て、御質問等がございましたらお願いをいたします。また質疑を経ながら各自評価シー トへの評点やコメントを御記入いただきますようにお願いいたします。  御質問等はございませんでしょうか。では、本日予定されておりました議事はすべて 終了いたしました。今後は、本日の審議と個別項目に関する評価結果を踏まえ、起草委 員において総合的評価書の案を作成することになります。  次回は、それに基づきまして総合的評価に関する審議を行う、ということにしており ます。その他事務局からなにか連絡事項がありましたらお願いいたします。 〇政策評価官室長補佐  次回の開催でございます。第14回年金部会におきましては、年金積立金管理運用独 立行政法人の平成18年度の業務実績の個別評価を行う、ということにいたしまして8 月6日月曜日午後1時から省内9階の省議室で開催する予定でございます。開催通知に つきましては別途送付させていただきます。  また、本日の評価シートにつきましては、机上に置いたままでお帰りいただきますよ うにお願いいたします。なお、評価シートへの書き込みが足りないという方がいらっし ゃいましたら、お帰りになるまで回収はいたしませんので、この場で引続き記入してい ただいて結構でございます。よろしくお願いいたします。 〇山口部会長  では、本日の部会はこれで終了とさせていただきます。長い時間にわたりまして熱心 な御審議をいただきましてありがとうございました。                              終了  照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係  電 話: 03−5253−1111(内線7784)