07/07/17 第33回独立行政法人評価委員会調査研究部会議事録 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第33回)             開催日:平成19年7月17日(火)             場 所:厚生労働省専用21会議室(17階) ○政策評価官  おはようございます。定刻になりましたので、ただ今より第33回厚生労働省独立行政 法人評価委員会調査研究部会を開催させていただきます。  本部会につきましては、委員の先生方全員御留任いただき、メンバーの変更等はござ いませんが、全体の委員会、さらには臨時委員の先生方等につきましては異動等がござ いましたので、本日は改めて部会長を御選出いただくことになっております。部会長を 御選出いただくまでの間は、私、政策評価官の中島が議事の進行を務めさせていただき ますので、よろしくお願いいたします。  初めに、改めてではございますが、新しい任期ということで委員の先生方の御紹介を させていただきます。正委員、臨時委員の順に五十音順で御紹介をいたします。正委員 でございます。  岩淵勝好委員でございます。  本日御欠席でございますが、清水涼子委員でございます。  鈴木友和委員でございます。  本日は御欠席でございますが、武見ゆかり委員でございます。  田宮菜奈子委員でございます。  田村昌三委員でございます。  それから臨時委員でございますが、市川厚委員でございます。  酒井一博委員でございます。  中村英夫委員でございます。  政安静子委員でございます。  本部会につきましては、正・臨時委員とも全員留任でございます。  それでは議事でございますが、お手元にお配りしております議事次第にしたがいまし て、本部会の部会長を御選出いただきたいと思います。部会長の選出につきましては、 本評価委員会の政令に基づきまして、委員の互選により選任することとなっております。 どなたか御推薦、御意見等いただけますでしょうか。 ○岩淵委員  これまで部会長をなさっていらっしゃいました田村委員に引き続きお願いしてはいか がでしょうか。 ○政策評価官  ただいま田村委員を部会長にという御推薦がございましたが、田村先生、よろしいで しょうか。それではよろしくお願いいたします。 ○田村部会長  それでは大変僣越でございますけれども、御指名でございますので、この大役を一生 懸命務めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、初めに部会長代理を決めさせていただきたいと思います。部会長代理は部会長 が指名することとなっておりますので、前期に引き続きまして鈴木委員に部会長代理を お願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○各委員  (異義なし) ○鈴木部会長代理  部会長代理をやらせていただきます。どうぞよろしくお願いします。 ○田村部会長  どうぞよろしくお願いいたします。それでは次の議事に移らせていただきたいと思い ます。去る7月4日に第18回独立行政法人評価委員会総会が開催されましたが、そこで の決定事項等につきまして事務局から御説明をいただきたいと思います。 ○政策評価官  お手元にお配りしております資料の1−2、それから参考1、参考2の資料をお配り しております。それに基づきまして御説明を申し上げます。  資料1−2でございます。本評価委員会につきましては、6月30日付けをもちまして 新たな体制ということで各先生方に正委員、臨時委員になっていただくことで御了承い ただきまして,このような人選をさせていだたいたところでございます。  7月4日には全体の総会を開催させていただきまして、委員会の委員長として井原哲 夫先生、それから委員長代理として猿田亨男先生のお二人を御選出いただき、また、部 会の構成としましては、従来どおり計6部会を設置し、それぞれの部会が扱う法人を以 下のようにするということをお決めいただき、また、委員長よりそれぞれの委員の先生 方の所属、分属についてこのような形で決定していただきました。調査研究部会につき ましては、引き続き3法人を対象にしていただき、先生方の御異動はございません。  7月4日の総会におきましては、先月決定されましたいわゆる基本方針において独立 行政法人の見直しの話が出ておりましたので、そこを中心に御説明をして、今後当面の 審議スケジュールについてお諮りをしました。本日、改めて御説明を申し上げます。参 考1の資料でございます。  経済財政改革の基本方針2007でございまして、いわゆる小泉政権の時からありました 骨太の方針でございます。そこにおきましては、21世紀型行政システムの構築というこ とで公務員制度改革諸々があげられておりますが、独立行政法人につきましては、2ペ ージ、3ページ、4ページに書かれている内容にしたがって見直し作業を進めていくと いうことが決められております。いわゆる閣議決定でございますので、ここに記された 方針に則って実施していくということでございます。   読み上げさせていただく形で御紹介をいたします。2ページの5.独立行政法人等の 改革でございます。政府が果たすべき機能の見直しの第一弾として、独立行政法人の改 革を行う。現行の法人が制度本来の目的にかなっているか、制度創設後の様々な改革と 整合的なものとなっているかなどについて原点に立ち返って見直す。また、郵政民営化 や政策金融機関の新体制への移行を円滑・確実に実施するということでございます。  改革のポイントとしては、すべての独立行政法人(全省庁合わせて101法人)につい て、民営化や民間委託の是非を検討し、政府として整理合理化計画を策定するというこ とでございます。  具体的手段として、3原則が決められております。これにつきましては経済財政諮問 会議の民間議員から提出されたペーパーに基づいて原則1〜3というものが書かれてい ると認識しております。  行政改革推進本部、これは総理をトップにいたしまして、全閣僚によって構成されて いる本部でございますが、行政改革推進本部は総務省と連携をして、総務省は政策評価 独立行政法人評価の全般を担当することになっておりますので、その総務省と連携して 次の原則に基づき101全法人を対象に見直しを行う。  原則1が「官から民へ」。民間に委ねる場合には実施されないおそれがある法人、事務・ 事業に限定する、そしてそれ以外は民営化廃止、または事務・事業の民間委託廃止を行 う。  原則2が競争原則。法人による業務独占については、民間開放できない法人及び事務・ 事業に限定する。それ以外は民営化・廃止または事務・事業の民間委託・廃止を行う。  原則3は整合性原則。先ほども読み上げましたが、公務員制度改革、政策金融改革、 国の随意契約の見直し、国の資産債務改革等々、他の改革との整合性を確保するという ことでございます。   (2)整理合理化計画の策定ということで、平成19年内を目途に計画を策定すること となっております。本年の12月を目途にということでございます。  (3)不断の見直しという点では、存続する法人についてはすべての事務・事業につ いて市場化テスト導入の検討対象とするということでございます。  (4)ここで具体的なスケジュールでございますが、見直しの進め方ということで、 原則1〜3を踏まえ、政府としての計画の具体的な策定方針を速やかに決定すること、 そして各主務大臣は、その方針に沿って所管する全法人について、それぞれの整理合理 化案を8月末目途に策定することとなっております。この政府としての計画の具体的な 策定方針については、まだ内閣なり総務省からは示されておりませんが、いずれにせよ 全法人についての整理合理化案を8月末目途にそれぞれの省庁が策定することとなって おります。  これに合わせて、中期目標期間終了時の見直しについては、本年度にその見直しを行 うこととなっている23法人に加え、来年度にこうした見直しを行う予定の12法人につ いても前倒しで対象とするという形で、1年前倒しということでございます。  ただ、いずれにせよ本部会で扱っていただきます3法人につきましては、中期目標期 間終了時の見直しが本年度ないし来年度には予定されておりませんので、こうした御審 議をいただく必要はございません。  各主務大臣の作成した整理合理化案については、先ほど申し上げました行政改革推進 本部に民間の有識者で構成される行政減量・効率化有識者会議というものが設けられて おりますが、行政減量・効率化有識者会議と、総務省に設置されている、いわゆる政独 委、さらには内閣府におかれている規制改革会議等とが連携を図りつつ議論を行い、こ の行政減量・効率化有識者会議において、それぞれの議論を集約・検討し、19年内を目 途に行革推進本部において内容を取りまとめ、政府としての計画を策定することとなっ ております。  このような形で1年の前倒し、さらにはそうした対象になっていない法人についても、 全法人を対象に整理・合理化案を各省が策定し、その後、有識者会議なり、政独委等で 御議論をいただいて、年内を目途に政府としての計画案を策定することとなっておりま す。  そうしたことを踏まえまして、参考2でございます。厚生労働省の評価委員会の当面 のスケジュールを整理させていただいたものでございます。6月には新たな委員を任命 させていただいて、7月4日には総会を開催、そして総会開催後はそれぞれの部会にお きまして、毎年度の実績評価を行っていただきます。本日はその第1回目でございます。 それが8月にかけて御審議いただきます。  そして8月にはそうしたものが済み次第、本部会においては審議はございませんが、 最終評価なり暫定評価を実施する、さらには組織・業務の見直し当初案について御審議 いただくこととなっております。また、今後どういう状況になるか分かりませんが、必 要に応じ整理合理化案というもの、全法人を対象にした、それぞれのものについてもお 諮りをする可能性といったことがあるかもしれません。そのため8月に精力的に御審議 をいただいて、8月末に総会を2回にわたって開催させていただいて、最終評価、暫定 評価、さらには組織・業務の当初見直し案について御審議いただきます。  そしてここでまとめられました組織・業務の見直し当初案について、当省から総務省 に提出をいたしました後、総務省の政独委でも御議論をされ、そして総務省から勧告の 方向性といったものが出されますので、それも踏まえて改めて組織・業務の見直し案に ついて12月を目途に御審議いただきます。以上のような流れで、とりわけ7月から8月 に集中的に御審議をいただくことでお願いをしているところでございます。よろしくお 願いいたします。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただいまの説明につきまして御質問等ございましたらお願 いいたします。何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは次の議題に移ります。次の議事は今回のスケジュールでございます。事務局 から御説明をお願いいたします。 ○政策評価官  お手元にお配りしております資料の1−3をご覧ください。本部会におきましては、 暫定評価、最終評価、組織・業務の見直しの対象となる法人はございませんので、基本 的には今夏は各法人の平成18年度評価をしていただきます。  個別評価につきまして、それぞれの法人ごとに一度ずつ、そしてそこでいただいた意 見を踏まえて総合評価をしていただくのが3法人合わせて一度ということで、ここに記 させていただいた形で、本日も含めまして計4回の部会審議をお願いしたいと思ってお ります。お忙しい中ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでし ょうか。よろしいでしょうか。  それでは次の議題に移らせていただきたいと思います。本日からの個別項目の評価の 進め方につきまして、事務局から資料が用意されておりますので、御説明をお願いした いと思います。よろしくお願いします。 ○政策評価官室長補佐  資料1−4と1−5に基づきまして、個別評価の進め方と、それから各法人の総合評 価の際の起草委員について御説明いたします。まず資料1−4でございます。  ここにございますように、各3法人について個別項目に関する評価を行いますが、そ の際、まず最初に理事長から法人の平成18年度の事業につきまして、特に重点的な事項 について5分程度で御報告いただくこととしております。その後、個別項目を4つのグ ループにまとめまして、法人から業務の実績を説明していただきます。  そしてその大まかな時間配分は4つのグループの1グループごとにつきまして、法人 からの説明時間で10分、説明に対する委員からの質疑時間で10分、そして実際の評価 シートへの記入時間で10分としておりまして、この合計分として4グループで120分、 そして最後に総括として5分ほどの時間を設けてございます。また、この10分、10分、 10分と申し上げましたが、内容の多い少ないによりまして5分ないし15分という時間 の内容もございますので、そこは部会長から御説明があると思います。  なお、起草委員につきましては、資料1−5に案としてお出ししてございます。基本 的に昨年度と同じ法人の担当となっております。以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。では今年度の個別評価につきましては、このように進めて まいりたいと思います。起草委員の案も含めまして御了解いただけますでしょうか。は い、ありがとうございました。では御了解いただいたということにさせていただきたい と思います。これより実際の評価に移りますが、最初に事務局から参考資料についての 御説明がございます。よろしくお願い申し上げます。 ○政策評価官室長補佐  参考資料の5、6及び7について御説明いたします。これらの資料につきましては、 昨年の総務省政独委のいわゆる二次意見、こちらで各所管法人共通のものとして指摘を された内容の中で、特に共通して御説明する必要があるものとして特出ししてございま す。  まず、参考資料の5と6ですが、こちらにつきましては各16法人共通で御説明してい る内容です。5が随意契約の状況、6が人件費の関係、役職員の報酬給与等についてで ございます。それから参考資料7につきましては、公的研究費の関係で、関係の法人の みですが、本日御議論いただきます労働安全衛生総合研究所におきましては、公的研究 費を受け取っておりますので、こちらの資料の提出もあったところでございます。こち らもあわせて提出をさせていただいております。  内容につきましては、まとめて法人から後で説明がありますが、これに加えまして委 員限り資料としまして、お手元に1枚の紙をお配りしてございます。独立行政法人労働 安全衛生総合研究所の雇用環境について、という資料を机上配布してございます。こち らにつきましては、前回2月の第32回の調査研究部会におきまして、委員から各研究機 関の雇用環境につきまして、評価項目にしてはどうかという議論がございました。  雇用環境につきましては、労使による決定事項という側面もございまして、法人の中 期目標の達成状況を評価する項目としては馴染まない面もあろうかと考えておりまして、 第2期中期目標、中期計画や評価の視点に盛り込むことはしていないところでございま す。しかしながら、委員からの御意見もございましたので、今般このような資料として 作成し、配布させていただいているところでございます。  今後の国立健康栄養研究所及び医薬基盤研究所の個別評価におきましても同様の資料 を配布予定としております。内容としましては、御指摘のありました介護休暇、育児休 暇の取得率、それから年次有給休暇の取得率その他の内容となっております。評価に当 たっての参考としていただければと考えております。以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは参考5、6、7及び雇用環境関係資料に関しまし て、法人からポイントを中心に5分程度で御説明をお願いできますでしょうか。よろし くお願いいたします。 ○ 労働安全衛生総合研究所(以下、安衛研)・総務部長  それでは私の方から随意契約等の状況につきまして、参考資料5に基づきまして御説 明させていただきたいと思います。一番下の備考欄にも書いてございますように、この 資料は平成18年度に締結した契約のうち、100万円を超えるものということで記載して ございます。資料の中身を御説明させていただきますと、100万円以上の契約件数、総 件数は167件でございます。金額にしまして10億7,900万円、平均落札率は95.7%と なっております。内訳でございますが,一般競争入札の件数は167件のうちの55件、パ ーセンテージでは32.9%でございます。しかし平成17年度で28件でございましたので、 平成18年度はほぼ倍の55件まで伸びておるということでございます。  総契約件数の10億7,900万のうち、一般競争入札で契約している金額が8億1,300 万、全体の75.3%でございます。これらの中身につきましては、研究用機器の購入、研 究施設の改修工事、施設の維持管理等の業務契約の委託でございます。指名競争入札の 方は1件もございません。随意契約は167件から55件を引いた112件でございます。全 体の67.1%でございます。  この随意契約は、次ページの随意契約ができる限度額について、上から2段目が当研 究所、労働安全衛生総合研究所でございますが,国の基準に準じまして、工事製造につ きましては250万以下、財産の購入、物品等の購入については160万以下、賃借料、借 り入れ等については80万以下、役務については100万円以下ということで、国の基準に 準じまして、この金額以下のものについては随意契約を結ぶことができるということで、 この112件について契約しているわけでございます。  研究所の性格から、研究及び実験に必要な機器というものは市販のものがそのまま使 えるというものではございませんで、特殊な性能を備えたという機器の購入などもござ いますので、どうしても随意契約が若干一般競争入札よりも多くなっております。112 件のうち、72件は先ほど申し上げました次ページにございます、いわゆる随意契約の範 囲内のものでございます。金額については2億6,600万円、1件平均ですと200万ちょ っとということになろうかと思います。随意契約の資料、内容につきましては以上でご ざいます。  続きまして参考資料6でございます。独立行政法人の役員報酬、給与等についてとい うものでございます。役員報酬の基本にかかる部分でございますが、(1)は業績を反映さ せたかどうかというものでございまして、カッコ書きにございますように、業績等の総 合的判断に基づいた結果というのは、報酬の増減は行われておりません。  (2)の方の役員報酬基準の改訂内容でございますが、新法人設立時に役員報酬規定とい うものがございまして、これは第4条第1項で定めているわけでございますが、これは 国の方の一般職の職員の給与に関する法律に定められております指定職の俸給表に準じ てございます。当研究所につきましては、法人の長であります理事長を指定職俸給表の 4号俸相当としております。  次の理事の欄でございますが、理事も同じくその指定職俸給表の所長を兼ねる部分に つきましては3号俸相当、所長を兼ねない通常の理事については2号俸相当というもの で定めております。その他、改訂に準じまして、調整手当に変えて地域手当、これは清 瀬地区と川崎地区に分かれておりますが、その地域手当の新設、手当率の変更などを行 っております。非常勤理事はおりません。監事につきましては、同じく指定職俸給表1 号俸相当ということで設定しております。監事の非常勤につきましては、新法人設立時 に俸給月額を22万4,000円と定めて支給しております。  2以降は、それらに基づきまして、年間の18年度の報酬額を報酬等賞与、その他とい う分類で分けて、それぞれ積み上げた数字でございます。  2ページ目は役員の退職手当の支給でございまして、平成18年度に統合独法に研究所 が統合されたわけでございますが、その際に役員等の人数が減りましたので、法人の長 について1名分、理事について1名分、それぞれ退職手当を支給しているところでござ います。  3ページ目でございますが、それら今御説明させていただきました給与改定等につい ての内容を個々に書いてございます。特にウの部分で、平成18年度の給与制度の主な改 正点という部分では、ここに書いてございますとおり、俸給月額を改定率△0.3%、要す るに俸給額を下げました。その他、国家公務員の給与に準じまして、昇級時期の統一、 特別昇級と普通昇級の統合、55歳昇級停止制度の廃止等々を実施しております。  2番の職員給与の支給状況です。(1)の職種別支給状況は、常勤職員94名、内訳は事務 職10名、研究職81名、技能労務職3名、次のページには任期付研究員5名というよう に計上してございますが、このとらえ方は総務省の方の調査方法に基づきまして、対象 期間を18年4月1日から19年3月31日まで継続して勤務した者ということでございま すので、病休とか育児休業等で途中で抜けられている方はこの対象人数には入っており ません。かつ、その方が19年4月1日においても在職しているという職員を対象にして 数字をはじいたものでございます。  2枚めくっていただきますと、(2)では年間の給与の分布状況と、棒グラフ、折れ線グ ラフ等で個々に今も御説明したものを掲載しているものでございます。その次以降もそ うでございます。  ずっとめくっていただきまして、今の資料の最後ページ、IIIの総人件費というところ です。この総人件費につきましては、18年度と17年度の比較を計上してございますが、 (A)の給与俸給等の支給総額につきましては、△1,890万、率にしまして1.8%の減で す。これは職員数の減によるものです。退職手当の支給額につきましても、退職者数が 減ったために7,000万ほどの減額になっておるわけです。非常勤役職員等の給与につき まして、監事数が減りましたので、これに伴う減額が4,000万でございます。  福利厚生費のみが1,500万ほど増額になっておりますが、18年度から非公務員型の独 法になっておりますので、労働保険料等新たに計上する必要がありました関係で、1,500 万ほど増額になっております。最後のA・B・C・Dをプラスした広義の人件費という ことで△1億1,300万円の減額になっております。それらのことが下のカッコ書きのと ころにおおむね書かれているわけでございます。人件費関係のところにつきましては、 以上でございます。  次は参考資料7をお願いします。 ○安衛研・研究企画調整部首席研究員  それでは参考資料7に基づきまして、研究企画調整部より説明をいたします。公的研 究費の不正使用等の防止に関する取組み状況ということでございますが、当研究所の公 的資金不正使用に関するこれまでの対応は、公的資金の助成先の指示に基づきまして、 不正使用防止に対しましては、例えば資金の管理は研究所で行って、研究者本人が公的 資金の経理にタッチをしないというような実務的な対応をとってまいりましたが、今般 科学技術総合会議からの通達、あるいはこれに基づいた公的資金の助成元であります文 部科学省、あるいは厚生労働省からのガイドライン等が示されまして、これに基づきま して公的資金の不正利用防止に関する体制、ルールの整備を鋭意進めております。  現在までの取り決めでございますが、2をごらんいただきますと、公的資金不正使用 防止に関する諸通達の研究員への速やかな周知ということと、それから特に重要なもの につきましては、所内でその不正使用防止のための説明会を実施しているというところ でございます。  ただ、文科省の方で11月までに不正使用防止に当たっての体制ルールをしっかりつく りなさいということで、これについて報告をしなさいという指示がございまして、これ に基づきまして1の私どもが考えておりますのは、競争的資金の適正使用に関する規定 (仮称)、それからその実施細則というようなものを本年度9月末を目途に作成をしたい というふうに考えております。  その内容はそこに書いてございますが、資金の申請体制、それから管理、監査体制の 整備、それから不正使用事案の把握とその対応に関する体制の整備、それからもう一つ は細則の方では監査の独立、内部監査の実施、それから研究者本人が経費支出に関与で きない事務手続きをとる。もう一つ、迅速な調査の実施、配分機関への報告というよう なものを定めた規則を早急に整備したいというふうに考えております。以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただ今の内容につきまして御質問、御意見等ございました らお願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 ○安衛研・総務部長   一つ、委員限りの資料ということでお配りしました当研究所の雇用状況についての説 明を漏らしておりましたので、私の方から引き続きよろしくお願いしたいと思います。 雇用環境についてでございますが、事務職を除いた純然たる研究者の数が95名でござい ます。調査対象期間としましては、18年1月から18年12月までの1年間、その中でフ レックスタイム制の適用者が95名でございます。まるまる全研究者はフレックスタイム 制を適用しております。裁量労働制の適用者数はございません。  年次有給休暇の取得率は30.57%、これは年20日、繰越を20日してマックス40とし た場合、おおむね12〜13日の取得ということでございます。特別休暇の取得は、これは 中身としましては夏休み、忌引、結婚休暇等でございますが、1人当たり平均2.85日で ございます。介護休暇の取得率はございません。育児休業の取得率については50%とな ってございますが、これは男性1名、女性1名の対象者がおりましたが、女性職員が育 児休業休暇を取得しておりますので、2分の1ということで50%の取得率になってござ います。部分休業の取得率はございません。  3の研究者が働きやすい環境への取組み事項ということで、私どもの方は3点記入さ せていただいております。私どもの研究所は清瀬地区と川崎地区に分かれておりまして、 転居を伴うような異動はございません。それと2番目の○としましては、最初に申しま したとおり、フレックスタイム制を導入して職員が仕事と生活の調和を図れるように勤 務時間を設定することができるようになっております。そして私ども総務サイドとしま して、全職員に育児休業、介護休業制度を周知することによって、皆さんが活用できる ように職場環境を図るように努めておるところでございます。以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただ今の御説明も含めて何か御質問、あるいは御意見等ご ざいますでしょうか。 ○中村委員  参考資料7についてですが、公的研究費とありますが、この範囲というのは大体どこ ら辺までを考えておられるのでしょうか。 ○安衛研・研究企画調整部首席研究員  私どものところで考えておりますのは、文部科学省、それから厚生労働省の補助金、 それから環境省、それから経産省ということです。 ○中村委員   各省庁からの研究費と考えてよろしいのですか。 ○安衛研・企画調整部首席研究員  はい。 ○田村部会長   よろしいでしょうか。他に何かございますでしょうか。 ○酒井委員  雇用環境に関連して、残業はどのくらいになっておるのですか。 ○安衛研・総務部長  残業については当然ある一定ございますが、私どもいわゆる研究職の方の管理職にな っていない若手研究員については、残業時間として残業手当等の支給がございますので そういう実態は把握しているのですが、その他いわゆる管理職になられた方々の数字と いうのはつかみづらくございまして、今ここで例えば平均何時間程度というのはなかな か説明しづらいのですが、ある一定の残業は当然やっております。 ○田村部会長  それではこれから個別評価の方に移らせていただきたいと思います。お手元に各法人 の平成17年度実績の個別的評価という資料をお配りしておりますので、評点を付けてい ただく際の御参考にしていただければと思います。それでは労働安全衛生総合研究所理 事長から、法人の平成18年度の事業のうち、特に重点的な事項につきまして5分程度で 御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○安衛研・理事長 それでは早速ですが、まず最初に資料3−1の1冊目でございます。黄色い資料です。 2冊目は個別補足資料となっております。私の方は黄色の方を主に説明させていただき ます。それぞれ右下にページ数がふってありますが、これはスライド2というふうに説 明させていただきます。  このスライド2では、平成18年度の研究所は新たに新しい法律のもとに統合いたしま した。旧産業安全研究所と旧産業医学総合研究所が統合して発足いたしました。ただし、 これまでのそれぞれの2つの研究所の基本的な研究業務の目的、それから業務範囲、そ れから独立行政法人としての一番大事な3つの項目、業務の公共性、透明性、自主性は すべて変わりありません。  中期計画達成のための項目もこれまでどおり、1番目は業務の効率化です。2番目が 業務の質の改善、3番目が財務の改善ということで、この基本的な項目の業務を推進し、 これを24項目に分けて評価されるという形は基本的には変わりません。ただ、項目が 24項目となりました。以上はここには書いてありません。  その次は研究所の1年目の概要でございますが、まずマンパワーでは職員の他に研究 職員が95名、これに所内に定めております内々の目安の定枠と、それから実際の公式の 人数は違いがありますが、1〜2名の違いは報告によって違いがあることを御了承いた だきたいと思います。その研究職員の全体の約3分の2近くが博士号を保有しておりま す。  それから予算面はここに書かれておりますように総額29億1,000万円、これは基本的 に厚生労働省からいただく運営費交付金と施設整備費だけでございます。それから施設 面では清瀬地区と川崎地区にそれぞれ研究施設等を持っております。  それから研究所の業務であります調査研究業務の基本的な内容は以前と変わっており ません。これは4番目に記しましたように主務省の以前からの基本的な指導によってお ります行政ミッション型研究所として運営しております。ただし、これプラスその調査 研究の質を保持する、あるいは改善するために研究開発、これも基本的に重要なことで ありまして、この2つの使命、行政ミッション型ということと、研究開発、これを2本 柱として業務を運営しております。  次はスライド4番目をごらんいただきたいと思います。研究所が新しく発足しまして、 私も新しく理事長に任命されましたので、ここに書きましたような基本的な方針で1年 目の業務を進めました。まず研究所統合に当たりまして、新しい組織体制の大枠を主務 省指導のもとに確定いたしました。これがこの上のスライド3に書いてある組織図でご ざいます。  2番目に新しく理事長打ち合わせ会議をほぼ毎週、これは理事長、理事、それから総 務部長、研究企画調整部長をメンバーとする理事長打ち合わせ会議ですが,これを新し く立ち上げ、さらに月例の運営会議を新しく立ち上げまして、この2つの会議をトップ の会議といたしまして、2つの旧研究所の一元化の推進を図りました。  3番目に新しく研究領域長という、これは全く新しい内部の職制でございますが、3 部門、安全領域、健康領域、環境領域の領域長をつくりまして、それを任命いたしまし て、同じく川崎地区の研究部長の補佐を新しく導入しまして,これらをもとに統合を進 めました。  4番目として、決裁方式を全く新しく一新しまして、できるだけ簡素化して、さらに 理事長が最終的に決裁できるような方式を改めてつくりました。  5番目として、この上の組織図にありますように、総務部と研究企画調整部長を理事 長の直属部門といたしました。理事の直属部門ではなくて、理事長の直属部門としまし た。それでこの2人の部長がそれぞれ実務の代表者として清瀬、川崎両地区をそれぞれ が統括するように業務を一元化いたしました。  6番目として、研究企画調整部及び2つのセンターをそれぞれ清瀬、川崎両地区を合 わせて一体化する運営体制を進めました。  7番目、新しく業務管理会議、これは毎月一回設けまして、ここで所長を中心に、そ れぞれの2地区の業務が一元的に理事長まで報告され、さらにその指示がそれぞれの研 究部長レベルまで行き渡るような組織をつくりました。  8番目が施設設備の改善、これは企画調整部長が具体的に報告させていただきます。  9番目として、研究職員の個人業績評価の改善を進めまして、それを研究予算の配分 等へに反映させるための一歩進めました。  10番目として、これは国際学術誌「Industrial health」ですが、この編集体制を刷 新しました。  11番目、新しく連携大学院協定を4つの大学と結びまして、客員教授、準教授などた くさんの人材を新しく任命いたしました。  最後ですが、WHO労働衛生協力センターへ再登録に向けた活動をいたしまして、今 年度にWHOに再登録が認められ、新年度早々にこれが発足いたしました。  あとは後ほど細かく研究企画調整部長から報告いたしますが、この年度に業績が上が った項目、これは時間の関係で見出しだけを触れさせていただきます。  まずスライド6番、労働衛生重点研究推進協議会、これは統合に当たって過去5年間 の旧研究所の3つの業績の一つでございますが、これをこの新しい体制でも進めました。  スライドの9番目ですが、労働災害調査、これは統合に当たりまして旧研究所の一番 の業績であったわけですが、これも今年度新たに推進を図りました。  それからスライド10番目ですが、国内外の基準制定・改定への科学技術的貢献、これ も両方の旧研究所とも評価委員会の評価が高かった項目の1つなのですが、これも積極 的に推進を図りました。  次はスライド11番、論文発表です。これも同じくこの年度に推進を図りまして、今年 度も業績をさらにアップさせました。  次はスライド13番目です。国際学術誌の発行です。先ほど申し上げました「Industrial health」誌、この編集体制をさらに改善し、発行を進めました。  その結果、スライド14番目に書きましたように、インパクトファクターがこの図のよ うに年々上がってきまして、過去13年間で最高の値になりまして、投稿論文数、掲載数 も順調にふえております。  次はスライド15番目です。連携大学院、これは先ほど申し上げましたように、それま では客員教授が1人だけだったのですが、今年度に新しく9人の客員教授が生まれまし た。4つの大学との初めての連携大学を結びました。  最後はスライド16番です。WHO労働衛生協力センター、先ほど申し上げましたよう に新しく復帰いたしました。以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。御質問等ございますでしょうか。時間等も押しております ので、あとは総括ディスカッションの時に総合的な御質問等もいただきたいと思います ので、そこでまとめていただくということでよろしいでしょうか。  それでは第1グループの評価シートの右下の項目番号1〜4までの実績につきまして、 10分程度で御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○安衛研・研究企画調整部長  それでは早速個別項目ごとに説明させていただきます。同じように資料は1ページご とに2枚ずつスライドがありまして、各スライドの右下に番号がありますので、その番 号を述べさせていただきまして、進めさせていただきます。  まず3番目のスライドです。組織図ですが、先ほど理事長が説明しましたように、こ こにおいて産業安全研究所、産業医学総合研究所のそれぞれにセンターが1つ付随して おります。安全研究所の方には労働災害調査分析センター、産業医学総合研究所の方に は国際情報労働衛生研究振興センターというふうになっておりますが、この2つのセン ターは研究所全体のセンターとして機能するように運営しております。  それからもう1つ、産業安全研究所の一番下の所に人間工学・リスク管理研究グルー プ(I)、それから産業医学総合研究所の下に人間工学リスク・管理研究グループ(II) とありますが、この2つは同じ研究グループが両地区にまたがっているという形になっ ておりまして、これも一体運営の方向で動かしていただいております。  それに後ほど出てきます領域ですが、安全研究所の機械システム安全研究グループか ら電気安全研究グループまでの4グループを安全研究領域、それから産業医学総合研究 所の作業条件適用研究グループから有害性評価研究グループまでを健康研究領域、それ で残りました産業医学総合研究所の環境計測管理研究グループと、それから両研究所に またがっている人間工学・リスク管理研究グループ、これを環境研究領域にそれぞれま とめ、この3つの研究領域として運営する方向で18年度は構築させていただいたという ことでございます。  それでは次の4ページに効率的な業務運営体制の確立ということで、この3つの研究 領域内での効率的な研究業務の実施と、研究領域間の学際的な研究を推進するシステム の構築ということで、今述べました3つの研究領域を構築させていただいたということ です。  それともう1つ、先ほど理事長が述べましたように、総務部と研究企画調整部は理事 長直属にして、運営が効率的に進むようにシステムをつくらせていただいたということ でございます。それらの間の意思疎通ということで、理事長打ち合わせ会議をほぼ毎週、 それから月例の運営会議を開くことにより、研究領域間及び両地区間の効率的な運営を 図るということをしました。  それから両センターは各地区ではなくて、研究所全体のセンターとして機能させるた めに、特に両地区の研究職員を各センターに割り当てるということも行っております。 地区という用語を使いましたが、その辺の説明を簡単にさせていただきますと、産業安 全研究所のある清瀬地区、それから産業医学総合研究所のある川崎地区は別々ではなく 統合された体制として運営していますので、地区というふうに述べさせていただいてお ります。  人材に関しましては、広く研究員を公募するために、研究者人材データベースへ登録 して幅広く募集いたしまして、平成18年度は若手任期付研究員として17名の応募者が ありまして、18年度中にそのうちの3名を採用し、2名を19年度4月1日付で採用を 決定したということでございます。  それから総務の支払い業務を清瀬地区に集約して、間接部門の1名を減員したという ことで、そういう意味でも効率的な体制をつくらせていただいたということでございま す。  それともう1つが、先ほど理事長が述べました決裁方式ですが、決裁方式も統一し、 簡素化することによって、決定システムが早く進むようにさせていただいたということ でございます。  今述べましたように運営を一元化するために理事長主宰会議を整備しました。その概 略図を示させていただいたのが、次のスライド5ですが、会議としては上から役員会議、 運営会議、これが所全体のことに関して討議するところ、それから各地区の問題を討議 する業務会議が設定されていたわけですが、それを合同する必要があるということで、 どのように合同するかというのは18年度中にいろいろ検討させていただいて、19年度 からは合同で動き始めているということでございます。  それ以外に、より理事長の意向が伝わり、かつ理事長とのコミュニケーションをよく するためにということで、理事長打ち合わせ会議が立ち上がっておりますけれども、さ らにその一段下のレベルとして総務部、企画調整部と理事長との打ち合わせ会議という のも設定しまして、これは平成19年度から実際に動き始めているということでございま す。  このように運営体制を大きく変更したということで、非常に努力させていただいたと いうふうに考えておりまして、自己評定としてはSをつけさせていただきました。  それでは次に移らせていただきます。次は項目2番目の内部進行管理の充実というこ とで、このように2地区に分かれている研究所を統合的に運営するということと同時に、 実際に進行を統合的に管理する必要があるということで、この点で法人の長のリーダー シップというのがかなり重要になってきて、ここにあげている項目に従って運営を進め させていただいたということです。   まず総務部と研究企画調整部を理事長直属部門とし、さらに研究領域を3部門として、 地区間を統合するという方向を設定したということ、それから理事長打ち合わせ会議及 び運営会議、これは清瀬・川崎両地区のメンバーを加えて一体で運営したということで す。  それから3番目に労働災害調査分析センター及び国際研究振興センター、これを両地 区の研究職員が実際にそのセンターに参加して運営を一体化したということ、それから 業務管理会議、ここにおいては理事長が実際に研究の実施状況等の報告を受けて、それ に対して指示をするという運営方式で、これが両地区へ広げるということで、平成19 年度からはそっちの方向に向かっていますが、その準備体制を整えたということです。  それから内部及び外部研究評価結果を、今までは研究計画の改善等にとめていたのを、 さらに研究予算配分等にも実際に反映させるということで、より研究成果が出る方向に 動かしたということです。  それから国際学術誌の「Industrial health」、これは世界の最新情報を集めるという ことで、非常に重要な業務になっているわけですが、これをさらに推進するために編集 体制を刷新しました。それとWHO労働衛生協力センターへの再指定に向けた活動をし ましたが、これも世界の情報を集めるということで重要な仕事になっています。  このようにして1項目目で示した新しい運営体制を運営するための進行管理の充実と いうことで、ここもかなり大きく体制を変更させていただいたということで、自己評定 をSとさせていただいております。  それでは次へ進めさせていただきまして、第3項目の業務運営の効率化に伴う経費削 減です。経費削減というのは非常に大変でして、毎年毎年努力していますが、大きく削 減するのがなかなか困難な現実です。基本的には研究職員の実験研究の時期を調整する、 電気代の高い時はなるべく使わないようにという、無駄な光熱費はなるべく削減すると いう努力は日ごろから行っているわけですが、さらに平成17年度は維持費が非常にかか る高度分析施設及び低温実験室の利用状況も十分調査し、後ほどの施設の効率的利用の ところでも述べさせていただきますように、光熱費の削減へ向けて努力しました。光熱 費の推移がここの棒グラフに示してありますように、着実に減らしていっているという ことからも努力の跡が示されていると思います。これに関しては着実な努力をしている ということで、自己評定としてAをつけさせていただいております。  次は4番の効率的な研究施設・設備の利用に移らせていただきます。これに関しまし ては、大きく分けて3つの項目があるわけですが、まず、施設管理業務責任者というの を明確にしまして、そして研究施設、研究室の利用状況の把握、定期的なモニタリング を行うことによってどれだけ削減できるか、また効率的に利用できるか、そういうこと を実際に検討してもらいました。  その結果としまして、高度分析施設等でもう少し改善の余地があるということで、使 用計画を変更させていただいたということ、それから低温実験室に関しましても、これ ももう少し電気代を節約する方法で運営できるということがわかってきまして、実際に 平成18年度に実行に移らせていただいております。それによって光熱費の削減へ貢献さ せていただいております。  それから光熱費削減等へはすぐにはつながらないのですが、研究責任者が突然退職し た後に、病理実験室の使用計画を急遽再検討する必要があるということで、これに関し ても今後効率的に運営する方向で検討させていただいたということです。  それからなるべく使ってない研究施設、設備に関しては、外部貸与等も積極的に進め なければダメだということで、貸与料金の適正化を含めた所内規定をもう一度見直し、 貸与施設、統一した研究所の規定につくりかえまして、さらに貸与施設のリストも見直 し貸与できるものを追加するということで、体制を整えたということでございます。そ ういう意味で非常に努力させていただいたということで、自己評定としてAをつけさせ ていただいたということでございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。それではただいまの御説明につきまして御質問等ございま したらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○中村委員  目標に対して真摯に努力されているというふうに承ったわけですが、ちょっと確認さ せていただきます。新たに3つの領域長という形でもって研究をきちっとグルーピング したということですが、産業安全研究所の安全領域長と、それから研究所長との関係と いうのはどういう関係か。研究所長と、ほとんどが安全研究所の場合には安全領域に入 ってしまうことになると思うのですが、そこの役割分担とか考え方等について何かあっ たらお聞かせ願いたいのですが。 ○安衛研・研究企画調整部長  グループ長は基本的には今までと変わらない、グループ内の研究の調整及び推進指導 ですね。領域長というのは結局今後領域間の研究を進めなければダメだということから、 領域全体を見渡して、それであと他の領域との間でどういう共同研究が可能か、そうい う視点で指導するという立場ですので、そういう意味ではちゃんと役割としては独立し ているということです。 ○中村委員  そうですか。その産業安全研究所長との関係はどのようになっていますか。 ○安衛研・研究企画調整部長  産業安全研究所の所長というのは、実際は理事が兼任しておりまして、要するに地区 が分かれていることから、ある意味で清瀬だったら清瀬としての経理とか、会計そのも のは最終的には一緒なんですが、一応その中での事務作業、それから研究だったらそれ に対する決裁とか、そういうのはまだどうしても別々になっているということで、そう いう意味で清瀬地区のそういう面での管理トップとしての所長というのがあるわけです。 ○安衛研・理事長  追加いたします。研究所が統合いたしまして、旧研究所、これは消していかなくちゃ あいけない、例えば産業安全研究所、産業医学総合研究所、基本的には消滅を図ってい く必要がある。統合したからにはそれを1つにする必要がある。労働者の安全研究と健 康研究ですね。その目的のために、さしあたり1つは将来の統合をにらみまして、2つ の旧研究所が消えた場合に、その肩代わりとなる部門、これを統括することになるのが 領域長でございます。  もう1つ、どうしてそういうふうにやらなければいけないかという基本的な理由は、 今申し上げましたように、研究所長というのは理事でございます。理事は基本的には管 理業務でございまして、研究業務ではありません。しかしやっぱり研究所というのは調 査研究業務がすべてですから、実際に研究を担う、例えば旧安全研究所の5つの研究グ ループのうちの4つの部門、これが安全研究領域に入るわけですが、その研究実務をち ゃんと掌握できる人、そのためには役員では無理なので、ですから研究グループ長の代 表となるような方々、それが必要だという考えでございます。  ただ、清瀬はそうやって5つの研究グループのうちの4つが1つになってしまいます が、それでも研究の中身をとことんまで管理して、新しい研究に結びつけていくために 役員でない方がよい。  それともう1つは、もう既にやっていることで、新しい研究所の管理業務の実務の代 表は総務部長と研究企画調整部長なんです。それぞれが清瀬、川崎の実務全般を取り仕 切る。研究業務の実務を取り仕切るのは研究企画調整部長なんです。ですから研究所長 の権限はもう既になくしているわけです。研究所長は統合した研究所全体にかかわる業 務はもうやらない、単にそれからはずれた部分、もしくは細かい項目をやっていただく のが研究所長というふうに進めている。そのかわりに研究領域全体を統括する研究領域 長という人が必要で、ですからその研究領域を統括するのは研究領域長であり、研究所 長ではないということです。 ○中村委員  その領域長は、運営会議のメンバーにはなっているのですか。 ○安衛研・理事長  そうです。研究グループ長はメンバーではありませんが、領域長はメンバーです。 ○中村委員  分かりました。ありがとうございました。 ○田村部会長   他にはいかがでしょうか。 ○酒井委員  二つの研究機関が統合されたわけですから、理事長のリーダーシップのもとでいろい ろ改革をされているということは非常によく理解できることです。そういう意味からい きますと、効率的な業務運営体制ですので、理事長のもとにいろいろな会議がたくさん できて取り組んでいるということはよく理解できたのですが、研究機関ですので、私は そのトップのリーダーシップとともに、やはり研究所の研究員1人1人の方がこういっ たやり方によってどのぐらい活性化しているのかというところを一番期待しております。 そういう意味で今御説明にあったように領域長を設置したりしているのですが、そこも 大事ですが、合わせてこの組織図でいくと、やはりそれぞれのグループの研究を担う、 例えばグループ長であるとか、そのもとでの研究者たちの顔が見えないという言い方は ちょっと語弊があるかもしれないのですが、お聞きしたいのはそういうことで、こうい う改革をやっていて、研究所がどのぐらい今活性化しているのかというあたりを、企画 調整部長か、もしくは理事長からお聞きしたいと思っております。 ○安衛研・理事長   これはスライドの5番で説明したとおりでございます。ただ、この真ん中あたりに業 務管理会議の下にビジネスミーティングとテクニカルミーティングがあります。研究発 表会、これは研究所員全員が出席している研究発表会です。まさに学会発表形式で、1 人の研究者が全員が1年間に1回発表する。そこまでは旧研究所がやってきたんですが、 それプラス今年度ではそれを実際に内部評価でその場で評価することにしました。  評価するためには評価者の方が発表者に質問をしなくちゃあいけないのです。その質 問者の方も答える必要があるということですね。そしてこの会議の議長は所長です。川 崎所長の場合は所長イコール理事長なんですが、清瀬地区の方は安研所長が管理してき ました。ただ、これは2年目から統合する方向で今検討を進めております。   ○酒井委員   評価をされる方はどんな方ですか。 ○安衛研・理事長  評価者ですか。これは三層構造になっております。トップは所長です。第2層は領域 長のレベルです。そして第3層が研究グループ長とその補佐の方々です。その方々が独 立して評価をして、その点数を全部総合した点数を最終点にするというシステムです。   ○田村部会長   よろしいでしょうか。他にございますでしょうか。 ○田宮委員   今回のミッションとして、やはり安全と健康の統合ということで、いろいろな努力を されていますし、意義深いことと拝見しております。人間工学・リスク管理研究グルー プなどもそういうことで設置されたというのはよく分かったのですが、1つお伺いした いのは、今までのいわゆる労働衛生の3管理の概念と、そこに新しい安全という概念が 統合されたということで、どのように取り組まれるのか関心を持っておりました。もし そういうことを意識されていればどのような役割が分担されるのかということが、もし 分かれば教えていただきたい。特に作業管理の部分と安全とか、いろいろ密接にかかわ るところもあるかと思います。その辺何か補足があればお願いいたします。 ○安衛研・研究企画調整部長   確かに作業管理は直接的に安全と技術的にすぐ直結するわけですが、それだけではな くて、やはり安全というのは、人の健康や心理とも密接に関連してくるということで、 健康研究の面からも安全とタイアップして研究を展開する必要があるということで、そ ういう意味で、まず人間工学・リスク管理研究グループというのは、心理的要因及び人 の動作、それと実際の機械の問題、それが一番直接につながるということで、まずはこ こでそういう統一的なものができないかということで設定しているわけですが、今申し ましたように、それだけではなくて、健康研究と安全研究、それをもう少し広く一体化 できないかというふうに考えて進めているわけです。 ○安衛研・理事長  補足です。今の御質問は労働衛生の3管理でございまして、それは基本的に労働衛生 の中の管理なんですが、でも統合した研究所ではむしろ安全と労働衛生はそれぞれ独立 しているのです。ですから安全の方のそういう管理もしなきゃあいかん。ですから今ま での労働衛生の3管理はあくまでもその一部に過ぎない。  それで新しく統合した研究グループ、人間工学リスク管理研究グループ、これは基本 的には環境領域の問題でございまして、安全の方は環境領域ではないのです。むしろ安 全そのものなんです。例えば機械の改善、労働者が死なないようにね。ですから統合し た研究グループは人間工学は清瀬の方の第5番目の研究グループが入り,これと川崎地 区の最後の2つの研究グループが一緒になって環境研究領域なんです。統合した研究グ ループは労働衛生から見れば作業管理なんですが,それだけではなくて安全の方の環境 管理グループも含まれるわけです。 ○田村部会長  よろしいでしょうか。それでは記入をお願いしたいと思います。 ○酒井委員   記入しながらもう1つ御質問いたします。先ほど理事長の重点課題の中で、目指すと ころは行政ミッション型研究所と研究開発であるという2点、そのとおりであると思っ たのですが、それでこういう新しく組織ができた時に、研究員1人1人にどんな研究所 になるかというビジョンといいますか、それを示していくというのはとても大事なこと だと考えますけれども、その研究開発について、トップである理事長は所員の方たちに どんなメッセージを送ってらっしゃるんでしょうか。 ○安衛研・理事長  研究開発の一番の評価の基本は原著論文を書くということです。しかもレベルの高い 原著論文、言ってみれば今の科学界の評価に耐えられる英文原著論文を書くということ です。これを繰り返して徹底させております。理解はそんなには進みませんが、過去の 国の研究所時代はむしろ行政ミッション型というふうに、少なくとも安全研究所は進ん でおりました。産医研は、その趣旨が必ずしも十分に踏まえられていなかった。所員は いろんなことをそれぞれが完全に独立してやっていたという面があるのです。安全研究 所と相対的な比較の問題ですが、それなりにやっておりました。それを一元化して、研 究開発はとにかく英文原著論文を書くこと、行政ミッション研究により行政貢献をする ことですね。  基本的によくやっているのは2つありまして、国のいろんな委員会なり調査なりに参 加すること。もう1つは行政から依頼される研究をやることですね。いわゆる重点研究 領域、特別研究という、これが一番メインな研究でございます。こういう研究をやって いくということです。あとは清瀬地区のように労働災害調査を進めるということです。 ○酒井委員  私も研究所を運営していて、今の理事長のお話は大変関心があるのですが、私が研究 開発と伺った時には、もう少しいわゆるそれこそ労働安全衛生研究所としての社会的な ニーズに基づく課題であるとか、つまり論文を書くというのは研究成果をやった結果と してこれは当然研究者はやっていかなければいけないことで、それを理事長がおっしゃ るのはよく理解できるのですが、研究開発と言った場合に、これから例えば1年先、3 年先、5年先、国内の労働安全衛生の研究センターとしてどういう課題を取り組むかと いうことかなと思ったんですが。 ○安衛研・理事長  いえいえ、そういうことではない。誤解されておりとんでもないです。話は逆でござ います。そういう意味の研究課題はもう既に確定している。ですから私は今言わなかっ たわけで、労働衛生の方からすれば、厚生労働省がやりました21世紀研究戦略協議会、 そこでこの10年間にやるべき研究項目18課題を設定してある、それをやるということ なんです。  新しく独立行政法人になりまして、もう研究業務の枠が決められている、このような ものをやるようにと言われているわけです。川崎地区では労働衛生の決められた研究を やるとされている、これが個別法、中期目標、計画です。  今私が原著論文を書くと言ったのは、あくまでも労働安全衛生の主要な行政課題、今 の行政テーマであるようなものを中心とした研究をやって、それで原著論文を書く。今 は研究の質を評価する場合には最終的には原著論文を書かなければ評価されない。これ はどこでも同じでございまして、研究者の世界では論文を書かなくては評価されない。 ただ、今まで行政の方ではこの理解はないようですからね。主務省の方々、厚生労働省 の方々はどこまでそういう徹底した理解があるかどうか。ですけれども少なくとも研究 評価となったらば、やっぱりちゃんとした論文を書いてなければ、これは評価されない のです。これは全世界万国共通で、古今東西歴史的にも当然のことですし、しかもます ます今は急速にこうなってきているのです。 ○田村部会長  記入の方はいかがでしょうか。 ○政安委員  一つだけお聞きしたいと思います。聞き漏らしたのかもしれませんが、テクニカルミ ーティングは地区ごとに分けて実施されているんでしょうか。それとも地区間で交流が できるようなシステムになっているんでしょうか。そこだけお伺いしたいのですが。 ○安衛研・研究企画調整部長  平成18年度に関しましては、まだテクニカルミーティングでの評価というのは川崎地 区だけでして、清瀬地区に関しては研究発表会というのは別途やっているわけで、それ を平成19年度はどういうふうに統合していくかということで、今検討しているというこ とでございます。 ○安衛研・理事長  補足でございますが、清瀬地区もやっているのですが、ただ内部評価の一環として清 瀬地区も全員の発表会をやっております。1年かけてやっている。ですから川崎地区と やり方が違うということで、基本的にテクニカルミーティングの趣旨としてはやってい るということです。ただ、やり方が違うので、それを今後一元化しなければいかんとい う状況です。 ○田村部会長  よろしいでしょうか。それでは次に進めさせていただきたいと思います。次は第2評 価シートの項目5〜11までの実績につきまして御説明をいただきますが、10分程度でよ ろしくお願いいたします。 ○安衛研・研究企画調整部長  ここが一番長いところなんですが、なるべく短くさせていただきます。では次は第5 項目として労働現場、ニーズの把握ということですが、これらの活動というのは労働安 全衛生総合研究所としては非常に重要な活動でして、スライド9にありますように、ま ずは労働衛生重点推進協議会、これらを年2回開いて、さらにシンポジウムを開いてい るということで、これにはかなり力を入れていると同時に、非常に重要な会議であると いうことです。  それから次が情報交換会で、これはなるべく幅広く現場の方たちから情報を得たいと いうことで、平成18年度に関しては日本化学工業協会と会議を開いたということ、さら には客員研究員交流会によって企業の産業医、衛生管理者との情報交換、それから産業 医科大学とは、ある意味で産業医とも関連するのですが、企業で求められている研究の 状況等の情報交換を行っております。  それから行政とも情報交換を密にするということで、労働基準局安全衛生部の定例会 議に理事長が毎回参加させていただいて、情報交換をすると同時に各研究職員もそうい う安全衛生部及びその課の方々と情報交換を密にしております。その結果として、平成 19年度に向けて行政のニーズにそった研究課題を設定させていただいているというこ とでございます。それ以外にも労働安全衛生に関連した学会、会議、委員会等に積極的 に参加しているのは言うまでもありません。そこでこういう情報入手に関しましては、 国際情報研究振興センターに一元化するということで、効率的に所全体に伝わるように する体制を構築させていただいたということでございます。  それでは個別の具体的な話に進めさせていただきます。下のスライドの労働衛生重点 研究推進協議会のシンポジウム、これも例年どおり開かせていただいております。平成 18年度は「産業社会の変化にもたらされる労働生活と健康への影響について」、「職場に おける化学物質管理:これまでの成果と将来の課題」、こういう課題のもとで講演をして いただきました。それからパネルディスカッションを行っております。そこでは経済団 体及び労働組合、行政、そういう方々にも参加していただいて、「安全で健康的な労働生 活を実現するために:リスク評価と効果的な労働衛生マネジメント」という形でパネル ディスカッションを開いております。今年は参加者が193名で、平成17年度に比べて 1.5倍ということで、非常に盛況でございました。  次はスライド11です。産業医科大学との研究交流会で、これも毎年開いておりますが、 今までは労働衛生に関する演題及び課題だけだったのですが、本年度は労働安全の方の 課題も加えていただいて、より幅広い情報の交換へというふうに進めさせていただいた ということです。  次のスライド12が日本化学工業協会との情報交換ということで、協会側から11名、 労働安全衛生総合研究所から27名が参加しまして、まず施設・設備の見学等をしてもら って、基本的には日本化学工業協会がどういう研究を期待しているかという意見を聞か せていただいたということでございます。それに対して労働安全衛生総合研究所の研究 職員の方から、我々だったらこういうことができる、例えばこういうことがそちらでは 一緒にできないかという、そういう提案もさせていただいて、一部共同研究へ向けて話 も進んでいるということでございます。  次のスライド13が、先ほど申しました行政との密な情報交換に基づいて、平成19年 度に行政がどういう研究を求めているのかということを十分検討した上で策定させてい ただいた10課題でございます。これらに関しても、一部は18年度内から動き始めたも のもありまして、1のITを活用した新たな安全衛生管理手法の開発や、8の粉じん障 害防止対策の検討のための調査研究、こういうのは一部18年度から動き始めております。 それから9のナノ物質のばく露防止対策の検討というのは、これはプロジェクト研究と して動かせていただくということで、このように行政とも密に連絡をとりながら必要な 研究課題を設定して、一部はプロジェクト研究へと進めさせていただいているというこ とでございます。  その下のスライド14ですが、プロジェクト研究に移らせていただきます。労働安全衛 生総合研究所としては大きく2の研究が設定されておりまして、規模の大きなものとし てプロジェクト研究、これは課題そのもののニーズが高くて、比較的早く結果を出さな ければダメだという研究に対して予算規模が大きい形で設定された研究でございます。  これらはここにありますように14の研究課題が動いているわけで、18年度中に動い ているもの、この黄色の枠の中に入っているものです。それぞれ研究の期間というのは 3年から、長いもので5年ぐらいということですが、なるべく短い期間で成果を出せる ようにというふうにして研究を進めているものでございます。   次はスライド15番です。今説明させていただいたように、プロジェクト研究が行政ニ ーズ、社会的ニーズ、これらの高いものを設定させていただいている、そのためにはあ らかじめ研究計画等を十分練り上げた上で、事前評価及び中間評価をして、その時に外 部評価も受けながら研究計画を設定もしくは変更等をさせていただいて、進めていると いうことでございます。  もちろんこのプロジェクト研究に関しましては、運営費交付金で動いているわけです が、それ以外の外部の競争的研究資金からの研究ももちろんありまして、それらは18 年度は20件ほど動いているということでございます。これらの成果というのは当然研究 報告書もしくは論文、学会発表等で発表させていただいている、その結果に関しては内 部評価及び外部評価を十分受けている、それらの成果が実際に厚生労働省の通達やJI S規格の改正に貢献している、ということでございます。  その実例を次に示させていただくわけですが、次の16、17、18がその例ですが、プロ ジェクト研究の2つの課題、1つは人間機械協調型作業システムの基礎的安全技術に関 する研究の中の危険点近接作業を対象とした災害防止対策の確立、それともう1つが災 害多発分野におけるリスクマネジメント技術の高度化と実用化に関する研究、この2つ の成果が機械の包括的安全基準に関する指針という厚生労働省の通達の改正に使われた ということでございます。   もう1つは労働衛生保護具装着時の作業負担と機能性・快適性に関する研究、これは 防振手袋の仕事ですが、これらがJIS規格策定のためのデータとして活用されたとい うことで、実際にこのようにプロジェクト研究の成果が具体的に行政及び社会的に活用 されたということでございます。  次は第7項目の基盤的研究ですが、基盤的研究というのはプロジェクト研究とは少し 違いまして、位置づけとしては、予算規模はちょっと小さくなりますが、基礎的な研究 及び萌芽的研究、そういうものを基盤的研究として設定して、研究者に日ごろから技術 の向上及び新技術の開発、そういう面から研究活動を続けるための研究費でございます。  ただ、これに関しても全く自由にやっていいというわけではなくて、内部評価で当然 行政ニーズ、社会的ニーズ、それらを当然検討した上で評価して進めていくシステムに なっております。そういう基盤的研究がプロジェクト研究に発展するものも当然ありま すし、それから基盤的研究そのものが成果として使われる、社会的にも使われるという ことも現実問題としてあるということでございます。  その例としてスライド22に出ておりますが、プロジェクト研究に継続される基盤的研 究の例として、放電により発生する電磁パルスの検出技術に関する研究、これは萌芽的 基盤的研究として行われていたものですが、その技術を活用してプロジェクト研究、初 期放電の検出による静電気火災・爆発火災の予防技術の開発へと発展させています。  次はスライド23で、この基盤的研究の場合は昨年度も一部紹介させていただいており ますが、粉塵や原料物質の結晶質シリカ類の計測手法に関する研究ということで、これ はアスベスト関連の仕事ですが、これもまだ社会的に非常に需要の高い研究であるとい うことで、これも長く続ける必要があるということで、こういう研究もまさに基盤的研 究に向いた研究であるということが言えると思います。  次の24番は、これは基盤的研究でありながら実際にISOに使われた成果も出してい る、多軸全身・手腕振動曝露の人体への心理・生理影響の評価方法に関する研究です。 基盤的研究だからといって全部基礎的であり、応用的でないということではなくて、実 際に基盤的研究でもこのような成果を出しているものもあるということでございます。  次は学際的研究の方に移らせていただきます。この学際研究というのが、昨年労働安 全衛生総合研究所になって、非常に重要な領域として評価委員会からもこの学際的な研 究を進めるようにというふうに指示をされておりまして、これに対する取組みというの が非常に重要なものでございます。  まずは先ほども説明しておりますように、清瀬・川崎両地区にまたがる研究グループ として、人間工学・リスク管理研究グループを立ち上げて、安全・衛生両方の視点から 研究を進めるということのベースをつくったということでございます。実際に平成18 年度どういう研究を進めていったかというのが次になりまして、一つは長時間運転と交 通労働災害に関する学際的研究で、これは産業安全、労働衛生の両分野の研究者が参画 して調査研究をさせていただいております。   それから腰痛にかかわる研究、これは基盤的研究として行われたわけですが、これも 両分野の研究者、特に人間工学・リスク管理研究グループの研究者が実施しております。 そういう学際研究を実施するためには、その評価というのも非常に重要になりますので、 評価の時でももう一度述べさせていただきますけれども、評価項目に学際性を追加する ことによって学際性を押し進めるという方向で動かしていただいております。そういう ことから平成19年度はある1つのプロジェクト研究に関しましても、両分野の研究者が 参加する方向で話がまとまったということでございます。  実際に行われている学際研究を簡単に紹介させていただくのは次でございますが、下 の26のスライドで、介護者の姿勢別最大筋力に関する研究、これは腰痛をどう評価する のかという研究で労働衛生の方でもかなり重要なんですが、それを工学的にどう対処す るかというのは、やはり安全側の工学的知識が必要だということで、両者の共同研究と いうことでこれを進めさせていただいたということでございます。   次はスライド27ですが、これは厚生労働省の18年度の委託研究で、過労運転等によ る交通労働災害防止に係る調査研究です。事故というのは安全と非常に密接に関連して いますが、一方ではその事故のもとになる過労というのは、心理的問題ばかりではなく 十分睡眠をとってない等の健康的視点、もしくは病気と密接に関連するということで、 特にトラック運転手2,970名に対する調査をさせていただいて、報告書を作成しました。 このように実際に学際研究も進めさせていただいているということでございます。  次の研究項目の重点化ということで、これはスライド28ですが、これも要するに研究 予算をもっと効率的に使うようにということでございまして、これも非常に重要な課題 なのですが、この重点化というのには大きく分けて2つの方向性がありまして、1つは 基盤的研究をプロジェクト研究へと発展させるということです。それによって基盤的研 究で養われた技術や知識を効果的にプロジェクト研究へ展開して、成果をより多く上げ られるようにするということ、それともう1つは基盤的研究そのものを、余り細かいこ とをたくさんやるよりも、もう少し整理集中して成果を出すという2つの方向で進めら れたわけです。  それがまず次のスライド29で、例えば安全領域の研究としては、安全制御用フィール ドバス接続モジュールの安全性能の評価と改善、仮設構造物の性能評価に関する基礎的 研究、静電気塗装作業時の静電気による着火、爆発防止に関する研究、これらは基盤的 研究として行われたものをプロジェクト研究へと発展させたということ、それから基盤 的研究をもう少しまとめるということも行っていて、それが28の下にありますように、 中期計画の目標値である20%を上回る26%の基盤的研究の課題を減らしたということ でございます。  基盤的研究をまとめて1つのプロジェクト研究にしたという例がスライド30です。3 つの基盤的研究を労働衛生保護具着用時の作業負担と機能性快適性に関する研究という 1つのプロジェクト研究にまとめるという、こういう努力をさせていただいて、研究項 目の重点化というのを進めさせていただきました。  このような研究の再構築により本当に目的とする効果が出ているのかどうか、それを みるには、やはり評価というのが非常に重要でして、次の研究評価の実施というところ で、大きく分けて内部研究評価と外部研究評価があるわけですが、まず31のスライドの 内部研究評価でございます。  内部研究評価ももちろん清瀬地区・川崎地区で労働安全衛生総合研究所として統一的 に評価を押し進めないとダメですが、まだ統合して1年にも満たないという状況の中で は、内部評価に関しては今までの方法でまず評価してみようということです。ただ、そ れぞれの評価結果を予算配分に反映することによって、よりモチベーションをつけよう ということで行っております。  一方、外部評価に関して、これはやはり研究所が1つになった以上統一しないとダメ だということで、先ほども述べさせていただきましたように、安全領域及び衛生領域両 分野の先生方に統合した1つの評価委員会の委員になっていただいて、両方の視点から プロジェクト研究に関して評価をしていただいたということでございます。  その外部評価委員会でどのように評価されたというのを簡単に述べますと、スライド 33番にありますように、どうしても研究課題が多くなる関係で2日に分けましたけれど も、両方の会議には両分野の委員の先生に出ていただくということで、会議に出席して いただけない先生方には書類で両方の領域の研究課題を評価していただくということで 行われました。  評価結果に関しては、評価項目は統一されていますので、この33のスライドの左側に ありますように、決まった評価項目に対して、それぞれS、A、B、C、Dの5段階で 評価していただいたということです。この結果は当然次年度の研究費配分もしくは研究 計画等に反映させたということでございます。  次が11番目の国内外の基準制定・改定への科学技術的貢献ですが、これに関しまして は、労働安全衛生総合研究所では非常に活発でございまして、JISやISOに関して もいろいろな分野で貢献させていただいています。さらには厚生労働省や環境省の制度 等の作成等にも貢献させていただいたということでございます。  代表的な例として、次のスライド35にありますように、JISのA4721「自動回転ド ア−安全性の作成」に関して主導的役割を果たしたということで、当研究員が工業標準 化事業経済産業大臣貢献賞という賞をいただいております。  それから石綿による健康被害に係る医学的判断基準の策定ということで、例えば厚生 労働省の石綿による疾病の認定基準の改正、それから環境省の中央環境審議会石綿健康 被害救済小委員会における判定基準留意事項、こういうところで人を出すとともに、研 究成果を活用させていただきました。  さらには次のスライド37にありますように、「振動障害の防止に係る作業管理のあり 方検討会」における手持ち振動工具のラベリング、こういうものに対して成果が活用さ れたということで、国内外の基準制定改定への科学的貢献に関しては我が研究所は非常 に貢献しているというふうに言えると思いますので、ここは自己評価としてSをつけさ せていただきました。以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは御質問等ございましたらいただきたいと思います。 ○市川委員  ここのパワーポイントで一番言いたいことは、いわゆるプロジェクト化研究、あるい は基盤研究、それから学際的研究とありますが、それぞれにおいてこういう成果があり ましたということはパワーポイントの中身で訴えられているのはよく分かるのですが、 やはり成果というものはもう少し評価できるような形で言っていただきたい。  例えば原著論文がどのぐらいそれで出てきたのか、学会発表はどうなのか、それから 特許はどのぐらいなのか、あるいは社会にインパクトを与えるための情報はどのぐらい 出したのかという個々について、本当はそういうのがほしい。それでこの中でも一点だ けはそういうものが記載されているので、それはある程度理解できたのですが、プロジ ェクトの中のパワーポイントの17ですが、ここにおいては研究成果の発表という平成 18年度というのがありますね。それ以外のところは全然ないに近いと私は思うのですが、 できたらこういう表現を至るところに散りばめていただくと評価がしやすい。  ここに書かれていることはよく分かる、そちらの専門家の方がこういうことを社会に うまくやりましたということはよく分かるのですが、何かもう少し具体的に私たちが評 価に関して、うんそうだねということが理解できるものがほしい。その点に関して具体 的に幾つか言っていただければ嬉しいのですが、プロジェクト型に関しては、一体原著 論文でどのぐらい出ているんだろうということでよろしいんですけれどもね。 ○田村部会長  いかがでしょか。 ○安衛研・研究企画調整部長  今回のはそういう意味で資料の中にそれをそれぞれ載せなかったことはわかりにくく させたということで、我々も反省しなければならないと思います。ただ、この資料の中 には業績一覧があり関連する課題との対応ができるようになっているのですが、その辺 はもう少し整理されてわかりやすい形に、後ほど提出させていただくということでよろ しいでしょうか。   ○市川委員  この外部評価というこの表を私は実は読ませていただいたのですが、その中には幾つ か過去のものを含めてあることはあるので、それは理解できるのですが、新しいものに 対しては少し理解がしにくいところがございます。外部評価の8ページ9ページその他 においては、結構そのあとも読みますと、原著論文が幾つあるかというのは大体読めて しまうのですが、そういう点から言って、私が言いたいことは、プロジェクトの中には 原著論文が余りないのではないかなというように私は評価させていただきました。それ でいけないというわけではないけれども、先ほど強くおっしゃられた部分ということに 対して、どの程度その責任をとっていかれるのかなというところで何か御意見をいただ きたいのですが。 ○安衛研・研究企画調整部長  ないことはなくて、あるのですが、それが整理されてなかったということで、今すぐ にデータがないのですが。 ○市川委員   あとで結構です。 ○安衛研・理事長  今回のスライドは縦割りで出しちゃったから、わかりづらいのですが、例えばスライ ドの38番、論文発表のところで、そこで原著論文83編というふうに書いてありますが、 これを中身を分ければいいのです。所内では集計されているわけですが、内部評価をや るために全部こういう項目別に発表を求めておりまして、それからきょうは出ておりま せんが、年報の形で出すようにしているわけです。ですから我々は単にそれを見ればわ かるのです。でもここは評価委員会ですから一目でわかるように今後は出す必要がある と思います。今の時代はとにかくエビデンスを出さない限り、評価の対象にならないと いうことだと思いますので。それはぜひともやらなければいけないと思っています。 ○田村部会長  お願いします。 ○鈴木部会長代理  4つほど質問させていただきます。まずは評価シートの5−1には、1のアで労働衛 生重点研究推進協議会を年に2回開催して、労働現場のニーズを把握して協議を行った と、こう書かれておりまして、そこに添付資料5と書かれておりましたので、それを拝 見してみますと、この添付資料5の2ページから3ページにかけてでありますが、議事 のところを拝見しましても、どういうところで委員から労働現場のニーズを把握された のかというあたりがよく見えません。その御説明をお願いしたいと思います。2時間ほ どで終わっていて、議事の項目を見ただけですので、誤解があったらお許しください。  第2点は、プロジェクト研究についてですが、これは評価シートの6−1になります が、プロジェクト研究の9番に作業環境中の有害因子に対する感受性を決定する遺伝的 素因に関する研究というのがあります。私はこの研究所のいわゆるテーラーメイド産業 保健を目指す一連の研究に非常に関心をもっております。基盤的研究の中でも幾つか一 連の研究が行われておりますが、このプロジェクト研究の9はまだ遺伝的個人差を論ず る段階に至る前で研究期間が終了してしまいましたね。これは今後どのように引き継が れていくのかということ。  それから第3点は、評価シートの10−1、これは外部評価に関する質問です。この添 付資料の11を見ておりますと、この委員会での主な対象はプロジェクト研究であるとさ れています。ただし、この外部評価規定を拝見しますと、そのプロジェクト研究の他に 理事長が特に必要と認めた研究課題等についても評価を行うと書かれております。  私はやはりこの基盤的研究も外部評価委員会での対象に加えるのが望ましいのではな いかと思っております。理事長はこの外部評価委員会で特に必要と認められた、その他 の研究についてどの程度言及あるいは評価をお受けになっておられるのかということを お尋ねしたいと思います。  それから第4点は、評価シートの12−1であります。ここでは添付資料の13を見る ようにと書かれておりますので、それを拝見しまして、まず幾つか入力ミスに気づきま したので、折角ですから指摘しておきたいと思います。添付資料13の国際学会のところ ですが、2ページの21番の著者名ですが、ミズタニではないかと思われるのですが、I が抜けていますね。それからそのすぐ前の20番の発表では、シンポジウムの名称で Industrialのnが脱落しているのではないかと思います。  それから今度は15ページをご覧ください。ここでは130と133のタイトルが、疾学と なっているのですが、これは疫学の誤りではないかと思います。  それから25ページの原著論文の37の著者名のところの3番目の著者の名前に疑問符 がついておりますね。これも正しいかどうかわかりませんが、誤っているのだろうと思 います。  それから39ページ、テレビラジオ放送、新聞等というところの新聞等の7)の毎日新 聞のあとが空欄になっておりますね。何か落ちているのではないかと思います。研究所 のホームページもこれらと同じようになっていますので、御訂正なさってはいかがかと 思います。  それから原著論文で一つ気づいたことは、今年もやはりDerek Smithさん が非常に精力的に原著論文を書かれていまして、19編ですね。そのうち看護師に関する ものが8編ありまして、私が関心を持ちましたのは、日本とオーストラリアと韓国の看 護師を対象にして、これは針刺し事故の意味ではないかと思うのですが、御研究があり ます。我が国でも非常に医療現場ではこの問題で悩んでいるのですが、国による何か重 要な違いが見つかっているのかどうかということを御質問したいと思います。以上です。 ○田村部会長  ありがとうございました。御回答の方を簡潔にお願いいたします。 ○安衛研・研究企画調整部長  まず重点研究推進協議会に関しての御質問ですが、5-2と5-3で、どこで情報を入れ ているのかという話でございますが、まず、(6)の事務局よりというところです。例えば 5-2の7月11日の会議ですが、事務局において平成18年度に、この場合は7月ですの で、今年度どういう事業をやるかというのを説明させていただく、それに対して委員の 先生方からその事業では現状はこういうことなので、こういうふうにやったらいいので はないかとか、そっちの方向よりもこういう方向がいいとか、いろいろそこの協議会委 員の先生方の御指摘を受けるということでございます。  次の5-3の第2回協議会ですが、この第2回協議会はそれら第1回協議会の時にいろ いろ御指摘を受けて、事業の内容に関していろいろ再検討した上で、その事業を1年間、 実質上は半年ですが、半年行いまして、その結果をまたこの事務局よりといところで、 その結果を報告させていただいて、それらの結果をどう解釈するか、こういうことはこ ういう解釈をすべきだ、もしくはこういう点はやり足りなかったのではないか、そうい うところで実際に協議会委員の先生方から幅広い情報をいただいているということでご ざいます。 ○安衛研・理事長  補足でございますが、この重点協議会でのニーズの把握の仕方ですが、基本的な考え は、それぞれの委員の方は日本の各界の代表の方だ、例えば研究は学識経験者らトップ の方々、それから労働組合及び産業界の専門のトップの方々、行政では厚生労働省の課 長クラスの方々、その方々と年に2回協議会をやりまして、これでこの重点研究を進め るべき研究課題について意見をいただくという形です。ですから今回お配りしたのはほ んの要約ですから、他に報告書というのがありますから、そこではどういう提案があり、 どういう意見があったか書かれております。そのような形でニーズを把握しております。  それともう一つ、この協議会からのニーズの把握の仕方は、年に1回の講演会、特に パネルディスカッション、これは公開のシンポジウムでございまして、そこで今と同じ ような代表の方々、即ち行政、労働組合、経済界、それから学識経験者、その方々がテ ーマを絞って討論しあうわけです。そこからニーズの把握をする。それぞれの国内のト ップの方々から代表して意見をいただくのです。それ以外の草の根からの意見は別な形 で、例えばホームページとか、あるいは一般公開をやった時とかという形でニーズを把 握しております。 ○安衛研・研究企画調整部長  それから次の2番目のプロジェクト研究作業環境中の有害因子に関する感受性を決定 する遺伝的素因に関する研究のことですが、うちの研究所では一応このプロジェクト研 究におきましてはどちらかというと基礎的な研究が設定されていまして、人の材料を使 っている研究ではございません。ただ、このプロジェクトとは別の基盤的研究レベルと して、いわゆるCYPの分解酵素のSNIPを検討するということは一部やっております。こ のような基礎的研究をどこまで現実の人の場合につなげて行くかというのは我々行政ミ ッション型の研究所としては非常に難しいところがありまして、今後どうこれを展開し ていくかは十分検討しないとダメだという状況でございます。   ○鈴木委員  臨床までもっていくのはともかくとしまして、基礎研究の段階でも、このプロジェク トの研究の進捗状況を拝見しますと、まだ遺伝的な個体差を論ずるところまで来ていな いですよね。それをどのように今後引き継いでいかれるのか、新たなプロジェクト研究 が組まれるのかどうか、そういったことなんですが。 ○安衛研・理事長  プロジェクト研究でやったこの研究は、ここでは申し上げていいと思うのですが、行 政の方からいろいろな意見が出た研究テーマなんです。ですからそういうテーマなので、 あるところのマイナス評価の点が出てくるのはやむを得ない。今おっしゃった御発言は そのマイナス評価として理解させていただきたい。  繰り返し申し上げましたように、川崎では労働衛生に、特に行政の最先端のテーマと できるだけ密着した研究をやらなくちゃあいかん、この点で密着の仕方が非常に不十分 な研究でした。ですからかわりにプロジェクト研究ではなくて、基盤的研究で他の研究 を同じように進めております。このプロジェクト研究は基盤的研究で進めると同じよう な個人差の問題とか、あるいは遺伝子レベルの問題をやっておるわけで,プロジェクト 研究ですから、そのようなマイナス評価を受けるのはやむを得ない。  全体的に研究所としましてみますと、プロジェクト研究にいろいろと問題があるんで す。特に川崎地区では問題があるということを我々は十分理解しております。ただ、プ ロジェクト研究というのは中期計画の最初の段階で5年間分を決めちゃいますから、あ まり変更できないわけです。ですから、やると後になっていろんな問題点が出てくる場 合がある。そのため場合によっては、それを、例えば研究費の配分を調整するとか、い ろんなやり方で、できるだけ調整を図りつつやることがあります。ですから補足的な形 で、今申しましたように基盤的研究で代行する。あるいは直接行政の方から別な形の研 究費をいただきましてやるというような形で進めております。  こういう個人差の問題は、今の労働衛生の行政問題としては非常に微妙な問題なんで す。果たして行政研究として進めていいかどうかの問題があるわけなんです。行政ミッ ション型の研究というのは、ある面で普通の研究の進め方と違う側面がありますので、 それを考えなければいかんということで、そういう面で業績面の批判がある程度出てく るのは、そういう意味ならやむを得ないと思っています。今回御指摘のこの研究につい て、幾つかのマイナス点、これはそのとおりだと思っております。 ○安衛研・研究企画調整部長  次が3番目で外部評価に関する御指摘なんですが、平成18年度は資料の11にありま す目次のところの24ページのところ、5−2の(1)の4、このダイオキシン類測定法 の高度化に関する研究、これが唯一いわゆる運営費交付金に基づくプロジェクト研究と は違う研究費に基づくもので、これはいわゆる基盤的研究の発展型としてとらえている 研究を評価させていただいたということで、基盤的研究もすべてを外部評価するとなる と、課題数が多くなりますので、その時その時に評価の必要性が高く、外部の先生から ぜひ評価してほしいというものだけを選んで評価していただいているということでござ います。 ○安衛研・理事長  この点について理事長から直接答えろというお話でしたので補足しますが、外部評価 委員会で基盤的研究を前の前の年まで入れていたんです。ただ、その場合の外部評価委 員会への報告の仕方としましては、それぞれの研究グループごとに総括して、そこの研 究グループ長、部長が報告するという形になっていました。それを外部評価委員の先生 方にお伝えして、その意見を聞くという形で評価していました。  ただし、統合してから1年目は何しろ非常に業務が多くて、外部評価も清瀬と川崎で 両方やらなくちゃあいかん、時間の問題とか色々ありまして、この年度に限っては確か に基盤的研究は入れてなかった可能性があります。ただ、これは今後の問題でございま して、かわりに外部評価委員会とは別な形で基盤的研究についてはいろんな評価法を導 入しつつありますから、さしあたりこういうことを繰り返しながら、できるだけ効率的 に進める必要があると思っております。 ○安衛研・研究企画調整部長  4番目は御指摘のとおりで、申しわけありませんので、あとで訂正させていただきま す。 ○田村部会長   ありがとうございました。それでは評価の記入の方をよろしくお願いいたします。  それでは次に評価シートの項目12〜19までの実績につきまして、10分程度を目標に 簡潔に御説明をお願いいたします。 ○安衛研・研究企画調整部長  12番目の学会発表等の促進、これはスライド38ですが、まず論文発表を示しており ますが、平成18年度の数値目標は170編、それに対して実際には241編ということで、 これは第1期中期計画の年平均の194編をも上回っているということで、非常に努力さ せていただいたということでございます。  それから論文発表に関しましては、スライド39で、これも18年度の目標値が340、 それで前期中期計画の年平均が345ということで、これに対して平成18年は388の学会 発表があったということで、これも非常に上回っているということでございます。その 他、学会賞等を平成18年度で研究職員が2件受賞しております。このようなことから自 己評定としてSをつけさせていただきました。  それでは次に進めさせていただきます。13番目の項目でインターネット等による調査 及び研究成果情報の発信でございます。研究所の統合に伴いまして、ホームページも統 合のホームページをということで、秋には統合ホームページが完成いたしております。 これらはその18年度前半はそれぞれの旧研究所のホームページでしたが、秋以降は1つ に統合されまして、それらを合わせると年間154万件のアクセスがあったということで ございます。  さらにホームページにおいてはなるべく今までの研究所の成果を公開する必要がある ということで、旧産業安全研究所の研究報告を1956年へ遡って公開するようにしました。 ホームページ以外にも研究成果はいろいろな方法で発信しておりまして、スライドの42 ですが、産医研ニュース、安研ニュース等も発行しておりますが、これは年度前半まで で、年度後半は結局これらを統一する方向で検討に移ったということでございます。こ れは現在鋭意新しい方式での情報発信の方法を検討しているということです。それから 安全衛生研究所の技術指針、それから特別研究報告等も労働安全衛生総合研究所のもの として出版させていただいているということです。  次はスライド43ですが、研究成果の一般紙への寄稿、これも36編と、できるだけ一 般への技術の普及等に務めるということで努力しております。それ以外でもマスコミ等 への発信として、新聞テレビ等で16件ありまして、この右下の写真は爆発実験で、化学 工場で爆発事故があったということで、マスコミから依頼されて爆発実験をして、テレ ビで紹介されたということでございます。それ以外に新聞でも発表しております。爆発、 冷房病、石綿、VDT、睡眠、その他で幅広く報道されているということでございます。 これに関しましては自己評定としてAをつけさせていただいております。  次は14番目の項目で、講演会等の開催ですが、講演会も積極的に行っておりまして、 平成18年は13回開催しております。それから研究所一般公開は4月に両研究所で行わ れています。それから今までは講演会等はそれぞれ安全領域、衛生領域で別々にやって いたのを、安全・衛生両方の演者が出るように、安全衛生に関する総合的な講演会に衣 がえさせていただいたということでございます。そういう面で、安全衛生技術講演会、 それから先ほども述べましたが、労働衛生重点研究推進協議会のシンポジウム、これに 関しても安全衛生両方の講演者が入るように努めているということでございます。  その他、国際シンポジウムといいまして、主として日本に来ている外国からの、その 領域では最先端の仕事をしている研究者に講演をしていただいているということで、そ ういうのを合わせて5回ほど開催しているということでございます。具体例として、次 のページにまず、産業安全衛生シンポジウム、これは旧産業安全研究所と研究協力協定 を締結していた海外の研究機関を中心とした方々に演者となっていただき講演会を開催 したものでございます。これも安全衛生両方から所員が演者として参加しているという ことで、国内から70名、国外から29名の参加を得て開いているということです。  それから安全衛生技術講演会、これは毎年全国3カ所で開いておりますが、これも今 までは安全領域だけの講演会であったのを、平成18年は長時間労働、働き過ぎによる疲 労の蓄積を防ぐということで、衛生領域の講演も加えたということです。3会場で合計 615名が参加して、前年度比で1.8倍ということで非常に盛況だったということです。  次の47ページは、一般公開で、これは地区が別々なために日にちは別々ですが、両地 区で合わせて299名、約300名の参加で、前回よりも1.2倍ということで、ここでも人 が大勢集まってきているということでございます。  次が15項目目の知的財産の活用促進ということで、特許等は、特に衛生領域では難し かったわけですが、安全領域で頑張っていただいておりまして、特許出願件数が平成18 年は3件というふうに、数としては多くはなくても、それなりに頑張っております。  次が16番目で労働災害の原因の調査等で、ここの項目は安全総合衛生研究所としては 非常に重要な事業でありまして、まずスライド49にありますように、平成18年度も12 件の災害調査を行っております。その代表的な例を次に示しておりますが、清掃作業に おけるゴンドラ折損災害です。この場合はゴンドラを支えている梁が折れたということ で、これに関してどのような力が加わっているかというのを解析して報告させていただ いたということです。  その裏が農道工事現場における土砂崩壊災害ということで、こういう土砂崩壊の場合 は正確にどこが崩壊しているかというのを精密に決めるのは非常に難しいわけですが、 そういう点で簡易に測定できるシステムを開発していたということで、これを最大限活 用することによって、災害場所が非常に精密に特定できるということで、この辺も報告 させていただいているということでございます。  この二つが主として安全領域ですが、それ以外に労働衛生領域でも行政からの調査依 頼がありまして、それが港湾荷揚げ作業におけるアフラトキシン曝露調査ということで、 とうもろこしの荷揚げ作業、この時に粉塵が舞って、そういう中にアフラトキシンが混 じっているということで、港湾労働者から調査してほしい、安全かどうか調べて欲しい という、そういう要求が行政の方に来たために、行政の方から当研究所に依頼があった ということです。その結果、粉塵総量及びアフラトキシン量というのが測定され、計算 されまして、それを報告させていただいております。年度が変わりますが、この結果と しては平成19年度の通達等に活用されているということでございます。  以上、労働災害に関して16項目は当研究所においても非常に活発に貢献しているとい うことで、これは自己評定としてSをつけさせていただいております。  次の第17番目は労働安全衛生研究分野における研究の振興ということで、1つは国内 外の技術・制度に関する調査ということで、スライド53にありますように、このような 項目に関して行政の方に報告させていただいているということです。それからもう1つ が労働衛生重点研究推進協議会で、これによって労働安全衛生研究の振興に寄与させて いただいていますが、これに関しましては、今までは衛生分野だけだったのですが、安 全衛生に関する研究所になったということで安全研究に関しても目を向ける必要がある ということになり、産業安全研究戦略の策定に向けて平成18年度に準備を進めて、19 年度には実際に戦略策定の方に向けて動けるようにということで、そちらの方向で作業 を進めたということでございます。  もう1つは、これは理事長の方から説明があったように「Industrial health」という ことで、これが年4回発行していて、スライド56にもありますように、投稿数も年間 100編以上を維持するようになって、インパクトファクターもどんどん上がってきてい るという状況でして、平成19年度から年6回へと発行数をふやすという方向で検討を始 めたということでございます。  もう1つ、大事なのが次のスライド57に示してありますが、衛生だけではなくて、安 全の方の研究もいろいろ紹介していかないとダメだし、それから最先端の研究を取り入 れていかないとダメだということで、先ほどは「Industrial health」に関しても安全の 論文を入れる方向で動いているわけですが、今度は和文誌として労働安全衛生研究とい う名で、安全と衛生両分野の研究を含んだ学術誌を発行するということで、年2回発行 の予定で準備を平成18年度には進めておりまして、19年度からは実際に発行に向かっ て動いているという状況です。これに関しましても自己評定としてはSをつけさせてい ただきました。  次が18番目で、労働安全衛生分野における国内外の若手研究者等の育成の貢献という ことで、平成18年度の労働安全衛生総合研究所の成果といたしましては、連携大学院の 協定が平成18年度一気に4つの大学と結ばれたということでございます。それに伴って 客員教授及び客員準教授などに多くの研究員が就任したということで、平成19年度から は連携大学院としての活動もますます進展するということで、これに関してはこのよう に多数の協定が結ばれたということで、自己評定をSとさせていただいた次第です。  次が研究協力の促進で、一番大きな動きとしてはWHO協力センターへの登録が認め られる方向が確実になったということで、実際に正式に登録されたのは平成19年度にな ってからですが、もともと1977年、日本では唯一のWHOの協力センターとして認めら れたわけですが、1996年からそれが途切れていたという状況の中で、ここ4年間非常に 努力した結果、ほぼ18年度の時点で内定したということでございます。  それから外国の研究機関との協力協定の締結ということで、新たに協定が18年度に締 結されたのは英国ラフボロー大学ですが、それ以外にも協定が更新されたものとして、 米国国立労働安全衛生研究所、それから韓国産業安全保健研究院、それからスウェーデ ン国立労働生活研究所と、この3つで更新されたということで、平成18年度で9つの機 関と協力協定が締結されているという状況でございます。  あとは客員研究員制度というのを、2つの研究所が別々だったのを1つにまとめて、 フェロー研究員、客員研究員を統一した形で制度をつくることによって、研究協力を促 進したということがありますし、共同研究も活発にしておりまして、35%が共同研究で あるということ、外部機関との研究交流も活発にしているということで、この項目に関 しては自己評定としてSをつけさせていただいたということでございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは御質問等ございますでしょうか。 ○岩淵委員  連携のところで、前からやっているのでとっくに説明済みだと言われるかもしれませ んが、ちょっと具体的なイメージがわかないので、その具体的な研究者の時間配分がど うなっているのか、それから相手方からの受け入れはどのような形でどの程度受け入れ ているのか、それから報酬はどうなっているのか。もう1つは研究成果の帰属の問題は どのようになっているのか、一概に言えないのかもしれませんが、簡潔にお答え願いま す。 ○安衛研・研究企画調整部長   連携大学院というのは基本的には大学院の学生を当研究所で指導して、修士号及び博 士号をとらせるというシステムでございます。だから報酬に関しては一切いただかない。 ただ、学生用の研究費というのが各大学にはありまして、その研究費に関してはこちら の連携大学院の方の指導教官がその研究費をどう使うかは決定できるということでござ います。  そういう意味で時間配分はどうなるかということですが、基本的には当研究員が進め ている研究課題の中で、大学院生にちょうど合う課題を設定して研究をするということ なので、我々の研究所としても非常にメリットがあるということでございます。  研究成果に関しては、例えばそういう特許とか、そういう問題に関しましては当然予 め取り決めをして行うということですが、そういう特許以外に関しては基本的には指導 教官が指導した論文ということで、それが学生の博士論文になる場合はもちろんその学 生がトップネームにはなりますけれども、指導教官としては当然研究所の名前が出ます ので、当然研究所に帰属するということになります。 ○岩淵委員  具体的にその研究者がその相手の大学院で指導するとか、そのような形にはならない のですか。 ○安衛研・研究企画調整部長  もちろんその可能性はあるのですが、基本的には今お互いに協定を結んでいる大学と いうのは、例えば私立大学の場合は非常に学生数が多いので、基本的には外でそれなり の研究を指導してもらった方がありがたいという立場にいますので、学生を受けたら労 働安全衛生総合研究所の方で仕事をする、ただ、連携大学院の教官になれば講義は大学 にしに行くという形になると思います。 ○酒井委員  いろいろと成果を示していただいて、それはよく分かりました。1点だけ気になった のは最初のところで、参考の6の6ページ、研究者の年齢分布が示されているのですが、 これによると56から59歳が一番分布が大きいということが1つ。  それとの関連で、先ほど4項で同様に研究責任者が退職した後、研究成果の見込みが 激減した病理実験室の使用計画変更の検討を慎重に開始したという見方もあるのですが、 その辺がこれからの研究所、つまり07年問題でこれから団塊の世代の方たちが多いとい うことを言っていると思われ、ただ現実にはその方たちが担っている部分というのはす ごく大きいと思うのですが、そういうこととこれから新しいものをどうしていかれよう としているのか、方針等があったらお聞かせいただきたいと思います。 ○安衛研・理事長  これは状況としては基本的には国研時代、両方の研究所ともほとんど人の出入りがな かった研究所ですから、昔、若いころに大学を卒業して入った人が定年まで迎えて、そ の方々のほとんどが部長とか、一番トップの5級になっちゃっているという状況なので、 能力とかやる気とかいろいろ問題があるわけです。ただ、今おっしゃったように団塊の 世代が非常に多い。ですから問題が出てくるとみんな同じように問題が出ちゃうわけで すね。団塊世代の特異の問題です。そういう状況だったわけです。  今後ですが、基本的には研究所が、特に独立行政法人としては新しい仕事、業務をや らなければならないわけで、いろいろ新しい改善ができないでいることもありますが、 それが段階的に入れかわっていけば、うまくいけば新しい人が入ってきて非常に発展す ると思うのです。ただその移行期というのは非常に難しいわけでして、よほどうまくや らないとそういうふうにはいかないですね。これは本当にいろんな知恵をみんなで出し 合って運営していかなければいけない、また高齢者から若年の研究者までの全員の合意 を得ながらやっていかなければならない問題で、非常に難しい問題だと思っております。 ○田村部会長  よろしいでしょうか。それでは評価の記入の方をよろしくお願いいたします。  それでは次に進めさせていただいてよろしいでしょうか。では最後になりますが、第 4グループの評価シートの項目20〜24までの実績につきまして、これは5分程度で御説 明をお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。 ○安衛研・研究企画調整部長  それでは20番目の公正で的確な業務の運営ということです。公正で的確な場合、まず 情報の管理というのが非常に重要でして、個人情報保護に係る研究会等に参加して、情 報を十分入れるとともに、所内でも研修を実施するということでございます。  それともう1つは個人情報に係る所内規定の整備で、これも整備しております。また 外部からの情報公開の請求は昨年も1件ありましたが、それらに対しても適切に開示を したということでございます。  もう1つは研究倫理の問題で、特に労働衛生に関しましては、人を相手とする研究が ありますので、そういう面での研究倫理委員会も重要でして、それらの規定を、今まで は産業医学総合研究所だけにあったのを、統一して労働安全衛生総合研究所として倫理 委員会を設置するような規定をつくって整備したということでございます。  それ以外にも安全の方では爆発等のそういう危険な研究業務がありますので、安全衛 生審査委員会といって、危険を伴う研究業務に関するそういう委員会の審査も行ってお りまして、平成18年度は1件の所内の審査を行って適切な研究の実施をしたということ でございます。  それ以外にも現在においてはセクハラ問題、パワーハラスメント、モビング等、こう いう問題があり得ることでございますので、そういうことに関する業務責任者を任命し て、全所的な防止対策と広報活動を開始しました。特に川崎地区に関しましては、それ ぞれセクハラ、パワーハラスメント、モビングに関して単独の担当者を任命して対処で きるようにしたということでございます。  21番目として運営費交付金以外の収入の確保で、これは一番大きいのが競争的資金に よる研究費の獲得ですが、文部科学省の科学研究費補助金では11件、厚生労働科学研究 補助金は15件、その他厚生労働省のがん研究助成金1件、その他ありまして,合計30 件で1億494万円ということでございます。  競争的資金以外では、例えば受託研究が11件ありまして、これが2,479万円獲得して います。施設貸与に関しては貸与件数というのはなかなか大きくならないので、3件と いうところでございます。それ以外では諸々特許実施料、これも非常に額は少なくて4 件で32万、講師料等々ということでございます。  次が経費の節減を見込んだ予算による業務運営の実施ということで、22番目の項目で すが、人件費は予算額に対して94.3%で、一般管理費は予算額に対して96.5%というこ とで、かなり100%に近い執行率を示しているということでございます。  そういう中で最初に申し上げましたように、施設の効率的利用から節減の方向にとい うことで、高感度分析施設の研究内容、測定技術の達成度等を所内委員会及び所内研究 発表会等で見直して、平成18年度だけではなく、それを遡ること数年間の成果を客観的 に評価した上で運用の見直しを決定したということでございます。  これが実行に移されると、電気代としては約470万円節約できるのではないかという ふうに予定しております。それ以外にも低温実験室の使用頻度を検討して、維持コスト を下げるということで、これは実際に平成18年度に動かし始めているということです。 このように節減というのはなかなか難しいのですが、研究施設の有効利用という点から いろいろ努力させていただいたということでございます。今までの3項目に関しては自 己評定でAとさせていただいております。  次が23番目の項目の人事に関する計画ですが、19名の応募者から2名の若手任期付 研究員を今年度4月に採用する予定で決めたということで、最初に述べましたように、 なるべく幅広く広報して、優秀な人材を選ぶことができたということでございます。実 際に18年度中に3名採用しておりまして、それらはそれぞれ仮設構造物の専門家、放射 線障害の専門家というように、当研究所において足りない領域での貴重な専門家を採用 することができたということで、そういう意味で非常にプラスになる人事であったとい うふうに考えております。  それから最初に述べましたように、安全、健康、環境の3研究領域の領域長を任命す ることによって、研究管理をより統合的にすることができたということと、あとは川崎 地区においては清瀬地区とは違って一つの研究グループ当たりの研究員の数が多いもの ですから、それらをより効率的に有効に援助して、支援できるようにグループ部長補佐 を任命して、研究支援がより手厚くなるようにしたということも非常に重要な人事に関 する刷新であるというふうに考えております。  平成18年度は常勤職員数目標を1名減で達成できたということ、それから本年度の人 件費は見込みよりも5,200万ほど節減したということ、そのうえ非常に有能で必要な領 域の研究者も採れたということで、自己評定としては人事計画に関してはSというふう にさせていただきました。  次は最後の施設設備に関する計画ですが、これは計画どおり順調に進めておりまして、 必要な改修工事は行ったということでございます。それ以外に旧2研究所の本部業務の 統合と一元化を図るために、本部施設の特定化と管理部門の部屋の再配置の検討を行っ たということで、よりその統合を実態のあるものへ押し進めるために計画を進めたとい うことでございます。   あとはもう既に述べましたように、施設の有効で効率的な利用による経費の節減等い ろいろ努力しているということで、自己評定してはAとさせていただきました。以上で ございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。そ れでは評価の記入の方をよろしくお願いいたします。  それでは最後に総括といたしまして、何か御質問、あるいは御意見等ございましたら いただきたいと思います。 ○岩淵委員  先ほどの理事長の説明の中で、研究テーマが中期計画で決まっているので、それをや めることはできないということがありましたが、内容は私はよく存じあげないのですが、 少なくともそれを独法化して、さらにいろいろ工夫する中で言えば、途中で見直しがで きないという、そういう硬直化した、そういう制度設計自体が少なくとも民間のセンス から言ったら信じられないという感じがいたしますので、それはまた別途どの場でやる のか知りませんが、検討していただきたいというふうに思います。 ○田村部会長   ありがとうございました。これは意見として承るということでよろしいでしょうか。 その他何か総括的なことで御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは長時間にわたりお疲れさまでございました。予定の時間より延長いたしまし て、まことに申しわけございません。第33回調査研究部会はこれで終了とさせていただ きたいと思います。これからの予定につきまして事務局から御説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐   次回第34回の調査研究部会につきましては、国立健康栄養研究所の平成18年度業務 実績の個別評価を予定しておりますが、こちらにつきましては8月1日(水)午後5時 から厚生労働省内の会議室で行う予定となっております。開催通知は後日送付させてい ただきます ○田村部会長   本日の部会は以上とさせていただきます。評価シートへの書き込みがまだ足りないと いう方がいらっしゃいましたら、評価シートはお帰りになるまで回収いたしませんので、 この場で引き続き御記入いただいても結構でございますので、よろしくお願いいたしま す。それではどうもありがとうございました。 (終了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)