07/07/03 平成19年7月3日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日  時:平成19年7月3日(火) 13:30〜15:18 ○場  所:三田共用会議所 3階 C、D、E会議室 ○出席者: 委 員  青木委員、大野委員(部会長)、尾崎委員、加藤委員、斉藤委員、佐々木委員、      志賀委員、米谷委員、山内委員、吉池委員、鰐淵委員 事務局  松田基準審査課長、加藤課長補佐、河村課長補佐、吉田課長補佐、近藤専門 官 関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 渡辺専門官      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 水野係長 1.開  会 2.議  題  (1) 食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について     ・クミルロン(農薬)     ・シメコナゾール(農薬)     ・スピロメシフェン(農薬)     ・ピリプロキシフェン(農薬)     ・トルトラズリル(動物用医薬品)     ・メロキシカム(動物用医薬品)  (2) その他 3.閉  会 ○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品 衛生分科会農薬・動物用医薬品部会を開催させていただきます。  本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い 申し上げます。  本日は、井上委員、豊田委員、山添委員より欠席の旨、御連絡をいただいております。 また、鰐渕委員が若干遅れているようでございます。  既に、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中、現時点で10名の御出席をいただいて おります。部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりま すことを御報告いたします。  それでは、大野部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議よろし くお願い申し上げます。 ○大野部会長 先々週に引き続き、お忙しい中集まっていただいてありがとうございま す。では、早速審議に入らせていただきたいと思います。  では、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。 ○事務局 配付資料の確認をさせていただきます。お手元の資料ですが、一番頭に議事 次第がございます。こちらは3ページの次第でございます。  続きまして、資料1−1が農薬クミルロンの資料でございます。30ページ以降が資料 1−2、部会報告となっておりまして、総ページ数が42ページの資料でございます。  続きまして、資料2が農薬シメコナゾールの資料でございます。41ページから資料2 −2、部会報告となっております。総ページ数では64ページの資料でございます。  次に、資料3が農薬スピロメシフェンの資料でございます。43ページ以降からが資料 3−2、部会報告となっております。総ページ数では59ページの資料でございます。  続きまして、資料4、農薬ピリプロキシフェンの資料でございます。45ページ以降が 資料4−2、部会報告となっております。総ページでは63ページの資料でございます。  続きまして、資料5が動物用医薬品トルトラズリルの資料でございます。27ページ以 降が資料5−2、部会報告案。総ページ数では41ページの資料でございます。  続きまして、資料6が動物用医薬品メロキシカムの資料でございます。29ページ以降 が資料6−2、部会報告となっております。総ページ数では37ページの資料でござい ます。  参考資料といたしまして、参考資料1が食品摂取量の一覧。5ページ以降が参考資料 2となっております。総ページ数では23ページの資料でございます。  落丁・不足等ございましたら、事務局までお願いいたします。 ○大野部会長 足りないところはございますか。よろしいですか。  それでは、審議に入りたいと思います。本日は農薬について4品目、動物用医薬品2 品目ということでございます。資料に関しては、あらかじめ先生方にお送りしておると ころでございます。  まず、農薬のクミルロンについて説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、農薬クミルロンにつきまして、資料1−1、1−2に従いまして 御説明申し上げます。  資料1−1は、安全委員会で評価いただいた農薬評価書でございます。今はまだパブ コメ中のものでございます。  資料の24ページをお開きいただければと思います。安全委員会の「III.総合評価」 で食品健康影響評価がまとめられてございます。動物の運命試験、または植物の運命試 験等が評価されてございます。中段以降で毒性試験の結果について記載されてございま す。催奇形性及び生体において問題となる遺伝毒性は認められなかったということでご ざいます。  発がん性試験におきまして、雌雄マウスに肝細胞腺腫の発生頻度の増加が認められた が、遺伝毒性等の試験の結果から発生機序は遺伝毒性メカニズムとは考えがたい、評価 に当たって閾値を設定することは可能ということでございます。  これらを踏まえまして、暴露評価対象はクミルロンということで設定されてございま す。  毒性評価の一覧表が25ページから出てございます。ラット、マウス、ウサギ、イヌ ということで試験の結果、無毒性量が出てございますが、最終的には26ページのイヌ の1年間慢性毒性試験で、雌雄で1mg/kg体重/日という無毒性量、これをADIの設定 根拠とされたということでございます。  安全係数100で除しまして、0.01mg/kg体重/日というADIの評価をいただいたとこ ろでございます。これを踏まえまして、事務局の方で作成しましたのが30ページから の部会報告書案でございます。資料1−2ということでございますが、クミルロンは除 草剤でございます。この剤につきましては、平成10年に当時の食品衛生調査会の方で 審議いただきまして、米に基準を設定したところでございます。ポジティブリスト制度 導入に当たりましていわゆる暫定基準を設定しており、また、今般、前回の部会で御審 議いただきましたけれども、河川への流出等で魚介類に蓄積するという可能性がある農 薬ということで、農林水産省の方からこの剤について魚介類への基準設定について要請 があったというものでございます。  実際に本剤が一律基準を超えて検出されたということで、具体的に言いますと、シジ ミ貝について出荷が自粛されているという状況にあるものでございます。  「2.用途:除草剤」ということで、根部の細胞分裂、細胞伸長阻害ということでご ざいます。化学名、構造式は記載のとおりでございます。  本来の適用は水稲でございますので、31ページからの使用方法については水稲への使 用方法について記載してございます。  33ページ以降、作物残留試験の結果ということで、水稲に使用した場合の作残データ ということでございます。これにつきましては、37ページに表として一括掲載させてい ただいております。  34ページにまいりまして、「7.魚介類への推定残留量」ということでございます。 先ほど申し上げましたとおり、これは水田農薬ということで、河川等から河口に生息す る魚介類等について残留が想定されるということで、前回御審議いただきました設定方 法に従いまして、基準の設定を試算したところでございます。  水産動植物被害予測濃度と生物濃縮係数を用いて算出するということでございます。 水産動植物被害予測濃度につきましては、水田のみに使用されるということから、水田 PECtier2として、1.9ppbと算出したところでございます。  また、生物濃縮係数につきましては実測値がないということでございましたので、相 関式からオクタノール/水分配係数を用いまして算出し、BLF=37としたところでござい ます。  これらを推定残留量を求める式から、PEC1.9ppb、濃縮係数37、補正値5をかけあ わせまして、351.5ppb、推定残留量としてはppm換算で0.3515ppmとしてございます。  それぞれの用語については、前回の研究班報告書に書いたものを注1、注2として掲 載させていただいてございます。  「8.ADIの評価」につきましては、先ほど御説明申し上げた食品安全委員会の評 価書のとおりということでございまして、ADI0.01mg/kg体重/日ということでござい ます。  「9.諸外国の状況」といたしましては、コーデックス、アメリカ、カナダ、欧州、 オーストラリア、ニュージーランドについて調査いたしましたが、いずれの国も残留基 準が設定されていないということでございます。  メーカーに問い合わせたところ、中国等では芝に対して使用されているということで したが、食用の農作物への適用はないということでございました。  基準値案でございますけれども、残留の規制対象はクミルロンということでございま す。基準値案につきましては、資料の38ページから別紙2という形で掲載させていた だいております。先ほど暫定基準を設定したというお話を申し上げましたけれども、暫 定基準といいますのも、当時の分析法の定量下限の関係から0.02ppmという値を置いた ものでございまして、本来であれば一律基準で規制するというところでございます。今 般0.01ppmまで分析可能ということが確認できましたので、0.02ppmという暫定基準 値をすべて削除して一律基準0.01ppmで規制するということでございます。それと、 40ページの一番下でございますが、魚介類については先ほどの推定残留量0.3515ppm という値を踏まえまして、基準値案としましては0.4ppmという値を置いてございます。  これらにつきまして暴露評価を行ったところ、41ページでございますが、コメと魚介 類しかございませんので、それに基づきましてTMDI評価をいたしましたところ、国民 平均で10.5%、幼小児で17.0%、妊婦の方で9.3%、高齢者の方で10.4%ということで、 いずれも80%を下回っているということで、この基準値案を提示したところでございま す。  42ページは答申案ということで、今回は魚介類のみ基準を新たに設定するということ でこういった形にまとめさせていただいてございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。ただいまの報告について、御質問・御意見ご ざいますでしょうか。特にございませんか。  それでは、特に御意見がないということで、資料1−2で示された報告案を当部会の 報告書とさせていただければと思います。よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  それでは、次の農薬ですけれども、シメコナゾールについて御説明をお願いいたしま す。 ○事務局 それでは、資料2−1、2−2に従いまして、農薬シメコナゾールにつきま して御説明申し上げます。  資料2−1は、食品安全委員会の方からいただいております農薬評価書でございます。  29ページをごらんいただければと思います。食品健康影響評価の総合評価といたしま して取りまとまったものでございます。中段から各種毒性試験ということでございます。 遺伝毒性が認められなかったということ、また、発がん性試験でラット、また雌雄マウ スで肝細胞腫が認められたけれども、これについては遺伝毒性メカニズムとは考えがた いということで、閾値の設定は可能という評価でございます。  また、催奇形性については2世代繁殖でラットの児動物の方に腎盂拡張が認められた ということでございますが、これにつきましても追加試験で直接の影響ではなく、レニ ン/アンギオテンシン系に対する循環調節阻害から発生するものということで、閾値が 設定可能という評価がなされているところでございます。  これらにつきまして、各動物試験の結果が30ページからまとめられてございます。 この中でラットの2年間の慢性毒性発がん性併合試験の雄の0.85mg/kg体重/日が最小 の無毒性量でADIの設定に用いられております。  29ページに戻りますが、ADIとしましては安全係数100ということで0.0085mg/kg 体重/日と設定されたところでございます。  これに基づきまして、41ページに資料2−2ということでシメコナゾールの部会報告 書案でございます。この剤につきましては、今回適用の拡大の部分とポジティブリスト 制度導入に当たって、登録保留基準等々を用いて暫定的に基準を設定した部分、また、 これも先ほどのクミルロンと同じように、水田に使われる農薬ということで、魚介類の 基準の設定について農林水産省から要請があったということで、されらの検討を行うも のでございます。  品名につきましてはシメコナゾール、用途は殺菌剤ということで、菌類の細胞膜に作 用するというものでございます。化学式、構造式、物性についてはここに記載のとおり ということでございます。  41ページから各種農作物に関する使用方法等の一覧でございます。  46ページからは、それに基づいて実施されました作物残留試験の結果ということでご ざいます。作物残留試験ではシメコナゾール本体と2種類の代謝物について測定してい るということでございます。  これらにつきましては、57ページから作物残留試験一覧表ということでまとめさせて いただいてございます。まず、ももの果肉とかなしの果実ということで「★」がついて いるものがございます。これらにつきましては、例えばももですと圃場Aで0.04ppm、 圃場Bで0.03 ppm未満、一番下のももの果肉のところで圃場Aで0.16 ppm、圃場Bで 0.30 ppmという値が出てございますけれども、一応散布してから収穫までの期間が短 い方の値を今回採用してございます。勿論、それは適正使用の範囲に適合した形で実施 したということでございます。なしにつきましても同様でございまして、PHIの短い方 を採用したということでございます。  また、59ページで「☆」、ネギについて記載してございますけれども、ネギの種類等 でばらつきがあるということで、水和剤での最初の2例、葉ネギと根深ネギの2例の計 4つのデータ、0.02 ppm未満、0.02 ppm未満、0.05 ppm、0.02 ppm未満を用いて平 均値をとって残留基準値の設定に用いたということでございます。  また、「♯」としてそれぞれ適用外の使用、例えばミカンであれば、登録の最初の使用 方法のところでは2.4%の水和剤の混合剤、44ページにございますけれども(5)、みか んの登録でいくと2.4%、シメコナゾールとマンゼブの水和剤という形で使用方法を登 録されるところでございますけれども、実際の作残データで見ますと、水和剤の単剤で 20%、4,000倍散布しているというところでございます。これは、実際にまいた量を換 算しますと剤形等は変わりますけれども、登録内容とほぼ変わらないということがあり ましたので、このデータを採用して、基準値設定の根拠としてございます。  その他、細かい部分、平均をとらずに最大値をとったという部分もあります。これは 品種、果実の大きさの違い等々の採用するための理由書をいただいてございまして、加 藤委員に精査いただきまして、基準の設定に使えるもののみを選択しております。  それから、資料54ページでございますが「7.魚介類への推定残留」ということで、 先ほど同じように前回御審議いただきました設定方法に基づいて推定残留量を算出して、 それから残留基準値を設定するということでございます。このものにつきましては、先 ほどの作残試験でもごらんいただきましたとおり、水田以外にも畑作にも使うというこ とでございましたので、水田PEC以外にも非水田のPECというものも算出しており ます評価手法の手順でいけば、どちらか大きいことを採用するということでございまし たので、今回は水田PECでいけば0.28ppb、非水田のPECでいけば0.011ppbとい うことでございましたので、大きい方の水田PECの0.28ppbを採用したということで ございます。  また、BCFにつきまして、クミルロンと違いましてこの剤につきましては実測値があ りましたので、コイを用いた濃縮性試験の結果である実測値7.3を用いて試算をしまし た。その結果、0.01022ppmという推定残留量が算定されたところでございます。  「8.ADIの評価」ということで、これは食品安全委員会の評価書のとおりでござ います。0.0085mg/kg体重/日というものでございます。  「9.諸外国における状況」でございますけれども、コーデックスの基準はないとい うことでございます。また、その他、アメリカ、カナダ、EU、オーストラリア、ニュ ージーランドについても、残留基準の設定はされていないということでございます。  基準値案ということで、まず、規制対象でございますが、シメコナゾール本体という ことでございます。作残試験ではシメコナゾール以外の代謝物2種類、HMFとATP というものについて分析してございます。ただ、ATPにつきましては作残の結果を見 ていただくとおり、検出限界未満であるということでございますので、規制対象に含め ないということでございます。  また、HMFにつきましても、一部お茶等でシメコナゾール本体と比較してもある程 度検出されている事例はあるんですが、その他の多くの作物について検出限界未満とい うことが得られております。また、食品健康影響評価の方でこの代謝物について特に問 題となるデータは認められないということでございますので、今回は代謝物2つとも規 制の対象として含めないということとしてございます。  基準値案につきましては別紙2、資料の61ページからでございます。実際に登録が あるものについて作残試験の結果を踏まえて設定してございます。基準値現行のところ で多くの部分は、経過措置等々で登録基準が設定されて、それをポジティブリスト制度 のときに暫定基準という形で置いたものでございますけれども、本来登録もないという ことでございますので、そういったところは削除してございます。一律基準で規制する ということでございます。作残試験の結果から下方修正した作物もあります。  また、62ページ、魚介類ということで、推定残留量が0.01022ppmということでござ いますので、基準値といたしましては、0.02ppmということで設定してございます。  これらを踏まえまして、暴露評価でございますが、63ページに一覧表として掲載させ ていただいてございます。TMDI計算で国民平均で23.9%、幼小児で50.0%、妊婦の方 で21.5%、高齢者の方で26.9%ということで、いずれも80%を下回ってございますの で、この基準値案で提案したいと考えてございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。ただいまの説明に対して、質問・御意見はご ざいますか。 ○山内委員 今回の基準については特に異なる意見はございません。賛成です。今回は クミルロンとシメコナゾールの2つとも魚介類に具体的に残留の可能性があるものとし て取り急ぎ基準値を作成したと私は理解しておりますが、これ以後も水田等で使われる 農薬について、急いで調査をしたり基準値を決めたいものがあると思いますが、どのく らいあるのか、どれくらいの日程で出てくるのかがもしおわかりでしたらお知らせいた だけるとよいと思い、質問させていただきます。 ○事務局 一応、今回のような魚介類に基準が設定されそうなものについては、厚生労 働省の方でこれとこれということではなくて、実態等をよく掌握されている農林水産省 の要請に基づいて基準の検討をするということで、これは前回もちょっと御説明申し上 げたと思うんですが、そういった流れでやってございます。今後どういったものがある かについては、今、農林水産省でいろいろ選択したり、また、資料の準備等を進めてい ただいているところでございますので、まだ、いついつにこんなものというのはないん ですけれども、順次そういった要請があればそれを受けて食品安全委員会の方にそれを 含めて評価を依頼して、その結果を踏まえて基準設定をすると。  一応、水田農薬という大きなくくりでいくと130〜150品目ぐらいと聞いていますが、 そのうちから優先順位をつけてというようにはお伺いしております。それはまた両省、 食品安全委員会さんともいろいろ調整しながら進めていきたいと思います。 ○大野部会長 そうすると、150品目について要請がなくてもみんなやるということで すか。 ○事務局 いえ、個々の剤について要請を受けて検討するということでございます。150 品目すべてを検討するということではなくて、その中でも必要なものを選んでいただい てということになろうかと思います。 ○大野部会長 農水から要請があってやるということですね。 ○事務局 そうです。ですから、適用拡大と同じように魚介類に設定してほしいという 要請があって基準の検討を行うということです。 ○大野部会長 ほかに御意見・御質問ございましょうか。 ○尾崎委員 これは、食品安全委員会の報告書でコメントなんですけれども、先ほど御 説明があった腎盂拡張の機序を説明する実験で、27ページに(2)という実験があります。 これは大野先生も薬理を専門にされていますので、見て変だなとすぐにおわかりになる と思うんですが、アンギオテンシンIとアンギオテンシンIIに対する抑制剤を見ている んですけれども、それを同等に抑制したから受容体に対する直接的な拮抗作用だと結論 しているんですけれども、しかし、この実験からはとてもこのような結論は出てこない ので、この点については再検討された方がいいと思います。 ○大野部会長 これは最終的な食品安全委員会の報告書になっているんですか。 ○事務局 まだ、7月末までパブリックコメント募集ということでございますので、今、 先生からいただいた御意見につきましては、食品安全委員会の方に連絡したいと思いま す。 ○尾崎委員 あえて書くとすれば、受容体に対する直接的な拮抗作用あるいは平滑筋に 対する直接の抑制作用を有するものと考えられると、そのような結論にされればいいと 思います。 ○大野部会長 そうですね。これは最小データを見て、もしほかの作用が全部否定され て……。 ○尾崎委員 そもそもアンギオテンシンIで余り収縮しないと思うんですが。 ○大野部会長 アンギオテンシンIに血管収縮作用があると書いてありますね。何か間 違いがあるんですかね。ありがとうございます。  ほかにございますか。時々、食品安全委員会のちょっとおかしいところもあるんです けれども。  ちょっと気になったんですが、黄体ホルモンは黄体化ホルモンでいいんですか。27ペ ージの(2)(1)の4行目ですが、英語で訳すと黄体化ホルモンと言いたくなるんだけれど も、普通は黄体ホルモンと言っていますよね。どちらでもいいですか。細かいですけれ ども。それもついでに言っておいてください。 ○事務局 はい。併せて連絡します。 ○大野部会長 ほかにございませんか。よろしいですか。シメコナゾールの当部会とし ての報告書についても、これでよろしいでしょうか。  ありがとうございます。それでは、特に御意見がなければ、この報告案 をもってこの部会の報告とさせていただきます。  それでは、次の品目ですが、スピロメシフェンについて御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、農薬スピロメシフェンにつきまして、資料3−1、3−2に基づ きまして御説明申し上げます。  資料3−1につきましては、食品安全委員会の農薬評価書ということでございます。 この33ページから評価をまとめていただいたものがございます。34ページの中段から 毒性評価の結果がございます。発がん性は認められなかったということ、次に、繁殖能 に関する影響はないということでございます。催奇形性、毒性も認められなかったと。 最後に、遺伝毒性も認められなかったということでございます。  これはたくさん代謝物が出てくるんですけれども、食品安全委員会としましては暴露 評価の対象物としてはスピロメシフェン本体と代謝物M1というものを設定してござい ます。  ADIの設定でございますけれども、各毒性試験の結果が表でまとめられてございま して、その下にADIの設定がございますが、ラットの二世代の試験の親の雄で得られ ました無毒性量2.2mg/kg体重/日でございますけれども、それをADIの設定根拠に用 いたということでございます。安全係数は100ということで、ADIとしては 0.022mg/kg体重/日で評価されてございます。  これを踏まえまして部会の報告書案でございますが、43ページでございます。この剤 につきましては、これまで登録がなかったものでございまして、国内では新規の登録申 請があったものでございます。今回トマト、りんご、なし、おうとう等の果物、また、 茶についての申請がなされてございます。これは殺虫剤でございまして、脂質の生合成 阻害ということで作用するということでございます。  化学式、構造式については記載のとおりでございます。  この剤につきましては、米国で登録が既になされてございまして、残留基準が設定さ れているということでございましたので、ポジティブリスト制度導入に際しましては、 米国の基準値を参考に暫定基準を設定してございますので、その辺の部分も今回再検討 するというものでございます。  44ページ以降は、日本での使用方法ということでございます。また、作物残留試験結 果を掲載させていただいてございます。  作物残留試験につきましては、分析の対象としまして本体とM1という代謝物、また M2という代謝物、また、M2抱合体であるM9という代謝物、4つのものについて測 定してございます。  これらの結果につきましては、49ページに別紙1としてまとめさせていただいてござ います。これとは別に、米国の基準値を参考にするということがございまして、50〜53 ページの米国での作残試験の結果も、今回の基準の検討の参考とさせていただいたとこ ろでございます。  もう一つ、54ページに米国のデータでございますけれども、後作物としての残留基準 設定のための残留試験成績ということで、小麦、大麦、てんさい。これに直接使わない んですけれども、ほかのものに使った後こういうような農作物を栽培したときに残留が あるということで、後作として使用されるものについて残留基準値設定のための検討を したということであります。そのデータがここに出てございます。これらを踏まえて残 留基準の設定を検討したところでございます。  ちょっと戻っていただきまして資料46ページでございます。「7.乳牛における残留 試験」ということで、ウシを用いまして経口投与でこの剤を投与して基準値を検討して ございます。その際、飼料由来の最大負荷量としましては4.9ppmという値を試算して ございます。47ページに表が出てございます。試験は5ppm投与、15ppm投与、50ppm 投与ということで3種類について試験をしてございます。  「8.ADIの評価」でございますけれども、これは先ほどの安全委員会の評価書の とおりでございます。ADI0.022mg/kg体重/日ということでございます。  諸外国の状況でございますが、コーデックス基準はないということで、米国において トウモロコシやアブラナ科葉菜類、いちご、乳等に基準値が設定されているということ でございます。  「10.基準値案」ということで、まず規制の対象でございますが、スピロメシフェン 本体と代謝物M1ということで設定してございます。ここに書いてございますが、米国 でも農作物の基準については本体とM1ということでございます。ただし、先ほどの別 紙1と3で記載してございますけれども、後作物としての大麦、小麦、てんさいの規制 対象物質としましては、スピロメシフェンと対象物M1、M2、また、その他の代謝物 を足した和で評価されているところでございます。ただ、我が国においては、食品安全 委員会の方で評価された暴露評価が本体と代謝物M1と設定しているところでございま す。また、作残試験の結果を見ると、一部にはM2、M9という代謝物の残留が認めら れるものがありますけれども、主たるものについては本体と代謝物M1ということでご ざいますので、規制の対象としましては本体とM1という形で設定したいというように 案として提示したところでございます。  基準値案については55ページ、別紙2のとおりでございます。多くのものについて は米国の先ほどの作物残留試験の結果等を踏まえまして、米国の基準を参考に基準を設 定したところでございます。登録の有無のところで「申」と書いてございます。トマト、 りんご、なしというところが今回日本でも登録申請があったところでございまして、こ こは日本の作残試験のデータを用いて基準の検討をしてございます。おうとう、茶等、 日本の作残データに基づいて基準を設定したというところでございます。  また、55ページに戻っていただきまして、小麦、大麦、その他の穀類、てんさいとい うところは、後作物ということで米国で基準が置いてあるものでございますが、米国で は本体とM1とその他の代謝物を加えて基準を設定するということで、0.03 ppmという 基準を置いてございますけれども、我が国では基準値全体として本体とM1ということ で規制する方向で考えてございますので、M1以外の代謝物を除いたもので検討して 0.01ppmという基準値を置いてございます。  これらを踏まえまして暴露評価をしたところ、58ページでございますけれども、TMDI 試算でいきますと、幼小児で134.3%というような形で80%を超えるということでござ いましたので、EDI試算ということで作残データから求めた値で計算すると、国民平均 で37.1%、幼小児で73.4%、妊婦の方で29.4%、高齢者の方で41.2%とADIの80% 以内に収まるということで、事務局としてはこの基準値案で提案したいと考えてござい ます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、ただいまの説明について御質問・御意見をお願いします。これは幼小児に 対して73.4%と、80%ぎりぎりというところまでいっていますので、慎重に審議する必 要があるかなと思いますが、いかがでしょうか。  では、私の方から皆さんの御意見を聞きたいなと思っていることがあるんですけれど も、イヌの90日間の亜急性毒性試験のところで、薬物代謝酵素の誘導が24ページにあ りまして、250ppmで酵素誘導が結構出ているんですね。これからNOAELを計算する と50ppmということで1.81になって、ほかの毒性データのNOELから調べたら、そ れより若干低くなるんですね。食品安全委員会は薬物代謝酵素の誘導に関しては適応反 応であって、毒性として見なさないということでNOELの設定の根拠としていません。 それらについて皆さんの御意見を伺いたいなと思ったんです。今回ほかのものについて も肝臓の肥大があったりとか、それより低い用量で酵素活性を図れば誘導が出ているの ではないかと思われるようなものも結構ありましたけれども、ほかのものは特に問題の あるレベルじゃないなと思っていたんですが。この場合、もし1.81をとると若干ADI が下がって、そうすると、比率も80%を超えるんですが、実はこれについて山添先生に も相談して、どう考えるかということをお聞きしたんですけれども、もし先生方の御意 見がなければ紹介させていただけたらと思います。一般的に酵素誘導に関しては適応反 応ということで、毒性評価のときには大体毒性としてはみなさないというのが多いんで すけれども、先生たちも御存じのように、セント・ジョーンズ・ワートとかそういうも のは薬物相互作用が多くて、ほかの作用に影響を及ぼすということで必ずしも無視でき るものではないと思うんですが、ただ、毒性反応として一般的にみさなれないというこ とと、こういう酵素誘導の場合には科学的な反応であって大体元に戻るということがあ るので、食品安全委員会の考えと同じで、そんなに重視する必要はないのではないかと 思うんですね。  ただ、暴露レベルで実際の酵素誘導が起きてしまうようなレベルは避けなくてはいけ ないという考え方で、この場合は必ずしもセーフティファクター100をとらなくてもい いんじゃないかと。そうすると、仮に100をとらないで10にすると、これで酵素誘導 から計算したADIは毒性のNOELから計算したADIよりも上になるということで、 毒性的なものを基準にした食品安全委員会のADIの設定でよろしいんじゃないかとい うようなことかなと思ったんですけれども。  それに関して、食品安全委員会の方でできれば統一的な見解を示していただけるとい いんじゃないかと思うんですが。  事務局、何かありますか。 ○事務局 今この分について食品安全委員会の方に確認をとったんですけれども、 250ppm投与群については、酵素の関係の動きは勿論あるんですが、肝臓自体の病理的 な所見については全くなかったということで、今までもこういったものについては所見 なしということでとっていないということで食品安全委員会では評価をいただいている ということのようです。補足という形でお話しさせていただきました。 ○大野部会長 それでは、こちらとしてもマクロレベルで酵素誘導が懸念されるような 場合には、当然それを考慮して残留量の設定に使うけれども、マクロレベルでこういっ たことは起きないということが想定されるならば、特にこれは考慮しないという形でい ってよろしいでしょうか。  それでは、そのようにさせていただきます。  そのほか御意見ございますか。 ○佐々木委員 M1というのが出てくるんですけれども、部会の報告の中にはその構造 とか名前が出てきていないので、具体的な構造式とかそういったものが部会報告の中に も入った方がわかりやすいんじゃないかと思います。  また、基準値の中にA1とM1を含むというような記載が書かれていないので、必要 ではないかと思いました。  もう一点、58ページの別紙3の脚注にEDIが推定一日摂取量と書かれているんです が、表中にはEDIという言葉は使われていないので、TMDIとEDIと表中に書かれ た方がいいのかなと思います。  以上です。 ○事務局 代謝物につきましては、必要なところに構造式も含めて入れるような形にし まして、脚注につきましては委員御指摘のとおりに修正したいと思います。EDIはタ イプミスで抜けてございました。 ○大野部会長 代謝物の構造についても、部会報告に書くということでお願いいたしま す。 ○事務局 あと1点、先ほど説明し忘れた点がございまして、乳でございますけれども、 米国で0.1ppmという基準を置いてございます。これは乳の脂肪ということで限定して 0.1ppmと基準を設定しているところでございます。日本では乳は全乳で取り扱います。 乳脂肪を約4%と試算しますと基準値は一律基準未満になってしまいますので、全乳と しては一律基準の値をとって0.01ppmという形で規制をするというようにしてござい ます。56ページの一番下でございます。 ○大野部会長 ちょっと気がついたことなんですけれども、報告書の6ページだと思い ますが、「なお、農作物における」から始まるところですけれども、3行目で「代謝物M 1、M2及びM1またはM2の構造を有した代謝物を含めて設定されている」と。この 「M1またはM2の構造を有した代謝物」というのがちょっと気になって。M1または M2の抱合体のことですよね。「構造を含む代謝物を含めて」、ちょっと「含めて、含め て」であれですけれども。ただ、抱合体とはっきり言えないのかなと思ったんですが。 そのところは表現を「M1またはM2の構造を含む代謝物を含めて」と、全体の構造の 中にそういうように含んでいるという形で表現してもらった方が、最初に読んでいてM 1、M2の構造と同じものが2つ並んでいるように読めてしまうんですね。そういうよ うに修正してくださるようにお願いいたします。 ○事務局 では、そこはわかりやすいような形で修正したいと思います。 ○大野部会長 それから、(3)の暴露評価のところで、国民平均とか幼小児の欄に括弧 で「P」とありますよね。これは何でしたか。ごめんなさい、今日いただいた資料には 入っていませんね。 ○事務局 済みません、まだ確定していないときの資料の記載が残ってしまいました。 ○山内委員 TMDI比で幼小児のところが134.3%になっていることも関連して、ED Iと比べて大きくなっているのはほうれんそう、りんご、キャベツとかレタスとで、今 回の基準値の案は12ppmになっていますが、前回の基準値の10ppmから上がっていま す。それはアメリカのデータがあるからということだと思いますが、小さい子どもにほ うれんそうや緑黄色野菜を食べさせることはあり得ることと思いますから、その部分だ け10ppmのままでという考え方はとらないのでしょうか。決め方を教えていただけま すか。  51ページに海外の作物残留試験の表があり、ほうれんそうで最大残留量で8.65とい う数字があります。10を超える数値になっていないので基準値を10辺りにしておいて もいいのではないかと思います。考え方を教えてください。 ○大野部会長 ホウレンソウの占める割合が非常に大きいので、その説明をお願いいた します。 ○事務局 どうしてもほうれんそう、りんご等につきましては、幼小児の方というのは 非常に摂取量の割合が高いものでございまして、どうしても摂取量だけを見るとこれだ けがポンと高くなって、ADI比に寄与するところも非常に大きくなってしまうという のがございます。これは当初、ポジティブリスト制度導入時の基準値のおきかたから 10ppmと設定してございますけれども、米国の基準をもとにリバイスした場合に12 ppmであるということがありまして、その設定根拠ということでデータをとったところ でございます。  暴露評価のやり方としましては、以前各委員にもお配りした、平成10年の暴露評価 の精密化という中で、個別に作残データがあるものについては作残結果の平均値を用い るということでございますので、それに従った形で計算しているところでございまして、 個別にないもの、例えばグルーピングで試験をとっているものについてはTMDIと同じ ように基準値のを用いているというところでございます。ほうれんそうだけ作残データ があるにもかかわらず基準値で計算するというのは、そういった一定のルールからする とちょっと逸脱してしまうというところがございます。  基準値の決め方については、こういったデータに基づいて米国の方で12ppmという 値をとっていることについて、特段我々の基準値の設定のし方と比べても、残留データ が8〜9ppmに近いところから12 ppmを持ってくるというのは、余り無理なことでは ないと考えてございますので、こういった形で設定しているところでございます。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 55ページの基準値の欄なんですが、アメリカを参考にしたものは2.0 ppm、今回申請が上がってきたものは2ppmということで、このけた数は仕方がないと いうことなんでしょうか。そういうルールでこれからもずっといくということで、参考 にした国が2.0だから、日本は1けたで2でいくという形になっているんでしょうか。 ○事務局 これも悩ましいところでもあるんですけれども、他国の作残データに基づい てそのまま参考値で置くということでございますので、けた数についてもそのまま参考 にして合わせている。ただ、前回御議論いただきました30.0とかそういったものは分析 の有効性もありますので、そこはけた数を削っていますけれども、1けたのものについ てはそのまま採用させていただいているところでございます。  日本のものにつきましては、従前からこういった置き方をしているので、「.0」という ことではなくて2なら2という形で置いてございます。もし、けた数について御意見等 がいただけましたら、それはまた考えなければいけないということはあると思いますけ れども。 ○大野部会長 ただ、今までこういう形で有効数字を決めてきたんですよね。何回か佐々 木先生に御指摘いただいて、そういう説明だったかなと思うんですけれども、よろしい でしょうか。  ほかに御意見ございますか。それでは、御意見がなければ、今回示された報告案をも って当部会の報告とをさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  次の品目ですけれども、ピリプロキシフェンについて説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、ピリプロキシフェンにつきまして資料4−1、資料4−2に基づ きまして御説明申し上げます。資料4−1が食品安全委員会からの農薬評価書でござい ます。34ページに評価結果の一覧をまとめたものが「III.総合評価」として記載されて ございます。  毒性評価につきましては35ページでございます。発がん性は認められなかったとい うこと、繁殖能に対する影響はなかった、催奇形性は認められない。また、遺伝毒性は ないものと考えられたということでございます。それぞれ各試験の無毒性量の一覧表が 示されてございます。  36ページでございますけれども、ADIの設定根拠といたしましては、イヌの1年間 慢性毒性試験、まず(1)という試験では、雄で無毒性量が確定できなかったということが ございまして、追加で(2)の試験をいたしまして、雌雄で10mg/kg体重/日という無毒性 量が得られたということで、これをもってADIの設定根拠としてございます。安全係 数100といたしまして、0.1mg/kg体重/日という値でADIが設定されたというもので ございます。  このADIの設定を踏まえまして、当方で作成しました部会報告案でございますけれ ども、45ページからでございます。これにつきましては、ポジティブリスト制度導入時 に暫定基準を置いたもの、また、現行基準が既にあるもの、また、適用拡大申請が今回 はございましたので、その部分についての検討ということでございます。適用拡大は具 体的には茶でございます。  品目名はピリプロキシフェン、殺虫剤でございます。殺卵作用また成虫化を阻害する ことによる変態阻害作用ということでございます。  化学式、構造式は記載のとおりでございます。  使用方法につきまして、既に適用のあるものを含めて表に掲載してございますが、46 ページの下に茶について四角囲みをしているところが、今回適用拡大の部分でございま す。  47ページから作物残留試験の結果を掲載してございます。分析対象としてはピリプロ キシフェンでございます。これらにつきましては51ページに作物残留試験の結果一覧 表ということで挙げてございます。  また、52ページからは海外で実施されました作物残留試験の結果というものを掲載し てございます。これらを踏まえまして農作物については基準値の検討をしたものでござ います。  48ページに戻っていただきまして、「7.乳牛における残留試験」ということで、乳 牛に対して投与試験をいたしまして、それぞれ乳、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓中の本農薬 の残留量を測定したということでございます。  JMPRの方ではMTDBといたしまして、2.4ppmと評価しているところでございます。 また、米国では肉牛については1.91 ppm、乳牛については1.51 ppmと評価していると いうことでございます。  投与試験からいきますと、9ppm投与群において脂肪からのみ0.01〜0.025ppm、ま た、30ppm投与群において0.046〜0.07ppm検出されたというような結果でございます。  「8.ADIの評価」につきましては、先ほどの安全委員会の評価のとおりでござい まして、ADI0.1mg/kg体重/日ということでございます。  「9.諸外国における状況」でございますが、まずJMPRの評価が2001年に行われ てございます。それを踏まえたコーデックスの基準がかんきつ類の果実、また、綿実等 に設定されているということでございます。  また、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドで調査したところ、 米国においてアボカド、大豆、野菜類、かんきつ類等に基準が設定されているというこ とでございます。  基準値の規制対象としましては、ピリプロキシフェンでございます。  基準値案でございますけれども、先ほどの作残試験等々を参考にいたしまして、57ペ ージからの表で掲載してございます。先ほどと同様、網掛けにしているところがポジテ ィブリスト制度で今回暫定基準として設定した部分でございます。  ポジティブリスト制度で暫定基準を設定した当時に何らかの基準のあったものにつき まして、現在では米、大豆、ハクサイ、小麦、ばれいしょ等々については基準がないと いうことでございますので、今回もそういったところは基準を削除して一律基準で規制 するということでございます。  米国の作残データ等を用いまして基準を設定しているところでございます。  58ページにつきまして、「○」がついているのは日本でも登録があるものでございま して、これらにつきましては日本で行われました作残試験のデータ等に基づいて基準を 設定してございます。  また、ミカン等のかんきつ系の果実につきましてはコーデックス基準がございますの で、コーデックス基準をそのまま採用したというところでございます。  一部パパイヤ等の果物につきましては米国の基準値、また、綿実については同じ値で すが、コーデックスの基準を採用しています。それを踏まえて、下の方に綿実油という のがございますけれども、これもコーデックスの基準0.01 ppmというものを採用して ございます。  また、畜産物につきましてはコーデックスの基準がございますので、それを採用して いるということでございます。  一番最後でございますが、ミネラルウォーター類ということで、これは食品衛生法で 清涼飲料水の中に分類されるミネラルウォーター類、いわゆるボトルに入ったお水でご ざいます。それについては、当時WHOの方で飲料水の基準として農薬について、残留 基準が設定されてございましたので、それをそのまま持ってきてミネラルウォーター類 の基準として置いた経緯がございました。この農薬についても、そのWHOの基準であ る0.3 ppmというものが暫定的に置かれているものでございます。今回それを外してし まうのも余り合理的でないということでございましたので、WHOの基準ということで ございますので、そのまま基準値案として残してございます。  これらを踏まえまして、暴露評価をしたものが60ページ以降でございます。それぞ れ摂取量につきましては、通常の個々の作物等の摂取量に合わせてございますけれども、 今申し上げましたミネラルウォーター類につきましては、ボトルに入ったお水について の摂取量というのはわかりませんので、多めにカウントして通常の大人とか子どもさん の1日の水の摂取量、多少大小はあるかもしれませんけれども、WHO等のガイドライ ンで規定されております大人であれば一日2リットル、また幼小児であれは一日1リッ トルというものを当てはめて暴露評価の算定に用いてございます。  ミネラルウォーターの部分につきましては、現在、薬食審の規格基準部会の方で清涼 飲料水の規格基準の検討という中の一つで検討事項に挙がってございます。今後、農薬 の基準の部分についても検討の課題に挙がってくると思いますので、そういった中では 個別のものについてはまた見直しがあるということもありますし、こういったポジティ ブリスト制度の中で管理するのがいいのか、個別で管理した方がいいのか、それも含め て今後議論が出てくるのではないかと思います。そういった部分、また農動部会の先生 方にもいろいろ御協力いただければと思っています。  いずれにしましても、こういった中でADI比といたしましては、各カテゴリーで 14.3%、25.2%、13.2%、14.0%ということで、TMDI計算で80%以下ということでござ いますので、事務局といたしましては、この基準値案を提案しているところでございま す。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ちょっと質問なんですけれども、ミネラルウォーターをここに入れたというのは、水 に対してピリプロキシフェンの農薬基準が決まっていたということですか。ミネラルウ ォーター類を加えたということの意味がわからなかったんですけれども。 ○事務局 ポジティブリスト制度導入時の暫定基準として既にミネラルウォーター類と してこの農薬について0.3ppmという暫定基準が置いてあったということでございます。 WHOの飲料水の水質基準のガイドラインからとっているということでございます。 ○大野部会長 そうすると、ほかの農薬について入っていないというのは、どういうこ となんですか。 ○事務局 ほかの農薬については、WTOのガイドラインで基準がないということでご ざいます。 ○大野部会長 今日、審議したほかの品目についてミネラルウォーターとか入っていな いですね。 ○事務局 個別の基準がないものは一律基準0.01ppmで規制するということで、WHO のガイドラインに基準があるものについては、個別にこういう基準を置いているという ことでございます。 ○大野部会長 そういうことで、ほかにコーデックスとかそういうものの基準で決まっ ている場合に、ここに入れるととらえてよろしいんですかね。ありがとうございました。  ほかに御意見ございますか。 ○吉池委員 今のことにもかかわるのですが、確認ですが、ミネラルウォーター、食品 の規格ということで出てくるのだろうと思いますが、一般の飲料水からの暴露について は対ADI比で80%までで、残りの20%のマージンで考慮されていると。そうしたと きに当然水の飲む量というのは限られているので、こういうケースの場合はどちらかと いうと二重に考慮して安全をとっているという理解でよろしいんでしょうか。 ○事務局 本来でいけば普通の加工食品なり食品と同じように個別に量が割り出せれば いいんですけれども、こういったものはなかなか難しいということで、今回の場合はよ り多めにとったという、今、吉池先生がおっしゃったような形で試算をしたというとこ ろでございます。 ○大野部会長 ほかに御意見ございますか。 ○佐々木委員 60ページの表に暴露評価に用いた数値という欄があるんですが、これは 要らないのではないでしょうか。 ○事務局 これは間違いです。この部分は全部削除ということになります。今回はTMDI 試算でございますので、基準値案をそのまま用いてございまして、このカラムは全部削 除ということでございます。61ページも同様でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。  それでは、特に御意見がなければ、この報告案をもって当部会の報告とさせていただ きたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  では、次、動物用医薬品のトルトラズリルについての説明をお願いします。 ○事務局 続きまして、動物用医薬品のトルトラズリルにつきまして、資料5を用いま して御説明をいたします。  こちらは前回の部会におきまして、各委員から幾つか御指摘をいただいていた継続の 審議案件でございます。ですので、前回いただきました御指摘に沿って当方からお答え をさせていただければと思います。  まず、御指摘をいただいておりましたのは、7ページをごらんください。こちらが食 品安全委員会から通知されております食品健康影響評価でございますが、1の(2)(3) でございます。構造式が本来であればトリオンという形をとっておりますので、これは トリオンではないではないかという御指摘が一つ。もう一つは、(3)の分子式自体が違 うのではないかという御指摘でございます。  こちらについて安全委員会の方にもお話し申し上げたところ、これから差し替えをさ せていただければというお話でございます。今日お配りしております資料5−1の中で はまだ修正が終わっておりませんが、今後修正される内容でございます。これに伴いま して、当方の部会の報告書も当然ながら変わってくるというものでございます。  続きまして、8ページをごらんください。前回、加藤委員から御指摘をいただいた部 分でございます。ラットまたはニワトリの代謝残留試験の結果が、EFSAで報告されて いる中身と食い違っているのではないかという御指摘でございます。こちらも安全委員 会で参照としておりますデータを基に確認をお願いしましたが、結論としましては、承 認をとられているメーカーが今回資料を提出しておりますが、その資料の内容としては 今ラット及びニワトリの部分に書いてある数値がそのまま入っております。  ですので、参照元がEFSAと若干異なるのではないかということが推察されるわけで ございますが、この記載ぶりについては特段の誤りではないということをお伝えしてお きたいと思います。  続きまして、9ページでございます。こらちは前回山添委員の方から御指摘をいただ いた部分でございますが、ウシにおける投与試験でTmaxの値が書いてございますが、 雌雄とも120時間という形がございます。これがちょっと遅過ぎるのではないかという 御指摘でございましたが、こちらもメーカー提出資料を確認したところ、やはり120時 間であったということが確認できております。ですので、その場合15mg/kg体重という もので投与した場合のTmaxは120時間であるということは誤りではございません。そ の旨お伝えいたします。  次に、27ページをごらんください。こちらからが部会の報告書、資料5−2となって おります。こちらも先ほどの安全委員会の構造式または分子式が変更になりますので、 当方でも変更するということでございます。今日お渡ししております資料5−2につき ましては、既に変更したものを添付してございます。ですので、安全委員会の記載され ている内容も、この部会報告書の内容に沿いまして変更がなされるというものでござい ます。  続きまして、39ページの別紙1をごらんください。トルトラズリルの基準値の案でご ざいます。前回御説明の中ではトルトラズリルにつきましては、その親と代謝物であり ますスルホキシド、スルホンというものを和として基準値を置くという形で御説明をい たしましたが、単にそのものを足すのではなく、トルトラズリルとして基準値を置くべ きという御指摘をいただいております。ですので、基準値の案につきましても、残留試 験成績をトルトラズリルという形で換算をいたしまして、その和としての基準値の検討 を再度行わせていただいております。結論といたしましては、スルホン体、またスルホ キシド体ともにほとんど分子量は変わりませんので、結論といたしましても提案させて いただきました基準値は前回と変わりがないというものでございます。  このため、暴露評価の値でございますが、40ページをごらんいただきますと計算がご ざいます。前回と同様の値となるわけでございますが、国民平均のTMDIで12.5%、幼 小児で35.9%、妊婦で11.8%、高齢者で12.3%という値となっております。ですので、 各群とも80%を下回る値となっておりまして、部会報告の案といたしましては、39ペ ージにお示ししております基準値の案を提案させていただければと考えているところで ございます。  前回の懸案事項となっておりましたトルトラズリルの説明は以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  先ほどはっきり言われなかったですけれども、EFSAとの食い違いに関しては、EFSA が間違いだったということですね。 ○事務局 その可能性はあると思います。ただ、EFSAが実際何を見たのかというもの を私どもは入手できておりませんので、その比較はできていないという状況でございま す。 ○大野部会長 それから、ウシにおけるTmaxが120時間というのは、そこが最短で測 った時間だったから……、そうではないですか。 ○事務局 はい。120時間の前もきちんと測られてございます。その中で経時的な変化 を追った場合に120時間が一番濃度としては高いところであったということでございま す。 ○大野部会長 わかりました。  ほかに御意見・御質問ございますか。前回御指摘のことを確認していただいて、適切 な形で修正されたと思いますけれども、よろしいですか。  ありがとうございます。では、修正されたものを当部会の報告とさせて いただきたいと思います。  次に、動物用医薬品でメロキシカムについて説明をお願いいたします。 ○事務局 続きまして、2つ目の動物用医薬品メロキシカムについて御説明をいたしま す。  まず、資料6−1の1ページでございますが、3月22日付で当大臣あてに通知され ておりますメロキシカムの食品健康影響評価の結果でございます。結論といたしまして は、ADIを0.00063mg/kg体重/日と設定するというものでございます。  流れにつきましては、5ページをごらんいただきますと、審議の経緯が書いてござい ます。昨年4月21日、新規承認に伴いまして当方、及び農林水産省から食品健康影響 評価を求めたというものでございます。その後、ポジティブリスト制度が導入されたと いうことがございまして、これに伴う24条2項の諮問を改めて行っております。これ らの諮問に対しまして、本年3月22日に食品健康影響評価が示されたという流れでご ざいます。  評価書の中身でございますが、6ページに評価のまとめがございます。まず、メロキ シカムでございますが、非ステロイド性の抗炎症薬でございます。現時点で国内におき ましてはイヌに使用が認められているというものでございまして、運動器疾患に伴う炎 症や疼痛の緩和というものに用いられています。なお、国際的には同じような目的で幅 広く使われているものでございます。ウシやブタ、ウマ等についても適用があるという ことでございます。ヒト用の医薬品としても汎用されている物質です。  今回、農林水産省等から申請がなされている剤でございますが、主剤はメロキシカム でございます。今回の新規申請の対象ですけれども、2の(2)にございますとおり、ウシ を対象としてございます。ウシの急性及び亜急性細菌性肺炎に伴う臨床症状の軽減を目 的に使用することを予定しているものでございます。  用法・用量につきましては、単回皮下の注入という形でございます。現時点の休薬に つきましては、17日を想定しているところでございます。  3、本剤につきます評価でございますが、EMEAにおきましてはウシやブタ、ウマ等 にも適用ができるという形になっております。また、ADIの評価といたしましては、 1.25μg/kg体重/日という値が設定されております。JECFA等の国際機関におきまして は評価は行われていないというものでございます。  また、日本におきましても暫定基準がございますけれども、食品安全委員会等におき まして健康影響評価が行われた経緯はございませんので、今回新たに健康影響評価が行 われたものでございます。  結論といたしましては、6ページの4、メロキシカムとして0.00063mg/kg体重/日と いう形となっております。これは後述いたしますけれども、EMEAで評価した資料と今 回食品安全委員会で評価をした資料は同じでございます。エンドポイントの取り方も同 じという形でございまして、食品安全委員会のADIはEMEAで評価をいたしました 値のちょうど半分の値となっているというものでございます。その理由につきましては、 この後に説明いたします。  次に、24ページをごらんいただきますと、今のADIの評価の詳細がございます。「一 日摂取許容量(ADI)の設定について」という欄でございます。今回ADIの設定に 用いました毒性影響評価につきましては、ラットを用いました周産期及び授乳期投与試 験のLOAELから算出しております。このLOAEL自体が0.125mg/kg体重/日という形 になっておりまして、EMEAではこちらの数値に安全係数の100で除しまして、0.00125 mg/kg体重/日のADIを設定しているというものでございます。  しかしながら、今般、食品安全委員会の評価におきましては、妊娠期間の延長に基づ いて有意差が得られているということもございます。また、ヒト臨床の用量が0.2mg/kg 体重程度で副作用が認められる場合もあるということ。また、妊娠時にヒト臨床で適用 外であるという状況、及び、今回得られておりますのはLOAELであるということも一 つの理由となっておりますが、これに更に追加の2という安全係数を追加いたしまして、 200という安全係数でADIを0.00063mg/kg体重/日という形で設定しているものでご ざいます。  ですので、単純にヨーロッパにおけます評価のちょうど半分の値が日本のADIにな っているというものでございます。  次に、29ページをごらんいただければと思います。こちらからが本部会の報告書案で ございます。「1.概要」としてメロキシカムでございます。用途につきましては、先ほ ど御説明申し上げたところでございます。  また、化学名、構造式、物性等につきましては、(3)(4)にお示しするとおりでござい ます。  (5)で適用動物、また用法・用量、そして休薬期間を取りまとめてございます。30ペ ージをごらんいただきますと一覧がございまして、対象動物につきましてはウシ、ブタ、 ウマ、泌乳牛というものが対象となっております。また、下に括弧書きがございますが、 投与方法、投与量というものがございます。更に、右側のカラムには使用が認められて いる国、そして、個々の使用が認められている範囲、いわゆる休薬期間を記載してござ います。  「2.対象動物における分布、代謝」でございまして、(1)としてはウシ、(2)として はブタにつきまして試験の結果を記載してございます。ウシにつきましては、0.7mg/kg 体重/日で5日間の投与を行った試験結果が報告されております。最終投与後から2日目 までに総放射活性の78.5%が乳または糞中で排泄されているということ。また、最終投 与から8日目におきましては、筋肉、脂肪につきましては定量限界以下、残留が認めら れた肝臓、腎臓におきましても、0.66ppm、0.22ppmという濃度であったということで ございます。  また、代謝物も認められておりますが、大半が未変化体であるということも報告され ております。  (2)でブタに対する報告でございますが、10mg/kg体重で単回経口投与、または静脈 内に投与というものを行っております。投与後120時間までの総排泄率が、経口及び静 脈内投与それぞれで86%、86%と全く同じ数字となっております。  また、投与後12時間までの血漿中濃度における未変化体の割合が60〜80%、また、 投与試験に対する未変化体の割合は血漿中において80〜89%というものでございます。 また、尿及び胆汁中では3%以下、そして、主な代謝物は酸とアルコールが確認された ということでございます。  次に、31ページからが残留試験の結果でございます。(1)分析の概要、分析対象化合 物はメロキシカムでございます。分析法の概要につきましては、高速液体クロマトグラ フにより、残留の値が検証されております。  (2)以降につきましては、ウシ、ブタ、ウマ、乳の残留値をお示ししているものでご ざいます。各動物群につきましては、31ページにございますウシであれば最も短い休薬 期間が8日ということでございます。ブタの場合は3日、ウマの場合は5日、乳の場合 には3.5日という日数が休薬期間として設定されているものでございます。  33ページの4でございますが、これは先ほど御説明いたしましたADIの評価の中身 でございます。  続きまして、34ページでございます。「5.諸外国における使用状況」というものが ございます。アメリカ、EU、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドを調査した 結果としましては、EU、オーストラリア、ニュージーランドにおきまして、ウシ、ブ タ等に使用が認められておるものでございます。  また、冒頭御説明しましたが、国際機関、JECFAでは評価がなされておりません。  「6.基準値案」でございます。残留の規制対象はメロキシカム本体でございます。  残留基準値の案でございますが、35ページの別紙1のとおりでございまして、ウシ、 ブタ、またその他の陸棲哺乳類、こちらはウマになるわけでございますが、これらの筋 肉、脂肪、肝臓、腎臓、食用部分というものについて残留基準を設定しております。  また、乳につきましては、ニュージーランドで休薬期間が3.5日というデータがござ います。33ページをごらんいただきますと、ニュージーランドで3.5日という休薬期間 を見た場合には、84時間がここに該当してくるわけでございますが、84時間では残留 値が平均として0.02±0.01という値になっております。この値と先ほどの35ページの ニュージーランドの値をごらんいただきますと、ニュージーランドは0.015と既に平均 値より低い値が設定されていることがおわかりいただけると思います。これにつきまし ては確認をさせていただきまして、ニュージーランドではまず集乳の実態に合わせた基 準値を置いているということでございます。集乳も何十頭という単位のウシを集めてく るわけでございますが、そのすべてのウシに薬物が投与されていることはあり得ないと いうものでございます。  考え方といたしましては、3分の1程度のウシが薬剤が投与されているものであると 仮定し、3分の2につきましては薬剤が投与されていないという仮定でございます。こ のような仮定に沿って集乳が行われた結果といたしましては、そもそもワーストケース でございます0.02±0.01という値を適用する必要性はなく、また、それよりも低い値が 設定できるということでございます。  このように最も休薬期間の短いニュージーランドにおきましても0.015ppmという基 準値が設定されていますので、我が国といたしましては基準値案としましては0.02 ppm を設定いたしたいと、これを部会報告案として御報告申し上げたいと考えているところ でございます。  なお、暴露評価でございますけれども、36ページをごらんください。こちらでメロキ シカムの暴露評価を行っております。評価の方法はTMDIで行っておりまして、まず、 国民平均につきましては11.0%、幼小児につきましては46.0%、妊婦につきましては 13.0%、高齢者につきましては10.8%という値となっております。80%を下回るという ものでございます。  なお、この表の中で「0.0」等々と書いてございますが、これは小数第1位以降に値が ございまして、そこは表記していないというものでございますので、具体的には後ろに 数が隠れているということでありますので、念のため申し上げておきます。  なお、本剤につきましては、ポジティブリスト制度導入時に暫定基準を設定しており ますので、今回の評価または報告というものをもちまして、正式な基準という形にさせ ていただければと考えているところでございます。  説明は以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  ただいまの御説明について御意見・御質問はございましょうか。 ○山内委員 これも基本的なところですが、今回は国内でウシに利用されたいというこ とで申請があったということですが、最初の答申案はブタ、その他ということで設定さ れているのは諸外国における基準があるものを持ってきて併せて設定して、一律基準で はない基準を設定しようということから設定されたと考えてよろしいでしょうか。 ○事務局 はい。35ページをごらんいただきますと、そもそもポジティブリストに基づ いて基準値を導入するという際は、こちらに書いてございます諸外国の基準がございま すので、これを参考として基準値の設定を行ってきたところでございます。それらの中、 基準値はあっても国内承認はないわけでございますので、今般、農水省から国内承認を 取りたいということで新たに申請が出てきているというものでございます。 ○大野部会長 よろしいですか。  ほかにございますか。 ○吉池委員 細かい表現の話で申し訳ありません、35ページの脚注の2番目ですが、食 用部分とは、食用部分のうち何とか以外となっていて、ちょっと表現的に自己矛盾して いるようなので、「その他の食用部分」とかそういう表現にした方がよいのではないかと 思います。 ○事務局 そのようにさせていただきます。 ○大野部会長 お願いします。  ほかにございますか。 ○尾崎委員 また食品安全委員会の誤植を見つけたんですが、9ページ、(2)の3行目 の「選択制」の「制」が間違っています。  それから、あえて言うと23ページの1行目に「恒常型」と「誘導型」と訳されてい るんですが、Constitutiveの訳で多分「構成型」だと思います。 ○大野部会長 これはファイナルになっているものですか。意見聴取中ですか。 ○事務局 これは既にいただいておりますが、いただいた御意見につきましては安全委 員会にお伝えいたします。 ○大野部会長 お願いいたします。  ほかにございますでしょうか。 ○斉藤委員 どうでもいいことなんですけれども、9ページの分配比は、ほかのを見ま すと通常は分配係数のlog Powで書くのが普通じゃないかなと。余りこういうような 表現は見たことがないので、ちょっとどうかなと思ったんですけれども。508(pH3)と いうのは通常見掛けないので。 ○事務局 そこも含めて安全委員会に調整させていただきます。 ○斉藤委員 それに関連して、1つ戻ってよろしいでしょうか。先ほどのトルトラズリ ルの27ページなんですが、一番下の溶解性のところはこういう表現でいいんですが、 その中で「溶解度」と書いてある以上は温度を入れておいた方がいいかなと。実際元を 見ますとと7ページは25℃における溶解度と入っているので、溶解度の数値を入れるな らば25℃という数値を入れた方がいいですし、そうでなければ、溶解性ということです から、特に温度を入れなくてもいいかなとちょっと思いました。  以上です。 ○事務局 御指摘を踏まえて対応させていただきます。 ○大野部会長 温度を入れますか。 ○事務局 温度を入れさせていただきます。 ○大野部会長 では、そのようにお願いいたします。  ほかに御意見ございましょうか。それでは、メロキシカムについて特に御意見・御質 問がなければ、本報告書で当部会の報告とさせていただきたいと思いますが、よろしい でしょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  今日の審議品目はすべて終了いたしました。その他というのが議題2にありますけれ ども、何かございますか。 ○事務局 本日御審議をいただきました農薬クミルロン、シメコナゾール、ピリプロキ シフェンにつきましては、食品安全委員会からの通知を待って部会報告書とさせていた だきたいと思います。農薬スピロメシフェン、動物用医薬品トルトラズリル、メロキシ カムにつきましては、食品安全委員会からの通知を受けておりますので、本案をもって 部会報告書とさせていただきます。  なお、今後の手続につきましては、食品衛生分科会にお諮りするとともに、パブリッ クコメント、またWTO通報の手続を進める予定としております。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  そのほかございますか。 ○事務局 次回以降の部会の開催日程ついて確認させていただければと思います。次回 は7月18日水曜日、午後からこちら三田共用会議所の1階講堂を予定してございます。 確認をお願いいたします。  また、その後の部会でございますけれども、8月29日の午後を予定してございます。 詳細につきましては、追って御連絡を申し上げたいと思います。 ○大野部会長 18日から2〜5時と私のメモにありますけれども、よろしいですか。 ○事務局 はい。 ○大野部会長 それでは、また18日に会議がありますけれども、よろしくお願いいた します。  そのほかはございますか。 ○事務局 事務局からは特段ございません。 ○大野部会長 先生方から何かございますか。よろしいですか。  それでは、以上をもちまして本日の部会を終了させていただきます。どうもありがと うございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487、2489)