07/06/27 第37回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録 1 日時 平成19年6月27日(水)15:00〜16:30 2 場所 厚生労働省13階第1会議室 3 出席者     委員 公益代表  :岩村委員、清家委員、中窪委員、林委員        雇用主代表 :塩野委員、坪田委員、西馬委員、原川委員、輪島委員        労働者代表 :案田委員、栗田委員、長谷川委員、古川委員    事務局 鳥生職業安定局次長、生田総務課長、宮川雇用保険課長、田中雇用保険        課課長補佐、大津雇用保険課課長補佐、戸ヶ崎雇用保険課課長補佐 4 議題 ・雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について      ・その他 5 議事 ○宮川雇用保険課長 定刻でございますので、ただいまから、第37回雇用保険部会を 開催させていただきます。本日は委員改選後第1回目でございますので、最初に私、雇 用保険課長の宮川でございますが、司会をさせていただきたいと思います。よろしくお 願いいたします。  議事に移ります前に、先日、委員の交代がございましたので、新しい委員をご紹介さ せていただきます。席上配付で新しい名簿を配っておりますので、それをご覧ください。 公益委員といたしまして、東京大学大学院法学政治学研究科教授の岩村委員と、慶應義 塾大学商学部教授清家委員でございます。続きまして労働者側委員として、日本サービ ス・流通労働組合連合副会長案田委員です。また、使用者側委員ですが、日本商工会議 所理事・事務局長の坪田委員と、JFEスチール株式会社労政人事部長西馬委員でござい ます。  続きまして、当部会の部会長の選出に移りたいと思います。部会長の選出は、労働政 策審議会令第7条第6項におきまして、当該部会に所属する労働政策審議会の公益委員の うちから、当該公益委員が選挙することとされています。当部会におきましては岩村委 員、清家委員、林委員の3名が公益委員に該当するものですが、お三方からご意見はご ざいますでしょうか。 ○林委員 清家委員に是非お願いしたいと思います。 ○宮川雇用保険課長 いま林委員から、清家委員ということでございますが、よろしい でしょうか。                  (異議なし) ○宮川雇用保険課長 それでは、清家委員が当部会の部会長として選任されましたので、 これ以降、部会長のほうから進行をよろしくお願いいたします。 ○清家部会長 これから司会を努めさせていただきます。早速、本日の議事に移ります。 本日の議題は「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について」です。事務局 から資料についてご説明をお願いいたします。 ○田中雇用保険課課長補佐 お配りしております資料に基づいて説明いたします。本日 の配付資料ですが、資料No.1として、「雇用保険法等の一部を改正する法律の施行につい て(案)」という1枚紙、資料No.2として、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省 令案要綱(案)」ということで縦書きの資料です。参考資料として「改正法等関係資料」。 これは必ずしも改正法関係の資料だけではありませんが、関係資料をお配りしています。  まず、最初の議題につきまして、関係資料を使いつつ説明いたします。今回の雇用保 険法施行規則等の一部を改正する省令ですが、今般改正をされました「改正雇用保険法」 の施行に伴うもの、それから前回、制度改正についてご議論をいただいたもののうち、 残っているものについて、整理をするための省令案ということでご議論をいただければ と思っています。  参考資料の1頁です。今回の改正法案の概要をごく簡単にご説明申し上げます。今般 成立をいたしました改正雇用保険法ですが、大きく2つに分かれるかと思います。1点 目が保険料率の見直しであるとか、国庫負担の見直し、それから三事業の見直しといっ た「行政改革推進法に沿った見直し」です。この点についてはすでに施行されています。  それから「直面する課題への対応」ということで、何点か掲げられていますが、いわ ゆる失業等給付、失業者・労働者に対する給付についての改正について記述されていま すが、これについては基本的に今年の10月1日施行です。  今回、議題にしています関係の改正部分ですが、「被保険者資格及び受給資格要件の 一本化」という、「直面する課題への対応」の一番目のものですが、短時間労働被保険 者の被保険者区分をなくして、被保険者資格と受給資格要件を一般被保険者として一本 化をする。この部分に関連した改正内容、それから、その他の内容ということになって います。  どういったものについて、今回ご議論をいただくかですが、雇用保険部会の報告の中 で積み残しになっている部分、それから、実は国会審議の中で我々に課せられた宿題が あるということで、この2点が今回の省令改正の契機です。  2頁は、改正法をご議論いただいたときの雇用保険部会の報告の抜粋です。この報告内 容に沿って改正法を提出いたしまして、今般成立したわけです。下線を引いている部分 について、積み残されている形になっています。  まず1点目ですが、2頁のいちばん下の所です。基本手当の関係の部分です。被保険者 資格の一本化に伴いまして、受給資格要件の一本化を図ったところですが、いままでの 労働時間の長短によって、被保険者期間の要件を変えるのではなくて、いわゆる離職の 理由によって被保険者の受給資格要件を変えていこうという改正であったわけです。 これについて、「被保険者期間1年未満でいわゆる雇止めによって離職した者について、 特定受給資格者とする範囲を適切に見直すべきである」という雇用保険部会の報告があ ったわけですが、この点については、今回の省令改正で措置をさせていただこうと思っ ています。  この改正内容の部分ですが、まず法律でどういう見直しをしたかについて、参考資料 の10頁から11頁をご覧ください。横長の資料で「基本手当の受給資格要件の改正につい て」という表題になっています。左側は現行の制度で、改正法によりまして10月1日以 降、右側のような体系になるということです。現行制度は時間の長短で要件を区分して いまして、週所定労働時間の30時間以上、あるいは30時間未満のところで、いわゆる受 給資格要件を変えていたということです。週所定労働時間30時間以上であれば被保険者 期間6月、それから週所定労働時間が30時間未満であれば12月ということで、労働時間 の長短によって被保険者期間が6月か12月かが決まっていたということですが、これを 10月1日以降、今回の改正によりまして、離職理由が解雇や倒産といった、特定受給資 格者に該当する離職理由であった場合については、被保険者期間が6月。それ以外の方、 自己都合あるいは定年退職期間満了といった方であれば12月必要であるという改正内容 になっています。  今回の雇用保険部会の報告の中に、なお書きで書いてあった部分ですが、これはいわ ゆる期間雇用者についての取扱いです。仮に期間満了ということで処理をしますと、今 回の改正により、一律に12月必要であるということになるわけですが、いままで6月で 給付を受けられた方々もいらっしゃったわけですが、1年も経たないうちに雇止めにな るというのは、解雇や倒産等と同様にみなしてもよいのではないかというご議論が昨年 あったわけです。  そのときに、11頁に掲げている資料を「素案」という形で示しています。この素案の 中で「対応策」のところに書いていますが、期間の定めのある労働契約であっても、契 約を更新することが明示されていて、1年以上の雇用見込みがあるもの、それから更新 されなかった場合に、特定受給資格者とみなしてはどうかということで、素案として提 示させていただきました。この案とほぼ同様のものを今回提示をさせていただいていま す。これが今回の改正の第1点目です。  これに関連して、実は国会から宿題をいただいている事項があります。6頁、7頁です。 「雇用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」ということで縦書きのものが あります。6頁の二に棒線を引いておりますが、この部分について今回ご議論をいただ こうと思っています。これは被保険者資格の一本化に当たっての留意事項ということで、 附帯決議がなされているわけです。  最初のところは周知徹底に努めろという指摘がなされています。「また」のところで、 「被保険者資格が1年未満でいわゆる雇止めにより離職する期間雇用者及び」、ここから が国会の独自のご指摘といいますか、雇用保険部会ではなかったご指摘ですが、「正当 な理由がある自己都合退職の基準に合致する被保険者に対しては、解雇、倒産等と同様 に取り扱うことにより、基本手当の受給において不利益が生じないよう配慮すること」 ということで、1年未満で離職された正当な理由がある自己都合退職の方も、受給資格 要件に合致するように措置をしろというご指摘が附帯決議でなされました。今回の改正 においては期間雇用者の見直しと同様に、正当な理由がある自己都合退職の基準に合致 する被保険者についても、国会の審議の趣旨を踏まえて、特定受給資格者の範囲の中に 入れていこうと考えています。  正当な理由がある自己都合退職の基準に合致するという方ですが、参考資料の12頁の 中に掲げているような基準で、現在運用していますが、1番から5番まで掲げています。 体力の不足により、あるいは視力が低下したといった身体的条件に基づく退職である場 合とか、あるいは家庭の事情が急変したことにより退職した場合、このような正当な理 由があるとみなせるような場合については、現在、自己都合ということではあるのです が、給付制限期間を設けずに給付をしているという方々です。これらの方々については 安易な離職であるとか、あるいは循環的な離職を防ぐといった今回の法改正の趣旨から すると、特段12月にする必要はないのではないかという議論が国会の中であったわけで すが、そういうご議論を踏まえて附帯決議がなされたということです。この、正当な理 由がある自己都合退職の基準に合致する方についても、特定受給資格者の範囲に位置づ けようということで考えています。これが第2点目です。  3点目の改正内容として提示しているものですが、これは雇用保険部会の報告でいき ますと、参考資料の3頁の「特例一時金」の記述のところです。「積雪寒冷地等の地域 雇用対策を推進すべきである」というところに下線を引いています。この部分に関連し ては新規の予算の事業であるとか、さまざまな施策を講じているところですが、その中 で1点、省令改正として措置をしようと思っているものがあります。  これについても、実は雇用保険部会の昨年の議論の中でお示しした資料に実は載って いたのですが、14頁です。「今後の季節労働者対策について」という、昨年の9月に提 出した資料です。この中の「今後の季節労働者対策」は、「通年雇用化の促進」、「労 働移動による常用雇用の促進」、それから「季節労働者への相談・支援等の強化」とい う三本柱になっています。その三本柱の「季節労働者への相談・支援等の強化」のいち ばん下の項目ですが、「常用就職仕度手当の支給対象の拡充」が盛り込まれていました。 実はこの支給対象については詳しくは省令、雇用保険法施行規則に書かれていますので、 今回、改正をいたしたいと考えています。  「常用就職支度手当」ですが、実はあまりポピュラーではない制度なので、初めてお 聞きの方もおられるかと思います。どのような制度か、13頁に掲げています。現行制度 を示していますが、就職困難者である方、あるいは特例受給資格者(特例一時金を受給 している方)が、通年、いわゆる安定した職業に就いた方の場合ですが、特例一時金を もらっている方ということであれば、通年雇用化された場合ですが、その場合に支給す るということで、支給額としては基本手当日額相当額の30日分です。  対象となっている特例受給資格者ですが、対象地域、業種が限定されています。これ は季節労働者の多い地域、業種で通年雇用化すべきという施策の意図の現われですが、 北海道、青森などの積雪寒冷地、13道県にまたがっていますが、その地域において林業、 建設業等の、これは季節労働者の多い地域ですが、そこで通年雇用化された場合には対 象になるという給付です。ただし、季節労働者の多い業種で通年雇用化するというのは、 なかなか大変だということがありまして、現在、助成金であるとか、さまざまな施策に ついては、ほかの業種でも通年雇用化されることを促進していますので、この給付につ いても、この業種の指定そのものを取り払おうというのが今回の案です。指定地域につ いてはそのまま残しますが、指定の業種については取り払おうと考えています。  ちなみに昨年度、季節労働者向けの常用就職支度手当ですが、年間4件ということで すので、そういう意味では制度としては全然機能していないという状況にありますので、 少しでもこれを機能させようと考えているところです。  以上のような改正内容ですが、これをまとめたものが資料No.1です。資料No.1で特定受 給資格者の範囲の改正、それから常用就職支度手当の対象者の範囲の改正ということで 掲げています。  (1)のイとして、雇用保険部会の報告、改正法の国会審議を踏まえて、1年未満の有 期労働契約の締結に際して契約の更新があることが明示されていた場合で、契約の更新 がなされなかった場合、1年以上、同一の事業主に雇用されている場合というのは、す でに12月を満たしているので除きますが、その方々については特定受給者として取り扱 う。  ロとして、国会の審議を踏まえて、給付制限の対象とならない正当な理由による自己 都合離職者のうち、この方々も12月を超えると対象になりますので、6月から12月未満 である方についても、受給資格を得ることが可能となるように、当分の間、特定受給資 格者として取り扱うというような改正を行いたいと考えています。  (2)として、先ほど申し上げましたように、季節的に雇用されていた特例受給資格 者について、通年雇用に係る業種の限定を廃止するという要件の緩和をしようと思って います。  これを縦書きにしたものが資料No.2です。施行期日ですが、第二に書いていますが、 19年10月1日から施行ということを考えています。説明については以上です。よろしく お願いいたします。 ○清家部会長 ただいまの事務局からの説明につきまして、委員の皆様方のご質問、ご 意見をお願いいたします。 ○輪島委員 資料No.1のところで見ますと、いまの点の特定受給資格者の範囲の改正の ところですが、もう少し国会の審議が、あまりこちらでフォローしていないのですが、 どういう議論があって、附帯決議の中身になったのかというところを教えていただきた いのです。そうなると、基本手当の受給資格要件と特定受給資格者となる要件というの がずれてくるのか、どういう関係なのかを少し説明していただければと思います。 ○宮川雇用保険課長 先ほど田中から申し上げましたとおり、国会の審議の中では、こ の6カ月以上12カ月未満での自己都合離職者の中で、いわゆる給付制限の対象とならな い正当な理由という制度、先ほど申しましたように参考資料の中にある形でのもの、こ ういう対象者についても配慮すべきではないかというご意見等があったわけです。もち ろんこの両者の制度は、制度的にはリンクしない。片や給付制限、片や給付の厚さをど れぐらいにするか、給付の厚さの必要性と、いわゆる給付制限を3カ月かけるかどうか、 これはまた別のものではありますが、今回制度導入に当たりまして、従来は受け取られ たものに対して、いきなり受け取れないようなことにすることはいかがなものかという 意見も含めて、質疑があり、その中でこういう形での附帯決議となったところです。  したがいまして、私どもとしては、今回の件については、今回そういう制度導入に当 たっての、いわば必要な経過措置的な部分として、当分の間の措置として、一応、位置 づけたらどうかということで省令を作ったところですが、内容的には先ほど申しました ような、正当な理由のある自己都合で1年未満の方々について、特定受給資格者とする ことによって、受給資格をいままでどおり与えられるようにするという内容になったと ころです。ですから、その関係としては、特定受給資格者という制度を活用して、受給 資格を与える、いままでどおり6カ月以上でも、1年以内でも与えるという効果です。 ○輪島委員 国会での審議を踏まえれば、資料No.1のことと、雇用保険部会でこれまで 議論をしたところとの、違いというのが少しあるかもしれません。まあ、やむを得ない という形があると思いますが、ただ、そこのところの要件の違いについて、基本的には 今後の課題として整理をする必要はあるのではないかと思いますので、それはテイクノ ートなのか、検討課題としてクリアにするのかよくわかりませんが、宿題にしておいて いただきたいなというふうには思う次第です。 ○宮川雇用保険課長 ご指摘の両者の要件の整理です。基本手当の受給資格要件と特定 受給資格者となる要件の整理、これについては私ども、今後検討を行う課題と認識して いるところです。 ○清家部会長 それは今後、検討の課題とするということでよろしいですか。労働側委 員もよろしいですか。 ○長谷川委員 すごく難しい課題だなと思っているのですよね。何でかというと、最近 の政治情勢がそういう政治情勢だと思うのですが、三者構成の審議会で議論をしていっ て、それが閣議決定をされて法律案になっていく過程の中だとか、それから国会の中で 修正されて、今回は国会の中で附帯決議がついてきたのですが、国民の代表である立法 府がそういう修正をしたり、附帯決議を付けてきて、例えばそんなに時間が経っていな いのですが、時間が経っていないところで審議会で、ある意味では引き続き何か検討す ることが必要ですねということの扱い方って、輪島委員のお話を聞いていながら、なか なか難しいなと思った。例えば、10月から法施行をされていって、何かいろいろな問題 が起きてきて、ああ、やっぱりこれは問題だなっていうようなことが出てきて議論され ていくということはあると思うのです。まだ法施行もされてなくて、でも、立法府であ る国会が決めてきた、国民代表だからね。そこについて審議会で何か言うのは、すごく 難しいなというのが率直な感想なのです。  だから法律が施行されて、その法律がどのように国民の中で定着しているのか、それ ともどういう不都合があるのかというのは、常に審議会はチェックしながら、追いなが ら、フォローアップすべき課題は何かという議論をしていくのは当然だと私は思います ので、検討をすることは全然駄目だとか否定するものではないのですが、まだ施行され ていないところで、立法府のところで言うのは、ちょっと難しいなと。また、嫌な人た ちが三者構成審議会について、ぐたぐたと言われるのではないかと、ちょっとそういう 感じがしたものですから。 ○宮川雇用保険課長 その趣旨も含めてだと思うのですが、別にこの検討課題に乗せる ということは、必ず見直すとか、いろいろするということではなくて、この問題につい て、もちろん施行後の状況をよく見た上で、1つの今後の課題として、まさにフォロー していくという趣旨であれば、特段の問題はないのではなかろうかなと推察するところ でございます。 ○清家部会長 いま課長が言われましたように、施行後の状況等を睨みながら、今後引 き続き検討課題としていくということでよろしいでしょうか。では、それはそのように させていただきます。 ○長谷川委員 それで、今回こういう形で附帯決議が出されてきた内容というのは、き っとおそらくいろいろな意見が出されてそういうふうになったのだと思うのですが、私 も、この1年未満の雇止めの場合の扱い方について、少し聞きたいのです。1年未満で雇 止めされた労働者を救う要件として、「1年未満の有期労働契約の締結に際し契約の更 新があることが明示されていた場合で、契約の更新がされなかった場合についても、特 定受給資格者として取り扱う」と。その契約更新の有無についてどのように判断するの かですね。そのときに、何かこういうことがあったからといって、食い違わないときは いいのですが、例えば労働者と使用者の意見が食い違った場合はどうするのかなと、そ のことについて教えてほしいのです。 ○宮川雇用保険課長 今回は新たに特定受給資格者となった者に係る確認のために、省 令様式で離職証明書の様式があるわけですが、この中に「労働契約における契約の更新 又は延長する旨の明示の有無」というのを追加して、事業主に記載していただこうとい うことも考えていますが、ただ、交付される離職証明書を以て受給資格を決定するにあ たりましては、当然、受け付けた安定所にこの労働者が来所された際に、この労働契約 における契約の更新又は延長する旨の合意が口頭も含めてあったのかどうかと。その辺 のところについては、そういう申し出があった場合には、事業主に確認の上、合意があ った旨のそういう話が得られれば、特定受給資格者とするという取扱いをする予定で考 えているところです。その点で、事業主の合意があった旨の証言が必ずしも得られやす いかどうかというのはいろいろあると思いますが、ほかの方々の就労形態などもよくお 聞きした上で、総合的に判断していく、一方的に判断していくつもりはないということ で、ご理解いただきたいと思います。実質的に判断したいと思っています。 ○長谷川委員 そうですよね。例えば雇用保険の適用要件で、そもそも労働時間が週20 時間以上で、1年以上の雇用見込みというのがあるわけですから、例えば短期の雇用契 約であったとしても、それを更新して1年以上雇用する見込みがあったというふうに、 私は言えるのではないかと思うのです。だから、そこはいま課長から答弁があったので、 その点を踏まえて、きっちりとハローワークの担当者のところでやっていただくことが、 私は必要なのではないかなと思います。 ○宮川雇用保険課長 ご指摘の点も含めて、この点についてはそういう方向で、先ほど 申しましたように、実質的に判断をさせていただきたいと思っています。 ○清家部会長 長谷川委員、よろしいですか。 ○長谷川委員 最後にもう1つ。この制度は、私たちが想像している以上に、結構関心 を持っている人がいまして、意外と気にしている人が多くいるのです。したがって、こ の10月の法施行に向けて制度改正が行われたということと、制度の改正の内容ですね、 その周知徹底だとかを少し丁寧にやってほしいと思います。特に雇用保険ってお金に絡 む話なので、結構、苦情なども出る可能性があるので、その辺は周知期間がありますの で、そこは丁寧な扱い方をよろしくお願いしたいと思います。 ○宮川雇用保険課長 その点につきましては、先ほどの附帯決議にもございますように、 周知徹底に努めることということでしたので、事業主にも通じたもの、それから私ども のホームページを含め、さまざまな媒体を使った周知徹底に努めてまいりたいと思って います。 ○清家部会長 ほかに何かございませんでしょうか。 ○中窪委員 2点ですが、1つは先ほどから問題になっています特定受給資格者の範囲 なのですが、体系的なことを申しますと、前々回の改正で特定受給資格者が導入されて、 それで給付日数が非常に違ってきた。それから前回のときに短時間と普通のものを統合 して給付日数が一緒になった。そして今回、短時間について受給要件についても統一化 する形で、いわばこの雇用保険法の給付の基本手当に関する体系そのものがずいぶん変 わったと思うのです。その中で今回、特に正当な理由がある場合をここに位置づけたと いうのは、これは特定受給資格者か否かによる体系化の整理の中に一応入れておいて、 ただ、当面、いままで受けられた人が受けられなくなるのはちょっと困るからというこ とで、経過措置として、いわばこの特定受給資格者の範囲を暫定的に拡大したけれども、 特定受給資格者か否かによる体系化という点は変わらないと、確認ですが理解しておい てよろしいのでしょうか。 ○宮川雇用保険課長 先ほど申し上げましたように、特定受給資格者制度そのものを、 今回見直したつもりはございません。ただ、この特定受給資格者という制度をある意味 活用して、給付が受けられなくなる人たちの一部を、ある意味救うという形での省令改 正で対応したわけです。特に正当な理由があるところについての特定受給資格者との関 係については、先ほど申しましたように、長い目で見た場合のフォローアップをしなが ら、どういう形で持っていくべきなのかという、根本論に立ち返った議論というのが、 いずれ必要になるのではないか。  ただ、それに当たっては、この施行状況をよく見ておく必要があるのではないかとい う意味です。確かにこの3回ぐらいの改正で体系が大きく様変わりし、短時間とそれ以 外を分けなくなる、あるいは特定受給資格者と特定以外の人たちの差をつける形で、雇 用保険制度が、一方で平等に取り扱われるべき人を平等に取り扱い、一方で差をつける べきところには差をつけて、就職促進を図るという趣旨なので、その趣旨を踏まえた観 点でどうあるべきかというのを、施行状況をよく見たことを含めて、議論すべきもので はないかなと思っております。 ○中窪委員 もう1点はちょっと違うところになるのですが、先ほど常用就職支度手当 について、季節労働者関係は4件で、非常に活用されていないということをお聞きした のですが、そうすると、これ以外のですね、ほかにも対象者がいるかと思いますが、そ ういう人たちにはどの程度出ているのかを、参考のために教えていただければと思って います。 ○宮川雇用保険課長 いま手元に数字はありませんが、ある程度活用されていると思い ます。障害者とかそういう方々ですね。もともと常用就職支度手当制度は、昔、再就職 手当がなかった時代には、これで常用就職をした場合に出ていたのですが、最近ですと 再就職手当のほうが活用が大きい。常用就職支度手当のほうは、そういう意味では数が 少なくなってきていますが、現在手元にあります平成18年度の数字では、今回の季節労 働者の4人を含めて2,296人ということで、支給総額が2億8,200万円です。平成17年度が 1,988人、平成16年度が2,513人ということですので、大体概ねこのような感じの制度に なっています。 ○原川委員 いまの常用就職支度手当ですが、これは制度ができたときに、林業、建設 業等厚生労働大臣の指定する業種に限られるということになった理由というか、なぜ限 らなければいけなかったのかということを教えてください。 ○宮川雇用保険課長 想像で大変恐縮なのですが、指定されている業種は具体的には林 業、建設業、ほかに採石業とか、水産食料品、野菜缶詰、一般製材、セメント製品製造、 建設用粘土製品製造、あと特定貨物自動車運送業ということで、ある程度そういう方々 が移りやすいところであり、かつ、事業者もそういうことをやりやすい事業者だと。つ まり野放図に広げるわけにはいかないし、それはあまり現実的ではないだろうと、たぶ んこういう発想で、同じ業界なり業種、業態の中で移していくというイメージで、常用 就職を図ろうと、通年雇用化を図ろうという発想の下につくったものだとは思われます が、先ほど田中から説明しましたように、もうそこの業種に限るという形のものがなか なか厳しいものになっているという状況の中で、地域は限定しますが、その中でいろい ろな他業種に移った場合の通年雇用化でもいいですよという形で、通年雇用化を広く進 めていこうという発想に立って、今回、改正をさせていただこうというものです。 ○原川委員 もう1つ、その場合に、職業訓練とかが必要な場合もあると思うのですが、 施策との連動というのはあるのですか。 ○宮川雇用保険課長 これは先ほどの14頁の表の全体の中にありますように、季節労働 者への相談・支援等の強化の中に、あるいは通年雇用化の促進という上のほうからきて います事業主が職業訓練に取り組む、あるいは季節労働者を公共職業訓練に誘導してい くというパッケージの中で、さらに常用就職支度金によって通年雇用が図られたという 形での支給対象ということで、一連のさまざまな政策の中の全体のパッケージの1つと 位置づけているところです。 ○清家部会長 ほかに何かございますか。 ○栗田委員 常用就職支度手当なのですが、地域を限定するということですが、実際に はその地域で住居を持たれていて、現実的には他県でそういう特例受給資格者になって いるという方もおられるのかなと思いますが、そういったときに業種によって、いまい ろいろな業種が指定されているのですが、それが全業種に関係がないといった場合に、 地域を出たときもその対象になるのかどうかをお聞きしたいのです。 ○宮川雇用保険課長 これは先ほど申しましたように、積雪寒冷地に対する対策として、 積雪寒冷地の季節労働者向けのものとして作っているところでして、そういう意味で言 えば、ほかの地域に行く形のものを誘導するものではありません。したがいまして、い ままでのところ、地域も限定し、業種も限定している。今回、業種は取り払わさせてい ただきますが、地域限定というのは、そういう趣旨から鑑みれば、引き続き必要なのか なと考えています。 ○栗田委員 他県というか、隣接している場合であっても、出ないという解釈でよろし いですか。 ○宮川雇用保険課長 はい。 ○清家部会長 栗田委員よろしいですか。ほかに何かご意見ございますか。 ○岩村委員 若干、技術的なことなのですが、先ほどの特例受給者の関係で、1年未満で、 期間の定めがある雇用で更新がされなかった場合に、自己都合退職だけれども、やむを 得ないものとみなすということで、厚生労働大臣の定める基準に従って、職安所長がそ ういう事由があるかどうかを認定するとなっていますが、その基準自体は、いま見てい たら告示ではなくて通達でやっているということですか。 ○宮川雇用保険課長 はい、そうです。 ○岩村委員 それは、いわゆる行政手続法でいう裁量基準であるという理解でよろしい のですか。 ○宮川雇用保険課長 いわゆる羈束裁量という意味ですか。 ○岩村委員 はい。 ○宮川雇用保険課長 正当な理由の判断ですよね。 ○岩村委員 はい。 ○宮川雇用保険課長 正当な理由の判断については、まさに羈束裁量的なものですが、 今回制度的には、まさに条文であるところの33条の。 ○岩村委員 33条を準用していますね。 ○宮川雇用保険課長 この正当な理由をもってきてしまおうということで、両者の一体 化を図るということを考えています。 ○岩村委員 確認ですが、仮に職安所長のほうで正当な理由がないと判断して、特例受 給者に該当しないということで請求を却下した場合は、当然、不服申立の対象になると。 その中で正当な事由があるかどうかについては争いなさいと。 ○宮川雇用保険課長 はい、まさに羈束裁量行為だと思いますので、それに当たるかど うか、その判断が正しいかどうか、という対象になるものと考えられます。 ○岩村委員 そういうふうに考えていると。あとは、厚生労働大臣が定める基準自体は、 通達だけれども、見ようと思えば簡単に見られるということで、例えばハローワークや 何かで見ようと思えば見られるということで。先ほどの周知との関係で。 ○宮川雇用保険課長 周知するときにも、ある程度といいますか、見られるような形に したいと思っています。 ○岩村委員 そうしないと、要するに。 ○宮川雇用保険課長 自由裁量ではまずいと思います。 ○岩村委員 自由裁量になってしまって、純粋の内部規範だということになると、どう いう理由で拒否されたのかわからないということになるので、そこのところだけ確認を したいと思っただけです。ありがとうございます。 ○長谷川委員 私が先ほど言ったところで、そこも聞こうかなと思っていたので、黙っ ちゃったのですが、要するに厚生労働大臣が定めるタイプで、どのような性格であった のかというのが、行政通達なのか何かを明らかにしてくれというのと、そういうのがち ゃんとわかるように、おそらく知らない人がいるのできっちりしていただきたいと思い ます。 ○宮川雇用保険課長 もう一度整理させていただきますと、いまのここは、まさに通達 で基準を明らかにしています。その通達自身もオープンにしています。今回これが正当 な理由ということで、いわゆる給付制限の対象になるとともに、場合によっては6カ月 から12カ月の間の人たちにとってみれば、出るか出ないかという問題にもなりますので、 この辺のオープンにするやり方も、より工夫をして、わかりやすく周知を図っていきた いと思っております。 ○清家部会長 ほかにご意見はございますか。よろしいですか。それでは、ただいまご 説明がありました、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令(案)」につきまし ては、当部会として、これは概ね妥当である。なお、基本手当の受給資格要件と特定受 給資格となる要件の整理につきましては、今後の検討課題とする旨を答申に併記すべき であるということでよろしいですか。                  (異議なし) ○清家部会長 それでは、そのようにさせていただきます。また、職業安定分科会での 報告につきましても、私にご一任いただけますでしょうか。                  (異議なし) ○清家部会長 では、そのようにさせていただきます。引き続きまして、その他の事項 として、「特別会計に関する法律の概要」「雇用保険の被保険者の加入データについて」 に関しまして、事務局からご説明をお願いいたします。 ○田中雇用保険課課長補佐 報告事項と説明事項として、参考資料に基づいてご説明申 し上げます。参考資料の18頁です。「特別会計に関する法律の概要」です。雇用保険制 度については、労働保険特別会計という特別会計の中で経理をいたしています。この特 別会計に関する法律が制定される前は、労働保険特別会計法という法律がありまして、 その中で勘定の区分の仕方であるとか、歳入項目等々について定まっていました。今回、 行政改革推進法の規定を踏まえて、各特別会計を1つの法律にまとめると、このような 法案が今国会に提出されまして、3月に成立をしました。これは各特別会計に関する通 則を第1章に記述をしていまして、第2章で、それぞれの特別会計についての規定を設 けています。ちなみに、労働保険特別会計については、第2章の第7節に規定がされて おります。  実質的に何が変わるのかということですが、基本的にはいままでの労働保険特別会計 の規定と変わらない、取扱いについては変更がないということです。通則として、各特 別会計に共通する事項について、しっかりと明記をされているということです。各特別 会計に関する規定がその下につながっているということで、非常に一覧性が高まった、 それから共通ルールについて、しっかりと定まったという意義があるのではないかと思 っているところです。  通則といたしまして、予算等に関する規定であるとか剰余金の処理。これは積立金と して積み立てられる金額や翌年度の財源に充てられるため、翌年度の歳入に繰り入れら れる金額を除いて、余ったものについては、予算で定めるところにより、一般会計に繰 り入れることができるという規定です。それから借入金の規定であるとか、あるいは不 透明な部分が多いというご指摘がありましたので、特別会計に共通の情報開示のルール が定められたということです。  労働保険の特別会計については、特段の変更はないということです。特別会計に関す る法律の概要については以上です。  20頁ですが、目次には書いてなくて恐縮なのですが、「雇用保険の被保険者の加入デ ータについて」という1枚紙を付けています。これは最近、一部の報道で、雇用保険の 記録が消えかかったとか、消えたとかいう報道があったものですから、いまの加入者デ ータの取扱いについては、こういう現状になっていますということをご報告申し上げた いと思っています。  雇用保険の被保険者の加入データの取扱いですが、現在、データについては紙で持っ ているとかいうことではなくて、入離職の際に光学式文字読取装置といいますが、OCR という機械で読み取れる様式で事業主に必要事項を記載していただきまして、ハローワ ークにご提出をいただく。それからハローワークにおいて、その届出を機械で読み取る。 目で見て書き写すとかいうことではなくて、その紙そのものを機械に入れて読み取らせ る。氏名、生年月日等を電子データ化して保存するということです。紙も普通の紙では なくて、一定の様式の紙がありまして、これに例えばカタカナとか数字を入れますと、 それがそのまま機械で読み取られ、それが電算化されるということです。  それから被保険者期間の関係ですが、これは制度的な説明ですが、被保険者であった 期間が一定の条件で通算される。一定の条件は下に書いてありますが、離職をして基本 手当などを受給せずに再取得をした場合。給付を受けずに、もう1回再就職をした場合 です。なおかつ、離職から再就職までの間が1年以内、2年も3年も経っているというこ とではなくて1年以内の場合であれば、被保険者期間は通算をされるという制度になっ ています。基本的に被保険者番号は同じ方には同一のものを使用しています。  もし、例えばですが、機械に入れてしまうものですから、この届出で間違ってしまう と、間違ったまま機械で読み取られます。一部、報道にありますように、事業主の記載 ミス等によりまして、ほかにもいろいろ原因があるかもわかりませんが、被保険者であ った期間が通算されない、この情報が間違っているということで、何らかの原因で通算 されないということが、もし起こったという場合であっても、後日、氏名や生年月日、 勤務先の事業所名等を手掛りに、データがなくなるわけではありませんので、前の通算 すべきデータを確認して修正をして、被保険者であった期間の通算をすることは可能で あるということです。これはミスがわかるまでずっと待っているということではなくて、 そういう間違いに後になって気がつく前に、事前に気がつくような措置をとっています。 これは被保険者には氏名や性別、生年月日を記載した雇用保険被保険者証、それから資 格取得等確認通知書を、事業主を通じて交付をしています。  この手続をいたしますと、これと同じ情報、この情報に基づいて、こういう一連のも のが出てきますが、この中に被保険者に渡す通知、いわゆる被保険者証であるとか、そ れから被保険者に渡す被保険者用確認通知書が同時に印刷される。これらを事業主に渡 して、労働者分については、ちゃんと労働者に渡してくださいということをお願いして います。  事業主については、労働者を採用した場合には、昔、被保険者であったかどうかを確 認していただいて、以前の被保険者番号等を記載していただくことになっています。こ れがもし記入されていなかったとしても、労働者の名前であるとか、生年月日が正しく 記入されていれば、通算をされることになっていますが、事業者には、このような義務 がかかっているということで、ミスが後々になってからわかるのではなくて、事前に気 がつく仕組みになっています。したがいまして、被保険者データが消えるとかいうこと はないと思っていただければと思います。ちなみに、こういうOCR様式で電算化したの は昭和56年からですので、相当前からやっています。説明については以上です。よろし くお願いいたします。 ○清家部会長 ただいまの事務局からの説明につきまして、ご質問、ご意見等はござい ますか。 ○輪島委員 まず特別会計法ですが、去年の審議の中から、こういう自覚があまりなか ったので、18頁にあるように説明を受けると、最後のところが気になって「併せて現行 の各特別会計法は廃止する」ということになったわけですね。気になるのは、そのまま 通則と雇用保険特別会計に係る規定が2章の7になっていて、ちゃんと積立金とか、それ から二事業の関係でいうと、19頁の2の(7)、安定資金ということも、そういう意味で は取扱いと全く理解は変わらないということだけ確認という意味合いで、それでよろし いかどうかということです。  2番目は20頁のところの「記載ミス等の事前防止」で、いま世の中は別の関係で非常 にあるわけですが、自分自身の「雇用保険被保険者証」を事業主を通じて交付されてい るのかどうかという自覚がまずないのですが、その辺の確認を教えていただきたいと思 います。 ○宮川雇用保険課長 2点ございますが、まず第1点目の「特別会計に関する法律」です。 先ほどご説明申し上げましたように、この法律は今年の3月末に成立して、4月から施行 されています。したがいまして、労働保険特別会計法は廃止されています。この特別会 計に関する法律に基づいて、いま労働保険特別会計を行っています。今回の特別会計に 関する法律の1つのポイントと申しましょうか、それは1の通則の(2)にあります剰余金 の処理です。剰余金については、従来はこういうルールはなかったのですが、共通のル ールとしては、「積立金として積み立てる金額や翌年度の歳出の財源に充てるため翌年 度の歳入に繰り入れる金額を除き、予算で定めるところにより、一般会計に繰り入れる ことができる」と。特別会計から一般会計に繰り入れることができる通則的な規定を設 けたというのが、今回の特別会計に関する法律の1つのポイントです。  一方、先ほど労働保険の特別会計に関しては、(6)の積立金について、「歳入額から 歳出額を控除して残余がある場合には、当該残余のうち、失業等給付費に充てるために 必要な金額を積立金として積み立てるものとし、不足がある場合等については、積立金 から補足するものとする」と。同様の規定が(7)の雇用安定資金についても書いてあ ります。  このように、歳入額から歳出額を控除した残余について、失業等給付費又は雇用安定 事業費に充てるために必要な金額、これらを積立金又は雇用安定資金に積み立てること として規定されているところですが、実際の取扱いについては、財政当局とも調整の上、 これについては従来と同様に、事業主と労働者からの保険料で運営されていますので、 雇用保険事業の性質に鑑みて、これまでの取扱いと同様、剰余についてはすべて積立金 又は雇用安定資金に積み立てることとなっていまして、一般会計へ繰り入れるようなこ とはないと、つまり従来と同様であるということです。  2番目です。先ほど申しました「雇用保険被保険者証」です。実は先ほど申しました ように届出がなされれば、このような一覧の「雇用保険被保険者通知書(被保険者通知 用)」、それから「雇用保険被保険者証」、「雇用保険被保険者通知書(事業主通知用)」、 それから「雇用保険被保険者資格喪失届」、「氏名変更届」、このようなものが入力し たとおりに全部打ち出されて、事業主に渡されます。  このうち上の2つについては、事業主を通じて労働者に渡すことに制度上なっていま す。事業主はそういうことが義務づけられていますが、ただ、実務的に、昔これは実は 事業主向けの通知書と被保険者証しかありませんでした。事業主は当然、事業主用の通 知書を持っていますが、被保険者証については、渡すとご本人がなくしてしまうだろう とかいうことで、実務的に、たぶん労務担当の方が預かっているという運用がなされて いると聞いています。そうすると、自分が雇用保険に入っているかどうかわからないと いう状況がありまして、平成15年に、このいちばん上の特別にまた更に被保険者通知証 の通知書を作りまして、少なくともここは渡してくれと。  この被保険者証というのは何の役に立つかというと、再就職をしたとき、これを持っ ていっていただくということが、裏に義務づけられているわけです。大切に保管してく ださい、次のときに出してくださいというところなのです。これがあれば被保険者番号 も書いてあるので、このまま一連のものとして、再就職先でも同じ番号が使われるよう になるということです。皆様方の中で雇用保険に入っていただいている方も多いかと思 いますが、少なくともこの通知書だけは事業主からいただいて、自分はちゃんと入って いるのだというのをご確認いただいたらと思います。以上です。 ○輪島委員 いまの点でいうと、我が事のように思いますが、15年以降は通知書がいっ ていて、それ以前はいっていないということですか。 ○宮川雇用保険課長 15年以前の方々については被保険者証までしかございません。で すから、15年以前から勤められている方については、これは来ていないはずです。ただ し、被保険者証は少なくともあるはずです。これは確認できるはずです。それから、ど うしても事業主を通じて確認したくないという方については、ハローワークに直接お申 し出いただければ、これは郵送でもできるのですが、雇用保険に自分が入っているかど うかは確認させていただいています。個人情報ですので、判こを押して自分を確認でき るような資料を提示ないしはコピーをいただければ、確実に、あなたは入っていますと いうことがわかります。こういう状況です。 ○清家部会長 よろしいですか。ほかに何かご質問、ご意見等はございますか。 ○岩村委員 特別会計の関係なのですが、今度の特別会計の通則法の所管は財務省にな るのですね。 ○宮川雇用保険課長 はい。 ○岩村委員 そうすると、労働保険の特別会計に関する規定の部分については、雇用保 険はこの部会の所掌事項であるという理解になるのか、それとも主管官庁が財務省にい ってしまったから、もうこちらは何の口も出ないということになるのか、そこはいかが ですか。 ○宮川雇用保険課長 もともと労働保険特別会計法も財務省の所管でして、特別会計と いう仕組みなものですので、財務省が一貫してすべて持っているという建て前です。た だし、当然のことながら、雇用保険事業に係るような内容については、この雇用保険部 会でご議論をいただく対象だと考えています。 ○清家部会長 ほかに何かございますか。よろしいですか。それでは、以上をもちまし て、第37回雇用保険部会を終了いたします。なお、本日の署名委員は雇用主代表坪田委 員、労働者代表案田委員のお二人にお願いいたします。それでは委員の皆様、お忙しい 中どうもありがとうございました。   照会先:厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係     03−5253−1111(内線5763)