07/05/31 第5回登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会議事録 第5回 登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会          平成19年5月31日(木)            厚生労働省7F専用第15会議室 ○井村座長 それではただ今から第5回登録販売者試験実施ガイドライン作成検討委員会 を開催させていただきます。まず、議事に入る前に事務局から本日の構成員の出欠状況 について御報告をお願いいたします。 ○事務局 こんにちは、関野でございます。本日は9名の構成員全員御出席していただい ております。ありがとうございます。以上でございます。 ○井村座長 それでは本日の配布資料の確認をお願いいたします。 ○事務局 それでは配布資料の確認をさせていただきます。不足等ございましたらお申し つけいただければと思いますが、いかがでございましょうか。 ○井村座長 そろっておりますでしょうか。それでは会議を始めさせていただきます。   議題の1でございます。前回の検討会で論点の整理につきまして御議論いただきまし た。今回はその議論を踏まえまして、事務局の方から今お話がありましたように、報告 書の素案が出てきております。この素案につきまして、再度、一般用医薬品の販売に関 係しておられる団体の方からヒアリングを行いまして、それを参考にさせていただいて、 議論をまとめていきたいと思っております。それではヒアリングに先立ちまして、その 報告書の素案について事務局から御説明をお願いいたします。 ○事務局 御説明いたします。資料1をご覧いただければと思います。まず、全体の構成 といたしまして、今、座長からもお話がございましたとおり、前回の論点整理が基本と なっておりまして、そこから幾つか出された意見に基づいた追加を加えまして、改めて 順番等を整理したものとなってございます。追加した部分とか、議論が残されている部 分を中心に御説明させていただければと思います。   まず、初めに今回は素案をお示しするということでございますので、本文に合わせて、 新たに、はじめにという部分を追加してございます。この内容につきましては、この検 討会の設置の趣旨を示したものでございまして、法律案に対する参議院厚生労働委員会 における審議等々の背景のもとで、本検討会を設置して検討してきたということでござ います。   以降、試験実施の方法の部分につきまして、2ページ目に移りまして、そのパラグラ フの中で3行目の、なおと書いてある部分ですが、単に試験を出題する、知識の有無を 確認するということではなくて、事例形式等によって知識の活用を求めるなどの出題方 法を工夫するということで、前回こういった御意見がございましたので、追加してござ います。    さらに次のページで、出題方針等の部分につきましては、これまでの論点の整理に基 づいた記述とさせていただいております。5ページ目の下の部分、試験問題数、試験時 間及び合格基準というところですが、この中で(1)試験問題数及び試験時間の次に、 6ページ目の(2)合格基準というところがございますが、ここの部分はまだ検討をす るところということでお示ししてございますが、一つ目のパラグラフの中で、登録販売 者に最低限必要な知識として、出題範囲があらかじめ具体的に示され、その中から出題 されることとなれば、○割程度ということで、前回までは比較的高いということでござ いましたが、その具体的な割合というのを本日また御議論いただきたいふうに考えてお る次第でございます。    また、その下のパラグラフですが、いわゆる間違えてはいけない問題についてのお話 で、その中で、その場合と書いてある部分ですが、そういった出題の範囲について、間 違えてはいけない出題の範囲について検討するということでございますが、その際には 実際に問題を作成する中で考えていく必要があるのではないかということで追加してご ざいます。   次は7ページ目ですが、3.その他という部分です。受験資格ですが、この部分につき ましても、これまでさまざまな御意見をいただいてまいりまして、ただ押しなべてみる と実際に医薬品を販売する際には筆記試験で確認する知識のみではない資質が必要では ないかというような方向であったかと考えております。今回につきましては、その方向 で再度事務局で整理させていただきました。以下、実務経験と学歴ということで分けて 記述してございますが、御説明させていただきます。   一つの実務経験の方ですが、登録販売者の任務といいますか、担っている役割という ものにつきまして、1パラグラフ目で記述してございます。情報提供または相談対応を 行うことによって、最終的には医薬品の販売等に関し、保健衛生上の問題が生じること を防止するということであろうかと思います。   2パラグラフ目ですが、そもそも登録販売者というものは試験に合格して、都道府県 に登録した後、すぐに1人でも店舗もしくは配置の許可を受けたところで医薬品を販売 することができるというようなことでございますので、そういった場合でもその役割を しっかり果たすことができるようにするためには、あらかじめ実務経験というのは積ん でおく必要があるということであろうかと思っております。   他方、これまで議論の中で示してきたとおり、受験資格の中には、これから新たに医 薬品の販売等に携わろうとする者の参入を制約する効果もあるということでございます ので、実務経験を課す場合でも、その期間は一応最低限のものということで考えなけれ ばいけないのではないかということでございます。   結論として、受験資格として○年間ということで、まだここも御議論をいただければ と思っておりますが、実務経験を求めることが適当である、これまでの議論の中で出て きましたとおり、今回の薬事法の改正の趣旨に鑑みますと、この実務経験というのはあ くまでも専門家の管理のもとで補助として行うものということが留意すべき事項であろ うということ、または制度の実効性を担保するためには、その実務経験が証明が可能で あり、確認できるものである必要があるという点も書かせていただいております。   次は学歴ですが、一回の筆記試験だけでは知識を具体的に活用して必要な情報を購入 者に伝える能力とか、基礎知識というのは担保することが困難であるということですの で、高卒程度を求めるということにしたいということで提案させていただいております。   また(2)の試験を免除する者でございますが、この部分につきましては、薬剤師国 家試験の受験資格を有する方と、それ以外の方ということで御議論があったかと思いま す。また、今回の案につきましても項目だてということだけを立たさせていただいてお りまして、御議論いただければと考えております。○の三つ目ですが、受験資格として 実務経験を求めるということになった場合には、その実務経験をどうするかということ も新たな論点としてあろうかと考えております。   最後に、おわりにという部分ですが、この検討会の中でたびたび御意見として示され ておりました医薬品を扱う者に求められる倫理といいますか、姿勢という御意見で幾つ かございました。もちろん試験の中で問うことをできるだけ考えることも必要だろうと 考えておりますが、なかなか難しい面もあるので、この部分の中ではっきりと趣旨を示 させていただいております。   また、本検討会の趣旨でございます、都道府県に対するガイドラインを示すというこ とでございますので、都道府県に対しても本報告書をもとにして一層国民の保健衛生の 向上を図られることを期待するということを書かせていただいております。以上でござ います。 ○井村座長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明に対しまして色々と御意 見や御質問もあろうかと思いますが、ヒアリングが済んだ後でまとめて議論させていだ たきたいと思います。それではヒアリングに移らせていただきます。   ヒアリングの進め方はもう今まで何回もやっておりますので、特に申し上げることは ないと思うんですが、意見陳述をなさる団体の方はいつものように陳述席に移っていた だきまして、7分程度でお話をしていただきたいと思います。その都度、5分ぐらいの 質疑応答の時間をとっております。それが終わりましたら御退席いただくという順序に なっております。いつものとおりでございますが、ぜひ意見表明をなさる方は時間内で きちんと済むように、よろしくお願いをいたします。   それでは初めに日本大衆薬工業協会の方から御意見を賜りたいと思います。よろしく お願いいたします。 ○日本大衆薬工業協会 それでは初めに私の方から意見陳述をしたいと思います。私ども はメーカー5団体ということで、その中で代表的に大衆薬工業協会が医薬品の販売制度 対応協議会というものをつくりまして、いろいろこの問題について議論を進めていると ころであります。前回の論点整理、あるいは今日の素案を見る限りにおいて、ほとんど の部分について納得するものでありますが、一点だけ本日意見陳述をさせていただきた いと思います。   受験資格要件の実務経験について意見を述べさせていただきたいというふうに思いま すが、実務経験者には、そもそも医薬品販売に関して何の資格もない者で、なおかつ今 回の試験合格という基準を満たしてない者が果たして実務経験者として謳えるであろう かという問題が一つあると思います。一定の基礎知識を有する者が行うことが実務経験 と言えるのではないでしょうか。また、その実務経験とは、単にレジを打つとか、全く のセルフでの販売が主な経験であり、実態は実務経験とは言っても本来の実務経験とは ちょっとかけ離れているのではないかというふうに思われます。また、パート勤務であ ったりする場合が多く、その実務経験を客観的に評価するということはかなり不明確に なってくるのではないでしょうか。受験要件、資格要件の中に今回の制度運営上、これ を入れることは後々多くの問題を残すことになるのではないかと考えております。    また、今回の医薬品販売制度改正の趣旨は、医薬品をその安全性から3分類し、薬剤 師でなくても第2、3類のものについては、既存の薬局・薬店以外でもその販売を可能 とするというのが、この医薬品販売制度改正の趣旨であったかというふうに理解をして おるわけであります。実務経験を受験資格に課することは、その趣旨からも大きく乖離 してくるというふうに思われますし、医薬品の販売はやはり薬局・薬店、現行のチャネ ル以外では結果的に認めないということになろうかというように思いますので、実効性 の薄い制度改正になることは明白であると考えております。   もし、実務経験があった方がいいか否かということに関しては、当然あった方がいい、 これは論を待たないと思いますが、できるならば実務的な問題を盛り込んだ学科試験で、 その実務経験の部分をフォローするという形が望ましいかと考えております。   そもそも薬剤師であれば、処方せんの調剤はできるということに法律ではなっていま すが、実際は薬剤師であったとしても、処方せん調剤をやったことがなければ、実務経 験がなければすぐにはできないわけであります。しかし一定の基礎知識があれば、すぐ にといいますか、実際の経験の中で覚えて一人前になっていくという部分が多いかと思 われるわけで、ベースとなっている基礎的な知識、これがなければあとは経験を踏んで もなかなかそうはいかない。そのための今回のペーパー試験、学科試験であろうという ふうに解釈しますと、必ずしも資格要件の中に実務経験、これを客観的に評価すること も難しいでしょうし、そういうものを運用上入れていくということは、抜本的な制度改 正ということに関して、現実的には余り大きな変化が起き得ない方向になろうかという ふうに思います。そういった意味で、実務経験というものを受験資格の中に入れるとい うことは、余り好ましくないのではないかというのが私の方からの意見とさせていただ きます。 ○井村座長 はい、どうもありがとうございました。御追加はございませんか。 ○日本大衆薬工業協会 一点だけお話をさせていただきたいと思います。私どもメーカー の立場で考えた時に、今求められているのは、メーカーから販売店への情報提供をもっ と充実させてくださいということがございますね。その時に、営業に従事する者達に、 我々メーカーとしては教育をしています。だけれども今後はそれをより一層充実させな くてはいけない。その時の一つの目安として、例えば営業の人間に登録販売者の資格を とりなさいよというようなことが一つあれば、営業の人間も一つの目標が出てきますよ ね。それでどこまで知識を得ればいいのだろうか、どういった知識があればいいのだろ うかということもわかってくる。そうするとより店頭で販売店の、例えば薬剤師さんと か、あるいは登録販売者の方々に対して情報提供がスムーズにいくだろうということも あると思うんですね。   それを考えた時に、実務経験云々となってしまうと、永久に企業の営業の人間に対し て、資格どうのというようなことはいえなくなってしまう、閉ざされてしまうというこ ともあって、これはやはりそういう観点からしますと、実務経験というのはそれこそ、 無くてもいいとは言いませんが、それほどの大きなものではないのかなという気がする 次第でございます。以上です。 ○井村座長 ありがとうございました。ただいまの御意見に対しまして、構成員の皆様方 から何か御質問なり御意見がありましたら、どうぞお願いいたします。 ○神田委員 ガイドライン、素案の方の表現ですが、例えば一般用医薬品を販売または授 与する業務に関し、その補助として行うものに限られることに留意する必要があるとい うようにあるんですが、今のお話ですと、そうは言ってもお仕事というのはレジとか商 品を並べたりだとか、そういうことだろうから、ここで留意する必要があるといっても、 そこはなかなか現実的に難しいよというお話なんでしょうか。それと後々問題を残すの ではないかという表現だったのですが、具体的にどんな問題というふうにお考えなんで しょうか。 ○日本大衆薬工業協会 医薬品の販売が従来の薬局、薬店だけでしていくということであ れば、薬局・薬店での実務経験というものが大きいと思うんですね。そうしますとそれ は従来と変わらないじゃないかという話になります。   医薬品がアメリカとかヨーロッパ並みにどこでも売れる、資格も無くていい、そこま では日本は進めないと思うんですが、従って今回の試験制度というものがあるわけです。 実務経験を積むということは、既存の販売チャネルでしか実務経験は積めないわけです から、他の産業、医薬品を販売をしたいというところのチャネルでは実務経験者はもち ろんいないわけですので、当然結果として他の薬局・薬店以外では医薬品は販売まかり ならんという結論になろうかと思うんですね。今回の制度改正がそういう目的であれば、 それも一つの方法かとは思うのですが、私の理解ではそうではなかろうというように思 っておるわけですが。 ○井村座長 他に御意見はございませんか。 ○増山委員 確認なんですが、ベースの知識、医薬品販売をするための知識が実務経験を 積まなくても十分に確保されるというふうにお考えという理解でよろしいでしょうか。 ○日本大衆薬工業協会 先ほど私は薬剤師の調剤の話をしましたが、薬剤師であれば最初 から調剤が上手にできるということはあり得ないと思うんですね。やはり実務の中で、 資格がなければまずそういう実務はできない、資格を得ることによってそういう実務を 踏むことができるという範囲の中で、あらかじめ実務経験を踏んでいるというのは理想 ですが、なかなかそういう制度をつくるというのも難しいだろうと思います。実務経験 について何を基準に実務経験とするかということです。   かつて薬局に勤めたことがある、パートさんに雇われまして3カ月レジを打ちました、 これで実務経験者になりますかというように、実務経験者のディテールをやっていった 時に、本当につまるのかということです。最初から実務経験を踏んでいた方がいいに越 したことはないんですが、やはり資格を得た人が経験さえ踏めば一人前になるというよ うな方向で検討せざるを得ないのかなということだと思うんです。論理的には最初から 実務経験を踏んでいた方がいいに越したことはない。それを論じるつもりは全くないん ですが。 ○増山委員 そうしたら実務経験を行うにあたり、ある程度客観的に何か評価できるよう な体制を整えれば、それは構わないということでよろしいんでしょうか。 ○日本大衆薬工業協会 今の薬局・薬店でそういう実務経験といえるやり方というのは、 レジを打つことではもちろんないはずで、そうしますと筆記試験の中に、もっと現場で 必要な実務的な問題を取り入れるという方法もあろうかと思うんですね。そういう生き たペーパー試験が必要なのかという気はします。 ○増山委員 おっしゃることはわかるんですが、議論の中ではどちらかというと実際購入 される人とのやりとりの中で、緊張感をもってやりとりをするということの経験という のが大事ではないかというような、私はそういう理解をしていて、一つ私が確認したい のは、薬剤師さんは研修で病院等において国家試験を受かる前に実務経験を積むという ことはされているんじゃないかなと思っているのと、それから先ほど他の国々とどう違 って、他の国々ではどこでも売れるというような話がちょっとあったんですが、それも アメリカは日本よりも規制が緩和されていますが、ヨーロッパはむしろ日本よりも厳格 だという、そういう理解なんですが、ここは厚労省の方から返事をいただければと思い ます。 ○井村座長 いかがでしょうか。 ○事務局 まず薬剤師についてですが、実務実習をやっています。国家試験に受かる前の 学生がきちんとした条件の中でやっているということでございますので、それは実際免 許をとる前に実務実習をやっているということになります。   それから諸外国の制度は、大分古い時期の調査ですが、相対的に見ますと、米国が比 較的緩やかで、欧州ではドイツとか、あとはオーストラリアも調べたことがあったかと 思いますが、日本並みかあるいはそれ以上の、品目のカテゴリーとか、その辺の対象と なるものが若干異なりますが、総じて言えば厳しい状況であるというふうに認識してお ります。 ○井村座長 他に御意見御質問はございませんか。 ○下村委員 実務経験としてレジ打ち、パート勤務を例にあげて否定的な御見解を示して いただきましたが、むしろ問題は客観的に評価をするという方法が論点になるべきでは ないかと思いますが、いかがでございましょうか。 ○日本大衆薬工業協会 客観的な評価を今度は資格要件とした場合に、それを詰めなくて はいけないという作業があると思うんですが、現場ではまちまちで、一例としてレジ打 ちだけで薬局にいたよという人もいるかもしれない、それはすべてではない。ただし、 医薬品の本来の、登録販売者に求められる医薬品の副作用だとか、体の作用とか、そう いうことをすべて理解して、消費者との対応を行ってきた実務経験者はまず少ないだろ う。そういう基礎的な知識もあるわけではありませんので。それを実務経験者と呼べる のかと思うんですね。ですから実務経験者というのは何をもって実務経験者というかと いうのは、かなり難しい問題だと思うんです。 ○井村座長 その点はまた後ほどきっと出てくる論点だと思いますので、ここでちょっと 打ち切らせていただきます。ありがとうございました。引き続きまして日本チェーンド ラッグストア協会の方から御意見を賜りたいと思います。 ○日本チェーンドラッグストア協会 それでは早速何点か話をさせていただきます。素案 の方に触れている部分と、それから今までの中での確認といいますか、そういったこと も含めて幾つか提案させていただきたいと思います。   まず一点は、試験の実施の件でございます。この件に関しては、今までも話をしてき ましたところですが、できれば各都道府県で不定期というのではなくて、大体同じよう な時期に定期的に毎年やっていただきたいなという点が一点。それから初年度において は立ち上がりのことでもあるし、法改正でそれを整えていかなければならないというこ ともあるので、ぜひ御努力いただいて、初年度については3〜4回していただきたい。 この件に関しては隣接する所等が合同で受験する人の利便を考えて、時期を考えながら やっていただくのもよろしいかなというふうにお願いしたいと思います。   それから中身の問題ですが、先ほど来からお話も若干ございますが、この倫理の面は 大事な問題で、確かに誰が考えても、また今後のことを考えてもそうだねという倫理の、 例えばリン酸コデインのようなものの販売のあり方ということに対しては論を待たない んですが、しかし一方で一般用医薬品ということですと、買う方のための立場というか、 利便性というか、権利というか、こういったことも踏まえるということを考えますと、 出題の仕方とか内容に関して、ぶれのないような問題を選んでいただきたいなというこ とです。   四番目として、試験が実行されました後は、ぜひともこういった試験が出ました、そ の回答もこういった回答を正解としていますというようなものに関しましては、ぜひ公 表をしていただきたいというふうに思っています。   それからもう一点、試験絡みのことでは、合格をしました、最初は合格通知をいただ けると思うんですが、今回の制度で、例えばA県で資格をとって、B県とかC県とか、 そういった場合でもこの資格は有効であるというふうなことでもあります。でも万が一 この合格証等の紛失ということとか、もしくは火災とか何かのことでなくなるケースも あると思いますから、この発行について、再発行は多分していただけると思うんですが、 でき得れば遠く離れたところで今回のこの資格を使いたいという場合に、最初の発行県 に出かけていくということはなかなか不便なところもありますので、できれば離れたと ころでも現任するところで手続きをとることが可能なような形にしていただければ非常 に嬉しく思います。   それからこのことに関する最後の提案は、行われた後からですが、その出題された試 験は今後も変わっていくと思いますし、もちろん法律も変わってくる部分があると思い ます。またいろいろな出来事もあろうかと思います。そういう中で試験の内容とか傾向 であるとか、そういったことに関して、私たちの業界とすれば、これを薬学の専門家、 あるいは法律の方々を交えて,いわゆる卒後教育をしていかなければならないので、そ ういった立場からも試験問題を検討させていただいて、出題傾向等に関していろいろ提 言をさせていただきたいなと思っています。   最後に実務実習の件ですが、先ほど厚労省の方からまとめていただいたことで私たち はよろしいのではないかなと思います。基本的に高校卒業の方で、実務経験を1年する ことがこういった仕事をするに関して社会的にもふさわしいのではないかなというふう に私どもは考えておりますが、中卒の方であったとしても、あとは実務経験という中身 に関しても触れさせていただきますが、3年プラス1年という形で実務経験を有する方 に門戸を広げて、社会のために役立っていただけるような方がたくさん配置されれば嬉 しいかなと思っています。   この実務経験ですが、私の考えでは、日本には古くから「門前の小僧習わぬ経を読む」 という言葉があります。先程来話がありましたとおり、座学じゃなくて現場でいろんな ことが起きてきて、やっぱりお客様とのやりとりとか、商品等、自分が初めてその現場 で見る商品もあるわけですから、そういったことのありようとか、お客様とのやりとり というようなことがやはりおのずと仕事をしていれば伝わってくるし、興味もわいてく ると思います。非常に漠然としておりますが、そういったものの良さが、最初にちょっ と門前の小僧というような話もしましたが、そのような解釈でよろしいのではないかな と考えております。以上です。 ○井村座長 どうもありがとうございました。特に追加はございませんか。ただいまの御 意見に対しまして御質問なりあるいは御意見なり、委員の方々からどうぞ、いかがでご ざいましょうか。 ○神田委員 つまらない質問かもしれないんですが、初年度は3〜4回というお話があっ たと思います。これは2回ではないという御提案ですよね。その辺のニュアンスと、そ れから倫理感のところでぶれないような問題とおっしゃったんですが、私はその意味が よくわからなかったので、具体的にどんなようなことをおっしゃっているのかなと思い ました。 ○日本チェーンドラッグストア協会 それでは二点に関して、一つは、例えばいつかはで きるという形で、厳密なスタートという形ですと、翌年度がすぐに来てしまえば2回に なってしまうかもしれませんが、要するに受ける方々のチャンスをつくっていただきた いという形で、別に3〜4回を努力したけれども2回であったということがあったとし ても、これはやむを得ないかなというふうに思います。要するにスタートがいつになる かによって、これはまた違ってくると思いますので。   それから倫理の話ですが、先程例に出したように、今私どもの店頭でもリン酸コデイ ンが入っているものをお売りする場合は、1人の方に対して2本までにしましょうとい うようなことをメーカーさんと我々の方で、もちろんこれは薬種商の方にも多分報告が 行っているかと思いますが、そういう形で処理しています。   ただ、その方々が私たちもよく面識のある方であって、例えば1人の方じゃなくて、 2人の方が明らかに飲む、代表してどなたかの家族が買いに来ているという場合は2人 ×2本ということで4本お売りする場合もあろうかと思います。そういったことを出題 していくというのはなかなかデリケートな問題だというふうに思います。   それからもう一つは、やっぱり薬剤師もそうだと思うのですが、薬剤師には疑義照会 というものがあります。その時に疑義照会のレベルはやはりその薬剤師のレベルで違っ てくる部分があると思います。お医者さんだってガイドラインはある中でも、そのガイ ドラインである幅の中で判断する部分があります。ですからこれは疑義照会対象なのか、 それともこれは自分が納得しているものなのかということに対しては、個人に委ねられ ている部分があります。倫理というのも、多分にそういった部分があると思いますので、 一律に決めきれない問題、こういったことを仮に倫理の問題として扱うと、私はそうは 思わないんだけどということがあり、ややこしくなるのではないかと思っています。 ○井村座長 よろしゅうございますか。はい、下村委員、どうぞ。 ○下村委員 試験回数についてもう少しお聞かせいただきたいのですが、3回から4回実 施をするということは、1人の受験者が3回から4回初年度において受験をすることが 可能だという方法で3〜4という回数を提案されているのでしょうか。 ○日本チェーンドラッグストア協会 そのことも含んでおりますが、一つは先ほど言いま した、いつその第1回目の試験が行われるかで、翌年ということが一つあります。   もう一点は、最初のうちは、おそらくこれから役所の方も、マスコミの方々も、こう いった形が決まりますれば、いろいろ報道とか宣伝をしていただけると思うんですが、 そういう機会があるならば受けたかったという方もおられるかもしれません。そういう ことも含めて複数回数があった方がいい。   それからおっしゃるように、ぜひこれを仕事に生かしたいんだ、もう既にそれなりの 仕事にも就いてらっしゃるし、こういった資格ができたならば受けたいという方がたま たま受けようと思っても、今回のようにはしかがはやってしまったであるとか、たまた まその時に自分のコンディションが悪くて、わずかなことで落ちてしまったとかという 方に関してはチャンスを与えてあげてほしいなというふうに思っています。 ○下村委員 追加しまして、各県が共同してそういった体制をという御提案もあったと思 いますが、一つの県で3〜4回ということではなくて、ある地域全体で3〜4回受験の 機会があればよろしいという、そういった御提案なんでしょうか。 ○日本チェーンドラッグストア協会 私も地理は不案内ですが、やはり地方によっては集 まりやすい地域があろうかと思いますので、そういったところはその地域地域の方々に 対する利便性で連携しあってやれば都合がよろしいのではないかなというふうなことも あって、連動でやっていただければ非常に嬉しいというふうに申し上げました。 ○井村座長 他に御意見はございませんか。 ○増山委員 ちょっと聞き逃してしまったので、一つ教えていただきたいのが、買う方の 利便性を考えて考慮してほしいとおっしゃったくだりがあったのですが、何を考慮して ほしいのかということと、それから買う方の利便性は具体的に何を指されたのかという のを教えてください。 ○日本チェーンドラッグストア協会 この一般用医薬品というのは、定義にもあるように、 一般の方が自分の判断で自分の責任において買われるという一文があります。これを何 らかの販売者側の立場によってふさぐということに関しては、買う権利というものもあ り、これは私は法律家ではないのでわかりませんが、そういったことがあってはいけな いんじゃないかなというふうに思います。   ただ、専門家として今度の登録販売者、ないしは薬剤師として、やっぱりそういう薬 学的見地においてこの人には渡すべきではないかというものがきちっと踏まえたもので あるならば、それは講習しなければいけないと思うんですが、この辺に関しましては、 ケースバイケースで、どういったことが起こってくるか、非常に微妙なところだと思い ます。ですから倫理観的な部分でのことに関して、それに踏み込むとなかなかケースバ イケースというふうな形になってしまうんじゃないかなというふうに思うところがある というわけです。 ○井村座長 増山委員、よろしゅうございますか。 ○増山委員 その買う側の利便性を考えて、どのことについて考慮してほしいとおっしゃ ったんでしょうか。  ○日本チェーンドラッグストア協会 出題する時には一律に1+1=2というふうな形で 決められない部分が、この倫理の問題を扱う時にはあるのではなかろうかということで、 余りそれに近寄る問題、要するに判断が幾つかの場合が出てくるという問題の出題に関 しては考えた方がいいんじゃないかと。先程私がリン酸コデインの話を申し上げました が、そういうようなことであるとか、それから副作用等の報告で、やはり連用になって しまうようなものなどに関して、買う人の権利があったとしても、毎日のように、例え ば同じ薬剤を買いに来るとかというものが、これは問題としても出題しやすいと思いま すが、その出題に関して倫理の問題に扱う時は、扱い方を配慮していただきたいという ことを提案申し上げたわけです。 ○望月委員 実務経験のところで確認をさせていただきたいのですが、内容とか評価の仕 組みについては、余り具体的には今はお話しできないということを先ほどおっしゃって いたように思うのですが、内容の水準化とか、あるいは評価を客観的に評価する仕組み をつくっていくというようなことが必要だとお考えか、そこまでする必要はないとお考 えか、そこについてちょっと御意見をお聞かせください。 ○日本チェーンドラッグストア協会 この実務経験は、先ほど大衆薬協会さんの方もおっ しゃっていましたが、なかなかこれを数量的に決めるということは難しいと思うんです が、先ほど私が申し上げましたとおり、これは日本的と言っては余りにも漠然としすぎ ていると思いますが、やはりある一定の期間、同じ環境下にいれば、やっぱりおのずと 自分の感覚的なものがあろうかと思うんです。身につくものとか、なるほどなと思うよ うなものが1年とか3年とかというレンジで考えると、1シーズン、3シーズンを過ご せば身についてくるといいますか、分かってくる部分というものが多いのではないかな と、自分も実務上感じましたので、実務経験というものは無駄ではないのではないかと 思っております。 ○望月委員 今私が質問させていただいたのは、そういう実務経験についての内容のある 一定の水準を設けるとか、評価の客観的にできる仕組みというのが必要かどうかと思っ てらっしゃるかどうかというのを質問したんですが。 ○日本チェーンドラッグストア協会 できればそれにふさわしいことはないんですが、実 情を考えますとちょっと難しいかなと思います。客観的にどこもこういったルールをつ くって、こういった形をつくればできるんじゃないかなというようなものがあればいい んですが、ちょっと考えてもなかなか名案はないと思います。具体的に不可能かなと思 います。 ○望月委員 先ほどの徒弟制度のような形での経験というのは、その師にあたる人達の能 力によって得られるものも左右されるようなところもあるのかなと思いますので、もう 少し議論をする必要があるかなという感じがしました。 ○日本チェーンドラックストア協会 それは私も現場にいて何人か社員とか、または薬学 生を受け入れた立場としても、先生がおっしゃるように薬剤師のようなガイドラインじ ゃないにしても、どうせ実務実習を今回形にしようということであるならば、その中身 はこういったものをやってほしいということはあっていいと思います。確かに実務経験 の中をもうちょっと具体的にこういったことにこれぐらい、こういったことにこれぐら い、またこういったことは必ずやるようにとかというような指し示すものはあった方が いいと思います。 ○井村座長 ありがとうございました。それでは次に移らせていただきます。引き続きま して日本薬剤師会の方から御意見を賜ります。  ○日本薬剤師会 日本薬剤師会の方からは、合格基準、それから受験資格のうちの実務経 験、学歴、試験を免除するものについてという、4点について御報告申し上げます。  まず合格基準についてですが、合否を決める正解率の目安を厚生労働省が示すことに ついては、これまでの都道府県による格差をなくす議論からすれば理解できますが、そ の数字はあくまでも目安であって、都道府県が実施する試験の合格率を国が縛るもので はないと考えております。    また、資料では○割程度の正解率を求めることが適当であるとなっておりますが、正 解率は問題の難易度にもよりますので、一概に何割だから適当ということは難しいのか なとも思います。ただし、高校卒以上で誰でも受けられる試験ということからすれば、 登録販売者の質を担保するために比較的高い正解率を求める必要があるとは考えており ます。   次に受験資格のうちの実務経験ですが、本会が従来より主張しておりますとおり、今 回の法改正の趣旨を踏まえれば、登録販売者の資質は現状より後退することがあっては ならないと考えております。資料にもありますとおり、登録販売者は試験に合格し、都 道府県に登録後、すぐに1人でも店舗販売業または配置販売業の許可を受けた店舗等で 医薬品を販売することができるとなっておりますが、したがいまして第2類、第3類の 一般用医薬品を取り扱うものとしての技能や情報伝達能力、コミュニケーション能力、 さらに薬を扱うものとしての倫理観を身につけるため、現状と同様に一定期間の実務経 験が必要と考えております。    また、登録販売者試験については、これまでの厚生労働省の説明では、筆記試験だけ で実地試験は行わない方針が示されております。従来、各都道府県で実施されていた薬 種商試験であれば、多くの県で実地試験が行われており、これを廃止することというこ とであれば、なおさら登録販売者の受験資格に実務経験を求めることが重要であると考 えております。   続いて受験資格の学歴ですが、高校卒業を求めるという厚生労働省の考え方でよろし いと思いますが、参入障害という点に目を奪われ、登録販売者の粗製濫造となるような 状況にならないように御留意いただきたいと思っております。   最後に試験を免除するものについてでありますが、現状の薬種商試験においては、薬 学の正規の過程を修めたものは試験が免除されております。これを踏まえれば登録販売 者試験においても薬学部で正規の6年の課程を修めたものについては試験を免除するこ とが適当ではないかと考えております。以上でございます。 ○井村座長 どうもありがとうございました。それではただいまの御意見に対しまして、 どうぞ御質問御意見がございましたらお願いします。 ○田頭委員 試験の免除のことでお尋ねしたいんですが、今は6年制になっても、正規に 6年卒業して国家試験の受験資格がある方にというお考えだったんですが、6年制にな っても、4年で、例えば薬科学士ですか、そういう資格者に対してはどういうふうにお 考えでしょうか。 ○日本薬剤師会 基本的には今後の4年卒という考え方について言いますと、主旨主眼が 販売というものに置かれてないというところからすれば免除しなくてもいいのではない かと考えております。 ○井村座長 よろしゅうございますか。それでは神田委員、どうぞ。 ○神田委員 実務の必要性ということをおっしゃったと思いますが、それと同時にその免 除のところで、薬学部を卒業した方々についても、実務もプラスして免除を求めるとい うふうに受けとめてよろしいんでしょうか。 ○井村座長 いかがでしょうか。 ○日本薬剤師会 実務につきましては、新しく5年生の時に6カ月の実務実習というもの が課せられるようになっておりますし、そこに入るためにもCBT等、クリアしなけれ ばならないものがたくさんありまして、半年の実務実習というものがあるということか ら考えますと、それは当然免除されるべきではないかというふうに思います。 ○神田委員 私はわかりませんが、学生の時にする実務の経験の内容と、そこで求めてい る現場、要するにお店だとかというところで行われる実務の内容とは大体ダブッている というふうに考えてよろしいんですか。 ○日本薬剤師会 現状で言いますと、事前実習が1カ月ありまして、2.5カ月の病院薬剤 部での実習、薬局での2.5カ月の実習ということになっていまして、その中でもちろん 一般用医薬品の販売等々も含まれておりますので、改めて6年制の正規の課程を修めた 者については、それをみなして実務経験としていただければと思っております。 ○井村座長 ありがとうございました。他に御意見はございませんか。 ○望月委員 先ほど増山委員の御質問で、薬学部でも実務実習があるのかという質問とも 関連するんですが、今、薬局で実習をさせる2.5カ月というお話がありましたが、一番 最初に大衆薬協の方の意見陳述の中で、全く知識のない人が実務経験をしていくという 形でどれだけの実があがるだろうかという話があったように思うんですが、薬学生の場 合は薬局での実務実習の前に、ある一定の知識、それから技能も確認した上で出て行き ますけれども、そういう知識を確認された人ではない方をもし薬局で実務経験者として 1年間なり3年間なり指導する場合に、どういう形を考えてらっしゃるか、あるいはあ る一定の知識をどこかでクリアできているというものが必要なのか、その辺についての お考えを教えていただきたいのですが。 ○日本薬剤師会 先ほどの方の御質問と同じような意味でとらえたらいいんでしょうか。 ○望月委員 多分違うと思います。薬学生ではない人が実務経験を積む必要があるわけで すよね。その薬学生でない方を受け入れて指導をするような立場になった時に、全く知 識がない状態と、ある一定の知識を問うのか、そこについてある一定の知識はあってほ しいのか、そのあたりについてどういう御意見をお持ちかという質問です。 ○日本薬剤師会 ある一定の知識というのは非常に難しいところなんですが、例えば実務 経験が3年だということであれば、もちろん全くの素人で入ってくるわけですね。ただ、 その時点から知識はないよりはあった方がいいんですが、なくてもきちんとした薬局ま たは薬店での教え方があれば、それなりに倫理感なり知識を吸収することができるとい うふうに考えております。 ○望月委員 それで確認したいのがさっきと同じ質問になるんですが、その内容の水準化 とか評価の客観性を持たせる仕組みというのをどういう形で必要と考えてらっしゃるか どうかというところと、それから年数については、特に薬剤師会の皆さんは言及してら っしゃらなかったのですが、その実務経験を1年とお考えなのか、何年とお考えなのか、 その2点についてお尋ねします。 ○日本薬剤師会 実務経験につきましては、当初から主張をしていますとおり、現行制度 を踏襲した形でというふうな意見であります。したがいまして何年だということになれ ば3年ということになろうかというふうに思います。 ○日本薬剤師会 その一つについては、チェーンドラッグストア協会の小田さんと全く同 じような思いでおります。 ○井村座長 よろしいですか。他に特に御意見がなければ先に進ませていただきます。ど うもありがとうございました。それでは次に全国家庭配置薬協会さんの方から御意見を どうぞ。 ○全国家庭配置薬協会 私からはこの報告書素案の1番と2番につきまして項目ごとに申 し上げたいと思います。1番の(1)の試験方法につきましては、この方法でいいと考 えております。その中で出題方法の検討においては、受験者が勘違いする様式ですとか、 試験問題作成の手引きの記述内容、そういったものと比べて問題文の表現で迷うことが ないような配慮をお願いしたいと思っております。   (2)の実施回数、時期についてですが、受験者の実際の受験機会をなるべく多くす る工夫をお願いしたいと思います。具体的には例えば都道府県での試験日をずらす、あ るいは地域ブロックごとの試験実施というものを想定する場合でも、実施時期をずらし た開催とする、また受験者数が多いと予想される、いわゆる主要箇所での複数受験がし やすいような配慮をお願いしたいと思っております。   (3)試験項目、(4)出題範囲につきましては、この方法でいいと考えております。   (5)の出題方針につきましては、出題内容などにも関係する記述があるように思い ますが、この試験は登録販売者としての最低限必要な知識を問うものでありまして、実 際に販売する第2類、第3類医薬品の添付文書等に記載されている内容の範囲が全体に おいての基本であるというふうに考えております。   次に2番目の(1)試験問題数及び試験時間ですが、基本的にはこの方法でいいと考 えております。その中で試験時間につきましては、受験者の優劣を評価する試験ではな いので、受験者が試験回答の見直しを行えるような十分な時間設定をお願いしたいと思 っております。   最後に(2)合格基準、(3)試験問題の作成でございますが、合格基準につきまして は、都道府県ごとの差異が生じないことがもちろん大前提ではございますが、正答率に ついては、試験問題を作成するにあたっての目安としてのとらえ方でいいと考えます。 よって例えば総合成績や項目ごとの成績については、一定水準以上のものが合格者とす るとの方針の中で試験後において実際の得点状況、問題の適正さなどに対する調整の余 地の必要性の可能性も含めまして慎重に検討をお願いしたいと思います。   正答しなければ不合格となる問題、いわゆる必須問題につきましては、試験問題につ いて受験者にとればわかるようにすべきと考えます。その中でこの必須問題を1カ所に まとめるなどいたしまして、受験者が特にこの問題についての回答の見直しを確実に行 えるように配慮をお願いしたいと思います。   また試験問題作成の手引きにおきましては、この必須問題として出る可能性がある、 そういった箇所がわかるような配慮をぜひお願いしたいと思っております。 ○全日本家庭配置薬協会 3.その他の(1)受験資格について意見を述べさせていただ きます。(1)の実務経験に関してですが、手前どもの協会では新規雇用者に対して新入社 研修後に情報提供能力向上のための定期的なロールプレイングやOJTとしての熟練者 同行などを行っています。また、配置販売では単独の家庭訪問において常にフェイスツ ーフェイスの状態での説明能力の向上が求められております。従いまして資格者の管理 下でその補助として単独で行える実践的な実務経験を一定期間積むことによって必要な 資質を身につけられる制度としていただきたいというふうに思っております。  次に学歴に関しては記載のとおりと思っております。また(2)の試験を免除するも のに関してでございますが、配置販売業者は長年生活者に対する健康情報を提供し、地 域社会の公衆衛生向上に寄与してまいりました。実務経験が受験資格として必要とされ る議論がされる中で、実践活動を長年行ってきた配置販売業者に対する扱いを御考慮い ただければというふうに思います。以上でございます。 ○井村座長 ありがとうございました。委員の皆様方から何か御質問がございますでしょ うか。 ○松本委員 実務経験要件のところについて、もう少しクリアに御意見をお伺いしたいの ですが。と申しますのも、今までの店舗販売の2団体の御意見だと、3年間ということ で、店舗ですから1人で働いているわけじゃなくて、たくさんの人が働いている中で何 となく身についてくるだろうという趣旨だと思うんですが、配置の場合に、じゃあベテ ランの販売員と必ずペアで3年間同行しなければならない、これが実務だということに なると、おそらく経営は成り立たないんじゃないかという気がいたします。そのあたり はどのようにお考えなのでしょうか。 ○全国家庭配置薬協会 それは先生がおっしゃるとおりだと思います。ですから先ほども 申しましたように、資格者のいわゆる区域管理者の責任のもと、その管理下でその管理 者の補助として単独で行える実践的な実務経験ができるということが必要かというふう に思っております。 ○松本委員 ということは試験に受かっていない人、知識レベルの確認できていない人が 単独で家庭を訪問する、そして管理者はどこかにいるんでしょうが、その場にはいない という形を3年間続けて初めて試験を受けられるという制度がいいという御趣旨でしょ うか。実務経験なんか要らないで、いきなり試験を受けさせて、有資格者にした方がい いという御意見ではないんですか。 ○全国家庭配置薬協会 今回いただきました資料では、実践的な資質を身につけることが 必要だ、そのために実務経験は必要不可欠という資料をいただいております。年数に関 しては、3年なのか1年なのか、記載はされていないわけですが、このような実践的な 資質を身につけるための実務経験といったことであれば、先ほど申しましたように、定 期的な従来もやっております管理者によるロールプレイングや管理者の常時は不可能で ございますが、資質の実践的なレベルを確認する同行等によって、実践的な資質を身に つける実務経験が積めるというふうに思っております。 ○松本委員 結局そういう制度であれば、試験を受けなくてもずっと永遠にその販売員の 人は同じように監督者がどこかで遠隔的にコントロールしていれば、資格はなくても販 売活動ができるという現状のままということになるような気がするんですが。それだと 試験を受ける必要はありませんよね。受けなくたって1人で販売活動ができるわけです よね。 ○全国家庭配置薬協会 いえ、あくまで試験を受けるための実務経験を受験資格要件とい うことでございますので、あくまで受験をするということを前提に、今回の制度導入は された、この趣旨に基づいてというふうに考えておりますが。 ○松本委員 だから試験を受けたい人は、そういう形での販売活動を実務経験としてカウ ントしてもらえる、しかし試験は受けなくても単独での販売活動はきちんと管理者と連 絡をとりながらやっていればかまわないという、いわば現状の制度でもいいということ に、結論的にはならないでしょうか。 ○全国家庭配置薬協会 実務経験の要件というものが、年数なり、試験の機会がどのよう になるかということがこの中からは詰めてございますので、あくまで受験をするという ことを前提にとらえておりますが。 ○井村座長 ちょっと意見がかみ合わないんですが、要するに今の話では資格がなくて、 管理者もそばにいなくて、でも販売活動はできるという、そういうことになってしまう ねというお話でございますので、確かに結果的にはそうですよね。 ○全国家庭配置薬協会 ただ、そのことは店舗でも同じではないかと思うんです。要する に何年たっても仮に受からない人がいるという条件に関しては相当かと思いますが。 ○事務局 議論の焦点を絞った方がいいとは思っているのですが、そういう意味で発言さ せていただきますが、今ここで御議論をいただくのは、登録販売者の資質をいかに確認 するかという、その試験のやり方の一環で、受験資格というものをとらえて、その中で 資質というものが筆記試験だけで確認できるものなのか、あるいはそれに加えて受験資 格等を組み合わせて行ってトータルとしてその必要な資質というものを登録販売者に求 めていくかということでございます。まずは受験資格としての実務経験の必要性という ところになるべくフォーカスを当てていただいて御議論をいただきまして、それで受験 資格としての実務経験が必要ということなれば、今御議論いただいたような、どういう その経験の積み方があるかというところを、その後また別の議題として考えていくとい うことだと思いますので、まずは資質と絡めた必要性のところで御議論をいただければ というふうに思います。 ○井村座長 企画官のお言葉ですが、そういう議論をしようと思いましても、やはり皆さ んの描いている実務経験のイメージが違っている、これはやっぱりちょっと具合が悪い んじゃないかというふうに思います。そのことにつきましては、なかなか意見がうまく かみ合いませんので、それはここではひとまず預からせていただきまして、他に何か御 意見はございませんか。 ○増山委員 その区域管理者とおっしゃるんでしょうか、たしか都道府県ごとに1名置く ということだったと思うんですが、実際には通常1人の管理者がどれぐらいの方を管理 されるような感じなんでしょうか。 ○全国家庭配置薬協会 現在、区域管理者を置くということは定められておりますが、そ の人数の割合とかというものに関しては提示されておりませんので、この法改正の今後 の推移を見ないと私はコメントする立場にはないと思います。 ○増山委員 ただその県で管理者と呼べる人は1人しか置けないわけですよね。例えば今 までですと県をまたがってしまうと、またそこで登録しなければいけないというので、 多少今後とは違ってくるとは思うんですが、つまり今その管理者の管理下の中でその実 習が行われるのではないかというふうにおっしゃったので、実際それが可能な人数なの かどうなのかということをちょっとお伺いしたかったのですが。  ○全国家庭配置薬協会 現状の一つの平均的な営業所の人数が10名ぐらいでございます ので、可能だというふうに感じております。 ○井村座長 はい、ありがとうございました。他に特に御意見はございませんでしょうか。 もしよろしければ次に移らせていただきます。引き続いて全日本薬種商協会さんの方か ら御意見をいただきたいと思います。 ○全日本薬種商協会 薬種商協会の今です。ただいま討論会で議論されていることは、登 録販売者試験ガイドラインは現行の薬種商試験に類似したものであり、この現行の試験 制度は全薬協としてはある一部を除けばベストな制度であったと考えております。した がって第1回目から薬種商認定試験制度をベースにした考え方でよいところは踏襲して いくべきと要望してまいりました。今まさに新しい登録販売者試験制度が誕生しようと しております。そこで全薬協としてはもう一度次の3点を強く要望していきたいと思い ます。   実施時期は全国統一日か、またはブロック統一と、年1回の間で実施を要望する。受 験資格は高校卒、実務経験3年以上とする。試験内容については現行の薬種商認定試験 同程度またはそれ以上とする。この3点ですが、ここでは実務経験について論議されて おりますので、この点について詳しく私どもの考えを述べていきたいと思います。   一般用医薬品を販売するにあたり、その利用者に安全安心して使用していただけるよ うにサポートできるような資質を身につける方法として、一つ目に倫理観も含めた必要 な理論や技術を系統的に大学教育の中で学習し、次に実践の場で確証していく方法と、 二番目に逆に販売の場を教室とし、薬剤師や薬種商などの販売適格者を指導者として実 践の場でさまざまな事例を通して体験的に十分学習しながら、これを理論的にも確証す る方法等が考えられております。現在の薬種商、またはこれからの登録販売者における 資質獲得方法は後者の方の二番目だと思います。   ではどのぐらいの実務経験があればよいか。薬剤師はその資質を獲得するために、実 務経験も含めて6年間の学校教育が必要になっています。この期間は人の生命や健康に かかわる職業につくものが、その資質を獲得するために、これだけの長い期間がかかる ということを示しているものと思います。   登録販売者は医薬品のすべての領域においての専門家である薬剤師とは違い、一般用 医薬品販売に限定しての専門家であるから、これだけの長い期間は必要ではないと思い ます。しかし薬剤師や薬種商などの販売適格者を指導者として実践の場で事例を通して 体験的に学習しながら、これを倫理的にも理論的にも確証する方法では、資質の獲得方 法では短期間で終了できるとは考えておりません。およそ人の生命や健康にかかわる職 業に就くものが、その資質を獲得するために、やはり相当の期間、実務経験の場でたた き上げていく必要があると思います。   現行の薬種商認定試験の受験者には店頭販売での実務経験3年以上が課せられており ます。こうした期間をおいたのは、学校教育と照らし合わせ、また理論と実践双方かみ 合わせるためにもこれだけの期間が必要だったからであります。したがって登録販売者 の受験資格にも実務経験を確定する際には、この実務経験3年を踏襲していただきたい という意見であります。以上です。 ○井村座長 他にご追加はございませんか。それではただいまの御意見に対しまして御質 問御意見をどうぞお願いいたします。また実務経験が出てきましたが。 ○下村委員 現行の試験レベルと同程度の試験をという御意見でございますが、これは試 験の方法というものが今回択一式ということで示されていますが、そういった試験出題 形式の点ではいかがでございましょうか。 ○全日本薬種商協会 出題形式では前回のイメージの形式、5番6番、ああいう形式がよ ろしいかと思います。 ○松本委員 薬剤師が6年間だけれども、今回の資格者制度の場合は範囲も狭いから3年 間ぐらいの実務でいいだろうという御意見だったわけですが、薬剤師の場合は6年間カ リキュラムが相当しっかりしていて、標準化されていてということです。ところが各薬 局薬店における3年間の実務修習というのは、今のところはきちんとした標準化された 研修プログラム的なものはない状況だと思うんですよね。もし薬剤師が6年なのを今回 は3年でいいんだということであれば、それに見合ったようなカリキュラムとか、研修 の中身がある程度客観的に担保されるような何かが必要じゃないかなと思うんですが、 そのあたりについてはどういうふうにお考えですか。 ○全日本薬種商協会 経験から言えば、私どもは経験年数は長ければ長いに越したことは ないと思います。経験から学ぶことはたくさんあります。 ○井村座長 よろしゅうございますか。大体わかりました。他にいかがでしょうか。 ○山添委員 確認をさせてください。先ほど試験の時期は年1回とおっしゃって、同じ日 に全国共通でやってくださいとおっしゃったと思いますが、その同じ時期に実施をする という理由については何かお考えがおありですか。 ○全日本薬種商協会 一つは問題のバラツキがあります。難易度の差があります。それと もう一つは、今現行では2年に1回、3年に1回ずつなんです。だから逆に私は1年に 1回は必ずやってくれという意見をもっています。それと試験、なるべく統一試験です から、試験日に差があれば後から受けた方が得ということがありますね。そういったこ とでなるべく統一して、他に漏れないようにというような考えです。 ○井村座長 よろしいですか。他に御意見はありませんか。 ○田頭委員 6ページに合格基準ということで、正答率はどの程度がいいんだろうかとい うふうな原案がございますが、これにつきまして何かお考えはございますでしょうか。  ○全日本薬種商協会 そこは私どもが合格を言う必要もないのかなという考えもあったの で、これから薬種商試験がその中でよく言われたと思いますが、合格率が30%だとか、 難しいんだとか、それは難しいかもしれません、だけど30%というのは、まあ受ける能 力のない人が結構いたと思うんです。そういうのを差し引けば30%というのはかなりな 合格率だと思います。これは自分たちが受験準備講習会をやっていて、大体この人はど うかなというのはわかります。そういった意味からいけば30%は決して厳しい試験とは 私は思っていません。もしこれを点数を言えというのだったら80点以上です。 ○井村座長 他にいかがでしょうか。よろしゅうございますか。それではどうもありがと うございました。それでは最後ですが、日本置き薬協会さん、お願いします。 ○日本置き薬協会 述べさせていただきます。置き薬販売協会は今回の改正薬事法におい て附則をつけていただくことにより事業を継続することができるようになった協会だと 考えております。ただ、野放しにそういった状態になったのではなくて、資質向上、努 力義務を果たすという厳しいかせをはめられていることは重々承知をしております。   私ども置き薬業者は、毎日国民生活者の皆様と顔を合わせ、ひざを接し、世間話、そ れからいろいろな御相談などをしながらお薬を御利用いただいているような状態であり ますが、それだけに私どもや消費者センター、監督官庁に寄せられるお客様からのおし かりの声についても十二分に認識しております。それは私どもの従業員がいわゆる薬学 知識が足らないためであるよりも、商売のマナー,基本について倫理が足らないためで あると言えるでしょう。   資質向上努力義務とは、まずその点から改善する必要を我々自身認識しております。 そのためには知識の習得だけでは不十分なものがあります。我々が日々お話しさせてい ただく相手は国民や生活者という抽象的な企業ではなくて、お一人お一人が個別の歴史、 状況、個性をもった個人なのですから、同じ情報でもその個々の方々に適した伝達を行 う必要は、特に不特定多数の個人の御家庭を訪問する我々の日常活動では必要になりま す。   それはいわゆる本の上の知識だけでは学べません。知識をもった上で、経験を積む必 要があります。それゆえ登録販売者試験の受験要件にも実務経験が必要と考えます。そ れはいわゆる参入障壁になるという危惧には該当しません。なぜならば、話し方やマナ ー、人の言葉に表せないボディランゲージ等をどのようにして学べばよいのでしょうか。 氏より育ちとはよく言いますが、そのようなことを永年の時間をかけて体で覚える知識 なのです。   国民生活者の安全、健康にかかわる業務を行う資格である以上、必要とする知識を体 得する必要上、当然課されるべき条件というべきであり、合理性のある必要条件とみな さねばなりません。そして夏に多い病気、冬に注意するべき疾患と、シーズンごとにそ れぞれ留意すべき点もあることから、少なくとも1年以上の実務経験を要件にするべき だと考えております。   ただ、先ほど述べた倫理という言葉について、試験の内容に加えるというようなお話 をお伺いしましたが、今後の業界全体としてのルールと考えるには余りに哲学的用語す ぎて、人により解釈は齟齬をきたす可能性があります。それよりももっと明確に倫理と いう言葉を展開して、何々をする義務がある、それから何々をしてはいけないと具体化 したルールづくりに御尽力いただけるようお願いします。   また、我々置き薬業者の営業活動は都道府県をまたがり、広域で展開することが多い ので、登録販売者の資格を取得した場合、当然資格証紛失、処理忘れなど起こることが 予期でき、その場合再発行、あるいは資格を取得した以外の都道府県で身分照会を必要 とすることもあり得ます。それゆえ都道府県の連合体、あるいは国がデータベースセン ターを設置し、一元管理を行い、登録販売者資格取得者の利便を図り、ひいては資格に 対する国民生活者一般の信頼感を構築することを希望いたします。   さらに登録販売者資格に対する国民生活者一般の信頼感を増すよう、試験のレベルの 各都道府県の均一化、そして試験問題の公表、正答の公開を行うなど、情報開示を積極 的に行うこと、そして何より近年問題になりやすい試験問題の漏洩など、絶対にないよ うに厳罰をもって防止に御配慮いただきたい。以上、新しい登録販売者資格は国民生活 者の信頼を勝ち取り、みんなの安全安心に貢献することを望んでおります。以上でござ います。 ○井村座長 ありがとうございました。それではただいまの御説明に対しまして御意見を どうぞ。 ○増山委員 先ほど家庭配置薬の方から、実務経験の積み方について、地域の管理者のも とで経験を積むというようなお話がありましたが、置き薬協会の方ではどのようにお考 えでしょうか。 ○日本置き薬協会 まず、これは皆様に認めてもらえるかどうかの問題点は一つおきまし て、ただいま私共としては、新しく入った人や現在働いている人に対しても、資格制度、 教育制度、研修制度に基づいた試験、それによる資格制度を民間資格で設定する。4月 から始めますが、そういう形で準備しております。   そういったことを前置条件にして、私どもとしては実務経験をその資格を有するもの が登録して、これは民間ベースの話ですが、その上でしっかり積んでいこうよというこ とが必要ではないかというふうに考えております。あくまでもこれは信頼性の問題とい うのがございますのが、その資格制度には広くマスコミの方にも参画していただく手筈 で準備を進めております。わかっていただけましたでしょうか。 ○増山委員 置き薬協会が中心になって民間資格制度というのをつくって、そこでいろん な方に入っていただいて、そこの制度を利用して研修を受けた方が実務経験を積むとい う、そういう順番でやっていくということですか。 ○日本置き薬協会 そのステップで行っていきたいと思っております。本当に民間資格で ございますので、そこの信頼性というのが一番大事なんです。できることでしたらここ におられる先生方全員にオブザーバーとして入っていただいて、チェックしていただき たいとまで思っております。これは本音です。 ○井村座長 はい、ありがとうございました。次は望月委員、どうぞ。 ○望月委員 今のところがすごく知りたかったところなんです。先ほどの陳述の中で知識 をもった上での実務経験が重要であるという明確なおっしゃり方をしていたので、その 知識を持ったというところを今の仕組みの中で担保しようとしているということですか。 ○日本置き薬協会 そのとおりでございます。それで先ほど冒頭に申しました資質向上努 力義務、努力義務と言いましてもこれは言葉の遊びで、概念を弄んでいても仕方がない ので、実態的に広く国民、はっきり言ってまず第一歩、先生方のような知識人、経験者 の方々にも御理解賜って、広く国民一般にも理解していただける、許容していただける システムを表現して、それで資質向上努力義務を担保していかないと、言葉の遊びに終 わってしまったのでは業界全体の存亡に関わると認識しています。 ○井村座長 他に御意見はございませんか。 ○田頭委員 私がちょっと聞き漏らしたのではないかと思うんですが、知識を持った上で の実務経験というよりは、むしろ実務経験もしながら知識を積み重ねながらというよう な意味の民間資格なんでしょうか、その辺をちょっと同時並行なのかどうか。 ○日本置き薬協会 全配協さんの方から御説明がありましたように、一般的に本当の新入 社員が入りましたら、同行と言いまして、先輩の営業マンが新しい人と一緒に回るとい うのが、これは業者個々の営業方針によりますから、全体的に絶対にこうだという言い 方はできませんが、多いケースです。その期間もバラバラではあると思います。   だから私どもとしては、まず入ったら、すぐにやってはいけないこと、まずいこと、 その勉強。これはテキストをベースにして、レベル的には高いものを要求する気はない、 時間がかかりますから。通常行われている同行と同時に勉強を当然継続して続けないと いけません。OJTと通信教育を並行する。そして我々の考えている制度では、集合教 育、試験というような過程を経ていただいて資格を習得していただく。その段階から正 規に実務経験を積んだ期間を起点として考えていただければ、皆様方にも納得していた だけるのではないか。   また、実務経験の期間をむやみに長くしたいとは思っておりません。でも最低限の期 間がいるとすると、春夏秋冬、これだけはクリアしていかないとやっぱりお客様、夏の 暑い日、冬の寒い日、雪降っている時いろいろありますので、それぐらいの期間はいる かなというふうには考えております。 ○井村座長 ありがとうございました。それでは時間もまいりましたので、これでヒアリ ングを終了させていただきますが、御意見をいただきました各団体の方、どうもありが とうございました。それではこの報告書の素案に基づきまして検討を進めていきたいと 思います。   この素案の内容は、前回論点の整理といたしまして、項目ごとに確認をしながら我々 は議論を進めてきたのですが、今のヒアリングと前回の検討会の論点として残っており ます受験資格、それから試験を免除する者というような、そういう部分を中心として再 度皆様方の御意見をいただきたいと存じます。どうぞ御質問やあるいは御意見がござい ましたら、お願いをいたします。 ○神田委員 やはり資格のところの実務経験というところからなんですが、やはり実務経 験に何を求めるのかということがもう少しわかりませんと、それが本当に1年とろうが 3年とるのが可能なのかということ、要するに門前の小僧的なことでいいのかどうかと いうことですね。その辺が絞りきれないので、なかなか難しいと思います。   それでこの3の方では、先ほども申し上げたんですが、薬剤師等の管理のもとで販売 等に関する補助として行うものに限ったらどうか、そこに従事する必要があるというよ うになっているわけですが、実際に今お話を聞いておりまして、例えば最後の置き薬の 業務などでしたら、本当に専門に行う方にくっついていくということで、いつもくっつ いて勉強することができるような気もするんですが、お店なんかの場合ですと、必ずし もお店の側でそういった補助的な仕事をする人を雇うのかどうかというような現実的な 問題がいまいち繋がってこなくて、無理があるのではないかというような気がするんで すね。ですからまず実務経験というものに何を求めるのか、その水準は必要なのかどう かというあたりをまとめないといけないのではないかという気がいたしますが。 ○井村座長 ありがとうございました。大事な点だと思います。さっきからずっと伺って おりまして、その辺が皆さん気になさっているんじゃないかというように思います。そ の辺について、まずいかがでございましょうか。下村委員、どうぞ。 ○下村委員 実務経験というものが必要であるということでは、一致している点だろうと 考えるんですが、むしろそのやり方、もしくはその時期というんでしょうか、実務経験 についてどのように経験を積ませるのか、またはその経験をどのように評価していけば 公正な評価ができるのか、この非常に技術論的なところが問題となっているのではない か、問題がそこに落ち込んでいるのではないか。そんな印象を受けるんですが。実務経 験とはどういうカリキュラムを、どういう方法で積ませるというところを明確化し、そ してまた評価の方法もどうすれば適正に評価ができるのかということを決めていく、こ ういったことで解決ができるのではないか、そんなふうに考えます。 ○井村座長 ありがとうございます。次は山添委員どうぞ。 ○山添委員 実務経験のお話を伺いますと、確かにいろんなことがあって、本当に文字ど おり実務という考えをなさっているところもありますし、もう一つは倫理的な対応を含 む知識全体を実務経験ということでとらえてらっしゃる方もいらっしゃると思います。  一つ、薬剤師の国家試験と今回の試験の大きな違いは、薬剤師の国家試験の場合には、 少なくともきちっと正規の薬学教育を受けてきた人が国家試験という学科試験に通って、 それを判定するというシステムになっていますから、バックグラウンドに学科試験以外 の部分でどういう教育を受けてきたということがはっきりしているわけですね。   ところが今回の受験の方は、別に薬学に必要な知識、専門知識をどの程度受けてきた かということはとってないわけてす。したがって学科試験だけできちっと判定をすると いうことが、国家試験の場合と登録販売業者の試験の場合には、前提となるところがか なり違うということがあって、そこの心配があるために幾つかの点で実務経験というこ とを考えなければいけないのかという考え方もあるんじゃないかというふうに考えてい ます。 ○神田委員 私も考え方はそうなんですが、具体的に考えてみた時に、そこがちょっと私 はわからない点なんですね。例えばお薬を並べるのを経験してもらうのか、説明する技 術を勉強するのか、そういったことをまずはっきりさせるということが一つと、じゃあ 実際にお店のところで、そういう人が配置できるのかどうかということが気になるんで すよ。実際は配置できないのかなという気もするから、気にしているわけなんですが、 それを専門に補助をするということは違いますか。 ○松本委員 補助ということのイメージで考えて、ちょっと誤解されているんじゃないか と思いますが。補助というのは試験に受かってない人は補助的なことしかできないです よという意味だと私は理解したんですが、神田委員はむしろ、そういう人をトレーニン グするための研修要員を補助的に雇ってやるというイメージでとらえられているようで すが、違いますか。 ○神田委員 私の説明が下手なのかもしれないんですが。  ○山添委員 神田先生は補助的な人をわざわざ雇わなくてもいいんじゃないかということ をおっしゃっているんですね。 ○神田委員 いえ、雇うようなことはあり得ないと思ったんですね。それはもう経済的な 問題も含めて、現実的には無理なのではないかなというような、済みません、非常に低 レベルな話かもしれないけれども、それをちょっと思ったわけです。   7ページの下から5行目ぐらいのところで言っているのは、結局そういった専門家の もとで一般用医薬品を販売する、あるいは授与する業務に関して、その補助として行う ものに限られることに留意は必要でありますね。ここが限ることができるのか。 ○松本委員 私の理解では、試験を受けるための実務経験ということの中身は、1人で単 独で説明をしたりできるというわけではありません。有資格者が行う説明活動の補助的 な活動を実務経験と呼ぶんですよという趣旨に読むんです。ですからその補助的なこと しかできませんよというだけの話になるんです。試験を受かってない人は。 ○井村座長 それはもちろんおわかりですよね。ですから実質的にこれから登録販売者に なろうとする人を、資格がないうちから雇って、その人にそういうことをさせるという 余裕がないだろうという、そういうお話ですよね。  ○松本委員 私の理解だとむしろ逆で、有資格者でない人の方が、おそらく給与も安いか ら使いやすいから雇うわけで、有資格者を雇う予定はないけれども、これからトレーニ ングをして比較的安い給与でも働いてくれる人の方が雇いやすいというふうに思います。 ○井村座長 そういう考え方はありますね。事務局から何かこの辺でコメントはありませ んか。 ○事務局 補助の意味が議論されているんだと思いますが、松本先生がおっしゃるように、 今回の薬事法改正において、医薬品の販売を専門家が行うということになっております ので、あくまでも専門家以外の者が行う業務は、販売そのものではなくて、それを補助 するに過ぎないんだということで書かせていただいております。   その補助の中身が何なのかということにつきましては、これまた改正の中で決められ てきたことですので、また今後詰めていかなければならない内容じゃないかなというふ うに思っております。 ○井村座長 意味はもちろんみんなわかっているわけですね。 ○望月委員 今の神田委員のような考えの店舗も多分あるんじゃないかとは思うんです。 例が余り良くないかもしれないんですが、例えば薬剤師の場合は、国家試験合格して薬 剤師の登録をした人たちというのは、いくら学部の間に実務実習を経験していたとして も、初めて働く場合は各薬局ではまたそこで研修というのを実際に自分でひとり立ちを する前にある程度の期間させているんですね。   その場合というのは、そこの薬局なり薬剤部に雇われて、そして将来はそこの重要な 人材になっていくという意味で育てていくということがありますから、大きな問題には ならないと思うんですが、じゃあその前の全く資格を持っていない学生時代に実務の実 習をさせてもらうというのと多分同じような状況を神田委員が想像されているんじゃな いかなと私は思ったんですね。そうするとその店舗にとっては、将来その人はその店舗 に勤めてくれる人にはならないかもしれないわけですよね。まあ社会のためにはなるか もしれないけれども、違うかもしれない。他のところで登録販売者を受験、合格して、 資格を持ったら出ていってしまうかもしれないということを考えると、その店舗は本気 でやるだろうかというのもあるだろう。   これは全然例が違うのでこれは皆さんからしかられるかもしれないんですが、薬学部 の場合は、ですからお金を払うんですよ。実習をさせてもらうために実習費というのを、 各薬局なり薬剤部なりに払うという形をとっているのですね。そういう形で確保すると いうことはあり得るかもしれないです。今の場合、本当は一番実現可能性があるのは、 やっぱり自分のところで将来働いてもらえる人たちを登録販売者の資格をとってもらう ために実務研修をやってもらうという形が一番実現可能性があり得る形なのかなとは思 います。  ○井村座長 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。 ○増山委員 今日ヒアリングを聞いていて、もう一つ大きな問題かなと思ったのは、例え ば試験に受かる前に実務経験を積むということになると、例えば本当に資格のある人と 資格のない人が、やっぱりこれは実務経験と言ってもきちんと何が実務経験でできるの かということをしっかり議論する必要があるのではないかなと思ったことと、そこの区 分けをきちんとするべきで、なぜかというと、先ほどのヒアリングの中で例えば管理者 のもとで実務経験をするというようなことですと、それは店舗販売でも同じことが言え るのではないかという話もありましたが、ただ、店舗販売の場合は、必ず薬剤師、もし くは既に登録販売者がいて、その中で常に管理下の中で販売をするということになって いくと思いますが、例えば、先ほど家庭配置薬さんの方の話では、そこに人が常につい ていて、一緒に行動しながら実務経験をするということは、常にということは想定され ていないので、やはりそれだと実際資格を持たれてない方が単独でその医薬品を販売す るということに結びついていくので、資格を永遠にとるとかとらないとかという議論は 別にして、資格のない人が本来登録販売者しか扱えない医薬品を扱った場合は、これは 薬事法上違反になるのかなという理解を私はしました。 ○井村座長 ありがとうございます。そのとおりだと思います。この7ページの下から5 行目ぐらいからの記述というのは、それはならんと言ってるというふうに考えてよろし いかと思います。ですから実務経験と簡単に言いますけれども、それぞれのお立場で思 い浮かべておられる、実務経験とおっしゃられた時にあるイメージを浮かべておられる んだと思いますが、それがかなり違っているんじゃないかというふうに私は伺っていて 感じたわけでございます。   ですからそれは本当に実務経験が資格に必要なのか、資格に必要だとすれば、どの程 度の実務経験が必要なのかということを議論する際には、それが統一されてないとちょ っと議論ができないかなと思いますので、きょうはこれからもう一つ手引きがあります ので、だんだん時間がなくなってきましたから、継続してこの辺は議論させていただこ うと思います。それでよろしゅうございますか。なかなかこれをはっきりさせるという のはかなり難しいことだと思いますので、もしかするともう一度事務局に御苦労をお願 いして、何かつくっていただく必要があるかもしれないなという気がしておりますが。 ○松本委員 一点だけ、先ほどから実務経験はなぜ必要なのかという議論がありまして、 私は今回の法改正の主眼はきちんとした情報提供を行うことだということだったと思う んですね。情報提供を行うためには何が必要かというと、一つは知識が必要である、も う一つは情報提供のためのスキルといいましょうか、患者さんの問題をうまく聞き出し て、そして理解しやすい方法で説明してあげるという、そういうスキルだと思うんです よね。   知識は座学でもある程度は身につくかもしれないけれども、そのスキルの部分はやは り実際の現場のやりとりとか、患者さんの状態とか性格によってちょっと違ったコミュ ニケーションをしなければならないとかいう部分がありますから、そこはおそらく一定 オン・ザ・ジョブトレーニングが必要だろうと思います。   倫理の部分は、なかなか試験でははかれないし、倫理だけ独立してというのはなかな か難しいんだろうと思います。法律的にやっていいこと、やってよくないことというの ははっきりしていますが。そこで実務の期間として1年とか3年とか必要だということ の背景には、おそらくその間、スキルを磨くのと知識を身につけるのと合わせてという ようなところがあるのかなと思うんですね。   ただ、知識の方は別のところで勉強してくるというのも可能だとすると、知識とスキ ルと合わせて薬学部が6年だから、半分の3年間という、それほどの期間は必要ではな いんじゃないか、実務として一番必要なのはやはりスキルの部分だと思うので、それに 必要な期間とかやり方というのがきちんと考えられればいいんじゃないかと思います。  それともう一つは、実務経験を積みながら知識とスキルと両方身につけるんだという ことだとしますと、薬局薬店における指導的立場に立つところの薬剤師とか、現在の薬 種商の資格をお持ちの方とかが、そういうトレーニングをきちんとできるというような ところが別途必要なのではないか。住み込みを何年間かやっていれば何となくという将 棋の弟子のような感じも昔はあったのかもしれないんですが、もう少し組織的な形でや っていく必要があるんじゃないかなと思います。例えば、経験年数としてカウントする ためには、一定のトレーニング資格のある薬剤師とか有資格者がいる薬局・薬店でない とダメだというような、そういう要件を別途考える必要があるのかもしれないなという ふうに思います。多分実務修習、薬剤師にしろ、医師にしろ、どこの病院でもいいとい うことではなくて、一定の指導者としての資格のある人がいるところという話であると 思いますから。 ○事務局 幾つか重要な指摘をいただきましたので、次回までには私どもの方で議論を整 理し、追加的な資料になるのか、報告書の加筆になるのかわかりませんが、何らかの材 料を御用意したいと思います。  ○井村座長 よろしくお願いいたします。それがないと議論が進まないような気がしてき ました。ありがとうございました。それでは一応報告書の素案につきましては、そこで 打ち切らせていただきまして、次は試験問題の作成の手引きについて議論をしていただ きたいと思いますが、事務局から資料として出されていますので、これを簡単に御説明 をお願いいたします。 ○事務局 それでは本日の資料番号の2番になります、試験問題の作成に関する手引きに つきまして御説明いたします。こちらの手引きにつきましては、資料の1番となってお りました検討会報告書素案の2ページ目の(3)試験項目に掲げられております(1)から (5)の各試験項目につきまして、それぞれ章を設けて、第1章から第5章の5部形式で構 成しております。   各章の内容につきましては、同じく報告書の素案の3ページから5ページ目に示され ておりますように販売時に購入者に適切な情報を提供するために必要な知識、副作用等 に適切に対処するために必要な知識、薬事関係法規を遵守して医薬品を販売等をするた めに必要な知識、それらの知識を身につけていくために必要な基礎的な知識として最低 限のものはカバーされ、登録販売者試験に出題していくことができるものとしたいとこ ろでございます。今回提示させていただいている、こちら未定稿でございますが、それ らにつきましてはおおむねのところはカバーできているものと考えておりまが、今後最 終的に都道府県に対して正式な形で発出するまでの間に、本検討会の先生方を初めとす る各方面の専門家の方々と相談してさらなる整備を図っていきたいと考えております。  なお、検討会報告書素案の3ページ目の上部に掲げておりますように、試験問題の作 成の手引きにつきましては、医薬品に関する新たな情報や制度改正が行われた場合には 適宜改正することとなっておりますので、今回提示させていただいているこちらの未定 稿のものですが、あくまで現時点での一般用医薬品のリスク分類ですとか、使用上の注 意の記載、あるいは改正後の薬事関係法令に基づくものであるということで御了解くだ さい。   ここではこれまで本検討会の場におきまして、特に委員の先生方から御意見をいただ いた点につきまして、どのような形で手引きに反映されているかにつきまして、かいつ まんで説明していきたいと思います。  前回第4回、あるいはまたその前々回の第3回目の検討会におきまして、いただいた 御意見の中で、過去に重大な健康被害を招いた医薬品の歴史について、また医薬品の副 作用が医薬品が適正に使用されていたとしても起こり得るといったことに関する知識が 理解が必要なのではないかという御意見をいただいております。これにつきましては従 前第5章、医薬品の適正使用、安全対策の中でまとめていた内容の一部につきまして、 第1章の医薬品に共通する特性と基本的な知識の方に移しまして、その第1章の中に新 たに薬害の歴史という項を設けまして、医薬品の販売に従事する専門家として備えるべ き基本的知識ということで出題ができるようにいたしました。また、第5章の方では、 現在の医薬品の安全対策を図る仕組みですとか、これまでに一般用医薬品に関連してと られた主な安全対策につき出題ができることとしました。   この他、第2回の検討会におきまして、医薬品の形状、剤型、あるいは製剤的な特徴 ですとか、それぞれの取扱い上の注意に関する知識や理解が必要なのではないかという 御意見をいただいております。こちらにつきましては、第2章のII、3)剤型ごとの違 い、適正な使用方法として項を設けましたほか、ページでいいますと39ページから41 ページにかけての部分でございます。トローチ剤やうがい薬のような特定の剤型の医薬 品につきましては、第3章のそれぞれ該当する項におきまして記載をしております。   同じく第2回の検討会におきまして、医薬品以外の特定保健用食品や、いわゆる健康 食品などに関する知識や理解が必要なのではないかという御理解をいただいているとろ ですが、こちらにつきましては第4章のII、医薬品の取扱いの中におきまして、具体的 には182ページからの保健機能食品等の食品との違いという形で盛り込んでございます。 医薬品のなんたるかをきちんと理解していることを確認するためには、医薬品と医薬品 でないものの境界の外縁部に位置するもの取扱いに関する出題も行っていくということ でございます。また、医薬品との飲み合わせの問題を生ずる恐れのある食品などにつき ましては、第3章におきまして個々の配合成分や相互作用に関する部分で盛り込むよう にしてございます。   また、第2回の検討会では、第1類医薬品ですとか、医療用医薬品に関してはどのよ うな知識の理解を問うていくかという議論があったかと理解しております。こちらにつ きましては第4章のII、医薬品の取扱いにおきまして、一般用医薬品と医療用医薬品の 区別、186ページから187ページにかけて、また一般用医薬品のリスク部分とリスク区 分に応じた情報提供、189ページから192ページにかけてまして、制度的な観点からの 出題をまず行っていくということとしております。また、第2類や第3類医薬品と併用 した時に、相互作用等の問題を生ずるおそれがある医療用医薬品などにつきましては、 第3章の方で使用上の注意に記載されている内容を基本といたしまして、個々の配合成 分などや相互作用に関する部分として盛り込んでおります。   最後に同じく第2回の検討会では公衆衛生学的な知識や理解も必要ではないかという 御意見をいただいておりまして、こちらにつきましては、医薬品の販売に関連して必要 な知識や理解を問うという観点から、第3章の公衆衛生用薬の項におきまして、必要な 知識という形で盛り込んでございます。また、それ以外の医薬品についても、感染症等 の可能性がある場合の受診勧奨などということで盛り込まれている部分もございます。   以上、時間の関係からポイントのみ説明させていただきましたが、個別内容の記載ぶ り等につきましては、引き続き御意見を賜ればと考えておりまして、何かございました ら今回の検討会の後でも事務局の方へ御連絡をいただければと存じます。以上です。 ○井村座長 どうもありがとうございました。まだ未定稿ではございますが、これだけの 手引きをまとめていただくのは大変な作業だっただろうと思いますが、大変御苦労様で ございました。この場で細かい文言まで問題にして議論をするということは、到底今で きないと思いますので、そういう点に関しましては、最後におっしゃいましたように、 直接事務局の方へでも皆様方からここのところはこの方がいいんじゃないかという、そ ういうご指摘をいただければよろしいかなと思います。    この場では、この手引きの全体的な構成でありますとか、あるいはそこに盛り込まれ ている要素で何か不足しているものがあるか、あるいはもう不必要なものがあるかとい うようなことにつきまして、御意見を賜れば幸いでございます。どうぞ御質問なり御意 見をいただきたいと思います。 ○田頭委員 先ほどのガイドラインの検討報告書の内容と多少重なるところがございます が、実務経験というのがずっと話の中にありましたが、この手引きをざっと見せていた だいたら、おそらく実務経験を指導するというか、その時にも指導者が当然こういう知 識を知っていて、実務経験を積ませる時にこれを教えながらというか、個人でもちろん この手引きを勉強するんでしょうが、現場においてもする必要があるようなものもおそ らく盛り込まれているのではないかと、ちょっと期待をしてございますが、その辺全部 読めてないので、御質問させていただいたらと思います。 ○井村座長 いかがでしょうか。 ○事務局 実務経験を通じて体得される資質がこのペーパーテストの中でどこまで確認で きるかというのは、これまでもなかなか限界があるというところで議論があったかと思 いますが、関連する部分といたしましては、11ページ目の下半分から書いてございます、 販売時のコミュニケーションという項目がございます。こちらでコミュニケーション技 術そのものではないんですが、それの基本となりますポイントが掲げている形になって おりまして、スキルそのものはペーパーテストで確認できないものの、そのポイントを 理解しているかということでは、試験の中にも盛り込んでいけるものかなと考えており ます。 ○事務局 多分田頭委員が御質問のところは、実際の実務経験を積む際にこのテキストの 中に書かれてあることが、単に座学だけで身につくというものではなくて、その指導す る側の人が、ここに書いてあることが登録販売者には必要だということをもって、何ら かのまさに現場でここに書かれてあることをもとにいろいろなアドバイスといいましょ うか、指導するということにも使えるんじゃないかという御質問だったように思います。 それは受診勧奨等の記述も成分ごとに書かれている部分もございますので、何らかの形 でそういう使い方もあり得ると思います。これ自体は教材ではございませんで、手引き というものでありますが、書かれてある内容に関しましては、そういったことでの活用 もあり得るというように認識しております。 ○井村座長 よろしゅうございますか。 ○田頭委員 ありがとうございました。教材ではないと言いながら、教材にも適したよう な大変な作業の手引きだというふうに思っております。ありがとうございます。 ○井村座長 ありがとうございました。他に御意見はございますか。 ○山添委員 今回大変な力作の手引きをつくっていただきましたが、さっと見させていた だきますと、試験の項目と前回の時に少し議論をした各パートの出題数の割り当て、全 体で一応仮に120題ということに議論がなっていますが、今回を見ますと、主な医薬品 とその作用ということが突出して量的には多いんですね。この点については、まだあと で配分については議論があるというふうに理解をしていていいんでしょうかということ なんですが。 ○井村座長 いかがでしょうか。事務局で何かありますか。 ○事務局 この手引きはあくまで試験問題作成の手引きですので、試験問題の配分という のは、どちらかというと登録販売者としてトータルな資質を問うにあたってバランスよ く各項目ごとに何問ぐらいの配分が必要かという観点でございますので、資料1で示し ました一応配分でやるということがまず前提といたしまして、その後、その配分にした がって120分の240問であるならば各論のところ、第3章にあたる部分がその配分にし たがって必要なところをピックアップして問題にしていくという考え方だと思います。 まずはトータル的にバランスよく登録販売者に求めるという資質を考えるという面では、 5項目の配分というところを先に御議論いただいて、この手引きのボリューム感だけで はなかなかはかれない部分があるんじゃないかというふうに思っております。  ○井村座長 それはそうですね。 ○下村委員 この構成の第4章のところに薬事関連法規制度ということで、1〜3まで載 せていただいておりますが、拝見いたしますと、医薬品にかかわる分野だけで化粧品、 部外品、医療機器に関するものは全く含まれておりません。各店舗ではおそらく化粧品、 部外品、または医療機器といったものが取り扱われるということは当然ながらあると思 われますので、やはりこの中に化粧品等についても加えて、出題範囲として入れる必要 があるのではないかと考えます。 ○井村座長 それはいかがでございましょうか。 ○事務局 医薬品と医薬品でないものの外縁部に位置する性質のものということで、健康 食品等のあとに続いてきて、医薬部外品との違い、あるいは化粧品との違いということ で、部外品と化粧品については取り上げることとしております。   御指摘がありました医療機器については、いかがかというところですが、医薬品の販 売に従事する専門家ということで、医療機器について具体的に出題項目には今のところ 盛り込まれてはございませんが、化粧品や部外品につきましては、医薬品との違いが非 常に紛らわしいというか、実際、購入者への説明、売り方等であいまいな取扱いがなさ れやすいということで、特に試験の中で出していくこととしております。 ○下村委員 今申し上げましたのは、薬事関連法規の分野として、医薬品のみに限定がさ れた記述になっている。化粧品に関する薬事法にかかわる出題ができないということに、 これではなっているのではないかという誤解が生ずる可能性があるという指摘をさせて いただいたわけでございます。 ○事務局 今の御質問は、取り扱うにあたって当然法規でいいますと、それぞれの医薬品、 部外品、化粧品の区分がございますので、それは何を隠そう、その定義というものが医 薬品なら医薬品との違いということにもなりますので、後ろの方に条文もついてござい ますが、その範囲での出題はあり得ると思っております。   ただ、一方で部外品と化粧品に関しまして、どれだけの知識を求めるかということに 関しましては、あまり部外品なら部外品に特化した問題ということになりますと、部外 品を取り扱うにあたって何らかの資質を専門家のように求めるということにもなってま いりますので、現状の法体系は部外品の扱いに関しては特に薬事法上の販売に関する許 可等は必要ないわけでございますから、そこらあたりは登録販売者というものに対して 求められる資質というところを中心において、それとの関連で部外品、化粧品との違い の問題等が中心になってくるんじゃないかと認識しています。 ○田頭委員 先ほどの御質問と少し関連でございますが、私の方も法律を全部読み込めて ないところがございまして、医療機器のことでございますが、今の現行制度でしたら、 薬種商さんは、その医療機器の販売管理者とみなされるというようになっていると思っ ているんですが、今回の登録販売者というのは、医療機器までは考え方としては含めて いない、そこら辺まで整理ができているのか、今その辺をちょっと教えていただけたら と思っております。 ○事務局 今回のこの手引きでございますが、あくまでも登録販売者試験の手引きでござ いまして、登録販売者に今何が求められているのかということであれば、その業務の範 囲としては医薬品の販売、それに伴う情報提供及び相談対応ということになっておりま す。医療機器は今後登録販売者が管理者になるかどうかというのは、また別に検討しな ければいけないんですが、試験の範囲といたしましては、あくまでもその登録販売者が 担っている業務に関するものに限られるということで、そういう整理でこういうふうに つくらせていただいているということでございます。 ○望月委員 すごく力作で、私が読んでもわからないところもあるかなと思った部分もあ るんですが、実は私はたしかこの会の議論の中で、医薬品の品質をきちんと確保した上 で販売してほしいというのを一度申し上げたことがあるような気がするんです。やはり 登録販売者の方もきちんと品質が確保できるような保管条件でおくという意識をもって もらえるような項目を用意してほしいということを申し上げたんですが、今ざざっと見 たところ、添付文書の読み方の240ページのところに(10)として、保管及び取扱い上の注 意ということで出てきていますが、むしろ添付文書の読み方の中に出てくるよりは、も う少し違った形で品質の確保をする上での注意事項というのを書いていただいた方がよ いと思いますが。 ○井村座長 いかがでございましょうか。 ○事務局 御指摘いただきましたように、添付文書の保管取扱い上の注意のところに記載 はされております。それでその他の部分ではどのようになっているかと申しますと、御 期待に添うような形になっているかどうかは、また御相談させていただきたいと思いま すが、法規の部分におきまして、不良医薬品の販売等の禁止というところで、変質等が 起こった医薬品は販売してはならないという規定が法律の規定として設けてあるという 部分があります。したがいまして、販売等においてはそういった品質の確保に務めるべ きというくだりが一応盛り込まれておりますが、またこれで十分かどうかということに つきましては、また御相談させていただきたいと思います。 ○井村座長 部会でもその辺はかなり議論したところだと思っておりますので、ぜひ望月 委員と相談をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○増山委員 私はよくわからないので質問が適切かどうかわからないんですが、例えば薬 局におかれている医薬品の中には、医療用もあると思うんですが、それと一般用と、そ れと指定医薬品もあるかと思うんですが、その指定医薬品について余りこの中では触れ られてないと思うんですが、例えばその指定薬品の中の一般用薬品はどういうものにな っているのかという、その線引きというのはきちんとされているんでしょうか。 ○事務局 指定医薬品というのは、現在薬種商において取り扱うことができないという意 味でおっしゃられているんでしょうか。 ○増山委員 そうです。店舗販売できる薬品で、たしか厚生労働大臣が指定している薬品、 だから薬物、毒物とか、あるいは治療に使われないような化学薬品ですね。実験なんか にも使われる薬なんかも含まれると思うんですが。 ○事務局 毒薬、劇薬につきましては、こちらに書いてございます。 ○事務局 薬種商販売業が現在販売できないことにされている指定薬というのがあるんで すが、その制度であるということでお答えさせていただきますと、今回販売制度改正が 起こりまして、一般用医薬品と医療用医薬品ということで、一般用医薬品の定義がされ て、その範囲の中で登録販売者というのは2類3類を販売できますと言うことになった わけでございますが、1類というのがどういうことになるのかということで、1類は指 定薬相当のものになるという整理になっております。従いまして登録販売者の試験の中 では2類3類をメインにして、その2類3類との関係の中で1類と飲み合わせですとか、 副作用の関係だとかで出題されているということになっております。 ○井村座長 よろしゅうございますか。他に御意見はございませんか。 ○増山委員 ただ、今まで指定医薬品って薬店で売られていたように思ったので、そのあ たりは今回指定医薬品は一般用医薬品ではないので、置かれないという理解でいいのか なということと、それから置かれないのであれば、別にこちらに特にその扱いについて 言及する必要はないとは思ったんですが、ただ、中にもしかしてその指定薬品の中に一 般用医薬品があるのかをどうなのかという、そこも十分わからなかったものですから。 ○事務局 今おっしゃられている指定医薬品の関係というのが、いわゆる販売に関する一 種の規制で、その範囲を個々の業態に対して規制をかけているわけですね。その部分に 関しましては、今後の制度では1類2類3類という形で衣がえしますので、その1類2 類3類の違いということは、法規の中でも触れられていますので、おのずと引き継ぐ形 で販売できる範囲がこの範囲、第1類に関しては薬剤師でなければ販売できないという ような形での書き分けも法規制度として触れられていますので、一応カバーされている というふうに思います。 ○井村座長 よろしゅうございますね。他に御意見はございませんか。 ○倉田委員 手引きの方ではなくて、素案の方に戻るんですが、よろしいでしょうか。8 ページの試験の免除するものというところがペンディングになっていましたが、これは 結論は出た形なんでしょうか。 ○井村座長 いえ、結論だとは思っておりませんが。 ○倉田委員 私は免除する者というのは、無い方がいいと思っているんです。というのは もちろん大学でそれ相応の知識を学生たちは得ていると思いますが、だからと言って免 除する必要はないと思っているんです。それだけの知識があるんでしたら、もちろん試 験を受けたら受かるはずですし、本人に登録販売者になるぞという意識を持たせるとい う意味でも免除はする必要なく、試験もちゃんと皆さんと一緒に受けていただきたいと 私は思うんです。 ○井村座長 はい、ありがとうございました。その点に関しましても継続的に次回にまた 議論をさせていただきたいと思いますが、事務局はそれでよろしゅうございますか。そ れでは手引きの方についていかがでございましょうか。もう特に御意見は今日はござい ませんでしょうか。   それでは大分時間を迫ってまいりましたので、今日はまず報告書の素案につきまして 御検討をいただきました。その前にヒアリングがございましたが、次回に向けて、今日 いただきました御意見を踏まえまして、ある程度修正を加えたものを事務局で準備して くださるだろうと思いますので、よろしくお願いいたします。   またこの手引きにつきましては、本日あまり意見はまだ出てきておりませんが、事務 局から次回に向けてさらに皆さんの専門的な見地からの御意見を伺いたいという、そう いうことでございますので、次回にまたよろしくお願いしたいと思います。今日は出て きませんでしたが、おそらく次回は手引きに準拠した、いわゆる例題、これも事務局の 方でつくってくださる予定になっておりますので、これまた大変なことだと思いますが、 よろしくお願いをいたします。最後に事務局の方から何か連絡事項はございませんか。 ○事務局 次回の日程につきましては、また調整の上予定を確認させていただきまして、 日時場所を御案内させていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○井村座長 それでは議事はこれで終了いたしましたので、閉会にさせていただきます。 長時間ありがとうございました。 (終了) 連絡先)  厚生労働省医薬食品局総務課  代表   03(5253)1111                             直通   03(3595)2377  FAX  03(3591)9044  担当者:溝口(内線4210)、加藤(内線4211)