07/05/30 中央社会保険医療協議会薬価専門部会平成19年5月30日議事録 平成19年5月30日 中医協薬価専門部会            第37回議事録 (1)日     時  平成19年5月30日(水)10:43〜11:52 (2)場     所 厚生労働省専用18〜20会議室 (3)出  席  者  遠藤久夫部会長 土田武史委員 室谷千英委員 白石小百合委員 対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員(代 高橋) 松浦稔明委員 鈴木満委員 飯沼雅朗委員(代 中川) 渡辺三雄委員 山本信夫委員            向田孝義専門委員 長野明専門委員 渡辺自修専門委員            〈事務局〉 水田保険局長 白石審議官 原医療課長 武田経済課長 磯部薬剤管理官 他 (4)議     題  ○薬価改定の基準について         ○平成20年度薬価制度改革に向けた今後の予定について(案) (5)議 事 内 容 ○遠藤部会長  それでは、委員の皆様すべて御着席のようですので、ただいまより、第37回中央社会 保険医療協議会薬価専門部会を開催いたしたいと思います。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、丸山委員の代理で日本経団 連経済第三本部長の高橋秀夫さんが、また、飯沼委員の代理で日本医師会常任理事の中川 俊男さんがお見えです。  それでは、議事に移らせていただきます。  薬価専門部会におきましては、前回の開催が昨年の12月20日でありまして、その際 事務局から、「薬価改定の頻度を含めた薬価算定基準の在り方について」という資料が提 出されまして、それをもとに御議論いただいて、論点をとりまとめたところであります。  今後は、本部会で平成20年度薬価制度改革に向けて御議論をいただくことになります。 ただ、本日は久しぶりの開催でもありますので、また、交代された委員もいらっしゃいま すので、まず、薬価基準制度の概要の説明及びこれまでの議論の論点について事務局より 説明していただきたいと思います。  資料として、1、「現行の薬価基準制度について」、2、「薬価改定の頻度を含めた薬 価算定基準の在り方(論点)」というものが用意されております。引き続きまして、薬価 制度改革に関連する厚生労働省の動きについて説明していただきます。資料としましては、 3の「医療用医薬品の流通問題に関する議論について」というものと、4の4月にとりま とめられた「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」が用意されております。  それでは、事務局から御説明をいただきたいと思います。お願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。私の方からは、中医協薬−1−1をまず使いまして、薬価基 準制度の概要につきまして御説明を申し上げたいと思います。  まず、1枚おめくりいただきまして2ページ、「現行薬価基準制度の概要」と書いてご ざいます。もともとこの薬価専門部会で御議論いただく部分でございますけれども、薬価 が、告示が1万4,000品目ぐらいあるということもございまして、この薬価部会にお きましては、薬価算定の基準について、どういうふうに薬価を決めていくかと、その算定 の基準、ルールについて御議論をいただきまして、その基準に基づいて私どもの方で算定 をさせていただいて告示をする、こういった段取りになっているということでございます。  3ページ、既収載医薬品の薬価算定方式ということでございます。既に薬価基準に載っ ているものについては定期的に薬価改定を行っておりますけれども、それについては、卸 から医療機関・薬局に販売している価格、これを全部調べまして、それの販売価格の加重 平均値に調整幅、薬剤流通安定のための調整幅といたしまして、改定前薬価の2%を加え て新薬価を算定する、このようなルールになっているわけでございます。  4ページ、既収載医薬品の薬価算定方式は、基本は、今申し上げた販売価格に基づく算 定でございますけれども、一部そういった販売価格に基づかない調整がございます。最初 に、後発品が薬価収載された場合のその先発品の薬価の引き下げということで、特許が切 れまして、最初に後発品が出ます。そのときに、その最初の薬価改定について、その先発 品について、市場実勢価に加えてさらに6〜8%引き下げるというルールでございます。 このルールにつきましては、前回18年改定におきまして、それまでは4〜6%引き下げ というものがプラス2%引き下げになっております。  それから、薬価の再算定ということがございます。これについては、書いてございます ように、市場拡大再算定、効能変化再算定、用法用量変化再算定、不採算品再算定、4つ のパターンがございまして、特に市場拡大再算定、過去に当部会で議論されたところでご ざいますけれども、使用方法等の変化によりまして使用実態が著しく変化したものについ ては再算定をするということで、市場実勢価以外でこのような再算定のルールがあるとい うことでございます。  5ページでございます。新医薬品の算定方式ということで、最初に、今日も総会の方で 新薬の薬価を幾らにするかという御審議をいただいたところでございますけれども、そう いった新医薬品を最初に薬価収載する場合にどのようなルールでやっているのかというこ とでございます。基本は、同じ効果を持つ類似薬がある場合には、その類似薬の1日薬価 に合わせた薬価をつけていくと、こういうルールでございます。  類似薬というのはどういうものをいうのかということでございますが、いわゆる効能・ 効果、どういう病気、どういう患者さんにお使いになるのか、それから薬理作用、どうい う効き方をするのか、それから組成及び化学構造式ということで、化学構造がどうなのか、 バイオなのか、ケミカルなのかとか、そういった違いとか、それから投与形態で、例えば 内服なのか注射なのか、どのような剤形なのか、それから用法用量はどうなのか、こうい った4つの視点を総合的に判断いたしまして、現在薬価算定組織で類似薬があるかないか という判断をしているところでございます。  このような1日薬価合わせをした後に、今日も幾つか加算がございましたけれども、そ の有用性の程度に応じまして加算を行うという制度でございます。6ページをお開きいた だきたいと思います。では、どういう要件がそろった場合に加算を行うのかということで ございます。まず、画期性加算をちょっと見ていただきたいと思います。左の上の方にご ざいますが、50〜100%の加算をするということでございます。その場合には、イ、 ロ、ハとございまして、まず、臨床上有用な新規の作用機序を有するのかどうか、それか ら類似薬に比べて高い有効性、安全性を有することが客観的に示されているのかどうか、 従来の収載品よりも治療方法の改善が客観的に示されているのかどうか、こういった3つ の要件が満たされると画期性加算ということで、50〜100%の加算になるということ でございます。  有用性加算(I)というのは、この3つの要件のうち2つを満たすもの、それから有用 性加算(II)では、新規の作用機序というのは要件に入っておりませんけれども、そのか わりに、いわゆる製剤工夫で医療上の有用性を示した場合にはこの加算の対象になるとい うことでございます。  そのほか、非常に市場性が少ないもの、先ほどもオーファンのようなものはどうなのか ということでございましたが、非常に市場性の低いものについて開発された場合のインセ ンティブということで、市場性加算(I)、市場性加算(II)というものがございます。  それから、小児用の医薬品の開発をもっと促進すべきだということで、小児の医薬品を 開発された場合には3〜10%の加算を行うということを18年度改定で新たに導入した ところでございます。  そのほかにも、この画期性加算から有用性加算(II)まで、加算率を前回の改定で一部 引き上げております。  続きまして7ページでございますが、新医薬品でも、例えば非常にたくさん類似薬があ って、あまり新規性がないというようなものがございます。そういったものについても、 これまで薬価部会でも議論がございましたところでございますが、新規性に乏しい新薬に ついては、過去数年間の類似薬の中で一番低い価格に合わせるということで、類似薬効比 較方式(II)という方式がございます。  続きまして8ページでございますが、では、類似薬がない場合どうするのかということ でございますが、その場合には、その薬を開発供給するためのコストをひとつひとつ積み 上げまして、原価の計算をして求める方式ということでございます。原材料費、労務費、 製造経費から製造原価を出しまして、それに一般管理販売費、その中には研究費も含みま すけれども、それに営業利益、流通経費を足しまして、最後に消費税を乗せまして算定を するということでございます。それで、当然企業によって、例えば労務費が違うとか、利 益が違うとか、研究費が違う、いろいろございますけれども、その点については、各企業 ごとの数字を使うのではなくて、通常は医薬品製造業の平均的な係数を用いるようにして おります。例えば労務費ですと、厚生労働省が発表しております「毎月勤労統計調査」で すとか、日本政策投資銀行が出している「産業別財務データハンドブック」ですとか、こ ういった統計を活用いたしまして平均的な係数で計算することを基本にしております。  続きまして9ページでございますが、外国平均価格調整でございます。類似薬効比較方 式または原価計算方式、こういった場合に外国価と大きな開きがある場合、具体的には、 アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスのリストプライスの平均額と比べまして、類似薬 効比較方式なり原価計算方式なりで算定された値が外国平均価格の1.5倍を上回るか、 または0.75倍を下回るという場合には調整をするというルールでございます。この点 についても、この外国平均価格調整の在り方について、前回の改定もいろいろ議論ござい まして、特になかなか常識的に理解しがたい引き上げ調整がいろいろあったこともござい まして、ここに書いてございます4つのパターンがありますが、類似薬効比較方式(II) の場合、それから複数の規格があって、高いものと低いものと混在するような場合、それ から非汎用規格のみが調整の対象となるような場合、それから外国平均価格が1カ国のみ の価格で算出される場合、こういった場合には引き上げ調整の除外になったわけでござい ます。  10ページでございます。今日の新薬でもございましたが、規格間調整というのがござ います。これは、まず先ほどの1日薬価を算出する場合に、汎用規格をもとに算出をいた しますけれども、ここで書いてございますように、例えばA錠の汎用規格の5mg錠が17 4円60銭でありましたと、それから、では例えば5mg錠から2.5mg錠を実際に出すと、 それから10mg錠も出すと、こういった場合にどのように算出をするかということでござ いますが、単純に、考え方としては、例えば類似薬の5mg錠と10mg錠の規格間比が幾ら なのか、簡単に言うと、単純に用量が倍になって価格が倍になるというものでもございま せんので、そういった比をとりまして、その比で算出をすると。ログをとる係数になって ございますが、このような計算式を当てはめまして規格間調整というものもさせていただ いているところでございます。  11ページでありますけれども、そういったルールをまとめてみますと、類似薬のある もの・ないものにつきまして、類似薬のあるものについては類似薬効比較方式で1日薬価 を合わせた上で加算、外国平均価格調整、それから規格間調整を行っていく。原価計算方 式の場合でも、原価計算して、必要な場合に外国平均価格調整がかかる、こういったルー ルになっているわけであります。  12ページでございます。今度は後発品の薬価算定方式であります。先発品がありまし て、最初にその有効成分の後発品が出る場合については、その先発品の薬価の0.7掛け をするということで、開発されているコスト等をかんがみまして30%引きで薬価を収載 するということでございます。既に同じ有効成分の後発品が収載されておりまして、後か ら同じところに入ってくる場合には、その中でいろいろ価格はばらけますけれども、その 最低価格の後発品と同価格とするというふうになっております。  13ページでございます。薬価算定のプロセスでございます。企業の方から収載の申請 がございまして、薬価算定組織で算定の議論をいたします。それで、18年度改正におき まして、第1回目の薬価算定組織から、補正加算の適用を希望する場合には意見表明がで きるようになっておりまして、内示された額で不服がある場合には、再度議論をして内示 をする。その上で、今日も総会がございましたけれども、この中医協総会の方に算定案の 報告をさせていただきまして、了承が得られれば薬価収載をするということで、新薬につ いては年4回の機会を設けておるところでございますし、承認から薬価収載まで、原則6 0日以内、遅くとも90日以内で収載するというようなことを決めているわけでございま す。  参考でございますけれども、薬−1−2を見ていただければと思います。関連の資料と いうことでお届けをしておりますけれども、1枚おめくりいただきまして、1ページでご ざいますが、まず、前回の改定におきましてはどういうことをやったのかということで簡 単に申し上げますと、「医療制度改革大綱」で、薬価については、市場実勢価格を踏まえ 引き下げを行うこと。また、新薬の評価を行う一方、後発品の状況を勘案して先発品の薬 価引き下げを行うこと、こういう基本的考え方に基づきまして薬価の改定を行ったところ でございます。  続いて2ページ以降、そのときの「改革の骨子」をおつけしておりますが、資料で申し 上げますと7ページをお開きいただきたいと思います。特に主な変更点を簡単に申し上げ ていきますと、先ほど加算率を引き上げたということがございますが、比較表で従来と1 8年改正で変えた部分を表に書かせていただいております。それが7ページ、8ページと 続きます。  9ページでございますが、補正加算については、傾斜配分ということで、加算をする場 合に、1日薬価が非常に大きく異なるものがございますので、単純に率だけやりますと、 加算額でいいますと、非常な大きな幅が出ますので、それを若干補正をさせていただいて おりまして、それを傾斜配分と言っておりますが、それの標準額を前回修正をしておりま す。  それから、原価計算方式でも、特に輸入品の場合に輸入原価が妥当なのかどうかという ことで、輸入先国の価格の状況等の資料もとるようにしているところでございます。  10ページでございますけれども、外国平均価格調整、先ほど申し上げた点の引き上げ 対象の除外でございますが、先ほどの中で1つございまして、そこの一番最後のぽつでご ざいますけれども、これは、外国の薬剤の国別の価格が2カ国以上ございまして、最高と 最低が5倍以上違うというような場合には、5倍を上回るものだけを除きまして残りのも ので外国平均価格調整をするというルールがございますので、それをつけ加えて御説明を させていただきます。  11ページでございますけれども、外国では、特に内服薬ですが、フラットプライスと いうことで、用量が違っても値段は一緒というものがいろいろございまして、それとの関 係はどうするのだと、前回の改定でいろいろ議論ございました結果、最終的には、規格間 調整の中で、特に通常最大用量を超えるような用量に対する規格については、規格間比の 上限値をつくるということで、単純に言うと、含有量が2倍であっても打ちどめ、そうい う場合は1.5倍というようなルールをつくっているところでございます。  12ページでございますけれども、先ほど申し上げた薬価算定での意見表明、必要な規 格ということでございます。  13ページでございますが、特に前回薬価で一番大きかったところでございますけれど も、後発品のある先発品の薬価改定につきましては、先ほど申し上げたように、従来市場 実勢価に加えて4〜6%の引き下げを行っているところでございましたけれども、前回の 改定で6〜8%引き下げに伴いまして、既に引き下げられているものについても市場実勢 価に加えてさらに2%の引き下げを行ったということでございます。  14ページでございますが、前回からの引き続きでいきますと、例えば後発品を含めた いわゆる成分加重方式についても引き続き検討するということがございます。  15ページで、前回、最低薬価ということで、長期にわたり収載され低薬価になってい るものについては、最低限の製造コストを確保するということで、最低薬価制度がござい ますけれども、それについても、殺菌消毒剤とか漢方についてもそのルールを適用したと いうものでございます。  16ページでございますけれども、既収載医薬品の薬価改定ルールの見直しということ で、特に血液製剤で急遽安全対策が要るというような場合の対応をするというルールでご ざいます。  17ページでございますが、これは12月までやりましたけれども、薬価改定の頻度の 問題、薬価調査の充実の問題、未妥結・仮納入の是正の問題、こういったことを前回決め ているところでございます。  18ページは、これまでの薬価改定の経緯でございますが、19ページをお開きいただ きたいと思います。薬剤費それから乖離率等の数字でございますが、新しい数字といたし まして、平成16年度の国民医療費32兆円でございますけれども、そのうち薬剤費が6. 9兆円ということで、薬剤費比率21.5%と、平成15年度に比べまして若干の減を見 たところでございます。  それから続きまして、ちょっと飛びまして22ページでございます。薬価再算定ルール でございますが、先ほど申し上げた4つの再算定ルールがございますけれども、特に市場 拡大再算定のルール、いつも議論がございますので、ちょっと簡単に御説明いたしますと、 原価計算方式の算定のもの、それから類似薬効比較方式で算定されたもので、薬価収載後 に使用方法の変化、適用対象患者の変化等により使用実態が著しく変化したもの、その上 で、販売金額が予想の2倍以上となって、年間150億円を超えた場合に市場拡大再算定 の対象になる。ただ、その場合に、市販後の集積された調査成績で真の臨床的有用性が検 証された場合には、引き下げ率を緩和するというルールになってございます。  それの詳しい計算式を23ページに記載しております。原価計算方式と類似薬効比較方 式とで上限値は決まっておりまして、原価計算方式の場合には25%減まで、類似薬効比 較方式については15%減までということで、これについてはもともと25%減で一緒で ございましたが、14年改定のときに、特に類似薬効比較方式、いろいろ議論がありまし て、少し緩和されたという経緯がございます。  24ページに、先ほど言った傾斜配分の算式ということで、加算率の補正を、絶対額が あまりにも大きくならないように、補正加算率というものを使っているというところでご ざいます。  26ページでございますが、市場拡大再算定につきましては、先ほど言った再算定のル ールがございますが、それと(2)で、いわゆる「市場拡大再算定類似品」というのがご ざいまして、その再算定を受けたものを比較薬として算定したものについては、それにつ いても市場拡大再算定を受けるというルールになってございまして、そういうようなルー ルも、それを「市場拡大再算定類似品」と言っておりますが、ですから、あるものが再算 定を受けて、それを比較薬としたものがずっと連なって市場拡大再算定を受けていく、こ ういうルールになっているところでございます。  それで、少し飛びまして32ページをお開きいただきたいと思います。前回の18年度 改正において、その前後でどのくらいの効果があったかと、特に加算率については大分率 を上げましたので、その関係で上げた部分ということで、特に画期性加算等で見ますと、 制度改革前が加算率5.4であったのが、全部合わせますと16.1と。有用性加算 (II)だけで見ますと11.0ということで、大体予想どおり加算率が上がったというこ とになっております。  33ページでございますけれども、今までのをまとめた表でございますが、ミスプリが ございまして、修正をお願いしたいと思います。「(2)補正加算」のところの市場性加 算(I)というのがございますが、成分数「1」となっております。これを「3」に変え ていただきたいと思います。そうしますと、パーセンテージが「0.96%」が「2. 9%」になります。それから品目数の「3」が連動して「7」に変わります。それで「1. 8%」が「4.2%」になるということになります。恐縮でございますが、修正をお願い します。  それから、同じ表の中でちょっと補足いたしますと、外国平均価格調整で申し上げます と、14年から見ますと、現在では引き上げ調整のものが圧倒的に多いという状況になっ ているのが読み取れるかと思います。  34ページでございますけれども、規格間調整におきましての上限どめのルールでござ いますが、実際には内服の問題が念頭にあったわけですが、現実には注射剤がそのルール で上限値にかかったというようなことを申し上げておきます。  それから、外国平均価格調整も、36ページから38ページまで、今回の18年改定の 結果におきまして改善された新薬のリストを記載させていただいております。  39ページは、後発品の薬価算定でございますが、20品目を超える場合には0.9掛 けをするとか、40ページでいきますと、上市後、後発品の薬価がどんどん下がってまい りまして、先発品薬価の5分の1を切りますと、その5分の1を切ったものの中で加重平 均値をとって薬価を算定する、こういったルールになってございます。  続きまして、長くなって恐縮でございますが、中医協薬−2を簡単に御説明したいと思 います。薬−2については、12月20日の薬価専門部会で基本のとりまとめをしていた だいたところでございますけれども、その際にありましたところで、2ページ目でござい ますが、総価取引の問題、それからあとは頻回改定の議論をちゃんといつまでにやるのか ということを決めるべきという御意見がありまして、その点若干の修正を入れさせていた だいております。修正を入れたところは「(2) 未妥結・仮納入、総価取引」の3番目の丸 のところで、特に一番最後のところで、「現行の銘柄別収載を否定するほど問題があると は言えないのではないか。」とまで、かなり強い言い方をしておったのですが、「言えな いとの指摘もある。」という程度に抑えたということでございます。  それから、一番最後の二重丸でございますが、薬価改定の頻度のところで、一番最後の 行に、「次回薬価改定を目途に、検討することとしてはどうか。」ということで、「次回 薬価改定を目途に」ということを入れさせていただいたということでございます。  そのほかは変えておりませんので、最終版のテキストをお配りさせていただいておりま す。  私からは、以上でございます。 ○事務局(武田経済課長)  医政局経済課長でございます。それでは続きまして、お手元の資料、中医協薬−3を御 覧いただきたいと思います。「医療用医薬品の流通問題に関する議論について」でござい ますが、医薬品の流通問題につきましては、先般もこの薬価専門部会に妥結率を御報告さ せていただきましたが、医政局の方で流通改善の議論を行っておりますので、その状況報 告でございます。  「1.取組の経緯」でございますが、平成16年6月に「医療用医薬品の流通改善に関 する懇談会」、略称「流改懇」と申しておりますが、こちらを発足させております。学識 経験者3名、医療関係者9名、メーカー6名、卸売業者は5名というメンバー構成で、流 通改善につきまして議論を続けてきております。これまで、平成16年12月に中間とり まとめを行い、平成18年3月には返品の取り扱いについてのとりまとめを行っておりま すけれども、未妥結・仮納入の問題などにつきまして、集中的に現在討議を進めてござい ます。他業種の流通実態につきまして、昨年9月に専門家の御意見を伺ったり、11月に は公正取引委員会の方に御出席をいただいて議論を行ったりしております。今年の3月に つきましては、年度末の最後の妥結に向けての交渉の山場ということもございましたので、 未妥結問題の集中討議をさせていただいたところでございます。  そのときの議論の概要、2のところに少し書いておりますけれども、未妥結・仮納入は、 現行の薬価制度の下では取引として異常な取引と認識すべきである。また、1年間かけて 価格交渉することの経済不合理性が無視できない。また、総価契約といったものは決して 望ましいものではない。とにかく一気に解決は難しいけれども、流通改善に向けて議論し なければならないというのが各委員の共通認識であろうというような御議論がありまして、 今年度に、さらにこの流改懇で流通問題の討議をしていきたいと思っております。  3のところにございますが、今後は本年6月ころから未妥結・仮納入、総価取引、リベ ートの在り方など、個別テーマごとに議論を行いまして、秋までには一定のとりまとめを 行う予定ということでございます。  参考までに、2ページ目に、この中医協薬価専門部会には7月のデータを御報告してお りますけれども、その後10月取引分、1月取引分まで、私ども継続的に調査を行い、こ の流改懇にお示しをしております。調査結果は表のとおりでございますけれども、特に2 00床以上の病院、それからチェーン薬局、ここでは20店舗以上持っている薬局という ふうに定義をしておりますが、ここのところが非常に妥結が低いということでございまし て、年度末に一定の妥結を見ましたが、新年度に入りまして直ちに私ども、医療機関、そ れからこのチェーン薬局を中心に再度ヒアリングを行っている状況でございます。  流通改善については、以上でございます。  続きまして、中医協の薬−4をごらんいただきたいと思います。4月26日、1カ月ほ ど前になりますが、「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」ということをま とめてございます。  「1.経緯」にありますように、昨年、安倍総理が所信表明演説におきまして、イノベ ーションの重視、中でも医薬の分野を第一に挙げて、この促進ということを表明しており ます。私どもそれを受けまして、医薬品・医療機器分野でのイノベーション支援策を検討 してまいりましたが、本年になりまして、3月、経済財政諮問会議におきましてヒアリン グがございましたので、私ども概略を御説明し、さらに早急にこの戦略を5か年戦略とし て確定すべきというような御指摘をいただいたところでございます。それを受けて、今年 4月26日に公表、5月15日に諮問会議に報告というような手順をとってございます。  「2.趣旨」にございますように、医薬品・医療機器産業を日本の成長牽引役とすると ともに、世界最高水準の医薬品・医療機器を国民に迅速に提供することを目標とするとい うことで、国際競争力の強化のみならず、世界の新しい医薬品・医療機器が迅速に日本に 届くということも目標にしているところでございます。  内容につきまして、2ページ目に概略を整理しております。イメージといたしましては、 医薬品も医療機器もそうなのですけれども、基礎的な研究のところから最終的な製品化ま で、多くの課題がございますので、それぞれの課題に対応した終始一貫した、川上から川 下まで一貫した政策をとりまとめるというようなことでございまして、左が川上、右が川 下というイメージでございます。(1)から(6)まで具体的な施策群を掲げてございます。左側 の基礎研究、ベンチャー育成、それから真ん中がデータをそろえるための臨床研究の環境 整備、それから右側が最後のハードルであります審査、それから医薬品でいいますと、日 本は国民皆保険制度でございますので、保険価格というものが非常に大きな影響を持ちま すので、このイノベーションの適切な評価、こういった点につきまして、革新的製品のよ り適切な評価の検討ということを盛り込ませていただいている状況でございます。  1ページ目に戻りまして、特に「3.イノベーションの適切な評価」で、具体的な5か 年戦略の本文の記載をここに書いてございます。いずれにいたしましても、多くの施策を とりまとめておりますが、担当省庁といつまでに何をするのかを明示をしております。薬 価につきましては、ここにございますように、革新的新薬の適切な評価などの観点と、医 療保険財政の持続可能性等との調和を図る必要ということを1点書き込んでございます。 それから、革新的新薬の適切な評価に重点を置くという点と、特許が切れた医薬品につい ては後発品への置き換えが着実に進むような観点、こういう2つの観点を記載していると ころでございます。  5か年戦略につきましては、以上でございます。 ○遠藤部会長  御説明ありがとうございました。  順番に御意見、御質問をいただきたいと思いますけれども、まずはこの現行の薬価基準 制度について、また参考として、1−2について、昨年度の変更箇所を中心に御説明いた だいたわけですけれども、これについて御意見、御質問おありになる方は御発言をお願い します。  ちょっと私の方から1点ですが、前回の改定の一つの考え方としては、先ほどイノベー ションという話も出ましたけれども、よいものはそれなりに適正に評価しようというとこ ろがあったわけでありますけれども、まずそういうことで画期性加算率あるいは有用性の 加算率を上げたわけですが、実態は先ほど御説明がありましたように、参考資料1−2の 32ページにあるように、昨年度、制度改革前と比べますと、有用性加算(I)で35% というものも出現しておりますし、またこの適用の数そのものも増えてきているというこ とで、当初の方針に対してそれなりの効果があったという印象を持ったわけであります。  それと、質問なのですが、総会で先ほどオーファンドラッグについての新薬の加算の話 が出ました。また先ほどのお話の中で、比較薬がある場合、オーファンドラッグは3〜1 0%の加算がされるというお話が出たわけですけれども、総会で出たケースは原価計算方 式だったわけですね、原価計算方式の場合には、そのようなオーファンのときの何らかの 加算というものがルールの上では見えないのですけれども、それはどういうふうに今なっ ているのか、ちょっとお聞かせいただけますか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  それでは、原価計算方式のところは、ちょっと資料を見ながらの方がわかりがいいかと 思いますので、先ほどの1−1でいけば8ページ、それからもう少し細かい資料が1−2 にもございまして、1−2でいけば29ページであります。原価計算方式の場合に、繰り 返しになりますが、製造原価、管理費、営業利益、流通経費、消費税を足し込んで出しま すので、その薬を開発・供給するためのコストをきちんと積んでそれを償還価格としよう という発想からいくと、ではそれにプラスその薬の価値といいますか、そういったオーフ ァンドラッグ的な物の価値というものは、今のところは乗せておりませんし、そういう考 え方をとり得るのか、少し議論があるところかなと思います。  ただ、一つやり得るのは、原価計算方式の場合に、どうしてもつくる量がオーファンの 場合は減りますので、そうした場合に、単純に今、先ほど申し上げた、例えば販売費・管 理費を、これは平均的な係数を使っておりますけれども、もともとつくる数量が少ない場 合に、どうしてもこの比率ではなかなかできない場合があるということもございますので、 実際にかかった研究開発費、供給するために必要なコストをきちっと出していただいて、 この平均的な係数にとらわれず、必要だと思われる分については足し込んでいくと、その 場合には、ここで書いてございます37.7%を超えた額で乗せていくことは当然あると。 現実にそういった計算をやったこともございますので、そうした中で、オーファンドラッ グで販売数量が少ないものについての原価計算ではそのような要素を考慮している形にな ってございます。 ○遠藤部会長  わかりました。ありがとうございます。  それでは、御質問、御意見ございますでしょうか。 ○対馬委員  これも先ほどの総会で出た新医薬品でたしか気管支喘息の薬だったと思うのですけれど も、新規性に乏しいということですから、1−1の資料でいいますと7ページ目になると 思うのですけれども、新規性に乏しいものについては、ここに書いているとおりなのです が、キット加算ということで3%を、今回の総会でつけたと思うのですが、それはどうい う根拠というかルールになっているのですか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  キット加算の考えは、幾つか実は要件がございまして、キットにすることで、患者に対 する感染の危険を減少させる、調剤時の過誤を軽減させる、緊急の対応が必要でその迅速 な投与が可能になる、それから治療の質を高めることができる、この4つの要件のどれか を満たすとキット加算ということができるのが今のルールになってございます。今日はち ょっと説明の中には入れてございませんで恐縮でございましたが。  今回のものについては、喘息薬の場合、吸入薬が多いのですが、ガスでヒュッと噴霧す る形になってございまして、それを吸い込むようになってございます。実は、従来のもの もそういうふうに噴霧をしますので、同じような形態ではあるのですが、拡散しないです うっと入るようになっておりまして、出した量のかなりの率が肺に吸収されやすいという ことが立証されておりまして、そうであれば、そのようなキットの工夫をしているという ことで、治療の質を高めたということがございますので、キット加算の要件に該当すると 判断して入れさせていただいたということです。有効成分そのものは新規性に乏しいもの ということでございますけれども、そういったキットの部分におきまして、有効に有効成 分が使われるということもございまして、その点を判断してキット加算だけは算定したと いうものでございます。 ○対馬委員  今のお話でわかりましたけれども、ただどうなのですか、類似薬効比較方式(I)のと ころには有用性加算がありますね。恐らくそこでキットなども見られているのだろうと思 うのです。それで、今のお話ですと、新規性に乏しいものについてもルールがあって、必 ずしもここに書いていることだけではなく、ある種の有用性加算的なルールがあるのだと、 こういう話なのですが、ちょっとどういう整理なのかというのがわかりにくくなっている ような感じもします。例えば今のお話どおりだとすると、それでは、新規性に乏しい新薬 についても剤形の問題とかいろいろあって、それは有用性加算をつけたらどうかと、こう いう議論もあり得るのかもしれませんし、もう少し整理していただければありがたいなと、 こういうふうに思うのです。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。私もそのとおりだと思いますが、そこら辺のところの整理をし ていただければと思います。  ほかにございますでしょうか。  では、よろしゅうございますか。そうしましたら、次の御報告があったところで、「薬 価改定の頻度を含めた薬価算定基準の在り方(論点)」、薬−2の資料、それと関連した 流改懇の御説明である薬−3、この2つをまとめて御議論いただければと思います。この 内容につきまして御質問、御意見ございますでしょうか。 ○渡辺専門委員  「論点」のメモについての修正をしていただきまして、結論的には非常に感謝しており ます。流改懇等でも総価の問題については随分議論もされていくだろうと思います。医薬 品の卸としては、総価取引については今後も改善に取り組むべきだと考えておりますので、 その点でこの「論点」を拝読させていただきますと、若干物足りないなと感じたのでござ いますけれども、「言えないとの指摘もある。」というふうに、一つの見解として受けと めまして、お忙しい中修正していただきましたことに感謝申し上げたいと思います。どう もありがとうございました。 ○遠藤部会長  どうもありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○山本委員  薬−2と3の関連なのですが、前回のこの12月20日前後の議論からしますと、未妥 結・仮納入、総価といったものが薬価そのものに影響しているのではないかという指摘が あって議論が進んでいたと認識をしております。そして、流通の問題と制度の問題は別な のだというふうに落ちついたと理解をしております。  今回お出しいただいた薬−2と3の2つの資料を拝見をした上で事務局にちょっと確認 をさせていただきたいのですが、薬価制度そのものについては、議論をして結論を出して いくという、12月20日のその他の項目が載っている。あわせて流改懇の方では、今後 の問題として、総価あるいは未妥結・仮納入の問題について議論をし、秋口までに結論を 出そうということですから、この中医協の場では流通問題と薬価制度の問題そのものが混 在した議論はしないという理解でよろしいのでしょうか。あるいは常にここで議論があり ましたのは、議論が進んでいくと取引の問題だという話になってくる。ですから、それは もう流通の方できちんと整理をしていただいて、一定の何か解決が出た後に、中医協では 薬価そのものの在り方、したがって、例えば改定の頻度の問題にしましても、流通とはま た別の視点で議論をしていくという方針を事務局でお持ちになったという理解でよろしい のかどうか、ちょっと1点確認をしたいのですが。 ○遠藤部会長  事務局にお答えいただく前に、薬価政策が流通にどういう影響力を与えるかという話も あるかもしれませんけれども、少なくとも流通の結果として、未妥結率がこれだけあるこ とになる、1年たっても妥結率がこの程度だということになれば、そこからサンプリング した値はどういう意味を持つのか。その意味で流通実態が価格形成に非常に大きな意味を 持つ。そういう意味合いで流改懇の議論は極めて重要な参考資料になるということは間違 いないわけであります。  それでは、当初質問のお答えを事務局の方でできる範囲でお願いしたいと思います。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今のお話ですが、もともとここで今流通問題の御説明をさせていただいたのも、もとも とこの頻回改定の議論が、前回からの議論で、特に未妥結・仮納入の問題、総価の問題も 議論があるのだと思いますけれども、そういった問題でかなり影響を受けるということで、 そこが実際に何らかの改善ができるのかというのが実は大きなキーになるということで、 どうしても中医協での議論はそこも含めた議論になるということだったかと思います。  ただ、中医協で、ではどこまで流通の問題ができるのかということもございますので、 ちょうど今流通問題の流通改善懇談会の議論もいろいろ進んでいるところでございますの で、その御紹介をさせていただいて、あと実際にこの薬価専門部会でどの部分をどういう ふうに進めていくのかというのは、中医協で御議論いただいて、進め方の問題ではないか と思いますので、私どもの方としては、別途流通問題を議論する場があるということの御 紹介をさせていただいて、確かに今山本委員がおっしゃるように、ある程度切り離して議 論した方がやりやすいだろうという気持ちは持っておりますけれども、最終的には薬価専 門部会でどういう部分を議論するか、この場で決めていただいた方がよろしいかというふ うに思います。 ○山本委員  わかりました。流通の問題が不可分に結びつくことについては理解をしておりますが、 あたかも本来の薬価制度自身の議論とは別に、流通の問題に大きく影響がされて、薬価制 度あるいは改定の頻度といったようなものが影響されるようなことになっては本末転倒だ ろうと思いますので、そうしたことがないような議論の進め方をぜひお願いしたいと思い ます。 ○遠藤部会長  ただ、今のお話ですと、実際に適正な実勢価格が把握できるのかできないのかというこ とがまさに流通の構造に依存しているわけでありますので、そこを完全分離ということは 基本的にはできなくて、そこを視野に入れながらの多分頻回の議論というのは出てくるだ ろうということになるという、そういうことだと思います。 ○山本委員  部会長おっしゃるような十分な調査の上でということは十分理解しておりますので、よ ろしくお願いいたします。 ○遠藤部会長  了解いたしました。ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○鈴木委員  この調査客体が、7月が165社ということで、1月は63社になっていますけれども、 マーケットのシェアでいくと、調査客体が異なっても影響がないのでしょうか。 ○事務局(武田経済課長)  165社と63社というのが資料の中医協薬−3、2ページ目の一番上のところに「調 査客体数」と書いてございますが、医薬品流通は、近年上位集中がどんどん進んでおりま して、特に7月調査から10月調査、1月調査にかけて対象客体を絞りましたのは、注の ところに書いてございますけれども、ジェネリック専門の卸売業者さんは基本的にもう妥 結済みということでございましたので、それ以外の卸、そのそれ以外の卸というのは非常 に流通量が多いのでございますが、それ以外の卸に絞って調査をしたということでござい ます。ちなみにこの63社といいますのは、医薬品流通総量の恐らく9割を超えている水 準というふうに理解をしていただいて結構だと思います。 ○遠藤部会長  鈴木委員、よろしいですか。 ○鈴木委員  先発品の妥結率、10月と1月はそうであって、実はジェネリックの方はここに出てこ なくてもいいほどもう妥結しているということでよろしいのですね。問題は先発品に対す る妥結率というようなことになるのでしょうか。 ○事務局(武田経済課長)  ここで妥結率として数字で挙げておりますのは、全品目の薬価ベースの妥結率でござい ます。したがいまして、もちろんジェネリックも含まれておりますが、ジェネリックの普 及がまだ十分、諸外国に比べますと低いということ。それから、薬価そのものがジェネリ ックは小さいために、薬価ベースでいいますと、医薬品トータル6.9兆円という御紹介 がございましたが、そのうちの約5%前後ではなかったかと思います。したがいまして、 これは薬価ベースで妥結率を見ますと、妥結率を大きく左右するのは先発品が中心という ふうなことで理解していただいてよろしいのではないかと思います。 ○遠藤部会長  よろしゅうございますか。  ほかに御意見、御質問ございますか。  よろしいですか。そういたしますと、平成20年度以降における薬価改定の頻度につき ましては、「次回薬価改定を目途に、検討する」ということになっているわけですが、た だいま流改懇が開かれて審議されているということですので、今年の秋に、流改懇の検討 結果をこの場で御報告いただいて、それを聞いた上で頻回の問題を検討すると、このよう な段取りでやったらどうかと思うわけです。  仮に頻回改定をするとしましても、21年からですから、議論する時間はたっぷりある わけです。20年改定では当然やるわけでありますから。流改懇での検討結果をここで御 報告された以降にこの議論をするという段取りでいかがでございましょうか、これは提案 でございます。  御賛同いただけると思ってよろしゅうございますか。特に反対の方はいらっしゃいます か。よろしゅうございますか。それでは、そのような段取りで進ませていただきたいと思 います。ありがとうございます。  それから、御報告いただいた中では最後であります「革新的医薬品・医療機器創出のた めの5か年戦略」でありますけれども、医薬品・医療機器を我が国のイノベーティブな領 域の一つにしようというような考え方だと思いますが、これについての御意見ございます でしょうか。 ○丸山委員(代理高橋氏)  経団連の高橋でございますけれども、5か年戦略を今回まとめていただいて、大変高く 評価したいと思います。やはり医薬品・医療機器を日本のイノベーティブインダストリー にして成長を引き上げていくというのは、多分安倍総理の成長戦略だったと思いますので、 このことをまとめていただいて大変ありがたいと思います。  そこの中で、1つ意見と1つ御質問があります。「3.イノベーションの適切な評価」 の3行目に、「こうした観点から、革新的新薬の適切な評価に重点を置き、特許の切れた 医薬品については後発品への置き換えが着実に進むような薬価・薬剤給付制度にしてい く。」というふうに書いていますので、この「革新的新薬の適切な評価」と「後発品への 置き換え」というのを分離しないで一体の中で改革というのをぜひ考えていただきたいと 思います。これは財政中立的な観点もあろうかと思いますが、2つを分離するとどうも議 論が多分まとまらなくなってくるのではないかと思いますので、新薬評価と後発品への置 き換えは一体的として議論するという形をぜひとっていただきたいと思います。  それから、これは質問ですが、「適切な評価」というときに、もう既に有用性加算とか 画期性加算とか、かなりやってきているわけですから、「適切な評価に重点を置き」の 「適切」というときに、残ったものとしてどういうことを我々として検討していけばいい のかということ、あるいは厚生労働省としてどういうことを考えているのか、もしありま したら教えていただきたいと思います。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の評価については、先ほども私の方から御説明したように、前回の改定でも改善を図 っているところでございますけれども、では、その改善で十分なのかどうかとか、特に医 薬品がグローバルに流通するということを考えますと、今日でも外国平均価格より高いと か安いとかいろいろございましたけれども、そういったものと比べてどう考えていくのか とか、当然改善・改革はしておりますけれども、そういったもので十分かどうかという議 論も当然ありますし、そのほかにも、では、こういう手法もあるではないかとか、多分い ろいろなやり方もあろうかと思いますので、そういった検討事項も事務局の方でもできる 限りまた整理もさせていただいて、皆さんの方でも、委員の方でもいろいろとアイデアが あれば出していただいて、そういった点を、より改善するための方策はどうかということ の議論をこの部会でも深めていきたい、そんなふうに思っているところでございます。 ○遠藤部会長  私の方から一言。一体の中での改革でというようなお話だと思います。要するに、イノ ベーティブな開発を誘発するというような価格づけとジェネリックの普及という問題を一 体で考えるというお話だと思います。前回改定におきましても、「一体で」という言葉は 特に出ておりませんし、「財政中立」という言葉は特に出ておりませんけれども、基本的 にはそのような趣旨の議論がありまして、結果としてそのような価格づけになったという ことで、基本的にはそういう視点の共通理解は各委員の皆様方はお持ちではないかという ふうに私は理解しております。  以上でございます。  ほかに何かございますか。 ○山本委員  この資料の薬−4でありますが、政府が考えておりますイノベーションにつきましては 私も賛成でありますが、その中で特に薬価の問題が「3.イノベーションの適切な評価」 で議論されておりますけれども、置き換えて薬価の改定をするということも念頭にあるの だろうと思うのですが、その場合、新期性のある医薬品に現在の薬価改定は、下げると言 うとおかしいのですが、適正に評価をする方向で全体が下がっていくという傾向がありま す。今回、部会長御指摘のように、よりよい評価、よりよいものはちゃんと評価しという のは、前回の改定で実現されているわけですから、そこはいいわけでありますが、しかし、 よい薬をきちんと供給していくという方向からすれば、新薬だけではなくて、古い薬もた だ下げるだけということでは必ずしもよいわけではないのではないか、むしろ後発品を使 うということも大切でありますけれども、よい薬を長続きさせて使うという視点もありま すので、先ほどの資料、薬−2につきましては、これは中医協での合意事項でありますの で、検討することはもちろん賛成でありますけれども、あくまでも下げるのだということ が目途にあって議論するということでは困ってしまいます。最低薬価というのは決まって おりますけれども、よい薬が本当に長く続けられるような、その方が実際は開発力が上が るということもありますので、そうした点からの議論も必要なのではないかという気がい たしますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤部会長  次回改定を考える際にまた御議論をいただきたいと思います。ありがとうございます。 ○松浦委員  高橋委員と同じ心配をしているのですが、政府の基本方針で薬を取り上げるとなると、 薬−1−2の19ページに薬剤費の一覧がずっと書いてありますけれども、これが6.9 兆円がぐぐっと上向いてはね上がっていくというような数字には、そういうようなことに はならないのでしょうね。 ○遠藤部会長  ならないのでしょうねと言われましても、こればかりはだれもなかなか、薬の使用量の 問題もありますから、薬価だけではありませんので。診療報酬全体との絡みもありますし、 疾病の動向とか高齢化の影響とか、さまざま絡んでくるわけでありますから、最終的な責 任はだれも負えないと思いますけれども、検討する上ではもちろん視野に入っていること だと思います。 ○松浦委員  ちょっと高橋委員も財政中立的な考え方もと、こうおっしゃったものですから、私もち ょっと心配しているのです、それがぐっと膨れるのは。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○長野専門委員  これはお願いなのでありますが、後発品の使用促進というのは、医療費の面から重要な 項目、課題だと思いますし、その大前提は、良質廉価な後発品であることだと思います。 一方で、後発品の使用促進というのが、いろいろなところでどのぐらい進んでいるかとい う数値をもって語られるのですが、例えばパーセントで言えば分母と分子があるわけであ りまして、分母が一体何の分母なのか、それにつれての分子が何なのか、これがなかなか わかりづらい。数値だけが、パーセントだけが報道されたり発言されたりしているような 印象を専門委員として持っております。ぜひ精緻な分析に基づいた御議論というのを進め ていただくためにも、例えば後発品の使用促進に絡む普及のシェアとかパーセントという のは、その中身をぜひそろえて、諸外国と比較する場合も、きちんとしたデータと根拠を 説明していただいてパーセントを提示すると、こういうことを前提に進めていただければ というのがお願いでございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。要するに、国際比較をする必要もあるわけですから、それなり のデータのソースを明確にするということですね。私の理解では、包括化されている中で は、DPC対象病院以外では薬は何を使っているかわからないわけですから、そこでジェ ネリックが使われているかどうかわからないということで、恐らく生産段階で情報を集め て、それで比率をつくっているのではないかと思います。  これは事務局に聞いた方がよろしいかと思いますけれども、担当の部署はいらっしゃっ ておられますか。では、経済課長お願いします。 ○事務局(武田経済課長)  今日のお配りした資料には入っておりませんが、ジェネリック医薬品につきまして、現 在のシェアを倍増させていくと、30%目標という目標を今日の資料とは別途厚生労働省 として出しております。その点について今言及されたのだと思いますが、このデータにつ きましては、いわゆる数量ベースのシェアというふうな説明をしておりまして、これは関 係業界調べということになっておりますが、今部会長がお話しになりましたように、請求 の方のデータでは必ずしも包括化の部分がわかりませんので、製造業者の方で把握してい る実際の販売に係る数量、そこを全体の薬剤の販売量の中での後発品の販売数量、こうい うことで計算をしているというふうに私どもは聞いてございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。長野専門委員、よろしいでしょうか。 ○長野専門委員  よろしくお願いいたします。 ○遠藤部会長  では、その辺のところが明確になるようによろしくお願いいたします。 ○飯沼委員(代理中川氏)  先ほど薬−4の「イノベーションの適切な評価」のところで御意見がございましたが、 後発品への使用促進という議論がどうも多すぎるというか、それが主体になりすぎている ように思います。診療現場で医薬品を使う立場としては、例を挙げると、特許の切れた医 薬品の価格が後発品と同じであれば、当然我々は、前回飯沼委員がアンケート調査の結果 を申し上げましたけれども、有効性、信頼性、副作用、それから流通、情報の面で、やは り先発品は信頼感があるわけです。価格が同じならば当然先発品を使います。後発品がな ぜ普及しないかという問題点を解決しないうちに後発品へ置き換えるという限定された議 論は、慎重にやるべきではないかと考えています。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。1つは、後発品と先発品との価格差の問題があまりないのでは ないかということが暗に含まれていたようにも思いますが、その問題についてはここでま た議論ができると思います。  もう1つは内容の問題でありまして、これは前回、薬価部会ではございませんけれども、 御質問が出たような内容でありますので、これはいかがでございましょうか、承認の方法 について、及びその承認方法が例えばFDAと比較して我が国は何か劣るところがあるの かないのか、その辺のところをまたいずれ御報告いただきたいと思いますけれども、これ は多分薬価部会ではないところで出ると思いますけれども……、薬価部会に出るのですか、 どこかわかりませんが、事務局お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  必要であれば、今の中川委員のお話のように、本当に後発品は大丈夫なのかと、素朴な ところだと思いますが、実際にどのように品質、有効性、安全性の確保がされているのか、 そういったことがよくわからないとなかなか議論ができないではないかということであれ ば、当然そういったものもきちっとこの場でもお示しをした方が議論がしやすいだろうと 思いますので、そういった御紹介はやることはやぶさかではございませんので、準備させ ていただきたいと思います。 ○遠藤部会長  それでは、どこの部会に出すかはともかくとしまして、御準備いただきたいと思います。  ほかにございますでしょうか。  よろしゅうございますか。ありがとうございました。それでは、御報告いただいた内容 につきましては、御意見、御質問は出尽くしたというふうに思います。  それと、最後に1枚紙で、薬−5の「今後の予定」というのが資料としてありますけれ ども、これにつきまして事務局から御説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  資料は中医協薬−5でございます。「平成20年度薬価制度改革に向けた今後の予定」 ということでございます。事務局の方で今後の薬価制度の議論の大まかなスケジュールの 案を作成させていただきましたので、少し御説明をしたいと思います。  本日、薬価算定基準のあらまし等について御説明をさせていただきました。それで、で きますれば来月に、先ほど総会の方で薬価算定組織の加藤委員長から新薬の御報告がござ いましたけれども、新薬の薬価算定を日ごろからやられている専門の先生方の組織でござ いますので、そういった専門の先生方の組織からの意見を聞くことは意味があるのではな いかということで、毎回毎回制度改革のときに意見を聞いていることも考えますと、今回 も意見を聞くということがいいのではないかということで挙げさせていただいているのと、 それから、先ほどいろいろこういう今後の検討項目はどういうものがあるのかということ で、事務局なりに少し整理をさせていただいて、検討項目の整理の開始、それからあと薬 価調査もどうするのか決める必要がございますので、薬価調査の審議について、こういっ た内容について、できますれば、次回、6月の中旬か下旬程度を目途に開催することでど うなのかと。それからあと、薬価制度については関係業界、製薬業界、卸業界、いろいろ 御意見あると思いますので、そういった御意見も伺う必要があるだろうということで、7 月をめどに意見聴取をするような機会を設けてはどうか。9月以降、検討項目の審議を詰 めまして、10月ぐらいを目途に骨子のたたき台を議論しまして、最終的には12月中旬 に、どういう形でやるのかということの薬価制度改革を決めまして、来年4月の薬価改定 に向けての実施のスケジュールかなと。実際には夏以降といいますか、8月以降はまだま だ大まかなものでしかございませんので、これからいろいろあるかと思いますけれども、 全体のスケジュール感としてはこのようなところではないかということで、事務局として 用意をさせていただいたものでございます。  以上です。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  このような予定案でありますけれども、いかがでございましょうか。これは前回改定と ほぼ同じようなタイミングだと思いますが、御意見、御質問ございますでしょうか。  よろしゅうございますか。それでは、このような方向で次回以降進めさせていただきた いと思います。ありがとうございました。  それでは、ほかに特に御質問もないようであれば、これをもちまして本日の薬価専門部 会は閉会したいと思います。  次回日程につきましては、追って事務局より連絡をいたしますので、よろしくお願いい たします。  なお、この後材料専門部会がございますので、よろしくお願いします。ありがとうござ いました。                【照会先】                 厚生労働省保険局医療課企画法令第2係                 代表 03−5253−1111(内線3276)