07/05/10 平成19年5月10日議事録             第18回先進医療専門家会議議事録 (1)日時  平成19年5月10日(木)15:00〜 (2)場所  全国都市会館大ホールA (3)出席者 猿田座長 赤川構成員 越智構成員 加藤構成員 金子構成員        竹中構成員 田中構成員 永井構成員 樋口構成員 福井構成員       <事務局>        審議官 医療課長 企画官 歯科医療管理官 薬剤管理官  他 ○猿田座長  お忙しいところを、特に連休が終わった後で皆様方いろいろ仕事がたまっ ているときに、第18回の先進医療専門家会議に御出席いただきまして、ありがとうござい ました。  本日は、議題にありますように、第4番目の先進医療の施設基準の見直しがありまして、 少し時間がかかるかもしれませんが、要領よく進めさせていただきたいと思いますので、 よろしくお願いいたします。  まず、本日の構成員の出席状況でありますが、欠席の方は、北村構成員、新井構成員、 飯島構成員、笹子構成員、辻構成員、谷川原構成員、田中良明構成員、岩砂構成員、坪田 構成員、渡辺構成員でございまして、欠席の方が多いのですが、始めさせていただきたい と思います。  それから、永井構成員が少しおくれて出席とのことでございます。  また、事務局の方で人事異動がございましたので、宇都宮企画官の方からごあいさつを お願いいたします。 ○宇都宮医療課企画官 4月1日付で福田企画官の後任で参りました宇都宮と申します。 よろしくお願いいたします。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。  それでは、早速、議事に入らせていただきたいと思います。  まず、先進医療の届け出の2月受け付け分に関しまして、事務局の方から御説明をいた だけますでしょうか。 ○事務局 それでは、まず、先進医療の2月に届け出のございました新技術に関しまして、 事務局より御説明をさせていただきます。資料の先−1をごらんください。  前々回、この資料に関しまして御説明をさせていただきましたが、2月受け付け分とい たしましては4件が届けられております。61番「ポジトロン断層撮影画像による不安定プ ラークの検出」、62番「FDG−PETを用いたアルツハイマー病の鑑別診断」、1つ飛 びまして、64番「難治性自己免疫疾患に対する自己末梢血幹細胞移植」、この3つの先進 医療に関しましては、その右のその他の事務的対応等のところでございますが、薬事法上 の適用外使用というところに該当する技術であったということがわかりまして、事務局よ り返戻をさせていただいております。  また、63番「Real Time PCRを用いたEBウィルス感染症の迅速診断」に関しまして は、この申請された書類に不備があり、必要な添付文書がなかったということがわかりま したので、事務局から返戻をさせていただいております。  2月の受け付け分に関しましては、以上の対応をさせていただきました。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。63番は書類上の不備、61番、62番、64番は 今御説明がありましたようなことで受け付けられないということで、事務局より返還させ ていただいたということですが、特に御意見はございませんでしょうか。よろしいですか。 ありがとうございました。  それでは、続きまして、3月の受け付け分に移らせていただきたいと思います。先生方 から事前に評価もいただいておりますが、まず、事務局の方から御説明をいただきたいと 思います。 ○事務局 それでは、資料の先−2でございますが、先進医療の新規届け出技術の3月受 け付け分に関しまして、冒頭、事務局から御説明をさせていただきます。  この技術は7件届けられましたが、1ページには、先進医療名、適応症、自己負担の先 進医療費用、保険外併用療養費の保険給付分、技術の概要、受付け日が載っております。  2ページには、そのほかに、事前評価担当構成員、総評、適応症、その他として事務的 な対応等、評価の詳細という項目を載せさせていただいております。  65番「不可逆的小腸不全に対する生体(部分)小腸移植」でございますが、これに関し ましては今回事務局より返戻をさせていただいております。この事前評価の担当委員は金 子構成員にお願いをしておりましたが、この技術に関しましては研究段階の技術であり、 審査する以前のものということで、事務局から返戻してくださいという意見を受けまして、 座長とも御相談をさせていただき、今回はこのような対応をさせていただいております。  続きまして、69番「骨粗鬆症性脊椎骨折の骨癒合遷延および偽関節に対するX線透視下 経皮的椎体形成術」でございますが、この技術に関しましては、既存の技術である時限的 な技術A3という項目の中に、「腫瘍性骨病変および骨粗鬆症に伴う骨脆弱性病変に対す る経皮的骨形成術」という技術がございます。この技術と同じ技術であるということがわ かりましたので、医療機関に照会をさせていただきましたところ、医療機関から取り下げ という対応をとるということで手続がなされました。  またこの技術に関しましては、越智構成員に御相談をした上で、既存技術の範囲内とい う判断をいただいておりますことも申し添えます。  続きまして、70番「難治性膠原病に対する自家末梢血幹細胞移植療法」でございますが、 この技術に関しましては、薬事法上の適用外使用ということでございましたので、今回は 事務局から返戻をさせていただいております。  続きまして、71番「骨延長術による骨軟部腫瘍切除後骨欠損の再建」でございますが、 この技術に関しましては、既に保険適用されている骨悪性腫瘍手術と骨長の調整手術の技 術を一連の手技として行う技術であるということがわかりましたので、この技術に関しま しては、既に保険適用されている技術の範囲内ということで、事務局から返戻をさせてい ただいております。  残りの66〜68番の3件でございますが、本日御審議いただきたい技術となっております。  66番「神経芽腫患者における血清中遊離DNAを用いたMYCNがん遺伝子増幅判定」 でございますが、こちらに関しましては、別紙1にそれぞれ詳しい技術の概要、そして先 進医療評価用紙(第1号)で評価委員の評価、そして今回はその技術の評価を実施いたし ておりますが、今回評価をいただきましたのは、資料の先−2の2枚目に戻っていただき まして、66番の評価を渡辺清明構成員に御評価をいただいたところでございますが、今回 は否という総評をいただいております。  事務的な対応等の欄に関しましては、研究段階であるというコメントをいただいており ますが、本日、日程が合わずに、渡辺構成員は御欠席ですので、事前に渡辺構成員から今 回の評価に関する詳しいコメントをいただいております。これに関しまして座長及び構成 員の先生方にお配りをさせていただいておりますので、座長から御説明をいただきたいと 思っております。  事務局からは以上でございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。今お話がありましたように、渡辺構成員の 方から審査の結果について報告をいただいておりますので、簡単にそれを説明させていた だきます。資料の先−2の4ページ、「届け出先進医療技術の適格性の審査結果につい て」でございます。  「神経芽腫患者における血清遊離DNAを用いたMYCNがん遺伝子増幅判定」につき 先進医療としての適格性につき審査をいたしましたので、報告いたします。  本医療技術は、神経芽腫の予後因子の一つであるMYCNがん遺伝子を血清中で検出す るものであります。神経芽腫は頭蓋外に認める固形腫瘍であり、主に小児科領域でみられ る疾患です。  予後は、自然退縮から急速な致死的経過をみるものまでかなりまちまちです。本疾患に おいては、腫瘍細胞の核内にMYCNがん遺伝子を認める場合には、急速な腫瘍の増殖が 起こり予後不良となるとされています。本MYCNがん遺伝子は従来病理学的に検出可能 でありましたが、最近は血清中で遊離したDNAをPCR法で増幅して検出することがで きるようになりました。今回審査をさせていただきましたのは、このMYCNがん遺伝子 増幅判定技術です。  血清からのMYCNがん遺伝子の検出法は、材料として組織を用いて病理学的に検出す る方法に比し簡易であり、患者への侵襲も少ない利点があります。また、血清中から短時 間に本遺伝子の増幅の有無を判定できれば、手術前の患者の治療方針の決定や経過観察中 の患者の再発の早期発見に有用となる可能性が高いと思われます。  したがいまして、本技術は神経芽腫患者の予後判定に適応可と考えますし、技術的にも 当該の専門医がいれば安全に施行可能です。  ただ、3人の専門家の先生すべてから以下に述べますコンメトをいただきました。  本技術は、  1)我が国では、申請者の医療施設でほぼすべて施行しているのが現状であり、他の施 設ではそこへ検体を送付して検査しているケースがほとんどである。  2)Retrospective studyはあるが症例数が少なく、我が国における臨床的な有用性が確 立しているとは言えない。したがって、さらに例数をふやしてprospective studyを施行し、 我が国における本技術の臨床的有用性を科学的に確立すべきである。おそらく日本での有 効性を証明するには、今後、最低1〜2年はかかると思われる。  以上より、本検査は技術的には問題ないと思われますが、実際の普及性がかなり低い点 と有効性のvalidationが不十分であるという点で、今回は適格性に関しては否ということ にいたしました。 ただ、非常に有用な技術と思われますので、今後、臨床的有効性がさらに明確になれば 先進医療に導入可能と考えます。  以上の意見をいただいておりまして、実はこのテクニックに関しまして、RNA診断の 方としては、高度先進で通っているところがあるのですが、この形では確かに血中での非 常に利点があるのですけれど、もう少し検討しなければいけないということですが、先生 方から御意見を、特に加藤先生、いかがでしょうか。 ○加藤構成員 小児科の立場といたしまして、私どもの専門の方から聞いてまいりました ことでよろしゅうございましょうか。 ○猿田座長 はい。 ○加藤構成員 神経芽腫の予後因子として、腫瘍細胞におけるMYCNへの遺伝子の増幅 の有無を確認することは、治療法上の選択において極めて重要でございます。最終的な判 定には、組織におけるMYCN遺伝子の増幅の有無をPCR法、サザンプロット法、ある いはフィッシュ法で確認することが現時点では必要と考えられておりますが、腫瘍の性状 が困難である症例におきましては、申請された検査法によるMYCN遺伝子の増幅の検討 が重要な意味を持つものと考えられます。  また、本検査は、MYCN増幅例において治療効果の判定、再燃の有無の早期判定にも 有用と思われますので、本検査は患者血清を用いるため、簡便でかつ侵襲がない点も評価 されると思われます。  また、本検査は、商業施設を含めて多施設では一般的には施行されていないというとこ ろから、高度先進医療として承認していただければ幸いであると考えます。  以上のコメントをいただいております。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。今お話がありましたように、これは血中で できるということでの意義があると。今まで高度先進で通したのは、組織からRNAをと って診断をつけるという形で通っていたわけですね。ですから、このように非常に簡単に できるようになったという点ではいいのですが、渡辺先生の意見では、もう少し普及を見 たいということで。今は余りにも限られた施設で実際はやっていると。そこへ送ってやっ ているというところが問題ではないだろうかということで、本当は渡辺先生がいるともう 少し御意見をいただけるのですが、先生とすればもう少し様子を見てということです。  事例によって経過を見て、この間通したものもございますし、きょうのところは保留に しておいて、渡辺先生も、非常にいい技術であって、今後はぜひともと書いてありますの で、もしできれば施設にも話して、もう少し症例をふやしてもらって、それで検討してと いうやり方もあるのではないかと思いますが、どうでしょうか。  さっき申し上げたように、高度先進で、RNAを用いたものはもう通っていますので、 できますれば、私の考えとすれば、これは保留の形にしておいていただいて、施設が症例 をふやしていただくということと、今度は渡辺先生が出席のもとでもう一回議論をさせて いただくということで、加藤先生、よろしいですか。 ○加藤構成員 はい。 ○猿田座長 それでは、そういうことで進めさせていただきたいと思います。ありがとう ございました。  それでは、次へ行っていただけますか。 ○事務局 それでは、66番の技術は保留ということで確認させていただきます。  続きまして、整理番号67番「頭皮上電位分布解析によるMCI診断支援と認知症の経過 観察」でございます。この技術に関しましては、別紙2にそれぞれの技術の詳細が載って おります。また、この適応症に関しましてはMCIと認知症という形で、先進医療費、保 険外併用療養費というのはそれぞれ額と期間と回数を書いております。  この技術に関しまして、事前評価担当構成員の先生として樋口先生にお願いをいたして おりました。この関係でコメントをいただきましたところでは、総評は否ということで、 事務的な対応のところに書いておりますが、理由は研究段階であるというコメントをいた だいております。また、樋口先生から、本日御出席ではございますが、追加のコメントの 資料もあわせて御提出をいただいておりますので、それについてもあわせて樋口先生から 少し御説明をいただきたいと思っております。  以上でございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。  それでは、樋口先生の方から御説明をいただけますでしょうか。 ○樋口構成員 風邪を引いてひどい声をしておりまして、お聞き苦しいのをお許しくださ い。  そこにありますように、「頭皮上電位分布解析によるMCI診断支援と認知症の経過観 察」ということで出されております。実はこの領域は私の専門というわけではございませ んので、今回は脳波の特に解析を手がける専門家と、一方、認知症が対象でございますの で認知症の専門家をあわせまして、5名でワーキンググループをつくりました。それを総 合したものをきょうは説明させていただきます。  一般的に認知症を診断したり検査をする方法としては、心理テスト等で記憶障害等を検 査する。あるいは、PETであるとかSPECTであるとか、そういった画像の診断をあ わせて行うということが一般的に行われるわけですが、それらの方法は、心理テストは別 にして、PET、SPECTはいろいろな負担もかかるということで、もう少し簡便に早 期診断ができないかという発想から、これは普通の頭皮上脳波ですから、ある意味では普 通のルーチンでやるような電極を頭の上に置いて脳波をとる。ただ、その後でα波をコン ピュータ解析して、これをもとにすると、神経細胞が脱落していく状況に応じて頭皮上の 電位分布がゆがんでくるということをもとにして、例えばアルツハイマー病を多数でやっ てみると、確かにアルツハイマー病ではゆがみというものがかなりはっきり出てくるとい うことから、今回はさらにもっと初期の段階をこれで見つけることができるのではないか ということで、MCI(Mild cognitive impairment:軽度認知機能障害)の段階で、この 検査で診断することができないかという発想です。これが出来れば、さらにMCIという のは一部はそれが進行していってアルツハイマー病に発展する一群があるということで、 それをあらかじめこの方法でもう少し的確にとらえておけば、早期治療・早期介入の余地 が出てくるのではないか。発想としてはそういうことでございました。  それで、今のところ他の方法がない、まだ非常におくれた領域であるので、こういう客 観的な指標を用いることができるようになれば、この領域の臨床についても非常に有益で あるというのは十分認められると思いますし、この方法自体は非常に簡便な方法で、これ が実際にMCIの診断に適用できていくとすれば、大変意味のある方法だと思いました。  コメントが8ページにございます。そのワーキンググループで検討した結果をここでま とめたものでございます。  頭皮上の電位分布解析は、新しい解析方法であり、研究としては興味深い。自発脳波の α波を解析し、その異常パターンを補助診断技術とすることは、将来実現する可能性があ ると考える。しかし、「MCIおよび認知症の診断支援」が可能であるという届け出書の 記載は、対象とするMCIおよび認知症の診断基準が明確でなく、診断の正確さに疑問が あるため、本検査の有用性を主張する以前の問題がある。  これも先ほどのケースと類似したところがありまして、かなりの多数例をやっておりま すが、1施設だけでやっておりまして、そこの診断のつけ方、特にMCIをMCIとする という根拠が、一般的に用いられている方法からすると、少し甘いのではないかという批 判がございました。  さらに、本解析法によって脳機能活性度を先ほどのα波のディストリビューションから とるわけですが、これが健常高齢者とMCI、あるいは軽度のアルツハイマーとを鑑別し 得るとする根拠が十分ではない。彼らの論文を見ても、6ページにグラフが出ておりまし て、正常域、準正常域、そして黒く塗りつぶされているところが異常域でございますが、 こういう分け方をしておりますけれど、実際ここに当てはめている彼らの論文の中でも、 要注意域に多数の健常者が入っていたりするということがありまして、いかなる脳機能を 反映しているかというのが明確ではないということがございました。  MCIを臨床的に国際診断基準によって診断した上で本解析を加えることによって、M CIが将来アルツハイマーに移行することを予測できることを示すことができれば、これ は先ほど申し上げましたように、非常に予防的な、あるいは治療的な意味があるというこ とですが、このデータのみでは残念ながらそこまで言えないと。  もう一つは、D値が正常化していくということで加えた治療効果を反映できるのではな いかと主張しておりますが、このD値の変化は一体何を意味するのか、あるいは長期的な 薬物療法やリハビリテーションの効果を示す指標となり得るかについても、もう少し慎重 に議論をする必要があるであろう。  そういうことを総合して考えますと、この指標自体は研究的に重ねられてきた成果とし ては評価できるし、今後、もう少し臨床的な厳密な診断、特に認知症とアルツハイマー病 区別も含めて、その辺の使い方やMCIの臨床診断を的確に行える医療機関をもう少し広 げて検討して、その結果が出てくれば、十分それは対応できるのではないかという判断を いたしました。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。非常に詳細に御説明いただきまして、まだ 研究段階なのでもう少し詰める必要があるのではないだろうかということかと思いますが、 どなたか御意見はございますでしょうか。  これはほかの施設でも将来はやっていくのですかね。 ○樋口構成員 非常に簡便な方法ですし、解析装置というのはコンピュータ解析するだけ ですので、ここにもありますように費用は非常に安いものですから、ほかの施設で行うこ とも十分可能だと思います。 ○猿田座長 それによって客観的に見て正しくそういったことの予後が読めて、しかも、 もう一つは治療効果がはっきり出せるということであれば、先進医療として認めることは いいんですけれど。 ○樋口構成員 そう思います。 ○猿田座長 今の段階では研究段階ということで、否ということでよろしいでしょうか。 ○福井構成員 質問ですが、これは早期に発見すると、適切な介入により予防できると専 門家の間では考えられているのでしょうか。 ○樋口構成員 今のところ、アルツハイマー病を例にとって申し上げますと、早期に発見 した場合に全体の進行をおくらせることはできると。しかし、それを食いとめることは今 の治療法ではできない。ただ、アルツハイマー病の病態研究はかなり進んできましたので、 これから治療薬としては、ただ進行をおくらせるだけではなく、そこを少し抑えていくと いう薬物が今後登場してくる可能性はあると思います。そのときにこういうもので判定で きるかどうかというところにつながるのかもしれません。 ○猿田座長 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。  それでは、一応、きょうの段階ではこれは否ということにさせていただきたいと思いま す。樋口先生、どうもありがとうございました。  それでは、次の68番をよろしくお願いします。 ○事務局 それでは、続きまして、資料の先−2の1ページ、3件目の68番「定量的CT を用いた有限要素法による骨強度予測評価」の先進医療技術でございます。  適応症は、骨粗鬆症、骨欠損、骨変形、骨腫瘍等でございまして、別紙3に詳しく技術 が載っておりますが、その次の11ページをお開きください。68番の事前評価担当構成員と して越智構成員にお願いをしております。  審査の結果の総評としては適ということで、事務的な対応としては、「本法は骨粗鬆症 に対する治療法の適用判断や有効性評価に有用と考えられる」というコメントをいただい ております。  別紙3の10ページにそれぞれの具体的な内容を、11ページに先進医療としての適格性と いうことで、それぞれの有効性・安全性の評価がございます。最後の総評のところに適と いうこととコメントが載せられております。  そして、今回、適ということでございましたので、その最後の12ページに、当該技術の 医療機関の要件ということで、それぞれの実施責任医師の要件、医療機関の要件、その他 の要件がこういった形で示されております。  詳しくは、越智構成員から御説明をお願いしたいと思っております。  事務局からは以上でございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。  それでは、越智先生、よろしくお願いいたします。 ○越智構成員 御説明させていただきます。申請の書類にありますように、骨粗鬆症、骨 変形、骨腫瘍、骨腫瘍掻爬術後・骨髄炎爬術術後、このようないろいろな原因によりまし て骨の非常に脆弱な部分ができて、骨折に至る。特に高齢者におきます骨粗鬆症という場 合には、社会的にも非常に大きな問題がありますし、ポピュレーションも多いのでござい ますが、現在の検査法によりまして、骨の折れやすさということが適切に評価されていな い。  現実には、レントゲン写真で医者が眺めて判断するという非常に古典的な方法から、超 音波であるとか、pQCT、DEXAなどによりまして、骨塩量、骨密度などの測定を行 いまして、その総合判定という形で、薬の適用であるとか、あるいは骨折のしやすさに対 しましてのプロテクターとしてどのようなものを使うかと、そのような予防措置などが行 われておりますが、骨粗鬆症症例では骨折の頻度が非常に高いことが問題なのに、そのリ スクを評価する方法が無い。  そこで、実際に直接的にもう少し骨の強度、折れやすさというものを評価できないかと いうことで、特に有限要素法を使いましてのコンピュータシステムの解析を続けられたの がこの検査法でございますが、実際上、定量的なCTデータを用いまして、いろいろな方 向からの構造的な強度解析の数値を有限要素法で入れまして、コンピュータで処理をして、 特に骨の定量的CTデータから、それぞれの骨のどのような方向にはこれぐらいの強度ま で耐え得るとか、そういうものを定量的に算出するというのがこの方法でございます。  これによって、例えば経済効果がどうかということに関しましては、骨折が起きるかど うかでございますので、何年か見なければ明確なエビデンスはできないと。現在ございま す検査方法にしましても、それでは適切に骨の強度というのは評価できていないというの が、担当しております臨床現場ではだれもが感じていることでございます。  この方法は実際上の骨の強度を、例えば骨粗鬆症に対しましての薬剤を使いますが、こ の薬剤によって本当に強さが増しているのか、あるいはプロテクターを使って骨折を予防 する、例えばヒッププロテクターというものが使われたりしておりますが、それはどのよ うな方向に、どのようなものを当てるかというのを適切に判断できるのはこの方法という ことで、現場の医療上、非常に適切な検査方法ではないかと思いまして、11ページの下の 総評の欄で、「現在、臨床現場で行われている画像、骨密度、骨代謝等々との評価表によ っては、易骨折性は適切に評価されていないので、本法は骨粗鬆症に対する治療法の適用 判断や有効性評価に有用と考えられる」ということで、総合判定を適にさせていただきま した。  この適応症に関しましては、申請にございますいろいろな骨の脆弱性が起きます疾患が 書かれておりますが、ほかにも骨の脆弱性を引き起こしますような疾患がございますので、 これだけに限定せず、後ろに「など」を一言つけておいてほしいという意味で、適応症の ところをBの「妥当でない」とさせていただいております。  有効性に関しましては、先ほど申しましたように、これは何年かかかって実際のエビデ ンスが確立するものではないかと。また、従来の技術方法に関しましてはこのデータを用 いての骨の折れやすさというのは評価できていませんので、比較はなかなか難しいところ がございますが、Bの「従来の技術を用いるよりもやや有効」とさせていただきました。  安全性に関しましては、定量的CTデータを用いてのソフトによります解析ですので、 安全性はAの「問題なし」。  技術的成熟度に関しましては、ソフトを使いこなせるかということでございますので、 Aの「当該分野を専門とし経験を積んだ医師又は医師の指導下」とさせていただきました。  倫理的には、Aの「問題はない」。  それから、ソフトが開発されたばかりでございますので、Cの「罹患率、有病率から勘 案して、普及していない」。ただ、このソフトが普及しますとかなり簡便になりますので、 急速に普及するものと考えております。  効率性は、Bの「やや効率的」。  将来は、「保険収載を行う」というのが十分適当な検査方法になると考えております。  次の12ページですが、ここに並べられております骨の脆弱性、折れやすさに関しまして の診療科といたしまして整形外科。  資格としては、整形外科専門医。  経験年数として、専門医の年数は6年で採っておりますので6年。  当該技術の経験年数は、これはやはりきちっとソフトを使いこなせるかということもご ざいますので、1年とさせていただきました。  術者としては3例。実際にこの検査をコンピュータで処理いたしますのが3例ぐらいあ れば十分であろうと。まだ助手をやっているということは余り意味がないということもご ざいまして、助手は不要とさせていただきました。  実施診療科の医師数は、整形外科。  他診療科の医師数は、特に必要ではない。  看護配置も不要。  その他医療従事者の配置は不要。  病床数は不要。  診療科は整形外科。  当直体制は不要。  緊急手術の実施体制は不要。  院内検査は不要。  他の医療機関との連携体制は不要。  医療機器の保守管理体制――これはコンピュータシステムを使いますので、その意味で の保守管理が必要である。  倫理委員会は不要であり、医療安全管理委員会も不要である。  当該技術の実施症例数は、医療機関としては5例以上やってから先進医療と言えるので はないかということで、5例とさせていただきました。  そして、実績報告は不要とさせていただきました。  以上でございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。今御説明いただきましたけれど、非常に有 用性の高い診断法だということで、いろいろな病気がありますから、適応症のところには 書いてある以外に「など」をつけるということで、あとは認めてよろしいのではないかと いう御意見でございますが、先生方の方から御意見はございますでしょうか。 ○金子構成員 有限要素法につきましては、形成外科、口腔外科領域でもかなり昔からや られていまして、例えば形成外科では下顎骨折とか上顎骨折の場合の接合部のゆがみです とか、口腔外科ですとインプラントを挿入した場合の下顎骨のひずみとか、そういうもの をずっと研究されています。  ただ、どちらかというと趣味の世界という感じだったのですが(笑)、それに対してこ れは骨密度を追加することでもっと有用性を出したということで、非常におもしろい方法 だなと思ったのですが、ちょっと拝見した限りでは、有効性が認められていた事例はほと んど術後の症例ですね。術後の骨融合のところがどうかということで、それに対してのリ ハビリを指導する上で有用だったみたいな書き方がしてあったので、この適応症が骨粗鬆 症とかと非常に広い範囲だったので、むしろ非常に広くなっているのではないかなという のが第1点です。  第2点は、先ほど趣味の世界と言いましたけれど、ほとんどの方は市販の有限要素法ソ フトを自分なりにカスタマイズさせて使っていて、これも多分そういうところから出たも のだと思いますが、これも市販段階になっていて、すぐさまいろいろなところで広まるよ うな状態になっているのかどうかということをお聞きしたいと思います。というのは、先 ほどのものも非常に有用だけれど、1つの施設しかできないということで保留になったも のですから、この場合はそれがどうかということと、もう1点は、例えば医療機器である と薬事法がどうかといったことになりますが、ソフトとかこれに対してはどういう検証の 方法があるのか。その3点です。 ○越智構成員 最初におっしゃいました事例として骨折を起こしているということに関し てですが、骨折を起こした患者さんの反対側を評価して、左右同じではないのですが、近 い、骨脆弱性を示すオステオポロシスを起こしているだろう。ですから、骨折を起こした 患者さんの反対側を評価して、骨折が起きやすいリスクをここで想定できるかということ もありまして、骨折を起こした患者さんの反対側というので重点的に調べているというの が最初の御質問に関してのお答えです。  2番目の市販されているものがあるというのは、私は把握していなくてわからないので すが。 ○猿田座長 保険のソフトはどうなのでしょうか。 ○越智構成員 この中には出ていないのですが、東京大学の先進医療というのでしょうか、 工学研究科の中の有限要素法を御専門の方たちと一緒にずっとやっておられますので、市 販の既にできたものを持ってきているという安易なものではないです。どのようなものが 市販されているということに関しては認識しておりません。 ○猿田座長 そういうソフトというのは将来はどうなるのでしょうか。やはり特許を持っ たものになるのでしょうか。 ○越智構成員 機械のなかに組み込まれて、いろいろなCTのデータを入れるとか、そう いう形での特許と思います。 ○原医療課長 基本的に、今のCTにしろMRIにしろ、画像をきれいに見せるのはソフ トが全部やっているわけですので、そういう意味では機械と一体的なものだろうと思いま す。今回の3万9,000というのは、CTの撮影料なども全部含めて多分計算がされているの だろうと思いますが、これ自体のイメージとしては、保険に出るとしたら、骨強度まで計 算したら何点か加算を上げますよというぐらいのイメージかなと感じていたわけですが、 ただ、適応症の範囲についてですけれど、骨強度を何のために予測するかというと、リハ ビリでどれだけ負荷をかけても大丈夫かを予測するのだと私も初めは聞いていたのですが、 骨粗鬆症で治療をして、骨密度が上がっていくよというのまでこれではかる必要があるの かと。単純に、プレーンでもいいから――プレーンでできるのかどうかはわかりませんが、 骨密度が確かに上がっているという、それだけの情報でいい場合と、例えばリハビリのよ うにどれだけの負荷まで耐えられるかという予測をする必要があるものと、多分違うのだ ろうと思います。  ここで言っているのは、あくまで骨強度予測というものを出してきておられるので、そ ういう意味では、適応症としては、骨強度を予測する必要のあるものにある程度限定して いただく方がいいのではないかなと。将来的にこれを広げると、何でもやってしまいそう な技術のような気がしますので。 ○猿田座長 そうなると、適用はどうしたらいいんですかね。確かにちょっと広過ぎてし まうことも逆に言えば心配かもしれませんが。越智先生、いい考えはありますか。 ○越智構成員 理論的に、確かに強度予測ということでは、将来、保険収載を行うときに どこまで採るかという問題があります。少し広目に先進医療でとっておいて、その経過を 見て保険収載という考え方もあるのかなという感じで、広目にとりました。 ○原医療課長 入れるときに狭めるんですか(笑)。 ○越智構成員 そうです(笑)。 ○吉田座長代理 これは実際に泌尿器関係では重要なんです。というのは、腎がんの骨転 移の場合には、溶骨性なのでわかるんです。ところが、前立腺がんの場合に骨形成は白い ものですから、どれぐらい待てるのかというのはわからないんです。整形外科に依頼して も、例えば、「今、手術がいっぱいだから、あと後半年待ってくれ」とかと言うんですけ れど、もう病的骨折を起こすんですね。ですから、前立腺がんの骨転移のときの強度がど うなっているか今の技術ではわからないので、転移性の骨腫瘍というのを1つ入れていた だければと思います。  それから、骨粗鬆症と言ってしまうと、診断つけるのにほかのケースがいっぱいありま すから、そういう特殊な疾患にだけ今回は限定していただいて、骨粗鬆症を外していただ ければ、原課長の意向にも沿うのではないかと思いますが(笑)、いかがですか。 ○越智構成員 一般的ニードから言いまして、患者さんにお話しして、「こういう方法が あるけれど、希望されますか」とお聞きしたときに、骨粗鬆症の方が一番、「それをやっ てください」というポピュレーションが多いんじゃないかなという感じがします。ですか ら、何となく捨てにくいという気持ちもありますが。 ○猿田座長 内科の方へ来てそれを言いますかね。折れないかどうかとか言われています から。 ○福井構成員 私はこの資料をさっと見て、骨強度をこれほど正確に予測して、日常生活 の指導や過重労働の調整をしないと、クリニカル・アウトカムが異なってくるのか疑問に 思いました。 ○越智構成員 特に装具療法を、例えば骨粗鬆症でしたらヒッププロテクターなどがあり ますが、どのような形のもので、例えば外側がいいのか内側がいいのかとか、どのような 当て方をするか、どの向きに対して弱いとか、治療装具というのはそれほどエビデンスの ない、少しサイエンス性が欠けた医療領域ですけれど、こういう考え方を入れることによ って、もっと高いサイエンスの医療になるのかなという意味で、実際上、有用性はかなり あると思っております。 ○猿田座長 このソフトが非常に重要なので、その点でやたらの施設でできるというわけ ではないですよね。 ○越智構成員 ですから、絞るというのはそれでいいと思いますけれど。実際上、開発さ れたというのはソフトであり、機械の中に組み込んでの検査ということになります。です から、「ソフト」という表現が不適切であるとは思いますけれど、何を開発されたかとい えば、ソフトであるということで、実際上は検査機械ですので汎用性はあると思います。 ○猿田座長 非常に有用性は高いですから、一番はその適用をどうしたらいいかというと ころですよね。そこが一番重要なポイントになると思いますが、これはどうしましょうか。 ○原医療課長 お任せいたしますけれど、ただ、「など」でぼやかすのはできれば避けて いただきたいと思います。ですから、先ほど吉田先生から出た転移性の骨腫瘍、あるいは 悪性腫瘍の骨転移というのか、それを加えるとか、限定的にある程度列挙していただける なら、それでいいと思いますけれど。骨粗鬆症を抜けとは言いません。先生方の御判断に お任せします。 ○金子構成員 あくまで有効性が認められたものに対してこれを認めるべきですから、今、 吉田先生がおっしゃったことに関しても、果たして転移性骨腫瘍に対してこれが有効かど うかというのは、はっきり言ってまだわからないのだと思います。ですから、有効性のあ るものに対してとりあえず認めるという方向の方がよろしいんじゃないでしょうか。少な くともここに出ているものに関しては、骨粗鬆症がどうこうというのはこの資料には入っ ていないと思います。 ○猿田座長 でも、恐らく、転移性の点も検討はしているんじゃないでしょうか。 ○越智構成員 未発表ですけれど、検討してデータを持っていると言っておられました。 ○猿田座長 ですから、あるいはその点も確認させていただいて、それでしっかりこの適 応だけの病名で、「など」は使わないということで、吉田先生、よろしいですか。 ○吉田座長代理 はい。 ○猿田座長 では、そうさせていただけませんでしょうか。「など」は取ると。しかし、 重要な転移性のところはもう一回確認させていただいて、データをしっかり見て、それを 入れさせていただくということで。金子先生がおっしゃったように、今までに実績のある ものという形にさせていただくと。それでよろしいですか。  それでは、越智先生、どうもありがとうございました。そういうことで、これは適とさ せていただきます。そして、今の病名に関しましては、私も一緒に検討させていただいて 決めさせていただきます。  今までのところ、3月の受け付け分に関しましては、今申し上げたように、3つの中で 適用を認めたのは、最後の越智先生のところと、それから、渡辺先生の診断のことに関し ましては、保留の形でさせていただいて、もう少し症例の検討と、そして渡辺先生とも検 討させていただいた上で、もう一回出させていただくということでいきたいと思いますが、 よろしいでしょうか。  それでは、次に保留の案件ですが、実は平成18年12月8日の第18回の開催のときに、 「陰茎プロステーシス移植術」というのが保留になっておりました。これを担当なされた のは吉田先生でございますが、これに関する最終的な結論ということで、吉田先生の方か ら御説明をお願いできますでしょうか。 ○吉田座長代理 あの後、保留なので事務局といろいろ打ち合わせしました。そして、結 論的には、EDの疾患の診断が、今、保険でもって認められていないんですね。診断がな くて、技術だけどのようにしていいのかということが議論になりまして、とりあえず、こ の治療に関しては、診断がない以上、こちらは先行するわけにはいかないというので、来 年度の改正のときに診断法をできるだけ保険を導入していただきたいと。それが通った時 点でもう一回出していただく。しかも、これは一般のEDではなくて、病的なEDですの で、それもきちんといずれ限定してやると。ですので、結論としては否で、来年度改正の ときにできるだけこのEDの検査法について学問的な意味のあるものを通していただきた いと、そういう結論です。  ですので、この「陰茎プロステーシス移植術」に関しては、今回は否ということで結論 づけていただきたいと思います。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。今のような御説明で、吉田先生としては、 この会とすれば、この間保留にしておいた問題でございますが、きょうの時点でもって、 今の状況では否ということでお認めいただければと思います。よろしいでしょうか。  ありがとうございました。それでは、この保留であったものは否とさせていただきたい と思います。どうもありがとうございました。  それでは、時間の関係もありますので、続きまして、4月の受け付け分に関しまして、 事務局の方からお願いいたします。 ○事務局 それでは、先進医療届け出状況の4月受け付け分について御説明をさせていた だきます。資料の先−3をごらんください。  4月受け付け分に関しましては、4技術が届け出されております。  1件目は腹腔鏡補助下肝切除術、2件目は不可逆的小腸不全に対する脳死小腸移植術、 3件目は大腸癌の多発肝転移を対象としたCircadian chrono therapy、4件目は2回鋳造 法を用いた歯冠補綴治療という技術が届け出をされております。  以上でございますが、これに関しましては次回の御審議をいただくという状況でござい ます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。お手元にありますように、4月の受け付け は72〜75番までということでございますが、これは特に御意見はございませんでしょうか。 これからの審査ということになるわけでございますが。  審査そのほかに関しましてはこれで終わりまして、きょう時間をとるのは、前から先生 方に宿題でお願いしていた分がございまして、先進医療の施設基準の見直しということで ございます。事務局側がいろいろ整理してくださいまして、先生方とのやりとりで出せる ところからどんどん審査をしていこうということで、きょうはその第1回目ということで、 田中先生と吉田先生の事例ですが、まず事務局から御説明をいただけますでしょうか。 ○事務局 それでは、資料の先−4でございます。先進医療の施設基準の見直しにつきま して、第15回の会議で全体を説明させていただきましたが、その後、構成員の皆様方にお かれましては、お忙しい中を見直しに御協力いただきまして、ありがとうございました。 いただいた結果のうち、本日はお二方の先生の御審議をいただきたいと思っております。  この本日の技術は、全体で113技術がありますが、そのうちの12技術ということで御検討 をそれぞれ1つずつお願いしたいと思っております。座長と構成員の皆様方にはこちらの 技術の概要をお配りしてございますが、この資料の見方でございますけれど、1ページ目 に全体の表が載っております。そして、2ページ目には全体の技術の概要がございます。 その次のページに評価用紙1と評価用紙2がございます。この評価用紙の部分は傍聴席の 方には配付しておりませんが、それぞれの先生がコメントを書いたものでございます。こ れをもとに、事務局案の今回の施設基準の見直しのものを提出いたしております。  こういった4ページの構成でそれぞれ12技術についてつづっております。担当の構成員 の先生方におかれましてそれぞれの御説明をいただいて、その後、私の方から事務局案を 御説明させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。今御説明がありましように、先−4の資料 の最初のところに、田中先生の分の1、6、42、90、91、そして吉田先生の分がありまし て、その後、4ページにわたりましてその評価用紙がございます。案件は同じ婦人科領域 でもみんな違いますので、一つ一つをやっていきたいと考えております。  それでは、早速、田中先生からお願いいたします。 ○田中(憲)構成員 まず、最初の告示番号1と6はこの先進医療の会議で既に御承認い ただいたものですので、簡単にさせていただきます。  私は、この評価の見直しは不要といたしました。その理由は、この会議で認めていただ いた案件であるということ及び、その後実施している中で問題があるという報告を受けて おりませんので、見直しは不要といたしました。しかし、当該技術の経験症例数が、術者 として20例以上、または術者及び助手としてそれぞれ10例以上となっていましたが、事務 局案として術者として10例以上、それに加え助手または術者として10例以上という、その 点だけの変更であります。 ○猿田座長 ありがとうございました。先生側と事務局側の合作ということでございます が、今お話がありましたように、この第1番目の高周波の切除器を用いた子宮腺筋症核出 術ですが、これは今お話がございましたように、症例数も大分ふえてきているということ などにもこだわって、今の段階で、最初は20例だったものが、10例であればどうだろうか ということで訂正と。事務局もそういうことですよね。 ○事務局 はい、その通りです。 ○猿田座長 事務局からほかにございますか。それでは、これはお認めいただくことでよ ろしいですね。要するに、症例数は経験的なものでも10例でいいだろうと。  ありがとうございました。  それでは、時間の関係もございますので、次の6番についてお願いいたします。 ○田中(憲)構成員 これは胎児心超音波検査であり、産科スクリーニング胎児超音波検 査において心疾患が強く疑われるものを対象に行うものでございますが、これは私の方と しては見直しは不要とお返事してございます。また、専門の先生にもお聞きしておりませ ん。 ○猿田座長 ありがとうございました。  事務局の方、どうでしょうか。 ○事務局 事務局の方も不要ということで、変更はいたしておりません。 ○猿田座長 ありがとうございました。これも今お話がありましたように、先進医療とし て出てきたところのものでございますので、先生方は御記憶があるかと思いますが、特に 訂正は不要ということでいきたいということでございます。よろしいでしょうか。  それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。  次の事例をお願いいたします。 ○田中(憲)構成員 告示番号42の「子宮頸部前がん病変のHPV−DNA診断」でござ います。子宮頸部の前がん病変は、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分けられま すが、高度異形成の場合でも約50%前後の症例が自然に軽快することより、HPV、ヒト パピローマウイルスの組み込みがあるかないかという検査を加えることによって、不要な 手術あるいは不要なフォローが省けるというものです。この案件は高度先進医療において お認めいただいたものでございます。  筑波大学の吉川教授に御相談いたしましたところ、「有用性が高く、徐々に広まりつつ ある技術である」とのコメントをいただきました。  この技術は基本的には外来における検査でありますので、常勤医師が1名で十分であり、 緊急手術、院内検査、機器の保守点検、倫理委員会による審査、医療安全委員会の設置も 不要であると、このように見直してもよいとおもいました。  その根拠は、この技術はアウトソーシング検査として行われているのが現状ではないか と思いこのようにお返事をしたところでございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。  事務局の方はどうでしょうか。 ○事務局 事務局案でございますが、先ほど田中委員から御指摘がございましたアウトソ ーシングに関しましては、本来、先進医療におきましてはこの検査の場合は実施施設内で 実施することと決まっておりますので、今回、そういう形で考えたときに、先生に御指摘 いただいた修正については、実施診療科の医師数のところについては、事務局としては1 名という修正をさせていただいておりますが、その他の緊急手術とか院内検査とか、ある いは連携体制等々が不要という形にはならないのではないかなという考え方をさせていた だきまして、案では、かえたところは実施診療科の医師数の1名という変更だけになって おります。これについてまた御議論をいただければと思っております。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。今御説明いただいたことについて、田中先 生、いかがでしょうか、施設内でということであればこの状況になってしまうと。よろし いですか。 ○田中(憲)構成員 よろしいかと思います。 ○猿田座長 ありがとうございます。先生方、よろしいでしょうか。今お話がありました ように、この先進医療のところの原則的なことでは、その施設内でできるだけやるという ことになりますが、そうするとやはり施設内での処置ですから、こういった今までの人の 必要性とか、あるいは診療科の体制も必要だろうということになると思いますが。  それでは、そういうことでお認めいただいたということで、ありがとうございました。  それでは、田中先生、次をお願いいたします。 ○田中(憲)構成員 次は、告示番号90の「腹腔鏡下広汎子宮全摘出術」です。婦人科領 域におきましては、広汎子宮全摘出術は一番難度が高い手術とされています。現在、種々 の領域で腹腔鏡下の手術が行われるようになりましたが、このように難度の高い術式を腹 腔鏡下で行うというものであります。  倉敷成人病センターの安藤正明部長、この先生は今のところ我が国において腹腔鏡下の 広汎子宮全摘出術を一番多数行っていると言われている医師ですので、彼に問い合わせい たしました。  コメントのお示しいたしたように、個別に審査する高度先進医療と異なり、一たん認め られれば、審査基準を満たしたほかの施設が届け出だけで実施できる先進医療に本技術が 適格かどうかについて問い合わせをいたしました。難度が高い点および多数の経験を必要 とする技術である点より、実施者の習熟度について十分な吟味が必要であろうというコメ ントをいただきました。以上を踏まえて、要件の見直しとして、術者として10例以上、そ して術者または助手として10例以上といたしました。  診療科等の変更はございませんが、倫理委員会において5例目までは実施前に審査をし ていただきたいと。これは、腹腔鏡下では困難な症例も存在する可能性があるとおもいま したので、最初の5例目までは審査をしていただきたいと。そして、報告を10症例まで、 あるいは6カ月間は毎月報告をしていただきたいと、このように提出させていただきまし た。 ○猿田座長 ありがとうございました。  今、先生からお話がありましたように、早期の子宮頸がんの場合ということですね。 ○田中(憲)構成員 そうです。 ○猿田座長 ですから、そこのステージの問題というのは非常に重要な点が入ってくるの ですが、事務局からございますか。 ○事務局 事務局案は、先生の御指摘いただいた修正をそのまま載せさせていただいてお りますが、経験症例数のところについては、先生の方では、術者及び助手としてそれぞれ 10例でございますけれど、以前、様式の変更のところで、術者として10例をした人が助手 として10例経験していない場合にできないということもあるということなので、今回、見 直しのところでの考え方で、「実施者として10例」、それに加えて「助手又は術者として 10例」ということで変更させていただきましたが、これに基づきまして、先生の方から特 段問題があるかどうかもまたコンメトをいただきたいと思っております。 ○猿田座長 田中先生、いかがでしょうか。 ○田中(憲)構成員 構わないと思います。 ○猿田座長 これはきょうは施設基準の見直しですけれど、今までの症例数は、前のとき からの症例を見ると、やっているところが大分ふえているんですね。症例が多くなってい ますから。私はちょっと気になったのはステージの問題なんです。安易にできるからとい うことで進んだという点はありますが、施設の基準としてはそういう形でかなり専門的な ものですので。  どなたか御意見はございますでしょうか。これは専門領域になってしまって非常に難し いのですが。今の症例数のことだけ厳重にやっていただくということで。  田中先生、人数のことはこれでよろしいですね。 ○田中(憲)構成員 はい。 ○金子構成員 当該技術の経験が5年とありますが、これはスペシフィックに5年という ことですか。あるいは、腹腔鏡を使った婦人科手術とか。その辺はどのように考えたらよ ろしいでしょうか。 ○田中(憲)構成員 これは事務局の方で最初、専門医の資格をとればかなり技術を経験 しているからということで、専門医の年数と決めたんじゃなかったでしょうか。 ○金子構成員 これは専門医の年数という意味ですか。 ○事務局 基本的には、ここで書いている当該技術の経験症例数というのは、ここに概要 として載っている技術の経験症例数であって、専門医としてのものではないということだ と思います。 ○金子構成員 あるいは、内視鏡補助下の婦人科手術とか、そういうもうちょっと広い範 囲でもないということですね。 ○猿田座長 これは難しいのは、内視鏡学会の方の考えもまたありまして。ですから、こ の場合は、一応この技術として5年ということで考えていただくことになるのではないで しょうか。  それでは、そういう形で認めていただきたいと思います。  それでは、最後の91番をお願いいたします。 ○田中(憲)構成員 91番の「一絨毛膜性双胎妊娠」です。これは双胎で絨毛膜が1つの 場合、双胎児の間で血液の再配分が起こり、片方の児が大きくなる一方で、片方の児が小 さくなりますが、このような症例に対して、レーザーで胎盤の吻合している血管を焼灼、 切断、両児を救命する技術であります。  これは評価用紙1の下に書きましたが、非常に難度の高い技術であると思います。実際 にこの技術を実施している施設は日本でも成育医療センターをはじめとして数施設と思い ます。私の施設でも過去に8例ほど実施したのですが、技術に習熟した意師が移動したた めもうやらなくなりました(笑)。そのような技術であると思います。ですから、最後に 書きましたが、実施する施設数を余り多く広げるような技術ではないと理解しております。  資格のところは、私が知っている限りでは、産婦人科だけが行っているようであります が、小児科の先生も行っているとお聞きしたことがありましたので、ここに「小児科専門 医も加える」と書きましたが、私にとって不明なところがあります。  経験症例数は、難度の高い技術ですが、症例がそんなに多いものではありませんので、 多数の経験症例数を必要とするとだれもできなくなる可能性を心配して、5例といたしま した。  他診療科については必要であると。産婦人科が行う場合には小児科のドクターのフォロ ーアップが必要ですし、小児科が行う場合には産婦人科のドクターのフォローアップが必 要ということで、このようにしております。  また、実施診療科も、産科が実施する場合には、産科、小児科及び麻酔科、小児科が実 施する場合には、小児科、産科及び麻酔科とさせていただきました。  倫理委員会につきましては、症例により本技術の適用の有無の判断が難しいことがある と思いますので実施前に審査することに私はいたしました。 成育医療センターなどの御意見もいただきたいと思います。 このように私はお返事してございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。これはかなり技術的に大変だということで、 高度先進の最後のころに通ったのですが、今の小児の方の専門医というのは、小児外科の 方の専門医という形で議論させていただきたいと思いますけれど、事務局からそのあたり の御説明をお願いいたします。 ○事務局 こちらの方は、広告可能の専門医の一覧を参考にいたしますと、小児外科の専 門医というのが資格としてはございまして、そちらの小児外科専門医ということで事務局 案では載せさせていただいておりますが、そのほかに、病院によっては、診療科としては 小児科とか外科とか小児外科とか、そういう診療科の標榜があるかもしれませんけれど、 そこの部分についてまだわかりかねるところもございましたので、今回はこういった小児 外科と産科という形で事務局案としては提出させていただきましたが、構成員の御意見で もう少し追加・修正があれば、御指摘をいただければと思っております。 ○加藤構成員 成育の方ではかなり頻度が多く行われておりますが、御指摘のとおり、主 に産婦人科医がやってございます。猿田先生がおっしゃったとおり、ほかの科でやるとす れば、やはり胎児治療ということになりますので、小児科医は診断というところでは関与 してまいりますが、実際に行うのは小児外科かと思いますけれど、産婦人科医と小児外科 医で、小児科医は診断ということに参加するということであります。 ○猿田座長 ありがとうございました。そういう考えでということで、幅広い範囲まで入 れておくと小児外科の先生も一応入れておいていいのではないだろうかということで。実 はこのテクニックがあったときにそういうことがあったものですから。よろしいでしょう か。  あとは、施設のほかのところは、今までどおりのことでよろしいですね。特殊なところ ではかなりやられている技術ということでございます。  ほかに御意見はございますでしょうか。 ○事務局 確認をさせていただきたいと思います。  診療科は、今申しました小児外科と産科と書かせていただきましたが、これは小児外科 または産科という形で、その下の資格もそうですけれど、基本的に複数いなければならな いということではなくて、それぞれ独立した一診療科があれば、あるいは一専門医の標榜 する専門医がいればという理解でよろしいでしょうか。 ○猿田座長 はい、結構だと思います。  ほかに御意見はございますでしょうか。もしないようでしたら、それでは、これもそう いう形でお認めいただくということで、田中先生の分は、5つでございますが、今のよう な形で処理させていただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは、吉田先生の方へ移らせていただきたいと思います。お願いいたします。 ○吉田座長代理 それでは、告示番号の7ですが、ついこの間、先進医療で認めていただ いた技術ですので、これは不要にしたのですが、事務局では要になった要件はありますか。 事務局案では「見直し要」になっていますけれど。 ○事務局 実は大した見直しではないのですが、先生の御指摘いただいた病床数の要とい うところの「1病床以上」という、「1」が加わったことと、先ほどから見直しをしてお りました当該技術の経験症例数につきまして、「実施者として5例以上」、それに加えて、 「助手又は術者として5例以上」というところを変更させていただいておりますので、そ れについて御意見をいただければと思っております。 ○吉田座長代理 特に学会としてはこれは初めて認めていただいたので、特に手をつけず におこうかと言っていたのですが、私どもの組織がかわりましたので、「5」でいいと思 います。 ○猿田座長 ありがとうございました。今お話がありましたように、そこの部分だけ、症 例数のところと、そういったことの変更ということですので、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。それでは、これはお認めいただいたということで、その次をお 願いいたします。 ○吉田座長代理 告示番号16の「人工括約筋を用いた尿失禁の治療」ですが、これは学会 で、今、前立腺がんの術後の患者に尿失禁が多いんです。それで、調べましたら、今、年 間3万件ぐらいやっていて、約1割以上、600人ぐらいが尿失禁で困っているのだそうです。  それで、各施設、勝手に手術をやっておいて、尿失禁を起こすとみんな大病院へ回して くるんです。当時の尿失禁の手術と比べますと非常に簡単になっているんです。30分ぐら いで局部麻酔でできまして、高度から普通の先進へ来ましたので、要件を見直していただ きたいということで、症例数は大分減っております。事務局案にありますように、症例数 は術者として3例もあればいいだろうと。助手または術者としても2例、合計5例やれば ほぼ簡単にできるということです。  それから、当直体制についても、ある施設からは、「1人しかいない病院でもできるの だ」と言うのですが、先進医療ですので、当直体制はとっていただきたい。ただ、院内検 査については本当に予後でいいんですかという意見があったので、後で事務局からお聞き したいと思います。  ほかについてはかわっておりません。 ○猿田座長 ありがとうございました。これは麻酔の先生はもう必要ないということです ね。 ○吉田座長代理 ええ。もう局部麻酔でできますから。 ○猿田座長 それでは、事務局の御意見もいただけますでしょうか。 ○事務局 先生の御指摘を踏まえた修正がほとんどですので、もし差し支えなければ、こ の事務局案でお願いしたいと思います。 ○吉田座長代理 そうすると、院内検査もやはり必要ということで、いいですか。 うちも1回やったのですが、その後、ある施設から連絡があって、2〜3名でやっている 有床診療所でもできるのだそうです。そういう場合には検査体制がないので、いかがでし ょうかというので。先ほどの説明で、高度先進医療では施設でもって限定しますので、必 ず院内検査は必要だということであれば、これは結構です。 ○猿田座長 これはかなり症例数がふえているんですね。 ○吉田座長代理 ふえていますね。 ○猿田座長 今、前立腺の手術が多いですからね。 ○吉田座長代理 では、修正なく、これでいいですか。 ○猿田座長 それでは、お認めいただいたということにさせていただきたいと思います。  続きまして、28番の「焦点式高エネルギー超音波療法」をお願いいたします。 ○吉田座長代理 これも前立腺肥大症がほぼ簡単にできるんです。最初のころは技術が必 要だったのですが、もう簡単にできますので、事務局と相談しまして、症例数だけかえて もらっています。術者が3例、助手または術者が2例、合計5例です。それから、勝手に 外来でやられますと困りますので、やはり入院が必要ということで、病床数も1にしてお ります。これは麻酔が必要ですので、麻酔科を含めております。 ○猿田座長 ありがとうございました。事務局の方からいかがですか。 ○事務局 これは先生の御指摘のとおりの修正をさせていただいております。 ○猿田座長 これもこのごろかなりふえてきていますね。 ○吉田座長代理 ええ、結構やっています。 ○猿田座長 かなりやられている技術とそうでない技術とがあって、これはかなりやられ ている技術ということで、先生方、よろしいでしょうか。かなり専門的な技術になってし まいますが、入院でやるということで病床数を加えさせていただいたことと、あとは術者 としての問題ですね。  特に御意見がなければ、これをお認めいただいたということにさせていただきます。  続きまして、63番の「特発性男性不妊症又は性腺機能不全症の遺伝子診断」をお願いい たします。 ○吉田座長代理 これも多少かわっておりますが、事務局と相談しまして、この疾患自体 は余り普及していないので、この間の集計でも数例しかないと思いますけれど、こういう 症例は少ないんです。性腺機能不全というのは、小児科で見つけるか泌尿器科で見つける かなんです。でも、ないわけではないので、事務局案にそろえました。  一部修正ですけれど、診断ですので、もう3例もやれば十分だろうと。しかも、術者と して3例やれば十分だろうということで、かわっております。  それから、遺伝子診断で臨床検査技士がやはり必要だろうということで、臨床検査技士 をその他の医療従事者につけ加えております。  それから、これは、倫理委員会は必要ですけれど、医療安全管理委員会は特に必要ない だろうということで、かえてございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。今御説明がありましたように、これは調べ てみると余り多くやられていないんですね。高度先進医療にはなっていますけれど。でも、 今言った形での見直しが必要だと。事務局の方、何かございますか。 ○事務局 事務局案は吉田構成員の修正のとおりでございます。 ○猿田座長 結局、非常に普及している技術とそうではない技術とがあるのですが、でも、 今度の場合は施設基準の見直しということなものですから、大体の範囲のところで、これ はまたいずれ見直しをしなければいけないと思いますが、今のところでは一応、施設基準 としてはそういう形で行くということで、御了承いただきたいと思います。  続きまして、78番の「膀胱尿管逆流症に対する腹腔鏡下逆流防止術」をお願いいたしま す。 ○吉田座長代理 これは腹腔鏡下ですけれど、非常に危険の少ない場所なんです。それで、 高度先進医療から先進医療に来ましたので、一部の要件を見直していただきたいというこ とで、話し合いをしまして、ほぼ事務局案に沿って結論づけました。それで、術者として 5例、助手または術者で5例。  それから、これは入院が必要ですので、病床数は要と書いてございます。  それから、倫理委員会による審査体制は特に必要ないだろうということで、倫理委員会 は不要になっています。 ○猿田座長 ありがとうございます。これも局麻でできるということですね。 ○吉田座長代理 局麻でもやろうと思えばできますね。 ○猿田座長 これは麻酔科は取っていいですね。 ○吉田座長代理 いや、これは局麻というより、麻酔は必要ですので、麻酔科はそのまま です。麻酔科1名以上ということです。これは委員会では外したのですけれど、やはり麻 酔は必要ですので、事務局案でいいと思います。 ○猿田座長 事務局、どうでしょうか。 ○事務局 診療科の麻酔科を削除したのは、診療科がなくても、ドクターが非常勤でいら っしゃればいいという理解をしております。 ○吉田座長代理 そうなんです。実際には常勤の麻酔科というのは少ないんです。 ○猿田座長 その形であれば、麻酔は除去していいわけですね。 ○吉田座長代理 はい。 ○猿田座長 あとは事務局として何か御意見はございますか。 ○事務局 78番に関しては特にございません。 ○猿田座長 それでは、今、吉田先生に御説明していただいたとおり、技術の経験年数の 部分をかえさせていただいたのと、症例数のところを変更していただいたということで、 よろしいですね。 ○吉田座長代理 はい。 ○猿田座長 ありがとうございました。  続きまして、81番の「泌尿生殖器腫瘍の後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節 郭清術」について、お願いいたします。 ○吉田座長代理 これも要件の見直しをしていただきたいと。それから、経験年数は5年 以上。当該技術の経験年数も5年から3年にしていただきたい。症例数は5例・5例です。  かえましたところが、診療科の医師数ですけれど、これは高度先進のときは3名必要だ ったのですが、これだけ進んできますともう2名でいいんじゃないかということで、常勤 医師は2名です。  それから、病床数も、これは入院が必要ですので、要ということです。  倫理委員会ですが、これも大分進展していますので特に必要ないだろうということで、 倫理委員会は不要。  医療機関としての実施症例数も、10症例から5例にしていただきたいということです。 ○猿田座長 ありがとうございました。事務局の方はいかがでしょうか。 ○事務局 特にございませんが、削除をお願いしたい点が1点ございます。下から2つ目 の頻回の実績報告でございますけれど、これは今回不要となりましたので、「10」症例と 「6」カ月というのは本来ないということになりますので、消した形で事務局案とさせて いただきたいと思います。 ○猿田座長 ありがとうございました。  どなたか御意見はございますでしょうか。これもかなりやられている技術になってきて いるということで、症例数の見直しをさせていただいたということです。  それから、事務局からありました頻回の実績報告は不要ということでございます。  よろしいでしょうか。  それでは、これもお認めいただいたということにさせていただきます。  最後に、A9番の「腎悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼療法」について、お願いいたしま す。 ○吉田座長代理 これも高度先進医療よりも大分進んでいまして、ほとんどの医療機関で できるんです。悪性腫瘍のときにラジオ波で焼灼して部分切除をしようというので、これ は大分普及しましたので、要件の見直しをお願いしたいと思います。  特に経験年数は5年から3年にしていただきたい。  それから、当該術の経験症例数は術者が3、助手が2ということにしていただきたい。  それから、具体的医師数も、常勤が2名もいれば十分できますので、2名にしていただ きたい。  それから、当時は放射線科の技師が必要だったのですが、もう必要ないので、麻酔科医 がいればいいんじゃないかということです。最初は放射線科のドクターがついてやってい たのですが、今はすべて泌尿器科医あるいは麻酔科医でやっていますので、必要ないので はないか。  病床数についても、これは入院が必要ですので、要。  診療科も、昔は放射線科が必要だったのですが、泌尿器科だけで十分であろうと。  倫理委員会も、これは普及していますので、不要であろうと。  当該技術の実施症例数も、10症例から5症例で十分ではないかということです。  事務局案に沿っていますけれど、頻回の実績報告も、括弧内は削除ですね。 ○猿田座長 これはもう病理部門は必要ないということですね。 ○吉田座長代理 もう必要ないですね。 ○猿田座長 ありがとうございました。  事務局の方はいかがでしょうか。 ○事務局 今、吉田委員が御指摘いただいた頻回実績報告のところを修正するという程度 でございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。  きょうはやり方がなかなか難しくてわからなかったのですが、かなり専門的になってし まうのですけれど、先生方と事務局との相談で比較的処置をしやすいというか、やれると ころからかけてみようという形で、きょうは田中先生と吉田先生の分をこういう形で決め させていただきました。  だんだん進んでいきますと、特に外科的な療法の難しい高度先進を先進に持ってくると ころのあたりで非常に議論が出てくるかと思うのですが、少しずつ事務局の方と相談しな がら、出しやすい形で処置させていただければと思います。  今、これはあくまでも施設の方の基準ということで、また技術的な問題のことも検討し ていかなければいけないと思いますが、今日のところはこういった形で、先進もありまし たが、高度先進のところの主なものが見直されて、こういう形でこれからやっていくとい うことです。今日お話しいただいたものは、比較的に簡単な変更で済んだのかもしれませ んが、総合的に見て、事務局から何かございますか。 ○事務局 今、座長におっしゃっていただいたとおりでございますが、修正等の意見の強 かった技術が残っております。なお、あと101技術残っておりますので、今後の方が時間を 要するかもしれません。また、次期改定の前には、収載する技術、あるいは先進医療から 外す技術という評価もいただくことになっておりますので、そういうときにこの技術自身 の見直しだけではなく、保険に収載する、あるいはこの先進医療から外すという議論もさ せていただきますので、そこでの議論をしていただきたい部分についても、今回、先生か ら御意見をいただいている中にはございましたので、そこの部分を先生方と御相談をして、 意見を調整させていただいて、またこの会議で御審議をお願いしたいと思っております。  以上でございます。 ○猿田座長 ありがとうございました。高度先進のときはたしか1年に1回見直しをやっ たんですね。それで、余りやられていないのはもう外していいんじゃないだろうかと。そ れから、保険へ持っていけそうなものは保険へ持っていく形を議論しようということでや ってきましたが、やはりいろいろなテクニックがあって、高度先進当時から全然やられて いないような技術もありまして、そういったこともこれからもう少し検討していければと 思います。  今、実際に先生方に宿題としてお願いしてあるのも非常に難しい問題も入っていて、先 生方は大分お困りのことがあるかもしれませんが、ともかく順繰りに相談させていただき ながらやっていきたいということでございます。  それでは、きょうの見直しのところは、田中先生と吉田先生、御苦労様でございました。 ありがとうございました。一応終わらせていただきたいと思います。  では、次に入らせていただきまして、先進医療の副作用・合併症の報告等(修正版)に ついてを事務局から御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、資料の先−5に基づきまして、先進医療技術における重大な副作 用・合併症が生じた際の対応について御説明申し上げます。  前回、前々回に御審議をいただいておりました資料を提出させていただいております。 先−5の平成19年1月12日におきまして、「先進医療技術における重大な副作用・合併症 が生じた際の対応について」ということで、対応案について1〜6まで、副作用・合併症 が起きたときの対応について、この案でいくという形で御審議をいただいたわけでござい ますが、今回、先−5の平成19年3月8日の資料になりますけれど、その報告の範囲と期 日に関しまして、条件づけを提出させていただきましたところでございますが、その3月 8日の会議におきまして、2の報告の期間の(1)に関しまして、届け出をする死亡につ いて、あるいは死亡につながるおそれのある症例についての届け出する判断基準がなかな か明確ではないという御指摘をいただきました。  そこで、平成19年5月10日、本日の資料ですが、その下線の部分を今回修正をさせてい ただきました。「7日以内に届け出るものとする。(なお、報告すべきかどうか判断に迷 った場合についても全例7日以内に届け出るものとする。)」という形で修正をさせてい ただきましたので、こちらでよろしいかどうか御審議をいただいて、決定をさせていただ きたいと考えております。  以上でございます。 ○猿田座長 どうもありがとうございました。これはこの前からも議論をしていますけれ ど、最終的には、今お話がありましたような形で、7日以内に届け出という形にしており ますが、永井先生、何か御意見はございますか。 ○永井構成員 いえ。よろしいと思います。 ○猿田座長 先生方、よろしいでしょうか。今、高度先進からまた先進になって、いろい ろなことがもし起こったときには、疑った場合にも7日以内に届けてもらうという形にし ていただければいいんじゃないだろうかということでございます。  この形で最終的に認めていただくということで、よろしいでしょうか。  それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうござ いました。  きょう予定いたしましたことはそれだけですが、その他としまして、事務局の方からご ざいますか。 ○事務局 特にはございません。次回の日程に関しましては、まだ日程調整中でございま すので、決定次第、また御案内をさせていただきたいと思っております。よろしくお願い いたします。 ○猿田座長 この次からも、きょうのような見直しが入ってきて、少し時間をとられると ころがあるかもしれませんが、どういう形でやっていくか、事務局の方ともよく相談して、 要領よくわかりやすくやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  先生方から特に御意見がないようでしたら、時間は少し早いですけれど、きょうはこれ で終わらせていただきたいと思います。御協力をどうもありがとうございました。                                    −了−  (了) 【照会先】  厚生労働省保険局医療課医療係  代表 03−5253−1111(内線3276)