07/04/19 有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会 第6回速記録 第6回有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会  開催日:平成19年4月19日(木) 場所:厚生労働省専用第22会議室 ○ 中垣審査管理課長  ただいまより、第6回「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」を開催 させていただきたいと存じます。本日は大澤委員、倉田委員、森田委員の御三名から御 欠席という御連絡を受けております。南委員からは少し遅れて参加するという御連絡を いただいております。なお、本日は高橋医薬食品局長は国会等用務のために失礼させて いただいておりますが、申しわけございません。  それでは、高久座長、以降の進行をよろしくお願い申し上げます。 ○ 高久座長  それでは、第6回「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」をただいま から開催いたします。最初に、資料の確認を事務局からよろしくお願いします。 ○ 山本承認審査等推進室長  それでは、お手元の資料の議事次第に資料一覧がついておりまして、それに従いまし て確認をお願いいたします。議事次第の後ろに座席表がついておりまして、これは望月 委員の名前が漏れておりますが、南委員の隣に望月先生がお座りでいらっしゃいます。 それから、資料1が開催要綱、資料2が名簿でございます。資料3といたしまして、前 回、前々回の検討会の主な議論を取りまとめたという横長の資料がございます。資料4 は、前回もお配りしたものと同様の論点整理の資料でございます。資料5として、「第6 回検討会の検討課題に関する参考資料」という横長のとじてある資料がございます。そ のほかに当日配付資料を1枚追加で用意しております。  用意しております資料は以上でございますが、落丁等がございましたら、事務局まで 御指摘いただければお届けいたします。 ○ 高久座長  そういうことでよろしくお願いします。では、まず本日の議題(1)として、これは 報告事項ですが、前回のこの検討会で機構の就業規則についていろいろ御議論が出まし て、その御意見を事務局が整理していますので、資料3に基づいて説明をよろしくお願 いします。 ○ 山本承認審査等推進室長  それでは、資料3をごらんいただければと思います。前回、前々回と、医薬品医療機 器総合機構の就業規則に関する議論がございましたので、それで主な意見を1枚目の紙 にまとめております。  最初の○のところですが、機構における相談業務や承認審査業務に従事する人員とし て、製薬企業で研究・開発に従事していた人が必要となるのではないか。これらの人を 採用後2年間、相談業務や承認審査業務につけないということでは、人材を有効に活用 できないのではないか、というような意見がまずございました。  それから、製薬企業で研究・開発していた人が、自分の出身会社の品目の審査には一 定期間携わらないことは理解できるが、他社の品目の審査に携わった場合の透明性を確 保することが重要なのではないか、という御意見をいただきました。  さらに、製薬企業で研究・開発に従事していた人を、自身の出身企業の品目のみなら ず、すべての品目の審査に一定期間従事できないこととする合理的根拠が明確ではない のではないか。審査員には厳しい守秘義務が法律上課されているし、刑事罰もついてい て、これでカバーできるのではないか。なお、金融庁においては、金融機関への十分な 監督や検査のために、弁護士、公認会計士だけでなく、金融実務経験者、金融機関に勤 務の経験がある方を積極的に中途採用、あるいは任期付き採用を実施していることもあ るという御指摘をいただきました。  それから、現在国民が求めていることは、審査に当たっての社会的信頼を損なわない でほしいということと同時に、審査の迅速化と質の確保を求めているという御指摘があ りました。企業での経験というのは大変高度で専門的なものであって、このような人的 資源を有効に活用することが、国民の希望にかなうのではないかということで、前回御 議論があったということでございます。  その後ろに別紙として、前回と同じ資料でございますが、現在の独立行政法人の就業 規則について抜粋したものを用意しております。  その次でございますが、総合機構が設立されるに当たりまして、国会でどのような審 議があったか、国会におきます決議がどのようになっているかということでございます。 3ページ目の下線をつけているところでございますが、「機構の業務が製薬企業等との不 適切な関係を疑われることのないよう、役職員の採用及び配置に関し、適切な措置を講 ずること」ということで決議がついております。さらに国会でのそのときの議論につき まして、この紙の最後の6ページに下線をつけているところがございますが、これは当 時法律の審議に当たりまして、厚生労働大臣が答弁をしたところで、そのまま議事録か ら引いております。(4)というところで、「製薬企業等の元職員の新法人への就職と新 法人の役職員の退職後の再就職について、業界との癒着が起こらないよう厳格に対応す るため、国家公務員に対する離職後従事制限の例を勘案し、就業規則等において一定の 制限を行う」というようなことについての発言をしているところでございます。  事務局の用意しております資料は以上でございます。 ○ 高久座長   どうもありがとうございました。前回の議論に御意見のあったこと、これが資料3の 1ページ目に要約されています。このような形で、企業で研究・開発に従事していた人 を機構で採用して、自身の出身企業の品目は当然避けることになると思いますが、その 他の品目の審査に関しては透明性を確保しながら審査に当たっていいのではないかとい うのが、多くの方の意見だと思いました。いかがなものでしょうか。もし御異論がなけ れば、ここに法律に詳しい松本恒雄委員がいらっしゃいますので、また事務局と相談し てまとめていただけると思います。よろしくお願いします。それではどうもありがとう ございました。  次に、議題(2)の「検討課題」ということで、これは資料4の論点整理に示されて いるいろいろな課題について、具体的な検討を行っているところですが、今回はその整 理された論点のうちの論点4に関連して、すなわち「科学的合理性に基づく柔軟かつ効 率的な承認審査方法」について、また論点8にあります「国の承認を経ない未承認薬の 使用に関する考え方」について、この2つの問題を御議論いただきたいと思います。本 日の進め方としては、まず「科学的合理性に基づく柔軟かつ効率的な承認審査方法」に ついて、事務局から説明をしていただいて御討議を願い、その後、「国の承認を経ない未 承認薬の使用に関する考え方」について、また事務局の説明の後、御討議をお願いした いと思いますので、最初に説明をしていただけますか。 ○ 事務局  それでは、資料5に基づきまして御説明させていただきます。資料5の5ページでご ざいますが、「医薬品の承認について」ということで、これは薬事法の規定につきまして 整理させていただいたものでございます。  1番目の○でございますが、薬事法の中には、品質、有効性及び安全性の確保された 医薬品を安全に国民に提供することができるよう、必要な規制を設けているというふう に規定されてございまして、その中で「「承認」とは」ということで、その品目ごとに、 品質、有効性及び安全性を確認して与えるものというふうに規定されているところでご ざいます。  2番目の○でございますが、これは承認拒否事由につきまして整理されたものでござ いまして、以下のような場合については承認を与えないというような項目が整理されて おります。その中に、イといたしまして、申請に係る効能、効果または性能を有すると 認められないとき、ロといたしまして、効能、効果または性能に比して著しく有害な作 用を有することにより、医薬品として使用価値がないと認められるとき、その他、とい うことで整理されております。  枠外に、平成7年の最高裁の判決の中で、承認について言及されているところがござ いまして、ここに「当該医薬品の治療上の効能、効果と副作用とを比較考量し」という 言葉が言及されてございます。  次に、1枚めくっていただきまして6ページ目でございますが、先ほどの薬事法等の 規定を要約いたしますと、最初の「前提」に書かれているようなところになるのではな いかと思います。承認審査に際しては、その時点における医学的・薬学的知見に基づく、 当該医薬品の治療上の効能・効果と副作用とを比較考量して、承認の可否を判断という ことになります。このような前提に基づきまして、論点を以下に4つほど整理させてい ただいております。  まず1番目の論点でございますが、下の枠囲いの中にございます。まず、患者数の極 端に少ない治療薬(ムコ多糖症の治療薬など)などに関する二重盲検比較試験等の比較 試験実施は、基本的に困難または相当の長期間を要する。このような状況を踏まえて、 これらの医薬品については比較対照をおかない少数例での治験や外国での治験を用いて 承認している場合があるが、それでも、承認までに相当の時間を要している、そういう 状況でございます。このようなところで、このような医薬品を迅速に提供するために、 別の方策はないのかということで、1番目の論点をまとめさせていただいているところ でございます。  次に、1枚おめくりいただきまして7ページ、論点2でございます。論点2の方には、 先ほどの比較試験というのがございましたが、その比較試験における対照薬の選択とい うことについて、これはICHの合意に基づきまして、平成13年に通知を発出してい るところでございます。実態として見ますと、我が国においては、まだプラセボを対照 とした比較試験が欧米に比べて実施しづらいという指摘がございます。プラセボを対照 として選択することが適切であれば、その方が治験に必要な症例数が少なく、迅速な承 認に役立つのではないか。また、疾病のさまざまな程度に応じた医薬品開発が進むなど、 治療の選択肢がふえるのではないか、ということで論点を整理させていただいておりま す。  参考のところでございますが、ICHの合意に基づく通知について参考1に要約させ ていただいておりますし、参考2といたしまして、対照薬にプラセボ、あるいは類薬を 用いる場合のメリット・デメリットを整理させていただいております。参考3につきま しては、プラセボの方が類薬を用いたときよりも症例数が少なくなるという事例を紹介 した論文を掲載させていただいております。  1枚おめくりいただきまして8ページでございますが、論点3といたしまして、いわ ゆる承認までに得られる情報と、その後得られる情報について整理させていただいてお ります。最初のところでございますが、被験薬の有効性を統計的に検証するためには、 被験薬が対照薬に対して、例えばということで20%の差でその優越性を示そうといたし ますと、一群約100〜150人程度の症例が必要となります。また、2つの比較試験を行 うことを考慮いたしますと、有効性の観点からは、この被験薬については200〜300人 程度の症例によってその効果を検証することができるだろうということでございまして、 参考1の方に例えばその有効率の差を10%、20%、30%とした場合の症例数を記させ ていただいております。  これらの試験結果によりまして、本来の薬理作用に起因すると考えられる副作用はほ ぼ検証することができると考えられますが、一方、SJSのようないわゆる発生率が 0.01%以下の頻度で極めてまれに発生する副作用が存在することも事実でございまして、 例えば0.01%程度の頻度、いわゆる10,000人に1人程度の頻度で発現する未知の副作 用を、95%以上の信頼度で1例検出するということになりますと、30,000人程度の症例 を必要とするということになってございます。参考2といたしまして、副作用の発現頻 度とその検出に必要な症例数を参考とさせていただいております。  このような状況を踏まえまして、迅速に医薬品を提供するという観点、承認に当たっ て安全性を確保するという観点の双方から、どのような方法をとることが国民にとって 適当であるのか。当然のことながら承認後に患者さんの背景の多様性ですとか、多くの 患者さんが使用することによって、発現頻度の低い副作用等の発生が見られるというの も事実でございます。これが論点3でございます。  1枚おめくりいただきまして9ページ、論点(その他)ということで整理させていただ いております。このその他につきましては、多くの国で承認済みの医薬品の審査に当た りましては、既に多数の患者が使用した実績がございまして、それらの実績を我が国で 承認審査に活用すべきではないかというような指摘がございます。一方、ドラッグ・ラ グの解消という観点から考えますと、これらの事例はドラッグ・ラグの典型でございま すので、このような事例が繰り返されないようにすべきであるというような指摘もござ います。いずれにいたしましても、欧米に遅れることなく申請されたものを優遇して、 合理的理由がないにもかかわらず欧米に大きく遅れたものには、厳しい態度で臨むこと が必要ではないか、というのをその他の論点ということで整理させていただいていると ころでございます。  事務局の方からは以上でございます。 ○ 高久座長  どうもありがとうございました。今、承認審査に関して、いろいろな特殊な例もあり ますが、事務局の方から説明いただきました。6ページを開いていただきますと、論点 1の患者数が極端に少ない治療薬などに関する二重盲検比較試験は基本的に困難である と。このような状況下で、比較対照をおかない少数例での治験や外国の治験を用いて承 認している場合があるが、それでもまだ相当に時間がかかっていて、このような薬を迅 速に提供するために何かいい方法はないかということで、これはなかなか難しいテーマ ですが、どなたか御意見はおありでしょうか。どうぞ。 ○ 佐藤構成員  一般論ですが、薬効評価の中で必ずしも比較試験をしなくても有効であることがわか る薬というのは、幾つかあると思うんですね。要するに、その薬を使わなければ病気の 自然経過がこうである。あるいは今の標準的な治療でのヒストリーというのはもうわか っていて、それが薬を使うことによって、起こり得ないことが、何か非常に劇的な改善 が見られたような場合には、恐らく比較群を設けなくても効果ありと考えるのがむしろ 自然であるというような、そういうことが教科書などにも書いてあるものがありまして、 そういう薬であれば必ずしも比較試験をしなくてもいい。サイエンスの観点からいって もそういう薬もなくはないと思います。 ○ 高久座長  患者数が極端に少ない場合に、2番目の外国での治験を用いて承認している場合もあ るという、もしもやらないとすればこれしかないわけですね。極少数例で比較試験をす るか、あるいは外国での治験を用いて。今の佐藤委員の御意見は、二重比較試験をやら ないで効けばいいということになるのですか。 ○ 佐藤構成員  そうですね。このムコ多糖症の治療薬がどうかというのは、済みません、私は不勉強 でわからないのですが、要するにその薬を使った後に何か劇的な改善が見られて、その 劇的な改善というのが病気の自然経過、あるいは標準的な治療では全く起こるはずがな いということが起きた。それが1例だとちょっとあれですが何例かに起きた。あるいは 同じ患者さんに別のタイミングでやっても同じようなことが起きたというような、何ら かの再現性が示されれば、それはもうその薬によって起きたこと以外は考えられないと いうふうに解釈するのが最も妥当だと。済みません、具体的な例をちょっと今はっきり 言えないのですが、昏睡している患者さんに何か薬を与えたらぱっと覚せいして、その 薬の効果が切れたらまた昏睡してしまって、その薬を投与するとまた覚せいするという ようなことが起これば、それは明らかに薬の効果であろうというふうに判断していい。 それをわざわざランダム化比較試験をしなくても、効いたと言えるのではないかという、 そういう例が数は少ないと思うのですがなくはないと思います。 ○ 高久座長  わかりました。恐らくそういう薬は、特にこの例を挙げているのは先天性の疾患です から、そういうのは多分日本で開発されることは余りなくて、外国で開発されてそこで 効果があったというので使う。ですから、外国での治験を参照にして、必ずしも二重盲 検をやらなくても、やって効けばいいのではないかということでしょうね。ですから、 その後のいわゆる未承認薬のコンパッショネート・ユースと共通している点があります。 これはやはり患者数が極端に少ない治療薬の場合には、審査に当たる方が柔軟に対応し ていただけると。どうぞ。 ○ 青木構成員  そういう柔軟という意味ですが、私たちも幾つかこういう経験があります。例えばラ ロンタイプの小人症の薬の開発では本当に数人しかいない患者さんで国際的にやった のですが、こういう点につきましては厚生労働省は非常に柔軟に対応して下さいまして、 我々はそんなに問題は感じておりません。ここに書いてありますように、そういう少数 例の治験や外国の治験の結果を用いることで承認する場合があっても、それでも相当の 時間を要します。それでも時間を要するというのは、ここは何が原因なのか。この方が 問題だと思いますが。 ○ 高久座長  実際に要している例があるんですかね。データがあって。 ○ 青木構成員  「それでも」以下が一番の問題であって、その前はもう解決がついていると思うんで すね。 ○ 高久座長  どうぞ。 ○ 山本承認審査等推進室長  以前にも御紹介いたしましたが、未承認薬の検討会で実際にやってもらっているのは、 例えば外国にものがあっても開発企業が日本にあらわれない場合があったり、それに関 しまして品質、あるいは安全性に関するデータが十分に、それを検証するようなデータ が用意できないというようなことで、結局は外国にあっても日本で申請のデータを用意 して、それで申請して承認するまでやっているので、どうしてもタイム・ラグが生じて 非常に遅れているというような事例が、特に患者数の少ない医薬品の場合には多いとい うことでございます。 ○ 高久座長  そうですね。だからその間、外国である場合には、この後で出てくるコンパッショネ ート・ユースで賄うしかしようがないのではないですかね。その間それで稼いでいて、 必要な時間をカバーして、最終的に承認するというしか方法はないのではないですか。 ○ 青木構成員  この件については、むしろ承認審査側からの問題というよりも、この薬を本当に開発 するのかというビジネスの主体の方の問題があるように思いますので、ここで承認審査 のところをどうこうするかというようなことを考える必要は余りないような気もするの ですが、いかがなものでしょうか。 ○ 高久座長  いかがですか、中垣さん。 ○ 中垣審査管理課長  先ほど来、青木委員、あるいは佐藤委員、座長からおまとめいただいているような方 向なのだろうと思います。現実問題として困っておりますのは、例えば未承認薬使用問 題検討会議で、導入を早くした方がいいのではないかというような御結論をいただくも のがあるんですね。ところが、アメリカのベンチャー企業がやっていて、日本に全く連 絡先も手足もないというような例も多々あるわけでございます。ですから、そういうも のについてはまた後の御議論で、コンパッショネート・ユースみたいなことを考えたら どうかということを議論する一つのきっかけなのだろうと思っていますし、またそうで はなくて例えば青木委員のところのアステラス製薬が開発する、あるいはファイザーが 開発するようなところであれば、それは各企業の戦略と申しますか、スタンスと申しま すか、そういうところにゆだねられる部分が多々あるわけでございますので、そういう 意味で申し上げますと、後でのコンパッショネート・ユースの議論と混同、混在と申し ますか、あわせて御議論いただくというような形でお願いしたいと思います。 ○ 高久座長  そうですね。どうぞ、池田委員。 ○ 池田構成員  一部佐藤委員のお話ともかぶると思いますが、結局これは少数例の治験、あるいは外 国での治験というもののデータで、それをエビデンスとしてとらえるわけですけれども、 非常に質の高い観察研究であるとか、非常にエビデンスレベルの高い臨床研究のような ものをどういうふうに位置づけるかということも、ある意味では必要になってくるので はないか。これは恐らく前から議論があったと思うので、日本のいわゆる治験の場合に はもうきちっとGCPにのっとってやっているわけですが、臨床研究というとその間の ギャップが余りにもあり過ぎるという問題点があると思うんですけれども、その臨床研 究の臨床観察で非常にレベルの高い、非常にデザインのいいもの、それをどのように取 り上げていくかというのも、今後のことになると思いますが、非常に必要になってくる のかなと思います。その辺はいかがでしょうか。 ○ 高久座長  池田委員のおっしゃるとおりだと思います。患者さんの数が極端に少ない場合に、恐 らく企業が手を挙げないと思います。なかなか臨床研究に手を出さないでしょう。です から、ケース・バイ・ケースで判断して、その間はコンパッショネート・ユース以外に ないのだろうと思います。ある程度患者さんの数がいないと、研究者もできないですね。 ○ 池田構成員  そうですね。 ○ 高久座長  わかりました。それは次の議題の、「国の承認を経ない未承認薬の使用に関する考え方」 のときでもまた少し御議論いただくことにして、論点2の方ですね。これは、我が国で は欧米に比べてプラセボを対照とした比較試験が実施しづらい。プラセボを対照として 選択することが適切であれば、その方が当然治験に必要な症例数も少ないし、また治験 そのもののクオリティーも高くなる。それで、迅速な承認にも役立つのではないか。し かしながら、実際には医療の現場ではいわゆる本当の意味のプラセボは使いにくくて、 それにかわる実薬的なものを使うことがよくあると思うのですが、この点は、プラセボ を選択するように治験に当たる方にエンカレッジするというか、お願いをするのにはど うすればいいのか。御議論いただきたいのはそういうことですね。治験にいろいろと御 経験のある池田先生は何か御意見がありますか。なかなか難しい問題があります。 ○ 池田構成員  確かにプラセボを用いる場合のデメリットというか、一番の問題は、今各施設のIR Bは非常に厳しくて、やはりプラセボを用いるということが患者さんにとってどうなる んだという、倫理的な問題をかなり指摘するところがございまして、そのレベルで少し ひっかかってしまうところがあるように伺っています。もちろん施設によって大分考え 方は違うと思いますが、ここでは一番の問題点は、とにかく患者さんの、被験者の方た ちの保護というか、そこの点が十分にクリアされないと恐らくいかないということで、 救済処置をどういうふうにとるかというところにも恐らくつながってくる問題かなと思 っています。確かに日本だと難しい。欧米だと割にやりやすいところがあると思うので すが、やはり患者さんにも日本の医療の進歩のために御協力いただく。しかし、御協力 いただくにしても、やはりそれに対して十分こたえる体制をとっていくということが大 事だと思います。 ○ 高久座長  そうですね。どうぞ。 ○ 望月構成員  今、池田先生がおっしゃったことに関してですが、医療関係者の方もプラセボを使う ことにためらいがありますし、恐らく被験者になったときに、ダブルブラインドの説明 を受けたときに偽薬が来るということで、患者さん自身も日本のこの今の医療の形態の 中では、なかなか参加の意思をとりにくいというのもあるのではないかと思います。  それはそれとしてもう一つ、実は既に例えば2種類、3種類とほとんど薬理学的な作 用メカニズムが類似の薬があって、それの効果が検証されているような場合に、あえて それを症例数を少なくするために、プラセボを対照にすれば当然有効率の差は出やすい ですから、n数が少なくて済みます。しかし、プラセボを対照にするよりは実薬を対照 にして、今社会で使われているほとんど類似の薬、同効薬ときちんと差があって、社会 的にそれを出すことの意味があるんだということを証明することも、また別の意味では 重要な視点ではないかなと思います。だから、プラセボを対照にする試験を組むという 場合には、その被験薬が今までにほとんど同じようなものがなく、早く社会に出してあ げることで患者さんのメリットがあるという場合には、非常に考慮していくことが必要 な部分かなと思います。 ○ 高久座長  青木委員、どうぞ。 ○ 青木構成員  これは製薬協の会員会社に聴取した結果ですが、現実にはプラセボ対照であっても被 験者の組み入れの進捗が実薬対照の場合に比べて遅れることはほとんどなく、難しい点 は少ないという意見を多くの会社からいただいています。しかし、これは当然疾患とか 治験薬によって違います。進行性だったり致死的な病気の場合には、もともと初めから プラセボというのは採用できませんので、実薬のベースを置いた上で、アドオンで比較 試験をやります。ですからそういう意味で、プラセボ対照の試験をやること自体につい ては余り大きな問題はないということはあるのですが。  アメリカのように海外では確かにプラセボ対照の試験が多いですが、アメリカの基本 方針というのはとにかく薬であればいいんだと。プラセボに比べて効くという統計的な エビデンスがあるのだったら薬であると。それは許可しましょうと。それがどういう薬 としての位置づけになるかについては、もうビジネスの責任でやってくださいというこ となのです。ところが日本の場合には、既存の療法に対する新しい薬の価値づけも含め て治験の中で示して、それが薬価に結びつくものです。そういう意味からいくと、試験 のやり方は単にプラセボよりも効けばいいということにはならない。そういうことから いうと、日本で開発する場合には、会社はプラセボ対照だけでは不十分というふうに考 えていると思います。ですから、プラセボが難しいからやらないというよりも、やはり 実薬との比較において、その薬の価値づけというものも最初の段階からやろうとすると いうことかと思います。アメリカの場合でもプラセボとの比較で許可になりますが、そ の後必ず大規模のフェーズ3.5をやって、既存の薬との価値づけの差をつけて、それで ビジネスに使おうということで、非常に大きなスタディーをやります。 ○ 高久座長  どうぞ。 ○ 松本(恒)構成員  ちょっと質問ですが、二重盲検をやる場合に、類薬でやる場合とプラセボでやる場合 があると。類薬でやる場合は、一定の効能・効果がある薬を使ってもらえるわけですよ ね。だけど、プラセボでやるということは、効果がない薬でやるだけではなくて、効果 のある薬も使ってもらえない。すなわち治療拒否をされるということであるとすると、 これはもうすごい大問題かと思いますが、その辺の実態はいかがなのでしょうか。治療 してもらえないということになるのでしょうか。 ○ 青木構成員  それは進行性や致死的な病気の治療を一遍全部切ってしまって、それをプラセボにす るということは我々としてはできません。ですからアドオンです。現在の治療をやって いって、それに新しい治療を組み合わせたときに、よりいい結果が出るかということを 調べることが治験になります。例えばがんの患者さんに抗がん剤を全部切ってしまって 治験をすることなんて、そんなことは絶対できません。 ○ 高久座長  ただ、プラセボといった場合にはやはり使わないのですね。メリケン粉でも。ですか ら状況によりますね。重篤な患者だと無理だと思うのですが、実際に今使っている薬が 全く効かなくなってしまう場合もあるわけです。その場合に、むしろ使わない方がいい わけですね。変な話ですが。外国の場合には、患者さん自身はプラセボなのか実薬なの かわからないわけです。それで、験者の方は知っていて、実薬の方が明らかに効果があ る場合には、早期にトライアルを終わって、それからダブルクロスとして今までプラセ ボを飲んでいた人には実薬を投与するということもやるのではないでしょうか。 ○ 青木構成員  はい。ブラインドをかけてやっていましても、途中でデータをチェックしていって、 明らかに不都合な副作用が多かったり、それから段違いに有効性があるというときには、 そこで治験を切って審査にかかるということはあります。 ○ 高久座長  それから、望月委員がおっしゃったように、機序が全く違うものですと、プラセボで やった方がすっきりしますね。だけど、IRBがなかなかうんと言わない可能性があり ます。ですから、病気の種類によりますでしょうね。 ○ 青木構成員  それと薬の種類にもよりまして、例えば抗うつ剤をSSRIと昔の三環性、四環性と 比べるというのは余り意味がないと思います。それでSSRIの方が効かないといって も、これは全然違う話だと思うので、プラセボというのは同じカテゴリーの薬でやる場 合にだけ意味があると思うのですが。 ○ 高久座長  そうですね。ほかにどなたか。しかし、基本的にはプラセボでやった方が、薬として ははっきりするわけですし、開発を早く進めるという意味ではいいわけですから、病気 の種類によって、あるいはIRBのメンバーの方のお考えによって、必ずしもプラセボ を置くというのは難しい場合も多いとは思いますが、基本的にはプラセボを置くという ことを原則として、ケース・バイ・ケースで実薬、今まで使っている薬にかぶせるとい う形でするというしかやりようがないのではないでしょうか。プラセボを置く場合には、 青木委員がおっしゃったように、有効性に明らかに差が出た場合には、その時点で速や かに中止して申請をするということ。というか、早目にチェックしなければならないで すね。外国は随分早くチェックしていると思います。 ○ 青木構成員  途中の段階で、ブラインドをかけていても第三者の立場の先生がチェックをかけてい ます。 ○ 高久座長  そうですね。そういうことでよろしいですか。余りクリアではないような気もします が。  次の論点3の被験薬の有効性、これもプラセボの問題になりますが、被験薬がプラセ ボもしくは類薬に対して、例えば20%の差でその優越性を示そうとすれば、一群約100 〜150人程度の症例を必要とする。2つの比較試験が行われることを考慮すると、200 〜300人である。しかしながら、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)のよう に、非常に頻度が低く副作用が出てくるときに、当然たくさんの症例を必要とする。し たがって、迅速に医薬品を提供するというのと、承認に当たって安全性を確保するとい う、これは両方相反するところがあるのですが、どのような方法をとることが適当であ るか。しかし、非常にまれに起こる副作用というのは、これは市販後でないとわからな いですね。今までもそういう例はたくさんあったと思うのですが、この点については何 か御意見はありますか。 ○ 池田構成員  この点については、もう今までも随分議論はなされたと思うのですが、高久先生が言 われたように、やはり市販後にたくさんの症例があって初めてわかってくる。あるいは 最近の例では何年もたってから、もう5年、10年たってからわかってきたのもあるとい うことで、やはり承認をされた後になるべく早い時期にその情報をきちっと、そのエビ デンスのレベルの高い調査をしっかりやらせる。今は承認条件にそういうものを入れて いるお薬がかなり出てきているということは言えると思うので、その方向には行ってい ると思いますが、それをもう少し加速するということしかないのではないかと思います。 ですから、この迅速にというのはもうこれで今のはいいと思いますが、安全にという部 分はどうしても避けられないのではないかと思いますので、その体制をきちっとつくっ ていくしかないのかなと私は思っています。 ○ 高久座長  今FDAが市販後のチェックをよくしなかったと、随分やられていますが、日本の医 薬安全局、あるいは機構とFDAと、市販後はどっちがきっちりやっているのですか。 僕はよくわからないのですが。 ○ 青木構成員  ちょっとよろしいですか。厚生労働省の方からは言いにくいかと思うので、我々の方 から言わせていただきますが、我々製薬協の中で議論しても、日本のフェーズIV、市販 後調査というのは世界に冠たる、もう一番完璧なものだというふうにとらえています。 一番厳しいと思うのですが。それで、割合小さなスタディーで許可をもらって、その後、 市販後調査をきちっとやるという意味では、ここに書いてある論点については日本とい うのはうまく行われていると。何でここで論点に出てきているのか。いいところを再確 認するということもあるのかもしれませんが、というふうに感じました。 ○ 高久座長  わかりました。池田委員、青木委員のおっしゃるとおりで、市販後を従来もやってお られるなら、それを充実するということしかやりようがないですね。むしろ市販後をき っちりやったならば、迅速に医薬品を提供することに努力してもいいのではないか。そ れしかしようがないのではないですか。 ○ 池田構成員  一つよろしいですか。青木委員のおっしゃるとおりかもしれませんが、実はそれは全 体として見るとそうなのかもしれないですけれども、実際のところその会社会社による 差が相当大きいような印象を私は持っていまして、その点ではやはりレベルが低いとい うと言い過ぎかもしれないですが、それに対する考え方が甘い企業に関しては、やはり もう少し厳しい指導を私はすべきだと思います。それは役所だけではなくて、国全体と して監視していくという、そういう姿勢が大事なのかなとは思います。 ○ 高久座長  そうですね。市販後の調査というのは、企業に任せているわけですか。ですけど、そ の調査結果をチェックするのは国ですね。ですから、そのためのお金が要るわけです。 FDAがエクスキューズしているのは市販後の調査の金がない、今までなかったという ことを言っているようですが、大部分が企業で、チェックを役所がする、機構がすると いうことになりますかね。それでいいんですね。 ○ 中垣審査管理課長  はい。 ○ 高久座長  わかりました。それでは次に論点4、多くの国で承認済みの医薬品の審査に当たって は、既に多数の患者が使用した実績があり、その他国の実績を承認審査に活用すべきで はないかという指摘がある。これはいずれにしても欧米に遅れることなく申請されたも のを優遇し、合理的理由がないにもかかわらず欧米に大きく遅れたものには、厳しい態 度で臨むことが必要ではないかと。これは青木委員、いかがですか。 ○ 青木構成員  こういう考え方があるのか、と感じました。承認審査全体をいかにもっと効率的にす るかということがありますが、欧米で売られているからスキップしていいというのです と、審査体制そのものがガタガタになってしまうのではないかなという気もしないわけ ではありません。  それともう一つは、薬の場合には医療の場にとってどのくらい必要であるかというこ とに非常に大きな意味があります。先ほど出てきたオーファンのようなもの、非常に特 殊な新しいタイプの薬に対しては、先進医療とか特例承認とか、使えるようにするいろ いろなシステムが日本でもあります。コンパッショネート・ユースに相当するような、 本当に必要としている薬を必要な患者さんに届けることができないわけではありません ので、単に欧米で出ていて日本が遅れているからということだけで、突っ走っていいと いうことには私はならないような気もするのですが。その辺は審査側は、中垣課長等は どう考えていらっしゃるか。 ○ 中垣審査管理課長  いろいろ思い悩むところがあるので、先生方の御意見を聞いておるところでございま す。方向性として仮に欧米に遅れることなくできれば、欧米に先んじてよりよい薬を提 供していくということを掲げるのであれば、やはりその政策に沿った行動を医薬品各会 社においてもとっていただくのだろうと。そうなると、ある面でいけば非常に厳しいこ とを言わざるを得ない場面も出てくるのかなとは、私個人的には思うわけでございます が、そういう意味で先生方の御意見をお聞きしたいと思ってこの論点を、ちょっと余り 科学的ではないのですが、立てさせていただいているところでございます。 ○ 高久座長  どうぞ。 ○ 寺脇構成員  青木構成員と少し意見が似ているかもしれませんが、我が国の患者さんや医療現場が あまり必要としていない医薬品、つまり類似薬や、代替医薬品がたくさんあり承認申請 が遅れている、合理的なドラッグ・ラグもあるのではないかと思います。そういう合理 的なドラッグ・ラグを除けば、少しドラッグ・ラグの期間が発表されている期間より短 くなる可能性もあるのではないでしょうか。最初の段階でこういう発言をしないといけ なかったかもしれませんが、市場原理から承認申請する必要がない薬もドラッグ・ラグ の中に入っているのではないかと思うのですが…。 ○ 高久座長  そうですね。ほかに。私もあまり具体的な例を思いつかないのですが、そういう例が あるかな。しかし、それは恐らく外国で使用して効果が明らかであって、多くの患者さ んに使ってもらいたいという薬は当然需要があるわけですから、ちゃんとした企業だと それの開発に乗り出すのではないですか。ですから、余り心配する必要はないのではな いかと思いますが。 ○ 中垣審査管理課長  座長のような方ばかりだとそう心配する必要はないのだろうと思いますが、各会社、 特に薬事部門と申しますか、研究開発部門と申しますか、やはりマンパワーに限りがあ る。さらにはその中でビジネスの大きい分野、小さい分野というのがあるというような ことを考えていきますと、もう幾つかの企業においては今現在でもほとんどパンク状態 というのか、我々が例えば未承認薬使用問題検討会議で早く進めろという話になっても、 もうちょっと待ってくださいというような状況というのもあるわけでございます。一方 においては、そういったビジネス上の問題も、あるいは戦略上の問題もあるのだろうと 思います。ですから、必ずしも理想どおりというのか、市場がある、あるいはそこであ る程度の有効性が海外で示されている、だから自然に日本に入ってくる、というような 状況でもまたないのだろうと考えているところです。 ○ 高久座長  そうですね。外国の実績を承認審査にかなり活用できれば、導入しやすいことは事実 ですね。副作用の問題があるからということになるのかな。だけど、アメリカだって東 洋人が何10%いるのだから、そのデータを詳細に見ればいいのではないかという問題に いつもなってくるのですが、そこまでは分析していないわけですね。  ここのところはもう少しペンディングにして、次の、これも重要なことで。 ○ 中垣審査管理課長  先生、池田先生が何か。 ○ 高久座長  はい、どうぞ、池田先生。 ○ 池田構成員  今課長が言われたことですが、実際にここで厳しい態度で臨むことが必要ではないか と、これは問いかけているのですが、厳しい態度というのは本当に現場からいうと、こ の薬を早く承認してほしいと。もうエビデンスもかなりあると。しかし、本当にその薬 はある会社でしか扱っていないと、その会社に力量がないとそれがなかなか出てこない というのがかなりあることはあるんですね。そうすると、やはり患者さんにとっては非 常に不幸だと。ですから、そういうところは本当に厳しい態度で臨むというのは、それ を取り上げてしまうのか。それはいかないのでしょうけれども、やはりそこのところを どうしたらいいのかというのがとても問題かなと思って、これは青木会長にお聞きした 方がいいと思うのですが、本当に必要なものをどんどん出してくれる会社がほとんどで あるわけですが、一方必ずしもそうではなくて、そこの会社しかそれは開発できないと いう状況で、それが滞っているという状況も決してないわけではないというところが、 私はちょっと問題かなと思うことがあるのですが。 ○ 高久座長  ただ、厳しい態度で臨むとますます出なくなる。むしろエンカレッジした方がいいの ではないですかね。少しサポートした方が、究極的には患者さんにいいのではないです か。だから、むしろ会社の支援をする方がいいのではないですかね。よろしいでしょう か。どうぞ。 ○ 青木構成員  もしそういうので余り必要以上に時間がかかっているというようなことがある場合に は、強制実施権で大手に移していただくとか、それでスムーズに進むかもしれませんが。 ○ 高久座長  そうですね。わかりました。それでは、次の「国の承認を経ない未承認薬の使用に関 する考え方」、これも事務局の方から説明していただけますか。 ○ 事務局  それでは御説明いたします。資料5の11ページ目からでございます。  1枚目、「薬事法の規制の範囲」と書いてある紙でございますが、これは薬事法に基づ く大臣の承認を受けていない未承認薬について、薬事法においてどのように規制されて いるのかというのをまとめたものでございます。四角の上の方の部分でございますが、 副作用等が発生するリスクがあるのが医薬品であるということですので、業として医薬 品を製造、販売等する場合には、薬事法に基づいて、個別に物としての承認が必要であ るということになっておるわけでございます。  下の図の中央の部分で、「薬事法で規制する範囲」と書いてある枠の中のさらにその中 の枠の部分ですが、「薬事法に基づき、個別に物としての承認を得て、製造、販売等の許 可等を得た者が扱っている医薬品」と。この部分が合法的に医薬品を販売等できる範囲 ということでございます。この枠を超える部分、さらにその外の枠の部分でございます が、この部分は取り締まりの対象となっているということでございます。ただ、一方で 左側にある治験に使用する薬物であるとか、下の方にある医師がみずからの患者の治療 等に使用する目的で、または個人が自己使用目的で製造、輸入する物につきましては、 これは医薬品とはみなさないと。上の四角の※1に医薬品の定義がございますが、ここ で定義としては「疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされている物」 ということでございますので、目的以外の物は医薬品ではないという整理になっている ということでございます。ただ、治験であれば治験薬が治療等の目的で使用されたとい うことになると、それは医薬品とみなされるということで、未承認・無許可医薬品とい うことで取り締まりの対象となると。こんな整理になっているところでございます。  おめくりいただきまして、未承認薬の入手方法として、国内で試験を行っている場合 について整理したものでございます。まず治験の部分、下の図の第I相試験から第III相 試験までのところ、通常の治験を行っている白い矢印がございます。その下の矢印のと ころでございますが、治験のプロトコールに合わないために治験に参加できない者に対 する治験薬の提供というものも必要になるのではないかということ。もう一つは、治験 が終了した後に承認をするまでの間のところについては、引き続き治験薬を提供する必 要があるとか、もしくはプロトコール外の人についてもそこの部分は問題になるのでは ないかと。この部分につきましては、「未承認薬使用問題検討会議」の審議を踏まえ、追 加的治験や安全性確認試験ということで治験を実施しているところでございますが、な かなか実績がないということでございます。  その下の四角囲いのところがまとめでございますが、一つは、治験というのは承認申 請資料の収集を目的としているということでございますので、科学的な評価ということ でプロトコールも厳密に設定しているということでございます。個別の患者の状態、重 篤で代替治療法がない方であっても治験に参加できない場合があるということがござい ます。もう一つは2つ目の○でございますが、治験薬というのは治験目的での使用でな いといけないということで、それを治療目的で使用すれば、薬事法上の医薬品としての 規制がかかるということでございます。でございますので、治験終了後に承認前まで引 き続き治療が必要であっても、本来、企業は治験薬を治療目的では提供できないという ことになっております。  これを問題点としてまとめますと、さらに矢印の書いてあるところでございますが、 現状行っている「治験外提供」や「継続提供」というのは、極めて特例的な扱いという ことでございますし、(1)として患者の立場からすると、そういった未承認薬の提供は、 一義的に企業判断にゆだねられているということですので、患者の要求に必ずしもこた えられていないということ、(2)として企業の立場からすると、治験外提供等は、本来治 験の承認申請に必要ないことでございますので、企業にとっても大きな負担になってい るということがございます。  もう1枚おめくりいただきまして、次に輸入により未承認薬を入手する場合でござい ますが、個人輸入ということで簡単にその概要を説明させていただきたいと思います。 1つ目は、医薬品を業として輸入する場合には、輸入届出というものが必要になってお ります。ただ一方で、輸入者自身の個人的な使用に供することを目的に輸入する場合、 もしくは医師が自己の患者の治療を目的に輸入する場合には、業としての輸入に該当し ないということで、輸入届は不要ということになっております。これを「個人輸入」と 言っております。個人輸入につきましては、通関上、輸入届が不要な物であることの証 明ということで、薬監証明というのを要する場合がございます。それがその下の図に書 いてあるものでございます。  まず大きく個人輸入というのがございまして、その中に医師個人輸入と2つおりがご ざいます。個人輸入の方から御説明しますと、目的のところでございますが、輸入者自 身の個人的な使用に供することを目的とする場合。(1)は、特に安全上注意が必要として 指定された医薬品(サリドマイド等)の場合には薬監証明が必要になる。(2)は、数が多 い場合についても薬監証明が必要になる。(3)〜(5)までというのは、一定数量以下の場合 については薬監証明が不要であるという取り扱いになってございます。医師個人輸入に つきましては、いずれにしても薬監証明が必要と、こういった整理になっております。  もう1枚おめくりいただきまして、上の図のところは今のお話を御説明した図でござ います。その下の四角のところでございますが、個人輸入の現状といたしましては、1 つ目は(1)として、みずからの疾病の治療を目的とする医薬品の輸入ということで、これ はもう幅広に美容目的のようなものから本当に必要なものまでいろいろあります。(2)と しては、重篤で我が国では代替治療法がない疾患の治療を目的とする医薬品の輸入とい うのも含まれているという現状でございます。一方で、(1)として、医師等の個人責任で 輸入されることになりますので、製薬企業による輸入に比べて、品質等の面で一定の限 界があるということ。(2)として、品質等確保の観点からすると、製薬企業が輸入等に関 与した方がよいと考えられるが、それを輸入したとしても、その未承認薬を販売または 授与することはできないということになっております。  問題点といたしましては、いろいろな個人輸入がございますので、そのうち疾病が重 篤で代替治療法がない場合については、単なるみずからの疾病の治療のケースと区別し て、製薬企業が関与した方がいいのではないかということ。もう一つは、「治験外提供」 等が製薬企業により提供されるのに比べ、未承認薬へのアクセスとかそういったものに ついて個人差があるということがございますので、患者の置かれた状況などによっては、 個人輸入による未承認薬の入手ができない場合も出てくるのではないか、ということが 問題点として考えられるということでございます。  もう1枚おめくりいただきまして、それでは厚生労働省として、これまでどのような ことをしてきたのかということでございますが、1点目が「未承認薬使用問題検討会議」 ということで、先ほど若干御説明しましたが、そもそも承認を迅速にとっていただくと いうこととともに、参考2のところで書いてございますが、追加的に「安全性確認試験」 を治験として実施するというようなこともやっております。  これにつきましてはその次の16ページの図もあわせてごらんいただければと思いま すが、「未承認薬使用問題検討会議」につきましては、右側の治療目的外のところの治験 の中で、さらにその中側の枠として書いてございます。こういった取り組みをまず一つ やっているということです。  もう一度15ページにお戻りいただきまして、個人輸入に対する取り組みでございま すが、これにつきましては国内外での重篤な副作用発生など、特に注意を要する未承認 薬につきましては、そのリストをHP等で公表しまして、数量にかかわらず薬監証明を 取得するということ。先ほどちょっと御説明しましたが、それに加えまして(2)とし て、サリドマイドにつきましては、ガイドラインを作成・公表しまして、そのサリドマ イドの個人輸入の薬監証明発給時に、輸入する医師に対して同ガイドラインの遵守その 他必要な注意喚起を実施しているというような取り組みを行っております。  3つ目のその他のところでございますが、熱帯病治療薬につきましては、公衆衛生上 必須な医薬品ということで、医師がグループを形成して、国内未承認薬を一括して輸入 して、治療に使用するなどの特殊ケースがあると。これも16ページの図でいいますと、 左側の治療目的の個人輸入のところ、医師による個人輸入の中で一定のものが取り組ま れているということでございます。  15ページにお戻りいただきまして、問題点といたしましては、こういった取り組みを 行っているわけでございますが、いずれも「対症療法」的な措置であるということがご ざいます。重篤な疾病であって、ほかに治療方法の選択肢がない場合などについては、 より患者が安定した治療を受けられるような仕組みというのが必要ではないのかという ことでございます。  2枚おめくりいただきまして17ページ、まとめの紙になりますが、これまで御説明 したような状況を踏まえまして、やむを得ず使用せざるを得ない未承認薬、その使用の 問題点を整理いたしました。  現状といたしましては、未承認薬については業としての製造、輸入、販売等は、薬事 法上禁止されている一方で、(1)として治験であれば、その治験は承認申請に必要な正確 なデータを収集することが目的であるということなので、それに参加できない方がいる。 また、治験終了後には治験薬を業として提供することができない。ただ、その治験薬で あっても、反射的に治療効果を有するということでございますので、患者の立場として みれば治療の機会の損失や中断となるということが1点。  もう一つが(2)でございますが、希少疾病の場合、その患者数が限られているため、国 内治験の実施が難しいものがございます。先ほども御議論がございましたが、こういっ たものについて、海外で承認されていたとしても、我が国では患者が求めるほどには迅 速に導入できないものがございます。こういったものをどうするのかということ。  (3)は個人輸入につきましても、(1)(2)のような国内状況から、必要な未承認薬を輸入し て使用せざるを得ないケースもあるといった現状、問題点がございます。  矢印の下のところで、これを解決する方策を考えた場合でございますが、○の1つ目、 品質、有効性及び安全性が確保された医薬品を国民に提供するためには、治験を実施し、 そこで得られた試験結果等に基づき科学的に検証して承認することが基本だと。それは 変わりがないということでございますが、他方で重篤な疾患で国内に代替治療法がない 場合につきましては、「治験を実施して承認する」という原則を阻害しない範囲内で、未 承認薬の製造・輸入・販売等を認めてもよいのではないかということでございます。  下の矢印のところでございますが、まとめとしては、重篤な疾病であり、代替治療法 がない場合などについては、人道的見地から、限定的に未承認薬の製造、輸入、販売等 の禁止を解除すること(コンパッショネート・ユース制度(CU制度)の導入)を検討 してはどうかということでございます。  次のページでございますが、具体的な検討課題で主なものを整理してございます。(1) 〜(5)までございますが、(1)につきましては今ほど御説明しましたとおり、治験を実施し て承認を得るという原則を阻害しないということであれば、どのような制度にすべきで あるかというのが1点目でございます。(2)は、CU制度の対象となる医薬品や患者の範 囲をどのように限定するのかということ。(3)は、CU制度により未承認薬を提供できる 者としてはどのような方が適切か。製造販売業者であるのか、医師か、個人か。(4)は、 未承認薬の安定した供給を行うために必要なことは何かということで、製造(輸入)、販 売等の許可、副作用報告等の必要性をどのように考えるかということでございます。(5) は、未承認薬について使用者、提供者、国の責務をどのように考えるかということでご ざいまして、通常の承認された医薬品と比べて、有効性、安全性について検証されてい ないということがございますので、使用者、提供者、国の責務というのは限定的と解さ ざるを得ないのではないか。そういったことであれば、例えば副作用被害救済制度とか、 そういったものの対象とはなり得ないのではないかということでございます。  次の19ページ、20ページにつきましては、アメリカとヨーロッパでコンパッショネ ート・ユース制度と同様の仕組みがございますので、参考に添付しております。  事務局からの説明は以上でございます。 ○ 高久座長  どうもありがとうございました。未承認薬のコンパッショネート・ユースという、ほ とんどが輸入だと思いますが、これについて論点ということで18ページにいろいろな ことが問題になっていますが、どなたか御意見は。どうぞ、佐藤さん。 ○ 佐藤構成員  私は基本的にコンパッショネート・ユースの制度をやはり入れた方がいいのではない かと思っているのですが、そのときの薬事法との関係をどう考えるかということに関し て、先ほどの御説明でちょっと1点疑問があります。11ページの医師みずからが患者の 治療等に使用する目的で、あるいは患者が自分で治療の目的で輸入するもの、まさに個 人輸入の未承認薬は医薬品ではなくて、薬事法の規制の対象外だというようなことをお っしゃったのですが、医薬品ですよね。 ○ 事務局  済みません、説明が足りなかったと思いますが、こちらの医薬品の定義のところが目 的規定であるということですので、治療目的で使用されるという場合には医薬品です。 ただ、業として行われないということであれば、薬事法の規制から外れるという整理に なっているということでございます。 ○ 佐藤構成員  それは現状の薬事法の条文の中に、業としてないものについて規制する条文がないと いうことであって、一律に薬事法の規制対象外というふうに考える必要がないのではな いかというのが私の意見です。  例えばそもそも薬事法の目的ですね。第1条に目的がありますが、「この法律は、医薬 品などの有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに……」。最終的に、 「保健衛生の向上を図ることを目的とする」ということですから、未承認薬という医薬 品の品質、有効性、安全性の確保のために必要な規制を行うことは、保健衛生上必要で あれば当然やるべきことであって、それが薬事法の精神なのだろうと思います。ただ、 現状の薬事法の条文の中には、それを具体的に規制する条文というものは、業としたも のを対象とした条文しか存在しないということであります。ですので、例えば今サリド マイドの使用登録システムというものが、厚生労働科学研究で私も関与してつくられつ つあるのですが、そういうこともきちっと国が薬事法の中に位置づけて、サリドマイド の個人輸入を、そう遠くないときに承認されるまでの間ということかもしれませんが、 それにしても未承認薬で個人輸入で入ってきているサリドマイドで問題が起きてしまう と、やはりいろいろ承認にも影響を与えるでしょうから、そういうことに関してきちっ と国が薬事法のもとに規制を、条文はないのだけれども、行政の裁量で規制をかけると いうことは十分可能であるし、法律で今条文が足りないのであれば、そういうところの 条文を薬事法の中に入れ込んで、コンパッショネート・ユースもその中に位置づけてい くというのが、恐らく最も自然なのではないかなと思っているところです。いかがでし ょうか。 ○ 高久座長  ほかにどなたか。どうぞ。 ○ 柴崎構成員  この未承認薬の件について、私はどちらかというと薬学でも化学を専門としている者 ですが、そういう立場から考えますと、医薬品というのは化学物質であって、その純度 であるとか分解物の危険性とか、そういうことが全くこの議論の中に入っていないので すが、国としては例えば個人輸入であっても医師の輸入であっても、ランダムにその純 度をチェックする制度とか、そういうものを設けようという意向はあるのでしょうか。 極端な場合、例えばサリドマイド自身も確かに使い方によっては非常に危険性があるわ けですが、そのもの自身がある特殊な条件下で化学合成されたときに、全然違った化合 物が含まれている可能性もあるわけですね。それは、すべてが悪い方向にしか働かない 危険性もゼロではない。私の立場からすると、そういう非常に危険性を感じるのですが、 その辺はどうお考えですか。 ○ 中垣審査管理課長  柴崎委員御指摘の点というのは重要な点だろうと思います。例えばこのコンパッショ ネート・ユースを仮に認める場合に、あるいは制度として新しく設ける場合に、どのよ うな医薬品を対象とするのか。言うなれば、日本と同じぐらいの薬事規制をしていると ころで承認されているとか、あるいは少なくともフェーズIIIをやっているとか。EUの 規制を見ますと、そのようなEUと同じぐらいのレベルでフェーズIIIをやっているとい うような形で書いてありまして、そういうところで先生のおっしゃっているような品質 の問題を担保しようとしているのではなかろうかとも考えられるわけでございますが、 今回仮にこういったことを新たに考えるのであれば、その点は一つ重要な論点になって いくのだろうと思います。 ○ 高久座長  そうですね。インターネットなどで買うと、非常に怪しいものをつかませられること がよくあるようですから、そこのところをどう考えるのか。確かに課長さんがおっしゃ ったように、フェーズIIIをちゃんとやってEUやFDAがちゃんと認めた、FDAの認 可を得たものでそういう会社のものならば、そんなに神経質になる必要はないと思いま すが、よくわからない会社、特にベンチャーなどがつくっているものでわからないもの を個人輸入した場合に、やはり問題になってくるでしょうね。どうぞ、青木委員。 ○ 青木構成員  私も今議論されたように、やはりある程度の品質の保証は必要だと思いますので、先 進国で許可されているか、先進国で開発の後期にあるという条件は必須だと思います。 とにかくこういった未承認薬の提供をどうするかということをきちっと決めていただか ないと、メーカーとしても非常に困ることがありまして、薬がよく効けば効くほど治験 が終わってからも提供を依頼される。それから治験外に提供を依頼される。このときに、 では安全性はどこが責任を持つのか。コストはどこの責任なのか。有償でお分けすると して、どういう値段でいいのか。もうわからないこと、決まっていないことだらけであ りまして、これは多分期間限定の緊急対応だと思いますが、緊急対応なら緊急対応の中 でどう考えるかということを、一遍制度的にきちっと考えていただく必要があります。 そうでないと、我々治験をやっている会社としては非常に困ることが多いです。 ○ 高久座長  そうですね。この12ページの上の方の継続提供ということが、かなり要望が出てく ると思います。これはほとんどルーチンに行われているのですか。 ○ 青木構成員  提供することが多いです。やはりこれで投与を切ります、投与の継続をお断りします、 ということはなかなかできません。 ○ 高久座長  現場としてはできないですね。 ○ 青木構成員  ほかに薬がなくて、非常によく効くという場合には断れません。類似薬があればそれ は断れますが。 ○ 高久座長  それから、12ページの上の方の、被験者の選定基準に合わない、いわゆる追加的治験、 これもやはり現場ではかなりやっているわけですか。 ○ 青木構成員  追加的治験は、どちらかというと継続提供より少ないのではないかなという気はしま す。サーベイしたことはありませんが。 ○ 高久座長  そうか。これは企業としてはこのルールをはっきりしていただいた方が。 ○ 青木構成員  いただかないと困ります。責任の範囲とあわせて。 ○ 高久座長   外国では継続のことはやっているのではないですかね。どうですか。わかりますか。 FDAなどは。 ○ 山本承認審査等推進室長  外国の場合ですが、やり方として2通りあります。一つは、もう治験が終了して審査 中の場合についても、その治験のプロトコールの延長として投与してもいいというふう な決め方をしている、治験の延長で考えるというやり方をとっている場合と、そうでは なくて、もう承認審査中の薬なので、それに対して見込みが間近というときには、治験 とは明確に違うものとして前倒しでもって提供を認めてもいいというようなやり方と、 2通りございます。  それで、19ページの参考のところについております、まず「欧州における制度」の中 の「仏国の制度」というところで、右側の四角になっているところにSo-Called Cohort Systemというふうに書いてある部分ですが、承認申請をしている薬について、承認の 前に例外的にある一定の要件を満たしたものについては認めていいというような制度を とっております。  それから、20ページをちょっとごらんいただきたいです。アメリカの場合でございま すが、(3)のTreatment INDと書いてある、これはやはり企業から提供しているよう な場合でございますが、一定のレベルまで治験が終了して、承認の見込みがあるような ものについて、INDという制度の中ですが、治療目的で提供してもいいというような 制度にしている場合がございます。 ○ 高久座長  提供してもいいのですが、その場合にはお金はだれが払うのですか。 ○ 山本承認審査等推進室長  Treatment INDの場合には、企業が一定の対価を取ってもいいということを明確に しております。 ○ 高久座長  有償ですね。あるいはHMOは。HMOはその場合にはまだ認めないですね。 ○ 山本承認審査等推進室長  はい。それから、フランスの場合も同様に、このCohortの場合にはやはり一定の対 価を取り得るような仕組みになっているということでございます。 ○ 高久座長  わかりました。日本の場合には保険に入れるか入れないかということだから お金を取るのがなかなか難しい場合がある。しかし取るとすれば特定療養費みたいな形 になりますね。取った方が本当はいいような気がするのですが。 ○ 青木構成員  額的にいうと、ばかにならない額になります。 ○ 高久座長  ええ、ばかにならないと思います。医師が個人輸入、あるいは患者さんが個人輸入す るにしても、先進国で開発されたものはいいですが、それをコントロールできないので すね。だけど、どこのものを輸入するかは個人で調べて、その場合にどうなるのかな。 それは全く個人の責任ということになりますかね。それと主治医の責任にもなりますね。 医師が輸入しなくても患者さんが個人で輸入したのを認めた。それを医師に言わないと したらまた別でしょうが。 ○ 佐藤構成員  よろしいでしょうか。今のことで、ちょっとサリドマイドの実例を御紹介したいと思 いますが、インターネットで「サリドマイド」と「個人輸入」というキーワードで検索 すると、実はインド製や中国製のサリドマイドの個人輸入を代行しますよという業者が 幾つか出てきまして、そこのホームページを見ますと薬監証明をとる必要がないと書い てあったり、堂々とホームページに出ていたりするんですね。これは恐らく薬事法に違 反する例ではないかと思いますが、やはりそういうことがどうも行われているというの が現状のようでございます。ですので、コンパッショネート・ユースをきちっと導入す る中で、そういうことに関しても規制を。今の場合は明らかにもう今の時点で薬事法違 反ですから、取り締まりの対象だと思うのですが、そういう中で患者さんにある一定の 品質以上のものを届けるような仕組みが、やはり必要だろうなと思っています。 ○ 高久座長  実際私はよく知らない、無知なのですが、薬監証明というのは厚労省が出すのですか。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  そうです。薬事監視証明というのは、関税法上は、日本国内の法律に反しないという ことを前提に通関を認めるということになっていますので、医薬品みたいなものが通関 しようとすると、これは日本国内で合法なものかどうかということを聞かれるわけです。 そのときに、地方厚生局の窓口で薬事監視証明をもらって、これは薬事法には反しない ということを証明してもらえば通関が円滑にできるということで、薬事監視証明という ものを地方厚生局が発行しているということです。 ○ 高久座長  そうすると、インターネットで薬監証明は要りませんといって、例えばサリドマイド がインドから入ってくることはあり得るわけですか。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  一般的にインターネットでそのような広告をしている場合は、医薬品の広告をしては いけませんということで、見つけ次第警告を発しております。サリドマイドに関しまし ては、通関の際に非常に取り扱いに注意しなければならない医薬品ということで、すべ ての場合に薬監証明をとるようにしていますので、その意味で歯どめはかかっていると 思います。ただ、それ以外の医薬品ですと、例えばバイアグラとか、本当にバイアグラ かどうかわからないのですが、そういう名前でどこぞの国で売っているものを、個人用 ということで特に自分で持ってきてしまうと取り締まりができませんので、通関をして しまう可能性はあると思います。 ○ 高久座長   普通の輸入でも通関してしまう可能性があるわけですか。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  はい。個人用でですね。数量が少なければ通関する可能性はあります。 ○ 高久座長  ですけど、それがもう薬であるということはわかるわけですね。過程で。変なパッケ ージに入って、何かわけのわからない別のものみたいな形で入ってくる可能性もあるの ですか。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  もちろん密輸する目的で隠ぺいされるとどうにもならないわけです。 ○ 柴崎構成員  一つ質問してもいいですか。個人輸入の場合に、例えばきちっとした経緯のもとに開 発された医薬品でも、どの会社、あるいはどの販売会社からのみしか輸入できないとい う規制はあるのでしょうか。 ○ 高久座長  それはないですね。薬監証明だけの問題ですね。 ○ 柴崎構成員   いや、私はさっきから同じ立場なのですが、本当に医薬品を製造するというのは、微 妙な条件がありまして非常に難しいんですね。ですから、ちょっと違ったコンディショ ンで最初のステップなどをやりますと、全然違った化合物が、不純物が入ってくる可能 性があって、それが物すごい危険性を持つことがあるわけです。ですから、そこの生産 する会社のレベルとか、そういうことに対しての規制というのはあるのかどうか、ちょ っと興味というか、失礼な言い方ですが、どうなっているのか聞きたいのですが。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  もちろん国内で承認をされて……。 ○ 柴崎構成員  いや、済みません、輸入薬。個人輸入の……。 ○ 高久座長  いや、外国ででしょう。承認され。 ○ 柴崎構成員  承認されているのはいいんですけれども、承認された後にでも、いわゆるジェネリッ ク的にどこでも生産できるようになったときに、個人輸入をするときに、どの会社でな くてはいけないという、そういう制限的なものはあるのですか。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  個人輸入についてはありません。 ○ 柴崎構成員  そうすると、もう全くわけのわからない化学者が医薬品を合成して、不純物がいっぱ い入っているものが入ってくる危険性というのはゼロではないわけですね。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  そうですね。 ○ 柴崎構成員  そこはやはり私の立場としては非常に気になりますね。 ○ 高久座長  それはだれでも気になります。たしか東南アジアでは20〜30%の薬はインチキだとい う、あるいは南米とかそういうところはかなりインチキな薬があるとか、全く効果がな いものもあるとか、いろいろなことがニュースとしてなっていますから、そういう危険 性は十分にありますね。それを取り締まるのはなかなか難しいですかね。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  もちろん業として輸入する場合は、当然厳しく取り締まっているわけです。それで、 全くの個人が例えば外国のホームページを見て、個人用ということでごく少数の数量を 持ってこようとした場合に、それが必ず波打ち際でとまるということはないです。 ○ 柴崎構成員  例えばこれは変なことを言うかもしれませんが、すべてそういう医薬品というのを、 私はこの医師個人輸入というのに反対なのですが、例えば医師個人輸入的なものに切り かえるということは非常に難しいのですか。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  現実はすべての国が同じような悩みを抱いておりまして、例えばアメリカでもFDA が国民に対して、インターネットの広告でだまされて変なものを買ってはいけませんよ、 というようなことを言っているわけです。結局今はインターネットのような技術が発達 して、世界のどこからでも個人単位で輸入が可能なような仕組みになってしまいました ので、あとは個人の責任でそういう危ないことはやらないでくれということを周知する しかないのではないかと思うんですね。ある程度は。 ○ 高久座長  そうですね。ほうっておくと自分のPCにバイアグラの宣伝がいっぱい入ってきます から、これは医師個人輸入は患者さんにとっては難しいと思いますね。  18ページにいろいろな論点ということで挙げていますが、これについて御意見はあり ますか。これはCU制度の対象となる医薬品については、要望が非常に大きい場合には、 将来的に正規の薬として承認ということに結びつけることは、当然考える必要はあると 思います。それから2番目の、重篤な疾病でありほかに治療法がない場合はもちろんい いのですが、なかなかこの範囲に限定するのは難しいですね。特に個人輸入の場合には かなり難しいと思います。 ○ 松本(恒)構成員  ちょっと質問ですが、今の御議論と関係するのですが、薬監証明をとるためには輸入 する者が厚労省に対して何か確認を求めるわけですよね。その場合に一体何を提出すれ ば確認をしてもらえるのですか。例えばこのサリドマイドについては必要ですよね。わ けのわからない企業が外国でつくったサリドマイドと称するものを輸入する場合に、サ リドマイドですと言えばそれで通るのですか。つまりどこの国のどのメーカーがつくっ て、純度が何%でというものを出して初めて通るのか。監視といって、具体的に何のチ ェックをしているのですか。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  薬事監視証明を出す際には、お医者様が自分の患者さんにお使いになりたいというこ とであれば、そのお医者様がそういう目的に使うという陳述書と、それからお医者様で あるという医師の資格の証明、そういうものを出していただいて、通関が、薬監証明が されると。 ○ 松本(恒)構成員  つまり医薬品としてどうこうという話ではなくて、使用目的がこうであるという陳述 をすれば、それで証明がいただけるということですね。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  そうです。 ○ 松本(恒)構成員  では、効能や安全性は全く確認の対象外であると。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  薬監証明を出すときには、医薬品の審査のようなことはやっておりません。 ○ 高久座長  できないでしょうね。間に合わないでしょうしね。個人輸入の場合には、医師の処方 は出ないわけですね。その場合でも薬監証明はとれるわけですか。薬がはっきりしてい れば。あるいは本人の申告が納得いくものであれば。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  13ページをごらんいただきますと、薬監証明が必要な場合というのが、「手続きの要 否」というところに書いてございますが、お医者さんの個人輸入の場合は薬監証明が必 要でありまして、それから医薬品の場合ですと、特に注意が必要とされた医薬品につい ては薬監証明が必要でございますし、それ以外の場合は、量が少なければ特段の薬監証 明は必要なしで通関するということでございます。 ○ 高久座長  そういうことですね。だから美容目的の薬も入っていますから、こういうのは薬監証 明が要らないわけですね。 ○ 池田構成員  ちょっとよろしいですか。お聞きしたいのですが、薬監証明が必要な医薬品、医薬品 と呼ばないということになるのか、サリドマイド等ですけれども、個人輸入だと700件 で医師個人の輸入だと12,000件という、相当の開きがありますよね。この場合は、例 えば個人輸入は要するにやめていただくと。どういう資格があったらこの薬監証明を出 すかというような、そういう議論の方向にはなかなか行かないものなのでしょうか。  私はコンパッショネート・ユースは基本的には本当に安全なお薬、先ほどから言われ ているそのものの保証があれば、やはり使えるような格好で議論して、そしてその使っ たデータをきちっきちっと整理をしておくという、そういうところまで制度設計をして おかないといけないと思うんですね。ですから、先ほど佐藤先生もサリドマイドのこと をお話しされましたが、サリドマイドも被害者の会、あるいは患者さんの会、あるいは 行政、あるいは学会等、非常にその辺の議論をしまして、安全に使えるということと、 それのエビデンスをきちっきちっと積み上げていく。そして薬監証明をとった医師はや はりそれなりの責任をきちっとリクワイアして、データを集めていくというような、そ ういうのが非常に見えやすいような格好で制度設計をされたらいいと思うので、そうす るとコンパッショネート・ユースも非常にわかりやすい方向になるのではないかなと。 ですから、12,000件と700件だったら、この700件の方はどうなのでしょうか。だめ ですかね。 ○ 村上監視指導・麻薬対策課長  方向性は、今先生がおっしゃったとおりの方向性で我々も考えておりまして、例えば 目的の(1)のところにサリドマイドというのが書いてございますが、基本的にはこの薬監 証明必要というところではサリドマイドは認めませんので、そういう意味でそのような ものは医師の個人輸入として輸入するしか道はないということになるわけです。ですか ら、そういう意味で個人輸入の中で特に問題のあるようなものについては、医師の個人 輸入以外は認めないというような形で対応をしてきています。その結果として、この部 分の薬監証明の件数が少ない、減ってきているということだと思います。 ○ 高久座長  そういうことですね。それでもまだ少しあるということですね。 ○ 柴崎構成員  よろしいですか。ちょっと極端な問題提起をさせていただきますが、私は医師の個人 輸入というのは若干気にはなるのですが、医師は医薬品を最大限有効に使う専門家と位 置づけられると思うんですけれども、医薬品を化学物質として見る専門家というのは薬 剤師だと思うんですよね。ここに例えば将来的な議論として医師プラス薬剤師が連携で 輸入したとすると、物質の純度とかそういうものに関しては、これはやはり薬剤師の責 任問題だと思います。医者はそこまではなかなか難しいわけで、ですからこれにプラス 薬剤師が入った場合には、純度に対するそこの責任というものも入ってきて、ランダム でも純度試験をするとか、そういうことが起こってくるだろうと思うのですが。これは 大幅に医師個人輸入というものに対する問題提起になってしまってあれですが、要する に医薬品を有効活用する専門家と医薬品をある程度物質として見る専門家と、2人の専 門家が共同で輸入するならば、今議論しているようなことがかなり解決される可能性が あるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○ 高久座長  その点についてはいかがですか。どうぞ。 ○ 中垣審査管理課長  柴崎委員御指摘の点は、資料の19ページにフランスの制度の概要をまとめておりま して、右下の「加盟各国の制度」で「仏国の制度」というところでございますが、ここ にNominative Systemという、個人を特定して医師の責任のもと輸入する制度という のがございます。この申請方法を見てみますと、薬剤部門を通じてやっていくんだとい うことが書かれていて、こういうのに先生の御主張というのは似ているのかなと。また、 コンパッショネート・ユースを考えていく上では、一つの御意見だろうと考えておると ころでございます。 ○ 高久座長  開業の先生の場合は、所属する医療機関の薬剤部門というと、近くの薬局を通じると いうことになるのかな。そういうことですね。 ○ 中垣審査管理課長  そこまでちょっとフランスの制度を調べておりませんが、考え方の整理なのだろうと 思っています。 ○ 柴崎構成員  薬剤師が入ったらやはり純度というものに対する責任というのは、その薬剤師がかな り負うべきことだろうと私は思います。 ○ 池田構成員  よろしいですか。実はサリドマイドの適正使用のシステム、ガイドラインを、血液学 会が患者団体と一緒につくったときに、やはり責任を持つ医師と責任薬剤師と、それか ら家庭内での薬の管理責任者というのを全部決めまして、そして安全にその薬がどこか いかないように、本当に薬が使えるようにという制度設計を、これは米国でもS.T.E.P.S. (ステップス)というやり方でやっているのですが、これは薬の種類によって違うとは 思いますが、やはりそういうぐらいのことを考えないと安全性というものは担保されな いかなという気はするので、一つの制度設計のあり方かなとは思っています。 ○ 高久座長  どうぞ。 ○ 寺脇構成員  今貴重な意見をいただいて、薬剤師としては大変うれしく思います。こういう安全性 を守るために、薬剤師を制度的にどう組み込んでいっていただけるかは、厚労省の意向 にもよると思いますが、我々は今品質保証ということと、さらに大きな命題としては医 薬品の適正使用というところで、随分重大な任務を帯びています。そういう意味で薬学 も6年制になったのだと思いますが、具体的に品質保証に薬剤師がどうやってかかわっ ていくかというのは、大変現実的には厳しいと思います。ただ、ほとんどの都道府県の 薬剤師会が医薬品試験センターとか、あるいは単に試験センターとか言っておりますが、 そういうセンターを持っておりますので、輸入の品質保証に薬剤師会が積極的に取り組 むということは、組織としてはできるのではないかと思います。 ○ 高久座長  わかりました。どうもありがとうございました。ほかにどなたか。  結論としては、薬監証明を必要とするような薬については、個人輸入は基本的には認 めないようにすると。そういう方向に行くということで。それから、医師個人輸入の場 合に、これはこれから具体的にどうするかが問題であるにしても、外国の例を参考にす ると、品質の確保という意味では薬剤師の関与を十分に考慮するということで。ちょう ど時間になりました。どうぞ。 ○ 高橋医薬食品局長  ちょっとその辺はよくお考えいただかないといけないのですが、この個人輸入はある 意味では野放しではないかという、ありていに言えばそういうようなお話になるのかも しれませんが、個人によるこういったものの所持や輸入がだめだということは、これは ある意味では非常に大きい問題なので、例えば麻薬とかああいうものに、こういうもの を持ってはいけないという罰則つきで完全禁止をするような話になるかどうかなんです ね。その場合、ちょっとぐらい品質が悪いからだめなんだとか、個人には情報が十分い っていないからやはり禁止する方向がいいんだということは、これはある面憲法問題に なりますので、本当にそこまで非常に危険だという証明ができるかどうかというのは、 ちょっと私の方の目からいうとかなり難しいのかなという気はいたします。ですから、 実態として現実には個人は余り情報を持っていませんから、できるだけ普及・啓蒙をや ると同時に、できるだけお医者さんの方がきちっと管理をする方向で進めていくという 方向は全く問題がないと思いますが、今問題になっている最後に禁止ということになる とかなり難しい側面があるということはひとつ御理解いただきたいと思います。  それから、先ほどの13ページ、個人の輸入で届出があるものと同時に、届出が必要 ないものがあります。これは山のようにあります。薬か食品かもわからないようなもの がいっぱいあります。そこを全部何か国がチェックしろといったら、これはもう行政事 務が大変なことになりますので、そこはあと個人責任でどう考えるかという問題が一つ あるというのは御理解いただきたいと思います。  それからもう一つは、輸入する場合に、では医者が責任を持って輸入するんだと。同 時にあと内容のチェックというお話が出ましたが、医者が責任を持っているというのは、 現行の法制度で医者が今の医療制度の中で、患者に対して全責任を負っているという格 好になっているわけです。これは全体の法律の組み立てが。そのとき例えばそこで今度 は品質の方もちゃんとチェックを誰かがやろうという話になれば、それは参加する誰か がもしかすると責任をともに担う立場になるわけで、それはいいときはいいですが、悪 いときになったら必ずそこには責任を負うという問題が発生します。そこはよく慎重に 考えていただかないといけないということを、ちょっと御理解いただきたいと思います。 ○ 高久座長  確かに禁止になると非常に大きな問題になるから、今おっしゃったようにPRをして だんだん減らす方向に行くということしか仕方がないと思います。それから、薬剤師の 方がどの程度関与するかということは、これは今後の検討課題になるのではないかと思 います。よろしいでしょうか。おっしゃるとおりだと思います。どうもありがとうござ いました。  それでは、そろそろ時間が参りましたので、このコンパッショネート・ユースにつき ましては、今日十分に煮詰まっていませんので、次回また引き続き御議論いただきたい と思います。  それから、事務局の方から何か連絡事項はありますか。 ○ 中垣審査管理課長  本日、「当日配付資料」として、本年の3月29日に開催させていただいた、第5回の 検討会の資料をお配りさせていただいております。今日の一部新聞報道において、海外 の新薬を1年半で承認するということが報道されておりますが、先生方に迅速にやるた めにはどういった検討課題があるのだろうかと御意見を賜りながら、何か新たなことを またやっているのかというふうに誤解を与えているとすると申しわけないなと思って、 お配りさせていただいたものでございまして、今日の報道の趣旨というのが、この上の 表にございますとおり、今アメリカと比べて大体2.5年遅れておると。この2.5年を 5年間で解消するのだということを、3月29日に御説明させていただきましたし、そ のような方向でやっているわけでございまして、何も海外の新薬をどうのこうのという ことを考えているわけではない、あくまで従来御説明している方向で我々は考えている ということで、御理解を賜りますようお願い申し上げます。 ○ 高久座長  それでは、次の開催のことについてどうぞ。 ○ 山本承認審査等推進室長  次回は5月22日(火)の14時からでございまして、場所はまた追って御連絡を申し 上げます。 ○ 高久座長  それでは、本日はどうもありがとうございました。 <了>                           照会先     医薬食品局承認審査等推進室     03−5253−1111