07/04/19 第46回労働政策審議会職業安定分科会議事録 第46回 労働政策審議会 職業安定分科会 1 日 時 平成19年 4月19日(木)18:30〜19:30 2 場 所 厚生労働省職業安定局第1会議室 3 出席者 委 員(公益代表)            諏訪分科会長、大橋委員、椎谷委員、清家委員、宮本委員 (労働者代表)            市川委員、徳茂委員、長谷川委員、古市委員、堀委員 (使用者代表)            石原委員、紀陸委員、成宮委員、尾崎委員代理(吉免氏)、       事務局 高橋職業安定局長、鳥生職業安定局次長、荒井審議官、            生田総務課長、宮川雇用保険課長、宮野企画課長、            三上雇用開発課長、坂口需給調整事業課長、            菅野参事官(地域担当)、阿部若年者雇用対策室長、            荒牧建設・港湾対策室長、井上農山村雇用対策室長 4 議 題 (1)労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告    示案について(諮問) (2)雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について(諮問) 5 議事内容 ○諏訪分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第46回「労働政策審議会職業 安定分科会」を開催いたします。 (出欠状況報告)  議事に入ります前に、事務局から報告があります。 ○雇用保険課長 本日は、急にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。前 回、3月30日の職業安定分科会でご説明申し上げましたとおり、3月30日時点では、 雇用保険法等の一部を改正する法律案につきましては、その時点で成立していなかった ところでございますが、その後、4月10日の参議院の厚生労働委員会におきまして、 修正の上可決されました。  主な修正事項としては後ほどご説明させていただきますが、施行日を4月1日から公 布の日に改めるとともに、料率引下げを4月1日に遡って適用するなどを内容としてい るところでございます。  なお、参議院の厚生労働委員会では附帯決議がありましたので、その附帯決議をご参 考までに机上配付させていただきました。4月11日に参議院の本会議において可決さ れ、衆議院に回付され、本日の衆議院本会議で同意を得て成立したところでございます。  このような形で、改正雇用保険法につきまして成立が遅れ、関係者の皆様方に多大な ご迷惑をおかけいたしているところでございますが、本日の議題としております省令・ 告示案と併せ、円滑な施行に努めていきたいと考えておりますので、引き続きご指導、 ご協力方よろしくお願いいたします。  今後は、閣議で公布のための手続を行い、関係政令とともに、いまのところ23日の公 布を考えているところでございます。経緯につきましては以上でございます。 ○諏訪分科会長 ただいまのご説明をめぐって、ご質問なりご意見はございますか。 (特に発言なし) ○諏訪分科会長 議事に入ります。本日の議題は「労働保険の保険料の徴収等に関する 法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案について」、及び「雇用保険法施行規 則等の一部を改正する省令案について」の2議題です。最初の議題の「労働保険の保険 料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案について」を事務 局から説明をお願いいたします。 ○雇用保険課長 資料No.1-1、資料No.1-2、資料No.1-3の3点を使ってご説明いたします。 資料No.1-1は諮問文です。1枚めくりまして別紙のところは、「労働保険の保険料の徴 収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案要綱」です。平成19年 4月1日から1年間、雇用保険率を15/1000、農林水産業及び清酒製造業については 17/1000、建設業については18/1000とすること、という内容です。  具体的な内容は資料No.1-2でご説明いたします。雇用保険制度については2つの弾力 条項の制度があります。1つは、失業等給付に係る弾力条項、もう1つは雇用保険三事 業(法律が施行されますと雇用保険二事業になる)に係る弾力条項です。  このうち上にあります失業等給付に係る弾力条項は、年度末の積立金などの額が、失 業等給付費の2倍を超えた場合に、保険料率を引き下げることが可能であるということ です。括弧の中にありますように、平成16年度決算額では1.71、平成17年度決算額 による計算では2.98と2倍を超えていますので、保険料引下げは可能であった。法律改 正がされるまでは2/1000引き下げることが可能であるという形ですが、この改正法が 施行されますと4/1000引き下げることが可能になるということで、保険料率16/1000 を12/1000まで引き下げることが可能という状況になっております。  一方、雇用保険三事業 今後は二事業ですが、に係る弾力条項は、その年度の雇用安 定資金などを分子とし、分母として三事業に係る保険料額を計算し、これが1.5を超え た場合に保険料率を引き下げるという内容になっております。括弧の中にありますよう に、平成17年度決算額による計算の結果1.54ということで、1.5を超えておりました ので、これは引き下げることは既に決まっていたというか、引き下げなければならない ということになるわけです。その結果3.5/1000の保険料率が3/1000まで引き下げる ことが必要ということです。  これら2つの内容を併せ、また、本年1月にまとめていただきました雇用保険部会報 告を踏まえ、併せて12/1000と3/1000を足した15/1000にするという内容が今回の要 綱内容です。  資料の概略を説明させていただきますと、2頁がそれぞれのバックデータであります 収支状況です。詳しい数字は省かせていただきます。3頁は雇用保険料率引下げの影響 です。これによる影響の試算をここに掲げております。全体としての保険料負担の軽減 は6,800億円、モデルケースで見た場合には、労働者・使用者それぞれ25%なり22%の 負担の軽減になります。4頁と5頁は条文です。  資料No.1-3です。今回修正が行われたわけですが、その修正案の内容です。1番に書 いてある施行期日が、原案では4月1日だったものを公布の日に改める、というのが修 正案の中心部分です。二、三、四はそれに付随したものです。  2番は、この雇用保険率の弾力的変更で、これは先ほど申しましたが、上げたり下げ たりすることができる。この引下げに係る部分については、平成19年4月1日から適 用することができるようになっているものです。  3番は、納付期間について、平成19年4月1日から雇用保険率を変更した日の前日 までの日数分を延長するための措置を講ずる。その他所要の整理ということです。  2頁で具体的な内容を説明させていただきます。修正ポイントはいまご説明いたしま した3点です。1番は、仮に法案が平成18年度内に成立していた場合には、左から右 に流れますように、4月1日には改正法が施行され、保険料率も4月1日で引き下げら れ、50日間、5月20日までに原則どおり納付期限が来るということでしたが、今回 の修正の1点は、いちばん下のほうに矢印がありますように、保険料率の引下げは、左 側にあります○日というところの下に「引き下げた保険料率を年度当初から遡って適用」 という部分で、4月1日分からは保険料率引下げを遡って適用することができる、とい う点がまず第1点です。  もう1つは、この改正法の公布、施行、保険料率の引下げという日の前日までの日数 分、その日数分だけ5月20日という納付期限の締切り、いわゆる年度更新の納付期限 の締切りを延長するということが右側の○日分の下に書いてある、「保険料納付期限を、 年度当初から改正法の施行日の前日までの日数分延長」という内容です。  内容の説明としては以上です。 ○諏訪分科会長 本件について、ご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。 (特に発言なし) ○諏訪分科会長 この件について、特にご意見、ご質問等がございませんようでしたら、 当分科会といたしましては、厚生労働省案を妥当と認め、その旨を私から労働政策審議 会長にご報告申し上げたいと思いますが、そのようなことでよろしいでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文の案をお配りい ただきます。 (報告文(案)配付) ○諏訪分科会長 いま配付された案のとおりですが、これでよろしいでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告をさせていただき ます。  次の議題は「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について」です。事務局 から説明をお願いいたします。 ○総務課長 資料No.2-1を用いてご説明させていただきます。資料No.2-2と資料No.2-3は 適宜引用させていただきます。資料No.2-1は「雇用保険法施行規則等の一部を改正する 省令案要綱」ということで、諮問の日付が3月20日になっています。労働政策審議会 としては、最初に均等分科会でこの中の一部が議論されていて、その日付で諮問されて いるものです。ですから、諮問の日付としては、労働政策審議会全体としてみると3月 20日ということです。3月20日に諮問したという形で要綱が出来上がっておりまし て、それをご説明いたします。  1枚めくりまして第一からです。まず、雇用保険法施行規則の改正です。一が、受給 期間内に再離職した場合の提出書類の改正です。これは、事業主の事務を簡素化する観 点から、受給資格者が受給期間内に、これは「就職した後再離職し」ということですが、 一旦その雇用保険の受給が始まった後、1年間が受給期間なのですけれども、その間で 再就職して、また離職するケースがあります。そのケースについては、提出書類につい て、離職票に代えて雇用保険被保険者資格喪失確認通知書でも可能ということで、これ で簡素化されるというものです。  二は、基本手当受給者の早期再就職の促進のための改正です。(一)、(二)があり ますが、これは雇用保険の失業の認定の過程で職業紹介、あるいは職業指導をきちんと やる。もともとやっていたことですけれども、念のため確認的に書いてあるというもの です。(一)は、失業認定時の求職活動の内容の確認の際に、職業紹介又は職業指導を 行う、(二)は、自発的離職等による給付制限期間中の受給資格者について、職業紹介 又は職業指導を行う、ということが書いてあります。  三は、教育訓練給付の給付率等の改正です。これは雇用保険法の改正に伴うもので、 教育訓練給付の給付率、従来被保険者であった期間が3年から5年の方については100 分の40でしたが、それを100分の20にするということ。上限額についても20万円を10万 円にするというものです。  2頁の四は、労働移動支援助成金制度の改正です。(一)求職活動等支援給付金につ いて、職場体験講習の受講者を雇い入れた場合の給付金の額について、地域全体の雇用 情勢の改善を踏まえ、10万円から5万円ということで見直しをさせていただくというこ とです。ただ、現在の地域法の下におきます雇用情勢が悪い地域、同意雇用機会増大促 進地域については10万円のまま据え置くという考え方です。こうした内容につきまして は、地域法の改正がありましたら、またそれに合わせて見直していくことになります。  (二)は、再就職支援給付金について、それから再就職までの期間に係る要件を3カ 月ら2カ月に改めるということです。これにつきましても雇用情勢が悪い地域について は3カ月のままでいくということです。  (三)は、「定着講習支援給付金を廃止するものとすること」ということですが、こ れは実績がほとんどないということもありまして廃止するものです。  五は、定年引上げ等奨励金制度の創設です。これは(一)にあるように、定年引上げ 等奨励金を創設するということです。それは以下の2つからなるということで、(二) と(三)の2つからなるということを(一)に書いてあります。  (二)の中小企業定年引上げ等奨励金は、現に60歳以上65歳未満の定年の定めをして いる中小企業事業主であって、労働協約又は就業規則により新たに65歳以上の年齢まで の定年の引上げ等を行ったもの等に対し、当該事業主が講じた措置の内容、雇用する被 保険者の数等に応じて、40万円から160万円の額を支給するというものです。  3頁の(三)がもう1つの内容で、雇用環境整備助成金です。労働協約又は就業規則 により、65歳以上の年齢までの定年の引上げ等を行った中小企業事業主が、その雇用 する労働者の過半数で組織する労働組合等の同意を得た計画に基づき、その雇用する5 5歳以上65歳未満の被保険者に対する研修を他の事業主に委託して実施した場合に、 当該研修に要した費用の2分の1に相当する額を、当該研修を受けた被保険者の数に5 万円を乗じて得た額又は250万円のいずれか低い額を限度として支給するというもので す。  (四)の継続雇用定着促進助成金については、改正高年齢者雇用安定法の施行に伴い、 必要性がなくなったものという考え方の下に廃止するということです。  (四)の助成金の廃止に併せて、先ほど申しました(二)、(三)という新しい助成 金を作ったということです。  六は、自立就業支援助成金制度の改正です。この中の高年齢者等共同就業機会創出助 成金についての見直しです。45歳以上の高年齢者等3人以上が共同して企業を起こす 場合の助成措置です。この支給対象となる3人以上の高齢創業者から、正当な理由がな く自己の都合によって退職した者等を除くということ。もう3つは、自己資本比率が100 分の50以上である法人を除くということです。自分で資金を持っている人については、 助成措置の必要性が薄いのではないかという考え方で除くということです。こういう見 直しをするということです。  後段部分で、「有効求人倍率が全国平均値以上である地域における支給額を、500万 円を限度として、法人の設立後6箇月の間に当該法人の運営に要した費用の2分の1に 相当する額とする」と書いてあります。これは、この助成金自体がそもそも雇用対策と して実施するものですから、全国的な雇用情勢の改善を踏まえ、全国平均値以上の雇用 状況の良い地域については、従来は3分の2なのですけれども、その3分の2を2分の 1に見直すということです。  七は、試行雇用奨励金制度の改正ということで、いわゆるトライアル雇用の助成金で す。(一)トライアル雇用の対象として、季節労働者のトライアル雇用制度を導入する ということ。支給額については、1人につき5万円から4万円に改めるということ。トラ イアル雇用の助成金についても、中小企業の利用が多いということで、従来は100人以 上の企業について、このトライアル雇用の対象となる人について対処する労働者にかか るコストを考えながら設定していたわけですけれども、その100人以上を10人以上とい うことで、中小企業も含むような対応をするということで見直したところ、4万円とい うことで、こういう対応をさせていただいております。  (二)は若年者雇用促進特別奨励金という制度を作ります。これにつきましては、子 供・子育て応援プランの対象期間であります、平成22年3月31日までの間の暫定措 置として作るということです。これは、トライアル雇用した後、常用雇用をしたときに 出すというもので、具体的な内容は(三)に書いてあります。公共職業安定所長が安定 した職業に就くことが著しく困難であると認め、かつ、過去3年間に雇用保険の被保険 者でなかった25歳以上35歳未満の求職者について、3カ月間のトライアル雇用をし た後、期間の定めのない労働契約を締結して、引き続き雇用する事業主に対しまして、 25歳以上30歳未満のケースについては20万円、30歳以上35歳未満については30 万円の助成金を出すというものです。  八は、地域雇用開発促進助成金制度の改正です。これについては、農山村地域につい ての助成を廃止することにしております。これは平成16年、平成17年とも実績が1 件しかない助成金で、実績を考えて廃止するものです。  九は、通年雇用安定給付金制度の改正です。これについては(一)にありますように 通年雇用安定給付金を、通年雇用奨励金に改めることにしております。従来、通年雇用 安定給付金の中に、冬季雇用安定奨励金と、冬季技能講習助成給付金というものがあり、 ともに平成18年度限りの措置でしたが、この2つがなくなるということに併せ、通年 雇用奨励金ということで名称を統一するというものです。  併せて(二)で、通年雇用奨励金の内容について大幅な拡充を図ることにしておりま す。その指定業種に属する事業を行う事業主が、通年雇用の労働者に対して業務に必要 な知識・技能を習得させるための職業訓練を実施した場合について、季節的業務に係る 訓練を行った場合については、かかったコストの2分の1に相当する額、それから季節 的業務以外の業務についての訓練を行った事業主については3分の2に相当する額を、 通常の助成額に加算して支給するということで、いままでの通年雇用奨励金に加え、こ の訓練にかかったコストをみるというものです。  (三)も同様で、拡充するというものです。対象となる指定業種に属する事業を行う 事業主が、指定業種以外の事業種に属する事業を新たに実施するために必要な事業所を 設置し、又は整備して季節労働者について年間を通じた雇用を行った場合については、 設置・整備のコストの10分の1の助成額を上乗せするというものです。これについて は、上限500万円で、最大3年間ということになります。  (四)については、トライアル雇用制度を導入するという中身ですが、指定業種以外 の業種に属する事業を行う事業主が、季節労働者を雇用した後、当該季節労働者につい て年間を通じて雇用を行った場合には、通年雇用奨励金を支給するものとすることにし ております。その額は、試行雇用後6カ月間に当該者に対して支払った賃金の額の3分 の1から、当該事業主が支給を受けた試行雇用奨励金の額を減じた額とするものとする ことにしております。こういう制度を作ることにより、通年雇用をさらに進めようとい うものです。  (五)は、通年雇用奨励金について、その対象となる指定業種に属する事業を行う事 業主が、平成22年4月30日までの間に、通年雇用した季節労働者を冬期に休業させ た場合には、当該事業主に当該休業期間中に支払った休業手当の額及び当該期間中に支 払った賃金の額の合計額の3分の1(通年雇用労働者となった日以後最初の休業の場合、 要するに初年度の休業につきましては2分の1)の額を支給するものとすることとして おります。  これは、通年雇用いたします際に、実際に就業する日数が少ないということで、休業 させざるを得ないという形のものについても支援することによって、何がしかの形で通 年雇用を少しでも進めていこうという趣旨の制度です。休業期間中の手当についても対 応するというものです。  十は、育児・介護雇用安定等助成金制度の改正です。(一)、(二)が雇用均等分科 会にかかったものです。具体的な給付の内容については、9頁の第二の三のところにあ ります。均等分科会の諮問事項については、6頁の十の(一)、(二)と、9頁の第二 の部分全体が均等分科会に既にかかっており、妥当の旨の答申を得ているところです。  6頁に戻りまして、十の(一)です。育児・介護雇用安定等助成金として、職場環境 の整備に取り組む事業主に対する助成制度を創設することにしております。これは、俗 に職場風土改革コースと呼んでおります。  (二)は、この職場風土改革コース助成制度の対象となる事業主について、20歳以 上39歳以下の被保険者の数が50人以上である次世代育成支援対策推進法第12条第 3項に規定する中小企業事業主であって、両立支援制度をしやすい職場環境の整備のた めの措置を実施したものとすることとしております。こういう対象者に対して措置をと るというものです。  具体的な内容を前倒しでご説明いたします。9頁の第二の三のところを読みますと、 第一の十の(一)の育児・介護雇用安定等助成金について、事業主が両立支援制度を利 用しやすい職場環境の整備のための措置を効果的に実施したと認められる場合は、2年 を限度として1年につき50万円を出すことにしております。2年目で当該措置の効果の 実施が上がった場合は、さらに50万円を加算することにしております。以上がこの助成 措置の内容です。  6頁の(三)育児・介護雇用安定等助成金として、新たに育児休業取得促進等助成金 を創設するとしております。これは、育児休業の取得を促進するための助成措置で、 (四)に具体的な内容が書いてあります。労働協約又は就業規則に定めるところにより、 その雇用する被保険者に対し育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福 祉に関する法律第5条に規定する育児休業制度を実施し、当該育児休業をする期間中に おいて、被保険者に対し自ら定めた額の給付金を3カ月以上の期間にわたり支給をする 事業主に対して、その給付金の額の10分の3に相当する額又は育児休業基本給付金の 上限額のいずれか低いほうを上限とする額の2分の1を出す。中小企業事業主について は3分の2を出すことにしております。  育児休業給付は制度としてあるわけですけれども、それに加えて、事業主が独自に上 乗せの給付金を設定した場合に、その上乗せの給付金については、休業前の賃金の10 分の3まではみるという考え方でして、その10分の3の2分の1、あるいは中小企業 の方については3分の2を助成するというものです。  (五)で暫定期間中の特例措置がありまして、これは子供・子育て応援プランの時期 に合っているわけですけれども、平成22年3月31日までの間については、この育児 休業取得促進等助成金について、3歳に達するまでの子を養育する被保険者に対して、 育児休業の制度又は短時間勤務の制度を実施した事業主に対しても支給することにして おります。先ほどの(四)だけですと、育児休業期間中だけなのですけれども、3歳ま でみるということにしております。それから、短時間勤務の制度に対して給付金を出す ようなときも対象にするということです。その支給額については、基本額の3分の2、 中小企業事業主については4分の3にするということです。先ほどは2分の1、3分の 2だったのを、手厚くして3分の2、4分の3にするというものです。  十一は、キャリア形成促進助成金制度等の改正です。この十一の部分については、3 月28日に能開分科会において議論され、了解いただいております。キャリア形成促進 助成金の中に、訓練等支援給付金を創設するということが(一)に書いてあります。こ れは、8頁の(三)の中に、訓練給付金、職業能力開発支援促進給付金及びキャリア・ コンサルティング推進給付金を廃止すると書いてありますが、この冒頭の訓練給付金と 職業能力開発支援給付金を廃止することに伴い、この2つを統合して作ったのが7頁の (一)の訓練等支援給付金です。ですから、新しく作ったというよりは、(三)の訓練 給付金と職業能力開発支援促進給付金を統合してできたのが訓練等支援給付金です。  キャリア・コンサルティング推進給付金は、単純に廃止するというものです。このキ ャリア・コンサルティング推進給付金は、予算に対する執行率が4%しかなく、あまり使 われていなかった給付金なものですから廃止するというものです。  7頁の(二)に戻り、訓練等支援給付金の内容を説明しております。事業所の労働組 合等の意見を聴いて作成した事業内職業能力開発計画に基づき作成した年間職業能力開 発計画に基づき、雇用する被保険者に職業訓練を受けさせる事業主等に対し、訓練の運 営に要した経費等について、厚生労働大臣の定める方法により算定した額の4分の1 (中小企業事業主にあっては3分の1)又は3分の1(中小企業事業主にあっては2分 の1)の額等を支給するものとすることと書いてあります。この4分の1の例としては、 若者に対する訓練がこれに当てはまります。3分の1の例としては、非正規の労働者に 対する訓練が当てはまります。それぞれ、こういう率で支援するということにしており ます。  (四)は、平成22年3月31日までの間ということで、認定訓練助成事業費補助金 があります。これは、認定訓練について都道府県が支援するケースで、都道府県に対し て出す補助金です。これについては、実習併用職業訓練の導入促進に向けた事業を行う ケースについて、平成22年3月31日までの間支援をすることにしております。  8頁の十二は、人材確保等支援助成金制度の改正です。この中で介護基盤人材確保助 成金の支給要件について見直すことにしております。これについては、定着率等を考慮 するということで、80%未満の者は不支給にする。80%を上回る者について引続き支給 の対象とするものです。  十三は、雇用安定事業等として実施する事業についての規定の整備ということで、障 害者職業センターの運営等の雇用福祉事業として実施していた事業のうち、雇用安定事 業、能力開発事業として実施する事業について所要の規定の整備を行うことにしており ます。  9頁の第二ですが、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関 する法律施行規則の一部改正ということで、先ほど申しましたように3月20日に均等 分科会にお諮りし、御了解を得ているものです。  一として、育児休業後に被保険者を原職等復帰措置に基づき原職等に復帰させた事業 主に対する育児・介護雇用安定等助成金について、対象期間を最初に原職等に復帰する 者が生じた日から起算して5年間に延長するものとするということです。これは、代替 要員の確保に関する助成措置で、代替要員確保コースと呼んでいるものです。これにつ いては、現在の措置は、1年度につき20人に対して3年間カバーするというものなので すけれども、要するに原職等に復帰する者が生じた日から3年間になっているのですが、 これをその1年度については10人にする代わりに、5年間に延長するというものです。  二は、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する被保険者に対し育児休 業に準ずる制度又は短時間勤務制度を実施した事業主に対する育児・介護雇用安定等助 成金ということです。これは、3歳から小学校就学までの支援策です。俗に子育て期の 柔軟な働き方支援コースと呼んでいるものですが、これにつきましては、最初に利用し た労働者が生じた日から起算して5年間、1事業主当たり延べ10人に限って、当該制度 を利用した2人目以降の労働者が生じた場合に、10万円(中小企業にあっては15万円) を支給するようにするというものです。現在の制度は、最初に40万円を出すというもの なのですが、それをこういう仕組みに改めるものです。  三は先ほどご説明したとおりですので、説明は省略させていただきます。  10頁の四は、平成19年度から平成21年度までの暫定措置として、これも子供・子 育て応援プランの対象期間ですが、労働者が小学校就学の始期に達するまでの子を養育 しつつ就業することを容易にするための施設としてということで、これは託児施設の設 置・整備に関する助成措置です。  それについて、「助成額は、中小企業事業主にあってはその要した費用の3分の2に 相当する額とするものとすること」と書いてあります。これは、一律2分の1の助成額 になっておりますのを、中小企業については、この暫定期間は3分の2にするというも のです。  第三は、独立行政法人雇用・能力開発機構の業務運営及び財務及び会計に関する省令 の一部改正です。これは、建設関係の労働者に係るさまざまな支援策についての改正で す。  一は、建設教育訓練助成金制度の改正です。(一)第二種建設教育訓練助成金につい て、「1日につき3時間以上とする技能実習の時間に係る要件を廃止する」と書いてあ ります。従来は、1日3時間以上必ずやらないといけないということ、そうでないと出 さないということになっていました。1日1時間だって、それなりのコースを作ればい いではないかということがありますので、そういうことができるようにしようというも のです。  (二)第三種建設教育訓練助成金について、助成対象を職業訓練推進団体のみとする ということです。従来は、元方事業主が行うものについても対象になっていたのですが、 この元方事業主が行うものについては実績がほとんどないということもあり、職業訓練 推進団体に限定するものです。  二は、福利厚生助成金の廃止です。福利厚生助成金を廃止するというのは、従来、作 業員宿舎だとか、福利厚生施設設置についての助成措置があったわけですが、そういっ た一般的なものとしては廃止するのですが、健康診断の助成については、平成19年度 の経過措置として残すという考え方です。  11頁の三は、雇用改善推進事業助成金の改正です。第一種雇用改善事業推進助成金に ついて、若者について重点化するという考え方で、若者である建設労働者の採用を促進 するための援助を行う事業主に対する助成金の上限額を100万円、なお全国的な団体につ いては400万円だったのを、200万円なお全国的な団体については800万円に上げることに しております。それから女性の活用の観点から、もともと高齢者についてはこういう措 置があったのですけれども、女性労働者について、援助に要した費用の3分の2に相当 する額を支給することにする、ということです。  (二)第二種雇用改善推進事業助成金について、これは若者について一般的に支援策 があったわけですけれども、特に新規学卒の生徒・学生の建設事業への就職の促進を図 るということで、こういう対象については助成金の額を100万円から200万円にするとい うことです。  第四の施行期日については、先ほど、雇用保険法改正の施行日は公布日施行というこ とで、4月23日が予定されておりますが、この雇用保険法施行規則につきましても同 日に公布するということで作業をしておりまして、できれば4月23日に公布したいと いうことです。これについては、諮問においては4月1日施行とされておりますので、 答申をいただくものについても同じもので御議論していただかざるを得ませんので、本 日はそのまま4月1日とさせていただいていますが、最終的な施行日については、省令 を各段階というか定める段階で公布日施行とさせていただきたいと考えております。  「ただし」ということで、第一の九、これは通年雇用奨励金の拡充の部分ですけれど も、これにつきましては今年の6月1日施行と。それから第一の三、これは教育訓練給 付についての見直しですが、これにつきましては雇用保険法の施行時期に合わせまして 平成19年10月1日施行とさせていただきたいというものです。  ご説明は以上です。よろしくお願いいたします。 ○諏訪分科会長 本件について、ご質問、ご意見はございますでしょうか。 ○市川委員 前に説明しただろうと怒られるかもしれませんが、資料No.2-1の7頁の、育 児休業取得促進助成金の(五)の、3歳までのほうにもやりますよというところの書き 方が、「3歳に達するまでの子を養育する被保険者に対し育児休業の制度又は短時間勤 務の制度を実施した事業主」ということで、「制度を実施した事業主」ということは、 つまり、給付金を出した事業主という意味ですね。  それで短時間勤務のところは、短時間勤務で勤務していない時間のところを、普痛だ ったら賃金カットをすると。その部分に対して何らかの助成というか、賃金というか、 それを出したという理解でよろしいのですか。 ○総務課長 そのとおりです。3歳までの育児休業期間中に、事業主として独自の給付 をした、あるいは短時間勤務で給料が減るのですけれども、それを埋めるために独自の 給付をしたというときに、その給付をした金額に対して助成をするという意味です。 ○市川委員 短時間勤務の期間というのは、当然賃金を払っているのですけれども、そ れでは駄目だということですね。 ○総務課長 賃金とは別に、独自の給付を払ったというケースです。 ○長谷川委員 資料No.2-3の2頁の介護基盤人材確保助成金が見直されて、額が半額ぐら いになっているのですけれども、これは何だったのですか。  前の審議会のときにも、高齢者継続給付について、本日の資料No.2-1にもあるのですが、 高齢者について、65歳以上についての制度を作ったところとなると、いまの高齢法は 60歳から65歳までを何らかの措置をしなさいということと、協約で希望する者全員 でなくて、差別化・選別化していいとなっていて、経過措置が3年、5年と付いている わけです。そういう意味では、希望する60歳から65歳までの雇用が確実に確保され ているとは言い難いわけです。それなのに、現行の助成金の見直しをして、新しく65 歳から70歳と書いてあったと思うのです。その65歳以上という制度のところに助成 金を付けるというのは。むろん、65歳以上を行う所に付けるというのは反対するもの ではないのですけれども、現行60歳から65歳のところが、希望する者全員でないと きに、本当にそれでいいのかどうか、前に高齢法の議論をしているときにも、そのこと は議題になったと思います。雇用保険法のときにも労側から指摘しました。それでも、 なおかつこのように制度を切り換えて、本当に中小企業などは大丈夫なのかと思うので す。それはどうなのでしょうか。  均等分科会で議論されたのですけれども、短時間労働者を非正規から正規にするとき についての助成金ができ、これは雇用保険でやることになっています。現行の法律と、 その助成金制度の施行日が一緒でないので、助成金のところで若干の空白期間が生じる ものについてどうなのだろうか。また、そういうところは何らかの経過措置をとるとい うことはできなかったのかどうかをお聞きします。  助成金は事業主の所に来るもので、労働者の所に給付されるものではないからと言わ れればそれまでなのです。ただ、たまたま私は短時間労働者のところでわかったのです が、この制度全体のときに、施策の施行日と助成金の施行日でずれているようなものと いうのは、ほかにもあるのではないかと思うのですが、それはどうなのでしょうか。 ○雇用保険課長 逆になって申し訳ございませんが、3番目からお答えいたします。パ ート法も、現在法律改正という形でご審議いただいていることの結果、向こうのほうの 施行期日に合わせて、向こうのほうの助成金制度を見直すという形になっております。 そういう意味で、今回私どものほうの雇用保険法の改正のほうが先に来たものですから、 そういう意味でのタイムラグが出ています。たまたま、パート労働法の改正との施行期 日のずれというものですが、そこは遡ってやるという形にはなかなかならないのではな いかと思われます。ただ、その例はパート法のみですので、ほかのものについては、今 回の法改正の施行に合わせてすべて切り換わるというイメージです。 ○長谷川委員 役所はそういうものの切換えスイッチが非常に上手だからピッピッと切 り換えて、こっちの制度は廃止したからもうなくなりましたよと。でも、これと同じよ うなものは、今度はこっちからですよと切り換えられるのです。  前から言われているのは、労働者にとって非常に良い施策が出てきたときに、事業主 からは非常に負担が大きいというのが最近よくある話なのです。パートの問題もそうだ し、最賃の問題もそうだし、時間外の割賃の話にもそういうのが出てきます。  そういう新しい施策をやるときに、一気にいろいろな助成金を付けながら施策がうま く定着するように、着地するように助成金を仕組んでいくのですけれども、ある一定の 空白期間があるとなると、また使えないという話になってきたり、行ったけれども、そ ういうのはないと言われた、というような話に発展するのだと思うのです。  そういうのを組むときには、折角いい制度を作って、施策と助成金とマッチングさせ なければいけないときに、そういう空白ができるといろいろ言う人は言うわけです。そ れと、一般の中小企業の事業主が霞が関のようにスイッチがピッピッピッと切り換わる わけではないので、もう少し整合性を取ることが必要なのではないか。構成組織からそ ういう意見が出されているので指摘しておきます。 ○雇用保険課長 補足いたしますと、今回の場合は先ほど申しましたような形で、雇用 保険法の改正とパート法の改正が同時期に、しかも時期が若干ずれて行われるという極 めて珍しいタイミングのずれに基づくものです。新パート法に基づく施策については、 新法施行後でなければならない。その施行も雇用均等・児童家庭局のほうでできるだけ 早く、という形でのセットだと思われます。ただ、ご意見はご意見として承っておき、 今後の施策を考える上での参考にさせていただきたいと思います。 ○需給調整事業課長 介護基盤人材確保助成金の点ですが、助成金の予算額、予定額が 減っている理由ですが、これは2点あります。1点は、介護基盤人材確保助成金につい ては、昨年度も当審議会にお諮りし、支給要件、支給額等を改正させていただきました。 内容的には、特定労働者のみではなく、それと同数の一般労働者の雇入れについても助 成をするということであったり、あるいは、当初は1年間140万円を限度に助成すると いう内容について、雇入れ助成ということで、雇用情勢を鑑みたり、あるいは雇用管理 改善に資するような内容にしようということで改正をしたものです。  支給対象については、それまでに支給要件となる介護労働者の雇用管理改善の計画を 既に提出していただいた所については、前の要件で平成18年度についても支給すると いう経過措置の対応があったということで、平成18年度については所要の予算措置を していたものです。そういう事情が1つなくなってきているということが1点です。  もう1点は、今年度についても、さらに雇用管理改善に資する内容にしようというこ とで、支給要件について、先ほど総務課長が説明しましたように、雇入れ1年後の定着 率を考慮するということに支給要件を改正するということで、逆に今度は新要件で定着 率の確認ということは、実際上、次年度に初めてその定着率が落ちていないかというこ との確認をするということで、その関係で支給対象が減っているということで、平成1 9年度については予定額が減っているという事情です。 ○企画課長 高齢者の助成金の関係ですけれども、ただいま長谷川委員からお話があり ましたように、改正高齢法が平成18年4月から施行されて、65歳までの雇用確保措 置が義務化されたことを踏まえ、資料の3頁の(四)にありますように、継続雇用定着 促進助成金は廃止することとしております。  ただ、ご指摘にありましたように、その中でも希望者全員が雇用される仕組みが望ま しいということは当然ですので、引き続き、原則として希望者全員が雇用される仕組み を目指して周知・広報等は進めていきたいと思っております。  なお、継続雇用定着促進助成金についても、これは省令上、本則では廃止されますけ れども、既に取り組んでいただいている事業主については、引き続き経過措置で支給さ れる形になっております。 ○長谷川委員 引き続き経過措置で助成されると言うのですけれども、どこまで経過措 置で引き続き助成するのか。 ○企画課長 この助成金自体は、取り組んでいただいて最長5年間の支給の仕組みにな っております。したがって、既に支給対象になっている事業主については、5年間の支 給ができるという形にはなっております。そういう意味で、平成19年度においても経 過措置が設けられているというものです。 ○長谷川委員 この間の厚生労働省の調査で、高齢者の雇用はほぼうまくいっていると いう数字が出ています。でも100%ではないです。まだその制度ができていない所もあ るわけです。私どもの組織の調査でも、高齢者雇用について、労働協約で決めたとか、 制度ができていない所も事実あるわけです。だから100%でもないし90%でもないので す。  今年辺りで団塊の世代のグループが辞めていく状況になってきて、あわてて制度を作 っている所もあると思うのです。これから、新しく作る所もあるわけです。法律の趣旨 は、対象者がいなくてもそういうのを作りなさいということになっているのですけれど も、企業規模によっては対象者が出てきて初めて作るような所だってあると思うのです。 そういう所は、結果的にこの対象にはならないのでしょう。 ○企画課長 これから新しく制度を作るという所は、既に法律上は義務化されておりま すので対象にはなりません。 ○長谷川委員 何かおかしいと思わないですか。 ○企画課長 やはり助成金の建前としては、法律で義務化される以前に、自主的に前倒 しでそういう仕組みを導入していただく所に対する助成措置、奨励措置という意味付け ですので、やはり法律で義務化され、そこにまた助成金を支給するという形は、基本的 に助成金の仕組みには馴染まないものであると思っております。 ○紀陸委員 これは、あらかじめ説明は受けているのですけれども、基本的に施行規則、 省令の改正でこれだけいろいろな助成金の内容の変更ができるということであります。 よく言うときめ細かいといいますか、悪く言うと細かすぎるというのでしょうか。対象 が限定されていることもあり、いろいろな意味で知らないがゆえに使えないとか、その 結果、予算の措置の執行が悪いということがかなり出てくることになりかねないと思い ます。執行状況をきちんとチェックしていただいて、使われないものはどんどんやめる 措置も必要ではないかと思います。これは意見です。  もう1つは質問です。2頁の定年引上げ等奨励金制度が創設されるということですが、 これは中小企業だけが対象になっていると思うのです。総務課長の説明で、「65歳以 上の年齢までの定年の引上げ等」の「等」の中に、いわゆる定年の措置の廃止というの ですか、エイジレスでいくというような場合も含む。それぞれの状況に応じて40万円か ら160万円の額を支給となっていました。措置に応じて当然額が違うのでしょうけれど も、これはどのように40万円から160万円までの区分けがあるのですか。 ○企画課長 まず、この対象は300人以下の中小企業です。企業規模に応じて1人から 9人、それから10人から99人、100人から300人ということで規模で3つの刻みを設けて います。具体的な措置の内容として、65歳以上への定年の引上げ、それで1区分。 それから定年の廃止又は70歳以上への定年の引上げというところで1区分設けており ます。そのマトリックスにより、例えば1人から9人で65歳以上への定年の引上げで すと40万円、規模が100人から300人で定年の廃止という形ですと160万円という形で仕 組んでおります。 ○紀陸委員 70歳以上だとか、定年の廃止は一括りになっているわけですね。こうい うのは延ばせばいいという問題ではなくて、これは事業主助成ですよね。できる事業所 とできない事業所と仕事の内容によって差異があります。その価値判断を織り込んで額 を違えるというのは、何かちょっと事情が違うのではないか。やりたくても、この仕事 だと無理だという事業所は、当然ながら額は低くならざるを得ない。たまたまそういう 事業所があったら、少しおまけでお金を高くするというような発想だと思うのです。そ ういうのは、本当の意味でインセンティブとして公平なのかどうかちょっと事情が違う のではないかという気がします。  いずれにせよ我々としては、事業主に対する周知が相当必要だと思うのです。これは、 いまに始まったことではないのですけれども、そういうチェックを基本的にお願いした いと思います。先ほど、4%とか何かで駄目だから少し額を増やして使用状況を上げよう という話もありましたけれども、果たしてそういうもので使用状況が上がるのかどうか です。根っこのところから常に見ていくというのは避けられないようなことだと思うの で、この辺をお願いしたいと思います。 ○雇用保険課長 先ほどご意見のところもありましたけれども、雇用保険部会報告の中 にもありましたし、それから附帯決議等でも触れられておりますが、雇用安定事業、能 力開発事業は今後は2事業になるわけですが、継続的な評価見直しを今後とも実施して いく中で、そういう意味で執行率の悪いもの、あるいは問題のあるものについては積極 的に見直していくという考え方です。 ○長谷川委員 いま紀陸委員もおっしゃったのですけれども、助成金の話をすると事業 者団体の皆さんからは、使いにくいということを必ず指摘されます。先ほども言いまし たけれども、いろいろな施策をちゃんと広めていく、普及させていく、定着させていく ために作る助成金ですから、その助成金がきっちりと活用されることが必要なので、こ ういう助成金の説明だとか、書類の書き方だとか、提出の仕方だとかというのを持って、 おそらく商工会議所が地方ではいちばん下まで通っているのだと思うのですが、そこと ハローワークがきちんと連携を取りながら周知し、使いやすさに努力していただく。制 度が使われないというようなことにならないように工夫してほしいと思うのです。  中小企業の人たちは、書類の書き方も大変なわけですから、そういうのに対してハロ ーワークがもう少し手を差し伸べてやっていただきたいと思います。来年のこの時期に、 またこういう助成金のところで使い勝手が悪いからやめたほうがいいと言われると、そ の被害を受けるのは労働者なわけです。助成金がきちんと使われて、そして制度が職場 に定着すれば、労働者はそこで生き生きと働けるわけですから、厚生労働省には是非努 力していただきたいと思います。 ○雇用保険課長 いま紀陸委員と長谷川委員からお話がございましたように、1つは周 知について努力していきたいと思います。関係者の方々のご意見なども十分踏まえ、ハ ローワークあるいは関係団体などにおける周知、それから使いやすい形でのさまざまな 説明なり、あるいは様式等のあり方も含めて努力していきたいと考えております。 ○徳茂委員 人材確保等支援助成金で、今回廃止になっているのは、看護師等雇用管理 研修助成金は額も非常に小さく、廃止になっています。これも、あまり活用されていな いということなのかと思うのです。看護師は大変需給が逼迫している中、離職率も大変 高くて、研修で解決できる問題ではないのかもしれませんが、看護師の定着や雇用管理 の改善はどうしても必要で、より強化してほしいところだと感じております。この辺の 事情について少し教えてください。 ○雇用保険課長 看護師等の関係の助成金ですが、この助成金の実績等はそういう意味 で低いものもあります。これは、一応廃止という形で整理させていただいたところです。 ただ、それはあくまでも看護師に対する雇用管理の改善が不要だという観点ではなくて、 あくまでこの助成金のあり方として廃止という形での判断をしたわけです。  したがって、今後どのような形での政策的な支援が必要なのかどうかというのは、十 分考えていく必要がありますが、この助成金という手法を使うことについては、そうい う一定の判断をしたところです。 ○雇用開発課長 今後におきましては、看護師等の人材の確保に向けた視点、支援の観 点から、全国の福祉重点、ハローワークにおける職業相談、職業紹介、それから、キャ リア形成促進助成金による研修等の受講経費の助成を引き続き行うとともに、独立行政 法人雇用・能力開発機構における雇用管理相談、雇用管理講習会の開催等を通じ、看護 師等に対する雇用管理の改善等の支援、看護師等の支援について努めていきたいと考え ております。 ○椎谷委員 余計なことを言いますけれども、先ほどから労使両方から出ている意見で は、おそらくこういう助成金等が出ると必ず分厚い解説書が出ます。解説書というか、 給付の説明をしたものが出ます。それを中小企業の人が見てもさっぱりわからない場合 があるのだろうと思うのです。少なくとも表題だけ見て、これはどういう種類の給付金 だろうかとか、助成金だろうかとわかる人は少ないのです。  大体が、出るパンフレットというのは給付金の題名で説明しています。たぶん企業側 は、自分の所は高齢者をこういうふうにしたけれども、こういうものは出るのだろうか 出ないのだろうか、出るとしたらどういうものに該当するのだというふうに逆の方向で 考えるのです。  だから、安定所の職員、あるいはハローワークの人がそういうことを助言するときに は、もちろんこれでやるしかないのでしょうけれども、あなたの所はどういうことをや りましたかというのを聞いてあげると、それはこれに該当するとか、あれに該当すると いうのを教えてあげないとわからない場合が多いと思うのです。そうすると活用しやす くなるし、中小企業の人は特にそういうことになると思うのです。  役所が決めた制度の側から説明してもなかなかわかりにくい。実際に人を使ったり、 採用したり、あるいは訓練を受けさせたりするほうからすれば、そういうことで教えた ほうがわかりやすいような気がするのです。その辺の工夫ができれば、もう少し活用度 が上がるかという気がします。老婆心ながらそこを工夫していただければ、両方にとっ ていいのではないかと思います。 ○雇用保険課長 ただいま貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。助 成金も、昔は50何本と助成金の名前がずらっと並んでいたという時代から、最近は大 括り化した上で、例えば能力開発、雇用管理の改善、あるいは人を雇った場合という形 での、目的なりの形で大括りにした上で、その中でさまざまなパターン、まさにそこで 事業主として使えるかどうか判断していただく。資料の作成に当たりましても、あるい は周知・広報のためのパンフレット、リーフレットの作成に当たりましても、いまおっ しゃられたような発想をもって少し考えてみたいと思います。ありがとうございました。 ○諏訪分科会長 ほかにございますか。 (特に発言なし) ○諏訪分科会長 特にないようでしたら、当分科会としては、厚生労働省案を概ね妥当 と認めることといたしたいと思います。ただし、諮問された厚生労働省案におきまして は、施行期日が4月1日とされておりまして、これを適切に処理する必要があると認め られますので、報告文においてその旨を付記することといたしたいと思います。なお、 その報告文は私にご一任いただければと思いますが、そのようなことでよろしいでしょ うか。 (了承) ○諏訪分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告させていただきま す。本日の議題は以上です。ほかに何かご発言等はございますか。 (特に発言なし) ○諏訪分科会長 特にないようでしたら、本日の分科会はこれにて終了とさせていただ きます。 (署名委員指名)  それでは、本日はお忙しいところ大変ありがとうございました。                      (照会窓口)                        厚生労働省職業安定局総務課総務係   TEL:03-5253-1111(内線 5711)