07/03/28 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年3月28日議事録 07/03/28 中央社会保険医療協議会          第92回診療報酬基本問題小委員会議事録  (1)日時  平成19年3月28日(水)9:58〜11:05 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史委員長 遠藤久夫委員 室谷千英委員 小林麻理委員      白石小百合委員 対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員(代 高橋)      大内教正委員(代 小出) 松浦稔明委員 竹嶋康弘委員(代 天本)      鈴木満委員 石井暎禧委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員      古橋美智子専門委員      <参考人>      池上直己慢性期入院評価分科会長      <事務局>      水田保険局長 白石審議官 原医療課長 唐澤総務課長 福田企画官      鈴木老人保健課長 他 (4)議題 ○慢性期入院評価分科会の中間報告について (5)議事内容 ○土田小委員長 ただいまより、第92回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委 員会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、前田委員が御欠席になってお ります。丸山委員の代理で日本経団連経済第3本部長の高橋秀夫さんがお見えになってお ります。大内委員の代理で全日本海員組合局長付補佐の小出修三さんがお見えになってお ります。竹嶋委員の代理で日本医師会常任理事の天本宏さんがお見えになっております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「慢性期入院評価分科会の中間報告」を議題にしたいと思います。包括評価調 査分科会の池上分科会長に御出席いただいておりますので、最初に、その中間報告につい て御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。 ○池上分科会長 おはようございます。分科会長の池上でございます。座ったまま御説明 させていただきます。それでは、お手元の資料、中医協診−1をごらんいただけますでし ょうか、これに沿って御説明申し上げます。  読ませていただきます。1ページ。 1.これまでの経緯  当分科会は、中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会の要請を受け、平 成18年度診療報酬改定において療養病棟入院基本料等に導入された、医療の必要性 による区分(以下「医療区分」という。)及びADLの状況による区分(以下「AD L区分」という。)並びに認知機能障害加算に基づく患者分類を用いた評価手法等に ついて以下の事項の検証を行うことを目的として、調査を実施した。  (1) 患者分類に基づく包括評価導入に伴う職員配置、患者構成、コストの変動  (2) 医療区分の妥当性  (3) ADL区分の妥当性  (4) 認知症加算の妥当性  (5) 患者分類に基づく包括評価導入前後の医療の質の変化  (6) 医療療養病棟の役割  (7) 患者及び施設の介護への移行の状況  その後、調査結果の現時点での状況に基づき検証を行い、今般その結果を取りまと めたので報告する。 これはまだ、すべての調査をお願いした対象施設から回収は終わってございませんので、 まず調査対象においてすべてではない。また、分析もまだ途中であって、ここにございま す(1)から(7)、解析をまだ開始していないものもございますことをお断りした上で、中間報 告となっております。  2ページ。  2.調査対象  (1)タイムスタディ等調査    慢性期入院医療の患者像等を適切に把握することを目的として、医療療養病棟を有 し調査協力が得られた90病院を対象に、患者特性調査、タイムスタディ、コスト調 査、レセプト調査(タイムスタディ調査対象病棟)、施設特性調査、病院長に対する 基本事項に関する調査を実施した。 (2)レセプト調査(国保支払分)  全国の療養病棟入院基本料2を算定する病棟における入院料の算定状況等の把握を 目的として、当該病棟の入院患者であって、国民健康保険からの支払いに係る者のう ち約12万人の1か月分のレセプトを収集した。 (3)有床診療所の患者分類分布調査  医療療養病床を有する診療所の患者分類分布の把握を目的として、協力が得られた 109施設の調査基準日における患者の分布を調査した。 (4)介護療養病床のみを有する病院の調査  介護療養病床のみを有する病院の患者の状態像等の把握を目的として、協力の得ら れた16病院を対象に、患者特性調査及び施設特性調査を実施した。 3.結果概要 (1)分析対象  上記の調査対象からのデータのうち、2月時点において集計可能となったものにつ いて集計を行った。集計の対象件数は以下のとおりである。 ここにございますように、まず、現時点で分析いたしましたのは、調査対象の8割程度で あって、特に4のコスト調査票については、90病院のうち50病院のみとなっておりま す。また、前回の調査と同じ対象病院についてでないと変化の動向を見られませんので、 今回新たに調査に御協力いただいたものについては、以後の説明では基本的に割愛させて いただきます。つまり、前回と今回と同じ病院を基本的に比較可能な病院について結果を 御提示いたします。  3ページ。  (2)主な結果   (1) ADL・医療区分、認知機能障害加算の状況  医療療養病棟においては平成17年度と比較して、医療区分1の患者の割合が減少 し、医療区分2、3の患者の割合が増加していた。 それは、すぐ下の表にございますように、18年度、医療区分1が34.4%ありました のに対して、17年度は49.6%となっていることから申し上げています。  一方、介護療養病棟においてはそのような傾向はなく、医療の必要性に応じた医療 と介護の機能分担が進んでいるものと評価できる。 これは下の方の表をごらんになっていただければ、平成18年度において医療区分1が5 9.6%、これは平成17年度の医療区分1の59.2%と同じであるわけでございます。 これは同じ病院について比較しているわけでございます。  4ページ。 (2) 患者1人当たりのケア時間の状況  医療療養病棟における患者分類別の患者1人1日当たり職種別人件費重み付けケア 時間(以下「ケア時間」という。)は、−−つまり、単なるケアの時間ではなく、職 種によって人件費が違いますので、それを人件費によって重み付けしたケア時間、こ れを以下「ケア時間」と呼びます。それを−−平成16年度調査時と比較していずれ の区分においても増加していたが、医療区分、ADL区分とも区分1、区分2、区分 3の順にケア時間が長くなっていることに変化はなかった。  ただし、認知機能障害の「有り」と「無し」の間におけるケア時間の差はわずかし か認められなかった。 これは、比較できる病院は33にすぎなかったものですから、これではほぼ同じ、ないし 逆転しているようでございますけれども、今回新たに追加した病院のよりデータが多いと ころを見ると、差はわずかながら存在していたわけでございます。したがって、これを拡 大しますと、このような逆転は見られていません。   (3) 患者1人当たり費用の状況 これについては、申し訳ありません、ちょっと分析が不十分ですので、ここでの御報告は 割愛させていただきます。  5ページ。   (4) 職員配置の状況    看護職員1人当たりの患者数は、平成17年11月と比較して平成18年11月で は減少しており、看護職員の配置が厚くなったものと評価できる。 これは、下の方の平均値でごらんになっていただいても、中央値でごらんになっていただ いても、いずれも減ってございます。 一方、看護補助者1人当たりの患者数は、一時的に増えていますけれども、再びもとの 状況に戻っております。  (5) 入退院患者の状況  患者分類導入直近の平成18年6月、7月においては、その前後と比較して療養病 床内−−つまり、同じ療養病床の中−−において医療保険・介護保険間を移行した患 者数が増加した。 6ページ。  医療療養病棟に入院する時点では、医療区分2、3の患者が7割近くを占めており、 医療療養病棟における医療の必要性の高い患者の受け入れが進んでいるものと評価で きる。  退院又は転棟する時点では、医療区分3の患者が3割以上を占めているが、その多 くは死亡退院であり、死亡退院以外では医療区分1の状態で退院又は転棟する患者が 半数近くを占めていた。 これは、それぞれ下の表をごらんになっていただけば、そのようになってございます。 7ページ。 (6) 患者分類に対する病院長の評価 アンケート調査により伺った内容でございます。  病院長による基本事項に関する評価においては、患者分類に対する総合的評価とし て、「やや不適当である」「不適当である」の合計が6割近くに上ったほか、医療区 分2、3の各項目に対する評価として、24時間持続点滴、リハビリテーション、体 内出血、喀痰吸引等の項目において、項目への該当条件や該当日数の制限が不適切と の意見があった。  なお、不適当との意見は、自由記載の意見から、分類そのものというよりは、診療 報酬点数の妥当性、制度実施の手順及び評価票の−−これはレセプトにつけて日ごと の患者分類の該当項目をチェックする票でございますが、その−−煩雑さ等に関して 不適切として評価されたと考えられる。 アンケートには、分科会で作成した分類案に対する御意見を伺ったわけですけれども、結 果的には、実際につけられた点数や評価票に対する御意見として御回答されたと推測され ます。  また、医療区分2に加えるべき項目として、経管栄養・胃瘻等の処置を挙げる意見 が多数あった。  医療区分・ADL区分の評価・記録頻度は1週間に1度でよい、との意見が4割近 くを占めた。  療養病床への入院対象としては、急性期一般病棟での治療後の受け皿を必要として いる患者、在宅での療養が一時的に困難になった際の受け皿を必要としている患者、 経口摂取が困難な患者を挙げる意見が多数あった。  患者分類の導入に伴う対応として、療養病棟の機能を明確化し、入退院する基準を 見直した、患者特性の把握及び記録をより綿密に行うようになった、との意見が多数 あった。  また、医師、看護職員の数を増やした、または一人当たりの勤務時間が増加した、 とする回答が6割から7割あった。 その具体的な御回答結果が、以下8ページ、9ページとございます。表の具体的な説明は、 時間の関係で割愛させていただきます。要約はただいま申し上げたとおりでございます。  続きまして、10ページをごらんいただければと存じます。これは、今まで御説明して きた調査対象病院ではなく、全く別な方法で(7)として、「医療療養病棟の入院料算定の状 況」という、国保のレセプトからとった結果でございます。したがって、今までの調査結 果とは対象も方法も異なりますので、お断りしておきます。 (7) 医療療養病棟の入院料算定の状況  全国の医療療養病棟の入院患者のレセプトでの入院料の算定状況においては、医 療区分1に該当する患者が30%、医療区分2が52%、医療区分3が18%であ り、平成17年度と比較して医療区分1の患者の割合が減少し、医療区分2、3の 患者の割合が増加していた。 これは、下の表のとおりでございます。 同様な方法で、次の11ページに、(8)として、「有床診療所の患者分布の状況」を見 ていまして、これは抽出調査でございますので、平成18年度の109施設と平成17年 度の170施設というのは異なりますので、直接の比較は慎重にする必要があるかと存じ ます。これは横断調査をその都度行ったわけでございます。 (8) 有床診療所の患者分布の状況 有床診療所においては、平成17年度と比較して医療区分毎の患者構成比に変化な く、病院と異なり、医療と介護の機能分担は進んでいないことが明らかになった。 これは、ほとんど区分構成は変わっていないということが結果的に提示されています。  12ページ。  4.患者分類に係る検証  医療区分及びADL区分については、診療報酬改定後もタイムスタディ調査による 患者1人当たりの直接ケア時間の順序性が保持されていることが明らかとなったこと 等から、概ね妥当であると考えられた。  また、医療療養病棟において、医療の必要性の高い患者の受け入れが進んでいるこ とが明らかになった。  一方で、以下の点については、さらに詳細な検討が必要と考えられた。 ・ 患者分類に対する診療報酬上の区分において、例えば医療区分3のADL区分1 とADL区分3の間にケア時間の大きな開きが認められるにもかかわらず、1つの 区分として整理されている等、必ずしも同質ではないものがまとめられているとも 考えられること。 これは、ちょっと戻りますけれども、4ページをごらんになっていただけますでしょうか。 「医療療養病棟における患者分類別ケア時間」についてでございますけれども、左の方の 平成18年度調査において、医療区分1・ADL区分3が130分、これに対してその点 数が885点、医療区分2・ADL区分2が130分、これに対して点数が1,344点、 医療区分3・ADL区分1が134分、これに対して1,740点と、重み付けケア時間 に大きな開きがないにもかかわらず、診療報酬の点数の差がかなり開いていることについ て、今後の点数設定において十分な検討が必要であるとの分科会委員からの強い指摘があ った。  では、恐縮ですけれども、再び12ページ、中ほどのところに戻ります。 ・ 認知機能障害の有無については、直接ケア時間の差が小さいこと等から、必ずし も区分を分ける必要はないとも考えられること。 なお、当分科会に対して要請された事項は、平成18年度診療報酬改定の基礎資料 とするため、患者にかかるコストに着目して医療区分、ADL区分を設定することで あった。しかし、医療区分1に関して入院医療を必要としないという政策判断がなさ れ、診療報酬についてもコストに見合わない点数が設定されていることについては、 当分科会として大きな疑問を呈さざるを得ない。  また、医療区分の意味づけを行う際には、介護保険施設における医療の在り方につ いても十分に検討される必要がある。  今回の報告は調査結果の速報に基づくものであり、コスト調査等についてはさらに 詳細な分析が必要であると考えられることから、19年度以降も引き続き検証を進め るべきである。またその際には、医療の質の評価手法等についても併せて検討する必 要がある。 以上でございます。 ○土田小委員長 どうもありがとうございました。  ただいまの御説明につきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞお願いします。 ○石井委員 意見はまた後で言うことにして、少し質問したいと思います。  この12ページの、「当分科会に対して要請された事項」に対して「分科会として大き な疑問を呈さざるを得ない」と書かれている、この内容を読んだのですが、ちょっと意味 がよくわからない点があるので、その点を少しはっきりさせていただきたいと思います。  それは、「入院医療を必要としないという政策判断」がまずなされて、「コストに見合 わない点数が設定されている」と、2つの問題がここで言われているのですが、前半の政 策判断については、確かにこれは中医協での事務局の説明として、医療療養病床は医療度 の高い人用に位置づけて、介護保険の療養病床については医療度の低い人の施設にすると いう、機能分化をしていく、こういう政策判断がなされたと思うのですが、それが妥当性 を持たないという疑問が出ているのか。もしもそういう疑問を前提にすれば、次の「診療 報酬についてもコストに見合わない点数が設定されていること」は確かに問題だと言える と思います。ところが、もしも前半の政策判断が是であるとすれば、そもそも2のような 疑問自身が成り立たないと思うのです。成り立たないか、またはコスト以下の点数が設定 されたので、介護保険への移行は是としても、現状との落差があって極端すぎるのではな いかという程度問題としての疑問なのか、質問したい。くりかえしますが政策判断そのも のに対する疑問なのかどうか。それから、「コストに見合わない点数」に関しては、政策 判断を是とした場合には、一応そういう意図的なつけ方は問題ないけれども、やり過ぎで はないかと、その辺をまず説明していただきたい。  それからもう1点、それを判断する場合には、介護療養病床の診療報酬水準は、おおま かに言うと、今回の医療療養病床の診療報酬体系のどの辺の分類に当たるのか、それから、 老人保健施設における報酬はどの辺に当たるのかということも、その政策判断の是非とい うことが問われているのだとすれば、その辺についてももう一度、これは事務局の方から でも構いませんが、お答え願いたいと思います。 ○土田小委員長 今の石井委員からの質問の趣旨からいうと、2番目の方に最初に答えて いただいた方が、その点数がどういうふうになっているかということを踏まえて、一度政 策判断というふうに行った方がスムーズですよね。  これは事務局の方でわかりますか。 ○事務局(原医療課長) 介護療養病床の介護報酬ですけれども、平成18年4月から、 要介護度5の要介護度が一番高い場合が1,322単位、ほぼ10円ということです。そ れから要介護度4が1,231単位、要介護度3は1,130単位、要介護度2が892 単位、要介護度1が782単位というふうになっています。これは、看護職員が6対1、 介護職員が4対1で、多床室、複数室、複数の方がおられる部屋の場合の単位数でござい ます。 ○土田小委員長 すみません。ついでに、こちらの資料に載っておりませんので、療養病 床、医療保険の方の点数も教えてください。 ○事務局(原医療課長) 医療保険の方は、先ほど出ていましたように、医療区分3のA DL区分1が1,740点、それから医療区分2のADL区分3と2の部分が1,344 点、医療区分2のADL区分1が1,220点、医療区分1のADL区分3の部分が885 点、それから医療区分1のADL区分1、2の部分は764点。ただ、あと、医療療養病 床の場合は、療養環境加算というものが、おおむね多くの場合、115点がそれぞれに加 算されていると考えられます。 ○土田小委員長 どうもありがとうございました。  それでは、こういう点数配分になっているわけですが、それを踏まえて、先ほどの政策 判断が妥当であろうかどうかという御質問ですが、これについてはどちらに答えていただ きましょうか、事務局ですか。 ○事務局(原医療課長) 池上先生のところでまとめていただいたこの文章の意味は、こ の分科会でやってくれと頼まれたのは、患者にかかるコスト、ここではいわゆるケア時間 を中心に考えているわけですが、それに着目して医療区分あるいはADL区分というもの を分類してくれと要請されて分類をした。当初は、マトリックスの9プラス認知症で2つ の分類、11分類をしたわけであります。それに対してこの医療区分1について、その部 分は必ずしも入院が要らないのではないかという政策判断がなされた。分科会としては、 別に入院医療が必要かどうかという目的でもってこの区分をしたわけではないということ でありますので、その部分について、それがどれだけ重なるかは別として、本来の目的は そうではなかったものをそのように使われたことについて疑問であるという、そういう御 意見と受けとめております。 ○土田小委員長 よろしいでしょうか、今の説明ですが。つまり、石井委員の説明は、こ こでこういう低い点数をつけたのは、ざっくばらんな言い方をすれば、社会的入院をどう 対応するかということで、そこの部分は介護保険というような政策判断がここではっきり なされたのかどうか、その際の点数のつけ方が妥当であったかどうかという御質問ですよ ね。  それで、今の医療課長の説明は、池上先生の方の分科会ではそこまで判断したのではな くて、あくまでコスト計算という形で出てきて、それに対応して厚生労働省の方の判断と しては、そこは政策的に介護保険の方に患者の方に移動してもらうような、そういう政策 判断をしたという判断だと思います。よろしいですね、そういうことで。 ○対馬委員 まず、池上分科会長、大変御尽力いただいたことに対して感謝したいと思い ます。  確認的なことを含めて質問を3つほどさせていただきたいのですが、1つは、4ページ 目の表のところですが、まず、全体にケア時間が増えているわけですね。前回でいいます と、全部で112分だったのが、今回141分ということで、単純に計算しますと25% 強ぐらいなのです。もちろん看護師さんの対応とか、時間も増やしたのだとか書いていま すけれども、何か今回手法上ちょっと変えたことがあるのかないのか、ですから、これだ け増えるとやや増えすぎていないのかなという、そこが1点です。  それから2点目ですけれども、特に認知症の方についてですが、今回比較可能な33病 院のケア時間は逆転しているが、今回新たに追加した病院のデータとの差を全体に拡充す れば恐らく逆転はなくなるだろうということですけれども、16年度のときには1割ぐら いの差異があったということですが、今回逆転が生じている部分はあるということであれ ば、恐らく全体をやったとしても、あまり差異が出てこないのではないかと思うのですけ れども、当時と今回違っているのはなぜかというのが2つ目です。  それから3点目ですけれども、最後の12ページのところに結論部分があって、上から 5行目に、「医療療養病棟において、医療の必要性の高い患者の受け入れが進んでいるこ とが明らかになった。」ということですけれども、確かにデータなどを見ましても、制度 が変わるときの入れかえの問題でありますとか、退院ないしは新規に入ってくるというこ とからすると、そういった傾向が受け取れるように思えるのですが、前からちょっと心配 症で懸念している、いわゆるアップコーディングといいますか、患者さんの状態自体は変 わらないのだけれども、もう一回当てはめてみてADL区分を見直したり、ないしは医療 の必要度などを当てはめてみたら、結果的に患者さんが少し上の方に行った、厳しい方に 行ったと、こういったことはないのかどうか、この3点を伺いたいと思います。 ○池上分科会長 それではまず、タイムスタディの時間が増えたのは手法を変えたからか どうかという御質問であったわけですが、これについて、手法は全く変えてございません。 ただ、同じ病院ですので、2回目に行ったタイムスタディよりなれたために、より綿密に 把握された可能性も否定できないかもしれません。それから、おっしゃったように、実際 に病院長のアンケートや患者当たりの看護職員の数は増えていますので、その分はあった かと思います。  2番目の認知症については、前回と比較できない新たに調査した病院について加えた場 合でも逆転はなくなりますが、認知症があった場合の増えた時間の割合は前回の1割より も減っております。その理由は、まだこれから精査させていただきたいと存じます。  3番目、アップコーディングの問題に関しては、何をもってアップコーディングとする かは定義は非常に難しいわけでございまして、ちなみに、中間報告の7ページ、表があり まして、そのすぐ上の段落を読ませていただきますと、「患者分類の導入に伴う対応とし て、療養病棟の機能を明確化し、入退院する基準を見直した、患者特性の把握及び記録を より綿密に行うようになった」と。この「患者特性の把握及び記録をより綿密に行うよう になった」ということによっても、医療区分1が2になる可能性があって、それはより綿 密に把握したことの結果というように解釈することができると思いますので、なかなかそ の問題は回答が難しいかと存じます。 ○土田小委員長 どうもありがとうございました。 ○対馬委員 特に最後の問題は、おっしゃるような問題等があり、答えがすぐには出てこ ないということだろうかと思うのですけれども、我々支払側としてもいろいろなデータを もとにしながらよく見ておきたいと思いますが、ただ、分科会の中でも議論の中でそうい った問題があれば、また御報告いただければありがたいなと、こういうふうに思います。 ○池上分科会長 かしこまりました。今後は、データの質とケアの質の両面から分析を行 う、あるいはその変化を分析するということが、この付託された事項の一つと考えており ますので、ここで改めて御確認いただきましたので、そのように進めさせていただきたい と存じます。 ○土田小委員長 ほかにございますでしょうか。 ○竹嶋委員(代理天本氏) 3つ、意見、検証のお願いをしたいと思います。  まず、先ほども石井委員から出てきたのですけれども、医師のかかわる時間と医療処置 が少ない患者を分科会では医療区分1としたと。それが事務局側の対応によっていつの間 にか医療の必要性「無し」「有り」といった形で医療区分1が診療報酬上の誘導がされた ということの、ケア時間に見合った適正な報酬なのかどうかという検証がやはり必要だろ うと思われます。  4ページをおめくりいただきたいのですけれども、区分としての物差しはおおむね妥当 ということで検証されたのですけれども、この「医療療養病棟における患者分類別ケア時 間」を見ていただきたいと思います。まず、医療区分1・ADL区分3というところで1 30分、医療区分2・ADL区分2、これも130分です。そして、医療区分3・ADL 区分1、これもほぼ130分近い。ところが、先ほどの報酬で見ますと、医療区分1・A DL区分3が885点に対して、医療区分2・ADL区分2が1,344点、それから医 療区分3・ADL区分1が1,740点。同じケア時間にかかわらずこれだけの差がある ということの検証をきちっとしていただく必要があるだろう。  2番目といたしまして、この政策的な判断ということの問題ですけれども、あまりにも 短兵急な報酬経済誘導による介護施設への転床、在宅復帰という政策自体、これについて の検証として、我々医療を提供する側としましては、まず第1に、法的に未整備な部分が あったと。要するに、看護師さんの業務独占ということを何ら見直ししないで介護施設で 可能なような対応をなされている。これは、医療処置、特に医療区分1の中のADL区分 3のところの方で、経管栄養とか、いろいろな管を入れている人がいらっしゃるのですけ れども、これは、必ず看護師さんがちゃんと胃に入っているかどうかを確認する作業があ るとか、それからこれは食事だけのように錯覚を持たれておりますけれども、これは薬も 投与するわけです。ですから、ほとんど注射と同じぐらいの危険性を伴うものです。そう いう業務は看護師さんしかできないという法律になっております。それを介護施設、老人 保健施設においては、24時間、看護師さんはいらっしゃらないわけですから、特養など も看護師さんはもっと少ないわけですから、医療提供の場でないわけです。介護施設にお ける医療対応の施設基準などの見直しについて一切議論されていない時点において、この ような政策自体に問題はなかったのかどうか。これは、先日もリハビリにおいても、医療 保険の対応を介護保険で受けられるということでしたけれども、実際にはその矛盾があっ た。  それから、まず、先ほども出ましたけれども、介護療養型医療施設は廃止という方向で す。現時点においては稼働率はもう92%ですので、ほとんど受け入れ体制がないわけで す。足りない、数が少ない、そして将来廃止するというところを、今のところ、適切な医 療必要度の者を少しずつ入れかえておりますけれども、新たな者を受け入れる準備はでき ていない。それからもちろん在宅医療というもの、これからやろうとしておりますけれど も、現時点において、家族構成それから医療対応ということで未整備である。このような 未整備な状況で政策というのが、全体を見た政策だったのかどうか、この辺の検証をぜひ していただきたく、また、やはり計画性を持ったソフトランディングが必要であろうと思 われます。  それから、先ほども言いました医療区分1・ADL区分3の医師の指示の変更は少ない ということで分科会では判断しましたけれども、それが医療必要度が低いといったような ことから、そのケア時間に見合った報酬になっていないという点は至急是正をお願いした いという、以上3点についてお願いします。分科会では、その報酬のことは議論できませ んでしたので、やはり、きちっとこの小委員会あるいは中医協で議論をしていただく、検 証をしていただきたい。 ○土田小委員長 どうもありがとうございます。  今3点の疑問あるいは意見が出てきましたけれども、これに対してすべてすぐ答えるこ とは難しいと思いますが、この一番最初のところと2番目のところは報酬に関する議論で すので、2番目のところは政策判断に関する議論というふうに分けた場合、この2番目の 政策判断に関する議論を、先ほどの議論の続きになりますが、これについて事務局の方で 説明をお願いします。もうちょっと言いますと、これは2つありまして、1つは法的な未 整備の部分があるのではないかというところと、それからもう1つは介護保険施設の方の 整備状況がまだ十分に対応していないという2つあったと思いますが、それについてお願 いします。 ○事務局(原医療課長) まず、介護施設でいろいろなことができないのではないか、医 療処置ですね、先生がおっしゃった、この点についてですが、現実的に例えば介護老人保 健施設等で、いわゆる介護保険施設としての最低基準といいますか、一番下の基準でのス タッフで対応できるのかという問題と、現実的にスタッフがおられる中でどう対応してい るかという問題はまた違うのだろうと思います。そういう意味では、現実的に対応されて いるところでは、看護師さんもそれなりにおられる、あるいは夜勤をしている介護老人保 健施設もあるというふうに聞いております。だから、そういう意味では現実的な対応は先 行しているようにも思います。  それからもう1つ、例えば看護業務を、看護師が少ないところに無理矢理やってくれと 言っているわけではもちろんないわけでありまして、例えば、今現在想定されている医療 区分1の方々、あるいは医療区分2の一部の方々、この方々について、それを介護保険の 施設で受けるとするならば、逆に言うと、またどのような条件が必要なのかということに ついては、介護施設の検討会の方で検討されると聞いております。そういう意味では、全 体として大きな齟齬があるというふうには私どもは受けとめてはいないのです。 ○土田小委員長 もう1つ、1番目の看護師の業務独占に関する法的な未整備という指摘 がありましたが、これについてはいかがでしょうか。 ○事務局(鈴木老人保健課長) 老人保健課長でございます。  恐らく、天本委員がおっしゃっておられる法的な整備に関して2つ議論があると思いま す。1つは「場の議論」でございまして、老健施設なり特別養護老人ホームという介護の 施設の場として医療を提供できるかどうかという議論です。もう1つは「人の議論」でご ざいまして、どういう職種、権能の方が医療を提供できるかという議論だと思いますが、 前者の「場の議論」につきましては、少なくとも老人保健施設、今回療養病床を転換して いっている際に、対応については老人保健施設に転換をしていただくということにしてお りますけれども、老人保健施設は医療法でも医療提供施設ということになっておりますの で、「場の議論」については解決済みということだと思います。  恐らく天本委員が御指摘なのは「人の議論」だと思います。今、老健施設で夜間の当直 につきましては、どなたかおられなければいけないということになっておりますが、現実 に看護職が対応しておられるのは70%の施設ですので、30%については看護職はおら れないということになりますので、最終的な、夜間にもし医療行為が必要だというように なった場合に、「場」としては可能だけれども「人」としてどうなのかという議論だと思 います。それについては今医療課長の方からもございましたけれども、確かに、今の療養 病床を転換していただいて老健施設になっていただいた場合には、現行の老健施設と少し 違った患者さんが入ってくるということになると思いますので、今介護施設の在り方委員 会で検討しておりますけれども、今年の夏前にどういう絵姿にするのかということを至急 詰めたいと思っております。  以上です。 ○竹嶋委員(代理天本氏) 現在の議論している診療報酬というのは、現在行われている わけです。18年のたしか7月からということですので、現在法律的な整備がきちっとし ていない時点で政策的にすぐ始めるということが問題だと私は思います。将来にわたって はやはりいろいろな場で、これから後期高齢者が増えるわけですので、こういう対象群、 特に食べられなくなったらどうするかという際に、胃瘻の患者さんは世界的に見ても急速 に増えてきております、法的に安心して働ける職場とするには、そこの議論があってこれ が始まるべきだと、こういう議論は私は議事録を見ても一切なかったと思います。だから、 そこを私は問題視しているわけです。将来的には、では何年度までにこうしようと、介護 保険施設の在り方においても医療の在り方もまだ一切その議論は進んでおりません。とい うことが問題だということを言っているわけです。 ○土田小委員長 非常に納得できる議論だと私は思いますが、前のリハビリのときもそう ですが、つまり、受け入れの体制がきちんとできる以前にもう施策が始まってしまうとい う、それで患者さんを動かしていくということが具体的にあるわけですから、その受け入 れ体制の整備が完全であったかどうかという、そういう御指摘だと思いますが、事務局お 答えください。 ○事務局(鈴木老人保健課長) すみません、先ほどの続きですけれども、昼間と夜間と ちょっと分けて考えていただきますと、少なくとも昼間については、もちろん老人保健施 設はそうですけれども、特別養護老人ホームにおいても看護職はおられますので、そうい う意味では、「人の議論」については、昼間は一応解決済みということになります。です から、今天本委員が御指摘になっているのは、看護職がおられない場合にどうするかとい う、特に夜間の対応の話ですが、我々はいろいろ検討もしていますけれども、特に胃瘻と か、そういう1日に何度か、特に食事時にやるような場合については、原則的に昼間に看 護職がおられる場合にしていただければ、結局残るのは、夜間に例えば喀痰吸引とか、そ ういうニーズがある場合にどうするかというところです、先ほどちょっと申し上げました が、そこについては残された課題として早急に対応したいというふうに思っています。 ○土田小委員長 そういうことでございます。 ○竹嶋委員(代理天本氏) どうも大変しつこくて申し訳ございませんけれども、現在、 ADL区分3・医療区分1というところが885点という点数になっています。実際この 方たちは、寝返りもできない方々です。口からも食べられないわけですから、特に介護は 要介護度4、5といった位置づけなわけです。ですから、本来、介護療養型医療施設が空 いていれば、そこでは点数上1,322点、こんなに500点、600点も違うというこ とでは、やはり介護を受けられる方々の被保険者の立場からしても、保険料を払っていら っしゃるわけですから、非常に大きな問題があるという視点でも早急な対応が必要だろう と。どちらにしろ、これから法的な整備がされて、これから質の担保とすれば教育が始ま るわけです。ですから、一、二年でできることではないはずです。その点もしっかり考慮 に入れて、ただし、方向性とすれば、やはり多くのいろいろな職種の方ができる教育シス テム、法律的なバックアップ体制という方向に向かって議論することは、私としても大賛 成です。 ○石井委員 さっきの私の質問には正直言って直接は答えていただけなかったと私は思っ ています。というのは、介護施設と医療施設では確かに報酬体系のつくり方が違うから、 直接的対応関係が確かにとれないのです。ですから、あえて私は大体どの辺に該当するか という言い方で御質問して、それについては御用意がなかったから、今お答えしていただ けないのは無理もないと思いますが、ただ、リハビリの問題もこの問題も、介護保険と医 療保険との谷間の問題がこの間矛盾として起こってきていますので、重要な問題だと思い ます。この間の議論で天本先生がおっしゃっておられるのも大体その問題なのです。  ですから、報酬の問題についてもこの2つを常に対比させながら考えないと現実的では ありません。確かに、システムの問題ですので別々に議論してもよいのですが、実際の最 後にお金の問題が出てきますので、その場合には、それを対比させないといけないと思い ます。ぜひ池上委員会も、確かに介護報酬の方は自分たちの問題ではないとおっしゃるの はよくわかるのですが、コストの問題でもケア度の問題でも、老健だとか、特養まで含め て、この医療区分でいえばどういう人が入っていて、どういう実際上の報酬なのかをやは りぜひ比べるような調査をしていただかないと、医療療養病床の中でそれが高いの低いの と言ってもあまり意味がないと思うので、どういう形の調査だったらできるのかというこ とも含めて、老健局と保険局の間で協力しながら、スムーズな移行のため検討していただ きたいと思います。  以上です。 ○土田小委員長 一言申し上げますと、池上先生の分科会にお願いしておりますのはコス トの分析でありまして、それに対してどういう報酬の点数をつけていくかというのは政策 判断ですから、そこまでを池上分科会にお願いするというのは、お願いする趣旨がちょっ と違います。したがって、あくまでも池上先生の方には、コストがどのくらいかかってい てという、そういうデータをきちっと正確に分析して、それでこういうのが妥当であろう というところを出していただければ、それに対して政策的にどういう点数をつけるかとい うのはここで決める話ですから、ちょっと性格が違うと思います。ですから、あくまでも 過大な要求にならないように、そこは判断していただきたいと思います。 ○竹嶋委員(代理天本氏) よろしいですか。 ○土田小委員長 一つちょっと整理したいのですが、先ほど最後に天本先生の方から話が ありましたのは、質問の1に関することですね。つまり130点という点数がついている のに、いろいろなところで同じ点数配分があるというところの政策的な報酬の点数という のは一体どういうふうにして定めたのかという御質問だと思いますが、それはまだ先ほど の質問に関連して答えていただいておりませんので、そこをお願いします。 ○事務局(原医療課長) 特に医療区分1が非常に低い点数が設定されているということ が問題になっているのだろうと思います。これについては、療養病床の中での医療がどう なのかということで、慢性期の入院医療の効率化を図る余地が随分あるだろうと、それを 適正化を図れというのが、平成17年12月1日の政府・与党での医療制度改革大綱の中 でうたわれておりました。それに基づいてこの療養病床の診療報酬について中医協で議論 をしていただきました。その際に実は、この前回の調査のコスト分析については、資料と しては出していなかったということについては、以前におわびを申し上げたところであり ますが、いずれにしても、療養病床を有する医療機関の経営実態というものも踏まえつつ、 全体としての点数が決められたと聞いておりますし、特に医療区分1については、介護保 険施設等の介護施設での点数も参照しつつ、そういう形で決められたと聞いております。 それが結果としては、介護療養病床と医療療養病床との間で、恐らく患者の入れかえとい いますか、医療療養病床にふさわしい人が医療療養病床に、また比較的医療密度が低くて 介護が主である人は介護療養病床へと移った結果、この医療区分の分布の変化になってあ らわれているのが大きな成果、と言えばおかしいですけれども、多分そういう結果になっ ているのだろうと考えております。 ○竹嶋委員(代理天本氏) 今の点についてもいろいろ議論はありますけれども、とりあ えず先ほど私が質問しようとしましたのは、現在この場によって、例えば医療療養病床と 介護療養病床、それを医療保険か介護保険かというような議論が今行われていると思うの です。でも、対象群というもの、慢性期医療をなさる人たちの必要なサービスということ を考えますと、これは、我々も「暮らしを支える医療」と言っておりますように、まずは 暮らしを支えるという、要するに、自立を支援するサービスが必要なわけです。要するに、 介護保険サービスが必要なのです。そしてそれに医療が必要なわけです。それを縦割りで しているところに非常に大きな問題が出てきている。例えば老人保健施設においてもこれ から医療が必要だと、今度は医療療養病床においても、暮らしを支えるという非常にコス トとしてかかっているケアの部分、この区分1がケアの時間、その生活を支えるところの コストがあまりにも見られていないということで大きな問題が出てきているということで、 これからの物事を考える場合に、「場」だけで考えるということよりも対象群に必要なサ ービスはどうなのかという形で考えないといろいろな矛盾が生じるかと思われますので、 意見として述べさせていただきます。 ○土田小委員長 今の御意見は非常に重要な点だと思います。つまり、医療保険の場合は どちらかというと治療が中心である。ただ生活ももちろんある。介護保険の方は、生活の 自立というのが中心で、だけれども医療があるという、そこがどうしても重なり合う部分 があるのですが、その場合に、患者さんをどちらに分けていくかという場合の判断をどう するかという、そういう話だと思います。そこは、例えばドイツみたいに、医療が行われ た場合はすべて医療保険だというようにはっきりしていれば、またそれの対応ができるの ですが、日本の場合は、介護保険でも医療が行われるというところですから、どうしても そこの重なり合いといいますか、その区分は非常にファジーになってくるということで、 そこのところをもう少し整理していこうというのが今回の診療報酬改定であったというよ うに理解できると思います。それがかなりドラスティックに行われたので非常な問題が生 じているというように僕は理解しておりますが、そういうことを踏まえて、まだ御意見、 御質問ございましたら、どうぞ。 ○古橋専門委員 本日いただきました報告の中には、患者1人当たりの費用の状況という のは次回になりました。ただ、私もこの医療レベル1、2、3の間におけます点数の大き な格差に関しては、原価といいますか、コストの状況がそれぞれの区分ごとにどういうふ うになっているか、これが出てくることが非常に重要だと思っております。そういう点で は、最終的な報告の中に、例えば医療区分1、2、3ごとで医療処置に要した時間、ここ は全部で、4ページの表ではケア時間というふうに総まとめになっております。ですから、 この中でも医療処置に要した時間、すなわち本来であれば医療保険の適用になるような部 分がどのくらいのケア時間の中に入っており、そしてメーンの介護という部分に入るのが どのくらいかと、そういうあたりが明確になってきますと、私は、本来介護がメーンで、 介護ニーズの高い方の中に当然医療ニーズは入っておりますけれども、それがどのような 割合でなっているかが明らかになって、すべてを医療保険で見るのか、そういう議論はや はり一つの課題として出てくるように思っております。そういう点では、最終調査の中に、 療養病床におけるレベルごとの医療処置所要時間というようなもの、いわゆる治療に要す る所要時間というものが少しクローズアップされて見えることが必要のように思います。  そういう点では、前年度、前の調査対象と比較ができる数だけになっておりますけれど も、それでなくとも、現在の医療療養病床の中での医療レベル1、2、3あるいはADL 区分ごとの、こうした医療処置関係コストというものが明らかにされる必要があるように も思いますので、そのあたりがより踏み込んでやっていただけるのかどうか、そこをお聞 きしたいと思います。 ○事務局(原医療課長) 今回のケアのタイムスタディを行う際に、いわゆる医療処置に 相当するものは何かというものを別に分類していただきまして記録しておりますので、そ の分についてだれがやったかということも含めて集計することは可能であります。 ○池上分科会長 もう1つは、薬剤あるいは器材についてのコストが、より直接医療に関 係するかと存じますけれども、それの集計はまだ途中でございますので、次回以降、それ についても反映した形で御報告させていただきたいと存じます。 ○土田小委員長 どうもありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。  いろいろ議論をありがとうございました。ただいまの議論は、先ほど池上先生の方から 報告がありました中間報告という形の報告を前提にした議論でございます。今お話しあり ましたように、この後引き続いて分析を進めていただきまして本報告が出るわけですが、 これはいつごろでしょうか、ある程度めどがついているようでしたら。 ○事務局(原医療課長) まず、全体の集計作業をやっていかないといけないということ で、それがまだ途中でございますので、それが出た後、分科会で御審議いただこうと。そ れから、今日も幾つかまた追加的にちょっと集計の部分が出てきていますので、時期的に いつということはちょっと申しかねますが、夏ごろまでには出していただきたいと思って います。 ○竹嶋委員(代理天本氏) 現実、今進行しているところですので、本来ならば今日最終 報告というタイムスケジュールだったはずでございますので、やはり至急よろしくお願い したいと思います。 ○土田小委員長 はい、至急お願いいたします。 ○事務局(原医療課長) できるだけ早くするようにいたします。 ○土田小委員長 それでは、ただいま議論がありましたように、1つは今後も引き続いて 慢性期入院医療評価分科会での作業をお願いしまして、できるだけ早く報告をお願いした いということが1点です。  それからもう1つは、ただいまいろいろ議論がございましたが、療養病床に係る診療報 酬の点数の在り方についての議論も必要であろうというふうに思われます。それから、コ スト評価はもちろんですが。したがいまして、この問題については引き続いて基本問題小 委員会で議論を進めていくという形で、一応今日の結論にしたいと思いますが、よろしい でしょうか。 ○松浦委員 それは期中でも点数の改定があり得るということを前提にしての話でしょう か、それとも…… ○土田小委員長 いえ、そこまでは言いません。議論が進んでいかないと、そこまではあ らかじめ言うことはできませんので、ですから、議論を進めていきたいということでござ います。  もう一度言いますと、提起していただいた問題については、この基本小委で引き続き検 討するということで、今日の議論は終わりにしたいと思います。どうもありがとうござい ました。  それでは、池上先生、長い時間どうもありがとうございました。  これで基本小委は終わりますが、引き続いて総会がありますので、しばらく時間を下さ い。     【照会先】      厚生労働省保険局医療課企画法令第1係      代表 03−5253−1111(内線3288) 2