07/03/14 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年3月14日議事録 07/03/14 中央社会保険医療協議会          第91回診療報酬基本問題小委員会議事録  (1)日時  平成19年3月14日(水)9:58〜10:24 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史委員長 遠藤久夫委員 室谷千英委員 白石小百合委員      前田雅英委員 対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員      大内教正委員(代 小出) 松浦稔明委員      竹嶋康弘委員 鈴木満委員 石井暎禧委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員      <参考人>      西岡清DPC評価分科会長      <事務局>      白石審議官 原医療課長 唐澤総務課長 福田企画官 他 (4)議題 ○DPC分科会の中間報告について (5)議事内容 ○土田小委員長 ただいまより、第91回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委 員会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、小林委員が御欠席で、大内 委員の代理で全日本海員組合局長付補佐の小出修三さんがお見えになっております。  なお、保険局長は、公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、DPC評価分科会の西岡分科会長に御出席いただいております。「DPC導入 の影響評価に関する調査結果および評価」の中間報告につきまして、西岡分科会長より御 説明をお願いいたします。 ○西岡分科会長 西岡でございます。御報告させていただきます。お手元に資料はござい ますでしょうか、それに従って説明させていただきます。  この分科会では、平成17年度におきましては、ここにあります(1)から(6)までの調査を 実施してまいりました。平成18年度の調査におきましては、「制度として安定的に運営 する」という視点に基づきまして、平成17年度に行われました調査のうち、(1)と(2)を基 本とする調査体系といたしました。(1)につきましては、調査期間をこれまでより2カ月延 長いたしまして、7月から12月までとしております。また、特別調査につきましては、 再入院の動向を継続的に把握する観点及び外来診療での影響を評価する観点から調査を行 っているところでございます。  平成18年10月に当分科会を開催いたしまして、平成17年度の御報告のときに問題 になっておりました再入院率の高い医療機関からヒアリングを実施しております。  今回その後、平成18年12月に「7月から12月までの退院患者に係る調査」の中間 報告について検討いたしましたので、その結果を報告させていただきます。  2ページ目をごらんいただきたいと思います。調査方法は、平成18年7月から12月 までの退院患者について調査しておりますが、今回はその中間報告ということで、7月か ら8月の退院患者に係るデータについて分析・調査しております。  調査対象は、(3)にございますような病院でございます。  主な結果でございますが、まず、別添の資料がございますが、資料、診−2の12ペー ジから31ページのところにございます。図がございますが、それをごらんいただきたい と思います。平成15年度にDPCの対象病院になった病院、16年度の対象病院、それ から18年度の対象病院それぞれにおきまして、この診−1の3ページの上段にございま すように、在院日数が減少しております。この在院日数減少の要因でございますが、これ に関しまして、「診断群分類毎の在院日数の変化による影響」と「患者構成の変化による 影響」ということで調査をしております。その結果、在院日数の減少は主に診断群分類ご との在院日数の減少によって生じておりまして、在院日数の短い診断群分類に該当する患 者が増加したということによって生じたものではないという傾向が見られております。こ れは、これまでの調査結果と同様でございます。  それから、施設類型別の在院日数の差、特に15年度対象病院では16.83日、16 年度、18年度、それから準備病院では大体14日台を示しておりますが、この差につい て検討しております。平成15年度は対象病院の診断群分類ごとの在院日数が長いことと、 在院日数の長い診断群分類に該当する患者が多いことによる、これによってこの差が出て きているものというふうに考えられます。  以上のことから、診断群分類ごとの在院日数が減少した影響により全体の在院日数が減 少したと考えられますし、入院医療の効率化が進んでいるものと考えられます。  それから次に、入院の経路でございます。これは、別添資料、診−2の40ページをご らんいただきたいと思います。まず、救急車による搬送の率でございますが、上段の表に あります率で出しますと、横ばいの傾向を示しております。ところが、1施設1カ月当た りの患者数を見てみますと、15年度対象病院、それから18年度対象病院で増加してお りますし、16年度対象病院も横ばいの傾向を示しております。  それから、緊急入院の率で、これは次の41ページの表を見ますと、この率としては変 化はございませんが、1施設1カ月当たりの患者数を見てみますと、いずれも増加傾向を 示しているということでございます。  それから、他院からの紹介患者の受け入れ数でございますが、42ページの図をごらん いただきますと、率としては横ばい傾向、あるいは一部やや減少しているところもござい ますが、患者数を見てみますと、いずれも増加ないし横ばいの傾向を示しております。  これらのことから、全体的に救急車による搬送、緊急入院、他院よりの紹介の受け入れ といったことに関しまして実数が増加しているということでございます。  それから次の退院先の状況でございますが、43ページの図をごらんいただきたいと思 います。自院の外来というのが、平成15年度対象病院で増加しております。16年度対 象病院、18年度対象病院ではいずれも横ばいの傾向を示しております。  それから転院の割合でございますが、平成15年度DPC対象病院では減少しておりま すが、16年度対象病院では平成16年以後増加を示しております。また、平成18年度 対象病院では横ばいを示しております。  退院時転帰の状態でございます。44ページをごらんいただきたいと存じます。この図 におきまして、この3群の病院いずれにおきましても、治癒と軽快を合わせました比率は ほぼ横ばいでございます。治癒につきましては、図にございますように、平成15年度対 象病院ではやや減少傾向を示し、16年度対象病院も減少傾向、さらに18年度対象病院 もやや減少傾向を示しております。  それから、再入院率でございます。46ページの表をごらんいただきたいと思います。 再入院率は、ここの図にございますように、いずれの病院群に対しましても増加傾向を示 しておりますが、この増加の要因は、同一疾患での6週間以内の再入院という群が増加し ているということでございます。この再入院に関しましては、特別調査でさらに細かい調 査をしておりますが、調査結果が出ましたところで報告させていただきたいというふうに 思っております。  この再入院に関しまして、先ほど御報告申し上げましたように、当分科会におきまして、 再入院率の高かった医療機関からのヒアリングを実施いたしました。再入院率の高い理由 といたしましては、まず、定期的な抗がん剤治療のための再入院が多いため、病理検査の 結果を待つ間退院しているため、それから、入院してカテーテル検査等の検査を行った後 手術あるいはカテーテル治療のために入院するためといったような理由がございます。さ らに、救急患者用の病床を確保するために週末に一時的に退院させるといった理由を示さ れた施設もございました。さらに、その地域では高齢者の患者が多いため、他疾患による 状態悪化が多くて再入院が多くなるといったような理由も示されております。  これらに対しまして、分科会の方からは、退院患者の基準がどういうふうになっている のかということを明確にする必要があること、また、現状では、検査と手術のやり方に病 院によっては大きな違いがございますので、これがどのような形が望ましいのかというこ とを検討する必要があろうかというふうに考えております。また、各医療機関の所在する 地域の特性についても検討が必要であろうということで、今後定期的な抗がん剤治療のた めの再入院というものと、それ以外の目的の再入院というものを分けて、さらに詳細な調 査・分析を進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。  それから、DPCの対象になりました患者の構成でございます。これは、57ページに 全体の表がございます。ここでもごらんになりますように、MDCの06、すなわち消化 器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患、これが最も多い比率になっております。  今回調査いたしましたのが、以上でございます。  これに加えまして、前回までに委員の方々から御質問をいただいておりました分に関し まして検討したことを追加させていただきます。  その1つは遠藤委員からのコメントをちょうだいいたしまして、予期せぬ再入院の患者 の前回入院の在院日数が一体どのようになっていたのかという御質問でございまして、こ れについて調査させていただきました。同じ診断群分類で予期せぬ再入院があった患者さ んの在院日数は、それのなかった人たちの群に比べますと全体に長くなっておりました。 ですから、それを考えますと、やはり難しい患者さんを扱っておられたのかなということ がその調査からは推測されております。  それからもう1つ、患者満足度調査についてのコメントをいただいておりました。今回 の調査では、患者満足度調査はやっておりませんが、平成17年度におきまして調査を行 いましたところ、大きな問題点はなかったという結果を受けております。それと同時に、 これは別物でございますが、現在日本医大におられます長谷川教授が中心になりまして、 全国の主だった病院、500病院ぐらいでしょうか、それに対して患者満足度調査を同じ プロトコールをもって行われております。これは一部いただきました東大病院の調査でご ざいますが、これをいろいろな病院の満足度調査を各病院群の中での偏差値をとりまして、 どのくらいのところにあるかといったようなところまでの調査結果が出ております。これ がもし各病院のホームページ等でこの概略だけでも公開されるようなことになりますと、 患者さんにとりましては非常にメリットの高いものになっていくのではないかと思います。 これは実際にかなり多くの病院が参加されて行われておりますので、これが一つの指標に なるのではないかということを考えております。  以上でございます。 ○土田小委員長 どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どうぞお願いします。 ○鈴木委員 6週間以内の再入院という患者さんの数は大分多いようですが、これは2回 目の入院のときは入院第1日目になるのですか。 ○西岡分科会長 現在のシステムではそうでございます。 ○鈴木委員 そうすると、平均在院日数もただ入院回数の平均だけであって、治って平均 在院日数が短くなっているというのと意味が違いますね。 ○西岡分科会長 なかなか難しいところでございます。特にここでは、再入院の非常に大 きな比率を示しておりますのが、抗がん剤あるいは放射線療法の繰り返しという形になっ ております。そのために、今御質問にございましたように、治った在院日数とは違うとい うふうな形ではなく、一つの医療行為に対してどれぐらいの在院日数が必要であったかと いうのが示されることになります。その中には、治った人ももちろん入っておりますし、 軽快している人も入っている、そこのところはさらに必要であれば調査が必要になってく るかなというふうに思っております。 ○石井委員 今のお話の中の放射線治療に関しては、必ずしもその病院で放射線を受ける ということでない場合の扱いが、自分のところでできない放射線治療を別なところでやる ときには、Q&Aによると、基本的に転院となっているわけです。ですから、こういった 場合の扱いは病院によってどうも違うようなので、この辺を制度上の問題として扱いをす っきりさせておかないといけないのではないかと思います。ある病院によっては、その間 の、入院先で全部請求している病院もありますし、一たん転院または退院にして、その日 1日放射線治療をやるとまた再入院というような扱いをしている病院もあるようです。実 は実態は同じなので、そんなに頻度は多くないと思うのですが、その辺も調査して、制度 的にも保険の請求のやり方等についても明確化すべきではないかと思います。 ○西岡分科会長 ありがとうございます。御指摘のとおりでございます。そういった病院 が非常に多いのかどうかというのはまだ十分わかっておりません。実際のDPCが導入さ れている病院では、実施施設でそういった放射線の治療装置も持っておられる病院が非常 に多いのかとは思っているのですが、石井委員の御指摘のごときことも起こっておると思 います。今回のDPCに御参加いただいている病院というのは、非常に大きな病院から比 較的小規模な病院まで、いろいろなものが入っているのが現状でございます。これにつき ましても、今後そういった病院の機能を分類しながら評価していくということが必要では ないかと思っております。 ○鈴木委員 仄聞するところでは、DPCはいろいろと問題があるような面を、頻度でい えば非常に少ないのだろうと思われますけれども、聞いております。しかしながら、この 結果、中間報告によりまして、療養病床の区分2とか3とかが増えているというところが、 このDPC病院の転院の増加傾向というのでしょうか、こういうものとよくリンクしてい るなという印象を持ちました。 ○竹嶋委員 貴重なデータを出していただきまして、どうもありがとうございました。  やはり先ほど来問題になっていますが、私たちもそういうふうに考えておりました。再 入院ですね、早く退院させ過ぎて再入院になるというようなことがあれば、本来の目的と 一致しない。7対1問題と同じだと思うのです。そういうところが非常に大事だと思いま す。  御説明がありました別添資料の47ページに「再入院の状況」という一覧表が出ており ますが、まずお尋ねいたしたいのは、この中で、特に再入院率が高かったところをヒアリ ングをしていただいたということですが、まず、高いというのは何%以上を高いと御判断 になったのか、そしてその後ヒアリングを何施設おやりになったのか、その辺を確かめさ せていただきたいと思います。 ○土田小委員長 これは事務局の方ですね。企画官、お願いします。 ○事務局(福田企画官) まず、事務局的な部分だけ私の方から御説明させていただきま す。  再入院率については、前回の17年の調査の報告の際に、先生はじめとして御指摘を受 けまして、その際にヒアリングも含めて実態を的確に把握をして適切な値をとりたいとい うことでさせていただきました。したがいまして、10月に実はDPCの分科会でヒアリ ングをやってございますが、その際には、平成17年度の調査で高かったところ、ここの ところをお呼びいたしまして具体的な理由などをお聞きをしたということでございます。  具体的には、病院数は7病院でございまして、再入院率の高さは、一番高いところで2 5%ぐらいということですが、ただ、単に全体トータルの再入院率が高いというだけでは なくて、逆に言いますと、再入院の間隔が3日以内とか1週間以内というところでその再 入院率が高いような医療機関もありましたので、単にトータルとしての高さだけではなく て、もう1つは、どの時点で再入院率が高いのかというようなところも勘案しまして医療 機関は選ばせていただいております。  それとやはり類型の関係で、特定機能病院、当初の15年度から入っていただいている 医療機関、それから16年度から入っていただいている民間の医療機関、さらには今回の 18年度の改定に当たりまして入ってこられた医療機関、こういうような形でも分けまし て、それぞれのカテゴリーのクロスで一番高いところを選ばせていただいて、つまり、そ このところで、まず、そういう指標だけで選んだと。具体的にそれがどういう理由かとい うことは、分科会の中で議論をさせていただいたということでございます。  そういう中には、これはもう病院名も既にオープンになっていますので、例えば国立が んセンターとか、そういったところも含めまして、要はそういうところ、高さというとこ ろとその導入時期というようなところから選ばせていただいたということでございます。 ○西岡分科会長 ありがとうございました。 ○鈴木委員 その7病院の平均在院日数はやはり短いわけでありますか。そうであればち ょっと矛盾するのですよね。 ○土田小委員長 ヒアリングした病院についてということですか。 ○鈴木委員 ええ、ヒアリングをした病院が、再入院率が高いのに平均在院日数が短けれ ば、かなり恣意的に行われたということが推定されます。 ○事務局(福田企画官) そこのところ、まだちょっと今手元にデータはございませんの で、また次の機会にそういったことも含めまして御報告をさせていただければというふう に思います。 ○土田小委員長 ほかにございましたら、どうぞ。 ○西岡分科会長 再入院は今企画官から御報告のあったとおりでございますが、私たち自 身が眺めておりまして、それぞれの病院で通常に行われているよりちょっと率が高いかな というようなものをあえて選ばせていただいています。実際のヒアリングにおきましては、 ただ、私たちは前もってのデータなしにやりましたので、今回御報告させていただきまし たような形の再入院の多い理由というのをそのまま受け入れたということでございます。 ですから、このことに関しましては、さらにデータの解析をして、時によりましては再度 ヒアリングをさせていただくとかといったような形での、医療の実態を把握できるような 形でのヒアリングにまで進めることができればなというふうに考えております。 ○土田小委員長 ほかにございますか。  ほかに御質問がないようでしたら、ただいま西岡分科会長の方から説明があった件につ きましては中医協として了解したいということで、この審議は終わりにしたいと思います。  西岡分科会長、どうもありがとうございました。  それでは、本日の小委員会はこれで終了したいと思います。  次回の日程が決まっておりましたら、お願いいたします。 ○事務局(原医療課長) 未定でございますので、また追って連絡したいと思います。 ○土田小委員長 それでは、基本小委はこれで終了になりますが、引き続きまして総会が ありますので、しばらくお待ちください。    【照会先】     厚生労働省保険局医療課企画法令第1係     代表 03−5253−1111(内線3288) 1