07/03/14 第5回新型インフルエンザ専門家会議の掲載について(議事録) 第5回新型インフルエンザ専門家会議 議事録         厚生労働省健康局結核感染症課 第5回新型インフルエンザ専門家会議 議事次第   日  時  平成19年3月14日(水) 13:30〜15:44     場  所  三田共用会議所 第4特別会議室 1.開  会 2.議  題   1)新型インフルエンザ対策ガイドライン(フェーズ4以降)(案)について   2)その他 3.閉  会 ○杉江補佐 それでは、定刻になりましたので、まだお見えになられていない先生もい らっしゃいますけれども、ただいまから第5回新型インフルエンザ専門家全体会議を開 催させていただきます。  委員の先生方におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありが とうございます。  私は、健康局結核感染症課の杉江でございます。しばらくの間、進行役を務めさせて いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、会に先立ちまして、外口健康局長よりごあいさつを申し上げます。 ○外口健康局長 健康局長の外口でございます。  本日は、委員の皆様方におかれましては、第5回の新型インフルエンザ専門家会議に 御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  もう皆様御存じのように、インドネシアや中国以外にも今年に入ってラオスで患者が 発生し、更に、アジア諸国のみならず、ナイジェリアやエジプトなど、アフリカ諸国で も患者が発生しているところであります。直近の数字では感染者数277名、死亡者数168 名ということでございます。こうした状況を踏まえまして、3月2日には新型インフル エンザ対策の強化を緊急的に措置する必要があるものについて、行動計画の改訂を行い ました。具体的には、予防投与に必要な抗インフルエンザウイルス薬の政府備蓄の開始、 そして、今後のウイルスの変異等に対応したプレパンデミックワクチンの原液の製造・ 備蓄、そして、入国者に対する有症者の早期発見等検疫体制の強化のため、有症者に対 する必要な備品、検査機器等の整備等であります。  更に、この改訂された行動計画を受けまして、その実施に必要な財源を緊急的な措置 として予備費で対応することを3月6日に閣議決定したところであります。  本日は、いただきましたパブリックコメントや関係団体からの意見を踏まえて、引き 続きガイドラインの案について御検討いただきたいと思います。どうぞよろしくお願い いたします。 ○杉江補佐 それでは、委員の出欠状況について御報告申し上げます。  本日御欠席の委員でございますけれども、内田委員、押谷委員、角野委員、相楽委員、 泉委員、井原委員、田中委員、飯沼委員、森兼委員、田崎委員、丸井委員につきまして は、御欠席の御連絡をいただいております。  また、本日御出席予定ですけれども、大日委員、谷口委員、林委員、吉川委員、前田 委員におかれましては、若干遅れての御到着ということで承っているところでございま す。  それでは、以降の進行につきましては、岡部議長にお願いいたしたいと思います。ど うぞよろしくお願いいたします。 ○岡部議長 感染研の岡部です。  それでは、今日の会議を進めさせていただきます。年度末のお忙しい中、いろいろ御 予定の中お集まりいただいて、ありがとうございます。今日の会議は議事次第に書いて ありますけれども、前回ディスカッションした後でパブリックコメントというような形 で、その意見は厚生労働省の方に届き、それに基づいてそれぞれのワーキンググループ でディスカッションが行われているかと思います。それで幾つか修正したことについて 今日議論をいただいて、ただ、今日すべてが恐らく終わるわけではないと思うんですけ れども、それぞれのものについて共通のもの、個別のものとあろうかと思いますが、今 日はどちらかというとフリーディスカッションのような形で、問題点の残りの部分を討 議して、その後それぞれのワーキンググループは少なくとももう一回会合を持つ予定に なっていると思います。そこで、今日の会議に基づいたようなことを議論していただい て、この親会議が3月26日にこの場でもう一回会議がありますので、そこで今回のガ イドラインについては最終案を出すというような予定でいきたいと思います。  それから、後で御紹介もあると思うんですけれども、現在WHOで細かいところに対 するPandemic preparednessといったような議論で押谷委員が行かれているので、そ ういったような意見も取り入れながら、すべてがWHOどおりというわけではないでし ょうけれども、その意見も参考にして、この次の親委員会あるいはそれぞれのワーキン ググループで話していただくというような形でいきたいと思います。  それでは、まず、進め方としては資料の確認から、事務局よろしくお願いいたします。 ○杉江補佐 それでは、資料の確認をさせていただきたいと思います。まず、お手元の 資料ですけれども、専門家会議の議事次第とかかれました1枚紙がございます。そこに 資料1、資料2という形で書いてございますけれども、まず、資料1といたしまして「新 型インフルエンザ対策ガイドライン(フェーズ4以降)」ということで、これは2分冊と いう形になっております。分冊は「医療施設等における感染対策ガイドライン」という 形になっております。  また、資料2でありますけれども、岡部議長から御紹介がありましたパブリックコメ ントを実施しましたので、その意見概要についての冊子がございます。  それから、資料番号はございませんが、参考資料といたしまして「新型インフルエン ザ対策の強化について」と書いてある資料でございますが、これは先ほど局長から申し 上げましたとおり、先般予備費を用いての対策の強化、それから、行動計画改訂を行っ た、これにつきまして、記者発表を行った際の資料という形でつけさせていただいてお ります。  以上、不備がございましたら、事務局に言っていただければと思います。  また、カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきたいと思いますので、 どうぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○岡部議長 ありがとうございます。この新型インフルエンザ対策の強化は、一応皆さ ん御存じということでよろしいですか。後で説明がありますか。では、これで後で説明 していただくということにします。  何しろ今日は部屋が広くて、それぞれ大分遠いところに見えるような感じなんですけ れども、議論については手前のマイクを使いながら活発に進めていきたいと思います。  それでは、各ガイドライン、幾つか修正のあった点についての御説明ということで、 正林調整官の方からよろしくお願いいたします。 ○正林感染症対策企画調整官 最初に、1枚紙の「新型インフルエンザ対策の強化につ いて」をごらんください。  局長のあいさつにもありましたけれども、高病原性鳥インフルエンザが世界的にも蔓 延し、日本国内でも宮崎県や岡山県で鳥インフルが発生したということも背景にあって、 関係省庁対策会議において従来策定されていました新型インフルエンザ対策行動計画を 改訂いたしました。ポイントは、予防投与のためのタミフルの備蓄と、ワクチン、検疫 体制の強化とこの3点について行動計画を改訂いたしました。それに必要な財源を緊急 的に措置すべきであろうということで、予備費で対応すべく先般、閣議決定がなされた ところです。  その具体的な内容は、まず予防投与を行うための抗インフルエンザウイルス薬タミフ ルの備蓄に必要な経費、これは300万人分であります。68億円。それから、ワクチン についても1,000万人分の製造に必要な鶏卵の確保に必要な経費3億円。それから、検 疫の関係ではマスクを初めとした防護服関係の購入費、それから、PCRの検査機器、 サーモグラフィー等合計1.5億円、すべて合わせると73億円を予備費で措置すること を閣議決定したところでございます。  これは参考資料でありまして、一歩二歩、また対策が前に進んだというところでござ います。  続きまして、パブリックコメントの御説明をしたいと思います。資料2をごらんくだ さい。件数にすると全部で415件来ております。人数としては179人ですが、数えたと ころ意見数としては415件の意見が来ております。このパブリックコメント以外に事務 局として、関係の団体と意見交換会を持たせていただきました。全国衛生部長会、全国 検疫所長会、地方衛生研究所長会、全国保健所長会、それから、関係の団体、連合とか 経団連とかほかにも市長会とか町村会とかさまざまな団体と意見交換を行い、かつ、そ うしたところから文書でもさまざまな御意見をいただいております。御意見の数は恐ら く3,000件近くになったのではないかと思います。非常に意見交換も活発にやらせてい ただきましたし、また、こうして文章でも多数過ぎて、大分事務局が手こずっておりま すが、我々睡眠時間を削っても何とかこの御意見は一通り目を通して、このガイドライ ンに反映していきたいとは思っております。  件数としては本当に多数の方から御意見をいただきました。全部を御紹介するとかな りの時間を要しますので、来ている意見をはしょりながら、特にパブリックコメントに ついての御意見について御紹介しながら説明していきたいと思います。  最初に、2ページ目、検疫に関するガイドライン。検疫関係もたくさん来ておりまし た。例えば2つ目、疑い患者と要観察例について整合性を図る必要があるとか、患者と 濃厚接触した者への対応について、この場合日本人と外国人の対応の違いはどうなのか とか、検疫所から国立感染症研究所への検体の搬送について明確にされたいとか、ほか にもかなりたくさん来ております。  次、4ページ目のサーベイランスですけれども、例えば、時間の表記は24時間制で 統一されたい。3時という記載があって、これが午前3時のことなのか、15時のことな のかわからないというような御意見だったと思います。  それから、緊急に接種されることも考えられるので、報告する情報に直近の通常イン フルエンザワクチン接種歴も含めていただきたい。これはワクチンの副作用についての サーベイランスの項目についての御指摘だったと思います。  次に5ページ目で、症候群サーベイランスのことだと思いますが、報告件数が膨大で あり、電子カルテを導入していない病院には厳しいのではないかというような御意見も あります。  「想定以上」「広範」などあいまいな言葉が多いとか、手間が掛かり過ぎるんじゃない かというような御意見もいただいておりました。  6ページ目では、地方感染症情報センターなどもサーベイランスの結果を見られるよ うにしてほしいという御意見もありました。  次に積極的疫学調査ですが、7ページ目では、公衆衛生の専門職者、これは積極的疫 学調査に携わる人ですけれども、例えば、大学の公衆衛生教室の方々なども応援として 求めてみたらどうかとか、政令市も要観察例の発生報告は都道府県を通じるのかとか直 接国に報告した方がいいんじゃないかとか、抗インフルエンザ薬を疫学調査員に予防投 与するときは、ちゃんと意向を聞いた上で内服させてほしいという意見も来ています。  次に早期対応戦略、8ページ目です。72時間で行う根拠はあるのかとか、非薬剤性の 感染拡大防止の重要性をもっと出すべきではないかとか、『Nature』の設定は、人口密 度が低く、日本で当てはまるところはほとんどないが、地域封じ込めは本当に行うのか とか、逆に、国が強い権限を持って全国一律に対応を講ずるべきではないか、非常事態 を宣言し、社会機能維持者等以外に対する行動制限、学校、施設、公共交通機関等の閉 鎖が感染拡大防止に有効ではないかとか、そんな意見も来ています。  次9ページでは、感染リスクの程度に応じてグループに分け、それに応じた予防投薬 を含めた対応をするべきではないかというのが真ん中辺りにあります。  次の10ページ、学級閉鎖の基準、発熱した児童の扱い、情報管理等人権を重視しな がら明記すべきといったような御意見もありました。  そのほか、この早期対応戦略はかなりたくさん来ていました。  医療体制についても、例えば、医療機関への情報提供は十分ではなく、現場の不安は 大きいとか、問診の徹底により要観察例は直ちに保健所に連絡の上、検査等せず適切な 防御対策ができる医療機関に移送すべきではないかとか、発熱外来はどのような基準で、 どのような時期に設けるのかとか、発熱外来を含め新型インフルの診療に医師の確保は どうするのか。専門によらず従事すべきであり、そのための研修が必要ではないか。  次の12ページでは、各地域、小学校区ごとに新型インフルエンザ患者を診療する担 当病院を決めてはどうかというような御意見もありました。  13ページ目では、医療法の適用緩和、診療報酬上の特例措置も行うべきではないかと か、ほとんどの医療機関はほぼ満床であり、専用病棟を設けて新型インフルエンザの診 療に対応することは困難な状況だとか、自前の搬送車で搬送することは困難であり、保 健所の専用車、担当者の同乗による自家用車、また、消防機関と連携した搬送とすべき ではないか。  14ページ、結核病床を転用する場合、入院中の結核患者をどうするのか、結核患者を 退院させた後のフォローはどうするのか。  簡易キットがないと、地衛研の検査能力を超えて検体が来るとか、在宅の新型インフ ルエンザ患者について、もっと実効性を伴うよう検討すべき。必要なPPEはどこが用 意するのかというような御意見もありました。  15ページ目で、受診者という意味の患者と新型インフルエンザの患者の区別がわかり にくい、書き分けをすべきというような御意見もありました。  16ページ、診断検査です。現実的には、保健所医師が1〜2人しかいない中では、積 極的に疫学調査を行い、集団接種もこなしながら、更に保健所医師等が検体を採取し、 しかも搬送を行うことは困難だというような御意見。あるいは、フェーズが低いときの みが焦点であり、フェーズが上がったときの検査の基準を示してほしいというような御 意見もありました。  17ページ、医療施設の感染対策では、PPEの必要性・情報を明記してくださいとか、 医療関係者や社会機能維持者以外にもN95マスクは確保可能かとか、そんな御意見もあ りました。  19ページ、ワクチンですが、ワクチンもかなり数多くの御意見をいただきました。例 えば、新型インフルエンザが若年層、壮年層に症状が強く出るタイプの場合には、若年 層、壮年層に優先的に接種するべきだ。あるいは、将来を担う子どもを優先して接種す るべきだとか、次世代に継承するために、すぐれた知識・技術を持つ者と、遺伝上問題 なく健康で生殖に有利な成人男女を優先するべきとか、高齢者は小児、成人、医学的ハ イリスクにワクチンを譲るべきというような御意見もありました。  細胞培養のワクチン製造ができる体制だけは国内で整えておくべきだというような御 意見。プレパンデミックワクチンに以下の順序で接種するべき。医療従事者とその家族、 小児、10代と社会機能を有する20代、以後順次年齢を上げていくというような御意見 もありました。  20ページで、社会機能維持者関係の御意見です。医薬品を製造販売する者を社会機能 維持者に入れるべきだとか、輸血等血液製剤を管轄する職員を社会機能維持者に入れる べきだとか、社会機能維持者の対象者に石油事業者も入れるべきだというような御意見 もありました。  最後に、ワクチンが無効であることも前提に対策を立てるべきだというような御意見 もいただいています。  抗インフルエンザウイルス薬に対するガイドライン、22ページです。感染拡大時に薬 剤が不足した際、子どもや若年者を優先的に投与すべきとか、医学的優先を重視すべき だとか、予防投与について医療関係者への投与、経費負担だの投与対象の基準だのにつ いて、もうちょっと明確にすべきだというような御意見だったと思います。  それから、リレンザについても記載すべきではないかというような御意見。備蓄薬に ついても、供給先とか市町村、医療機関での備蓄についての記載というような御意見も ございました。  23ページ、事業者・職場ですけれども、新型インフルエンザ発生後も感染拡大の段階 に分けて記述していただきたいとか、産業医について役割を明記すべきだとか、企業で の備蓄すべきものについても記載すべきだとか、咳エチケットについての説明を記載す べきだという御意見がありました。  次に24ページですが、個人及び一般家庭・コミュニティ・市町村ですけれども、パ ンデミックを想定するのは過剰反応ではないか。日本では鶏舎以外あり得ないというよ うな御意見がありました。  それから、食糧備蓄について具体的な品目と量について明記すべきというような御意 見もありました。  25ページですが、市民レベルでのサージカルマスクの普及と咳エチケット強化のため の方策を練るべきとか、もう少しわかりやすい図・絵・写真、パンフをつくった方がよ いのではとか、医学用語は平易にわかりやすい表現にすることというような御意見もあ りました。  26ページでは、一定期間外に出ないことを第一にして、水、食糧備蓄、個人衛生管理、 情報収集手段を考えておくべきだとか、食糧備蓄についてその目的や品目が災害と異な ることを明記する必要があるとか、事前周知は重要だが報道選考の感があり、国として の情報提供をきちんと行う必要があるというような御意見もありました。  次に28ページ、埋火葬はパンデミック時に火葬場の職員も欠勤となることが予想さ れ、それに対する体制が必要だとか、死体処理は衛生管理、情緒、心理的な影響におい て慎重に検討するべきというような御意見もあります。  最後に、29ページの情報提供・共有(リスクコミュニケーション)に関するガイドラ インでは、すべての情報を公表するようにしていただきたいとか、発生前のリスクコミ ュニケーションを十分に行っていただきたいというような御意見が出ております。  このほか、関係団体から2,000、3,000といったオーダーの本当にさまざまな御意見 をいただいています。とりあえず、御意見の御紹介はこの程度にしまして、引き続き、 資料1の説明に入りたいと思います。  極力いただいた御意見を反映するようにしていますけれども、かなり重たい課題も多 数あるのと、それから、ガイドライン直接ではなくて、むしろガイドラインを受けて今 後の対策としてみたいな御意見が実は大多数でしたので、すべてがすべてこのガイドラ インに反映されているわけではございません。ただ、非常に参考になる意見が多数ござ いましたので、そういった御意見とか、それから、パブコメ後に、このパブコメをまた ごらんになっていただいて部門別会議を開いて、そこでもいろいろ修正をしていただき ました。  最初に、検疫のガイドラインから御説明したいと思います。アンダーラインを引いて いるところが、前回パブリックコメントを掛ける前の段階との変更点です。勿論「てに をは」に近いような微修正も非常に数多くなされていますが、そこの部分は今日は説明 は省略させていただいて、下線を引いたところが主な変更点で、時間の関係もあります ので、そのうち特にお話ししておいた方がいい点について御説明したいと思います。  検疫のガイドラインについては、3ページ目の基本的事項の(4)、ここは発生地域か ら来航する船舶・航空機については、検疫法第14条第2項の規定により、厚生労働省 は感染の拡散防止等の公衆衛生上の観点から、その状況に応じて、事前に国内検疫実施 場所を指定と。以前のバージョンでは成田、関空と2空港のみでしたが、空港について は成田、関西、中部、福岡空港等、それから、貨物専用機については検疫飛行場におい ても対応、客船については横浜港、神戸港、門司港等、あとその他貨物船等は検疫港に おいて対応の上、集約化を図ることを検討するというような表現になっております。  4ページの濃厚接触者というのが、以前のバージョンでは濃厚接触者が文章の中に潜 り込んでいてちょっとわかりづらかったので、「**」で定義のような形で示しています。 入国時、新型インフルエンザの感染を疑う者に同行した家族、友人、渡航中行動をとも にした集団・添乗員、搭乗中に世話をした乗務員、機内・船内において一定距離内(機 内の気流、空調、感染した者の動きなどを勘案して適宜判断)に着座していた者等を言 うという形にしています。  それから、下の方に検査機器の施設を有していないような検疫所の場合どうするかと いうことで、最寄りの地方衛生研究所に依頼するというようなくだりが新たに加わって います。  5ページでの「(3)濃厚接触者への対応」というところで、新型インフルエンザ疑い 患者のスクリーニング検査の結果が判明するまでの間、航空機内、船舶内もしくは空港・ 港湾施設内等適切な場所にて待機させるというような表現が加わっています。  6ページですが、アンダーラインが幾つか引いてあります。これだけ説明したのでは わかりづらいと思いますので、ここでは機内に有症者がいる場合といない場合と分けて、 (5)は有症者がいない場合のことが書かれています。有症者がいなくて発生地域から入 国する船舶とか航空機が帰ってきたという場合は、とにかく全員の方に氏名・連絡先等 の確認を行って、マスクを配付の上、健康状態報告書指示書に基づき健康監視に置くと。 帰宅まで検疫所で配付されたマスクの着用を指示、一定期間の外出の自粛、体温、身体 に異常を来した場合の報告等にて対応するものとすると。とにかく、感染国から帰って くる方々は必ずこれをやっていただくと。これがミニマムリクワイヤメントになってい まして、では、有症者が乗っていた場合どうするか。まず、有症者が乗っていた場合は、 有症者御自身は勿論停留あるいは検査結果で陽性が出れば隔離。それから、有症者との 濃厚接触者もPCRの検査結果が陽性であれば停留していただくと。陰性であれば(5) と同じ扱いになります。  (4)ですが、有症者が発生した船舶・航空機に同乗していた者で、濃厚接触者以外の 方については、PCRの結果が陽性であれば、勿論、一旦御自宅にお帰りいただくんで すけれども、毎日朝・夕の体温報告をしていただくと。有症者の方がPCR検査が陰性 であれば、(5)と同じ対応になるというような形で整理をしています。  その他検疫所関係では、8ページの「7 検疫業務に従事する検疫官等の安全確保」 という項目がありますが、検疫官は検疫業務を実施するに当たり、別添資料1「検疫時 におけるPPEについて」に従い、必要な防護衣をあらかじめ備えておき、その装着方 法について習熟しておくというくだりが加わっております。  8ページ以降の「III 検疫対応」は、先ほどの概要説明をより具体的に書いたところ が変更点になっています。  一番最後の19ページですが、ここに5が加わっています。「国内発生事例の分析」と いうことで、国内における新型インフルエンザ発症例について積極的疫学調査等の結果 を国において集約し、検疫対応の効果を検証し、必要に応じ検疫対応を見直すものとす ると。場合によっては検疫をすり抜けて国内に入ってしまって、疫学調査の結果わかる ということがあると思いますけれども、その際に調査結果、どこの空港のどの検疫所か ら入ってきたのか、各検疫所にその情報をフィードバックしていただいて、その検疫所 での対策強化に生かしていくという趣旨を19ページでも入れていますし、また、積極 的疫学調査ガイドラインの中でもそんな趣旨が反映されることを盛り込んでいます。  次に、サーベイランスのガイドライン、25ページ以降です。大きな修正点は、まず 27ページの一番下に追加をしています。そもそもこのサーベイランスは、一体何のため にやるのかというくだりがもともとの案に入っていませんでしたので、基本的な戦略と して、このサーベイランスにより得られた情報を収集・解析し、その結果を速やかに地 域や国における新型インフルエンザ対策へ反映させると。ただ単に数を集めるだけでは なくて、ちゃんと対策に生かすというのがサーベイランスの目的だということを明確に しております。  28ページに、さまざまなサーベイランスについて、どのフェーズでどのサーベイラン スをやるのかというのが一目で見てわかるような図を挿入しております。  それから、パブコメとかいろいろなところで指摘されました疑い症例調査支援システ ムというのが26ページの「2.各種サーベイランスの概要」には出てくるのに、別添 の本文の中に出てこないために、やるべきなのか、やらなくていいのかというような御 指摘がありまして、もともと本文にこれを入れていなかったのは、すでにフェーズ3の ガイドラインでかなり詳しく書いてあったので省いていたんですが、誤解があってはい けませんので、フェーズ4以降も疑い症例調査支援システムを行うことになりますから、 それを挿入しております。それを更にわかりやすくするために30ページに概念図など も付け加えております。  31ページ以降では、内容的に大きな変更はございません。書いてある内容はほとんど 同じでして、順番を入れ替えたりだとか、そもそも各機関の役割がちょっと明確ではな いということもありましたので、よりはっきりとわかるように表現を変えたりとか、31 ページ以降のすべてのサーベイランスについてそういった修正を掛けています。  内容的な大きな変更は43ページです。臨床経過情報共有システムについて、非常に 数多くの方からよくわからないという御指摘をいただきました。もともとこれがかなり 任意性が高い、ブログのような形をイメージして原案では記載がなされていました。す なわち有志のドクターがインターネットにアクセスして、自分の診た患者さんに関する 情報をどんどんインプットして、それを有志の方々同士で情報共有するというようなシ ステムで提案されていましたが、もうちょっとシステマティックにやるべきだという御 意見を谷口委員からいただきましたので、内容をかなり変えています。例えば、目的の ところは新型インフルエンザ患者の病態、臨床経過、治療成績については、その知見が 乏しく、また経過とともに変化することが予想されると。タミフルの有効性や耐性発生 の有無だとか、もろもろの診療情報に関する情報をリアルタイムに把握すると。更に、 死亡率が重症化率等を算出して対策立案にも役立てると。  概要として、指定された医師を通じて系統的に収集されたデータを新型インフルエン ザ対策専門家会議で分析し、地方自治体及び診療に携わる医師のみならず、一般国民、 インターネット等を通じて情報を提供すると。  役割としても、医療機関の役割として、患者が発生した二次医療圏の管轄内で発熱外 来を行う医療機関と、入院を担当する医療機関が一つの単位を形成して、それぞれの医 療機関が国立感染症研究所の感染症情報センターに連絡してIDパスワードの発行を受 けて、インターネット上でもろもろの診療情報を入力していくというような内容に変え ております。  次に、積極的疫学調査については、大きな修正点は55ページに添付資料をつけてい ます。先般2月5日にシミュレーション訓練を徳島県にも御参加いただいて行いました が、たしかその際に出た御意見だったと思うんですけれども、実際に積極的疫学調査を 行って、それぞれの調査の場面で、例えば、接触した人は大変御心配されたり、あるい は職場だとか学校とかいろいろなところでどうやって消毒したらいいのかとか、そうい ったことをできればガイドラインに書いておいてほしいというような御意見を幾つかか らいただきましたので、先生にお願いして55〜56ページに掛けて、それぞれの場所に ついての消毒の方法について記載をしていただいております。  それから、早期対応戦略ガイドライン、78ページ以降です。いただいた御意見として、 「はじめに」のところがかなり長くてわかりづらいということでしたので、簡潔にいた しました。  それから、よく出た御意見が、地域封じ込めについては、かなりハードルが高くて、 やる可能性が低いように感じるんだけれども、その割にはガイドラインは大部分が地域 封じ込めに割かれているけれどもどうなんだというような御意見を非常に数多くいただ きまして、部門別会議で議論して、ここで早期対応戦略の柱となるのは、家庭・施設内 予防投薬が何といっても柱になると。地域封じ込めはやる可能性が必ずしもゼロではな いから、一つの選択肢として示すというようなことでしたので、それをもうちょっと明 示的に書くべく、80ページの「2.実施方法」で2つ目の「○」ですが、我が国の地理 的条件や人口密度などを考慮した場合、交通遮断による厳格な人の制限を行うことは非 常に困難であることから、本稿は、家庭・施設内予防投薬を行いながら、より現実的に 実行可能な薬剤以外の感染拡大防止策を講じる方法を柱に記述すると。  3つ目の「○」でなお書きで、地域封じ込めは一つの選択肢としてということで書い てあります。  もう一つの大きな変更点は、89ページに地域封じ込めの条件というのがありますけれ ども、そこに3行ほど文章を加えています。以下のすべての条件に合致した場合、地域 封じ込めを選択肢の一つとして加え、前述した2つの作戦いずれかとともに実施につい て検討する。なお、すべての条件に合致しなかった場合、家庭・施設内予防投薬作戦や 接触者予防投薬作戦を継続すると。これも議論の結果、新たに加わったものです。  96ページの「5.『早期対応』以降のパンデミック期対策との連続性」、ここのところ を少しわかりやすく書いています。早期対応戦略は、地域における新型インフルエンザ ウイルスの封じ込めという明確な目標が存在すると。その目標が達成された場合、もし くは達成が困難と判断された場合には、速やかに早期対応戦略を終了する必要がある。 その場合、WHOのパンデミックフェーズにかかわらず、薬剤以外の感染拡大防止策は 間を空けることなく実施し、速やかにパンデミック期対策へ移行する。その際、予防投 薬が行える状況であれば、家庭・施設内予防投薬もしくは接触者予防投薬を行うと。早 期対応戦略が終わった後どうするんだということを、ここで簡単に記しています。  次に、医療体制については、かなり大きく修正がされています。特に、川名委員が非 常に積極的にこのガイドラインをあちこちで紹介して、医療関係者の方々にヒアリング をしていただき、まさに現場の意見を取り入れながら、川名先生御自身にかなり大きく 修正をしていただきました。  まず1つ、発熱外来について2月、3月と何回か部門別会議を開きまして、発熱外来 についてかなり熱心に御討議をいただきました。新しく出たものが100ページの下の方 にある「(1)発熱相談センターの設置」というものです。非常に初期の段階では、例え ば、国内あるいは国外にもし新型インフルが発生すれば、かなりの国民の方が動揺して いろいろなことを相談したくなるであろうと。スタートはそこからじゃないかというこ とで、発熱相談センターの設置というくだりが新しく加わっています。ここでは、都道 府県・保健所を設置する市及び特別区は、保健所などに発熱を有する患者から相談を受 ける体制を整備するとともに、ポスターや広報誌等を活用して、発熱を有する患者はま ず発熱相談センターへ電話等により問い合わせることを地域住民に周知させると。  相談窓口は、患者の早期発見、患者が事前通報せずに直接医療機関を受診することに よる他の患者への感染の防止、地域住民への心理的サポート、特定の医療機関に集中し がちな負担の軽減等を目的とするという内容が加わっています。  もう一つ大きな修正は、前のバージョンでは、大きくは2つの段階に分けて記載がさ れていましたが、今回のバージョンは全部で5つの段階に分けて記載がされています。 今の発熱相談センターの設置というのが第一段階でして、100ページの真ん中より下で すが、国外もしくは国内において新型インフルエンザ患者が発生したが、当該都道府県 内にはまだ患者が発生していない段階。  第二段階は102ページですが、当該都道府県内に新型インフルエンザ患者が発生し、 入院勧告措置に基づいて感染症指定医療機関等で医療が行われる段階。  第三段階は106ページですけれども、新型インフルエンザ患者が増加し、入院勧告措 置が解除され、当該都道府県内のすべての医療機関において新型インフルエンザに使用 可能な病床を動員して対応する段階。  第四段階が108ページですが、入院が必要な新型インフルエンザ患者が膨大となり、 医療機関内の既存の病床以外にも、新たに病床を増設することが必要となる段階。  第五段階が下ですが、新型インフルエンザの流行が終息傾向に入った段階と、全部で 5つの段階に分けて記載しております。  特に101ページにお戻りいただいて、まず、1、感染症指定医療機関特定第一種、第 二種、2として結核病床を持つ医療機関など新型インフルエンザ対策行動計画に基づき、 都道府県等が病床の確保を要請した医療機関、この1、2を併せて感染症指定医療機関 等と略すとして、その下に、感染症医療機関においては、必ずしも感染症指定病床に限 定せず、施設の規模等を勘案した上で、新型インフルエンザ患者受入れ可能人数を事前 に試算しておく。協力医療機関においても陰圧病床等に限定せず、1フロア、1病棟を 新型インフルエンザ専用にするなど、病院の他の病室等へ新型インフルエンザウイルス が流出しないような構造を持つ病室も含め、受入れ可能患者数を試算しておく。都道府 県等はこれらの試算を基に、新型インフルエンザ発生初期に同疾患患者を収容するため に必要可能な病床数を決定し、対策立案の基礎資料とする。この病床を以下「感染症病 床等」と略すというように整理しています。  前のバージョンですと、非常に数多くあった御意見で、結核病床を使うとなったら結 核患者をみんな追い出すのかという誤解を招くような、そういう表現ではなかったんで すけれども、残念ながら誤解を招いていましたので、ここで結核病床については、既に 当該病棟で行われている必要な結核医療を維持し、なお空床の数が多いときから、病棟 の転用が可能な病室については利用を検討すると。追い出すわけではないということを 記載しています。  あとは第二、第三、第四、第五と分けて記載しています。  109ページ以降では、PPEについての使い方をガイドラインにちゃんと書いてほし いという御指摘を、これも非常に数多くの方から御意見をいただきまして検討しました が、その使い方は恐らく写真でも入れながらでないと、多分説明が難しいと思われまし たので、109ページの真ん中より上に、国立感染症研究所感染症情報センターのホーム ページ、今回新たにホームページにPPEの装着の仕方から何から、まだ写真は入って いませんけれども、こういったホームページを設けて、そこをごらんになっていただけ ればPPEの付け方とかそういうものがかなり具体的にわかるというような形をとらせ ていただきました。  あとは、ごらんになっていただければよろしいかと思います。  次に、もう1冊の方ですが、「医療施設等における感染対策ガイドライン」。内容につ いての大きな変更は118ページの個人防護具について。先ほどの話と同じなんですけれ ども、PPEについては、ここにあるように原則論をとにかくガイドラインに書いて、 119ページに同様に感染症情報センターのホームページも紹介して、そちらを見ていた だければ、具体的な着脱の方法がわかるという形をとらせていただいています。これが かなり大きな変更であります。  それから、135ページ「医療機関における診断のための検査ガイドライン」。これは1 月19日の段階あるいはパブリックコメントを掛け出した1月31日の段階では間に合っ ていませんでした。目次程度しかなかったんですけれども、その後、小田切委員に原案 をつくっていただいて、医療部門のワーキンググループで詰めていただいて、パブリッ クコメントも2月中旬だったと思いますけれども、そこから掛け始めて御意見をいただ いたり、それから、ここの部分は関係の地方衛生研究所長会とか非常に関係の深い各団 体の御意見もいただきながらつくっております。  内容としては136ページですけれども、まず、培地の準備、地方衛生研究所で培地を つくっていただいて、それをあらかじめ感染症指定医療機関等の医療機関に配布してお いていただくと。医療機関でその培地を使いながら検体を培養していくと。その際のさ まざまな留意事項、注意事項を137ページ以降、医療従事者の保護とか検体の種類。138 ページは検体の採取、何を採取するのかとか、採取の時期であるとか、どうやって保管 するのか、ラベリングとか。140ページでは輸送の方法とか消毒、検査検体全体の流れ 図も140、141ページに示しております。  次にワクチンですが、146ページをごらんください。まず、大きな変更点は、前のバ ージョンではパンデミックワクチン、プレパンデミックワクチンを余り分けずに記載し ていたがために、どの部分がプレパンデミックで、どの部分がパンデミックなのか非常 にわかりづらいという御指摘をいただきました。今回は、項立てとしてプレパンデミッ クワクチンとパンデミックワクチンをはっきり分けて記載しています。  大きな変更点は、前回のバージョンでは社会機能維持者、医療従事者、プレパンデミ ックワクチンの接種対象者について例示を挙げながら示しておりましたが、それを更に ブレイクダウンした形で示しております。医療従事者、特に社会機能維持者については、 治安維持とかライフライン関係、国または地方公共団体の危機管理に携わる者、国民の 最低限の生活維持のための情報提供に携わる者、輸送といったような形に分けて、それ ぞれ例示を挙げております。  それから、149〜150ページに掛けて前回のバージョンでは、プレパンデミックワク チンの接種の体制についてかなり詳細に書いてありましたが、パンデミックワクチンに ついても書く必要があるということで、150ページに供給及び接種体制として、そこに あるような1)、2)、3)、4)を新たに追加しております。主にプレパンデミックワクチ ンは主体を都道府県と考えて、応援として市町村というような位置付けにしていますが、 専門家会議、部門別会議でも議論して、パンデミックワクチンについては市町村が主体 なんですけれども、特に医療従事者、社会機能維持者は都道府県を主体にし、それ以外 の方は市町村を実施主体にするというような書き方にしております。  153ページに「8.予防接種の評価」というのを新たに加えております。実際にワク チンを接種してみて抗体価が上がっているのかどうかとか、そういったことをきちんと 評価するというような記載を追加しております。  次に「抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン」です。ここでの大きな変 更点は、まず1つは、161ページにザナミビル、商品名リレンザ、これは先ほどのパブ コメでもありましたけれども、リレンザについての記載がないではないかという御指摘 を多数いただきましたので、リレンザについて追加しております。なお、リレンザにつ いては原則論を書いていますけれども、タミフルが経口薬なのに対して、リレンザとい うのは吸入薬でちょっと使いづらいというようなこともあって、第1選択は一応タミフ ルにしていますが、タミフルが万が一耐性を持った場合はリレンザを使うというような 原則論を書いております。  それから、ちょっと戻りますけれども、159ページの「(2)新型インフルエンザ発生 時の通常インフルエンザの治療」という記載も新たに加わったものです。通常のインフ ルエンザでもタミフルの使用が必要な場合は確かにあります。しかし、一般に健常成人 の場合は通常インフルエンザが重篤な病態を引き起こすことは考えにくく、新型インフ ルエンザの流行状況から新型インフルエンザの感染が考えにくい場合、簡易キット等で B型インフルエンザと診断された場合は、診察医の判断で抗インフルエンザ薬の投与を 控える場合があるというようなこと。  160ページですけれども、通常でも新型でもそうなんですけれども、タミフルという のは48時間以内に投与しないと余り効果をなさないという、これをもうちょっと明示 的に書くべきだという委員の御指摘がありましたので、その旨を追加しております。  次に、事業者・職場での主な変更点は167ページ、「5」感染予防・感染拡大防止の ための物品の備蓄」。パブコメとかあるいは事業者団体と意見交換した際に、事業者とし てはどんなものを備蓄したらいいかというものを明示的に書いてほしいという御意見を 非常に数多くいただきましたので、これもちょっと議論して、マスクと手袋と消毒用ア ルコールについて一応備蓄の例として挙げております。  それから、社会機能維持に携わる人たちの業務の継続について、前回のバージョンは たったの4行しか書いていなくて、何をしていいかわからないという御指摘もいただき ましたので、これについては168ページと171ページにもう少し具体的に記載していま す。危機管理体制の確認であるとか、業務継続に必要な機能、業務設備及びその他リソ ースの検討とか、従業員等に対する検温だとか、必要な業務及び交代補助要員の確保、 勤務体制、代替意志決定システムの検討とか、マスク、うがい薬等必要な物質の備蓄と いうようなことが168ページに、それから、171ページは感染が拡大した場合の業務継 続に当たっての具体的な方法が書いてあります。  個人・一般家庭は174〜175ページ辺りで、難しい言葉が多いので国民向けにわかり やすく書いてくれという御指摘をいただきましたので、極力わかりやすくなるように書 き直しをしています。  175ページの下から「(3)国民の協力」という辺りに、ヒト−ヒト感染が発生した場 合には、感染死していない人が感染者に近距離で接触することによって広がりますので、 たった1人の不注意な行動がきっかけとなり、新型インフルエンザを大きく広げてしま うことがあります。国民一人一人が協力して、自分たちの地域を守る心構えが必要です というくだりを追加しています。  177ページ、咳エチケットについて四角で囲いながらわかりやすく書いております。  178ページも事前にどうしたらいいかということで、家庭内であらかじめ相談してお きましょうと。どんなことを相談するかということをかなり具体的に今回は記しており ます。  181ページ辺りも、以前に比べたらかなり具体的に181〜183ページに掛けて、それ ぞれの家庭でやるべきことをもうちょっと具体的に記しております。  情報提供、リスク・コミュニケーションですが、ここでは188ページに国民向けの広 報ということで、その他をもうちょっと具体的にするために、リーフレットの作成等に より行政の具体的な対応内容、国民の立場から行うことが必要な対応等について周知を 図るというくだりを設けていますし、非常に数が多かったのは、医療関係者に対しても 広報すべきではないかという御意見をいただきましたので、その旨を下の(イ)のところ で「医療関係者向け広報」というくだりを追加しております。  197ページに、リスコミのチェックリストというものも加わっています。  最後ですが、埋火葬については大きな修正は特にしておりません。  大変冗長になりましたが、以上がいただいたパブコメの紹介と、それを踏まえたガイ ドラインの修正であります。 ○岡部議長 どうも御苦労様でした。大変膨大なものについて説明をいただいたわけで すけれども、この議論に入る前に、各ワーキンググループあるいはそれぞれのグループ で中心になっていただいた方に、それぞれ追加事項あるいはコメントがありましたらお 願いしたいと思うんですが、最初から言うと検疫からスタートになっていますので、検 疫は内田委員、何かコメントはありますか。 ○内田委員 ちょっと表現だけの違いだろうと思って気にはなっているんですが、随所 に出てくるんですけれども、最初は6ページで、要するに有症者が船舶・航空機内にい て、濃厚接触者まではこれまでの対応どおりになっているんですが、濃厚接触者以外の 有症者がいる場合の同乗者は、朝・夕の体温報告については「疑う者のPCR検査結果 が陽性の場合に限ることとし」という形で、報告を受けなくてもいい状況というのが広 がり過ぎているような気がするものですから、ここは表現だけの違いなのか、対象者を 絞っていかないということなのかという整理を少ししてほしいかなと思っています。 ○岡部議長 それから、検疫の方は基本的には水際作戦をできるだけやるんだけれども、 前の委員会でもありましたが、厳重に厳重に厳重にやって、すべてをここから入れない というのはむしろ不可能に近いというような議論もあったと思うんです。 ○内田委員 ですから、それは厳重にと言ってもなかなか難しい話ですが、ただ、仕方 ない、仕方ないで行くと、逆にどんどん抜け落ちるかなと。だから、そこの兼ね合いの 問題です。  もう一つ気になっているのは、せっかく国内の積極的疫学調査と検疫での入国者の情 報把握、健康管理者、停留者の把握をしていることの国内情報のフィードバックをいた だくということは検疫ガイドラインの方には出ているんですけれども、積極的疫学調査 の方は抜けてしまったんですか、私が見落としたんでしょうか。積極的疫学調査のとこ ろには、その旨が前は書いてあったと思うんですけれども、今回はついて読んでいくだ けで抜けていたようにも感じたんですが、残っていますか。 ○正林感染症対策企画調整官 その旨書いてはあります。まず1つ、61ページは調査票 のフォーマットなんですけれども、真ん中辺に新型/鳥インフルエンザの発生が報告さ れている国・地域への立ち入り及び滞在歴と、その患者さんについていろいろな情報を 調査員が得るわけですが、もし、感染国から帰ってきた場合に、44という欄があります けれども、帰国したのはいつで、それから帰国時の到着港、どこの空港あるいは船の港 なのか書いていただいて、更に、搭乗便とか搭乗の船舶を御記入いただくと。こういっ た情報を国に上げていただくというのが本文のどこかに書いてあって、パッと出てきま せんけれども、そういう形で国に上がってきたら、これをまた検疫に還元するというよ うなことをちょっと考えているところです。 ○内田委員 前回のを見たときは本文中にもその文言があったんですけれども、今回は 消えていないですか、大丈夫ですか。 ○岡部議長 基本的には、そこの部分はやるということなので、これはワーキンググル ープでそこの議論をしておくということでよろしいですか。  それから、各ところでのコメントというか追加というような形でそれぞれのところに お願いしたようなサーベイランスは、谷口委員長がまだ成田辺りにいるのではないかと 思うので、この辺は神谷先生。 ○神谷委員 サーベイランスの方は、谷口先生がいらっしゃいませんので私の方から。 先ほどお話がありましたけれども、資料の43ページですが、「臨床経過情報共有システ ム」が大幅に変わりました。これがなぜ変わったかというところですけれども、一番の 問題点は死亡率とか重症化率が最初の考え方では把握できないということです。分母が 出てこないということです。したがいまして、実際に死亡率がどの程度になるかで、そ の後の対策等が恐らく変わってくるだろうというような考え方がありましたので、むし ろユニットをつくって、そのユニットの中で患者さんがどれくらい出て、その中で死亡 される方、あるいは入院される方がどの程度になるか、そういうところから死亡率等の 推測をしていった方が、より対策に寄与できるのではないかという考え方からです。  ワーキンググループで話をしたんですが、ちょっと気になるのは、実際に調査単位と ここには記載されておりますけれども、この調査単位の設立を都道府県、保健所等とい うことで対応することになりますので、情報の集め方そのものも国の感染症情報センタ ーで時限的にやるのか、あるいは地方情報センターが絡んでくるのかというところはワ ーキンググループでもう一度議論をしておかないと、実際にはそういうものを準備しな がら、地方の部分でその情報をきちんと精査できないということが起きてくるのかなと 今考えています。  以上です。 ○岡部議長 ありがとうございます。  では、その辺ももうちょっと議論を詰めていただきたいと思うんですが、その次の積 極的疫学調査の方は、それほど大きい変化はないということですけれども、安井委員ど うぞ。 ○安井委員 こちらの方はフェーズ3のときに作成したものを基に発展させたものです ので、調査票も今回つけていただきまして、ちょっと印刷の段階でずれているのでまた 直していただければなと思うんですけれども、先ほど内田委員から御指摘がありました が、もともと検疫との協力というのはどこにも書いておりませんので、それは前回のワ ーキンググループの会議のときに今後書きますと最後に付け足しますという正林調整官 からのお話があったと思うんですけれども、それが単に間に合っていないだけかなと思 います。  環境整備、消毒については感染対策ガイドラインに基づいて、それを作成した森兼委 員と相談して新たに添付しております。 ○岡部議長 ありがとうございます。  その次は早期対応で、これは全体のスタートということで根幹にかかわる部分といろ いろパブコメもいただいていたようですけれども、中島委員、何かありましたらどうぞ。 よろしいですか。  正林調整官からも紹介がありましたが、いわゆるタップ、キャップ、ギャップ、地域 かあるいは家庭・施設内か接触者かということについては、かなり議論があったわけで すけれども、いずれもきちんと述べておいた上で、地域によっては、例えば、東京とど こかの離れ島では随分違うだろうという議論があって、中心になるのは家庭・施設内予 防投薬だけれども、いずれにせよ今のところは両論併記というような形でやっておくと いうようなことが、そのときの議論だったかと思います。  それから、医療体制に関しては、川名委員お願いします。 ○川名委員 先ほど正林調整官から御報告いただいたものの追加という形でお話しさせ ていただきますけれども、今まで医療体制ガイドラインは大きく3段階に分けておりま した。これは基本的にはWHOのパンデミックフェーズ分類とはちょっと異なった独自 のものですけれども、その物差しというのは新型インフルエンザの患者の増加に合わせ た段階分けというような形になっております。したがいまして、基本的な骨格は変わっ ていないんですけれども、最初のバージョンが3段階だったものが5段階に、もう少し 段階を詳しくさせていただいたというような改訂がございます。  簡単に言いますと、第一段階というのはまだ発生していない段階で、一生懸命準備を やる段階。第二段階は、まだ数が少ない状況でありまして、感染症指定医療機関等を中 心として封じ込めの努力をしながら診療する時期。第三段階が、すべての医療機関が対 応する時期。第四段階は、すべての医療機関を動員しても入り切れずに、場合によって は公的施設などを使わざるを得ない時期。そして、第五段階は終息傾向に入った時期と させていただきました。  各論になりますけれども、特に今回追加させていただいた点としましては、まず第一 段階、発生していない段階というところで準備をしっかりやるということ。それから、 本当に発生してきたときに一体どこの病院が対応するのかというのを明確に書かせてい ただいて、各都道府県の責任において勧告入院措置によって患者さんを受け入れること のできるベッド数をしっかりつかんでおいていただくということを書かせていただきま した。  それから、第二段階は大きな変化はありませんけれども、第三段階としまして、これ は封じ込めに失敗して市中に蔓延してしまった段階ということになりますが、この段階 ではすべての医療機関が診るというふうに書かせていただきました。このすべてと言い ますのは、勿論すべての一般医療機関が新型インフルエンザをファーストプライオリテ ィで診療すると、必ずしもそういう意味ではございませんで、市中に蔓延してあちこち で患者さんがパラパラ出てきているような状況においては、もう特定の医療機関だけで はなくて、一般医療機関でも新型インフルエンザが診られる体制に少しずつシフトして いかなければいけないだろうというようなポリシーを少し込めたものであります。  その中においても前回のバージョンで触れておりますように、診療を行わない特定の 医療機関を設定するということは、そのまま入れております。  それから、本当にパンデミック期になりましたら、例えば病診連携ですとか、病病連 携といったような比較的小さなコミュニティにおける医療連携が非常に大切であろうと いったようなことも書かせていただきました。  それから、第五段階というのを1つ追加させていただきましたけれども、これはWH Oの分類で言うところのポストパンデミックフェーズということで、パンデミックの被 害を総括する、そして、第2波に備えるという段階を加えさせていただきました。  それから、前回から問題になっている発熱外来ということですけれども、これはフェ ーズによって役割が変わってくるだろうということが前回から言われておりましたので、 名前を2つに分けさせていただきまして、本当のパンデミックに入る前の段階において は発熱相談センター、これは電話対応などが中心になります。それから、本当のパンデ ミックになってからは発熱外来ということで、診療も一部分担するというような形に書 かせていただきましたけれども、お話を伺ってみますと、それぞれの自治体にによって いろいろ発熱外来に対する考え方や準備の状況が違っておりますので、その発熱外来の 形態については、各都道府県の特性に合わせてそれぞれが独自に決めてよいというよう な柔軟性を持たせていただきました。  あとは、いろいろ現場の意見を伺いますと、やはりどちらかというとシステムづくり は我々でやるから、行政にはいろいろなタミフルですとかPPEですとか、そういうも のの整備をする支援をしてほしいといったような意見がかなり出ておりましたので、比 較的地域、コミュニティあるいは自治体の独自性を認めて、行政や厚生労働省などがそ れを支援するといったような文言を盛り込まさせていただきました。  大体そんなところです。 ○岡部議長 ありがとうございます。  今、質問するのはルール違反なんですが、1つだけ教えていただきたいんですが、前 に発熱外来のときで、パンデミックになってきたようなときには、発熱外来に患者さん は行ってもらうようにして、そこで治療薬も渡すと。そうすると一般の医療機関では混 合することなく、むしろタミフルのような抗インフルエンザウイルス薬は配布しないで 済むのではないかというような議論が前にあったと思うんですが、その辺はどうなるん でしょうか。 ○川名委員 タミフルの配布等とのリンクに関しては、まだ解決していない部分もある んですけれども、恐らく発熱外来というのは、例えば、市中で発生したコミュニティ・ アクワイアードの新型インフルエンザに対する外来診療などをサポートするというよう な形になろうかと思いますが、例えば、今のシーズンインフルエンザを見てもわかるこ となんですが、流行期間中というのは病院の中に入院している患者さんが発症したり、 あるいは入院してきてから発症したり、いろいろな状況が考えられますので、一般医療 機関においてもある程度の診療ができるような体制に少しずつ移行していく形にしてい かざるを得ないかなと思っておりますので、発熱外来は主に病院の外での交通整理とい うような形になろうかと思います。 ○岡部議長 ありがとうございました。  医療施設も続けてお願いできますか。これは森兼さんの方ですが、森兼先生がいらっ しゃらないので。 ○川名委員 これは、基本的には余り大きな内容の変化はございません。ただ、内容的 に強化された点としましては、先ほどお話がありましたけれども、PPEの使い方とか そういうことについて、より具体的な内容が補足されたということだと思います。 ○岡部議長 ありがとうございます。  それから、新たに出てきたのが検査ガイドラインですけれども、小田切先生、何か追 加がありましたら。 ○小田切委員 これは、パブコメでも検体採取はどの機関でというのがありましたけれ ども、基本的にはここに書いてあるように協力医療機関でということなので、ウイルス 検体採取用の前準備として地方衛生研究所から輸送培地とか配布するのは、協力医療機 関にある程度限定したところからスタートするというようになります。  138ページにありますが、ラベリングのシステムのところは、疑い症例調査支援シス テムにのっとってID番号を取得するわけなんですけれども、そこで再検できるように 同一の患者さんから検体を2回ナンバー1、ナンバー2というふうにとるわけですけれ ども、これは同じIDを発行して、その中でナンバー1、ナンバー2としないと、重複 して検査することになるし、また患者さんが倍になるということもありますので、そこ は一つ注意が必要かなと思います。  あと、そこに大体詳しく書いてあるとおり、採取の時期とか保存法、輸送法になりま すが、最後の140ページの輸送法ですが、これは今、感染研の中でもバイオセーフティ 委員会で最終的な詰めの段階にしていますけれども、基本的に三重構造をとるというこ とで、どういう輸送容器を使うかというのは、基本的には感染研の方で推奨するという 形で動いています。  それから、実際輸送機関に関しましては、郵便が今度は通常のゆうパックが使えない 状況になりそうだということもあって、まだしばらく議論が続くところでありますけれ ども、その辺の議論が固まったところで随時これを変更して追加していくとなるかと思 います。  以上です。 ○岡部議長 ありがとうございました。  次いで、ワクチンと抗インフルエンザ薬を田代委員からお願いします。 ○田代委員 ワクチンにつきましては、一番最初に正林さんから説明がありましたけれ ども、今年の予備費で来年度にまた1,000万人分のプレパンデミックワクチンの製造を するという方針が決まりました。実質的にはこの計画というのは、フェーズ4以降では なくてフェーズ3の準備になるわけで、そこのガイドラインに追って書き込んで改訂し ていくということになるかもしれませんけれども、そこが新しくパブコメが出た後に政 府の方で決まったということで、それに応じてこれを少しフェーズ3の方で訂正する必 要があるかと思います。  それから、プレパンデミックワクチンとパンデミックワクチンの実施体制をそれぞれ 分けてわかりやすくしたということは、先ほどの説明のとおりです。それから、具体的 にどういう人を対象にするかということについても、少し詳しく書き込まれました。  供給及び接種体制、147ページですけれども、これについても事前準備と書かれてい ますが、これも実質的にはフェーズ3においてやっておくべき内容がここに重複して書 かれています。  パンデミックワクチンの実施主体ですけれども、これについては150ページの真ん中 以降に具体的に記載されました。  最後の153ページの予防接種の評価ですけれども、これはワクチンの有効性、アドバ ンスド・イベントが起こった場合のモニター、その2つが大きな対象になるかと思いま すが、これについても現時点フェーズ3の段階で具体的にどういうような計画を立てて、 どういうふうにしておくかということを決めておくということがガイドラインとして書 かれました。これはフェーズ4以降ということになっていますが、実施はフェーズ4以 降ですけれども、計画は現フェーズ3で立てると。これについて具体的なことは情報セ ンター、その他専門の方で検討していただくということになりました。  それから、抗インフルエンザウイルス薬につきましても、以前のバージョンですと、 さまざまなところに予防投与するということが書かれていたわけですけれども、その予 防投与に使う備蓄というものが具体的にどこにもなされていないという状況でしたが、 先ほどのお話にありましたように、300万人分の抗インフルエンザ薬を備蓄するという ことが予備費で決まりまして、この予防投与ということについても具体的に何を使うか ということがはっきり記載されるようになりました。  予防投与につきましても159ページ、説明が重複しますが、予防投与は今まで2,500 万人分備蓄するという治療用の備蓄とは別枠で予防投与に使うということがきちんと書 かれています。それから、予防投与につきましても300万人分ということですけれども、 その備蓄量がだんだん使って減っていった場合には、予防投与についての戦略というか 投与をだんだん減らしていくということも方針として書かれています。  それから、実際に新型インフルエンザが発生した場合に、同じ時期に通常のインフル エンザが一緒に流行するという場合も考えられますので、その場合には通常のインフル エンザの治療をなるべく減らして、極力新型インフルエンザの治療に向けて備蓄されて いる薬を有効に使っていくという方針が記載されました。  以上です。 ○岡部議長 ありがとうございます。  それから、事業者・職場、個人、コミュニティと来るんですが、これは大体調整官か ら御説明いただいたとおりだと思いますけれども、私の感じではガイドラインという言 葉が何となくなじまなくて、もうちょっとお勧めか説明のような感じのものではないか という印象を持っているんですが、それも併せて後で議論いただいて、リスク・コミュ ニケーションの方は丸井先生がおいでにならないんですけれども、前田委員、もし何か 追加で御説明していただけることがあったらお願いします。 ○前田委員 リスク・コミュニケーションにつきましては、余りパブリックコメントが 多くなかったということで、ガイドラインについては大きな変更はございませんでした。 一部市町村の役割もということで、市町村についての記載が追加されているというとこ ろがございます。  あと、先だってのワーキンググループの際は、コールセンターについての議論がかな り長くあったんですけれども、私どもとしては恐らくこういう事態のときに保健所ある いは本庁等の業務がオーバーフローするということで、簡易な質問についてはコールセ ンターで外部の機関を導入してのコールセンターをつくってはどうかということを提案 しているんですけれども、先だってメールでも質問させていただきましたが、医療分野 での発熱相談センターですとか、こういうものとの整合性を今後考えていかなければい けないということで、ワーキンググループの中でもどうしてもこの課題は相談のところ だけを扱っているんですけれども、今回各ガイドラインでリスコミについていろいろ御 意見がございましたので、本当はそれぞれのマニュアルを束ねた形でのリスク・コミュ ニケーションについてのガイドラインも必要なのかなという議論がございました。  以上です。 ○岡部議長 ありがとうございました。  埋火葬については特に変化がないということだったと思うんですけれども、今日の議 論の目的は、それぞれのワーキンググループで話をしていただいているけれども、ほか のところについて全員が参加されているわけではないので、もう一回議論するときにほ かのワーキンググループでどのくらいのことが行われているか、あるいはその結果を踏 まえながら、ワーキンググループで最終的な親会議に備えていただくということが目的 なわけで、大分概要としてはわかってこられたのではないかと思いますが、それで残さ れた時間が30分弱ですけれども、ここはフリーディスカッションということですから、 特にどこそこということで設定しませんので、御意見のある委員がいらっしゃいました ら、どうぞお願いします。 ○永井委員 早期対応戦略ガイドラインで、予防内服はきっちり家庭・施設内予防投薬 という形でやるということになっていますが、先ほど田代先生がおっしゃいましたよう に、300万人分の備蓄ということなんですけれども、それを使い切った場合には撤退し ていくというか、やめていくというのはどこかに文言として書いてあるんでしょうか。 我々のところでは書いてあるんですけれども、ざっと見た感じではわからなかったんで すが、それはいかがでしょうか。 ○岡部議長 これは調整官から御説明できますか。ある程度取り崩しはするけれども、 どこかで決めなければいけないというような御意見だと思いますが。 ○正林感染症対策企画調整官 たしか書いていなかったと思いますが、それは引き続き ワーキングで御議論いただけたらと思いますけれども。 ○岡部議長 ワーキングは医療の方でやっておいた方がいいんですか、それともインフ ルエンザ薬の方で議論をしておいた方がいいですか。 ○正林感染症対策企画調整官 抗インフルエンザウイルスのガイドラインの方では、足 りなくなったらやめるということを書いていますので、書くとしたら早期戦略のガイド ラインに書くかということですね。 ○中島委員 早期対応戦略の占める位置付けということを簡単に押さえさせていただき たいと思うんですが、パンデミック対策を1つの矢と考えると、パンデミックが続いて いる間対策を行う。早期対応戦略というのはまさに矢じりの部分で、最初の部分にどう いうオプションがあり得るか、どういう選択肢があるか。それでパンデミック、新型イ ンフルエンザが出始めたときに、さまざまなオプションを持った対策を行いつつ、可能 な限り感染拡大の抑制を最初の段階でどうするかという位置付けなんですね。使い切っ てというのは、恐らく矢の芯の部分に当たると思うんですが、それがまさに早期対応戦 略の中では早期対応戦略以降の対策の部分に該当すると思います。早期対応戦略の本当 に矢じりの部分で終わった後、いかに芯の部分、棒の部分でどういうふうに抗インフル エンザ薬を予防的に使っていくかということの議論になると思いますので、これは早期 対応戦略以降の対策の中でどう扱うかという議論が本格的にされる中で取り扱われるだ ろうと思います。  補足的に申し上げますと、あくまでも新型インフルエンザ対策の基本は、ヒトの接触 を最小化することによって感染拡大の機会を押さえていくと。それを少なくする中で、 感染拡大のチャンスそのものを小さくして、それにプラス予防内服をどういうふうに活 用するかということになっていくと思いますので、それは早期対応戦略以降のお話にな ると思います。 ○岡部議長 ありがとうございました。  正林調整官、今ので関連がありますか。 ○正林感染症対策企画調整官 今の関連で言うと、96ページの「5.『早期対応』以降 のパンデミック期対策との連続性」で、終わりの方に「薬剤以外の感染拡大防止策は間 を空けることなく実施し、速やかにパンデミック期対策へ移行する。その際、予防投薬 が行える状況(備蓄に余裕がある場合)であれば、家庭・施設内予防投薬もしくは接触 者予防投薬を行う」と。裏返すと、なくなればやめるという意味なんですけれども。 ○川名委員 先ほどの永井先生の御質問とも関連があるんですが、抗インフルエンザウ イルス薬の使用についてなんですけれども、どちらかというと予防内服ですとか封じ込 めのためのタミフルの使用ということは非常に計画が進んでいると思うんですけれども、 例えば、それで封じ込めに失敗して、本当のパンデミックになった後の治療に使うため のタミフルというのがどのくらい見込まれているのかということについて、私はちょっ と理解が不十分なので、教えていただきたいなと思ったんですけれども。 ○正林感染症対策企画調整官 今は2,500万人分の備蓄を、恐らく来年の今ごろには備 蓄が完了するであろうと思っています。一応それは治療用であります。 ○岡部議長 それは今までも繰り返されているように半分ずつということで、自治体部 分と国ということでよろしいですね。 ○正林感染症対策企画調整官 はい。正確に言うと2,100万人分、これを国と都道府県 で折半して1,050万ずつ備蓄し、400万人分は流通備蓄と言って、毎年必ずタミフルは 余りますので、その分の流通備蓄ということで、合計すると2,500万人分があるという ことです。 ○中島委員 医療部門に関して質問なんですけれども、5段階に分けるというのは非常 にすっきりしてわかりやすいなと思っていますが、段階を分ける単位というか地理的な 単位をどうするのかということを、例えば市町村単位なのか、都道府県なのか、全国一 律なのか。その辺を教えていただきたいんですけれども。 ○川名委員 このガイドラインの中では市町村等でしたか、都道府県等でしたか。 ○正林感染症対策企画調整官 一例を挙げると、100ページに「(1)発熱相談センター の設置」というのがありますが、最初の「○」に「都道府県・保健所を設置する市及び 特別区」と。平たく言うと、都道府県と保健所を持っているような市町村ですね。 ○中島委員 それに関連してなんですけれども、懸念されるのは第二段階と第三段階、 第三段階と第四段階の辺りで、いわゆる県境の辺りで患者に対する医療サービスが変わ ってきますよね。入院して治療するのか、在宅で診るのか、そういうところが県境でず れてきたときに、一部の人が県を越えてたくさん移動するようなことになったり、その 中で混乱することが起こらないかというのが気になるんですが、第一段階と第二段階の 間は余り問題がないと思うんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。 ○川名委員 これについても、かなり議論が出ましたけれども、基本的には恐らく都道 府県等を単位として、フェーズにばらつきが出るのはしようがないだろうと考えていま す。特に、パンデミックの初期の段階というのは、地域によってかなり流行に差が生じ る可能性があるので、しかも、この医療体制のガイドラインのフェージングというのは、 その自治体が持っているキャパシティに対する患者さんの発生の数の割合ということで フェーズをつくっていますので、これはそれぞれの都道府県等によってばらつきが出る ということは認めているというフェージングです。 ○岡部議長 このガイドラインでは、そのためにあらかじめある程度、都道府県等はキ ャパシティがどのくらいあるか算定してほしいというようなことが書いてありましたね。 ○川名委員 そうですね。今までのガイドラインの最初のバージョンでは、そこのとこ ろが比較的あいまいだったんですけれども、都道府県を単位として新型インフルエンザ の封じ込めの時期にどのくらいのベッドが転用できるのかというのをそれぞれの医療機 関が自己申告し、それを受けた都道府県等がそれを包括して、うちの自治体では大体ど のくらいの患者さんが第一段階のキャパシティなんだというようなことをつかんでいた だきたいと。それを物差しにして、段階がだんだん上がっていくというようなことを考 えております。 ○岡部議長 恐らくこのガイドラインがこのまますべて各現場で使われるというよりは、 これをベースにして自治体がもう一回地域に即したものをつくっていただくということ が期待されていると思うんですけれども、調整官、そういうことでいいですか。 ○正林感染症対策企画調整官 はい、そういう御理解でよろしいかと思います。 ○前田委員 自治体の役割なんですけれども、早期対応の方ですとかなり都道府県知事 というのが主体的に判断して実施していくという話になっているわけですが、医療機関 の方が政令市ですとか指定都市がそれぞれ考えてということになると、非常に体制に誤 差が出てくるような気がするんです。ですから、やはり本来は医療機関の体制について も都道府県単位ということは明確にしておいた方がいいのではないかという気がするん ですが、いかがでしょうか。 ○正林感染症対策企画調整官 私ども事務局もそれは非常に関心が高かったので、あえ て全国衛生部長会とか保健所長会にその課題を投げ掛けてみたら、早期対応戦略みたい なものはかなり広域でやらなければいけないので都道府県でいいと。ただ、医療体制み たいな話は、今や例えば大きな政令市のようなところは、県よりもはるかに医療機関の ことをよく把握して、自分たちで計画をつくったり何なりということをやっているので、 どちらかというと医療体制の方は保健所を持っているような市とか特別区というのを主 語にしてほしいという御意見があったので修正をしております。また引き続き、これも 部門別会議で御議論いただけたらと思いますけれども。 ○岡部議長 前田委員、それでよろしいですか。  それでは、田代先生と多屋先生も手を挙げられましたね。田代先生、先にお願いしま す。 ○田代委員 今の100ページの発熱相談センターですけれども、これは一番最初の第一 段階、まだ患者が出ていないという時期で、こういうところで交通整理するのは非常に いいアイデアだと思うんですけれども、これは新型インフルエンザの患者がどんどん増 えていった場合にも、この機能は継続すると書かれていますが、その役割がだんだん変 わってくるのではないかと思うんです。それについて、第二段階以降にも項目を設けて 発熱相談センターは第二段階、第三段階には更にどういうことをしていくかということ を書かれておいた方がいいのではないかと思いますけれども。 ○川名委員 そうですね、わかりました。 ○多屋委員 予防接種の副反応システムの件なんですけれども、少し違うワーキンググ ループでディスカッションが進んでいるためと思いますが、40ページ、41ページの内 容と152ページの内容が少し整合性がとれていない部分があるように感じます。具体的 に申し上げますと、40ページの方は軽微なものもすべて含めてNESIDシステムに入力 すると。152ページは、基本的には現在定期の予防接種で実施が行われている予防接種 後副反応報告というものをベースにして、非常に重篤なものを迅速に把握するために NESIDシステムを使うというような記載になって、ちょっと中身が変わっていますの で、少しこの点については双方で議論を深めて、やはり軽微なものがたくさん報告され てきた中に、重症で迅速な対応をしないといけない症例が埋もれてしまうというのが一 番心配なので、そこが起こらないようなシステムを双方で相談していった方がいいかな と感じました。  以上です。 ○岡部議長 そこはちょっと事務局で調整をお願いします。両方の議論があると思いま す。 ○正林感染症対策企画調整官 わかりました。 ○藤本委員 先ほどの100ページの議論でやはりちょっと気になるところは、都道府県、 保健所を設置する市及び特別区という、いわゆる保健所設置自治体の記載についてでご ざいますが、それを単位ということでございますけれども、確かに指定都市、中核市、 その他保健所設置市、特別区については、多くの自治体は1保健所1市区でございます ので、コンパクトにまとまった行政単位なんですが、都道府県は当然1保健所1自治体 ではございませんので、都道府県を一つの単位とするというのが妥当かどうか。今の御 議論ですと、例えば私どもの神奈川県においては、横浜市、川崎市、横須賀市、相模原 市、藤沢市を除いた神奈川県を一つの単位としてみなすとなると、非常に複雑な体系と なりますから、むしろそういう議論をするのだったら、保健所単位とかにした方がすっ きりするのではないか。ただ、医療が保健所単位ではないということならば、話がちょ っと脱線しますけれども、福祉事務所のような形で、医療に関しては市が全部責任を持 ちなさいと、調査に関しては都道府県が責任を持ちますよというような仕分けもできる のではないかと思いますので、いろいろバリエーションがあると思いますので、先ほど から議論になっております地域の単位の在り方については、もうちょっと議論していた だければありがたいと思います。  以上でございます。 ○岡部議長 ありがとうございます。  今の点、事務局で詰めていただいてよろしいですか。 ○正林感染症対策企画調整官 わかりました。 ○岡部議長 よろしくお願いします。  まだ御発言がない大久保委員、どうぞ。 ○大久保委員 2点ほど気がついたことを申し上げますけれども、まず55、56ページ に添付資料として消毒薬関係のことについて書いていただいたのは大変いいと思うんで すが、これと同じ内容が134ページの付表1に書いてありますので、56ページに更に 生体とか手指消毒等も触れていただくか、あるいは134ページを参照というようなこと を付記していただけたらと思います。  それから環境に対しては熱は無理でしょうけれども、リネンとかそういうものは熱が 使えるものはまず使ってみるというのが、いわゆる残留毒性等から見ても、有効性から 見ても一番いいと思いますから、その辺を少し強調していただきたいなという気がしま す。  それから、全く違いますけれども、176ページとか188ページにマスメディアへの協 力等が触れられているんですが、勿論当然それは必要なんですけれども、逆に過剰報道、 過剰対応、これはノロウイルスのときのいわゆるカキ業者が被害を受けたような、あれ も過剰報道と言えるかどうかわかりませんけれども、そういうものに対して何らかの自 粛とかそういう依頼ができるような機関あるいは部署等々を、何らかの形で触れていた だけたらという気がするんですが、その辺はいかがでしょうか。 ○岡部議長 これは、事務局の方から何かございますか。なかなか報道の規制というこ とになると難しいことになってくると思うんですけれども。 ○大久保委員 規制ではなくて、正しい報道かどうか、例えばシェルターに入れて運ん だりする写真が出ますと、それをしなければいけないように一般の住民は理解してしま いますので。 ○岡部議長 その分正しい情報を何らかのものを使って、例えば、それこそ国のホーム ページとか感染研のホームページといったもので出すというようなことなるのではない かと思うんですが、調整官いかがですか。 ○正林感染症対策企画調整官 岡部議長がおっしゃられたとおりでして、なかなか報道 を規制するというのはできませんので、私どもができるのは、やはり正しい情報を適宜 的確にマスメディアに対して提供していくということかなと、それに尽きるかなと思い ますけれども。 ○岡部議長 そのためには、その手前のからきちんとした情報を出しておいて、信頼を 得ておくということが必要ではないかと思うんですが、どうせ国が言っていることはと 言われてしまうと、もうおしまいになってしまいますから、そうならないようにお願い したいと思います。  ほかにございますか。 ○林委員 さっきもおっしゃったページなんですけれども、55ページと116ページ、感 染経路のことが2人の先生が恐らく書かれたので、内容はほとんど同じなんですが、55 ページの言いぶりの方がすっきりしているというか、言い切っておられる。116ページ の方はエビデンスもないので余り言い切れないかなということもあるんでしょうけれど も、同じガイドラインですから一緒にしていただいたらいいかなと思うんです。だんだ んいろいろな先生が付け足されるから、全体としての統一というか、読む人が混乱する と思うんですよね。 ○岡部議長 そのためのこの会議だと思いますので、大変いい御意見をありがとうござ います。  それでは、安井委員と永井委員。 ○安井委員 大久保先生と林先生の御意見を参考にさせていただいて取り入れさせてい ただきます。 ○永井委員 今ごろと言われるかもしれないんですけれども、医療体制のところで101 ページに感染症指定医療機関の次に結核病床を持つ医療機関という形で、すぐに結核病 床を持つ医療機関がナンバー2のポジションで上がってくるんですね。これはSARSの ときもそうだったんですけれども、依頼は来るんですが、総合病院で結核病床を持って いるところは全然問題ないかもしれないんですけれども、うちもそうですが、ほとんど は元療養所なんですね。そうすると、マンパワーが全然ない。現時点560床に対して常 勤の医者が50人ぐらいでやっています。しかも、小児科がない。新型インフルエンザ ですと小児も入ってくる可能性があるということで、結核病床を持つ医療機関がすぐナ ンバー2に来るというのは、環境なり施設が陰圧の部屋があるとかそういうイメージで、 いつもいつもこういうときには出てくるのでしょうけれども、マンパワーの部分を考慮 しないと、なかなか手を挙げにくいというのが多いんじゃないかと思うんですよね。そ の辺、例えばマンパワーのサポートが得られるとか、何らかの考慮、あるいはナンバー 2のポジションのところに総合病院でなおかつ対応可能な施設といった形のものが間に 入らないと、私のイメージとしては物すごく間のギャップが特定と第一種、第二種の次 に多分療養所がいっぱい来ると思うんですけれども、その差があるかなというようなイ メージなんですが、その辺はいかがでしょうか。 ○川名委員 これも、いろいろな先生から同様の御意見をいただいていまして、私も全 く同意見です。これはむしろ最初のバージョンを、例えば、永井先生の御意見みたいな ものを入れて改訂してこういう形になったんですけれども、つまり、最初のバージョン は1番目が感染症指定医療機関で、2番目が結核病床を持つ医療機関、3番目が協力医 療機関となっていたんです。ところが、確かに結核病院であるというだけで新型インフ ルエンザの2番目に持ってくるというのは、必ずしも理にかなっていないということで、 文言として結核病床が一番最初に出てきてしまっているのであれですが、「結核病床を持 つ医療機関など新型インフルエンザ対策行動計画に基づいて、都道府県等が病床の確保 を要請した医療機関(以下協力医療機関)」ということで、結核病床を持つ医療機関とい うのはあくまでも一例でありまして、それぞれの状況に合わせて、特に自治体が選択し ていただければいいという形に直していただいて、この形になったと。 ○永井委員 「など」がきいているわけですね。 ○川名委員 そういうことです。 ○永井委員 わかりました。 ○岡部議長 では、内容の理解としてはそういうことが含まれているということで、よ ろしくお願いします。ただ多分、自治体としてはどこがどのくらいの結核病床で使える かというのは、恐らくこれに基づいて調べていただくことになっていくのではないかと 思います。 ○前田委員 抗インフルエンザウイルス薬のガイドラインで、優先順位がつけられて、 なおかつ、48時間以内の投与あるいは通常のインフルエンザには使わないというかなり 差制限された形になっているんですが、果たして臨床の現場でこういう選別というのが できるのかなという気がするんです。例えば、診察室の中であなたは48時間過ぎたか ら出さないよみたいなことが言えるのか。特に、今回は医療体制のガイドラインの方で、 これまではタミフルが供給される医療機関が限定的になっているような形でしたので、 場合によってはそういう方法も可能かと思ったんですが、これだけ通常の医療機関もす べてタミフルが供給されて投与されるとなると、この投与の限定の仕方というのは非常 に厳しいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○岡部議長 たしかそこの部分で議論があったのは、48時間以上投与した者に対しても どんどん使ってくれるなというような意味合いで、48時間でピシッとこの人は使わない、 この人は使いますというわけには臨床現場では多分いかないだろうと。しかし、一つの 目安としてはそういうことになるのではないかという議論がありました。  それから、シーズンインフルエンザが一緒に来たような場合は、当然そこの現場では 判断がつかないわけで、どちらかの疑いがあるわけですから、これは使用せざるを得な い。しかし、もし仮に迅速診断キットのようなものを使ってB型であることが明らかで あれば、混合感染というのは狭い意味合いは除いて、多分その場合は遠慮していただい た方が節約になるというような意味合いで議論したと思います。 ○前田委員 要するに、それが臨床の現場で可能なんでしょうかということなんです。 ○岡部議長 今しきりに臨床の現場では、B型には使わなくてもいいんじゃないかとい う議論もありますけれども。 ○前田委員 あるいはこの優先順位ですね。社会機能維持者を優先するという判断を臨 床の現場で、私はこういう者ですから投与してくれとか、してくれないという話を臨床 現場でするんでしょうか。160ページにある「(3)感染拡大時の投与方法」で、1、2、 3、4という順位をつけるということになっているわけですが、この判断というのはど こで誰が。 ○岡部議長 私が答えるあれでもないと思うんですが、完全にそこはクリアにはできな いと思うんですけれども、議論していけばいくほど、社会機能維持者というのはどうや って証明するかとか、身分証明書を出しなさいというわけにもいかないでしょうから、 一つの目安としてはこのぐらいを設定しておくけれども、ほかの国のガイドラインでも、 たしか順番は設定しているけれども、実際上はその場での判断が起きるだろうというよ うに書いてあると思います。 ○前田委員 利用体制の方でより全体に広げていくという話と行動の話とは特に矛盾は ないということですか。以前の限定的なところでタミフルを供給するという体制であれ ば、これはある程度現実的にも可能な方法があるかと思うんですけれども、一般に広げ たというときにできるのかというところです。 ○川名委員 市中に新型インフルエンザが本当に蔓延して、パンデミックの最盛期に例 えばタミフルのレギュレーションをどうするかという問題については、実はほんの一昨 日ぐらいの医療体制のミーティングのときに、私が新しく意見を言ったものですから、 完全にまとまった状態でこちらに出てきていないんですね。なので、完全にまとまり切 っていない部分があるんですけれども、この部分は私の個人的な意見を言わせていただ きますと、今まではどちらかというとパンデミックになっても、例えば、発熱外来です とか感染症指定医療機関等、そういうところにタミフルを集中させて、そういうところ でどちらかというとコントロール管理に使うというようなポリシーだったと思うんです が、だんだんいろいろな先生の話を聞いたりしているうちに、やはりパンデミックとい うのは結局封じ込めに失敗した状態になるわけですから、封じ込めの試みをしている間 は封じ込めという大義名分があるので、特定の医療機関にタミフルを集中させ、患者さ んも特定の医療機関に集中させるというようなストラテジーが正当化されると思うんで すけれども、市中でバラバラ出始めた段階になってくると、恐らく一般医療機関でもイ ンフルエンザの診療ができるような形に少しずつソフトランディングしていくようなこ とを考えていかなければいけないのではないかと。例えば、本当にタミフルがなくなっ てしまったときに、感染症指定医療機関に入院した人だけがタミフルの恩恵に浴すると いうようなことがあると、やはりいろいろな不満が出てくるのではないかというような ことを考えるようになってきたんですね。  そうすると、例えば、本当に世の中に蔓延したときというのは、もし本当にタミフル が枯渇してきたのであれば、そういう不自由というのは恐らく日本国民が均等に負担し なければいけないことだろうと思いますし、そういう問題がほんの一昨日、医療体制の ワーキンググループの中で再燃してきたものですから、その辺のタミフルの使い方につ いての整合性が一部整っていない部分があるんですが、そういうことで、まだ議論中と いう部分があります。 ○岡部議長 その次のもう一回残されている医療ワーキンググループの中では、今の前 田委員の意見も含めて少し議論していただければと思うんですが、かなりパンデミック になったときの基本的な方向性で基礎になることだろうと思いますので、次の親委員会 のときにはその辺をちょっと明確に出しておいた方がいいだろうと思います。  時間がちょっと過ぎているんですけれども、まだ発言がなかった大日委員あるいは上 野委員、もしあったら一言ずつどうぞ。 ○大日委員 特にないんですけれども、多屋先生が御指摘の点はまた検討させていただ いて、趣旨は余り重篤なものに限定してしまうと、システムへのアクセスが悪くなると いうか、なれないということがあって、そういうようなニュアンスで軽微なもの含めて というのが残っているようなことだと思います。  後で調整させていただきます。 ○岡部議長 そこの部分は、ワクチン副反応とサーベイランスということで話しておい てください。  上野委員は何かありますか。 ○上野委員 先ほどから何人かの先生からコメントがありましたけれども、今後やはり いろいろなガイドラインの整合性をとっていく必要性というのが大きくあるかなと思っ て、そこも我々も作業を続けていかなくてはならないなと感じました。 ○岡部議長 ありがとうございました。  事務局もかなり膨大な作業をやらなければいけないと思うのですけれども、だんだん いろいろな人が読む中で細かいところが違うぞといったような指摘が出てくるかもしれ ませんので、できるだけ整合性をとりながら、それから、冒頭に申し上げましたように、 これは金科玉条ずっとこれから数年使うというガイドラインでは決してなくて、状況に 応じてこのグループが中心になると思うんですけれども、リバイスをする必要性がある というような形でいきたいと思います。  一応今日はこのぐらいにしておきまして、あとワーキンググループで今日の議論を参 考にしながら、ほかのところの話を聞きながら、自分のところの最終的な詰めをしてい ただいて、それを次の親会議で話すというようなプロセスにしたいと思います。  それでは、今日の議論としては以上にしたいと思いますので、事務局お願いします。 ○杉江補佐 どうもありがとうございました。  今後のスケジュールについてお知らせしておきます。今後のスケジュールにつきまし ては、引き続きまた各部門で御審議いただきまして、今月26日、この会場におきまし て再度専門家会議を開きまして御議論いただこうと思っておりますので、よろしくお願 いしたいと思います。  また、部門によりましては、日程の関係上開催ができない場合も予想されますけれど も、その際には各委員から事務局あてに御意見をいただきまして、それを集約させてい ただきまして、必要に応じて各部門の先生方と御連絡をとらせていただくという手続を とらせていただこうと思っております。  以上でございます。 ○ 岡部議長 それでは、以上にて閉会でよろしいでしょうか。どうもありがとうござ いました。 紹介先:健康局結核感染症課特定感染係 (内線2386,2379)