07/03/13 第8回 市町村保健活動の再構築に関する検討会議事録 第8回市町村保健活動の再構築に関する検討会 議事録 日時:平成19年3月13日(火)17:00〜19:00 場所:厚生労働省7階専用第15会議室 照会先:健康局総務課保健指導室(内線2398) ○出席構成員(五十音順・敬称略)  伊藤雅治、大橋範秀、佐伯和子、迫和子、曽根智史、 田尾雅夫、藤内修二 長谷部裕子、藤山明美、山野井尚美 ○厚生労働省関係出席者  宮坂大臣官房審議官、上家大臣官房参事官、矢島健康局総務課生活習慣病対策室長、 勝又健康局総務課保健指導室長、清野健康局総務課生活習慣病対策室栄養専門官、 加藤健康局総務課保健指導室主査 ○次第 1.開会 2.議題 (1)市町村保健活動の再構築に関する検討会報告書(案)について (2)その他 3.閉会 1.開会  加藤主査  定刻となりましたので、ただいまより第8回市町村保健活動の再構築に関する検討会 を開会いたします。本日は、佐伯構成員は御都合によりおくれての御出席となります。 また、有原構成員、井伊構成員、尾島構成員、鏡構成員、田上構成員、本田構成員から は御欠席の連絡をいただいております。また、本日は健康局宮坂審議官、生活習慣病対 策室矢島室長に御出席いただいております。  続きまして、資料の御確認をお願いいたします。お手元にお配りいたしました資料で ございますが、座席表、次第、構成員名簿の後に、資料1、「市町村保健活動の再構築に 関する検討会報告書(案)」がございます。この資料ですが、分かれてとじておりますが、 この報告書(案)というのは、最後の構成員名簿、これで報告書(案)という形になり ますのでよろしくお願いいたします。  それでは、この後の進行は伊藤座長にお願いいたします。 2.議題  伊藤座長  それでは、議事に入らせていただきます。きょうはお手元にありますこの検討会報告 書(案)につきまして、最終的な御審議をお願いしたいと思っております。  それでは、まず議題1の「市町村保健活動の再構築に関する検討会報告書(案)」につ きまして、事務局から御説明をお願いします。  加藤主査  それでは御説明いたします。この報告書(案)につきましては、先日構成員の皆様方 にメールでお渡ししたものです。若干表現ぶりを変えてはございますが、基本的に中身 はほとんど変わっておりません。  まず初めに「I地域保健を取り巻く状況の変化」といたしまして、平成6年の地域保 健法の制定により、母子保健サービス等地域住民に身近で頻度の高い保健事業は、市町 村が中心的な役割を担うこととなった。具体的には、市町村保健センターを法定化し、 整備を促進することとなったということを書いております。  その後、平成12年の介護保険法の施行、児童虐待防止法、さらに障害者自立支援法 の制定等により、市町村が取り組むべき地域の健康課題は複雑化、多様化し、業務量も 増大してきている。また、今後は介護予防事業、生活習慣病対策の本格的展開により、 市町村の果たすべき役割はますます大きくなると予測されている。さらに高齢化の進展 とともに、医療費、介護給付費の増大が予測されることから、効果的、効率的な予防対 策の推進が急務となっているという状況をまず書きました。  一方、地方財政の悪化に伴う職員定数の削減、組織のスリム化等の圧力が強まってい る中で、事業のアウトソーシングも進行し、市町村が本来保健行政の主体として果たす べき役割は何かという、根本的な問いが投げかけられているということ。そして、全国 的な市町村合併が進んでいるというようなことを書いております。  平成20年度から特定健診・特定保健指導が医療保険者に義務づけられたことに伴い、 今後市町村では生活習慣病対策を効果的に推進するに当たり、医療保険者である国保部 門と地域住民の健康問題を担当する保健衛生部門の協働した活動が強く求められている。  このような市町村の保健活動を取り巻く状況の変化を受けて、市町村の保健師、管理 栄養士等の技術職員に求められる役割も多様化している。しかしながら、人材育成体制 や活動体制がこのような状況の変化に対応できていないことから、市町村保健活動全体 の効率化を阻害している。  今後、市町村がますます厳しくなる財政状況のもとで、増大し多様化する保健活動の 課題に対し、保健師、管理栄養士等の技術職員の活動体制や人材育成体制等、保健活動 の体制を再構築することが喫緊の課題となっているということを書いております。  「II検討会の趣旨」です。医療制度改革により、市町村保健活動の体制はさらに大き く変化しようとしている。本検討会では、それらのニーズや課題を踏まえた上で、地域 保健における行政主体としての市町村保健活動の役割を明確にしつつ、保健師、管理栄 養士等技術職員の配置や人材育成体制等について検討を行った。  そして、本検討会の検討結果を市町村長や関係者に対して、周知することにより、市 町村の保健活動体制の再構築及び保健活動の機能強化に資することを目的とした。  「III本検討会の検討課題」ということで、ここは大きく2つに分けて記載しておりま す。1つ目が、地域保健における行政主体としての市町村の役割を明確にする。2つ目 が、市町村保健活動の現状を分析し、効果的な保健活動の取り組みが可能となるような 体制整備の課題を明確にするということで、○PDCAサイクルに基づく保健活動を推 進するための体制整備、○保健師、管理栄養士等の技術職員が保健、医療、介護、福祉 等の部門に分散して配置されている現状の中で、組織横断的な取り組みが可能となる体 制整備、○人材育成の体制のあり方、○地域住民組織やNPOとの連携・協働のあり方、 ○都道府県保健所との協働のあり方、この5つを検討課題として挙げております。  「IV検討の経緯」でございますが、本検討会では、まず、検討課題1として地域保健 における行政主体としての市町村の役割の明確化についてということを議論した。それ らを踏まえ、次に市町村保健活動の現状を分析し、効果的な保健活動の取り組みが可能 となるような体制整備のあり方を明らかにした。  「調査について」でございますが、技術職員の分散配置における活動体制及び人材育 成体制について、政令市、保健所設置市、特別区を除くすべての市町村を対象に、実態 を把握するためにアンケート調査を実施したということと、検討会の開催の回数を書い ております。  続きまして「V市町村保健活動の中核的な機能」ということで、ここはヘルスプロモ ーションに基づく活動が今求められているのではないかということが、これまでの議論 でされてきたように思います。そこで、ヘルスプロモーションとはということで定義を 書きまして、具体的にここで話されました内容について記載しております。本検討会に おいて、このヘルスプロモーションの理念に基づいた活動を推進することが、地域住民 の健康状態の改善、保持、増進に必要であることが確認された。  こういったことを踏まえて、市町村保健活動の中核的な機能として、以下の3点にま とめ、次の1、2、3ということで書いております。  1つ目に、地域住民が主体的に個人及び地域の健康状態の改善、保持、増進に向けて 行動することを支援する機能、2つ目に、「保健サービスの提供」にとどまらず、企画立 案、評価、地域の社会資源の開発等「地域保健活動」を推進する機能、3つ目に、一次 予防を中心とした保健活動を推進する機能、といたしまして、それぞれ生活習慣病の例 をとりまして、どういった機能なのかということについて説明しております。  続きまして「VI市町村保健活動体制の再構築に向けて」、最初に1番、市町村保健活動 の現状と課題ということで、市町村保健活動の実態を把握するために議論していくとと もに、アンケート調査を実施したということを書いております。その結果、現状と課題 を5点挙げております。  1)が、PDCAサイクルに基づく保健活動を推進するための体制整備という視点で、 平成17年度の保健師活動調査結果では、市町村保健師の活動を見てみると、直接サー ビスが55.3%、地区管理や業務管理等その他のものは22.7%であると。これを平成12 年度からの推移で見ると、直接サービスの中でも特に家庭訪問、健康相談は減少傾向に ある。保健師による家庭訪問や健康教育といった直接的なサービスの減少と、今後考え られます直接サービスのアウトソーシング化の進展は、保健師による地域の健康課題の 把握機能の低下をもたらしている、こういった指摘がございます。また、分散配置と業 務分担の進展及びアウトソーシングの進展により、市町村が保健事業についてPDCA サイクルをまわせないため効果が見えにくくなっている。  2)が、保健師、管理栄養士等の技術職員が保健、医療、介護、福祉等の部門に分散 して配置されている現状の中で、組織横断的な取り組みが可能となる体制の整備。これ は1つ目の○にございますように、感染症対策や母子保健が中心の時代は、技術職は保 健衛生部門に集中して配置されておりましたが、市町村の対人保健サービスの役割の多 様化により、さまざまな部署に配置され、他職種と協働して活動するようになった。こ ういった現状が書かれております。  3)が、保健師、管理栄養士等の技術職員の分散配置が進行した状況下での、人材育 成の体制の整備ということで、今の新人保健師、管理栄養士等の基礎教育で、十分な実 習時間が確保されていない。こういったことの理由によって、実習でしか習得できない 技術が習得できていないことも指摘されてきており、市町村には新人の保健師、管理栄 養士等の技術職員の教育体制の整備が求められているというようなこと。あとは、現状 として保健師、管理栄養士等の技術職員の配置部署が分散したことにより、OJTに当 たる直属の上司が不在であるなど、採用後の人材育成の体制の整備が急務となっている。  4)が、市町村保健活動を強化するための住民組織やNPOとの連携・協働のあり方 ということで、地域住民の意識の変化や、民間活用の流れを受けて、今後は、地域住民 組織、NPO等と役割を分担しながら保健活動を進めていくということや、地域住民組 織やNPOが地域の健康課題をみずからが解決できるような、そういったことも期待さ れているということです。  5)が、都道府県との協働のあり方ということで、市町村と都道府県の乖離というこ とが議論されておりましたが、市町村は都道府県保健所に市町村保健活動の企画や評価 に関する支援、保健活動をスーパーバイズする機能を果たしてほしいと考えている。し かし、都道府県保健所は今業務担当制をとっているため、支援できる業務が限られてい る。こういった課題があったかと思います。  2番目が、市町村保健活動体制の再構築に向けての推進方策ということです。  1)が、PDCAサイクルに基づく活動体制の構築ということで、(1)地域の健康に 関するニーズや課題を明確にする際には、多様な手段を用いて現状を把握することが必 要であるということで、具体的な内容が○で書かれております。  (2)は、地域の健康に関するニーズや課題については、市町村が主体となって担う べき課題とアウトソーシングが可能なものを明確にして企画することが重要であるとい うことで、委託することが可能なものの例と、本来市町村が担うものの例を挙げており ます。  (3)は、地域住民やNPO等の意見を、PDCAサイクルのすべてのプロセスに反 映できるようにすることも重要であるということです。  (4)は、推進事例ということで、PDCAサイクルに基づく活動により糖尿病医療 費の伸びを抑えた島根県安来市の事例を挙げております。  2)が、保健師、管理栄養士等の技術職員が分散して配置されている中での組織横断 的な取り組み体制の構築ということです。  (1)は、保健衛生部門と国保部門、地域包括支援センターなど、組織横断的なチー ムを庁内で編成することが望ましいということ。  (2)は、保健師、管理栄養士等の技術職員が複数の部署に配置されている場合には、 組織横断的な取り組みができるよう、保健衛生部門に技術的に指導調整する職種ごとの 統括的な役割を持つ者を置き、その役割を共有することが望ましい。  (3)は、保健衛生部門においては、地域の健康に関するニーズや課題を把握し、施 策につなげる活動体制として、地区分担制と業務分担制を併用するなど、地区分担をと れる体制を整備することが望ましい。  (4)は、保健師の配置の考え方といたしまして、1つ目が、組織横断的な取り組み が可能となるように、統括する役割を持つ保健師を配置することが望ましいということ。 2つ目が、先ほどの地区分担制をとる体制ということ。そして3つ目に、人材育成の観 点から、新任者は同じ職種の指導者がいて、対人保健サービスを経験できる保健衛生部 門に配置することが望ましい。こういった考え方を出しております。  (5)は、管理栄養士の配置の考え方ということで、すべての市町村に常勤の管理栄 養士を配置することが望ましい。平成20年度からの特定健診・特定保健指導の実施に 伴い、保健衛生部門を初め、各関係部門に配置することが望ましい。また、組織横断的 な取り組みが可能となるよう、管理栄養士を技術的に指導・調整する役割を持つ統括者 を配置することが望ましいという3点を記載いたしました。  (6)の推進事例につきましては、地区分担制と業務分担制を併用している栃木県小 山市の例。すべての市民センターに保健師を配置して、そこでポピュレーション活動を 推進している兵庫県加古川市の例。また、管理栄養士の方では、健康福祉推進課に管理 栄養士が配置されている事例ですとか、(3)の健康管理課だけでなく、介護高齢福祉課に も管理栄養士が配置され活動が発展している神奈川県伊勢原市の事例等を入れておりま す。  3)が保健師、管理栄養士等の技術職員の分散配置が進行した状況下での、人材育成 の体制の構築ということです。  ここでは(1)市町村職員の資質の向上は、市町村がみずから努力するものである。 しかし、市町村が独自で実施することが困難な場合は、都道府県や教育機関等と連携し ながら実施することが必要であるという基本的な考え方を押さえまして、(2)は、新任 者、中堅者、管理者の人材育成のための指針が必要であり、その指針に基づき、市町村 においても人材育成体制を構築していくことが必要であるということです。  (3)は、経験の浅い保健師、管理栄養士等の技術職員には、対象者の個別支援の事 例に積極的にかかわり、その経験を通して保健活動に通じる根幹となる技術を獲得する ことが必要である。  (4)は行政能力の獲得のために、事務職との協働を積極的に行うこと、(5)はジョ ブローテーションの仕組みをつくること、(6)は人事交流も一つの方策である、こうい ったことを記載しております。  (7)の推進事例につきましては、企画書の作成を通したOJTにより、保健師の人 材育成を支援している宮城県丸森町の事例ですとか、都道府県と市町村の人事交流をし ている岡山県の事例ですとか、市町村管理栄養士等の人材育成体制を構築した神奈川県 の例、こういった事例を挙げております。  4)の地域住民組織、NPOとの協働体制の構築では、(1)市町村が地域住民、NP O等と協働する目的や役割分担を明確にすることが必要であるということと、(2)市町 村の保健師、管理栄養士等が地区組織活動を支援することが必要である、こういった推 進方策を書いております。  (3)の推進事例ですが、市民みんなの健康づくりサポーターの「元気にし隊」と「応 援し隊」の埼玉県坂戸市の例ですとか、健康推進員の活動で学童の肥満を減少させた栃 木県小山市の例ですとか、健康推進員の活動で基本健診受診率80%以上の大分県玖珠町 の例、こういった事例を掲載しております。  最後に、5)都道府県との協働ということです。  (1)は、市町村、特に小規模町村の保健師、管理栄養士等の技術職員の人材育成へ の支援が都道府県に求められているということ。  (2)は、市町村が保健事業でPDCAサイクルをまわすときの保健活動の企画や評 価に必要な技術的な支援が求められているということ。  (3)の推進事例といたしましては、市町村の健康課題の明確化と評価を支援してい る大分県の例、平成20年度からの特定健診・保健指導の実施のために、市町村の国保 部門と保健部門の協働した活動を推進している高知県の支援という2事例を掲載させて いただきました。  続きまして、VIIの「新任時期の人材育成プログラムガイドライン」、これは第4回の検 討会の中で、この市町村保健活動の再構築に関する検討会の中に織り込んで出していこ うということで、御了解いただけているもので、内容はこの前御了承いただいたときか ら変わっておりません。  次に「まとめ」がございまして、「まとめ」の内容ですが、市町村保健活動の再構築、 機能強化がなくしては効果は期待できない。これからの特定健診・保健指導等も踏まえ、 こういった機能強化が非常に求められているということで、本報告書については、保健 活動体制の再構築及び保健活動の機能強化に資することを目的に作成されたということ、 市町村は、それぞれの実情にあわせて機能強化をして、効果的・効率的な保健活動を推 進していくことが求められるということです。  今後はということで、市町村が住民の健康問題の課題を把握し、PDCAサイクルに 基づく保健活動を推進するための体制整備や人材育成体制の整備とともに、地域住民組 織やNPO、都道府県等との協働した活動が必要ということを書いております。具体的 にはということで、組織横断的な取り組みができるように、統括的な役割を持つ者を置 き、その役割を共有することや、地区分担をとれる体制を整備することが望ましい等が 本検討会で確認されました。  今後ですが、本検討会の検討結果を踏まえ、「地域における保健師の保健活動指針」「地 域における行政栄養士業務の基本指針」についての見直しも検討していくことも必要で あるということ。  あと、残された課題といたしましては、今回は市町村ということで、政令市、保健所 設置市、特別区を除く市町村として検討してまいりました。今後は、政令市、保健所設 置市、特別区における保健活動の機能強化について方策を提示するということも課題だ というような内容を書いております。  参考資料といたしましては、「「専門技術職員の分散配置における活動体制及び人材育 成体制に関する調査」結果」と、「効果的な保健活動推進の事例」ということで10事例 ほど事例を挙げさせていただきました。  報告書の概要は以上でございます。  伊藤座長  どうもありがとうございました。それでは、きょうはこの報告書(案)につきまして、 項目ごとに最終的な御議論をお願いしたいと思います。  報告書に目次がありますが、これは後で見ていただくことにして、最初に1ページ、 2ページの「I地域保健を取り巻く状況の変化」「II本検討会の趣旨」「III本検討会の検 討課題」「IV検討の経緯」、このあたりにつきましていかがでしょうか。はい、大橋さん、 どうぞ。  大橋構成員  ちょっと細かいことですが、「地域保健を取り巻く状況の変化」の2行目、「その後」 のところで、県と市町村の役割分担という視点で見た場合、児童福祉分野においては虐 待防止法の制定のことよりも、児童福祉法においていわゆる児童相談の第一義的な窓口 が県から市町村に移ったということの方が、恐らく市町村の保健活動には影響が大きか ったのではないかと思います。  伊藤座長  1ページの「地域保健を取り巻く状況の変化」の5行目のあたりですね。  大橋構成員  はい、そうです。  伊藤座長  児童福祉法のことですね。そのほかいかがでしょうか。  藤内構成員  「地域保健を取り巻く状況の変化」のところで、「保健サービス」という言葉をずっと 使っているのですが、これは2回目の検討会のときでも、「保健サービス」ではなくて「保 健活動」という考え方といいますか、表現の方が望ましいのではないかという議論があ ったと思います。これは今までこういうことが問題であったということで、あえて「保 健サービス」という言葉を使っているのかもしれないですが、最初の1行目、3行目に サービス、サービスと出てきて、ちょうど中ほどに「顔の見えるサービス」という表現 があるのですが、これはやはり少なくとも「顔の見える保健活動」なりに変えていただ かないと、「サービス」ではなくて「保健活動」だよと議論してきたことが、最初の部分 でもはっきり出た方がいいのかなと思うのですが。  伊藤座長  そこのところは、地域保健法のころは、当時は市町村が直接サービスを提供するとい うことがかなり課題になっていたと思うんですよね。だから、その当時のことと、今の この検討会で議論した「サービス」と「保健活動」という、その辺の使い分けをこの報 告書の中でどうするかというのは、確かに御指摘のとおりもう少し検討しなければいけ ないかなと思っています。  勝又室長  済みません、そうすると、最初の「母子保健サービス等地域住民に身近で頻度の高い 保健事業は」というところは。  藤内構成員  最初の2つはいいと思います。  勝又室長  それで、「顔の見えるサービス」というところですね。個々の方に対しての保健の支援 みたいなことなのですが、それでもやはり「保健活動」というようにした方がいいとい うことですかね。例えば、それらの課題について、「保健サービス」というところから「保 健活動」というところに転換をしていくことを、市町村の仕事というところでは集約を しているのですが、初めのところからもやはり「サービス」という言葉を取った方がい いという先生の御意見でしょうか。  伊藤座長  いずれにしても「保健サービス」「保健活動」と、もう一回注意深くチェックしてみま す。  そのほかいかがでしょうか。はい。  山野井構成員  2番目の「本検討会の趣旨」の中にも出てまいりますが、地域保健における行政主体 としての市町村保健活動の役割を明らかにして、技術職員の配置や人材育成体制等につ いて検討を行った。その次のページに目的が2つ、市町村の保健活動体制の再構築、そ れから保健活動の機能強化、これに資するんだよという目的を置いたときに、実は通し て読んでみて、次に私たちが検討を行った検討課題の中にPDCAサイクルが出てくる。 これは、検討した経過を知っているとわかるのですが、全く知らない者が見たときに何 かつながらないものがあって、この検討会は再構築をして機能強化をすることは、この PDCAサイクルだけを強化すればそれで機能強化が図れるのかというふうに、これは ちょっと誤解を受けてもいけないなと感じました。何か言葉の補足で加えられるものが あったらいいなと思っております。  伊藤座長  何か具体的にどうしたらいいかというのはございますか。  山野井構成員  具体的には、現在地域保健法上の住民に密着した総合的サービスの推進を市町村が担 ってきた、その住民に身近な対人保健サービスの中で、もう少し現状の問題点が整理さ れているはずなので、後で出てきますが、その辺のすり合わせが、言葉だけが目的にき て、また最後にその目的に集結する言葉で締めるのですが、最初と最後の言葉と内容と をどう絡めて具体的にわかりやすく説明していったらいいのかなということです。  済みません、わかりにくくて。  伊藤座長  そのほかの御意見はいかがでしょうか。  藤内構成員  多分今の山野井構成員と同じことだと思いますが、本検討会の検討課題を5つ挙げて いて、1番にPDCAサイクルに基づく保健活動の推進ということが出てくるので、何 かそこでちょっと違和感があるのかなと。5つそこに挙げているわけですが、5つのう ちの2番目、3番目、4番目ぐらいがむしろ先にくると、それが再構築というのにつな がるのかなという気がするのです。都道府県保健所との協働は最後にするとして、4番 目にこのPDCAサイクルに基づく保健活動の推進というふうにすると、少しは違和感 というのがないし、それからこれを首長さんが読むとしたときに、PDCAサイクルと いうのはもうこの保健分野に限らず、いろいろな行政分野で言われているので、それが トップにきても違和感なく読んでいただけるとは思うのですが、こういう再構築という 話であれば、むしろその配置とかそういったことの方が、読み始めとしてはすんなり入 っていくのかなと思うのですが。  伊藤座長  ちょっと並べ方の順序を工夫した方がいいということですね。つまり、分散配置され ている中で、組織横断的な取り組みが可能になるようにするのは、結局それはPDCA サイクルをまわすためにそういうことが必要なんだよという、そういう関連づけをはっ きりさせるということですね。  藤内構成員  そうです。  伊藤座長  では、ここの順序は少し検討させていただきます。そのほかいかがでしょうか。はい、 どうぞ。  曽根構成員  ちょっと細かいところですが、1ページ目の「本検討会の趣旨」というところで、「医 療制度改革により、市町村保健活動の体制は大きく変化しようとしている。本検討会で は、それらのニーズや課題」、この「それらのニーズや課題」というのが具体的に何を指 すのかということや、あるいは「医療制度改革により」と強調したいのはわかりますが、 その上のところにも「平成20年度から」というふうに書いてあるので、その2点。こ の趣旨の「医療制度改革により」というところが繰り返しになるような気もしますし、 その下の「それらのニーズや課題」というところが、この項目の中ではちょっと不明確 かなと。  伊藤座長  1ページ目ですね。いいですか、事務局。  勝又室長  はい。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。はい、田尾先生。  田尾構成員  先ほど検討会の順序を変えたらどうかという意見に、私も賛成したいところがちょっ とありまして、というのは、これは私の非常に個人的な意見ですが、PDCAとかこう いったいわゆる市町村が責任を持ってやるんだぞという意思を宣言している文章を前に 持ってきて、なおかつ私が一番気になっているのが、4つ目に、市町村保健活動を強化 するための住民組織やNPOとの連携・協働のあり方というので、私は住民組織やNP Oというのは余り信用していないところがちょっとありまして、その件でなのです。そ れは私的な意見なのであれですけれども、やはり住民組織やNPO活動との協働は大事 だと思いますが、でも、なおかつというか、それにもかかわらず市町村はきちんとやり ますよという宣言をしておいた方がいいので、順序的にはこの1番目に書いてある議論 をやはり最後に、あるいは言われたように都道府県保健所との協働のあり方の前に持っ てくるようにした方が、私は意図としては確かかなという気はいたします。  以上です。  伊藤座長  ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。  それでは、また戻ることがあると思いますが、前へ進んで、3ページ、4ページに「市 町村保健活動の中核的な機能」というところがあります。このあたりはいかがでしょう か。  藤内構成員  よろしいでしょうか。中核的な機能として、ヘルスプロモーションを取り上げていた だいたのは大変いいことだと思いますが、ちょっと2つ懸念があって、一つはいきなり ヘルスプロモーションと出てきて、ちょっと抵抗といいますか、え、何だろうというふ うに、もちろんいきなり定義が書いてあるからいいのですが、そこでちょっとひっかか るかもしれないなという危惧があります。ただ、でも内容をきちっと伝えることが大事 なので、私はもうあえてこれはこれでいいかなと思うのですが、3つの柱の位置づけと いうか、3つの柱がちょっと私の中でしっくりこないんですね。というのは、3つ目の 一次予防を中心とした保健活動を推進する機能というのは、実は1つ目と2つ目はうま く機能すれば、結果的にはこの一次予防を中心とした保健活動を推進できることになる ので、この3つの整理というのがちょっとうまくないのかなと感じます。そのあたりが ちょっと議論できたらいいなとは思うのですが。  伊藤座長  その点について、ほかの委員の方はいかがでしょうか。確かに1、2、3を並列して 3つ出すというのは理論的にはどうかなと思いますが、これからいろいろ生活習慣病対 策なり介護への負担を減らすということからいくと、この一次予防重視というのは、市 町村にとっては大変大きなメッセージになるという意味もあると思います。その辺のと ころをどう考えるかと思うのですが。  大橋構成員  先ほどの考え、確かに私もこの1、2、3と見た場合、3を何でもう一回言うの、と いうのがちょっとしっくりこなかったのはありますが、座長がおっしゃったように、今 後それが市町村にとって大変重要な位置づけにあるんだよということをどこか説明すれ ば、もう一回3番を言う意義は十分あると思います。  伊藤座長  それか、3の中身を1と2の中に分解して入れるかですね。  藤内構成員  さっきヘルスプロモーションがいきなり出てくると、と申し上げたので、むしろこの 介護予防、生活習慣病対策、これからこういう一次予防がより重要になってくるという ようなことを最初に書いて、その国際的な戦略として、こういうヘルスプロモーション というのが提唱されているというような形でヘルスプロモーションを説明すると、すん なりいくのかなと思うのですが。  山野井構成員  それに関連して、この3つというのは非常に違和感を抱いていて、藤内委員のお話を 聞いてちょっとすとんと落ちてきたのですが、一次予防の中に生活習慣病対策、平成20 年を見込んでのことなので、この記述になるのは方向性はわかるのですが、ただ市町村 を支援していく保健所や市町村が今担っているのは、医療費が増大することにつながる 活動ではなくて、市町村の責務として今関係各法の活動を行っています。一番大切な母 子保健活動、それから児童虐待防止、精神の一時的なサービス、成人老人の関係各法(確 保法?)のこともあっての上のヘルスプロモーションであるということを加えていただ ければありがたいかなと思います。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。はい。  曽根構成員  3ページ目のヘルスプロモーションの定義の下に3つのこと、健康的な公共政策づく り、健康な生活習慣、コミュニティー活動の強化、これとその下の3点がどう結びつく のかが、いま一つ不明確かなという気がいたします。  伊藤座長  この検討会の当初、田尾先生の方から、市町村の中核的な機能は何かということを大 変いろいろ御議論いただいたのですが、田尾先生、何か御意見はございませんでしょう か。  田尾構成員  いや、今のところは特に私はありません。  伊藤座長  はい。これはどういうふうに直したらいいですかね。  勝又室長  済みません。「具体的には」のところは、ヘルスプロモーションという定義を書いて、 具体的にどういうものがヘルスプロモーションなのかというのがわからないと困るので、 ということで追加をした部分ですが、必要がなくて、これを抜いても読めるということ であれば、ここの部分については削除してもいいかなとは思いますが、いかがでしょう か。冒頭に先ほど言われたような内容を入れ込んでということで。  伊藤座長  藤内さん。  藤内構成員  確認ですが、今のは「具体的には」からの6行、ヘルスプロモーションのこの説明を ということですね。  勝又室長  はい。  藤内構成員  そうですね。さっき曽根構成員もおっしゃったように、これとこの下が本当は整合性 がとれていると読むときにすんなりいくのだけれども、それが何か合わないだけにちょ っと読むとつらいので、それを外してもいいのかなとは思います。  それから、きょう田上委員が欠席ですが、田上委員が2回目のときに意見として、市 町村の保健活動のコアの機能として、気づくといいますか、潜在化しているそういう健 康課題や地域の資源を掘り起こすと言ったかな、見つけて、それをつなぐ役割が大事だ ということをおっしゃって、それが多分この2つ目に入っていると思うのですが、これ を逆に1つにしてしまうとちょっと苦しいので、それを分けてもいいのかなと。つまり 潜在化している健康課題をまず明確にする、顕在化するというようなこと。それはプラ ンニング、企画立案、あるいは評価のときに非常に重要な部分で、それから、つなぐと おっしゃったのはこの地域の社会資源の開発等ということなので、そこを少し離して、 この2の内容を2つの柱にすると、より言いたいことがはっきりできるのかなという気 はするのですが。  伊藤座長  きょうは一応最終回にしたいと思いますので、具体的にどういう形に直したらいいか ということをちょっとおっしゃっていただきたいと思いますが。  勝又室長  藤内先生の御意見ですが、「保健サービスの提供」から「地域保健活動」へ転換をして いくといいますか、ただ単にサービスを提供するということではなくて、地域への保健 活動につなげていくということで、こういう一連の書き方にさせていただいたのですが、 いかがでしょうか。  藤内構成員  了解しました。  伊藤座長  はい、では佐伯さん、どうぞ。  佐伯構成員  この2の「「保健サービスの提供」にとどまらず」、ここの部分ですが、保健サービス をすることも機能であり、それからこの一連のサイクルで活動することも機能であると 思います。なぜかというと、この書き方にすると、保健サービスはニーズを把握するた めの機能のような受け取られ方をされてしまうので、分けた方がいいのではないかと思 います。その上にあるヘルスプロモーションの(1)(2)(3)ですが、もともとは(5)までの中で 重要と考えられるものを取り出されたと思うのですが、恐らく(5)までを入れると下の文 章とつながっていくのだと思います。「保健サービスの提供」は恐らく個人のスキルの強 化につながるでしょうし、先ほど出た資源の開発は連携をすること、ネットワークをつ くるというような、協働で行うということにつながっていくと思います。ヘルスプロモ ーションの5つの戦略を出して、さらに下もそれに合わせた方がいいのではないかと思 いました。  伊藤座長  事務局の方、わかりましたか。  藤内構成員  あと2つ抜けているのは、個人技術の向上とヘルスサービスの転換ですね。個人技術 の向上というのは、この1にも2にもかかわる部分ですし、それからヘルスサービスの 転換というのは、特に医療サービスもこれから治療だけではなくて、生活習慣の指導な ども入ってくるので、そういったことも踏まえて書くと、今度地域の社会資源の開発と いったようなところで、この医療機関との連携みたいなところも入ってくるのかなと思 います。だから、1対1対応にはなりませんが、確かに5つ機能を挙げると、ここの下 の説明がうまく全部含まれることにはなるのかなと思います。  伊藤座長  もう少し丁寧にヘルスプロモーションの説明をするということですね。そのほかいか がでしょうか。  それでは、ちょっと前の方へ進めさせていただきます。5ページから、「市町村保健活 動体制の再構築に向けて」の推進方策という中で、いろいろ各論の話が出てまいります。 その中で最初に、これはまたいろいろ御議論があろうかと思いますが、「PDCAサイク ルに基づく保健活動体制の構築」という形で出てくるのですが、このあたりについてい かがでしょうか。  大橋構成員  1)の3つ目の○で、「分散配置と業務分担の進展及びアウトソーシングの促進により、 市町村が保健事業についてPDCAサイクルをまわせないため」となっているのですが、 PDCAサイクルというのはどういう事業体系でないとまわせないとかまわせるとかい うものではなくて、いわゆる意識的に事業進捗を図るためにPDCAサイクルというの はツールがあるわけで、この書き方だとPDCAサイクルをまわせないのを分散配置の せいにしているみたいに読めてしまいます。ちょっと私は市町村の保健活動の実態を見 ていないのですが、第2回の田上構成員のせっかく目の前にある気づきのつなぎに持っ ていけないというのは、日常業務に追われているからであって、要は意図的にPDCA サイクルを見ていないからまわせないのではないかなと思っているのですが、その辺は どうなのでしょうか。質問みたいな意見ですが。  藤内構成員  それに関連してですが、この1つ目の○、2つ目の○と読んでいて、3つ目の○のと ころで、今、大橋構成員が指摘されたような理由づけでPDCAサイクルがまわせない とやってしまうと、例えば家庭訪問という直接的なサービスが減っているからPDCA サイクルがまわせないというふうに読んでしまうと、ちょっとそれは問題があるのかな という気がします。確かに直接的なサービスは、地域の情報を収集して、まさにその地 域の健康課題を把握する大事な部分ですが、それをもっとやらないとPDCAサイクル がまわせないというものではないと思うので、むしろここでは人口動態統計であるとか 既存の保健統計等も含め地域の健康課題について分析することが、やや仕事に追われて できずにいるといったようなことを書くことも大事なのかなと思います。  伊藤座長  では、田尾先生どうぞ。  田尾構成員  先ほどの議論の続きで、ここで言いたかったのですが、それと関連いたしますが、私 は先ほど1)の方を最後に持ってきていただきたいということを申しました。先ほど私 はちょっと私的な意見を言ってしまったのですが、やはり4)に住民組織やNPOとの 連携・協働ということが書かれていて、この4)の議論をそのまま受けてしまうと、市 町村のレベルであれば、もしかしてかなり有力なNPOの団体や住民団体が物を言うと それが通ってしまうような、あるいは政治的な基盤が非常に弱いところにそういったも のがあると、私の経験などでいくと住民組織やNPOの方々というのは結構特殊な言わ れ方が非常に多いということがありまして、かえって行政サービスがゆがむこともなく はないという気がしております。だから、その点で言えば、先ほど1)のPDCAサイ クルをまわせないのではなくて、まわす意思が市町村にあるということを、きちんと明 確にしておいた方が僕はいいと思います。そういうことでいえば、1)の議論を4)の 後に持ってきた方がいいと。その意図は、要するにNPOや住民組織との協働は重要な んだよということを言いながら、かつちゃんと責任を持つのは市町村なんだよというこ とを明確にしておいた方が、この議論の意図に沿うと私は思います。  伊藤座長  2ページの「本検討会の検討課題」のところで、この検討課題の並べ方の順序をもう 一度考えるという形になっていますので、当然5ページ以降の整理の仕方も、その順序 でやっていかなければいけないと思っています。  田尾構成員  済みません。ここで5ページの1)の3つ目の○のところですが、まわせないために 効果が見えにくくなっているということよりも、PDCAをまわすんだという意図を市 町村が明確にとるということが大事です。文章はまだちょっとわかりませんが、そうい うことを言いたかったのです。  伊藤座長  わかりました。さっき長谷部さんが手を挙げておられましたが。  長谷部構成員  藤内構成員の内容とダブってしまうかもしれないですが、現状のところの直接サービ スの減少というのも現場ではあるかと思うのですが、PDCAサイクルと関連して、や はり地域の実態を把握することが難しくなっている。さっきも言った統計を見るとか、 現場の中に直接サービスだけが、家庭訪問だけが減ってしまったから把握できなくなっ ているのではなくて、そういう職員の意識もあるかもしれないですし、体制もあるかも しれないですし、統計などが集まりにくくなっている、実態が見えにくくなっている現 場もあるかもしれないですので、これだけがPDCAサイクルをまわせない理由では、 直接サービス、家庭訪問が減っているから見えにくくなっているわけではないのかなと 思います。ここにポンとこう数字が出てしまうと、やはり先ほども出たように、家庭訪 問が減ったから見えなくなってしまっているような形もあるかと思いますが、それ以外 の原因もあるのかなと思いましたので、何か補足できるといいのかなと思いました。漠 然としていて済みません。  藤内構成員  これに関しては、去年、平成17年度の検討会で、18の市町村の現地調査に回ったと きにも、この評価の部分が、いろいろな研修はあるのだけれどもなかなか身につかない と。だから、PDCAが大事だと言いながら、地域の課題はどうなっているのか、活動 によってそれがどう改善したのか、といったような評価がなかなかできないという技術 的な問題もずっと言われてきていたので、そのあたりのところはここでやはり書くべき なのかなと思います。  伊藤座長  それでは、この5ページ、6ページの5つのテーマの並べ方についてはさっき申し上 げたとおりですが、5つの項目の中に書いてあること、それについていかがでしょうか。 7ページ以降に、今度それぞれの項目について推進方策というような形で出てまいりま すが。はい。  曽根構成員  5ページの2)のところの組織横断的なところですが、最初の○で、役割の多様化に よってさまざまな部署に配置され、他職種と協働して活動できるようになったというの は、これは現状で、問題点ではないですよね。いいこともあるということですよね。そ れで2番目のことは、これは問題点ですかね。保健衛生部門に十分配置されていなくて、 ほかのところにも配置される。それで3番目として、事業担当者になり事務的な仕事が 主になって、専門性が十分に生かされていない。何かちょっとつながりというか、論理 構成が、この3つを読んでみて何が問題なのかという核心がつけていないのではないか なという気がするのですが。  伊藤座長  ここは問題点がどんなものがあるかという形で列挙しているわけです。そうすると、 どんな書き方がよろしいですか。  藤山構成員  その関係になりますが、保健師の地域の健康課題の把握機能の低下は、分散配置によ ることが大きいのではないかと私は思います。というのは、分散配置をされることで、 一つの業務だけに精通していくことは、そのことの問題は非常に明確になっていくので すが、地域の健康課題をトータルとして考えていく機能が落ちていくので、決して家庭 訪問が減ったからとかそういうことではなく、分散配置により業務の専門性がより狭ま ることで、地域をトータルとして見る機能が弱くなるということが問題なのではないか なと。だから、分散配置はトータルとしての統括が、組織横断的な機能が要りますよと いうことにつながっていくのではないかと思います。  迫構成員  調査結果の部分で、同じく2)の2つ目の○以降のところでございますが、どちらか というとここの部分は保健師さん中心の書きぶりという形になっていようかと思います。  伊藤座長 何ページですか。  迫構成員  ごめんなさい。5ページの2)のところです。調査結果で、技術職員の配置が多様化 したことによって、中堅の保健師はというふうな形で動いているのですが、管理栄養士 に関しましては配置状況が、確かに多様化というところはありますが、未配置のところ があるという大変大きな問題点が1点ございますので、そこについての現状を少し書き 加えていただければと思っております。  伊藤座長  先ほど藤山構成員の意見は、要するに分散配置になると非常に狭い範囲の仕事しか経 験できないのが問題だということを追加してくれということですね。  勝又室長  済みません。そのことに関しては、3つ目の○のところで、今藤山さんの御指摘の点 を書いてあるつもりなのですが、言葉が足りないのだと思います。そこの保健師の専門 性というのが、地域を見る視点というところが生かされていないということなので、こ こに表現を入れ込んでいきたいと思います。  藤山構成員  はい。それと、この1)の2つ目の○のところに、「直接サービスの減少と直接サービ スのアウトソーシングの進展は、保健師による地域の健康課題の把握機能の低下を」と。 一部意見があるのかもしれないですが、それだけが原因でないのではないかなと思った ので、ちょっと申し上げたのですが。  藤内構成員  その点で、まさに1)のPDCAサイクルのところで、分散配置によって地域の健康 課題の全体像が見えにくくなっているということを書くと、多分指摘された内容がより はっきり書けるのではないかなと思います。  伊藤座長  それは1)の3つ目の○のところですね。  藤内構成  そうです。  大橋構成員  5)の話ですが、今の話が5)の2つ目の○の都道府県保健所の問題点のところにも ちょっとつながっていくかと思います。この5)の2つ目の○ですと、都道府県の保健 所は、専門性が高まって業務担当制をとっているため支援できる業務が限られていると いう、県保健所は何かかっこいい表現になっているのですが、実は県の保健所も一時的 なサービスのフィールドを失い、それで県も地区担当制から業務分担制になって、今市 町村で問題になっていることが県保健所でも問題になってきて、それで総体として市町 村を支援する力がちょっと弱まっているのではないかと思われるので、余り県の人間が 言うと怒られるかもわかりませんが、そういうところもちょっと述べておいた方がいい のではないかと思います。  藤内構成員  まさに保健所の業務の専門性が高まり業務担当制になったというよりも、市町村の業 務とのすみ分けが進んだために、重複するといいますか、一緒にかかわる部分が少なく なり、そのために支援できる業務が限られてきたというのが本当だろうと思います。そ のあたりをちょっとうまく書けたらいいなと思いますが。  伊藤座長  そうすると、5ページ、6ページのところは問題点の整理をするということで、7ペ ージ以降のそれぞれの項目について、順序はさっきの繰り返しでまた整理いたしますが、 このそれぞれの推進方策について議論をお願いしたいと思います。  まず7ページ、8ページがPDCAサイクルになっていますが、推進方策の書き方、 事例の取り上げ方はいかがでしょうか。はい。  藤内構成員  8ページで安来市の糖尿病対策の例が挙げられているのですが、私はこの安来市の事 例はPDCAサイクルに基づく活動の例よりは、医師会や医療機関との連携によって糖 尿病対策を効果的に進めることができたという事例なので、むしろそちらの方で紹介し た方がいいのではないかと思います。ただ、今のところ4番目に位置づけられている住 民組織やNPOとの連携・協働のあり方の中に、医療機関との連携というのが今まで余 り議論されずにきたんですよね。6ページのところも民間活用の流れを受けという形で、 民間活用という表現が使われてはいるので、この住民組織、NPOといったときには、 これはもう医療機関は入らないんですよということなのか。あるいは住民組織、NPO 等という形で医療機関や医師会も含めると、この安来市の事例はその連携の一例として 紹介できるのかなと。医療制度改革をにらんだときに、医療機関や医師会との連携とい うのは、市町村の保健活動の機能としてはより重要になってくると思われますので、こ の安来市の事例をそういう連携の事例として挙げた方が、インパクトがあるのかなと思 いますが。  伊藤座長  この5つの整理の仕方だと、ちょっとぴったり入るところがないですね。その点につ いてほかの委員の方はいかがですか。  佐伯構成員  住民主体ということと関係機関との連携ということは、質的に違うと思います。ここ は住民主体ということで、やはりこのままの方がいいと思います。先ほど検討したヘル スプロモーションのところで、いかに連携をしていくかというヘルスプロモーションの 推進方法のところがありましたので、そこから持ってきてもう1項目、地域のヘルスケ アシステムの構築なりその調整ということを起こしていった方がいいのではないかと思 います。  藤内構成員  6つ目の柱ということですね。  伊藤座長  別に5つの項目に沿った形での事例というよりは、こういう形でいくということは全 体としてうまくいっているという、そういう事例の出し方もあるかなと思いますが、ち ょっとそこは検討してください。  勝又室長  安来市の事例をここに入れたのは、特に安来市の場合、健診の受診率だとか、あるい は医療費を分析したりというようなことで、地域の実態をそれぞれの地区に出向いてい って、きちっと把握をされているというようなことがありまして、それで初期の地区の 把握という視点からPDCAのところに入れた方がいいのではないかということで、事 例を挙げさせていただいたという経緯はあるのですが。  藤内構成員  もしそのPDCAで挙げるのであれば、例えば今回プレゼンをしていただいた坂戸市 であったり、それから小山市も、それから玖珠町も、ちゃんと健康増進計画を立てて推 進しながら評価もしているという事例があるので。  勝又室長  ただ、あれはむしろ地域住民の方たちと一緒に協働で、健康増進計画を立てるときか ら一緒に、そのプロセスの中に入ってやっているというところを強調したかったので、 住民あるいはNPOのところということで入れてきました。  伊藤座長  安来市の事例の扱いですが、何の事例としてどういう事例の出し方ということで、他 の構成員の方、御意見はいかがでしょうか。  田尾構成員  PDCAサイクルというのは、事例的には幾らでもあると思いますが、かなり抽象的 な議論ですよね。いわゆる一連の意思決定過程ですよね。ですから、これだけに絞って しまうとこんなものかと言われそうな気もちょっとするので、PDCAの議論に焦点を 当てれば、PDCAに関して言えば事例を挙げない方がいいと思います。  大橋構成員  私も同じ意見で、要は先ほども言いましたが、どの事業でもどんな業務でもPDCA をまわしているからきっとうまくいっているのであって、わざわざPDCAがこれです と言わない方がいいと思います。  伊藤座長  その場合、安来市の事例はどういう事例として入れた方がいいでしょうかということ ですが。  藤内構成員  さっき佐伯構成員が指摘されたように、6番目の柱として地域ケアシステムの構築と いうような柱を挙げれば、その例としてぴったりくるとは思うんですよね。ただ、これ からその柱を一つふやすのは大変だとは思いますが。でも、これがないとちょっと欠け るんですよね。今の5つだけだと。  大橋構成員  実際問題として、今までその柱は検討会で検討してこなかったのも事実ですよね。特 出ししては。ですから、その柱を否定するわけではなくて、医療費の抑制とかそういう ことは大変重要だと思うのですが。検討会では具体的には検討してこなかったがという、 どこかでただし書きをつけて入れるような、そこはもう事務局さんにお任せして。ただ、 やはりどこかで述べておかないといけないと思います。今から1項目挙げるというのは、 また皆さん意見もあるのではないかなと思うので。  伊藤座長  この場合、再構築というのを何を再構築するのかということで、市町村の保健行政の 課題が非常に多様化して、業務量もふえている中で、従来ずっと伝統的にやってきた保 健師の配置なり採用後の教育、そういう体制を再構築することが迫られているのではな いかという意味で、ですから安来市の事例というのは、最終的なこの検討会の目標の形 がかなり実現した姿として提示できる一つの事例ではないかなと。そういう整理になる のだと思うんですね。そこはちょっと事務局に少し知恵を絞っていただいて。  それでは、9ページの。  藤山構成員  済みません。  伊藤座長  はい、どうぞ。  藤山構成員  7ページの再構築に向けての推進方策の1)の中の(1)の2つ目の○のところです が、ここでは地域全体の課題から個の事例に帰るというふうな書き方をされていますが、 私はやはり従来やっている個の一つ一つの事例を積み上げてきた結果として、地域の健 康課題が見えるような仕組みをつくっていくことが課題だと思いますので、全体の中か らではない、やはり従前からやっている個の蓄積というふうにする方がいいのではない かと思います。  伊藤座長  これは両方書いてあるわけですよね。  藤山構成員  ああ、そうですね。  藤内構成員  いいですか。実はこれは最初の○の記載が僕はちょっと不十分だと思うんですよ。「個 人への保健サービスの提供、地域の保健活動に関する多様なデータ」と並列しているの で、今御指摘されたように、まさに個人への保健サービスの提供を通して得られる情報、 それからこういう人口動態統計などの地域の保健活動に関する多様なデータ、それから 地域住民や関係者等の意見を統合して、というふうに持っていくとつながりがいいので すが、この「個人への保健サービスの提供」で切れているので、その辺のところが何か 違和感があるのかなと思います。  伊藤座長  つまり多様な手段を用いてという例を挙げているわけですが、では、そこはもうちょ っと工夫する形にしましょう。はい。  曽根構成員  同じ7ページの(2)のところですが、内容的にはあれなんですけれども、ちょっと 文章がこなれていなくて何か意味が通じないところ、例えばタイトルのところで「明確 にして企画することが重要である」と言っていますが、これは何を企画するのかという のがその文章からよくわからないというのと、○の「市町村が委託することが可能な健 康課題としては」というところの、「健康診査のような技術が定型化されたもの、育児へ の悩みの解決などは、従来、家族機能、近隣機能が果たしてきた健康課題が挙げられる」 というのは、ちょっと文章が。あともう一つ、その下の、「委託が不可能、または不適切 な健康課題としては、施策」というのはちょっと。あと、「コスト面からは民間では担え ない不採算業務」というのはちょっと余りの言い方ではないかなと。文章をもうちょっ と練っていただければと思います。  伊藤座長  田尾先生、ここでアウトソーシングが可能なものと、そうではなくて市町村があくま でも主体となってやるべきものの考え方という、やはりそこの書き方ではないかなと思 うのですが、いかがでしょうか。  田尾構成員  私もよくわからないですが、この市町村が主体となって担うべき課題と、それからア ウトソーシングが可能なものを明確に区別できるものですかと。  伊藤座長  それはなかなか明確に区別しにくいというような議論だったと思うのですが、これを 発言されたのはたしか佐伯構成員だったでしょうか。いかがですか。  佐伯構成員  できるだけアウトソーシングをしないでもできるなら、市町村でやれることはやって いけばいいと思うのですが、アウトソーシングする意義や意味も別の意味では、地域お こしとかいろいろな意味であると思います。そのときに、どうしても手放してはいけな いものは何かということは、やはり明確にしなければいけないと思ったんですね。何が できるかというのは、それぞれの市町村の事情によるのかもしれないと思います。  伊藤座長  理屈だけで考えていくと、アウトソーシングできないものはないのではないかと思う んですよね。だけど、それをあえてこの検討会のコンセンサスとして、これはやはり市 町村がやった方がいいよというようなものを、事例的に挙げていくという書きぶりしか ないのではないかなと思うのですが、いかがですか。  長谷部構成員  やはり現場の中でも分散配置も含めてですが、業務量がふえている中では、アウトソ ーシングをせざるを得ない状況まで来ているなと思っています。ただ、この表現自体が いいかどうか。ここまで書いてもし市として発信された場合、ちょっと違和感があるか な。もうちょっと整理する期間が必要。そういうアウトソーシングするものが何か、本 当はしたくはないけれども、何かというのを今模索している最中なので、そういうこと は必要だよということは発信できても、なかなか。そういう事例があれば、うまくいっ ている地域おこし的なものがあれば別なのかもしれないですが、この育児への悩みの解 決とかそういったことはまだまだ市の方でやっている部分もありますので、その辺の書 き方かなと思います。  勝又室長  今書いているところの、従来、家族機能や近隣機能が果たしてきた健康課題というの は、以前は地域の近隣機能が育児に関してフォローしてきたりというようなことがあっ たのだと思いますが、それができなくなってしまって、結局保健師のところに育児の相 談だとかそういったところが来ているので、またその近隣の住民の方に戻していくとい うのも、委託の一つではないかというような、そういった観点でここは書いているので す。だから、業者に委託するというような意味ではなくて、市町村の保健師さんたちが もう満杯になってきてしまっている。育児の相談だとか、本当は昔だったら近隣で解決 できたものができなくなってしまっているのではないかと。だから、そういうのはまた 近隣に返すというのはどうなんだろうかなと、そういったような佐伯先生の発言だった というように思いまして、ここに記載をしているということなのですが。  藤内構成員  これはアウトソーシングが可能な課題なのですか。アウトソーシングはあくまでその 手段であって、同じ一つの健康課題を解決するのに直接サービスで、つまり保健師なり 管理栄養士が直接やるべき部分と、アウトソーシングが可能な部分もあるので、だから 健康課題を、これはアウトソーシングが可能、これはできない、という分け方そのもの がちょっと無理があるのかなという気がするんですよね。だから、何かここの整理が、 私は佐伯構成員の発言のときは全然違和感を抱かなかったのですが、こういうふうに表 現されるとすごく違和感を抱くのですが。  田尾構成員  いろいろな方の御意見を聞いていて、私も今になって違和感を抱くようになったので すが。確かに明確にできるかどうかということは、私もちょっとそういった自治体の行 政改革に関係していまして、いつも議論されることですが、アウトソーシングのことは 市町村が、その自治体がある程度その中で決定して決めればいいことだから、一般的に 決められないですよね。それがあって、文章がちょっとこんがらがってしまいますが、 市町村がいわゆる責任を持って明確にする作業は多分必要であろうと、それは思います。 ですが、一般的な議論として、市町村が行政コアとして担うべき課題とアウトソーシン グが可能な課題というのは、これは非常に区別がしにくくて、それも市町村が責任を持 ってやっていただくということでしかもう決めようがないということで、一般論は避け た方がいいかなと私は思います。  伊藤座長  ここをどういうふうにまとめるか難しいですね。この(2)は全面的に書きかえた方 がよろしいですか。  田尾構成員  余分なことですが、アウトソーシングという言葉を使わない方がいいのかなという気 もします。というのは、最近までアウトソーシングという言葉はかなりはやっておった のですが、最近この言葉がちょっと鎮静ぎみなところがありまして、ちょっとこの言葉 を避けることも可能かなという気はいたします。  ですから、例えば「市町村が主体となって担うべき課題を明確にして」というふうに した方がいいかなと思います。  伊藤座長  ありがとうございました。それでは、ちょっと前へ進めさせていただきます。9ペー ジから、ここはかなり長いですが、2)の「保健師、管理栄養士等の技術職員が分散し て配置されている中での組織横断的な取り組み体制の構築」、ここの部分はいかがでしょ うか。事例まで含めると12ページまでございますが。  藤内構成員  9ページの上から8行目に、「市町村庁内の関係部署で構成する組織横断的なチームを 編成」という表現がありますが、「チームを編成」と言うと、何かこれもプロジェクトチ ームみたいな話なのか。むしろここでは組織を横断した協議の機会を持つことという議 論だったと思うので、チームを編成するということになるとちょっと違うのかなと思い ます。  それから、(2)の技術職の分散配置に伴って、統括的な役割を持つ者の必要性という のはずっと議論してきたのですが、「職種ごとの統括的な役割」という、この「職種ごと」 というのでいいのか。むしろ管理栄養士や保健師を含めた、いわゆる「技術職の統括的 な役割」というふうにするのか。あるいはやはりそれぞれ保健師、管理栄養士、「職種ご と」なのかという議論がちょっと必要なのかなと思います。  伊藤座長  その点はいかがでしょうか。はい。  迫構成員  分散配置されている状況が保健師と管理栄養士では、大分違いがあります。管理栄養 士の場合には、医療、児童福祉、保育所関係、あと教育委員会にもいますので学校教育 も含めて、技術職全体としての統括ということはちょっと難しい。やはり「職種ごと」 というところの方が望ましいかと思っています。  山野井構成員  こだわるようで申しわけないですが、保健活動を展開するというのは保健師だけ、栄 養士だけが担うものではないので、やはりここは「職種ごと」というよりは「他職種と の連携」、それはそれぞれの専門性を持った上での連携という意味では、他職種にしてい ただいた方がいいかと思います。  伊藤座長  他職種というと、あとは何ですか。  山野井構成員  例えば理学療法士さんもおられますし、事務職も入ったらいいと思います。  伊藤座長  はい。  迫構成員  確かに保健活動全般ということを考えれば、その所属の中、または保健部門、それか ら福祉部門と、大きな部門での連携というのは非常に重要なことだと思いますし、そう いう意味では他職種の連携というのは大切な分野だと思います。ですから、そういう意 味からすると、二重構造で書いていただくことの方が望ましいのではないかと思います。  伊藤座長  そのほかいかがですか。はい。  勝又室長  他職種との連携というのは(1)で協議の場を持ったりというような形でやっていけ ると思うのですが、(2)で言っているところは、例えば保健師、あるいは管理栄養士の 人材育成としての観点とか、そういったところからすれば、「職種ごと」という方が効果 的だというように判断して記載しているところでございます。  藤山構成員  私は(2)については「職種ごと」ということについての出し方は難しいとは思うの ですが、先ほど御説明がありましたように、職種の人材育成、新任期からどのように育 てていくかというのは、やはりその職種が専門性を発揮するための人材育成の視点をも う少し書き加えていただいた形であれば、職種での統括ということが出るのではないか と思うのですが、この文章だと少し弱いのではないかなと思います。  伊藤座長  人材育成の観点というのは13ページ以降の3)のところで、そこの関連の仕方をい ろいろ整理しなければいけないのかなと思っているのですが。  藤山構成員  そうですね。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。この検討会の議論を振り返ってみますと、例えばいろい ろなところに、地域包括支援センターですとか介護部門に1人ぽつんと配置されて、困 ったときにだれも助けてくれないという、そういう状況をどうするかというのがそもそ もこのテーマだったのではないかなと思うんですね。ですから、そういうことからいく と、保健師と管理栄養士などに重点を置いて、そして違う部署に配置されている職種の いろいろ目配りするような体制をつくっていくというような、そういう趣旨ではなかっ たかなと思いますが。  曽根構成員  今申し上げましたそれがただ単に保健師が固まって何かしているとか、栄養士が固ま って何かしているというだけではなくて、さっきずっと議論があったことで、それが市 町村の地域保健活動にきちんと還元されるんだということを、もうちょっと強く言った 方がいいのではないかと思います。そうしないと、逆にとられてしまうこともあるかな と心配しています。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。  藤内構成員  10ページの推進事例のところで、加古川市の例を出してありまして、市民センター9 カ所に1人ずつ保健師を配置している例がここに挙げられているのですが、これがまた こういう事例で挙げられると、推奨されるかのように受け取られるのもちょっと困るな と。もちろん後段に、統括するために月に1回定期的な連絡会を持っているということ が書かれているので、それが必須だということは伝わるとは思いますが、そうすればこ ういう1人配置というのも何か勧められるかのように受け取られるのが、ちょっと気に なります。  伊藤座長  それで、加古川市の事例は出さない方がいいということですか。入れるか入れないか。 入れるとしたら、今その御指摘の点は何か表現を追加するなり、直したりするような感 じでしょうか。  勝又室長  ここだけはなくて、合併をしたところで、地域の市町村保健センターがあるところで は、保健師が1〜2名配置されてやっているところもありますので、そういった意味で は実際にそれぞれ9カ所とか10カ所に1名しか配置されていないというところもある わけですよね。そういったところではやはり統括的な保健師を配置することによって、 本庁との連絡もきちっとできて、仕事が進んでいくというようなことで、加古川市のは 事例としてはとてもいいのではないかなと思いました。それともう一つは、加古川市の 場合、今までは本庁で業務担当だけしかやっていなかったのですが、それを地域が見え ないということで、1名の保健師をその地区に配置することによって地域の課題を吸い 上げてきて、そして活動するということにしてきておりますので、事例としてはいいの かなということで出しているのですが、いかがでしょうか。  藤内構成員  であるとすると、その事例の紹介、「(2)すべての市民センターに保健師を配置してポピ ュレーション活動を推進し」あたりのところがちょっと抽象的だし、ポピュレーション 活動が何のことかわからないので、そのあたりのところをきちんと説明した上で、つま り今までこうしていたのをこうすることで地域の課題を把握するようにし、ただそれで も少しネックになる部分をこうやって月に1回定期的に連絡会を持っている、というよ うな形で紹介される分にはいいと思います。  伊藤座長  ありがとうございました。  山野井構成員  今の加古川市の事例については、地域全体をとらえて、地域の健康課題が明らかにで きる人がそこにいるというのは、今までとちょっと違った視点であるので、非常にこれ もおもしろいかなと思って聞かせていただきました。  それから9ページですが、(3)の「地区分担制と業務分担制を併用するなど地区分担 をとれる体制を整備することが望ましい」、この言葉は非常に柔らかくていいと思うので すが、1つ目の○のところの「地区分担制をとれる活動体制を基本とするべきである」 という言葉に、地区分担がとれたとしても、地域全体がとらえられて地域の健康課題が 明らかにできなければ、地区分担制をとっている意味はいかがなのかということもある ので、ここの表現を上の3行の表現ぐらいの優しさにちょっと変えていただいて。言わ んとすることはもう賛成で、地域が見えることが第一、全体がとらえられることが第一 だと思っていますので、そこをよろしくお願いいたします。  伊藤座長  ありがとうございました。はい。  曽根構成員  多分論旨の一貫性というところから省かれたのかもしれませんが、産休育休のところ は、それは意図的に省かれたということですか。一応調査では、定員の1割がそういう 状況にあるというようなことだったのですが。  勝又室長  当然、産休育休の代替等の措置はしなければいけないということで、ここの中で取り 上げるべきものかどうなのかということを考えまして、ここでは削除したということで す。  伊藤座長  よろしいですか。それでは、13ページからの「保健師、管理栄養士等の技術職員の分 散配置が進行した状況下での、人材育成の体制の構築」、このあたりはいかがでしょうか。 はい。  大橋構成員  さっきの産育休にもちょっと絡むのですが、前回も発言させてもらったんですけれど も、人材育成のためのいろいろなツールですね。OJTでジョブローテーションもそう でしょうし、スーパーバイズできる統括者の存在もそうでしょうけれども、そういうも のをどれだけ用意してもその対象者が適正に配置されていなければ、要は年齢構成等を 考えて、産育休も当然含めて、対応も含めて、計画的な採用計画なり任用計画等がなけ れば、どれだけいいツールを集めても実効性が伴いませんよということは、市町村の首 長さんに対するメッセージであれば、人事担当としてはぜひ入れておいていただきたい なという思いです。  伊藤座長  入れるとしたらどの部分がよろしいですか。  大橋構成員  実はそれが難しくて、どこに入れるべきなのかなと。  勝又室長  3)の(1)。  大橋構成員  そうですね。もう最初の総論のところで入れておいた方が。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。  藤内構成員  ここは推進方策として市町村あるいは都道府県に提示するところなので、13ページの (1)(3)(4)(5)に関しては、実は必要であるという表現で終わっていて、具体的 にどういうことを市町村や都道府県に対して提言するのかといったような部分がもうち ょっとないと、必要なのはもうこの検討会をやる前からわかっているので、ほかのとこ ろみたいに具体的な内容がちょっと欲しいなと思います。もちろんこの人材育成プログ ラムガイドライン等を示しますので、逆に言えばそこで具体的に言っているから、あと のところはさらっと、ということでいいのかもしれないですが、ほかの記載から見ると ここだけそういうのがないのでちょっとさみしい気がしました。  大橋構成員  それは要は、(2)だけに人材育成プログラムを参考にとあるのでそういう感覚を受け てしまうのかなと。このプログラムのガイドライン等は、例えば(4)の行政能力の獲 得等も言及しておりますし、結果として見てもらえればこれらが全部入っているかなと。 ただ、この(2)だけにぽこんとプログラムを入れているので、そういう違和感がある のかなと思います。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。はい。  佐伯構成員  人材育成については、市町村自体が持つ人材育成計画との整合性を図りながら、専門 職の人材育成を行うということも明記してはどうでしょうか。  伊藤座長  はい。そのほかいかがですか。それでは、次に15ページの4)の「地域住民組織、 NPOとの協働体制の構築」のところはいかがでしょうか。田尾先生、ここはいかがで すか。  田尾構成員  いや、特にありません。  伊藤座長  藤内さんはいいですか。  藤内構成員  はい、いいです。  伊藤座長  この4)のところは御意見がないようですが。事例は坂戸市と小山市ですが。  では、最後の18ページですが、5)の「都道府県との協働の構築」、ここはいかがで しょうか。  大橋構成員  (1)に「市町村特に小規模町村の」とあるのですが、実力というのと規模というの が果たして……。往々にして量と質というのは相関関係があるのかもわかりませんが、 下手するとスーパー保健師さんがいらっしゃる小さな町の方が活動の質は高い場合もあ るので、どうなんでしょうかね、というちょっと素朴な疑問で、済みません、意見では なくて。  伊藤座長  ただ、検討会報告書としてはこの書き方でよろしいですか。  大橋構成員  はい、結構です。素朴な疑問です。  藤内構成員  事例として大分県の例を挙げていただきありがとうございます。少し加筆していただ けるならば、事例の3行目に「保健所が把握している保健統計のデータ等から、市町村 保健活動の成果について評価するとともに」。これが悪いよというのだけではなくて、プ ラスの評価をしておりますので、そこのところを少し加筆していただくとありがたいで す。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。  藤山構成員  都道府県の協働の構築の中に、都道府県の求められているのが支援という言葉になっ ているのですが、今後の都道府県と市町村の関係は支援だけではなく、先ほど出ていま したスーパーな保健師たちがいるところをいかに都道府県ごとに見て、そのスーパーな 保健師たちを活用して県としては調整をして、全体的な技術のスキルアップを図るとい うような調整能力なども求められるのではないかと思うので、支援だけではない言葉に していただいた方がいいのではないかなと思います。  伊藤座長  具体的にどういうふうに書いたらいいですか。  藤山構成員  市町村との調整能力ということでしょうか。人材育成への……、どう言ったらいいん でしょうかね。  伊藤座長  これは市町村の立場から検討会報告書を書いているわけですよね。ですから、今のは 都道府県の役割はこうだよと書く形になると思うのですが。  藤山構成員  ああ、そうですね。市町村側からするとですね。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。はい。  田尾構成員  今さら言うのはあれですが、今までのこういった全体的な案を読ませていただいて感 じることですけれども、これは全体的に言うと、個々の保健師、管理栄養士の方々のネ ットワークの力を求められているわけですよね。それで、ネットワークという言葉が出 てきていないとか、あるいは協働という言葉がたくさん出てきておりますが、これはい わゆる最近の流行語でいうとパートナーシップとかコラボレーションの話ですよね。で すから、今さら遅いという気がいたしますが、最近の流行語を使ってというのはちょっ とおかしいですけれども、ネットワークとかパートナーシップとかコラボレーションと いう言葉を使えるところでは使った方がいいような気もするんですよね。全体的な議論 として言えば。それはもう作文の方はお任せいたしますが、とにかくこういった議論は ある程度新しい方がいいかなという気がいたします。それだけです。  伊藤座長  今、田尾先生の方から御発言がありましたが、それではもう一度最初の目次のところ から全体を眺めていただきまして、項目ごとではなくて、この全体のまとめ方について もし御意見があればぜひお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。それから、1 枚紙になっていますが、「まとめ」というのが最後についております。これも含めてお目 通しをいただきたいと思います。  山野井構成員  これを読んで一番素朴に感じましたのが、報告書を出して、この報告書をもとに各市 町村は何をどう具体的方策をとっていけばいいのかな。また、それを県に求められたと きに、平成20年に向けてとる体制はこうですよと言える、そのどこにポイントを置い て、どうこれを活用したらいいかなというのがちょっと不安というか、原点に戻ってし まうのですが、それはどうすればいいかなと。  済みません。まとまらないですが。  伊藤座長  事務局、何か考え方はありますか。  勝又室長  前回の検討会のときにも、田上構成員の方からそういった御指摘があって、この検討 会の報告書をどのように使うのかということでございますが、最終的には今回先生方か らいただいた中身をもう一度きちっと報告書の形にまとめさせていただきまして、まず 公表をするということが1点でございます。その後は、例えば特定健診・保健指導のこ とで、これから生活習慣病対策についてどのように取り組んでいくのかということで、 全国的な会議があるようなところで、こういう事例があってこういう体制を整えていけ ば非常に医療費も下がっていくし、効果が上がるというような、そういったものを御説 明させていただいて、ダイジェスト版もつくって、そしてその市町村長、あるいはその 関係者の方々に上げていただくようなところまで持っていっていただきたいと考えてい るところです。  曽根構成員  概要版をつくるということですし、まとめのところでもそうですが、首長さんはまと めとか概要版しか読まない。そんなことを言ってはいけないんですけれども、だからそ こで何かインパクトのあるような、それでわかりやすいことをポンポンポンというふう に、箇条書きとまでは言わないかもしれませんが、そういうふうな形で、じゃ、何をす ればいいのというところを優先順位の高い順に書くとか、田上構成員が前におっしゃっ たようにそういう工夫が必要なのかなと思います。  伊藤座長  ありがとうございました。はい、田尾先生。  田尾構成員  私の間違った理解の可能性がなくはないと思いますが、私がこの議論に参加させてい ただいて思ったことは、基本的なことですが、これからの社会は資源が不足していく社 会になると。資源の不足を補うためには、ここでよく出しています協働しかない。協働 することが大事なんだということを最初に挙げていただくことが大事ではないかと、私 は思っています。つまり、資源が不足した社会の中では、お互い資源が不足するのだか ら、お互い協働しなければ何もできないでしょうということがあって、そのための人材 をつくるんだということが一番大事なことではないか、というふうに私は理解していた つもりですが。  伊藤座長  そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。  藤内構成員  今回の検討会の特にこの報告書の概要版の活用については、今回の医療制度改革関連 の市町村長を対象とした、そういうトップマネジメントセミナー等でうまく紹介できれ ばいいなと思います。その際に、例えばきょう安来市の事例を少し議論しましたが、安 来市の事例はPDCAサイクルであったり、住民とかあるいは医療機関との連携であっ たり、そうした今回検討してきたいろいろなことがうまくいった結果、こういう一つの モデルとしてある事例だなという意見がきょう出たのですが、例えばこの安来市は糖尿 病の医療費の推移がちゃんと評価できていますし、このあたりは首長さんにとってもか なりインパクトのあるデータですから、こういう例を示しながらこうした保健活動を可 能にするために、今回議論してきた5つの柱なりの重要性というのを紹介していくとい うやり方もあるのかなと思います。  伊藤座長  安来市の例などをきちっと出して、それで医療費なり介護給付費がこんな状況になっ ていますよと、それはどうしてしたかというのを、そういう何か要約版というか、この まとまった後に考えていただければいいのではないかなと思います。はい。  曽根構成員  今のに関連して。参考資料として事例がありますが、一部この事例はこういうところ に注目してくださいというようなところが書いてありますけれども、何かもうちょっと 各表紙に、これはこういうところに注目すべき事例ですよということを明記した方が、 役に立つのではないかなと思います。  勝又室長  一つ一つの事例に対して。  曽根構成員  はい。  伊藤座長  どうもありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。はい。  佐伯構成員  5ページの分散配置の課題のところに戻るのですが、今回の提案で統括的な役割を持 つ者を置くことを提案していますが、それがなぜ必要かということがここには出てきて いません。分散配置をしたことによって、協働で活動できるようになったといういい面 だけが挙がっていますが、業務が分散されてしまい、検討会の中でも出てきたように、 例えば介護保険と予防の関係が連動しなくなったとか、活動自体も分散をしてしまった ということ、情報の交流ができなくなったという問題点を挙げた上で、統括者の必要性 に持っていったらいいと思いました。  伊藤座長  それでは、まだまだ御意見があろうかと思いますが、今後のこの進め方でございます けれども、またよく見ていくといろいろなところにお気づきの点を御指摘いただけると 思うのですが、一応今後のことにつきまして、本日御検討いただきました箇所の訂正を 含めて、座長の私と事務局でもう一度きちっと整理をさせていただきたいと思います。 もう一度整理をさせていただいたものを、検討会の皆様方にそれぞれお送りをいたしま して、最終確認というような手順をとらせていただいて、最終の報告書というような形 にさせていただきたいと思います。したがいまして、座長と事務局に御一任ということ で、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 3.閉会  伊藤座長 このような会議形式の検討会は、一応これで終了させていただきたいと思いますが、最 後に8回にわたりまして御協力いただきました各構成員の皆様方には、厚く御礼を申し 上げたいと思います。今、この検討会のこの報告書について、どのように活用していく かということについての御意見をいただきましたが、やはりこれから特定健診・特定保 健指導等が本格実施される中で、特に市町村長なり市町村の責任ある立場の人たちに、 今後市町村での保健事業の実施体制をどのように再構築していったらいいかということ についての指針になるような、そういう要約版も検討させていただいて、対応させてい ただきたいと思いますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。  本当に御協力ありがとうございました。これで一応この検討会を終了させていただき たいと思います。どうもありがとうございました。  加藤主査  伊藤座長、ありがとうございました。それでは、本検討会の閉会に当たりまして、健 康局宮坂審議官からごあいさつを申し上げます。  宮坂審議官  第8回だけに出てまいりました審議官の宮坂と申します。きょうお話を伺っていまし て、大変感心をしておったのですが、非常に実践的なお話がありました。  私もこの問題に関して一番疑問な点というか、一番大事な点というのは、これによっ て何をどう変えるのかというのが一番地域で問題になることだと思います。きょうだけ しか議論を聞いていなくて言うのも、非常にはばかられるところがあるわけでございま すが、実は今非常に悩ましいのが、市町村の立場というのは、今まで地域保健法で地域 の中の地域保健活動の主宰者という立場であったわけですが、だけどおのずと個別の法 律でいろいろな保健事業をやると。プラス健診等でまた訪問指導みたいなことをやって おったと。それで、今度の医療制度改革で、特定健診なり特定保健指導という、保険者 という立場で今よりもディープな形で指導なりを行っていくといったときに、従来の地 域保健活動と今回の医療制度改革、医療確保法で言う保険者としての市町村の役割とい うのが、きっと非常にやっかいな問題になるのだろうと。  具体的には先ほど田尾先生もおっしゃいましたが、限られたリソースの中でどういう ふうに資源配分をしてやっていくのかと。一方、金の面で言いますと、市町村の今行っ ている業務というのは、これは御案内のとおり交付税であります。一方、特定健診なり 特定保健指導というのは、今度は保険者としての負担ということになるわけです。金の 出どころも違う。そうすると、市町村長や首長さんは、一体どういう資源配分でどうい うふうに効率的にやっていくかということを、今非常にお悩みになっておられるのでは ないか。さらには今度医療費適正化計画ということで、医療費の目標値。今、安来市は 具体的にそういうことをやっているわけですが、今度はみんながあれをやらなければい けなくなるといった中で、限られた資源と限られた人材と限られた財源の中で、最も効 率的なのはどうなのか。  それで、先ほど来私は本当に感心しておったのですが、まさにPDのPというのは、 そのプランというのは何かを目標とするプランなので、そのプランはどこに向かうのか と。医療費を下げるとか、訪問指導の回数をもっとふやすとか、よくわからないですけ れども、そのPのもっと根っこにある何を地域保健としてやっていくのかというのが、 恐らく今後の医療費適正化計画の方針なり、健康増進計画の指針なり、これからいろい ろなものが……。そういう素材がまだ全体目に見えない中で、これだけがちょっと走っ ているという部分があって、ある意味でブラインドでの議論ということになるので、や っかいなところがあるんだと思うのですが、恐らくそういうのが出たときにもう一度こ れを見ると、やはり第一義的な地方公共団体である市町村というのが、地域保健という 切り口で、というのはさらに今回新たに特定健診や特定保健指導というのが出てきた中 で、地域保健は何をすべきなのか、何を目標にするのか、というのが恐らく各市町村で これは議論になると思います。  そういう意味では、最終回というと普通は大体今までの議論で、ああ、こういうこと ね、ああ、こういうことね、ああ、こういうことね、ということで大体終わるんだと思 うのですが、これはやればやるほどだんだん悩みが深まっていく傾向にある問題ではな いかと思っております。そういう意味で、大変8回という長丁場でいろいろ御議論いた だいたようでございます。最終回もきょうこういう形でいろいろ御議論を賜りました。 これからがむしろ本番といったらおかしいですが、先ほどの検討会での御議論というの はもちろんあるのだと思いますが、これを現場におろしたときに、現場からいろいろな 声がきっと出てくるのだと思います。それをどういうふうに持っていくのかというので、 まだ若干なりとも時間はありますので、来年の4月に向けて優良事例なり、それからも う一度こういう面で考えたらいいのではないかというようなことを、やはり我々として も心してやらなければいかんのではないかと思っております。  いずれにしましても、全国津々浦々から大変実践的なお話を伺いまして、また皆さん ここではいろいろとおっしゃいますが、現場に戻られると今度は自分たちがここで議論 したことを実践にということでございます。お立場上また大変かと思いますが、我々と してもきょうを初めとした今までの議論を十分踏まえまして、さらに検討してまいりた いと考えております。本当に8回ありがとうございました。  加藤主査  それでは、本日の検討会はこれで終了とさせていただきます。長時間の御検討をあり がとうございました。 <終了>