07/03/12 中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会平成19年3月12日議事録 07/03/12 中央社会保険医療協議会          第11回診療報酬改定結果検証部会議事録  (1)日時  平成19年3月12日(水)13:00〜14:18 (2)場所  霞ヶ関東京會舘「シルバースタールーム」 (3)出席者 遠藤久夫部会長 土田武史委員 室谷千英委員 白石小百合委員 前田雅英委員       <参考人>       石川誠氏 里宇明元氏       <事務局>       白石審議官 原医療課長 唐澤総務課長 八神保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○平成18年度診療報酬改定の結果の検証について (5)議事内容 ○遠藤部会長 本日は、急な開催にもかかわらず、お忙しいところをお集まりいただきま して、ありがとうございます。  ただいまより、第11回診療報酬改定結果検証部会を開催いたします。  まず、先週の総会にありましたように、3月1日付で新たに2名の公益委員として、前 田委員、白石委員が発令され、前田委員には、新たに当部会に所属していただくこととし、 白石委員につきましては、結果検証担当の専門委員から引き続き所属いただくこととなり ましたので、御紹介をいたします。  なお、今後は公益委員6名により当部会を構成することとし、必要に応じ関係者の参集 をお願いしながら部会を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、本日の出欠状況について御報告いたします。本日は、小林委員が御欠席です。 また、前田委員は、所用のため途中退席させていただく御予定とのことでございます。な お、保険局長につきましては、公務のため欠席させていただく旨の、また、審議官につき ましては、遅れる旨の連絡を受けております。  それでは、議事に移らせていただきたいと思います。  本日は、「平成18年度診療報酬改定の結果の検証」について議題としたいと思います。  まず、本年度実施しております特別調査5項目のうち、2調査につきまして調査票の回 収が完了しまして、速報がまとまってきたとのことですので、白石委員から御報告をお願 いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○白石委員 それでは、本日は、特別調査5項目のうち、「ニコチン依存症管理料算定保 険医療機関における禁煙成功率の実態調査」及び「リハビリテーション実施保険医療機関 における患者状況調査」の2調査につきまして、現時点で集計が完了した主要な項目につ いて速報値として御報告いたします。  なお、今後、調査実施機関において設置しました調査検討委員会の方で報告書案の作成 を進め、改めて検証部会へ御報告することとしております。  それでは、調査の1つ目、「禁煙成功率の実態調査」についてです。資料、中医協検− 1をごらんください。1ページ目は飛ばしまして、2ページ目の「結果概要」から御説明 をいたします。  まず、図表1、回収の状況です。この調査は、ニコチン依存症管理料の施設基準の届出 を行った医療機関から無作為に抽出した1,000の施設を対象に調査票を配布しまして、 450の施設から回答をいただき、それをもとに集計をしております。なお、今回の調査 では、昨年6月及び7月にニコチン依存症管理料の算定を開始しました患者さんに対して、 これらの医療機関の方から電話等で禁煙の状況をお調べいただき、約3,800名分の患 者さんの状況を集めることができました。  回答いただいた医療機関の病院・診療所別につきましては、図表2のとおりです。  さらに、図表3のとおり、これらの医療機関の12%で禁煙外来などの特別な体制を組 んで対応しているという結果でした。  続きまして3ページです。図表4は、1回当たりの指導時間です。この管理料は12週 間にわたり5回の禁煙治療を行うこととしており、この調査では、初回指導時と2回目以 降の指導に要する時間を聞いたところ、1回目は30〜40分と回答した施設が最も多く、 2回目以降については10〜20分としている医療機関が最も多いということで、初回に 時間をかけて指導を行っているという結果でした。  また、昨年11月の1カ月の患者数としては、初回の患者さんが1施設平均約3人、2 回目以降、これは2回目から5回目の患者さんということですけれども、2回目以降につ きましては1施設平均約6人という結果でした。  続きまして4ページです。ここからが、昨年6月、7月に指導を開始した患者さんの状 況でございます。男女の比については図表7のとおりです。喫煙の年数や本数は、図表8、 図表9のとおりとなっております。また、この管理料の算定要件であるブリンクマン指数 について調査したところ、これは200以上が算定要件であるのですが、500〜100 0の方が最も多くなっております。同じくニコチンの依存症に係るスクリーニングテスト として、10点満点中5点であることを要件としているTDS点数について調査したとこ ろ、図表11のような結果となっております。  次に5ページの図表12です。算定回数の状況を見ますと、5回まで実施をした患者さ んの割合は、全体の約28%という結果であり、途中で中止した患者さんの状況を見ます と、これは図表13のとおりですけれども、中止時点で禁煙した方の割合が、その指導の 回数が増えるにつれて増えているということがわかりました。さらに5回まで終了した患 者さんについて、4回目の治療から5回目までの間にどれくらい禁煙が続いているかを調 べましたところ、これは図表14ですけれども、73%の方が5回の終了時点からさかの ぼって4週間以上禁煙が継続しており、7%の方が1週間以上禁煙を継続しているという 結果でした。  続きまして6ページです。ここからが、指導終了3カ月後の禁煙継続の状況をお聞きし たものですが、まず、図表15では、5回の治療が終了した方のうち、63%の方が調査 時点からさかのぼって少なくとも1週間以上は禁煙しているという結果で、22%の方が この3カ月の間に失敗したという結果でした。  同じページの図表16ですけれども、これは途中で治療を中止した方も含め、3カ月後 の状況を調査したところ、禁煙の継続の割合は全体で約40%で、ごらんのように、指導 の回数が増えるに従い禁煙を継続している方の割合が増えるという結果でした。それで、 今の図表16でごらんいただいているものは、途中で失敗した方も含めた状況ですけれど も、その下の図表17では、中止時点あるいは5回終了時点で禁煙していた方だけを見て おります。これで見ますと、禁煙継続の割合というものは、全体で約63%で、やはり指 導の回数に従って禁煙を継続している割合が増えているという結果でした。  資料の最後に、今回の改定の概要を参考までにつけております。  以上が3カ月後の状況を調査したものです。なお、現在、同じ医療機関に対して指導終 了から約半年後である3月の時点での状況を調査していただくよう調査票を発送したとこ ろでありまして、こちらの方も結果がまとまったところでまた御報告いたします。  以上です。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。そういう意味では途中経過の速報値ということ であります。  この調査につきまして、実際の実査を担当していただきました事務局の方から何かござ いますでしょうか。  ありませんか。それでは、ただいまの御報告でありますけれども、中身について御質問、 御意見ございましたらば、承りたいと思います。御自由にお手をお挙げください。 ○室谷委員 調査票のところで言わなければならなかったかもしれませんけれども、一番 最初にこのニコチンの管理料をとるときの、医療機関から「あなたは禁煙した方がいいで すよ」というふうに言われてなったのか、患者さんが自分から「自分は禁煙をしたいか ら」と言って申し出たのか、その辺が、これだけ見ているとちょっとわからないのですけ れども、何かわかりますでしょうか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) 保険医療企画調査室長でございます。まず、調 査票の中では、その部分を、理由はとっておりません。ただ、基本的には御自分からたば こをやめたいということで来るという方が多いのだろうというふうに思っています。 ○遠藤部会長 そうですね、自発的にしたのかそうでなかったのかと、そういう行動もあ えてわかればあれですが、今回は基本的にこの治療がどれだけ効果があるかということを 調べるのが主たる目的であったかということから、とりたててそこのところは聞いていな かったということでありますが、今後の参考にしたいと思います。  ほかにございますでしょうか。  よろしゅうございますか。それでは、このような中間報告、速報を御報告いただいたと いうことで、ニコチンの調査に関しましてはこのあたりとしたいと思います。  それでは引き続きまして、もう1つの調査でありますリハビリの調査でありますけれど も、この件につきまして引き続き白石委員から御報告をお願いしたいと思います。よろし くお願いいたします。 ○白石委員 それでは続きまして、「リハビリテーションの患者状況調査」について御報 告をいたします。資料、中医協検−2をごらんください。今回の調査では、医療機関に御 記入をいただく施設調査票、それから施設向けの患者調査票という2種類、それに加えま して、医療機関から患者さんに渡していただき、患者さんの方で御記入をいただくという 患者調査票の3種類で調査を行い、それぞれ非常に多岐にわたる調査を行っております。 したがいまして、取りまとめるべき調査項目というものも非常に多く、すべての結果を出 すにはもう少し時間がかかるということですけれども、本日は、特に注目をされておりま す算定日数上限と除外対象疾患との関係、それから介護保険への移行の状況に着目をしま して取りまとめを行っております。  それでは、資料2ページの「結果概要」から御説明いたします。まず、図表1、回収の 状況ですけれども、今回、2,822の施設に対し施設調査票と患者さんの状況の施設向 けの患者調査票、加えまして患者調査票をそれぞれ10名分配布しまして、そのうち85 5施設から回答がありました。施設ベースでの回収率は30.3%です。一方、患者向け の調査については2,000を超える回答をいただきました。  それでは、3ページをごらんください。今回、施設調査票においてマスの調査というこ とで、昨年11月1カ月間の患者数等を調査し、図表5ですけれども、こちらでは、リハ ビリテーション料の算定を終了した患者さんについて、どの時点で終了したかを集計しま したところ、ごらんのとおり、リハビリの分野別に差はあるものの、75〜89%の方が 算定日数の上限より前に終了、それから0〜5%の方が除外対象疾患に該当し、算定日数 上限後に終了、それから6〜16%の方は算定日数上限の除外対象疾患に該当しなかった ことにより、日数上限で終了したという結果でした。なお、この中には、医療保険による リハビリの必要性がなくなったことによりリハビリを終了した方も含まれておりますので、 この6〜16%の方全員が上限で打ち切られたというわけではないことに御注意ください。  続きまして4ページです。ここからは、昨年の12月にリハビリテーションを終了した 個々の患者さんのリハビリ実施の状況などをまとめたものですけれども、心大血管疾患リ ハ、運動器リハなど、そのリハビリの分野別に分け、さらにそれを受けた患者さんの疾患 別に算定日数と終了時の状況をあらわしています。  まず、上の図表6ですけれども、心大血管疾患リハでは、全体のその調査の数は259 と少ないのですけれども、例えば上から2つ目の急性心筋梗塞の方ですと、71.3%の 方は上限前に終了している、16%は上限をもって終了という結果でした。なお、その上 限をもって終了という考え方ですけれども、今回の調査では、医療機関の方で患者さんご とにリハビリの開始日と終了時を御記入いただき、この期間をもってリハビリの実施期間 として計算しております。ただし、その日数上限の例えば150日ちょうどをもって終了 するということも考えづらいということで、ある程度幅を持たせるということで、上限前 から数えて2週間以内に終了した患者さんを上限をもって終了したということとみなすと いうことにいたしました。その次ページ以降も同様にお考えいただきたいと思います。  同じ4ページの下の図表7です。ここでは特に上限をもって終了とみなされた患者さん にスポットを当てまして、どのような状態で終了したかを求めたものです。まず、医療保 険のリハビリを続けることによって、その改善の見込みがないか、その改善の見込みがあ るかで振り分けまして、さらにその改善の見込みがないとされた患者さんについて、身体 の状態の維持のためにリハビリの継続が必要、すなわち、維持期のリハビリ、介護保険の リハビリが必要としている患者さんと、それから生活の場で状態の維持が可能に分けまし て、さらに維持期のリハビリが必要としている患者さんについて、介護保険の対象年齢か どうかで振り分けております。  したがいまして、図表7の心大血管疾患リハの合計欄で見ますと、12月中にリハビリ を終了した患者さんの8割は上限前に終了、2.7%は上限後に終了。それで、残りの1 2%は上限をもって終了したのですが、これを分解しますと、7.3%は身体機能の改善 の見込みがある、すなわち医療保険のリハビリが必要であるということ。それから3%は 状態維持のリハビリが必要。すなわち、介護保険のリハビリが必要で、しかし、その1. 2%は介護保険の対象外であるということでした。2.3%は生活の場で状態の維持が可 能であり、医療保険とか介護保険のリハビリは特段不要ということになります。  同じように、次の5ページですけれども、脳血管疾患等リハビリテーションということ ですが、図表9をごらんいただきますと、上限をもって終了したが、身体機能の改善の見 込みがあるとしている患者さんは全体の2.2%、維持のリハが必要だが介護保険の対象 外が0.9%ということで、先ほど見ていただいたよりは少ない。  次の6ページの図表11の運動器リハの場合ですけれども、身体機能の改善の見込みが あるとしている患者さんは全体の9.8%、維持のリハが必要だが、介護保険の対象外で あったというのが2.1%と、先ほど見ていただいたのと比べると多めである。  続きまして7ページですけれども、下の図表13、呼吸器リハですけれども、改善の見 込みがあるとしている患者さんは3%とちょっと少なめで、維持期リハが必要ですけれど も介護保険の対象外となっているのはゼロというふうになっております。  続きまして8ページです。こちらは、医療保険によるリハビリが終了した後、医療機関 として何を紹介して、それに対し患者さんは何を御予定していらっしゃるのかというもの を調査したものです。図表14で4分野合計したものでごらんいただきますと、この表を 縦にごらんいただいて、対象の患者さん636人のうち、「自宅で過ごす」というふうに されている患者さんは65.1%でした。  これをリハビリの分野別に見ていきますと、図表15以降になりますが、ここからは、 医療機関から「介護保険サービスを紹介」され、「自宅で過ごす」とした患者さんに着目 していきますと、図表15の心大血管疾患リハでは2人の方が該当し、この2人の方々は、 下の囲みにあるとおり、お二人とも介護保険のリハビリを受ける予定としています。次の 9ページの図表16、脳血管疾患等リハについては、「自宅で過ごす予定」と回答し、医 療機関から紹介先として「介護保険サービスを紹介」された53人のうち、介護保険の通 所リハ、訪問リハのいずれか、または両方受ける予定の方は31人となっておりまして、 残りの方は介護保険のリハビリを受ける予定はないということになります。同じく図表1 7の運動器リハ、それから次の10ページの図表18、呼吸器リハについても、それぞれ 囲みの中のとおり、医療機関から「介護保険サービスを紹介」されたものの、介護保険に よるリハビリを受ける予定がない方が存在するということがうかがえます。  資料の最後に、今回のリハビリテーションに係る改定の概要についておつけしておりま す。  報告は以上です。 ○遠藤部会長 白石委員、ありがとうございました。  調査の項目が大変多岐にわたっておりますので、非常に総合的な分析がされております が、であるがゆえに、ややわかりづらい面もあったかもしれませんけれども、引き続きま して、事務局の方から何かございましたらば、お願いしたいと思います。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) 私の方からは、中医協検−3の資料、「リハビ リテーションにかかる調査結果概要(速報)のポイント」という1枚紙で補足説明をさせ ていただきます。ただいま白石委員から御説明をいただきました結果概要の速報の中のポ イントといたしまして、これからの御議論の中で議論がしやすいようにと思いまして、ポ イントを4点に絞ってまとめてみております。  1点目から御説明をします。医療保険によるリハビリテーション料の算定を終了した患 者のうち、各分野で78〜89%の患者は算定日数上限前、または算定日数上限の除外対 象の疾患に該当して、算定日数上限後にリハビリテーションを終了しているということが まず1点目として把握できるということでございます。  2点目でございます。算定日数上限でリハビリテーションを終了した患者さんを個別に 見ていくと、終了時点で「身体機能の改善の見込みがある」、つまり、医療のリハビリテ ーションを継続すれば改善の見込みがあるという患者さんは、「心大血管疾患リハビリテ ーション」それから「運動器リハビリテーション」においては、それぞれ7.3%、9. 8%、1割弱程度であった。「脳血管疾患等リハビリテーション」それから「呼吸器リハ ビリテーション」においては2〜3%という方々がいらっしゃったということが2点目で あります。ここをどのように考えるかというのが一つのポイントだと思います。  3点目でございます。算定日数上限でリハビリテーションを終了した患者さんを個別に 見ていった場合に、「状態の維持のためにリハビリテーションの継続が必要」である。し かし、4つのリハビリテーションの各分野で0〜2%の方々が、どうしても年齢等の理由 で介護保険の対象外になってしまうというのが3点目です。ここもどのように考えるのか というポイントだと思います。  4点目でございます。医療保険によるリハビリテーションが終了した後、3分の2、6 5%の患者さんは自宅で過ごす予定のようでございます。ただ、そのうち、医療機関から 介護サービスを紹介されたけれども、介護保険による通所のリハビリテーションあるいは 訪問のリハビリテーション、こういったものをいずれも受ける予定はないという方々がい らっしゃったと、ここをまたどう考えるかということでございます。  主な論点といいますか、議論の対象になるような、速報からうかがえるポイントという のは以上かと存じます。事務局からは、以上でございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  ただいま白石委員と事務局からの御報告があったわけでありますけれども、これにつき ましての御意見あるいは御検討は後に回しまして、とりあえず質問はございますでしょう か。読み方あるいは文章の書かれている内容につきまして確認しておきたいことがあれば この場でお聞きしたいと思いますが。  とりたててないようであれば、また御議論のときに御質問も当然まぜていただいて結構 ですので、先に進めたいと思います。  さて、本日は、今回のリハビリテーションに係る改定全般と、今回の調査結果の速報に 関しまして、参考人として、医療法人社団輝生会初台リハビリテーション病院の石川誠理 事長と、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室の里宇明元教授にお越しいただ いて、専門家のお立場から御意見を伺うことといたしたいと思います。  両先生には、お忙しい中、ありがとうございます。大変恐縮でございますけれども、お 一人それぞれ10分程度で御発言をいただきまして、その後全体で意見交換をしていきた いと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、初めに石川先生よりお願いいたします。 ○石川参考人 初台リハビリテーション病院の石川でございます。最近のリハビリテーシ ョンは随分とわかりやすくなってきたのではないかと思うのですが、リハビリテーション はわかりにくいとか難解だとか、大変そういう評判があります。  お手元の資料の「リハビリテーションについて」をごらんになってください。1ページ の下の図が我々が目指している「リハビリテーション医療サービスの流れ」でございます。 急性期リハ、亜急性期リハ、慢性期リハと3段階になっておりますが、亜急性期は、 「(回復期)」、慢性期は「(維持期)」としてあります。通常、この「急性期」・「回 復期」・「維持期」というのが我々の使っている言葉でございますが、まず、急性期リハ というのはどのようなものかといいますと、いわゆる救急車がどんどん入る急性期病院で 行うリハビリテーションでございまして、早く離床させて早くリハを開始する。つけ加え るのに、感染症や低栄養の予防もしていくというリハが中心であります。急性期病院でこ うしたリハをもっと強化してやってくださるということがねらいにあります。  それから2番目の回復期リハ、亜急性期リハでございますが、これは2000年にでき ました回復期リハ病棟の機能を充実させ、できるだけ早く機能回復・ADLを向上させ、 家庭復帰を推進するものであります。  そして、その後自宅にお帰りになるか、もしくは長期の施設に入るということになるわ けですが、そこで行われるのが維持期のリハビリでございまして、在宅では生活機能の向 上、自立生活の推進、介護負担の軽減、QOLの向上を目指しております。また、入院・ 入所では、寝たきり予防・生活機能の向上であります。  こうしたリハビリテーション医療は、医療機能が分化するのと同期して、リハ医療も機 能分化と連携の時代に入っております。  次のページですが、それをもっと大きくとらえますと、「リハ医療サービスの目標」と いうのは、急性期と回復期のリハビリテーションにおいては、できるだけ短い入院期間で 寝たきりを予防して、ADL(日常生活行為)を向上し、家庭復帰を推進することを目標 としています。また、その後の維持期のリハでは、寝たきりを予防し、自立生活及び介護 負担の軽減を支援し、在宅生活のQOLを向上することを目標としております。そして、 大きな意味で「急性期→回復期→維持期」、こうしたリハのシステムが各地域で整備され るということが最も大きな目標であります。  さて、話は変わりますが、その下に「高齢者リハビリテーション研究会報告」、これは 2004年1月に老健局長に提出されたものでありますが、そこに5つの要点が記載され ております。急性期のリハビリが我が国では大変不十分である。長期間にわたり効果のな いリハビリが行われている傾向がある。医療から介護への不連続なシステムが機能してい て連続していない。リハビリとケアの境界が不明確である。そして、在宅のリハビリが不 十分であるという5項目であります。この結果に基づいて恐らく昨年の診療報酬・介護報 酬の同時改定がなされたと考えております。  さて、次のページの上の表でございますが、「リハ医療関連5団体の診療報酬改定要 望」としてあります。リハビリテーション医療関連団体というのは、リハビリテーション 医学会、リハビリテーション病院施設協会、理学療法士の協会、作業療法士の協会、言語 聴覚士の協会の5団体でございまして、その5団体が常時話し合いを持っておりまして、 それで何項目かの診療報酬の改定を要望したところであります。  1番目、リハビリの施設基準が改定されましたが、リハビリの施設基準を総合リハ、疾 患別リハ、基本リハの3段階制とする。2番目、発症から早期の患者1人1日当たりの算 定単位数上限を9単位とする。3番目、入院においては算定日数の上限を疾患別に設定す る。4番目、回復期リハ病棟の適応疾患を拡大し、人員配置を手厚くした病棟を新設し、 2段階制とする。6番目、訪問リハを入院や外来と同様に単位制とし、退院後90日間に 限り、介護保険サービスと同時に利用可能とする。7番目、摂食機能療法は、治療開始か ら90日間は1日1回算定可能とする。8番目、現行以外に、新たな「あん摩マッサージ 指圧師等」による算定システムは組み込まない。  ほかに細かいのが数項目ございますが、メーンはこの8項目でありまして、このうちか なりの数の要望が認められております。ただし、この赤字が認められなかった事項であり まして、特に1番目の「総合リハ」がどうも名前だけのものになってしまい、疾患別リハ と基本リハといいますか、疾患別リハが2段階制になったということ、それから3番目の 算定日数の上限は、入院に限るという要望に関しては、入院・外来を含め、すべてに上限 がセットされたということ。そして4番目は、回復期リハ病棟は従来どおりになって、適 応疾患は拡大したこと。それから6番目は、これは介護保険と医療保険の併用というのは 基本原則に反するということで没になったと聞いております。そして8番目のPT・O T・ST以外の「あん摩マッサージ指圧師等」による算定システムが若干組み込まれてお ります。  そして、こうしたリハに関する診療報酬及び、これは介護報酬も加えてありますが、改 定の要点をその下に示してございます。医療保険は、疾患別リハ施設基準に再編され、疾 患別の算定日数制限ができ、ただし、除外規定が新設されたと。そして、施設基準に関し ては面積規定が緩和され、1人1日当たりのリハサービス提供量は、発症から早い時期は 4から6単位、6から9単位と、1.5倍の提供量に増加した。そして、急性期・回復期 は医療保険で主として見るということで、その下の介護保険でございますが、これは維持 期を見ていくということで、短期集中リハ加算、リハマネジメント加算が新設され、通所 リハは軽度を引き下げ、重度を評価され、訪問看護7という、訪問看護ステーションから 理学療法士・作業療法士等が訪問するものはあまり積極的に行くなということで、病院、 診療所、老健施設から理学療法士・作業療法士の訪問を積極的にするようにということで 通知がありました。  そういうことでございますが、次のページ、改定前後におけるリハサービス量を比較い たしますと、その図のようになります。左側から、急性期から回復期、維持期へと右の方 に移っていきますが、改定前は、急性期、回復期の段階で1日1人頭2時間のリハサービ スが上限でございました。そして、改定後は3時間に増えましたので、大変量的にたくさ んできるようになりましたが、日数制限が強化され、若干短い期間で行うというふうにな りました。  そして、改定前、この2時間のリハが終了した後ですが、介護保険のリハビリといわゆ る在宅では外来のリハビリ、つまり、医療保険のリハと介護保険のリハと同時に特に制限 なくできたわけでありますが、これが随分変わりまして、介護保険のリハに関して短期集 中リハというのが退院・退所直後には訪問と通所、そしてその後通所に関しても短期集中 ができるというふうに改められ、外来におけるリハビリテーションは算定日数制限のため に比較的行われにくくなったわけであります。  さて、その下でございますが、「リハ医療サービスの保険制度上の特徴」でございます。 リハ医療サービスは、医療保険と介護保険の両方にまたがっている医療サービスで、そう いうサービスはあまりほかにはございません。強いて言うならば、訪問看護などがそれに 該当いたします。そして医療保険、介護保険それぞれ異なった施設基準、報酬体系で対応 して、大変複雑になっております。そして、今までは在宅においてはこのサービスがとも に利用可能であったということであります。そして、問題は、医療保険と介護保険のリハ 医療サービスの整合性に関して、この複雑さをもう少しシンプル、明快にできないかとい うことでの検討の必要があるかと考えております。  さて次は、介護保険ができた当初の話にさかのぼりますが、介護保険制度は2000年 にできたわけでございますが、そのときに「リハビリテーション前置主義」という言葉が 随分と使われました。これは、医療保険のリハ医療サービスにより、可能な限り自立もし くは要介護状態を軽減した上で介護保険のリハ医療サービスを利用する仕組みを構築すべ きである。そうしなければ、要介護度の高い方がどんどん介護保険になだれ込んでいくと いうことになりますので、大変効率もよくないと考えるわけでありますが、また2番目に、 介護保険サービスを利用するときも、要介護度を改善もしくは維持するために必要なリハ 医療サービスは、他のサービスに優先的に利用できる仕組みを構築すべきである。こうし た考え方が「リハビリテーション前置主義」と言えると思いますが、なぜ前置主義が必要 かというと、この2点を整備することによって要介護者の増加を抑制でき、介護保険財源 の安定化に貢献できるからと考えます。  さて、こうした「リハビリテーション前置主義」が確保できたのかどうかでございます が、実際にはどうもリハ前置主義は形骸化しているような傾向もございます。しかし、今 回の診療報酬・介護報酬の同時改定では、医療保険で4単位が6単位、6単位が9単位と いう、発症から比較的早い時期に1.5倍のサービスを提供するというのは、まさしくこ の「リハビリテーション前置主義」に合致した形でございまして、要介護状態を軽減した 上で介護保険に移行するという措置が図られたと考えます。また、介護保険サービスを利 用する際に必要なリハサービスを他の介護保険サービスに優先して提供可能とすべきでは ないかということは、そういう仕組みが現在ない状況で、介護保険を使うときにどうして も身辺のお世話、つまり日常生活の世話やホームヘルプサービス等々に介護保険サービス がたくさん利用されてしまって、その支給限度額いっぱいになってしまう。そこでリハが なかなか利用されにくくなっている構造があるということで、知らないうちに要介護度が どんどん高まるという傾向もあるという印象を持っております。  以上でございます。 ○遠藤部会長 石川先生、ありがとうございました。  それでは引き続きまして、里宇先生、お願いいたします。 ○里宇参考人 慶応大学の里宇と申します。私の方は、最初にリハ医療を理解するための 3つのキーワード、それから今回の診療報酬改定で評価できる点、現在問題になっており ます算定日数上限問題について発言させていただきます。  最初に、2枚目のスライドですが、「リハ医療を理解するために」ということで、3つ のキーワードが重要だと考えております。1つは「障害」という言葉で、2つ目が「予 防」、3番目が「挑戦」で、一番最初の「障害」というのは、リハビリテーション医療と いうのは障害の診断・評価・治療を行う医療の一分野であると。これは臓器・疾患だけで はなく、生活機能の障害をシステムとして見ていくところに特徴がございます。具体的な 障害としましては、運動、言語、認知、嚥下、膀胱機能の障害が重要な対象領域となりま す。このような障害に対し、多職種協働で、生活機能・QOLの向上を目指して、包括 的・総合的に対応するというのがリハビリテーション医療です。  この欄外に「運動システム」というのがございますが、例えば運動ということを考えた ときに、きちんと運動できるためには、上にある運動実行系(神経・筋・骨関節系)、エ ネルギー供給系(呼吸・循環系)、それからその方が動く生活環境、これらがうまく機能 して初めて動けるわけですが、例えば脳卒中片麻痺という方がおられたとして、動けない 理由が片麻痺でない場合もある。つまり、心臓が悪くてエネルギーがうまく供給されない ために動けなかったり、あるいはひざが痛くてそれがメーンの原因で動けないということ もある。そういうことで、その疾患について考えると同時に、運動というキーワードでそ の障害を取るためにとられるということが重要になります。  2番目のキーワードが「予防」ですが、リハビリテーション医療というのは、よく後遺 症の治療というふうに誤解されるのですが、実はそうではなくて、急性期から維持期まで、 あらゆる時期において動かないことによる悪循環発生のリスクがございます。その意味で リハビリテーション医療というのは、的確な予測に基づく障害の予防・最小化が一番重要 なことになります。  3番目のキーワードは「挑戦」ですが、これは、医療の高度化・複雑化、それから患者 さん立脚型アウトカム重視の流れの中でリハビリテーションの対象領域というのはどんど ん広がっております。その下のところに骨関節疾患から書いてありますが、昔は骨関節が 主要な対象でしたが、それから脳卒中の中枢神経疾患になって、近年は内部障害(呼吸・ 循環・腎・糖尿等)、それからさらには、がん、複合障害、代謝症候群、それから先進医 療としての移植医療などもリハビリテーション医療の対象に入ってきております。  このように、主要な疾患というのはもちろんございますが、医療の現場では、リハビリ テーションのニーズというのは時代とともにどんどん拡大していって、その今の診療報酬 体系で追いつかないという現状があるということがございます。  次のページに参りまして、それでは、リハビリテーションの治療というのはどういうふ うに行われるのか、大きく分けると、機能障害に対するアプローチと、それから代償的ア プローチに分けられます。前者は、麻痺そのものの回復、あるいは認知機能の回復、骨関 節機能の回復で、これができれば患者さんにとっては非常にいいことなのですが、必ずし も全部戻るわけではない。そういうことで、次の代償的アプローチも非常に重要ですが、 これは残った機能を活用する、補助具を活用する、あるいは環境を調整するということに よって機能を発揮するというアプローチです。このような両方のアプローチがバランスよ くマッチして、さらに疾病自体の治療、それからリスク管理ということをきちっと行って、 リハビリテーションチームで患者様の生活機能・QOLの向上、社会参加を目指すという のがリハビリテーション医療の治療になります。  その次のスライドで、18年度改定で評価できる点ということで、これは何といっても 早期リハが充実したということは素直に評価すべきことだと思います。石川先生からもご ざいましたように、発症後早期の単位数上限緩和とか、療法士1日当たりの可能単位数の 緩和等のことによって早期リハがやりやすくなっております。  その右の方に慶応病院でのデータをお示ししておりますが、横軸が年度で、縦軸は平均 在院日数と年間のリハの実施件数です。見ていただくと、在院日数がどんどん下がって、 実施件数はどんどん増えていますが、両者には負の相関関係がございます。つまり、早く 帰るためには多くのリハをやらなければいけないということが読み取れるわけですが、特 に2005年から2006年を見ていただきますと、赤で示したリハ実施件数は、今まで の増加よりもまた大きなカーブで増えております。これはいろいろな要因があると思いま すが、今回の改定で早期リハが促進されたということも一つのあらわれではないかという ふうに思っております。  次に参りまして、現在問題になっております算定日数上限についての基本的な考え方で すが、限られた資源ですので、むだを省いて効果的なリハを効率的に提供するということ が重要だと考えております。ただし、必要な患者さんがリハを適切に受けられることを保 障するということが公平性の原則からも不可欠だと思います。もし制度上、そのようなリ ハが受けられない患者さんがいるとしたら、それは早急に改善すべきだというふうに思い ます。  そのような観点から、スライドの6のところで、今患者さんというのは、この制度の中 でどのように分けられるかということをシェーマとしてあらわしてみました。このシェー マの中で、ピンクの部分が制度上リハが受けられない、あるいは受けられない可能性があ ると考えられるグループなのですが、上から見てまいりますと、まずリハが必要か不要か ということで分かれます。リハが必要な場合には、上限の期間内か上限超えかということ で2つに分かれて、上限期間内であればこれはリハできるわけですから問題はありません が、上限超えの場合には、次の3番目のバーで、除外対象疾患か、あるいはそれ以外かと いうことで2つに分かれます。除外対象疾患の場合には、現在の要件としては、改善の見 込みがあるということが必要になっておりますので、それがあるかないかということが一 つの鍵になります。この場合、進行性の神経筋疾患のように、改善が困難な患者さんの場 合にはリハの対象とならないと、このピンクの部分です、という問題が生じてくると思わ れます。  次に、3段目の除外対象疾患外の方ですが、これは基本的には介護保険を利用するとい うことになっておりますが、若年等、あるいは特定疾患に入らないということで、介護保 険の対象外の方がおられます。この方はリハが提供できない可能性が高いということです。 さらにまた、介護保険の対象となる方でも、一番下の段にありますように、介護保険にお けるリハの量とか質の問題で、ニーズに合ったリハを受けられていない方もおられるので はないかと。これはかなりいるのではないかと我々は感じておりますが、そのようなこと で、このピンクの部分が、現在の制度上漏れている方ではないかというふうに認識してお ります。  次のページに参りまして、今のことを少しまとめてみますと、「必要なリハを受けられ ていない可能性がある患者群と対応の方向性」という表ですが、まず最初に、除外対象疾 患から外れている方、具体的には、肺気腫とか一部の心疾患、それから改善の見込みはあ るのだけれども疾患名に載っていない方というのが入りますが、このような方に対しては、 除外対象疾患を拡大するというのが一つ必要ではないかと。ただ、疾患名はいくら拡大し ても漏れるものというのは当然出てきますので、医師が適切に客観的に判断して改善の可 能性ありとなった場合にはリハが提供できるというシステムが患者さんのためには必要で あろうというふうに思います。  2番目の改善困難な疾患、これは進行性の神経・筋疾患が含まれるわけですが、これに 関しては、リハの目的が、障害の進行に合わせて適切にADLとかQOL、あるいはいろ いろな問題を解決するということにございますので、改善見込みという要件を緩和してい いのではないかというふうに思います。  3番目が介護保険の対象外、これは40歳未満あるいは特定疾患外ですが、これに対し ては、現状では医療保険での維持的リハを認めないと救う道がないのではないかというふ うに思います。  最後が、介護保険対象だがリハを受けていない方で、これは介護保険のリハというのも、 随分いろいろとプログラムは出てまいりましたが、やはり短時間の個別プログラムがない、 焦点を絞ったリハがなかなかできにくいという環境がございます。そういう意味では、介 護保険のリハを充実することとあわせて、それが充実するまでの期間、必要なリハを提供 するために、医療保険での維持的リハというものも考えるべきではないかというふうに思 います。  以上が、算定日数に関する問題です。  最後に、「今後、検討が必要と思われる課題」ということで、今回は算定日数が焦点で すが、そのほかにも、こうなったらよりリハ医療はよくなるのではないかと思われること をそこにリストアップしてみました。1つは疾患別のリハ体系で、これは疾患別に分ける ということは、それなりにプラス面もあるのですが、例えば複合疾患とか、その疾患別に 入らない新しいニードで出てきた患者さんには対応できないという問題もあるので、石川 先生もさっき触れられた総合的な対応ができる体制というのも並列して必要ではないかと 思います。  あと、それぞれの疾患別に細かいところでは幾つか問題が現場で指摘されておりますが、 それは表の方に書いてありますので、説明は省略させていただきます。  それから2点目が、回復期のリハ病棟に関してなのですが、現在発症後2カ月で入院と いうふうになっておりますが、その表にある一部の疾患では、急性期から亜急性期に少し 時間がかかって、リハができるようになるまでちょっと時間がかかる方がおられます。例 えば2カ月を1日過ぎてしまうと回復期リハが受けられないという問題がございますので、 特定の状態に対しては、条件をきちっと決めて、少し後でも認める方向が必要ではないか と思います。  また、入院期間に関しても、そこに挙げてあるような状態では少し長くかかる方もおら れるということも検討の課題ではないかと思います。  下から2番目の早期リハ加算、今回廃止されたものなのですが、特に発症後早期の2週 間ぐらいというのは、9単位をやるというのは患者さんの状況からもなかなか難しいです。 それよりも、早期に多くの方にやるという方向性を強調するためには、この2週間に限っ て早期リハ加算というのも必要ではないかと思います。  また、いろいろなところから集団療法の重要性ということも指摘されております。具体 的には、失語症、高次脳機能障害の患者さん、それから糖尿病等の運動療法、呼吸器疾患、 小児、ここら辺は今後の検討課題だろうと思われます。  以上です。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。  ただいまお二人の先生から御報告があったわけでありますけれども、御発言に関する御 質問、御意見、さらにはそれ以前ありました報告書の御報告があったわけでありますが、 それについての御意見等、総合的に承れればと思いますので、どなたでも結構ですので、 どうぞ。 ○土田委員 非常に明快で示唆の多い説明を受けて、どうもありがとうございます。今こ れを聞いてすぐ質問というのは、ちょっときついなと思います。つまりは、もう少し早く 聞いて考える時間があれば、もっといろいろ聞きたいことが整理できたと思いますが、ち ょっと整理不十分なままで質問いたしますことをお許しいただきたいと思います。  この検証部会で行った検証の中で、やはり一番大きな問題は、例えば検−2の5ページ のところでいいますと、下の方の図表9ですが、「これ以上改善の見込みはない」という ところで、介護保険の対象外の人が出てくるという問題が1つ。それからもう1つは、 「身体機能の改善の見込みがある」というけれども、上限が来たので、これ以上医療給付 を受けられなくなっているというところはやはり大きな問題として出てくると思います。 それに関連して、ただいま里宇先生の方から御説明いただいた7番目、一番最後のページ の上の方の図ですが、これはどういった対応の方向性があるのかということで、具体的な 方法を提示していただいているので非常に参考になるのですが、例えば「改善困難な疾 患」のところで、「改善見込み要件の緩和」と書いてございますが、これは今のところ改 善の見込みがあるかどうかということは、特に医療保険の方では要件は提示していないと 思いますが、どうでしょうか。それで、もし提示しているとすれば、それを緩和するとい うことなのか、それとも、今のところはその要件というのは各お医者さんの判断にお任せ になっているのかどうかという、そこのところをひとつお聞きしたいと思います。  それからついでにもう1つですが、下のところで、「介護保険リハの質の充実」、つま り、今までは維持期に入ったということであれば、すぐ介護保険に回すわけですが、とこ ろが介護保険の方では十分な対応ができないケースがあり得るので、そこで医療保険の方 で維持的リハが必要であろうという御発言だったと思いますが、その場合、これは介護保 険に回して、これは医療保険で対応すべきだということがある程度計画に区分して対応で きるものなのかどうかという、その2点をちょっと教えていただきたいのです。 ○遠藤部会長 里宇先生にお答えいただく前に、制度上の「改善見込み要件」がありまし たので、その辺についてちょっと事務局の方からまず説明をしていただきたいと思います。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) ただいまの御質問があった点で、告示の上でど のように書かれているかということですが、除外疾患を書くときに、「ただし、別に厚生 労働大臣が定める患者であって、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医 学的に判断される場合には」という書き方をしてございます。そういう意味では、ここは 改善の見込みがあるということを前提としているということでございます。 ○事務局(唐澤総務課長) 正確に申し上げます。今の基準は、特定の病気の名前をリス トアップをいたしまして、それに限って医師の判断を要件としているということでござい ます。したがって、載っていないものについては医師の判断で延ばすということはできな いと、そういう制度でございます。 ○遠藤部会長 よろしいですか。 ○土田委員 はい。 ○遠藤部会長 それでは、里宇先生、それも含めて、土田委員からの御質問、答えられる 範囲でお願いしたいと思います。 ○里宇参考人 今の改善可能性というのは、現場でもいろいろ悩むところで、何を改善の アウトカムとするのかというあたりについては、一定のものというのは、あるようでない 部分がございます。そういう意味で医師の判断ということですが、それをできるだけ客観 的にするということでいろいろ悩みがございます。  それで、改善可能性ということに少し引っ張られると、これは難しいから、ではやめよ うかという判断で打ち切られるケースもあるのではないかと思います。ここで、先ほど申 し上げましたのは、改善可能性をそもそも要件にすることがそぐわない疾患群がある。病 気があって、それが固定して障害が残るというタイプの患者さんと、病気と障害が一緒に 進んでいくと、そういうタイプの患者さんがおられると思いますが、後者においては改善 の可能性ということはなかなか難しい。ただ、リハビリテーションの意味というのが、障 害の進行に伴ってQOLを高めるということでございますので、そこら辺は十分配慮すべ きではないかと。やはり、進行性疾患ではできないというような感じで現場でとらえてし まうところというのは、例えば障害児(者)リハ料で救済するのですか、いろいろあると は思うのですが、そこら辺の改善可能性に関する混乱が一つあるのではないかと思います。  2点目の御質問の介護保険のリハの問題につきましては、やはりどうしても今制度上短 くて3時間ですか、あと送迎が必須と、そうなりますと、例えば20分なり40分、ちょ っと焦点を絞ったリハのアプローチをすればいい方が、半日あるいは1日過ごさなければ いけない、そうすると、患者さんの方も行く気が起こりませんし、あと、長時間になりま すと、焦点を絞ってある問題に対して、目的を持ってということがなかなかインセンティ ブが働きにくいと。そういう意味では、もちろん介護保険の方でもそういうことが可能な システムができれば、これは医療と介護の区分けというのは非常に合理的だと思いますが、 現状ではそのような問題がございますので、ある程度過渡期的には、医療保険でも短期・ 短時間のリハもできるようなシステムを残していただくと、結果的には要介護度の悪化の 予防につながるのではないかというように考えております。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  土田委員、よろしいでしょうか。  ほかに、調査結果、あるいは事務局が御報告いただいたポイントの中身についてでも結 構ですけれども、何かございますでしょうか。 ○土田委員 これは事務局にちょっと確認させていただきたいのですが、各疾患別に、下 の表がありますが、例えば脳血管疾患の場合、181日以降ですか、この上限後に終了と いうところのあれは、すべて除外疾患だというふうに理解してよろしいわけですか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) 基本的にそうだというように考えてございます。 ○土田委員 どうもありがとうございます。  そのことからいえば、ただいまお二人の先生方からいただいた回答とクロスさせていく と、もしこの身体機能の改善の見込みがあるという人たちに対する対応策としては、一定 の除外要件を緩和するなり、あるいは改善見込みの要件の緩和をするということである程 度対応できるというふうに考えてよろしいでしょうか。これは先生方に対する質問の方が よろしいかもしれません。 ○遠藤部会長 そうですね。制度はどうとでもできる話なわけですから、現場としてはそ のような対応の方が今のような問題解決にはいいのかどうかという、そういう御質問だと 考えてよろしいですね。  では、里宇先生。石川先生、もし御意見があれば、そのことについてもお伺いしたいと 思います。 ○里宇参考人 現場の臨床の立場から申しますと、きちっと判断した上でですけれども、 その判断のある程度の余地があった方がいいと。そういう意味で、除外規定疾患というの は確かに一つの考え方なのですが、どんなに除外疾患を挙げても漏れるものというのは必 ず出てきます。その漏れた場合にどうするかというときに、その方がもし本当にリハを必 要としていた場合に、現状では救いようがないです。そこら辺に関して、先ほど医師の判 断ということを申し上げたのは、やはりこれもあいまいな判断ではだめだと思いますけれ ども、きちっと見て、この方はやることによってプラスになると判断された場合には、そ れもそのリハを上限日数を超えても継続できる一つの根拠にしていただきたいと思います。 臨床というのは、患者さんを診て、その状態からどういうことをしたら一番いいのだろう というのを考えるというのが臨床ですので、そこの余地が少しあるといいなというのが 我々の気持ちです。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。 ○土田委員 すみません。その余地というのは、これは診療報酬で対応する場合に、除外 規定であればある程度対応が考えられるかと思いますが、お医者さんの判断に対してある 程度アローアンスを設けるというのはかなり難しいと思うのですが、具体的にはどういう ことが考えられますでしょうか。  あるいは、例えばこの疾病に関してはある程度お医者さんの判断がゆだねられる、この 疾病を限ってしまうとか、あるいは何かそういう判断基準みたいなものがございましたら 教えていただきたいのですが。 ○里宇参考人 一つは、我々医療現場の者も、改善可能性ということを客観的に示す、何 らかのそういうことは、例えばレセプトにおいても症状詳記ということは、リハに限らず ほかでもよくやりますけれども、それはこうこうこう入れて、こういうことが必要だとい うのは詳しく書くということですが、それがいいのかどうかというのは現実的な問題もあ ると思いますが、何らかの客観的な指標、これはADLでも、あるいは筋力でも、可動域 でも、要するに、血圧をはかるのと同じように、リハビリテーションにおいてもいろいろ な機能というのは測定しておりますので、ただ、それを一つのものに決めるということは、 疾患も多様ですし障害も多様ですので困難ですが、それぞれに応じてある程度スタンダー ドになっているそういう指標をきちっと示した上で医師の判断というのを尊重していただ くという方法はあり得るのではないかと思います。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  よろしいですか。 ○土田委員 そういうものは、今回改定を行って、それでまた来年改定を行うわけですけ れども、暫定的にすぐ出てくる場合と、それから次期の改定に合わせて検討すべき課題と 一応分けて対応していかなければいけないと思っていますけれども、そういうお医者さん の判断にゆだねるというところがすぐ出てくればいいのですが、なかなかそれが基準とし て難しいということであれば、もし1年ぐらい先であればかなり学会としても対応できる というふうに考えてよろしいのでしょうか。それとも今すぐできるというふうに考えてよ ろしいのでしょうか。 ○里宇参考人 先ほど、どのくらいの数かということは、今回の調査も踏まえてだと思う のですが、やはり、リハの恩恵を受けられていない方が一定の数おられるというのは厳然 たる事実です。それに対しての対応は急ぐべきだと。そのときに、先ほどの医師の判断の どのぐらい緊急性を持ってということなのですが、結局、保険の仕組みの方としては、な るべくきっちり決めてというのはよくわかるのですが、ただ、医療自体がかなり柔軟なも のなので、そこの判断の余地があるということが、そういう患者さんに対して恩恵を与え られるという側面もかなりあるのです。だから、その妥協点というのか、要するに、制度 上合理性があって、でもかつ臨床的にも必要な人には速やかに提供できる、そういうこと というのは考える必要があると思います。もしそれが早急にということでありましたら、 それは我々の学会だけではなくていろいろな関連するところも含めて早急に検討するとい うことは可能だろうと思います。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○土田委員 せっかくですので、ちょっともう1つ。これは直接今回の調査に関連すると いうよりも、もう少し基本的な問題になるのですが、今回の改定のところでは、その上限 日数を定めるどうのこうのと、あるいは介護保険との関連性ということが1つ新しい仕組 みが出てきたわけですが、もう1つ、従来の診療報酬改定を疾患別に分けたということが 非常に大きな改定としてあったわけでございますけれども、石川先生の資料の3枚目の上 の方、4番ですが、そのリハの施設基準を、疾患別リハ、基本リハのところはいいのだけ れども、総合リハが抜けているという御指摘がございました。これがもう一つイメージが はっきりしません。疾患別に分ける前は総合リハというのは設けていたと思いますが、疾 患別に分けた段階で総合リハは一応疾患別だからということで除いたわけですけれども、 この場合の総合リハというのは、これは次回の検討課題としてお伺いしたいのですが、ど ういうことが必要だというふうに理解したらよろしいのでしょうか。 ○石川参考人 大きく2つの意味がございます。1つは、全疾患、どんな状況でも見るこ とができるという、極めて重装備型の総合リハ、これは従来の総合リハがそうだったと思 いますけれども、そういうイメージで、これは大変規模の大きい病院でとっている総合リ ハのことを意味しております。  もう1つは、大変小規模なところ、例えば診療所でございます。例えば診療所がすべて 疾患別のリハに区分されると、脳卒中の方は運動器リハの施設基準を持っているところに は対応できないわけです。つまり、非常に門を狭くしてしまったのが今回の改定なのです。 ですから、非常に小規模の総合リハというものがあるべきだろうという主張の、その2つ でございます。 ○土田委員 非常によくわかります。どうもありがとうございました。 ○遠藤部会長 よろしいですか。ほかの委員の方、ございますでしょうか。  では、お考えになっていただいている間に、私の方から1つ。本日は、報告書で見られ ますように、報告書の結果を事務局の方でまとめたわけでありますが、要するに、身体機 能の改善の見込みがある人数を、リハビリテーションの種類によって幾つかここで書いて あるわけであります。このような数値ですけれども、これは御専門のお立場から見ても、 大体こんなものかなという、その辺のところをお伺いしたいと思います。つまり、この調 査の代表性というか、そういうことをお聞きしたいわけであります。具体的には、調査の ポイントの上から2つ目でありますけれども、これでは終了時点で「身体機能の改善の見 込みがある」と、つまり、医療的なリハが必要なのに終了しているというケースが心大血 管疾患及び運動器リハについては1割弱と、それ以外については2〜3%だという調査結 果でありますけれども、この数値についていかがでしょうかということです。 ○石川参考人 私は、ちょっと数字が少なかったのではないかなという印象を持っており ます。実は、これは本当に裏話的な話になってしまうので、もちろん文章には書いてあり ませんが、今までも実は医師と患者さんの間で算定日数制限みたいなものがあったわけで す。というのは、どうやって決めていたかといいますと、ともかく、例えば理学療法士が 10人いると、10人しかいないというときには、1人の理学療法士が1日にできる患者 数は決まっておりますので、単位数が決まっておりますので、枠が決まってしまうわけで す。したがって、それ以上の患者さんがどんどん新たに発生してくれば、誰かを打ち切ら なくてはならない、そういう宿命をずっと抱えています。ですから、この方は今6単位や った方がいい、9単位やった方がいいといっても、実際にその人1人に9単位やってしま えば、あぶれてしまう患者さんがドッと大量に出てくる、そういう構造をリハの内部に持 っているわけです。したがって、非常に長期になって、もうこれ以上はという人は席を譲 ってほしいという説明をして、新たな人を受け入れるということを実はやっているわけで す。  ですから、純粋に「身体機能の改善の見込みがある」といったときに、その定義が非常 にファジーですから、ある人は、もうこれ以上改善がないと言うし、あるドクターは、い や、まだいいのではないかと言う人も出てくるし、データのとり方によって非常に正確に は出にくいと思うのです。そういう意味で、印象としてはもう少し多いかなという印象は 持っていました。 ○遠藤部会長 里宇先生、いかがでしょうか。 ○里宇参考人 非常に難しいところなのですが、今回回収率が30%弱ですね、そうしま すと、回答した施設の属性、患者さんの属性ですよね、そこらが、送ったけれども回答し なかったところとどう違うのか。例えばクリニックが多いとか、大規模病院が多いとか、 そういうことによってもデータの解釈というのは随分変わってくると思います。そこら辺 の前提なのですけれども、私も石川先生のお話と同様に、やや少ないかなという感じはい たします。ただ、いろいろ今の新聞報道等で、どこどこの県で上限を超えた患者さん、打 ち切られた患者さんが何人というのはよく出ていますよね、そういう数字をちょっともと にして、そこにあるリハビリができる医療機関の数と、それから脳卒中であれば3カ月ぐ らいのサイクルということで、トータルどのぐらいいる患者さんのうちのこのぐらいの割 合なのかなということを推定してみますと、大体20%前後になるのです。それは非常に 粗い推定ですからかなり誤差があると思いますが、でも我々の印象としても、20%より 大きく超えるということはないのではないかと思います。だから、この数字から20%の 間のどこらかあたりにあるのかなと。これはもう本当にきちっとした調査を、いろいろな 制約を踏まえてやらないと出ないことだと思います。  あと、その医師が勤務しているセッティング、例えば大学病院と地域の病院、これはも う全然違います。大学病院では、上限超えの人というのはほとんどないです、急性期に特 化しているということで。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  それでは、ほかの委員の先生方ございますでしょうか。 ○白石委員 1つだけ、医療保険によるリハ終了後介護保険を御紹介するかどうかという ところで現場の先生方にお伺いしたいのですが、その状態維持のためにリハ継続が必要と なると現場では介護保険にお願いするということなのですけれども、現実にそのような患 者さんがいらっしゃったときに、医療現場では実際にはどのなような対応がなされている のか、お教えいただけたらと思います。 ○石川参考人 現実に介護保険のサービスを随分と紹介しております。ただ、介護保険の サービスを紹介するときに、その相手先のリハビリのファンクションが、やはり先ほども 里宇先生がおっしゃったように、例えば歩行機能とか、手の機能とかというところに集中 してマンツーマンでしっかりと訓練をやる体質がないところが多いのです。そこで実際そ ういう紹介をしても、いや、あそこは勘弁してほしいと言ってやめてしまう。例えば通所 リハビリテーションは、今現在利用者、83%が6〜8時間コースを利用されています。 つまり、1日お預かり、日中お預かり機能がほとんどでして、そんなに私は行きたくない、 1時間とか40分の集中リハをやりたいのであって、残りの7〜8時間、6〜7時間は勘 弁だと言う方がたくさんいらっしゃるわけです。そういう方をそういう通所リハに申し込 むと、うちは6〜8時間コースしかやっておりませんのでと言うと、そこでミスマッチが 起こるわけです。そこで介護保険の御紹介をしても、残念ながら本人が拒絶してしまう。 そうすると、医療保険、何とかもっと続けてもらえないのかという要望にすり変わってし まうということがあります。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  ほかによろしゅうございますでしょうか。  どうもありがとうございました。御専門の先生方の御発言があったがために、大変有意 義な議論ができたというふうに思っております。本日はどうもありがとうございました。  本日ちょうだいいたしました料先生の御意見を踏まえつつ、今後当部会として検証結果 の取りまとめを行ってまいりたいと考えております。  石川先生、里宇先生におかれましては、大変お忙しい中、本当にありがとうございまし た。  さて、本年度当部会として実施することとしております特別調査5項目につきましては、 これで一通り速報までは完了し、今後本報告とあわせて総会へ御報告するということを予 定しているわけでありますが、ごらんいただきましたとおり、「リハビリテーションに係 る調査」に関しましては、速報値ではありますが、一部に疾患によっては継続を続けるこ とによって身体機能が改善することが見込まれるという事例があるということがわかりま したし、また、今回の議論の中でも、そういう問題については重要であるというような内 容の御発言が多々あったということでございます。  したがいまして、全体としては大半の方が上限日数前にリハビリを終了しておりまして、 おおむね制度はうまく働いているとはうかがえるものの、今申し上げました点につきまし てさらにきめ細かく対応して、よりよい仕組みを考えるべきではないかという御意見が十 分あったというふうに思われます。  そこで、委員の方々に御提案させていただきたいのですけれども、この「リハビリに係 る調査」の速報につきましては、他の調査とは切り離す形にしまして、早急に中医協にお いて今後の対応等について御議論をいただくようにしたいと思っておりますが、いかがで ございましょうか。よろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  それでは、早速次回の中医協で私の方から内容につきまして報告をしたいと思いますの で、よろしくお願いいたします。  本日予定しておりました議題、以上のとおりでございますけれども、ほかに何かござい ますでしょうか。  特にございませんようでしたら、私の方から1点提案をさせていただきたいと思います。 前回の当部会におきまして、平成19年度特別調査8項目について実施することが了承さ れたわけでありますけれども、この際、「後発医薬品の使用状況調査」も、今年度に引き 続いて調査してみてはどうかという提案をさせていただきたいと思います。  平成18年度に実施しましたこの調査の結果では、「後発医薬品への変更可」というと ころにマルがしてサインがしてある処方せんのうち、実際に薬局の方で後発医薬品に変更 して調剤した割合が5.7%しかなかったという結果でありました。しかしながら、今回 の改定の趣旨であります後発医薬品の使用促進を見るためにも、やはり初年度だけではな かなかその実態が把握できないということでありますので、その後の調査も観察したいと いうことが重要なのではないかと思っておりますので、19年度調査でも特別調査の中に また同じ調査、若干中身は変わるかもしれませんが、同じ趣旨の調査を追加するという形 にしたいと思っておりますけれども、いかがでございましょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤部会長 よろしゅうございますか。したがって、19年度調査は特別調査が1つ増 えるという形になりますけれども、では、そのように対応させていただきたいと思います。 ありがとうございます。  それでは、この件につきましては、事務局の方で実施に向けた準備をお願いしたいと思 いますので、事務局の方、よろしくお願いいたします。  それでは、本日の議論はこのあたりとしたいと思います。  なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡をいたしますので、よろしく お願いいたします。  それでは、本日はこれにて閉会したいと思います。どうもありがとうございました。     【照会先】      厚生労働省保険局医療課企画法令第1係      代表 03−5253−1111(内線3288)