07/03/09 医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会平成19年3月9日議事録 医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会議事録(第2回) 日時  : 平成19年3月9日(金)       14:00〜16:00 場所  : 厚生労働省専用第15会議室 (7階) 出席者 : 相川委員(部会長)・相澤委員・飯沼委員・池ノ上委員・      木下委員・土田委員・橋本委員・福田委員・別所委員・      前川委員・松村委員・三浦医学教育課長(文部科学省高等教育局)  (事務局)松谷医政局長・栗山医事課長・小澤医事課長補佐・井内医事課 長補佐・天童試験免許室長・赤熊試験免許室長補佐・渡試験免許 室試験専門官・他 ○赤熊補佐 ただいまより「医師国家試験改善検討部会を開催いたします。 委員の皆様方にはお忙しいところを、当改善検討部会にご出席いただき、あ りがとうございます。本日は、永井委員と名川委員がご欠席との連絡を受け ています。それでは相川部会長、進行のほうよろしくお願いいたします。 ○相川部会長 まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。 (資料確認) ○相川部会長 議事に入らせていただきます。本日は、当改善部会の報告書 (案)について議論していきたいと思います。4回にわたるワーキンググル ープでの議論を踏まえて、事務局と私とで整理した報告書(案)を事前に委 員の皆様にもお示しさせていただきました。それについて皆様から出された ご意見を反映し、再度修正しましたので、これを基に議論をしていきたいと 思います。大項目ごとに検討していきたいと思います。まず、報告書(案) の前文、「はじめに」と「基本的な考え方」について、事務局から読上げてく ださい。 ○渡専門官 (報告書案「はじめに」、「基本的な考え方」を読み上げ) ○相川部会長 まず、この2つの項目部分についてご議論いただきたいと思 います。すでにこの部分はワーキンググループでもお示しし、ご意見をいた だいて、多少「てにをは」等を修正してある部分ですが、さらに推敲を進め たいと思います。ご意見ございますか。  確認ですが、はじめのところの4行目の「医師国家試験制度改善委員会」 という委員会と、「医師国家試験改善検討部会」、これは上下の関係にあるの ですか。 ○渡専門官 当時の名前がそのようになっております。 ○相川部会長 当時の医師国家試験制度改善委員会というものが、現在では 医師国家試験改善検討部会に名称を変更しているということで、よろしいで すか。 ○渡専門官 はい。 ○相川部会長 まず、はじめにの2つのパラグラフですが、これはよろしい ですか。すでに何回かお示ししています。  基本的な考え方についてです。4つのパラグラフで適用の時期が書いてあ るわけですが、背景ということ。これもすでにお示しはしていました。いく つか細かいところではご意見をいただき、このように小さな修正が加わって 本日に至っています。第1、第2パラグラフのところなど、いかがですか。  「改善に当たっては」という第3のパラグラフは、いかがですか。これは 特に、一連の医師養成過程を見通した長期的視野を持つことを含め、今回は 特にこの検討部会の報告書の中にはこの辺のところが随分強調されて、今ま でと違ったところの1つだと思います。委員の方のご意見でも、複数の方か らそのようなご意見が強く出ていたと思いますが、よろしいですか。  最後の、今後の医師国家試験ではと、これは今までのスタンスをさらに一 層充実するということですが、よろしいですか。  (了承) ○相川部会長 そうしましたら、ここでの修正なしに、今までの修正意見を 加えた報告書ということで、この2項目についてはこのようにさせていただ きます。また後から見て書き直したいということがありましたら、どうぞご 意見をいただきたいと思います。 続いて、1の医師国家試験問題についての項目を読上げてください。 ○渡専門官 (報告書案「1.医師国家試験問題について」を読み上げ) ○相川部会長 まず全体のことでコメントをしたいのですが、この1と、そ れからこの後で検討する受験回数制限について、この2つが今回の報告書の 2本の柱になっています。1の大項目のタイトルをいろいろ考えてみたので すが、今は仮に、「医師国家試験問題について」という大項目になっています。 それが(1)ではペーパーテストの出題内容について、(2)ではその出題数・ 出題形式について、(3)では合否基準について、(4)ではペーパーテスト のプールについてということで、(5)が今度はペーパーテストではないOSCE についてとなっています。  最初の検討では、「医師国家試験内容について」という大項目タイトルがつ いていたのを、このように変えました。また、ペーパーテストの部分とOSCE との部分が、この大項目の書き振りでいいのか、それとも(1)・(2)・(3)・ (4)をペーパーテストという形で一まとめにし、(5)はOSCEとして、受 験回数制限の前に項目立てするのがいいのかということもあるかと思います。 これは単に項目立ての問題ですので、その辺も含めて検討したいと思います。  まずペーパーテストのところを中心にご議論をいただきたいと思います。 すなわち(1)出題の内容は、4年に1回の改善検討委員会では、かなり具 体的な指示が出てきています。それから出題数と形式、合格基準。もう1つ テーマが変わってプールのことです。まずは内容、形式の2つについて議論 していきたいと思います。当然これは合格基準にも関連はするわけですが、 そういう形の議論でよろしいですか。  それでは(1)出題内容について、いかがですか。これも何人かの先生か ら、さらに修正ご意見をいただいています。特に第3パラグラフのところ、 必修問題についてですが、いろいろな方のご意見で、この2行のような形に 集約されたわけですが、いかがですか。 では、第1、第2パラグラフについてはよろしいですか。これも今回は、ご 意見を伺った後の大幅な修正はないのですが、第1パラグラフ、よろしいで すか。これは、4行目の「また」のところは少し順番を入れ替えました。す なわち「診療録の記載、チーム医療」というのが先にきて、それから「医療 面接、患者の問題点を適切に」というところは、順番を入れ替えています。 診察の順序のとおりに、この4つの項目の順番は入れ替えました。第1パラ グラフはよろしいですか。                  (了承) ○相川部会長 第2パラグラフは2つに分かれています。「がん対策基本法の 制定等を踏まえ」、これもご意見をいただいたことをそのまま書いています。 「悪性腫瘍に」という、かなり特定していますが、これを充実しろというと、 受験生のほうは今度からがんのことをさらに一生懸命さらに勉強するという ことにもなりますが、これは法律が制定されたということを踏まえてという ことです。またご意見いただいたように、いくつかの新しい感染症等が社会 的な大きな影響を与えることもあるということから、さらには終末期医療と いうところも社会的な要請事項ということでした。皆さんからいただいたご 意見が、反映されて書かれていると思います。また多少内容は違いますが、 倫理・人権、医療安全、健康被害というようなものもこれまでどおり配慮す る。一般教養という問題について、これはなかなか具体的には書きにくいわ けですが、このようなご意見であったかと思います。第2パラグラフは、よ ろしいですか。                   (了承) ○相川部会長 第3パラグラフ、必修についてはすべての医師に求められる 基本的事項です。必修に関してはプライマリ・ケアというような視点から、 今までも必修問題がそういう位置づけにあったわけですが、何人かの先生か らのご意見でこのような文章としています。 次のパラグラフが、新たなニーズ等に対応して拡大を図る。ガイドラインで どんどん新しい項目が増えてきますと、受験生も大変なので少し整理をしよ う、臨床上の頻度といいますか、重要性といいますか、これが少なくなった ものに関しては「削除」という言葉も問題なので、少し整理をし、入れ替え るという意味もあるのです。そのようなことで、「整理」という言葉を今回は 使いました。  それから永井委員からもご意見いただいた基礎的な計算力というのですか。 暗算で点滴の濃度とか、薬の量を間違えてしまったりするのは、本当に基礎 的なものができないということもありました。これをどのように反映するか と、このような書き振りになりました。また「国際性等」、言葉をさんざん考 えたのですが、国外の医療についても通じることなのか、大事なエビデンス の英文論文などもすぐ読めるような能力というようなこともあるのか。そう すると英語の試験ということにもなってしまうということもあります。また 外国人の患者さんが来たときにもある程度対応できるようにするのかという ような、いろいろなご意見があったと思います。それを、「国際性等も重要」 ということに置き換えて、具体的な何かということはここでは特定はしてい ません。このような書き振りでよろしいですか。  (了承) ○相川部会長 ありがとうございます。次の出題数の形式ですが、基本的に は現在の出題数ということで。この参考資料に、94回までは320題、筆記が 2日。95回からは500題、筆記が3日となっています。基本的には、現在の 500題です。特に、前も強調されましたが、問題解釈型、問題解決型を引き続 き十分出題する。形式については多少踏み込んでご意見もいただいたと思い ます。5肢に対するAタイプとXタイプは基本的に維持しつつ、今回新しく 踏み込んだところは、5肢の出題にとらわれない多選択肢での出題が適切で ある場合は、これにとらわれないで出題する。これもご検討いただき、いく つかのほかの試験ではそのようなこともあるということです。テクニカルに も問題ないというご意見でした。これは今回新しいところだと思います。5 肢にとらわれる、あるいはX2にとらわれることによって、なかなか問題を 作りにくいということもありますということで、よろしいですか。  今回のシステム変化も踏まえて、適切な形式で、出題数について継続的に 検討していく。 ○木下委員 出題数についての継続的な検討は、出題数について増やすのか 減らすのか、両方の可能性があるということですね。 ○相川部会長 いいえ、出題数については、引き続き500題を維持すること が望ましいということです。 ○木下委員 後段の「継続的に検討していくことが望ましい」という表現に ついてです。 ○相川部会長 そうですね、これは両方あり得るということなのでしょうけ れどもね。ここでは、どちらにしろというご意見は特に出ていませんでした。 よろしいですか。これは継続的な検討で、出題数は将来的には増やしたらい いのか、あるいは減らしたらいいのかということは継続的に検討する。今回 は、差し当たって500題を継続するということです。  (了承) ○相川部会長 ありがとうございます。飯沼先生、どうぞ。 ○飯沼委員 2頁の2番目のパラグラフの、「新興・再興感染症」の後、「輸 入感染症」になっていますね。輸入感染症は、たぶん新興・再興感染症に入 ると思うのです。ここは、人獣共通感染症がいいのではないですか。 ○相川部会長 なるほど。確かにそういうクライテリアもありますが。 ○飯沼委員 エキノコックスみたいなのは、あれは元々日本にあって、その キャリアのほうが動くだけですからね。だからそういう病気まで考えると、 輸入は前の言葉に入れて、人獣とか。それを含めてしまうと新型インフルエ ンザでも、あれはトリですから、アヒルとかそういうことになりますから、 獣がいいかどうか分かりませんけれども、そういう言葉に替えられたほうが いいのではないですか。 ○相川部会長 というご意見ですが、いかがですか。 ○松村委員 これは輸入感染症はそもそも狂犬病のようなものをですね。 ○飯沼委員 狂犬病は新興・再興感染症ですから、元々あるのですから。 ○松村委員 いや、元々あるわけですけれども、日本にはなかったわけです ので。 ○相川部会長 しばらくはね。 ○松村委員 したがって外から入ったという意味では、輸入感染症というの が望ましく、新興・再興ではなくてずっと、国外的にはずっとあるわけです から、やはり新興・再興感染症とは言えないと思うのです。国外ではずっと あるわけなので、これはやはりあくまで輸入、国内にはないと思っていたけ れども。 ○飯沼委員 いいえ、イヌは輸入できないのです。 ○相川部会長 私もたまたま感染症関係を専門にしているものですから。確 かに先生のご意見もあるのですが、いま松村先生のように、狂犬病がいくつ かの外国では通常あるのです。ずっとありますから、これは新興でも再興で もないのです。新興・再興というタイトルは、世界的に見て新興になってい るか、再興になっているか。我が国において新興・再興ではなくて、世界的 に見て、新たに興ったマールブルグ病とかそういうもの、あるいは1回抑制 されてきて興ってきたもの、これが世界的に見て新興・再興であって。です から狂犬病というのはある国では新興でも再興でもないのです。ところが日 本ではしばらくなかった。ずっとなかったのです。だから、狂犬病は日本に とっては新興・再興なのです。我が国にとっては再興という言葉もあるので すが、新興・再興感染症というのは、主に世界レベルで見て、新興してきた か再興してきたかという定義になっているのです。 ○飯沼委員 それ、よく分かりますが、これをお考えのときは、インドネシ アの狂犬病の話があって、これを入れられたのですか。 ○相川部会長 狂犬病などがそうということです。 ○飯沼委員 でも、狂犬病はヒトが、ヒューマン・ヒューマンの感染はない わけですから、かじりつかない限りはですね。だから、要するに狂犬病の犬 は日本へは持ち込まれないわけですからね。それは法律で決まっているでは ないですか。 ○相川部会長 2種類ありまして。例えば、ある国に旅行して咬まれて、そ の人が来日する。それからもう1つは、輸入物品中に、例えばコウモリとか そういうモノに混って入ってくるというような、狂犬病はいまはイヌだけで はないのです。ですからそういうものが入って、それを総称して、新興でも 再興でもない、世界的にまだ一部の地域に残っているけれども、日本におい ては一度なくなってしまった病気が、ヒトとか物とか動物とかの運般によっ て入ってくるのを、輸入感染症と言います。その中で、確かに重要なことで、 感染経路として人間以外の動物にあるものが人間にうつるということは、い わゆる人畜共通ということもあるわけですが、それはこの新興・再興輸入と いうものと、それから感染のメカニズムとは別の分類になってきます。その 辺のところが、輸入は必ず人畜共通だということでもないのです。これは感 染経路で分類するのか、メカニズム、いわゆる宿主ですか。宿主として、あ るいは中間宿主として分類するのか、それとも世界レベルでその感染症を分 類するのかによって、一応この文章を作りました。ですから国際的な疫学的 なレベルで分類するのか、それとも感染のメカニズム、その宿主としての考 え方で人畜共通と分類するのかによるのかと思います。ですから、輸入とか 新興・再興はかなりオーバラップしているのです。 ○松村委員 忠実に言おうとすると、なかなか難しいところもあると思うの ですが、終末期医療等への配慮など、というふうに「など」が2回出てきて、 そんなものかなというふうに思っていたのです。 ○飯沼委員 でも検疫法で、怪しい動物は日本へ入れること出来ないのです からね。 ○相川部会長 ですから、例えば狂犬病にしても、日本で咬まれるのではな いのです。外国に旅行に行った人が咬まれて、発病する前に帰国する。他人 にうつらなくても、その人を治療した経験がないと困る。ついこの間もあっ たのですが、ある国に旅行した方が。 ○飯沼委員 それは先生、感染症とは言わないですよ。うつらないのは感染 症ではないもの。 ○相川部会長 でも、狂犬病は感染症でしょう。 ○飯沼委員 ヒューマン・ヒューマンがなかったら、人間の国家試験に出す ことないでしょう。獣医の国家試験をやっているのではないもの。 ○相川部会長 ですけれど、犠牲者は患者さんなのですね、感染症の。 ○飯沼委員 患者さんも犠牲者で。 ○相川部会長 その人を診断治療しなければいけない。 ○飯沼委員 これ、輸入感染症と言うのですか。 ○松村委員 ええ、輸入感染症です。 ○相川部会長 そうなのです、それを輸入感染症。今はそうですね。 ○松村委員 それで、あと全部ワクチン接種ですのでね。関連者50人に対す るワクチン接種をしておりますので。関係者、だから看護師さんとかいるの に50人にうつらないということは言えないので。それは法律的にもどれだけ の所にワクチンを使うのかまで決まっております。実は我々の病院なのです が、50人打っているのです。またこの前も打ちましたので、2カ月経っても、 いちばん安全を見てということでワクチンを接種しています。治療した人に 対して、それは法的にどの程度のことが安全かということは、国立感染症研 究所との話合いで決まっています。したがって、明らかにそれは、1人の方 が入ってこられて、そういう設定があれば、これは輸入感染症であり、かつ、 かなりの防御をしなくてはならないということになると思います。 ○相川部会長 そういうことなので、疫学的な面からの輸入、新興・再興と いう分類でしまして。先生がおっしゃっていることも確かにそれも重要なの ですが、誰が宿主で、あるいは動物と人間とのあいだがうつるというような、 感染症の伝染メカニズムでの用語としては、ここに入っていないのです。 ○飯沼委員 狂犬病のときの新聞は、はっきりヒト・ヒトはないというふう に書いてあります。厚生省発の新聞記事も。それは先生、何か予防接種を受 けたい人は受けなさいという意味で、やられたのではないですか。 ○松村委員 いいえ、違います。 ○飯沼委員 法律なんて決まっていないと思います。 ○松村委員 これはどのぐらいの対応、扱った人ですね、尿、血液では感染 しにくいのですが、やはり神経を触わるとか、いろいろなことがありますの で、大体どの範囲の人にワクチンをすべきかというのもあります。それで咬 まれるとか、よほど咬まれるとか以外は確かにないのですが、移植で4件ほ ど世界的に狂犬病が発生しているのです。 ○飯沼委員 そういう感染。 ○相川部会長 ヒトからヒトへ。 ○松村委員 移植でヒト・ヒト感染はあるのです。 ○相川部会長 一応狂犬病ウイルスはヒトへのパストジェンですから、実際 にそのウイルスが入ったことによってヒトが病気になっているわけであって、 その人の治療をしたときに、例えば血液、針を刺した。 ○飯沼委員 先生、受動免疫したわけではないでしょう。これは抗体ができ る前に何週間もかかるわけですからね。だから、その全然あれではないです か。その患者さんを見るのにワクチンをするということは、例えば破傷風の トキソニンに対するワクチンを打つとかね。あれは受動免疫になっているわ けですから、抗体を打つわけですからね。ワクチン、今度の狂犬病は抗原を 打ったわけです。抗原が間に合うはずがないではないですか。 ○相川部会長 では先生、狂犬病の治療はこの本論ではないので、後で調べ てご解答するということで。この新興・再興感染症、輸入感染症という疫学 的な分類を、新興・再興感染症と、人畜共通感染症という宿主の面からの分 類、というふうにするかどうかですが、いかがですか。一般的に私どもは輸 入感染症ということで教えています。それから伝染メカニズムとしては、確 かに先生がおっしゃった人畜共通です。それが輸入感染症の中に多いという ことも確かなのですが。多少オーバラップしているということもありますが、 疫学的なほうでよろしいですか。 ○飯沼委員 はい。                   (了承) ○相川部会長 でも、ご指摘ありがとうございます。それから先ほどの狂犬 病のほうはもう少し勉強はしておきますが、後でまた分かったら教えてくだ さい。  ということで、戻ります。合格基準についてです。これは合格率が安定し た、94回医師国家試験以前に比べてということで。私が委員長だったときに ちょっと低かったものですから、大変ご迷惑をかけたかと思っています。現 在安定してきたということで、引き続き必修問題では絶対基準を用い、一般 問題・臨床実地問題は各々。必修問題で絶対基準を用いられているのだから、 趣旨をよく合致するように十分配慮するというご意見を、ある委員の方から いただきました。それは実は合格基準と内容のところで、こちら内容のほう に一部は書かせていただいたということで、そういうように分解して書かせ ていただきましたが、よろしいですか。  2段目が、生命や臓器機能の廃絶に関わるような解答、倫理的に誤った、 とするこちらの禁忌肢のことです。これは一定の役割を果たしてきているけ れども、引き続き継続する。しかしながら、これのみで合否が決定する場合 があるということですか。 ○渡専門官 理論的にはあり得るということです。 ○相川部会長 「ある」よりも「あり得る」のほうがいい。偶発的な要素の みで不合格とならない。問題数を一定程度確保するように。問題数が多くな れば、偶発的なものも少なくなるということですが、よろしいですか。 ○池ノ上委員 あり得るのほうがいいような気がします。 ○相川部会長 あり得るということのほうがいいようですね。あると言うと、 実際にどんどんあるのかと。 ○池ノ上委員 ええ。このことはかなりみんな敏感になっていますのでね。 ○相川部会長 そうですね。特に禁忌肢については皆さん敏感になって、あ るのかと言われてしまうと。 ○渡専門官 合格基準は公表しているとおりでございますので。 ○相川部会長 微妙な問題ですから、あり得るということで、よろしいです か。  (了承) ○相川部会長 ということで、「合否が決定する場合があり得る」、そのよう に平仮名で2文字追加さしていただきます。  そうしますと、少し内容が変わりますが、ペーパーテストのことなので、 この大項目に入った、試験問題のプールについてです。前段は、すべて新規 に作成することが困難ということで、プール制が導入されたこと。既出問題 については、さらに出題前に綿密な検討推敲がされ、修正されていることも あります。また出題時の状況も分かるため、過去に出題したときの状況とい う意味ですね、それの正解率とか識別指数が分かる。それから1つの問題は、 再び出題すると、単なる解答の暗記による正解率の上昇をきたしているため、 今までは問題を回収してきたということがありました。しかし、開示請求と いうことで、第100回の試験からは試験問題の持ち帰りを認めたということ になりました。ですから、この中から多少修正はするものの、もう1回出す ことがどうなのかということで、いろいろ検討をさせていただきました。既 出問題の利点もあるということで、既出問題でプールすれば、数万題勉強し ていただければ、大変勉強する結果になるのでよろしいのではないかという 意見が、非常に強かったと思います。このような書き振りになりました。  それから出題に当たっての問題点や適切な使用方法について慎重に検討を 加えつつ、活用することが望ましいということ。よろしいですか。  公募のことです。毎年1千題程度が集まっているということで、しかしな がら最終的に出題に至る問題の割合が低く、なかなか出てくる問題で良問が 少ない。かなりの修正をしなければいけないこともあるということで、良質 な試験問題の収集が可能となるよう、その依頼方法や収集方法及び協力者へ のフィードバックなどについて検討する必要があるということでした。今後 も試験問題のプール制が、良質な試験問題の作成に資するようにということ です。プール制についてもこのようなことでよろしいですか。  (了承) ○相川部会長 それでは、このOSCEを別の項目にするか、あるいは1の項目 の中でよろしいかは、読み上げた後で検討していただくことにし、仮に(5) としてOSCEを入れるということで、OSCEについてです。これもかなり議論の あるところです。またこの書き振りでなかなか言いにくいといいますか、具 体的な方針がはっきり示したかどうかというのも難しいところがあります。  前段は現在の状況、しかしながらということで、これも随分議論をして、 一斉にやるという場合の評価の客観性、透明性ですね。多くの大学がAdvanced OSCEをやっているわけですが、かなり普及はしてきたのですが、それが全て には普及はしていない。かなり大きな問題として、トレーニングを積んだ模 擬患者や評価者が多数必要である。9千人に一斉にやりますから、この辺の ところの養成はまだまだ進んでいないし、模擬患者の中にもばらつきがある、 あるいは評価者の中でも主観的評価になりますので、どうしてもかなりのば らつきがある。この辺の書き振りはどうですか。大体皆さんからいただいた 意見を反映したかと思いますが、よろしいですか。  そうしますと、次に3つのパラグラフがあります。この辺はかなり大事な ところですので、ご意見をいただきたいと思います。問題が残っているので、 上記の課題が解消された上で、Advanced OSCEが実施されることはよいことで ある。筆記試験である国家試験を補完して、卒前教育の臨床実習の充実を捉 すことも期待できる。このような背景を考慮すると、現時点で、医師国家試 験としてAdvanced OSCEを実施するには解決すべき課題もあるが、導入に向 けた方策の検討を続ける必要がある。こういう書き振りです。また全ての大 学医学部・医科大学卒業生が臨床研修開始前に必ず身につけておくべき技能 と知識についての認識が共有された上で、医師養成に関わる状況の変化等を 踏まえ、一連の医師養成過程の中で将来的なAdvanced OSCEによる評価の導 入が検討されることが望ましい。  少しかぶっているような雰囲気もありますが、一応いただいた意見で整理 しますとこのような書き振りになるのですが、いかがですか。大事なところ ですので、福田先生、どうぞ。 ○福田委員 このところは、大変迷いました。私ども臨床実習開始前の共用 試験をやっている立場から、この(1)(2)(3)のところは、かなり的確に現状をご 指摘いただいており、このとおりだと思います。共用試験OSCEはベイシック OSCEで、入門的なものです。それでも、この導入に非常に負担がかかりまし た。各大学の準備状況が全く一致していなかったので、必要最小限に制限せ ざるを得なかったのが現状です。しかし、正式実施からは、少なくとも6ス テーション以上は実施するようになりました。膨大な人材の投入と、客観性 を担保するための外部評価者とモニターを派遣するようになっています。し かし、全実施ステーションに外部評価者を確保できない現実があります。評 価者の均一化という課題も非常に大きな問題で、共用試験実施評価機構とし て評価者養成講習会も大規模に継続してやっていかなければなりません。  その次の点は、今までの経緯を承っていますので、こういう書き振りも仕 方がないかなと思っていました。相川部会長から今ご指摘がありました、2 つ目のパラグラフのところ、背景を考慮する云々、導入に向けた方策の検討 を続ける必要がある、これは従前からの会議で検討されてきたと思いますが、 このままですとまだ検討を続けるのかということになると思います。問題点 はそこだと思っています。  共用試験を実際にやっている立場からすると、Advanced OSCEを本当に国家 試験としてできるのかということについて、非常に問題が大きいと考えてお り、法的な問題もありますし、客観性をどう担保するかということも課題で す。  私どもの考え方としては、大学が高度専門職業人を育成して出すことの質 の保証をきちんとしていないためにこういう事態になってしまうのであって、 本来は大学がやらなければならないことだと感じています。これを一気に導 入するのには、まだまだ時間がかかると思います。最近の調査ですと、国公 私立全部合わせると、6割ぐらいがAdvanced OSCEを何らかの形でやってい る。ただ、これの標準化がまだできてない。国立単独で調べても、4割ぐら いしかやっていません。ですから、まず卒業時に医科大学として、どういう 技能の到達目標を置くのか、これを早急に作らなければいけないと感じてい ます。  文部科学省の協力者会議のほうで、卒業時到達目標を設定するようにとい う提言がなされていますので、さらにAdvanced OSCEも充実するような方向 で検討してほしいということになってきます。それとの整合性を合わせてい ただくのは非常に助かりますが、まだ国家試験でやるとなると、また皆どち らなのかなと感じると思います。  ですから私は個人的にこれを見た範囲では、「課題もあるが」の後、「導入 に向けた方策の検討を続ける必要がある」、という部分は、無いほうが話がす っきりしていると思います。卒前の全国標準的な到達目標が設定されて、そ れを大学側が共通のOSCEを設定していくという方向性が見えたほうが、大学 としてはプレッシャーになるとは言いませんが、方向が見えてくるのではな いかと考えます。そうすると、卒後の研修のところまでに必要なものとの整 合性をきちんと確保できますから、全体の流れが非常に分かりやすくなると 思います。ただ、これははっきり言いまして、かなり大きな決断ですので、 すっきりするとよいと感じます。  あえてこれを切ろうと思わなかった理由は、これまでの検討状況がそうい うことも設定しておやりになっていたということが分かっていますので、そ の辺のところ現実的に対応していただければありがたいと思います。 ○相川部会長 というご意見ですが、いかがですか。これはかなり重要な意 見なので、しっかりと議論したいと思います。 ○木下委員 私は逆に、「導入にむけた」という文言を入れてくださいとお願 いしました。現場で見ていると、本当に卒前教育が動いている、卒後研修も 動いている、医学教育が変わろうとしていると肌で感じます。でも国家試験 が動かない限りは、本当に舵が切られたのかどうかというメッセージが伝わ らないと思うのです。卒前の先生方と話してみても、学生たちと話しても、 やはり当然ながら国家試験に通るというのがいちばんの目標になっている。 そこが変わらないのに、本当に卒前教育が能動的に学生たちも含めて変わっ ていくのは難しいのではないか。  私は、医師の資格を認定するための試験ですから、医師国家試験がまず舵 を切って、それに合わせて卒前卒後が同じ方向に動いて行くというのが本来 あるべき姿ではないかと思います。この文章は、これくらいにしないと、や はり舵が切られているか切られていないかが、私たちには分かりにくい。 ○福田委員 それは私もよく分かりますけれど、大学に長くいましたので、 「一体、大学の責任というのは何か?」をよく考えてみましたら、やはり大 学は最後に出口の質保証をすることが基本的なオートノミー、自律性の責務 だと思っています。では国家試験がなければやらないのだったら、大学教育 というのは何だということになってしまうでしょう。それができなかったか らこそ、こういう事態になっている。日本ではそのような事例が多いと思い ます。  そのような状況で、あえて私どもはコア・カリキュラムや臨床実習開始前 の共用試験の導入などを踏み込んでやってきましたので、この流れを継続さ せるためには、大学が自律的に質の保障を社会に示す方向に振り向けていく 必要があると考えています。卒業時の技能評価ができない所は必要ならば、 国家試験ではなく、第三者機関で行うことも必要でしょう。運転免許資格の 場合の技能試験の場合も同じと思います。そのような現実の具体的な内容と 評価基準が設定がされないまま、ただOSCEでやっているだけでは技能の質保 証にはなりません。私どもも随分検討しました  基本的には大学がうまく持っていけるように出していただくのが、いちば んいいのではないかという考えでおります。私どもの責任だとは感じていま すが、大学がちゃんとすること、それは先生がご指摘のとおりで、大学がち ゃんとやっていないから、何らかの形で卒業レベルのOSCEを導入すべきとの 議論は分かります。私どもとしても最大の努力をして、大学としても責任を 持って質を保証するというスタンスが最も大事ではないかと思っています。 ○相川部会長 ほかの方もいかがですか。かなり重要な問題です。また委員 の中にも多少違ったご意見、スタンスをお持ちだと思いますから。 ○松村委員 私は木下先生のように、地域一般病院に働いている立場です。 したがいまして、Advanced OSCEを大学の中できっちりやっている卒業生と、 そうでない卒業生、それはAdvanced OSCEをきっちりやっている、組織的な ものだけに基づいているのか、それとも個人の能力なのか、必ずしも分かり ませんが、おそらくはAdvanced OSCEをきっちりやっている所のほうが、あ るいは個人として頑張っている人のほうがコミュニケーションスキルにして も、医療現場で医師らしい姿を早く出せるという感触は得ているわけです。  したがって、そのAdvanced OSCEが何らかの格好で卒業時点、あるいは国 試終了時点までに標準化されて、もっと効率よく実施されることが望ましい という立場なのです。それが国試で問われるべきなのか、それとも大学で完 了されるべきものなのかということは必ずしも分かりません。そこまではち ょっと国試できっちり問うべきなんだ、いや国試で問わずに、非常に透明性 というよりも、実施するのが3日間でも500題で大変ですのに、プラスアル ファが入ってくると、現実問題かなり大変ではないかということもあります。 それ以外のところで展開されてもいいと思うのです。  しかし、何らかの格好も、とにかく技能がもっと重視されるべきだと。卒 業の時点で技能が重視されて、知識偏重だけではないというのは、そこは譲 りにくいというか、大変大事なことだと思っています。 ○相澤委員 いま松村先生とほぼ同じなのですが、知識技能を評価するとい うことは医師法に書いてありますので、国家試験で評価すべきだと思うので すけれども。 ○相川部会長 医師法に書いてあるからですね。 ○相澤委員 そうですね。ただ実際は、今までの議論のとおり、なかなか公 平性や客観性が保てないということで、現状では無理だと思います。現状で は無理なあいだは、福田先生のご意見のとおり、大学でやっていく。共用試 験も、最初は非常に難しいという感じはしたのですが、現在臨床実習前のOSCE で何とかそういった形ができていますので、取りあえずは大学の中で卒業時 のOSCEをして、通った人を卒業させるというような形をとっていくことが望 ましいのではないかと思います。  最終的には厚生労働省と文科省、いま交流していますが、何かの事業団み たいな形を作って医師国家試験を行うというような形を取れば、比較的時代 に対応しやすい形になるのではないかと思っています。取りあえずは過渡的 なことになるかもしれませんが、大学で卒業時のOSCEをやる。この文章がな くなってしまうと。 ○相川部会長 この3行がなくなるとどうですか。 ○相澤委員 差し障りあるので、何かの形で大学で行うとか、そういった言 葉を残していかなければいけないとは思います。難しいでしょうが。 ○相川部会長 そのほかに、これは大事な問題です。どうぞ。 ○池ノ上委員 おそらくAdvanced OSCEを実際国試の中に導入するというの は、人的にも物的にもいろいろなエネルギーがあまりにも大きすぎて、本当 に耐えられるかという問題が非常に不安だと思います。ただ、先ほども国際 性という言葉がどういう意味を持つかということで議論されましたが、やは り諸外国の医学教育に比べて、我が国の医学部における教育が国際性に対応 できるかどうかという問題もあります。  そのいちばん大きなポイントは、このAdvanced OSCEのようなレベルの教 育がまだまだ一般化といいますか、どの大学でも同じようにされているとは 限らないというところにポイントが絞られていると思うのです。ですからや はりAdvanced OSCEに類するようなことが大学のレベルでは今後もやらなけ ればいけないことだと。それがやられているかどうかということを確認する ような意味での国家試験の出題の仕方といいますか、そういったものをもう 少し工夫できるのではないかと私は思います。 ○相川部会長 ペーパー試験でということですね。 ○池ノ上委員 はい。ペーパー試験です。それで、私は先ほど、ここの5番 目に置いてあったので、ペーパー試験の中におけるAdvanced OSCEかという 意味でこれを理解していたのですが、いまお出しになったような、第三者機 関を導入する、そういう方法もあります。いずれにしろ、卒業する段階で、 医学生の評価にAdvanced OSCEをやったと言うレベルも今後、やはり入れて いく必要がある、その展開の仕方についてはもっと検討しなくてはいけない、 というのがいまのスタンスではないかと私自身は思っていて、国家試験の出 題の仕方にももう少し、Advanced OSCEがやられていることを意識した出題方 法は工夫できるのではないか、というふうに思います。 ○相川部会長 というご意見もありました。福田先生。 ○福田委員 我が国の共用試験OSCE関しては、国際的に比較してもステーシ ョン数が少ないと考えられています。最低でも11ステーション必要と言われ ています。我々はそこへ向けてどうしても充実していかなければいけないと 思っています。ただ現実的に、どういう具体作業をしていかなければいけな いかを想定すると、とんでもなく膨大な作業になります。ですから、各大学 の先生方、あるいは関連分野の先生方にお願いしていますが、これ以上耐え られないというニュアンスも聞こえてきます。ですから、そういう所への支 援も必要です。机上の議論で国家試験OSCEをやればいいとは、非常に簡単に 言えるのですが、具体的課題をどう設定して、どういう評価基準を作って、 外部評価により客観性を持たせ、しかもそれを迅速にやっていくプロセスを 作って、その評点フォーマットをどう作成して、どう統計処理してやるかと いうのは、大変な作業になります。現在共用試験OSCEでは6ステーションを minimumとし、8ステーション以上やっている所もあります。今後順次広げて いって、卒業時の標準的なレベルになるまでには、その大枠を定めてなるべ く大学で卒業時まできちんとやるようにというメッセージだけはどうしても 必要になってくると思います。 ○相川部会長 ありがとうございます。OSCEについては、既にワーキンググ ループの所でもかなり議論をしたわけですが、今日のこの所、途中のパラグ ラフで、「入れるか入れないか」ということも含めてですけども。この「入れ る入れない」はかなりのディシジョンメーキングですので、まだ発言のない 委員の方からもお聞きしたいかと思いますが、いかがでございましょうか。 橋本先生、どうぞ。 ○橋本委員 医師国家試験を3日間の筆記試験に限らなくてもいいのではな いかと、もっといろいろなやり方で医師国家試験があってもいいのではない か、と私自身は思っています。ただ、それは具体的にどうするのかという所 まではなかなか、議論はそんなに簡単ではないと。ですから、その意味で Advanced OSCEも、確かにいまの形で導入するなど到底不可能だろうと思いま すが、今後の方向性としては、やはり何らかの形で技術を評価していきたい のだから、何らかの形では入れていきたい、3日間の筆記試験で駄目であれ ばもっと他の方法があるかもしれない、そういう意味での検討を是非今後も 続けていってほしいし、それから、どちらかといえば、3日間の所の枠を外 す方向で検討していってほしいと私は思います。 ○相川部会長 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。  飯沼委員、いかがですか。かなり大きな問題でございます。それから、あ とはやはり大学での教育の立場、その責任ということも、そういう大きな問 題に波及するわけですし、また、国家試験から大学のほうに投げてしまうこ ともどうなのかということもありますね。あと、議論されましたけど、1年 に1回の試験ですから、それをうまく変える方向もあるかもしれませんが、 その1年に1回のOSCEで、模擬患者さんもいつも同じように振る舞いできま せん。評価する方も主観的評価となると仮にOSCEで落ちてしまったというと 1年間待たなくてはいけない。1回ですと、落とされた人がそれを納得でき るかどうか、大学教育の問題だと何回かチャンスもある、時間もある、いろ いろなことですね。 ○福田委員 模擬患者の件は非常に大事なことで、患者さんの立場として、 それなりにフィロソフィーを持っていらっしゃいますが、いくつかの団体が 独立して存在しています。また、各大学で独自に育成している例もあります。 主に医療面接のステーションで模擬患者さんの協力をいただいていますが、 全国的な標準化が大きな課題となっています。医療面接の場面をビデオ撮影 しておくことも行われています。 ○松村委員 そのあたりは、おそらく模擬患者さんの団体の中に、声高きマ イノリティーというか、なかなか、医師というのは本来もっとこう、ヒュー マニスティックにやるべきだということを持たれている方もたくさんあると 思います。そうしますと、言いにくい話ですが、それが現状から、エキセン トリックということもあり得ると思います。ただ、そこらを考えた上で、私 などが持っているAdvanced OSCEがそれだけの模擬患者さんを交え、そこで あらゆることを評価すると、Advanced OSCEのすべてを網羅した側面からそれ を突破しなければ国試に通らないとまで、思っているわけではありません。 逆に、身体診察などをする技能の能力が全然ないという人がおられるので、 やはりそれは問題ではないかということを言いたいだけですね。したがいま して、Advanced OSCEに問題があるので、導入も、導入といいますのは、必ず しも国試の導入でなくても。問題があるということは、技能の修練をかなり 否定した格好にとられるのではないかと心配しているだけのことです。福田 委員がおっしゃるようなことも、私もいろいろな医学教育学会のほうで、模 擬患者さんともずい分接してきましたので、その辺は大変よくわかることで はあります。 ○相川部会長 別所先生、どうぞ。 ○別所委員 大学の役目として、知識だけではなくて、技能もきちんと保証 して卒業させること、それは今でも大事なことだと思いますが、そこの部分 をAdvanced OSCEという形で各大学に一様に求めるのは、現状では大変困難 ではないかと思います。ここの第3パラグラフの中に、「一連の医師養成過程 の中でそういう評価も入れる」という表現になっていますから、国試で実施 するということも含め、もうちょっと長いスパンで見てもいいということに なります。そういう書き方がされていれば問題はないのではないかと思いま す。 ○相川部会長 そうすると、真ん中の、このような背景、これも残してもよ ろしいということになりますか。 ○別所委員 「検討をする」ということですからよろしいと思います。 ○相川部会長 いろいろなご意見があります。その他に、いかがでしょうか。    1つには、導入に向けた方策でなくて、方策を取るということもあり 得ますね。 ○福田委員 導入に向けただけを削除する。 ○相川部会長 導入に向けて検討を続ける。つまり方策ということになりま すと、方策だけを検討することになりますね。それで、このまま文章を残し ておいて、さらにいまご指摘のあった、最後のパラグラフ4行で受けている からと。方策の検討になりますと、かなり具体的な各論の検討になってくる ということですね。  事務局のご意見がありましたら、どうぞ。免許室のほうはいかがでしょう か。あと、文科省の方からもご意見をいただけたらと思いますが、いかがで しょうか。  そうすると、これも前回、4年前から全然進歩していないではないかと言 われるかもしれませんが、確かに、最後の「一連の医師教養過程の中で」と いう所の考え方は、つまり医学部・医科大学のときから、どこでこれを1回 クリアするのかということも含めた点では、4年前の報告書よりは一歩進ん だかなと、部会長としても思いたいわけです。 ○福田委員 私も個人的には、先ほど申し上げたように、本当に具体的にや るとなると、ものすごく大変だということも皆さんご存じだと思いますので、 「導入に向けた」という所だけを取っていただければ。 ○相川部会長 「導入に向けた方策」というのを全部取ると。 ○福田委員 いや。課題もあるが、今後、方策の検討を続ける必要がある、「導 入に向ける」という所です。 ○相川部会長 「導入に向けた」という所を取ると言うのですか。 ○福田委員 これがあると全部国家試験に導入するということになってしま いますから。 ○相川部会長 なるほど。 ○福田委員 そうすると、かなりすっきりするのではないかと、前から思っ ておりましたが、遠慮しておりました。 ○相川部会長 導入に向けたと、書いてほしいと言う委員の方もいらっしゃ いますから、なかなか難しいのです。いかがでしょうか。 ○福田委員 結果として、国家試験だろうが、大学側の責任だろうが、第三 者評価だろうが、技能評価もきちんと設定した上で研修に入るというスタン スがわかればいいことだと思います。 ○木下委員 こちらは、敢えて「導入」を入れてくれとお願いした立場なの ですけど、国家試験が技能も評価するというメッセージを何らかの形で入れ ないと、やはり世の中は動かないのではないか。導入に向けて検討を重ねた 結果、やはり国家試験としてやるのにはいろいろ問題があるということが、 もっとはっきり、皆さんと共有できれば、私はそれでいいと思います。いま の段階でそういう、本当に突っ込んだ検討がなされているかというと、まだ なされていないと思います。いろいろな方策があると思うので、是非それを この4年間、今回見送れば導入は、やるとしても8年後ですね。8年間ある わけですから、橋本先生がおっしゃったように、その中でいろいろな工夫が できるのではないかと思います。是非それを進めていただきたいと思って、 敢えて「導入」という言葉を主張いたします。 ○福田委員 それと、表現の問題だと思いますが、国家試験の実施枠内の試 験内容の中にそれを入れることが問題だと思います。法的な問題も含めて、 これは非常に難しいと感じます。ですから、何らかの形でそれが保証される ことが必要であり、資格要件として、ペーパーテストに受かって、かつ技能 について何らかの保証があればいい、というやり方のほうがより現実的だと は思います。大学ができれば大学がやればいいのでしょうけど、第三者機関 でもかまわないと思います。正直なところ、そのほうが国家試験の性格上安 全ではないかと思っています。 ○木下委員 おそらくそういう意見がたくさん出てくれば、やはりそれはそ れで難しいので、その代わり、下の一連の文章を受けて、むしろここでやる という提案も出やすいのではないでしょうか。 ○相川部会長 例えば医師免許を与える前に、何らかの形でOSCEを導入する と。医師免許を与えるには、医学部も卒業しなければいけませんし、国家試 験を通らなければいけないし、その後医籍に登録しなければいけないと、そ の後の生涯教育は別ですけど、医師となる、その一連の中で、1回は何らか のOSCEに合格するということです。そういう方針、どうしても国家試験に入 れるべきだというご意見もかなりあります。    課長さん、いかがですか。このような意見を総括すると、どのような 書きぶりにしたらいいかということ。 ○栗山医事課長 おそらく原案は、「このような」と「また」のパラグラフは 内容的にオーバーラップしているので、「このような」の部分は削ってもいい と思いますが、そうすると、ちょっと弱いことだと思います。そうすると、 このようなのパラグラフを削る代わりに、「また」のパラグラフをもう少し強 めると。例えば、ここでは「将来的に」という言葉が入っているので、これ を削るとか、あるいは、言葉はダブるかもしれませんが、先ほど相川先生が 言われたように、「一連の医師養成過程の中で」の前に「医師免許を与える前 に」という言葉を加えるとか、方法はいろいろあると思いますが、そのよう な、強めるような形で、前段を削る代わりに事項を修正する方法も考えられ るかと思います。その辺はそんな方向で議論いただくのもいいかと思います が、いかがでしょうか。 ○相川部会長 というご意見もいただきましたが、いかがでしょうか。その 他に。  そうすると、部会長として、たたき台の提案ですが、仮に真ん中のパラグ ラフを削った場合、最後のパラグラフの下から2行目の「一連の」の前に、「医 師免許を付与する前の一連の医師養成過程の中で」とすれば、今回は、どこ でやるのかに関しては特定していないわけですが、どのような対応もできま すし、これが大学として、自分たちがやれますと言ったらそこでもいいです。 OSCEをやることが大学としての責任だし、OSCEをやった人に卒業証を与える という意味にもなりますし、また、すべての大学の足並みが揃わなければ、 そうしたら、場合によってはどこかに行って、何回かOSCEを受けて、そのう ち1回でも合格証をとってくるという方策も将来あるかもしれません。いず れにせよ、場合によってはどこかで1回OSCEに合格する、可能な方法ができ れば国家試験の中で。橋本先生がおっしゃったような、何も3日とは限りま せんけど、国家試験という言葉の中でやることにもなるということを含めて、 医師免許を与える前の一連の医師養成過程の中でと。 ○渡専門官 臨床研修の開始前の期間は入らないというか、臨床研修での対 応というのは。 ○相川部会長 臨床研修開始前のAdvanced OSCEではなくて。 ○渡専門官 という期間は入らないという形になってしまうのですけれども。 ○相川部会長 臨床研修というのは、臨床研修制度の臨床研修、それとも、 大学における臨床実習ですか。  法律で決まった臨床研修ですね。臨床研修の前ということですか。なるほ ど。医師免許を与える前というよりは、つまり、2年間義務づけられた臨床 研修が始まる前にということですか。それを通ってないと、例えば国家試験 が受かって、医籍に登録しても。医籍に登録したら、4月からすぐ臨床研修 が始まるわけですけども。 ○井内補佐 いま、まさにお話しいただいているところですけれども。卒前 教育と国家試験と臨床研修の中身という所で、どこかでというか、卒前か国 家試験かでお話しいただいているのですが、この報告書自体が国家試験の報 告書ということもありまして、それをどこまで書くのかと。 ○相川部会長 なるほど。 ○井内補佐 例えばそのあたりの調整というか、書きぶりというのは、一応 元の文でいくと、それなりにバランスをとったつもりではいたのですが、こ れをちょっと変えていくと、他の所の波及もあり、いろいろな意見が出るか もしれませんので、少しお時間とかをいただいて、検討会としての趣旨をい ただいておいて、そのバランスのとれる案をお示しする、というほうがいい のかということでございます。 ○相川部会長 そのようなステップでよろしいでしょうか。皆様からかなり いろいろなご意見をいただきまして、私もそれなりに皆さんのご意見を理解 したつもりですし、いろいろな案も出ました。ここで、「てにをは」まで含め た書きぶりを決めるということではなくて、部会長と事務局等でまず修正案 を検討して、それをまた先生方にお回しして、場合によってはそれを最終的 に修正していただいて。これは会合を持たないで、持ち回りということでよ ろしいでしょうか。そのようにさせていただいてよろしいですか。 (了承) ○相川部会長 ありがとうございました。これは非常に重要な所だったので、 時間をかけました。  最後に、細かいことなのですが、これは(5)にしたほうがいいのか、そ れとも、その次の「受験回数制限」が2になっていますが、これも私、いま までこちらにしたのですけども。このように、原案を作ったところなのです が、「OSCEについて」を2にして、「受験回数制限」を3にしたほうがいいの かということも、先ほどどなたかが、(5)だったからペーパー試験の中のOSCE だと勘違いなさったこともありましたので、いかがでしょうか。部会長が揺 れてしまって申し訳ないのですが、いい報告書、わかりやすい報告書を書く となると、やはり3のほうがいいですか。 ○木下委員 わかりやすいですね。 ○相川部会長 そうですね。問題ではないですか。それでは、4頁の(5) は2.にしていただいて、そうすると、その下にはアンダーラインが入りま すね。項目が格上げになりました。それで、5頁の「受験回数制限」につい ては3.にするということで、この時点で事務局には申し訳ないのですが、 よろしいでしょうか。 ○三浦医学教育課長 事務局にご質問があります。5頁のいちばん最後のパ ラグラフで、「将来的にAdvanced OSCE等による評価の導入が」とありますが、 「等」というのは何が該当するのか、教えてください。Advanced OSCEの話を してきたので、「等」が必要なのかどうかと思いましたので、お願いします。 ○前川委員 多分この「等」というのは、例のシュミレーション試験とか、 そういうものではないかと思います。それで、おそらく10年以内にそういう ことが現実的に起こってくると思います。Advanced OSCEというのは現在とれ るベストな客観的臨床試験かもわかりませんが、模擬患者さんの問題とか、 いろいろあるということで、その辺の問題を解消するためにはおそらくああ いう形になる気がしないでもなくて、逆に、この「等」が次の部会、もしく はその次の部会あたりで話題になるという気がいたしました。 ○相川部会長 確かにシュミレーションということも、ご意見があったと思 いますね。それでよろしいですか。 (了承) ○相川部会長 ということで、ご指摘ありがとうございました。それでは、「受 験回数制限」について、読んでください。 ○渡専門官 (報告書案「2.受験回数制限について」を読み上げ) ○相川部会長 ということですが、いかがでしょうか。これもずい分議論を した所ですが、今回はこのようなスタンスで書いたらどうかということで、 原案を回していただいて、細かい修正ということですけど、いかがでしょう か。  僕がここで言うのも何ですが、ニュアンスの問題で、真ん中の所に「卒業 から時間が経過するほど」とありますね。時間ではなくて年月のほうが何と なくピンとくるような気もするのですが、どうですか。やはり年に1回です から、時間というよりは「卒業から年月が経過するほど」と。部会長がいま の時点で直して申し訳ないのですが、感覚的には「卒業から年月」でよろし いですか。趣旨はそういうことだと思います。  他にはいかがでしょうか。第1パラグラフ、第2パラグラフ、この辺の所 は特に、真ん中のパラグラフはいろいろなご意見があって、これを併記して いることでもあります。その中でも第3パラグラフはかなり重要なご意見で した。データに基づいても、卒業から年月が経過するほど合格しにくくなっ ていると、実際にそのようなことでした。ということで、この対応について、 実態把握がまだ非常に少ないのです。私はたまたま研究費補助金をいただい て、全国の医科大学にアンケートを取りました。それなりに対応している所 もありますが、まだまだ情報が少ないこともあって、実態把握ということも、 それから、社会情勢と、医療関係職種の動向ということを見つめて、ひき続 き検討すると。この辺で「受験回数制限」はよろしいですか。一応皆様のご 意見をお聞きして、このようにまとめさせていただきました。 (了承) ○相川部会長 それでは、「その他の事項」、「結語」について読んでください。 ○渡専門官 (報告書案「その他の事項」、「結語」を読み上げ) ○相川部会長 ということですが。まず「その他の事項」について、これも このようなご意見が出て、その中で重要なものをとり上げて、このようにさ せていただきました。「その他の事項」はこれでよろしいでしょうか。 (了承) ○相川部会長 あと、「結語」です。これもまたかなり大事なことで、一部は 最初の所と、一部繰返しもありますが、結語ですから。今回は特に「一連の 医師養成過程」という所を意識して、特に福田先生などを中心に進められて いるモデル・コア・カリキュラム等も、お互いに意識し合ってということを 入れたことでございます。「結語」の最初のパラグラフ3行ですが、この認識 というのはよろしいですね。あと、書きぶり等もよろしいでしょうか。あと、 「したがって」ということですね。言葉の上で「医師養成における、各段階 における」とは何となくあれですけど、おける、おけるで、まあいいですか ね。これは言葉のニュアンスです。  よろしいでしょうか。ご意見はいかがですか。 (了承) ○相川部会長 では、一応このようにさせていただきます。今度は、まず全 体を見て、これでよろしいかどうか、先ほどのペンディングの所がございま す。OSCEの所はペンディングになりますが、このような報告書全体を見て、 あと、先生方にOSCEの修正案をお回しして、ご意見を聞いて、またまとめる。 まとめたのは部会長と事務局とにお任せしてよろしいでしょうか。まとめる 所ですね。それで、修正意見を、また最終的な案をお回しすることでよろし いでしょうか。 ○池ノ上委員 「受験回数」の、2つ目のパラグラフの下から2行目の「多 数回不合格の後に」のセンテンスですが、「多数回不合格の後に合格した者で も医療への貢献は可能」という所を見ると、どうも行って戻って来るような 感じがして。 ○相川部会長 なるほど。 ○池ノ上委員 おそらくこの議論は、多数回不合格の後に合格した者でも医 療に貢献している例もあると、そういうことから、不合格者の能力を多面的 にとらえる必要があるという流れだったのではないかと思います。 ○相川部会長 主に「可能」という所を直せばいいのですか。 ○池ノ上委員 「貢献している」という所をですね。 ○相川部会長 合格した者でも医療への貢献。 ○池ノ上委員 「貢献が可能」という所をですね。 ○相川部会長 それをどのような。 ○池ノ上委員 貢献している例もあるとか、そういう人がいるとかのほうが。 貢献で、可能ということになると、貢献してよろしいという印象を与えて。 ○相川部会長 その意味の感じですか。 ○池ノ上委員 国家試験では一旦駄目と言ったのを、やったほうがよろしい というような、矛盾するような。 ○相川部会長 ケーパブルではなくて、パーミッションのような感じになっ てしまいます。 ○池ノ上委員 パーミッションというようなニュアンスを入れたほうが流れ としては、いいのではないかと思います。 ○相川部会長 そうですね。では、「医療へ貢献していることから」というこ とですか。 ○池ノ上委員 そういう書きぶりはいかがでしょうか。 ○相川部会長 実際には、合格すれば医療に貢献しているわけですから。 ○福田委員 前のほうに書いてありますが、「貢献は可能なことから」という 所ですが。 ○相川部会長 そこの所でしょう。 ○福田委員 このことですか。 ○相川部会長 そこの所、セカンドパラグラフの下から2行目の所ですね。 ○池ノ上委員 はい。下から2行目です。 ○相川部会長 そうすると、「多数回不合格の後に合格した者でも医療に貢献 している例もあることから」と言うので。 ○池ノ上委員 私が発言したのは、そういう人もいると。だから、一概に。 ○相川部会長 具体的に、文章はどういう書きぶりがよろしいでしょうか。 ○池ノ上委員 私は、「医療に貢献している例もあることから」とか、例もあ ると。 ○相川部会長 「医療に貢献している例もあることから」でよろしいですか。 ○木下委員 ということは、医療に貢献していない例もあるという意味にと れますが。 ○相川部会長 そうすると、例もあるということは、医療に貢献していない 人もあることになってしまいますね。 ○木下委員 そうすると、国家試験も意味がないということになります。 ○相川部会長 「例もあることから」ですと、やはり逆も。それで可能と。 ○池ノ上委員 可能ということです。 ○相川部会長 医療への貢献も可能ということですか。 ○池ノ上委員 理論的に矛盾しなければよろしいと思います。 ○松村委員 先生のおっしゃっていることはこの文言でわかりますけどね。 ○相川部会長 「可能」という言葉が、いろいろな意味もあるけど、わかる ような気もするのです。 ○松村委員 法律上可能だという意味ですか。 ○相川部会長 法律上というか。 ○松村委員 これは普通に読めば、医者として地域医療に、地域医療だけで はないでしょうけれど、いろいろな貢献の仕方があるわけ、ということに読 めると思います。 ○相川部会長 原文どおりでよろしいですか。 ○木下委員 一般的に、医師国家試験を通る人は医療に貢献する者と見なさ れるわけですよね。 ○相川部会長 そうです。 ○木下委員 ですから、敢えてこの文章はいらないのかと。逆に、「可能なこ とから」というと。 ○相川部会長 そういうご意見があったからこの文章を入れたのです。 ○木下委員 先生のおっしゃることは、ちょっと矛盾したことにならないか と。 ○松村委員 国試合格に何年もかかるような人は一発で合格する人よりも、 医療への貢献が少ないのでは必ずしもないということを言いたいわけですね。 ○相川部会長 それで、意見があったので、これを入れておかないと。多数 回不合格者は、合格した後にはあまり役立たないのではないかと国民に思わ れてはいけないので、役立っている人がいるというご意見があったので、こ こに入れたつもりだったのですけど、どうでしょうか。 ○松村委員 それは当たり前だと言われれば。 ○相川部会長 よろしいですか。では、ここの所はこのようにさせていただ きます。ありがとうございました。  それでは、ご意見も出尽くしましたので、報告書案についてはこれから、 先ほどのような形で、本日言われた、ご意見にかかる修正も含めて私にご一 任いただいて、修正した後、先生方にご確認いただきたい、ということでよ ろしいでしょうか。 (了承) ○相川部会長 ありがとうございます。それでは、事務局から、今後のスケ ジュールなどについて説明してください。 ○赤熊補佐 ただいま部会長のご発言にありましたとおり、本日の議論に基 づく修正につきましては、部会長のご指示をいただいて、事務局で修正した ものを再度先生方にご確認していただきます。それで、ご了解をいただいた ものについて、もしその報告書について調整が整えば、3月16日の医道審議 会医師分科会において、相川部会長よりご報告をいただいた後公表させてい ただきたいと思います。もちろん、調整がつかなければまた次の機会になる と思います。よろしくお願いします。 ○相川部会長 1週間しかありませんので、もう今日至急に調整して、先生 方にメールでお送りして、ご意見をお聞きして、可能ならば16日の会議にま とめて報告したいと思います。よろしいでしょうか。 (了承) ○相川部会長 では、お忙しいと思いますが、是非先生方のレスポンスをお 願いしたいと思います。 ○赤熊補佐 最後に、医政局長よりご挨拶をさせていただきます。 ○松谷医政局長 医政局長の松谷です。大変熱心にご討議いただいて、本当 にありがとうございます。昨年8月にスタートして、それぞれの所からの熱 心なご討議をいただきまして、本日こういう形で、まだ一部修正をしなけれ ばならない所が残っていますけど、概ねとりまとめていただきました。あり がとうございます。皆様が集まるのは本日が最後ということで、ご挨拶を申 し上げたいと思います。  いま、社会的には医師不足ということが言われておりまして、医師の確保 対策という取組みをやっているところですけど、医療安全、信頼という観点 からは、医師の確保とともに医師の資質の充実が求められるわけでして、そ の意味では、医師国家試験の果たす役割というのは、医学教育と並んで大変 重いものがあると思っております。医療技術の進歩、あるいは時代の要請に 答えるということでして、本検討部会、また、4年に1度の出題基準の改正 というのは大変意義深いものであると思っております。今般おまとめいただ く報告書について、いま申し上げましたとおり、近々今月中に開く、医道審 議会医師分科会への報告を経まして、来年度から行う予定としている、医師 国家試験出題基準の改定作業がありますが、これに反映させていただきたい と考えております。先生方には今後とも、またいろいろな面でご助言をいた だくことになると思いますが、医師国家試験の改善のために、ひき続きご協 力を賜りますようお願い申し上げ、御礼のご挨拶とします。本当にありがと うございました。 ○相川部会長 それでは、これで医師国家試験の改善検討部会を閉会いたし ます。最後に一言御礼を申し上げたいと思います。  私の進行も不手際がありまして、いろいろ意見が行ったり来たりしたこと もございましたが、先生方には大変貴重なご意見、あるいはフランクなご意 見もいただいて、報告書の案、これから修正もありますけど、できました。 先生方には本当にお忙しいところ、いろいろご協力をいただき、円滑な会議 の運営にご協力いただいたこと、改めて御礼申し上げます。どうもありがと うございました。 照会先:厚生労働省医政局医事課試験免許室              渡、小川、木下       代表 03-5253-1111 (内線2574)