07/03/08 平成19年3月8日慢性期入院評価分科会議事録 07/03/08 診療報酬調査専門組織          平成18年度第6回慢性期入院医療の包括評価分科会議事録 (1)日時  平成19年3月8日(木)16:00〜18:00 (2)場所  厚生労働省6階共用第8会議室 (3)出席者 池上直己分科会長 天本宏委員 泉キヨ子委員 猪口雄二委員        大塚宣夫委員 木下毅委員 近藤正晃ジェームス委員 椎名正樹委員        <事務局> 医療課長 保険医療企画調査室長 企画官 薬剤管理官  他 (4)議題  平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について (5)議事内容 ○池上分科会長  定刻となりましたので、ただいまより平成18年度第6回診療報酬調査専門組織・慢性機 入院医療の包括評価調査分科会を開催させていただきます。年度末のお忙しいところ、御 出席いただきましてありがとうございます。  本日の委員の出席状況につきましては、高木委員が御欠席のほかは全員御出席でござ います。それでは資料の確認を事務局よりお願いします。 ○神ノ田補佐  それでは資料の確認をさせていただきます。一番表に議事次第がございまして、その下 に委員一覧をつけさせていただいております。  以降、会議資料でございますが、診調組 慢−1、こちらが前回分科会での集計結果に関 する指摘事項について、というものでございます。  診調組 慢−2、平成18年度調査の結果速報についてということで、こちらの資料の別紙 ということで、以降、別紙1として患者特性調査(医療療養病棟)。別紙1の参考資料が、そ の後に続いております。別紙2が、患者特性調査(介護療養病棟)でございます。同様に別 紙2の参考資料がございます。その次が別紙3、介護療養病床のみを有する病院の調査で ございます。別紙4が、タイムスタディ調査でございます。別紙4の参考資料が続きまして、 その後が別紙5、コスト調査です。別紙6が、レセプト調査(タイムスタディ調査病棟)という ことでございます。別紙の最後でございますが、別紙7、有床診療所の患者分類・分布調査 でございます。  そのほか、委員の先生方のお手元には前回同様、この黄色い冊子、調査実施説明資料 と、こちら、黄色い冊子の方に挟み込んでおりますが、患者特性調査表と、あともう一つ、有 床診療所の患者分類・分布調査表を挟み込んでおります。また、こちらの紙ファイルの方で、 前回分科会の資料をファイリングしてございます。資料の方は以上でございます。 ○池上分科会長  お手元の資料を御確認して、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、別紙は別としまして、まず資料慢−1につきまして事務局から御説明お願いし ます。 ○神ノ田補佐  御説明いたします。診調組 慢−1でございますが、こちらは前回分科会におきまして御指 摘をいただいたもののうち、宿題になっていたものに対する回答ということで作成したもので ございます。  3点ございまして、まず1点目が施設特性調査の集計結果ということで、指摘内容といたし ましては、一般病床の特殊疾患療養病棟の病院数、こちらが平成17年11月と平成18年11 月で3病院ということで、同数になっておりましたが、病床数が1.0から2.4と増加していると。 この詳細がどうなっているかを示してほしいというようなものでございます。 これにつきまして、下の方に表で整理しておりますが、個別の病院ごとに状況を整理してお りまして、平成17年11月30日時点では、B、C、Dと3つの病院がございまして、このうちBと Dがほかの病棟に転換し、18年11月30日時点では新たにA病院とE病院が、ほかから移っ てきたということで、病院数につきましてはいずれも3病院ということで同数ですが、病棟数 については3から4、許可病床数につきましては79から193ということで、変化してございます。  おめくりいただきまして、2ページでございます。病院長に対する基本事項に関する調査 の集計結果ということで、御指摘の内容は、総合評価について「不適当」と回答した病院と 各医療区分項目に対する評価との関係性を明確化してほしいということで、これに対しまし て次のように整理をいたしました。回答のところをごらんいただきますと、各医療区分項目に 対する評価について、全病院の集計と、総合評価が「やや不適当」、「不適当」と回答した 病院49病院、この2群に分けまして集計を行っております。この「やや不適当」、「不適当」 と回答した49病院の中での回答の割合が個別の項目ごとにどうなっているかというところを、 全体との比較で見ております。  下の表の方で、10ポイント以上差が生じていたものを挙げさせていただきますと、4番目 の「24時間持続点滴」、これが全体の方では37.8%の病院長が「不適当」としておりました が、総合評価で「不適当」とした49の病院長に限って見ますと49.0%ということで、11.2ポ イントの差が生じております。以下同様に、22番の「リハビリテーションが必要な疾患が発 症してから30日以内」、こちらも10.8ポイントの差があります。また24番の「体内出血」、お めくりいただいて33番の「喀痰吸引1日8回以上」と、こういったものが全体と比べて多く回 答があったということでございます。つまり、今挙げた項目について「不適当」というような回 答をした病院長については、総合評価においても「不適当」という判断をされたという傾向 があるということになります。  おめくりいただいて4ページでございますが、療養病床の転換意向についてということ で、前回数字が合わない部分がございましたので、精査した結果をお示ししております。 4番のところをごらんいただきたいと思いますが、一般病床のところで前回の数字では施 設数が2、病床数が73ということになっておりましたが、再掲で示している数字を見ますと、 この73を上回っているようなところもあって、これはおかしいということで再度精査したもの でございます。精査した結果はこちらの表にお示ししたとおりでございます。説明の方は 以上でございます。 ○池上分科会長  ただいまの御説明について、何か御質問ありますでしょうか。これは前回の御質問に対 する回答でございますので、今の説明でよろしかったのではないかと思います。よろしい でしょうか。  それでは、続きまして慢−2につきまして事務局より御説明お願いします。 ○神ノ田補佐  御説明いたします。慢−2でございますが、今回の分科会でお示しした資料ということで、 集計対象とした調査票と各調査票の集計対象とした施設数ということで、表でまとめてお ります。2月16日時点で回収されたものを入力し、集計に回したということで、最終的には 一番右端の欄に書いてある数字になる予定でございますが、今回についてはこちらの現 時点での件数というところに書かれている施設数、これを集計対象としております。  おめくりいただいて2ページでございますが、今申し上げた調査票について、別紙1から 7までの集計を行ったということで、いわばこれは別紙の方の目次ということで受けとめてい ただければと思います。この中で1点申し上げますと、別紙7の有床診療所の患者分類分 布調査集計結果でございますが、昨日開催されました中医協の方で資料要求がございま して、この調査結果の一部を資料として既に提示させていただいております。 説明の方は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。慢−2、それ自体について御質問はないかと思いますので。 その別紙についてこれから御説明していただくわけでございますが、資料は大変膨大 であることから、本日の会議、これも定刻に終わりたいと存じますので、場合によっては 最後まで御説明ができないかもしれません。その場合は次回引き続きということを考え ております。したがいまして、きょうの各別紙の中で優先度の高いものから順に、事務 局から御説明及び議論をさせていただければと存じますので、順序について何か委員 の方から御提案ございますでしょうか。 ○天本委員  膨大な資料ですので、議論もしたいし、あるいはいろんな質問も、確認もしたいと思い ますので、できれば別紙4から御説明いただければと思いますけれど、いかがでしょうか。 ○池上分科会長  ただいま天本委員から、別紙4から説明を開始していただきたいという御発言がありま したけれども、異議はございませんでしょうか。それでは、ちょっと順番を変えまして別 紙4から御説明いただけますでしょうか。 ○神ノ田補佐  それでは御説明いたします。別紙4でございますが、こちらの方は前回調査、平成16 年度調査との比較で整理しております。比較する際に、対象病院をそろえる必要がある ということで、16年度調査、18年度調査、両方に御協力いただいた33病院、これを集計 対象として整理しております。別紙4の参考資料をつけておりますが、こちらの方では全 病院、70病院を集計したものを別途用意させていただいておりますので、適宜御参照い ただければと思います。  それでは内容の方でございますが、1ページの1つ目の表のところで、16年度調査と 18年度調査について結果を整理しておりますが、総ケア時間のところをごらんいただき ますと、前回調査で177分であったものが209分ということで、32分長くなっております。 これは患者1人1日当たり総ケア時間ということでございますので、1人当たりにかけるケ ア時間、これが延長してきていると、そういう傾向があるということでございます。  総ケア時間を再掲で、間接ケア時間と個別ケア時間に分けて整理しておりますが、間 接ケア時間については2分程度伸びており、個別ケア時間、こちらが31分伸びておりま すので、この伸びの大半は個別ケア時間の伸びに起因するということでございます。  下の方の表で、職種別の内訳を示しております。医師について見てみますと3分から 5分ということで2分伸びておりまして、看護師が5分、准看護師が9分、看護補助職が 10分、またリハスタッフ2分、その他職種が4分ということでそれぞれ伸びております。三 十数分のうち大半は看護職のところでケア時間が伸びたということが言えるかと思います。  おめくりいただいて2ページでございます。ただいまの職種別のケア時間をさらに人件 費で重みづけをして整理したものでございます。下の方に職種別人件費の表をつけて おりますが、こちら、看護師を1とした場合の相対比ということで、医師については3.35と いうことで、それだけの重みづけをしてケア時間を評価しています。准看護師は0.88、看 護補助職は0.59というようなことで重みづけした結果が上の表でございますが、それで見 ますと、個別ケア時間の伸びである30分の内訳として、医師が5分、看護師が5分、准看 護師が10分それぞれ伸びております。看護補助職が6分、以下リハスタッフ1分、その他 職種3分というような状況でございます。  3ページにまいりまして、患者分類11区分別のケア時間の状況ということでございます。 医療区分1、2、3ということで、全体のところをごらんいただきますと、109分、127分、190 分ということで、順番は医療の必要度が高くなるにつれてケア時間も長くなっているという 傾向になっております。また、ADL区分で見てみましても、ADL区分1、2、3と上がるに つれて101分、127分、161分というように伸びてございます。細かく中のところを見てみま すと、例えば認知症のところで、医療区分2のところで逆転しているようなところも見受け られます。認知症のある方が106分、ない方が117分ということで、そういうような逆転して いるところがありますが、全体的に見ますと重くなるほどケア時間が長いというような結果 が得られております。  2段目のところの表でございますが、今の表を相対比であらわしておりますが、全体を1 とした場合にケア時間がどうかというところを相対比という形で示しております。ちょっと一 部訂正がございますが、最大値と最小値に網掛けと書いておりますが、18年度調査の 方で最小値の網掛けをする場所を間違えてしまっております。0.594と、ADL区分1、医 療区分1のところの下段の方に網掛けをしておりますが、0.592と、上段の認知症の方が 短くなっているということで、訂正を願います。  おめくりいただきまして、4ページでございます。こちらは医師による直接医療提供頻 度について細かく見ております。指示の変更の頻度について、頻度が高くなるほどケ ア時間が長くなっているかどうかというところですが、全体的に見て、上から下になるに つれてケア時間が伸びてきております。一部逆転があるとすると、34番と35番の間、全 体のところをごらんいただきたいと思いますが、一番右端の欄で34番のところが194分、 35番のところは187分ということで、若干逆転しておりますが、これは構成割合が35番の ところは少ないというところもありますので、その辺をどう考えるかというところかと思いま す。  あと、中のところで、医療区分別に見たときに若干逆転しているかなと思われるのが、 医療区分2のところの35番のところです。75分ということになっておりますが、これは医 療区分1の全体の平均である109分をかなり下回っています。これも割合として0.3%と いうことですので、ちょっと数が少ないということでの結果ではないかと思われます。  次に5ページでございますが、看護師による直接看護提供頻度について同様の整 理をしております。41から44ということで、頻度が高くなるにつれて全体的にケア時間 は伸びてきているというような傾向がうかがえます。ただこれも、右端のところの全体の ところをごらんいただきますと、43番と44番のところで若干逆転がみられております。43 番の方が166分、44番の24時間観察という方が164分ということで、若干短くなってい ると。そういうところはありますが、全体的に見ると看護提供頻度が高くなるほどケア時 間が長くなるような、そういう傾向がうかがえます。  おめくりいただきまして6ページでございます。こちらは記憶に関する状態別のケア 時間ということで整理しております。「意識障害者である」というものと「せん妄の兆候 がみられる」ということで比較しておりますが、前回調査、16年度の、下の方の表をご らんいただきますと全体のところ、一番右端のところで「意識障害者」138分ということ でありまして、「せん妄の兆候がみられる」という137分とほぼ同じぐらいのケア時間に なっておりましたが、今回の18年度の結果を見ますと、「せん妄の兆候がみられる」と いうのが198分ということで、この「意識障害者」というところと比べますとかなり差が出 てきているということが伺えます。  7ページへまいりまして、気分と行動に関する状態別ケア時間でございます。こちら も、一番上が「うつ状態」、以下、問題行動で「徘徊が毎日」、「暴言が毎日」、「暴行 が毎日」、「不適当行為が毎日」、「ケア抵抗が毎日」というようなものについて、それ ぞれ集計をしております。この中で若干逆転しているかなと思われるところを見ていき ますと、これはIV2dというところですね、「問題行動、不適当行動が毎日」というところ の医療区分1をごらんいただきますと、152分ということで長くなっております。この152 分というのは医療区分2の全体の平均であります138分と比べまして長くなっていると いうことで、医療区分1ということで分類されておりますが、「不適当行為が毎日」とい う患者さんについてはケア時間が長いというようなところが明らかになっております。  おめくりいただきまして、8ページでございます。疾患の状態別ケア時間ということで、 かなり細かくなっております。先ほどと同様に、医療区分1、2、3ということで逆転して いるようなところを中心に見ていきたいと思いますが、まず医療区分1のところで上か ら4つ目のところ、「急性心不全」でございますが、これが139分ということで長くなって おりまして、これは医療区分2の平均であります138分を上回っております。同様に上 回っているところを見ていきますと、真ん中より下のところ、「腸閉塞」というものがござ います。「腸閉塞」については142分ということで、医療区分2の138分を上回ってお ります。 同様に「敗血症」、こちら160分というものがございます。また一番下のところで「皮膚 の感染症」が148分ということで、長くなっているところを挙げると以上でございます。  次に医療区分2のところで、逆に医療区分1と比べて短いというようなところがござい ました。上から4つ目の「急性心不全」、こちらが100分ということですが、医療区分1の 平均である109分を下回っております。同様に、中ほどのところで「多発性硬化症」93分 と短くなっております。またそのさらに下のところで「肝不全」がございますが、93分で ございます。これもかなり短くなっております。また長いものとして、その下のところで 「急性胆のう炎」というのが204分とありますが、これは医療区分3の平均であります190 分を上回っているということで、逆転しているのかなと、医療区分2としては長いという ことが言えるかと思います。  続きまして10ページの方をごらんください。同じような形で順番に見ていきます。医 療区分1の「発熱」のところ、これが156分と長くなっておりまして、医療区分2の平均で ある138分を上回っております。また医療区分2のところで、中ほどのところ、「腹水」が ございます。これは97分で短くなっております。また「消化管の通過障害」97分と短く なっております。あと一番下のところで「状態の安定性 余命6カ月以下」ということで、 236分とかなり長いものがあります。これは医療区分3の平均であります190分を大幅に 上回っております。ただ、この割合のところもあわせて評価する必要があります。0.4% ということですので、これをどう考えるかということをあわせて御検討いただければと思 います。  おめくりいただきまして12ページでございます。栄養状態別ケア時間で、逆転してい るところだけ指摘しますと、医療区分1の一番下のところ、「摂取水分量2001cc以上」と いうのが150分ということで、長くなっております。医療区分2の平均である138分を上回 っております。  13ページへまいりまして、皮膚の状態別ケア時間。医療区分1の3fというところですね、 「裂傷または切り傷」というところがありますが、170分と長いものがございます。ずっと下 へ行きまして、下から3つ目の欄で「足の問題とケア」というものの「保護的なケア」とい うものが144分と長くなっております。  おめくりいただきまして15ページでございます。注射、点滴別ケア時間ということで、 こちらは医療区分1のところ、かなり長いものが多数ございます。「点滴日数3日以上」 143分、「4日以上」149分、「5日以上」153分、「6日以上」153分、「7日以上」153分、 1つ飛びまして「点滴抗生物質注射」141分と、これらはいずれも医療区分2の平均で あります138分を上回っております。  おめくりいただきまして、16ページでございます。こちらは医療区分2の上から3つ目、 「リハ必要疾患発症から14日以内」というものがありますが、これが108分ということで、 医療区分1の平均である109分を下回っております。  17ページへまいりまして、処置別ケア時間でございます。医療区分1の1つ目のところ で「抗がん剤療法」201分ということで、こちらは医療区分3の平均である190分を上回っ ております。医療区分2の、同じく「抗がん剤療法」218分ということで、医療区分3の 190分を上回っております。同様にその下の「透析」195分ということで、医療区分3の 平均を上回っていると。そこら辺が逆転していると思われるものです。  最後のページ、18ページでございますが、これは16年度ということで、あわせて参照 いただければと思います。説明の方は以上でございます。 ○池上分科会長  済みません、私との事前の確認が不十分であったかもしれません。この別紙4で、同じ 病院についてだけ前年度、16年度調査との比較を行う、この全体のケア時間について は同じ病棟でないと人員配置が違うのでこの別紙4のデータがより正確だと思いますけ れど、ただいま後半の説明にあった個別医療処置行為に関しては、これは特に今の御 説明では前回との比較をしているわけではないので、今、逆転などが課題になりました けれど、それはむしろ非常に標本数が少ないために生じたので、これは本当は参考資 料の方で再度確認して、そこの件数がほぼ倍ぐらいあるところでも同じように逆転してい るかどうかで確認した方がよかったのではないかと思いまして。この個別のところの逆転 については、むしろ参考資料の方を見て、それが16年度調査と比べてどうかということで 見ていった方がよろしいのではないかと思いまして。  それはさておきまして、前半の個別のものではなく、全体的なケア時間、医療区分ごと のケア時間ということについて、まず御意見、御質問ございますでしょうか。これについ ては前回、この別紙4の方の資料が実態を正確に反映していると思いますので。天本委 員、どうぞ。 ○天本委員  3ページのケア時間において、区分1、2、3とADL区分1、2、3というものがあるわけ ですけれど、このケア時間の実態の値が、この例えばADL区分3、医療区分1は130分 というかなりのエネルギーを使っている。でも区分2の方で見ると、医療区分2のADL 区分2とほぼ同じ、あるいは医療区分3のADL区分1とほぼ同じというような、このケア 時間と実際の報酬上の乖離が非常に大き過ぎるわけですけれど、このケア時間という ものは、前回の報酬の際にどのような形でこれを解釈してあのようなものになったので しょうか。余りにも乖離し過ぎている。 ○神ノ田補佐  半年ぐらい前に同じような議論をこの分科会でもしたかと思いますが、報酬の設定につ いては中医協の方で決められたということでございます。政策的に医療区分1について はかなり下げられたということで、それに伴って、今、天本委員が御指摘されたような、同 じぐらいのケア時間でありながら報酬上差がつくというようなものが出てきているというこ とです。作業の課程を申し上げますと、このケア時間によって重みづけをして、まず医療 区分1、2、3、それぞれのカラムの報酬を当てはめ、傾斜配分し、その後、政策的なも のとして医療区分1を下げるような、その分医療区分2なり3を上乗せしたいと、そういう ような調整が行われた結果ということで理解しております。 ○天本委員  包括性の基本原則と言いますか前提条件というのは、やはりコストに反映した対価とい うことが包括性の大前提のはずですけれど、それを医療政策として、しかもこれは中医協 ではきちっとデータを出さなかったわけですよね。ですから、単純に政策的と言われても、 やはり包括性というコストに見合った報酬というのが大前提の、それをくつがえしたものに なると、この医療区分の新たな問題については相当大きな問題があるというのが、2回目 の調査においてもこれは明確になったというように解釈してよろしいのでしょうか。 ○医療課長  もともと今回の医療区分1、2、3を導入する前は一本の点数だったわけですよね。もっ と包括が一律包括だったということは、実はその中に患者がどういうコストで分布している かわからないけれども、それを吸収する形で一本の点数でやっていたというのは事実だ と思います。それが究極の姿で、実は診療報酬全体としてはより包括性という方向が常 に言われているわけですけれども、この療養病床については逆にもう少し分けてあげな いと、療養病床で重症の患者をとらない、軽い患者ばかりしかとらないということがありま した。本来、病院として医療密度が比較的高い人を診てもらわなくてはいけないけれども、 できるだけそうでない人ばかりが集まっていたと。ばかりというのはちょっと言い過ぎです が。それが、一本の点数ではそうなってしまうから、ある程度コストに見合った形に傾斜 配分をしようということで、多分始まったのだと思います。  ここの分科会では、9区分プラス2という形で11区分で、いろいろとケア時間なり、ある いはコストを計算していただいて、結果がでてきたと。その後、それを点数化するときに、 一本の点数だったものをどれだけに、逆に言うと分けていくかという段階で、中医協の中 では、初めは事務局としては4つに分類したらどうかということがありまして、それで中医 協の議論の中で5つに分けて評価していこうと。プラス、認知症のところはさらに加算と いう形でみていくという形に。逆に言うと点数の高い、低いは別にして、分け方としては そういう方向で来たと。  あとは、医療区分1のところの2つの区分についてどれだけの点数づけをするかという ときに、そこは政策的に低くつけさせていただいている。ただ、その個々の患者がコスト に見合うかどうかという形では、包括するときには難しいと思います。だから、例えば今 回政策的に低くつけたけれども、トータルの医療機関としてどうかというお話で考えない と、多分その政策的に下げたというときは難しいのだろうと思います。だから、医療機関 全体としてどういうふうになっていったかということだろうと思います。 ○天本委員  政策というのは、具体的にはどういうことですか。 ○医療課長  簡単に言うと、医療の提供を必ずしも病院という形の中でやらなくてもできるという方 については、介護の方の報酬と見合う形で点数をつけたというふうに聞いています。 ○天本委員  今のお答えの中で、病院でする必要のない医療ということ。 ○医療課長  必ずしも必要ない。 ○天本委員  この調査の用紙、118ページを見ていただきたいのですけれど、医療処置の範囲とい うことで、これは医療処置という中に、経管栄養、胃ろう、注射などが入っているわけで すね。 ○池上分科会長  すみません、百十……。 ○天本委員  118ページの括弧書きの上段です。医療処置の範囲。要するに医療処置というのは、 補助者ではできない業務ということだろうと思います。この医療区分1の中にこの医療処 置の区分2、3以外という中で、この医療処置のものが入っているわけですね。これは法 的には、ですから病院でなければできない処置ですので、その方々はやはり、いかに政 策的といえども法的な意味で……。例えば介護施設、あるいは在宅では老々家庭などか らして、困難だからこそ医療施設へ預かっているはずなんですよね。そうしますと、医療 区分としては、時間数としては非常に少ないかもわからないけれども、法的にはこれは看 護婦さんしかできない業務ですから。そこの中のサービスというのは、我々も医師会で提 唱しているように、生活を支える、これからの後期高齢者の人の生活を支える医療という 意味において、このADLへの、きちっとした自立を支援するサービスも不可欠なわけで すね。それを、この130分もあるという、区分2、3と同じぐらいの労働力を使っているにも かかわらず、そこが値づけされていないというのは、この検証としては非常に大きな問題 点であると指摘したいと思いますけれど、いかがでしょうか。 ○医療課長  例えばその経管栄養による栄養処置ですけれども、その経管が入っている人に栄養を 与えるにしても、24時間栄養を与えているわけではないですから、それは老人保健施設 でも可能だろうと思います。夜、普通は食事を与えませんから。例えば昼間に看護師が いるなら、例えばそれができる場合もあるでしょうし。例えば心電図をつけて24時間管理 しようというときには、夜中に看護師がいないとやっぱりまずいでしょう。だから、医療処置 と言ってもその時々にいればいいというのと、それからやはり24時間、病院のように医師 なり看護師なりがついているという状態でなければできないものと、多分それは違うのだ ろうと思います。  それから、医療区分1のケア時間そのものの中に何が入っているかと言うと、下に書い てある、いわゆる医療処置以外のケアの時間も入っているというふうに理解していますの で。そこの区分がどれだけか、ちょっと今すぐにはわかりませんけれども、その総ケア時 間の中には必ずしも医療処置だけが入っているわけではない、というふうに理解してお ります。 ○天本委員  ちょっと時間をとって申しわけないですけれども、非常に重要な法的な問題で、老健施 設は医療課長がおっしゃったように、夜間、それから休日、看護婦さんがいない、ドクタ ーもいない。というのは、人員配置基準からして不可能なわけですね。当然、食事という のは確かに真夜中には投与しませんけれど、我々、医療活動の中でやはり家庭の生活 と同じような時間帯ということで、7時−7時半と。そして夕方は6時−7時という時間です ので、当然、平常勤務からすれば看護婦さんがいらっしゃらない可能性が高いわけで すね。  だからそういう意味において、現状、法的にきちっと整理されていない状況で、これを介 護施設で供用することになりますと、まさに医療難民と言われるような、介護者が医療処 置をするということに。これは特別養護老人ホームでは、まずはそれは居宅でもございま せんし医療施設でもないから、現行もし行われていれば、これは医療提供の場として、 法的な問題があると思われるんですけれどね。老人保健施設においても、今の人員配 置基準では、夜間、休祭日といったようなことからして、この医療処置がこのような形で政 策的に現時点で誘導されても、法的にいいかどうかというのは、もう一度きっちりと検討し ていただきたいと思いますね。それによってこの、やはりADLへの、これは介護施設へ 行けばもうほとんどが要介護4、5ですから、もう当然それなりの生活支援、自立支援は 必要なわけですし。  介護療養型が残るのだったら、この流れはいいと思うんです。要するに前提条件が、 介護療養型が残るとした形でこのようなものが進んだものが、介護療養型がなくなるとき に、このような法的整備がなされないで政策的に医療区分1を、たとえ時間が短くても、 これだけの労働力を使っているにもかかわらず低い点数に位置づけるというのは非常に 大きな問題があるということを指摘したいと思います。 ○池上分科会長  それでは、御指摘いただいたということで御記憶して、特に事務局からはよろしいです か。 ○大塚委員  天本委員の御発言で、私もよくわからないところがあるので確認させていただきたい。 1つはまずこの医療区分1に分類された患者というのは、病院以外の施設、あるいは在宅 で見れる人という判断でよろしいですね。それからもう1つは、例えば老人保健施設の人 員配置からみると、看護師なりあるいは医師がいない時間帯があるという可能性が当然十 分にあるわけです。この2点を考え合わせたときに、医療区分1に入っていて、先ほどの医 療処置を受けている人を何とか救済する処置がとられないと、行き先がなくなってしまう、 他の施設へ移れないということになるという指摘という理解でよろしいでしょうか。 ○天本委員  全くその御指摘どおりでございまして。これは医療処置ですから、例えば注射と同じよ うなもので、それを在宅では、現状の地域医療体制からして、それから今の介護施設から して法的にもできないし、現状の職員配置からしても不可能だということで、全く同じ意見 だと。 ○池上分科会長  では、よろしいでしょうか。木下委員、どうぞ。 ○木下(毅)委員  1つ追加したいのですけれど、老健施設の医師の常勤というのが、週32時間以上いれ ばいいということになっていますので。そうすると、1週間のうちで24時間×7だと168時間、 そのうち32時間いれば医師がいるということになりますので、そうすると0.19ですか、2割 以下の時間しか医師はいないという現状だということを理解しておいていただきたいと思 います。 ○天本委員  それからちょっと、最近こういう医療、経管栄養、特に鼻からの場合に、肺炎を起こした り亡くなったりという事故が新聞にも報道されていますよね。我々病院でさえそれぐらい慎 重な業務であると。それから胃ろうの場合も、スピードなどの問題で速ければ嘔吐すると。 肺炎になる。これは本当に看護師さんというもの、それから医師が、直接関与しなくとも何 かあったときにすぐ対応するという体制、24時間、365日医師がいるという、介護療養型医 療施設もそうですけれど、療養病床、そこの重要性というものをきちっと認識して、法的に もきちんと明確にしていただきたいと。 ○池上本部会長  はい。では、そういう要望があったということで、次回またお答えいただければということ。 ○医療課長  この分科会の議論する趣旨とは違うと思いますので、その御意見は当然ながら受けとめ て、また中医協で議論するなら議論する。あるいはそのほかの検討会等もございますので、 そういう場でも、その事務局には伝えていきたいと思います。 ○池上分科会長  では、そういう。どうぞ。 ○天本委員  いや。違うということではなしに、やはり医療区分1のこのADL評価を政策的にと言って も、やはり病院にいなければいけない法的なそういう条件であれば、医療必要の時間数 は少なくしても、必ずやはり医師、看護婦のもとでやることが重要だということですので、 当然そこにADLの介助もきちっと評価をすべきだということで、やはりここでつながる問題 だと私は思います。 ○池上分科会長  はい。そういう御意見をいただいたということで、椎名委員からどうぞ。 ○椎名委員  一言。先ほど天本委員が前段で言われたことが、厳正な事実だと思います。やはり18年 度、調査をやってみたら、16年度と同じようなきれいな数字が出たと。つまりADLあるいは 医療区分、下の方からずっと、横に見ても縦に見ても、きれいに数字が残像しているわけ ですね。ですから、これはやはりこの分科会として、患者分類として3×3+2=11分類を、 我々、中医協に提案したわけですけれども、それは基本的に正しかったと。ただし、先ほ ど来、後段の方で天本委員が言われたその点数設定に関して、いわゆる政策的と称して ADL等が評価されていない、余り合理性のない点数設定が行われたというふうに、私は この調査結果を見てそういうふうに受けとめています。11分類、やはりこれ、18年度を見て も、縦横を見てもきれいに数字が徐々にふえていると。ですからこれはもう、この調査検討 組織の本来の目的は、きちんとした調査をやってきちんとしたデータを分析をして、それで 今後、中医協の方に提案すると。分類の妥当性も含めてですね。それが仕事ではないか と思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。では、別紙4の後半の細かい項目ごとの逆転は、参考資料等を含 めてまたもう少し検討する必要がありますので、別紙4についての議論はよろしいですか。  ほかに別紙の中で、きょうどうしても議論されたいというものはございますでしょうか。 もちろん全部検討しますので、この順番だけの問題でございますから、時間の関係で。よ ろしいですか。何かほかにこれだけは先に。はい。どうぞ、木下委員。 ○木下委員  いや。今のその別紙4の後半の方については、別の機会に検討するという理解でよろし いですか。 ○池上分科会長  そうですね。私はこの別紙4の参考資料の方で見ないと、この逆転があっても、これは 非常に数が少ないので、ちょっと参考資料の方で見た方がより正確だと思いますので、ま たその議論をする前にやはり別紙2などもまず見ないといけないという気がいたしましたか ら。それは改めて見るということで。 ○木下委員  はい。わかりました。 ○池上分科会長  では、別紙4はこういうことでよろしいでしょうか。それで、特に優先して見るべきところは ないということでよろしいでしょうか。 ○猪口委員  1つよろしいですか。タイムスタディで、これは平均のとり方なのかどうかわからないので すが、16年から18年でケア時間が全体的にすべてふえているんですね。これはやはりこ の療養病床再編の中で、もしくはその医療区分というのが導入されたことによって、全体 的にケアを要する重度な方が医療療養に集まってきたという結果だというふうに考えてよ ろしいのでしょうか。 ○池上分科会長  これは3ページを、ちょっと事務局、この医療区分ごとにどういうふうに。私が見たところ、 全体としても押しなべてふえているという感じで、かつ格差が広がったというふうに読める のですけれど、3ページの今、猪口委員から言われたことを確認までに。この3ページ。 ○神ノ田補佐  そうですね。その点、むしろ委員の先生方に御議論いただければと思いますが、例え ば3ページの一番上の表で、16年度調査と18年度調査を比較してみますと、医療区分1 について見てみると12分伸びています。医療区分2は13分伸びています。医療区分3が 32分、かなり大幅な伸びということですので、この医療区分1、2、3と、どこが伸びたかと いうことからすると、医療区分3の伸びが大きいのかなというような感じはいたします。  あと、同様にADL区分についても見てみますと、ADL区分1については85分から101 分ということですので16分、ADL区分2につきましては109分から127ですから18分です か。ADL区分の3が31分伸びていると。その辺を勘案して御議論いただければよろしい のではないかと思います。 ○池上分科会長  猪口委員、よろしいですか。 ○猪口委員  はい。 ○医療課長  よろしいですか。あと、前回出しましたように、患者1人当たりに対しての看護職員数は ふえていますから。要するに受け持ち患者が減っているというのは、逆に患者1人当たり は看護師さんがふえていますから、当然、遊ぶ時間がふえるわけではないので、仕事を しておられる以上、会議の時間がふえたとか減ったとかという要素はあるでしょうけれど、 基本的には患者さんにかかわる時間は全体的にはふえるだろうと。それは重症、軽症か かわらず、仕事をする以上はやはりそれはふえてしまうというところはあります。その中で、 よりどこに看護なり介護の手を伸ばすかというのはあると思いますけれども、全体が伸び ているというのは、多分職員数が全体としてふえているという要素もあると思います。それ だけなのかどうか、もうちょっと分析しないとわかりませんけれども。 ○池上分科会長  はい。でも、特徴的だったのは、時間の格差が広まっているということではないかと思い ます。では、これはそういう御指摘をいただいて、人員配置がふえたことによって全体の かさ上げはある程度説明できるけれど、その中で広がったというのは、見方によってはめ りはりのあるケアが行われているかもしれないということが言えるのではないかと。まあ個 人的な解釈でございますけれど。  では時間の関係で、よろしいですか。では、別紙4についてはここまでで、そしてこれ を優先するべき別紙がもしないようでございましたら、別紙1から順番に御説明するとい うことでよろしいでしょうか。では、事務局から別紙1。 ○神ノ田補佐  別紙1を御説明いたします。こちらは患者特性調査、医療療養病棟について集計した ものでございます。先ほどの別紙4と同様に、前回調査との比較を的確に行うということで、 17年度調査と18年度調査、両方の調査に御協力いただいた42病院に対象を絞って集 計したものが別紙1でございます。全体の集計につきましては、別紙1の参考資料の方で 77病院対象に集計をしておりますので、適宜御参照いただければと思います。  1ページの1つ目の表でございますが、患者区分の中で前回調査と比べてどう変化して いるかということですが、医療区分1の割合がかなり減ってきておりまして、49.6%から34.4 %ということで、マイナスの15.2ポイントとなっております。医療区分2が7.2ポイントの増、 医療区分3が7.9ポイントの増ということで、医療区分1が減り、2,3がふえると、そのような 結果になっております。ADL区分について見てみますと、ADL区分3がふえ、1、2が減 っていると、そういうような結果でございます。  2番目の医療区分採用項目ということで、たくさん項目がありますので、前回調査との 差が大きいところを中心に見ていきますと、2ポイント以上の増減で上から順に拾ってい きます。3つ目のところで「中心静脈栄養」、これが3.3ポイントふえております。次の「24 時間持続点滴」、これも3.0ポイントふえております。4つ下の「酸素療法」、これが9.6% ですから3.4ポイントふえております。「パーキンソン病関連疾患」、2.2ポイントふえてお ります。ちょっと間があきまして、「尿路感染症」がございます。これは4.4ポイントふえて おります。3つ下、「脱水」が4.5ポイントふえております。3つ下の「褥瘡」ですが、こちら は減っておりますが、2.5ポイントの減でございます。3つ下の「うつ症状」、これが3.0ポ イントの増でございます。その3つ下、「経鼻胃管」、「胃ろう等」ですが、これが2.5ポイ ントの増、その下の「喀痰吸引」、3.2ポイントの増と。あと最後、一番下ですが「創傷処 置」、4.9ポイントの増というような結果でございます。全体的に割合がふえるような傾向 がうかがえまして、増加となった項目が多くなっているのかと思われます。  2ページ目でございます。こちらも変化が大きかったところを見ていきたいと思いますが、 まず最初のところが調査病棟に入院する前の状況ということで、1つ目の表が18年度調 査、2つ目の表が17年度調査ということですので、この両者を比較して見てまいりますと、 「自宅」から入院したというところ、これが16.8から10.2ということでマイナスの6.6ポイント と減っております。7番目の「他の医療機関」から入院してきたというのがプラスの4ポイ ント。8番目のところへ行きまして「自院の他の病床」というのが5.3ポイントの増ということ です。まとめますと、自宅から入ってくるというのが減って、他の医療機関、あるいは自院 の他の病床から移ってくるというのが伸びているという傾向があるかと思います。  3つ目の表ですが、調査病棟に入院した背景でございます。これも大きく変化したとこ ろだけ見ていきますと、3つ目の「継続的高度医療管理が必要」というのが9.3ポイント 伸びておりまして、その下の「継続的なリハビリが必要」というのがマイナス10.4ポイン トということになっております。  おめくりいただきまして3ページでございます。こちら、退院先の見通しということで、 1つ目の表が18年度、2つ目の表が17年度と、前回調査ということでございます。同様 に変化の大きいところを拾っていきますと、「自宅」へ退院すると、そういう見込みだとい うのが8.3ポイントふえております。5番目のところ、「介護老人福祉施設」、こちらが8.2 ポイント伸びております。6番目の「介護老人保健施設」、15.7ポイント伸びております。 7番目の他の医療機関、6.8ポイントと伸びております。  ただ、ちょっと解釈が難しいのが、前回調査の9番目のところを見ていただきますと、「 わからない」というものが52.2%を占めておりまして、その関係で若干前回調査は低く 出てきているように思われます。この3ページの一番下の3つ目の表でございますが、こ れは18年度のみの調査項目でございます。退院の見通しということで、順番にいきます と「90日以内に退院できる見通し」、これが14.7%でございます。2番目の「90日以内に 退院できる見通しはないが、今後受け皿が整備されれば退院できる」、34.5%です。3 番目が「悪化して転院・転棟・死亡する見通し」、5.7%。4番目の「退院の見通しはな い」、これが44.2%でございます。  おめくりいただきまして4ページでございます。こちらは18年度調査のみでございますの で、多いものを拾っていきますと、退院先の見通しで、「90日以内に退院できる見通し」 の回答者に限って集計したものです。順番でいくと、1番目の「自宅」が48.8%と高くなっ ています。次に高いのが6番目の「介護老人保健施設」18.9%、3番目が「介護老人福 祉施設」13.4%と続いております。  2つ目の表でございますが、同様に、「今後受け皿が整備されれば退院できる」という回 答者に限って集計しておりますが、一番多いのが6番目の「介護老人保健施設」65.0%、 2番目が「介護老人福祉施設」64.7%、3番目が1番目の「自宅」36.8%でございます。  3番目の表でございますが、「悪化して転院・転棟・死亡する見込み」という回答者に限 っております。一番多いのは13番の「その他」というところが43.7%。2番目が「自院の一 般病床」、11番目のところですが、これが18.3%。3番目が、7番目のところの「他の医療 機関の一般病床」10.3%となっております。  ちょっと資料の訂正がございます。4ページの2番目の表をごらんいただきたいと思いま すが、医療区分2と医療区分3の一番下のところ、全体のパーセントの表示がおかしくな っておりまして、医療区分2のところ、107.2%とありますが、これは100%の間違いでござ います。その関係で、この2つ目の表については精査が必要かと思いますので、次回、 改めて精査したものを提示させていただきたいと思います。  おめくりいただきまして5ページでございますが、その他の患者状態像ということで、 これも上から順番に2ポイント以上増減した項目を拾ってまいります。下の方の17年度調 査との比較で差が大きいものでございますが、上から3つ目の「うっ血性心不全」、これが マイナスの3.9ポイントになっております。その次の「高血圧症」もマイナスの2.9と減って おります。ちょっと飛びまして「失語症」ですが、これがプラスの2.7ポイントになっておりま す。 2つ下、「脳梗塞」、これがマイナスの4ポイントです。2つ下の「アルツハイマー病以外の 痴呆症」、これがプラスの2.6ポイント増です。2つ下の「四肢麻痺」、プラスの3.1ポイント となっております。あと、下の方に新規項目がございますので紹介しますと、「腸閉塞(イ レウス)」が1.2%、「肝不全」が0.9%、「急性心不全」0.4%、「慢性心不全」が7.2%、ち ょっと多くなっております。「仮性球麻痺」が12.5%と、大きな数が上がってきております。  おめくりいただいて6ページでございます。こちら、感染症について、18年度調査と17 年度調査の比較をしております。大きく変わったところは、中ほどのところで「尿路感染 症」とありますが、7.2%とあります。これは前回調査と比べて4.3ポイントの増となってお ります。あと下、新規項目がありますが、「急性胆嚢炎」0.4%、「急性腹膜炎」0.0%、 「急性膵炎」がこれも0.0%となっております。  3つ目の表で問題状況でございます。こちらも変化が大きいところを拾っていきますと、 「脱水」が6.2%で4.5ポイントの増です。「妄想」が5.3%で2.4ポイントの増、「発熱」が 13.7%で4.0ポイントの増ということで、ふえております。下の方、「胸水」、「腹水」、「高 カルシウム血症」、「悪疫質」、「消化管の通過障害」、これらはいずれも少数の回答と なっております。  おめくりいただいて7ページでございますが、処置、治療について複数回答で回答して いただいていますが、これも大きく増減した項目を拾っていきますと、「胃瘻等」が18.2% となっておりますが、これは前回と比べて4.1ポイントの増です。1つ飛びまして「吸引(1 日1〜7回)」と、これが6.5%ですが、前回と比べてマイナスの5.8ポイントです。 3つほど飛びまして「膀胱留置カテーテル」15.7%でプラスの4.4ポイント。その下の「血 糖チェック」はマイナスとなっております。1.9%ですが、マイナスの3.1ポイントとなって おります。  次の3つ目の表ですが、状態の安定性ということで複数回答をいただいておりますが、 こちらは前回調査との比較では大きな変化はなかったのではないかと思われます。  おめくりいただいて8ページでございます。栄養摂取の方法。こちらも前回調査と比べ ますと、いずれの項目もふえてきております。「中心静脈栄養」を見ますと5.5%で、前回 と比べて3.3ポイント増。「末梢静脈栄養」、5.4%でプラスの0.4ポイントです。「経管栄 養」、34.8%でプラスの4.8ポイントでございます。以上の3つの「いずれか1つ以上該当」 というのが44.2%ありまして、これは前回と比べて8.2ポイントの増となっております。  3つ目の表で、リハビリテーションを要す状態が発症してからの日数についてですが、 特徴的なのは「181日以上」のところが61.8%であり、前回と比べると6.1ポイントの減と なっています。長期のものが減っているということがうかがえます。  次ですが、日常の意思決定を行うための認知能力でございます。こちらは「自立」して いるというのが16.4%ですが、マイナスの3.7ポイントとなっています。ちょっと飛びまして 「重度の障害」、25.5%でプラスの3.6ポイント。「意識障害者」が22.3%でプラスの3ポ イントとなっております。自立が減って重度の障害、意識障害者がふえているという結果 でございます。説明の方は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。別紙1について何か御質問、コメント、ございますでしょうか。 どうぞ。 ○猪口委員  17年度と比較して明らかに医療区分2、3の割合がふえているという結果で、またこの 分科会の仕事ではないと言われるかもしれないですが、療養病床の再編で例の医療療 養は15万床にするとかというような目標だか何だかわからない数字があるのですが、もう これ6割5分、それからまだ説明はいただいていませんが介護の方でも4割が医療区分 2、3ということになると、とてもその15万床で医療療養が今後もっていくというのはとても 無理なように思います。結果としては、こういうマトリックスによって、重症の方が医療療 養に多分集まってきている結果だと思いますし、現実問題、そういう患者さんがいっぱい いるということで、ゆくゆくその長期に必要な医療療養が15万床と、そこのところはこの結 果からもう既に訂正すべき結果が出ているのではないかというふうに感じるのですが。 この分科会と違うと言われればそれきりですけれども、それを非常に強く感じます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。どうぞ。 ○医療課長  この分科会で何万床必要かを出してもらうということではないですけれど、ただここで今 回調査したものは、そういう試算をするときに必ず使う予定にしておりますので、これをど う解釈してどう使うかというのは、案が出るまではなかなか外へ出ませんけれども、この調 査結果は大事に考えていきたいと思っています。 ○池上分科会長  ありがとうございました。ほかに? どうぞ。 ○天本委員  同じ意見ですけれど、たかだか1年ぐらいでこれぐらいの形で区分2、3がふえていると いうことは、これから一般病床の特殊疾患療養病棟などの制度がなくなるとか、いろんな 形からすると、もっともっとこの医療療養病床の必要性というものが重要かなと。この流れ としても非常にパーセンテージのふえ方が、ある意味では医療療養病床の本来の目的 の方向に医療必要度の高い者が集まっているかなというのは、私も全く同感でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。木下委員、よろしいですか。 ○木下委員  一例で見てもらいたいのですが、5ページの上の表で、一番下に新規で仮性球麻痺と いうのが入っていますけれど、医療区分1のところに9.1%、医療区分2のところに14.3%、 医療区分3のところに14.3%という数が入っているのですけれど、これのケア時間という のは、統計上出てくるものなのでしょうか。  同じ項目で医療区分1、2、3に分かれている中の特性が違うのかどうかということも検 討しなければいけないのかなという気がします。 ○神ノ田補佐  別紙4の方で、8ページのところで仮性球麻痺というのが中ほどにあります。VI1vという ところです。仮性球麻痺ということで、医療区分1が120分、医療区分2が139分、医療区 分3が203分という結果になっております。 ○池上分科会長  はい。これもまた縦横に改めて見なければいけないと思いますけれど、木下委員からそ ういう見方も必要であるという御指摘をいただいたということでよろしいですか。では、別 紙1について、よろしいでしょうか。 ○天本委員  ちょっと。これ、別紙7と。これ、紙1枚ですので3ページの有床診療所の医療区分を見 ますと、病院の方は区分1が減っている。有床診療所はむしろ区分1がふえているという 実態があるのですけれど、先ほどのこの……。 ○池上分科会長  済みません。もしそういうことであれば、別紙7の説明を簡単にしていただかないと。 ○天本委員  そうですね。 ○神ノ田補佐  それでは別紙7の御説明をいたします。先ほどもお話ししましたが、これは昨日の中医 協におきまして一部データを資料として提示しております。こちらの1ページ目には、集 計対象とした施設数、また病床数をまとめておりまして、前回の17年度調査と18年度調 査を分けて整理しておりますが、今回、18年度調査、急遽調査を依頼することになりまし た。依頼したところですが、下の方に※印で書いておりますが、17年度に調査協力をい ただいた診療所、225ありましたが、そちらの方に調査を依頼いたしまして、回答が得ら れたのが109ということでございます。18年度調査においては109診療所ということで、そ れに対する病床数というのが896となっております。前回調査、17年度調査のところでは 170という施設数が挙がっていますが、これは有効回答として得られたものが170だった ということで、これらの回答について2ページ以降に整理しております。  2ページの一番上のところで、2006年9月末日、10月末日、11月末日の計ということで、 3カ月連続でそれぞれの月末でどういう割合になっているかというのを御回答いただいて いますが、その3つの月を合計してみるとこのような構成割合になるということでございま す。医療区分1については56.4%、医療区分2が40.0%、医療区分3が3.5%という結果 でございます。以下、3つの表で各月の結果をまとめておりますが、大きな差はないとい うような結果でございます。  3ページのところで、18年度調査と17年度調査の比較をしております。医療区分1につ いては56.4%で、これは前回と比べると4.0ポイントふえております。医療区分2でござい ますが、こちらは40.0ということで、2.7ポイントマイナスです。医療区分3も3.5%で、マイ ナスの1.4ポイントとなっております。  最後のページですが、こちら、前回調査と比較するということで、同一の施設に限って 比較をしております。n数は83ということで少なくなっておりますが、こちらも同様に医療 区分1がふえ、医療区分2、3が減るというような結果となっております。説明は以上でご ざいます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。天本委員、申しわけありません。まずこの説明がないと、先生 からの御指摘が。 ○天本委員  はい。それで、有床診療所は病院と逆転の現象が起きているのですけれど、この別紙 4のこのケア時間という中に、この有床診療所のものは入っいるのでしょうか。入っていな いのでしょうか。 ○神ノ田補佐  入っておりません。 ○天本委員  入ってない。 ○神ノ田補佐  はい。 ○天本委員  有床診療所のそういうケア時間というのは、今回は調査は。 ○神ノ田補佐  お手元のこちらの黄色い冊子に挟み込んでおりますが、こちらの一枚紙、有床診療所の 患者分類分布調査表、これのみです。有床診療所を対象に調査したというものは、この一 枚紙のみですので、その他のタイムスタディ、コスト調査等についてはデータは得られて いません。 ○天本委員  ああ、コスト調査は入っていないと。 ○神ノ田補佐  入っておりません。 ○天本委員  中医協でも議論になったと思いますけれど、有床診療所、地域の非常に有用な社会資 源であり、これだけ点数が下がっても結局区分1がふえているというのは、周りに受け皿が ないといったようなことが推測される。これはもうデイケアの半分ぐらいの点数ですので、相 当厳しい状況だろうと思いますけれど、それでも有床診療所としてずっと対応して、しかも 区分1がふえているといったようなことで、そこの調査が、ケア時間のどれくらいのコスト調 査というのが欲しいところだなと。でも、大体推測は、病院の方から推測もし得るのかなと 思いますけれど、それはどうなのでしょう。全く? ○神ノ田補佐  恐らくは、病院と比べて有床診療所の方は人員配置等かなり差がございますので、その 点を考えると、違った結果が出てくるのではないかと思われます。 ○天本委員  もちろんそれで点数も、有床診療書の場合は相当低い点数で、先ほども言いましたよう に520点とかというようなことで。もう本当、6時間のデイケアの半分といったようなのが、24 時間でこれで対応されて、しかも受け皿がないために頑張っていらっしゃるというところ。 これは中医協でも議論になると思いますけれど、ではそういうデータはないということです ね。はい。 ○池上分科会長  それ以外に、ついでと言っては恐縮ですけれど、別紙7について、あわせて何かコメン ト、議論ございますでしょうか。  では、別紙7については、ここでの今回の御検討はとりあえず終了させていただいて、 次に別紙2に移ってよろしいでしょうか。では、時間の関係で恐縮ですけれど別紙2を御 説明いただけますでしょうか。 ○神ノ田補佐  はい。それでは御説明いたします。別紙2も別紙1と同様でございますが、前回調査、17 年度調査との比較をするということですので、17年度、18年度、両方の調査に御協力をい ただいた16の病院、これを集計対象にしております。全病院の集計につきましては、(別 紙2)参考資料の方、こちら、病院数は31ということになりますが、全病院の集計結果につ きましては参考資料の方をごらんいただければと思っております。まず1つ目の表でござい ますが、ADL区分、医療区分等についての状況ということで、前回調査と比較をしてみま すと、余り大きな変化はないのかなというところがうかがえます。医療区分1は59.6%で、こ れはプラスの0.4ポイント増です。医療区分2が31.9%で、マイナス3.0ポイント、医療区分 3が8.6%ということで、プラスの2.7ポイントということでございます。 先ほどの別紙1の方での大幅な変化と比べると、この介護療養病棟の方におきましては 余り大きな変化は起きていないのではないかということがうかがえます。ADL区分につい て見ましても、同じような結果となっております。  ちょっとこちらで注意が必要なのは、これはあくまでも調査対象とした16病院での結果で ございまして、実は昨日、老健局の方で行った調査結果が公表されていまして、そちらの 方では約3万5,000人の患者さんの調査をしまして、その結果を見てみますと、この医療 区分について、未実施のところを除きますと、医療区分1が約75%というような、そういうデ ータもありますので、そういったn数の大きな調査結果と比較してみた場合に、この今回集 計対象とした16病院の方は、医療区分1がかなり低くなっているのかなと、そういうようなこ とがうかがえます。  2番目の表でございますが、医療区分の採用項目ということで、17年度調査と比較をし ております。こちらも大きな変化のあったところだけ拾っていきたいと思いますが、2ポイン ト以上の増減でとっていきますと、中ほどのところで脱水というのがあります。4.6%で、こ れがプラスの2.6ポイントになっています。3つ下で褥瘡がありますが、2.5%で、これは マイナスの2.9ポイントとなっております。3つ下のうつ症状4.9%で、こちらはマイナスの 5.2ポイントでございます。ずっと下に飛びまして、下から3番目のところで皮膚の潰瘍の ケア、5.7%で、こちらがプラスの2.2ポイントとなっています。  2ページ目をごらんいただきますと、入退院の状況でございます。入院前の状況として は、これも前回調査との比較で変化の大きかったところを見ていきますと、自宅から入院 したというのが5.6%です。これは前回と比べるとマイナス2.4ポイントとなっています。 6番目の介護老人保健施設、これが3.2%で、前回調査からはマイナス2.7ポイントとな っています。8番目の自院の他の病床というのが54.6%、こちらはプラスの5.1ポイント となっております。  3つ目の表でございますが、調査病棟に入院した背景でございます。こちら、急性期 状態が安定して、それで入院したというのが78.7%あります。これは前回調査と比べま すとプラスの16.8ポイントになります。3つ下の「継続的なリハビリが必要」28.1%で、こ れはマイナスの15.8ポイントです。かなり大きなマイナスになっています。2つ下、「自 宅の体制が整わない」41.8%で、これはプラスの14.8ポイントです。「本人、家族等が 希望」76.0%で、プラスの12.5ポイントとなっております。  おめくりいただきまして3ページにまいりますと、退院先の見通しということで、全体的 にふえているような傾向にありますが、ふえが大きいところを見ますと、5番目の介護老 人福祉施設が44.6%となっていまして、これは前回調査と比べるとプラスの33.7ポイン トでございます。その下の介護老人保健施設、これが21.0%で、前回調査と比べると プラスの16.7ポイントとなっております。  3ページの一番下の表ですが、18年度調査のみの結果ですが、退院の見通しという ことで、90日以内に退院できる見通し、これが3.1%です。これは先ほどの別紙の1の医 療療養病棟との比較で見てみますと、マイナスの11.6ポイントとなっていまして、かなり低 くなっております。2番目の「90日以内に退院できる見通しはないが、今後受け皿が整備 されれば退院できる」というのが23.2%です。これも医療療養病棟と比べますと、マイナ ス11.3ポイントとなっています。「悪化して転院・転棟・死亡する見通し」2.4%で、これも マイナス3.3ポイントです。1、2、3についてはマイナスとなっていまして、4番目の退院 の見通しはないというのが71.3%となっていまして、これは医療療養病棟と比べますと 27.1ポイントの増ということで、介護療養病棟におきましては退院の見通しはないという ような患者さんの割合が多いということがうかがえます。  池上分科会長 申しわけない。ちょっとその今ので誤解が生じるかもしれませんので。 3ページに戻っていただいて、平成17年度調査においても医療療養病床と同じように「わ からない」が前回は80%あったわけですね。そのために、介護老人福祉施設や介護老人 保健施設がふえたという説明の方が妥当だと思いますので。医療療養のときには「わから ない」という割合もやはり同じく高かったのですけれど、介護療養は一層高いので、ちょっ とそこは補足させていただきました。すみません。 ○神ノ田補佐  ありがとうございます。4ページをごらんいただければと思います。こちらも18年度のみ の調査となっていまして、退院先の見通しということで整理しておりますが、かなり細かく て、多いところだけ拾っていきますと、1番の「自宅」と6番の「介護老人保健施設」、これ が28.6%ということで多くなっています。その次が5番目の「介護老人福祉施設」23.8% と多くなっております。  次の表ですが、「今後受け皿が整備されれば退院できる」という回答の中で見ますと、 5番目の「介護老人福祉施設」、こちらへの退院というのが51.9%とかなり多くなっていま して、続きまして6番目の「介護老人保健施設」、これが22.2%ということで続いております。  一番下の表ですが、「悪化して転院・転棟・死亡する見通し」という回答者の中での退 院先の見通しですが、多いところを拾いますと、一番下のところの無回答というのが半分 を占めていまして、次に多いのが11番の「自院の一般病床」というものが18.8%でござい ます。ただこれ、n数自体16しかありませんので、ちょっと評価が難しいかなと思いますが、 一応そのような結果となっております。  5ページにまいりまして、その他の患者状態像ということで、疾患別に見ております。 これも下の表の17年度調査との比較で見ていきたいと思いますが、2ポイント以上増減 のあった項目を拾っていきますと、2番目の「不整脈」、これが6.3%で、2.3ポイントの増 となっています。「うっ血性心不全」が10.1%で、マイナスの3.3ポイントとなっています。 「高血圧症」は19.7%で、3.6ポイントふえています。3つ下の「脊椎圧迫骨折」5.3%で、 2.2ポイントの増です。4つ下の「失語症」12.9%で、こちらは9.0ポイントの増です。ふえ ています。「脳梗塞」、48.2%のところですが、これは2.5ポイントの減です。2つ下の「ア ルツハイマー病以外の認知症」33.1%で、これは7.8ポイントの増となっています。 「片側不全麻痺」(片麻痺)、26.6%、プラスの12.2ポイントとふえております。「四肢麻 痺」が8.5%で、プラスの3.5ポイントとなっております。あと、下の方に新規の項目を載せ ておりますが、「腸閉塞」、「肝不全」、「急性心不全」、「慢性心不全」、「仮性球麻痺」 とありますが、この中で多いところを見ていくと、「慢性心不全」が10.3%、「仮性球麻痺」 が6.3%挙がってきております。  おめくりいただいて6ページでございます。こちら、感染症について見ておりますが、 前回調査との比較で見ますと、大きな変化は認められないのではないかと思われます。 下の方、新規項目、「急性胆のう炎」、「急性腹膜炎」、「急性膵炎」を挙げていますが、 いずれも回答は少数となっております。  3つ目の表で問題状況について集計しております。「妄想」のところが5.9%で、前回調 査と比べると2.8ポイントの増となっています。またあと新規項目として「胸水」、「腹水」、 「高カルシウム血症」、「悪疫質」、「消化管の通過障害」を挙げておりますが、いずれも 回答数は少数のみとなっておりました。  7ページをごらんいただきたいと思います。処置・治療の状況ですが、上から4つ目の 「吸引」が8.7%で、マイナスの2.5ポイントとなっています。減っております。4つ下の「膀 胱留置カテーテル」7.1%で、こちらもマイナスの2.2ポイントとなっております。  3つ目の表で、状態の安定性でございますが、これは前回調査との比較では大きな変 化はなかったのではないかと思われます。  8ページでございます。栄養摂取の方法ということで、伸びが大きいところを見ますと、 3つ目のところで「経管栄養」が33.5%で、これはプラスの4.3ポイントと伸びが大きくなっ ています。それによるのだろうと思いますが、いずれか1つ以上該当というものも37.2% ありまして、前回調査と比べると3.6ポイントの増となっております。  3つ目の表のリハビリテーションを要す状態、発症してからの日数でございますが、こ ちらは「181日以上」というのが93.2%で、前回調査と比べると4.9ポイントの増となって おります。医療療養病棟の方では長期のものが減り、介護療養病棟では長期のものが ふえていると、そういう結果でございます。その下の「日常の意思決定を行うための認知 能力」でございます。こちらも、ちょっと傾向をどう解釈するかというのは難しいのですが、 「軽度の障害」というのが6.8%で、プラスの3.8ポイントです。「中程度の障害」というの が19.7%で、これはマイナスの3.4ポイントとなっています。2つ下の「意識障害者」、こ れが18.5%で、プラスの6.8ポイントとなっております。御説明は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。それでは別紙2についての御質問、コメント。近藤委員、どうぞ。 ○近藤委員  退院先の見通しに関しての質問項目を理解したいための御質問なのですが、前回、 この「わからない」というのが、この別紙2ですと8割あって、別紙1でも5割以上あります。 この質問票の書き方として、今回は、18年度は「わからない」という質問項目がなくて前 回はありました。加えて、この調査票の書き方自身が、「今後の見通しとして最も可能性 が高い場面を1つ選び、番号を記入してください」とあります。また「上記で『90日以内に 退院できる見通しはないが、今後受け皿が整備されれば退院できる』を選んだ場合に は、地域における受け皿の今後の整備状況を勘案して選んでください」という指定をし て、将来の想定を織り込んで入れるように、18年度の調査では指定しているのですが、 17年度の結果と比較する上で、質問項目の立て方ですとか、回答を選ぶ上での将来 の想定の織り込み方について、比較する上で知っておいた方がいい背景情報があった ら、まず教えていただけますか。 ○神ノ田補佐  質問自体を変えておりまして、前回調査では「わからない」というものがかなりの割合で 挙がってきてしまったということで、それではなかなか傾向等がつかめないということもあっ て、今回は今後の整備状況等も勘案して、可能な限りどれかを選んでもらおうということ で、わからないというような選択肢はなくして、調査票をつくっております。その関係で、 かなり傾向に大幅な違いがでてきておりますが、それをどう解釈するかというのは、ぜひ 委員の先生方に御議論いただければと思います。 ○近藤委員  そういう意味では、この調査票だけからは単純に比較はできないかと思いますが、こ の結果の読み方を迷っております。多くの人が退院先の見通しがあるのかないのか、そ の人たちは行き場所がなくなっているのではないかという議論があることを考えてみまし ても重要な問題です。制度が変わったことにより、将来の見通しを立てれば多くの人が 行き先をもう想定できるようになっているというふうにこれを読むのか。あるいは、実はそ うではなくて、本当は行き先はわからないままなのだけれども、あえて何か回答を置いて しまっているので結果的にこういうふうな割り振りになるというふうに解釈するのか。どち らの方で解釈していいのか、迷っています。何かほかの情報等も含めて、そこの見方が あれば教えていただけますか。 ○神ノ田補佐  4ページの方で細かくまた集計していますが、こちらは一番上の表は「90日以内に退 院できる見通し」、2番目の表が「今後受け皿が整備されれば退院できる」というものに 限って集計しておりますので、一番目の表を見ますとn数が21ということで少なくなって おりますが、現状のそういう周辺の社会資源を考えると、このn数21という数にとどまって しまうということなのかなと思いますが、「整備されれば」というのが158のn数で介護老人 福祉施設とか介護老人保健施設、そういうものが整備されれば、患者さんの状態として は十分退院できる、あるいは退院できるような見通しがあるということではないかと思われ ます。 ○池上分科会長  どうぞ、天本委員。 ○天本委員  現場からしますと、それはちょっと感覚が違うと思うんですけれど。現時点においては、 介護施設の医療のあり方というものが全くはっきりしていないわけですね。介護療養型医 療施設はこのような形でいろんな、医療施設としての機能を果たしている。その医療がど うなるかということは、現実的にはっきりまだ、これから介護給付分科会で語られることで すので、機能的にですね。行く道は老健と特養しかないよと。あとは一般病床へ戻る。 一般病床へ戻っている人たちがかなり多いというのは数字では出ておりますけれど、そ れは要するに介護施設での医療のあり方がわかっていない段階で、国の方はただ転換 の方法としていろいろなメニューを出しておりますけれど、機能的にこのようにするとか。 移行準備病棟も看護師さんの数などでは、夜勤が組めないわけですね。ですから、現 実的に24時間、今365日看護師さんとお医者さんがいて対応していることが、移行準備 病棟では非常に厳しいということで、迷っていらっしゃる方々はたくさんいらっしゃると思 われますので、多分「わからない」という項目があったらかなりそこに入ってくるのではな いかというのが、私は現場からの意見で聞いております。  池上分科会長  このほかにはありますでしょうか。では、とりあえず別紙2について、よろしいですか。  別紙3に入ってよろしいですか。それともここでとめておきましょうか。どうしましょうか。  では、別紙3は少し時間がかかると思いますので、積み残しの別紙として、別紙3と別 紙5、別紙6というのが時間の関係で次回まわしということでよろしいでしょうか。それで は、次回はこの順番から御説明いただくということでよろしいでしょうか。きょういただい た御意見で、もし何か資料として追加が必要であれば、また事務局にお伝えいただけ ればと思いますけれど。そういうことでよろしいでしょうか。 ○天本委員  ちょっと確認ですけれど、タイムスケジュール的に、報告書というのを今度はきちっと つくるんですよね。 ○池上分科会長  はい。 ○天本委員  その報告書というのは、中医協に出す前に事前に我々委員が議論をするということだ と、どの段階で出てくるのでしょうか。 ○池上分科会長  それも含めて、事務局として今後の進行について御説明いただけますでしょうか。 ○神ノ田補佐  この分科会での調査の結果につきましては、今年度中に中医協の方に報告するという ことで、中医協の方でももう約束事項となっておりますので。中医協の方は毎週水曜日に 開催しておりますから、最終ということで、開催するかどうか未定ではございますが、一番 最後の水曜日ということでいくと3月28日、これが中医協に報告するデッドラインみたいな、 そういうようなことになると思います。それまでにこの分科会の場で何回か御議論いただ いて。いろいろ論点があるかと思いますが、医療区分をどう考えるか、きょうもいろいろ御 意見があったかと思いますが、そこら辺のところをあと何回かの分科会の中で御議論いた だいて、意見の集約がみられれば報告書に盛り込んでいただくというようなことになるか と思います。  次回の分科会でございますが、3月14日水曜日、来週の水曜日ということになりますが、 14時から16時ということで予定させていただいております。 ○天本委員  大体もう資料は出尽くしたということですか。 ○神ノ田補佐  集計すべきものは全部、きょう提示させていただいておりますので。あと何か、こういう 観点から集計してほしいとか、そういうものがあれば、ぜひこの場で御意見をいただけれ ばと思います。 ○椎名委員  この場でというのは、今ということですか。ああ、それでは1つ。今回の調査、あるいは 先回の調査も収支を調べていますよね。だから、医業収支をもとにして分類ごとのコスト の推計をお願いしたいと思います。分類ごとと言いますけれど、今回の5分類、あとこの 分科会が中医協に提案した3×3+2と、その2つの患者分類でコスト推計ですね、分 類ごとのコスト推計を出していただきたいと思います。 ○神ノ田補佐  ちょっと検討させていただきます。すみません、来週ということで時間的な問題と、あと 今回集めたデータの中でできるかどうかと、そこら辺をちょっと考えないといけないかな と思いますが、可能な限り出せる資料は出す方向で作業はしたいと思います。 ○椎名委員  お願いします。というのは、コスト調査で別紙を、きょうは入りませんけれども、これを見 るとその辺の分類ごとの推計コストが出ていないので。これについては私ども健保連で、 先行調査として平成15年度の調査研究事業で一応推計方法を出していまして、その辺 のデータは計算すれば出てくると思うんですけれども。お願いしたいと思います。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○猪口委員  きょうのが最初のあれで、集計対象が2月16日までの集計を終わった分だということで。 そうすると、来週またやるということになると、そのときにはこの最終見込み件数までのデ ータで出てくるということではないですか。 ○神ノ田補佐  まだ全部整理できていません。当然、おかしなデータがないか、しっかり精査した上で こういう場に出す必要があるかと思います。今回もかなり突貫工事で、短い時間の中で 作業したということからすると、難しい状況です。ただ言えるのは全体的な傾向としては 今回お出しした資料の中で議論できるのではないかと思われますので。最終的な報告 書をまとめる際には、今回御協力いただいた病院のデータすべて集計したものを報告 書として、最終的なものとしてはまとめたいと思います。 ○池上分科会長  はい。ありがとうございます。ほかに? はい、どうぞ。 ○天本委員  調査の中で医師のかかわりのところが、質問事項は「医療的な状態は安定しており、医 師の指示はほとんど必要としない」ということで、あそこに書いてあるのが「医師の指示は 必要なし」というような発言になっているのですけれど、これは我々現場からすれば「変更 なし」ということで、指示は出ているわけですよね。継続的な形で対応している。 変更がないということですので、とかく医療の必要性がないというように誤解されますので。 看護では「観察」というようなきちっとした言葉が入っているのですけれども、そこの文章は 前回もこれ、訂正をお願いしたいと言ったと思いますので、この「医師の指示の変更はな い」という意味を確認してほしいと思います。 ○池上分科会長  ほかに何かありますでしょうか。 ○泉委員  よろしいでしょうか。今回、看護師のタイムスタディの中で、個別患者ケア時間を医療処 置とその他を分けて見てくださっているので、この内容を、もしできましたらお願いし たいと思います。 ○神ノ田補佐  わかりました。作業を検討させていただきます。 ○池上分科会長  木下委員、どうぞ。 ○木下委員  報告書の内容ですけれど、どこまで書くのかというので。現状報告なのか、あるいは区分 の見直しの必要な部分があるというようなところまで踏み込むのか。その辺はいかがでしょ うか。 ○池上分科会長  事務局からどうぞ。 ○神ノ田補佐  今回はかなり集計票、膨大なものがありましたので、この集計票ごとに御議論いただいた ということですが、次回は残りのものを一応説明し、また御議論いただいて、その後、いろん な論点があるかと思いますが、例えば医療区分を見直すかどうかとかそういったところを含 めて論点を設定して、それぞれについて委員の先生方に御議論いただいて、意見の集約 がみられれば報告書に盛り込むというようなことで進めていただけたらよろしいのかなと思 いますが、いかがでしょうか。 ○池上分科会長  少なくとも次回は、この別紙の残されたものの御説明をしていただいて、かなりの時間はこ この別紙に沿った議論ではなく全体的な議論の時間があるのではないかと思いますので、 そこでの議論を踏まえてまた今後の報告書にどう盛り込むかということが落ち着くのではない かと思いますけれど。 ○天本委員  中医協の場でも、要するに検証の場として参議院の付帯決議の中でこの区分の妥当性と いうのは、今回の調査において検証するというもので、それは慢性期分科会においてもそれ を検証する場であるというようにはっきりと言われておりますので、ここでもいろんな議論もき ちっと報告書に出して、中医協でまた議論していただくというようなことが必要だろうと思われ ますので、よろしくお願いします。 ○池上分科会長  結論が出ない場合も、論点として分科会でこういう議論があるということは中医協の方に御 報告できるのではないかと思います。そういったことで、本日はちょうど6時となりましたので、 以上で終わりたいと思いますけれど、最後に事務局から御連絡はありますでしょうか。 ○神ノ田補佐  集計の作業の確認ですが、きょう御説明した資料の中で若干数字がおかしなものがありま したので、それについては精査した上でまた提示させていただきたいと思います。 あと、時間的に間に合うかどうかという問題はあるのですが、各分類ごとの収支がどうなって いるかというところを検証するということと、あと看護師のタイムスタディの中で、医療処置とそ の他のものと分けてとっていますので、それを区分した上で整理するということについて作業 を進めたいと思います。間に合えば、次回提示させていただきたいと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。それでは次回は、もう先ほど御発表したとおりでございますけれど、 お忙しい中恐縮ですけれど、次回よろしくお願いいたします。 ○神ノ田補佐  あと事務連絡でございますが、日時は先ほど申し上げたとおり3月14日の14時からというこ とですが、場所についてはまだ決まっておりませんので、決まり次第、委員の先生方には御 連絡差し上げたいと思います。  あと、本日参考資料として配付しました黄色い本ですね、こちらは置いておいていただけ れば、また次回用意させていただきます。持ち帰っていただいても結構ですが、その場合に は、次回必ず持参していただければと思います。そういうことで、どうぞよろしくお願いします。 ○池上分科会長  それでは平成18年度第6回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価分科 会を終了させていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。 −了−              【照会先】         厚生労働省保険局医療課包括医療推進係         代表 03−5253−1111(内線3278) 1