07/02/28 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年2月28日議事録 07/02/28 中央社会保険医療協議会          第90回診療報酬基本問題小委員会議事録  (1)日時  平成19年2月28日(水)9:59〜10:22 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史委員長 遠藤久夫委員 室谷千英委員 小林麻理委員      対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 大内教正委員 松浦稔明委員      竹嶋康弘委員 鈴木満委員 石井暎禧委員 黒崎紀正委員 山本信夫委員      古橋美智子専門委員 白石小百合専門委員      <事務局>      白石審議官 原医療課長 唐澤総務課長 福田企画官      八神保険医療企画調査室長 他 (4)議題 ○医療技術評価分科会について (5)議事内容 ○土田小委員長 まだ時間前ですが、もう皆さんおそろいになりましたので、始めたいと 思います。ただいまより、第90回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を 開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、全員が御出席です。  なお、保険局長は、公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  事務局より、調査専門組織の一つであります「医療技術評価分科会」の活動に関しまし て資料が提出されております。  説明をお願いいたします。 ○事務局(福田企画官) 医療課企画官でございます。お手元の資料、中医協診−1−1、 1−2、1−3の3つの資料を用いまして御説明をさせていただきたいと思いますが、主 に診−1−1を使いたいと思いますので、まず1−1をごらんいただければと思います。 「平成20年度改定に向けた医療技術の評価・再評価に係る評価体制及び方法について」 ということでございまして、先ほど小委員長の方からお話しございましたように、20年 の改定に向けての新規の医療技術の評価、そして既存の技術の再評価に関しましては、調 査専門組織のうちの医療技術評価分科会で技術的な面からの評価をまずさせていただいて、 それを基本問題小委員会の方に御報告をさせていただき、ここでその内容を踏まえて小委 員会、そして総会の方で御審議、御決定をいただくという、そういう段取りという形で前 回はなってございます。そういったことを踏まえまして、今回も、去る2月14日でござ いますけれども、医療技術評価分科会が開催されまして、20年度の改定に向けた評価体 制とその方法について御議論いただき、一定の方向性が出たものですから、事務局の方か らその概要について御説明をさせていただきたいということでございます。  資料をごらんいただければと思います。まず、「概要」のところでございます。今御説 明申し上げましたようなことを書いてございますけれども、15年度より学会等に技術評 価の希望書というのを提出をしていただきまして、医療技術の評価の参考にしてきたとこ ろでございまして、16年度の診療報酬の改定からこういった医療技術評価分科会が事前 に技術の評価をした上で、それを中医協の基本小委で引き続き御議論いただくというよう な形をとってございます。前回の平成18年度の改定におきましては、臨床医を中心とし たワーキンググループによります一次評価及び分科会におきます二次評価を行いまして、 その結果を中医協の基本問題小委員会の方に御報告をさせていただき、御議論いただいた 上で御決定をいただいたという流れになってございます。平成20年度の改定におきまし ても、18年度の改定と同様に、医療技術評価分科会としては下記のとおり実施をしたい ということでございます。  まず、「1.分科会における評価対象技術」でございますが、ここにおきます対象技術 は、診療報酬点数表の部分のところの特掲の診療料のうちの第3部の検査から第12部の 放射線治療、これは医科の場合でございますが、歯科の場合は同じく特掲の方の第3部の 検査から第13部の歯科矯正に係る技術について評価されている、またはされることが適 当な技術とするということで、これはいわゆる狭義の技術というようなところで、そうい ったところを対象にしてやっていきたいということで、前回もこの範囲で対応をさせてい ただいているということでございます。  「 2.分科会において評価対象とする評価提案書」ということでございますが、提案書 の方の内容は、別紙の中医協診−1−2に概要版、それから詳細版、それぞれ未収載技術 と既収載技術についてつけてございますけれども、変更点はまた後ほど御説明させていた だきますけれども、これに基づいて評価を実施をするということでございます。  具体的には、以下の学会から提出されたそのものということで、日本医学会分科会、内 科系学会社会保険連合、外科系学会社会保険委員会連合、それから日本歯科医学会専門分 科会のいずれかに属する学会、日本薬学会、または看護系学会等社会保険連合、こういう ことでございます。  「3.評価方法」といたしましては、評価は2段階ということで、まず1次評価という ことで、臨床医を中心としたワーキンググループ、こちらの方でまず専門的な観点から技 術に係る評価を実施をするということでございます。2次評価として、1次評価の結果で 高く評価された一定数以上の技術を対象として、医療技術評価分科会の全体会合において、 より幅広い視点から評価を実施をする。  「4.評価結果の取り扱い」につきましては、中央社会保険医療協議会の基本問題小委 員会に報告をさせていただいて御議論いただくというような流れを考えているというとこ ろでございます。  2ページをごらんいただきたいと思いますけれども、今回、前回の経験なども踏まえま して、評価体制それから評価書というような観点から、一部修正といいましょうか、変更 を加えてございますので、その部分につきまして御説明をさせていただきたいと思います けれども、まず、「技術評価希望書」というのが従来の名称であったわけですけれども、 ここは「技術評価提案書」と。これは「希望書」というと何でも新しいものをとか、点数 を上げるというような傾向、どうしても言葉の中にも入っておりますが、やはり現状に即 しながらより質のよいものをより効率的に提供していくという観点から、高いものは高く、 またそのものによっては廃止をするとか、それからいわゆる点数を減じるというようなこ とも含めて、大局的な観点からその技術について御提案いただくということで、表現も 「提案書」というような形に変えさせていただいてございます。  そういった観点から、(2)でございますけれども、保険の既収載技術、こちらの提案 書の方につきましては、評価区分の「点数の見直し」のところ、従来そういった表現だけ であったわけですけれども、この部分につきまして増点するものと減点するものというよ うな形で、ちゃんと分けるというような形でお示しをしてございます。これは具体的には、 診−1−2の資料の4ページをごらんいただきますと、「医療技術再評価提案書」という ことで、概要版の部分でございますけれども、上から3番目に「再評価区分」というとこ ろがございます。その中の「2.点数の見直し」で増点するもの、それから「3.点数の 見直し」で減点をするもの、そして「4.保険収載の廃止」というような形で、スクラッ プ・アンド・ビルド、そして適正評価というような観点から、この再評価区分につきまし ても、今回より進めやすい形で見直しを行わせていただいているということでございます。  それから、また診−1−1の2ページにお戻りいただきまして、(3)でございますけ れども、保険未収載技術の評価提案書におきまして、これは技術の導入に伴い代替される ような、そういった保険既収載技術がある場合には、それと効果とか費用、こちらの方を 記載する項目を新たに設けさせていただいているということでございます。具体的には、 診−1−2の資料の1ページ目の(8)のところなどがそれに当たりますけれども、「代替す る保険既収載技術との比較」というようなことで、こういった点につきましても、前回の 18年の改定の際にも技術評価分科会の方から御報告をさせていただいた際に、そういっ た御意見が基本小委の中でございまして、可能なものについては、こういった経済的な比 較についてもデータを出して議論できるような形をすべきではないかということでござい まして、そういった検討に資するためにも、こういったデータを提案の段階から得るよう な形で、これはそういったものがある場合にはということでございますけれども、そのよ うな形で体制としてもとらせていただくというようなことでございます。  2ページの「5.実施スケジュール」につきましては、おおむね前回と同様な形で、こ こで具体的に御了解をいただければ、3月の上旬から提案書を配布をしまして、6月末を 目途に提出の締め切り、その後ワーキング等によります評価に入っていき、10月以降そ の結果につきまして中医協の方にまた御報告をするというようなスケジュールを考えてい るということでございます。  なお、資料の診−1−3につきましては、これは技術評価分科会の委員の方々が具体的 に評価をするに当たっての評価票ということで、こちらの方は参考までにおつけをしてい るということでございます。  事務局からの説明は、以上でございます。 ○土田小委員長 どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。 ○遠藤委員 質問と若干の意見を申し上げたいと思いますけれども、まず第1が、評価対 象技術というところで、これは従来からそうであったわけですけれども、対象が特掲診療 料の3部の検査から12部の放射線治療ということになっておりますけれども、この2部 というのはたしか在宅ですね、1部というのは入院基本料のようなものですから、これは いろいろな技術が混成されていますから、それを評価するということは特段必要ないと思 うのですけれども、在宅はハイテク在宅だとか、そういう新しい技術のものも出てきてい るわけですし、あるいは高齢者医療は在宅へシフトしていこうというような政策の方針も あるわけですが、あえて在宅を除いている理由というのは何かあるのかということと、も し合理的な理由がないのであれば在宅を入れてもいいのではないかということが1つであ ります。  それから2つ目が、評価対象とする評価提案書を出せる主体として学会ということであ りますけれども、この中の最後に、「看護系学会等社会保険連合」という、これは内保連、 外保連に次いで最近できた看保連というのですか、だと思うのですけれども、ここが出せ るということは、看護技術についても個別の評価として出せるということが明確になった というふうに考えてよろしいのでしょうか。従来私の理解では、看護サービスというのは、 医療サービスの一構成要素であって、医療サービスを評価をする中で看護サービスの評価 をするというような間接的な評価をしていたと伺っていたのですけれども、実際には、在 宅とかそういうところで単独に看護技術を評価しているものもあるわけですね。つまり、 診療報酬が実際についているものもあるので、そういうことをかんがみて独自の評価をす るというようなことになったと理解してよいのかどうかということです。つまり、看護技 術として一つの技術の要望をこの看護系学会等社会保険連合が出せるというふうに考えて よろしいのかどうか、この2つについてお聞きしたいと思います。 ○事務局(福田企画官) まず、一つ全体を絞っている大きな理由といいますのは、例え ば前回ですと約1,000の技術が出てきているという中で、一つは対象範囲も、やはり 技術という観点から評価しやすいものを、特に技術に特化した形で評価しやすいものを対 象にして、その部分はこの評価分科会の範疇としてきちっとやっていただこうと。それ以 外の部分は、この技術評価分科会の部分に重なる部分もありますし、一方で、基本小委で まさに政策の方向性としてあわせわざで、まず大きな形で在宅とか、医学管理とか、ちょ うどこれで抜けている部分、特掲で抜けているところは在宅と医学管理の部分で、要は、 技術とそれからそれ以外のさまざまな要素のあわせわざのようなところがございますので、 そういったところの部分というのは出てくる技術の内容によってまた変わってくるだろう ということで、フォーカスをきちっと、この部分はきちっと担当するのだという部分につ いて、このところでは明確に示しているというふうに御理解をいただければと思います。  やはり、16年の改定のときには約600、そして18年が約1,000の技術が出て きておりますので、そういった中で学会も絞ってもそういう形になってきているというこ とで、逆に学会の方もこういう形である程度縛りをかけているのは、先ほども申し上げま したように、エビデンスも含めて、良質な評価、データというものをちゃんと出せるとい うところ、それをきちっと評価をする、ターゲットもあわせて定めて効率的に評価をして いきたい、そういった趣旨で今回、前回からも大体同じ流れでございますが、今回もその ような方向性と、それをより今までの中医協での議論というものを踏まえて、項目なども 若干改廃をして進めさせさせていただいているところでございます。  看護系の部分につきましては、従来も出してはいただいているということでございまし て、医療の広がりという観点から、この部分についても、当然、データといいましょうか、 提案を出していただくという意味で、医療の担い手のそういった部分の方々として出して いただくということでございます。  その後の評価というものについては、これは実際にどのくらいなじむものが出てくるの かというところは、このターゲット、対象となる技術と実際にお出しいただいた内容につ いて、また分科会の方で評価をしていただいて、その中間の評価結果といいますのは、途 中段階でもお示しをいたしますので、またその中で御議論をいただくというようなことを 考えているということでございます。 ○竹嶋委員 私も実は今遠藤委員がお話しになる前に質問しようと思ったのですが、まず、 診−1−1の「概要」のところの1行目に、「平成15年度より学会等」とありますが、 この「等」のところにはどういうところが入っているのか、今日、それはお答え要りませ ん、そこのところで一つ疑問があります。  そしてさらに2のところで、今ちょうど御質問があったのですが、「看護系学会」、ま た「系」というのがよくわからないのです。そして、なおかつ私はここに疑問を持つので すが、多いから絞っていくといいながら、また新しく入れていくとすれば、例えば、今医 療、医学も大変複雑になってきておりますので、いろいろな状況というのをしっかり踏ま えて診療報酬を決めていかなければいけない、不公平になってはいけない。そうすると、 例えば同じようなことでいえば、リハビリテーション医学会などもあるわけです。こうい うところもやはり中に入れていくのか、そこら辺のところを揺るがないようにまずしっか り対象を決めてほしいと思います。それからでないと始まらないと、基本的にそう考えま すので、その点についてお答えを求めます。 ○事務局(福田企画官) 各学会の部分につきましては、これはちょっと表記の仕方がま とまっているので、若干誤解を生むような表記であったかもしれませんが、例えば日本医 学会の分科会、これは101くらいあると思うのですけれども、そういった分科会、それ ぞれお出しいただける。それから内科系の学会の社会保険連合、こちらにつきましては、 ここに加入しておられる学会は80から90くらい、現状あるようでございますけれども、 そういったところ、それからいわゆる外保連、外科系の学会でございますと74というよ うな形でございまして、そういったところの学会の方からお出しいただけると。リハビリ テーション医学会もこの中にも含まれているということでございます。  それから、「学会等」という部分でございますけれども、ここのところは、従来各学会 からお出しいただく部分と、それから内保連、外保連というような形で、そこで整理をし てお出しいただくというようなところがございましたので、そういったことも含めて 「等」というような表現をさせていただいているということでございます。 ○土田委員長 よろしいでしょうか。  ほかにございましたら、どうぞ。 ○遠藤委員 私が先程の話に続きまして。確かに新技術の数が非常に多いという問題はあ ると思うのですけれども、在宅も、ハイテク在宅といったような専門家の判断が必要なも のも出てきているわけですので、今後は入れていく方向で検討していただければと思いま す。  それから、看護系の学会、保険連合というのが明確に入ったということは、単独に看護 系の技術を評価するというような一つの意味合いもあると思いますので、これは非常に適 正なことであったと私は理解しております。  以上です。 ○土田小委員長 ほかにございますでしょうか。 ○対馬委員 今回20年度改定を頭に置きながらこういった議論をするわけですけれども、 やはり特に後期高齢者の医療についてどうするかということになりますと、在宅の問題と いうのは非常に大きな問題になってくるだろうと思いますので、私も遠藤委員の言われた とおりではないかと思います。 ○古橋専門委員 ただいま「看護系学会等社会保険連合」について御質問等ありましたの で、私がここで発言させていただくのは少し僣越とは思いますけれども、「看護系」の 「系」につきまして述べさせていただきたいと思います。  この保険連合というのは、大先輩格の内保連、外保連がございますけれども、それぞれ に内科系、外科系というふうに言われております。これは例えば循環器、小児、あるいは 心臓、さまざまの外科の系列、あるいは内科の系列ということが統合されていると思いま すが、看護におきましても、その学会等はそれぞれに分化されておりまして、小児の方、 周産期の方、あるいは成人とか、排泄系統のとか、さまざまにそうした学会が形成されて おります。看護系のこの保険連合は、40の学会及び一部団体、この団体は小児医療施設 協議会看護管理者の部会とか、あるいは国立系の看護管理の領域からの団体も入るという 規約をつくっておりますので、そういう点で40の専門職の学会及び団体が入る組織とな っております。そういう意味での「系」ということで、発言をお許しいただきたいと思い ます。 ○小林委員 すみません。今の、この「以下の学会から提出された」というところの 「*」のところの確認ですけれども、「又は」と書いてあるのですが、これは「並びに」 なのでしょうか。これはここに挙げられている学会から提出されたということで、「又 は」ではなくて「並びに」だと思うのですが。 ○事務局(福田企画官) ありがとうございます。基本的にこれは並列でございますので、 おっしゃるとおりだと思いますので、そこは文言上の整理を別途させていただきます。 ○土田小委員長 どうもありがとうございました。  ほかにございますか。  ほかにございませんようでしたら、この基本問題小委員会としましても、この医療技術 評価分科会での学会要望の取りまとめを踏まえまして、次期改定に向けた検討を進めてい きたいというように考えております。  そういうことで、ここのところは御了解いただいたということでよろしいでしょうか。  どうもありがとうございます。  今日の議題はこれ1つでございます。  次回の日程は何かございましたら、お願いいたします。 ○事務局(原医療課長) 今のところ未定でございますので、また追って連絡させていた だきます。 ○土田小委員長 それでは、これで本日の小委員会は終了したいと思います。  引き続いて総会を開きたいと思いますので、しばらくお待ちください。    【照会先】     厚生労働省保険局医療課企画法令第1係     代表 03−5253−1111(内線3288) 1