07/02/19 第5回標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会議事録        第5回標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会                   議事録         ○日 時:平成19年2月19日(月) 13:00〜15:00   ○場 所:学士会館 210号室 ○議事次第 1 開 会 2 議 題  (1)「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」の見直しについて  (2)その他 3 閉 会 ○出席構成員及び専門構成員(敬称略・五十音順) (構成員)内田健夫、漆崎育子、奥真也(大江委員代理)、押野榮司、窪寺健、小山和 作、酒巻哲夫、鈴木志保子、池主憲夫、津下一代、森光敬子(中村委員代理)、久道茂 松田晋哉、水嶋春朔、宮崎美砂子、宮地元彦、山口鶴子、吉池信男 (専門構成員)小池啓三郎、椎名正樹、島本和明、田中一哉、松田一美、水口忠夫、峯 村栄司 ○厚生労働省出席者  岡部健康局総務課長、矢島健康局総務課生活習慣病対策室長、勝又健康局総務課保健 指導室長、金井安全衛生部労働衛生課長、梶尾保険局総務課医療費適正化推進室企画官 ○参考人  伊藤千賀子 ○照会先  健康局総務課生活習慣病対策室(内線2975)        ○矢島生活習慣病対策室長 定刻になりましたので、第5回標準的な健診・保健指導の 在り方に関する検討会を開催させていただきます。  まず、初めに、本日の出欠状況についての御報告をさせていただきます。  有原委員、井伊委員、金川委員、河原委員、中山委員、渡辺委員、門脇委員、松澤委 員からは、御欠席の連絡をいただいております。また、大江委員、中村委員、門脇委員 におかれましては、それぞれ代理の出席をお願いいただいております。  それでは、以降の進行を久道座長にお願いいたします。 ○久道座長 それでは、この検討会もいよいよ終盤に差し掛かってまいりました。皆様 よろしくお願いしたいと思います。  前回の会合において、標準的な健診・保健指導プログラムの見直しについて、具体的 な検討を行ってきたところでありますが、本日は前回の検討を踏まえて、具体的な修正 案を事務局に作成していただいておりますので、修正案について審議を行いたいと考え ております。  それでは、議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をしていただきます。お願い します。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、お手元の資料を確認させていただきます。  まず議事次第、座席表、委員名簿のほかに、資料1といたしまして「標準的な健診・ 保健指導プログラムの見直しに係る論点」。  資料2といたしまして「標準的な健診・保健指導プログラム(新旧対照表)」。  資料3といたしまして「後期高齢者に対する健診・保健指導について(案)」。  資料4といたしまして「運動・身体活動を指導する際のリスクマネージメント」。  参考資料1といたしまして「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」。  参考資料2といたしまして「保健事業第4次計画推進のための技術的事項に関する調 査研究事業(抜粋)」。  参考資料3といたしまして「日本糖尿病学会意見書」。  参考資料4といたしまして「メタボリックシンドローム総合対策戦略事業の進捗状況」。  参考資料5といたしまして「糖尿病等の生活習慣病予防のための健診・保健指導」で ございます。  もし御不足・落丁等がございましたら、事務局までお申し付けいただきますよう、お 願い申し上げます。 ○久道座長 それでは、早速議事に移ります。  議題1の標準的な健診・保健指導プログラムの見直しについてでありますが、幾つか 論点がございますので、各項目ごとに審議を進めていきたいと考えております。  それでは、事務局より最初の論点について説明をお願いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、お手元の資料1に基づきまして、特定健康診査 の項目等の見直しに係る論点について説明させていただきます。  前回の会合で御検討いただきました事項のほかに、健診項目についても何点か御指摘 がありましたので、説明させていただきます。  まず、1点目の健康診査の項目でございます。(1)血糖検査でございますが、空腹時 における採血を原則としても、確実に空腹時に採血が行われない場合がある。それから、 通常の血糖検査だけでは、糖尿病の疑いがある者を正確に把握することは困難であると いう指摘があります。  一方で、ヘモグロビンA1cは過去1〜3か月程度の平均血糖値を反映しており、採血 の前日や当日の食事の摂取に影響を受けないため、糖尿病の疑いがある者を把握する上 で有用であると考えられております。ただし、ヘモグロビンA1cの検査は高価であり、 健康診断費用を考慮した場合、必ずしも先ほどの空腹時血糖とヘモグロビンA1cの両方 の検査を実施する必要はないのではないかという御議論がございます。  そういうことを踏まえまして、血糖検査としてヘモグロビンA1c検査を実施すること が望ましいわけでありますが、ヘモグロビンA1c検査を実施した場合には、必ずしも通 常の血糖検査を実施する必要はないのではないか。逆に、ヘモグロビンA1c検査を実施 しない場合には、確実に空腹時の採血を行えるよう受診者に空腹時での健診受診を徹底 すべきではないかという考え方であります。  (2)尿検査でございます。腎機能障害を早期に把握するためには、血清クレアチニン 検査よりも、尿たんぱく検査が有効ではないかという御指摘がございます。また、ヘモ グロビンA1c検査、通常の血糖検査において糖尿病有病者・予備軍をある程度把握する ことは可能でありますが、血糖検査を補完するためにも、老人保健事業における基本健 康診査と同様に、尿糖検査を実施することも考えられるのではないかと考えております。  それから、尿潜血検査につきましては、尿たんぱく検査を実施した場合には、脳・心 臓疾患対策として必ずしも実施する必要はないのではないかという考え方。  (3)血清クレアチニンですが、腎機能障害を早期に把握するために、血清クレアチニ ン検査よりも尿たんぱく検査が有効ではないかという、(2)と同じではないかという御 指摘を踏まえ、尿たんぱく検査を必須項目とした場合には、必ずしも血清クレアチニン 検査を実施する必要はないのではないかという考え方。  (4)尿酸でございますが、メタボリックシンドロームのリスクマーカーとしては重要 であるということでございますけれども、尿酸値に異常を認める者の多くは、既に、腹 囲、血圧、血糖検査等で異常を認めていることが多く、必ずしも必須検査とする必要は ないのではないかということでございます。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  ただいまの説明について、何か皆さんから御意見はございましょうか。 ○内田委員 最初の血糖検査なんですけれども、こういう形で決めてしまいますと、ど うしてもコストの掛からない方に流れるということで、ヘモグロビンA1cではなくて空 腹時血糖検査ということになる可能性が高いのではないかということが1点。  それから、空腹時血糖検査では、必ずしも糖尿病のすべてを把握できるわけではなく、 ヘモグロビンA1cほどの精度はないのではないかということが2点、この点については いかがでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 そういう意味では、私どもはまずはヘモグロビンA1cが望 ましいということを前面に出していきたいとは思っております。ただ、いろいろな事情 でヘモグロビンA1cができない場合もあるのではないだろうということで、勿論、両方 できるところは現にやっているところもあるわけですけれども、そういうところは引き 続きヘモグロビンA1cと空腹時血糖検査をやっていただくことはすごく大事かと思いま すが、北海道から沖縄まで全国すべてにこれを義務付けする場合には、両方とも「ねば ならない」ということは、いろいろな意味で難しい点もありますので、そういう意味で はまずヘモグロビンA1cを優先する。ただ、ヘモグロビンA1cをやった場合にできない ということであるならば、確実に空腹時血糖がとれるように配慮すべきであるというこ とになるのではないかと思っております。 ○内田委員 そうではなくて、これだとヘモグロビンA1cは実施しないで、空腹時の血 糖だけきちとん空腹時にとれば済むんだという保険者がたくさん出てくるのではないか ということを心配しているわけです。 ○矢島生活習慣病対策室長 そういう意味で、このところは御指摘の点もありますが、 そこは我々の方からもなるべく時間を掛けてゆっくり説得していくことが必要だと思っ ております。 ○久道座長 ほかにいかがでしょうか。 ○津下委員 尿検査ついてなんですけれども、腎機能を早期に発見する上で尿たんぱく が有用であると、このことはいいと思うんですが、尿たんぱくに伴う偽陽性率の高さと いうことがありまして、実際には尿たんぱくが陽性になっても、そのまま経過観察で更 に詳しい腎機能の検査をされずに見ている場合も少なくないです。今後の書きぶりにな るかと思いますが、尿たんぱくが陽性の場合は血清クレアチニン等の腎機能の検査をき ちんと行うというような道筋をつけておかないと、尿たんぱくがずっと陽性だけれども 血液検査で確認をしないという事態が生じるのではないかと思います。血清クレアチニ ンを落とすということであれば、そういうような配慮を明記していただきたいと思いま す。 ○矢島生活習慣病対策室長 腎機能のところにつきましては、関係の学会にも、特にこ の辺はガイドラインがまだ整備されていないということもございますので、腎臓病の関 係の学会には、この辺の検査、今後の保健指導も含めて、透析を予防する観点からもど ういうふうな道筋をちゃんとつくっていくのがいいのかということ、この部分がまだ整 備されていないという認識を持っておりますので、それは関係の学会にちゃんとつくっ ていただくということはすごく大事ではないかということをこれから働き掛けていきた いと思っております。 ○久道座長 ほかにございませんでしょうか。  それでは、また後で振り返って御意見をいただいても結構ですので、次の論点につい て説明をお願いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、2枚目をお開きいただきたいと思います。前回 の検討会におきまして、今後の検討課題とされていました服薬中の者の取扱い、それか ら、LDLコレステロール、喫煙歴、尿酸の取扱いについて、論点を整理させていただ きました。短いのですが、「2.保健指導対象者の選定方法について」御説明させていた だきます。  まず、(1)服薬中の者の取扱いでございますが、血圧降下剤等の服薬中の方につきま しては、継続的に医療機関を受診しているということで、栄養、運動等も含めた必要な 保健指導については、医療機関において継続的な医学的管理の一環として行われること が適当ではないかという考え方。  (2)LDLコレステロール、喫煙歴、尿酸の取扱いですが、脳・心臓疾患のリスクを 評価する上では、内臓脂肪に着目したリスク因子につきましては、血圧、脂質、血糖を 評価しているということで、追加のリスクとしては喫煙を用いることとしてはどうかと いう考え方でございます。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  いかがでしょうか。2番目の保健指導対象者の選定方法のところで、論点はわずかで すけれども、御意見ございますか。よろしいでしょうか。  それでは、次の「保健指導判定値及び受診勧奨判定値」で論点をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは「3.保健指導判定値及び受診勧奨判定値」につ いてでございますが、2点論点がございます。  (1)中性脂肪及びHDLコレステロール受診勧奨判定値についてでございます。これ につきましては、まず、中性脂肪及びHDLコレステロールにつきましては、判定値を 満たした場合、必ずしも服薬治療が必要なわけではないため、一律に受診勧奨とする必 要はないのではないかということと、それから、現在行われております老人保健事業で ございますが、その基本健康診査において用いられている要医療判定値は、中性脂肪が 300mg/dl以上、HDLコレステロールは35mg/dl未満ということになっていますので、 そういうことがまずあるということでございます。  今回定める受診勧奨判定値につきましては、上記の判定値を暫定的に用いることとし て、今後必要に応じて見直すこととしてはどうかという考え方でございます。  (2)空腹時血糖及び随時血糖の保健指導判定値でございます。まず、保健指導判定値 の見直しでございますが、最新の知見を踏まえまして、保健指導判定値を見直す必要が あるのではないだろうか。これにつきましては、後ほど糖尿病学会の伊藤先生から御説 明いただきたいと考えておりますが、参考資料3に最新の知見がございます。  それから、保健指導判定値につきましては、そういうことを踏まえまして空腹時血糖 100mg/dl以上としてどうか。それに伴いまして、ヘモグロビンA1cについても空腹時 血糖100mg/dlに対応するということで、5.2%を用いてはどうかという考え方でござい ます。  (2)随時血糖についての考え方ですが、食後30分ですとか2時間後等いろいろな時間 の経過に伴い大きく血糖値が変動するわけでございまして、そういう意味で、保健指導 対象者を選定する上で、一律の基準である140mg/dlを用いるのは不適当ではないか。  それから、各医療保険者間においては、公平な保健指導対象者の選定が行われるため には、ヘモグロビンA1cの実施または確実な空腹時の採血を原則とすべきではないかと いう考え方。  そのためには、万一、空腹時に採血が行われていない場合であっても、現行の随時血 糖検査を用いるのではなく、空腹時血糖の保健指導判定値を用いて保健指導対象者を選 定することとしてはどうかということと、受診者への健診結果を通知する際には、食事 摂取後の時間を勘案して、糖尿病の疑いの有無について通知することとしてはどうかと いう考え方でございます。  空腹時血糖及びヘモグロビンA1cの保健指導判定値につきましては、伊藤先生より御 説明を引き続きお願いしたいと思います。 ○久道座長 それでは、参考人として今日おいでの伊藤千賀子先生、どうぞお願いいた します。 ○伊藤参考人 それでは、御説明いたします。お手元の参考資料3をごらんください。 我々の日本糖尿病学会の「メタボリックシンドローム予備軍」検討のためのワーキング の報告をさせていただきます。  ワーキンググループでは、保健指導対象者を選定する上での空腹時血糖値のカットオ フ値は、(1)将来の糖尿病発症のリスクの増加、(2)将来の心血管発症リスクの増加、こ の2点に基づいて決定されるべきであるという見解で一致いたしました。その上で、糖 代謝異常の一つでありますIGT、ブドウ糖負荷試験を行いまして、2時間値が140mg/dl 以上、200mg/dl未満でございますが、その概念が今申しました糖尿病発症リスクの増 加とか心血管発症リスクの増加に符合すると考えられるということで見解が一致してお ります。  したがいまして、保健指導対象者を選定する上での空腹時の下限値、すなわちカット オフ値は75gブドウ糖負荷試験の2時間値の下限140mgに対応する空腹時の値として 求められるべきと定義いたしました。  これを踏まえまして、糖尿病に関する我が国の代表的な疫学研究でございます舟形研 究、そして私の広島研究のデータに基づきまして検討を行いました結果、OGTT2時間 値140mg/dlに対応するそれぞれの空腹時血糖値は98mg/dl及び99mg/dlであるという 成績を得ました。  また、当該調査では、空腹時100mg/dlを超えた場合、将来的な糖尿病発症リスクが 空腹時血糖値90mg/dlの場合に比べて、2倍以上になることも確認しております。  これらに加えて、更に他の国際的な基準、すなわち(1)空腹時血糖の正常域と境界域を 区分するアメリカ糖尿病学会の新基準、あるいは(2)メタボリックシンドロームに関する 国際糖尿病会議の基準及び(3)アメリカの基準でございますが、NCEP−ATPIIIの新基準 の個々の空腹時血糖値に関するcut off値が何れも100mg/dlとなっていることも勘案い たしました。本ワーキングといたしましては、保健指導対象者を選定する上での測定値 は空腹時血糖の下限値として100mg/dlとすることが妥当であると提言いたします。  更に、ワーキンググループでは、空腹時血糖値100mg/dlに対応するヘモグロビンA1c 値についても検討を行いました。ヘモグロビンA1c値と空腹時血糖値は、高い相関があ ります。ヘモグロビンA1c値5.2%に対しまして、空腹時値は約100mg/dlとなってお ります。また、健診受診者における空腹時値100mg/dl以上の者の割合と、ヘモグロビ ンA1c5.2%以上の者の割合は、ほぼ同数となっておりました。そこで、保健指導対象者 を選定する上での測定値は、ヘモグロビンA1cの下限値として5.2%をとることが適当 であると提言いたします。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  ただいまの専門的な立場から学会の考え方を資料に基づいて説明いただきました。い かがでしょうか、皆さんから御意見・御質問をいただきたいと思います。 ○水嶋委員 国立保健医療科学院の水嶋でございます。  教えていただきたいことがあるんですけれども、3つ目の段落で空腹時血糖が 100mg/dlを超えた場合、将来的な糖尿病の発生リスクが空腹時血糖が90mg/dlの場合 と比べて2倍以上というのが引用されているんですが、この場合の将来的というのは何 年間ぐらいのスパンなのでしょうか。 ○伊藤参考人 これは、計算値といたしましては1,000人年対という計算をしておりま す。OGTTによる平均7〜8年間の経過観察から算出しております。1,000人年対で比 較しておりますから、比率としては同じだと思います。 ○水嶋委員 コホート研究の中で時間軸と対象のみでの……。 ○伊藤参考人 そうです。ですから、はっきり言えば大体年率4.5%ぐらいになると計 算されます。 ○水嶋委員 ありがとうございます。 ○島本委員 札幌医大の島本です。  私自身、今回の御提言については賛成で、非常に国際的に近いものになっていいと思 っているんですけれども、1つだけ伺いたいのは、例えばアメリカなどの場合、IFG、 つまり境界型糖尿病の概念と基準が合っているわけですよね。今回日本は近く糖尿病学 会としても、いわゆる境界型のIFG、空腹時血糖が境界型であるという、今110を100 に変えていくというような方向性がこれで一致しているという理解でよろしいでしょう か。2ついつまでも並行していくと、ちょっと混乱も……。 ○伊藤参考人 将来的にはこの正常の基準を少し下げるべきだと思います。IGTのとこ ろは基準値は一定でございますので変わりません。それから、アメリカの糖尿病学会の 空腹時血糖値による区分におけるIFGの問題でございますが、欧米人はいわゆる空腹 時高血糖のグループが多く、大体25%以上あると思います。日本人はインスリン分泌が 悪いですから、そこのところは非常に少ないという差がありますし、負荷後の血糖値が 高いという問題もございます学会として糖尿病診断基準に関する正式な見解はまだ出し ておりませんが、今、検討委員会を持ちまして検討に入っております。 ○久道座長 ほかにございませんか。 ○津下委員 今の島本先生の御意見とも同じなんですけれども、糖尿病判定の基準値が 以前も126と140と2つあることによって、かなり現場での混乱が起こりましたので、 是非、糖尿病学会の基準の早期の見直しをお願いしたいということ。もう一つは、メタ ボリックシンドロームの診断基準も110ということで今までかなり周知されているとこ ろですので、そちらの方の見直しも併せて100にするという動きが、すぐにとは言いま せんけれども、一致していかないと現場の混乱は大きいかなと思いますので、学会の方 面での整合性をとるということをお願いしたいと思います。 ○久道座長 事務局から何かありますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 その点につきましては、糖尿病学会、それから、メタボリ ックシンドロームの関係はいろいろな学会がかかわっておりますが、私どもの方からそ のような意見があったということはお伝えさせていただきたいと思います。 ○久道座長 伊藤先生、何かありますか。 ○伊藤参考人 メタボリックシンドロームの診断基準につきましては、糖尿病学会だけ ではございませんので、8学会で話し合いの上で決定されなければいけません。糖尿病 学会でも検討に入っておりますので、また後日、御報告できるかと存じます。 ○久道座長 ほかにございませんか。よろしいでしょうか。  それでは、前回、前々回及び本日の議論を踏まえまして、事務局において標準的な健 診・保健指導プログラムの新旧対照表について作成していただいております。その概略 を事務局から説明してください。資料2です。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、今までの議論を踏まえまして新旧対照表の説明 をさせていただきますが、まず、先ほどの資料1につきましては、これで一応確定させ ていただきたいと思います。次の関係の検討会がございますので、当検討会としては一 応資料1ということで方向性を確認させていただいたということで、それぞれの関係す る部局の検討会の方に御報告をしたいと思います。これ以外のところにつきましては、 まだいろいろと私ども健康局の中で議論できる部分も残っておりますので、そういうと ころを中心に御説明させていただきます。  本日は、第2編の健診と第3編の保健指導が中心でございます。第1編、第4編につ きましては、また日を改めて御説明させていただきますが、本日は以上の検討を踏まえ て、第2編健診の部分、第3編の保健指導の部分がどうなるかということについて御説 明させていただきます。  資料2について御説明させていただきます。  最初の第1章、メタボリックシンドロームに着目する意義は多少付け加える必要があ るのかもしれませんが、今の段階ではここは変わっておりません。  第2章の健診項目につきましては、先ほどの資料1で御説明させていただいた形で変 更がなされております修正案でございます。基本的な健診の項目につきましては、血糖 検査という形で空腹時血糖またはヘモグロビンA1c検査ということでございますが、こ れにつきましては先ほど内田委員からも御指摘がありましたような形で、ヘモグロビン A1cについて必要な説明があれば、この辺のところをもう少し書き加えるような工夫は していきたいと思っております。  尿検査につきましては、尿糖と尿たんぱくが今までの選択項目、詳細な健診項目から 基本的な健診項目に移っております。詳細な健診項目につきましては、その関係の出し 入れがございます。  (3)その他の健診項目、これは他法令がございまして、ほかの法律との関係がございま して、すべてほかの法律で追加的に検査もしている場合がございますので、40〜74歳を 対象とする健康診査において、それぞれの法令の趣旨、目的、制度に基づいて基本的な 健康診査以外の項目があれば、それを実施していただくという形になっております。  3ページは、今のところ特段の変更はなされておりません。  4ページ、精度管理でございますけれども、ここにつきましては、血液検査が10項 目だったものが8項目という形で整理させていただいているところでございます。  5ページでございますが、判定値でございます。ヘモグロビンA1cについては5.1と なっていますが5.2の誤りでございます。境界型の判定値といたしましてミスプリにな っておりますが、5.2及び6.1です。申し訳ございません。  6ページの健診項目の基準値の標準化については、別紙5に整理をさせていただいて いますので、そちらで御説明させていただきます。  それから、付け加えさせていただきますが、7ページの左、4)対象者が治療中の場合 が削除されていますけれども、これは後で出てきます10ページの留意事項に移ってお りますので、そちらで御説明させていただきます。  8ページ、(2)保健指導対象者の選定と階層化の方法でございますが、ここは主に1) 基本的な考え方の2つ目の「○」でございますけれども、比較的若い時期、要するに65 歳未満に生活習慣の改善を行った方が予防効果が期待できると考えられるため、年齢に 応じた保健指導レベルの設定をしていくという考え方が入っております。その際には、 効果的・効率的に保健指導を実施していくためには、予防効果が多く期待できる者を明 確にし、保健指導対象者を選定するという考え方、それから、特定健康診査に相当する 健診結果を提出した者に対しても、特定健康診査を受診した者と同様に、特定保健指導 を実施するという考え方。  それから、ステップ1でございますが、まず、内臓脂肪型肥満に着目するという考え 方で、男性の場合腹囲85センチ以上、女性の場合は腹囲90センチ以上を第1グループ、 それから、1の基準に当てはまらないけれども、従来からの肥満の基準であるBMIが 25以上の者、このところにまず対象を限定します。  1)、2)以外の者の対応については留意事項でありますが、これは普通の保健指導を するという形になります。メタボリックシンドロームに着目した保健指導ではなくて、 一般的な保健指導をするという考え方になります。これは後で、千葉県のケースでも御 説明させていただきますが、まず、内臓脂肪、肥満に着目した方々に限定するという考 え方がステップ1です。  ステップ2といたしまして、空腹時血糖につきましては100mg/dl、ヘモグロビンA1c は5.2にするということ。それから、質問票は喫煙歴を採用する。これを使ってリスク の数とするという考え方でございます。  これに応じまして、基本的な考え方ステップ3ですが、リスクの数に応じて積極的支 援レベル、動機づけ支援レベル。リスクがない場合には情報提供レベルというようにす るという考え方でございます。  ステップ4につきましては、10ページにまとめてございます。血圧降下剤等服薬中の 者については、継続的に医療機関を受診しているということで、これは先ほど御説明さ せていただきましたが、医療保険者による特定保健指導の対象としないという考え方。  医療機関においては、生活習慣病管理料ですとか、管理栄養士による外来栄養食事指 導料とか集団栄養食事指導料等を活用することが望ましい、この部分は従来からある記 述でございます。  なお、特定保健指導とは別に、医療保険者が生活習慣病の有病者・予備群を減少させ るために必要と判断した場合には、主治医の依頼または了解のもとに保健指導を行うこ とができると規定しております。  市町村の一般衛生部門においては、主治医の依頼または了解のもとに、医療保険者と 連携し、健診データ・レセプトデータ等に基づき、必要に応じ服薬中の者の住民に対す る保健指導を行うべきであるという考え方でございます。  それから、前期高齢者、65歳以上75歳未満の方につきましては、予防効果が多く期 待できる65歳までに特定保健指導が既に行われてきていると考えられること、それか ら、日常生活動作能力ですとか運動機能等を踏まえ、QOLの低下に配慮した生活習慣 の改善が重要であるということから、積極的支援の対象となった場合でも動機づけ支援 とする。これは前回御説明させていただいたものでございます。  そういうことを踏まえまして、3)留意点でございます。まず、医療保険者の判断によ り、動機づけ支援、積極的支援の対象者以外の者に対しても、保健指導を実施すること ができる。これは前のページの1)、2)から来る対象者以外の者についても保健指導を 実施することができるということと、市町村の一般衛生部門においては、医療保険者と 連携し、健診結果等から医療機関を受診する必要があるにもかかわらず、医療機関を受 診していないものに対する対策、それから、特定保健指導対象者以外の者に対する保健 指導を行うべきであるという考え方。  それから、特定保健指導の対象のうち、積極的支援の対象者が非常に多くなる場合が ございます。その場合、健診結果、質問票等によって、生活習慣の改善により予防効果 が大きく期待できる者を明確にして、優先順位をつけて保健指導を実施すべきであると いう考え方。  それから、保健指導を実施する際には、健診機関の医師が医療機関を直ちに受診する 必要があると判断しているにもかかわらず、保健指導対象者が医療機関を受診していな い場合がございます。こういう場合は、心血管疾患の進行を予防、重症化を予防するこ とが必要でありますので、治療が必要であることを指導することが重要であるというこ とであります。治療を受けていない場合には、治療を受けるということをちゃんと指導 することが重要であります。  引き続きまして、健診データ・レセプトデータ等に基づいて、健診データからすると 糖尿病の治療をしているはずなのに、レセプトもずっとあったはずなのに、どこかでレ セプトが出てこなくなったりすることがあります。レセプトデータがないということは 治療が中断されているということになるわけでございまして、そういう場合には治療中 断の可能性が高いわけでございますので、そういうような方法で治療中断者を把握し、 心血管疾患の進行予防、要するに重症化の予防がすごく大事ですので、治療の継続が必 要であることを指導することが重要であるということでございます。ここは特に今回の 制度の中で重要なポイントだと思っています。治療を受けていない人がちゃんと治療を 受けるように、それから、治療中断者、重症化防止という観点で、このところをしっか りやっていくということが大事ではないかと考えております。  その他につきまして、健診結果の通知でございますが、医療保険者は健診結果につい て異常値を示している項目、異常値の程度、異常値が持つ意義等についてわかりやすく 受診者に通知する必要があるということ。その際には、健診機関は別紙5に判定基準が ございますが、機械的に受診者の健診結果を判定値に当てはめるのではなく、健診結果 の持つ意義、例えば血圧につきましては白衣高血圧等の問題で再測定が重要であったり、 それから、中性脂肪については直前の食事摂取に影響を受けること、血糖値については 受診勧奨判定値を超えていれば、直ちに医療機関を受診する必要があるということもい ろいろございますので、それぞれ検査によって持つ意義が違っております。こういうこ とについて、異常値の程度ですとか年齢等を考慮した上で、医療機関を受診する必要性 を個別に医師が判断し、受診者に通知することが重要であると。また、受診勧奨値を超 えた場合でも、軽度の高血圧、例えば、収縮期血圧が140〜159mmHg、拡張期血圧が 90〜99mmHg等であれば、服薬治療よりも生活習慣の改善を優先して行うことが一般 的でありまして、特定保健指導の対象となった者については、健診機関の医師の判断に より、保健指導を優先して行い、効果が認められなかった場合に、必要に応じ受診勧奨 を行うということが望ましいのではないかと考えております。  詳細な健診についてでございますが、判断基準を踏まえた一定の基準のもと、重症化 の進展を早期にチェックするためには、医師が必要と判断した場合には詳細な健診とし て眼底検査、心電図等のうちから選択的に行うこととする。なお、健診機関は基準を機 械的に適用するのではなく、詳細な健診を行う必要性を個別に医師が判断することとし て、その判定理由を医療保険者に通知するとともに、受診者に説明することとするとい うことでございます。  肝機能検査等の扱いですが、LDLコレステロールですとか、AST、ALT、γ− GTP等の階層化に用いられていない検査結果についても、保健指導判定値を超えている 場合には、特定保健指導の際に検査結果に応じて、その病態、生活習慣の改善をする上 での留意点等をわかりやすく説明する必要があると思います。特に、これらの検査は、 保健指導のときにかなり重要ではないかと考えております。  精度管理につきましては、参考といたしまして精度管理の定義というものを追加で書 かせていただいております。  次のページでございますが、指針につきましては変わっておりません。  14ページ、電子データのところでございますが、ここは基本的には変わっていません が、一番下のバックアップのためには、安全性の確保をされた複数の場所に保存するこ とが望ましいということで、安全性の記述を入れさせていただいております。  15ページでございますが、提出様式について、国の医療費適正化計画及び都道府県の 医療費適正化計画の進捗状況や実績評価のために、各医療保険者から収集する健診・保 健指導実施状況については、各医療保険者から支払基金等への報告様式を利用すること が考えられるというところを明確にさせていただいております。  基本コードのところも検査項目の見直しに伴いまして、その部分を削除しております。  17ページでございますが、健診コードについても文言を修正させていただいておりま す。  18ページでございますが、生涯を通じた健診情報のデータ管理の考え方でございます。 医療保険者は、被保険者・被扶養者ごとに健診データを整理するため一意性を保つこと ができる個人の固有番号を利用することが考えられる。この場合には、個人情報の保護 に十分配慮することが必要でありますということです。  それから、個人情報の固有番号を利用する場合の考え方として、被保険者の記号番号 という記述を追加させていただいています。  個人ごとの番号のところでございますが、同じ漢字でもいろいろなものがございます ので、前回も例示が出たかと思いますが、例えば、同じ「さいとう」の「さい」でもい ろいろな漢字がございますので、漢字を使うのではなく、例えば片仮名を使うことによ って一意性を確保することができるということで、生年月日や片仮名等を組み合わせて やっていくということ。それから、枝番号、例えば同じ生年月日でも双子の方とかそう いう方がいらっしゃったり紛らわしい場合もございますので、枝番号を追加するとかと いうことを、ここに追加させていただきました。  それから、医療保険者を異動した場合の対応についても、表現を追加させていただい ております。  19ページでございますが、特定健診における健診結果の保存年限でございます。これ に関しましては、できる限り健診データを保存できるようにするということと、記載に ありますが、大体ほかの法令が5年とかそういうところが一つの基準になっていますの で、他法令の健康診断結果等の保存年限等を参考にした上で、具体的な保存年限を設定 していく必要があるということで、このところもこの検討会でかなり保険者の方々から も配慮していただくようにと御指摘があったところでございます。  それから、アウトソーシングのところですけれども、まず、20ページの2つ目の「○」 でございますが、健診機関は敷地内禁煙にするなど、健康増進に関する取り組みを積極 的に行う必要があるということを、まず基本的な考えにさせていただきました。  それから、一番下ですが、医療保険者自らが実施する場合も本基準と同じ基準を満た す必要があるということを明確にさせていただいております。  それを踏まえた上で、次の21ページでございますが、具体的な基準のところでござ います。必要な医師、看護師等が質的・量的に確保されているということ、それから、 常勤の管理者が置かれていることと、管理上支障がない場合には、健康診断機関のほか の職務に従事し、または同一の敷地内にある他の事業所、施設等の職務従事することが できるものとするという規定が入っております。  先ほどの禁煙のところでございますが、健康増進法第25条に定める受動喫煙の防止 措置が講じられていることが入っております。  それから、情報の取扱いにつきましては、正当な理由がなく業務上知り得た健診受診 者の情報を漏らしてはならないという規定を明確にさせていただいております。  次の場合に22ページでございますが、医療保険者の委託を受けて健診結果を保存す る場合にも、同じようにこのガイドラインを遵守すること、それから、健診結果の分析 等を行うため、保険者の委託を受けて健診結果を外部に提供する場合には、本来必要と される情報の範囲を限定的に提供すべきであるという規定を入れさせていただいており ます。  それを踏まえまして、23ページでございますが、運営に関する基準という形で追加さ れてるところを御説明させていただきますと、重要事項に関する規定を定め、健康診断 機関の見やすい場所に当該規定の概要等を掲示するとか、ホームページによって掲載を 通じて内容を広く周知させるということで、具体的に事業の目的・運営の方針、事業者 の職種、員数及び職務の内容、健康診査の実施日・実施時間、健康診断の内容及び価格 その他の費用の額、通常の事業の実施地域、緊急時における対応、その他運営に関する 重要事項、健康診断実施者に身分を証する書類を携行させ、健診受診者から求められた ときにはこれを掲示すること、それから、健康診断実施者の清潔の保持及び健康状態に ついては必要な管理を行うとともに、健康診断機関の設備及び備品等については衛生的 な管理を行うこと、健康診断機関については、虚偽または誇大な広告を行わないこと。 健診受診者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するための苦情を受け付けるための窓口 を設置する等の必要な措置を講じるとともに、苦情を受け付けた場合には当該苦情の内 容等を記録すること。従事者及び会計に関する諸記録を整備することということを具体 的に明示させていただきます。  24ページ以降は具体的な別添の資料でございますが、これは検査項目の整理でござい ます。  別紙2でございますが、これは詳細な健診項目の選定の考え方でございます。特にこ れは前回御説明させていただきましたけれども、前年の健診結果を用いて、例えば血圧、 脂質、血糖、肥満等のすべての項目についての基準を満たしたと。眼底も同じ考え方で す。貧血については、貧血の既往歴ですかと、視診等での貧血が疑われる場合というこ とで、判定基準をここにお示しさせていただきました。  それから、標準的な質問票を別紙3に、血圧測定、腹囲計測の手順につきましては別 紙4に、健診検査項目の判定基準は別紙5に、先ほど別紙5に移したところでございま す。ここに整理をさせていただきます。健診の判定値はここに整理をさせていただいて おります。  それから、次の健診データの電子的標準様式につきましては、支払いの方もございま すので、ここはいろいろと今後整理が必要かと思っておりますが、今のところはこのよ うな形で整理させていただいております。  それから、電子的標準様式のイメージも、ここで整理させていただいております。デ ータのチェック範囲です。  別紙8は、健診データ電子的フォーマット、これはイメージでございますので、もう 少し中身は違う形ですが、具体的なイメージとしては、このような形で電子フォーマッ トがつくられているということでございます。  健診の部分については以上でございます。 ○勝又保健指導室長 引き続きまして、保健指導について。34ページでございます。ま ず、保健指導の実施の基本的な事項ということで追加をさせていただいております。  1)標準的な保健指導プログラムについてということで、生活習慣病予備軍に対する保 健指導とはということで定義を書いておりまして、必要な行動変容に関する情報を提示 し、自己決定ができるように支援することと位置付けております。  保健指導の効果に関する研究については、実践レベルでの検証が不十分だということ で、前回の1月10日の検討会の中でもお話がありましたように、最低限実施すべき保 健指導と望ましい保健指導について、このプログラムの中では記載しているということ でございます。  保健指導の要件については、高齢者医療確保法の施行後において最低限実施すべき要 件の評価を今後行っていくということを記載しております。また、本プログラムにつき ましては、保健指導の内容とかあるいは体制等につきましても、保健指導の今後の実施 状況を踏まえまして、必要に応じて見直し・検討をすることといたしております。  次の2)からは、対象者ごとの保健指導のプログラムについてということで記載してお りまして、情報提供、動機づけ支援、それから、積極的支援の定義づけをそれぞれ行っ ております。  次に、35ページの3)でございますけれども、保健指導の実施者については、基本的 にはこれまでの検討内容が書かれているわけですが、保健指導は医師、保健師、管理栄 養士が中心となって担うこととすると。動機づけ支援や積極的支援においては、初回面 接、対象者の行動目標・支援計画の作成、保健指導の評価に関する業務を行う者は医師、 保健師、管理栄養士であること。ただし、法施行後5年間に限りまして、一定の保健指 導の実務経験のある看護師も行うことができるというように位置付けております。  動機づけ支援、積極的支援のプログラムのうち、食生活・運動に関する対象者の支援 計画に基づく実践的な指導については、医師、保健師、管理栄養士、その他食生活運動 指導に関する専門的知識及び技術を有する者で、特に、健康体力づくり事業財団が認定 する健康運動指導士や事業場における労働者の健康保持増進のための指針に基づく運動 指導、産業衛生指導、産業保健指導担当者などが実施するというようなことで記載の追 加をしているところでございます。  更に、保健指導において禁煙指導を提供する場合には、禁煙指導には禁煙補助剤の活 用が有効であるということから、医師、薬剤師と連携するなど、保健指導の内容や対象 者の方々の状況を考慮し、他職種の方とも一定の連携を図ることが望ましいと書いてお ります。  また、医師に関しては、認定資格を有する者ということで、日本医師会の認定健康ス ポーツ医等活用することが望ましいということを記載しております。  以上のような考え方を踏まえつつ、これまで医療保険者や事業所において看護師によ る保健事業がなされている現状を踏まえまして、医師、保健師、管理栄養士の配置が進 むことが期待される高齢者医療法の施行5年後に限り、看護師等についても面接による 生活習慣の改善に係る行動計画の策定等を行えることとするということで記載しており ますけれども、上の方と文章が二重になっているところがありますので、そこは整理を させていただきたいと思います。  更に、保健指導を実施する者は、保健指導のための一定の研修を修了していることが 望ましいということで、保健指導の実施者については記載しております。  次に、40ページをごらんいただきたいと思います。7)の記録とデータの管理でござ いますけれども、特に「また」以降の真ん中辺りに書いてございますが、個々の対象者 に事業者への必要なデータを移行することの了解をとり、その旨を記録することも必要 であると、これは再委託の場合とかそういったこともございますので、個々の対象者に 事業者への必要なデータを移行する場合には、御本人の御了解をとってくださいという ことを加筆しております。  (2)で「情報提供」「動機づけ支援」「積極的支援」の内容ということで、これらに関 しましては、1月10日の本検討会の中で議論された内容を追加・加筆しているという ことで御理解をいただきたいと思います。  46ページでございますけれども、特に1月10日以降に変更した点ということで、(6) の支援ポイントでございますけれども、1月10日以降さまざまな御意見がございまし て、ポイント数についてを再度検討いたしまして、これまで個別の面接5分20ポイン ト、電話Aの積極的支援タイプのポイントが5分20ポイントということで、個別面接 と電話Aというものを同様のポイントにしていたんですけれども、やはりこれまでのさ まざまな御意見により、面接によって保健指導を行うというものが非常に効果が上がっ ているというようなことから、面接にインセンティブを働かせるということで、今回基 本的なポイントを個別支援は5分20ポイントですけれども、電話Aの基本的なポイン トを5分15ポイントということで、5ポイント点数を下げさせていただいたというこ とでございます。  52ページをごらんいただきたいと思います。個別支援の計画及び実施報告書のひな形 でございまして、保健指導実施機関から医療保険者へ提出するものということで、黄色 の部分につきましては、初回面接時に記入をしていただきまして、青の部分については 支援プログラムの終了時に記入していただき、更に、緑の部分については6か月の評価 時に記入していただいて、保健指導実施機関から医療保険者の方々に提出をしていただ く様式というものでございます。計画だとかあるいは実際に行った実施内容に関して、 あるいはポイント等についてここに記載して、医療保険者に提出するといった様式にな っております。  次に、56ページをごらんいただきたいと思います。4)実施に当たっての留意事項と いうことで書いてございますけれども、(4)でございますが、積極的支援における保健指 導の実施者についてということでございますけれども、生活習慣病予備軍に対する保健 指導は個人の生活が行動の背景にある健康に関する認識とか、価値観に働き掛ける行為 でありまして、保健指導実施者と保健指導対象者との十分な信頼関係というものが必要 であるということから、例えば、同職種の保健師等が数回に分けて保健指導を実施する という場合には、できる限り同じ者が実施することが望ましいという文言を追加してお ります。  (5)は望ましい保健指導ということで、変わりはございません。  次に、「第6章保健指導実施に関するアウトソーシング」でございますけれども、66 ページの(4)委託基準をごらんいただきたいと思います。1)基本的な考え方の最後の 「○」で追加しておりますけれども、例えば健康増進施設とかあるいはスポーツクラブ など、運動を提供する施設につきましては、日本医師会認定健康スポーツ医を配置する などによりまして、安全の確保に努めることが必要であるということを追加しておりま す。  更に、67ページでございますけれども、保健指導対象者が勤務する事業者に保健指導 業務を委託する場合は、その事業者の産業医が中心的な役割を担い、保健指導を実施す ることが考えられると記載しております。  68ページは、2)具体的な基準でございますけれども、人員に関する基準ではaで保 健指導の業務を統括する者は、常勤の医師、保健師、管理栄養士であること。また、常 勤の管理者が置かれていることということで、この統括者と管理者が一緒の場合もあり ます。ただし、管理上支障がない場合は、保健指導機関の他の職務に従事し、または同 一の敷地内にある他の事業所や施設等職務に従事することができるものとするというこ とで記載しております。  あとは、第3章3)の保健指導実施者で御説明したことが書かれてあるということでご ざいます。  fをごらんいただきますと、保健指導プログラムに応じて、再委託先や他の健康増進 施設等との必要な連携を図ること、あるいはgで、保健指導の実施者は国、地方公共団 体、医療保険者、日本医師会、日本看護協会、日本栄養士会等が実施する一定の研修を 修了していることが望ましいということで、一定の研修等については次回御検討いただ きたいと思います。  70ページでございますけれども、gで次に掲げる事業の運営については、重要事項等 に関する規定を定め、保健指導機関の見やすい場所に当該規定の概要等を提示するとい うものについては、先ほど室長からお話がありました健診機関とほぼ同様の中身になっ ております。  なお、先ほど室長から優先順位のお話がございましたけれども、保健指導の優先順位、 それから、保健指導を中断した者とか、あるいは保健指導が未実施といったような方々 についての取扱いは、次回の検討会で協議をさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  大分長い範囲の説明でありましたけれども、これらはすべては、これまで皆さんから 御意見をいただいたものを事務局でまとめていただき、新旧対照表という形で修正部分 について説明をしていただきました。これらの説明について、皆さんから御意見あるい はこれまでお話しした中での論点が漏れているとかそういうこともあろうかと思います が、御意見はいかがでしょうか。 ○小山委員 68ページにありました、保健指導を実施する者は、一定の研修を修了して いることが望ましいというのですが、「望ましい」という言葉の裏には、絶対しなければ いけないというわけではないという意味が入るわけでしょうか。つまり、統括者なり管 理者はそれなりの見識を持っている人でも、現場で働いている方々がどれくらい資質が あるかということの問題が実は一番大きいんでしょうけれども、それを研修させようと すれば大変なことかなという気がしているわけです。仮に、1つの施設の中で十分なこ とをやっている管理者がおれば、その人が部下を教育する、研修するという形でよろし いのかなということが一つ、それと、今ここで挙げてありますけれども「等」という言 葉ですが、実際に国や地方公共団体、医療保険者、日本医師会、日本看護師協会、日本 栄養士会等、このほかにも既に例えば私は日本人間ドック学会に所属しているんですが、 ドック学会でも既にそういう人の養成というか研修を始め掛かっておりますので、恐ら くほかの団体もしていると思います。例えば、全衛連にしてもそうでしょうし、いろい ろなところでしようとしています。この「等」の中に含めると考えてよろしいんでしょ うね。 ○勝又保健指導室長 1点目の「望ましい」ということでは、次々に研修を受けていた だくということになりますので、生活習慣を変えるということは非常に難しいことでご ざいますので、一定の研修は修了していただきたいということが基本的な考え方でござ います。  それから、もう一つ「等」ということでございますけれども、これから一定の研修と はこういうものであると、プログラムも今後示させていただきたいと考えておりますの で、それに準じた研修をやっていただければいいという形で、研修プログラムとか研修 の基準を示させていただきたいと思っております。 ○小山委員 要するに、その基準をきちんとやっておれば、いかなる団体がやってもい いということになるんでしょうか。 ○矢島生活習慣病対策室長 先ほどお話が出ました団体、人間ドックの関係の団体だと か具体的に御相談を受けております。中身を見せていただいておりますので、どこでも いいと言うとちょっと問題なので、私どもの方でちゃんと基準を明確に示させていただ いて、まずいものはまずいということは我々もちゃんと言わせていただかなければいけ ないのかなとは思っております。 ○漆崎委員 10ページをお願いしたいと思いますが、保健指導の修正案のステップ4の 2つ目の「○」で「市町村の一般衛生部門において、主治医の依頼また了解の下に医療 保険者と」というところがございますが、これは従来からポピュレーションアプローチ 等によりまして、かなり市町村で保健師が中心になって住民の健康教育をしたり、指導 をしているところで、非常に意義があるかなと思っております。ただ、平成20年度か らは医療保険者が中心になっておりまして、市町村の保健師がやる場合のシステムとか 予算とか体制というものもちょっと気になるんですが、その辺をどうお考えかお知らせ いただきたいということと、留意事項の2つ目の「○」の中に、市町村で健診結果の中 で医療機関を受診する必要があるにもかかわらず、受診していない者の対応をどうする のかということで、未受診者の問題は、この前ときにたしか医療保険者の方で通知する んだということがあったんですけれども、これが市町村で行われる場合にどんなふうに 考えているのか、その辺のイメージが沸かないのですが、よろしくお願いしたいと思い ます。 ○矢島生活習慣病対策室長 このところにつきましては、まだこれから詰めていかなけ ればいけないところがありますけれども、基本的に財源につきましては平成20年度以 降の話になりますので、これからどういうふうにやっていくのかということになると思 いますけれども、従来もやってきたわけですので、それを引き続き継続してやっていた だけることが大事だと思っております。ですから、そういう意味では2つの質問があっ たと思うのですが、そこにつきましても、なるべく御趣旨を踏まえた上で財源を確保で きるように、それから、実際にそれが担保できるような仕組みというものも、これから 考えていかなければいけないと思っております。 ○漆崎委員 よろしくお願いいたします。 ○久道座長 ほかにございますか。 ○島本委員 11ページの受診勧奨のところで、特に血圧の件なんですけれども、この点 につきましては、12月に高血圧学会の理事会で実は諮って、140/90というものを160 /100と上げておりまして、その際、条件として軽症高血圧を見る場合、ガイドライン 上3か月の生活習慣の改善ということになっているものですから、この文章の中で入れ にくいのかもわかりませんけれども、少なくとも学会としてはそういうことになってい たということで、どこかに何らかの形でその点留意いただければと思っています。よろ しくお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 御指摘はいただいていますが、どんな表現ができるか持ち 帰らせていただいて、工夫できるのであれば入れたいと思います。 ○内田委員 今の件ですけれども、今回、保健指導の積極的支援と受診勧奨と数字を区 別しましたよね。段階を分けましたから。受診勧奨者に対する保健指導というところを もっとわかりやすく記載する必要があるのではないかと思います。要するに、まず、受 診を先にして、主治医と相談の上保健指導に持っていくのか、先に保健指導に取り組む のか、その辺のところをきちんと整理して。 ○矢島生活習慣病対策室長 資料の一番最後のページに参考資料5という形で、私ども なりにまとめさせていただいたフロー図を用意させていただいております。糖尿病等の 生活習慣病予防のための健診・保健指導、健診から保健指導実施へのフローチャートと いう形で、今の制度の考え方からいくと、大体こういう流れになるのではないだろうか というものを、私どもなりにまとめさせていただきました。そこの中で、健診を受けて いただいた後、まず、一度受けているのかどうかということがすごく大変になりますの で、レセプトとの関係で治療中であるかどうかということ、それから、治療がない場合 に健診結果、これは暫定版の中に書いてある判定値に基づきまして、健診結果から判定 するわけでございます。先ほどの特定保健指導の対象となるのは、男性の場合腹囲85 以上、女性の場合は90以上、または、BMIが25以上という形になります。それ以外 の方々は、普通の保健指導であったり、それから、勿論治療が必要な方がいたりします。 そういう方々は左になります。受診の必要性を含むという形で情報提供であったり、治 療を受ける。そのときに、受診が必要であれば当然医療との連携の話がありますし、受 診が必要でないということであれば、特定保健指導以外の保健指導ということも必要か と思います。この辺のところで、特定保健指導と特定保健指導以外の保健指導、それか ら、医療との連携、かかりつけ医というようなところとの連携を、この形でとりあえず 私どもなりに整理をさせていただいておるところでございますが、このところでもし御 意見等があれば、またいろいろお知らせいただければと思っております。 ○田中委員 国保中央会の田中です。  全体すべてについて質問する余裕がないんですが、全体的な記述に関する基本的な考 え方について注文といいますか、お願いしたいと思います。  1つは、保険者がこれをやるわけですけれども、余りにも手取り足取りっぽいという 印象があります。保険者として私は、健康の責任というのは基本的に個人にあると思っ ておりまして、我々はこういった義務化の中で個人の健康責任に対して、保険者として 一定の支援の手を差し伸べるということが必要だという認識は十分持っておるわけで、 これまでの保健活動よりもより積極的に支援するつもりでおりますけれども、あくまで も本人の努力のお手伝いをどの程度できるかというところではないかと思っておるとい うのが1点。  それから、全体の記述の中で保険者が自主的に判断する余地があるのかなと。決めら れたことを保険者、あなたやりなさいといった印象が非常に強い。  それと、いろいろなところで一定の資格が必要な世界があるような書き方がなされて いるような気がするんですが、今申し上げました3点について、1〜2か所確認申し上 げたいんですけれども、1つは、例えば11ページで、健診結果の通知というところで 「その際」というところです。その際、健診機関は云々、検査結果の持つ意義、異常値 の程度、年齢等を考慮した上で、健診機関はこういったことを考慮した上で、「医療機関 を受診する必要性を個別に医師が判断し」、ここで文章としてどれが主語なのかわからな いんですが、「受診者に通知することが重要である」。「健診機関」はどこに掛かるのか、 「医師が判断し」というのがその後独立して「通知することが重要である」まで掛かる のか、これは文章としてなっているのかというのを教えていただきたい。  それから、詳細な健診というところで、判断基準を踏まえた一定の基準のもと、重症 化の進展を早期にチェックするため、医師が必要と判断した場合は、詳細な健診として、 眼底検査、心電図等を医師が選択的に行うこととする、要するに、医師が判断すれば何 でもできるのかと。保険者の判断権限というのはどこにあるんだと。これはいろいろな ところでそういう表現があるわけですけれども、本当にそうなのかなということが1つ。  それから、36ページの保健指導のところですけれども、「さらに」のところで「保健 指導を実施する者は、保健指導のための一定の研修を修了していることが望ましい」、こ の意味が私は全くわかりませんで、保健師というのはそういう知識を有している者では ないのかと。そういうことが不足をしている者を保健師として出しているのかなという ことなんですね。  それから、私のささやかな経験知では、要するに保健師というのはふだんの日常的な 住民の保健指導やそういった経験の中から、先輩と一緒にとか、医療関係者やいろいろ な人と一緒にそういったことをやりながら、そういう過程においてそういった指導力と いうものは学習してきているんじゃないかと思うわけなんですけれども、こういった研 修という期間を設けたり、そういったことをやってしまうと、ついつい独り歩きしかね ないんですよね。これが必要だと、そこに命がけになってくる人もいるわけです。要す るに、冒頭申し上げましたように、余りにも手取り足取りではないかということと、保 険者の自主的判断の余地はどこにあるのかと。それから、一定の資格が必要といった世 界というのは余り歓迎すべきではないのではないかと、この3点についてお答えしてい ただければありがたいんですけれども、そういったことを注文をつけておきたと思いま す。 ○矢島生活習慣病対策室長 私どもがここにお示しさせていいただきましたのは、最低 限のところをますお示しさせていただくとともに、あるべき姿というものもお示しさせ ていただいているという意味で、手取り足取りというより、正直言いまして、これでも まだ足りないんじゃないかと思っております。学習教材の方では、もっと手取り足取り そちらの方で具体的に、それはあくまでも例示ですので、そのとおりにやらなければい けないというものではなくて、あくまでもやり方としてはこんなものもありますねとい うのを、学習教材のところで少し手取り足取りのレベルをお示しさせていただいて、ま た御批判をいただければと思っています。  それから、保険者の裁量のところでございますが、基本的には個別のいろいろな健康 課題とかいろいろな集団についての課題というのは、それぞれ違っていると思っており ます。いろいろな保険者の方々が持っている課題というのは、すごくいろいろな課題が ありまして、やはり生活習慣病を予防していくためには画一的にはできない。金太郎飴 のように北海道から沖縄まで同じ基準で動けないと我々は逆に思っていますので、その 部分は地域特性ですとか集団特性を踏まえて、どういう人たちを対象にやっていくのか、 どういう人たちを優先的にやっていったり、特に重点的にやるとか優先順位をつけると いうのは、医療保険者の方々の裁量のところだと思いますが、ただ、そうは言っても一 般的に、例えば若い人の方がいいですよとか、リスクの多い人がいいですよという基本 的なところは、一つ方向性だけはお示しさせていただく必要があるのではないかと思っ ているところであります。  具体的に御指摘のところをお答えさせていただきますと、先ほどの11ページの健診 結果の通知のところは、「個別に医師が判断し、受診者に注意することが重要である」の 主語は「健診機関」でございます。健診機関は機械的にやるのではなくて、その必要性 については個別に判断するということで、健診結果ですから医師がということなので、 ここに書かせていただいていますけれども、個別に健診機関の医師が判断して受診者に ちゃんと通知するということ、これはどちらかというと当たり前のことを書かせていた だいたのですが言葉が足りなければ、今御指摘がありましたようなことで、主語が離れ 過ぎていてわかりにくいという御指摘でありましたら、そこのところは是非改めさせて いただかなければいけないと思っております。御指摘がありましたような形で、なるべ く誤解を生まないように工夫をさせていただきますので、また表現等においてこれはち ょっと好ましくないということがありましたら、是非検討させていただきたいと思って います。  それから、11ページ下の詳細な健診の御指摘でございますが、25ページにもう少し 丁寧に書いてありまして、健診機関の医師は当該詳細な健診を必要とした場合には、必 要と判断した理由をちゃんと医療保険者に示すとともに、それをまた受診者にも説明す るということをこの中に書かせていただいておりますので、決して何でもかんでもとい うことではなくて、必要なものについてやらせていただくということが大事だと思って おりますし、それから、先ほど最後に御指摘いただいた研修のところは、保健師の例示 をされて、当然、保健師の方々はこういうことは十分日ごろから勉強していただいてい ると思いますが、また、健康スポーツ医につきましては、カリキュラムの見直しもお願 いしたいということで御了解をいただいておりまして、そういう意味で、新しい流れに 沿った研修というものも是非、関係の方々にもお願いしつつ、みんなで協力してやって いくという体制をつくっていくことができればありがたいということで書かせていただ きましたので、一応一定の研修も是非やっていただきたいということで、お願いを申し 上げます。  以上でございます。 ○宮地委員 国立栄養研究所の宮地でございます。  66ページの委託基準のところでございますが、一番下が新しく加筆されたところと存 じますけれども、その文言の中に「保健指導として運動を提供する施設については、日 本医師会認定健康スポーツ医を配置する」とありますが、その配置するというのは、ど ういう内容なのかということを御説明いただければということが1つと、「配置するなど により」と書いてあるんですが、それは配置しなければいけないということなのか、そ れとも配置しなくてもよいということなのか、その2点について御説明いただきたいん ですが。 ○矢島生活習慣病対策室長 現に、例えば健康増進施設等で健康スポーツ医が必須の条 件となっている場合もありますし、常勤でなくても非常勤という形で、ある程度負荷が 掛かったような指導をする場合には、そういうところと連携して、専門の健康スポーツ 医の方々が何らかの形でかかわっていくということもあると思いますので、そういう意 味で、勿論常勤という考え方もありますし、場合によっては非常勤ということもあると 思いますが、そういうことも含めて配置という考え方をお示しさせていただく。もし、 そこのところはいろいろな知見が今後出てくれば、もう少し細かく調整をさせていただ くということも必要ではないかと思っていますが、まずは配置をするということが必要 ではないかと考えております。 ○宮地委員 御趣旨はよくわかったんですけれども、配置をするという言葉がこういう 形で出てしまうと、常勤でいなければいけない、運動指導をしている機関などは健康ス ポーツ医が常にいなければいけないといったニュアンスを運動の専門家としては感じる わけです。今の御説明ですと、100%そうではないということだったので、是非この「配 置する」という言葉については、今後少々御検討いただいて、もう少し適切なというか、 きちんと読める言葉にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 これにつきましては、そういうことで誤解を生むようなこ とがあっては、現場が混乱しますので、なるべく誤解を生じないような形で、関係のと ころとも表現については調整させていただきたいと思います。 ○酒巻委員 群馬大学の酒巻です。  40ページに、7)記録とデータ管理というところがありますが、ここは保健指導の記 録は必須の要件と読み替えてよいわけですか。つまり、必ず記録は置きなさいと。その 例として52ページが示されていると考えればよろしいでしょうか。それとも、この52 ページとは違う保健記録を必要とすると考えるのでしょうか。 ○勝又保健指導室長 52ページは保健指導の実施機関ですけれども、そこから医療保険 者の方々に対して、こういう保健指導をやりましたよということで御報告をされるとい うことでして、具体的な保健指導の目標だとか評価といったものについては、別の保健 指導の記録をきちんとつけていただきたいということを考えております。 ○酒巻委員 それは義務付けるという文言が全体のどこかに入っているんでしょうか。 ○勝又保健指導室長 通常は、医療とかあるいは保健で提供した場合には、記録をつけ るということは必須だと考えておりますけれども。 ○酒巻委員 私もそれは全くそのとおりだと思いますが、これは多分新しい制度の中で 行われることですので、必須と考えない人もおられるかもしれませんが。 ○勝又保健指導室長 わかりました。 ○森光委員(中村委員代理) 埼玉県の中村の代理で来ました森光です。  この中で、「市町村の一般衛生部門には」ということが10ページ等に幾つか出てきて いるわけですが、そこでお尋ねをしたいのは、当然市町村はいろいろな準備をしており、 衛生部門と国保部門とどういう連携をとろうかと、どういう役割分担をしようかとかい ろいろ検討しているところです。これまでこの中の主語は、ほとんど医療保険者という ことで受け止めておりました。また、国保部門のお仕事を委託を受けて一般衛生部門が やるという形で私も認識しておりましたので、例えば、そういう形で一般衛生のいわゆ る保健センターがどういうふうにかかわるかという意味では、国保部門が企画を立て、 それを委託を受けてやるという形で考えておったんですが、こういうふうに一般衛生部 門においてはという形になりますと、必ずこの仕事については一般衛生部門の仕事だと 受け止めることになるのかというところをお尋ねしたいと思います。  もう一点は、前は個人情報保護の関係で、例えば、国保部門という形でこういう健診 をやったときにデータを得たとしても、それを一般衛生部門の基礎的な、いわゆる仕事 の基礎材料にして保健活動をしてはいけないんじゃないかと我々は受け止めておりまし たので、例えば、こういう健診データを国保部門であるからといって、一般衛生の保健 センターの担当者がそのデータを基に保健活動をしてはいけないよという指導を実はし ていた部分がありましたので、そこは確認を、そういう個人情報の関係で大丈夫なのか、 その2点をお尋ねさせていただければと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 すごく大事なポイントでありまして、都道府県の担当課長 会議でも御説明させていただきましたが、今回は従来ありました老人保健事業の基本健 康診査の部分にだけ目が行っていたと思うのですが、例えば、従来老人保健事業でやっ ていたものは国保部門と一般衛生部門の両方の部門にまたがるのですね。それから、受 診勧奨と言っても、基本健康診査だけの受診勧奨などは、後で後期高齢者の話もありま すが、やはり住民は1人ですので、なるべく一緒にできるのであれば一緒にした方がい いという考え方も、これから出てくると思うのです。ですから、そういうことでは、一 般衛生だけではなく、国保と一般衛生との連携はすごく重要になってくると思います。 そういう意味で、どういう形態がいいのかということも含めて、具体的にはいろいろあ ると思うのですけれども、そこはどういうやり方が可能なのかというのは勿論あると思 いますが、一般衛生と国保との連携がこれから重要だと思っていますので、どういう形 でやれば今御指摘のあったような連携を確保できるのか考える必要があります。  それから、予算につきましては平成20年度の話ですので、これから予算措置につい ては具体的に詰めていく形になりますので、そういう流れで、その辺の連携については 詰まっていないところは、これからいろいろと現場の声も聞きながら詰めていきたいと 考えております。 ○池主委員 今、室長から歯周疾患の問題等の御発言がありましたので、フローチャー トの一番上の他の保険者等の結果の提出者というところに今の問題は入るわけですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 これは基本健康診査の部分だけですので、例えば、人間ド ックですとかほかの健診を受けて結果があると。例えば、医療機関として健診をやる前 にデータがあるとか、いろいろな場合がありますので、そういうところから健診結果の 提出があった場合には、健診とみなすという規定がありますので、そういう流れであり ますが、先生の御指摘の歯周疾患は、がん検診と同じように、これとはちょっと違う流 れになります。 ○池主委員 できましたら、それらを含む全体図がわかるようなフローチャートもつく っていただきたいと思います。 ○久道座長 ほかにございますか。  それでは、この標準的な健診・保健指導プログラムの大きな見出しの見直しの論点に ついては、今日いろいろ議論をいただきました。修正案についても、ほぼ御了承いただ いたということにさせていただきたいと思います。細かいところは文言でいろいろあろ うと思いますが、これはまた事務局と相談しながら手直しをして、次回にお諮りすると いうことにしたいと思います。  次の議題について、事務局からお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、資料3になります。後期高齢者に対する健診・ 保健指導の在り方についてでございますが、前回余り時間がございませんでしたので、 前回の資料を踏まえて考え方の整理をさせていただいております。  まず、1の基本的な考え方でございます。75歳の方、後期高齢者という定義になりま すが、必要な場合には75歳となる前までに特定保健指導が大体行われてきていると考 えられるのではないかということ。それから、後期高齢者の方については、疾病の予防 が75歳未満の者よりも大きくない、むしろQOLの確保の方が大事になってきている ということです。疾病予防というよりもQOLを確保し、本人の残存能力をできるだけ 落とさないようにするための介護予防というものが、むしろ重要だという考え方。その 一方で、やはり糖尿病等の生活習慣病を早期に発見するという、そういう意味では健康 診査は重要である、これは基本的な考え方です。  そういうことを踏まえて、後期高齢者についても健康診査は重要であるということ。 それから、75歳以上の者に対する健診項目については、基本的には75歳未満と同等の 項目とする。ただし、積極的な減量等を一律に行わないということであれば、腹囲につ いては医師の判断によって実施するということが適当ではないか。それから、心電図と かそういうものについては、医師の判断により実施する項目については、健診機関の医 師がこれらの必要性を含めて受診勧奨か否かを含めてやるということで、必要な検査を 実施するという考え方。それから、かかりつけ医を受診している者については、必ずし も健康診査を実施する必要はないのではないかという考え方です。  3、保健指導についても、むしろQOLを確保するということが重要だということで、 40〜74歳と同様に、一律に行動変容のための保健指導を行うのではなく、本人の求めに 応じて健康指導の機会が提供できる体制が確保されているということが重要ではないか と。  4、他の事業との関係で、市町村では後期高齢者に対する健康診査と、地域支援事業 における生活機能評価を別々にやるのではなくて一緒にやるということが望ましいと考 えていますし、そういう観点を踏まえますと、65歳からの前期高齢者に対する特定健診 についても、やはり地域支援事業における生活機能評価と共同で実施することが望まし いのではないかというのが考え方であります。  以上でございます。 ○久道座長 ただいまの説明に、御意見はございませんか。よろしいでしょうか。 ○内田委員 これは今後のことを考えますと非常に重要だと思うんですけれども、老健 法がなくなることによって、この位置付けが非常にあいまいになってくると。予算措置 もはっきりしなくなると。一時的にがとうか知りませんけれども。その辺のところを、 将来にわたってきちんと担保するようなことを考えていかなくてはいけないと思います ので、もうちょっと明確にそこが出るように今後取り組みを進めていただきたいと思い ます。これはほかの健診につきましても同じでございまして、また健診対象者に対する 利便性といいますか、あるいは地域格差をつけないといったところで、調整というか指 導が必要だと思います。よろしくお願いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 特に、介護予防との関係がありますので、関係部局ともよ く調整をさせていただきながら、ここのところは詰めさせていただきたいと思います。 ○久道座長 ほかにございませんか。なければ、次の議題、第3回の検討会でいろいろ と御審議いただきました、運動・身体活動を指導する際のリスクマネージメントについ て考え方を取りまとめていただいております。宮地委員から御説明をお願いしたいと思 います。資料4です。 ○宮地委員 よろしくお願いします。  メタボリックシンドロームの該当者あるいはその予備軍の者は、身体・活動運動実施 時に傷害や内科的イベントに遭遇するリスクが高いということがわかっています。した がって、十分なリスク管理を行う必要があると存じます。その要点として2つの点が挙 げられまして、1つは、運動・指導者のリスクの把握と層別化をするということ、2つ 目は、傷害と事故の予防対策の徹底が不可欠であるということになります。  1)リスクの把握と対象者の層別化に関してですが、個々人がどのようなリスクを有し ているのかを健診結果や質問票、面接などにおいて十分に把握する必要があるというこ とであります。健診結果が保健指導対象の値の中にも運動実施時に傷害や内科的イベン トに遭遇するリスクが高い者が潜伏しているということに留意しなければならないとい うことです。  (1)として、脳卒中、虚血性心疾患などの循環器疾患、または、慢性腎炎などの腎臓 病などの疾患の既往歴は、確実に把握する必要があるだろうということがあります。  (2)として、服薬により正常域あるいは境界域に測定値がコントロールされているケ ースが多くあるため、服薬の有無等についても十分に把握をしておく必要があると思い ます。  このような(1)(2)のリスク把握に関しては、5ページにございます標準的な質問票の 1〜6の項目、これは既に標準的なプログラムの中に出ているものなんですけれども、 この項目を調べることで、かなりの部分で把握ができるのではないかと思います。  2ページに戻っていただきまして、そういったものでリスクを把握したものに関して、 表1としまして動機づけ・積極的支援対象者のリスク把握による層別化ということで、 今回のリスク把握の層別化の要点を(1)〜(4)に表にまとめております。まず、(1)の質 問票により心臓病、脳卒中、腎症の既往歴があるという者に対しては、かかりつけ医も しくは健康スポーツ医の指導による運動・身体活動を実施していく必要があるというこ とになります。  (2)質問票により服薬があるという方も、(1)と同様にかかりつけ医もしくは健康スポ ーツ医の指導による運動・身体活動の実施が必要ということになります。  (3)として、この健診によって初めて受診勧奨が必要と思われるような値に到達した 人、今まで病気だということを知らなかった人、当然医師にもかかっていないという方 に関しては、本人による医師へ相談をしていただいて、医師から運動の許可や内容につ いて指導があったことに関して保健指導担当者が運動・身体活動指導を担当するという 手順が必要ではないだろうかということになります。  (4)になりますが、上記以外の動機づけ、積極的支援対象者、すなわち病気ではない 純粋なメタボリックシンドロームの方あるいはその予備軍の方に関しては、保健指導者 が運動・身体活動指導を中心に行っていくということになろうかと思います。  このようなリスクの層別化の後、それでもやはりよほど注意をしなければいけないの で、そういうメタボリックシンドロームの方には2)にあるように、傷害と事故の予防対 策の徹底ということをしなければならないと考えます。メタボリックシンドロームの該 当者やその予備軍の者は、体重が重く、膝や腰などに痛みが出る可能性がとても高いで す。また、健康な者と比較して、循環器疾患の事故が起こる可能性が高いです。そのた め、予防のために幾つの配慮が必要となります。  (1)運動・身体活動にふさわしい服装や傷害予防のための靴の選択などが適切に指導 される必要があります。服装に関しては、体温調節が可能で動きやすいものが推奨され ます。また、勧奨機能のすぐれた運動に適した靴を履くことが推奨されます。この内容 については、昨年度定められたエクササイズガイド2006の31ページに書いてあります。  (2)として、運動・身体活動前後の準備運動・整理運動の実施方法をきちんと指導す る必要があるということになります。準備運動は運動による傷害(外傷)と慢性傷害の 両方を含みますが、循環器疾患の事故などの発生を予防する効果があることが十分にわ かっております。通勤で歩く、買い物に歩いて出掛けるなどの身体活動を実施する際に も、軽くで構いませんから準備運動や整理運動を実施することが推奨されます。  (3)運動・身体活動の内容や強度の選択という問題がございます。運動・身体活動の 内容は、血圧上昇が少なく、エネルギー消費量が大きく、かつ、循環器系疾患の事故や 傷害の危険性が低いことが十分に明らかになっている、有酸素運動が推奨されます。筋 力トレーニングのみをメタボリックシンドロームの対象者の方に実施させることは望ま しくありません。  運動・身体活動の強度に関してですが、初期は3METs程度、これはわかりやすく言 えば散歩程度の強度ですが、その後、支援の期間中は3METs以上6METs未満の強度 の運動もしくは身体活動が推奨されます。積極的支援対象者に対しては、6METs以上 の運動や身体活動は原則的に指導しないということが必要かと存じます。  積極的な支援対象者に高強度の筋力トレーニングや重い荷物を運ぶなどの実施をさせ る際や6METs以上の有酸素運動を実施させる場合には、健康スポーツ医の指導などに 基づき指導することが不可欠だと思います。  (4)運動・身体活動の正しいフォームの指導ということになります。指導者は、基本 的な運動や身体活動のフォームを見せたり、留意点を体験させるという実技指導を通し て指導をしておくということが必要になります。これはエクササイズガイド2006の17 〜18ページにその例が示してあります。  (5)膝や腰に整形外科的な問題がある方が、メタボリックシンドロームの方の中には かなり多くうかがえます。そのような方には、水中運動や自転車運動など、体重が下肢 に完全に掛からない運動から始めるこどか望ましいということがございます。  (6)運動・身体活動中の対象者の様子や体調の変化へ配慮も必要でございます。  (7)として、運動を指導する施設等で必要なことでございますが、救急時に何か事故 が起きたときに、円滑に救急処置ができるような体制を十分に整えておく必要があろう かと思います。  なお、今日私が話をさせていただきました内容に関しましては、エクササイズガイド を作成したメンバーの一部のメンバーと協議しまして、私の方から担当の方に提出させ ていただきましたものでございますので、まだ明確なコンセンサスが100%事務局との 間にとれているものではないということを付け加えておきます。ありがとうございまし た。 ○久道座長 どうもありがとうございました。  ただいまの御説明に御意見はございますか。 ○津下委員 メタボリックシンドロームの方への運動指導の安全確保と効果的な方法を 考える上で、運動指導を実際に健康増進施設で安全に行っていただける体制が必要だと 思いますので、どのような運動強度でなされるのかとか、そういうことが保健指導の面 接を行う担当者と十分に協議ができることが必要だと思います。ですので、こういうガ イドを明示していただくことは大切だと思っております。  先ほど支援パターンの例の中に、積極的支援の中には電話だとか個別支援の例ばかり でありまして、こういう健康増進施設を活用したときの例示だとか、ポイントの考え方 ということも明示していただくと、イメージができやすいのではないかと思いますので、 その辺もお願いしたいと思います。例示を考えたいと思います。またよろしくお願いし ます。 ○久道座長 よろしくお願いします。  ほかに御意見ございませんか。  今説明いただいたものは、どこに入ることになるんですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 御議論を踏まえていただければ、プログラムの中に是非う まく組み込みたいと考えておるんですけれども。 ○久道座長 ほかに御意見ございませんか。 ○松田委員 運動の指導は非常に大事だと思うんですけれども、この表1にある(1)〜 (3)までというのは、基本的には医療機関の方に掛かりますので、一番最初のところで 保健師さんたちがいろいろな面接等で指導する場面は、多分ここには入ってこないと思 うんですけれども、やはり一番最初に行動計画をつくるときに、基本的なチェックリス トみたいなものがあった方がいいだろうと思いますので、是非そういうものを準備して ただけたらと思います。 ○久道座長 それは要望ですね。よろしくお願いします。 ○宮地委員 できる限りわかりやすく層別化できるようものをつくりたいと思います。 ○久道座長 ほかにございませんか。  それでは、続きまして、メタボリックシンドローム総合戦略事業の進捗状況について、 事務局から御報告をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、お手元の参考資料4に基づきまして、千葉県か らメタボリックシンドローム対策総合戦略事業の取り組みについて資料をいただいてお りますので、報告をさせていただきます。千葉県モデルについてということでございま す。千葉県でおつくりいただいたものでございます。  2ページは、厚生労働省の事業の各都道府県にお示しさせていただいたものの概要が 載せられております。  3ページが、具体的に今のを踏まえまして、実際に千葉県モデルとしてどういう計画 を立て、具体的に例えば事業の企画ですとか、評価委員会等を設置したり、モデル実施 の検証をしたり研修会をしたりということが、この中に述べられております。地域・職 域連携協議会とか保険者協議会というところとも連携をしながら、実際に作業をしてい ます。  4ページが、実際にモデル実施機関という形で、九十九里町、白子町、大多喜町。そ れから、健保組合の関係では新日本製鐵健康保険組合君津支部が、矢印のところにある わけでございます。  実際の健診でございますが、健診結果につきましては、3町と健保組合合わせて対象 者が7,400人のところを実際に3,400人に健診を受けていただいたということで、実施 率が47.1%でございます。  7ページ、保健指導の階層化の結果でございます。動機づけ支援、積極的的支援それ ぞれ32.8%と、23.8%でございますが、これは今回の階層化の基準と違いますので多少 多く出ていますが、今回の基準を使いますと、このところはもう少し対象者が絞られる のではないか、優先順位の高い方々に絞られるのではないかと考えております。  10ページですが、健診から階層化までの問題点についてまとめていただきました。ま ず、周知の仕方でございますが、やはりモデル事業をやるということで、「昨年までは郵 送してもらえたのに、何で今年はわざわざ結果を取りに行かなければいけないか」とい う声がありました。これは要するに動機づけの説明を個別面接するという予定だったの ですが、結果的にはそういうことで動機づけ支援ができずに郵送通知になってしまった ようなケースがあったりとか、その辺は周知徹底の仕方をうまく改善しなければいけな いと考えています。  それから、質問票につきましても、今回こういう御指摘を受けまして改善させていた だきたいと思いましたが、回答しにくい質問があるということもございましたので、こ の辺も少し配慮しなければいけないと思っています。  次のページでございますが、腹囲測定についてでございます。ここについても課題が ございまして、例えば、測定手技の統一が図りにくいということで、ここにつきまして は、やはり研修というものをかなり綿密にやりませんと、この辺の測定手技の統一が図 りにくいという問題があります。これは十分に研修する必要があるということと、測定 を拒否する方がいらっしゃるわけでございまして、こういう方々に対する対応がすごく 大事だと思いますので、腹囲測定につきましては、画一的にやるのではなくて、いろい ろな意味での運用面での配慮をしていく必要があると思っていますし、いろいろな他部 局の検討会でも腹囲につきましてはいろいろと御議論があるところでございますので、 そこも踏まえた形でやっていくことか必要ではないかと考えております。  13ページ、情報提供でございます。今回も健診として整理させていただくところでご ざいますが、千葉県の場合には前の年と異なるところという形で、検査の結果の説明と 経年変化というものを一緒につくったということと、その中に啓発を導入したリーフレ ットを入れているということと、個別にコメントを追加している。それから、いろいろ な講演会に併せて健診結果の説明、概要の説明をしているということで、そういう意味 ではかなり情報提供の仕方についても工夫してただいているところです。  14ページが、経年変化を入れた健診結果のイメージです。こういう形で健診結果をお 返しいただいているものです。  15ページですが、結果通知書の中にも一言コメントという形でアドバイスを入れてい るということと、それから、情報提供という形で地元の特産品を活用した食生活のいろ いろなリーフレットを入れているということです。  保健指導ですが、18ページの動機づけ支援につきましては、具体的に初回時には個別 支援として30〜75分、グループ支援の場合には80〜90分以上実施しているということ でございます。  19ページの具体的な支援内容としては、健診結果と生活習慣の関係を理解していただ くとか、生活習慣病の知識ですとか、生活改善の必要性、メリット・デメリット、行動 目標の設定ですとか、栄養・運動等の実践指導、社会資源の紹介とか評価の設定につい て説明させいていただくという形でございまして、厚生労働省で使いました学習教材等 を活用していただきまして、下に具体的なこういうものを使って個別の指導のときにい ろいろとしていただいたという例示でございます。これは標準的な健診・保健指導プロ グラムの中の学習教材を活用していただいて、このような形で動機づけ支援をしていた だいている例でございます。  26ページには、一日体験教室という形で、栄養に関する講義ですとか、バランス弁当 の試食ですとか、運動に関する講義、実技というものをしていただいています。  27ページは、具体的なバランス弁当の試食という形で、600kcalは大体こんなイメー ジですよという具体的な例示です。それから、集団教育というものをやっていただいて います。  29ページですが、積極的支援ということで、医師、保健師、管理栄養士が支援すると いう形で、個別支援は30〜60分、グループ支援は80〜90分という形で、支援内容とい たしましては、行動計画をつくって保健指導プログラムを紹介し、対象者が自らそれを 決める。評価時期、3か月後、6か月後にやりますということを対面によって決めてい ます。  31ページ、具体的に健康目標として1年後、どんな自分になっていたいかというイメ ージをつくっていただいて、具体的にプログラムを立てていただく。  34ページですが、具体的に幾つかのコースを用意して、自分で自ら選んでいただく。 自分でやるコース、在宅でやる、それから、町の教室に参加する、もしくは地域の健康 づくり支援の活用をする、それから、いろいろな生活コーディネート事業に参加すると いうようなものを選んでいただくというものでございます。  35ページに、具体的なプログラムの例示が書いてございます。  40ページは、実際の町の教室のイメージでございます。「ファットさる(脂肪さる) 教室」という形でやっていただいたり、いろいろな工夫をしていただいているところで あります。  43ページも運動プランという形で、いろいろな有酸素運動を取り入れた運動というも のもやっていただいております。  45ページは、初回面接の実施結果でございますが、初回面接の実施率はここにありま すように、大体59%、約6割の方々が初回面接を受けられたということです。  46ページに、プログラム参加へつながった要因を分析していただいていますが、例え ば求めているときに自分に合ったプログラムの提示があったので参加しましたとか、生 活時間でやりくりができる時間設定だったのできましたとか、それから、やはりメタボ の講演会に参加したことがきっかけになったとか、それから、初回の面接を受けたこと によって参加する気になったとか、それから、家族の後押しがあったというようなこと で、このプログラムに積極的に参加することになったことを分析していただいています。  47ページ、プログラムを継続できた要因ということで、やはり自分に合ったプログラ ム内容だったということ、これはすごく大きいと思います。それから、自分が利用でき る時間帯ですとか時間設定だった。無理のない目標設定をしたので楽しくできた。結果 が目に見えてよくなってきた。体が軽くなったことが実感できたとか、知り合いから細 くなったと褒められたとか、それから、仲間がいた、そういう意味では一緒に成果を共 感できるとか競争できるとか。家族の応援、それから、スタッフの存在。それから、低 コストで続けられたということが継続の意見という形で出てきております。  逆に問題点でございますけれども、初回面接、基準を超えていない人が入ってきたと いうことで、こういうことを踏まえまして、先ほどの基準のところも見直しを行わせて いただいたところでございますし、運動可否判定の同意書につきましても、こういう御 指摘を踏まえて、可否判定についての見直しも今回させていただいているところでござ います。  それから、治療中の方への対応ということで、やはり主治医との連携の在り方はこれ からもすごく重要だと考えております。この辺も踏まえて、治療中の方の対応をどうい うふうにうまくやっていけばいいのかということがポイントだと思っております。  事業終了後のフォローという形で、6か月でも効果があると言われている一方で、継 続されなかった場合には、元の状態に戻ってしまうということもあるわけですので、そ ういう意味で事業終了後の継続については仲間づくりですとか、キーパーソンの育成と いうものが大事だということでございます。  ポピュレーションアプローチとして、実際に使ったパンフレットが54ページ以降に 載っています。  58ページには、メタボ祭りということで、こういうお祭りを使ってポピュレーション アプローチでいろいろなことをやっているという具体的な事例が載っています。  59ページには、ポピュレーションアプローチの課題として、啓発効果のあるアプロー チの仕方、ターゲットを絞ったアプローチという形で、働き盛りの人が集まる場所です とか時間帯、それから、待ちから出向くという形で、人が集まる場所へ出ていくという ことも大事だということ。  それから、保健指導従事者に対する研修ということで、こういう形で実際に人材育成 というものもしていただいているところです。  一番最後でございますけれども、まだ千葉県も始まったばかりでございますが、自分 の体と生活習慣の関連を知るということから、ゴールとしては糖尿病等の生活習慣病の 25%削減を目指すという形で、千葉県においても頑張っていただいているところであり ます。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  宮崎委員、何か補足することはありますか。 ○宮崎委員 千葉県が頑張って取り組んでいることによって、非常に保健師さんが変わ ってきているという印象を持っています。ある町では、その特徴が顕著なんですけれど も、今まで保健事業に参加する人たちは女性が多かった。だけれども、積極的支援のプ ログラムを時間帯で選べる形で展開した結果、半分が男性が参加しているという状況で す。年齢構成を見てみますと、定年後の60代前半の方が多いわけですが、その町にと っては、今まで保健活動において1つの事業を半数を男性が占めるということはなかっ たわけです。ですから、非常に保健師さんとしては手ごたえを感じています。そういう 辺りから少しずつ攻めていく、今までとは違う本当に保健指導が必要な人を攻めていっ て取り込んでいくという動きが、これでつくれていけそうかなという感触を持っており ます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  今、千葉県のモデル事業の説明と、千葉県でいろいろ御指導いただいている宮崎委員 の感想を聞きましたけれども、何か皆さんから御意見・御質問はございますか。 ○酒巻委員 45ページに3町の計と新日鉄の場合の計がありまして、初回面接実施率が 新日鉄の場合には低いわけです。恐らく企業の方というのはなかなか大変だろうなと思 っていまして、この辺りをどういうふうに工夫したらよいのかというのは、実際に千葉 県の方としてはどんなふうに思われているんでしょうか。 ○久道座長 これは事務局ではなくて誰ですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 千葉県の方がどこかに来ているはずだったと思うのですけ れども……。 ○酒巻委員 ここはポイントになる、つまり、企業の方々にどうやって参加していただ くかというのは、非常に重要なポイントだと思いますので、うまいプログラムを考えて いただくという意味で、是非検討していただきたいと思います。 ○松田委員 この新日鉄さんですけれども、これは社員ではなくて、被扶養者の事例で ございます。 ○酒巻委員 家族ですか。 ○久道座長 ほかにございますか。 ○宮地委員 質問というよりは要望なんですけれども、恐らくこの調子で頑張っていか れて、いいデータが最終的に出ることが予想されるんですが、いいことに加えて、先ほ どリスクマネージメントの話もしたんですが、こういう取り組みをして、歩いたら腰が 痛くなったとか、膝が痛くなった人が何人ぐらいいたとか、そういったことに伴うヒヤ リ・ハット事例でどんなものがあったとか、そういうことが実は非常にモデル事業とし ては重要だと思うんですね。なので、そういうことは是非また教えていただければいい かなと思います。よろしくお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 そこについては千葉県と情報交換して、なるべくそういう 情報もとれるように、これから工夫したいと思います。 ○内田委員 このモデル事業の一番最後の方には成果が出ていて、いい成果が上がって いると認識していますけれども、このモデル事業は3県で実施されて、今年度は47都 道府県で実施する話になっていますが、国の方では予算化されていないと聞いておりま す。そうすると、都道府県の主体性による、あるいは保険者の主体的な取り組みという ことになると思うんですけれども、健診・保健指導をやる立場からしますと、非常に決 定が遅い、情報が遅い、情報がないというところで、物すごい不安を持っている方がた くさんいらっしゃると思います。それから、モデル事業自体も実施されるかどうかはっ きりしないという都道府県が非常に多いと聞いておりますから、こういう情報を共有化 するということは非常に大事なことだと思いますので、その点についてちょっとお話が あれば。 ○矢島生活習慣病対策室長 先日も健康部局の担当課長会議がございましたので、来年 度につきましても、財源につきましては地方財政措置上の中にちゃんと組み込んでいる ということでございますので、都道府県の方に入っていますので、すべての都道府県に 3県の準備事業の状況も御報告させていただいた上で、来年から実施する上では、すぐ やるというのではなくて、慣らし運転みたいな、人数が限定的でも、期間が限定的でも、 場所が限定的でも結構ですので、何しろすぐ来年度からやるのではなくて、すべての都 道府県で準備事業をしていただき、なるべく多くの方々に参加していただいて、準備し ていただくことが大事だということで、財政上も地方財政措置ではありますけれども、 ちゃんと予算が確保されているということを御説明させていただいて、すべての都道府 県に準備事業をしていただくように促したところであります。 ○小山委員 モデル事業という形で始まっておるわけですが、それでも今のお話では家 族が非常に受診率が悪いわけです。今回のこの事業を成功させるということが一番大前 提として考えるならば、とにかく健診率を上げなくてはいけないと思うんです。したが って、過去に私どもがやってきたもので、ある1つの町をモデルにして健診をやって、 保健指導をやった結果、5年間で大体医療費が半分ぐらいに減っているという事例を持 っているわけですが、それは本当に一生懸命やればできるということの証明として事実 大事なことなんですね。だけれども、そこの町では、受けた人は20%前後というか、む しろそれを割るぐらいなんです。あとの80%が受けていないんです。つまり、その80% の人のおかげで、せっかく一部の人の減った医療費も薄められてしまって、ほとんど町 として結果が出ていない、アウトカムがないということになるわけです、やはりいかに して健診率を上げるかということを、保健指導は勿論大事なんですけれども、保健指導 をやる前の段階として、健診率を上げるということ、受診率(受診率)を上げるという ことが一番大事。  特に、被保険者は受ける率が結構高いんですけれども、そのほかの扶養者が一番問題 です。それと、国保、社保、この辺をどうやってやるかということを、これは勿論具体 的に戦略は考えていらっしゃると思いますけれども、是非そのことは今まで過去におい ていろいろやってきたけれども、やはりうまくいかなかったのは、そこに一つのネック があったと私は思うので、これを成功させるためには、そこのところを一つ一つ戦略を 考えていただきたいと思っております。 ○久道座長 今のは強い要望といいますか、提言ということでとらえさせていただきま す。 ○田中委員 すばらしいモデル事業の資料なので、参考にさせていただきたいと思いま すけれども、これに追加して是非出せるもならいただきたいと思いますのは、要するに、 我々はどういった人が健診者なのか、健診機関なのか、それから、どういった方がこう いった保健指導をやられたのか、また、どういう体制でどれくらいの人で、それと、こ れにそれぞれの市町村なり健保組合はどれくらいの費用を掛けられたのか。そういった 全体的な取り組みの様子が見られたら、これからの我々の保険者としての対応は、個別 の課題は非常にありがたい情報をいただきましてありがとうございます。そういうこと で、ちょっとお願いできたらと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 多分、財政的な位置付けだとかマンパワーみたいな、まさ に実施されるお立場からそういう情報をもう少しいただきたいということですが、千葉 県とも御相談をさせていただいて、なるべく出せるものは出す方向で調整させていただ きたいと思います。 ○久道座長 これは重要なことですよね。  ほかに。時間が余りないんですが、よろしいでしょうか。 ○松田委員 よろしいですか。実はプログラムの会議がどんどん進むに当たりまして、 保健師はどんどん元気がなくなっていくような気がいたしました。というのは、メタボ リックシンドロームに特化されたということで、ポイント制になって云々かんぬんとい うことて、どんどん元気がなくなっていたんですけれども、今回の会議で少し元気が出 てくるのではないかと思います。というのは、面接相談の必要性というのを認めていた だけたという点と、今回の千葉県の事例、情報提供のところを拝見いたしますと、ただ 単にパンフレットを配るだけというものではなくて、きちんと個を見た情報提供をして いるということを推奨していただくということで、少々元気が出たかなと思います。  それに併せまして、前回の会議でも申し上げさせていただいたんですけれども、次回 の話題に上がってくるのだと思いますが、評価ということで生活習慣改善の状況、それ から、健診結果の改善ということを2章、3章のところにも入れ込んでいただけるよう に、再度お願い申し上げたいと思います。 ○勝又保健指導室長 検討させていただきます。 ○久道座長 千葉県の地産地消もいいですね。いろいろなモデルは大変いいと思います。  ほかにございますか。それでは最後で。 ○森光委員(中村委員代理) 千葉県のモデル事業と、そのほかに2つの県でモデル事 業があったと思います。このモデル事業の際は、暫定版での保健指導対象者の選定とい うことになっていたかたと思います。新しい保健指導対象者の選定基準にした場合に、 大体何パーセントの方が保健指導対象者になるかのというのが、非常に市町村の担当者、 健保組合もそうですけれども、注目の的になっておりますし、一番頭の痛いところでご ざいますので、できればその点についてお願いしたいと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 今日、お決めいただきましたことで推計ができると思いま すが、今は手元にないので、今日お決めいただいたものを根拠に、基準では少し千葉県 など御協力をいただけるところにもう一度データ分析をやらせていただいて、次回にで もお示しできればと思います。 ○久道座長 それでは、時間がまいりましたのでまとめますが、今回の会議で標準的な 健診・保健指導プログラムの確定版の策定に向けた大きな論点については、見直しをさ せていただいて、ほぼ検討が終了したのではないかと考えております。  文言についての一部修正とか細かいところについては、まだございますが、そのこと については事務局に準備していただいて、次回に出せればと考えております。  今日はこれで終わりにしますが、何か事務局からありますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 今後の日程についてでございますけれども、後日、日程を 調整させていただき、お知らせしたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたしま す。  本日はこれで閉会とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 ○久道座長 どうもありがとうございました。