第1回登録販売者試験
実施ガイドライン作成検討会
資 料
平成19年2月20日

試験の出題範囲に関する論点


登録販売者は、医薬品の販売の最前線で実際に購入者等に対して情報提供及び相談対応を行うものであり、確認すべき知識は実務的な内容のものである。

薬事法に基づき登録販売者が行うこととされている事項を踏まえると、登録販売者試験では以下のような知識を確認することが必要ではないか。

(1) 販売時に購入者に適切な情報を提供するために必要な知識
(2) 副作用等に適切に対処するために必要な知識
(3) 法令を遵守して医薬品を販売等するために必要な知識
(4) 上記の知識を身につけるために必要な基礎的な知識


(1)販売時に購入者に適切な情報を提供するために必要な知識

情報提供等を行うために必要な具体的な知識の範囲としては、
 
  ・ 一般用医薬品の種類ごとに、主要な成分について、効能・効果、副作用などの大まかな内容
重篤な副作用の発生を避けるために留意すべき事項(服用してはいけない人(年齢、妊娠の有無等)、服用方法、併用してはいけない薬剤、副作用の初期症状など)
一定期間服用しても病状が改善しない場合の処置方法
が必要ではないか。ほかにどのような知識が必要であるか。

(参考)医薬品販売制度改正検討部会報告書(以下「報告書」)から抜粋

  その試験内容については、販売という行為や実態に即したものとすることが適当である。
  販売に即した内容、例えば、薬事関連法規、副作用の内容等を中心とした実 務的な試験内容とすることが適当である。
  販売時において購入者へ提供されるべき情報については、例えば、
 
  ・    起こり得る重篤な副作用やその発生を避けるため留意すべき事項
(服用してはいけない人、併用してはいけない薬剤等)
  ・    一定期間服用しても病状が改善しない又は悪化した際には医療機関での診察を受けること(受診勧奨)
  等を中心とすることが考えられる。

また、添付文書の内容を理解し、購入者等に対して購入者の状態に合わせて説明することができる程度の知識が必要ではないか。
さらに、添付文書のほかに、メーカー等から提供される適正使用情報を入手し、購入者への情報提供、相談対応を行うことができる知識も求められるのではないか。

(参考)報告書から抜粋

「積極的な情報提供」に際して用いる文書としては、当該医薬品の添付文書 を基本とすることが考えられる。



(2)副作用等に適切に対処するために必要な知識

購入者等から副作用の疑いがある情報を入手した場合には、医療機関への受診勧奨を行うこと等の対処方法を理解していることが必要ではないか。
また、そのような場合に、薬事法に基づき厚生労働大臣に副作用報告を行うことや、副作用により重篤な健康被害を生じた場合に、副作用被害救済制度について基本的な制度の仕組みや申請窓口等を説明できることが必要ではないか。


(3)薬事関連法規を遵守して医薬品を販売等するために必要な知識

登録販売者は、医薬品の販売やそれに付随する陳列等の業務を行う役割を担う者であることから、安全性を確保した販売を行うために、登録販売者の義務や、医薬品の販売に関し遵守すべき薬事関連法規について理解していることが適当ではないか。
このような知識の具体的な範囲としては、
 
  ・   登録販売者の義務
  ・   一般用医薬品の販売制度の仕組み
  ・   医薬品販売に関する法令遵守事項
  は必要ではないか。ほかにどのようなものが必要であるか。

(参考)報告書から抜粋

販売に即した内容、例えば、薬事関連法規、副作用の内容等を中心とした実務的な試験内容とすることが適当である。

 

なお、資質が確認された専門家には、薬剤師と同様に副作用報告を行わせることが適切であり、試験にはこれに関連する内容が含まれるべきである。



(4)上記の知識を身につけるために必要な基礎的な知識

上記のような知識を的確に身につけるためには、そもそも、医薬品に関する基礎知識や、人体の構造と仕組み、医薬品が働く仕組み等の基本的事項については理解していることが必要ではないか。


これらを踏まえると、登録販売者に求められる知識の具体的な内容としては、例えば、別紙のように整理されるのではないか。



別紙

登録販売者に求められる知識の具体的な内容(例)



登録販売者に求められる知識の具体的な内容については、大きな柱として、「医薬品に共通する特性と基本的な知識」、「人体の働きと医薬品の関係」、「主な医薬品とその作用」、「薬事関係法規・制度」、「医薬品の適正使用・安全対策」が考えられるのではないか。

「医薬品に共通する特性と基本的な知識」としては、例えば、
 
医薬品の本質(効果とリスクの両面を有すること等)
医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因(例えば、副作用、飲みあわせ、相互作用、小児、高齢者への配慮)
適切な医薬品選択と受診勧奨(一般用医薬品の守備範囲、販売時のコミュニケーションの意義等)
  に関する知識が必要ではないか。

「人体の働きと医薬品の関係」としては、例えば、
 
人体の構造と働き
薬の働く仕組み(薬が使用されてから、作用する部位へ、効き目が現れる量が到達することなど)
症状からみた薬の主な副作用(症状や発現部位など副作用の特徴、対処の方法)
  に関する知識が必要ではないか。

「主な医薬品とその作用」としては、一般用医薬品の薬効群ごとに、それぞれの症状、働き、代表的な成分と特徴、主な副作用、相互作用、受診勧奨に関する知識が必要ではないか。

「薬事関係法規・制度」としては、例えば、
 
販売業の許可の種類と違い、対面販売の原則
医薬品の種類と情報提供(一般用医薬品の定義と範囲、リスク分類、リスク分類ごとの陳列、専門家による情報提供)
医薬品販売に関する法令遵守事項(適正な販売方法、販売広告など)
  に関する知識が必要ではないか。

「医薬品の適正使用・安全対策」としては、例えば、
 
医薬品の適正使用情報の種類(添付文書、製品表示、安全性情報等)と情報提供への活用
医薬品による副作用等への対応(報告制度、被害救済制度)
医薬品の適正使用のための啓発活動
  に関する知識が必要ではないか。

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