07/01/30 歯科医師臨床研修推進検討会 第1回議事録 歯科医師臨床研修推進検討会(第1回) 日時:平成19年1月30日(火)15:00〜17:00 場所:厚生労働省専用第20会議室 ○ 鳥山課長補佐  それでは定刻になりましたので、ただいまから第1回歯科医師臨床研修推進検討会を 開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご出席いた だきまして、まことにありがとうございます。  それでは開会にあたりまして医政局長の松谷より、ごあいさつを申し上げます。 ○ 松谷医政局長  医政局長の松谷でございます。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ をお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。常日頃から、厚生労働行政、 なかんずく医政の行政につきましては、ひとかたならぬご理解とご協力を賜っています。 この場をお借りして厚く御礼申し上げたいと思います。  医療を取り巻く環境というのは非常に大きく変わっているわけでございます。こうい った中で、医療を受ける方々、国民の医療に対する安心、信頼を確保するということ、 そして質の高い医療サービスを提供するということが、求められているわけでございま す。  ご存じのとおり昨年の第164回通常国会で、医療サービスが適切に提供される、医療 提供体制を確立するための医療法等の一部を改正する法律というのをご提案申し上げま して、6月に可決成立いたしました。ちょうどこの4月の新年度から施行することにな ったわけでございます。今その施行等に向けた省令等の整備を進めているところでござ います。  歯科保健医療の分野におきましても、これもご存じかと思いますけれども、昨年12 月暮れでございましたけれども、今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する 検討会の中間報告が出されたところでございます。問題となっております歯科医師の需 給問題をはじめとする歯科医療関係者の資質の向上等が課題とされているところでござ います。  その中で、新たに歯科医師になられる、新規参入される方の最初の一歩でございます 歯科医師の臨床研修制度というのは、その重要な柱という形に位置づけられているわけ でございます。卒前の教育から卒後の臨床研修までを一体的に見据えた歯科医師養成の あり方につきまして、総合的かつ継続的な見直しを行うということの必要性が、この中 で提言されているわけでございます。  こういった中で、昨年4月から、先生方がご承知のとおり、歯科医師の臨床研修が必 修化ということで、研修再スタートといいますか、制度としてスタートしたところでご ざいます。おかげさまをもちまして現在、全国で約1,460の臨床研修施設がございます が、そこで順調にスタートいたしまして、研修が実施されているところでございます。 この歯科医師臨床研修制度をより充実したものとするためには、先に述べました提言な どを踏まえまして、それぞれの段階における問題点を抽出して、実情に応じて制度、研 修プログラム等を更新していく必要があるわけでございます。  本日は第1回でございますけれども、制度の必修化後、この3月には第1期生が研修 を終えて出るわけでございますが、この1年の実態を各委員の皆様のお立場を踏まえま して、臨床研修施設群方式の推進の方策、あるいは研修管理委員会の役割などにつきま して、ご報告、ご討議をお願いしたいと思っているわけでございます。  この検討会は次年度以降におきましても、継続的な開催を予定しているところでござ いまして、各委員の皆様方におかれましては、誠に恐縮ではございますが、引き続き精 力的なご審議をお願いしたいと思っております。  歯科医師臨床研修制度は非常に重要な制度だと私ども位置づけておりますので、その 充実には不断の努力が必要でございます。私どももその面で努力いたしますけれども、 ぜひ先生方それぞれの立場からご忌憚のないご意見を賜りまして、ご審議を踏まえて、 またよりよいものに私どももしていきたいと考えておりますので、どうぞご支援を賜り ますようお願い申し上げて、ちょっと長くなりましたけれども、開会にあたってのごあ いさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○ 鳥山課長補佐  松谷医政局長はただいま国会の会期中でございまして、途中で退席させていただきま すので、ご容赦いただきたいと思います。  それでは議事に入ります前に、私の方から委員の皆様方のご紹介をさせていただこう と思います。   東京歯科大学千葉病院長の石井委員でございます。  日本歯科医師会常務理事の江里口委員でございます。  日本大学松戸歯学部付属病院副病院長の葛西委員です。  鴨志田歯科医院院長の鴨志田委員でございます。  日本歯科医学教育学会卒後教育委員会委員長の住友委員でございます。  千葉大学医学部附属病院歯科・顎・口腔外科科長・教授の丹沢委員でございます。  国立保健医療科学院口腔保健部長の花田委員でございます。  東京医科歯科大学歯学部附属病院副病院長の俣木委員でございます。  続きまして歯科保健課の職員をご紹介させていただきます。  歯科保健課長の日高でございます。  課長補佐の浅村でございます。  歯科医師臨床研修専門官の杉戸でございます。  同じく坂本でございます。  申しおくれましたが、私は歯科保健課の鳥山でございます。  それでは議事を進めるにあたりまして、この検討会については、議事録も含めすべて 公開とさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。 (異議なし) ○ 鳥山課長補佐  ご賛同いただけましたので、本検討会につきましては、議事録を含め公開とさせてい ただきます。  次に座長の選出についてお諮り申し上げます。委員の皆様方からどなたかご推薦、ご 推挙ございましたら、挙手をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。 ○ 住友委員  歯科医師臨床研修の今までの検討会の座長を務めておられました、石井委員に座長を お願いしてはいかがかと思います。 ○ 鳥山課長補佐  ただいま住友委員から石井委員を座長にご推薦いただきましたが、今のご提案はいか がでございましょうか。 (異議なし) ○ 鳥山課長補佐  それではご賛同いただきましたので、石井委員に座長をお願いいたします。恐れ入り ますが、石井委員、座長席にご移動をお願いします。それでは以後の進行を、石井座長、 よろしくお願いいたします。 ○ 石井座長  ご推挙いただきまして、またご賛同いただきましてありがとうございます。それでは 早速でございますけれども、議事に入ります前に、資料について、事務局の方からよろ しくお願いします。 ○ 杉戸専門官  資料につきまして、事務局の方からご説明をさせていただきます。クリップ留めをし てある資料が、本日のすべての資料でございます。  まず一番初めに議事次第がございます。その次に座席表、それから本検討会の委員名 簿があります。  続きまして資料1といたしまして、歯科医師臨床研修推進検討会の進め方という資料 がございます。  そのあとホッチキス留めがしてあります資料2ですが、各委員からの事前報告内容の 概略をまとめました資料がございます。  続きまして参考資料1としまして、事前に各委員にお願いをしておりました報告事項 につきまして、各委員の先生方からご提出いただきました資料をすべて添付させていた だいております。  参考資料2といたしまして、今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検 討会の中間報告書が添付してございます。  最後に資料番号は振っておりませんが、歯科医師臨床研修の群方式ならびに研修管理 委員会の役割等のことが示されております、医道審議会歯科医師分科会歯科医師臨床研 修部会の意見書が添付してございます。  本日の資料は、以上でございます。 ○ 石井座長  ありがとうございました。多くの資料がございます。  今回の検討会は、臨床研修群方式の推進ということと、研修管理委員会の2つの問題 に絞ってあるということで、事前に、その旨通知があり、皆さんからこのような資料を いただいておりますので、ポイントは絞られておりますが、いろいろと重要なご指摘も あるかと思います。この資料に沿って、各委員からご説明、それからさらにご追加等の 意見があれば言っていただきたいと思います。8人の委員で、かなり時間を要するかと 思いますので、5分程度を目途に、ご説明をお聞きするということにしたいと思います。  私からの順番になっていますけれども、私のは時間調整ということで、江里口委員の 方から最初にお願いします。 ○ 杉戸専門官  座長、申しわけございません。1つ追加で、資料のご説明をさせていただきたいと思 います。  資料1の方でございます。今、石井座長の方からも少しご説明がございました、本年 度の検討会の進め方ですが、各委員の先生方のお立場で感じられたこと、お耳に入った ような内容等、そういったことを問題点として抽出していきまして、今後の検討を進め ていきたいというのが、概略でございます。  今年度の検討内容に関しましては、資料1の2.のところにございますように、先ほ どありましたように大きく分けまして、群方式の推進について、また研修管理委員会の 役割についてというあたりに的を絞っていきたいと思っております。  それから資料2の方でございますが、各項目に関しまして、括弧書きで例えば1−1 であるとか1−6といった数字が入っていると思います。これは事務局の方で、各委員 の先生方の資料を整理させていただいた際に記載した番号であり、1−1というのは参 考資料1の番号と一致しております。例えば、1−1というのは石井委員のご意見を事 務局の方で、箇条書きとして拾わせていただいた項目であるという形で見ていただけれ ばと思います。以上です。 ○ 石井座長  ということでございます。では江里口委員からお願いします。 ○ 江里口委員  私は初めてこの会議に出させていただきまして、資料提出ということで、どのような 形で、雛形も全くわからなかったので、このような形で提出いたしました。たまたま私 も大学で臨床研修制度が始まる前からずっとやっていましたので、それも踏まえてと同 時に、私の息子が医学部と歯学部で両方、たまたま臨床研修を受けているので、彼らの 仲間からちょっといろんな話を聞いてもらいまして、これをくっつけたのですけれども、 公開だということで、ちょっとシビアなことが書いてあったので、そこだけ私の意見を カットさせていただきました。  一応今まで見た範囲では、資料1−2の1)のところで、歯科医師の開業医に、臨床 研修医を受け入れるというのは、やはり非常に大変だということを痛感しております。  まず、やはり2名以上の歯科医がいるという医院が非常に少ないということと同時に、 一診療室では1年間ではそれなりに多くの症例が集まりにくいということが、一般医科 の大きな病院とは違います。プログラムを組み、それを施行しようと思っても、1年間 にその患者さんが見れなければ、またそれを継続的に見ることもできません。そういう ことからも、ある程度地域で、私は3名が妥当というような形を書いたんですけれども、 グループは3名ぐらいが一番まとまるのではないかと思うので、地区でそういう資格を 持った先生のところで、同じプログラムを組んで行う。その3カ所の中では当然ヘッド になる人、責任を持つ人というのが必要ですけれども、そういう先生のもとで、その3 施設がうまく連携できれば良いと思います。  当然地域にこれから密着する歯科医を育てるということでも、そのような良い先生を 早く見つけ、その地区で開業するときも、その先生が生涯の師になるのではないかとい うことで、1つの方法論としては非常に良いのではないかと思いました。  それからやはり医科と違いまして、歯科の場合は、私の経験というか、子供の経験を 見ると、医者の方は研修機関でかなり稼いでいるなと思いますけれども、歯科の方は逆 にマイナスになっているのを痛感しました。大学病院等でも臨床研修医が1人入ること によって、診療がマイナスになっているというのを、大きく感じました。  それからもう1つ。現在の歯科医師臨床研修制度が法制化された割には、国民へのP Rが非常に薄いなと思います。患者さんが臨床研修医が来たことによって、何となく違 和感を持っているというのが大きく感じられましたので、その辺は歯科医師会、大学も 学会もそうでしょうし、逆に厚労省側が、たまには新聞にでも臨床研修医というのはこ ういう目的でやっているので、温かく迎えてやってほしい、じゃないですけれども、そ のようなことを年に何回かアピールしていただければ、臨床研修医がのびのびと研修で きるのではないかということです。  それから研修医のレベルの差というのが非常に大きいというのも、問題になっていま す。それを一定にして、研修をするのは難しいと思いますけれども、やはり何らかのレ ベルを合わせるということも、これからは必要になってくるのではないかと思っていま す。国公立の病院、私立の病院、開業医、あるいは大型の診療室というのは、歯科治療 の重点的なものが違うので、それを満遍なく回れれば良いですけれども、それに臨床研 修はまだ1年目ということですから、例えば5年から10年たった臨床医が先生方のと ころに行くのと違って、本当に大学をぽっと出て臨床を学ぶというときに、その先生の 資質まではなかなか理解できずに、自分のことが精一杯だと思っています。それと同時 に、いくらか問題を提起して自分で解決をする、そういうような臨床研修のスタンスだ と言われても、やはり大学を出てすぐの歯科医師にそれを求めるのは、非常に酷だと思 います。  また、一番初めの臨床研修医の趣旨の中で、やはり基本的総合診療能力、診断能力を 身につけるという、これが第1目的であり、また医療安全というこの2つの面からいっ ても、ある程度臨床研修施設のレベルをそろえてもらうというのも、大切なのではない かと考えました。  あとはこの研修管理委員会の役割ということですが、やはりなかなか厚労省側も臨床 研修施設の十分な情報収集というのは難しいと思いますが、こういう愚痴というか、生 の声というのは、歯科医師会などでは会の中でそういう言葉が出てきます。私も学術担 当理事連絡会で全国を回っていますので、アンケート用紙みたいなものがあったら、そ のときに学術担当理事というのは、やはり各地区で臨床研修医を受け持っているところ が多いので、そういう方から生の声を少し拾ってきても良いのではないかと思います。 そこでこの会で発表させていただいても良いかなと思います。もう少し日本歯科医師会 というよりも、そういう組織をうまくお使いになったらいかがかなというのが、1つあ ります。雑駁でしたが、以上です。 ○ 石井座長  ざっと皆さんからのご意見、ご説明を受けた上で、議論をしていきたいと思います。 今のご報告に、ちょっとだけ確認させてください。  先生は3カ所でグループ化してとおっしゃいました。これは1人診療所を3カ所とい うことですか。 ○ 江里口委員  それは両方を考えています。1人診療所を3カ所で、1つの群として考えるのもあれ ば、2人診療所のところに1人診療所が2ヶ所以上ブランチしても構わないと思います。 ただ、今の法令からいくと、1人の歯科医院ですと、その先生がいないときに臨床研修 医の面倒を見れないという危険性で、今は2人以上になっていると思うのですが、出張 しているとき等には、グループ内の診療所には必ずドクターがいるという条件の中で、 研修医を出していけば良いかなと思います。現行の法令では、2人以上の診療所で、そ れに1人診療所2ヶ所ずつブランチするぐらいが良いのではないでしょうか。  それから、もし1人診療所が可能であれば、地域で非常にたくさんの診療室が、この 施設になれるのではないかなと思っています。 ○ 石井座長  これは提言ですよね。わかりました。ありがとうございます。それでは、資料に従っ て葛西委員の方からお願いします。 ○ 葛西委員  私はちょうどこの意見書を書くときに、1月20日、21日の土日、指導医の講習会を ちょうどやっておりました。参加者の意見を聞きながらこれをまとめました。ちょうど KJ法の文殊カードみたいに、とりとめのない文章が並んでいますけれどもご報告いた します。  一番初めに挙げたのは、まずこの研修医制度自体について、ご存じない方が集まって いるということです。これから協力型施設になろうという方でさえ、研修制度について の詳細についてはほとんど知らないということであります。したがって、ワークショッ プが終わったときに幾分見えてきたと。見えてきたけれども、もしなった場合にメリッ トがないという話で大体終わってしまうんです。では何のメリットを求めて手を挙げて きたんでしょうかという話にもなるんです。  少しお金的にはどうなんでしょうということが、意見として、最後の方でそういう話 が上がってきておりました。  ちょっと話は変わるんですが、例えば大学にいますと、やはり大学の関係者、あるい は病診連携という形で、関係のあるところ以外のところから、私でもなれるでしょうか という問い合わせがあります。結構そういう施設の方は熱心で良いかなというふうに思 っております。  あとは特に呼び名なんですけれども、今研修医というふうに呼んでいますと、患者さ んの受けも何となく半端な歯科医師みたいな形で、どうもよくない。以前は卒直後の先 生でも先生と呼ばれていたんですけれども、今は研修医というふうに呼んでいますと、 何となく受けがよくない。その裏には、やはり研修医の地位といいますか、どういう方 なのかというPRも少ないのではないか。まさか仮免じゃないですよねとか、そういう ような何となく歯科医師じゃないような受け方が、少し患者さんのサイドにあるのかな という、そういう話もワークショップの中で出てきておりました。  あとは研修管理委員会の方の問題なんですけれども、研修をやってみて、ちょっと協 力型施設としてふさわしくないのではないかというような施設が出てまいります。その ときには、管理型は、ただ一方的にその施設に研修医を派遣させないということしか方 法がないんですけれども、残念ながら施設は協力型施設として存在しているわけです。 そのあたり、管理型研修施設として、その協力型施設をふさわしくない施設として、施 設の取り消しを求めることができるかどうかということが、少し問題になっています。 それについては一番最後の方に書かせていただいたんですけれども、やはり最初は基準 を満たすということで、研修医を派遣しても、やはり親身に協力してくれないというこ ともございます。指導医がほとんど指導しないで、上級医がほとんどやっていてという 形も見えてまいりますと、なかなかこれ以上研修医を派遣することができないのではな いかということです。したがって、協力型施設の方の評価、これはいろんな方法で評価 ができると思うんですが、評価をしてからの手当てというか、対応が今できない状態な ので、そのあたりを何とかできないかというのを、1つの問題として取り上げたいと思 います。以上です。 ○ 石井座長  一番最後がちょっとよくわからなかったのですが、指導医が指導しないで上級医がや っているというのは、どういうことなんですか。 ○ 葛西委員  指導医と上級医、2名いますが、本来ならば指導医の方で積極的に指導してほしいん ですけれども、ほとんど指導医は自分の診療に従事していて、上級医といいますか、指 導医の資格のない先生が研修医の面倒を見ているということです。その方が適切にやっ てくれれば良いのですが、言ってみれば指導医の講習会等も受けていない方ですから、 指導医としての細かな指導法も知らない。徒弟制度になってしまうという関係もあるわ けです。それでちょっとトラブルになるということもあります。 ○ 石井座長  それは協力型での話ですか。 ○ 葛西委員  そうです、協力型です。そういうのをキャッチしますと、こちらからはもう、そこの 施設には派遣しないという手は打つんですけれども、そういう施設が幾つもあっても、 協力型施設ということに対しては、変わらないわけです。そのあたり、何とかできない かというのがあります。 ○ 石井座長  わかりました。それでは、鴨志田委員。 ○ 鴨志田委員  参考資料1―4でございます。私は今、協力型施設として、本年度前期2名、後期2 名の臨床研修医を受け入れて、現在もやっているというところでございます。それから 鶴見大学と複合施設群になっておりますので、そちらの方で、診療教授というのをいた だきまして、週に半日ほど、研修医さんたちが主に研修をしている総合診療室というと ころで、少し指導をさせてもらっているということでございます。そこの教授と相談し まして、幾つか具体例も含めまして、順不同でざっくばらんに書かせていただきました。 現時点での検討すべき問題点として幾つか挙げております。  臨床研修施設群方式の推進の方策についてということで、最初が、これは協力型の施 設が多少ばらつきますので、そこの管理者、あるいは指導医が、考え方がいろいろござ いまして、研修医さんが途中で中断せざるを得ないような精神的なストレスがあったと いう例が3例ほどございまして、ちょっと頭を痛めております。  今現在、鶴見大学の方は、研修医の人数に対して協力型が62になりますが、この辺 の数の問題等はいかがなものか。検討する必要があるかと思われます。  それから途中で、協力型が研修医を受け入れられなくなった場合、施設基準に達しな い場合とか、あるいはいろんな理由でできないといった場合に、少し受け皿というか、 別のことを考えておく必要があるかなと思います。  想像するに当然年度の途中で、歯科衛生士さんが退職したり、あるいは2人しかいな い場合の常勤歯科医師が退職するということが、大いに考えられるのではないかと考え ています。  それから協力型施設の適性度審査という言い方をしていますが、いろいろばらつきが あるものですから、それを少し評価していくような尺度、あるいは評価基準等があって、 それを研修医さんに公表するかどうかわかりませんが、そういったようなことの必要性 も感じております。  それから飛ばしまして、指導医講習会の開催が負担だそうです。何とか以前のように 歯科医療研修振興財団の方でやっていただけると助かるというのが、うちの管理型の方 の意見です。  あとは指導医講習会のアドバンスコース。確かにカリキュラム作成の講習、ワークシ ョップがありましたが、さらに深める必要があると思います。実際の臨床研修施設で指 導医、あるいは管理者を務めている先生方には、さらなるアドバンスコースをする必要 があるのではないかと感じております。  次に研修管理委員会の役割についての問題点でありますが、対象となるメンバーが、 かなり多くなりますので、これはすべてが事実上出席できないという事態、それから仮 に出席をしていただいても、実質的な討議ができる人数ではないということを感じてお ります。管理委員会の下に、別途小委員会等を設置して、実質的な検討を行う必要があ るのではないかというようなことを感じております。  それから次のページの頭、これは管理型の問題なんですが、総合診療室2というとこ ろの教授が主にこれを行っているですが、他科の講座の教授はあまり関係がないために、 運営委員会という教授会の下で、あまりご理解が進んでいないようなので、うまく動い ていないという、総合診療科の教授のご意見があります。  そのほか到達目標について、少し理解がしにくい部分があるようであります。  それから国家試験対策との関係で、少し臨床から離れてしまって、また卒後急に研修 に入ると少し無理があるのではなかろうかというご意見がありました。  それから最後は、附属病院では総合診療科を割と中心に据えまして、患者さんの流れ を大きく研修医さんの診療科に流しています。その結果と患者さんのアンケートをとり まして、今はまだ中間の収集段階なんですが、総じて親切でよろしいというようなご評 価をいただいているというふうに、私は聞いております。以上です。 ○ 石井座長  はい。これは先生、鶴見大学を中心とした群方式のことですね。先生は、いろいろ大 学へ、管理型に聞いたりしてまとめていただいたわけですね。 ○ 鴨志田委員  はい、そこで一緒にやっていますので。 ○ 石井座長  群方式、診療所、そこへ委員が入っていて、診療所としてやっていらっしゃるわけで すから、そのお立場で、必修化してみて、これに類したことで、ご意見があればお願い します。 ○ 鴨志田委員  いえ、実は必修化の前からやっておりましたので、特に必修化で、協力型で特別変わ ったことというのは、大きくはないように私は感じています。毎日の診療を淡々と一緒 にやっているというような状況です。 ○ 石井座長  先ほど問題点として挙げられた、到達目標の理解がしにくい部分があるというのは、 具体的にどういったことですか。 ○ 鴨志田委員  これは協力型で主に行った方がよろしいという地域医療であるとか、あのあたりのご 理解が少し難しいということと訪問診療であるとかいった、恐らく管理型の方のそうい う考え方ではなかろうかと思います。 ○ 石井座長  管理型がわかっていない。 ○ 鴨志田委員  そうです。 ○ 石井座長  なるほど、わかりました。ありがとうございました。では次に、住友委員の方から。 ○ 住友委員  参考資料1−5でございます。私は今回、日本歯科医学教育学会からこの会に参加し ております。したがって、日本歯科医学教育学会の卒後教育委員会で行ったセミナー、 それからワークショップの経験に基づいてのお話、それから私が所属しております日本 歯科大学附属病院のプログラム責任者にお聞きした内容、それをここに挙げさせていた だいています。  まず歯科保健課から求められました、推奨できる事項と改善を要する事項ということ に分けさせていただきました。  まず臨床研修施設群方式の推進の方策についてです。  群内マッチングシステム、現在の歯科医師マッチングシステムを利用しました、協力 型施設と研修歯科医の間の相互のマッチング、これをコンピュータ、ウェブサイト上で 行うマッチングシステムについて、日本歯科医学教育学会でセミナー、それからワーク ショップでセッションを設けてやってまいりました。やはりこれについての評価は非常 に高くて、協力型施設の先生方が、研修歯科医を選ぶことができる、またはその逆に、 研修歯科医は協力型施設を自分の意志で選ぶことができるという点での評価が非常に高 くて、これは今後群方式を推進するためには、有効な方法ではないかと思っています。 ただし、運用にあたって決まっていないこともありますが、これを進めていけばよろし いのではないかということです。  それから改善を要する事項でございますが、先ほど座長のお話がございました。提言 という言葉が適当なものもあるかもしれませんが、まず(1)に書かせていただいたのは、 指導歯科医の資格は、指導歯科医の講習会を一度だけ受ければ、現時点では認められて おりますが、やはり定期的なリフレッシュ、もしくは更新制度まで考えなければいけな いのではないかと思います。したがって、引き続き各学会、いろんな講習会、それから 各管理型施設でやっているワークショップ等、そういうものに出るということを義務づ ける必要があるのではないかと思います。これは日本歯科医学教育学会として、そうい う意味ではお役に立つところがあるのではないかというふうにも思っています。  それからこれはプログラム責任者からいただいたものですが、協力型施設の並行申請 がやはり多くて、実際にどのぐらい受けられるかという数がわからない。トータルでは わかるんですけれども、例えば2人と書いてある場合、各管理型施設に2人ではなく、 トータルで2人だとか、それから時期が同時であったら2人同時はだめで、縦に1人、 1人で2人だとか、そういういろんなものがございます。並行申請も一時すすめていた わけですけれども、やはりこれも少し考えるところがあるのではないかと思われます。 これで随分プログラム責任者をはじめ、現場サイドでは苦労しているというふうに聞い ております。  それからこの(3)につきましては、事務局が対応するということですが、現在の義務手 続き上の煩雑さを解決していただきたいというのが、プログラム責任者からの非常に強 い意見でございました。  それから臨床研修管理委員会の役割は、現時点ではまだ推奨できるといいますか、こ ういうふうにすれば良いというものがございませんでして、改善を要する事項がござい ました。この研修修了ガイドラインというのは、ワークショップ等で、目標を立てて、 そして評価にまでくると、その評価で研修修了をどうするかという意見が必ず出てまい ります。これは、あまり厳密にしてしまうのは、問題があろうかとも思いますので、幅 を持たせている方が良いかとは思います。現在、挙がっております目標に伴って指導ガ イドラインというものが成立してくるものだと思います。こういうガイドラインの策定 等について、横のつながりのある日本歯科医学教育学会、これは各専門分野の方々が所 属していますので、そういうもののご協力ができるのではないかというふうにも思って おります。  それから医道審議会の歯科医師臨床研修部会の意見書が、昨年の10月3日付で出て います。この中に、やはり研修歯科医の健康管理のことと、それから指導歯科医の資質 向上に資する評価という、先ほどの改善を要する事項のところでございますが、そうい うものを入れる必要があろうかということでございます。  それから皆さん方がお話になっております、研修管理委員会の体制整備の見直しとい うのは、130ぐらいの施設がございますと、その人たちを実際にフェース・トゥ・フェ ースで会議を行うというのは、非常に困難になります。それを、例えばウェブサイトで どこまでやって良いのかということも、やはり今後検討する必要があろう。これは、医 科の群方式とは大きく違う、研修管理委員会の体制の整備が必要であろうということで ございます。  その他につきましては中断者、未修了者への対応ということが大きな問題になってご ざいます。以上ございます。 ○ 石井座長  この研修管理委員会は、大学のですよね。大学のプログラムの場合、どうしてもそう なるわけですね。 ○ 住友委員  大学がやる管理型でございます。 ○ 石井座長  大学がやる管理型が、100を超す協力型施設と共同している。そういう大学が、何カ 所あるんですか。100を超す、そうは多くないと思いますけれども、そういうところは 確かにそういった問題が起こるのでしょう。ありがとうございました。次は丹沢先生、 お願いします。 ○ 丹沢委員  医科の大学病院における歯科医の研修ということです。私どもはちょっと全国と変わ っていまして、2年制度を全員に行うということでやっています。1つは患者さんを実 際にプログラムで見たときに、うちの外来で、すべての研修をこなすのに、1年では無 理だろうという、そういう考え方が1つあります。  もう1つは、医科並みの研修を病院にすべて要求しているということです。それでや っていますけれども、1つには例えば資料1−6にも書いたんですけれども、4月に入 ってこられますと、5月から6月にかけて病院主催のさまざまなガイダンスや講習会が ありまして、実際に歯科医として手を動かす機会というのは、昼間はほとんどないよう な状態で、実際は動いています。それは病院としての講習会ですから、歯科医としての 必要な講習は別に、私どもの医局が担当になってやっておりますので、かなりタイトに やります。長所としては、さまざまな医科の検査だとか、輸血だとか、いろいろな安全 管理講習とかそういうのは、それぞれの部の人によって、非常に専門的にまた教育的に 行われるということが、すごく長所だろうと思います。  それから病診連携などについても、歯科医院から歯科大学だとか、歯科病院に対する 連携というだけでなく、周辺の内科や外科やさまざまな科の方たちへの紹介とか、ある いは逆に紹介を受けるということの関係があります。その期間にかなりそういう意味で、 人間的なコミュニケーションができて、2年間の研修中に一生の紹介先やお友達ができ るというようなそういう良さもあります。あくまでも家庭的な小さな研修で、8人でや っています。  良いところもたくさんあるんですけれども、やはり入ってきて、技能がばらばらなの で、4月、5月、6月は、そういうことで昼間かなり講習会やガイダンスが多いもので すから、夜に時間外になるものですから、医局から夕食を出して、週に2〜3回、模型 実習ですとか、手術法の話とか、歯科のいろんな必要な話を、2〜3人の小グループに 分けて、繰り返し繰り返し2年生が対象ですから、同じ講義を1年目と2年目で聞くと いうことも行っています。そういう体制ができるわけですから、非常にそういう点では 良いと思います。  良い面もあるのですが、もう1つは、関連病院を持っていまして、そことの複合型の 臨床研修プログラムもあるんですが、実際に医科系の病院の歯科、あるいは口腔外科と いうのは、今経営がすごく追い詰められています。廃科にしろとか、そういう圧力をも のすごく受けているところなんです。それで各地域の拠点病院、歯科としての拠点病院、 病床を持っている歯科としての拠点病院、あるいは口腔外科の拠点病院を維持するとい うのが、私どもには古くからあるものですから、1つの使命としてやっています。そう いうところに初期の研修の方をお送りすると、非常にお荷物的な存在、あるいは患者さ んから嫌がられたりとか、あるいは経営上のいろんな問題があるので、実はその年度の 後半にできるだけお出しするしかないものですから、非常にむだになっているんです。 4カ月出すわけですから、本来でしたら3セット、組み合わせれば、複合型で教育でき る数が、交換で3回できるわけですけれども、実際には1回か2回しかできない。特に 講習会とかそういうこともあるものですから、最初の4カ月は出せないことになります。 そういうことがあって、ちょっと効率が悪い面があります。  ただ非常に家庭的にできる面は、施設は大きいんですけれども、歯科としては小規模 な診療所の集まりという形で良いのかなと思っています。  それから私は、研修については、そういうことで協力型施設の経済的なことや、それ から施設そのものの技術的や倫理的水準を整えるというのが、大学が、やはり援助する とかそういうことが使命だと思うんですけれども、この研修制度が終わった後のことが 心配なんです。継続的に指導的な、将来指導者になるような人を育てられるようなシス テム、あるいは立派な地域医療の担い手、拠点で活躍するような人たちを担うシステム ということを考えると、やはり日本の卒後研修医という面、あるいは専門研修の日本の 研修医という面を持って、やはり武者修行ができて、それが評価されるようなシステム につながれば、非常に良いんじゃないかと、そういうように思っています。  大体そういうことなんですけれども、将来的には私の提案は、大学のそういったガイ ダンスとか講習を、見学生制度とかそういうものを使って、それから研修医の他のプロ グラムの方たちでも結構なんですけれども、こちらへ来て受講できたりして、それがオ ーソライズして差し上げられるような、そういうシステムもあれば、非常に効率的な教 育ができるんじゃないかというふうに思っています。以上でございます。 ○ 石井座長  はい。医学部の口腔外科、歯科で研修を受ける場合は、全部2年制でやっているので したか。 ○ 丹沢委員  1年制がほとんどすべてで、全例を2年でやっているのはうちだけなんです。2年制 を取り入れたところは確か4施設とかそのぐらいだと思うんです。後期研修という名の もとに、2年目に入るコースをつくれたところと、つくれないところがありまして、う ちの場合は、後期研修という名前は、医科の方の3年目になるものですから、それにつ いては再来年度につくっていただくことに決まっています。来年度、この4月からは、 2年目で、よそで1年の研修が終わった方を引き受けるコースも若干名ですけれども、 つくるということです。できるだけ自分の施設だけでなく、少数なんですけれども、継 続性を持って一生涯、研修が受けられるような、そういう専門研修までのつなぎを、い くらかでも担いたいということです。  病院の中で医科と同じ名称の制度じゃないと理解が得られないものですから、ちょっ と名称的にも苦労する。お金の部分は、病院長の腹一つで決まりますから、説得してお 願いとしてやっています。あとは関連病院がちょっと気の毒な面があります。経済的に です。そういうことが一番の心配要素です。 ○ 石井座長  修了認定は1年目で一応出すんですか。 ○ 丹沢委員  2年で出します。 ○ 石井座長  1年目は出さない。 ○ 丹沢委員  ええ。それを納得して入ってきていただくということになりますので、入ってきてか ら、友達が1年でもらえるのに、自分は2年しないと自由になれないという考え方の方 と、それから2年じっくりやれてよかったと、症例一人一人やって判子を押して評価を していますので、実際にやって終われるということで良かったとか、あるいはほかの科 の先生方とお友達になれてよかったとか、良い面と悪い面、損得を考えられています。 実は夏休みぐらいが一番危機になって、よそではどんどん削らしてもらっているとかい った、そういう苦情が出てきたりするんです。実際にはトータルで、きっちり研修をす るんですけれども。  そのあたりの資格を取った人間が、いろいろ技術的にも知識的にも向上したいという のが基本的なのに、かなり講義的な要素が前半あるものですから、最終的には得るもの は大きいと思いますけれども、それを理解させるのが大変です。よく課外授業的に、ゴ ルフの練習場へ連れていって汗をかかして、飯を食わせたりしながら雑談をしたりとか、 そういう面での管理が、逆にちょっとよそと違うために、必要になることがあります。 ○ 石井座長  丹沢委員のところの群方式は、全部病院でやっている。診療所は入っていないんです か。 ○ 丹沢委員  今のところは、診療所は入っていません。2カ所から開業医さんの大きなところから あったんですけれども、いろいろお話を聞いているうちに気がついたのは、ちょっと研 修制度をお間違えになっていて、安く歯科医師を使おうというような感じがあったので、 それは今回は見合わせさせてくださいということで発足しております。 ○ 石井座長  ありがとうございました。それでは次に、花田委員の方から。 ○ 花田委員  参考資料1−7でございます。私の役割は、保健所での研修の受け入れと、それから 厚生労働省の研修研究機関である国立保健医療科学院での受け入れについて、ご説明を させていただきたいと思います。  初めに、国立保健医療科学院における指導歯科医の養成という意味は、保健所の歯科 医師は、今までほとんど臨床研修に携わっておりませんでしたので、指導歯科医の資格 を持っていないということです。私どもは研修の一環として、保健所の歯科医に来てい ただいて、歯科医師臨床研修に関する研修を行っております。これはもともとは医師の 臨床研修のときに、国立保健医療科学院で保健所医師の研修をやっていたんですけれど も、これを保健所長会が行うということで、医師の方は本院では行わないことになりま した。ところが歯科医師の指導医の養成に関しては、保健所長会では行わないというこ とでございましたので、私どもの研究所で行うという体制をとっております。  それから2番目に、国立保健医療科学院における研修管理委員会の質の強化というこ とで、研修管理委員会の委員長に対する2日間の研修を行っております。これは、現在 対象となる研修管理委員会が200と少しでございますので、1年間に50名ずつ受け入 れて、4年間で一回りするという予定で研修を組んでおります。今年の3月8日、9日 が、第2回目の研修管理委員会委員長研修になっております。これについては、後ろに 資料をつけております。  それから3番目に、行政機関、保健所、あるいは本院において直接臨床研修歯科医を 受け入れるという問題でございますが、医学部の方は既に本院において、医師の関東近 辺の医学部の要請に従って、医師の臨床研修を受け入れております。ただし、歯学部か らの要請というのは、今のところございませんので、受け入れた経験はございませんが、 一応私は日本口腔衛生学会が認定する地域歯科保健指導医の資格を取っておりますので、 本院の中で、研修医を受け入れることは可能でございます。  保健所でございますが、保健所の対応というのは、これから行われることになるんで すけれども、基本的には医師の受け入れと同じような形で受け入れるのではないかとい うふうに考えております。これにつきましては、資料で、滋賀県の事例と新潟市の事例 を挙げております。  滋賀県の事例は、これは医師臨床研修を保健所で行う場合の、歯科医師の対応という ことでございます。新潟市の事例の方は、新潟市及び新潟県の保健所において、歯科医 師を受け入れた場合のカリキュラムをどのように設定しているかという事例でございま す。  次に、資料でございますが、簡単に資料を説明させていただきたいと思います。最初 の資料が、本院におきまして行われている臨床研修指導歯科医保健所養成コースでござ います。これは定員15名で行っております。毎年夏に8月に行っております。  それから2枚目の資料が、研修管理委員会・委員長研修の資料でございます。これは 先ほど申し上げましたように、定員50名で、2日間、3月に行っております。  それから次の資料が、保健所での医師臨床研修の現状と題する資料で、毛利先生が保 健所長、井下先生は保健所の歯科医師でございます。  3枚ほど飛ばしていただきたいのですが、紙が汚いですが、エクセルのリストがござ います。これが滋賀県大津保健所で行っている医師臨床研修でございます。この医師臨 床研修の第4週目の木曜日のところに、歯科保健というのが入っております。今後は、 こういう歯科部門を拡大していくという形で、対応するのだろうと思います。  次のページが実際に医師に対して行っている、歯科医師の講義でございまして、こう いった地域歯科保健医療に関して、現在、保健所の医師臨床研修のプログラムが組まれ ております。  その次も大津保健所における、同様のカリキュラムを資料として載せさせていただき ました。  次が新潟県及び新潟市における、歯科医師臨床研修のプログラムでございます。新潟 は、新潟大学と日本歯科大学新潟病院がございますので、受け入れるようにという要請 が非常に多いということで、既に歯科医師臨床研修を受け入れています。受け入れ人数 は、県の保健所が35名、市の保健所が5名を受け入れているということでございます。  次のページですが、それに対するカリキュラムを提示しております。ここに書いてあ るようなカリキュラムで、基本的には医師臨床研修と歯科医師臨床研修を、同時に動か しているということでございます。以上でございます。 ○ 石井座長  ありがとうございました。この国立保健医療科学院でやっている医師の方の臨床研修 の受け入れというのは、国立保健医療科学院で、公衆衛生というか、地域保健をやるた めのことを研修するんですね。 ○ 花田委員  そうです。直接地域保健に対する講義や、あるいは実習もさせているようです。ただ これは残念ながら、それほど組織的に行っているというわけではなくて、担当部長がか なり個人的に受け入れているという色が強いと思います。まだ受け入れ体制が十分でき ているわけではございません。 ○ 石井座長  わかりました。国立保健医療科学院で行う指導医の研修というのは、これは保健所勤 務の歯科医師に限るんですね。 ○ 花田委員  そうです。 ○ 石井座長  これを受けた人は、いわゆるほかでやっている場合の指導歯科医と同じ資格は取れる んですか。 ○ 花田委員  医政局長及び院長の修了証書が出て、指導歯科医として認定するということです。 ○ 石井座長  あと滋賀県の例は、これについては何かこういうような医師の研修に対する標準的な カリキュラムを、国立保健医療科学院が提示しているということがあるのですか。 ○ 花田委員  医師に対して私どもが直接提示している機会はございません。それは、医師に対する 研修というのが保健所長会の仕事になってまいりまして、国立保健医療科学院から外れ ているものですから。最初の2回目ほどは、当院でやりましたので、私が直接説明する 機会は、理論上はあったんですけれども、今はちょっとございません。残念ながら、医 師と歯科医師のすり合わせというのは、保健所内部の方で、やっていただかないと、今 できない状況です。 ○ 石井座長  ちょっと気になったのは、この資料1―7の中の具体的な研修プログラム、井下さん がつくった内容、これは地域歯科保健を行動目標としていなくて、歯科医学そのものと いうか、保健所の場を利用して、医者に歯科学を学んでもらおうみたいな内容ですよね。 この内容は地域歯科保健ではないですよね。これを保健所に医者が行って、研修すべき スタンダードとするとちょっとどうなのかなということを感じました。 ○ 花田委員  それは医師臨床研修と、歯科医師臨床研修のすり合わせをお互いやらないと、ちょっ とぎくしゃくした形になるような気がします。 ○ 石井座長  保健所長会のプログラムに対して、国立保健医療科学院がものを言えないとなると、 全くそこはコントロールがないままやられているということになりますね。 ○ 花田委員  現状はそうです。 ○ 石井座長  わかりました。それでは俣木委員の方からお願いします。 ○ 俣木委員  資料1−8に沿って簡単に説明します。 まず群方式の推進の方策についての(1)として、推奨できる、評価すべき項目として、誤 解を招くといけませんので少しご説明いたします。協力型の施設の基準についてですが、 厚生労働省から出ている施設基準に加え、管理型施設の独自の基準と申しますと、非常 に語弊があるのですが、実はこれは指導医講習会を受講予定という人ではなく、私ども ではもう受講済みの方にお願いをして、かつセンター長、副センター長及び関係者との 面接をした上で、さらに協力型の施設につきましては、毎年通年受けなくてもいいです よということで、ある程度弾力性を持たせて、プログラム上であらかじめその役割を決 めておくということで、対応しております。実際に私どもの研修施設では、協力型は40 数施設ありますが、来年度はそのうちの25施設だけが協力型として参加をしています。 毎年、研修医を受け入れなくても参加できる形でお願いをしているところです。  あと、現状では不十分、改善を要する項目では、一番挙がっておりますのが、やはり 協力型施設に対しての補助金といいますか、ご負担に対してある程度の形が必要であろ うということです。特に必修化前のことを前提にいろいろ説明をしてお願いをしている 関係上、そこが現実的には、一番大きな問題になっています。  あと国立大学法人の研修については、在籍出向型研修がいろいろな事務手続き上の問 題点、あるいは医学部附属病院との関連、人事上の手続きの問題等があって、なかなか 整理ができていないということが1つ問題点です。  3番目には、管理型、協力型、これは共通ですけれども、特に協力型の病院において、 いろいろな状況で、指導歯科医が不在となるときの対応を整備しなければいけないとい うことです。  研修管理委員会の役割についてですが、特に推奨できる、評価すべき項目というのは ございません。改善を要する項目というのは、やはり全員に参加を求めると、開催日の 日程調整、あるいは現実の問題として、私どもの場合は、北海道から和歌山ぐらいまで 分布しておりますので、なかなか難しいということがございます。  あと、その他でございますが、推奨できる方向として、やはり群方式は非常に人気が あります。やはりこの方式が、非常に歯科医師の臨床研修では良い方法だろうと、私は 考えています。  また、協力型施設と研修歯科医との面接会を開催いたしまして、双方が協力型の施設 の指導歯科医の先生とそこへ赴く。研修歯科医が両方ある程度合意のもとに、納得でき るような結果が得られるということで行っております。これはコンピュータによるもの ではなく、私どもは25施設ですので、手動でやっております。いわば、手動式マッチ ング方式を導入したということです。  また、他大学の学生の出身者が非常にふえました。大体3分の1程度が他大学出身者 になりましたので、非常につき合いが多様化したということが、評価すべき点でありま す。  あと、改善を要する点として、管理型と協力型の連携が不十分なことというのは、こ れは私どもの方にも問題がございますけれども、例えば同じように、同様のメール配信 ですとか、いろいろな通信、事務連絡をいたしましても、レスポンスが協力型ごとにさ まざまです。やはりそれはある程度研修内容を反映したものにもなっているだろうとい うことで、個別の対応が必要になる場合が多々あるということでございます。  次に、経済的な負担がいろいろ大きいということがあります。ここに書いてある、給 与等の諸条件が施設間で違いがある、あるいは協力型施設の方からもいろいろとご意見 がございます。国立大学法人のところと私立大学の両方の並行で研修が行われていると ころでは、その施設の中でなかなか難しい運営面があるということも聞いています。  あと先ほどから何度も出ていますように、情報提供、宣伝、PRが十分でないという ことがあります。  また最後に補助金のことになりますが、この交付申請書の提出時期等が、確か1月12 日でしたか、東京都の方に出しましたけれども、そのような手続きが非常におそいとい うことです。以上でございます。 ○ 石井座長  ありがとうございました。これは国立の場合、在籍出向であるとかの問題、さらに並 行申請してある協力型とのことというのは、なかなか難しいと聞いておりましたけれど も、これは結末がまだついていないですね。 ○ 俣木委員  ついていないです。 ○ 石井座長  これからどうなるかですね。 ○ 俣木委員  またこれが問題になってくると思います。 ○ 石井座長  なるほど。まだ先が見えないんですか。 ○ 俣木委員  先が見えないというか、この在籍出向はうまくいっているところもあるんですけれど も、多分医学部の研修の形態、そのときの人事担当者の考え方だと思うんです。 ○ 石井座長  いちいち退職をして、在籍出向をとっていないということはありますか。 ○ 俣木委員  はい、辞職、退職出向です。 ○ 石井座長  俣木委員のところは、そうやっているのですか。 ○ 俣木委員  はい。東京医科歯科大学ではそうです。 ○ 石井座長  それはいかがですか。煩わしさがすごくあるということなんですけれども。 ○ 俣木委員  はい、あるのですが、反面良い面もあります。要するに、辞職、退職出向ではほかに 行くところがないわけです。行ったらそこで研修するしかない、大学病院には戻れない、 籍がない、という感覚になります。在籍出向というと響きが、まだ籍が大学にあるとい うことがあるので、若干そういうことが甘えにつながる。 ○ 石井座長  なるほどわかりました。群方式をやってみてよかったというご意見が何例か来たと思 います。  それでは最後に私の意見を追加させていただきます。今ずっと各委員のお話を聞いて、 あまり良いとこ探しはなく、問題点の指摘の方が多かった感じがしたわけです。これは 資料1−1ですけれども、もちろんこれは東京歯科大学の例で言っているわけです。  やってみてよかったということは、かなりありました。一番は、協力型を大学病院が 持っている、例えば医療安全のシステムの中に入れて、そういう場を公表したというよ うなことです。特に医療安全に関しては、協力型に対してサービスになりますけれども、 そういうことやることによって、協力型と管理型の間の連携がとれるようになっていた ということが大きかった。これが一番大きかったことだというふうに思います。  ただそういうことをやったからといって、どんどん東京歯科大学と複合をやろうとい う施設が、そうシステマチックにふえるわけでもないみたいなので、そこはサービスを したからという、わかりやすい見返りはないです。  ただ、あとの2枚目の管理部門は事務部門が言っていることとも結びつきます。ほか の委員からもございましたけれども、必ずしも協力型の施設が多いのが良いわけではな いということです。これはあまり多くなりますと、その協力型へ研修医が回れないこと になってしまいます。回らないとそこは実績が上がらないということになり、ふやせば ふやすほど、研修に触れるチャンスが逆に少なくなってしまうというようなことがあり ます。そういう研修そのものの目的を達しないことになりますので、東京歯科大学は3 つのプログラムがありますけれども、そのプログラムにちょうど適した数の、さらにあ るレベルの協力型施設が必要なんだろう。そういう質と数はコントロールするというこ とが大事で、ともかくふやせば良いということではないということが、よくわかったと いうことがあります。  それから、研修医を病院の中のリスクマネジメント部会の委員にしたということをや って、これで従来の研修の目標にもありますけれども、実態として、これはすごく研修 効果がありました。大変それはよかったかなと思っています。  問題点は、これはほかの委員からも、丹沢委員からもあったと思いますけれども、東 京歯科大学の場合、大変多くの研修医が来ているために、2年目以降の進路指導という んですか、これは本当は在学生にやるべきことですが、研修医に対して、2年目以降の 進路指導がかなり大変だということになっています。今までなかったことなんですけれ ども、今このことがいよいよ問題となってきています。具体的な問題は、今後出てくる のではないかなというふうに思っています。  以上、皆様方の意見以外につけ足すことは以上です。  それでは各委員の発言のたびに、私の方から気がついた点の念押しの質問はいたしま したけれども、各委員相互に確認してみたいとか、ほかの委員の発表について聞いてみ たいこと、追加があれば、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。住友委員。 ○ 住友委員  今回の検討事項とは少しかけ離れる内容で申しわけないのですが、丹沢委員に質問が あります。2年の臨床研修制度をとっていますね。そして修了証は2年目で出される。 それから2年目で受ける。これは他の施設で研修を修了した者を受けるんですね。そう すると2枚の修了証が、実際には出るということになりますね。 ○ 丹沢委員  実は2年目からとるものは、卒後、今回の法に基づいた研修は終わっている方ですの で、病院長名の修了証は出ますけれども、法に基づいた証明書ではないんです。 ○ 住友委員  すると、1年目の人ではなく、2年目の人は法に基づいているという解釈になるので すか。 ○ 丹沢委員  2年制の人は2年間で法に基づいて研修をやって、1年どこかでやってきた人はもう そこで修了証をもらっている人で、さらに研修をしたいという人、そういう人を引き受 けています。 ○ 住友委員  歯科医籍登録が修了時になされる場合に、1年目にされる方と、2年目にされる方が 存在するということですね。 ○ 丹沢委員  そうです。 ○ 住友委員  私の認識では、1年でやはり修了して、歯科医籍登録をされた人は、病院の呼び方で すけれども、2年目の研修プログラムというより、やはり病院の呼び方でそれでいいん ですけれども、要するに、実質的には後期研修という形なんでしょうね。 ○ 丹沢委員  ところが医科の方の後期研修は、3年目からなんです。それでうちはちょっとずるい んですけれども実は後期研修の枠をもらおうということを画策して、3年目の後期研修 を確保してから、それから病院長の交渉のときに2年目の枠も確保したのです。後期研 修をくださいと言ってもらっておいて、先生、実は2年目があいているんですよと言っ て。それでアドバンスコースというのをつくってもらったんです。  先にアドバンスコースをとると、後期研修と実質的に同じじゃないかといわれて、後 期研修の枠がとれなかったので、後期研修という用語は使わなかったんです。 ○ 俣木委員  それに関連してよろしいですか。その研修は、丹沢先生のところではいわゆる後期研 修は何年コースですか。 ○ 丹沢委員  1年です。 ○ 俣木委員  やはり1年ですね。 ○ 丹沢委員  その後は、医員という形になるか、大学院生になるような形です。 ○ 俣木委員  医科の方で、大学によって何年かのコースを持っているところは、後期レジデントで すか。 ○ 丹沢委員  それぞれではやっていますけれども、ほとんどが多分1年制だと思います。経済的に 大変なので、1年でやっていると思います。 ○ 石井座長  大学はそうですけど、一般病院はずっとありますね。 ○ 住友委員  今ちょっとお聞きしたのは1年目で修了した人は、アルバイトが可能になるわけです ね。専念義務は一応なくなっている。入るときの契約で、それが混在をしているという ことは…。 ○ 丹沢委員  うちとしては、2年目はバイト禁止なんです。それで実は、法に基づいた研修中の方 が父親の診療所に出て、それで助手的なことをやっていた事例もあって、それも禁止を しましたので、かなりそのあたりの管理も結構難しいと思います。資格というものはど ういうものか理解してもらう。それがすごく大変なんです。 ○ 石井座長  追加とか質問とか、ほかにいかがでしょうか。 ○ 江里口委員  臨床研修医というのは6年間の座学の中でやってきた医療、歯科診療の未完成型で大 学を出るという、ちょっと今までとは違った方法論で研修医が出てきますね。そこでま た臨床研修医の中で座学、あるいは講義をずっと続けていく意義、2年ですからそうい うことができるんでしょうけれども、1年の中で講義をどんどん進めていくのですと、 歯科医はいつまでたっても自立できないというか、そういうのがあるのではないでしょ うか。臨床研修医というものの最初の目的は、開業医なりあるいは病院歯科医になる、 すっと入り込むということの導入部分を受け持つというような制度だと思われますが、 花田先生のところとか、それから丹沢先生のところもそうなんですけれども、座学がま た入ってくるというやり方が果たして臨床研修医になじんでいくのかどうか。  これから先、大学とこの臨床研修施設、大学の座学、6年間という大学教育と、この 臨床研修医の座学がイコールみたいになってしまっては、何のために臨床研修医を始め たのかわからないので、その辺の議論というのも少しあっていいんじゃないかという気 がします。 ○ 丹沢委員  ちょっとよろしいですか。座学といいましても、内容は、病院がもともとは医師の研 修医に対して行わなければならないガイダンスであったり、実際の書類のことから、安 全講習から、それから検査法から、輸血法とか、そういう医療を行う上で必要なこと、 病院の中、特に医学としての正しいこと、やらなければいけないこと、制度上でのやら なくてはいけないこと、それから病院としての制度、そういうものを理解させるための コースがある。  それから私どもの科の方で、それを歯科口腔外科というところで、歯科研修を受ける ための実際の伝票がどこにあって、どこに持っていかなければいけないとか、そういう ようなことをやる。それから実際に患者さんをすぐに診せないで、そういった模型実習 をやる。そういうような形なんです。  ですから卒前教育の座学と、私どもでやっている講義。これはちょっと質が違う。実 際に病院に慣れて、制度に慣れて、活動するための講義をしているというふうに理解を していただけるとありがたいんです。模型実習は1回一通りやりますけれども、決して 窩洞形成の試験をやるとか、クラウン・ブリッジの試験をやるとか、そういう話ではな いんです。 ○ 石井座長  今の江里口委員のご発言は、皆さんへの投げかけだと思いますので、お聞きしたい。 花田委員はいかがですか。 ○ 花田委員  座学は、当面はこちらの受け入れが慣れていないものですから、座学は多くなると思 います。実際は1歳6カ月健診だとか3歳児健診だとかの現場に行かせますので、そう いった現場のやりとり、お母さん方とのやりとり、フッ素塗布をさせる、させないは別 として、いずれはさせていくような方向で、行かせることになると思います。  まだ、こちらが未経験なものですから、どうしてもなかなか思い切ったことができて いないということなんですが。先生のご意見もありますし、できるだけ体験させるよう な方向で考えていきたいと思います。 ○ 俣木委員  臨床研修が始まっている中で、あまり座学というのは、私どものプログラムの中では ほとんどありません。大学の管理型のプログラムでも、1週間の金曜日の午後の3時か ら5時までの間だけ研修医セミナーといって、それは連絡事項も含めて行ったり、ある いは研修の後半の方では研修医自身がやった症例発表会に使っています。  あるいは協力型に出たときでも、ほとんど、朝の始業時から大体終わる6時過ぎぐら いまではずっと診療室で研修していて、その後に大体9時ぐらいまで自学自習の座学を やっています。すごく熱心な研修医と協力型の施設では、毎日帰るのが9時以降で、医 局とか研修室で研修をしているということです。そこで初めてニーズに合った勉強をし ているということで、非常にたくましくなって帰ってくるということで、本当に群方式 が採用されて良かったなと感じております。 ○ 葛西委員  4月がちょうど初期研修の時期なので、座学は多少あります。でもやはりいわゆる卒 前とは全くレベルの違う話をしていますので、復習みたいな講義はありません。そこは もう自学自習でやってくださいという範疇で講義しています。  特に医療管理、あるいは保険の話が、座学の方はメインになっています。あとはもう 自主的に、歯を削りたい人は削りなさいという形で、そういうふうにフリーにできる施 設を用意してありますので、そちらの方でやっていただくということです。座学はあり ますけれども、卒前の講義ではない。そのあたりは内容を分けています。 ○ 石井座長  鴨志田委員のところはいかがですか。 ○ 鴨志田委員  座学ですか。私のところは、私が夕方以降あいているときには、カンファレンスと称 して症例検討を2人の研修医とうちの勤務医と4人で30分から1時間、本日あった研 修医が担当した症例について検討するというような形で、実態的にはやっております。  座学について、江里口先生から今ご指摘がありましたが、到達目標から考えまして、 知識の部分は、国家試験で一応のクリアはしておりますが、日進月歩の科学であります し、それからレベルの話も出ました。それは必要に応じて、知識に対して座学なりセミ ナーをするというのは、仕方がないというか、当然必要なことだと思います。座学の比 率が多くて、臨床が少ないのではないかというようなご指摘は、的をえている場合もあ ると思いますが、基本的には、そんなに座学をやっちゃいかんとか、臨床研修で違うん じゃないかというのは、ちょっとまた違和感を私は感じております。 ○ 住友委員  日本歯科大学の附属病院の話で良いですか。管理型にいるときは、病棟研修とか、手 術室とか、麻酔科の外来とか、それからもちろん医療法にかかわるもの、それと保険制 度、そういうカリキュラムにやはり4カ月かかるんです。  というのは、今度平成19年度は変わるんですが、国家試験の発表等のずれ込みがあ ったものですから、それで4カ月。それともう1つは各施設の説明会等に100施設あま り、実質6日間、施設が来て説明をしていましたから、それにも時間をとられていまし た。したがって4カ月間は、ほとんど臨床には直接的にはタッチしない。見学とあとは 補助です。そういうレベルの内容の濃いものをやっていました。  1つ問題になったのは、結局、そうしますと協力型施設に8カ月を2回に分けて行く のと、1回で8カ月行くグループがいるんです。すると病院の研修歯科医による医療収 入は全くゼロなんです。これは問題であるということで、19年は見直しをして、例えば、 午前中のみ、そういうものに特化して、午後はできるだけ診療室で、医療収入を上げて ほしいという要望を、病院長としては出しました。どういうカリキュラムになるかはわ かりません。以上です。 ○ 石井座長  どうもありがとうございました。東京歯科大学の場合は、最初の一月だけ基本的な保 険とか座学というんでしょうか、それをやっています。すぐ協力型へ行く人もいますか ら、そういう意味での座学はありますけれども、ほぼスタートと同時に、研修医が出て おります。  私が個人的に聞いた話としては、最初に来た人と最後に来た人、つまり年度の終わり ごろに来る人と、最初から来る人とでは、場合によっては最初の人が良いと聞いていま す。まっさらというんですか。うちはこうだから、そのとおりにやってくれれば、だん だん何か自分ができるつもりになってくると、あんたはちょっと勝手にやって困るよ、 みたいなところが出てきますので、やられてしまって、最後の人の方が扱いにくいとか、 そういうようなことを言われた例もあります。いろいろでございます。これについては、 うちの大学としても調査をしなくてはいけないだろうというふうに言っています。  今お聞きしても各施設でいろいろ違いますね。だからそこらあたりの実態をつかむ必 要があるというふうに思います。 ○ 住友委員  ちょっと言葉足らずでしたが、座学といっても例えば130名の研修歯科医を全部集め てするものと、あるいはスモールグループでやる座学というか、そういうものとはやは り混在しているんです。したがって座学というと、どうしても130名を対象にしたもの というイメージがあるけれども、やはりいろんな方略が、そこには存在しているという ことです。 ○ 丹沢委員  ちょっとよろしいですか。私どもが2年制をとったもう1つの理由は、患者数の問題 もあって、研修を完全に終わらすには、2年ぐらいかかるんではないかということがあ るんですけれども、実は、私どもには歯学部はありませんから、よそから来た方たちの 集合なんです。それで人間関係、それから病院のシステム、先生の顔さえわからない。 それで伝票をどこに出したら良いかもわからない。どこにどういう外来があるかもわか らないということで、経験的に大体3カ月、慣れるのにかかるんです。出身校だとこれ はまた違うと思うんですけれど。  それでいろんな精神面のケアから、制度のことから、それから技術的な違いがあるも のですから、模型実習から始まって、早い人は患者さんを少しずつ当てたりしています けれども、そのレベルは、結局ばらばらにみんなが見ているのでは仕方がないので、実 は私が模型実習をやっているんです。3カ月間、週に2〜3回ずつ。それでそれぞれの 人の評価をして、この人はこのぐらいだろうということでミーティングをして、それで 初期研修はそこで始まるというような感じなんです。  ちょっと母校とそういうところと違うということを、ご理解いただければと思います。 どうしてもかかりますね。 ○ 江里口委員  座学というのはちょっと問題で、振ってみたんですけれども、皆さんいろんな意見が ありますね。私は石井先生と同じ東京歯科大学で、口腔外科に所属していますと、実は 学生実習をうちはかなりシビアにやりますので、先生のところみたいに検査の紙をどこ に出すとか、あるいはX線、病室に入れるにはどうしたら良いかとか、そういうことは、 学生時代にかなり学んでしまう。それから臨床研修医も、うちの大学の学生、卒業生が 大変多いということです。  ただもう1つ、なぜ投げかけたかと言いますと、私は口腔外科しか知りませんけれど も、口腔外科の学生の中にも、そういう検査データを出して、患者さんと一緒に検査室 にいくとか、あるいは保険のシステムとか、医療事務員みたいに使っていることは、学 生からの反発、あるいは親からもそれの反発があります。そんなことは学生時代にする ものではなく、学生はお金を出しているんだから、もっとちゃんとした、医療に直結し たものをやれというような、本人からというよりも親からこれらの意見があります。当 然私立は高い授業料を払っていますから、そういう意見を言います。  そのときに私は、先ほど丹沢先生が言われたように、そういうことを経験することで 初めて外に出たときに、いろんなことがわかるんだから、事務、受付なんかも、うちも やらしているわけです。受付なんか本来は学生がやるもんじゃないんだというようなこ とを言われるんですけれども、それがこれからの開業医になるときのスタッフを指導し たりとか、あるいは周りの先生たちとのおつき合い、それから病診連携のときの医科の 先生とのおつき合いの仕方というのは、そのときに学ぶものだと思うんです。そういう ことが非常に大切なんだよということを、毎回それの答えとしているので、臨床研修医 も同じように、丹沢先生のところのように、座学とはいいませんけれども、そういう意 味でのきちんとした人間の、歯科医としての最低限のルールというか、そういうものを 教えるという意味では、座学は大切だと僕は思っているんです。 ○ 石井座長  ありがとうございました。ほかに何かございますか。 ○ 鴨志田委員  花田先生の方にちょっとお伺いをしたいのですが、保健所実習というか、我々の複合 型だと協力施設になると思うんですが。大変俗なことで恐縮なんですが、横浜市に私は いるのですが、横浜市は財政が厳しくて、30%カットということで中田市長がやってい ます。保健所の受け入れに対して費用を徴収したいということを言われております。そ れがもとで今年の補助金の方がまだ見えなかったものですから、横浜市の衛生局と話し 合ったんですが、その費用の点がネックで、コーディネートができなかったという実態 があるんですが、先生が今お話しになった、保健所の受け入れ等については、費用経費 の問題については何かコンセンサスができているのでしょうか。 ○ 花田委員  受け入れの事例がまだ少なすぎて、実際には、あと1〜2年受け入れ状況を見ないと、 費用の問題というのは解決しないと思います。医師の方に、右倣えをするのが基本にな るんじゃないかと思います。  ただ残念ながら、医師の臨床研修自体も、保健所の方は、保健所長会が非常に張り切 って受け入れようとしているんですけれども、医学部の方がそっぽを向いてあまり出さ ないという問題もございます。まだ保健所側の整備は、十分進んでいないと思います。 ○ 鴨志田委員  ちなみに横浜市所管の保健所等の研修については、1人1日500円だという話です。 医師も他の職もそれでやってもらっているという話です。歯科医師臨床研修はストップ したので、少しゲリラ的なんですが、地元の歯科医師会が1歳半とか3歳、その他の健 診の委託を受けておりますので、歯科医師会の方とお話をして研修医をそこへ見学実習 ということで、同伴するのはいかがなものかと思っています。もちろん保健所長の承諾 もあるんですが、とりあえず歯科部門だけについて、公衆衛生的、地域保健的に保健所 の業務の歯科部門についてだけ、少し見学を研修医さんたちにしてもらおうというので、 今鋭意交渉中というのが実態です。それには費用はかかりません。 ○ 石井座長  500円というのは、何の金額ですか。日当なんですか。 ○ 鴨志田委員  いえ、払うんです。 ○ 石井座長  研修医が払うんですか。 ○ 鴨志田委員  だれが払うかはっきりしていませんが、管理型が払うんですかね。 ○ 石井座長  管理型が保健所にお礼で払うんですか。 ○ 鴨志田委員  いや何の科目だかよくわからないです。 ○ 丹沢委員  千葉大学の医科の研修医がそういうことで、払っているかどうかわからないですけれ ども、実はアンダーグラデュエイト、医学部の学生さんは、習いにいくところは臨床教 授の称号をそこの責任者に与えて。それでやったときに1人当たりいくらという教育費 を実際に大学が払っているんです。保健所も含めて、病院とかいろいろ行きますね。そ れに実際には払っているんです。 ○ 石井座長  病院はわかるけれども、保健所って、それを収入にする項目は立てられるんですかね。 保健所が。 ○ 丹沢委員  保健所のその中で。 ○ 石井座長  条例で、何ていう研修事業ですか。 ○ 日高歯科保健課長  保健所とか公的施設というのは、よく見学の申し込みとかありますね。半日とか1日 コースとか。あるいは学生さんの実習とか、実際にやっているわけです。恐らくそれは、 公的機関の責務として協力をしていると思われます。したがって恐らく無料でやってい るというのが、一般的だと思うんです。  多分臨床研修も、研修協力施設ということで、研修生が来てそこでいろいろ説明をす る、あるいは見学をする。それは恐らく基本的には無料だと思うんですが、鴨志田先生 の事例というのは、横浜市が特に財政逼迫という背景で、ひねり出した知恵だろうと思 います。そこには要するに、そこに従事する職員がいますね。その人は働いているわけ ですから、その分ほかの仕事ができない、すなわち市の仕事ができないとなれば、そこ に幾ばくかのものが発生するのでしょう。 ○ 石井座長  でもこれはちょっとおかしいなと思った。本来は、それは例えば今の国立保健医療科 学院のプログラムでいけば、指導医までつくっているわけです。そうするとその施設が 協力型になり得るんですよね、保健所が。そうするとそこに本当は就職するわけです。 免許ある歯科医師が行って。学生じゃないんだから。そうすると免許ある歯科医師が保 健所で、行政の業務をやるわけです。本当は日当を払わないといけない。 ○ 日高歯科保健課長  研修協力施設じゃないですか。 ○ 石井座長  いや、研修協力施設に。施設からいうと。私はそこの整理はちょっと妙だと思います。 学生が行って、見学をさせてもらって、見学料を大学が払うという話と、免許ある歯科 医師がそこでやる。そうすると協力型は、全部そうなっちゃうんです。変なんです。管 理型から行った場合には研修をさせてくださいと施設にお金を払うのかとなり、そこの 話はちょっとおかしいと思います。そこでさらに実際に健診業務をやるということにな ると、どういうプログラムかわからないですけれども、そこのところはちょっと、もう 少し議論した方が良いかなというふうに思う。特に今の横浜の事例は、ちょっと今後ぜ ひ、何をやるか事務方で詰めていただきたいと思います。 ○ 日高歯科保険課長  それは短期で見学を兼ねた形のですね。 ○ 石井座長  そうなると、今の事例はちょっといろいろ具合が悪いですね。 ○ 日高歯科保健課長  研修協力施設が、ですか。 ○ 石井座長  その施設にお金を管理型が払うという話が。 ○ 日高歯科保健課長  払うことの是非はちょっと置いておいて、要するに保健所の使い方というのは、研修 協力施設として短期で行っているというわけですから、協力型施設とは違った。 ○ 石井座長  わかりますけれども、では研修協力施設にはお金を払うのかということになりますね。 ○ 日高歯科保健課長  だからそれは横浜市が提案されたわけで。 ○ 石井座長  今でも研修協力施設というのは、大学で例えば1人しかいないけど、非常に高名な診 療所というところがあるわけです。すばらしいんだけれども、そこは歯科医が1人しか いないから、研修協力施設になれますが、協力型になれないわけです。だけどそこはす ばらしい治療をやっている。そこを見学に行くということはあるわけです。それについ ては、そこにお金を払うようなことはないわけです。今の話です。ちょっと今のは、そ ういうものになるのかなというところが、どうかなと思うんです。  うちの場合、東京歯科大学も障害者施設に行っています。これはすごく良いというこ とになっているんです。そういうときは…。これはどう解釈するんでしょうか、という ところがちょっと気になります。事例が起こった場合それでよしとするのか。医科の場 合の研修で、保健所に行くときは、保健所に払っているんですかね。2週間。 ○ 花田委員  保健所長会に投げてみないと、現実には、ばらばらなんじゃないでしょうか。 ○ 丹沢委員  さっきのアンダーグラデュエイトの話で、保健所がそれに入っているかどうかはわか らないですけれども、少なくともその研修施設に、ちゃんと予算を組んで、謝金という 形で、非常に経費が安いので、恐らく印刷物だとかそういう実費というつもりで払って いると思うんですけれども、実際に出ているんです。私は、副研究院長なので、予算の 方もみていますので。 ○ 石井座長  研修医。 ○ 丹沢委員  学生の大学以外での実習経費です。 ○ 石井座長  学生でしょう。学生はちょっと違うと思うんです。 ○ 丹沢委員  だから今の話では、研修医の話がそれと同じに扱われているような気がするんです。 だからやはり国家の研修医とかそういう意識を持たないと、そういう話が出てきちゃう のかなというところです。 ○ 花田委員  本来は研修医をどんどん活用して、保健所が新しい地域歯科保健業務を展開していく というようなのが、理想的な話だと思うのですが。 ○ 石井座長  だってさっき言われたように、実際ここで1歳半健診とか3歳健診を研修医にやらせ るということになると、その労働は一体どういうことになるかということです。そこの 話はちょっとね。 ○ 丹沢委員  うちで、産業保健だとか学校保健を請け負ってというか、校医だったりしてやってい るところに連れていくんです。だけどそこの歯科医籍登録の問題とか、いろんな問題が あって、どこまでやらせたら良いのかわからないので、補助をさせることはあっても、 健診をやらせないようにはしているんです。だからそのあたりがちょっと資格的な問題 もあって、慎重にやっているんですけれども、どういう扱いになるのか、僕もちょっと わからないところがあるんです。 ○ 石井座長  そうですね。歯科医師免許を持っているわけですから、当然そのことは問題ないので はないでしょうか。 ○ 江里口委員  臨床研修医をやらなくても、そこの指導医、そこに管理者がいれば、本来はできるわ けですよね。 ○ 石井座長  診療所で、協力型へ行くのと研修協力施設へ行くのと同じで、同じことだと思います。 協力型のときにお金をもらえて、研修協力施設にお金を払えとなると、そこはちょっと 形が妙だなと思います。これは、今出た事例は想定外だったことかもしれません。  ほかに何かありますか。 ○ 俣木委員  参考資料1−8で同じに振ってあったんですけれども、1枚めくっていただきたいと 思います。 ○ 石井座長  調査が必要だろうということ、ほかの委員からもありましたので、俣木研究班という のが立ち上がって、臨床研修の調査をやるということですね。資料1−8の一番最後を ごらんください。 ○ 俣木委員  ここに書いてあるとおりでございますが。 ○ 石井座長  急ですけれども、こういうことを調査していただきたいというような、もしそういう ご希望があればどうぞ言っていただいて、受けられるかどうかは別としても、そういう 調査をしていただきたいということがあれば、言っていただければと思います。何かご ざいますか。  ○ 住友委員  調査項目の研修歯科医の分布に関する調査というのは、これはどういうエリアに行っ ているかということなのか、それとも、例えば協力型施設の規模だとか、そういうもっ と細かいことまで含まれている内容なんですか。 ○ 俣木委員  はい。それぞれの研修施設からはプログラムを提出していただいていると思うのです が、これまでずっと研修医がどういう分布で実際に研修をしているかということが、ま ず把握されていなかったということです。ただいろいろな個人情報等に関連するところ については考慮して、処理をするということになっています。かなり細かいところまで はわかると思います。 ○ 住友委員  それは例えばその地域の特徴だとか、もちろん人口等を含めて、年齢分布だとか、そ ういうものとのリンクで、調査ができるともっと良いのかなと思います。それはワーク ショップでそういう意見が出ていました。何県に何人いるというものではないだろうと いうことです。 ○ 俣木委員  それだけではだめということですね。 ○ 住友委員  よろしくお願いします。 ○ 石井座長  ほかに。 ○ 鴨志田委員  大変調べにくい項目かもしれませんが、研修歯科医の資質向上という点で、倫理性で あるとか、コンプライアンスであるとかというのについて、どこで彼らがそういうもの を身につけているのかというのがちょっと気になるんです。最近そういう事故があった のと、それから実はほかの業界の聞きかじりで恐縮なんですが、会計士の業界なんてい うのは、かなり厳しく倫理性の向上に努めている。意識的にそういうことをやっている という部分があるので、何か先生のお知恵で、うまい具合にそういう項目が幾つか入れ ば、ありがたいなと思います。 ○ 石井座長  時間もそろそろ良いぐらいですが、住友委員が少し触れられていましたけれども、ほ かにもちょっとございましたか。研修の修了認定、中断、延長等のことが少し言われて おりました。具体的には今回は、あまり出てこられませんでしたけれども、これについ て、どなたか何かございますか。住友委員は。 ○ 住友委員  これは、未修了については、まだ出てないわけですが、私たちも中断にはできるだけ しないような努力を、今しておりますので、具体的にこれだという事例はない。ただし、 実際に中断の事例が本当にあった施設があれば、そういうのを聞きたいと思います。 ○ 石井座長  これは中断等が起こるとかは、修得しない例とかいうのを前の検討会でやっていて、 その施設がつぶれたとかどうしようもない状態になったとか。そういうことで確か想定 したわけですが、これは起これば、厚生局へ行くわけですね。施設の方で問題が起こっ た等、この時点で、厚生労働省の方でつかんでいることはございますか。 ○ 杉戸専門官  まず完全に臨床研修自体が中断した事例というのは、やはり何例か報告があります。 まだ正確に数とかは、今は整理がついておりませんので、お示しできませんが、多くの 場合は、やはりメンタル的な面でちょっと問題を起こしてしまって、精神的にもう続け ることができなくなったという事例が、ほとんどでございます。  またもう未修了になるであろうと予測されているのが、やはり何例もあります。それ はやはり女性の特有である妊娠であるとか出産であるとか、そういったものに絡んだも のの未修了が出る可能性というのは、結構数が出てきています。  あとは、先ほどのメンタル的なものとは別に、やはり何らかの理由で入院等、いわゆ る病休といいますか、をしてしまって、1カ月2カ月休んでしまって、年度内に終われ ないという事例もございます。  また、やはり先ほども委員の方からも少し出ておりましたが、急に年度途中で歯科医 師がやめてしまって、いわゆる施設要件を割ってしまったと、そういった事例も何例か 報告されていまして、臨床研修部会の方で審議されております。 ○ 江里口委員  研修部会の方に出ていますので、歯科の場合、今の社会的な情勢で、歯科診療所で2 人、3人と歯科医を雇えなくなるという報告がありました。それと院長が病気である等 の事例では管理型に戻して臨床研修を継続させる。その群でやっていることで、1つの 診療所がだめになったからといって、もう1回群を申請し直すというようなことを緩和 してもらいたいということでの要求を出していました。  全部を特例、特例でやってしまいますと、これはきりがなくなってきますので、日高 課長からもよく言われているんですけれども、あまり特例をつくってはいけないけれど も、私は開業医の方から出ていますので、臨床研修医に迷惑がかかる、自分が悪いわけ ではなく、環境が悪くなったことによって履修できないということがないように、なる べくしてほしいということは、毎回出ています。  やはり今日もテーマにありましたけれども、臨床研修医の存在というのか、自分のポ ジションというのが、社会的にまだ非常に不安定な状況なので、やはりメンタルの面で、 かなり臨床研修医が、医局員、患者、それから院長という、その中のどこに自分がいる のかというのは非常に難しい。学生ですと6年間、言葉は悪いですけれども、我慢して 6年間、国家試験を受けるんだよというように過ごし、それからやっとはじけたのに、 臨床研修では我慢できなくなる方が、結構いるようです。私も実際に臨床研修医を履修 した息子にその話を聞きますと、学生時代は我慢したのに何であの子が我慢できなくな っちゃうのかなと思うような、そういうことが結構あるようです。それは多分臨床研修 医というものが、社会的に完全に認知されていない部分、それから管理型でもそうです けれども、病院の中で認知されていないというのが、常に大きなメンタル的な要素があ るのではないかと思うので、そのあたりを早く職業的な位置というのを確保してあげる というのも、大切なんじゃないかなと思っています。 ○ 石井座長  ありがとうございます。 ○ 住友委員  良いですか。中断の話、今杉戸専門官が、非常に興味深い発言をされました。それは なぜかというと、妊娠出産というのは、前の中間取りまとめでは、中断の話なんです。 中断ではなくて未修了にもっていって、同じ施設でやれるという、その方向性は考えて おられる発言なんですね。恐らく。 ○ 杉戸専門官  基本的に、現段階におきましては、中間取りまとめの方にのっとってやることになり なりますけれども、例えば事例におきましては、もう既に昨年の4月の段階で、妊娠出 産がわかってしまっているという例もありました。そういった面に関しましては、部会 の方でも、今江里口委員がおっしゃいましたように、研修医に対して不利益にならない ような立場でというご指示もございますので、そちらの方にのっとって対応はさせてい ただこうかと思っています。  未修了の事例に関しましても、未修了ですから中断ではない、施設の方はそう判断し ている状況で、我々も正式に伺っているわけではございません。そういうものがあるら しいよという形でしか聞いておりませんので、何とも言えません。そのときにちょっと 判断をしていきたいと思っています。 ○ 住友委員  流れの中からいくと、中断というのは、未修了とは非常に意味づけが違うんですね。 だからやはり未修了という形、この中間取りまとめでは、やはり中断という形で表現し ていたところがあるんですけれども、実際に施行というか、これが始まった時点で、考 えてみるに未修了という形の方が、望ましいのかなというふうに思っているんです。そ れは、各施設の判断なんだろうというふうに認識していますけれども。 ○ 葛西委員  先ほどの中断の方なんですけれども、再開の届けは出ているんですか。 ○ 杉戸専門官  既に一度、どうしても精神的にだめになってしまってやめて、しばらく自分なりに考 えて、もう一度やってみようという形で再開を志して、既に再開で手続きをしている方 も、本当にまだ1例、2例でございますが、出ております。 ○ 丹沢委員  うちで出た事例なんかは、夏休みが終わったら出てこなくなっちゃって、親元のとこ ろへ電話してもすごく甘やかしていて、別のところに住んでいるとか、離れたところで ちょっと特殊な生活をされていてとか説明され、どうして出てこなくなったのか、わか らなくて出ておいでと言ってもわからない。それで自分が中断したり、未修了になると いうことが、どういうことなのかということを理解していなくて、親御さんに得々と何 度も何度も私も医局長もお電話をして、12回ぐらい説得をして、それで息子さんがいら して話をして、それで労働局とも相談したんですけれども、何しろ大学の事務もなぜだ かわからない。本人に聞いても何だかよくわからない。第三者に何か言ってもらっても 良いかなといってやってもわからないという話で、結局最終的にはノイローゼみたいな 診断書を持って来たんですけれども、どうも本当はそうなんじゃないんじゃないかなと いう事例なんです。  それで僕は研修する方に、やはりどういう法律に基づいて研修をするのか、そのコー スを選ぶということがどういうことなのかということをしっかり理解してもらって、自 分の将来のために頑張るという考えをしっかりと持ってもらいたい。  結局その方はいろいろ手を尽くして、母校でもう一度やりたいということで、一応事 務とかそちらに任せたので最終的にどうなんだかわからないですけれども、次に何とか する道を一応お世話したつもりなんですけれども、それをまたまじめにやっているかど うかはわからないんです。  やはり自分たちが教えていただいて、卒業して、国家試験に受かった。研修をやると いうことの意味を、やはりわからせるような教育も必要なのかなと思うんです。昔だっ たらそれは自分で自覚をするんですけれども、ちょっとわけがわからなくて、労働局も 困ってうちも困って、事務もわからない。どこも本当の理由がわからないという、そう いうのがあったんです。正直なところなんですけれども。 ○ 石井座長  そういうのが今後いろいろとでてくるでしょうね。時間が来ました。大変多くの意見 をいただきましたし、ほぼ的を射たご指摘が多かったと思います。今までいただきまし たご意見をまとめて、次回それを整理して提示するということにしたいと思います。よ ろしゅうございますか。そこに検討項目、ほとんど入っていたかと思います。  それでは、きょうお話しいただいた以外にもし何かあったら、事務局の方へお申し出 てください。ほかに事務局の方から何かございますか。 ○ 鳥山課長補佐  時間も押し迫っておりますが、お配りしております参考資料2について、簡単にご説 明をさせていただきたいと思います。  昨年の12月下旬に公表いたしました、今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等 に関する検討会の中間報告でございます。これについては平成17年の12月に、歯科医 師の需給問題も含めて、本検討会を日本大学名誉教授の斎藤毅先生を座長として立ち上 げたわけでございます。  その後昨年の8月末に、文部科学大臣、厚生労働大臣、両大臣によります歯科医師の 削減等に関する確認書が交わされたことを踏まえ、特に歯科医師の資質向上を中心にま とめさせていただいております。本検討会に関連する部分だけ、ちょっとご説明をさせ ていただこうと思います。  めくっていただきまして7ページをごらんいただけますか。7ページの(2)の(2) というところでございます。臨床研修や卒前教育の資質向上の(2)のところなんですが、 今後の方向性というところで、原文を読ませていただきますと、最初の2行。臨床研修 については制度の中核的役割が期待される研修管理委員会の役割の強化と充実方策につ いて、今後検討を行うべきである、というこの提言を受けまして、本日の検討会を開催 させていただいているということでございます。  続きまして(2)の6行目、7行目なんですが、また以下をお読みいただきたいと思いま す。また歯学教育モデルコアカリキュラム共用試験、歯科医師国家試験出題基準及び臨 床研修を一体的に見据えた歯科医師養成のあり方についてということでございます。実 は本日の午前、文部科学省の医学教育課主催で、初めて全国国公立歯学部長会議なるも のが開催されました。文部科学省の方から、高等教育局長、担当の審議官、医学教育課 長初め多数職員の方がお見えになりまして、その中で歯学教育モデルコアカリキュラム、 これの改定、あるいは共用試験の位置づけ等について検討に入るというふうな説明がご ざいました。  また歯科医師の国家試験の出題基準でございますが、これについても本日、ご出席を いただいております、丹沢先生にも委員にご参画いただきまして、昨年の12月末に早 速、検討を開始しているところでございます。なかなかこういう卒前の教育、国家試験、 卒後の臨床研修、あるいは生涯研修といったものを一体的に見据えた検討というのが、 今までなかったのが逆に不思議なのでございますが、そろそろこれは我々厚生労働省の 担当者だけでなく、本日ご出席の皆様方を含め、関係者の合意の上、見つめていく時期 であり、ちょうどそういう機運が高まってきているということで、この検討会もその中 の1つとして位置づけさせていただいているところでございます。  ちなみに10ページをごらんいただきたいと思いますが、本日、先ほど申し上げまし た文部科学省主催の会議には、私の方がその場でこの検討会の報告書を説明させていた だきまして、両大臣の確認書に記された内容、10ページの上から冒頭、新規参入歯科医 師数の削減について(1)、(2)がございます。(1)が入学定員の削減の件、(2)が国家試験の 件ということで、この2つについて私どもの方から、全国の歯学部長を初め関係者の方 に、ご説明をさせていただいたところでございます。以上でございます。 ○ 石井座長  ありがとうございました。ほかに何か委員の方からございますか。よろしいです。で は今後の予定ということで、事務局の方からお願いします。 ○ 杉戸専門官  冒頭で医政局長もごあいさつで申し上げましたとおり、この検討会自体、今年度限り ではなく、来年度以降も継続して皆様にご討議いただきたいと思っております。今年度 は論点整理等で終わってしまうことになると思いますが、来年度以降は、先ほどの俣木 委員の研究の結果であるとかそういったものをもとに、継続的に総合的に開催してまい りたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。 ○ 石井座長  次回の日程ですが、できたら3月の5日からのところで、ひとまずご都合をお聞きし たいのですが、よろしいでしょうか。5日の午前中、ご都合悪い方はいらっしゃいます か。いらっしゃらないようなので決まりです。月曜日、よろしいですか。大丈夫ですか。 俣木委員は、具合が悪い。 ○ 俣木委員  できれば避けていただきたいのですが、調整してみます。 ○ 石井座長  では6日、火曜日の午後はいかがですか。6日火曜日はだめ。7日は。やはり、5日 月曜日です。よろしいでしょうか。午前中です。10時です。次回は3月5日月曜日10 時からです。  それでは以上で本日の検討会を終了します。どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省医政局歯科保健課     歯科医師臨床研修専門官 杉戸、坂本     代表 03−5253−1111 (内線4141) 42/42