07/01/25 第6回振動障害等の防止に係る作業管理のあり方検討会議事録 振動障害等の防止に係る作業管理のあり方検討会(第6回) 日時 平成19年1月25日(木) 15:00〜 場所 厚生労働省白金台分室中会議室2 階 ○副主任中央労働衛生専門官 定刻となりましたので「振動障害等の防止に係る作 業管理のあり方検討会(第6回)」を開催させていただきます。本日は大変ご多忙の ところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。第5回の検討会後に異 動がありまして、私は12月1日付で前任の樋口の後任でまいりました濱本と申しま す。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。  本日の出席状況ですが、吉村委員がご欠席ですが、あとの委員は全員出席です。  それでは、本日の資料について、確認をさせていただきたいと思います。お手元 にお配りした資料は、まず本日の議事次第がありますが、別綴りの中に資料No.6− 1があり、第5回検討会でいろいろご意見をいただき、一定の結論が得られたと思 われる事項について事務局で整理をしたものです。これをもちまして前回の議事要 旨の報告とさせていただきます。後ほどご確認ください。  資料No.6−2は「たたき台となる論点整理表」です。これについては前回議論し ております中で、さらに最終報告書をまとめていく段階で整理すべき事項を事務局 でまとめました。本日はこの内容についてご議論いただければと思っていますが、 これはあくまで事務局で整理をしたものですので、さらに論点整理をする点があり ましたら、併せてご議論ください。  資料No.6−3は、6−2の1で振動工具の範囲を書いてあり、それの関連資料と して、現在通達にある指針で、振動工具として取り上げている機械を列挙して、そ の測定規格などについて事務局で整理をしたものです。これは現在、通達に基づい て作業管理として2時間規制になっている対象のもので、今回どのような測定規格 などに当たるかということで整理をしたものです。先生方の知見で抜けている点、 誤り等がありましたら、ご指摘いただければと思っています。  資料No.6−4は、報告書目次の第2次案です。第4回の検討会で報告書の目次に ついてはご確認いただいておりますが、資料No.6−5の報告書たたき台を事務局で 作成するに当たり、若干修正をして具体的には目次の5の「振動に関する測定装置」、 6の「国内外における振動値等の表示に関する取組み」で、いずれもそれぞれ情報 等について検討していただきましたが、これを加えてはどうかという提案です。後 ほどご意見をいただければと思います。  資料No.6−5については、全く報告書のたたき台ということですが、本日の議論 の予定のいちばんキモになる報告書目次(第2次案)の7「今後の対策の方向」以 下を除いて、5、6も含めて、前段の部分については、今までご検討いただいたり、 ヒアリング等で報告をいただいたような情報についてとりまとめたものです。最終 報告書の目次案の1〜6については、事務局で資料No.6−5として一定のとりまと めをしてあります。これについてもご確認をいただければと思います。7以降につ いては、今後のご議論をいただければと思います。  また本日のご議論の参考として、卓上に第1回検討会で配布した資料を置いてあ ります。  それでは、議事に入りたいと思いますので、相澤座長、よろしくお願いいたしま す。 ○相澤座長 前回の議事録は、先ほどご説明がありましたが、資料No.6−1で代え るということですが、この中で何かお気づきの点がありましたらお願いしたいと思 います。特に前回ご欠席の前田委員、宮下委員から何かございますか。 ○宮下委員 資料No.6−1ですが、いま我々は重量という呼び方は、ISOの新基 準でやっておりません。質量に変えてください。 ○相澤座長 騒音値及び質量ですね。 ○宮下委員 はい。 ○相澤座長 ほかには何かございますか。 ○榊原委員 いまのところに関連しますが、表示事項の注意書で、「騒音値は直接的 作業管理の指標にしにくいものであるので、振動の表示を優先する」と書いてあっ て、次の表示箇所で「振動値及び騒音値を表示する」とあり、何となく一貫性がな い感じがします。どちらかというと、重量は直接的には必要性があまりないのでは ないかという印象を持ったのですが。 ○相澤座長 重量、質量ですね。いま言われたのは騒音のほうが書かれていると。 ○榊原委員 騒音を工具に載せておいたほうがいいのではないかと思います。 ○相澤座長 質量の所に書いてありますからね。これを前の重量と書いてある所の 「騒音値は直接的に作業管理の指標にしにくいものである」というところを取れば よろしいですね。 ○榊原委員 そうですね、どうでしょうか。 ○前田委員 工具自身を選択するときに騒音の値があって、どれが高いか低いか選 びやすい。ここは作業管理と書かれていますが、作業管理の指標として騒音の値を 切るとしたら、ある現場へ工具を持って入りますと、現場の音と工具の音の両方が 耳に入るということで、その値が本来の管理する側の値とは離れるので、そういう のも含めて騒音の値というのは、一応工具選択の基準としては使えるが、表示する となると、ちょっと無理があるかなという話だと思います。 ○畝山委員 優先するという表現を。 ○榊原委員 「表示箇所」には「表示する」と2つ書いてありますよね。 ○相澤座長 削るというか、相手のものによっても違うわけですが。 ○榊原委員 確かに前田委員がおっしゃるように、作業管理の上で騒音ですとイヤ ーマフなどを使えば管理しやすいからわかるのですが。 ○相澤座長 前田委員は、騒音値の表示は難しいというか、必要ないということで すか。 ○前田委員 どちらを優先するかという話では、振動をということです。 ○榊原委員 振動ということですね。 ○前田委員 そうですね。  ○榊原委員 後ろのほうにも騒音の管理のことに触れているから、ここでは文章に なくてもという感じがしますね。 ○相澤座長 では、優先するというのは「望ましい」にしておきますか。あと「騒 音値は直接的に作業管理の指標にしにくいものであるので、振動の表示を優先する」。 優先するということなのですがどうですかね。論点整理なのでこのまま載せるわけ ではないですが。 ○副主任中央労働衛生専門官 いま前田委員が言われたように、私も前回の議事録 などで確認した話ですので、先生方のお話のほうが正確かと思いますが、作業管理 に使うのなら騒音の場合は、その現場において複数の機械が使われたり、現場の作 業状況によっては、ほかの騒音の影響を受けたりということもあるので、そちらに 直接は使いにくいという意味で「優先」という言葉が入っていたかと思います。優 先というのは適当かどうかわかりませんが、そういう意味で作業管理のあり方とい う点では、そういう数値ということでは、振動の値を使うといいましょうか。  できるだけ低騒音の機械を選ぶとか、機械を選ぶ際には振動にしても騒音にして も有効なことではないかということだろうと思いますので、表示すること自体は、 もちろん望ましく、この議論の中でも、併せてご検討いただいている話かと思いま す。次のステップで作業環境に持っていくときに、その数値はどうかということで、 たぶん第5回のときにちょっと話があったのかと思います。 ○相澤座長 何となく皆さんは合意した形ですが。 ○宮下委員 これは議事録として、あとでこの文言を第三者が読んで解釈するとい う場面はないのでしょう。 ○副主任中央労働衛生専門官 それは前回の第5回の整理表ですが、私どもとして は議事要旨的にも使いたいと思っていますので、前回の議論が反映された形にはし ておきたいと思っています。 ○榊原委員 ですから、この部分を騒音管理や作業管理の関連するところに変えて いただければ、全然問題ないと思います。 ○宮下委員 前回議論になったのは、ここは表示ということが望ましい、両方する ことが望ましいということにとどめて、実際の作業管理に活かすときには、この表 示だけではという意味合いですよね。だから、あとの騒音管理がガイドラインに基 づいてしろとなっていて、それに尽きるかと思うのです。榊原委員が言われたよう に、日を改めて議論を伺うと、特に時間が経ったり、第三者が読むと、議論の意味 合いが不確かになるのかなと感じました。 ○鈴木委員 特に騒音管理は、これの3頁に1項がちゃんと設けてあって、いまの 内容が含まれていますよね。その意味では1頁になくてもいいような感じがします。 ○前田委員 第5回は、私は学会出張で欠席しましたが、全体を読んだ中で、音も そうですが、振動のほうでいきますと、工具の値が2.5メートル毎秒毎秒以下だと 工具ではないような印象の議事録だったのです。そのときは2.5以下を工具ではな いとしてしまうと、ちょっとまずいというか、例えば1つの工具で、いまEUの指 令ですと、A(8)=2.5というのがあって、2.5で8時間等価で、それよりも値が 小さかったら8時間は使えるという形で出ていて、それはそれでいいのです。  ただ、作業管理ということで実際に現場で作業する人のことを考えたら、複数の 工具を使う可能性があります。そのときに小さい工具は工具ではないと見てしまう と、複数工具のときに値が、その工具を外すと過小評価をされてしまい、問題が出 る可能性があるという気がしましたので、2.5という値でバサッと捨ててしまうのは、 ちょっと不安が残ります。基本的には将来的にメーカーの人から値を出してもらう。 メーカーの人は全部値を測定しますので、小さい値だからと限定しないで、すべて 出してもらい、評価できる。それぞれの工具の、それぞれの値の単体の評価として もしやすくなるし、それが複数になったときも、そういうのも含めた形でトータル で見て、安全側にぶれるのではないかと思ったのです。ですから、2.5でスパッと対 象から外すのは、ちょっと気になった部分があります。 ○畝山委員 第5回はEU指令が小さいものは2.5に満たないと謳っておけばいい という内容ですから、それの踏襲としてそういう話が出たのですが、現実には例え ばイギリスでは2.5を超すものはその措置があり、2.5を超さないものは2.5に行っ てないという表示があるということで、私の所の現法でいろいろ調べた結果は複数 の工具を使う場合、2.5以下と謳われているものに関しては、一応2.5という値を使 ってばく露値を計算するということをやっていますので、工具ではないとか、これ は問題にしなくていいのだということではなく、それも当然大きいものと組み合わ せて使えば、小さい振動値も使用時間によっては上になるか下になるかが変わって きますので、当然注意を促すべきだろう。きっちり計算するのであれば、極端にい うと、0.1メートルだとか、1.2メートルだというのをメーカーのほうは全部測って いるので出せます。 ○前田委員 複数工具の使い方の簡単な計算方法もありますし、カリキュレーター も、いま私たちの所でも作っていますし、出ているのもあります。事務局に用意し てもらった資料があります。それを見ますと、小さいのを取ってしまうと値が変わ ってしまうので、きっちりした値でやるほうが管理するときにわかりやすいのです。 管理ではなく、単体で見るときは、2.5以下は8時間使えるということで、そういう のでもいいかと思います。  お手元に資料がありますが、私が作ったのではなくて、イギリスでも使われてお ります。いちばん左端がahvで、3軸合成値が数字であります。真ん中がA(8)、 いちばん右端がばく露時間です。ある工具を何時間使うかが左側と右側でわかりま す。それを1本の線で結ぶと、そのときの8時間等価のA(8)というのが真ん中 で読み取れます。そのA(8)を下の個別作業番号のAi(8)の1番目の作業で すと、そこへA(8)と入れます。  作業はここでは6つしか書いてありませんが、6つ以上あってもいいですし、少 ない場合でもいいのですが、各々のA(8)を2乗したものを全部作って、それの 合計を取って、ルートを取りますと、いろいろな工具の組み合わせのときのトータ ルとしてのA(8)が出て、そのA(8)が2.5以下なのか、5以下なのかという ことで、その作業方法が許容できるのか、できないのか、安全であるかどうかとい う判断ができるような簡単なものができています。  これとよく似たのがHSEのホームページにもありますし、安衛研でもこういう カリキュレーターを開発しましたので、小さなPDAでも現場で値を入れると、こ ういう作業方式だと、その日のその人の作業は安全かどうかが見られ、工具のすべ ての値がうまく得られていると、そういうのが見えてきます。  もしA(8)が5を超したら問題ですが、2.5を超したときも以下に下げるという 意味で、ある作業の時間を変えてやる、あるいは工具をデータベースとか、いろい ろなものを見て、小さいのがあればそれを入れてやることによって、安全側に動く のかどうかもその場でチェックできます。そういうものに基づいて、例えば事業主 が作業をする人に、「このようにしてください」とか、それぞれの作業者個々人が、 自分の作業管理というか安全面に乗ってできるようなものを用意していますし、こ ういうのも簡単に使えるということで、工具の値をブツッと切るのではなく、それ ぞれをはっきりさせておいて管理をするほうが、より精度よくというか、安全にで きるのではないかという気がしています。そういう意味での1つのたたき台です。  もう1つは、いま私の所のものを持ってきていないのですが、イギリスのホーム ページがあります。それに数値を入れたりします。値の小さいのを省いた場合と、 入れた場合でトータルがどのぐらい変わるかを見ていただきます。  これはHSEの英語版のカリキュレーターで、実際は日本語でちゃんとわかるよ うに用意しています。これは最初のTool or processがいちばん上にあって、振動 の大きさが2となっています。それの右から3つ目に、Exposure durationがあって 6を入れています。そのときのPartial exposureと点数には1.7と出ています。そ のときの工具は2.5以下で2が入っています。  次に2.5より大きい4を入れて2時間使う。その部分的なものが出ていて、最終 Daily exposureのA(8)が2.6になっていますそのときに2.5を工具だから考慮 しないで取ってしまい、計算しますと次頁ですが、値が変わって2.0という低い値 になりますので、そういう意味では2.0以下の工具を考えないとなると問題がある し、2.5として値を入れると大きくなり過ぎる懸念もあります。大きくなるならなる で安全側にはなるのですが、それによって作業時間が制限を受けるものも出てきま すから、ここで考えていくときはそれぞれの値を基にして管理を考えるほうがいい かなということで、それの1例ですが出しました。  これの日本語バージョンで、もう少しわかりやすいものでポツポツと入れること によって、現場でそれを見る人がわかりやすいものを用意しています。今回は持っ てきておりませんが、次回はパソコンを持ってきて見ていただこうかと思っていま す。話を元に戻して、工具自身2.5で管理を考えたときに外してしまうのはまずい。 実際の値を持ってきて、それで管理していくやり方を入れるほうがベターではない かと思います。 ○榊原委員 その場合に、どのぐらいのレベルから載せるかということが出てきま すね。 ○前田委員 最低の工具でも0.いくつというのもあれば、低いのもありますし、2.5 からだいぶ幅があります。産衛のガイドラインを見ていましたら、あれはいちばん 低いのは1.4に置いており、それ以下は工具とは考えないでおこう、それ以上を振 動工具と考えるというのも書かれています。イギリスのホームページでラベリング、 トラフィックライトをやっているときは、0.いくつというのも全部載せています。 要するに、メーカーから出た値は全部載せて、正直にどのぐらいあるか判断できる ようにはなっていますので、小さくても外さないで載せておいて、計算である時間 使えばそれなりの影響はあるということで、出た値をそのまま使ってもいいのでは ないかという気はしています。ただ、メーカーにそういう値を全部出してもらえる かどうかというのがあります。 ○畝山委員 基本的にどうかとでいいますと、普通のドリルであれば0.何メートル、 場合によっては0.0いくつという、これでも測りますからね。それで2.5まで行っ ていなければ、ヨーロッパの場合は2.5行っていないという表示をすればいいだけ の話であって、あくまでも表示と実際に測定を行っているということは別ですから、 それをすべて表示するということになれば、これはできると思います。そうなると 工具への表示に、例えばトラフィックライトみたいなものを導入する場合に、極端 に言うと、0.1だとか、0.2だというのを謳うのかどうかです。ある意味でブスブス ッと段階分けして謳うのであれば、あまり小さいところまでは謳う必要もないので はないかなという気がしないでもないのですが、確かに2.5というのは非常に微妙 な線です。どういう判断で行くかによって、メーカーとしては測定することになれ ば対応はできます。 ○前田委員 私としては、より比較がしやすくなるので、データは出せるのであれ ば正直に出してもらいたいという気はするのです。  それとイギリスのやり方ですが、日本でも例えばそうやったとして、工具にそう なったとする。ある意味でイギリスでも混乱が起きているのは、この工具は橙色だ から2時間から何時間まで、この工具は1時間までとか見えていても、作業者のほ うは、1日この工具でこれしか使わないのがラベリングの意味なのですが、これは 3時間使える、これは5時間使えるということで、こちらは3時間、こちらは5時 間というので使っているという話もチラッと聞いたことがあります。そういう意味 では、作業管理のときは複数の工具を使うケースということではっきりしておかな いと、ラベリングでこうだからと言って誤解が生じてしまう可能性がなきにしもあ らずだと思います。  その辺を考えたときに、もう少し工夫が要るかなという気はしています。選択す るときの意味での最初の選び方で、どれがどうだというのではラベリング、トラフ ィックライトはすごく良かったと思いますが、次の段階へ入ったときには実際の現 場で作業管理となったときに、あれはもう崩れてしまうのです。この工具1個だけ をその人が使っていてくれたらいいのですが、複数で使うケースが出てきたら、今 のところはああいうHSの計算とか、それを本当にやられているかどうかも見えな いところがありますから、そこのリンクというか、誤解が生じないようにしなけれ ばいけません。  そういうカリキュレーターでも、基本的にはいくらでも供給は可能ですから、こ こでこれをダウンロードして入れてくださいなどということは可能にはなるだろう と思います。 ○相澤座長 実際に作業時間でHSEみたいなことをやることになれば、絶対そう ですね。その辺も含めていかがでしょうか。 ○前田委員 個々の話ですと、2.5だけで切らないでデータをもらって、ちゃんと出 していくことが必要ではないかという気はしています。 ○榊原委員 海外から日本に輸出しているメーカーに2.5以下も出してくれと。そ れは言えば出してくれるのですかね。 ○前田委員 データを持っているはずですから。 ○畝山委員 測定している以上は出せるはずですが、例えば、EUでは2.5以下は 書かなくてもいいのに、日本へ出すときには書かなければいけないのだという文句 が出る可能性はありますがね。 ○相澤座長 イギリスは輸入するときに、そのようにちゃんと表示してもらってい るのですかね。 ○前田委員 基本的には2.5を超すか超さないかで、超した場合は全部数値を出し て、超さないときは「超しませんよ」ということです。 ○相澤座長 それで済んでいるのですか。 ○前田委員 ええ。 ○相澤座長 でも、これだと数値を出さなければいけませんね。 ○前田委員 このときは基本的にどんな数字でも入るようにはなっているのですが、 その場合は2.5を超さない工具は、計算するときに全部2.5で入れてしまうのです。 ○相澤座長 実際にはそうやっているわけですね。 ○前田委員 それをやると、すごい安全側の評価になるのです。 ○畝山委員 2.4とか2.3の場合であれば、2.5を仮に使ってもそんなに差はないの ですが、1のものを2.5として代入してしまうと、かなり安全側に偏りすぎる可能 性はありますがね。 ○宮下委員 いまの議論と関連して、6−1の最初の「職域以外での仕様が主用途 のものの取扱い」でプロ仕様に関係なく表示するというのは、私もそれでいいと思 います。前田委員の小さいものも拾うというのも賛成です。そうすると、非常に範 囲が広くなります。表示の束ねをどうするかという辺りにも関連してくるように思 うのです。 ○前田委員 私が思うには、将来的には全部見なければいけないと思いますが、当 面は、事務局が用意した資料No.6−3は、今まで2時間規制で取り上げていた工具 なのです。 ○宮下委員 通達に載っているものですね。 ○前田委員 そうです。まずはこれがスタートになって、そこから先のいろいろな ものは、これに追加するような感じではないかなという気はするのです。スタート ポイントがここにあるのではないか。 ○宮下委員 そうすると、具体的には全部リストアップするという感じですね。 ○前田委員 将来です。当面は通達に出ている2時間規制の対象工具に対して値を 出す。それに対してデータが出せるような段階にはみんななっていますから、それ でスタートしておいて、ここにないのもいっぱいあります。その中で現実に使われ ている工具はいっぱいありますから、それは今後はここへ入れていく、あるいは現 時点で入れなければいけないのがあれば、書かなければいけないと思いますが、当 面はここにあるもので押さえながら、こういうことをやり始めるのだぞという気は しています。 ○宮下委員 その考え方はいいのですが、例えば小さいレベルになってくると、畝 山委員のようなメーカーサイドで、そういう振動工具として取り組んでおられる業 界の方以外に建設などでは、例えば動力が1個付いていたら、噴射の塗装の工具で あっても、かなりレベルは上がりますね。回転するとか切るとか研磨するではなく て、例えば塗装で動力が付いて、ノズルでバーッとやると、かなりくるものもたぶ んあります。それはその他に類するというのはキリがありませんが、それはあとの 議論でもいいのです。そういう意味でレベルの話で切ると、またたくさんのものを 拾い上げてくるような。あるいは笑い話ですが、シェーバーなどでもプライベート 使用ですが、これはかなりレベルがありますよね。 ○相澤座長 ここだけの議論になってしまうので、先に進めて、あとでまたしまし ょうか。 ○副主任中央労働衛生専門官 6−2のほうにも、いま先生がおっしったような部 分も入れておりますので、そちらでご議論いただきたいと思います。 ○相澤座長 さっきの騒音の件はどうしましょうか。文章として、例えば騒音値は 作業管理の参考に使用するとか、そういう意味で、優先という言葉が誤解を生じや すいのです。1頁の表示事項の(2)の下の「振動、騒音、両方を表示することが 望ましいが、騒音値は作業管理の参考として使用する」というぐらいならいいです か。 ○畝山委員 いいですね。 ○相澤座長 そうしましょうか。そのように訂正していただきます。 ○副主任中央労働衛生専門官 はい。 ○相澤座長 資料No.6−1はよろしいでしょうか。それでは次に6−2に移りたい と思いますので、事務局からお願いいたします。 ○副主任中央労働衛生専門官 それでは、資料No.6−2についてご説明をいたしま す。ここでは6−1で前回まで議論いただいているわけですが、報告書をまとめて いく上で、さらに先生方にご意見を賜りたいとうことで挙げたものです。  まず1-1は「表示対象工具」です。いま議論があったところとも関連しますが、 振動を発する工具すべてを表示対象とすることが望ましいという議論もありました が、何を対象としていくかについては、今までの検討会の中では具体的な結論には 至っていなかったかと思います。  そういう観点も踏まえて、本検討会の目的として、従来の2時間限度という作業 管理を見直して表示された振動値からA(8)を算出して、それに基づく作業時間 管理を行っていくというのが方向であったかと思っています。そのために対象をあ る程度具体化して、まずは先ほど前田委員が言われたように、私どもで現在2時間 限度による作業時間管理を行っている別添の6−3に挙げている工具については、 少なくとも2時間規制の対象から、今後はA(8)に関する作業時間管理という形 に、置き換えていかなければならないのかと思っておりますので、表示対象工具と して、これをまず位置づけるということでよろしいかということ。  当然のことながら、これが振動工具として取り扱われていた時代から、また新た に現在、数多くというか、あるいは振動レベルが高いもので職場で数多く使われて いるものがある等の知見などがありましたら、それに基づいて適当な見直しを行っ て、対象を定めていくという方向性でよろしいかどうかということで挙げたもので す。  なお書きは先ほど議論があったところとダブりますが、まさに振動値が2.5メー トル毎秒毎秒未満の工具については、これ未満だということを、EUの場合は表示 すればいいことになっているわけですが、我が国においてもそのような表示でよい のかということで、この点について整理をしていこうということで挙げています。 ○相澤座長 6−3が、今まで規制の対象になっていた工具ですね。 ○副主任中央労働衛生専門官 はい。6−3に挙げた工具等が、現在までに通達等 で対象としてきたものです。もし間違いがあったらご指摘いただきたいのですが、 事務局で一応調べられる限りは、ISO、JIS等の測定規格について挙げており ます。一部我々は見つからなかった部分もありますので、この辺についても教えて いただければ有難いと思っています。 ○相澤座長 ピストンによる打撃機構を有する工具、内燃機関内蔵可搬式工具、振 動体内蔵工具、回転工具、締付工具、往復動工具とありますが、これ以外に加える べき工具がありましたらご指摘ください。 ○畝山委員 まず1つは基発608、609、610の辺りは昭和50年ですが、この時点か らこちら、いわゆる当時は存在しなかった動力工具がどんどん増えきているわけで す。その中でも特に振動に対しては危ないというものもありますので、そういうも のは追加していただきたい。例えば、ここではジグソーは出ていますが、現在相当 数使われているレシプロソーは昭和50年代当時まだ出現していません。ところが、 いまレシプロソーはジグソーの出力軸を水平にしただけです。当初はアメリカで始 まって、ツーバイフォーの枠組みを立てて、切るのに使っていたのですが、最近の 使われ方は、例えばビルの解体工事でパイプ、シャフトなどを切るのに使うとか、 ある意味では万能ノコみたいな感じで、ヨーロッパではレンガを切るのにも使われ ているようです。そういう新しい工具も当然載せていただきたいと思います。  例えば、一覧表のいちばん初めに、さく岩機の適応規格でJIS7762-3、これは ISO8662-3ですが、ここでロータリハンマとあり、8662ができた時点ではかなり普 及していましたが、電気ロータリハンマ、ハンマドリルというものです。これはこ の表の中ではバイブレーションドリルに統合されていますが、機構的にも、振動の 質、量ともに別物ですので分けていただいて、むしろロータリハンマはさく岩機の 部分に入れてもいいのかという感じがします。  ここ数年、インパクトですが、ここで想定されているインパクトレンチというの は、ボルト、ナットを締めるのが前提の、かなり大きな動力を持ったインパクトな のですが、最近、圧倒的に出ているのが充電式のインパクトドライバーと言われて いるものです。これは用途の90%は木ネジの締付けで、残りはタップを立てるとき などで、ナット、ボルトを締め付けるという用途ではなく、同じインパクト機構を 用いた締付工具ですが、木ネジを締めるのに、今までのようにスクリュードライバ ーでやると、長時間手に抵抗がかかり、しかも締め上げるときに反動が来る。とこ ろが、インパクトの場合だと、トントントンと入っていきますから、非常に楽で早 いということで、今は圧倒的に、国内のメーカーだけでも輸出を含めて月間4〜5 万台は売れているのではないかと思います。そういうものも新しい工具として出て きているということで振動はたいしたものではありませんが、入れておいていただ きたいと思います  あと引っ張り出せば結構あると思いますが、今後も新しい工具というのはどんど ん出てくると思います。それを時期をつかまえて増やしていくことを考えていただ かないと、レシプロのように当初は漏れていた。しかし、それが入っていないとな ると、かなり危ない機械であっても、相当期間対象にされないおそれが出てきます ので。 ○相澤座長 これはいちばん畝山委員がご存じですので、あとで加えていただくと いうことで、ほかの委員からありましたらご指摘いただいて、あとは事務局とやっ ていただくということでよろしいですか。 ○副主任中央労働衛生専門官 現時点において、いまおっしゃっていたレシプロソ ーなどについては、現場においてもかなり使われているという話ですので、そうい うものについては検討したうえで追加もあろうかと思います。現在もそういうこと がわかるものについては必要に応じ手直しをしていきたいと思います。  ここでは、今後またそういう形でいろいろ知見があった場合に、それに対応して いくような考え方が必要かということで挙げていますので、畝山委員が言われたよ うな形は、報告の中にも入ってくるのかなと事務局でも思っています。 ○宮下委員 いまの実情に合わせてリストアップされるというのは、非常に時宜を 得たというか、いいことだと思います。6−3の表は通達で、機構等ということで、 例えばピストンによる打撃機構を有する工具、内燃機、振動体内蔵工具という名称 というか、整理の仕方がありますが、今後は振動のレベルを作業管理に用いていく 際に、例えば、打撃機構を有する工具というのは、作業体系を考えても、レベルと 振動特性等というのは意味があるかと思います。例えばタイタンパーなどは、第1 回目の資料で見ると、締付工具というような名称を使った概念なのです。例えば回 転工具、振動体内蔵などという分類の仕方がそもそも作業管理という目的の概念と 合うのかどうか。だから、何のためにこういう仕切りがしてあるかというのも、作 業管理として意味ある分類の仕方があるのなら、これでするかどうかは別として。 私も前からこの分類の仕方がどういう狙いをしているのかは若干疑問を持ちながら 至っておりますので、そういう議論の余地があればお願いしたいと思います。 ○相澤座長 いかがでしょうか。非常に大きな問題といいますか、分類ですが、ど ういう分類があるのですか。 ○榊原委員 機械的な分類でやっていると思います。 ○畝山委員 これは昭和50年当時の問題のあった機械を並べてみたら、こういう分 類が当てはまるということでされたのではないかと想像するのです。例えば打撃機 構にしても、恒常的な打撃ではないのですが、現状はピストンを使わない打撃機構 というのは存在して、製品化されています。これは釘打ちのネイラーの関係です。  それから、いちばん気になるのは、「チェーンソーを除く」というのは、チェーン ソーも含めた刈払機の辺りが、エンジン、内燃機を搭載したものと規定されている のですが、現実には例えば刈払機でいきますと、エンジン式の振動を避けたいがた めに、電動式の、充電式のものということで、既に数社が発売しており、ある特定 の部分では、これでなければ済まないというところに来ているという話も聞いてい ます。  例えば、40年代のチェーンソーのときも、山田先生辺りが電気チェーンソーが実 用化できないかという検討をされていて、結局山林ではコードを引っ張って使うわ けにいかないがということで諦めたらしいのですが、いま手近に庭で薪を作ったり、 庭でちょっとした大きな木を切ったりするのは電動のチェーンソーが相当使われて います。山田先生が最初に、うちの電動のチェーンソーを持ってこられたときに、 「こんな振動のないチェーンソーもあるのだな」と驚かれたのですが、エンジンと いうことに限定すると、エンジンは振動値を謳うが、電動のものは謳わなくてもい いとなると、比較のしようがないのです。現実には10何メートルの振動値を出すも のが、電動であれば6メートル、7メートルという、ドラスチックに小さくなるも のがいっぱいありますので、工具の選択の1つの目安にするという意味合いでは同 じようなジャンルの工具が、例えばエンジンはこう、電動はこう、ほかのドリルな らこうという区別がつくように、選択肢が増えるような形で表示を行っていったほ うがいいのではないか。  特に低振動の場合、エンジン工具の場合は、どうやってエンジン以外の動力機を 持ち込むかということも選択肢の1つに入りますので、その辺も考慮していただき たいと思います。 ○宮下委員 そういう意味では、産業オリエンテッドな分類のほうがいいかもしれ ませんね。例えば木などを切るとか、何かを削るとか。 ○畝山委員 工具で言いますと、穴を開ける、削る、切る、磨く、あと2つ3つで すが、このような工程ごとの分類で、その中でどういう方法で穴を開けるか、どう いう方法で削るかというところで分けていったほうが、工具分類としては、すべて のジャンルの動力機を含みますから、比較上はやりやすいのではないかという感じ がします。 ○宮下委員 作業管理に使うわけですから、作業に向いた分類でなければ使いにく いですよね。 ○榊原委員 畝山委員に試案ぐらいを作っていただかないとわかりませんね。 ○相澤座長 畝山委員中心に作っていただいて、次回までにまとめるということで よろしいでしょうか。分類については、ほかにご意見、アイディアはございますか。 ○前田委員 ラベリングのときに振動の値だけで人体への影響を議論していますが、 私が思ったのは、工具の分類は要らないのではないかということです。手に入る振 動が発生するものに関しては、全部少なくとも値を出さなければいけない。 ○畝山委員 基本的には振動を発するものは、工具単体が出そうが、仕事をすると きに出そうが、振動を出すものはすべてということになると思いますが。 ○宮下委員 基本はそうだと思います。ただ、実際に現場で使用する場合に、例え ばチェーンソーがトップで、次はさく岩機だとか、次に研削盤がきてというような、 要するにリストアップの1つのルールのようなものを。厳密にこうでなければいけ ないというよりも、あるリストアップの作業、例えば先ほど畝山委員の5つぐらい の分類というときに、リストアップをして比較ができるようなものは、基本的には そうだと思いますが、その比較という意味においては、使う側にとってはそれから 得られる情報もあるのではないかと思うのです。 ○鈴木委員 おっしゃるとおり、その道のプロの方にとってはなくても全然構わな いのでしょうが、読み手に対しての情報という意味では、分類があったほうが助か るという面はありますね。 ○宮下委員 そうです、私もそういう意味だと思います。 ○鈴木委員 いまの課題の本質的な部分ではないかもしれませんが、それを広めて いく上では分類があったほうが助かるという面があるでしょうね。 ○畝山委員 特にここの表が出ているのは、当面はこのような工具を対象にして表 示を義務付けていき、徐々に広げていこうと。 ○副主任中央労働衛生専門官 少なくとも現在こういったものについては、一定の 規制と言いますか、指導を行っているわけですから、こういったものは、少なくと も担保していくのかなと思います。ただ、また新たな問題があるようなものがあれ ば、もちろん追加されるでしょうし、もう世の中に存在しないようなものがあれば、 削ってもいいのかもしれません。そういった見直しはあろうかと思います。そうい った意味で挙げさせていただいたものです。 ○鈴木委員 前田委員のご指摘は、要は、例えばラベリングをしてしまうことによ り、これに載っていないからこれは対象外だといった変な使われ方をしてしまうな ら、そのラベリングが害を持つことになりますねと。ですから、その辺のところさ え防げれば、あったほうがいいような感じはします。 ○榊原委員 ですから工具の名前も畝山委員のほうで、EUとの関係で実際含まれ ているようなものは、できるだけ全部拾い上げていただいて。 ○畝山委員 これも内輪の話なのですが、実はEUで昨年、一昨年でしたか、問題 になったのが、ハンマーに関してはこういうことをという指示か何かが出たのです。 我々は、ハンマーである以上は電動のロータリハンマも入るのだろうということで 試験をやっていたら、某メーカーは、ハンマーと謳っているのだからロータリハン マは入らない、これは別ラウンドの製品であるからハンマーだけでいい、そういっ た形でメーカー同士でかなり食い違って揉めたことがあります。ですから、こうい う名称だけで切り分けていくのはちょっと辛い面があるだろうと思います。  それと、この間も言いましたが、ある意味でメーカーの独自の名前を付けたもの が一般名称として独り歩きしているということがあります。マジックインキやセロ テープなどの類です。ところが、現実には、そういった名前は例えば登録商標など で使えないので別の名前を付ける。もしくは、ぶちあけて言いますと、我々がレシ プロソーと言っているものがある国ではセーバーソーと言うのが一般的です。とこ ろが、これはもう使えないので、我々はレシプロと呼び、アメリカではニックネー ムを付け、そのニックネームで呼んだりしているのです。メーカーから想像できる 名前と、名称から想像できる製品とがくっ付かない場合がいっぱいあるのです。い ちばん徹底したのがヘッジトリマーです。ヘッジトリマーはどこかのメーカーが登 録商標を持っていますから、私どもも作っていますが、日本では「垣根バリカン」 という訳のわからないネーミング、そういう難があります。その名称で分けること に関しても、ここにはいっぱいあるのですが、これはあそこのメーカーの名前だね、 これはあそこのメーカーの名前だねというのがあるのです。残念ながら日本にはこ ういう工具を基本的にこういう名称にするという規格がないもので。 ○相澤座長 この名称と分類については畝山委員と事務局に相談していただく、な お書きの2.5メートル毎秒毎秒未満の工具については、先ほども前田委員からご意 見が出ましたが、2.5未満は表示する、その細かい数字については、次回ご検討いた だくということにしましょうか。 ○副主任中央労働衛生専門官 そうですね、先ほど前田委員からお話がありました ものですから。ただ、EUなどの規制と言いますか、その対応の内容もありますの で、そこも踏まえて、また、ご意見をいただき次回までに。 ○相澤座長 事務局にご意見をいただくということでよろしいですか。 ○畝山委員 それと、この表の2.5以下をどうするかという件に関して、例えば海 外のメーカーで日本で販売しているところに、可能なのだろうかということを聞い てみるのも手かなとは思うのです、大手は大体日本で販売会社を持っていますから。 ○副主任中央労働衛生専門官 今回の表示の対象の6−1にも書いてあるとおり、 表示を行うということになると、大手ばかりではなく、中小あるいは輸入業者など もそういった対象になってきますので、そこまで一応担保できるかどうかというこ ともあろうかと思います。一方では2.5未満ということで、そういったものは2.5 で統一して計算した場合、作業時間として安全側という話ですが、影響が出るのか ということもありますので、どういたしましょうか。 ○相澤座長 原則として、2.5メートル未満という表示を付けることでしていただき、 その細かい値については、前田委員と事務局でご相談いただき、次回までにある程 度の方向を出していただくということにいたしましょうか。 ○副主任中央労働衛生専門官 わかりました。 ○相澤座長 それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。次にまだいくつ か検討する内容がございます。6−2の下です。  2-1で「表示すべき振動値を測定するに当たり準拠すべき規格等は、工具ごとに、 JISB7761-2、JISB7762、ISO22867、EN50144、EN60745とする。ただ し、単軸測定を規定している規格であっても、原則として3軸同時測定を行うもの とする。こうして得られた周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値を表示するも のとする」。これでよろしいかどうかということです。これも前回ご議論いただいた、 1軸では駄目だということで3軸同時測定ということです。  続けて2-2をやらせていただきます。「チェーンソーの規格に基づきすでに測定 されているチェーンソー等については、改めて、ISO22867に基づく測定を必要と せず、一定の換算方法を示し、これにより計算で3軸合成値相当値を求めることを 可」とし、「また、チェーンソー以外においても、すでに単軸測定したデータがある 工具については、同様に一定の換算を行うこととする」。これでよろしいかというこ とです。  2-3です。「表示される騒音値については、低騒音工具を選択するにあたり有用 な情報ではあるが、騒音は振動と異なり作業環境に左右され、また、作業現場にお いて工具が単独で使用されることが少ないことから、騒音にその騒音値をそのまま 作業管理のために用いることは適当でなく、騒音値の測定・表示は推奨するものの、 必ずしも必須としないこととしてもよいか」。  ここはこれでいいのですか。1からやりましょうか。2-1についてはいかがでし ょうか。 ○副主任中央労働衛生専門官 2-1については、いままでにもご議論いただいてい るものをまとめたもので、こういった意味合いでよろしいかどうかということです。 ○相澤座長 2-2は。 ○副主任中央労働衛生専門官 2-2についてです。チェーンソーに関してはいま告 示で構造規格を定めており、その中で独自の測定方法を示しております。これに従 って数値は測定されていますが、いままでのご議論の中で、チェーンソーに関して も国際規格であるISOの手法に準拠した方法で測定すべきではないかという話を いただいております。そういう中で、いままで告示で示し、測定しておりますデー タがありますので、そういったものについては、いわゆる換算方法という形で可能 かどうか、改めて測定し直さなくても換算することで数値を求められるのかどうか、 それ以外のものについても、既に単軸のみで測定したデータがあるようなものの場 合、換算することが可能かどうかということです。  2-3については先ほどもご議論いただきましたが、それを少し整理したようなこ とです。 ○相澤座長 2-1はよろしいですね。 ○畝山委員 条件としては、EN規格が容易に入手できることということがあると 思うのです。規格協会でも買えますが、結構時間がかかるものもあります。はっき り言いまして、目玉が飛び出るぐらい高いです。それからものによっては、我々の 場合でも、イギリスの現法へ直接頼んで送らせるようなものもあります。この辺の 必要規格が全部揃うということをどこかで担保しておかないと、言われたけれども 規格が手に入らないようではどうしようもないのです。  もう1つは、原規格が英語もしくはフランス語であることにどう対応するかとい うことです。英語であれば、まず問題ないとは思うのですが。 ○副主任中央労働衛生専門官 その辺は確かに問題で、先ほどの表示を行う対象を 広げるというお話の中で、現在EN規格に基づく測定方法のみの場合、JISがあ るようならいいと思いますが、ENにまで広げないと標準的な測定ができないもの についてどうするかということにもなろうかと思います。 ○榊原委員 メーカーのほうは、かなり努力してEN規格をそれぞれ入手しようと。 ○畝山委員 もう1つは、規格ですので単純に和訳できないということです。使わ れている用語一つひとつに結構気をつけてやらないと、はっきり言って、ISO規 格をJISにするときもそうですが、丸1年かけ、10人もの人間が集まり、本当に 重箱の隅っこを突つくような議論をやり、原文でこういうことを意味しているのを 本当に日本語でこれでいいのか、そのような突合せをやった上でないと、規格の適 用は難しいものなのです。英語の規格が入ったときに、それなりの知識・経験、頭 が揃っていればいいですが、例えば中小企業で、辞書片手に訳してみたけれども、 ある場合日本語になっていないというケースが出てくる可能性もありますので、そ れに対してどういうフォローができるかと。そのところさえ抜けば、要するに既に 存在する、しかも広く使われている規格に準拠して測定するということは問題ない と思います。 ○榊原委員 ですから、原則としてこのようにやるということですね。 ○畝山委員 そうですね、日本という特殊性がありますから。 ○榊原委員 それは実施上の問題ですね。 ○畝山委員 はい。 ○相澤座長 どうしましょうか。一応これ、原則ということで。 ○畝山委員 原則はこれでいいと。 ○相澤座長 それでは2-2はいかがでしょうか。 ○畝山委員 2-2の括弧内は「開始する前に既に製造中止されているもの」とした ほうがいいのではないでしょうか。継続して製造されているものであればその時点 で測定する必要があるわけですから。製造が中止され、なおかつ、使用に支障はな いけれどもデータはあるというものに関しては、何らかの換算措置をとるべきであ って。 ○相澤座長 そうですね、おっしゃるとおりですね。 ○榊原委員 製造を続けているものは、やはり新たに測定して。 ○畝山委員 当然。 ○榊原委員 そうですね。あと、チェーンソーは、いまの測定法では換算が難しい のではないですか。 ○畝山委員 やってやれないことはないです。 ○榊原委員 できますか。 ○畝山委員 やれます。ただ、安全側へ倒れるだろうなと、危ない側ではないから かえっていいかなとは思っていますが。実は私どもも、先日一遍、1/3オクターブフ ラットでとったのと手腕振動フィルタをかけたもののデータをとって比較しようよ という話はしているのですが、まだ時間的な都合がつかないもので、近々やって、 そのデータが出たらまた紹介いたします。これは単純にWhフィルタ係数を被せて圧 縮するだけですから、これは可能です。 ○相澤座長 ありがとうございます。それでは2-3です。これは先ほどもご議論が ありましたが、「騒音値の測定表示は推奨するものの、必ずしも必須としないことと してもよいか」。 ○畝山委員 測定を推奨されるとしても、振動と一緒で、何に基づいて測定するか ということが出てくるのです。いま調べてみたのは、騒音に関して例えば具体的な 工具をこういう条件下で測定するようにと謳ってあるものには、ISO15744(2002 年)があります。これはISO8662に対応するものです。8662の工具群をキュッと 全部まとめて分類して、持ってきた例も8662そのままです。あと、ISO22868、 22867が、これはエンジン・チェーンソーとエンジン刈払いの振動ですが、これの騒 音のほうが22868(2005)として出ています。あと、EN規格で3本ほどあります、 ENはまだ詳しく調べていないのですが。あと、公示第85号でチェーンソーに関し てはマイク1本で耳元で取れというのがありますが、これだけです。いわゆる騒音 測定方法としては、ズラッと並べるとこのぐらい、山ほどあります。  ただ、これは本当に原理的、学術的な測定方法であって、具体的にこの工具をど ういう負荷状態で、どのようにやって、どの位置で、どう測るのかを規定している のはこれだけなのです。ですから、騒音と一緒でこういった規格に準拠するという ことでやるのか、それともISO11200、これが基本規格になるのですが。これは、 マイクをどう置いて、どのような方式でいうことで、工具はどういう状況かと謳っ ていないのです。だから騒音測定も、もう少し時間をかけて、どういう規格をどう 適用するか。  はっきり言って、いま言った工具別工具の測定規格にしても、実はマイクの数が 違うのです。5本だったり6本だったり、標準的に1メートルの距離を置いて耳元 へ1本持ってこいというのがあったりします。 ○榊原委員 いまEUでは、騒音まではやっていないですよね。 ○畝山委員 いや、やっています。基本的にはエアーの工具の場合は15744を適用 し、ENの場合も、この15744の原型になったものをそのまま持ってきていると思 うのです。測定方法は、振動測定のときに同じ条件でマイク5本で測定する、とい うのが共通しています。EUに関してはこれでやっていますが、それをそのまま持 ってきていいのかどうかということがあります。ただ、持ってくるにしても、こう なると、本当にJISは1本もありませんから、すべてENで対応してもらわなけ ればならないという話になりますが。 ○前田委員 マイク5本で測る部屋が問題ですね。 ○畝山委員 いちばん問題になるのは、いわゆる反射面上の自由音場です。これを 実現するというと、半無響室しかないのですが、これをお持ちのメーカーがどれだ けあるか。私どもで作っているのが、この間壊しましたが、少し狭いのですが、2,700 万円ぐらいです。今度は大きいのを作ろうと予算を出していますが、部屋だけで 4,000万円ぐらいかかります。これも、半無響室の規格がISOにありますので、そ れに準拠するような形で作ろうとすると、やはり数千万はかかってしまいます。振 動は、その辺の影響がないからどこで測ってもいいのですが、音響の場合は、周囲 の音響条件がものすごく効いてきますから。 ○宮下委員 そうすると、コストに跳ね返ってきますね。なかなか難しい。 ○畝山委員 それは難しいですよ、音のほうは。ですから、その半無響室と設備が あれば。いつかご紹介しましたが、我々の場合も振動測定を一緒にやっていますが、 手間はかかりません、チャンネル数が増えればいいのですから。振動が6本、マイ クが5本ですから、12チャンを使えば、間に合いますからそれでいいのですが。た だ、半無響室がない場合はどうするか、というのがいちばん絡んできますね。 ○相澤座長 では、この文章の「推奨する」は、「必ずしも必須としない」というぐ らいが妥当なのですかね。そうすると最初のところの表示、優先ということが初め からありますね。 ○榊原委員 騒音に関してもEU指令が作られてきているから、何か作られてくる 可能性はありますよね。 ○畝山委員 いいえ、もう走っています。 ○榊原委員 走っているわけですよね。そうすると。 ○畝山委員 ただ、EUの騒音指令は2種類ありまして、1種類は屋外使用機器の 騒音ですが、これは、屋外で使用されて一定以上の騒音を出す場合は売ってはいけ ないというものです。工具の場合では、対象になるのがほとんどチェーンソーやハ ンマーなどです。しかし、これも、はっきりとこれ以上のものは売れないというこ とになっていますから。 ○榊原委員 騒音のレベルでですか。 ○畝山委員 はい。これはむしろ環境騒音のほうです。作業者に対する影響として は、2003年の騒音指令があります。これは、事業者側がこれ以上の騒音にばく露さ せては駄目だと振動作業に至るランク付けをしています。これは、原則的に作業現 場で測るよりほかは評価のしようがないです。 ○榊原委員 そういうことですね。 ○宮下委員 工具から発する騒音は難しいですね、難しいというか。 ○畝山委員 そうです。ですから、先ほど言ったように、騒音に関してはこっちの ほうが静かな工具だねという導入時の比較対照には使えますが、例えば、それが何 デシベルあるよ、では、それを実際に作業現場で使ってその数値が何なの、という ところには全然関係がないのです、反射条件もあり、基本条件もあり、ほかの工具 の関係もありということで。 ○宮下委員 そうですね、ですから、騒音のガイドラインに載せるときの話であっ て、発するほうの話ではないですね。 ○相澤座長 では、文章としてはこのままでよろしいですね。ありがとうございま す。次に、3頁の作業時間管理等です。 ○副主任中央労働衛生専門官 3頁、3-1から、作業時間管理等です。3-1、「表 示対象工具であって、表示される振動値が2.5メートル毎秒毎秒以上のものを取り 扱う業務を、作業時間管理をはじめとする作業管理の対象とする」。これについては、 いままでもご議論いただいていると思います。ただ、2.5メートル毎秒毎秒は、当然 A(8)の値ですので、これ未満のものについても、1日の作業時間を8時間以下 とするというのがまず前提になるかと思います。これはすべての対象とする機器に 係るものかと思います。  なお書きのところは以前ご議論いただき、2.5という数字はA(8)で、長くても 8時間以下とするようにという値ではありますが、推奨するのは4時間以下とする ことが望ましいではないかというご意見もいただいております。また、産衛学会の 暫定の基準ですが、その中でもこういったことを推奨していますので、そういった 文言を入れてよいかどうかということで伺っているものです。  3-2、「2.5メートル毎秒毎秒の工具を取り扱う場合は、原則として、3軸合成値 からA(8)を算出するものとすることとしてよいか」。これは先ほどの測定の話に も関わってきますが、確認です。  3-3は、要するに、A(8)が2.5メートル毎秒毎秒以上となる場合は作業環境 をはじめとする作業管理を実施するということです。A(8)は今度は5メートル 毎秒毎秒、これが上限値ということで、これを上回った場合は、当然作業させては ならないこととなろうかと思います。これも確認です。  なお書きは、あくまでもA(8)で評価するということです。チェーンソーの構 造規格の中には、現在、チェーンソーの振動値の上限として3Gの値が謳われてい ますが、それを除いては、特に工具ごとの絶対値は設けずに、あくまでもA(8) の5という数字を基準として限度を設ける、ということでよろしいかどうかという 確認です。  3-4です。これは、作業管理の問題として「A(8)が2.5メートル毎秒毎秒以 上5メートル毎秒毎秒以下」という、いわゆる作業管理が必要な状況の場合につい ては、基本的に現在2時間規制ということで基発608号あるいは610号の指針に基 づいた対策・指導を行っているわけです。このちょうど対策値である2.5以上、限 界値である5以下の場合は、この指針に基づく対策を講じると解してよいかどうか ということです。当然、この2.5の持つ意味は、リスク管理と言いましょうか、こ ういったことにも当たるのかということですので、当然2.5メートル毎秒毎秒を超 えるものにあっては、むしろ作業時間を抑制する、あるいは低振動工具を導入する ことによりできる限り2.5メートル毎秒毎秒以下に抑えるように、5までは使える ということではなく、むしろ2.5メートル毎秒毎秒以下に抑えるように努力するも のである。こういった考え方でよろしいかどうかということで、確認事項として挙 げさせていただいたわけです。  3-5です。本検討会におけるA(8)の値については、EUの規制、あるいはそ れ以外にアメリカ等の規制も、いままでご議論いただいた中で5メートル毎秒毎秒 を限界値、2.5メートル毎秒毎秒を対策値とすることが適当とされていると考えてお ります。当然こういったことについては、今回も紹介されていますが、産衛学会等 においても、現在は暫定値ですが、許容基準等も検討されている中ですので、こう いった知見に注意をしながら、見直し等が必要であれば今後とも注意をしておく必 要があろうかということで、加えさせていただいたものです。  以上、作業管理等に関わる確認事項ということで、こちらで挙げさせていただい たものですが、よろしくお願い申し上げます。 ○相澤座長 ありがとうございました。それでは逐次、3-1からお願いしたいと思 います。「2.5メートル毎秒毎秒未満のものであっても、1日の作業時間を8時間以 下とする必要がある、なお、4時間以下とすることが望ましい」というところです。 これを入れるかどうかということですが。 ○畝山委員 その前に言うと。2.5メートル以上のものを取り扱う業務をとなると、 先ほどのお話ではないですが、2.5メートルより小さいものは工具でないとして、完 全にオミットできるのかという話が出てきますので、むしろ感覚としては、2.5メー トル以上の工具を含む工具もしくは工具群を使う作業と。ですから、使う工具の中 に2.5メートルを超すものがあったら、すべて引っくるめて管理対象だということ を明確にしておいたほうがいいのではないかと思います。 ○榊原委員 2.5の数字の意味がA(8)ではなくて工具の、ということですね。 ○相澤座長 その辺が重要なことですね。それはどうしましょうか、振動作業の定 義というか。いまはどうなっているのですか、振動作業、あれは振動工具かどうか という。これは、ものが決められているからいいわけですね。 ○副主任中央労働衛生専門官 いまの指針においては、対象機械を確定しておりま すので、特に振動値という概念はいまのところありません。対象とする機械につい ては、例えば使用時間基準なら「2時間以下とする」という形で書かせていただい ております。 ○相澤座長 いかがですか。畝山委員のご提案ですと、短時間でも2.5メートル以 上のものを使う場合は振動作業の対象とするということですが、それでよろしいで すか。 ○榊原委員 そうですね。6−1の整理事項の2頁目の作業管理の対象となる業務 のところに、いま畝山委員がおっしゃった内容が書かれていますので、これでいい のではないかと思います。 ○相澤座長 そうですね、はい。 ○副主任中央労働衛生専門官 A(8)という意味ではなく、機械自体が2.5メー トル毎秒毎秒以上のものを取り扱う業務ということです。 ○相澤座長 そうですね。 ○畝山委員 ですから、取り扱うすべての工具が2.5メートルに満たないのであれ ば、これは問題にしなくていいよと、ただ、1日に何機種かを使って、その中に1 つでも2.5メートルを超すものがあればそれ以外の工具を全部引っくるめて、5種 類で使おうが10種類使おうが、全部引っくるめて管理対象にしないと。 ○宮下委員 それを超さないものをたくさん使うというか、そんな話になってしま う。 ○相澤座長 ただ、ここはこれで。 ○宮下委員 どうなってしまいますか。あり得ますか。 ○畝山委員 取っ換え引っ換えで8時間ギリギリ使ってもA(8)=2.5にならない。 ○宮下委員 だから時間管理、これは「4時間以下とする」という歯止めがかかっ ているからいいですね。 ○榊原委員 その辺りが望ましいということで。 ○宮下委員 そうですね。 ○副主任中央労働衛生専門官 我々もその対象工具を頭に置いておりますので、こ れが外れてしまうと、これはなかなか言いにくいのかもしれません。 ○相澤座長 前田委員から出たシミュレーションは、これはいいわけですね。そう すると、一応その定義はこれでいいということです。4時間以下は入れておいたほ うがいいですか。 ○榊原委員 そうですね、そのほうがいいですね。 ○相澤座長 では、このままでよろしいですね。 ○榊原委員 はい。 ○相澤座長 3-2はいかがでしょうか。2.5メートル以上の工具を扱う場合は。 ○畝山委員 これも最初の話と関連してきますが、2.5メートル以上の工具の場合だ けA(8)に加えるのではなく、2.5メートル未満のものであってもA(8)計算で 加えなければならないと。 ○相澤座長 はい、合計するということですね。合計する場合、時間があったらま たあとで見直していただきます。その3-2はよろしいですか。 ○畝山委員 はい。 ○相澤座長 3-3は、5メートル以上を上回ってする場合は作業ができないという ことですね。この3-3もよろしいでしょうか。 ○榊原委員 これも先ほどの畝山委員の発言と関連するのですが、時間管理をはじ めとする作業管理を実施するということですが、2.5メートルを超える工具を使う場 合には一応、このように使うからA(8)は2.5メートル未満になるといった、そ のようなものが必要ですよね。 ○相澤座長 そうですね。 ○榊原委員 2.5メートルを超える工具を使う場合には、A(8)が2.5にならなく ても一応こういう管理はしているという何か、あれは必要ではないですか。 ○相澤座長 そうですね、A(8)ではなくてですね。 ○榊原委員 A(8)が2.5を超える場合にはしっかりした作業時間管理が必要か もしれないですが。 ○畝山委員 時間と振動値の管理をやらないとA(8)が2.5にいくかいかないか わからないし。 ○榊原委員 実際はね。 ○副主任中央労働衛生専門官 2.5のほうは3-1のところに書かせていただきまし たので。 ○相澤座長 その辺、ちょっと兼ね合わせて。 ○副主任中央労働衛生専門官 作業時間はそちらと絡むのかと思います。上限の5 はこれで。 ○相澤座長 上限の5メートルですね。これは「作業させてはならない」と、これ でいいですね。よろしいですか。では、3-4はいかがでしょうか。これは、作業管 理について基発と同じような対策でよろしいかどうか、2.5メートルに近づけるよう に努めると。よろしいでしょうか。基発はここにありますね。前田委員、よろしい ですか。 ○前田委員 はい。 ○相澤座長 それでは3-5です。いま産衛もやっているわけですね、ちょうどそれ を。大体同じような形になるのですかね。「内外の情報等に注意しておく」。これは 当然ですね。これもよろしいですか。 ○畝山委員 私がちょっと気になっているのは、前からしつこく言っていますが。 昭和50年に作られたものがそのまま、何ら改訂がかからずに今も生きているわけで すよね。ところが、規格などの場合は、例えば5年間で見直しをやるといったこと がもう前提として決まっていますから、その時点時点での最新情報に否が応でも切 り替わっていくという中で、そういうシステムはこういう基発とか通達とか法律で はとれないのですか。 ○副主任中央労働衛生専門官 当然その状況に応じた見直しは、必要になってくる こともあろうかと思います。ですから、対象が入れ替わっていく可能性があるとい ったことであれば、報告の中でもそういう提言をいただいてもいいかなとは思って おります。 ○宮下委員 畝山委員が言われているのは、国際的に時々刻々と動いているわりに は基発には、その反応すら全くされていない、受け皿もないということですよね。 ○畝山委員 そういうことです。 ○相澤座長 本当は学会が頑張ってもう少し検討すればいいのですかね。産衛も遅 れているのですか。 ○宮下委員 そうなのです。 ○前田委員 608号の中の、いまいただいた資料の予防対策指針の中の4頁に1日2 時間以内とすると挙げているのですが、その部分は。 ○副主任中央労働衛生専門官 当然それは見直した上で。 ○前田委員 そうしたらこの。 ○副主任中央労働衛生専門官 ここの書き方が、そこは言葉が抜けていますが、当 然時間換算なのか、そういったことは今回見直すということが前提でありますので。 作業時間を除く作業管理ということで一応その2時間というのが。 ○前田委員 そのところは、ある意味で振動障害を防ぐ意味でこの基発はすごく早 い時期に日本としてやられていて、これはすごくよかったと思うのです。その考え 方と実際の工具、2時間規制のだけで、その中にレベルの項が抜けていたと。今回 はその抜けていた部分を工具のレベルに応じて実際にやるというのが新しく入ると ころで、このとおりだと思うのです。しかし、もともとの部分が今回やっている内 容に連携して、リンクして変わるものかどうか、その辺がちょっと聞きたいのです。 ○主任中央労働衛生専門官 この元々の部分は、作業時間の管理がいま議論されて いるこの作業管理の形に置き換わるという、その作業時間に関する部分は、時間と 振動の大きさの両方になるのですが、それ以外の事項については従来のものを引き 継いでよろしいでしょうかという。例えば、服装などのいろいろな管理があります よね。 ○副主任中央労働衛生専門官 いままでの会議の中身を見せていただいていると、 例えば休憩時間などの問題は従来からの考えを引き継いではどうかというご議論は いただいていたと思います。それ以外の部分は、あまり具体的に前回までの会議で はなかったかと思います。そういったことも含めて対策としてはよろしいかどうか ということですが。 ○相澤座長 いいですか。作業管理について、それ以外にまた何かお気づきの点が ありましたら加えるということもして。それでは、このたたき台については一応ご 了承いただいたということで、作業を事務局に進めていただくということでよろし いでしょうか。それでは、報告書の目次についてご説明をお願いします。 ○副主任中央労働衛生専門官 次に資料6−4です。第4回のときにこの報告書の 目次を出させていただいておりますが、いちばん最初の資料説明のときに少しご説 明しましたが、そのときからいままでの検討会の中身を見まして、特にヒアリング を受けた事項など、まとめる上で5番と6番、これはご議論いただいた今後の方向 性の部分ではなく、あくまでも基本的な情報としてそれの整理の部分ですが、5番、 6番の項目を追加してはどうかということで提案させていただいているものです。 先生方のほうで、それ以外に何か追加すべき項目などが新たにあれば、またおっし ゃっていただければと思います。 ○相澤座長 目次について5と6を追加したいということです。よろしいでしょう か。それでは6−5、報告書のたたき台をお願いします。 ○副主任中央労働衛生専門官 これが相前後してしまっているのですが、ご承認い ただく前から作っていたのは本当はいけないのかもしれませんが。6−5で一応1 から6まで、仮に5、6もご承認いただいたという前提で、これはいままでずっと 検討していただいた情報を、とりあえず事務局側でまとめさせていただいたもので す。これについては、漏れがないようにはしているつもりですが、各先生方に見て いただき、また最終的に報告書にする前にご意見などをいただければありがたいか と思っております。これは、6の情報の整理の部分までです。これについては、い まお時間の関係もありますので、よろしければ、次回までに目を通していただけれ ばと思います。 ○相澤座長 では、またお読みいただきまして、ご意見がありましたらお願いいた します。時間がまだ10分ぐらいありますので、何か事務局からほかにありますか。 ○副主任中央労働衛生専門官 このあと6までは、これはいままでのところを整理 させていただいたわけですが、この会議のポイントは、先ほどの報告書の目次で申 し上げますと7番以降です。7番以降に関しては、前回ご意見をいただいた6−1 に挙げましたようなことと、今回6−2で整理させていただいたようなことを踏ま えて、まだ一部、一部と言いましょうか、先生方にご意見をいただかなければなら ない点もありますが、まとめて報告書という形にしていきたいと思っております。 ○相澤座長 先ほどの6−1の表示箇所はどうしましょうか。途中で、6-2の部分 で挙がってきたかなという感じはするのですが、つまり、優先の文章と表示箇所が ありますが、このままでよろしいですか。それとも、ちょっとニュアンスを変えま すか。 ○榊原委員 そうですね、そこをどうするか。 ○副主任中央労働衛生専門官 騒音のところですね。 ○相澤座長 騒音値を表示すると書いてあるのですね。 ○副主任中央労働衛生専門官 先ほど6−2の議論の中では一応必須としないとい うことで。 ○主任中央労働衛生専門官 これは、表示する場合はこの場所にという表示箇所を。 ○相澤座長 表示する場合は、という意味ですか。 ○主任中央労働衛生専門官 ええ。 ○相澤座長 これは、取扱書ではなくて本体にという意味ですか。 ○副主任中央労働衛生専門官 そうすると、箇所のほうはその場所、表示方法の話 だと思います。上の表示事項に関して。 ○相澤座長 この「優先する」というのは意味があるのかもしれないですね。 ○榊原委員 そうですね。 ○相澤座長 これは元に戻してもいいのですか、先生。 ○榊原委員 そうですね。 ○相澤座長 では、事務局案でそのままで、「騒音値は直接的に作業管理の指標にし にくいものであるので、振動の表示を優先する」というのをこのままにすると。深 い意味があったというのがよくわかりましたので。 ○副主任中央労働衛生専門官 これは5回のときにまとめていただいたものです。 それを受けてまた今日の6−2の先ほどの表示のところに、表示と言いましょうか、 騒音のところでもご議論いただき、必須としないということで一応まとめていただ いておりますので、報告書を作る際にはそこをうまく書いてみたいとは思いますが。 ○相澤座長 表示箇所はこのままでいいですね。 ○前田委員 はい。 ○相澤座長 わかりました。それから、前田委員の先ほどの件はあれでよろしいで すか、先生。一応原則として2.5メートル未満であるということは表示して、値に ついてはどうしますか、結論を出したほうがいいですか。それとも次回。 ○畝山委員 値については、例えば取扱説明書には2.5メートル以下であっても値 を表示するようにと、ただ、機械本体にはそこまで細かく入れる必要はないという ような感じでもいいのではないかと思うのです。少なくとも取扱説明書にはメーカ ーが提供できる情報はすべて突っ込むものだというのが原則ですから、データがあ って、それが公表できるものであれば、私としては入れておくべきではないかと思 います。 ○相澤座長 そうですね、計算はできるわけですから、もしやるとすれば。では、 そういう結論でよろしいですか。 ○副主任中央労働衛生専門官 はい。ちょっとまた。 ○相澤座長 では、それはまた事務局と相談されて、中小企業、メーカーサイドで 実現可能かどうかという部分もあると思いますので。 ○副主任中央労働衛生専門官 EUのいまの規制としては、2.5未満は2.5と置き換 えて計算するような形なのでしょうか。 ○畝山委員 別に何かこうしろというのがあるというのではないのですが、一般的 にはとにかくA(8)の評価をやるというのは、もうこれはガチガチに首を絞めら れていますから、それをどうするのかと聞いた場合に、2.5以下は2.5として計算せ ざるを得ないね、実はそうやっているよ、というユーザーが多いようです。しかし、 そうなると先ほどの前田委員の例のように、過大評価が出てくる可能性も当然あり ます。 ○前田委員 実際の作業者のことを考えたら別にそれでいいようですが、安全側な りますから、2.5以下のものは全部2.5で実際使う時間を規定してどうすればいいか。 ただ、管理するときはそれでいいと思うのですが、そのラベリングで例えば同じ工 具でどちらがどうかということをもう少し詳細に知りたいというときに、片や2.4 で片一方が2.8などでも2.5以下で整理されますから、その差はそこそこ出ますの で、そういう意味では値があったほうがいいかなという気はしております。 ○畝山委員 もう1つ、メーカーサイドから言いますと。実は最近の趨勢として、 取扱説明書もいっぱいあると思うのですが、例えばうちの場合ですと、12カ国語表 示とか6カ国語表示とか、要するに1冊で全部間に合わせてしまえというのがあり ます。その中で例えばEU、HSEを含む場合はそういうことを入れているのです が、例えば海外のメーカーがEU向けはこれを入れる、日本向けはこれを入れると いうことで、取説の管理ですね。これはたかが取説なのですがとんでもない手間が かかるのです、メンテも。  はっきり言って、うちの取説をやっている連中にこうなるよと言ったら、それを 聞いただけで顔色を変えていました。しかし、それをやらなければならないから何 とかやれるようにしようという話をしているのです。そういったことに海外も含め て全メーカーに対応してもらわなければ困るわけですが、そこまで、例えば1.4メ ートルから2.5メートルの間はちゃんと数値を謳えということに対して物理的にや れるはずなのですが、それが対応できるかどうかは、メーカーの都合でいろいろあ るとは思うのです。  しかし、もう先例が走っていますからね。10数年前から、ヨーロッパに関しては 2.5を1つの基準にして上下をどうするというのが走っているのです。それを日本は こうしたから、それでは、日本向けの取説の部分だけを入れ換えてくれと言うこと ができるのか。 ○榊原委員 できるのでしょう。 ○畝山委員 やってもらえるか。「はいよ」と言ってやってくれるかどうかという。 ○前田委員 ちょっと話がそれるのですが、例えばケイファクターをどのように考 えるのかという話が出てくるのです、将来的にですが。ですから、日本としては、 その数値としてもらっておくほうがどれがどうかと見ていく上ではいいように思う のです。ただ単にそれで切られていっても2.5以下でも、それを掛けたら超してく るものが確実に出ますから。それを考えると、ある意味では少し先取りしているの ですが、日本としては数値を出しておいてもらうほうが。 ○榊原委員 そうしたら、カタログや取説ではいままでのように2.5未満だという のでやっておいてもらって、実際のデータだけはどこかで、ホームページか何かに 載せるために集めるとか。 ○前田委員 将来的には例えばメーカーと一緒にホームページに載せてもらうとか、 そうしたら個々のデータが出るので助かる。 ○畝山委員 いまの前田委員のお話でいいますと、新しい機械指令ですと、振動値 に関しても不確かさ、uncertainty、Kというものを一緒に謳えと。振動に関しても 騒音に関してもそうです。これは、騒音に関してはISO4871、振動に関してはE N12096というデクラレーションの規格で、これは一緒に謳えと、その数値がどうい う数値になるかというのまで規定しています。ただ、こういうことを日本へ持って くるとますます、初めての概念を持ってきたところに、また何が不確かさの経緯が 何だかとぐちゃぐちゃになってしまうだろうから、まずはとにかく。 ○前田委員 そのある試験のデータ。 ○畝山委員 測定値を乗っけて、ということをやったほうがいいのではないかと思 っているのですが、将来的にそういう話が出てくると。概念的には1つの数字が出 てもそれは絶対確実なものではない、上下、何らかの幅があるよと。この幅を、例 えば2.5という数字が出たと、これには例えば0.8という幅があるはずだと、これ を乗っけると3.いくつになってしまうのです。ですから、その場合はどうするのか という、また、おそらく、2009年から機械指令が動きだしますから、そのときにま た頭をひねることになるのですが。その辺も含めた上で、2.5ギリギリのところの数 字が非常にシビアで微妙で扱いづらいなというのは、メーカーとしてもいま考えて います。  ですから、可能であればというか、できる限り、実際の数字を謳っておけば、こ こに不確かさの概念が加わったとしても、これは2.4だけれども本当は2.6だねと いった概念も出てくるでしょうし、これ、思い切り小さいからこれを例えばこの工 具の次にこれを3時間使っても全然影響ないねとか、これはちょっと超すかもしれ ないよという判断基準に使えるのは確かなのですが、やはりメーカーという銭儲け がメインの立場に立つと、実際にどこまでやれるかなと、やらなければいけないの はわかっているし、しかし、実際の事務方のやっていることを見ていると、しんど いなという感じはします。 ○相澤座長 なかなか難しいところがあるものです。では、事務局と委員の間で少 しまとめていただき、次回までに提案をしていただければありがたいと思います。 次回からの予定をお願いいたします。 ○副主任中央労働衛生専門官 これで6回までまいりました。今日も、報告書の目 次なども示させていただいたのですが、そろそろ最終報告書をまとめる時期になっ てきたのかなと思っております。次回、第7回には今日のご議論、あるいはこのあ とまた、今日ペンディングになっているような部分については、先生方ともお話を させていただいた上でとりあえず最終報告書のたたき台、たたき台というよりは原 案を作りたいと思っております。第7回の次回の会議においては、これをご覧いた だき、ご議論をいただきたいと思います。 ○相澤座長 日にちは決まっていないのですか。 ○副主任中央労働衛生専門官 日にちはまだ決めておりませんが、年度内、3月ぐ らいに開ければと考えております。 ○相澤座長 3月。 ○副主任中央労働衛生専門官 皆さん、お忙しい時期ですので、また改めて日程調 整をさせていただきたいと思います。 ○相澤座長 改めてということで、本日はお忙しい中をどうもありがとうございま した。