07/01/22 第44回労働政策審議会職業安定分科会議事録 第44回 労働政策審議会 職業安定分科会 1 日 時 平成19年 1月22日(月)17:30〜19:30 2 場 所 厚生労働省職業安定局第1会議室 3 出席者 委 員(公益代表)            諏訪分科会長、大沢委員、椎谷委員、清家委員、宮本委員 (労働者代表)            有村委員、市川委員、成瀬委員、長谷川委員、古市委員、            堀委員 (使用者代表)            石原委員、紀陸委員、成宮委員、山極委員、            尾崎委員代理(吉免氏)、       事務局 高橋職業安定局長、鳥生職業安定局次長、荒井審議官、            岡崎高齢・障害者雇用対策部長、生田総務課長、            楪葉雇用政策課長、宮川雇用保険課長、            尾形外国人雇用対策課長、菅野参事官(地域担当)、            阿部若年者雇用対策室長 4 議 題 (1)雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案要綱について (2)雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について 5 議事内容 ○諏訪分科会長 皆さん、こんばんは。遅い始まりで大変恐縮ですが、ただいまから 「第44回職業安定分科会」を開催させていただきます。 (出欠状況報告)  それでは、議事に入ります。最初の議題は「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一 部を改正する法律案要綱について」です。本要綱については、まず、雇用対策基本問題 部会において議論することとされていまして、1月19日に同部会において議論がなさ れ、部会報告がとりまとめられています。  雇用対策基本問題部会の部会長は私が務めています関係で、事務局から、法案要綱の 説明とともに、部会での議論の報告をお願いしたいと思います。 ○総務課長 お手元の資料No.1−1とNo.1−2を使い、説明させていただきます。  まずNo.1−1ですが、これはいま分科会長からお話がありました「雇用対策法及び地 域雇用開発促進法の一部を改正する法律案要綱」についての諮問を1月19日付けでし ていまして、その諮問文が冒頭に付いています。基本問題部会でご議論いただいた資料 が、その下に要綱という形で付いています。それから、資料No.1−2は報告書ですので、 これは後ほどご説明をします。  まずは資料No.1−1の1頁、要綱の第一をご覧ください。第一〜第三の立て方になっ ていまして、第一は「雇用対策法の一部改正」です。これは、目的規定の改正について、 改正部分も含めた全文が掲げられています。読み上げさせていただきます。「国が、雇 用に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場 の機能が適切に発揮され、人口構造の変化に対応した雇用機会の確保その他の労働力の 需給の質量両面にわたる均衡を促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮するこ とができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上と を図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することをこの法律の 目的とするものとすること」となっています。申し遅れましたが、この要綱については 昨年の12月12日にいただいた建議を踏まえまして、法律に書くべきものについて整 理したものです。ここに載っていないものは、それ以外の形で措置するということです。 法律に載っているものについては、ここで措置しているということです。  いまの「目的」の部分ですが、改正になりましたのが1行目の下の辺り、「労働市場 の機能が適切に発揮され、人口構造の変化に対応した雇用機会の確保」といったような 文言が新たに入っています。これは、人口減少社会に対応した雇用対策をとるという趣 旨を、「目的」の中に盛り込むという意味です。後ろから2行目ですが、「経済及び社 会の発展」という言葉が書いてあります。これは、従来「国民経済の均衡ある発展」と いう言葉が入っていましたが、社会経済の変化に伴い、今回「経済及び社会の発展」と いう文言に変えさせていただいています。以上が変更点です。  続いて、二「国の施策」です。これは、雇用対策法第4条で、インデックスとして国 の施策の方向性について列挙している部分です。これについては、最近の雇用施策の動 きを踏まえた見直しをしています。読み上げます。「国が一の目的を達成するため必要 な施策を総合的に講じなければならない事項として、次に掲げるものを追加すること」 ということです。(一)〜(七)までは追加事項で、(八)と(九)は一部改正が加わ ったものです。順番に読み上げさせていただきます。  (一)が女性の対策です。「女性の職業の安定を図るため、妊娠、出産又は育児を理 由として休業又は退職した女性の雇用の継続又は円滑な再就職の促進、母子家庭の母及 び寡婦の雇用の促進その他の女性の就業を促進するために必要な施策を充実すること」。  (二)は若者対策です。「青少年の職業の安定を図るため、職業についての関心と理 解を深めるとともに、雇用の促進、実践的な職業能力の開発及び向上の促進、雇用管理 の改善等を図るために必要な施策を充実すること」。  (三)は高年齢者等の対策です。「高年齢者等の職業の安定を図るため、定年の引上 げ、継続雇用制度の導入等の円滑な実施の促進、再就職の促進、多様な就業機会の確保 その他の高年齢者等がその年齢にかかわりなくその意欲及び能力に応じて就業すること ができるようにするために必要な施策を充実すること」。  (四)は障害者の関係です。「障害者の職業の安定を図るため、雇用の促進、職業リ ハビリテーションの推進その他の障害者がその職業生活において自立することを促進す るために必要な施策を充実すること」。  (五)は外国人の関係です。「高度の専門的な知識又は技術を有する外国人の受入れ が円滑に行われ、外国人がその有する能力を有効に発揮できるようにするため、雇用管 理の改善、離職した場合の再就職の促進等を図るために必要な施策を充実すること」。  (六)は地域雇用対策です。「地域的な雇用構造の改善を図るため、雇用機会が不足 している地域における労働者の雇用を促進するために必要な施策を充実すること」。  (七)は、雇用管理の改善についてですが、(一)〜(六)の中に雇用管理の改善が 含まれているので、このような書きぶりになっています。「(一)から(六)までのほ か、産業に必要な労働力の確保及び良好な雇用機会の創出を図るため、事業主が行う雇 用管理の改善等に係る措置を促進するために必要な施策を充実すること」。  (八)、これは新たに加わった部分は失業の予防です。「事業規模の縮小等の際に、 失業を予防するとともに、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職を促進するため に必要な施策を充実すること」。  (九)、これの新たに加わった部分は就業形態の改善です。「不安定な雇用状態の是 正を図るため、雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実する こと」。以上のように、雇用対策法の中で施策の方向性について整理したものです。  三は「事業主の責務」。今般、建議でご指摘いただいた若者の雇用の関係、外国人の 関係について2つ、事業主の方の努力義務を規定させていただいています。  (一)は若者についてです。「事業主は、青少年の有する能力を正当に評価するため の募集及び採用の方法の改善、実践的な職業訓練の実施その他の雇用管理の改善を図る ために必要な措置を講ずることにより、その雇用機会の確保等が図られるように努めな ければならないものとすること」。  (二)が外国人の関係です。「事業主は、その雇用する外国人が職業に適応すること を容易にするための措置の実施その他の雇用管理の改善に努めるとともに、その雇用す る外国人が解雇等により離職する場合において再就職を希望するときは、求人の開拓そ の他再就職の援助に関し必要な措置を講ずるように努めなければならないものとするこ と」。  (三)「厚生労働大臣は、(一)及び(二)の事項(若者及び外国人の問題)に関し、 事業主が適切に対処するために必要な指針を定め、公表するものとすること」。  四は「雇用対策基本計画に関する規定を削除すること」としております。これに関し ては、建議の中で都道府県労働局が地方の雇用施策実施方針を策定するということ。策 定に際しては、都道府県知事の意見を聴いたり、あるいは、都道府県知事から、その実 施に関して必要な要請を受けるという指摘をいただいていますし、厚生労働大臣がこの 地方方針を作る際の全国指針、雇用施策実施指針といったようなものを策定することに ついてもご指摘をいただいています。こういった点については、雇用対策法の中に国と 地方公共団体との連携規定がありまして、それを具体化するというレベルの問題ではな いかということで、法制局からご指摘を受けまして、法律ではなく「雇用対策法施行規 則」の中に書くということにしています。これについては、また当分科会での議論をい ただくことにしています。  五は「外国人雇用状況の届出等」です。これは、建議でご指摘いただきました雇用状 況報告の拡充の問題です。  (一)「事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職し た場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の指名、在留資格、在留期間 その他厚生労働省令で定める事項を確認し、厚生労働大臣に届け出なければならないも のとすること」ということで、届出義務を明確化しています。  (二)ですが、(一)の届出があったときに、国が行うべきことを整理しています。 これは、建議では特に指摘をいただいていませんが、法律にきちんと国が行うことを書 くということです。  「(一)の届出があったときは、国は、次に掲げる措置を講ずることにより当該届出 に係る外国人の雇用管理の改善又は再就職の促進に努めるものとすること」として、3 つのことを書いています。イとして「職業安定機関において、事業主に対して、当該外 国人の在留資格等に応じた適正な雇用管理を行うこと及び事業主の求めに応じて、再就 職の援助を行うことについて、必要な指導等を行うこと」。ロとして「職業安定機関に おいて、当該外国人に対して、その有する能力を有効に発揮できるようにするため、そ の在留資格に適合した雇用情報の提供並びに求人の開拓及び職業紹介を行うこと」。ハ は訓練についてですが、「公共職業能力開発施設において必要な職業訓練を行うこと」 としております。  (三)は「厚生労働大臣は、法務大臣から、外国人の在留に関する事項の確認のため 求めがあったときは、(一)の届出に係る情報を提供するものとすること」としており ます。これは、事業主の雇用状況については厚生労働省で把握しまして、法務省の入管 当局に提供することについての根拠規定です。これに基づいて、必要な情報提供を行う ことになります。  六「その他」です。(一)「厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認 めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることが できるものとすること」ということで、他の厚生労働省関係法令並びの規定を設けさせ ていただくということです。(二)は「罰則に関し所要の改正を行うこと」。これは、 外国人雇用状況報告についての罰則の趣旨です。(三)「その他所要の規定の整備を行 うこと」としております。  続いて、第二「地域雇用開発促進法の一部改正」です。まず「目的」ですが、これに ついても、改正内容も含めた全文を記載させていただいていますので、読み上げさせて いただきます。「雇用機会が不足している地域内に居住する労働者に関し、当該地域の 関係者の自主性及び自立性を尊重しつつ、就職の促進その他の地域雇用開発のための措 置を講じ、もって当該労働者の職業の安定に資することをこの法律の目的とするものと すること」。改正になりました点は、冒頭の「雇用機会が不足している地域内に居住す る」という部分です。これは、従来、この地域雇用開発促進法の指定地域の4つの地域 が列挙してありましたが、それに代えて「雇用機会が不足している地域内」ということ で、雇用状況が悪い地域に対して対策を重点化するという趣旨を、ここに明らかにして いるものです。もう1つは、1行目の後半部分「当該地域の関係者の自主性及び自立性 を尊重しつつ」ということで、地方公共団体の自主的な取組みを応援するということが 今回の法改正の趣旨ですので、そのような趣旨を明確化するものです。  続いて、6頁の二「定義」です。2つの地域に支援を重点化するということで、建議 で指摘していただいています。そのうちの(一)が最初の地域です。「雇用開発促進地 域」ということで、これは雇用情勢が極めて悪い地域のことを想定しています。「その 地域内に居住する労働者等の総数に対する当該地域内に居住する求職者の数の割合が相 当程度に高く、かつ、求職者の総数に比し著しく雇用機会が不足しているため、求職者 がその地域内において就職することが著しく困難な状況にある等の要件に該当する地域 をいうものとすること」。  (二)は、建議では「雇用創造推進地域」ということで指摘いただいていましたが、 法制局の審査の結果、「自発雇用創造地域」という名称を使わせていただくということ です。「その地域内に居住する求職者の総数に比し相当程度に雇用機会が不足している ため、求職者が就職することが困難な状況にあること及び市町村、都道府県、事業主団 体その他の地域の関係者が、その地域の特性を生かして重点的に雇用機会の創出を図る 事業の分野及び当該分野における創意工夫を生かした雇用機会の創出の方策について検 討するための協議会を設置しており、かつ、当該市町村が雇用の創造に資する措置を自 ら講じ、又は講ずることとしている等の要件に該当する地域をいうものとすること」と いうことで定義をさせていただいています。  続いて7頁の三「地域雇用開発指針」です。これは、地域雇用開発について、厚生労 働大臣がその方針を明らかにするという意味です。「厚生労働大臣は、雇用開発促進地 域及び自発雇用創造地域における地域雇用開発の促進に関する指針を策定するものとす ること」。  四は「地域雇用開発計画」です。これは、先ほどの定義の2つの地域について、都道 府県あるいは市町村で計画を作るという趣旨を明らかにしているものです。四が「地域 雇用開発計画」ということで都道府県の計画、五が「地域雇用創造計画」ということで、 市町村等が作る計画です。まず、地域雇用開発計画ですが、(一)「都道府県は、雇用 開発促進地域に該当すると認められるものについて、地域雇用開発の促進に関する計画 を策定し、厚生労働大臣に協議し、その同意を求めることができるものとすること」と いうことで、都道府県が計画を作って厚生労働大臣の同意を得るというような仕切りに なっています。これは、従来からの地域雇用開発促進法における地域の取扱いと全く同 じです。  (二)「地域雇用開発計画においては、雇用開発促進地域の区域、地域雇用開発の目 標に関する事項、地域雇用開発を促進するための方策に関する事項等を定めるものとす ること」ということで、計画に定める事項について列挙をしています。  (三)「厚生労働大臣は、(一)の同意をしようとするときは、関係行政機関の長に 協議するとともに、政令で定める審議会の意見を聴かなければならないものとすること」 となっています。こういった仕組みについても、現在の地域雇用開発促進法に定める地 域と全く同じ取扱いですが、ここで「政令で定める審議会」と書いていますのは、都道 府県労働局にある地方労働審議会のことです。  五「地域雇用創造計画」です。(一)「市町村は単独で又は共同して、都道府県は市 町村と共同して、自発雇用創造地域に該当すると認められるものについて、地域雇用開 発の促進に関する計画を策定し、厚生労働大臣に協議し、その同意を求めることができ るものとすること」。  (二)は地域雇用創造計画の記載事項を整理しています。「地域雇用創造計画におい ては、自発雇用創造地域の区域、地域雇用開発の目標に関する事項、当該地域の特性を 生かして重点的に雇用機会の創出を図る事業の分野に関する事項、二(二)の協議会そ の他厚生労働省令で定める団体に関する事項、当該地域の地域雇用開発を促進するため の方策に関する事項等に関する事項を定めるものとすること」としております。  (三)「市町村長又は都道府県知事は、地域雇用創造計画の案を作成するに当たって は、地域雇用創造協議会の議を経なければならないものとすること」ということで、地 域の関係者で構成する地域雇用創造協議会で議論していただいたうえで、計画を定める という整理にしています。  (四)「厚生労働大臣は、(一)の同意をしようとするときは、関係行政機関の長に 協議するとともに、政令で定める審議会の意見を聴かなければならないものとするこ と」。  続いて六「地域雇用開発のための措置」ということで、それぞれの地域における支援 策の具体的な内容を示すものです。  (一)は雇用開発促進地域における支援策について整理をしています。イ「政府は、 四(一)の同意を得た地域雇用開発計画に係る雇用開発促進地域における地域雇用開発 を促進するため、当該計画の内容に応じ、当該地域内に事業所を設置又は整備して、当 該地域内に居住する求職者を雇い入れる事業主その他厚生労働省令で定める事業主に対 して、雇用保険法第62条の雇用安定事業又は同法第63条の能力開発事業として、必 要な助成及び援助を行うものとすること」としております。支援策として、1つはこの 法律の中に書くということで、9頁の1行目に書いてあります「事業所を設置又は整備 して、当該地域内に居住する求職者を雇い入れる」といったようなことについて支援を するということになります。それ以外については、厚生労働省令で書くということで、 注の横の(イ)、(ロ)の2つを省令で措置することにしています。  (イ)が「当該地域内に所在する事業所に職業に必要な高度の技能等を有する者を置 き、かつ、当該地域内に居住する求職者を雇い入れる事業主」。(ロ)は「当該地域内 に設置又は整備する事業所に雇い入れる当該地域内に居住する求職者等について、職業 に必要な技能等を習得させるための教育訓練の実施その他の措置を講ずる事業主」。こ ういった事業主に対して支援策を講ずるということにしています。  (二)は「自発雇用創造地域」です。これについては、イとして「政府は、五(一) の同意を得た地域雇用創造計画に係る自発雇用創造地域における地域雇用開発を促進す るため、地域雇用創造協議会からの提案に係る当該地域内に居住する求職者等に対して、 就職又は職業に必要な知識及び技能を習得させるための講習等を行う事業その他厚生労 働省令で定める事業であって、当該地域における雇用の創造に資するものとして厚生労 働大臣が適当と認めるものを、雇用保険法第62条の雇用安定事業又は同法第63条の 能力開発事業として行うものとすること」としております。法律上は、9頁の後ろから 2行目にあります「求職者等に対して、就職又は職業に必要な知識及び技能を習得させ るための講習等を行う事業」を明示しています。  省令で、10頁の注の横にあります(イ)、(ロ)の事業を明記することにしていま す。まず(イ)ですが、「当該地域内に所在する事業所の事業主であって、新たな事業 の分野への進出等に伴い当該地域内に居住する求職者を雇い入れようとするものの相談 に応じ、助言、指導等を行う事業」としています。(ロ)は「当該地域内に所在する事 業所の事業に関する情報を収集及び提供し、並びに求職者等の相談に応じ、助言、指導 等を行う事業」。こういった内容について、厚生労働省令で措置して支援するという考 え方です。  続いてロですが、「政府は、厚生労働省令で定めるところにより、イの事業の全部又 は一部を地域雇用創造協議会又は五(二)の厚生労働省令で定める団体に委託すること ができるものとすること」。この自発雇用創造地域におきます事業については、主に地 域雇用創造協議会が実施することを想定していますが、その協議会自ら実施せず他の団 体に委託するといったようなことも想定しまして、こういった規定を設けています。  それから10頁の最後のハですが、「地域雇用創造協議会を組織する中小事業主団体 の構成員である中小事業主が、当該中小事業主団体をして職業に必要な高度の技能等を 有する労働者の募集を行わせようとする場合における職業安定法第36条第1項及び第 3項の規定の特例を設けるものとすること」となっています。建議におきましては、「市 町村等の届けについて手続きの簡素化を図る」となっていましたが、法律で措置するこ とについては法制局で判断いただいた結果、法律ではなく運用上措置するということで 足りるのではないかということで、それで対応させていただくことにしています。  ここに書いてありますのは、地域雇用創造協議会に入っている中小事業主団体の構成 員である中小事業主が、中小事業主団体にお願いして労働者の募集をするといったよう な場合については、許可手続きが必要なのですが、こういった雇用創造協議会が実施す る事業については、事前に厚生労働大臣の同意が得られているということもありますの で、こういった許可については特例を設けて、届出で足りるようにしたいというもので す。  11頁の二は、「国は、イからハまでの措置と地域の活力の再生を推進するための措 置とを総合的かつ効果に講ずるよう努めるものとすること」となっています。これは、 いわゆる地域再生法との連携を図るという趣旨の規定です。  七の「その他」ですが、まず(一)として、「国は、この法律に定める措置と地域に おける産業集積の形成及び活性化を促進するための措置等との連携等を図るものとする こと」。これは、先ほどの地域再生法に加えて、この通常国会に経済産業省が提出予定 の「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律」と いうのがありますが、この法律に定める措置との連携も図る必要があるのではないかと いうことで、これを明記するというものです。  (二)「罰則に関し所要の改正を行うこと」。これは、先ほどの委託募集のところに 関する規定です。(三)は「その他所要の規定の整備を行うものとすること」としてい ます。  最後の第三「その他」です。「施行期日」ですが、「この法律は、公布の日から三月 を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、第一 の三及び五については、平成19年10月1日から施行するものとすること」となって います。この公布の日から三月を超えない範囲内については、法律が成立した日にもよ りますが、順調に成立した場合については4月1日の施行が原則であると考えています。 ただし書きのところについては、「第一の三及び五」ということで、若者の雇用に関す る部分、それから外国人に関する部分ですが、これについては、必要な周知期間を取る 必要があるだろうということで、10月1日施行ということで想定をしています。その 他、経過措置を設けることになっています。資料No.1−1は以上です。  資料No.1−2は、こういった要綱に基づいて、基本問題部会で19日に議論いただき、 報告をいただいています。この報告に至るまでは、この要綱について事実確認の質問が ありましたが、特に意見はなく、この報告に至りましたので、それについて読み上げさ せていただきます。「『雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案要 綱』について。平成19年1月19日付け厚生労働省発職第0119001号をもって労働政 策審議会に諮問のあった標記については、本部会は、下記のとおり報告する。記。標記 については、厚生労働省案は、妥当と認める」ということでした。このように、この要 綱については、部会においては妥当ということで判断いただいたところです。以上です。 ○諏訪分科会長 どうもありがとうございました。本件について、ご質問、ご意見等は ありますでしょうか。 ○成瀬委員 法律案要綱そのものについては異存はありませんが、中期的な施策の方向 性について、若干の要望の発言をさせていただきたいと思います。関連する部分で言い ますと、1頁の二「国の施策」の(一)に該当します。国の施策に追加するものとして 9項目ほど列挙されていますが、今後我が国の人口が減少していく中にあっては、いわ ゆる女性のM字型就労構造を是正し、要綱にあるとおり妊娠、出産又は育児を理由とし て休業又は退職した女性の雇用の継続又は円滑な再就職の促進などの、女性の就業を促 進するために必要な施策を充実することは、まさに喫緊の課題と思いますし、この間、 厚生労働行政全体においてもさまざまな施策が推進されていると認識をしています。し かし、ここ数年顕著なのは、まさに人口減少からくる危機感からなのかもしれませんが、 少子化対策、次世代育成ということが強調されるあまり、個別企業の福利厚生措置にお いても国の施策においても、育児に関するものが脚光を浴び、妊娠・出産の関係につい ては後回しにされているのではないかという印象をもちます。  このことは、私ども電機連合の加盟組合の女性役員からも、次世代育成の名の下に産 休明けで職場復帰を望む女性までもが育児休業を奨励される、女性のみの産前・産後休 業よりも、理論上は男女平等である育児休業のほうが優遇されるようになった、などの 声が寄せられています。確かに育児は、父親も母親も共に責任を分かち合って行うべき ものであり、現状の日本の男性の育児への参加状況を見るにつけ、男性の育児休業取得 促進を主要な目的とした国の施策や個別企業の措置が推進されることについては、一定 の理解をしているところです。  然るに、妊娠・出産については女性のみしかできないことが理由ではないにしても、 それに対する経済的支援策では立ち後れが目につき、一部の国の施策や一部企業の措置 を見ると、妊娠・出産よりも育児に対する経済的支援がむしろ優先されるという、いわ ば逆転現象が見られるようになっているのではないかとも懸念をしているところです。 事務局はじめ皆さんよくご存じのとおり、妊娠・出産に伴う産前・産後休業は、特別な 保護が必要である妊産婦のために労働基準法で定められた休業であります。女性には、 その特別な保護が必要である産前・産後休業があるが故に、男性は子が生まれてからす ぐ育児休業を取得できるが、女性は8週間の産後休業が明けてからしか育児休業が取得 できないということになっているわけです。そのことによって、その結果として産後8 週間までの女性について、男性よりも劣る経済的支援しか受けることができないという ことになるとしたら、妊娠・出産を理由として休業する女性の雇用の継続にとってはマ イナス要因であり、いわゆる女性のM字型就労構造を是正することには繋がらないので はないかとも感じるところです。  今後のさまざまな施策の展開に当たっては、経済的支援策を含めた女性の就業促進の ための全般的な雇用管理改善を進める視点として、いま申し上げた点にご留意いただき、 育児よりもむしろ妊娠・出産に日が当たるよう、職業安定局だけでは難しいことは重々 承知していますが、部局の壁を超えて厚生労働省全体でご検討をよろしくお願いしたい と思います。以上です。 ○諏訪分科会長 ほかにいかがでしょうか。ほかには特にありませんか。特にご質問な りご意見がありませんようでしたら、本法律案要綱については、大体ご了解いただけた ということで、当分科会としましては、労働政策審議会に対して、妥当ということで報 告させていただきたいと思いますが、そのようなことでよろしいでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 ありがとうございました。それでは、報告文(案)の配布をお願いし ます。 (報告文(案)配布) ○諏訪分科会長 ただいまお手元に配布させていただいたとおりですが、このような報 告文(案)によって、労働政策審議会長あて、報告させていただくということでよろし いでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  次の議題に移ります。「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について」です。 そのうち、1月9日付けで諮問があった事項については、雇用保険部会において議論い ただくこととされていたものですが、18日の雇用保険部会において報告がとりまとめら れています。この雇用保険部会の部会長も私が務めていました関係から、同じく事務局 から部会での議論について報告をお願いしたいと思います。 ○雇用保険課長 私からは、資料No.2−1と、その後ろにあります参考資料に基づきま して、説明をさせていただきます。ただいまご説明がありましたように、平成19年1月 9日付けで、参考資料にありますような諮問がなされたところです。この点について、 特例一時金、育児休業給付その他いくつかの項目について質疑等が行われ、その結果と してとりまとめられた部会の考え方がNo.2−1です。そちらをご覧ください。  「平成19年1月9日付け厚生労働省発職第0109001号をもって労働政策審議会に諮 問のあった標記については、本部会は、下記のとおり報告する」ということで、下記の 所を読み上げさせていただきます。「標記については、審議の結果、厚生労働省案は、 おおむね妥当と認めるとの結論を得た。なお、労働者側委員より、特例一時金の見直し について、当該給付を受ける者の現状等を考慮し、給付水準を維持すべきであるとの意 見があった」。以上です。 ○諏訪分科会長 ありがとうございました。本件について、ご質問、ご意見等あります か。特にありませんでしょうか。それでは、当分科会としましては、労働政策審議会に 対して、当該部会の報告どおりの内容で報告させていただきたいと思いますが、よろし いでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 ありがとうございます。それでは、報告文(案)の配布をお願いしま す。 (報告文(案)配布) ○諏訪分科会長 ただいま皆様のお手元に配布されたとおりですが、このような報告文 (案)によりまして、労働政策審議会長あてに報告することとさせていただいてよろし いでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  次の議題は、「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱(船員保険法の改正に伴う 雇用保険法の一部改正関係)について」です。これについては、事前に雇用保険部会に おいて議論いただくこととされていたものですが、18日の雇用保険部会において厚生 労働省作成の法律、法案要綱、諮問案について議論され、部会として妥当である旨の了 承が得られています。雇用保険の部会長も私が務めていましたので、事務局から、本日 諮問された法案要綱の説明とともに、部会での議論についての報告をお願いしたいと思 います。 ○雇用保険課長 資料No.2−2を使って説明させていただきます。本日付けで諮問させ ていただきますのは、船員保険法の改正に伴う雇用保険法の一部改正関係の法律案要綱 です。1枚開けていただいて、別紙をご覧ください。既に説明させていただきましたと おり、船員保険事業の運営懇談会における結論を踏まえて、雇用保険及び労災保険に相 当する部分の船員保険については、それぞれに統合するということを踏まえて、この法 律案要綱を作らせていただいています。  第一「雇用保険法の一部改正」です。従来、適用対象外でした船員について、「雇用 保険法の適用対象に船員を含むものとすること」という形で改正させていただきます。 「その他所要の規定の整備を行うこと」ということです。  「施行期日」ですが、この法律は、準備期間等を含めて、平成22年4月1日から施 行するものとされています。  「経過措置」ですが、従来、雇用保険の被保険者ではなかった方々について、「船員 保険の被保険者であった期間を雇用保険の被保険者であった期間に通算する等この法律 の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること」としています。「その他関係法 律について、所要の規定の整備等を行うものとすること」という内容です。これについ ては、先ほど分科会長から説明がありましたように、1月18日の部会で諮問案文につ いて説明させていただき、妥当である旨の了承が得られたところです。説明は以上です。 ○諏訪分科会長 ありがとうございました。本件について、ご質問、ご意見等はありま すでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、法律案要綱については、ご了解をいた だいているようですので、当分科会としましては労働政策審議会に対して、妥当という ことで報告したいと思います。よろしいでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 ありがとうございます。それでは、報告文(案)の配布をお願いしま す。 (報告文(案)配布) ○諏訪分科会長 ただいまお手元に配布されたとおりですが、そのような報告文(案) により、労働政策審議会長あて、報告することとさせていただいてよろしいでしょうか。 (異議なし) ○諏訪分科会長 それでは、そのようにさせていただきます。その他、何かご意見等は ありますか。 ○職業安定局長 今般、諮問をさせていただきました雇用対策法及び地域雇用開発促進 法並びに雇用保険法等の一部改正に係る法律案要綱について、ただいま職業安定分科会 としての報告をおまとめいただいたことに対して、お礼を申し上げる次第です。本当に ありがとうございました。私どもとしましては、この内容に基づいて改正法案という形 で国会に提出すべく、必要な手続きをこれから開始させていただきたいと考えています ので、今後ともよろしくお願いします。どうもありがとうございました。 ○諏訪分科会長 ほかに何か発言等はありますか。ないようでしたら、本日の分科会は 以上をもちまして終了とさせていただきます。 (署名委員指名)  それでは、本日の会議は以上をもって終了とさせていただきます。どうもありがとう ございました。 (照会窓口)                        厚生労働省職業安定局総務課総務係 TEL:03-5253-1111(内線 5711)