07/01/19 独立行政法人評価委員会年金部会 第11回議事録         独立行政法人評価委員会年金部会(第11回)議事録               平成19年1月19日(金)               厚生労働省省議室 ○部会長  定刻になりましたので、ただいまから、第11回独立行政法人評価委員会年金部会を開 催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただき まして、まことにありがとうございます。  本日は、佐野委員が御欠席です。  それでは、初めに事務局から本日の議事について簡単に説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  議事の御説明に先立ちまして、昨年9月1日付で事務局の人事異動がございましたの で、冒頭に御紹介させていただきます。  中島政策評価官でございます。 ○政策評価官  中島でございます。よろしくお願いいします。 ○政策評価官室長補佐  それでは、本日御審議いただきます議事につきまして、中島より御説明させていただ きます。 ○政策評価官  本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日の議事で ございますが、それに先立ちまして、1点、既にお願いをしておるところでございます が、重ねてお願いを申し上げたく存じます。  委員の先生方には、昨年末に既に送付をさせていただいているかと思いますが、この たび、衆議院の調査局長の方より、予備的調査ということで、独立行政法人の組織等に 関して調査をしたいという話が参りまして、昨年度と同様、それぞれの省庁の独立行政 法人評価委員会の委員の先生方についての調査項目も含まれているところでございます。  独立行政法人評価委員の先生方が属しておられる他の審議会等にはどういうものがあ るのか、それから、各府省等から金銭授受があるとする場合に、それはどういうものな のかということを主な調査事項としているところでございます。  これにつきましては、委員の先生方の所得等のプライバシーに関する部分にも触れる 部分があるかと思いますので、先生方それぞれの御判断をいただき、御回答をいただく ということで、詳しい概要については郵送させていただいた中でもお示ししているとこ ろでございますが、送付しております調査様式においてお申し出をいただければ、大変 ありがたいと思っております。来月の2月5日までに御回答いただくようにということ でお願いしているところでございますが、何とぞ御理解・御協力をいただければありが たいと思っております。  それでは、本日の議題につきまして簡単に説明をさせていただきます。お手元にお配 りしております議事次第の2.議事でございます。  まず、(1)年金積立金管理運用独立行政法人の評価の視点(案)についてでござい ます。  独立行政法人につきまして、年度ごとの実績評価というものは、設立の初年度が終わ った後、次年度以降、それぞれ前年度実績の評価を行うという形になるわけでございま す。これにつきましては、基本的に夏に評価を行っていただくということでございます。 そして、その際には、どういう観点から評価をするのかということについて、夏までに 評価の視点というものを定めることになっております。  この年金部会につきましては、本日お諮りする以外の法人でございますが、年金・健 康保険福祉施設整理機構というものがございまして、これについては昨年の7月、8月 にわたって既に実績評価をしていただいた。そのために、昨年の2月に、この施設整理 機構についての評価の視点というものを定めていただいたという次第でございます。  そして、本日は、昨年4月に設立された年金積立金管理運用独立行政法人について、 平成18年度に係わります実績評価をこの夏にしていただくことになるわけでございます が、その評価をするに当たって、どういう視点で評価をするのかという評価の視点につ いて、本日、まず御議論をいただいて定めていただく必要があるということでございま して、本日はこれをメインの議題とさせていただいておるところでございます。  また、(2)でございますが、昨年8月に独立行政法人評価委員会において取りまと めていただいた17年度の各独立行政法人の実績評価に対しまして、制度の仕組みとして、 総務省に置かれております政策評価・独立行政法人評価委員会というものがさらに審査 をすることになっているわけでございまして、いわゆる2次評価と言われているもので ございますが、それにつきまして総務省よりその結果が通知されてきているところでご ざいます。本日は、それにつきまして御紹介及び御説明をさせていただくということが、 (2)の報告案件でございます。  本日は、以上、2つの議題を予定させていただいております。よろしくお願いいたし ます。 ○部会長  どうもありがとうございました。  それでは、議事に入ります。  年金積立金管理運用独立行政法人の評価の視点(案)につきまして、事務局から説明 をお願いいたします。 ○大臣官房参事官  資金運用担当参事官の宮本でございます。昨年9月に前任の松田の後任といたしまし て着任いたしました。引き続き、先生方にいろいろとお世話になりますので、どうぞよ ろしくお願いいたします。  簡単に資料の説明をさせていただきますが、若干時間をいただきたいと思っておりま すので、恐縮ですが、着席して説明をさせていただきます。  初めに、お手元の資料につきまして確認させていただきます。  この年金積立金管理運用独立行政法人を御審議いただく資料といたしまして、資料1 −1、資料1−2、資料1−3、資料1−4、資料1−4の参考、全部で5点の資料を 用意させていただきました。順次、これにつきまして説明をさせていただきたいと思い ます。  まず、資料1−1と資料1−2にでございますが、これは既に先生方はこちらの部会 におきましてお目通し、あるいは実際にこれによる評価をしていただいたものを参考例 として用意させていただきましたが、資料1−1の右の欄の評価の視点、これは年金・ 健康保険福祉施設整理機構のものでございますが、本日御審議いただきまして、年金積 立金管理運用独法用ができますと、ここの全体が年金積立金管理運用独法用のものとし て入れかわったもので、こういった資料を用意させていただくことになります。まず、 そのイメージというものでございます。  また、実際の評価の際にどういう形になるかにつきましては、資料1−2で、同じく 年金・健康保険福祉施設整理機構のものを参考としまして用意させていただいておりま す。こちらの1枚目に、項目ごとに、中期目標、中期計画、年度計画、一番右側の欄で 業務の実績が用意され、1枚めくっていただきますと、項目ごとの最後のところで、下 の一番左に評価の視点という欄がございますが、ここに、先ほど申しましたように、本 日御審議をいただきます評価の視点の該当部分が入ってまいりまして、あとは様式とし ましては、各運用独法ほぼ共通のものでございますので、ここに自己評定が入り、先生 方の評定の結果が記号で入ってまいり、コメントをいただいて、そのコメントについて 記載するという形のものでございますが、こういったところで、本日の御審議の議題と なります評価の視点がこういう形で使われてくると。また、これに基づきまして、基本 的には、中期目標、中期計画の期間、おおむね5年間になりますが、おおむねですので 今回は違いますが、その期間内における業務の遂行状況等につきまして審査していただ くための尺度としまして、評価の視点を御審議いただきたいというものでございます。  続きまして、資料1−3が評価の視点でございます。  1ページを開いていただきますと、一番左が中期目標で、これは御案内のとおり、厚 生労働大臣が年金積立金管理運用独法に既に提示したものであり、この厚生労働大臣の 中期目標の指示に沿って法人におきまして中期計画を定め、大臣のチェックを経た後、 年度計画という形で定めたものが順番に並んでおりまして、その一番右側の評価の視点 (案)とありますところが、本日、御審議いただきたいものの全体像になります。  なお、評価全体のやり方につきまして、年金積立金管理運用独法につきましては、ほ かの運用独法と若干異なる部分がございますので、その評価の視点の御審議をいただく 前に、評価そのものにつきまして年金積立金管理運用独法の特殊な部分、ほかの独法と 標準的な形に比べると違っている部分につきまして、あらかじめ説明をさせていただき たいと思います。  それに関係する資料が、資料1−4及び資料1−4参考という少し厚いものでござい ます。  資料1−4の1ページ、1つ目の○ですが、管理運用独法の第28条第2項で、少し特 殊なことを置いているということを御説明させていただいておりますが、2つ目の○で、 この運用独法法第28条第2項に基づき、年金積立金管理運用独立行政法人の前事業年度 の実績の評価においては、(1)独立行政法人の実績評価において一般に用いられる資料 (当該年度における中期計画の実施状況の調査・分析の結果)に加えて、結局、(1)の部 分が先ほどの資料1−2の資料のプラスアルファーに該当いたしますが、それに加えま して、(2)厚生労働大臣が、毎年度、年金積立金の運用が年金財政に与える影響について 検証し、独立行政法人評価委員会に報告する内容――具体的には、この対応につきまし ては、現段階におきましては未定ではございますが、現行の年金積立金運用報告書のう ち、主として年金財政とのかかわりについて記述いたしました第1章、第2章が中心に なるような報告書を御提出させていただき、これを考慮して評価を行っていただくとい う仕組みになっております。  その資料1−4の2枚目をごらんいただきますと、条文が入っております。重ねての 御説明になり回りくどくて恐縮でございますが、年金積立金管理運用独立行政法人法の 第28条第1項の年金財政に与える影響の検証等でございますけれど、「厚生労働大臣は、 毎年度年金積立金の運用が年金財政に与える影響について検証し、通則法第32条第1項 の規定による評価(この委員会におけます評価ですが)に資するよう、厚生労働省の独 立行政法人評価委員会に報告しなければならない」となっております。  そこで、来年度におきまして、こちらの委員会で評価していただく際には、先ほどイ メージとして御提出させていただきました資料1−2のいわゆる評価シートに加えまし て、その後ろの資料1−4参考「平成17年度厚生年金保険及び国民年金における年金積 立金運用報告書」という厚いものでございますが、これをこちらの委員会に御提出をさ せていただいて、これも評価の参考資料としていただくということが法律上予定されて おります。  本日は、この17年度分につきましての報告書そのものの御説明をする時間的な余裕も ございませんので、資料1−4の参考につきましての説明は割愛させていただきますが、 イメージをお持ちいただくために、目次だけごらんいただきたいと思います。  1枚めくっていただきますと目次がございます。第1章として年金積立金の運用の目 的と仕組み、第2章として年金積立金の運用実績及びその年金財政に与える影響の評価、 第3章として運用の基本方針に基づく年金資金運用基金における年金資金の管理及び運 用の評価、等々とつながっております。  つまり、この資料は、この独立行政法人が設立される以前の年金資金運用基金の時代 におきましては、基本ポートあるいは移行ポートのつくり方等、運用のかなりの基本部 分、現在の運用独法に対して厚生労働大臣が中期目標を定め、さらにその中期目標に基 づいて中期計画を独法がつくっておりますが、中期計画に相当する部分の相当部分をか つては厚生労働大臣が作成し、それに従って運用するように、年金資金運用基金に義務 づけを行っていたという仕組みになっておりまして、運用の基本的な部分について大臣 がつくってしまい、その結果につきまして、当時は年金資金運用基金という特殊法人で ございますが、そこの特殊法人の運用成績について厚生労働大臣が報告を受け、この結 果を社会保障審議会に御提出させていただいて、それで世の中に公表して運用の方向に ついて透明化を図り、適正な運用を図っていくという制度の設計をしておりましたので、 こういった報告書をこれまで厚生労働大臣がつくり、一方で、年金財政についての影響 について検証するとともに、厚生労働大臣が指示した内容に沿って年金資金運用基金が きちんと運用していたかどうかというところまでも厚生労働大臣が評価するということ でしたので、報告書としてこのような仕組みをつくっておりました。  今回、独立行政法人制度になりました関係で、中期目標という形のものまでが厚生労 働大臣の定めるもので、そこから先の部分につきましては運用独法がみずから作成し、 その実施状況につきまして評価をこちらの委員会に報告し、評価をいただくということ になりますので、先ほど申しましたように、この報告書は年金財政に与える影響部分、 プラス、運用そのものの実施状況についての評価部分という、2部構成になっておりま すが、2部構成のうち、後者の運用の状況の評価につきましては、評価シート等で評価 されることになりますので、そこの部分につきましてはこの報告書は役割を終えて、む しろなくなってしまい、残った部分としまして、年金財政に与える影響部分のみにつき ましてこの報告書で厚生労働大臣が評価をし、こちらの委員会に御提出させていただき、 その2つを見ながら評価をしていただくということになるのではないかと思っておりま す。  なお、来年度につきましては、初めての評価ということになりますので、この年金財 政に与える影響の報告書として、運用利回りのうち、年金財政が想定しておりますよう な名目利回りと賃金上昇率の差分による実質利回りを確保することが年金財政上は非常 に重要な指標となりますが、これらにつきましての報告を中心にこの報告書をつくりた いと考えておりますけれど、そのほか、こういった視点でのものが必要といった評価に 当たって、年金財政との関係におきましての内容として、どういう内容が先生方の御希 望としてあるのか、本日もしお教えいただければ、その内容も踏まえて、来年度におき ます厚生労働大臣が作成する年金財政への影響の評価報告書というものを作成し、御提 出をさせていただきたいと思っております。  そういった少し普通の独法の標準形と違う部分がございます。  恐縮ですが、資料1−3に戻っていただきまして、本日の議題の主要部分につきまし ての御説明をさせていただきます。  基本的には、つくり方といたしましては、これまでの先行する各種運用独法がござい ますので、それら各主運用独法におきますつくり方、考え方を踏襲する形でこの年金積 立金管理運用独法につきましても資料を作成させていただきました。  まず、主として中期目標と中期計画に主軸を置きながら評価の視点を作成させていた だいておりますが、中期計画の第1におきましては、業務運営の効率化に関する目標を 達成しているかどうかということが評価の指標となっておりますので、基本的に中期計 画に掲げられているものにつきまして、できる範囲でブレークダウンし、その一々の細 かい内容を個別列記して評価の視点という形で書いております。  それから、基本的には、先生方に以前送らせていただきました資料とほぼ同様の内容 で本日は資料を用意させていただきましたが、1点だけ、特殊な事情によりまして修正 がどうしても必要と考えられる点につきまして修正を加えておりますのが、4ページで ございます。  議題の順番が逆転しまして恐縮でございますが、随意契約に関する部分につきまして、 一般競争入札の活用、拡大を図るようにという指摘が政府全体における個別の各所の評 価委員会に対する意見としてございました。それが3ページの中期目標の5.業務運営 の効率化に伴う経費節減、中期計画の5.の同じ項目の欄の一番右側の評価の視点 (案)の上から2つ目の○でございますが、「随意契約により実施している業務につい て、「公共調達の適正化について」等を踏まえ、一般競争入札の範囲の拡大、契約の見 直し、契約に係る情報公開等についての取り組みを進めているか」という項目は、事前 に委員の皆様に送らせていただきました版には入っておりませんが、これが意見として 出ているということを私どもも承知いたしましたので、そこの部分は当然反映すべき事 項として、先生方にお送りしたものの後に加えた資料として、この1カ所を修正させて いただいております。  それから、その下の欄ですが、中期目標の第3の業務の質の向上に関する事項、中期 計画では第2の業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置の欄でござ いますが、基本的に同じように、中期目標、中期計画のかなり大きな内容を年度計画で 独法におきましてこういうことをやるという、少し詳細にブレークダウンしたものがご ざいますので、それを参考にしながら、中期目標、中期計画において評価すべき事項を 少し細かく分けて評価の視点を作成させていただいております。  以降、第4のところにつきましても、同じような考え方で処理しております。  それから、この独立行政法人が主たる任務としております年金積立金の管理運用の基 本的な事項につきましてが、7〜8ページから始まります、中期目標では第5、中期計 画では第8に当たる部分でございます。これまでの業務の改善等に関する部分と同様に、 中期目標、中期計画をなるべくブレークダウンするという考え方のもとに、この評価の 視点を作成させていただいております。  例えば、8ページの評価の視点の一番上をごらんいただきますと、「基本ポートフォ リオは実質的な運用利回りを長期的に確保するよう定められているか」という項目がご ざいまして、その後ろに、「2.(1)において評価」という書き方をさせていただい ております。これは、この中期目標のつくりが運用の基本的な方針として、まず、1. におきまして大きな内容を定め、その上で、具体的な2.の内容としまして、9ページ にございますように、年金積立金の管理及び運用に関する長期的な観点からの資産の構 成に関する事項ということで、基本的な方針を一たん指示し、それに対する具体方針に つきまして、さらにまた個々の部分ごとに後述するという仕組みになっておりますので、 評価の視点として整理する際には、考え方としてはその基本的な方針部分で一たんその 評価項目的な部分は上がってくるのかなと思っておりますが、ただし、それを実際に評 価するということになるとするならば、基本的な方針のような抽象的・共通的な部分で 評価するということではなく、具体的なパーツの部分で評価するという整理にした方が いいのではないかと考えておりまして、結果的に、そこにございますように、項目とし ては掲げているけれども、実際の評価の場所として、つまり、点数づけをしていただく シートとしては、こちらの方で整理しておりますという意味におきまして、後ろのかぎ 括弧にございますように、「どこどこにおいて評価」という形で整理をさせていただい ております。  以降、恐縮でございますが、つくりにつきましては大体同じような考え方で整理して おりますので、私どもが整理しました案につきまして先生方の御意見をいただき、それ につきまして修正が必要な部分につきましてさせていただければと思っております。  なお、事前にこれを案としまして先生方に送付させていただきました際に、何人かの 先生に御意見としていただいておりますので、そこの部分につきましてはあらかじめ御 紹介をさせていただきたいと思っております。  まず、大野先生からは、議決権行使につきましてのところでございますが、資料では 18ページでございます。評価の視点の一番上の四角の中の4つ目の○でございます。議 決権行使状況について、この書き方ではなく、もう少し詳しく議決権行使について評価 することが必要ではないかという御意見をいただいております。  また、大和先生から御指摘をいただいている点でございますが、ここは私どもの理解 が少し足りないところもあるので、何ページということで御指摘するのではなく、申し わけございませんが、後ほど先生に御説明を賜ればありがたいと思っておりますけれど、 資産ごとの市場ベンチマークで実績を評価するだけではなく、ポート全体の評価をする という観点から、複合ベンチマークとの比較での評価も行うことが必要であるという御 指摘をいただいております。  2点目に、基本ポートの検証方法につきましても、抽象的に書くのではなく、検証を したかしなかったかということだけではなく、検証方法の内容にわたる評価の視点が必 要ではないかという御指摘。  3点目に、運用受託機関の採用、あるいは運用受託機関の管理の方法として、資産全 体につきまして設定されておりますベンチマークですべての運用機関を管理することが 適当かどうかという点について、あるいは、そういった手法において管理することが適 切かどうかという評価の視点といったものも必要ではないかという御指摘。  4点目に、随意契約の関係につきまして、競争入札的な部分が必要ではないかという 点でございますが、先ほど御説明しましたように、政府全体の独立行政法人評価委員会 の全体的な方針の中で、競争入札拡大につきましての方針を評価の視点として加えるよ うにという指示もあったことを踏まえて、あらかじめ修正させていただいておりますの で、そこの部分は対応させていただいているかなと思っておりますが、そのほかの運用 受託機関の運用管理の方法等につきまして、特に定性評価部分につきましての考え方に ついて修正が必要かという御指摘があったと私どもは認識しておりますが、できました ら、その辺は先生にもう少し補足的な御意見の詳細につきましての説明をいただければ と思っております。  それから、佐野委員からの御指摘として、1点、言葉としておかしいところがあると いう御指摘がございました。2ページ、評価の視点の一番上の枠の中の2つ目の○で、 「中期目標期間中に人事評価制度を実施したか」という書きぶりですが、私どもの言葉 の精査が不十分で、制度を実施したかというのは、制度があることが前提になってしま うので、ここはまずつくることが一つの目標であり、それに基づきちゃんと実施すると いうことが次に要請されることなので、もう少し言葉を整理する必要があるのではない かという御指摘を1点いただいております。  また、同じページの3つ目の枠の中の5つ目の○でございますが、「監事及び監査法 人による監査を毎年度実施したか」という項目を入れておりますけれど、これは私ども の整理しました中では、チェックをするという観点から1つの項目としてまとめてしま いましたが、内部監査と外部監査というものは、その制度の目的とする趣旨あるいは考 え方が異なっているので、1つの項目として整理するよりは、これを別個立てにした方 が制度そのものが要請しているものにそぐうのではないかという御指摘をいただいてお りますので、先生方の御意見なども伺って、ここの部分につきましては、必要があれば 修正をしてまいりたいと思っております。  資料は多岐にわたりますが、時間の都合もございますので、非常に概略的な御説明で 恐縮でございますけれど、御説明で不足する部分等につきましては、この後の質疑ある いは先生方の御意見を伺う中でお答えさせていただきたいと思っておりますので、一た んここで説明は終了させていただきたいと思います。  以上でございます。 ○部会長  どうもありがとうございました。  それでは、個々の御意見、御質問をいただく前に、事前に出されました御意見につい て最初に審議させていただいてよろしいでしょうか。ただいま事務局から紹介のあった 点です。  まず、第1点ですが、最後に御説明がありました佐野委員の御意見ですけれど、2ペ ージの評価の視点の一番上の枠の中でございますが、「中期目標期間中に人事評価制度 を実施したか」ということにつきまして、いかがでしょうか。  確かに佐野委員のおっしゃるとおりだと思いまして、訂正が必要なように私は思いま すが。例えば、「人事評価制度を創設し、実施したか」ということになりますでしょう か。 ○大臣官房参事官  基本的にはそういうことではないかと思っております。 ○部会長  では、文言につきましては、改めて私に一任させていただいて、事務局と相談して訂 正すると、そのような趣旨でここは訂正させていただきます。  もう1点、2ページの下から2つ目の枠の中の下から2つ目の○でございます。「監 事及び監査法人による監査を毎年度実施したか」ということでございますが、内部監査 と外部監査は区別すべきであるという、ごもっともな御意見でございますから、それぞ れ分けまして、「監事による監査を毎年度実施したか」ということと「監査法人による 監査を毎年度実施したか」ということでいかがでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、そのようにさせていただきます。  それから、大野委員の御意見でございますが、御本人から直接、補足も含めて、お願 いします。 ○大野委員  18ページの議決権行使の件についてですが、私が質問させていただいた点は、複数の 運用機関に運用を委託し、その議決権の行使もその運用機関の判断に任せるということ ですが、複数の機関がある運用先の企業の案に対して異なる判断を下したということが 起こった場合に、この独立行政法人としてはどのような措置をとるのかということに関 して、そういったことを評価の視点に含める、あるいは何かガイドラインを設けるみた いなことをする必要があるかどうかと、そういう点について質問させていただいた次第 です。 ○部会長  質問ですから、事務局の方から、お考えがあればお願いします。 ○大臣官房参事官  議決権行使につきましては、特に株式の運用を含めまして、全体にパッシブ運用を中 心にということになっておりますので、もしアクティブ運用をやっているのであるなら ば、そもそも議決権行使する内容に非常に不当なところが多いような、そういった会社 の株式を買うこと自身がアクティブとしては余り想定されませんので、アクティブが大 半であるときには、こういった問題は余り考えなくてもいいのかもしれないと考えてお ります。  ただし、パッシブが中心になってまいりますと、その会社の中身、経営の内容につき まして、あるいはさまざまな事件を起こしたとかという社会的な責任の評価という点に つきまして、パッシブであれば、銘柄としてインデックスに入ってる以上は、選好しな くても持たざるを得ないということになってまいりますので、したがって、その際に、 評価として不適当な事業経営をしている会社に対しましては、株主の利益を最大化する という観点――この場合の株主というのは保険料をお支払いいただいた事業主あるいは 個々の国民の皆さんでございますので、その皆さんの利益を最大化するという観点から は、より適切な方向に事業の修正を、利益を持っている者として意見を述べるというこ とは重要なことであるということで、重要性はあるのだろうという認識は持っておりま す。  ただし、一方におきまして、この年金資金と申しますものが、任意で拠出していただ いて、それで数ある中から私どもを選んで託されたものということではなく、公的な資 金として運用しているものでございますので、他方におきまして、公的な資金において 個別の企業の経営状態に余り過度に直接的に公的な主体の判断が及ぶというこうは適切 ではないのではないかという御意見などもございます。  そういったことから、制度の仕組みとしては、今の仕組みでは個々の運用機関の判断 に任せるという仕組みになっていると承知しておりますが、その際に、個々の運用機関 ――A信託銀行とB信託銀行がある銘柄につきましての判断が異なるという場合に、A とBのいずれが正しいのかということを暗黙のうちにでもA、Bに求めるようなことに なるような評価は、不適当ではないかなと思っております。ただし、そうはいっても、 A、Bがいい加減な投資行動、投票行動をしているということはやはり許すべきではな いことでございますので、投票行動そのものにつきましての適正さをチェックするとい うことは必要なことだろうと私自身は考えておりますので、もし今の大野委員の御指摘 に沿った形での評価の視点を加えるとするならば、個別の抜き出した銘柄どれかに対し て投票行動を運用機関ごとに比較してということではなく、各社ごとにきちんとしたポ リシーのもとに投資行動が行われているかどうかというチェックを行うという視点が、 一つの案としては考えられるのではないかと思っております。 ○大野委員  そうしますと、最終的に、総会なりでどういう返答を下したかということの事後的な チェックと、あとは食い違いが生じた場合にその食い違いの理由を各運用機関から聞き 取り調査をするというような手続をとる、そういう作業は実際には行われると考えても よろしいでしょうか。 ○大臣官房参事官  現実的には、TOPIXだけとりましても、全部で1,700〜1,800ほどの銘柄がござい ますので、その1,800社の必ずしも1社が1議題ではございませんので、幾つかの議題が あって、その議題のどれかについてファンドを任せている複数の運用機関の投資行動が どれだけ一致していたのかというのを、個別の議案に対して各社がどうだったのかとい うものをすべてについて突合作業をするというのは、現実的ではないような気がいたし ますので、もう少し工夫したやり方を独法において検討していただくことが必要ではな いかと思います。 ○部会長  大野委員、よろしいですか。 ○大野委員  今の点に少し関係するかもしれませんが、もう1点、10ページの評価の視点のところ の2段目の2つ目の項目に、「民間企業の経営に対して影響を及ぼさないよう、適切に 配慮されているか」という記述がございますが、これは基本的にはパッシプ運用で、イ ンデックスの中に含まれている銘柄を保有するというスタンスである限り、ガバナンス とかそういったことを強調せずに、インデックスからトラッキングエラーをなるべく小 さくするような形で運用するというスタンスである限り、経営に対して余り影響を及ぼ さないような運用スタンスをとるという、そういった理解でよろしいでしょうか。 ○大臣官房参事官  ここにつきましては、株式だけではなく、ほかの資産についての点も考慮してという ことになりますので、一つの要素としまして、個別の企業をねらい撃ちにしたような企 業経営に対する介入というものは当然するべきではないと考えておりますが、そのほか にも、投資行動として、それが疑われるような形での銘柄をそもそも保有しないと。  外見的に見てかなりの部分を公的年金資金が持ってしまっているといったことが、例 えば80%ぐらい持ってしまっていますという話になると、運用の仕方として妥当なのか、 個別の企業との関係において妥当なのかという点も発生する可能性があると思いますし、 また、それ以外の企業経営に対する介入、監視という問題とは別の問題としまして、例 えば、これからリバランスなどを、あるいは資金の追加、資金の引き上げ、現金化とい った作業が必要になってくる時代もやってくると思いますが、そういった際にも、民間 企業の個別の経営に対する影響が発生する可能性がゼロではないと思いますので、その 点も含めた形での民間の企業経営に対する影響を及ぼさないように適切に配慮するかと いう視点があるので、その一部が先ほどの株式受け付けのような話ではあると思います が、それに限られないということではないかと思います。  ただ、恐縮ですが、ここは細かく書こうと思えばいろいろ細かく書けるのかもしれま せんけれど、多岐にわたってしまうので、これ以上細かく書き始めると尽きないのかな と思っておりますので、このような書き方にさせていただいております。 ○部会長  大野委員、この点に関しましては、今のお答えでよろしいですか。 ○大野委員  はい。 ○部会長  ただいまの大野委員の御意見、特に議決権行使の点につきまして、皆さん、いかがで しょうか。 ○山口委員  議決権行使を公的なファンドがどのように扱うかというのは、非常に難しい問題だと 思います。米国などの議決権行使を通じてボイスをすることによってパフォーマンスが 本当に上がっているのかというのも、いろいろな研究で、プラスと見るものもあれば、 大した効果がないというものもありますし、先ほど事務局の方から御説明がありました ように、公的なファンドの判断がそういった議決権行使を通じて民間の経営に影響を及 ぼすというのは、避けた方がいいのではないかと私も思いますので、このような評価の 視点の記述でいいのではないかなと私は感じました。 ○部会長  光多委員、この点に関しましていかがでしょうか。 ○光多委員  ここは特に結構です。 ○部会長  原案で? ○光多委員  はい。 ○部会長  安達委員、いかがでしょうか。 ○安達委員  影響を及ぼさない程度で、原案でいいんじゃないですか。 ○部会長  大和委員、いかがでしょうか。 ○部会長代理  私も原案のままでいいと思います。 ○部会長  あえて、大野委員、いかがでございますか。 ○大野委員  はい、結構です。 ○部会長  そうでございますか。それでは、この点につきましては原案のとおりとさせていただ きましょう。  それでは、あと、大和委員からいろいろ来ておりますので、直接、御本人から御意見 をいただきたいと思います。 ○部会長代理  はい、かしこまりました。  まず第1点は、8ページのベンチマーク収益率を確保しているかどうかという点だけ で評価をするということに対する私のコメントですが、市場運用部分でも、構成比率を 決めて管理をし、それに財投債を加えた全体の基本ポートフォリオで管理をするという やり方になっているのだと思いますので、あくまで市場運用部分についての評価として。  資産ごとのベンチマーク収益率を確保するかどうかは大部分がパッシブでやっている わけですから、確保するのは当たり前ですので、もう一つ資産運用で重要なことは、資 産構成の管理をきちっとするということで。それは8ページの第8の1.の(2)運用 の目標の(1)に「リバランスを行い」と書いてあるぐらいですので、中期計画には書いて ありませんが、年度計画にはそれも入っておりますから、当然、資産構成の管理も加え た上での評価というのはすべきであって、それは複合ベンチマークで見るということに なりますので、それを入れるべきだという意見でございます。  移行ポートフォリオを決める場合に、移行期間中は国内株式については余計に入って もいいという限度の決め方になっていましたでしょうか。毎年度の基本構成も14ページ ですときちっと決まっておりますよね。ですから、移行ポートフォリオにおいても、こ の構成比で複合ベンチマークをこれの市場運用部分については計算ができるはずですの で、ちゃんとされた方がいいということでございます。  といいますのは、3〜4年前に株がうんと上がって、そのときに、年金資金運用基金 もそうだったと思いますが、ほとんどの基金が前年度に株価がうんと上がって、年度末 の株の時価構成が非常に高くなったままにしておいて、それは長期的には株をふやして いくのだからいいやという考えでそうしていたのだと思いますが、その結果、翌年度、 株が大幅に下がったときに非常に損をしているということがあって。短期的にもきちっ と、許される範囲内でですけれど、うんと売買コストをかけてすべきだとは思いません が、妥当な範囲内でリバランスをするというのは当然の運用方法だと思いますので、そ ういう意味でも、複合ベンチマークも入れていただいた方がよいという意見でございま す。これが第1点です。 ○部会長  まず、ここで切らせていただいて、この点に関しまして、複合ベンチマークを入れた 方がよいのではないかということですが、委員の皆さんの御意見をいただきたいと思い ます。 ○山口委員  複合ベンチマークは、個別のアセットクラスのベンチマークとの対比だけでは不十分 のものを見るのに必要で、アセットアロケーションの変更に伴う部分が把握できないか ら、複合ベンチマークでそれを見ようというお話ではないかと思います。その際、複合 ベンチマークという方がわかりやすいのかもしれないのですけれど、私など思いますの は、さらに進めてパフォーマンスの要因分析をやれば、よいのではないかなと思います。 結局、アセットアロケーションの変更に伴うタイミング効果といいますか、そういうも のと、銘柄選択の効果といった要因に分解したときに、多分パッシプ運用ですから銘柄 選択効果というのはほとんどないのだと思います。それで、今、先生がおっしゃるのは、 タイミング効果といったところに出てくるのだと思います。  ですから、こういう運用の、これは独法ですから、パフォーマンスの要因分解をして 評価をしていくという形の方がむしろいいのではないかなと私などは思いましたけれど。 ○部会長代理  パフォーマンスの要因分解をするときに、通常は、複合ベンチマークで乖離があるか ないか、そしてそれを2つ及びその合成という3つに分解するわけです。まず、資産ご とのベンチマーク対比、2つ目は資産構成の乖離による効果、そして3つ目はその両方 をはっきり区別できないので両方を合成した効果と、普通は3つに分けて要因分析をし ますが、その出発点は複合ベンチマークで比較するから3つに分けられるわけですね。  ですから、その3つでパフォーマンス分析をしなさいと書いても同じことになると思 いますが、どういう書き方にするかは私はどちらでも結構ですけれど、実質的には、複 合ベンチマークで比較するということは、同時に3つを分解してみるということになり ますので、あるいは逆に3つを分解してみるということは複合ベンチマークでも見てい るということになりますから、書き方はどちらでも結構ですけれど、そういう評価は入 れた方がいいのではないかという意味でございます。 ○山口委員  ですから、複合ベンチマークをつくるということが目的ではなくて、それを使ってさ らに、なぜこういう結果になったかという要因を把握するところまでいかないと、おっ しゃった趣旨が生かされないのではないかと、そういう意味で申し上げました。 ○部会長代理  そのとおりだと思います。 ○部会長  そうすると、山口委員も、ここは若干手直しをした方がいいというお考えでしょうか。 ○山口委員  そうですね。資産運用の評価というのは、要するにパフォーマンスの評価ですよね。 ほとんどインデックス運用でやられているので、そういう意味では、個別の銘柄選択に 関する評価というのは恐らくそんなに大きなトラッキングエラーがないだろうと思いま すから、余りそこで問題が出てくるとは思えないんですね。  ですから、もし何かゆがみが生ずるとするならば、それはアセットアロケーションの ところではないかなと。そういう意味で、やはりそこは結果について見ておいた方がい いんじゃないかなという感じがいたしております。 ○部会長  この点につきましては、ほかの委員の方から御意見はございますでしょうか。  事務局、どうぞ。 ○年金積立金管理運用独立行政法人企画部長  ちょっと確認だけさせていただきたいと思います。大和委員御指摘の趣旨は、複合ベ ンチマークとの比較を行うとはいっても、超過リターンがプラスであればプラスである、 あるいはマイナスならマイナスが少なければ少ないほどいいと、すなわち、超過リター ンを多く確保すればするほど高い評価を我々としては得られるというよりも、むしろあ らかじめ目標リターンを得るために設定したポートフォリオ、そのゆがみを生じている のであれば、それを放置することなく、適切に管理をしていくことが大事だと。そのた めに複合ベンチマークとの比較を通じてもそれを見ていくと。かような趣旨でおっしゃ っているということで理解してよろしゅうございますでしょうか。 ○部会長代理  資産構成が、頻繁にリバランスができるとかという、完全に自由に管理できるという ことであれば、複合ベンチマークの収益率での評価をして、その要因分析をするという やり方でいいと思いますが、実際には簡単には売買できないということでしょうから、 新規に入ってくる資金の範囲内でするとかということにならざるを得ないと思うのです が、その要因をはっきり見られるようにするというのが一番重要なことだと思っており ます。できないときには、どうしてできなかったのかということがわかるようにしてお くということですね。  ここでは単純に「資産ごとにベンチマーク収益率を確保すること」としか書いてあり ませんので、山口委員も言われましたように、資産運用する上で必要なパフォーマンス 分析はみんなきちっとすることが大事だということだと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人企画部長  先ほど山口委員もおっしゃったのですが、パッシブを中心とするならば、何かのずれ が出るのであれば、いわゆる資産配分の面でのゆがみというか、ずれというか、それが あるのであろうと、こういう御指摘でございましたが、大和委員も先ほどおっしゃられ ましたように、既に御案内のことと思いますけれど、基本的には平成13年度の財投改革 に伴いまして年金積立金というものが理財局の財政融資資金にあったのが、どんどん厚 生労働省に償還をされておりまして、それが平成20年度まで続けられるという状況にな っております。  そういった中で、いきなり基本ポートフォリオというものをまず最初に達成しようと、 それができればいいのですが、そういたしますと、それだけでかなりの規模の話になる かと思いますが、リバランスをいきなりまずやらなければいけない。そういう意味では、 足元の資産構成割合というものは基本ポートフォリオと現在とで比較しますと、やはり 乖離がございます。  そういったものを何とか回避しなければいけない、すなわちそれによって生ずる売買 手数料とか市場のインパクトというものをなるべく避けなければいけないということで、 平成20年度までの間は財政融資資金からの償還に伴う多額のニューマネーというものが 得られるという事情がございますので、これを逆に活用することにいたしまして、その ニューマネーの配分を通じて時間をかけて徐々に、平成20年度までかけて、基本ポート フォリオというものを実現しましょうと。こういうことで従来やっておるところでござ います。  具体的には、平成20年度まではどうするのだという話なのですが、移行ポートフォリ オというものを過渡的な移行期間の間はそれぞれ毎年度定めまして、ニューマネーの配 分を通じるということで、その資産構成割合の実現を図っていきましょうということに なっております。その移行ポートフォリオの管理につきましては、頻繁なリバランスを 逆にし過ぎますと、運用の非効率さもありますし、あるいは逆に、市場のインパクトと いうものもできるだけ回避しなければいけないという要請もございますから、資産売却 を通じたリバランスというものは、絶対やらないというわけではないのですが、原則と してやらないと。そういう方針でやってございます。  したがって、複合ベンチマークを厳密にトラックといますか、常に乖離を0%を維持 しながら動いていくというのはなかなか難しいのですが、なるべくその乖離を生じさせ ない努力をしつつも、どうしてもある程度生じているのが実態かと。そんなに激しく生 じているということはございません。これは現在の事実ということで、御説明をさせて いただきたいと思います。補足でございます。 ○部会長  とりあえず、よろしいでしょうか。 ○部会長代理  はい。 ○部会長  若干手直しをすることになろうかと思いますが、ほかにも御意見があるので、ひとま ず全部聞きたいと思います。 ○部会長代理  2点目は、14ページの2番目の枠ですが、「基本ポートフォリオの検証が毎年1回わ れ、かつ、必要に応じて随時見直しが行われているか」という点でございます。私は、 一言、「適切な分析方法によって行われて」というふうに入れてはというのを意見とし てファックスでお送りしましたが、その趣旨は、検証は従来から実行しておられている のですけれど、私が前の社会保障審議会の年金分科会で年に1回の運用報告のときに伺 っておりましたのでは、問題があると思ったからです。検証の仕方が過去25年間の平均 の株式の収益率とか債券の収益率とかというものをもとにして基本ポートフォリオをつ くっていたわけですが、その基本ポートフォリオのつくり方がよかったかどうかの検証 として、毎年新しい1年間のデータが入るごとに25年前のデータを消して、新しいデー タを1年入れて、そして25年分の平均値を出すと、当初の25年分の平均値と大して変わ らないから、これで検証は終わったと、見直しをする必要はないと、そういうことを言 っておられたので、それは検証になっていないのではないですかと。  株式市場そのものが構造変動を起こしているのか、後で振り返ってみれば、一貫して PERが上昇し続けたために、過去25年間は非常に高い株式収益率になっていて、それ をもとに基本ポートフォリオをつくっているから、その後、一貫してPERが下がり続 ける中では合わなかったということだと思うのですが、そういう市場分析をしない限り は、資産ごとの基本ポートフォリオ策定の前提になっている係数が妥当かどうかの検証 をしたことにはならないので、また同じことをされたのでは意味がないのではないかと いうことで、意見を出させていただきました。 ○部会長  事務局から、この点につきましてお考えがあれば。 ○大臣官房参事官  「適切な方法」の中身をどうするかにつきましては、ここは多分もう少し検討が必要 な事項かなと思いますが、基本的にはおっしゃるようなことで修正するのは適当なこと ではないかとは思いますので、もし先生方の御意見として、そこは修正すべきであると いうお考えであるならば、そう修正するということなのかなと思っておりますが。 ○部会長  事務局としても、大和委員の御意見のような方向で修正したいということでございま すが、いかがでしょうか。  それでは、この点につきましてはそのようにさせていただきたいと思います。  3つ目をお願いします。 ○部会長代理  3つ目は、同じページの3番目の枠組みの中の下から2つ目、「運用受託機関に対し、 運用ガイドライン及びベンチマークを示しているか」という文のところですが、日本の 株式につきまして、以前はTOPIXというベンチマークだけを運用機関に示すベンチ マークとして採用していただけで、かつ、そのベンチマークとの対比で管理をしていた と思いますが、その結果、運用スタイルの中身までは余り検討しなかった結果、偏りが 出てきて、あるところから株の収益率が悪くなったということがアクティブ運用につい てありましたけれど。以前からそれも私は分科会で指摘をしておりましたが、その結果、 3年ぐらい前から運用スタイル別の成長株とか割安株とかというスタイルの区別もちゃ んと入れたものの業者を採用して、バランスをとるようになって、たしかこの3年間の 成績はアクティブもプラスによくなったと思いますけれど、そのように「運用スタイル に応じた適切な」ベンチマークという文言をこのベンチマークの前に入れてはどうか、 という意味でございます。  それは日本株については現在もうなされておりますので、それを追認するような意味 になると思いますが、外国株について、これも従来から私は指摘させていただいており ましたが、どうしても運用スタイルがはっきりしないとか、よくわからないというまま、 ずっと数年間、外国株の運用管理はされていて、結果としてもアクティブ運用の方はベ ンチマークをかなり下回る成績になってしまったということで。外国株がどこまででき るのかわかりませんが、常にどの資産についても運用スタイルの考慮というのは非常に 重要でして、運用スタイルの組み合わせを適正に行うことと、運用スタイルに応じたベ ンチマークで運用機関の管理をするということが基本だと思いますので、そういう文言 を入れてはどうかしらという意味でございます。 ○部会長  これにつきまして、事務局の御意見を伺います。 ○大臣官房参事官  意見を拝聴する立場ですので、余り私の意見をということも何ですが、非常に合理的 な考え方ではないかと思ってはおりますので、先生方の御指摘に応じて整理させていた だきたいと思いますが。 ○部会長  事務局としても、大和委員の御意見の方向で見直して構わないということでございま すが、委員の先生方、いかがでしょうか。 ○山口委員  スタイルごとにベンチマークをつくるという前に、そういう形で運用してくださいと いうふうにマネーマネージャーにGPIFさんが依頼しているというのが前提になるの ですね。それで、実際にはTOPIXをアウトパフォームしなさいと。その手法として、 我が社はグロースをやりますということであるならば、そのグロースというスタイルを 選択しているのはマネーマネージャーの方がやっている。そして、その目標はあくまで もTOPIXでありますと。その手段としてグロースのファンドをつくりましたという 場合には、私は、その場合にはメルクマールはTOPIXでいいと思います。  この運用スタイルでやってくださいというふうに委託した場合で例えば、あなたはグ ロースでやってくださいとお願いをして、その上でTOPIXではかるのはおかしい。 その場合には、グロースのインデックスを使うのはいいと思います。けれど、彼らが運 用手段としてグロースがいいと思ったからグロースを選択しているという場合には、や はり委託側としてはTOPIXではかるべきだろうと思うのです。だから、委託の仕方 によってそれが決まるのであって、運用サイドがどういうスタイルでやっているから、 それに評価側が合わせるというのではなくて、あくまでも主体は委託する側が持ってい て、その委託の仕方によってベンチマークを決めるべきだと思うのです。  ですから、先ほどおっしゃったように、マネーマネージャーはこうやっているから、 それに合わせたベンチマークを使わなければいけないというのは、私は委託の主体性と いった観点からもやや賛成しがたいという感じがします。 ○大臣官房参事官  済みません、割り込んで恐縮でございますが、実際に運用機関をどのように採用し、 彼らに対してどういうガイドライン上のベンチマークの与え方をしているのかという実 態のところを、とりあえず担当から御説明させていただければと思いますが、よろしい でしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  それでは、御説明申し上げます。私どもは、運用受託機関の採用に当たりましては、 運用機関構成ということを考慮するわけでございます。つまり、国内株について申しま すと、どういうところに優秀な運用機関があるのかということで、そういう観点から運 用機関に与えるベンチマークをあらかじめ幾つか指定します。つまり、評価の基準とす るベンチマークを明示して公募するということです。  そして、そのベンチマークに適した運用スタイルを有する運用機関の中から運用能力 がすぐれているものを選んで、そしてその運用期間構成が全体としてTOPIXを安定 的にアウトパフォームできるような構図を考えるということです。ですから、今、山口 委員がおっしゃったとおり、私どもがグロースなりバリューなりのマスターベンチマー クを示して、そして運用機関を選んでいるということです。採用した運用機関が、この 社はバリューっぽいからバリューのベンチマークにしましょうと後で変えるということ ではなくて、最初にベンチマークを与えて選ぶということです。そのときに大事なのは、 運用機関構成をどうするのだという最初の設計部分なんですね。そういう状況であると いうことでございます。 ○部会長代理  ここの部分はあくまで運用機関に対し、運用ガイドライン及びベンチマークを示して いるかという、そのベンチマークについて運用スタイルに応じたベンチマークを示して いるかということで、向こうがTOPIXをベンチマークにしたいと、そしてやり方は グロースでやったり割安でやったり、あるいはふらふらしていたりと、そういう業者が 多かったということなのですが、その結果、ある年は非常に成績が悪くなる状態に陥っ ていたわけですね。  そういうことをなくすためには、スタイルをはっきりさせて、そして合意をして、ど ういうベンチマークでどういうスイタルでやってもらうか、そしてそれは勝手に動かす なと。そういうことをしないと、成績が非常に悪くなることが過去にありまして、それ は一般にもよく言われていることですので、そういう意味で、スタイルを考えた上での ベンチマークを示すべきであって、向こうがどうしても嫌だと、TOPIXでやりたい という場合には、今までもそうしておりますし、現にそうしておりますから、それは合 意しない限りは実際にはそのベンチマークは使えませんので、こちらが勝手に設定して しまうということではありません。 ○山口委員  先ほどから申し上げているのは、これは委託する側が主体的に決めることであるとい うことなんですね。ですから、マネーマネージャーが、我々が例えば「TOPIXでは かりますよ」と言って、「それじゃあ、うちはできません」と言ったら、それは採用が できないということなんですよね。ですから、マネーマネージャーはバリューしかでき ない、だからバリューではかってもらわないと困りますというときに、じゃあ、そうい うマネーマネージャーを採用するかどうかという問題があって、例えばそのときにこち ら側はTOPIXではかるのだと決めていたとしたら、そこは採用しないということに なるんですよね。  ですから、あくまでも主体は委託する側にあるのであって、マネーマネージャーがこ ういうことを標榜しているから、それに合わせるという考え方ではないということを申 し上げているわけです。 ○部会長代理  全くそのとおりでございます。そして、実際にそうしていると思います。 ○部会長  そうすると、意見の違いはないということですね。 ○部会長代理  はい、ありません。受託機関に対しどうするかということをここでは書いているわけ です。ただ、その出し方に、市場のベンチマークだけではいけないということで、スタ イルに応じたということで。 ○部会長  はい、わかりました。それでは、これもちょっと保留にさせていただきまして、もう 一つ御意見がありますので。 ○部会長代理  はい。4番目は、随意契約の見直しで一般競争入札をということですが。新しく追加 をされたところというのは、4ページですが、業務計画のところを見ますと、一般管理 費とか経費節減関連のことと、最後に、「運用委託手数料については、運用受託機関及 び資産管理機関の選定に際して、効率的かつ合理的な水準を実現する」とありますから、 これら関連しての評価の視点というふうにこの書き方は解釈できるわけですが。資産管 理機関だけであれば、その手数料率とか、あるいはパッシブの運用受託機関であれば、 その手数料率とトラッキングエラーの過去の実績とか方針とかということぐらいで、ま さに価格の競争入札で決められると思いますが、アクティブ運用の場合にはそうはいか なくて、アクティブ運用の場合に一番大事なのは定性評価のどういう基準でもって、そ れを公にして、それに合う合わないの採点をして業者を選ぶことになる思うのですが。 それも競争入札の一つのやり方で、私は前にこの部会でオーストラリアでの経験を申し 上げましたけれど、向こうの公的機関はアクティブ運用の競争入札というのをやってい て、そのときはそういう基準を非常に具体的に書いて、それに合って申請をしてきたと ころの中で採点をして業者を決めているということでした。  もしアクティブ運用についても、独立行政法人としての随意契約見直しというのが入 るのかどうか、そしてその見直しというのが一般競争入札方式でなければいけないのか どうか、その解釈にもよるのですが、もしそこまで求められているというのであれば― ―といいますのは、前にこの部会で業務方法書を説明していただきましたときに、こち らの法人ではそれも考えての規定であるとおっしゃっておられて、運用機関の採用につ いてもこれを使うという趣旨で広く入れられるような書き方であるとおっしゃっておら れたので、もしそういうお考えであるならば、それが反映するような書き方が必要では ないか。  私の指摘は、16ページの下の枠の「アクティブ運用の運用受託機関の云々」というと ころですが、そこにも追加をするという格好で入れないと、運用機関の選定について競 争入札をするという方針をちゃんと進めているかどうかという評価が、抜けてしまうの ではないかという意味でございます。 ○部会長  この点につきまして、御意見をお願いします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  それでは、現状について御説明申し上げます。  私どもは、今、委員が御指摘されました業務方法書によって、運用機関の採用の手続 を定めております。ちょっと読み上げますと、「管理運用法人は、運用受託機関の選定 については、特別の事情がある場合を除き、運用受託機関が満たすべき要件を定めて公 募を実施するものとし、予め定める運用の手法、実績、体制等に関する評価事項及び応 募者から提案された運用報酬の水準に基づく総合評価結果により行うものとする」とな っております。要は、公募であり、そして企画競争ということであるわけですよね。  そして、それを総合評価して、採用するしないを決定するということですから、これ は競争なんですね。けれど、会計上のルールではこれは一般競争入札とは言わない。一 般競争入札というのは、あくまで価格だけで競争するものを一般競争入札と言うのだと いうことです。  こういうことですから、そうすると、私どもの今行っているこういった企画競争とい うものは、分類上は随意契約となってしまうということなのですが、私どもは恣意的に やっているということではなくて、きちんと公募をして、そして企画競争で総合評価を する。その総合評価の内容につきましても、管理運用方針のなかでどういう項目につい て評価をするのかということで、投資方針でありますとか、運用のプロセスであります とか、組織・人材、あるいは事務処理体制――もちろん運用方針も入るわけでございま すが、そういったものを含めて評価をするのだということを具体的に言っております。 さらに、内部的には、そういった事柄についても具体的にもう少し詳しいものを文書化 して、恣意的にならないように、きちんとした手続で進めているということでございま す。 ○部会長  委員の方の御意見はいかがでしょうか。 ○光多委員  確認ですが、今おっしゃった総合評価方式の場合に、「公共調達の適正化について」 というこの通達の中にそれは入っているんじゃないんですか。入っていないですか。  もう一つは、総合評価方式というのは随意契約という範疇には入っていないと私は理 解していたのですが、今おっしゃったやり方、総合評価一般競争入札というのは随意契 約ではない範疇だと私は理解していたのですが、やはり随意契約という解釈でしょうか。  もう一つは、総合評価のときに、定性的な評価をするときに、その定性的な評価の項 目について識者の意見を聞くことという形でたしか運用されていると思います。ですか ら、その辺のところはどういう形で評価の項目についていろいろな意見を聞いておられ るのか。その辺について伺わせていただきます。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  お答え申し上げます。まず、私どもは、業務方法書の基本的な規定のなかで、「随意 契約によることができるものとする」という例外規定を設けております。そのなかに、 運用受託機関の採用について、今申し上げたような形で採用する場合には、それは一般 公開入札によらないことができる、「随意契約によることができるものとする」と規定 しております。要するに、業務方法書の書き方のなかで、それは随意契約なのだという 位置づけをしているということでございます。  ですから、この通達の中身を私は存じ上げませんけれど、少なくとも私どもの業務方 法書の中では、今申し上げたような運用受託機関の採用の方法は随意契約である、とい う位置づけをいたしているということでございます。  それから、評価の方法等につきましては、私どもの法人のなかに運用委員会というも のが置かれておりまして、そこでそういった評価の方法のようなことについても御報告 をし、いろいろ御意見をいただくという形で、例えば運用受託機関の採用に当たっての 部分についても、こういう形でやりましたということは御報告をする、これはこれから になりますけれど、つまり、私どもは今運用受託機関の見直しをちょうど行っていると ころなものですから、行った後にはそういった形できちんと報告をして、また御意見を いただいて改善をしていくと、このような形で進めるというのが基本的な考え方でござ います。 ○部会長  大和委員、よろしいですか。 ○部会長代理  はい。随意契約の中の位置づけということがはっきりしてあるのであれば、それでも う結構でございます。あとは、なるべく公開をするということで、特に定性評価の方法 というのは人によって解釈が随分違うと思いますから、どういう評価基準で、どういう 点数のウエイトがあるかというのは、オーストラリアなどの公的機関の公募の仕方にな っていますので、そういうことをはっきりさせるということが大事ではないかと思いま す。 ○部会長  この点については、よろしいですか。 ○部会長代理  はい、この原案のままで結構です。 ○部会長  原案のままで結構だということですね。承知しました。  もうそれで終わりでしょうか。 ○部会長代理  はい、終わりです。どうも失礼しました。 ○部会長  一部保留にしてあるのがありますが、場合によればもう一度委員会を持たなければい けないのかなと思っておりますけれど、とりあえずそのほかに委員の方々の御意見をい ただいておきたいと思います。  事前にいただいた意見だけでここまで来ましたが、山口委員、何かありますか。 ○山口委員  これは半分質問なのですが、最近、大手の証券ブローカーで不正経理の事件などが起 こりまして、証券投資の場合にそういうブローカーを使って市場にアクセスするわけで すけれど、そういった事件が起こったりした場合の扱いというのでしょうか、そういう のが受託者責任というカテゴリーになるのかもしれないのですが、余り具体的なことを 申し上げても、それはここで大体含まれているのだということかもしれないのですけれ ど、そういったことが起こったときに、公的なお金として十分国民に説明がつくような 行動をとるといったところが、どのあたりで対応していくのかと。これはどちらかとい うと質問ですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  それでは、お答え申し上げます。今御指摘の例えば証券ブローカーの不祥事のような 問題につきまして、例えば、私どもはインハウスで債券の売買を直接行っているわけで ございますが、そういったときには取引を停止するという対応を行っているということ でございます。具体的には、どういう場合にどういう対応をするのかということにつき まして、きちんと当法人内の意思決定の手続があるものですから、その手続にのっとっ て、これについては取引停止としたいとか、あるいは運用機関であれば新規資金の投入 を当分停止するとか、あるいはもっとひどい場合ですと、資金を回収する、あるいは解 約する、こういったことを法人の内部で私どもは幾つか委員会などを設けておりまして、 この問題につきましては、企画会議というものを設けておりますので、そこできちんと 議論をして、そして法人は理事長に権限が集中しますので、最終的には理事長決定によ って回収するとか、当分の間資金の配分を停止するとか、そういった形で行っていると いうことでございます。 ○部会長  山口委員、よろしいでしょうか。 ○山口委員  ここでいえば、受託者責任の徹底といったところに入る行動であるというふうに理解 してよろしいでしょうか。今おっしゃっていただいたようなことを活動として適切に実 施されたということをもし評価の視点の中で見るとしたら、それは受託者責任の徹底と いう項目の中で見ていけばいいという理解でよろしいということですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  お答え申し上げます。私どもの理解ということで申し上げますと、8ページの評価の 視点(案)の3つ目の○でございますが、「運用受託機関の選定、管理及び評価は適切 に行われているか」とありますが、運用受託機関に関しては、要するにそういった不祥 事があった場合の対応とか、あるいは運用機関の受託者責任上問題があるような事案が あった場合の対応ということでは、こういったところで評価していただけるのではない かということでございますし、それから、資産管理機関につきましても同様にそういっ た問題が起こる可能性はございまして、そこについては、16ページの一番上の○でござ いますが、「また、各社の資産管理状況を把握し、問題がある場合、必要な措置をとっ たか」とありますが、例えばこういったところで評価していただけるのではないかと、 私どもの理解でございますが、思っております。 ○部会長  そのほかに御質問、御意見はございますでしょうか。 ○光多委員  きょうはこの評価の視点ということなのですが、中期目標・計画、18年度計画、それ にあわせて大体評価の視点と書いてありますけれど、実際にこの評価の視点というとき に、大事なこととそうでないことと全部入っているわけですね。この評価の視点で実際 に評価するときには、全部をパラレルで評価するよりは、例えば18年度についてはこう いう点を重点的に評価をしますとか、しましたという話に恐らくなると思うので、これ の頭書きというのはあるのでしょうか。  といいますのは、今ごろこんなことを申し上げても遅いのですが、中期目標に準じて いるわけですけれど、それが3つに分かれているわけですね。業務運営の効率化が第2、 途中から第3で質の向上に関する事項で、第5でその他業務運営に関する重要事項とし て、一番大事なのは恐らく運用の実績だと思うのですが、そこがこれでいくとその他業 務運営という形で、その他という話になっていたりしていますが、本当は一番大事での はここなので、そうすると、この中については、例えば、全部濃淡はないのですけれど、 いずれの段階ではこの辺に重点を置いて評価します、またはしましたと、どこかでその 辺はいずれ考えるのかなというのが第1点です。  それから、今ごろこういう中期目標のところの順番を直す必要はございませんが、例 えば最後の事務所の移転のところに、職員の人事に関する計画がそこの欄に入っていて、 前の方でも職員の研修とかがありますが、最後のところでまた人事というのがあるので、 これは事務所の移転の関連で人事なのかなという感じがいたしますけれど、これは中期 目標に引っ張られているのでしょうがないかもしれませんが、そこと、全体の基本的な 考え方を何かの形で考えるのかなというのが、第1点です。  2点目ですが、先ほどおっしゃいましたけれど、運用委員会があるわけですね。そこ にいろいろな形でアドバイスいただきながらやるので、その運用委員会との関係という のは、この中では全く出てこないのでしょうか、というのが第2点です。  それから、これは意見ということではありませんが、先ほど部会長代理がおっしゃっ たことと関係しますけれど、これからこういう金利情勢になりますと、例えば為替レー トとか金利とか債権などの状況で、単年度では低いかもしれないけれど、中期的に見る とむしろ全体としては利回りが高くなる。したがって、そういう点でいくと、中期的な 視点でこういう形で運用しますと。したがって、この辺はポートフォリオの変更にかか わることかもしれませんが、その辺のことについても多分いろいろな形で仕事上議論さ れると思いますので、そういうところももしいろいろな形で成果が上げられましたら、 この中に評価も入れていいんじゃないかなという感じがいたします。 ○部会長  ただいまの意見につきまして、事務局、補足することはありますか。 ○大臣官房参事官  まず、1点目の濃淡の問題ですけれど、いろいろ複雑になっている点をどう濃淡をつ けてという御意見かなと思っておりますが、確かに項目が視点としては重複しないよう に整理はしているつもりではございますけれど、結果的に個々の評価する項目になった ときに、1つの同じ項目が幾つかの視点から評価の対象になっている部分みたいな形で 複雑になっているところがあると思いますので、評価シートを作成して御報告する際の 整理の問題として、なるべく先生方には同じような評価を何回もしていただくことがな いようなつくりを考えさせていただきたいと思います。  なお、その評価そのものは、こういう運用ですと、ことし何兆円の利益があって、利 回りが何%だったということが新聞等におきましてもどうしても注目されることであり ますが、あくまでもこの運用独法そのものは年金の長期の制度の中でこの5年間という 独法制度そのものの枠組みを活用しながらということでございますので、基本的にはそ ういう視点で物事を評価していただくということであり、そういう意味では、5年間を 達成するプロセスの中で着実に進んでいるかという観点から評価していただくために年 度計画があり、評価の視点は長期の中期目標・中期計画そのものに着目して整理したと いう方針で私どもは作成をさせていただきました。  それから、運用委員会との関係につきましては、基本的には受託者責任なり内部手続 や内部統制がきちんとできているかと、手続としまして本独法におきましては理事長の 判断に当たりまして重要な事項については運用委員会の意見を聞きながらということに なっておりますので、それらにつきましての手続、プロセス論がきちんとできているか、 あるいはそこでの議論というものが受託者責任の観点からのものを踏まえているのかと いった観点からの評価をお願いすることになるのではないかと思っております。  なお、ポートにつきましては、基本的には、特に基本ポートといったものは、2年、 3年で返っていくという考え方も中にはございますが、公的年金の運用におきましては、 基本原則は20年、30年といった運用状況を見据えて、その間、維持すべきものという位 置づけのものにしてはおりますが、その中で経済の諸般の状況が変わってくれば、それ に応じて変えざるを得ないと、それが変わったかどうかということで、制度設計そのも のを5年に1回程度見直しておりますから、その際に見直すということになろうかと思 いますので、余り頻繁に変更するということは想定されませんが、ただ、この中にも、 そうはいっても、どうしても変えなければいけないという事情があったときには、基本 ポートの見直しについて検証する必要があればそれを行うということが項目として入っ ておりますので、いろいろな研究成果につきましても、独法からの来年度以降の説明の 中で、その辺につきましての御説明もさせていただければと思っております。 ○部会長  だんだん時間がなくなってきていますが、大方の合意が得られた見直しもありますけ れど、なおいろいろ意見の分かれている点もございますので、本日の本件に係る審議は ここまでにしまして、事務局において委員会からいただきました御意見を整理、検討し た上で、改めて本部会を開催し、再度審議することにしたいと思いますが、よろしいで しょうか。      (「異議なし」の声あり)  それでは、そのようにさせていただきたいと思います。  次に、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会より、厚生労働省の評価委員会に 対していわゆる総務省の2次評価が通知されていますので、この内容を事務局より説明 していただきます。 ○政策評価官室長補佐  それでは、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会より通知されました総務省の 2次評価意見の内容について、御報告、御説明させていただきます。  お手元の資料の資料2−1が通知そのものであります。それから、資料2−2が当評 価官室の方で整理したものでございます。  この意見につきましては、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会が独立行政法人 通則法第32条第5項に基づいて行っているものでございます。委員の皆様におきまして は、平成18年8月までに取りまとめていただきました当省所管の法人に係る評価につき まして、政・独法の委員会において2次評価がなされたところでございます。  当年金部会に関しましては、個別の意見は出ておりません。当省所管の共通の事項と いたしまして、資料2−2で御説明申し上げますが、6点ほど指摘がなされております。  まず、1点目ですが、総務省の意見といたしましては、人件費削減や給与水準の適正 化の取り組み状況につきましての評価として、ここでは各法人の人件費につきまして、 平成17年12月24日閣議決定における「行政改革の重要方針」におきまして、「給与水準 の適切性等に関し厳格な自己評価を実施するとともに、総務省の政策評価・独立行政法 人評価委員会においても2次評価を行うこととし、これらの結果を公表する」とされた ことを踏まえまして、各法人における具体的な取り組み状況を業務実績報告書等で明ら かにさせた上で、厳格な自己評価を行うべきであるとされております。  こちらにつきましては、昨年3月の各部会におきまして、人件費削減について、中期 目標、中期計画について御審議をいただいたところであり、この人件費の削減につきま しては18年度からの取り組みとなっているところでございます。  2点目といたしまして、随意契約の見直しの取り組み状況等についての評価でござい ます。こちらにつきましては、各法人における一般競争入札の範囲の拡大ですとか契約 の見直し等についての評価を行うべきであるとされております。こちらにつきましても、 昨年の夏の部会におきまして、各法人、各所管課から御説明申し上げておりますが、原 則として一般競争による調達、随意契約については各独立行政法人とも国レベルの基準 を定めまして、原則として随意契約の状況を公表することになっておるところでござい ます。  3点目といたしまして、公的研究費の不適性使用等の防止に関する取り組み状況等に ついての評価でございます。こちらについては、当年金部会において該当するものはご ざいませんが、競争的資金の配分を行っている法人、または同資金を受け取っている法 人につきまして、不適性使用及び不適性受給防止等のため、総合科学技術会議が示した 指針等に沿った体制整備、ルールの整備・明確化等の取り組みについて行うべきである とされているところでございます。  4点目といたしまして、市場化テストの導入を視野に入れた評価でございますが、こ ちらについては当年金部会においては該当はなくて、当省におきましては労働部会の雇 用能力開発機構において一部導入、もしくは19年度から導入を予定しているというもの でございます。  5点目といたしまして、資産の活用状況等についての評価でございます。企業会計に おきましては既に17年度から減損会計基準が導入されておりまして、独立行政法人の会 計については原則として企業会計原則によるものとされておりますことから、18年度か ら導入されたところでございます。  ここでは固定資産の減損会計に係る独法会計基準が適法されたことを踏まえまして、 各業務の評価に際しても、法人の業務と関係した主要な固定資産について中期目標どお りのサービス提供が行われているかどうかに着目すること等について、法人が保有する 会議所や職員研修施設などの業務と直接関係しないと考えられる施設につきまして、利 用状況等を業務実績報告書で明らかにさせた上で、法人が保有する必要性等についての 評価を行うべきとされております。  最後に、6点目でございますが、非公務員化についての評価でございます。こちらに ついては、今後、中期目標期間が終了する特定独立行政法人については、閣議決定等を 踏まえて、非公務員化への取り扱い移行について、どのように取り扱われるべきか明確 になるような評価を行うべきとされております。当省所管の法人ですと、国立病院機構 のみが特定独立行政法人となっておりまして、国立病院機構については平成20年度末に 中期目標期間が終了することになっております。  以上、御報告でございます。 ○部会長  どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等が ありましたらお願いいたします。 ○光多委員  市場化テストについては、独立行政法人年金積立金はなじまないということで、話が 大体そういう形でついたということで考えてよろしいんですね。 ○大臣官房参事官  この資金運用につきまして、市場化テストの視野に入れるというお話は伺っておりま せん。 ○部会長  ほかに、御質問、御意見はございますでしょうか。  それでは、その他でございますが、昨年12月の総会にて承認をいただいた当委員会の 総会と部会の役割分担の変更について、事務局から説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  資料3をごらんいただきたいと思います。これまで、法人数の増加に伴いまして、総 会と部会で一定の役割分担を設けまして議事を進めてきていただいたところですが、こ れを昨年12月7日に開催いたしました総会での御審議を経まして、一部変更させていた だきましたので、御報告をいたします。  具体的には、組織・業務全般の見直しのような総会において御審議いただく事項につ きまして、これまでの取り組みにおきましては、他省主管の水資源機構、そして当部会 で御審議いただいております農業者年金基金につきまして、当省を主管とする法人と同 様の取り扱いとなっておりました。  これを、主管府省でございます国土交通省並びに農林水産省独立行政法人評価委員会 との審議日程の都合も勘案いたしまして、これら法人に係ります中期目標期間の最終評 価及び独法の見直しにつきましては、各部会での了承をもって総会での了承として取り 扱うこととさせていただいたところでございます。  以上、御報告でございます。 ○部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の説明につきまして、御質問、御意見は ございますでしょうか。  それでは、本日予定されておりました議事はすべて終了いたしましたが、次回の開催 等につきまして事務局からお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  閉会に当たりまして、また、委員の先生方にも日程を改めて確認申し上げてから、そ の状況を踏まえまして、部会長と相談して次回の開催の日程を調整いたしたいと思いま す。よろしくお願いいたします。 ○部会長  それでは、本日の部会はこれで終了いたしたいと思います。                                   −了−  照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電 話: 03−5253−1111(内線7784)