07/01/10 標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会 第4回議事録        第4回標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会                  議事録 ○日 時:平成19年1月10日(水) 10:00〜12:00 ○場 所:中央合同庁舎5号館7階専用第15会議室 ○議事次第 1.開 会 2.議 題  (1)「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」の見直しについて  (2)その他 3.閉 会 ○出席構成員及び専門構成員(敬称略・五十音順) (構成員)有原一江、内田健夫、漆崎育子、大江和彦、押野榮司、金川克子、河原和夫 窪寺健、小山和作、酒巻哲夫、鈴木志保子、池主憲夫、津下一代、中村健二、久道茂、 中山健夫、松田晋哉、水嶋春朔、宮崎美砂子、宮地元彦、山口鶴子、渡邊清明 (専門構成員)門脇孝、小池啓三郎、椎名正樹、島本和明、田中一哉、松田一美、水口 忠夫、峯村栄司 ○厚生労働省出席者  宮坂大臣官房審議官、上家大臣官房参事官、矢島健康局総務課生活習慣病対策室長、 勝又健康局総務課保健指導室長、金井安全衛生部労働衛生課長、梶尾保険局総務課医 療費適正化推進室企画官 ○照会先  健康局総務課生活習慣病対策室(内線2975)                                        ○矢島生活習慣病対策室長 定刻となりましたので、ただいまから、「第4回標準的な 健診・保健指導の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。 まず始めに、本日の出欠状況について御報告をさせていただきます。 井伊委員、松澤委員、吉池委員からは、御欠席の連絡をいただいております。 それでは、以降の進行を久道座長にお願いをいたします。 ○久道座長 今年最初の会議ですが、よろしくお願いしたいと思います。 前回の会合では、標準的な健診・保健指導プログラムに関して、幾つかの検討を要す る事項が指摘されております。本日は、その指摘事項等について、具体的な検討を進め ていきたいと考えております。 それでは、議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思 います。 まず、議事次第、座席表、委員名簿のほかに、資料1といたしまして「標準 的な健診・保健指導プログラム(暫定版)の見直しに係る論点」。 資料2といたしまして「特定保健指導の最低要件について(案)」。 資料3といたしまして「特定保健指導の実施者の範囲について(案)」。 資料4といたしまして「健診データの電子的管理の整備に関するホームページ」。 資料5といたしまして「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等に関する検討会にお ける検討状況」。 資料6といたしまして「後期高齢者に対する健診・保健指導の在り方に関する論点」。 参考資料1といたしまして「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」。 参考資料2といたしまして「日本消化器病学会意見書」。 参考資料3といたしまして「高齢者における生活習慣病の改善等について」。 参考資料4といたしまして「老人保健事業の基本健康診査の委託先報告」。 参考資料5といたしまして「特定保健指導のアウトソーシング先等実態調査実施要綱 (案)」。 参考資料6といたしまして「後期高齢者に対する保健事業に関する関係条文」。 参考資料7といたしまして「地域支援事業の実施について」。 参考資料8といたしまして「2次健康診断等給付の概要」でございます。 もし、不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し付けいただきますよう、お 願いをいたします。 ○久道座長 それでは、早速議事に移ります。 議題1の「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)の見直しについて」であり ますが、幾つか論点がございますので、各項目ごとに審議を進めていきたいと考えてお ります。 それでは、事務局より、最初の論点について説明をしてください。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、資料1に基づきまして、標準的な健診・保健指 導プログラム(暫定版)の見直しに係る論点について説明をさせていただきます。 最初の論点といたしましては「保健指導対象者の選定方法について」であります。 前回の検討会におきまして、保健指導の対象者が多数に上るため、効果的、効率的に 保健指導を実施するためには、保健指導の効果が多く期待できるものに限定すべきとの 御指摘を踏まえまして、階層化ワーキンググループにおいて検討いただきまして、論点 をまとめていただいております。 それでは、その資料に基づいて説明をさせていただきます。資料1「標準的な健診・ 保健指導プログラム(暫定版)の見直しに係る論点」ということで、まず「1.保健指 導対象者の選定方法について」。 「(1)ステップ1について」でございます。 (1)腹囲一定基準以上、(2)腹囲一定基準未満かつBMI25以上、(3)それ以 外のうち、(1)(2)の該当者は、(3)の該当者に比べて、予防効果が多く期待で きるため、(1)(2)の該当者を特定保健指導の対象者とすべきではないかという考 え方。 腹囲は基準以上であるが、高血圧等のリスクがない者については、リスクがあ る者と比較して、脳・心臓疾患等のリスクが低いと考えられるため、動機づけ支援では なく、情報提供としてはどうかという考え方。 「(2)糖尿病等の生活習慣病について服薬中の者の取扱い」でございます。 血圧降下剤、血糖降下剤等を服薬中の者については、主治医による指導とは別に、特 定保健指導を実施する必要があるのかという御意見。 脳卒中、虚血性心疾患、腎不全等の不可逆性の生活習慣病に罹患している者について は、医療機関において厳密な管理が必要であり、特定保健指導を実施する必要はないの ではないかという考え方。 「(3)年齢について」でございます。 若年期に生活習慣の改善を行った方が、予防効果が多く期待できると考えられるため、 若年期に重点的な保健指導を実施する方が効果的ではないかという考え方。 前期高齢者(65才〜74才)については、QOLの低下に配慮した生活習慣の改善が重 要であるという考え方。 前期高齢者では、介護予防の観点からの対策が必要となるため、介護保険法に基づき、 地域支援事業が実施されること、各学会のガイドラインでも65歳を管理を行う上での一 つの区切りとしていること等の理由から、65歳を特定保健指導を実施する上での区切り としてはどうかという考え方。 上記のことから、前期高齢者については、積極的支援の対象者となった場合でも、動 機づけにとどめておくなどの対応が考えられるのではないかという考え方です。 血圧降下剤、血糖降下剤等を服薬中の前期高齢者については、生活機能・運動機能の 低下に応じて慎重に保健指導が行われる必要があることから、医療保険者等により、特 定保健指導を実施するよりも、医療機関において適切な対応がなされることが重要では ないかという考え方。 「(4)LDLコレステロール、喫煙歴、尿酸の取扱い」でございます。 暫定版で示された階層化基準を用いた場合、メタボリックシンドロームの予備群者で あっても、大多数がLDLコレステロール等のうち1項目以上該当するため、積極的支 援となるという実態がございます。 メタボリックシンドロームの診断基準として用いられている項目と、それ以外の項目 については、重みづけを適切に行う必要があるため、LDLコレステロール等の取扱い を見直す必要があるのではないかという御意見。 「(5)質問票の取扱い」でございます。 ステップ4(質問票)については、特定保健指導対象者の選定は、血液検査等の客観 的な指標に基づき実施し、質問票については、保健指導対象者の中で、優先的に保健指 導を実施するものを選定するために用いるべきではないかという御意見。 「2.保健指導判定値及び受診勧奨判定値について」でございます。 「(1)受診勧奨判定値の取扱い」でございます。 暫定版における受診勧奨判定値は、糖尿病、高血圧、高脂血症等、各疾病の診断基準 を用いているものが多く、検査項目により判定値を超えた場合の意味合いが異なるとい う実態がございます。 血圧につきましては、安静時において測定されているか否か、中性脂肪については、 空腹時に採血されているか否かにより、大きく値が異なるなど、適切に測定が行われて いない場合には、再測定を行うことが重要ではないかという御指摘があります。 通常、軽度の異常の場合には、生活習慣改善のための指導が服薬よりも優先して行わ れるという実態がございます。 上記のことから、血圧、中性脂肪等につきましては、軽度の異常の場合(現行の受診 勧奨判定値を若干超えた場合)、医療保険者等は、受診者の健診結果を受診勧奨判定値 に機械的に当てはめ、受診勧奨とするのではなく、健診機関等の医師が特定保健指導を 優先するか否かを判断するとともに、特定保健指導を優先しない場合には、年齢等を考 慮した上で、医療機関を受診する必要性を判断し、受診者に通知すべきではないかとい う御指摘がございます。 ただし、血圧、中性脂肪等については、直ちに医療機関を受診すべき基準があること が望ましいのではないかという御指摘もいただいております。 「(2)肝機能検査に係る判定値」でございます。これは参考資料3を一緒にごらん いただきたいと思います。 済みません。参考資料の番号がずれております。参考資料2でございます。 肝機能検査に係る判定値でございますが、日本消化器病学会から、肝機能検査に係る 保健指導判定値及び受診勧奨判定値について提案をいただいております。これを用いて はどうかという考え方でございます。肝機能検査に係る判定値については、日本消化器 病学会肝機能研究班から御提出をいただきましたこの判定値、検査値、その情報提供が 必要である検査値、受診勧奨が必要な検査値というようなことで御提案をいただいてお りますので、これを用いてはどうかという考え方でございます。 ○久道座長 ここで一旦止めてください。 説明が長くなりましたので、分割して議論いたしたいと思います。 最初の項目「1.保健指導対象者の選定方法について」は、(1)〜(5)までござ います。 それから、今、説明がありました「2.保健指導判定値及び受診勧奨判定値について」 は、後で議論いたします。 したがって、最初の1項目の(1)〜(5)に関して、皆さんの御意見をいただきた いと思います。順序は不動で結構ですから、どなたでもどうぞよろしくお願いします。 いかがでしょうか。いろいろ皆さんから出された論点なので、多分いろいろ御意見はあ ろうかと思うんですが、どうでしょうか。 中村委員、どうぞ。 ○中村構成員 この論点の中で幾つか出ている、予防効果が多く期待できるという言葉 なんですけれども、ここはどんな議論がなされて多いとか少ないとかという判断といい ますか、この言葉が出てきているのか、もう少し御説明いただけるとありがたいと思い ます。○久道座長 予防効果が多く期待できるという表現は、確かにいっぱい出てきま すね。 ○矢島生活習慣病対策室長 これにつきましては、実際の事業を実施した中で、現場の 意見として、特に年齢のところに付いておりますけれども、若年期に生活習慣の改善を 行った方が予防効果が多く期待できる。 ここは、あくまでも血管の動脈硬化の進行の度合い等を考えた場合に、ある程度歳を とられて血管の動脈硬化が進行した方よりも、やはり若いころで動脈硬化の血管の変化 が出ていないときの方をやった方が、より効果が出ているということから、予防効果が 多く期待できるということで用いられております。 そういうようなことの積み重ねの中で、この中で予防効果が多く期待できると考えら れると、少し漠とした考え方ですが、そういうふうなものから使わせていただいており ます。○久道座長 よろしいですか。 ○中村構成員 できれば、数値的なものとかモデル的なものでも結構なんですけれども、 そういう情報をいただけると、それを根拠にいろいろ説明といいますか、地域でも根拠 を持って説明できますので、その辺の資料をいただけるとありがたいと思っています。 ○久道座長 データがあれば、エビデンスを出して記述してもらうということですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 わかりました。 ○久道座長 どうぞ。 ○津下構成員 健診の対象者の見直しについては、前回かなり対象者の数が多いという ことで、優先順位をきちっと示していかなければいけないということと、老人保健事業 の反省の中で、現場の裁量、受診勧奨の幅とか判定の幅が大きくなり過ぎてしまうと、 全国的に標準的な方法が担保できないということもありまして、いろいろと御検討をし ていただいたことになるかと思います。 このステップ1について、今回の特定保健指導の中身というのが、内臓脂肪型肥満の 方を対象として、リスク、内臓脂肪を減らすことで効果が得られる対象者ということで、 先ほど中村先生のお話もありましたけれども、介入研究の対象者がどういう対象者に対 して介入を実際にやって結果を出しているかということを見ますと、年齢的にも余り高 齢者を対象にした研究は少なくて、60代ぐらいまでの研究が非常に多いということも1 つ根拠になっているかと思います。 ということで、保健指導を行う上では、そういう効果が期待できる対象者に絞り込む という考え方は1つ必要な観点ですので、(1)のステップ1のところで、肥満がない 糖尿病だとか、高血圧の方に関しては、この特定保健指導ではなくて、医療管理を中心 に考えていくという考え方で整理されたということで、現場の混乱は少なくなるのでは ないのかなと思います。 (4)のところで、喫煙歴の取扱いがここではまだ十分に書き込まれてはいないので すけれども、エビデンスでという話でいきますと、喫煙というのは動脈硬化のハイリス ク因子でありますので、ニコチン依存症と考えられる方には禁煙指導、禁煙治療に移行 するような流れも、健診からの流れとして整理をしておく必要があると思います。 以上です。 ○久道座長 どうぞ。 ○門脇専門構成員 (1)に関わることですけれども、(1)(2)(3)とこれまで 議論をしてきまして、予防効果が多く期待できる、特に内臓脂肪蓄積を減らすような、 あるいは肥満を解消するような特定保健指導の効果が期待をされるのは、(1)また(2) であるということについては妥当だと思います。 したがって、(3)を今回の内臓脂肪を減らす特定保健指導の対象にすべきでないと いうことについては、私もそれでいいと思うんですけれども、かといって、受診勧奨の レベルというのはかなり高いレベルになっていますので、受診勧奨の対象にはならない、 かつ(1)(2)は満たさないけれども、血糖、血圧、脂質が高いような患者さんはい るわけで、またこの会でもそれはリスクに相当するということも議論をしているわけで すので、そこがまったく正常であると誤解をされるようなことになるとまずいと思うん です。特定保健指導の対象にはしないけれども、正常だと被験者が誤解をされないよう な何らかの対応は必要ではないかと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 本日の論点ペーパーに、今、門脇委員から御指摘をいただ きました点がまだ不十分かと思いますが、御指摘のようなことがないように、きちんと した形のところでは明確になるような形で付け加えていきたいと考えております。 ○久道座長 有原委員、どうぞ。 ○有原構成員 (2)の一番目の○につきまして、主治医の指導とは別に、特定保健指 導を実施する必要があるかという点ですが、今回の医療制度構造改革の中では、発症予 防と重症化防止ということが大きな論点であったと思うのです。私は健診とその後の指 導の中で、特に治療中の方につきましては、かかりつけ医との共働作業だと考えており ます。 ですから、適切な情報提供をいただいて、その状況で指導・支援を行い、その結果を フィードバックするというシステムをつくっていかないと、重症化防止には寄与しない のではないかと考えているところです。 ですから、その対象となる方の線引きをどうするかという問題は、今、当市でもワー キンググチームの中で考えているところですけれども、治療中の方は全く必要ないとし てしまうことについては、疑問が残ります。それが1点です。 2点目につきましては、対象年齢を65歳未満とする点につきましては、私どもとして は大いに賛成するところです。ただ、老人保健事業で一般施策として実施している場合 はよろしいのでしょうが、保険者が実施する場合については、国保税をいただいている 以上やはり形式的には平等に指導が受けられる体制をつくっておく必要もあると思いま す。実質的な不平等を招くリスクを減らす努力をして、ある部分で門戸を広げておかな いと、サービスを平等に行き渡らせるということについては問題という指摘が国民健康 保険担当課からありました。対象集団につきましての特定化とか、保健指導対象者を絞 り込むことに関しては、かなり事務サイドから、疑義が出ているというのが実態でござ います。 以上です。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 今の御指摘で、特に1番目の御指摘でございますが、治療 中の方の扱いにつきましては、特にここのところは議論をまだ深めていかなければいけ ないということがございます。 また、ここには書き切れていないのですけれども、実は医療保険者の方々からの疑義 の中に、実際に保険診療を実施している場合、診療報酬で診療報酬点数を算定している 患者さんに保健指導をやったときの診療報酬上の二重支払いのようなところの問題も併 せて解決しないとまずいのではないだろうか。要するに、現場の医療機関の方にとって も、後でまたそれは二重払いではないかということが指摘されるようなことにならない ようないろんな工夫がないと、やはり実際に診療報酬上で例えば保健指導をやっている 場合、診療報酬点数をやって保健指導をやっている場合とそうでない、これが入ってく る場合との関わりをうまくきちんと整理をしないといけないのではないだろうかという 御指摘もいただいておりますので、そういうことも含めて、ここのところはもう少し議 論を深めていかないと、答えがなかなか難しいとは思っています。 でも、大事なポイントは、先ほど御指摘がありましたように、重症化を防止するため にはどうしたらいいのだろうかという観点は、すごく大事だと思いますので、重症化す ればかえって医療費がかかるわけですから、医療費がかからないためにも、やはり重症 化を防止するという観点でどういう仕組みをつくるのが一番いいのかということは、や はり議論を深めていく必要があるのではないかと思っております。 ○久道座長 ほかにございますか。 どうぞ。 ○内田構成員 前回の議論の中で、保健師の数の予測が出ていまして、大変少ない数で 充足するんだという話が出ておりました。 今回、こういう議論が出てきた背景には、やはり基盤整備が全然進んでいない中で、 実際にこういう新しい事業を立ち上げるためには、どこまで絞り込みが必要であるかと いう背景があるんではないかと思っています。 私は、この(1)(2)(3)につきましては、こういう方向性でいいんだと思いま すけれども、本来、今回の事業の立ち上げに当たって、この事業があるべき姿としてど こまで保健指導をやるかとか、どこまで積極的な関わりを持っていくかという対象者の 把握が、もともとは対象者を制限しないで実施できれば一番いいわけでして、そこの基 盤整備が進まないために、あえてこういう形で枠をはめてきたという考えで受け止めて おります。 その中で、実際にこういう絞り込みをしたときに、前回、把握したような対象者の数 というのがどの程度絞り込まれる効果があって、それによって、例えば保健指導に関わ る人的な資源であるとか、経済的な効果であるとか、その辺のところがどの程度になる のかという具体的な数字というのは、モデル事業の中である程度把握できているんでし ょうか。○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 対象者につきまして、今、まさにこの選定方法のところの 議論を踏まえて、もう一度計算をし直さなければいけないと思っております。どの基準 を使うかによって、数が若干変わってくると思っておりますので、本日、御議論をいた だいていますような保健指導対象者の選定方法の議論を踏まえて、我々も計算をし直し て、精査をしていく必要があるんではないかと思っていますが、残念ながら、今の段階 ではまだ御質問に答えられるような数字は手元には持っておりません。 ○久道座長 ほかにございますか。 どうぞ。 ○中山構成員 (3)の年齢について、2点お教えください。 年齢を考慮した優先順位化ということは、基本的には賛成ですが、この若年期という のが、具体的には何歳ぐらいを指しているのか。40〜64歳なのか、または40代なのか。 2点目が、前期高齢者のQOLの低下に配慮した生活習慣の改善。このQOLの低下 に配慮した生活習慣の何か具体的なイメージがあればお教えください。 ○矢島生活習慣病対策室長 まず、若年期という言葉が、どちらかというと、今回の特 定健診、特定保健指導の対象者は、40〜74歳の中の若年期という意味ですので、なるべ く40歳に近いというのでしょうか、40歳代、50歳代の方がむしろ効果が期待できるの ではないかという意味で使わせていただいています。 QOLにつきましては、参考資料の中に、地域支援事業というものがございます。そ の中に、介護予防という観点がございます。この中で示されているような形で、身体活 動の低下をいろいろと予防する意味でのQOLというのでしょうか、そういうふうな考 え方です。 ○久道座長 何番ですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 済みません、参考資料3の2ポツをごらんをいただきたい と思うんです。動脈硬化性疾患治療ガイドラインの中の2つ目の○。高齢者では生活環 境、社会的環境、運動能力、生体内反応などの変化が見られ、幾つかの注意点をもって 管理する必要がある。 ライフスタイルの改善は患者の運動能力、社会的活動性を考慮した上で行わなければ ならない。 ここら辺のところは、一応、念頭に置いていただければと思いますし、先ほどの参考 資料7のところは、地域支援事業の中でもう少し具体的な中身が書かれております。 ○久道座長 ほかにございませんか。 どうぞ。 ○小山構成員 今の年齢の問題について、私も大賛成です。確かに高齢者、この度の対 象の中では65〜74歳の前期高齢者の人たちというのは、結構健康に熱心な方も多く、ち ょっと言いますと、度を越したような生活の在り方をされるので、逆に非常にQOLが 落ちた経験があります。 ですから、これは保健指導のテクニックだと思うんです。やはり、年齢もそうだし、 相手を見ながら保健指導をどうやっていくかということが非常に大事なんです。 実は私は、これには40からとなっていますけれども、もっと若く30代にしたいんで す。つまり、今の30代の人たちの生活の在り方というのは、まったくめちゃくちゃです から、本当はここを直しておかないと、この人たちがあと10年、20年経ったら、日本 はもっとメタボリックが増えてくるだろうと思うので、予防という観点から言うならば、 年齢を下の方に下ろさなければいけないと思うのです。しかし、今回は40からというこ とになっていますから、その辺のところは、今度はポピュレーション・アプローチでも って進めていかなければいかぬだろうと思います。 ですから、そのことを一応頭に入れながら、この事業を展開し、進めていただきたい なと思います。だから、40からが問題で、30代はいいんだということではなくて、本当 はもっと下が大事なんだというのを私は強調したい。更に、保健指導に当たる人はテク ニックをもう少し勉強していただいて、お年寄りでも若い人にも、つまり70代でも、4 0代でも、同じやり方ではまずいんです。これはまた後の問題かもしれませんが、そこ ら辺のことを強調しておきたいと思います。 ○久道座長 どうもありがとうございます。大事なことだろうと思います。 どうぞ。 ○漆崎構成員 対象者を絞るということで、(2)の糖尿病の生活習慣病について服薬 中の者の取扱いについての、一番上の現在服薬中のものについてはということであるの ですが、これについては、例えば治療が必要な者が未受診であったりとか、服薬を中断 とか、そういういろんなケースがこれから出てくると思うんですが、そういう意味から いくと、今、ポピュレーション・アプローチということをおっしゃいましたが、地域で 衛生部門の保健師の連携といいましょうか、その辺の活動との連携が非常に重要になっ てくるのではないかというので、その辺をこの中にどういうふうに入れるか検討してい ただければと思います。 2つ目の○で、現在、不可逆性の生活習慣病に罹患している者について、悪化予防と うことで、そういう意味では、今回の診療報酬請求の中では200 床未満の病院では、生 活習慣病予防の診療報酬ができたわけなんですが、実際には、病院、診療所等における 生活習慣病の指導というのは、これから重要になってくるんだろうと思うんです。200 床未満ですと点数が付いているんですが、それ以上については付いていないんですけれ ども、できれば今後、そこで働いている看護職等の起用をお願いして、そこの病院診療 所における生活習慣病指導の看護を起用してほしいと思っております。 ○久道座長 どうぞ。 ○内田構成員 今のお話は、この席で話す議論ではない。中医協とかその辺のマターだ と思うんです。 大病院の外来の在り方とかを検討する課題になっているわけですから、そこのところ を、今の時点で、この段階で看護師の指導がどうのこうのとか言うような話ではないと 思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 最初の漆崎委員からの御指摘のところでございますけれど も、実際に治療が必要な者について、服薬中の者についてという記述にはなっているの ですが、実際には治療が必要なのに中断をしている方についての扱いは、ポピュレーシ ョン・アプローチという御指摘もありましたけれども、今回の医療保険者の中には、今 度レセプトのデータも来るものですから、当然、健診の結果がすごく悪くて、医療機関 を受診する必要があるにもかかわらず、または1回は受診したにもかかわらず、途中で 治療を中断したということがレセプトの情報でわかることができるシステムになってお ります。 ですから、医療機関未受診者、治療中断者についても、健診のデータとレセプトのデ ータを突合して、その結果を見ながら重症化を防止するための保健指導というものがで きるのではないかと思っています。そこのところは、これからどういうふうな仕組みを やっていくと、より重症化を防ぐことができるのかということがすごく大事なポイント ではないだろうかと思っていますので、是非そこも含めてここで御議論をいただけると すごくありがたいなとは思っております。 以上でございます。 ○久道座長 ほかにございませんか。 どうぞ。 ○宮地構成員 国立健康・栄養研究所の宮地と申します。 (2)の服薬中の者、あるいはその下の罹患をしている者をどのように把握するのか ということを、お考えがあれば教えていただきたいと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 今回の健診の項目の中に、まず基本的には問診という形で 入れる方法も1つあります。これは、また問診をどうつくるかということもありますし、 問診の聞き方をどうするかということで、服薬していますか、医療機関を受診していま すかということで、問診でチェックする方法と、医療保険者の立場では、レセプトの方 から実際に医療機関を受診していて、その病名の治療をしているかどうかということも 調べることはできるかと思っております。 一応、暫定版の中では、問診の中で我々が見るということでなっております。 ○宮地構成員 「(5)質問票の取扱い」という項目がございまして、そこで対象者の 選定に質問紙を使う使わないは別問題として、保健指導対象者の中で優先的に保健指導 を実施する者を選定するために用いるべきではないか。 そうなると、保健指導の対象になった人だけ質問紙をやるということになってしまう と、その服薬の人を選定できないんではないかという懸念があったので、今、その質問 をさせていただいたんです。 ○矢島生活習慣病対策室長 済みません。そこは、この資料の書き方が不十分だったか と思いますが、あくまでも健診の中で調べる問診の中で我々は把握できる範囲ではない かと考えております。 ○久道座長 どうぞ。 ○池主構成員 年齢についての問題に関わることですけれども、参考資料4の方に出て くる健康増進法が、40歳以上の、現在、論議している場以外の対象者を網羅するように 理解出来ますが、現場の問題として、これから整理していただきたいのは、健康増進法 がカバーする部分と、今、論議している問題との整合性といいますか、つながりのよう なものをもう少し明確にしていただきたいと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 本日の資料にはそこのところはすごくわかりづらくなって いるかと思いますので、全体の流れがわかりやすいような資料を用意をさせていただけ ればと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○津下構成員 暫定版の28ページのところに、ステップ2のところでは血糖だとか脂質 のデータのほかにDとして薬剤治療を受けている場合、質問票よりというふうになって いますけれども、このステップ2で行くと治療中の人は無条件に入ってきてしまう可能 性があるんですが、今回は治療中でコントロールのいい人は当然外れるということで、 このステップ2の文言の薬剤治療を受けている者というのは外れるというふうに理解し てよろしいですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 今、そこを含めてどういうふうにしようかというところを 議論しているところであります。 ○津下構成員 なので、その薬剤治療を受けていて、この基準値に入っていないコント ロールのいい人が特定保健指導に入ってくる必要はないと考えられるので、ここのステ ップ2のところも修正する必要があると思いますけれども、いかがですかということ。 もう一つは、受診勧奨という言葉で一くくりになっているんですけれども、受診勧奨 の中には学会の基準値を超えていて、疾病レベルと考えられていても、生活習慣改善を 優先するものと薬物治療を急いだ方がいいレベルというのがあって、その生活習慣改善 を優先する部分についてはかかりつけ医との連携の下に積極的支援に入るということも 効果的だと考えられますけれども、その場合には積極的支援が終わった後に医療機関受 診をして、その結果を確認をするだとか、そういう流れも一方で必要になってくる。で すから、先ほど有原委員が言われました医療機関との連携の中で、その辺りは丁寧に記 していった方がいいのではないかと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 まず最初の質問ですけれども、今回の議論を今いただいて いるわけでございますが、保健指導対象者の選定方法についての議論をいただければ、 先ほどの暫定版の28〜29ページのところの階層化の方法は大幅な見直しが必要になる と思っておりますので、決して指摘した部分だけを直すのではなくて、多分この辺の28 〜29ページにかかる部分はかなり大幅な見直しが必要になってくると思っております し、そのときには後半で御指摘をしていただいたような、では、その治療中の人をどう するかというのは、これはまた先ほどの診療報酬のところの保健指導との兼ね合いをど うするのかという議論も見ながら、そこを少し関係の部局とも調整をさせていただきな がらやっていく必要があるのではないかと思っていますが、少なくともそういうことも 踏まえた階層化の仕方の見直しというものが必要ではないかと思っていますので、それ を踏まえた上でいろいろと御議論をしていただけるとありがたいと思っております。 ○久道座長 それでは、前に進みます。また御意見がありましたら、元に戻っても結構 ですので、御意見をいただきたいと思います。 先ほど2番目の説明がありました「保健指導判定値及び受診勧奨判定値について」の (1)〜(2)までのところについて御意見があれば伺いたいと思います。いかがでし ょうか。どうぞ。 ○内田構成員 質問です。最初のところに戻りますけれども、(4)が先ほど津下先生 の方からも指摘がありましたけれども、これはやはりちょっと踏み込みが足りないとい うことが言えると思います。2番目の○ところの「重み付けを適切に行う」とか「LD Lコレステロール等の取扱いを見直す必要がある」という点に関しては、具体的な議論 はあったのでしょうか。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 このところはまだ議論の段階なものですから、まだ途中段 階でございますが、あくまでも今回のメタボリックシンドロームの考え方で出ている肥 満の腹囲ですとかBMIの肥満、血圧、血糖、脂質のメタボリックシンドロームの基準 に入っているものと動脈硬化という形で動脈硬化性疾患のリストとして考えられるLD Lですとか喫煙ですとか、そういうものを同じようにするよりも、そこは重みづけを少 し変えるべきではないだろうかという御意見がありまして、具体的にどうするかという のはこれから議論をする必要があるのではないかと思っています。同列に扱うべきなの か。むしろメタボリックシンドロームで学会で決められた項目とそうでないものは、少 し取扱いというんでしょうか、重みづけみたいなものは若干配慮するようなことが必要 ではないかという御議論があったところであります。 ○内田構成員 それですと、2の(1)の最初の○の「検査項目により、判定値を超え た場合の意味合いが異なる」というのも同様の解釈ということでよろしいんですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 そこのところも含めて、どういうふうにするかということ がすごく大事なポイントになってくるかと思っております。 ○内田構成員 それから(1)の4番目「健診機関等の医師が特定保健指導を優先する か否かを判断するとともに」という文言があります。これは受診をしていない場合のケ ースだと思うんですけれども、先ほどから議論になっております受診をしている患者さ んに関してですけれども、その場合はやはり有原先生の方からも御指摘がありましたけ れども、医療機関と健診機関と保健指導を判断をする、そこの連携が非常に重要だと思 いますが、基本的には医療機関の方の医師の判断で、これは保健指導が非常に有効であ る。あるいは保健指導をやった方がいいというような判断があって、きちんと連携する ということが極めて大事だと思います。 ○久道座長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。「(2)肝機能検査に係る判 定値」のところはいかがでしょうか。どうぞ。 ○酒巻構成員 群馬大学の酒巻です。先ほどから医療機関とこの健診との連携というこ とを皆さんは強調されているんですけれども、私もそれには非常に賛成でして、特に異 常値ではあるけれども、医療機関としては治療の対象にならない。対象者は非常に多く て、ここのところをどのように全体のプログラムの中で連携が取れるのかというところ について、余り今まで踏み込んだ議論がなされていませんでした。例えば最終的に評価 をするときに、どの対象者を対象にこの治療は行ったか、どんな関わりをしたかが非常 に重要になってくるんだろうと思うんです。 そうすると、どんな連携を取っていくべきかということをある程度形づけておかない と、あとの評価のときに非常に困難になるということが考えられますので、是非そこの ところはうまいシステムをつくっていただければありがたいと思います。 ○久道座長 ほかにございませんか。どうぞ。 ○小山構成員 先ほどの内田先生の御意見に私も賛成なんですが、健診機関の医師とし てあえて申し上げますと、健診機関の医師も医師です。ですから、健診をした者に対す る責任は極めて大事だということを強調しておかなければいけないなと思っております。 今までがどちらかというと健診機関では検診してやりっぱなしが多く、あとは適当に医 療機関に行きなさいというような感じでやっていましたから、そうではなくて本当に行 ってもらいたい人は必ず行ってもらわないといけない。しかし、中には行かなくていい 人まで行っていて、医療機関に迷惑をかけているところが結構あるんですね。そういう ことはあってはならないというのを私は考えています。 今まで行くべき人が行かないし、行く必要がないのに行っている人がおるという不適 切な状態がまた医療費の不適切使用の問題にも関わってくると思うのです。私ども健診 機関の者として何ら反省する所があるんですけれども、健診機関の医師がもう少し真剣 に自分がやっている健診事業に対して責任を持って行かなければいけない人は行きなさ い、行かなくていい人はちゃんと保健指導を受けなさいということを言えるだけの医師 を育てていく必要があると思っております。ただ、先ほどの話のように既にかかってい る人についての話は別でございます。 ○久道座長 どうぞ。 ○門脇専門構成員 受診勧奨判定値の取扱いについてワーキンググループでかなり議論 しましたので、その結論だけ申し上げたいと思うんです。この暫定版プログラムの29 ページの数値ですね。これは保健指導対象者の選定数値と30ページのは受診勧奨者の数 値なんですけれども、例えば血糖値を見ますと保健指導対象者の場合には空腹時血糖値 110 あるいは100 ですけれども、受診勧奨者の場合には126 と差があります。 また、A1Cについても5.6 と6.1 と差がある。これについては妥当であろう。すな わち血糖値について受診勧奨が適切である。しかし、脂質については保健指導対象者の 選定と受診勧奨が全く一緒だと言うのは、そもそも矛盾をはらんでいるわけです。保健 指導対象者でやる部分と受診勧奨が一致するということは、保健指導対象者は全部受診 勧奨ということになって、この脂質値についてはもっと高いレベルに上げるべきではな いかとかいう意見が大勢でした。 また、血圧については130 の85が保健指導対象者の選定基準で、受診勧奨が140 の 90ですから差があるんですけれども、これは島本委員の御専門ですが、140 の90とい う値は少しストレスが加わったり、あるいは医療従事者の下で白衣高血圧といった現象 もあるということから、140 、90はすぐに受診勧奨というふうにすべきではないのでは ないかといったそのような議論で、血糖値と脂質、血圧については取扱いを少し受診勧 奨のレベルを変えるべきではないかという議論でした。 ○久道座長 島本委員、何か御意見はありますか。 ○島本構成員 血圧につきましては、まずガイドラインに沿いまして、160 、100 以上 は直ちに受診を勧奨する。いわゆる軽症高血圧に相当する140 〜159 、それから90〜9 9の方については一応ガイドラインでも3か月生活習慣の改善をするということになっ ておりますので、それは今回の保健指導にはめていっていいのではないか。これは高血 圧学会の理事会でついこの間確認されましたので、そのようなことで進めていただけれ ばと思っております。 ○久道座長 どうもありがとうございます。渡邊委員、どうぞ。 ○渡邊構成員 この肝機能の参考資料2なんですけれども、これは前の暫定版だと保健 指導判定値というのがあったんですが、この場合は情報提供と受診勧奨しかないんです が、これは真ん中辺がどういうふうになっているんですか。例えば前は尿酸とか血糖と か情報提供と3つに分かれているような感じだったんです。 ○久道座長 今、参考資料2ですか。 ○渡邊構成員 はい。 ○矢島生活習慣病対策室長 情報提供と書いてあるところが保健指導の対象者の判定と いう考え方になると聞いております。 ○渡邊構成員 そうですか。前の暫定版のときは検査値の判定値が分かれていたもので すから、ここは情報提供ではなくて保健指導ということでいいんですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 というふうに聞いておるようでございます。 ○渡邊構成員 わかりました。例えば暫定版の26〜27ページなどは3つに分かれていた ものですからね。どうもありがとうございました。 ○久道座長 宮崎委員。 ○宮崎構成員 少し前の議論に戻るかもしれないんですけれども、今、意見交換をして いるところで受診勧奨ですとか主治医との連携という問題がございますね。やはりこの 重症化予防という点においては、一番現場においても課題になっているところであって、 これを特定保健指導という概念の中でどんなふうに位置づくのかなというのが、私はお 話を伺っていて、新たな懸念として生じてきたところなんです。 この特定保健指導という言葉が内臓脂肪の減少に特化した保健指導プログラムという ことになってきますと、この受診を勧奨するですとか既に治療中の方がうまく治療でき ているかどうか。主治医と連携を図っていくですとか、そういった辺りの行為というの がこの特定保健指導という概念の中のどこに位置づくのかというのを明確にどこかに記 しておかないと、これが保健指導に含まないとするというふうになってしまうと、現場 の中でもしかしたらそこら辺が今なお十分行われていない現状がやはり強化されていか ないことになってしまうのではないかという懸念があるんです。ですので、どういうふ うに整理していくかというところでお願いしたいと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 多分、今回の論点のところはかなり限定的に書いているも のですから、逆にわかりにくくなってしまったところだと思うのですが、今、宮崎委員 から御指摘の重症化予防というのはすごく大事なポイントですし、今回の医療制度がま さに医療保険者の方々にこの特定健診、特定保健指導を義務づけをしていただいて、そ こでデータが健診データとレセプトデータが集まるということで、制度を担保している というものがあります。 それを前提にした上で今回の特定保健指導の議論をしているものですから、そこが見 えなくなってしまっているのだと思うんですが、御指摘の点は頭の中で我々は全部十分 踏まえた上で制度をつくっているつもりですので、その辺のところは今日の資料ではす ごく見えにくくなっているものですから、そういうところがわかるような形で整理をし た上で資料をつくらせていただければと思っております。 本日は御指摘にあった点の論点を書いたものですから、その辺のところが見えなくな って大変申し訳ないと思っていますが、一応御指摘の点は踏まえた上で制度の方はつく っているつもりであります。 ○久道座長 ほかにございませんか。どうぞ。 ○津下構成員 2点お願いします。1つは今この肝機能研究班から出された受診勧奨値 なんですけれども、ASTは納得する数字なんですがALTは内臓脂肪型肥満の方は高 率に50を超えています。そういう方々は保健指導による効果が非常に期待できる方々で すから、先ほどと同じ整理で、受診勧奨といっても生活習慣の改善を優先して、結果を 確認をするという受診勧奨であればいいかなと思いますが、50を超えたらすぐに医療機 関というと、せっかくこの内臓脂肪を減らして効果が期待できる人たちを逃してしまう ので、その辺りの取扱いを注意しなければいけないと思います。 逆にASTとかは、ほかの原因も検討しなければいけないだとかエコーとかいろんな 検査もやらなければいけないということで受診勧奨は妥当だと思うんですが、ALTが 単独で上昇している場合の取扱いについては受診勧奨の方法をもう少し丁寧に示した方 がいいのかなということを思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 また学会の関係の先生方とも、今の先生の御指摘も踏まえ まして、もう少し工夫ができる点があるかどうかを確認をさせていただいた上で、そこ のところは詰めさせていただければと思います。 ○津下構成員 もう一点なんですけれども、予防だとか重症化防止という純粋に医学的 な見地の話と保険者さんから見ると加算減算の方式でどうなるんだろうということもあ ると思うんですが、その加算減算のところで保健指導の実施率だとか内臓脂肪の減少率 だとか内臓脂肪患者さんの肥満の数というところで医療機関に受診している人たちの取 扱いはどう検討されるのか。または保険者全体で見るのか。その辺りをお願いします。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 加算減算は済みませんが、この検討会の議論の課題ではな いことになっています。逆にこの検討会で早く判定基準を決めてくれということになっ ていまして、この検討会の方で考え方が整理されれば、保険局の方の検討会の方で加算 減算、例えば今、議論になっていますのは、例えば健診の加算減算の対象としているの は健診の受診率ですとか保健指導の実施率ですとか、要するにメタボリックシンドロー ム、該当者・予備群の減少率みたいなものが一応議論のたたき台にはなっていますが、 その議論をするにしても、今のこの考え方を早く整理してほしいということになってい ますので、なるべく早く我々の方は結論を出して、そちらの方にお渡しするのが必要で はないかと思っております。 ○久道座長 ほかにございませんか。どうぞ。 ○中村構成員 関連してなんですけれども、今の受診勧奨を保健指導の中に明確に位置 づけていただきたいというのは同じ立場でございます。特にそのことにかなりの労力を 要する、また医療機関との連携に関してもかなり労力を要するということを含めて、そ の予防効果といいますか、それだけの人材を張り付けるなり予算を確保するということ を資料としていただけると、組織をつくっていくというか、行政の地域で保険者がシス テムをつくっていくときに、これだけの予防効果を上げるためには特定健診の中に、ま た受診勧奨なり医師との連携なりに労力をかける意味があるんだということも併せて御 説明する必要があると認識しています。 ○久道座長 いいですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。 ○久道座長 それでは、なければ前に進みたいと思います。これまでの議論を踏まえま して、今いろいろ御意見が出たことについては、次回までに具体的な修正案を事務局に おいてつくっていただくことにいたします。 それでは「3.詳細な健診(精密健診)を実施する要件」のところを説明をお願いし ます。 ○矢島生活習慣病対策室長 では、引き続きまして「3.詳細な健診(精密健診)を実 施する要件」のところについて御説明をさせていただきます。 心電図検査につきましては、虚血性心疾患、心肥大等を把握することが可能であるた め、対象者については、前年の健診結果において、高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満 等のリスクが複数有しているものとしてはどうかという考え方。 眼底検査については、高血圧性変化、動脈硬化性変化等を把握することは可能である ため、対象者については、前年の健診結果の結果において高血圧症、高脂血症、糖尿病、 肥満等のリスクが重複している者を既往を有する者としてはどうかという考え方。 労災保険の2次健康診断等給付では、4つのリスクをすべて有しているものを追加検 査の対象としているところでございます。 次のページでございます。健診結果の結果から、医療機関を受診する必要がある場合 には、詳細な健診についても医療機関において、必要に応じて実施することとしてはど うかという考え方でございます。 4〜5番目の保健指導につきましては、後ほど勝又室長の方から御説明をさせていた だきますので、とりあえずここまでということで御議論をいただければと考えておりま す。○久道座長 それでは、3番目のところですが、御意見はございませんでしょうか。 どうぞ。 ○津下構成員 この心電図とか眼底というのは、保健指導の中での運動プログラムを行 うときのリスクを考える上で非常に大事な検査になると思いますので、特にこういうリ スクが重なっている方では、きちんと行っていただきたいなと思っております。 また逆にリスクが全くない方で繰り返し毎年やる必要は低いという報告もあります。 また、1つ目の○の整理はいいかなと思いますが、2つ目の○なんですけれども、眼底 の検査ですが、これでは糖尿病の単独にはなっていないんですけれども、糖尿病の場合 は動脈硬化だけではなくて、網膜症、眼底出血もとらえたいので、糖尿病は単独でも眼 底検査を行っていただく方がいいのではないかと思います。 ○久道座長 これは門脇委員、何か御意見はありますか。 ○門脇専門構成員 その意見に私も賛成ですが、糖尿病の場合には基本的には受診をし ていると考えられていますので、そことの関係をどうするかという点は整理する必要が あると思います。 ○久道座長 よろしいですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 御指摘のとおりでして、糖尿病であれば治療していること が前提になりますので、そこをどうするかという整理が必要かと思っております。 ○久道座長 ほかにございませんか。どうぞ。 ○内田構成員 この記載ですと前年度に異常がなくて、今年初めて異常が出た場合には、 来年まで精密健診をしないんですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 そこのところは、また医療の受診勧奨のところとの話にな るのですが、実際に医療機関を受診していただくことによってやるという選択肢も出て くるかと思うのですが、今ここに出てきているのは健診の中で一体的にやる場合にどう するかという一つの考え方として、事前に普通の一般健診とやるときに、これだけを使 う人は一緒に一般健診のときにこの健診をした方がいいのではないかというような考え 方ですが、先生の御指摘のところは、健診結果の結果、出てきたらどうするかという話 は、また別途あるのかとは思っております。 ○久道座長 よろしいですか。 ○内田構成員 はい。 ○久道座長 ほかにございませんか。どうぞ。 ○島本専門構成員 今の高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満の項目なんですが、今つくっ ている基準でいきますと、高血圧なのか正常高値なのか、糖尿病なのか耐糖能異常なの か。その点の整理が必要かと思うんです。 ○矢島生活習慣病対策室長 判定値のところも含めて、また御相談させていただければ と思っております。 ○久道座長 ほかにございませんか。どうぞ。 ○水嶋構成員 心電図についてですけれども、先ほどの保健指導対象者の考え方と同様 で、既に生活習慣病等で治療されていて、年に何回か心電図を定期的にとられている方 はそちらの資料を有用に活用するという視点もあるかと思いますので、その医療機関で やっている検査と健診でやる検査で、どの程度情報を共有するかというところも大事な 点だと思います。 もう一点は、心電図検査の意義ですが、リスクが重複した場合にするという考え方が 基本ですが、受診者の節目となる時期、例えば5年に1回はきちんと心電図はとりまし ょうというような節目検査的な考え方も重要な点ではないのかなと思います。 ○久道座長 ほかにございませんか。それでは、また御意見がありましたら、元に戻っ ても結構ですので、とりあえず前の方に進みます。「4.特定保健指導の最低要件につ いて」をどうぞ。 ○勝又保健指導室長 それでは、資料2をごらんいただきたいと思います。「特定保健 指導の実施要件について(案)」を御説明させていただきます。 これは、医療保険者が保健指導実施者に対しまして、保健指導に要した費用などを支 払う際に、最低要件として以下のような保健指導を実施した場合に、特定保健指導とし て認められるというようなものでございまして、更に医療保険者が自前で実施する際に も同様の内容とするということで考えておるものでございます。 特定保健指導の実施要件でございますけれども、動機づけ支援につきましては、面接 による支援を個別あるいはグループでやるということと、6か月後の評価を通信でやっ ていこうというようなものでございます。 積極的支援についてでございますが、最低を3か月の支援ということにしておりまし て、初回時の面接による支援を個別あるいはグループでやる。それから個別、グループ、 それから電話とかeメールによる定期的で頻回な支援というものを積極的支援と言うよ うにしております。 電話またはeメールのみで継続的な支援を行う場合には、eメールとかファックス、 手紙等によりまして、初回面接支援の際に作成した行動計画の実施状況について記載し たもの。 それは、ページを振っていなくて申し訳ないんですけれども、最後から3ページ目の ところに、特定保健指導の支援計画の案というのが付いていると思いますけれども、こ れを最初に保健指導の対象者の方と、それから保健指導を実施する保健師等とでやりと りをいたしまして、行動目標等を立てるわけです。 その後、継続的に支援をしていくときに、次のところも例でございますけれども、行 動計画実施状況把握のためのチェックリストの具体的な例ということで2枚付けさせて いただいておりますけれども、運動とかあるいは栄養とか、そういったものをチェック をしていくという書式になっているものでございまして、こういう例を一旦手紙だとか ファックス等でいただいて、そして電話あるいはeメール等で具体的にチェックした中 身を念頭に置いて保健指導を行っていくというような支援を3回以上実施するというよ うなことが積極的支援というように考えているところでございます。 中間評価と6か月後の評価を通信あるいは直接面接をするというような中で行ってい こうということでございます。 6か月後の評価でございますけれども、これは暫定版のところにも書かれていること ですけれども、大体6か月ぐらいで、自分で生活習慣を変えていこうといたしましても、 中だるみといいますか、非常に継続が困難になる時期が6か月というようにされている わけです。その時期に体重とか腹囲とかを御自分ではかっていただいて、そしてこれか らも継続的に生活習慣を維持していこうということに使えるのではないかというような ことで、6か月後の評価というものを位置づけています。 グループ支援につきましては、グループ全体の支援と行動目標及び行動計画の作成と か、あるいは行動目標の達成状況の確認とか、評価と個別への支援の両方を含むという ことでありますし、それからグループ支援は1グループ8人以下ということで、グルー プダイナミックスを活用して対応をしていこうということでございます。 2番目に「今回の要件の位置づけ」でございますけれども、現時点では保健指導の効 果に関する研究というのは、エビデンスとして蓄積されつつありますけれども、実践レ ベルでの検証というものが不十分であるということを踏まえまして、保健指導を実施す る機関の創意工夫によりまして、有効な保健指導の提供を促進する観点から、当面は最 低限実施すべき要件のみを暫定的に設定する。 このために、将来的に高齢者医療確保法の施行後においては、保健指導実施機関によ る多種多様な保健指導の実績とか成果とか、それから蓄積・分析をする中で、最低限実 施すべき要件の評価を行いまして、有効な保健指導の要件を今後整理をしていくという ようなことで位置づけをしているところでございます。 次のページでございますけれども「III 動機づけ支援」でございます。 動機づけ支援は、初回1人20分以上の個別支援あるいは1グループ80分以上のグル ープ支援ということで位置づけております。 動機づけ支援の中身ですけれども、生活習慣と健診結果の関係の理解とか、生活習慣 の振り返りを行っていきながら、栄養、運動等の生活習慣の改善に必要な実践的な指導 を行っていく。 それから、生活習慣の振り返りを行いまして、行動目標とか評価時期について対象者 と話し合いをしまして計画を作成するということが動機づけ支援の基本的な考え方でご ざいます。 次に、積極的支援について御説明をさせていただきます。次のページをごらんいただ きたいと思います。 積極的支援でございますけれども、動機づけが終わりました後、対象者が主体的に生 活習慣の改善への取り組みに参加できるような適切な働きかけを相当な期間継続して行 う保健指導ということで位置づけております。 この検討会のワーキンググループで何回か望ましい積極的支援の在り方、理想的なと いいますか、そういった積極的支援というものはどういうものか話し合いをさせていた だきました。 その結果が下に書いてございますが、対面指導の回数でございますけれども、最低3 回以上必要であろうという御意見。 支援期間は6か月以上で、1回当たりの指導時間は個別支援で20分〜30分、グルー プ支援で80分〜90分ということで、支援内容といたしましては、初回対面による保健 指導、それから行動計画を作成し、継続的な2回の面接及び電話とかeメールを利用し た支援による生活習慣の改善の状況の確認や、新たに確立された行動の維持のために支 援とか、食生活及び運動に関して体験を通した支援というものが必要だろうということ です。 積極的支援でございますけれども、動機づけが終わりました後、対象者が主体 的に生活習慣の改善への取り組みに参加できるような適切な働きかけを相当な期間継続 して行う保健指導ということで位置づけております。 この検討会のワーキンググループで何回か望ましい積極的支援の在り方、理想的なと いいますか、そういった積極的支援というものはどういうものか話し合いをさせていた だきました。 その結果が下に書いてございますが、対面指導の回数でございますけれども、最低3 回以上必要であろうという御意見。 支援期間は6か月以上で、1回当たりの指導時間は個別支援で20分〜30分、グルー プ支援で80分〜90分ということで、支援内容といたしましては、初回対面による保健 指導、それから行動計画を作成し、継続的な2回の面接及び電話とかeメールを利用し た支援による生活習慣の改善の状況の確認や、新たに確立された行動の維持のために支 援とか、食生活及び運動に関して体験を通した支援というものが必要だろうということ です。 6か月の評価時までに月1回は何らかの形で支援をしていくことが必要だろうという こと。対面による中間評価あるいは対面による6か月後の評価というものが望ましい支 援の在り方なのではないかということでございます。 更に6か月後の評価内容及び方法といたしましては、簡便な生活習慣改善の程度を把 握したり、腹囲、体重の減少、血圧の低下の程度、それから対面による中間評価及び6 か月後の評価というものを行っていき、健康増進施設等を活用するのがいいのではない かというような御意見でございました。 次のページは、望ましい積極的支援の例を、一応流れに沿って落としたものでござい ます。 次のページをごらんいただきたいと思います。「3.特定保健指導の実施要件」。 これは、特定保健指導として見なす場合の積極的支援とはどういったものなのかとい う最低の要件を示しているものでございます。初回の面接による支援を必ず1回やりま しょう。これはほとんど動機づけ支援と同様の内容でございます。 次のページが、3か月以上の継続的な支援ということで、支援形態といたしましては、 個別、グループ、電話、eメール、それによりまして、継続的な支援に要する時間はポ イント数の合計が一応180 ポイント以上とするということで規定をしております。 支援の中身でございますけれども、積極的に関与する。先ほど別紙で説明をさせてい ただきましたけれども、御本人の生活状況のチェックというものを事前にファックス等 で送っていただいて、それに沿って電話なりあるいはeメール等で、その方の生活習慣 の実施状況というものを確認をしながら指導をしていく、そういう積極的関与タイプと いうものが支援Aでございます。 支援Bというものは、ただ単に元気で頑張っていますかと、継続をされていますかと いうような行動計画の実施状況の確認と確立された行動を維持するための賞賛とか励ま しというものを行うものを支援Bということで位置づけをしております。 それで、支援Aにつきましては、個別グループ、それから電話、eメール等で160 ポ イント加算、それぞれやっていただく。 それから、支援Bについては、20ポイントというようなことで、合計180 ポイントを クリアーした場合に特定保健指導と見なすといった考え方でございます。 次のページをごらんいただきたいと思います。 支援のポイントでございますけれども、個別支援を基本的なポイントといたしまして は、5分で20ポイントということで、最低限の介入量を10分ということにしてござい ます。 初回面接は20分でおおよそやりますけれども、次からの継続的な支援の場合には10 分ぐらいの最低限の介入量でもやっていける場合があるのではないかということで、最 低限を10分ということにしております。 グループ支援についても、10分、10ポイントということで、最低限を40分というこ とで位置づけております。 それから電話Aについては5分、20ポイント。それからeメールAにつきましては、 1往復ということで、ただ、1回メールを送って相手から返ってきたということが1往 復ではありませんで、先ほどから出しておりましたチェック項目でやりとりをいたしま して、それで指導が終わったというものを1往復ということでカウントをしていくとい うような考え方をしております。 留意点のところでございますけれども、1日に1回の支援のみをカウントするとか、 それから保健指導と直接関係のない情報のやりとりについては、そのポイントには含め ないというようなこととか、注意事項が書いてあるところでございます。 次のページが支援の幾つかのパターンを書いております。 支援パターン1は、継続的な支援において個別支援を中心としてやっていく例という ようなことでございまして、個別支援を3回やりまして、間に電話Bということで、継 続を支援するというのが「(1)支援パターン1」ということでございます。 支援パターン2は、継続的な支援において、個別支援と電話を組み合わせた例という ことで、個別支援を2回、あとは電話Aということで、中間評価等も含みまして、あと は励ましの電話をかけていただくというような形の例が載っております。 3番目が、継続的な支援において、初回で1回だけやって、あとは電話あるいはeメ ールで対応していただくというような状況のやり方もできるのではないか。対象者の種 別といいますか、年齢だとか、そういったことにもよるかと思いますけれども、どうい った支援方法を選ぶのかというのは、保健指導の実施者と対象者の方で決めていただい て対応していくということでございます。 以上が特定保健指導の実施要件についての御説明でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。どなたか御意見はございませんでしょうか。 どうぞ。 ○椎名専門構成員 健保連の椎名です。幾つか教えていただきたいと思います。んです けれども、積極的支援で「望ましい支援方法」と「最低レベルの支援」と2つ分かれた 表がございますが、最低レベルというのはわかるんですけれども、「望ましい支援方法」 の位置づけはどのように考えるのか、それが1点です。 あと、積極的でポイント制を入れたというのは、非常にわかりやすくなって大変評価 できると思うんですけれども、ただしポイントの配分、その辺にそれなりの根拠がある のかどうか、その2つをまず教えていただきたいと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○勝又保健指導室長 望ましい支援方法といいますのは、これまで市町村だとか、ある いは国保のヘルスアップ事業とか、そういったところで実際に保健師さんたちがやって こられて、そして効果を上げている中身をそれぞれワーキングの中で、これぐらいが必 要なのではないかということで出させていただいた支援方法の考え方ということでござ いまして、これから保健指導をやっていくに当たっては、こういったようなやりかたで やっていただけるのが一番ありがたいんではないかということで、ワーキングの中で出 されたものでございます。実態上、医療保険者の方々がやっていく場合に対象者がさま ざまでございますので、それで最低といいますか、実際にやっていかれるときの最低レ ベルの支援というものはこういうものであるというようなことで分けさせていただいて 表現をしたということでございます。 それから、ポイントの配分ですけれども、例えば個別支援と電話支援というところが 同じポイントというところでは、いろいろワーキングの中でも御意見も出ました。本当 に個別支援と電話Aというのが同等でいいのかというようなことをいろいろ検討したん ですけれども、実際に別紙のところでいただいていますようなチェックリスト等を事前 にいただいて、そして電話でチェック項目を確認してやっていくということであれば、 電話でやる内容と、それから個別面接でやる指導者側の動力といいますか、それは余り 変わりはないだろうというようなことで同じポイントを付けさせていただいたといった ような考え方でございます。 ○久道座長 どうぞ。 ○椎名専門構成員 望ましい支援の考え方はわかりましたが、先ほど来出ていますが、 この検討会のテーマではないんですけれども、やがて加算・減算、そういったものが適 用されてくる。そういう中で、ここで最低レベルを提示していただいてありがたいんで すけれども、費用対効果等を考えて保険者の立場から見ると、やはり最低レベルに収束 していくんではないかという感じがあります。 さはさりながら、やはり望ましい支援方法というのは、こういったものがあるのかな と思います。いずれにしても、基本的にこういったことをやることによって、データを 是非蓄積していただいて、やはりある程度エビデンスが出た段階で見直していただきた い。そんなふうに思います。 あとポイント制ですけれども、一応根拠があるというお話ですが、これは非常にわか りやすいんですけれども、ちょっと細か過ぎるのではないかと思います。ですから、こ れを導入するに当たって、もう少し大くくりにはできないか。そういったことをお願い したいと思います。 ○久道座長 これは、よろしいですね。 ○勝又保健指導室長 はい。 ○久道座長 ほかにございますか。どうぞ。 ○酒巻構成員 4のところの2つ目の○なんですけれども、特定保健指導を実施したと 見なすというのが、実際に180 ポイントと勘定されるわけですね。そうすると、中断者 等に対する扱いというのは、どのようにお考えなんでしょうか。 ○久道座長 どうぞ。 ○勝又保健指導室長 特定保健指導を実施したというようには見なさないということで す。 ○酒巻構成員 つまり、例えば100 ポイントであれば実施したと見なさないということ なんですね。 ○勝又保健指導室長 はい。 ○久道座長 中村構成員、どうぞ。 ○中村構成員 今の御質問とも関係するんですが、特定保健指導を保険者の責務として、 こういうノルマで保健指導をしなさいという考え方でやる方法もあると思うんですが、 一方で保険者としてはこういうプログラムを用意しましたので、加入者とか被保険者の 方はこれをやるかどうか、このプログラムに参加するかどうか意思決定をしてください ということで、やりますという契約をして、それで生活習慣の改善に対してサポートを する。その費用対価もいただきますと、もらっていいというお話をこの間保険局の方か らいただいたので、もらう。 その中で結果が出てくるというふうなメッセージもあっていいんではないかなと思う んですが、これだと保険者が責務というか、そういう形でノルマを達成できない。特定 保健指導として実施されていないというような形で少し責任が保険者の方に行き過ぎて いるような感じがして、一応、こういうプログラムで全部対象者に対してサポートした んだけれども、その中でサポートされる側の問題として、結局脱落したというようなこ とも評価を後にされる際に加味された方がバランスがいいんではないかと思うんですが、 どうも印象としては、これを行政サービスといいますか、今までの行政サービスが置き 換わって、保険者サービスみたいな形になっていますけれども、サービスは提供するん だけれども、契約みたいな形で一緒になってやってもらわないと、これだけのプログラ ムをやっていくということを参加者に責任を持っていただくような仕組みというか、ま たはメッセージを併せて出した方がいいような感じを受けますが、いかがでしょうか。 ○久道座長 どうぞ。 ○勝又保健指導室長 実際に保健指導の効果を上げていくという場合は、中村構成員御 指摘のように、例えば本当にポピュレーション・アプローチをミックスさせてやってい くということも必要になってくると思いますので、これは一応、ハイリスクの人たちに 対して特定保健指導を実施するための実施要件ということで限らせていただいて書かせ ていただいているということで御理解をいただきたいと思います。 今、おっしゃっていただいた内容については今後も検討をしていきたいと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○津下構成員 このワーキングに関わらせていただいたんですけれども、保健指導の実 施要件を考える上で、やはり効果がなければやる意味がないので、まず、アウトカム評 価に耐え得るような保健指導というのは何だろうかということと、かといってハードル が高過ぎて、多くのところでは実施できないと困ります。特に地域と職域は対象者が違 いますし、また年齢だとか条件も違いますので、それに合わせた方法が要るということ で、実現可能性とその効果、それから効率性だとか、いろんなことを考えなければいけ ないということがあろうかと思います。 「望ましい支援方法」というのは、現在すでにやって効果が出ているところでありま す。「最低レベル」でちゃんと効果が出るかと言われますと、ここのところは、例えば 今後、健診、保健指導の在り方が大きく変わってきて、保険者さんとして医療費の適正 化だとか、加入者の健康管理のツールとして保健指導をやるという位置づけだとか、保 険者さんからの働きかけがどう作用して、よりよい効果をより少ない介入で達成できる かということに関わってくると思いますので、実施要件の中で最低レベルの支援で効果 を出すためには保険者さんの働きかけと、保健指導を実施する機関の質の向上やポピュ レーション・アプローチ、特に、今、民間保健サービスも含めていろいろな保健サービ スが開発されてきておりますけれども、そういうものがいろいろ加わってようやく達成 できるものではないかと思います。 その点でいきますと、今回、支援期間6か月で評価を入れるとなっておりますけれど も、やはりアウトカム、保健指導の結果、ちゃんと期待する効果を出しているかどうか ということを検証していくということ。その中で実施要件を見直していくということが 必要だろうと思っております。 ですので、評価の大切さということをアウトカム評価に耐え得る保健指導を実施する んだということをまず強調したいということ。 それから、保険者さんは単にやってもらうんではなくて、保険者さんとしてどう特定 保健指導というツールを活用して、医療費適正化だとか、健康状態の改善という結果を もたらすことができるか、そのツールとしてどうこれを扱うかという観点で考えていた だけるといいのではないかと思います。 ○久道座長 どうもありがとうございました。 どうぞ。 ○有原構成員 ただ今の御意見についてですが、効果を出すためには限られたマンパワ ーの中で実施するわけですから、保健指導対象の特定化ということを、私たちとしては 考えなければいけないと思っています。 その次のステップとしまして、働きかけの細分化という作業があると思うのです。細 分化というのは、最低レベルの支援であったり、今回の望ましい支援でやあったり、多 様な選択肢があるわけで、言葉を変えれば、すぐ対応しなければいけない人、1〜2か 月後でも大丈夫だとか、3か月後でも大丈夫だとか、頻回に行わなければいけない人だ とか過去の健診歴・結果・性別等々のアセスメントを行い、モニタリングしながら実施 していくという細分化を行う必要があると思っています。 ただ、細分化する、特定化をするという時点で、効果が上がりそうだが、なかなか大 変だなと思うような集団を特定をするような状況になってきますと、先ほど挙げられま した、受診率、減少率という点のみの評価ですと、なかなか難しいかなと思っていると ころです。実際にアプローチしなければならない対象と、できるということには、へだ たりがあるのではと思うのです。示された評価の中だけで行うとしましたら、中断しそ うにもない人たちを選ぶ、易きに走るといったことが起こり得るのではないかと心配し ます。 しかし、私どもは、やはり特定化と細分化という作業をすすめ事業展開を図ろうと思 っておりますので、途中中断した人でもその人をそのままとせず、何らかの方策をとり たいと考えております。それをどういうふうに評価していくかということも併せて考え ていただかないと、保健指導担当者は疲弊してしまうのではないかという危惧を持って いるのですが、いかがでしょうか。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 まさにこの中でもよく議論があった優先順位をどういうふ うに付けるのかという考え方だと思います。限られたマンパワーの中でどういう人から やると一番効果が期待できるのかというところは、みんな見ているのだと思いますので、 ですから、よく私も保健師さんたちにお話をさせていただくのは、一番皆さんたちが評 価をされる、効果が期待できるところから優先的にやる方法を考えていただく。そのた めに、今回、メタボリックシンドロームの概念を入れることは優先順位を付けるという 意味ですごく意味があるので、今までみたく、何か闇の中で、行き当たりばったりでや っていたというよりも、優先順位が見えるわけですから、効果が期待できる人からまず やるという考え方を入れていただくということは大事ですし、その結果、中断だとか、 というのは出てくるかもしれませんけれども、まずは成果が期待できる仕組みをどうつ くるのかというのがポイントだと思っております。勿論、今、御指摘があった点は忘れ ているわけではありません。 ○久道座長 結局、科学的にきちんとやりなさいということなんですが、今、いろいろ な評価の仕方についての意見交換だと思うんですが、それですか、どうぞ。 ○津下構成員 今の点についてですけれども、評価はプログラムの117 ページにありま すように、保健指導を実際にやる方の評価と、それから保険者に対する評価とか、段階 をきちんと分けて考えてやらなければ、結論だけで保健指導実施者が評価を受けるとい うことになってはいけないと思いますので、是非段階的な評価を。そのために、保健指 導対象者については、腹囲だとか、そういうもので対象者で評価をするところから始ま って、そして保険者さんとしては全体を見てどう評価するかという段階に応じた評価と いうのが必要になってくると思うので、117 ページのところを今後どういうふうにされ るのかということを、また丁寧に議論していただければと思います。 ○久道座長 評価は非常に大事なことだと思いますので、またいずれ議論するだろうと 思います。 どうぞ。 ○内田構成員 ちょっと感想ですけれども、この委員会の委員の先生方や、あるいはモ デル事業の担当者というのは、極めて真面目に前向きに議論されている。ただ、現場で は、恐らくこれからアウトソーシングで民間事業者が参入してくるというふうになりま すと、介護保険の事例を見ましても、非常にマニュアルに乗っかって簡単に形骸化した ようなサービスの提供で料金だけはしっかり取るというふうなことに流れかねないとい うことを非常に危惧しております。 今の話の中でもございましたが、本当に指導が必要な人がドロップアウトしてしまう。 そういうもの関しては、恐らく対象者を選別するということが現場では出てくる可能性 が非常に高いというふうに考えていますので、この辺のところは保険者によるしっかり した評価、更には第三者機構をつくって保険者自体も評価するということに是非取り組 んでいかなければいけないんではないかと思います。 もう一つは、老健事業の中で健診機関に委託するということの中で、価格競争に走っ て非常に質が悪い業者にも委託が行く。そういう悪循環が起きているというのが現場で はあるわけです。そういうものに陥らないように、やはり適正な価格というのがあるの で、その辺のところの目安というのは、これは行政が関わる話ではないかもしれません けれども、保健事業者と健診担当者あるいは保健指導担当者の方の話し合いになるかと 思うんですけれども、その辺の価格を余りにも重視したことで質が伴わないということ にならないような監視機構というのが併せて必要ではないかと感じています。 ○久道座長 どうもありがとうございます。どうぞ。 ○金川構成員 繰り返しになるかもわかりませんけれども、今、内田先生がおっしゃっ た中に少し関係するんですけれども、この事業を成功させるためには、効果がわかりや すい、非常に効果が上がる対象からというような、確かにそれは非常に大事なことだと 思うんですけれども、効果を上げやすいというときに、やはり変化を起こしやすい、い ろんな行動変化を起こしやすい、非常に動機の高い方、そういうような方にかなり陥っ て、そういう人を対象にしますと、効果は非常にいいということです。 地域での保健師活動の中では、やはり必要性の高い人たちをどう変化させていくか、 そういうところも非常に大事ということですので、その辺のところの必要性というもの も上手に入れながら、単に効果が上がるような人だけを細分化してというようなことに 陥らないように是非お願いしたいと思います。 ○久道座長 それでは、前に進みます。次の論点について、説明をお願いします。 ○勝又保健指導室長 それでは、次に「特定保健指導の実施者の範囲について(案)」 ということで御説明をさせていただきたいと思います。 暫定版におきましては、保健指導を行う者として、医師、保健師、管理栄養士が中心 に担うことが望ましいということで書かれておりまして、看護師等の取扱いについては 検討ということになってございました。 今回、資料3でございますけれども、まず1番目に「特定保健指導実施者のうち保健 指導事業の統括者の範囲」ということで、これはアウトソーシングをした場合の事業者 の統括者はだれかということでございますけれども、これは保健指導の統括者というこ とで御理解をいただきたいと思いますけれども、それにつきましては、医師、保健師、 管理栄養士で、一定の研修の修了者であることが望ましいということで案を出させてい ただいております。 2番目に「特定保健指導実施者のうち初回面接、対象者の行動目標・支援計画の作成、 保健指導の評価に関する業務を行う者の範囲」といたしましては、医師、保健師、管理 栄養士ということ。 もう一つの○で書いてございますけれども、一定の保健指導の実務経験のある看護師 ということで、これは例えば労働サイドの方でトータル・ヘルス・プロモーション・プ ランの指針に基づきまして、実際に産業保健分野で働いておられる看護師を想定してい るところでございますけれども、こういった実務経験のある看護師さんについては、初 回面接等を行っていただいてもいい。 ただし、施行後5年間に限るということで、あとは医師、保健師、管理栄養士に切り 換えていっていただくというようなことが2番目の案でございます。 3番目に、特定保健指導の実施者の範囲ということで、だれが保健指導をするのかと いうことでございますが、医師、保健師、管理栄養士、その他栄養指導または運動指導 に関する専門的知識及び技術を有する者ということで、例えば健康運動指導士の方に運 動の指導をやっていただく、あるいはTHP指針に基づく運動指導の方、あるいは産業 栄養指導の方、産業保健指導に携っている担当者の方ということで、看護師さんとか栄 養士さんについては2番目のところに書いています初回面接あるいは評価とか、そうい ったもの以外の部分についての保健指導についてはやっていただくというようなことで、 今回、案を提示させていただいているところでございます。 ○久道座長 今の資料3のところの「注)一定の研修の修了者であることが望ましい」 というのは、これは全部に係るんですか、医師、保健師、管理栄養士。 ○勝又保健指導室長 暫定版のときからも一定の生活習慣病改善のための研修を受ける ことが望ましいということで、すべてに係るということでございます。 ○久道座長 御意見はございませんか。どうぞ。 ○椎名専門構成員 以前からお願いしておりました激変緩和措置、あるいは移行措置に ついて、特に看護師さんの取扱いに関して配慮していただいたようで、どうもありがと うございます。 そこで、幾つか教えていただきたいと思います。まず、1、2、3ですけれども、こ れは保険者が自前でやる場合と、外部委託してやる場合、この区別があるのか、ないの か。それをまず教えてください。 それから、1、2の注)の「一定の研修」は、同じものであるかどうか。 あと、3番の「その他栄養指導又は運動指導に関する専門的知識及び技術を有する者」 という中に、当然看護師さんは入ってくるんでしょうけれども、職種でいうと栄養士さ ん、准看護師さん、そういった職種が入ってくるのかどうか、以上です。 ○久道座長 どうぞ。 ○勝又保健指導室長 1点目の外部と自前でやる場合の区別はありません。両方とも係 るということで御理解をお願いします。 2点目の研修は一定の研修1番、2番については同じものでございます。 3点目の産業栄養指導のところは、管理栄養士さん、栄養士さんが受講を既にされて いるものでございますし、産業保健指導担当のところは、基本的には看護師、保健師が 受けておられます。THPの受講は対象が保健師、看護師ということになっております。 その他、それと同等のものというものが含まれていますが、准看護師はその中に入っ ているかどうかというのは、まだつかんでおりません。 ○久道座長 つかんでいないというのは、どういうことですか。 ○勝又保健指導室長 数値がわからないので、次回までにはそろえたいと思います。 ○久道座長 よろしいですか。 ○椎名専門構成員 准看護師さんについては、現時点では結論が出ていないと、そうい う理解でよろしいでしょうか。 ○久道座長 そうですね。 ○勝又保健指導室長 基本的にはTHPの産業保健指導担当という方については、認め ていこうという考え方でございます。 ○椎名専門構成員 現場では、特に健保組合の場合は看護師さんあるいは准看護師さん、 栄養士さんも保健指導に関わっているわけですね。その辺を是非明確にしていただけれ ばと思います。 ○久道座長 ほかにございませんか。 どうぞ。 ○酒巻構成員 3に当たっては、何らかの研修等を必要とするということはないんです か。つまり、実施者については何らかの研修等を義務づけるということはないんですか。 ○勝又保健指導室長 研修はトータル・ヘルス・プロモーション・プランの研修をお受 けになっている方も生活習慣病に特化した研修ということだけではありませんので、生 活習慣病予防に特化した研修というものも必要であると思いますので、これから研修に ついては一定の研修を受けていただくということで通知等に書き上げていくことになる と思います。 ○酒巻構成員 ということは、何らかの注釈が付くということですね。 ○勝又保健指導室長 はい。 ○久道座長 どうぞ。 ○内田構成員 一定の研修ということなんですけれども、これはカリキュラムとか、ど こが決めるものなのか。例えば我々ですと、日本医師会が指導者研修なり実務者研修な りというプログラムをつくって、それを受講すればいいのか、それとも何か決まった一 定のカリキュラムがあるのか、その辺についてお願いします。 ○久道座長 どうぞ。 ○勝又保健指導室長 別途7月のときに健診保健指導研修ガイドラインというものをつ くってございまして、3日ぐらいの研修のカリキュラムの中身とかが決まっております。 それらをもう少し中身を追加したりしまして、皆さんに御意見をお聞きしまして、そし て示していきたいと思います。 このガイドラインに沿って研修をやっていただく関係団体等については、この研修を お受けになったということで認めていくといいますか、これに沿ってやっていただくと いうような考え方でございます。 ○久道座長 その資料は、皆さんにはないですね。 ○勝又保健指導室長 暫定版にはくっついていないので、後ほどお配りさせていただき ます。 ○久道座長 どうぞ。 ○小山構成員 今の話で、一定の研修が一番問題だと私は思っているんですが、確かに プログラムがある、カリキュラムがある、それに従ってやっていくのなら、誰がやって もよろしいということになっていいのかどうかです。 今、内田先生がおっしゃったように、日本医師会でも更に看護協会や栄養士会でもや る、私共の人間ドック学会でもやろうとしています。そういうのをちゃんと認知された ところの団体がやるのは勿論よろしいんですが、全くそうではないところだってやろう としているところは、今、山ほど出てきていますので、そういうところを全部いいんだ といってしまっていいのかという気がするんですが、どうなんでしょうか。 ○勝又保健指導室長 研修ガイドラインを策定する際には、そういった辺りも明らかに させていただきたいと思いますし、今の御意見を踏まえて検討させていただきたいと思 います。 ○久道座長 今、ガイドラインはワーキンググループか何かでやっているんですが、今、 どこで決めているんですか。もうでき上がっているんですか。 ○勝又保健指導室長 はい。これから更に御意見をお伺いして、ガイドラインを確定さ せていきたいと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○池主構成員 1、2に関しては、この制度を厳密に管理していくという意味では重要 な部分なので、こういうふうに対象者を限定することも必要だと思います。3番に関し ては、これからの現場の問題として、マンパワーの問題が極めて大きな、かぎになりま す、ここは今の論議で出たように、ある一定の研修を積んだという確証があればできる だけ幅広くいろんな立場の方々を入れていくという姿勢が必要なのではないかと思いま すが、その辺はいかがでしょうか。 ○久道座長 どうぞ。 ○勝又保健指導室長 メタボの改善のための生活習慣の予防の指導ができる者というこ とになると思いますので、本日もいろいろ御意見を聞かせていただいて、今後検討とい うことになると思います。 ○久道座長 それでは、時間も大分なくなってきましたので、今、いろいろと御意見が 出ましたこと、特に特定保健指導の最低要件だとか、実施者についての範囲などについ ては更に検討を進めていきたいと思います。 事務局の方で、具体的ないろんな修正案を次回までまたいろいろと出していただきた いと思います。 どうぞ。 ○田中専門構成員 進行を妨げて済みません。これまでの議論を聞いていまして、事務 局の説明に我々医療保険者の義務化について、健康局がやっと本気で考え出してくれた なと思って、非常に意を強くしておりますけれども、1つだけ要望といいますか、先ほ ど中村構成員がポイント制のところでありましたけれども、要するにどうも保険者のス キームに傾斜しているんではないかと、もう少し被保険者サイドのことを勘案したらど うかという御発言があったんですけれども、私も全く同意見でして、今度の特定保健指 導というのは、まさに医療保険者としての役割なんです。医療保険者というのは保険料 を財源として、保険料は被保険者が出すわけでありまして、そういった事業については 保険者の責任、義務というのは当然発生しますけれども、被保険者もそれについて義務 が発生してもいいわけですね。そういう視点は大事ではないかと思います。 これは、一般衛生の行政サービスとちょっと違うところではないかと思います。だか ら、これは最終的に保険局が何らかの形で医療保険者に対してそういった整理をされる のかもしれませんけれども、そういった被保険者の義務というところにある程度視点を 置いていただくことによって、保険者サイドの事務量とか、経費面とか、そういった点 でもかなり軽減できるんではないかという感じもしています。 ただ、こういったポイント制というものが、業者委託の場合の費用の支払いという視 点だけで見ると、その被保険者の義務というところをどういったように勘案するのかと いう難しい点もあるかと思いますけれども、いずれにしろ、保険者の義務、責任という のは当然ありますけれども、被保険者についても一定の役割というものがあるという視 点をどこかに位置づけていただけたらありがたいと思っております。 ○久道座長 どうもありがとうございました。委員からの要望、御意見ということにと どめさせていただきます。 どうぞ。 ○松田専門構成員 国が示している理想的な保健指導と現場との差が縮まってきている なというのを非常に今回感じましたが、2点気になるところがございます。 1点目は、eメールの相談と文書相談の効果についてエビデンスを探しましたが、学 会等で報告されているのは、まず、母数が少ない。それから、ステージが関心期にある 方なので、当然変化が出てきているという報告はあったと思うんです。 面接相談のエビデンスの報告は非常に出ているということであれば、やはりポイント 制のポイントの加算の度合いを面接相談に多くということを今一度考え直していただき たい。 2点目は、先ほど津下構成員がおっしゃっていました117 ページの評価時期の問題で すけれども、1年後ということが117 ページでは明記されてあります。これはすごく大 事だと思います。対象者の選定で健診結果を使っていますから、当然評価でも健診結果 をアウトカムとして入れるべきだと思うので、明確に記していただきたいという2点を 強くお願いしたいと思います。 ○久道座長 わかりました。どうもありがとうございます。 それでは、説明をしていない資料がございますので、それに関連して事務局からどう ぞお願いします。 ○勝又保健指導室長 参考資料4と参考資料5について御説明をさせていただきたいと 思います。 参考資料4でございますけれども、これは以前からアウトソーシングする先、保健指 導の事業者が今後どれぐらい参入してくるのかということで状況を把握すべきであると いうような先生方の御意見がございまして、まず、老人保健事業の基本健康診査の委託 先を調査をしようということでやらせていただいたものが参考資料の4ということにな っております。 これは、すべての都道府県にお願いをいたしまして、回収率100 %でございますけれ ども、老健事業の基本健康診査をどこに委託をされているのかということでお尋ねした ものでございます。 医師会委託タイプが65.1%、健診機関委託タイプというのが27.4%というような状況 でございます。 それから、委託先別の市区町村の割合ということで見ていきますと、健診機関タイプ が一番多くて45.1%ということになってございます。 次のページをごらんいただきたいんですけれども、各都道府県内の健診機関の数とい うことで見ていきますと、245 の健診機関が老健事業の委託を受けているところでござ います。 法人別の健診機関の数ということで見ていきますと、財団法人が50.6%、医師会等が 11.4%ということになっております。 そこの245 の健診機関に対しまして、今後、特定保健指導を実施する予定があるのか どうかということでお尋ねをさせてもらいました結果、実施を予定しているというのが 39.6%、それから検討はしているけれども、まだ未定というのが28.2%というような状 況でございまして、検討はしているが未定というところが特定保健指導をやっていただ けるということであれば、67.8%が特定保健指導を実施していただけるということでご ざいます。 それで、下にありますように、実施予定あり、検討しているが、未定の健 診機関の受診者の状況。(2)番のところは、平成20年度の保健指導の対象者ということで、 これは非常に粗い数字でありますけれども、20年度に保健指導の実施率を20%というこ とで、それから動機づけと積極的支援の方々を約35%というふうに見積れば、ほぼ健診 機関で特定保健指導をやっていただければ特定保健指導の実施というのは可能なのでは ないかという、本当に粗い試算のものでございます。 次に参考資料5の方をごらんいただきたいんですけれども、これは本格的に実施をし ようということで、特定保健指導のアウトソーシング先実態調査というものを、1月12 日から約1か月間実施をしようというものでございます。 それで、調査の対象は、平成18年度において市区町村の老人保健事業の基本健康診査 を受託している事業者、あるいは18年度において企業等の事業主健診を受託している事 業者。それから、20年度から保健指導において、特定保健指導業務を行う可能性のある 事業者の方々に対して、保健指導の実施の有無あるいは事業所の事業形態、あるいは保 健指導に従事する人の人員とか、今後の採用計画、保健指導の内容というものを調査を したいと考えております。 3ページ目をごらんいただきたいんですけれども、市区町村にお願いをいたしまして、 健診機関タイプのところとか、あるいは病院、民間企業、保健師とか管理栄養士の企業 タイプというところで、いろいろつかんでおられる事業者の方に依頼文の配付をしてい ただいたり、次のページには関係団体にお願いをいたしまして、依頼をしていただくと いうようなことをやると同時に、厚生労働省のホームページにアップをいたしまして、 それで特定保健指導をやっていこうとされている方が自らホームページにアップした調 査票にアクセスしていただいて調査票に書き込んでいただこうといった調査でございま す。 以上でございます。 ○久道座長 今日は議題と説明資料がたくさんあるんですが、時間が来てしまいました。 ただいまの報告、参考資料4、それから参考資料5、5については恐らく質問があるん だろうと思いますが、今の説明だけでは不十分だと思いますので、よくごらんいただい て、次回のときにいろいろと御意見をいただきたいと思います。 ○勝又保健指導室長 済みません。一応、1月12日ぐらいからやりたいので、もし、御 意見とか御質問とかがございましたら、後ほど電話なりメール等で御連絡をいただけれ ばと思います。 ○久道座長 それは、事務局から何かアプローチするんですか。ここで今、お願いした から、何か御意見があったらお寄せくださいということですね。 ○勝又保健指導室長 はい。 ○久道座長 それでは、今日欠席している方には、別途案内をして資料を差し上げて意 見をいただくということにしてください。 それでは、資料4の説明をしていただけますか。 これは「健診データの電子的管理の整備に関するホームページ」というふうにタイト ルが書かれてありますが、これをいろいろと検討していただいておりました大江先生か ら、その進捗状況等について御報告を簡単にしていただければと思います。お願いしま す。 ○大江構成員 資料4に電子的な管理、それから電子的な流通のための細かい技術的な 情報を開示するためのホームページのコピーをお出ししております。 このホームページは1ページ目にもありますように、厚生科研の方の分担として開設 をさせていただきまして、主としてシステム開発をできる限りスムーズにしていただく ために、細かい技術的な情報をシステム開発者向けに出すのが主たる目的であります。 同時にフリーソフトウェアの開発を業者の方に依頼しておりまして、そちらの方がで き次第ダウンロードできるようにするためのホームページでもありますが、前回の検討 会でもダウンロードがどうなっているかという御質問が出まして準備中ですというお返 事をしたままになっているわけですけれども、これには事情がありまして、今日も御議 論いただいていますように、まだかなりいろいろなことが決まっていない状況でありま すし、特に実施に伴って料金請求をどのようにするかということも別途御検討いただい ているようですので、そちらの機能も織り込んだ上でダウンロードできるようにした方 が混乱を招かないのではないかという御意見もありましたので、現在、準備中という表 示にはなっております。ですが、具体的に連絡をいただければ、現時点でのホームペー ジをお知らせしてダウンロードをしていただけるようにはしてありますので、個別に御 連絡をいただいた方には適用しています。 それから、今年度は3つの県でモデル事業をしていただいていると聞いておりますが、 そちらの担当の方にはお集まりいただいて説明会を開いてソフトウェアをお渡ししたと いう状況です。 ○久道座長 どうもありがとうございます。いろいろ検討中の進捗状況について御報告 いただきました。まだ完全にはでき上がっていないということですが、いろいろと指摘 いただけるようなことがあれば、先生のところに御連絡をしていただきたいということ ですので、どうぞ、よろしくお願いしたいと思います。 ○大江構成員 1つ追加で、アクセスのURLは資料4の左下に小さくアドレスが出て おりますので、そちらにアクセスいただければと思います。 ○久道座長 tokuteikenshin.jpと書いてあるものですね。 ○大江構成員 そうです。 ○久道座長 どうぞ、よろしくお願いいたします。 大変活発な御意見をいただきましたので、大分取り残した問題がございます。それも 含めて事務局から説明がございますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 では、簡単に資料5と残ったところだけ簡単に御説明をさ せていただきます。 資料5につきましては、労働安全衛生部局で労働安全性における定期健康診断等に関 する検討会の検討状況でございまして、おめくりいただくとわかると思いますが、昨年 12月21日に行われました検討会の資料でございますので、これはこのような議論がさ れているということをお目通しいただければと思います。いろいろな健診項目等につい ての各団体からのヒアリングですとか、検討会の報告、たたき台が議論されているもの でございます。これはお目通しをいただければと思います。 先に最後の参考資料8を御説明させていただきます。 前回、松澤委員の方から2次健康診断の状況についてということで御質問がございま したので、その資料を参考資料8に付けさせていただいております。これは、本日、松 澤委員が御欠席ですので、松澤委員の方には個別に御説明をさせていただきたいと思っ ています。 最後でございますが、資料6でございます。「後期高齢者に対する健診・保健指導の 在り方に関する論点」という形で、これも簡単に御説明をさせていただきます。 基本的な考え方は、先ほど74歳までの話をさせていただきましたが、75歳以上をど うするかという考え方でございます。 ポイントは、まず、健康診査については、後期高齢者については、ここにありますよ うに、糖尿病等の生活習慣病を早期に発見するための健康診査は重要であるが、75歳未 満と同様に、保健指導を一律に実施する必要はないのではないかという考え方。 それから、75歳以上の者に対する健診項目というものは、基本的には75歳未満と同 じでいいのではないか。積極的な減量等を一律に行わないのであるのならば、腹囲につ いては医師の判断で実施する項目としてはどうかという考え方。 心電図等の医師の判断により実施する項目については、健診機関の医師が、これらの 検査の必要性を含めて、受診勧奨するか否かを判断し、受診勧奨と判断された者につい ては、医療機関において、必要な検査を実施することとしてはどうか。 後期高齢者に対する健康診査の主な目的が、生活習慣病を早期に発見して、必要に応 じて医療につなげていくということであるならば、糖尿病等の生活習慣病についてかか りつけ医を受診している者については、必ずしも、健康診査を実施する必要はないので はないだろうかという考え方です。 保健指導についても、本人の残存能力を落とさないということを考えるのであるなら ば、本人の求めに応じて健康相談、健康診断の機会を提供する体制が確保されることが 重要ではないだろうかという考え方。 4番目といたしまして、地域支援事業との関係ということで、そういうようなものを 共同で実施することが望ましいのではないだろうかという考え方でございます。 前期高齢者に対する特定健康診査についても地域支援事業における生活機能評価と共 同で実施することが望ましいのではないだろうかという論点があるかと思います。 以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございました。大分急いだ説明になりましたけれども、 このことについても次回辺りに、資料6に関する後期高齢者に関する論点は、質問やら 御意見があろうかと思いますので、そのときまで、あるいは事務局の方に御意見、ファ ックスでもよろしいですので、御意見をお寄せいただければと思います。 本日の大変活発な御意見を踏まえまして、今後は具体的な標準的な健診、保健指導プ ログラムの確定版、現在までは暫定版でいろいろ議論いただきましたけれども、確定版 に向けて作業をしていかなければならないと思います。そういうことで、今日の御意見 を貴重なものとして、また事務局にまとめていただきたいと思います。 では、簡単にお願いします。 ○山口専門構成員 39歳以下の方の健診・保健指導はどのような検討になっているのか 教えていただければと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 これについては、今回、まだ考えていませんが、基本的に は努力規定になっていますので、どういうふうにもってくるかということについては、 もう少しお時間をいただければと思っています。 ○久道座長 どうぞ。 ○酒巻構成員 ハイリスクアプローチについては、今日、ポイントを整理を示していた だいたんですけれども、ポピュレーション・アプローチについてどういうことを考えて いますか。つまり、ポイント制なり何なり評価の方法というのは何か検討されるかどう か。 ○矢島生活習慣病対策室長 ポピュレーション・アプローチにつきましては、別途どう いうふうな仕組みにするかということは、また併せて説明をさせていただければと思い ます。 ○久道座長 よろしいですね。それでは、スケジュールをお願いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 今後の日程につきましては、後日、日程を調整させていた だき、お知らせをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○久道座長 どうもありがとうございます。今日はこれで閉会とさせていただきます。 ありがとうございました。