07/01/09 労働政策審議会職業安定分科会 第43回議事録 第43回 労働政策審議会 職業安定分科会 1 日 時 平成19年 1月 9日(火)18:30〜20:30 2 場 所 厚生労働省職業安定局第1会議室 3 出席者 委 員(公益代表)            諏訪分科会長、大沢委員、大橋委員、椎谷委員、宮本委員           (労働者代表)            有村委員、市川委員、徳茂委員、成瀬委員、長谷川委員、            古市委員           (使用者代表)            石原委員、紀陸委員、山極委員、尾崎委員代理(吉免氏)       事務局  高橋職業安定局長、鳥生職業安定局次長、荒井審議官、            岡崎高齢・障害者雇用対策部長、生田総務課長、            楪葉雇用政策課長、宮川雇用保険課長、            尾形外国人雇用対策課長、菅野参事官(地域担当)、            阿部若年者雇用対策室長 4 議 題 (1)雇用保険部会報告書について(報告) (2)雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について(諮問) (3)その他 5 議事内容 ○諏訪分科会長 ただいまから、第43回の職業安定分科会を開催させていただきます。 少し遅ればせではございますが、新年明けましておめでとうございます、今年もどうぞ よろしくお願いいたします。  最初に、職業安定分科会に所属されます委員の交代、及び当分科会の下に置かれてお ります部会に所属されます臨時委員の交代がありましたので、ご報告をさせていただき ます。交代後の名簿は、お手元にご参考までに配付してあるとおりでございます。新た に当分科会の委員になられた方のご紹介をさせていただきます。職業安定分科会の労働 者代表委員でございますが、池田委員に代わりまして、全国建設労働組合総連合書記次 長の古市委員がご就任されました。どうぞよろしくお願いいたします。 (出欠状況報告) ○諏訪分科会長 議事に入ります。最初の議題は雇用保険部会の報告でございます。本 件につきましては、昨年8月に開催いたしました第40回の当分科会で中間報告をいた だきまして、引き続き具体的な内容について検討を深めていただくこととしていたもの でございます。昨年12月27日の雇用保険部会でその最終報告がまとまりました。報 告につきましては雇用保険部会の部会長、私が務めさせていただいておりました関係で、 事務局のほうからご報告をお願いしたいと思います。 ○雇用保険課長 資料1を用いて雇用保険部会の報告についてご説明させていただきま す。労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告書ということでございます。第1 の雇用保険制度の現状ですが、1として雇用保険財政の現状、2として雇用保険制度を めぐる最近の動きが記載されておりますが、ここの部分は中間報告と概ね同一の内容で すので、説明は省略させていただきます。  3頁、第2の雇用保険制度の見直しの方向です。ここの柱書きの最後にありますよう に、中間報告も踏まえさらに具体的な検討を深めた結果、直ちに着手すべき制度改正事 項について以下の結論を得たということで、1の適用から4の財政運営についてまでポ イントを絞って説明させていただきます。  まず1の適用です。これは短時間労働被保険者の被保険者資格区分をなくし、一般被 保険者として一本化すべきという指摘です。4頁の失業等給付の2の(1)の基本手当 ですが、被保険者資格の一本化に伴い受給資格要件についても一本化を図る必要がある が、循環的な給付、安易な受給を未然に防ぐことも重要であるということで、解雇・倒 産等による離職である特定受給資格者の受給資格要件を6月・月11日とし、特定受給 資格者以外の者のそれを12月・月11日以上とすべきと。なお、被保険者期間1年未 満で、いわゆる雇止めによって離職した者について、特定受給資格者とする範囲を適切 に見直すべきという記載です。  (2)の特例一時金は循環的な給付であり、その在り方について引き続き検討が必要 であるが、少なくとも一般被保険者の受給資格要件、給付内容とのバランス等を考慮し て給付水準を見直すべきと。このため給付水準を基本手当日額の30日相当分とするこ ととするが、当該給付を受ける者の現状等を考慮し、当面の間は40日相当分とするこ ともやむを得ない。これに関連して関係省庁、関係自治体とも連携しつつ、積雪寒冷地 等の地域雇用対策を推進すべきと。なお、労働者代表委員より「給付水準を維持すべき である」との意見がございました。  (3)の教育訓練給付は給付水準を一本化、費用の2割、上限10万円とするととも に、教育訓練事業者に対して不正受給事案を幇助した場合の連帯納付命令や報告義務を 課すべきと。併せて、引き続き講座の見直し等を進めるべきと。一方、当該給付を初め て受給する者については、当面の間受給要件を緩和し被保険者期間を1年とすべきとい うご指摘でした。  (4)は育児・介護休業給付です。少子化対策は我が国の喫緊の課題であるというこ とから、一般求職者給付との均衡に配慮しつつ暫定的に給付率を休業前賃金の50%の 水準に引き上げ、雇用保険制度としての最大限の対応を図ることはやむを得ない。ただ し、育児休業期間の算定基礎期間への不算入といった被保険者に係る調整規定を設ける べきと。なお、労働者代表委員より「当該算定基礎期間の不算入に係る規定の創設に当 たっては、慎重に内容を規定すべき」との意見がございました。また、期間雇用者に対 する支給要件についても、育児・介護休業法の取扱いに統一する方向で見直すべきと。 また、これに関連して育児休業の取得を促進する方策は、育児休業給付以外の手法、雇 用安定事業等も活用しつつ拡充すべきと指摘されております。  3は雇用保険三事業です。雇用保険三事業の見直し検討会、昨年7月の見直し整理案 を踏まえ、雇用福祉事業を事業類型としては廃止、ただし、個別事業については失業等 給付の抑制に資するものであり、かつ、効果的なものについては雇用安定事業、または 能力開発事業として実施することが適当と。そして、既存事業の規模を大幅に縮減し、 各個別事業については引き続き不断の見直しを行うべきだという指摘でございます。雇 用保険の被保険者となることを希望する若年者等についても、雇用安定事業等の対象と して明確化すべきと指摘されております。(2)雇用安定事業、能力開発事業については、 今後、当面以下のような雇用対策に重点を置くべきということで、ア、人口減少下にお いて、若者、高齢者、女性、障害者等、すべての人の就業参加の実現を目的とした雇用 対策の推進として(ア)〜(カ)まで、そして、イで雇用のミスマッチ縮小のための求 職者・労働者に着目した雇用対策の推進ということで(ア)〜(オ)まで記載されてい るところです。  (3)雇用安定事業等の保険料率について負担軽減をより機動的に図ることが可能となる よう、弾力条項の連続発動期間の限度2年間を撤廃すべきと。そして、この措置は平成 19年度より適用されるべきと記載されております。  4は財政運営です。(1)総論として雇用保険は必要不可欠なセーフティーネツトで あり、将来にわたり安定的に機能するよう制度の健全な運営を確保することは何よりも 重要である。その上で行政改革推進法等で指摘された課題に対応する必要があるとされ、 具体的に(2)で、これは国庫負担ですが、国庫も失業等給付に係る費用の一部を負担 しているのは、主たる保険事故である失業は政府の経済政策、雇用対策と無縁ではなく、 政府もその責任の一端を担うべきであるとの考え方によるものである。このような経緯 や雇用保険の被保険者等の期待等を勘案すると、失業等給付にかかる国庫負担の制度を 全廃することは、国の雇用対策に係る責任放棄につながり適当ではないとされています。 ただし、行政改革推進法の趣旨を踏まえ、かつ、現在の財政の状況や、従前実施した国 庫負担率の縮減方法等に鑑み、制度の安定的運営を確保できることを前提に以下のよう な措置をとることもやむを得ないということで、(1)高年齢雇用継続給付に係る国庫負担 の廃止、(2)当分の間、国庫負担を本来の負担額の55%に引き下げることとされており ます。  (3)は保険料率です。(1)大幅な料率の引下げが可能とも考え得る一方、今後の経済 情勢の動きによって給付が大幅に増加することも十分予想されることから、弾力条項に よる変更幅を±2/1,000から±4/1,000とし、毎年、前年度決算の結果を勘案の上、 必要に応じ翌年度の保険料率に、その状況、あるいは雇用・失業情勢等を適切に反映さ せることなどにより、弾力条項の適切な運営を図るべきである。また積立金については 適切な水準の確保に努めるべきである。それから、平成19年度から4/1,000引き下げ る形で発動すべきであるとされております。(2)については3の(3)の再掲ですので省略さ せていただきます。  第3は今後の課題です。(1)就業形態の多様化に対応した雇用保険の適用について今後 とも議論すべき。(2)労働政策の対象年齢との関連も念頭に置きつつ、65歳以降への対 処について今後とも検討すべき。(3)基本手当の所定給付日数や日額水準については当面 その水準を変更すべきではなく、15年改正の効果をさらに見極めるべき。(4)失業認定 等基本手当に係る制度の運用、育児休業給付等その他給付制度の運用については、実態 等を把握の上、不断に必要な改善を行っていくべき。(5)高年齢雇用継続給付については、 原則として平成24年度までの措置とし、激変を避ける観点からその後段階的に廃止す べき。なお給付内容については、当面現状維持とするべきである。また、改正高年齢者 雇用安定法の的確な施行に努める必要がある旨の記載されております。(6)育児休業給付 については雇用保険部会審議経緯、平成17年1月14日に留意すること。(7)これは再 掲ですが雇用安定事業等については既存事業の規模を大幅に縮減し、各個別事業につい て引き続き不断の見直しを行うべきであるとされたところであります。 ○諏訪分科会長 本件につきまして、ご質問、ご意見ございますでしょうか。成瀬委員 どうぞ。 ○成瀬委員 (4)の育児・介護休業給付の項に関して発言をさせていただきます。5 頁の5行目から始まる段落で育児休業及び介護休業給付、その期間雇用者の関係であり ますが、その支給要件を育児・介護休業法の取扱いに統一する方向で見直すべきである とされております。昨年の第40回の安定分科会で私から期間雇用者における休業の対 象者と休業給付を受けられる対象者の範囲とにずれがあると課題提起をしたところであ ります。雇用保険部会においてご検討いただき、今回統一方向で見直しを打ち出された ことについては、部会の委員をはじめ、関係各位に感謝申し上げたいと思っております。 その上で、将来的な課題も含め今後の施策の推進について3点ほど要望を申し上げたい と思います。  1つは、4頁の下から2行目に「暫定的に給付率を休業前賃金の50%の水準に引上 げ、雇用保険制度としての最大限の対応を図ることはやむを得ないものと考える」とさ れている箇所に関連するものです。暫定的とはいえ、育児休業の給付率が引き上げられ ることは、私どもとしては大いに歓迎したいと思っておりますが、雇用保険制度として の最大限の対応や、やむを得ないなどの表現からも読み取れるとおり、本来的には参考 資料の52頁の第2段落に記載されておりますとおり「育児休業期間中等の所得保障の在 り方については、雇用保険制度以外の制度で対応することも含め関係部局において検討 することが適当である」と。これは私も考えておりますので、健康保険における出産手 当金や出産育児一時金などと一体的な制度とすることも含めて、然るべき場で総合的な 検討を今後ともよろしくお願いしたいと思っております。  2つ目は、5頁の上から9行目「育児休業の取得を促進する方策を育児休業給付以外 の手法(雇用安定事業等)も活用しつつ拡充すべきである」とありますが、これについ ては育児休業給付に上乗せの賃金保障を行った企業への助成金、及び育児の短時間勤務 をした労働者の賃金減額分に対する賃金保障を行った企業への助成金が創立されるとい うふうにも聞いておるところです。これらの助成金創設に当たっては、短時間勤務者が 働くことへのモチベーションをなくすことがないよう、言い換えれば、たとえ短時間勤 務であっても働くことへのインセンティブが働くよう、育児休業者と短時間勤務者の所 得保障がされた後の所得が逆転しないように、助成金の制度設計をよろしくお願いした いと思っているところです。  3点目は、この育児休業給付に上乗せの賃金保障を行った企業への助成金についてで あります。男性は子が産まれてからすぐ育児休業を取得できるわけですが、女性は8週 間の産後休業、あるいは6週間の産後の強制休業期間があけてからしか育児休業を取得 できません。これは制度上可能なのかどうかは分かりませんが、このように育児休業を 取得できる期間が男女で異なることも踏まえつつ、かつ、産後休業と育児休業の所得保 障が逆転することのないよう、産後休業、できれば産前・産後休業の期間の出産手当金 に上乗せの賃金保障を行うことも助成の対象に含めることができないか、そうすること で産前・産後休業の賃金保障を奨励することができないか。制度が違うので非常に困難 かもしれませんが、併せてご検討をお願いしたいと思っておるところです。今後の将来 的な課題も含めての要望になりますが、今後の施策の中でご検討をお願いしたいと思っ ております。 ○諏訪分科会長 雇用保険課長。 ○雇用保険課長 ご要望ということですので現時点でのコメントをさせていただきま す。まず1点目、今後の育児休業期間中の所得保障の在り方について、雇用保険制度以 外の制度で対応することも含め関係部局において検討することが適当である、という雇 用保険部会審議経緯については、本日の報告の中の「今後の課題」の(6)にも明記されて おりますように、改めて留意すべきことが指摘されている点も踏まえて、適切に対応し ていくべきものと考えているところです。  2つ目の助成金については、先ほどお話がありました、ある制度をとったことによる 働くことへのモチベーションが阻害されないような形、インセンティブが働くような形 での制度設計というものへ留意いただきたいという点については、できる範囲で検討さ せていただきたいと思っております。  3つ目の健康保険などによる産前・産後休業期間中におけることについては、現在産 後休暇中の所得保障は3分の2となっていること、それと雇用保険による育児休業が今 後増えたとしても50%であることを考えれば、今のところ上乗せ給付制度の中で、そ この部分を対応するのはなかなか困難な面があろうかと思いますが、その辺も含めて、 全体として考えていくべきところは考えていきたいと考えております。以上、現時点で のコメントをさせていただきました。 ○諏訪分科会長 ほかにいかがでしょうか。ほかに特にございませんか。それでは、当 報告については雇用保険部会の報告として了承いたしたいと存じますが、よろしゅうご ざいますでしょうか。 (異議なし)  では、次の議題に移ります。次は雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について です。本件については前回の分科会でご説明し、ご了解を得たとおり、ただいまの雇用 保険部会の報告書を踏まえまして、本日付で厚生労働大臣からの諮問を受けております ので、これについてご審議をお願いしたいと思います。初めに事務局から説明をお願い いたします。 ○雇用保険課長 資料2を用いて雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱についてご 説明いたします。別紙第1、雇用保険法の一部改正から説明いたします。1、被保険者 資格区分の改正です。これは短時間労働被保険者とそれ以外の被保険者の区分を廃止し、 被保険者資格を一本化するということです。これに併せて、2、基本手当の受給資格要 件の改正で、離職が倒産等に伴うもの、あるいは解雇その他で離職した者について、離 職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上であることとし、それ以外のも のについては離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上であることと し、被保険者期間の計算については、1月間に賃金の支払いの基礎となる日が11日以 上である期間を1カ月として計算するという内容です。  3は特例一時金の改正です。支給額を基本手当の日額の30日相当分とすること。た だし、当分の間は基本手当日額の40日相当分とすることです。4は教育訓練給付の関 係です。(1)偽り、その他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者と連帯して、 不正受給額の返還、あるいは納付額の納付を命ぜられる対象として、偽りの証明等をし た教育訓練を行った者を加えるものとする内容です。また、報告徴収の対象に教育訓練 給付に係る教育訓練を行う者を加えるものです。(3)は受給資格要件の暫定措置です。 当分の間、教育訓練給付を受けたことがない者に限り、支給要件期間が1年以上あれば 支給を受けることができるものとするものです。  5は育児休業給付の改正です。まず最初に育児休業基本給付金の支給と基本手当に係 る算定基礎期間の算定の調整です。育児休業基本給付金の支給を受けた期間については、 基本手当の所定給付日数に係る算定基礎期間の算定から除くものとするものです。2は 平成22年3月31日までに、これは「子ども・子育て応援プラン」が平成21年度ま でのもの等を踏まえてこうしておりますが、育児休業基本給付金の支給に係る育児休業 を開始した被保険者については、職場復帰給付金の額を支給日数に休業開始時賃金日額 の20/100(現行10/100)に相当する額を乗じて得た額とするということです。  6は雇用保険三事業です。1、雇用福祉事業を廃止すること。2、雇用安定事業等の 対象として被保険者になろうとする者を規定するものです。7は国庫負担の改正です。 1、高年齢雇用継続給付に要する費用に係る国庫負担は平成19年度から廃止するもの とする。2、暫定措置で失業等給付に要する費用に係る国庫の負担額は、平成19年度 以降、当分の間については国庫が負担すべきこととされている額の55/100に相当する 額とするものです。  第2は労働保険徴収法の一部改正です。1は失業等給付に係る弾力条項の関係です。 労働保険特別会計の雇用勘定の積立金の状況による失業等給付に係る雇用保険率の変 更、いわゆる弾力条項については毎年度判断し、基本の雇用保険率から4/1,000(現行 2/1,000)の範囲で行うことができるものとすること。また、厚生労働大臣は、その変 更に当たって失業等給付の支給に支障が生じないようにするために、必要な枠の積立金 を保有するために配慮する旨の規定を設けるものです。  2は三事業に係る弾力的変更の制限の廃止です。雇用勘定の雇用安定資金の状況によ る三事業に係る雇用保険率の変更についてです。雇用保険率が変更されている期間内の 当該雇用安定資金の状況も含むものとして、当該変更されている期間に係る変更も行う。 これにより弾力条項の連続発動期間の限度2年間を撤廃するものです。  3は「その他」です。施行期日は平成19年4月1日。ただし、給付関係については 平成19年10月1日から施行するものとするものです。また、必要な経過措置と所要 の規定の整備等を行う内容です。改正法案要綱については以上です。 ○諏訪分科会長 本件について、ご質問、ご意見等ございますでしょうか。特にござい ませんでしょうか。それでは、この法律案要綱については、まず当分科会の雇用保険部 会で議論をしていただき、その結果を当分科会にご報告いただくということで進めさせ ていただきたいと思います。そのような処置でよろしゅうございますでしょうか。 (異議なし)  ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。次の議題に移りま す。その他ですが、事務局からご説明をお願いいたします。 ○総務課長 雇用対策法と地域雇用開発促進法の関係です。これについてはいま法制局 で法案の審査をしていただいております。それが固まりませんと法案要綱としてお示し するのは難しいと考えています。19日に基本問題部会を開催する予定になっており、 そこで法案要綱についてご議論をいただき、その結果を踏まえて、当分科会でご議論を いただくというスケジュールでいきたいと思っております。22日の分科会で、基本問 題部会でご議論をいただいた結果をご報告してご議論をいただくということにしたいと 考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○諏訪分科会長 この点について、何かご質問、ご意見はございますか。それでは雇用 対策法及び地域雇用開発促進法の改正については、まず雇用対策基本問題部会において ご議論をいただいた上で、当分科会で議論することとさせていただきます。  ほかに何かございますでしょうか。雇用保険課長、どうぞ。 ○雇用保険課長 資料3の船員保険制度の見直しに関してご説明申し上げます。5頁以 降に船員保険事業運営懇談会の報告書の抜粋したものを提出しております。これについ ては船員労使、あるいは一般労使及び公益委員が参画をしていただきました「運営懇談 会」において、船員保険制度の見直しについてまとめたものの報告が12月21日に取 りまとめられたところです。それを踏まえ、次期通常国会に関係法律の改正法案を提出 する予定となっております。その中に雇用保険関係の改正部分もあります。次回の分科 会にその雇用保険改正関係部分について諮問させていただく予定ですが、この内容につ いても、事前に要綱について雇用保険部会においてご議論をいただく予定をしており、 その報告を踏まえ諮問をしたいと思っております。  なお諮問の主な内容ですが、資料3の10頁の第3に具体的な見直しの方向とありま す。まず1つは雇用保険の適用範囲についての見直しです。(1)の総論にありますよ うに、現行制度では、船員保険においては船員法で規定する船員を被保険者とする一方、 雇用保険においては船員保険の被保険者は適用除外としているわけです。船員保険の失 業部門を雇用保険へ統合すると。これに伴い、これまで船員の被保険者のうち失業部分 が適用されていた船員については、すべてこれは雇用保険の適用対象とすべきというこ とがこの結論です。このような形での雇用保険法の改正ということが行われるようにし てございます。  また、船員に関する雇用保険の適用範囲についての必要に応じての特例は設ける予定 ですが、適用範囲については、法律上のものについてはない形になるのではないかと思 っております。ただ、船員については、一部漁船などについて船員保険の被保険者とし ない扱いもしておりますので、それも踏まえ行う予定になっております。  あと、給付などについては、この報告の中では14頁以降に記載されております。雇 用保険の給付については、船員保険の失業部分の給付と概ね内容が一致しております。 一部60歳、あるいは65歳の取扱いもありますが、概ね雇用保険に合わせていくと。た だ必要な特例などについては、政省令あるいは運用などにより対応するものがあります。 それから失業認定の実施体制についても、現行どおり地方運輸局などを関与させるとい う形での対応が必要になります。  もう1つ、20〜21頁に経過措置が載っております。21頁の(3)に雇用保険へ の統合に伴う被保険者期間の通算が記載されております。ここにありますように船員保 険の被保険者であった期間も雇用保険の被保険者期間に通算させることが適当である、 このため失業部門の被保険者であった期間を雇用保険の被保険者であった期間とみなす という経過措置を設け、その結果、20頁の2の経過措置の(1)の失業部門の移換金 という所がありますように、こうした通算を行うなどのものを考慮して失業部門の移換 金、これは予算措置ですが、そういうものを定めていくということが必要になっていく と。このような形のものを法手続上、経過措置を作るという内容になろうかと思ってお ります。概ね内容的には以上のようなものです。  これも先ほど申し上げましたように、次回の分科会に、この点についても諮問させて いただく予定であり、事前に雇用保険部会においてご議論をしていただくという内容で す。 ○諏訪分科会長 何かご質問、ご意見はございますか。それでは船員保険制度の見直し に伴う雇用保険法の改正案要綱については、まず雇用保険部会においてご議論をいただ いた上で当分科会で議論をするということにさせていただきます。本日の議題は以上で ございます。  年の始めでもございますし、何かご意見なり、ご要望なりがありましたら、お出しい ただきたいと思います。よろしゅうございますか。特にないようでしたら本日の分科会 は以上をもちまして終了させていただきます。  次回は1月22日(月)の17時半から、この職業安定局第1会議室で開催をいたし ます。 (署名委員指名)  では、本日の会議は以上をもちまして終了させていただきます。どうもありがとうご ざいました。                        (照会窓口)                        厚生労働省職業安定局総務課総務係                         TEL:03-5253-1111(内線 5711)