資料No.6−2

たたき台となる論点整理表

(表示対象工具)

1-1 振動を発する工具等すべてを表示の対象とすることが望ましいが、本検討会では、従来の2時間限度を見直し、表示された振動値からA(8)を算出し作業時間管理を行っていく方向性であることから、対象をある程度具体化し、先ずは、昭和50年10月20日付け基発第608号及び第610号の指針の対象となる工具類(いわゆる作業時間1日2時間規制の対象となる工具類。昭和57年3月27日付け労働省労働衛生課長内かんで指針対象工具に準じるとされる工具を含む。)を、表示対象工具と位置づけるとともに、新たな知見により必要な見直しを行うとしてもよいか。なお、振動値が2.5メートル毎秒毎秒未満の工具であっても、その旨を表示するものとすることでよいか。

(表示すべき振動値を測定するにあたり準拠すべき規格等)

2-1 表示すべき振動値を測定するにあたり準拠すべき規格は、工具ごとにJIS B7761−2(以下の測定規格の対象とできない工具の場合)、JISB7762、ISO22867、EN50144、EN60745とする。ただし、単軸測定を規定している規格であっても、原則として3軸同時測定(又は3軸順次測定)を行うものとする。こうして得られた周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値(αhv。単位:メートル毎秒毎秒)を表示するものとすることでよいか。

2-2 「チェーンソーの規格」に基づきすでに測定されているチェーンソー等については、改めて、ISO22867に基づく測定を必要とせず、一定の換算方法を示し、これにより計算で3軸合成値相当値を求めることを可とし、また、チェーンソー以外においても、すでに単軸測定したデータがある工具については、同様に一定の換算を行うことを可とすることでよいか。(なお、これらは、工具本体への表示制度が開始される前に製造されたものに限るものとする。)

2-3 表示される騒音値については、低騒音工具を選択するにあたり有用な情報ではあるが、騒音は振動と異なり作業環境に左右され、また、作業現場において工具が単独で使用されることは少ないことから、騒音にその騒音値をそのまま作業管理のために用いることは適当でなく、騒音値の測定・表示は推奨するものの、必ずしも必須としないこととしてもよいか。

(作業時間管理等)

3-1 表示対象工具であって表示される振動値が2.5メートル毎秒毎秒以上のものを取り扱う業務を、作業時間管理をはじめとする作業管理の対象とする。ただし、2.5メートル毎秒毎秒未満のものであっても、1日の作業時間を8時間以下とする必要がある、なお、4時間以下とすることが望ましい、とすることでよいか。

3-2 表示された振動値が2.5メートル毎秒毎秒以上の工具を取り扱う場合は、原則として、この表示された3軸合成値からA(8)を算出するものとすることとしてよいか。

3-3 EU指令の振動ばく露対策値2.5メートル毎秒毎秒、振動ばく露限界値5メートル毎秒毎秒の考え方を取り入れ、A(8)が2.5メートル毎秒毎秒以上となる場合は、作業時間管理をはじめとする作業管理を実施することとし、A(8)は5.0メートル毎秒毎秒を上回って作業させてはならないものとする。なお、「チェーンソーの規格」の適用を受けるチェーンソーを除き、当面は、絶対値の許容限度は設けないものとすることでよいか。

3-4 表示される振動値が2.5メートル毎秒毎秒以上の工具を取り扱う業務であって、A(8)が2.5メートル毎秒毎秒以上5メートル毎秒毎秒以下の場合、作業時間を除く作業管理は、昭和50年10月20日付け基発第608号及び第610号の指針に基づく対策を講じるものとすることでよいか。なお、併せて、A(8)を2.5メートル毎秒毎秒以下に近づけるよう、作業時間の抑制及び低振動工具の選択に努めるものとすることでよいか。

3-5 本検討会においては、EUの規制及び考え方等を踏まえ、A(8)=5メートル毎秒毎秒を限界値(上限値)、A(8)=2.5メートル毎秒毎秒を対策値とすることが適当と考えるが、日本産業衛生学会等においても、現在は、暫定ではあるが、許容基準等が検討されており、今後も、適宜、内外の情報、知見について注意しておくことが必要としてよいか。


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