06/12/20 中央社会保険医療協議会          第9回診療報酬改定結果検証部会議事録  (1)日時  平成18年12月20日(水)12:03〜12:47 (2)場所  第一ホテル東京 4階 「プリマヴェーラ」 (3)出席者 遠藤久夫部会長 土田武史委員 室谷千英委員 小林麻理委員       白石小百合専門委員      <事務局>      水田保険局長 白石審議官 原医療課長 石原調査課長 他 (4)議題  ○ 平成18年度診療報酬改定の結果の検証について (5)議事内容 ○遠藤部会長 それでは、委員の皆様、全員おそろいになりましたので、ただいまより、 第9回診療報酬改定結果検証部会を開催したいと思います。  まず、委員の出席状況でございますけれども、全員の委員の方が御出席でございます。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「平成18年度診療報酬改定の結果の検証」について、前回以来引き続き議題 としたいと思います。  本年度実施することとしております特別調査5項目につきましては、既に調査に着手し ておりまして、前回の検証部会におきまして白石専門委員の方から4項目の調査の進捗状 況について御報告をいただいたところですが、本日は、残りの1調査につきまして調査内 容が固まったとのことですので、まずはその内容につきまして、それと今までの4つにつ きましての調査の全体の進捗状況、これにつきまして白石委員の方から御報告をお願いし たいと思います。引き続き事務局からも御報告があると思いますので、まずは白石専門委 員から、申し訳ありませんけれども、よろしくお願いいたします。 ○白石専門委員 それでは、全体の進捗状況についてまずは御報告をいたします。  今年度実施することとしている特別調査5項目のうち、後ほど御説明しますニコチン依 存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査、この調査以外の4調査につ きましては既に調査票の発送と調査には取りかかっているところでございます。その既に 回収を終えた調査については、回収率ですけれども、いずれも当初の見込みは3〜4割と 御報告をしていたのですが、全体的にその見込みを上回っておりまして、御協力いただき ました施設の方々に対しましては、その御協力に深く感謝申し上げたいと思います。  その現在しかかっている4調査の状況について御報告いたします。これは特に資料はあ りませんので高等でご報告いたします。まず、保険医療機関等における医療費の内容が分 かる明細書の発行状況調査、この調査については、11月24日に回収を締め切ったとこ ろでございます。締め切り後に御回答をいただいたものもできるだけ集計に取り込むよう にしておりまして、おおよそ4〜5割の回収率となっております。この調査の集計作業が 今月中に完了いたしますので、次回検証部会に速報値として御報告できる見込みでござい ます。  次に後発医薬品の使用状況調査につきましては、同じく11月24日に回収を締め切り、 同様にその御回答いただいた分も含め、約6割の回収率となっております。こちらの方も、 同じく今月中に集計作業を終えまして、次回の検証部会には速報値として御報告できる見 込みでございます。  3番目、歯科診療における文書提供に対する患者意識調査、こちらにつきましては、医 療機関側、患者さん側の両面から調査を行っております。医療機関調査につきましては、 同じく11月24日に回収を締め切っており、その後御回答いただいた分も含め、4〜5 割の回収率をいただいております。患者調査につきましては、今月末を御回答の期限とし ておりまして、その後集計作業に入ります。進捗状況等につきましては追って御報告をい たします。  最後の、リハビリテーション実施保険医療機関における患者状況調査につきましては、 先般調査票を発送いたしました。御回答の期限を1月12日に設定しておりまして、こち らについても進捗状況等は追って御報告いたします。  これらの調査の調査票につきましては、各委員に事前にごらんをいただいておりますけ れども、本日御参考までに資料検−2としてまとめました。この点につきましては、後で 事務局の方から御説明があるかと思います。  続きまして、ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査に ついて御報告をいたします。この調査は、去る11月20日に調査検討委員会を開催し、 調査票がほぼ完成し、現在印刷・発送の準備等に取りかかっているところでございます。  それでは、資料検−1をごらんください。この調査は、医療機関における禁煙治療の実 施状況と、指導を受けた患者さんの禁煙成功率の把握を目的としております。  調査は、一次調査と二次調査の2回実施し、一次調査については、この患者さんに対す る指導終了3カ月後の禁煙継続の状況、二次調査は、同じ患者さんに対する指導終了6カ 月後の状況を調査いたします。  調査方法は2ページの絵のとおりでありまして、医療機関から対象の患者さんに問い合 わせていただき、調査票に記入、御返送をいただくということになっております。  調査項目は、3ページ目に掲げているとおりでございます。この項目に沿った調査票を 作成し、送付いたします。  スケジュールは同じく3ページにあるとおりでございます。一次調査については1月末 を回答期限とし、2月中に集計を行い、二次調査については3月下旬を回答期限として、 3月中に全体の結果を取りまとめたいというふうに考えております。  報告は、以上でございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。  それでは、関連しまして事務局の方から何かあれば、お願いします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) 保険医療企画調査室長でございます。  私の方からは、資料の補足の説明といたしまして、お手元の中医協検−2ですが、既に 送付をして、あるいは回収も始まっております4つの調査の調査票につきまして、少しお 時間をいただきまして、御説明をいたします。  まず最初に、保険医療機関等における医療費の内容が分かる明細書の発行状況の調査票 でございます。お手元の資料1ページからですが、お開きいただきますと、1ページから 4ページまで、それぞれ、病院、診療所、歯科診療所、保険薬局というふうに分かれてご ざいます。病院用のもので御説明いたします。  まず最初に、病院の10月現在での基本的な状況をお伺いをした上で、1つは領収証の 発行状況を平成18年10月についてお尋ねをするということがございます。  それから(3)でございます。求めがあったときに発行に努めることとされている「個 別の診療報酬点数の算定項目の分かる明細書」、これについて、発行していますか・して いませんかと伺っています。発行されている場合に、「質問(4)へお進みください」と ございますけれども、周知の方法、周知の内容ですとか、右の方に行っていただきますと、 1カ月間の発行件数、あるいは費用を徴収している・徴収していない、徴収している場合 に幾らといったことをお尋ねをする。それから、発行していない場合には、発行していな い理由、事務負担が大きいであるとか、希望が少ないであるとか、幾つか選択肢を設けて お尋ねをするという、こういう調査を病院、診療所、歯科診療所、保険薬局それぞれに行 うという調査票をつくってございます。  続きまして5ページから、分量が多くなってございますが、リハビリテーションの関係 の調査票です。分量が多くなってございますのは、これは、施設にお尋ねをするものと、 患者御本人にお尋ねをするという、大きく2つにまず分かれます。それから施設にお尋ね をするものは、患者さんにお尋ねするものもそうなのですが、リハビリテーションの4つ の種類ごとにお尋ねをする部分が多々ございます。特に施設にお尋ねするものは、いずれ のリハビリテーションを行う施設でも共通にお尋ねをする部分と、リハビリテーションの 種類ごとに、例えば専任職員の数などをお尋ねする部分と、それから施設にお越しになっ た患者さん一人一人についてお尋ねをする部分と、こういうふうに分かれておりますので、 ちょっと複雑になっております。  まず5ページから、施設に共通にお尋ねをする調査票でございます。施設の基本情報と いたしまして、種別、開設主体でありますとか、病床を持っているところは病床の数、あ るいは専門医がいらっしゃるかですとか、入院料の届出とか管理料の届出とか、こういっ た基本的な情報。それから、右ページに行きますと、18年改定をする以前、どういう届 出をされていたか。それから現在どういう届出になっているかというのが問5でございま す。  6ページに行っていただきますと、これも共通に施設にお尋ねをする一般的な施設の基 本的な情報として、患者さんがどれぐらい来られますかといった情報。それから問7に参 りますと、18年11月の時点でリハビリテーションの算定を終了した患者さんが何人ぐ らいいらっしゃるか、そのうち算定日数上限前に終了した患者さん、あるいは除外疾患の 対象にならなかったために終了した患者さんがどれぐらいいるかといった、こういったマ スとして得られる情報を問7あるいは問8といったところで求めています。  以上が、共通にお尋ねをする情報でございます。  7ページの右からでございますが、4つの種類のリハビリテーションそれぞれに施設の 調査票が分かれます。心大血管疾患のリハビリテーションを例にとりますと、これはリハ ビリテーション料の(I)、(II)に分けてございますが、お医者さん、専任の医師の数、 あるいは専従の理学療法士の数、専従の看護師の数、常勤・非常勤に分けて施設の情報と していただくということでございます。  それから、そういったリハビリテーションごとの施設の情報というものが7ページ以降 9ページまで、それぞれにつけられておるということでございます。  10ページからが、リハビリテーションごとに患者さんの調査を行うということでござ います。これは施設が記入をする患者さんに関する調査票ということでございます。これ も心大血管疾患のリハビリテーションを例にして御説明をいたします。最初に、患者さん の基本的な情報といたしまして、性別、生年月日ですとか、算定対象疾患は何でしたかと いったことをお尋ねしています。  その上で、問2−2でございますが、リハビリテーションを開始した日とリハビリテー ションを終了した日、例えば心大血管疾患リハビリテーションですと、上限が150日で ございますので、上限をもって終了した場合には、ここの2つの日にちの差が150日と いうふうに出てきます。あるいは50日で終了すれば、ここで50日で終了したというこ とがわかるということになってございます。  問2−3以降は、患者さんの疾患の状況、あるいは問2−4に行きますと、患者さんの 病歴といいますか、ヒストリーが追えるようになってございます。  その上で、11ページ以降でございますが、これは実施をしたリハビリテーションの内 容を書いていただくということで、問3−1をごらんいただきますと、算定を開始した日 以降のリハビリテーションのボリュームをお尋ねする。それから問4に参りますと、どの ようなリハビリテーションを実施をしましたかといった内容をお尋ねをするということで あります。  12ページに参りますと、調査時点の患者さんの状態ということでございます。問5− 1ですと、患者さんのリハビリテーションの段階、終了する時点でどういう状態であった か、急性期、回復期、維持期といったことをお尋ねをしています。それから患者さんの状 態を、歩行ですとか身の回りの行為についてどの程度できる状態であるのかということを お尋ねをしています。  12ページの右の問5−4をごらんいただきますと、患者さんの状態の評価として、あ てはまる番号をつけてくださいとあります。大きく、これ以上の身体機能の改善の見込み はないというケースなのか、あるいは今後も身体機能の改善の見込みがあるというふうに 言えるのか。身体機能の改善の見込みがないと考えられる場合には、それは生活の場で状 態の維持が可能なのか、状態の維持のためにリハビリテーションを行うということが必要 なのか、こういう御判断をいただくということでございます。先ほどの日数、例えば上限 日数のところとこの部分を組み合わせてみることによって、例えば上限日数に至っている ケースであっても、引き続き身体機能の改善の見込みがあるというようなケースがござい ましたらば、ここで一つチェックができるという、こういう仕組みになってございます。  13ページをごらんいただきますと、調査時点でリハビリの終了した患者さんに関しま して、その後介護保険サービスを紹介したのか、あるいは医療保険のリハビリテーション、 あるいはその他のサービスを紹介した、あるいは特段の対応をしていないということをお 尋ねをするというものでございます。  ほかの14ページ以降は、それぞれのリハビリテーションにつきまして、ほぼ同様の項 目になっております。ただ、例えば14ページをごらんいただきますと、これは脳血管疾 患のリハビリテーションですが、当然、算定対象疾患の欄は変わってまいりますし、ある いは16ページをごらんいただきますと、リハビリテーションの効果を測定するときに、 問5−2でございますが、このリハビリテーションでは、バーセルインデックスまたはF IMというもので評価をすると。効果の評価の仕方などで、それぞれの疾患によって調査 票も若干変わってきているということでございます。  先に進みますと、26ページからが、患者御本人に記入をいただくという調査票でござ います。これもそれぞれのリハビリテーションについて1種類ずつ用意をしてございます。 26ページをごらんいただきますと、まず、患者さんの基本情報として、性別、生年月日、 この生年月日をいただくことで、先ほどの施設が記入する調査票と突合することが可能な 仕組みにしてございます。患者さんに問2以降、介護の状態、現在の活動の状況について、 あるいは27ページの問4に参りますと、リハビリテーションの効果がどれぐらい上がっ ただろうかということに関してお尋ねをする欄等がございます。  28ページに参りますと、問6でございますが、リハビリテーションを受けた医療機関 で、例えばリハビリテーションの計画、自宅に戻った後のリハビリテーション、あるいは 介護保険サービスについての説明等を受けましたか。あるいは29ページの問7に参りま すと、病院・診療所でどのようなリハビリテーションの訓練を受けましたかといった問い。 それから問8ですと、リハビリテーションが終わった後、自宅に戻られるのか、施設に入 所されるのか、介護保険との接続なども含めて、行き先をお尋ねをするところがございま す。  30ページに参りますと、今後患者さんが予定をしているリハビリテーションについて、 例えば施設に入所されるのか、介護保険のリハビリテーションを受ける予定なのか、ある いはそういう予定はないということなのか、お尋ねをする欄を設けてございます。施設側 に書いていただく調査票とこのあたりを突合させると、例えば施設側はリハビリテーショ ン終了後にこういうサービスを紹介していたのに、御本人の方はなかなかそういうサービ スを受ける予定がなかったというようなことがあれば、こういうページを突合することで わかってくるという仕組みになってございます。  個人、患者さん御本人にお尋ねをするものも疾患別になってございます。例えば呼吸器 のリハビリテーションですと、御本人の状態について、息切れの状態、状況などをお尋ね するというような項目、39ページ、40ページあたりでございますが、そういう項目な どもつくってございます。  リハビリテーションに関しましては、ちょっとたくさんの種類がございますが、こうい う仕組みの様式になってございます。  それから、44ページから後発医薬品の使用状況の調査の調査票でございます。44ペ ージでございますが、まず、基本的な薬局の基本情報をお尋ねした上で、平成18年10 月にどれぐらいの処方せんを取り扱い、そのうち「後発医薬品への変更可」という欄に署 名があるものが幾つあり、またそのうち、実際に変更した処方せんが幾つあるかといった ことをお尋ねをします。その上で、薬局における対応状況で、例えば後発医薬品に変更し ようと思ったけれども備蓄品がなかった場合にどういう対応をしているか、あるいは患者 さんにどのような説明をされているかといったことをお尋ねをするというのが様式1です。  45ページの方ですが、これはあわせて、1週間につきまして、後発品に変更した場合 にどれぐらい薬剤料というものが変わるかということをちょっと試算をしてくださいとい うものでございます。なかなか計算が大変なので、ちょっとこちらの回収率があまり伸び ていないというようなことを聞きますが、圧縮率はここで少し拾えるというものでござい ます。  最後になります。46ページから、歯科診療における文書提供に関する調査ということ でございます。こちらは、11月の中旬で1週間をとらせていただきまして、右欄をごら んいただきますと、1週間の歯科診療所の患者さんの総数、それからそれに文書を作成し た患者数、どれぐらいの時間をかけたのか。文書提供によって診療にどういう影響があっ たか、説明がより確実にできるようになった、あるいは逆に説明に時間がかかって治療の 時間が減ってしまったというような、いろいろな選択肢を設けてございます。それから一 方で、この説明文書の提供によって患者さんの満足度、理解度というものが深まったと考 えられるかどうかといったことをお尋ねをする。  48ページからは、同じ調査の患者さんの意識ということでお尋ねをしてございます。 説明書をもらった方に対しては、説明書の内容がわかりやすかったかどうか、あるいは説 明書に満足している、あるいは満足していない、今後引き続きこういう説明書があるとい いと思っているかどうかといったあたりをお尋ねをするという、こういうことでできてご ざいます。  表紙のページの見出しのところで、資料に誤りがありました。「平成18年度診療報酬 改定結果検証に係る特別調査」でございます。大変失礼をいたしました。  調査票の内容は、以上でございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。  それでは、ただいま白石専門委員からの御報告と事務局からの御報告、あわせまして御 意見ございましたらば承りたいと思います。どうぞ。 ○土田委員 調査項目の内容についてまた幾つか質問したい点があるのですが、最初に、 事務局に対する苦情になりますけれども、リハビリテーションの調査票について申し上げ ます。先ほど白石専門委員からは、事前に委員の方に送られているという話だったのです が、これが送られてきたのは12月8日の金曜日の夜でして、その文言の中には、現在印 刷中で週明けにはこれを送付したいという話でした。それで、土曜日、日曜日は厚生労働 省は多分お休みだろうと思いますが、金曜日の夜の8時ごろ送ってきて、それで意見をと は一体何かということになるわけです。これは遠藤部会長と白石専門委員が見たからいい という判断なのかどうかわかりませんが、非常にまずいと思うのです。  どうしてこういうことになったのか、3人とも返事を出していないという確認をとって おりますが、ちょっとその辺の説明をお願いします。 ○遠藤部会長 それでは、事務局お願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) まずおわびを申し上げます。大変失礼をいたし ました。事情を御説明いたします。ほかの調査も含めてそうではあるのですが、特にリハ ビリにつきまして、一つは調査票がリハビリの種類ごとに分けるようなことがありまして、 関係学会ともいろいろ調整をして作成してまいりました。準備をする過程で、調査の内容、 項目ですとか、あるいは調査票の分け方といったあたりで、何度かやり取りをしその結果、 調整に時間がかかってしまいまして、お手元にお送りするように準備ができたのが12月 8日までかかってしまったというのが実情でございます。実は、調査自身は私ども11月 には何とか調査票を配布したいと思っていたのでありますが、それ自体が少し後ろ倒しに なってしまったこともあり、そういう意味で12月8日、しかも夜になってしまって申し 訳なかったのですが、送らせていただいて、並行して印刷ということで、まことに申し訳 なかったと思ってございます。今後こういうことがないようにいたしますので、今回につ いてはまことに申し訳なかったということで、謝らせていただきたいと思います。申し訳 ございませんでした。 ○遠藤部会長 私から一言。確かにこの調査、皆様大変関心をお持ちであった調査であっ て、また事務局は事務局で、であるがゆえに、関係学会と綿密な調整をしながら進めてい ったという経緯があったようでございます。ただ、一部の関係学会との調整がなかなかま とまらなかったというようなこともあって、時間がぎりぎりになったということではあり ましたが、ただ、そういう経緯を各先生方にお知らせをして、場合によっては、もうほと んど調整、事後承諾のような形になってしまうかもしれませんというようなことでも既に あれば、今のような御発言はなかったかと思いますし、ただいま土田委員からそのような 御発言がございましたけれども、残りの委員の先生からも私は大変苦言を呈されておりま すので、そのようなことが今後ないようにということと、やはり今回やってみてわかった ことは、意外と調査の設計と調査票の作成に手間取るということがわかりましたので、ま だ5本残っているわけでありますから、これはできるだけ早く着手するようにしていただ ければなというふうに思っております。私も部会長といたしまして、委員の皆様におわび 申し上げたいと思います。  この件につきまして、土田委員、どうぞ。 ○土田委員 ほかの調査項目のところはこれでいいかということで、別に注文もなかった のですが、このリハビリについては、それだけが遅くなって、僕たちの意見が間に合わな かったわけですね。それで、その中でやはりこれは一体何だという項目が幾つかあります ので、これも事後になりますが、ちょっと御説明をお願いしたいと思いますが、よろしい ですか。 ○遠藤部会長 ぜひ。 ○土田委員 リハビリはほかの部会でやっておりませんで、この検証部会だけが調査を行 うということになっていて、非常に重要だというふうに認識しております。それで、その 中で特に問題になっているのは、150日、180日と、初めてその期限がつけられて、 新聞その他の報道によれば、患者さんが非常に困っているとか、あるいは医療施設の方で 非常に混乱を生じているということがあるわけです。今回の調査は恐らく一つの焦点は期 限を設けたことがどうかということだろうというふうに僕は思っているのですが、その期 限が来たのでやむを得ず患者の方に出てもらったとか、いろいろそういうことをやりくり しているという状況が、果たしてこの調査項目でどこまで具体的にわかるのか。読めば読 めるけれども、一体何だというような、そういう感じが僕はするのです。ちょっとその点、 果たしてどういうふうに読めばその実態がクリアに出てくるかという点を説明をお願いし たいのです。 ○遠藤部会長 ある意味でこの調査の一番のポイントになるわけでありますね。ただ、こ の調査項目は非常に多岐にわたった項目を聞いておりますので、今土田委員が御指摘され たような内容を調べるためには、どことどこを読めばよいのかというところを御説明いた だきたいと、こういうことだと思います。お願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) まず、重ねておわび申し上げます。こういった ことも、多分事前にいろいろ御説明できればよかったのだろうと思っています。今後こう いうことがないように十分注意をいたします。  今の御質問でお答えを申し上げます。例えば10ページをごらんいただきますと、これ は施設が記入をする患者さんの調査でございます。一人一人の方について施設が記入をす るというものでございます。この中で、左の一番下、調査時点における起算の状況、「リ ハビリテーションを開始した日」、「リハビリテーションを終了した日」とございます。 心大血管ですと150日が上限ですので、この2つの日にちの差が150日になりますと、 除外疾患になっていなければ、ここで150日で切れたということがわかります。その上 で、同じ調査票の12ページに参りますと、問5−4、患者さんの状態の評価というのが ございます。150日で切れてしまった、その状態でこれ以上の身体機能の改善の見込み があると判断をするのか、すなわち身体機能の改善の見込みがあるのに上限が来てしまっ たということなのかというところで、一つ御判断があるかということでございます。上限 日数に関連して、この上限日数で足りたかどうかということについてはここで判断ができ ると考えます。  その上で、そういう患者さんが、例えばこの調査票で疾患名、算定疾患名を出していた だきます。算定疾患名と突き合わせると、例えばある特定の疾患の方がこういうケースが 多いということであれば、さてこの疾患については上限日数の考え方が適当なのかどうか というような次の判断に質する材料が出てくる、こういうことでございます。 ○土田委員 僕はそこは確かにそういうふうに読めるのです。もう1つ13ページのとこ ろで、リハビリが終了しましたかとういう質問で、「終了した」ということに対してその ほかの質問項目がありまして、「他の医療機関による訪問リハビリテーションを紹介し た」、訪問リハでありながら「入院によるリハビリテーションを紹介した」というような ところがあります。つまり、自分のところは終了したけれども、その紹介先でもう一回入 院しなさいよというようなことを言ったという、そういう読み方をすれば、そこでのリハ ビリが不十分だったから転院させたということですかというふうに呼んで、本当はおかし な話なのだけれども、そういうおかしなことになっているという事実をこういうところで 確認するのかなというように読み込んだのですが、そういうことでいいのですか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) 今土田委員の御指摘になったようなことも、実 態としてあれば、ここで出てくるということで、それをあぶり出そうということではない のですけれども、実態としてあるとすれば、ここで出てくるということはあると思います。 ○土田委員 こういうところをやはり質問項目でとりあげて、もっとはっきり、150と か180日でやむを得ず出してしまったというような、もう少しクリアにわかるような質 問項目みたいなものをやはり注文をつけたいと思っていたのです。ですから、実際に15 0日が適切かどうかというのは、先ほどの質問項目によると、3項目あるいは4項目を読 み合わせてこうだという判断だという、そういうことですよね。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) はい、そうです。 ○土田委員 まあ、進行中の調査ですから、そういう読み方もわかったということにして おきますが。ちょっとまずいですよね。 ○遠藤部会長 そうですね。いろいろな視点からの御指摘を受けた上で最終的な調査票を つくり上げるというのが一般的なやり方でありましたので、そういう意味では、事務局あ るいは私も相談を受けましたので、我々の中では考えられる最高のものをと思ったわけで ありますが、当然いろいろな視点がございますので、十分お諮りしなかったという点につ いては問題があるかと思います。ただ、必要な情報についてはこれからとれると、むしろ 余計なことまで聞き過ぎているぐらいな感があるかなということでありますので、知りた い必要な情報については把握できるのではないかというふうには思っておりますけれども、 それはいかがでございましょうか。これが不足しているというのはありますか。 ○土田委員 いえ、読みようによってはということですね。ですから、ここのデータに出 てきたものをどういうふうに読み込むかというところがポイントだと思いますので、それ はそれでこれ以上は言いませんけれども、やはりそれはクリアにつかまえなければ意味が ありませんので、そこはきちっと読み込むように。お互いの仕事でしょうけれども。 ○遠藤部会長 ただ、それも考え方が微妙、いろいろあるかと思うのです。つまり、非常 にクリアにダイレクトにその設問に出してしまうのがいいのか、事実のみを淡々と書いて もらって、それを分析する過程で出す。どちらかというと、この調査方法はそういう方法 でとっているのです。そういう意味では、リハビリが必要な患者さんなのに退所してもら った人が何人いますかという聞き方を、そのダイレクトな聞き方ではしていないのですね。 そういう考え方の若干の差はあるかなというふうに思いますが、これについては中身、今 さらあれなのですが、ぜひ今後のこともありますので……。 ○室谷委員 今のに関連しまして、やはり上限を設けたことが今回の改定の意味だったも のですから、それを明確にしたいというのは、私は一番最初のときに申し上げましたけれ ども、患者調査で、患者さんからはその辺があまり聞かれていなくて、余計なことは調査 に入っていて、それでその辺が入っていなかった。これは施設と患者の調査とが関連して おりますと先ほど説明がありましたけれども、何か関連しない部分もあるかなという気が ちょっとしましたのと、患者調査の対象というのは、これは通院の方なのですか、それと も施設調査と関連させるということですから、入退院両方とも対象というふうに考えてよ ろしいのですか。 ○遠藤部会長 わかりました。そうしたら、今の2つにつきましてちょっと事務局に確認 したいと思います。1つが患者調査の対象、もう1つは、今回の制約をつけたということ がどのように患者調査に反映しているか、この2点についてお答えいただけますでしょう か。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) まず、対象でございます。入退院を問わずとい うことでございます。  それから、患者調査ですけれども、実は、当初患者調査をやる予定がなかったところに 患者調査を加えさせていただいたということがまず一つあって、生年月日を含めて、これ によって施設調査と突合することによって、患者さん御本人の御希望なども問うているの で、医療機関がお医者さん側が見たある意味で客観的なものと、患者さんの御希望という ものがマッチしているのか、ミスマッチになるのかというところも含めて見られるように はなっていると思ってございます。ただ、また繰り返し申し上げますが、もう少しこの点 についても御意見を事前にいただければ、もっとよりよいものができたのかなというとこ ろは反省しております。申し訳ございません。 ○遠藤部会長 まず、室谷委員、よろしいでしょうか、今の。 ○室谷委員 わかりました。 ○小林委員 今の室谷先生とちょっと重複するところがあるのですけれども、やはり患者 の視点というのがすごくクローズアップされているはずなのに、突合しても、患者から見 たときのギャップ、患者と医療機関とのギャップというところも、やはり焦点になるはず だったと思うのです。だから、その辺はやはりちょっと調査設計としては非常にマイナス だったところだと思います。患者さんにとって、何か非常に、先ほど室谷先生もおっしゃ っていましたけれども、要らない質問をされている部分があって、これは何に使うのだと いう、私などもすごく疑問に思ったようなところがあり、調査設計自体の部分でもうちょ っとこの部会の中でどういう設計をしていくのかということについて議論を深めるべきだ ったのではないかというふうに思います。そこはすごくやはり目的のところですから、今 後やはり気をつけていかなくてはいけないという、部会の一委員としてもそういうふうに 思いました。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。御質問というか、御意見ということでございます ね。部会で、ある程度完成度が高まる前の段階でもう少しお諮りをして御意見を集約する 必要があったということは私も若干反省しておりますので、今後の調査につきましてはそ のように努めさせていただきたいと思います。  ただいまの小林委員の御発言につきまして事務局で何かございましたらば、お願いしま す。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長) 反省することは多々なのですが、ただ、リハビ リテーションに関しまして、患者さんにお尋ねする部分と医療機関にお尋ねする部分では、 やはり医療機関にお尋ねする部分がある意味客観的なデータとしてあって、患者さんから お尋ねする部分については、私どもも今回最後の問10のところで、自由に記載をしてく ださいという、自由記載欄を設けてございます。むしろここにいろいろとお書きいただけ るのではないかということを考えてございます。こういうところの御意見をよく聞かせて いただくということを工夫をしたいとは思ってございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○室谷委員 今さら調査の中身を言っても、もう既に送られていますから、中身はもうい いです。ただ、今度分析するときに、今言いましたような分析の仕方をしていただいて、 少し問題が浮き彫りになるような、そういう形をお願いをしたいというふうに思っており ます。よろしくお願いいたします。 ○遠藤部会長 もちろんその問題意識ははっきりしておるわけでありますので、この調査 票はどちらかというと、できるだけ客観的な事象をとらえながら、その問題意識がクリア になるように、つまり、分析をする過程において工夫を凝らせようという意味では比較的 客観的な情報をずっと集めているという、こういった趣旨でございますので、当然その辺 のところは十二分にそういう方向でやりたいと思っておりますし、また事前に委員の皆さ まにもこの辺についてお知恵を拝借するということは当然だと思っております。  事務局、そういう方針でよろしゅうございますね。よろしくお願いいたします。  そうしますと、このような形で、私が見た限り「過不足」の「過」はあるかもしれませ んが、あまり不足というのはないのではないかなというふうにも思えたわけでありますが、 それは分析によってある程度対応できるかなというふうに思っております。  白石専門委員、もし何かあれば一言ございますでしょうか。 ○白石専門委員 非常に調査全体のスケジュールがタイトになってしまって、その分、公 益の先生方に御負担をおかけするようなことになりまして、私の方からも大変申し訳ない という一言を申し述べさせていただきます。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。  白石専門委員は、この辺の調査に関しましてかなり中心的に作業を手伝っていただいた ということもありますので、私の方からお礼申し上げたいと思います。  それでは、このような形でもう既に進んでいるものもございますし、新たにやるものも 御承認いただけたという形で進ませていただきたいと思います。  それでは、本日の議論はこのあたりといたしまして、次回は特別調査の一部が集計結果 が出るかと思いますので、多分仮の集計結果という形になるかもしれませんが、御報告を お願いしたいと思います。  なお、次回の日程につきましては追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願 いいたします。  それでは、本日はこれにて閉会いたします。 【照会先】     厚生労働省保険局医療課企画法令第1係     代表 03−5253−1111(内線3288)