06/12/15 第4回多様な雇用形態に対応する障害者雇用率制度の在り方に関する研究会議事録 第4回多様な雇用形態等に対応する障害者雇用率制度の在り方に関する研究会議事録 1 日時   平成18年12月15日(金) 15:30〜17:30 2 場所   厚生労働省17階専用第21会議室 3 出席者  ○参集者    岩村委員、片岡委員、北浦委員、斉藤委員、鈴木委員、    松友委員、宮武委員、村上委員、八木原委員、輪島委員  ○事務局    岡崎高齢・障害者雇用対策部長、宮野企画課長、土屋障害者雇用対策課長、    浜島障害者雇用対策課調査官、 手倉森障害者雇用対策課課長補佐、    澤口障害者雇用対策課障害者雇用専門官 4 議題 (1) 関係者からのヒアリング   ○ 株式会社エイジェック  障害者就労支援事業部 主任 桑島京子 氏   ○ 社会福祉法人やおき福祉会              紀南障害者就業・生活支援センター 所長 北山守典 氏 (2)その他 5 資料  「障害者雇用状況報告」の集計結果について ○岩村座長  ただいまから「第4回多様な雇用形態等に対応する障害者雇用率制度の在り方に関す る研究会」を始めることにいたします。まず委員のご出欠につきましてですが、今日は 舘委員が欠席です。また、委員の交代がありましたのでご紹介します。これまでお務め いただいた末永委員に代わりまして、日本労働組合総連合会総合労働局雇用法制対策局 部長の村上陽子委員に、今回からご参加いただくことになっています。一言挨拶をお願 いします。 ○村上委員  末永に代わりまして委員を務めさせていただきます、連合の雇用法制対策部の村上で す。どうぞよろしくお願いします。 ○岩村座長  今日は、障害者の派遣労働及びグループ就労に関して、関係者の方からヒアリングを します。そこで障害者の紹介予定派遣を実施されている人材派遣会社、グループ就労に 積極的に取り組まれておられる社会福祉法人からお話を頂戴するために、お二方のご出 席をいただいておりますので、最初にご紹介させていただきます。  まず株式会社エイジェック障害者就労支援事業部の桑島京子主任です。 ○桑島氏  よろしくお願いします。 ○岩村座長  続きまして、社会福祉法人やおき福祉会紀南障害者就業・生活支援センターの北山守 典所長です。 ○北山氏  よろしくお願いします。 ○岩村座長  今日はお忙しいところをありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。それ では今日の議事に入ります。議題の1つ目は「関係者からのヒアリング」になっていま す。2つ目は「その他」となっていますが、これについては昨日厚生労働省から発表が ありました平成18年の「障害者雇用状況報告」について、事務局からご説明をいただく ことになっています。まず最初に、事務局から1つ目の議題のヒアリングの進め方につ いて、ご説明をお願いします。 ○事務局  ヒアリングの進め方についてご説明します。まず、株式会社エイジェックの桑島主任 に説明を20分程度していただき、その後質疑を20分程度。続きまして、やおき福祉会の 北山所長から説明を20分程度、その後質疑を20分程度予定しております。  また、併せて本日の配付資料について、確認させていただきます。まず株式会社エイ ジェックの桑島主任のご説明の資料がありまして、その後にやおき福祉会の北山所長の 資料があります。その後に事務局から提出している資料で、障害者雇用状況報告の集計 結果について、さらに記者発表資料、以上4点付いていますので、ご確認していただけ ればと思います。以上です。 ○岩村座長  それでは早速ヒアリングに入らせていただきます。まず桑島主任、どうぞよろしくお 願いします。 ○桑島氏  ざっと弊社の簡単な業務内容の紹介をします。  人材派遣と請負の仕事をしていまして、主には建設、製造と、国際事業として中国、 韓国で人材派遣を行っています。その中でいちばん上にあるエイジェックフレンドリー は、11月に新宿区で初めて特例子会社として認定されて、そちらの事業と、2つ下の障 害者就労支援事業部というのが、私のところの業務です。  こちらはいつも営業で持って歩いている資料になります。実際の業務内容として、障 害者の方の障害予定派遣の流れとして、いつも企業の人事部の方にご説明している資料 です。まず求人の案件がありまして、それをインターネットやハローワークを利用させ ていただいて求人を行います。応募者がいらして、その方に対して面接・面談。最近は パソコンのスキルを非常に求められてきていますので、エクセルとワードの試験をそれ ぞれ20分間行っています。その後にいろいろな仕事の希望や人柄、やる気などを伺いま して、この方はという人は、企業で見学を含めて面談をします。特に身体の方に関して は交通手段、フロアーの移動、お手洗いが適切かどうか、一緒に見学して面談を行いま す。  弊社の取引が大手企業になりますので、二次面接、三次面接は多いのですが、とりあ えずは派遣で就労をと決まった場合、そこから派遣期間の開始となります。その派遣期 間は大体半年が主です。半年の間に様子を見ていただいて、その後で双方の合意のもと で企業に直接雇用という流れになっています。途中で継続・入替えなどとありますが、 もしマッチングが合わない場合は他の方をご提案と考えていますが、いまのところ途中 で人の入替えという事例はありません。  紹介予定派遣の期間は、大体事務職は時給で1,800〜2,300円です。これはもちろん派 遣期間が始まる前に、企業の方やご本人の了承のもとに決定する金額ですが、そのあと で移籍料として、これは弊社が例えば企業からいただく報酬として、想定年収の27%を いただく契約を交わすのですが、最近では紹介予定派遣の後に、ご紹介の場合は27%で はなく25%、20%というダンピングの傾向があります。  うちの事業部の取組みとして、アカデミーがあります。実はいま説明しました、いき なり応募があって企業にそのまま面談に連れて行ってご紹介という例は、正直言ってあ まり多くはなくて、パソコンのスキルが足りない、やる気がいまひとつという方も多く 見受けられます。まずパソコンのスキルが非常に必須になってきますので、やる気があ る方であれば、1回エイジェックでアカデミーのものとして直接雇用します。雇用した 中で、実際OJTで社内の中で業務を行いながらパソコンの先生に付いて、就労の場を 覚えていただくことをしています。というのは、非常に最近精神の障害を負った方が多 く登録に来ていただいて、なかなか紹介の実績を上げられずに苦しんでいるわけですが、 その方たちのように、社会からちょっと離れてしまった方を何とか就労に持っていくた めに、実際に企業の中で仕事をしながらパソコンを習って、他の企業に紹介できる方に 育てて紹介しようという取組みを、いましています。  続きましてエイジェックの障害者雇用の状況ですが、重度身体障害者が5名、身体障 害者は6名、重度知的障害者はおりません。知的障害者が8名、精神が10名、短時間労 働者が1名です。聾唖の方2名が春から入る予定になっています。ちょっと重なります が、それぞれの障害者の業務内容をざっとご説明します。  上から本社、業務管理センター、特例会社、こちらが新宿にある本社の中の1つのフ ロアーの中に一緒くたに入っています。健常者もいまして全部で60人いますが、これだ けの障害者がいるので、本当に隣やすぐ後ろにたくさん障害者がいる中で業務を行って、 実際名刺を作ってもらったり、郵便の仕分け、電話を取ったり接客など。あと弊社のほ うは人材派遣会社ですのでいろいろな方が登録に来られますので、そういった方の接客 なども知的・精神の方にも同じようにやっていただいています。  補足資料になりますが、特に精神の方が非常に登録で多くいるので、企業の人事部の 方から精神障害者を受け入れた場合のリスクを教えてくれませんかというご質問がよく ありますので、各関係者、ご紹介する方の精神科の主治医の方や各団体の方にそれぞれ ヒアリングをして、こういった資料も付けて何とか雇用していただくように努めていま す。  次にご質問に戻らせていただきます。「障害者の紹介予定派遣の受入について」のご 質問についてです。障害者の方の紹介予定派遣の意義と評価、又はなぜその形態を選ん だのかということです。申し遅れましたが、こちらからの質問に関しては、弊社のほう で北海道の五洋建設さん、あとは九州の三菱電機さんに現在紹介予定派遣を進めていま すので、その方々の人事部の方と、あとは実際に営業担当している弊社の営業マンから すべてヒアリングした内容になっています。  (1)の質問についてですが、派遣期間は派遣会社の管轄なので、不採用になった場合、 正直言って断りやすい。建設業界ということで特殊な用語が飛び交って男性が多い職場 なので、女性が合うか心配なのでよかったと。ご紹介した方は56歳の女性だったのです が、いまちょうど就労の最中です。建設業界ですが、実際この企業さんは紹介予定派遣 という形態は建常者でも全くないので、障害者の雇用に関してそういう形態があるので したら是非使おうということで、社内で初めて利用していただいています。  現時点で派遣期間が1カ月過ぎた、これは九州の三菱さんですが、可でも不可でもな いと。派遣期間が半年あるので、その中でゆっくり判断していこうではないかというお 考えだそうです。  (2)の障害者雇用の紹介予定派遣において必要となる配慮・工夫になります。その期間 内に適正を見極めることが必要で、直接雇用してからではちょっと遅いので、その間に よく見ようと。周りの方とうまく馴染めるのか。他の企業からもありますが、実際に地 震や火事があった時にどうするのかと。足の悪い方は避難径路を予め訓練させておいた り、耳の悪い方は決して1人で作業をさせることはしない等ということでした。  (3)は、紹介予定派遣において必要となる教育・訓練です。こちらは派遣中の業務内容 や、いちばんは周りの方とうまくやっていけるかというのが、かなりネックになってい ますので、その間馴染んでもらうようにしているということです。  (4)、これは題で間違えておりますが、紹介予定派遣を行う際、障害者の方へ必要とな る配慮・工夫となります。障害者の方へのフォローということですが、私は建常者の紹 介もしていますが、どうしても比較すると心配する方が多くて、当然ですが相談する方 が必要になるので、いまは派遣期間でうちの管轄なのでしょっちゅう電話がかかってき ます。月10回以上の連絡があって、内部の人とうまくいくとかいかないとかという話を 聞いたり、あとは派遣期間であっても実際にそこで仕事をしていますと、会社の上の人 たちは上司という関係になるので、直接会社には言いにくいので派遣会社だったらいい だろうということで、腹を割って話をしたり。あとは九州でいま進行中の所ですが、こ この方からは毎日電話がかかってくるそうでして、業務内容などが当初の話と違うとい うことで、毎日相談や愚痴がうちの営業マンにきている状況です。  (5)のトラブルですが、トラブルというほどかどうかはわかりませんが、実際に九州の 仕事ですが、業務内容について最初に人事部の方とお話をしていた内容と違っていたと。 ただ悶々としていたのですが、派遣会社の営業に最初の話と違うことを相談されて、し ょっちゅう連絡をしてきます。いまは宥めて、今度企業の方と弊社のスタッフと紹介し た方と三者面談をすることになりました。そして、来週辺りに三者面談をすることにな っています。  もう1つは、人間関係で気に入らないということはよくあることですが、何か周りの 建常者の方が気を使っているのですが、本人はその対応に対して面白くないことがあっ たようですが、ずっと毎日傾聴しているうちに気持も落ち着いて、仕事をしなければ食 べていけませんので、そのまま直接雇用で雇用された例もあります。  4番の障害者の方の派遣労働の受入れについての考えです。実際にこの2社とは直接 いま取引はないのですが、電話で障害者の方を派遣でお願いできないかという問合せが ありました。ただいまはカウントされないので、特に企業さんにとってはメリットはな いと思うという説明をしているのです。これは外資系のアメリカの企業ですが、人事部 の方は非常にお若い女性の方でしたが、カウントされないことは知らなかったが、それ でもいいので利用してみたい。実際に障害者の方と接したことがないので、トライアル として試みたいということでしたが、非常に英語力が必要ということでマッチングがう まくいかず、就労にまでは至っておりません。  もう1つは金融関連の総務部の方で、カウントされないことはもともと知っているが、 障害者を実際に雇用したことがないので雇用してみたいということでした。場所なども 遠くて契約に至ってはいないのですが、もしミスマッチングになったとしても、解雇と いう形を取らずに済むのがメリットだということでした。  弊社の場合は、障害者の雇用をとても急いでいる企業も非常に大手の会社が多いので、 特に周りの世間体もありますので、例えば面接で断るとか1回雇用をして解雇すること に非常に神経質になっていますので、派遣というのも今後あるのかなと考えています。  今後の課題は、ちょっとご質問に合っているかどうかわかりませんが、建常者に比べ て障害者ご自身に関しますと、より派遣より正社員、契約社員を望む傾向が非常に高い です。ただ、お仕事を探していてないという中高年の男性の方は、非常に必死でお仕事 を探しているので、派遣という形態を取れば可能性は出てくるのかなと考えています。  あとは先頃は偽装請負とかいろいろありましたが、そういった企業や派遣会社でもい ろいろありますので、障害者の方をもし扱うとなると、それ相当の何かしかるべき資格 の取得も必要なのかな、という心配をしています。  次は意見・要望になります。法定雇用率制度に関しては、弊社もまだまだ足りない状 況ではありますが、特例子会社を設立して徐々に増やしていくということです。あとは 助成金に関して非常に勝手な案ですが、お一人に関して大体年収の想定の30%ほどの手 数料をいまいただいている状態で、100万とか120万に簡単になってしまうのですが、そ ういった場合にご本人にも多少の助成金のような手当てを国から出していただくと、ご 本人の就労意欲が出ると思います。これは勝手な案です。  これは簡単に聞き流していただければと思います、こちらはエイジェックのご提案で す。弊社の場合は紹介することでそれ相当の対価をいただいているので、なかなか就労 実績が上がらない状態ではいるのです。150社ぐらいの問合せはありますが、なかなか 雇用が進みません。なぜ進まないかというと、総論としては実際に人事部の方よりは受 け入れる社内の環境も整っていない、気持や実際の本当の環境が整っていないと。障害 者と一緒に仕事をしたことがないので、受け入れることはどうしても後々になってしま うということです。  私もエイジェックに来るまでは、こんなにたくさんの障害者の方と仕事をするとは思 わなかったのですが、本当に知的・精神の方には優秀な方が多くてびっくりして、逆に 楽しく仕事をさせていただいています。エイジェックでは障害者雇用セミナーを毎月の ように行っていまして、人事部や雇用をする実際の現場の職場の方を招いて、どうした ら障害者の方と一緒に仕事ができるのかといったようなセミナーを行っています。その 暁には、弊社に人事部の方や現場の方を招き入れて、障害者の方と一緒に社内で仕事を して いただくプログラミングも考えています。障害者の方の就労実体験を積むという流れも いま考えていますので、何かおこがましいのですが、何かお手伝いができたらと思って います。私からは以上です。 ○岩村座長  大変貴重なお話、特に紹介派遣については私も実際のお話はあまり聞いたことがない ので、大変興味深く伺いました。ありがとうございました。それでは委員の皆様方から のご意見、あるいはご質問等をお伺いしていきたいと思います。どうぞどなたからでも ご自由にお願いします。  口火を切る形で恐縮ですが、先ほど紹介派遣での例で2社ほどあるというお話を承り ました。ちょっと私は聞き逃したかもしれませんが、障害のタイプはこの2つのケース は、それぞれどういうタイプでございましょうか。 ○桑島氏  身体です。 ○鈴木委員  先ほどすでに現時点でやっておられる方の障害の種別が、それぞれ重度の身体障害の 方が何名とあったのですが、障害の程度ではなくて何か区分と言いましょうか、肢体の 方とか精神の方という内訳は、どのようになっていますか。 ○桑島氏  この5名の方は全員下肢ですね。車椅子であったり、義足、あとは人工関節で股関節 といった方です。身体に関しては下肢の方です。 ○鈴木委員  それは重度の方ですか。 ○桑島氏  そうですね。すみません、重度と身体を合わせてです。知的の方に関しては、統合失 調症の方が7名と、1名が適応障害です。自閉症です。 ○鈴木委員  はい、わかりました。 ○北浦委員  3頁目にアカデミー訓練のことを書かれていたので、これも大変興味深く聞かせてい ただいたのですが、2、3わかりにくかったところを教えていただきたいのです。1つ は特殊採用手法の特殊という意味は何かというのが1点。矢印が2本あって、就職サポ ートアカデミーとエイジェック直接雇用があって、その下の矢印は直接雇用で社員にな られるわけですね。 ○桑島氏  はい。 ○北浦委員  上の有料職業紹介は紹介予定派遣と分かれるのですが、採用されてこの2つに入る仕 分けをどのようにされているのか。つまりどのコースはどういう方をどのように乗せる のかという点が、これではちょっとわかりにくかったので。それと実態的にこのコース に乗られて、上の矢印に行く方と下に行く方の比率的な違いはどのくらいになっている のかという点。あと、上は類型的には契約社員ですね、期間社員と書いてありますが。 ○桑島氏  そうですね、はい。 ○北浦委員  契約社員で、これは仕事としては先ほど後ろに書いてありましたが、勤務条件的には 大体どのくらいの水準で、賃金その他はどんな労働条件になっているのか、その辺をち ょっと教えていただけますか。 ○桑島氏  弊社でもかなりもっとたくさん雇用しないといけないのもあり、かつそういった障害 者の方を紹介して利潤を生まないといけないこともありまして、ちょうど両方合わせ持 つことが何かないかと考えたのが、1つは実際にパソコンを教えてもらいながら会社の 電話を取ったり、会社に面接に来た人の対応をしたり、履歴書をコピーしたり、そうい う学校のような形態で、もちろんエイジェックの直接雇用で時給で雇用するのです。そ れをアカデミーとうちで呼んでいるので、特殊採用がそのままぴったりくるかどうかと いうことですが、勉強してもらいながら会社の中の仕事もしてもらうよということです。 ○北浦委員  特徴的な雇用形態に就くという意味の特殊ですね。 ○桑島氏  そうですね。 ○北浦委員  わかりました。 ○桑島氏  あとは仕分けで、どういうふうにして分かれるかということですが、もちろん本人の 希望もあります。あとは男性でご家庭を持っているとエイジェックの給料ではなかなか 難しいので、うちでパソコンを習ってもらって、その後で大手企業さんとの取引はあり ますので、こういった所を紹介しますがいかがですかということで、そちらでお願いし ますとなると上に紹介する方となります。  あとは知的の方や精神の方で重く知的も合併していらっしゃる方もいますので、そう いった方はなかなか上の他の企業さんにご提案は難しいので、下の直接雇用となります。 賃金ですが、いまのところは時給が750円です。 ○北浦委員  比率はどのくらいの数ですか。あまり具体的ではなくていいのですが、かなりいらっ しゃるかどうか。 ○桑島氏  正直申しまして、うちも利潤を上げないといけないものですから、どうしても上の紹 介予定派遣に登録していただきたいので、「上でいいですね」「はい、わかりました」 といらっしゃるのです。しばらくして、「エイジェックにずっといたいです」と、ほぼ 100%の方がおっしゃいます。大手に行かなくてもいい、ここにずっといたいと。非常 に頭を悩ませます。でも無理矢理外に出すわけにもいかないですので、では、そういう 方たちを特例子会社にという流れになっています。 ○八木原委員  大変興味のあるお話をありがとうございました。桑島様がいまいらっしゃる所のスタ ッフが何人くらいで、こういった障害のある方たちの直接雇用をされて訓練をして、そ して一般の企業にというルートに流していく場合、何人で面倒を見ていらっしゃるのか をお聞きしたいことが1つ。  訓練も含めて障害のある方をそうやって雇ってくださるわけですが、その場合に先ほ どおっしゃったように「ここに止まりたい」という障害のある方たちもいらっしゃると いうことで、ルートがなかなか先へ行かない。そうすると、そこの中にたくさん溜ると いう流れを良くしていくために、訓練を他の福祉施設等の訓練事業と一緒に対アップし ていく方法は、お考えにはなっていらっしゃらないのでしょうか。 ○桑島氏  現在のところはちょっと。考えた当初はうまくいくものだと思っていたのですが、企 業やお給料よりも職場の環境を選ぶ方が不安ですからほとんどなので、いまのところは そこまでは考えに至っていないです。 ○八木原委員  もう1つ、例えば契約社員という形で企業に派遣されて行く場合に、その期間が終わ って戻って来ますね。その戻って来る方もまた同じように、雇用されてやっていらっし ゃるということになるのですか。 ○桑島氏  事例はないのですが、例えば特例子会社は見学会を頻繁に行っていまして、企業の人 事部の方をお呼びして中を見ていただいて、例えば仕事をしている障害者の方を見てい ただいて、「あの人いいね」と言ったらその本人と話をして、その方を双方の合意のも とで紹介して、もしマッチング、合わなかったらエイジェックの特例子会社で再雇用す るのは代表の意思で考えとしてあるのですが、まだそこまでには至っていなくて、途中 です。 ○ 八木原委員  いまそこで直接雇用をされてOJTをやっている方たちは、何人ぐらいいらっしゃい ますか。 ○桑島氏  基本的にはもともと通訳をしていた者1人になるのですが、うちはこの間手倉森様と 南様にもご説明させていただきましたが、一切マニュアルがないのです。てんでんばら ばらにフロアーの中に敷居もなく座っていますので、隣にいる人が指導者で、わからな かったら隣の人に聞いてねと。コピーが詰まったら、そこは歩いている人に聞いてねと いう、全体ですぐ近くにいる人が指導者となります。 ○八木原委員  わかりました。 ○岩村座長  実際にサポートアカデミーで期間社員という形でOJTも含めていらっしゃる方は、 もちろん時期によって違うのでしょうが、大雑把には障害者の方は何人いらっしゃると いう感じですか。 ○桑島氏  本社ですといま女性2名、大宮で2名、横浜で2名といったところです。 ○宮武委員  知的障害の派遣先での職業指導や定着支援は必要だと思うのです。その時にジョブコ ーチの制度などは使えないですか。いまはジョブコーチの制度、あるいは就労支援セン ターがたくさんありますが、その件の関係はどうですか。企業さんとしてジョブコーチ を派遣することは想定されていますか。  派遣して6カ月間こちらで訓練したにしても、実際に知的障害の方や精神障害の方の 場合は、環境に、職場に慣れる、あるいは周りの方との人間関係の部分で、障害につい て周りの方に理解していただかないといけない。そのためのジョブコーチは非常に有効 だと思うのですが、その辺はどうなのでしょうか。 ○桑島氏  知的の方もそうですが、紹介予定派遣と紹介にはもちろんまだ至っていません。その 場合は弊社のスタッフが付いて、紹介であっても6カ月以内に会社を辞めてしまうと、 うちは成功報酬を企業さんに全部返さなければいけないので、正直言って辞められると 困るものですから、そういった場合は私や私の下で働いている者が、しょっちゅう企業 に行ってケアをすると。ジョブコーチまではいかないのですが、話を聞くなどのケアは するつもりで体制は取っているのですが、まだ知的の方に関しての実例はありません。 ○宮武委員  もう1点、企業の求める人材、あるいは職種等、知的障害という障害特性はあります が、マッチングはどうでしょうか。 ○桑島氏  全然ないです、合わないです。掛け離れています。 ○宮武委員  いや、実際に事務系職種にずいぶん、大手企業の人事や総務に、実際には就職されて いますよね。 ○桑島氏  ええ。 ○宮武委員  だからその辺は企業さんに障害についてのご理解がまだ進んでいない面があるので、 人数が少ないかと思うのですが、その辺はどのような形でアプローチを。 ○桑島氏  こちらはちょっと資料には載せられないのですが、セイサ学園さんという所と提携し ていまして、先生や卒業生の方、うちはセイサ学園から新卒で何名か採っていますので、 その方たちのフォローでこういう学校も付いているので、例えば紹介手数料が普通でし たら100万のところをもっと下げて、企業さんの言い値でいいので何人かまとめて雇っ てもらえないかとか、学校の連携もあるし私たちもフォローしますのでいかがでしょう かと。知的障害であっても、関数やアクセスを使える方も多いですから、知的の方がパ ワーポイントで作った資料を持って行ってアプローチしても、いまのところはまだ成功 には至ってないです。 ○岩村座長  1つよろしいですか。純粋の派遣の場合ですと、派遣先の企業にとっては雇用率に反 映しないのでメリットがないわけですが、紹介予定派遣の場合ですと最初派遣があって、 正規ではないにしてもとにかく直接雇用に移れば、派遣の場合とは違って雇用率に反映 されるという点で違いがあると思うのです。ですから、雇用率が低い企業にとっては、 もちろんいろいろなルートはありますが、紹介予定派遣は先ほどの中にもありましたが 使いやすいと思うのですが、お話を伺っていると、残念ながらそれほど企業さんのほう から多くアプローチがあるわけでは必ずしもなさそうだという気がします。それは、そ もそも全般として建常者も含めて、紹介予定派遣がビジネスとしてはまだこれからとい う部分があるのか、それとも障害者に特有のマッチングの問題、その他が影響している のか、ごく印象で結構ですが、いかがでしょうか。 ○桑島氏  私は健常者もやっていますが、紹介予定派遣はもちろんあるのですが、あまり多くは ない印象なのです。というのは、最初に何か見極められないでどうするというのが、人 事部や他の会社の上の方からということもあるようで、派遣期間を半年も見なければわ からないのは、ちょっと人事部としてはどうなのというのもお聞きしたことはあるので、 その辺ですね。  ただ、実際うちから紹介している所は、ほかの紹介予定派遣を利用していなくても障 害者の方に関しては初めて使ってみようと。紹介よりは最近ですので、まだご存じでも 利用していない企業さんもあるのかなと思います。 ○輪島委員  いまの質問と同じだと思いますが、まず紹介するに当たっての人材の登録は、どの様 にしているのですか。 ○桑島氏  そちらは知的の方になりますので、主にはホームページから登録されたり。 ○輪島委員  登録については、ホームページに出しておけば、登録する人の確保についてはあまり 困ることはないと。どんどん登録してもらえますか。それとも、期待よりは少ないです か。 ○桑島氏  なかなかホームページでも4〜6月ですと多いのですが、いまはほとんど1週間に2、 3人といった現状で、そういった時期は例えば新聞に広告を出したり、あとは電車の中 に広告を出したりでやっといま繋いでいる状態です。 ○輪島委員  それは身体も精神もそれなりに週何件かはありますが、いろいろPRをすれば登録は 多少あると。 ○桑島氏  登録の方はいらっしゃいます。 ○輪島委員  傾向としては身体の方が多いのか、精神の方が多いのか。 ○桑島氏  圧倒的に精神の方で、身体の方はほとんどいらっしゃらないです。あとは親子さんや 配偶者、特に新聞に出すとお知合いやお友だちからの問合せが多くて、正直言ってちょ っと症状の重い方が多くて、なかなか紹介には至らないのが多いです。 ○輪島委員  マッチングはノウハウですから、それは御社のノウハウなので、基本的にまず登録と いうことについていえば、それなりのマーケットがある。開拓はしなければいけないが、 登録するマーケットの潜在的なマーケットはありそうだと思っていいのですか。 ○桑島氏  そうですね。広告を定期的に出していることとホームページに案件を載せているとい うことで、はい。 ○輪島委員  今度は派遣先の開拓ですが、これも基本的に御社が通常やっている業務の中で、例え ばある派遣先は雇用率が足りないとか困っているというような営業情報も含めて、派遣 先を開拓することについてはどうですか。 ○桑島氏  派遣先というのは、障害者の方ですか。 ○輪島委員  うちは障害を持っている方の派遣を受け入れてもいいですよと言わないと、派遣がで きないですよね。 ○桑島氏  いまは障害者の方はカウントされないので、派遣は一切うちでは奨励していません。 ○輪島委員  紹介予定派遣をするときの派遣先を開擢する、そこのマーケットはどうかを聞きたい のです。 ○桑島氏  紹介予定派遣のための開拓は特にはしないのですが、ご紹介するということで登録に 来た方のスキルや年齢はお聞きして、もともとうちにたくさんある案件とマッチングし ない場合、例えばマッサージ師の資格を持っている方がいてもうちに案件がない場合、 いろいろなネットやハロワークや企業で募集している所の情報を仕入れて、そちらにテ レアポして、こういう方がいますので弊社が紹介をしているのでいかがでしょうか、と いうこともしています。 ○輪島委員  派遣先の開拓は個別に当たっていて、特段うちにいい人がいれば派遣をしたいという ストックの体制ではないと。 ○桑島氏  両方です。 ○岩村座長  紹介予定派遣ですと先ほど言ったように、要するにうまくいけば直接雇用になって雇 用率に跳ね返る。そうすると、1つのビジネスモデルとして、要するに営業さんが歩い て、あそこの会社は雇用率は低いから紹介予定派遣で働きかけてみてクライアントに取 れないか、そういうビジネスモデルをお持ちかどうかということだと思うのですが。 ○桑島氏  そういったこともこういった資料とともに、もちろんそこだけ特化はしていませんが、 資料の中でもちろんご説明はしています。 ○輪島委員  そうすると、派遣先を開拓はしやすいのですか。そうでもないですか。 ○桑島氏  取引企業は常に建常者の派遣で取引は多いのですが、なかなかエイジェックでいま通 常回っている企業でのマッチングは、難しい状況ではあります。 ○鈴木委員  先ほど2件ほど例があるという中で、その中の1件で毎日のように電話がかかってき て云々という方がいらっしゃいましたね。 ○桑島氏  はい。 ○鈴木委員  その方は先ほどの中からいくと、身体の中の肢体の不自由な方かという予想はつくの ですが。これは先ほどおっしゃっていたように、エイジェックさんが紹介したから担当 者に相談してね、という形で受けるからそこへかかってきているのか、それとも企業の 中での担当者には言いにくいから、愚痴っぽいけどエイジェックさんにかけてしまおう かという感じでしているのですか。その辺のところはどうですか。 ○桑島氏  両方だと思います。うちとしては辞められると利に結び付かないというのがありまし て、その辺は必死なので大抵みんな携帯の番号を教えるのですが、夜中に電話がかかっ てきたりすることはしょっちゅうあります。その辺何もできないのですが傾聴すること で多少落ち着くというか、物事が解決しなくてもふんふんと聞いているだけでそのまま 就労に至った場合もありますので、ちょっと勝手なのですが、そういったことがありま す。 ○鈴木委員  これからいろいろなことで雇用率を上げるときに、誰が話を聞いてくれるかが非常に 重要なところだと思っているのです。だから紹介した紹介元だけが受けてしまって、ち ゃんと働き始めたらそちらは誰も聞いてくれなかったということがあると、また辞める 原因になってしまうのかなと。その辺の引継ぎ、企業側にもその辺で話を聞くだけでい いからどうにか、というアプローチはされたりするのですか。 ○桑島氏  当然その辺のメンタルヘルスケアまではいかないのですが、その話を聞いて間に立っ て、人事部の方も結構、相当悩んでいる方は多いですので、受け入れた部署との狭間に 立っているお話は聞きますので、その辺はうちの民間の会社が間に入ることは、常にア プローチはしています。 ○岩村座長  それでは北山所長、お願いします。 ○北山氏  よろしくお願いします。現場にいるとなかなか思ったようにいかない部分もあって、 理論だけではいかないで汗水流しながらやっているので、全く無視みたいな話が出ると 思いますが、よろしくお願いします。和歌山で紀南障害者就業・生活支援センターをや っている北山です。やおき福祉会です。全国的に就業・生活支援センターは110カ所あ り、どんどん国で拡大路線をやっていただき、この場を借りてお礼を申し上げます。あ りがとうございます。  就業・生活支援センターは三障害を対象にしてやっています。私の就業・生活支援セ ンターについては三障害ですが、精神を得意とし、約80%ぐらいは精神障害者の利用者 が多い所です。いま輪島さんがおっしゃっていた自立支援法によく似ているなと思いな がら話を聞いていたのですが、歩いてメンバーを確保していかないとなかなかお金にな らないということで、自立支援もまさにそれがあるのす。私たちが対象にしている支援 対象者については、ほとんどの方が自立支援対象者と考えていただいても結構かなとい うところで説明に入ります。  他の労働機関と若干違うのは、就業と生活を一体化した支援で、地域の中でやってい く。生活という部分は他の労働機関ではあまりないのですが、就業・生活支援センター については、これに重きをおいている部分があります。特に精神の部分でいうと、それ がなかったらなかなか就労の継続がままならないところがあって、そういう部分も含め てちょっと簡単にお話できたらなということです。  この間の有識者懇話会で輪島さんと一緒に同席させていただいたり、今日は八木原さ んが見えているので私も心強いと思っています。いま説明しましたように、和歌山県に は約110カ所のうちの現在3カ所です。これは私の所ですが、現在8名で、雇用支援枠 2名と生活支援枠1名で、これが基本的な就業センターの職務配置です。それ以外にジ ョブコーチも含めて8名でやっています。あと連携職員が6名で、いわゆる13〜14人を 毎日のように現場に出している所です。この卵のように白い所ですが、非常に長い海岸 線で現在は3カ所ですが、あと2カ所がここ2、3年の間にできて、県下のどこに障害 者がいてもサービスが受けられる形を、いま県と共同しながら取り組んでいます。  この地域については、相当過疎化が進んでいます。いわゆる先ほどの東京のお話とは ちょっと田舎はその辺が違いますので、派遣や契約社員は全く私たちは扱ったことがな いので、その辺はいろいろな勉強をして帰ろうと思っています。この場所については相 当広いです。大阪市の面積にほぼ匹敵するぐらい、山間部があっていきなり海岸線とい うことで、中間の平野部がほとんどない地域です。  これは就労支援施設ということで、私の所ではこのような形をとっています。いわゆ る産業基礎訓練を6つの作業所の中で訓練をする。それから就業センターで集約を図り、 そこで企業実習ということで何カ所かの体験実習に行ってもらいながら、その次は職場 実習に入っていくという形をとっています。すまいる、いなずみ、古道が丘、龍の里は 自立支援法で言う多機能型、いわゆる継続支援のBと就労支援の移行型という格好で、 やおきで6つの作業所の中で4カ所を就労移行型に変えています。そういう形でやって います。  私の所では精神とは言わず、知的であっても発達障害者の方も精力的に取り組んでい ます。皆さん基礎的な作業訓練ということで、短時間から定着に至るまでスキルアップ を図るために、3時間、5時間、7時間、フルタイムまでという格好で、徐々にスキル アップを図りながら、施設の中で育てていくことを非常に大事にしています。  施設で育てながら、企業実習へ向かっていくという部分を大事にしているのですが、 ケース・バイ・ケースでいろいろな形があります。例えばこういう形は書いていますけ れども、短時間で出る方もおられるし、大分時間のかかる方もいます。これは基準はあ るのですが、障害の特性の部分がありますので、そこを勘案し本人と個別支援計画を立 てながら、この制度に乗せ換えていくという形をとっています。  東京や大阪と違って田舎の場合はごく小さな町なので、いろいろな機関がありますけ れども、社会資源についてはごく少ないです。あくまでも事業主を中心としたネットワ ーク、社協を中心としたネットワーク、福祉・医療・保健を中心としたネットワーク、 社適を中心とした協力事業所のネットワーク等、8つほど持っていますが、私の所の部 分については情報を共有するだけではなく、その情報をいかに具体的に就労に結び付け ていくかを大事にしながら、ネットワークづくりを進めています。  これも1つの例で「18年度」と書いていますが、これは毎年、大体このパターンでや っています。6カ所の作業所である一定の作業所基礎訓練をやっていただき、今はない ですが、かつて厚生労働省のほうであった社会適応訓練事業、この事業はいま県担にな ったのですが、精神障害者はこの制度を使いながら、体験職場実習ということで複数の 事業所に行きます。いわゆるどの職種が合っているか、どんな職業が合っているかとい うことで、体験実習を3〜5カ所。それから隣の能力開発室、いわゆる県でいう委託訓 練事業へ乗せ換えて就業センターへ届け、それからペアヘルパーを入れながら、ある一 定の雇用を前提とした職場実習へつなげていく。その間にSNPとかいろいろな試みを 行い、ペアカウンセリングやペアヘルパーを入れながら、就職へ向かっていく形をとっ ています。  施設の中では育てることと支えること、それから私の所でいうグループ就労の根幹を 成すチームと、この3点セットを大事にしています。施設の中で育てて職場に出してい く形をとっています。  グループ就労についてということで、国のほうでも制度ができましたが、あまり使わ れていないということで私たちも非常に心配しています。右のほうの「すまいる作業所」 で職業準備訓練をやっています。和歌山県の経ダイ連の約60%の包装関係と契約して私 の所で受けるとか、トヨタ自動車の下請から仕事をいただいて、ハーネス関係をやって いくとか、いろいろな地域の事業所と手を組みながらやっています。そういう格好で、 一旦ここで基礎訓練をしてグループで出している。11月1日現在で私の所で出している のはペアで9組、グループで4組、いわゆる単労就労は非常に少ないです。  何でペアとグループで組んで行くかというと、どうしても精神障害者の人たちは企業 の中で不安を抱える、ストレスを抱えるということで、そういう部分が非常に強い。彼 らが助け合って仕事ができないかということで、約8〜9年前からずっとこういう形態 をとりながら、グループ就労やペア就労という形でやっています。非常に定着率が高く、 継続的に勤務ができる。仲間が同じ職場にいるという安心感がすごくあります。その代 わり、支援ワーカーでなくジョブコーチの力量が問われる部分も非常に多いです。  もう1つ特徴的なのは、ペアでやってもグループ就労でやっても、1つの会社の中で コーナーを設けていません。「こちらはやおき福祉会のコーナーですので、こちらで固 まって仕事をしてください」というのはほとんどやっていません。それをやると彼らの プライドがありますので、私は徹底的にそれを避けています。そういう形で、あくまで も一般の健常者の中に入って仕事をしていきますから、ジョブコーチの力量が相当問わ れます。これでほとんど成功していますので、ずっとこういう方式をとっています。18 年度から9組と4組という格好で維持していますが、今後もどんどんこういう形を増や していけたらと思っています。グループで働くということは、どうしても職場での弧立 が出てきますので、それを防いで不安を和らげるためにということで、当初からペア・ グループという形で進めています。非常に定着率が高いです。  2番目については、互いに励まし合い、支え合い、助け合うということを彼ら同士で やっていますので、グループで仕事に行って帰って来たら就業センターのほうでシミュ レーションをやったり、ジョブコーチや就労支援職員と一緒に、今日の反省や明日の仕 事につなげるためのシミュレーションなど、いろいろな手立てをしながらやっていって います。  ジョブコーチは、ペアで出していってもグループで出していっても、状況の把握が比 較的やりやすく分かりやすい。スムースに支援をやっていきやすい。ジョブコーチは事 業所の中へ行っても、本人支援ではなしに、その企業の中でキーパーソンを作っていく。 担当者はどの人がいいかということで、そこも含めて相当頭を悩ましながら、彼らと接 する会社の人たちを掘り起こし、探していくという部分も非常に大事ではないかと思っ ています。  私の所の部分については、あくまでもクローズではなしに全部オール開示でやってい ますので、障害を隠さない、伏せないということ。かつて11年前、私がこの仕事に初め て入ったときには、ほとんどの方は伏せて入っていて、3カ月以内にすべて帰って来た。 こんなことをしていたら精神障害者を潰してしまうということで、私たちが紹介したの ではないのですが、当時は各施設からばらばらに行っていた。そういう実態を見てきて いますので、センターを興したら、開示を条件としながら服薬管理をきちっとしていく。 作業基礎訓練は施設の中でやる。もちろん施設でいくらやっても限界があります。やは り事業所へ出して行くのがいちばんいいと思いますが、施設の作業訓練をする中で特に その人の障害の特性、服薬状況、そして精神障害者に最も大事な生活の背景がどんな形 になっているか、この3点セットを自分の所の箱の中で見ていく。そういう形をとって 訓練をやっていきます。  ほとんどグループの話なのですが、今日はそういうことなのでお話しますけれども、 グループやペアを出しても、休みたい、辞めたいというのが1年の間にいくつか出てき ます。そういう形もありますが、メンバーの持っている力はすごいし、ここですごい力 が発揮できるのです。私たちが彼らとどんな話をしても上から下を見ているとなります。 メンバー同士はそうはならないので、励ますと結果として辞めないで残っている人たち が相当多いです。年に何回も出てきます。メンバーがその中で相談に乗りながら、一緒 に進んでまた職場へ戻る。そういう形が結構多いです。それほどメンバーが職場の中に いるという存在感、安心感というのは我々には想像できないほど、彼らはそういう部分 は非常に強いです。  この左の方は現役の薬剤師でしたが、「どうしてもその仕事が合わない。所長、何と かしてくれ、全く反対の仕事をさせてくれ」ということで、エコ作業をということで、 天ぷら油の残った廃油をディーゼルオイルに変えてやっている企業が和歌山県にあり、 どんどん大きくなってきていますけれども、ここへ勤めています。これは厚労省の能力 開発事業を受け、第1期に卒業されて就職した方です。すごく頭が切れるので、その点 では会社の工程分析も全部自分で仕切って、課長も社長も要らないぐらいに自分でやっ てしまうという高い能力を持っている子ですが、やはり揺れます。ある一定の時期とい うよりも、いろんなプレッシャーとか不安がかかってくると揺れるのですが、就業セン ターへ戻って来て、そういう話をしながらやっていくと落ち着いてくる。  1つは、先ほど話が出ましたが、日々変動する人たちもいますけれども、就労するこ とによって安定した状態が長く続く人、回復の早い人が相当いますが、その人がやりた いと思っていることと施設の現状はほとんど合っていません。特に精神はそうです。私 が13施設で精神障害者は1人もいないと言うのは、そういう決め込んでしまう言い方は 悪いですが、それぐらい彼らは力を持っているし働きたいという強い願いがあります。 全国的に就業センターの門を叩く人は30%ぐらいで急激に伸びています。就職もこの間 の統計でいうと相当高い率で上がっている。特に雇用率が発生している関係で、右肩上 がりで雇用率が上がってきているところです。  私のところの地方で言うと大きな会社がなく、ほとんど零細企業という格好で考えて いただいたら結構なのですが、そこへ企業のネットワークによって就労を果たす。そう いう人たちが相当います。企業が精神障害者を雇用して成功し、そういう人たちが次の 異業種へ紹介してもらい、一緒に同行して就職を果たしていく。そういうことで私の所 はネットワークの力を借りながら就職している。そういう形が結構多いです。  いま現在、グループ就労でいうと約20数カ所、大体30カ所をペア・グループで出して いるのですが、事業所でいうと約25〜30ぐらいあります。もう1つは、どうしてもグル ープやペアに馴染まなくて単独就労にしたい方もおられますから、一旦、ペアとグルー プとしてある一定の力が付いたら、いわゆる転身を図るという方もおられます。  特徴的なのは、ペアとグループで知的と精神と混合型、もしくは発達障害の方と精神 という組合せをしながら出しています。私の所は圧倒的に精神障害が多いのでそういう 形をとっています。もう1つは自分の所の法人のメンバーでなく、今まで何らサービス を受けていなかった、地域に在住する精神障害者の方たちが門を叩くのが相当多いです。 いまで言うと70〜80%の方はそういうことです。自法人の利用者よりも、それ以外の人 たちが就業センターを利用されていることが多い。そういう形です。  これも能開事業なのですが、施設の中で自己評価する部分と施設職員が評価する部分、 ジョブコーチがやっている評価、事業の担当者がやっている評価の4つの評価票を、す まいるルで言う作業所と就業センターで連携会議を開いて総合分析し、職場実習に出し ていくという、ひとつの手立てをこの中で作っています。ここは大事な部分があると見 ていますので、こういう部分で障害者就業センター、能力開発事業を受けているすまい る、企業、ジョブコーチの四者で、労働の分野も入っていただきながら評価をしていく。 そういう形をとっています。福祉側だけでやってもほとんど意味がないので、あくまで も雇用主や事業所という形で入ってもらって評価していく。そういう方法をとっていま す。  どうしても精神の部分では立ち遅れてきた部分がありますが、ここ最近、どんどん就 職が右肩上がりで上がっている。まだまだそういう傾向を続けていけたらということで、 今日はごく簡単に走りましたが、いろいろなご質問にお答えさせていただけたらと思い ます。 ○岩村座長  ありがとうございました。精神障害者の方々のグループ就労ということで貴重なお話 を伺いました。ご自由にご意見、ご質問をお願いします。 ○鈴木委員  ペアで就労されている所と、グループで就労されている所といろいろあると思います が、これの賃金というのはペアだから半分とかでなく、1人は1人なのですね。 ○北山氏  ワークシェアリングは全然使ったことはありません。すべて和歌山県の最低賃金を全 部オーバーしています。 ○鈴木委員  1人は1人ということですね。 ○北山氏  そうです。 ○鈴木委員  だからペアで行っていれぱ、2人分の給与を出しているということですね。 ○北山氏  そうです。私の所については賃金除外というのは、かつて使ったことがないです。私 は使わないことに決めているのです。 ○鈴木委員  わかりました。 ○八木原委員  グループ就労をされている方々、あるいはペアでもそうですが、労働時間はどのくら いでしょう。 ○北山氏  初期の間は、極端に言うと昼までが1つのパターン、3時までが1つのパターン、そ れから5時までが1つのパターンという組合せでやっています。このペアとかグループ の各々に力がありますので、3時間やって2カ月目で5時間というケースもありますか ら一概には言えませんが、平均すると大体10カ月前後で6時間ぐらいまでは手が届くか なという感じです。 ○八木原委員  ということは、週に5日間働くわけですね。 ○北山氏  そういうことです。 ○八木原委員  そうすると、先ほど紀南地域のほうは、雇用率をカウントされる企業が少ないとおっ しゃっていましたが、今後、雇用率をカウントしていく、少なくとも私が関係している 所の障害のある人たちは、自分たちも働いているということで企業に少し貢献したいと。 その貢献というのは、企業が求めている雇用率に算定できるようなことをしたいという ふうに言う方がいます。そうすると短時間労働であれ何であれ、そういった雇用率にカ ウントできるように、例えばグループで一人ひとりがクリアできている人たちばかりで はありませんので、そういったときの雇用率に参入できるような状況としては、例えば 北山さんのほうで何か、こういうふうにすれば雇用率にカウントできるというご提案が ございますか。 ○北山氏  和歌山県で1.8%以上、雇用率が高いのです。つまり1つの特定の会社に相当な人数 が行っていて全体を底上げしているけれども、全体に見たら少ないという形態なのです。 どこがいちばん多いかは別にして、それが良いとか悪いとかも別にして、雇用率に算定 して云々というけれど、企業そのものがそんなに数がないし、それは輪島さんに頼んで もらったら、どこか特例子会社を引っ張ってきてくれるでしょうが、本当にそれぐらい 企業が少ないのです。いちばん多いのは市役所であって、その次は警察か農協かという ぐらいです。  いわゆる零細企業ですから、そこをかき分けながら、なかなか私たちの力だけではで きないのでネットワークを使い、ネットワークの紹介で仕事に入り込んでいくという形 です。それぐらい少ないです。人口は7万2,000人、県域全部を合わせたら14万2,000人 で、雇用率にカウントされる全国的な規模の会社というのは3社ぐらいです。そういう 所には全部入っていますから、これ以上頼みようがないぐらいたくさんの人たちを採っ てもらっています。  それと並行しながら、どうしても就労には手が届きかねるけれども、箱物では力が余 る人が全国的に1つの問題になっている。知的であっても精神であってもそこが問題な ので、国の調査研究の部分で第1次産業へ行ってもらっているのです。いわゆる全国的 に農家の跡取りがいない。遊休地や休耕地にNPOで興して、大阪や神戸の人たちが野 菜づくりを求めているので、自分らで企業を興しながら雇用関係が発生していく。今、 そういう形を整えているのです。どうしても企業には手が届かない。箱ではちょっと長 いこと置いてしまったら駄目だろうということで、そういう人たちを一定のグループで、 高齢者の人たちから管理委託を受け、自分らで大阪や神戸の団地の人に粗菜を提供して いく。その管理業務を委託して受ける。  その中で和歌山県は騒がれていますが、緑の産業とか村おこしとか、里山おこしと連 携しながら、くっつけて1つの企業グループにしていきたいなという格好で、いま走っ ています。その人たちは企業にはちょっと無理かなと、知的の人であるとか精神の人を、 いまそのような形をとっています。 ○斉藤委員  斉藤と申します。私どもも特例子会社をやっていまして、精神の方と積極的にご一緒 したいと思っているのです。いまの定着までのステップは素晴らしいですが、10カ月で 6時間ぐらい働けるようになるかなと言われましたけれども、そこまでいった方という のは、その後の定着はどうなのですか、そこまでいくと長きにわたって可能というふう になっていくのでしょうか。 ○北山氏  そういうことでいきます。 ○斉藤委員  そこが私どもとしても、いちばん心配というか知りたいところです。 ○北山氏  後ろで支える援助者、支援者が、ひとつは送りっ放し、出しっ放しだとほとんど潰れ ます。これは私の体験です。かつて経済界がいちばん難儀したのが、施設で送りっ放し、 出しっ放しで生活支援も何もやらないことでした。企業にそれを求めても、企業は戦力 として鍛えてはくれるけれども、後の部分は出した側で面倒を見ないといけない。私は 徹底してそういう後のフォローを大事にしているのです。これをやらないと障害者はど の人でも保ちません。相当高い能力を持っている人でも私は保たないと思います。10カ 月ぐらいになると、6時間以上ぐらいは優にいける人たちが多いと思います。その代わ り条件として、先ほどから言ったように薬をきちっと飲むことは付いて回ります。 ○片岡委員  1つだけ、南紀障害者就業・生活支援センターというネーミングですが、これは今の 自立支援法にいう生活支援センターとは違うのですね。 ○北山氏  全然違います。波は被っているけれども対象にはなっていない。 ○片岡委員  昨日も盛んに、これを論議をしていたものですから。 ○北山氏  対象者は、先ほども言いましたように自立支援法の対象者が多いです。自立支援法の 3年ぐらい先を走っているのと違いますか。 ○片岡委員  そうですね。 ○北山氏  今日は田中さんがお見えになっているけれども、すごいことだなと私は思っています。 10年とは言わないけれども、5年ぐらい先を走って、自立支援そのものだと私は思って います。 ○岩村座長  実際にグループ就労ということを考えたときに、先ほどステップを踏みながらという こと で、3時間、5時間、7時間とやっていくということでしたが、これは、そのグループ ならグループの人たち全員が、3、5、7とステップを踏むということではなくて、人 が入れ替わりながらいくということですか。どういうスタイルをとられるのですか。 ○北山氏  国を批判して悪いかどうかという部分はありますが、かつて国はグループ就労訓練の モデル事業ということで、福岡、東京、千葉の3施設でやりました。その結果や検証が どうだったかというのは私もまだ知りませんが、企業としたら、たとえどんな人たちが 訓練で来ても入れ替り立ち替りやっていたら、私は企業が保たないと思います。私の所 は徹底して固定しています。極端に言うと、5人の中でAさんが行っていて引いてしま い、今度はEさんが行ったら、Aさんが相当揺れてくる。そういう部分があって入替え したら絶対駄目です。グループ就労は絶対固定なのです。皆さん同じ労働時間です。片 方は力が弱いから1時間、君は5時間とか、こんなやり方をしていたらチームとして保 たないです。あくまでもチームで考えるのだったら、助け合いをしながらでも5時間だ ったら5時間きちっと行く。 ○岩村座長  そうしますと、グループ就労を受け入れていただくにあたって、事業主さんのほうの 理解も十分に得ておかないと、ということになりますね。 ○北山氏  そうです。 ○岩村座長  つまり最初から7時間ということで行くのでなく、要するに3時間から始める。5人 で3時間で行き、それが順次様子を見ながら5時間になり7時間になるということで、 ご理解をいただいた上で始めていく、そういうことになるのですね。 ○北山氏  都会のシビアな部分と、事業所間の競争とか何とかで地方でもありますけれども、そ この色合いが若干違うのかなと思います。田舎なんでいつでも顔の見える部分があって、 つうかあとまでは言わないまでもそれに近い部分がありますから、そういう点で言った ら地域の中で大分助けてもらっています。都会はそうはいかないだろうなと、八木原さ んの所は私の所と比べて、そうはいかないだろうと思います。板橋区と私の所と言った ら板橋区のほうが大きい。 ○鈴木委員  確かにおっしゃるとおりだと思いますが、例えば和歌山県といった行政のところから、 紀南に対しての支援というのも少なからずあるということですか。というのは、こうい う支援センターで生活的な場も支えていらっしゃるわけですよね。それに対して通常い まの自立支援法の形だとお金が出てこなかったりして、この人たちの生活の支援で職員 の確保が難しくなると思います。そういった部分で紀南の所で生活をしつつ企業へ行っ ているわけですよね。 ○北山氏  はい。 ○鈴木委員  ですから服薬の管理もできるだろうし、生活もそこで一緒にやっていたりするのでし ょうからということで、この場合の行政の支援みたいなのがあるのでしょうか。 ○北山氏  就業・生活支援センターというと、言い方が適当であるかどうかというのは許してほ しい部分もあるのです。国の直轄事業的な部分があって、なかなか障害福祉課であって も、流れから言うと商工労働部から都道府県であっても、こと生活ということになると 予算枠組んで県費補助はありますが、実際上やるのは自分の所の就業センター、そこの 中の法人の中でやっていく、基本的にはNPOであってもそういうところです。そうい うことに職員が時間が取られて、なかなかできないということで、私の所の場合はペア サポーターやペアカウンセリングの仲間が仲間を支えて、カウンセリングをしていく。 SSTも使いながらということです。仲間の力を借りるというのは非常に大事にしてい ます。 ○障害者雇用対策課長  いま、お話があった就業・生活支援センターそのものについては、北山さんの資料の 2頁目に職員構成を書いていただいていますが、所長さんが1人、就業支援ワーカーが 1人、生活支援ワーカーが1人、あとジョブコーチが4人と書いてあります。たぶん所 長さんも含め、就業支援ワーカーの2人分は、私ども労働保険の特別会計のほうから、 直接委託事業という形でお付けしているものです。あと生活支援ワーカーのほうは障害 保健福祉部のほうから、県を通じての補助事業という形でお一人付けている。そういう 意味で基本の職員構成の部分は、国の事業としてお受けいただいているという形になっ ているわけです。  加えて、たぶんジョブコーチの4名については、納付金制度の中でのジョブコーチ助 成金をお使いいただいているのではないかと思いますが、そういった意味で先ほど社会 福祉法人の中でいろいろ工夫されているというお話がありましたけれども、センターの 基本的な構成の部分については、国の事業として構成させていただいているということ です。 ○宮武委員  先ほどのお話で、働くことを通して病状の改善とか、あるいは悪化する場合もあると いうこと。やはり知的障害とか発達障害の人を含めて、働くことが最大のリハビリテー ションと言えるような面があると思います。その辺、具体的に病状が改善されたという 例があれば、お話いただけますか。  もう1点は、いまは地方が過疎で労働力人口も減少している。その中で逆に労働力と して非常に戦力になっていく可能性もあると思います。精神障害があることで若者が、 利用者の方が都市に出られず地方に残っていて、それがいま、そういう形で企業に戦力 として入っている。その地方状況というか、そういうことを教えていただきたいと思い ます。 ○北山氏  どういうふうに説明したらいいでしょうか。若者が地域にほとんど残りません。いわ ゆる東京、大阪、神戸に出て行く。残るのは圧倒的に高齢者と障害者です。私の所のセ ンターで言うと、少子化という部分もありますが全体をつかまえて言うと、東京や大阪 の大学を出て都市で就職を果たす。競争の中でお母さん、お父さんが気が付いた時点で は、迎えに行った時には発病されている。帰って来て休職を2年するけれども、リワー ク事業もなかなかうまくいかない。そんなに簡単に、職場復帰というのは難しい部分が あると私は見ています。そういう意味で私の所へ、ある一定の時期に来て門を叩く。そ の人たちはすごい潜在的な力を持っている。そういう人たちが結構多いです。  もう1つの事例は、私は10年この方、誰も入院させたことがないのです。就職させた ことより、入院させたことのないのが私の自慢なのです。全然ない。職場実習とか定着 でほとんどない。他の施設ではありますけど私は入院させたことがない。何がどう違う かというと、私は彼らと1杯飲みながら話をしますが、彼らは月に1回必ず病気になる のです。自分の給料を計算するとき、あの顔を見ていたら誰も病気だと思わない。それ ぐらい彼らは自信を持ってきている。  仕事をすることによって、私は社会参加とか地域の中で生きていくとか、そこまでそ んな難しいことは言いませんが、やはりお金が入るということを彼らはすごく喜びます。 私の所にいる精神障害者の方については相当お金も貯めています。いちばん生活の部分 で難儀しているのは知的の方で難儀しているのです。精神の方は金を使うのを怖がりま す。もし発病したらこれを使うという方が結構います。全部が優等生ではないのですが、 一見、何でもできそうな力のある人が私はいちばん怖いのです。就職させると何でもで きそうでできない。施設でこつこつ1段ずつ階段を上がって来る子たちのほうが、遥か に粘り強いし打たれ強いし、会社の中である一定の体制を自分で作りながら仕事に就い ている。こういう人たちが結構多いです。何でもできる人がいちばん怖いのです。私の 11年やってきた経験です。 ○北浦委員  ペア・グループ就労というのは素晴らしいものだと思いますし、その効果もいろいろ ご説明いただいて分かったのですが、逆にペアの組み方というところで難しさがあるの かなと思います。その辺は大変ご苦労されていると思いますが、例えば組んでみて組替 えとか、あるいは組む過程でややトライアル的に試行錯誤するとか、そういったような ことはあるのでしょうか。その辺は慎重にやっているのだろうと思いますけれども。 ○北山氏  基本的には基準はありません。私たちが求めているのは、彼らがお互いに支え合い、 助け合いをしなさいということなので、作業のグループチームを編成するときにはあま り考えていません。ほとんど考えていない。それをやると施設のエゴとか、こちらの目 に適う人だけを固めてしまう。ほとんど基準はないです。仲が悪い人は「私はあの人と は合わないから」と言ってきます。でも合う合わないは別にして、1つの特徴は、事業 所へ行っても1つのコーナーでやっていないのです。離れているのでできるのです。1 つのコーナーをいただくとそうはならない。そこらで使い分けています。 ○岩村座長  だから気が合わなくても、向こうに行けば別々の所にいてということにはなるという こと。 ○北山氏  田舎のことなんで、都会みたいに自分が希望する職種で出てくるのではないので、ご く限られた仕事の中で、いまあなたはペアが悪いグループが悪いと言っているけれど、 これでなかったらいけないから、しばらく目をつぶって行くだけ行ってみろということ で、一旦送り出したらそのうちに職場環境に慣れてくるのです。 ○鈴木委員  地元でいろいろな訓練をして、企業へ行くまでの期間というのはそれぞれ違うと思い ますが、平均はどれぐらいですか。 ○北山氏  能開発事業を使うと3カ月です。2カ月の法人の訓練と職場実習の1カ月で3カ月で す。それ以外で私の所で言うと6カ月〜10カ月は、作業所の中でのある一定の訓練が必 要ではないかと見ています。 ○鈴木委員  概ね半年ということ。 ○北山氏  そういうことです。半年もしくは10カ月です。大体半年で出て行くかなという感じで す。 ○鈴木委員  作業所でやって、企業で半日から少しずつ時間を延長していってということですね。 ○北山氏  その6カ月というのは、私の所の場合は2カ月ぐらいしたら体験実習に出しているの です。就職ではないのですが、複数の事業所へペアやグループで訓練に行っているとい うイメージを持っていただくといいと思います。 ○鈴木委員  作業所でも作業しつつ、週に1回ぐらい。 ○北山氏  週に1回ではないのです。週に3回ぐらい出しています。 ○鈴木委員  長く出しているのですね。 ○北山氏  従来の作業所というイメージと全然違うのです。あくまでも就労に加わって地域へ出 していきたいという部分がありますので、どんどん出していきます。 ○鈴木委員  作業所での受注作業とか、そういったものはあまりしていないということになります かね。 ○北山氏  やっています。先ほど言った経ダイ連の部分やトヨタの部分というのは、現在、40名 が私の所に来ていますので、相当出してもそれなりに余力はあります。 ○鈴木委員  わかりました。 ○岩村座長  予定していた時間を大分超過しました。今日はお2人に大変貴重なお時間をいただい てお話を伺いまして、ありがとうございました。ヒアリングはここまでとさせていただ きます。お2人についてはこれをもってご退室ということになります。ありがとうござ いました。  議事は引き続き「その他」という予定になっています。これにつきましては平成18年 の「障害者雇用状況報告」について、先ほど申し上げたように事務局からご説明をいた だくということです。よろしくお願いします。 ○事務局  お手元の資料「『障害者雇用状況報告』の集計結果について」をご覧ください。昨日、 本年6月1日現在の障害者の雇用状況について記者発表させていただきました。時間の 関係がありますのでポイントを絞って説明させていただきます。  1頁は「民間企業」の状況です。1つ目の○にありますように民間の実雇用率は1.52 %です。前年が1.49%でしたので0.03ポイント上昇しています。法定雇用率達成企業の 割合は43.4%です。前年が42.1%でしたので1.3ポイントほど上昇しています。56人以 上規模の企業ということになりますが、ここに雇用されている障害者の数が約28万4,000 人で、前年に比べると約1万5,000人増です。ただ、実雇用率のカウント上の数ですの で、例えば重度障害者の方であればダブルカウントされているということで、カウント 上の数字ということで捉えていただければと思います。  ※にもありますが、実雇用率が1.5%台になったのは初めてです。障害者雇用が法的 に義務化されて施行されたのが昭和51年10月からですが、それ以降初めてということ です。この1.52%という実雇用率の内訳ですが、身体障害者が1.28%、知的障害者が 0.23%、そして精神障害者の方も実雇用率にカウントするということで、今回からカ ウントに入ってきたわけですが、精神の分が0.01%です。  全般的にこうした形で障害者雇用は着実に進展していると思っていますが、2つ目の ○にありますように、一方でまだ課題もあるということです。1つは、中小企業の実雇 用率が低い水準であるということです。特に100人〜299人規模の企業においては、今回 の実雇用率は1.27%ということで、他の企業規模に比べて最も低い状況になっていて、 中小企業で苦戦しています。  一方、次にあるように1,000人以上規模の大企業においては、実雇用率は高い水準な のですが、法定雇用率達成企業の割合ということで見ていくと、最も低いということで 36.9%という状況になっています。  今回から実雇用率の算定対象とされた精神障害者に関してですが、雇用されている数 はカウント数ということで捉えていただければと思います。カウント数にして約2,000 人となっています。  2頁が公的機関の状況です。上のほうにありますように、国の機関、都道府県の機関、 市町村の機関については、全体として法定雇用率を達成している状況にありますが、教 育委員会については、前年から比べると若干の改善傾向ではあるのですが、まだまだ低 い水準ということで、教育委員会全体の実雇用率とすると1.46%となっています。  次は「特殊法人」です。これは具体的に申し上げると独立行政法人、国立大学法人な どですが、全体の実雇用率としては1.56%ということです。246法人あるわけですが、 法定雇用率達成法人の割合にすると54.5%ということで、ここもまだまだ遅れが見られ るということです。  「取組の強化」ですが、民間企業については指導基準を見直し、達成指導を強化して いくということですし、公的機関については我々として指導する上での目標というのを 先般設定しました。こういうことを踏まえて指導を徹底していくということです。精神 障害者の方については、こうした雇用率制度であるとか各種支援策の活用を通じて、引 き続き雇用を進めていきたいと思っています。以下、3頁目、4頁目が、いま説明しま した内容の具体的な数字を表形式に載せていますので、ご参照いただければと思います。  5頁は「民間企業における障害者の雇用状況」について推移を示しています。折れ線 グラフが実雇用率ですが、実雇用率については3年連続で上昇しているということで、 平成16年が1.46%、平成17年が1.49%、今回は1.52%ということで、3年連続で上昇し ています。  棒グラフで示しているのが障害者数(1,000人単位)で、これも実雇用率のカウント 数ということです。今回、身体障害者の方が雇用されている数を見ると23万8,000人、 知的障害の方が4万4,000人、精神障害者の方が先ほど申し上げたように約2,000人とい う内訳になっています。身体障害者の方、知的障害者の方の雇用者数を見ても、いずれ も伸びているという状況です。  6頁は、企業規模別に実雇用率と法定雇用率達成企業割合の推移を見たものです。 特に56人〜99人規模のところと、いちばん下の100人〜299人規模のところが、ここ数 年来を見ても低下傾向ということです。56人〜99人規模のところについては、今回実 雇用率が1.46%ということで、ここは前年に比べると横ばいです。100人〜299人規模 のところの実雇用は先ほど申し上げたように1.27%ということで、前年に比べると0.03 ポイントほど上がっていますが、まだ低い水準だということです。  隣が企業規模別に見た達成企業割合です。これについては先ほど申し上げたように、 特に300人規模を超える大企業のところで、達成企業割合が全国平均値よりも低い状況 が読み取れるかと思います。  7頁は産業別に見た場合にどうなっているかです。産業分類が途中で変わりましたの で、折れ線グラフも途中で切れていて大変申し訳ありません。平均の実雇用率1.52%と 比べると、例えば医療・福祉、製造業、運輸業といったところで平均の実雇用率も高い 傾向が見られます。一方、低いところを見ると、サービス業、飲食・宿泊業、卸売・小 売業、いちばん低いところにあるのが情報通信業です。こういったところは平均と比べ ると実雇用率が低いということです。  隣の法定雇用率達成企業割合を見ても、同じように製造業、医療・福祉、運輸業とい ったところが平均より高く、サービス業、飲食・宿泊業、卸売・小売業、情報通信業と いったところで平均よりも達成企業割合は低いといった傾向にあります。雑駁ですが以 上です。 ○岩村座長  ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらお伺いしたいと思い ます。 ○鈴木委員  第1回目のときにもお願いをしたかと思いますが、この身体障害のところは結構多い のですが、この身体障害の中の区分別に今後調査を分けてお願いしたいというのが1点 です。この数字で55人以下の企業の所での障害者雇用もあるわけで、その辺のところの 調査も今後お願いしたいということを、再度お話をしておきたいと思います。よろしく お願いします。 ○障害者雇用対策課長  いまご指摘のあった点ですが、身体障害の内訳についても何らかの形で私どももきち んと把握していかないと、それぞれの障害の部位別での対策の考え方ができないと思っ ていますから、それはやっていかなければいけないと思っています。今日ご説明した、 いわゆる6・1報告については、1つは企業が把握していただくときの負担感と言うと 恐縮ですが、それとの関係で障害部位まで企業から報告を求めていないということがあ ります。ですから、このデータではそういった意味で、そこが取れないという実情があ ります。  もう1点は、55人以下の所については、いわゆる雇用義務が1人以上あるということ にならない企業となるものですから、そこについては報告を求めていないということが あり、いま言われた点は2点とも、そういう意味で漏れてしまっているということです。 一方で5年に一度、雇用の実態調査というので統計調査としてサンプル抽出し、各企業 に調査をかけているものがあります。その中では障害部位別の調査も一定程度できてい ますし、55人以下の所も5人以上の企業が対象になっていて含まれていますから、そう いったデータも使って実情の把握をきちんとしていきたいと思っています。 ○鈴木委員  確かに企業の調査をする時の手間というお話がありますが、きっと企業のところでは、 ちょうど今ごろの時期に一生懸命年末調整をやっているわけで、年末調整のところでち ゃんと障害名を書いているのです。ですから、それはたぶん今までの調査の項目の中に、 いわゆる身体か精神かという部分で、身体の中の区分というのがなかったからだと思い ます。それは予め作って調査をかければ、私が言うのも変ですが、さほど手間のかかる ことではないだろうという理解を私はしています。本当の意味の障害者の雇用というこ とを考えれば、その辺は法律で規定がないからといって雇用していないわけではなく、 雇用している所もあるので、それはちゃんと把握する必要が全体としてあるだろうと思 っています。  それと、それらの調査をするときに、市町村の関係を活用してはどうかというふうに 思います。いま企業のことばかりずっとやっていますが、企業側からしてみれば、公的 機関が雇っていないのに何でうちらが雇うんだという部分が非常に強いかと思います。 そういった部分でも市町村、県、教育委員会も含めて、きちっと対応していくことが全 体的な底上げだろうと考えています。  自立支援法の中でも、障害者の雇用をきちんとしろと書いてありますが、各行政機関 は費用徴収ばかり考えていることが多く、働かそうということはあまり考えていないケ ースが多いので、そういった意味で市町村や行政に発破を掛けるよう、ご努力をお願い したいと思います。 ○障害者雇用対策課長  1点だけ。公的な機関についてはおっしゃるとおり、民間企業との関係では率先垂範 ということがあるべきだということで、それで法定雇用率も2.1%という高い設定にして あるわけです。先ほど説明が不十分だったかもしれませんが、基本的に教育委員会以外 は、官公庁は水準としては達成している状況にあるわけです。ただ、一方で未達成の機 関が残っているのも確かですから、そこは私どもとしても1つひとつの未達成機関を潰 していくというつもりで、指導を徹底していきたいと思っています。  併せて、いまお話があった自立支援法の就労支援との関係では、我々もきちんと法律 の中に書かれた就労支援の考え方が福祉の現場で活かされて、かつ雇用のほうにつなが っていくことが実現しないといけないと思っています。そこは市町村、都道府県への働 きかけも強めていきたいと思っています。よろしくお願いします。 ○宮武委員  それにつきまして是非お願いしたいのですが、公的機関においては特殊法人もそうで すが、公的な責任と納付金の義務を免れていると思います。そういう意味では非常に責 任が重いというか、責任があるというふうに考えます。具体的に指導の目標を設定して というお話でしたが、内容についてはどういうものがあるのでしょうか。 ○障害者雇用対策課長  1つは、いまお話があったように納付金制度の対象外になっているという意味で、別 の形でというか、公的な機関としての状況をきちんと皆様方の目にしていただく形にし ないといけないと思っています。お手元の分厚い2点止めになっている資料の29頁以降 がそうですが、今回から2.1%あるいは2.0%が適用になる官公庁、特殊法人の類につい ては、すべて個別の機関のデータをこういった形で公表させていただき、どこが未達成 の機関であるか、どのぐらい不足数があるのかを見ていただくことにしました。  今回私どもがご提供申し上げている資料は、都道府県の機関までに止どまっているの で、市町村の機関は各労働局で発表することにしています。ここの(4)の不足数のところ がゼロになっていない所が未達成機関ということですが、そういった所に対する指導を、 私どもとしても引き続き徹底していきたいと思っているところです。 ○鈴木委員  雇用率を出すときに、これは第1回の会議でも出たと思いますが、事業所別というか、 要するにこれは本社の所在地別になっていたりしました。神奈川県などは結構頑張って いるのに最低だと私は批判を受けたりしているのですが、そういった意味では事業所別 のも作っていただいておくと違うかなと思うので、その辺のところも含めてお願いした いと思います。 ○障害者雇用対策課長  その点につきましても、そういうご指摘をいただいていましたので、資料の22頁にな りますが、都道府県別のデータをここでご提示しています。(1)の欄の実雇用率というの は昨年と同様、本社ベースの集計による各都道府県ごとのものです。それに対していち ば ん右側の(参考)と書いてあるところは、いま鈴木委員からお話があったような事業所 ごとの集計ということで、神奈川の事業所で神奈川県に支店がある所での雇用は神奈川 のほうに集計されます。そういう形で集計したものを参考としてお出ししています。  ちなみに参考までに申し上げますと、確かに神奈川の場合は本社ベースでは1.41で、 相変わらず全国で下から2番目なのですが、相変わらずというのは全国最下位は免れた のです。事業所ベースで見ると1.60となっていて、その意味では確かに神奈川の特例子 会社の集積とか、そういうことも含めた神奈川自体の雇用の水準というのは、そう低く ないということが今回のデータでもわかります。  一方、企業に対する指導という目で見ると、本社のある所で所管のハローワークが指 導をかけることになってやっていますから、その意味では神奈川に本社を置いている神 奈川の地場の企業での雇用は、あまり進んでいないことになるのではないかと思ってい ます。 ○輪島委員  もう1つお伺いしたいのですが、今日のヒアリングのエイジェックさんの評価という か、どういうふうに聞けばいいのかというのがよく分からないのです。どういう経緯で エイジェックさんに決めて、何を言っていただくかというのが、いまひとつよく分から ないのです。その点をご説明いただけますか。 ○障害者雇用対策課長  今日、お越しいただいた趣旨としては、紹介予定派遣を障害者について試みておられ るということを、私どもホームページを見たり実際に行って見たことも含めて把握しま したので、お越しいただいたというつもりでいます。本日のヒアリングの内容として論 点が少しずれていたというご指摘だとすれば、私どもと事前のエイジェックさんとの打 合せが不十分だったということではないかと思います。その点はお詫び申し上げます。 ○輪島委員  ビジネスモデルとしては非常にわかりやすくて、むしろあるべきだろうなというふう にも思いますが、企業実務のほうとか、もしくは福祉の専門家の皆さんも、例えばジョ ブコーチとか福祉の社会資源をどうやって活用するのかというのは、全く念頭にないよ うな感じもするのです。そこら辺で良い取組みなのだろうけれども、非常に粗削りなビ ジネスモデルのお話だったので、今後のこの研究会の議論の種にはいいとは思いますが、 その点からもう1回消化しないと、ただ聞いただけというふうになるのかなと思って残 念に思います。それだけコメントです。 ○岩村座長  私ども、ビジネスモデルとしては非常に面白いモデルだと思ったのですが、たぶんあ る意味、先駆的であるが故にいろいろなジョブコーチや何とかとの連携というところま で、まだ話が及んでいないという部分はあるのだと思います。ですから、たぶんこの検 討会なりで検討してみて、どういう示唆がそこから得られるのか。あるいは別途何か知 恵があるのかということも検討してみるのは、よろしいのではないかと思います。 ○障害者雇用対策課長  その意味では、私どものほうのリサーチが不十分だったという点もあるかもしれない のですが、障害者の紹介予定派遣を実践的に試みている所があまり見つからなかったと いう事情もあり、こういった形になったということもあると思いますので、少し他の実 例等もあるかどうか探してみたいと思います。この議論の場のご参考にしていただける ような実例があるかどうか探してみて、いい例があればまた追加してご提供申し上げる ということもやってみたいと思います。 ○岩村座長  たぶん、そういうご努力も必要だと思いますが、他方で輪島委員が言われたように、 今日のお話をこちらでどう消化して、何が課題なのかというのを考えていくことも必要 なのかなと思います。特に私が興味を持ったのは、ビジネスとして成り立たせなければ いけないということもあるのですが、一種の障害者の方の代理人的立場に立ってコミュ ニケーションをとったりしているところは、非常に面白いことだと思ってお話を伺いま した。それを効果的な形で、いかに結び付けられるのかということも考えようがあるの でしょうが、他方で、伺うと紹介予定派遣自体がそれほどまだビジネスモデルとして確 立していない。つまり健常者についてもそれほど確立していないという中なので、そこ から由来する難しさというのがあるのかもしれないという気がします。よろしいですか。 ありがとうございました。  次回以降の進め方ですが、次回につきましては、先日お諮りした労働者派遣事業にお ける障害者雇用状況に関するアンケート調査の結果について、説明をいただく予定にし ています。併せて、これまでの検討やヒアリングなどの結果も踏まえながら、皆様の間 でのフリーディスカッションをして、議論を深めさせていただきたいと考えています。 さらに、それを踏まえて論点整理をしていきたいとも思っていますので、よろしくお願 いしたいと思います。最後に日程等について事務局から説明をいただきたいと思います。 ○八木原委員  すみません。ちょっと言わせてください。この研究会なのですが、これの他に2つ研 究会がございますよね。それの資料というのも参考という形でいただければ、ありがた いなと思います。 ○障害者雇用対策課長  いま、お話がありましたように、ここの場以外に中小企業での雇用促進に関しての研 究会と、福祉分野・教育分野との連携による就労支援に関する研究会ということで、あ と2つの研究会をやっています。いまご指摘のあった点については、一部は既にホーム ページ等に載せているものもあるのですが、いまお話がありましたので、各委員にはこ れまでの配布資料については別途、後日郵送させていただこうと思いますが、それでよ ろしいですか。併せて他の研究会での論点といったものも、これからこちらの研究会と 同じような時期に論点整理等々を進めていくことになるので、そこは議論の参考として、 またこちらの研究会にも資料を出させていただくなりして、参考にしていただくように したいと思っています。 ○岩村座長  日程をお願いします。 ○事務局  次回は1月25日(木)15時30分から17時30分です。場所は厚生労働省5階共用第7会 議室を予定しています。また本日、お手元に次回研究会の出欠確認の用紙を配布してい ます。ご記入いただいてお帰りの際に机の上に残していただくか、来週22日中にファッ クスで返信していただきますようお願い申し上げます。また第3回研究会の議事録(未 定稿)ですが、配布させていただいています。内容をご確認いただいた上でホームペー ジに公開したいと考えています。メールでも同じものをご案内いたしますので、ご意見 等がございましたら来週の金曜日、12月22日まで事務局宛にご連絡いただきますようお 願いします。 ○岩村座長  ありがとうございました。よろしくお願いします。最後に本日の議事について、基本 的には議事録の公開は差し支えないと思いますが、先ほど片岡委員からもご発言があり ましたし、生活支援センターのほうの内容で、場合によっては差し支えのあるものがあ るかもしれません。今日聞いている限りではあまりないようには思いますが、その部分 については削除なりがあり得るというご了解のもとで、基本的に公開ということにさせ ていただきたいと思いますが、それでよろしいですか。                   (了解) ○岩村座長  ありがとうございます。それでは時間をオーバーしてしまいまして大変申し訳ありま せんでした。今日の研究会はこれで終了させていただきます。長時間にわたりましてあ りがとうございました。 【問い合わせ先】  厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課  雇用促進係   〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2  TEL  03(5253)1111(内線5855)  FAX  03(3502)5394