06/12/07 有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会 第2回速記録 第2回有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会議事録               平成18年12月7日(月)14:00〜16:00         於:厚生労働省第15会議室 ○中垣審査管理課長  それでは、定刻となりましたので、ただいまより第2回有効で安全な医薬品を迅速に 提供するための検討会を開催させていただきます。よろしくお願い申し上げます。  本日は望月先生から御欠席という御連絡をいただいております。また、南委員は御出 席なのだろうと思いますが、遅れられております。  それでは、座長の高久先生、以降の議事進行、よろしくお願い申し上げます。 ○高久座長  最初に本日の配布資料の確認を事務局の方からよろしくお願いいたします。 ○事務局  それでは、お手元に用意しております議事次第のところに配布資料の一覧がございま すけれども、この一覧に従いまして本日の配布資料について御確認をお願いいたします。  資料1は本検討会の開催要綱、資料2は構成員の名簿でございまして、これは前回の 資料と同様のものでございます。資料3といたしまして、第1回の検討会での資料に対 する補足説明のための資料を用意いたしております。資料4は日米欧の審査機関の取り 組みということで、この資料4の中で4−(1)から(5)までずっとあります。なお、構成員 の先生のお手元には、資料4−(1)、4−(2)、4−(4)につきましては、本文についての厚 い冊子も用意させていただいております。資料5として、本日のヒアリング希望団体及 び意見提出のあった団体等の意見ということで、厚い資料が用意されております。資料 6として、論点整理(案)という2枚の紙のものが用意されております。これのほかに 今の議事次第と追加配布資料という小児科学会からの資料、それと座席表がございます。 以上が配布資料でございますけれども、配布資料の落丁あるいは足りないもの等ござい ましたら、事務局までお知らせいただければ、お届けいたします。 ○高久座長  どうもありがとうございました。  それでは、最初に前回の検討会で承認審査の実態などについて事務局の方から説明が ありましたけれども、委員の方々からその説明について幾つか御質問がありましたので、 その答えを今から簡単にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局  それでは、資料3に基づきまして、前回いただきました幾つかの御指摘についての御 回答について御説明申し上げます。  まず資料3をめくっていただきまして、資料3−1として、前回望月委員から御指摘 があったものでございますけれども、欧米で初めて承認されてから我が国で申請される までの期間ということで、どんなところに時間を要しているのかということについて、 もう少し内容を解析するとさらに問題点が浮かび上がってくるのではないかという御指 摘をいただきまして、これにつきましてさらに解析をしたものが次にめくっていただい た2ページ目の資料でございます。これは平成15年から17年までの3年間に我が国で 承認された新有効成分42のうち、海外で承認された時点で我が国では承認申請されてい なかったものにつきまして、各会社にその事情につきましてアンケート調査をいたしま して、実際に回答があってこのような形で取りまとめることができた27品目につきまし て整理したものでございます。  この表の見方といたしましては、欧米での初承認というところから右側の白い棒の先 までがいわゆるドラッグラグという、我が国の承認の時期と欧米での初承認の時期の差 でございます。この中で左端に示した点々で塗りつぶしたところが決定から治験開始ま で、以下治験期間、治験から申請までの期間、審査期間というようにまとめてみました ところ、品目の種類は異なることも背景にありますし、一概には言えないわけでありま すけれども、黒いところ、治験の実施期間については時間を要する傾向にあるというこ とが見てとれるのではないかと思います。また、棒の左の端というのが開発に着手した 時点を示すわけですけれども、欧米での初承認の時期から5年より前から着手している ものというのはこの中で数品目しかないというようなことで、言いかえると、開発の着 手が遅いというような傾向がここからは見てとれるというようなことが言えるのではな いかと考えられます。  次をめくっていただきまして、資料3−2につきましては国際共同治験についての御 指摘で、国際共同治験について仮に実施しなかった場合と比べてどの程度開発期間が短 くなったのかということについてでございます。これは実際に国際共同治験をこれまで に行った会社に対してヒアリング等を実施したのですけれども、実際に国際共同治験を やらなかった場合とやった場合を比較して効果を予想するということは困難ということ で、具体的に短縮についての数字ということは御回答を得られなかったわけでございま す。まだ国内で国際共同治験を実施した上で承認いたした品目というのは少ないという 状況にありまして、現段階では手探りで実施しているのではないかとは思われます。し かし、今後国際共同治験の実施数がふえ、またガイドライン等の環境整備が進めば、具 体的な成果というものが数字となって示されてくるのではないかと思われます。  おめくりいただきまして、次は資料3−3という4ページ目でございますけれども、 これは平成15年度以前から申請があって、いまだに審査中という品目がこの中に10+ 9+17の36品目あるわけでございますけれども、これの審査に時間を要している点を 解析すると問題が浮かび上がってくるのでないかということで、この36品目についての 理由を見たものが次のページの円グラフでございます。  これは審査が長期化している理由につきまして、まず右側のグラフを見ていただきま して、(1)の11につきましては、承認の申請後にまた追加の臨床試験を実施したというこ とで遅れているものがこの11品目でございます。(2)につきましては、提出された申請資 料から申請にかかる医薬品の有効性等の判断が困難なために、企業側で申請取り下げを 含めて検討中といったものが8品目ということでございます。その他の(3)のところの17 品目につきましては、企業側で総合機構からの照会の検討に時間を要している、あるい は審査の過程でほかの優先審査品目の影響を受けて審査が遅延しているといったような さまざまな要因が複合しているものがこの(3)ということでございまして、個々の品目に よりさまざまな要因が複合することがあるわけですけれども、追加臨床試験の実施、あ るいは申請した資料から有効性等の判断が困難といったような場合が多かったというこ とで、このあたりについては治験相談の活用の余地がさらにあるのではないかと考えら れます。  資料3−4につきましては、治験関係の指摘事項でございますけれども、これにつき ましては研究開発振興課長の方からお願いします。 ○ 新木研究開発振興課長  6ページ目資料3−4をごらんください。2つ御質問をいただいております。  まず第1点、治験環境の改善のデータに関してでございますが、これは7ページ目を ごらんください。幾つか治験環境の変化に関するデータを拾い集めてみました。1つは CRC(治験コーディネーター)がいる施設の割合でありますが、ここにお示ししたと おり、2002年及び2003年の上半期のデータの66%余りが、2004年及び2005年の2年 ほどたちますと94.7%というふうに上昇してきている。これは治験環境が国内の医療機 関において整ってきたことを示す1つのデータではないかなというふうに思っておりま す。  もう1つ、2番目のデータでありますが、治験期間の比較であります。この2003年か ら2004年にかけまして治験の期間が平均555日というのが1年間で526日と若干改善を しております。  また、3番目にコストに関するデータでありますが、2004年と2005年という1年間 のデータでありますが、治験に要した費用、これは研究経費、CRC費用、SMO費用 等を含めておりますが、この平均195万円が168万円程度の低下を示してります。  それから、6ページ目にもう一度お戻りください。2点目の御質問、治験にかかる期 間(1品目の治験全体に要する期間)と1症例にかかる費用との相関に関するデータで あります。申しわけございませんが、これに関する相関はどのような形なのかというデ ータは得ることができませんでした。  ただ、8ページ目をごらんいただきまして、日米欧の治験の費用・症例数・期間とい うデータを見ますと、この治験に要する期間は、いろいろな品目がございますが、全体 の平均としては、四角の一番右側のもの、全品目平均で濃い色が日本、薄い色が米国の データであります。米国が5年程度、日本が6年ちょっとということで、米国よりも2 割強余計に時間がかかっている状況がこれからおわかりいただけると思います。  一方、費用に関しましては9ページ目をごらんください。日本と諸外国の同一プロト コルにおける費用の比較というデータを示したものでございます。これをごらんいただ きますと、日本の場合には米国に比べて2.5倍程度、もう少しでしょうか、費用がかか っているということがおわかりいただけると思います。すなわち、費用のかかっている 部分のうち、期間が長いということが決定的な要因というよりも、ほかの要因が大きい のではないかというふうにはある程度推定できるのかなと考えられます。確定的なデー タではございませんが、以上のような状況でございます。以上でございます。 ○高久座長  どうもありがとうございました。今の説明にどなたか御質問ありますでしょうか。よ ろしいでしょうか。  それでは、次に日米欧審査機関等における取り組みということで、これは資料4であ りますけれども、これにつきましても事務局の方から説明よろしくお願いします。 ○事務局  それでは、資料4に基づきまして、日米欧の審査機関の取り組みについての報告書の 概要について簡単に御紹介を申し上げます。これは今後のこの検討会における審議の参 考にしていただくために配布したものでございます。  まず、資料4−(1)及び4−(2)についてでございますが、これは米国食品医薬品局(F DA)のクリティカルパスと呼んでおります取り組みについての資料でございます。米 国FDAは患者に届く画期的な医薬品等についての期待と停滞ということにつきまして 現状の分析、それから今後の優先的検討課題といったものを取りまとめておりまして、 2004年3月、2006年3月の2回にわたって報告を取りまとめて公布している次第でござ います。  まず、資料4−(1)の2004年3月のレポートによりますと、米国の現状の分析といたし まして、近年の基礎研究における新たな発見が患者にとっての利益に結びついていない のではないかというような懸念を示すとともに、その原因として、基礎研究から開発の 全過程の中では、医薬品等の開発経路、その安全性の確認、臨床試験、あるいは審査と いった開発経路につきまして、その非効率、高コストの影響があって新薬の出現が遅れ ているのではないか、ここがクリティカルパスになっているのではないかというような 指摘をしております。  資料4−(1)の2ページ目に概要がありまして、この概要の2〜3の2ページぐらいの ところにそのような記載がございます。その2ページに、革新的状況に対する期待に対 して実際にそれが医薬品の実現につながっていないということが2番目のセンテンスに 記載がございまして、このような問題意識からこの報告書はまとめられたものでござい ます。  3ページの末尾にありますように、医薬品や医療機器の開発プロセスがもはや基礎研 究の革新に追いつくことができないので、クリティカルパスの近代化を成功させるため の一致団結した取り組みが必要であるというようなことをこの2004年の報告書は述べ ているものでございます。  これに対しまして、さらに資料4−(2)、6ページから始まります2006年の報告書にお きましては、この改善のために優先的に取り組むべき6つの優先的課題というものを述 べております。  ここで6つ挙げておりますのは、まず第1に、8ページのところにございますバイオ マーカーの開発、それから、第2に臨床試験の効率化といったような点がまず非常に重 要な分野であるというようなことを述べております。また、第3の課題としては、生物 情報科学(バイオインフォマティクス)の活用によって開発の効率化を図ることが重要 であると述べております。また、第4の課題として、製造段階での効率化ということも 重要な課題だということを8ページの下段のところで述べております。それから、5番 目につきましては、新興感染症やバイオテロに対する対策ということも緊急の課題とい うことで述べております。さらに6番目の課題として、小児及び思春期の患者のための 治療法の開発といったものが重要であるということで挙げておりまして、これらが具体 的な6つの優先的課題としてこの2006年のFDAの報告書ではまとめているところで ございます。  次に、資料4−(3)についてでございますけれども、こちらは米国科学アカデミーがF DAから委託を受けて独立に評価をしたものでございまして、医薬品の安全対策の将来 についての提言を取りまとめたものでございまして、これは本年9月に公表されたもの でございます。  これでは具体的な提言といたしましては、FDAの医薬品の安全性の管理システム、 特に医薬品評価研究センター(CDER)のシステムにつきまして解析を行いまして、 安全性管理システムについての提言を行ったものでございます。  この基本認識といたしましては、11ページ目の真ん中あたりに書いてございますけれ ども、医薬品のリスク・ベネフィット・プロファイルに関する情報の統合ということが 審査あるいは医薬品の課題になっており、そこでは個人と国民全体の対比というものが 重要であり、国民全体のあらゆる層に影響し得るものであるといったような認識を示し て、その中での医薬品承認の必要性と安全性への十分な配慮とのバランスをとるという 観点からのFDAの取り組みについての解析を行ったものでございます。  それで、具体的な提言といたしましては、12ページの中ほどのパラグラフでFDAの 承認に関することについて述べている中では、FDAの承認というものは安全性と有効 性の永久の保証を示すものではなく、最新のものが常に最善であるとは限らないという ようなことで、たとえ最高の安全性システムにあっても市販後の医薬品の副作用を防ぐ ことはできないという点で、承認の時点ですべてを知ることは不可能であるという立場 に立って解析をしております。  具体的な提言といたしましては、勧告という形で14ページ以下の提言をしておりまし て、まず第1には、FDAの組織について、例えば長官等の指導部についての安定的な 地位の確保というようなことが指摘されています。2といたしましては、科学の専門性 を確保して、市販後の対策を改善する必要があるという点を述べております。3といた しまして、FDAが適時・適切に行動がとれるような必要な体制整備が必要であるとい うようなことを述べております。さらに4番目にコミュニケーション、5番目にリソー ス・有能なスタッフの確保の必要性。こういったようなことについての提言を行ったも のがこの報告書でございます。  次に、25ページから始まる資料4−(4)についてでございますが、これは欧州(EU) の医薬品審査庁であります欧州医薬品庁の2010年へ向けてのロードマップという、現段 階では実はまだドラフトでございまして、完成にまでなっていないのでございますけれ ども、この2010年に向けての今後の5年間の取り組みについての基盤整備について述べ たものでございます。  これは要旨が26ページからございまして、この中では科学の発展の中でそれに対応す るために審査の過程も改善が必要だということで、ちょうどクリティカルパスと同じよ うな視点を前書きのところで述べておりまして、さらに今後の2010年までに達成すべき こととして主に4つ提言を行っております。  28ページからでございますけれども、具体的には、まず最高水準の科学的評価が必要 である、次に安全で有効な画期的新薬へのタイムリーなアクセスを確保することが必要 である、さらに市販後の薬品についての継続的な安全性の監視チェック体制が必要であ る、それから情報へのアクセスを確保することが必要であるなどといったようなことに つきましての提言を行うということで、現在取りまとめしている途上のものでございま す。  次に、30ページからでございますけれども、4−(5)といたしまして、独立行政法人医 薬品医療機器総合機構における治験問題検討委員会の中間報告が今年の9月に発表され ております。ここでは治験あるいはドラッグラグというものに対する総合機構として迅 速に対応すべき方策の取りまとめを行っております。1つには、治験データの評価のあ り方、評価手法などの再検討が必要。そのためには国際共同治験の推進、あるいはアジ ア地域における治験の位置づけなどについてやっていくことが必要。さらに、31ページ を見ていただきますと、ファーマコゲノミクスなどの評価手法の導入、承認条件及び市 販後対策との連携、さらに治験相談体制等の充実といったようなこと。それに加えまし て、2番目にさらに国内治験の改善に向けてはGCPの運用の改善等が必要というよう な分析を行っております。  資料4の概要は以上でございます。 ○高久座長  どうもありがとうございました。非常に膨大な資料ですが、どなたか御質問おありで しょうか。どうぞ。 ○佐藤構成員  佐藤と申します。私、安全性の評価が専門なものですから、4−(3)の安全性の資料が 非常に重要だと思って拝見したのですが、資料4−(1)、4−(2)、4ー(4)のように英文の 資料もあるといいなと思ったのですが、それは有料だからまずいということでしょうか。 ○事務局  御指摘のとおりでございまして、これにつきましては刊行物になっているので、無償 の形で配布するという形では使えなかったので、公開されている概要の部分についての みを公開の資料とさせていただいております。全文が公開されまして、刊行物として有 料で出版されております。 ○高久座長  よろしいでしょうか。厚労省で買って、委員の方に。 ○中垣審査管理課長  何らかの形でお届けをしたいと思います。  1点この際改めさせていただきたいのは、資料4−(4)の御説明。すなわち、欧州医薬 品庁2010年に向けてのロードマップというものについてドラフトであるかのような説 明でございましたけれども、これはドラフトではなくて最終版でございますので、その 点は訂正させていただきたいと思います。恐縮でございます。 ○高久座長  ほかにどなたか。よろしいでしょうか。  それでは、きょうは5つの団体の方々からヒアリング、お話をいただくことになって おりますので、今からヒアリングを始めたいと思います。大体8分ぐらいお話をいただ きまして、まとめて委員の方々からの御質問あるいは御意見をお伺いしたいと、そうい うふうに考えていますので、よろしくお願いします。  ヒアリングの公募をいたしましたところ、14の団体からお申し込みがありました。前 回の検討会で、ヒアリングの団体の選定につきましては、私と座長代理の柴崎委員に一 任という事になっていましたので、事務局の方と相談した結果、5つの団体、すなわち 日本小児科学会薬事委員会、日本がん患者団体協議会、全国薬害被害者団体連絡協議会、 米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の5つの団体にヒアリングをお願いするこ とにいたしました。各団体の方々からも本日ヒアリングに御協力くださるという御回答 をいただきました。  ヒアリングの各団体からの御意見は、お手元にあります資料5にまとめてお配りして います。先ほど言いましたように、各団体の皆さん方、8分という非常に短い時間で恐 縮ですが、後でまたいろいろとお伺いしたいことがあると思いますので、大体そのよう な時間でお話をいただければと思います。  最初に、日本小児科学会の中村秀文先生から御説明よろしくお願いします。   ○中村参考人  御紹介ありがとうございます。薬事委員会を代表しまして、委員長の香川大小児科の 伊藤教授と一緒にやってまいりました。国立成育医療センターの中村でございます。薬 事委員会の総意として、また発言権がない子供の代弁者として意見陳述させていただき ます。  スライドの2枚目にまいりますが、子供の置かれている状況はなかなか小児科医以外 の方におわかりいただけないので、背景を簡単に御紹介いたします。  適応外使用といいますと、厳密な意味では、承認を受けている効能・効果、用法・用 量以外で使うものが適応外使用というふうに認識されておりますけれども、私どもはさ らに広義でいろいろなものをまとめて適応外使用という言葉でひっくるめて対応を検討 しているところでございます。  3枚目ですが、先ほどの厳密な意味での適応外使用以外に、安全性が確立していない、 用量が明確にされていない、あるいはそれ以前の問題、院内でつくっている、試薬を投 与している、剤形変更している等のさまざまなものも小児科にとっては問題、子供たち にとっては問題ということでございます。  ちなみに、追加配布資料以外にお手元の意見書の1ページ、資料5の1ページに実際 の意見書がございます。それから、その後ろに学会のアクションプランが3ページから ございます。失礼いたしました。  それでは、主にお手元の追加配布資料のパワーポイントの打ち出しとこの画面で説明 を続けさせていただきます。  適応外使用というものは、処方権は絶対ですから違法というわけではございませんが、 用法・用量・安全性・有効性が必ずしも評価されていない、医師が責任をとる、すなわ ち訴えられて負ける、あるいは保険医療でカバーされない、副作用被害救済制度の対象 とならない可能性があるなど、さまざまな問題がございます。  さらに適応外使用で実際にどうしても子供さんに使わないといけないという話になり ますと、病院負担で使っております。それから、患者の個人負担による適応外使用とい うこともいまだに行われております。  こういったことに対しましてアクションプランというものが資料5の3〜4ページに ございますが、私ども薬事委員会は小児科領域における適応外使用解決と治験推進のた めのアクションプランに沿って活動してまいりました。具体的には松田班という厚生労 働科学研究の班がございますが、そこをプラットホームとしまして、全小児科学会分科 会の薬事担当者をすべて取りまとめた形で小児薬物療法検討会議、未承認薬使用問題検 討会議の候補薬のリストアップ、あるいは医師主導治験への積極的参加を含めまして、 適応外使用解決と治験推進のための包括的活動を行っております。  子供の医薬品の問題につきましては、厚生労働省も非常に積極的に取り組んでいただ いております。大きなものは2つ。ちょっとお手元の資料の方が見やすいかと思います が、小児薬物療法根拠情報収集事業で検討会義が開催されております。これは米英独仏 で承認されている医薬品につきましては極力治験なしで小児の適応拡大、あるいは添付 文書の改定を行うというものでございます。これはぜひ必要なプロジェクトではござい ますが、これが例えば10年20年続きますと、企業の中には、治験しなくても待ってい ればそのうち小児で承認されるのではないかといったことにもなりかねないということ で、長期的にはドラッグラグは逆に助長されるのではないかということを危惧しており ます。  それから、2番目、未承認薬使用問題検討会議。これは国内に成分がない医薬品につ いて重要なものについて早期の治験実施ということでして、抗がん剤に並びまして小児 科領域でも多くの医薬品がここで審査を経て治験が開始されておりますが、国際共同治 験レベルの症例数が多い治験というものはなかなか行われませんで、安全性の評価をメ インにしたようなものしか行われないということで、このような状況が長く続けば、や はり日本の医薬品開発力・臨床試験レベルは決して上がりはしないということが危惧さ れます。また、この方法だけでは永久にドラッグラグは解決しない。短くはなるが解決 しないというのが大きい問題であります。  これらの取り組みは大変重要な取り組みですが、暫定的な取り組みでしかなく、根本 的な小児治験推進策の策定と審査体制の強化が同時進行で行われ、国際共同治験で医薬 品承認に持っていかない限り、我が国の子供たちは世界の子供たちと同時によい薬の恩 恵に浴することができません。  次に、小児治験推進策でございますが、米国では既に法令でインセンティブ・義務化 が義務づけられております。EUではあと数カ月のうちに類似の法令が通過します。こ ういった法令がないのは三極では日本のみでございます。審査時点で小児での必要性が 認められる医薬品については、小児集団を開発対象とすることを義務づけるとか、審査 費用の減免、優先相談・審査制度の積極的適用、薬価加算、再審査期間・特許期間の延 長など、さまざまな検討が必要かと思います。  薬価加算につきましては、現状でもある程度の加算がありますが、もとが安価な薬を パーセントで加算しても大きなインセンティブにはならない可能性がある点に配慮が必 要でございます。また、現行のインセンティブとして再審査期間の延長というものがご ざいますが、これは市販後臨床試験が行われたものにのみ適用される。つまり、成人と 同時に開発されたものにはインセンティブはなくて、後からやったらインセンティブが つくということで、ともしますと、わざわざ小児の開発を遅らせているのではないかと 思わせるような薬もあるということで、やはりもっと強力なインセンティブが必要だろ うと考えております。  また、今度どんどん小児治験ができるようになった場合に、小児科領域の施設が耐え られるように、小児病院などの治験・臨床試験の体制整備も重要であると考えます。  次この資料は東大の辻先生、津谷先生にお借りした資料で、資料5の135ページ以降 に詳しくありますので、私どものポイントだけお伝えします。  小児用の医薬品にもオーファンドラッグが多くて、このようにドラッグラグ、承認割 合に欧米と差があることは御理解いただいているかと思いますが、その次の資料が非常 に強烈でして、日本で未承認の薬を眺めますと、ほとんどが開発すら行われていない。 海外ではほとんどがバイオベンチャーがこれらの薬の開発をしているということで、こ れを見ますと、より強力なオーファンドラッグ開発支援策がないと、現行の支援策では 不十分であろうと言わざるを得ません。  それから、研究用試薬の使用例。これは奥山先生にいただいたものですけれども、こ こにあるようなものは試薬を投与しております。中にはフェニル酢酸ナトリウムなんて いうものはさらに施設で精製して使っているという状況です。  このようなさまざまな問題がある中でこのような薬を開発していくためには、やはり 優先審査制度の見直し、オーファン制度の見直し。例えばベンチャー企業をもっと優遇 するなり、対象薬を拡大するなり、製造販売後調査も公的に補助する等のさまざまな見 直しが必要でしょうし、薬価制度の見直し、ここにノーベルファーマの塩村氏の提案を 書いておりますけれども、薬価制度の見直しももっと柔軟に行うべきであろうと考えま す。また、承認のスピードは科学のスピードに永久に追いつかない。それでも薬を患者 様に安心して使えなければいけませんから、IND制度、被験者保護法などで、治験に 大々的に入らなくても、最低限の被験者の保護といいますか安全性の確保ができるよう な体制が必要と思います。また、試薬に関しましては、公的補助や開発企業優遇といっ たことも考える必要があると考えます。  小児科領域の問題はこれだけではございません。剤形変更の問題がございます。これ は昨年度の土日を除いた1カ月で32施設の小児病院その他の大学病院で処方箋で調べ たものです。ごらんいただきますように、1666の品目につきまして、子供の医薬品は薬 剤部で剤形変更して投与しております。  この上位医薬品10品目に絞って見ますと、例えばワルファリンカリウムは1000とか、 軒並み数百の剤形変更処方箋が出されているということで、しかもこの中にある多くの 薬は小児の適応もないということでございます。  したがいまして、小児の医薬品の置かれている現状は、適応も不足している上に剤形 も不足しているということで、剤形が必須な医薬品については、小児剤形開発の推進策 の策定が必要であると考えます。公的補助制度、企業へのインセンティブ、これは必要 だと考えております。また、薬剤部でこれだけの剤形変更をするわけですから、小児病 院等の薬剤師定員増員や特殊調剤技術料の導入等も検討されるべきであると考えます。  審査・治験相談、製造販売後安全対策に対する要望ですが、とにかくこのような小児 医薬品開発の置かれた厳しい状況、特殊性、臨床実態等を十分配慮した治験相談・審査 を行っていただきたいと考えます。優秀な小児科医等小児をよく理解した審査専門員を 適正に配置していただきたい。かなりまだばらつきがあると思います。優秀な方がいる のはよく存じ上げておりますが、かなりばらつきがあります。それから、全領域で小児 医薬品に均質に対応できる連携体制をつくっていただきたい。例えば米国では小児の専 門部門がございます。こういったことを検討いただきたい。それから、優先審査品目指 定などには、外部専門家による適正な優先順位づけが行われる必要もあるのではないか と考えます。また、本日述べましたインセンティブの積極的採用をぜひお願いします。 製造販売後の調査・安全対策につきましては、学会としてもアクションプランの中に協 力すると盛り込んでおりますが、PK/PDデータの収集、長期監視システム等につい てさらに御尽力いただければと思います。  最後に、ちょっとこの会の趣旨から外れますけれども、医薬品採用の際の一増一減制 度というのをとっている施設が多くありまして、せっかく小児の治験をやって採用され たんだけれども、薬価の低い薬を採用されたために、自社のより利益率の高い医薬品が 除されたというのが最近問題となっていまして、これは製薬企業にとっては開発意欲の 低下につながる。あるいは、どうせ剤形変更するからと、小児用剤形なんか必要ないと 企業にアドバイスする医師がいまだにおられます。これはこの会の本来の対象ではあり ませんが、社会全体に対する問題の周知・啓発が重要ということで、私どもとしまして も日本の子供たちのためにできるだけのことをやっていきたいとは考えますが、限界が ございます。ぜひ可能な対応を御検討いただけると幸いでございます。 ○高久座長  どうもありがとうございました。  それでは、引き続きまして、日本がん患者団体協議会の山崎さん、よろしくお願いい たします。 ○山崎参考人  日本がん患者団体協議会の山崎と申します。よろしくお願いいたします。  お手元の資料5の7ページをごらんください。がん患者の立場から、有効で迅速な医 薬品を提供するための意見を述べさせていただきます。  まず、がんとはどういうものかと申しますと、放置すれば必ず命にかかわる疾患です。 そのため、国内ですべての治療をやり尽くしてしまった患者さんというのはとても未承 認に対して切実な問題を抱えております。日本の抗がん剤使用の問題点なんですが、世 界的標準的治療薬が未承認・適応外、地域により診療実績にばらつきがある、専門医の 不足、海外の標準的治療が行えない、海外のエビデンスに依存している、エビデンスの ない抗がん剤の使用が考えられます。  まず1つ目、未承認薬の問題ですが、がんにおける未承認薬の現状は、がんのように 命にかかわる疾患では、個人輸入をして未承認薬を使うケースがとても多くなっていま す。その問題点として、自由診療となり医療費が高価になる。これをもう少し詳しく解 説しますと、現在行われている保険診療に未承認薬を1つでも追加することにより診療 全体が自由診療となってしまい、これまで保険がきいていたものまですべて自己負担に なってしまいます。  2つ目の問題。どの医療機関でそのような治療が行われているかわからない。患者さ んは未承認薬を使った治療を受けたいと思っても、どこにアクセスすればよいのかわか らない。3つ目、その未承認薬を使った治療が科学的に根拠にのっとった適正な使用が 行われているかどうか、それがわからない。また、それらの治療はすべて自己責任で行 われております。治療結果、成績のデータが蓄積されません。有効活用ができない。そ のような問題もあります。  これまでの国内未承認薬の取り組みですが、未承認薬使用問題検討会議というものが 平成17年に開催されました。この検討会の目的ですが、いわゆる混合診療の解決として、 保険診療の枠内で患者さんの要望に対応するのが目的です。これまで通常の治験という のがありますが、治験参加者は少ない数ですので、治験に入れない患者さんは個人で薬 を輸入して使っているというのが現状でした。それを多くの未承認薬を希望する患者さ んのために、この未承認薬使用問題会議で新たに追加的治験、安全性確認試験という2 つの治験をつくりまして、保険診療との併用ができるようになりました。これにより多 くの患者さんにとってプラスになる。そういうことで私たちがん患者会、がんの患者さ んはとても期待を持って見守っていました。  ところが、その後わかったことですが、企業が治験を行う場合、これまでの混合診療 ですと薬剤は自分の実費、それ以外の診療というのは3割負担だったのですが、治験と いう特定療養費になりますと、すべて企業の持ち出しになります。そういうことなので、 この制度はとてもすばらしい制度だったんですが、金銭的な問題で広がりに欠けました。 実際参加したいと思っても、参加できる患者さんが少なかった。よって、この制度があ っても、自分で薬を輸入して使っている方々が実際かなり多いという根本的な問題解決 にはなっていなかったという事実が多く寄せられております。  同じく適応外の問題ですが、2002年に抗がん剤適正使用ガイドライン(案)というも のが提出されました。これには9つのがんのガイドラインが出たわけですが、当時チェ ックをしますと、この中で80品目が効能・効果の適応外だった。そういう問題が出てき ました。  効能・効果の承認と保険償還が日本の場合1対1で対応しておりますので、海外のデ ータや臨床試験でよりよい用法・用量が提示されたとしても、日本の場合は保険適応さ れません。よって、医療機関でエビデンスのある標準療法を行える場合、日本の中で適 応外の薬が入りますと保険診療が行えないということで、医療機関の方々から断られて しまうか、または査定覚悟で医療機関の善意により標準的療法を行うか、このどちらか というパターンしかありません。よって、住んでいる地域、かかる医療機関により医療 に差が生じる。こういう問題がありました。  この適応外問題を解決するために、国の取り組みとして通称55年通達、保険医療と適 用外医薬品に関する見解、2番目に2課長通知、適応外使用に係る医療用医薬品の取り 扱いについて、3つ目、抗がん剤併用療法に関する検討会、こういう対策が打たれまし た。これでかなり前進はいたしましたが、公知ではないが一定のエビデンスがあり、が ん患者さんに必要な抗がん剤が積み残しという事実があります。また、平成20年に電子 カルテが導入される予定ですが、それにより適応外使用に対する裁量権がなくなってし まう。こういう問題があります。  そこで、解決案として、日本のがん医療の質を向上するために、国にがん対策情報セ ンターというのを設置し、全国で170のがん診療連携拠点病院というのが設けられまし た。これで日本全国のがん医療のネットワークができ、医療の向上に貢献すると。そう いう仕組みです。  中央のがん対策情報センターの仕事としては、学会などと協力して、海外・国内のエ ビデンスの迅速な収集・公開、これをもとにEBMの推進、診療ガイドラインの作成・ 普及などが考えられます。  科学的根拠にのっとった治療の効果や診療ガイドラインというものは、平成11年に発 表された医療技術評価推進検討会でも必要と報告されております。  また、各地で医療を提供するがん診療連携拠点病院ですが、この医療機関は整った専 門施設があり、かつ専門医がいるという信頼の置ける病院ということでとても厳しいチ ェックを受けた病院です。  これらの仕組みが今回の問題の解決に有効なのではないだろうかと思いました。  まず、適応外使用についてですが、国内では承認と保険適応が1対1です。エビデン スに応じた新たな治験がなくても承認できる仕組みがこのがん対策情報センターとがん 診療連携拠点病院の連携でできるのではないか。  ステップ1として、情報収集はがん対策情報センターの仕事で、標準的な治療方法の 収集、ガイドラインの策定、使用実績に関するエビデンスなどの収集です。ステップ2 として、がん診療連携拠点病院のみで適応外医薬品を使用し、使用実績のデータを収集。 これを市販後の第III相試験と同じイメージで、安全性と有効性が確認されたら、治験な しで承認できるよう、医薬品医療機器総合機構との連携などが考えられます。  国内未承認薬でも同じような仕組みが考えられると思います。ただ、国内で治験しな い薬をいきなり使うということは、とても安全性に対して危惧されることと思います。 そこで、使用対象者は国内承認薬ですべてのがん治療をやり尽くしてしまった患者さん に限定する。未承認薬提供施設をさらに絞り込み、徐々に対象施設を拡大していく。欧 米承認時のデータと整合性などをチェックする態勢を強化する。  なぜこのような考え方をしたかといいますと、現在の方が危険と思われるケースも多 いのです。なぜかといいますと、承認されると、多くの医療機関で一気に日常診療に普 及してしまします。また、承認効能・用法・用量が同じであれば、医師なら誰でも使え てしまいます。例えば副作用出現率が0.1%の薬があるとすると、100人程度の治験では 副作用が出ない可能性がもちろんあります。ところが、一気に使用され10万人の患者さ んが使えば、100名の方々に副作用が出る。そういう危険なことが考えられます。よっ て、これまでは安全確認のために治験が必要だったということですが、現実的に考えれ ば、専門病院で使う、専門医が使用する、医薬品の使用情報を中央で一括管理する、適 正使用のガイドラインを作成して、それを徹底させる。そういう患者さんの安全性を確 保して、がん患者さんのように命にかかわる疾患の方々の差し迫った要望にマッチさせ る。そういうスキームをつくることが一番必要なことだと思います。  同じような患者さん、がん以外の患者さんでも、このスキームを使えば、その疾患の 患者さんごとのリスク、ベネフィットを考えて、少しでも日本で未承認の薬並びに適応 外の薬を早く提供できるようなシステム。これを考えることが患者さんにとって一番プ ラスであり、かつ安全性を確保し、多くの国民が望み喜ぶ方法だと私たちは考えます。  以上です。ありがとうございました。 ○高久座長  どうもありがとうございました。  次に、全国薬害被害者団体連絡協議会の間宮清さんから御説明よろしくお願いします。 ○間宮参考人  全国薬害被害者団体連絡協議会の副代表世話人をしております間宮です。きょうはこ のような機会をつくっていただきまして、ありがとうございます。私自身はサリドマイ ドの薬害の被害者であります。  資料33ページです。全国薬害被害者団体連絡協議会は、薬害被害者の当事者団体で構 成されている連絡協議会です。今9薬害で11団体が加盟しております。私たちの願いは、 薬害根絶ということです。私たちが受けた筆舌尽くしがたい苦しみの被害体験から、も う二度と同じ苦しみを味わう人が生み出されることがないことを願っているわけであり ます。  私たちの主張する薬害根絶というのは、医薬品の副作用を否定するというものではあ りません。副作用があって医薬品というのは当たり前というのを否定するということで はないです。ただ、患者にとっての利益を上回り、受忍し得ない副作用が広く生じるこ とを回避する可能性を邪魔する制度とか、そういうような行為があるときに、これらの 副作用を薬害であるというふうに考えています。こうした観点から意見を述べさせてい ただきます。  まず、臨床試験についてです。臨床試験は新薬を望む患者にとって最新の治療である と受けとめられる場合があります。臨床試験においてGCPが遵守されることはもちろ ん、患者が十分理解納得して治験参加できるよう、環境整備を強化すべきである。それ から、製薬企業が治験を行う医師が患者の望む情報を十分説明できるように、最大限デ ータを公開すべきであります。特に患者が望んだ場合に毒性試験のデータに簡単にアク セスできるようにすべきということです。医薬品の有害の反応の情報というのは、多く の場合、不十分な上、非公開なわけですね。製薬企業や規制機関が手にしている有害な 情報というのは一般にはほとんど入手不可能なわけであります。やはり患者に対しても、 医療機関の医療従事者に対しても、動物実験を含むすべての臨床、臨床前の段階のすべ てのデータを公開すべきであるというふうに考えています。つまり、動物実験のデータ の中で、患者さんが結局ネズミに投与したときに何匹中何匹死んだのかということは知 らされないわけですよね。そういうところまで患者が望むのであれば情報提供すべきで あるということであります。  また、第II相試験以降に混合診療として未承認薬を患者に提供する場合、当該薬剤を 患者に無料で提供するとともに、個別症例としてデータを集約して安全対策に活用すべ きであると。  2番目として、市販後安全対策についてですが、新薬の市販後安全対策は本質的には 臨床試験の延長上にある。医薬品医療機器総合機構と厚生労働省は、審査データを最大 限活用して、重篤な副作用を予測した対応を行うことはもちろん、緊急安全情報の提供 が必要なときには、時間単位で速やかに発信できる体制を構築すべきである。時間単位 というのを強調したのは、何週に1回やるとかということではなくて、やはり重篤なも の、緊急安全情報という意味では時間単位でやるべきであるというふうに思います。  それから、患者からの直接情報に基づくデータマイニングシステムの導入を検討すべ きであります。これは患者さんが医師に対してこういう副作用があったということを報 告しても、薬剤との因果関係を認識しないで、それが報告につながらないというような ケースもあるというふうに聞いておりますので、情報というのは、医師からの情報であ ろうとも患者からの情報であろうとも、やはり大事な情報でありますから、それらを直 接患者さんから集めるというシステムをつくるべきであるというふうに考えます。  次は情報提供についてですけれども、製薬企業は開発中から市販後まで科学的根拠に 基づいた情報提供に最大限努め、医師や患者が過剰な期待を抱いたり、医師や患者に誤 解を生じさせる活動を慎むべきであります。医療関係者に情報提供する場合には、薬剤 師にも積極的に情報提供するべきであると。  それから、厚生労働省は患者の医薬品に対する科学的理解や、企業や医療関係者の患 者のニーズ理解を促すために、リテラシーやコミュニケーション・デザインを意識した 活動を積極的に推進すべきである。リテラシーというのは情報を評価して識別する能力 というふうに考えておりますが、それとコミュニケーション・デザインですね。いわゆ る患者さんに対してわかりやすく伝えるための方法を意識していっていただきたいとい うふうに思います。  それから、情報提供という意味ではマーケティングという問題があると思います。マ ーケティングの拡大というのは非常に問題があるというふうに考えています。結局患者 への直接的な宣伝というものや、インターネットなどによる無規制の情報提供。インタ ーネットだけではないですけれども、雑誌などでお医者さん同士の対談という形をとっ て、実はスポンサーが製薬企業であって、有効性を語らせるというようなこともありま す。  それから、病気をどんどんつくっていくと。昔は病気ではなかったのに、今病気であ るというものはたくさんありますね。脱毛症の薬、いわゆるはげの薬なんかもそうです ね。はげは病気だというようなことを言って、薬を飲んで治しましょうと。これは今に 始まったことではないですね。サリドマイドの場合も、その当時睡眠薬を飲むというこ とが病気に対する薬の使用法だったのかというと疑問ですし、つわりというのは妊娠す れば普通に起こることですから、それを薬で抑えること自体、考え方がおかしいと。そ ういうような薬の開発の仕方が進んできてしまっているということであります。  1つ戻りますけれども、安全対策ですが、安全対策でいろいろな情報を集めるという ことももちろん大事ですが、既にその医薬品が危険であると。サリドマイドで言えば催 奇形性がある、抗がん剤で言えば非常に副作用が強いというような、そういった今まで 病院の中でだけ使われていたような薬が、がんの患者さんも家庭で過ごすというような 方向になっていく中で結局家庭内で使われるようになっています。こういった危険性が わかっている薬に対して、やはりその管理ですとか使い方のルールを整備するというの も安全対策の1つではないかというふうに考えます。  それから、専門家の役割についてですけれども、これは特定分野の専門知識に高い専 門性を持つ医師ですとか薬剤師の職能を十分評価活用して、医薬品がより安全な使用が できるような環境整備を行うべきであるということです。  利益相反についてですけれども、これは厚生労働省は薬事衛生食品審議会において利 益相反に関する諸規定を整備して、現在申し合わせ事項のみならず、審議に加わる場合 における委員の情報公開の規定も明確にしまして、より透明性・公正性を制度として担 保すべきであるというふうに考えます。中立性というのを委員に求めているようですけ れども、やはり結局どこかに属しているわけですから、中立性というのは必ずしも担保 されない状況がありますので、そのあたりもう少し透明性・公平性を担保していただき たいというふうに思います。  副作用被害救済についてということで、これはいろいろな問題がありますけれども、 抗がん剤については副作用被害救済の対象にならないということがあります。  1つだけですけれども、ISDB(国際医薬品情報誌協会)というところが、医薬品 ビジランスに関するベルリン宣言というのを出しているんですが、それを紹介させてい ただきたいと思います。その中の1つを抜粋しますけれども、承認までの期間の短縮と いうことで書かれています。「発売前の医薬品安全評価の信頼性は、製薬産業界が、そし て時には製薬産業界に直接的にまたは間接的に支援された患者団体が、政治や規制機関 の新薬の承認までの期間の短縮を求める圧力に影響を受けています。データ収集に関す る問題以外にも、入手した情報を用いてしっかりと科学的な分析をするには時間がかか るということを認識しなければならない。したがって、承認までの期間が短縮されると、 市場流出後に起こる予想外の有害反応が増加する危険性につながる」ということを宣言 しています。これは日本のNPO医薬ビジランスセンターが和訳していますので、ぜひ ホームページを見ていただきたいというふうに思います。  最後ですが、私はサリドマイド被害者なので、サリドマイドは今年の8月8日に承認 申請が出されています。我々は早くサリドマイドの安全管理システムを構築していただ きたいということでお願いしてきているんですけれども、その過程において、検討会な どをつくって検討してほしいということを言っているんですが、厚生労働省から申請も 出ていないのに検討会なんて開けませんよというふうに言われたり、すでに申請が出て いる状態にもかかわらず、その安全管理システムについてなかなか検討会も開かれない し、検討されている様子も見られないということであります。実際にサリドマイドにつ いては世界で使用している国がたくさんあるわけであります。そこでは安全管理システ ムというのは動いているわけですよね。それをなぜ参考にしないのかと非常に強く思い ます。結局世界で動いているシステムについての検討が遅れているため、結果として患 者さんにサリドマイドが供給されないという原因をつくっているのはほかならぬ国では ないかというふうに考えますので、一刻も早い安全管理システムの構築をお願いしたい というふうに思います。以上です。 ○高久座長  どうもありがとうございました。  次に、米国研究製薬工業協会の小林利彦さんよろしくお願いいたします。   ○小林参考人  小林でございます。今回このような機会を与えていただきまして、大変ありがとうご ざいます。時間がありませんので、課題としていただきました3点につきまして、Ph RMAの意見と考え方を述べさせていただきたいと思います。  まず、1番目に、承認審査の方針や基準の明確化でございますけれども、総審査期間 として12カ月、米国並みの達成に向けて積極的な対策をお願いしたいと思います。今ま でPhRMAとしましていろいろ工程管理といいますか審査過程のメトリックスについ て提言をさせていただいておりましたけれども、昨年からそれは取り上げていただきま して、昨年度の報告については大変わかりやすいものになって、大変感謝をしておりま す。  私どもPhRMA会社の製品の、日本の審査状況につきましては、次の37ページをち ょっと見ていただきたいと思います。平成12年から18年までの間の約7、8年ですけ れども、調査をしております。次の38ページを見ていただきますと、私どもではこうい うメトリックスでやっておりまして、ただ、急いだものですから、総審査機関がタイム の期間ですので、済みません、これは直していただきたいと思います。いずれにしまし ても、この期間に66製品の承認をいただきました。この黒い部分のちょっと長めになっ ておりますのは、決して悪いデータではありませんで、総合機構の方がドラッグラグを 解消するために積極的な対策をとっていただいた結果で、私どもとしてはこれをマイナ スのデータとはとっておりません。むしろポジティブなデータとしてとっております。  次のページを見ていただきますと、会社と総合機構並びに厚労省の時間を費やした結 果が載っております。どちらが長い短いという問題ではございませんで、通常審査とか 優先審査とかという形で統計がとれますと、もっと具体的な示唆が出てくるであろうと 思います。私どもでちょっとお願いしたいのは、66品目のうち、ここで出ておりますの は47品目で70%なんですね。あとの30%は総合機構と直接お話し合いをしないとなか なか我々だけの力では統計がとれませんので、これからPhRMAというだけではなく て、製薬協はもちろんのことEFPIAを含めた格好のこういうトータルのスポンサー 対当局というようなデータがもしできるようになれば、大変両方にとってお役に立つの ではないかというふうに考えております。  次のページを見ていただきます。これは決してドラッグラグとかそういう意味で申し 上げているのではありませんけれども、PhRMAの14、15社の現在審査中の製品がこ ういうものがございまして、長いものもあるということす。これから恐らく来年の半ば に向けて積極的なドラッグラグの解消に向けた総合機構の御努力を期待したいと思いま す。  また、もとへ戻っていただきまして、35ページ、治験相談ですけれども、これはポイ ント制から自由予約制にお願いしたい。詳しいことはやめますけれども、ポイント制と いうのは一旦起きた混乱を解消する当局の知恵だったと思うんですね。これによって解 決はしたんですけれども、残念ながら実施率が65%ですので、相談についてはまだ積み 残しの分もあります。マスメディアとかいろいろなところの取り上げ方がちょっとおか しいと思うんですけれども、民間からの相談員が当面無理であれば、ほかの厚労省関係 の研究機関からでも派遣をお願いして、積極的にやっていただければと思います。  それから、cのドラッグラグですけれども、これは後ほどまたしゃべらせていただき ますので、省きます。  国際同時開発ですけれども、これに関連することとしてGCPの問題があります。一 時はブリジングスタディということで大変な貢献をしたシステムだったと思いますが、 国際同時開発ということを念頭に置きますと、ちょっとタイミング的にはもう古くなっ たのかなという感じがします。国際治験に組み入れられるような施設、要するに治験の 体制と英語のプロトコル、英語の患者レポートとかそういうものが受け入れられるよう な体制が整った何施設か、40〜50でもでき上がりませんと、かけ声だけになってしまい ますので、ぜひともそういう体制の整備をお願いしたい。これは国立病院が厚労省関係、 大学病院は文科省になっておりますので、省間の協力というところもぜひお勧めいただ ければと思います。  次の36ページを見ていただきますと、先ほど来出ておりますように、医薬品は申請ま での治験の段階で効果については確認できると思いますけれども、副作用については完 全には確認できるものではありませんので、市販後対策への取り組みということで課題 をいただいているのは大変当を得た取り組みだと思います。私どもは細かいことはやめ ますが、あるPhRMAの企業で、実はリウマチ領域なんですが、学会の中に副作用の 調査をどういうふうにやったらいいのかということで、積極的に委員会をつくっていた だいて、大変会社にとってアドバイスがよかったという例がございました。副作用とい うのは規制上は数があるんですが、数の問題ではないと思います、中身の問題だと思い ます。ぜひともこういうことに企業が取り組む場合には行政としても御支援をいただく ようなシステムをお願いしたい。これこそまさに新しい意味での産官学の1例ではない かと思います。  次に、治験相談・承認審査の体制の充実に関する検討。これは一に総合機構の人員の 増加を図るということが最大の提案だと思いますし、ぜひとも一律に独立行政法人で 5%減だとかそういうことがかぶせられないようなことをぜひお願いし、私どもも審査 迅速化の目標とそのメトリックスがはっきりするのであれば、受益者負担という形で産 業界も協力を惜しまないと考えております。  それから、もう1点、いろいろな場面で私も申し上げてきたことなんですが、審査官 の限定免責特権。これはFDAにはそういうシステムがあるということを聞いて、私も 随分調べたんですが、FDAにそういう法律はございませんでした。ただし、連邦政府 の職員の中で裁量権を持って仕事をする人。例えば警察官が事件現場にいてどういう対 処をするのかとか、それがある瞬間瞬間で裁量を持って行動する人たちに対しては、そ の基本法律上、例えば警察法とか薬事法とかいろいろあると思いますが、そういうもの に違反していない限り、また憲法に定められた権利を侵害していない限りは、個人責任 からの保護が認められている。FDAの審査官はこの範疇に入ります。今私もPhRM Aの弁護士と、ちょっと勉強会をやろうかという話をしておりますので、もし当局の方 で御一緒に意見交換みたいなことに御興味があれば、ぜひお願いしたいと思います。  3番目、その他の医薬品の安全かつ迅速な提供に資する事項につきましては、今まで も何度も抗がん剤の併用療法検討会、未承認薬使用問題検討会議などが行われておりま して、それはドラッグラグの解消という意味では大変高く私どもは評価しておりますけ れども、一方で審査の機関としての総合機構、それから厚労省の医薬食品局というもの の存在を考えますと、ちょっと矛盾している点があるとも思われます。こうゆう委員会 の発端になったのがやはりドラッグラグでありコンパッショネートユースだと思います ので、それについてちょっとコメントさせていただいて終わりにしたいと思います。と にかくFDAの2000何百人でやっているボトムアップの方式をそっくり総合機構に持 ってくるといっても、これは無理な話で、日本の総合機構ではやはりトップダウンにな らざるを得ないと思うんですが、トップダウンだととかく透明性がないとかいろいろ言 われるわけですけれども、医薬品開発については当事者がたくさんいるわけですね。全 員の当事者を満足させるような結論というのはないと思うんですね。そういう意味では、 特にネガティブな情報をもらう当事者に対して、そのネガティブな情報を早く渡すこと。 そういうことが透明性そのもので、余り深く考えないで、ネガティブな情報をぜひシェ アするような形でお願いできればと思います。  それから、コンパッショネートユースというのは、アメリカではCU制度ということ で認められておりまして、ただこれは安全性とエフェクト性については非常に厳重でし て、FDAに1人1人登録してFDAが認めないとコンパッショネートはやれないんで すね。それで、そのときは必ず原則フェーズ3が終わって、これから申請書を書いてい るときの間認められております。本当に緊急の緊急というときは、フェーズ2が終わっ た時点で特別審査をして認めるというケースがあるんですけれども、そういう意味では コンパッショネートユースを日本で取り入れて、また先ほどの人数の問題になるんです けれども、なかなか適応できるかどうかわかりません。ただ、こういう制度があるとい うことを頭に置きながら御検討いただければありがたいと。どうもお時間ありがとうご ざいました。 ○高久座長  どうもありがとうございました。  最後になりましたが、欧州製薬団体連合会の岩崎甫さん、よろしくお願いします。   ○岩崎参考人  欧州製薬団体連合会で技術委員会の委員長をしております岩崎と申します。本日は第 2回の有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会ヒアリングに意見具申の場を 与えていただきまして、ありがとうございました。私たち欧州製薬団体連合会としての 意見を述べさせていただきます。資料5の44ページに載っておりますので、参照してい ただければありがたいと存じます。  EFPIA Japanは日本におきましてリサーチベースの会員会社によって構成され ておりまして、2005年の医療用医薬品市場における占有率は約25%、約4分の1を供給 しております。また、2003年から2005年におきまして発売されました新医薬品の約35% が私ども会員会社からのものでありまして、私どもは日本の患者さん、国民に多大な貢 献をしているということを自覚するとともに、大きな責任を感じております。今回この ような場を与えていただきまして大変ありがたいというふうに思っておりますし、今後 もこういう機会があれば積極的に意見を述べさせていただきたいと考えております。  さて、ICHのガイドラインの導入、また新しいGCPの施行を契機といたしまして、 本邦の医薬品の開発は従来と比べまして大きく変わってまいりまして、海外との同時期 の開発計画やアジア各国も含む海外データの活用が現実的な方策として検討・実施され、 国際化の流れは明らかになってきております。しかしながら、前回の検討会でも御指摘 があったと思いますが、依然として欧米での開発先行の事例が医薬品開発のかなりの部 分を占めておりまして、この日本における開始時期の遅れが迅速な提供を妨げる要因の 1つとして挙げられております。  このような海外企業が日本との同期化した開発を逡巡させる理由を解明することは、 今後の日本の医薬品開発を欧米の水準に伍したものとすることを可能とする1つの方法 と考えられ、ドラッグラグと言われる状況の原因は多くあると思いますが、今回はこの ような観点から承認審査のあり方、実施体制、安全対策等に係る事項を検討いたしまし たので、意見を述べさせていただきます。  まず、第1番目でございますが、承認審査の方針や基準の明確化、また市販後の安全 対策への取り組みにつきまして、EFPIA Japanは、有効で安全な医薬品を迅速に提 供するために国際同時開発をさらに推進する必要があるものと考えております。現在、 国際共同治験の実施に関するガイダンス、ポイント・トゥー・コンシダー等につきまし ては、医薬品医療機器総合機構(PMDA)におきまして検討されているものと考えて おりますが、その通知によりまして国際的な開発がかえって逆に硬直化することなく、 おのおのの事例に柔軟に対応することによって、本邦がこの種の開発の経験を多く蓄積 して、より実質的な実際的なガイダンスへの改定につなげることを考慮していただきた いと期待しております。  また、日本はICHの正式参加国の一員でございますので、アジア諸国との理解のも とに、日本はアジアにおける共同開発を促進するための主役を演ずる必要があるものと 考えております。この基本的な方向性のもとでアジア地域での共同治験の施行における 基本的な考え方を表明することも重要なことと認識しております。  また、安全性に関しましてでございますが、新薬の審査におきまして承認段階で有効 性と安全性の評価を適切に行うということは大変重要であると、これは十分に認識して おります。しかしながら、安全性の評価は時として承認前の限られた条件の治験のみで は困難な場合も見られますので、このような場合では、過度な承認前の治験に要求を積 み重ねるということではなくて、一定の取り決めまたはルールに基づいて市販後に安全 性の評価試験を条件として行う一種の条件つきの承認というのも1つの方法ではないか と思っておりまして、そういう面での検討もお願いしたいと考えております。  2番目は、治験相談・承認審査の体制の充実についてでございますが、治験相談体制 に関してEFPIA Japanはこのように考えております。PMDAは平成16年に設立 されて以来、大変重要な地位を日本の医薬品開発に占めていると思っており、年々その 重要性は増していると考えております。PMDAにおきます治験相談の重要性も年々増 しておりまして、ポイント制の導入による公平な扱いや、また事前協議等の導入など相 談の効率化に向けて、さまざまな施策が既に施されておりまして、実際の相談そのもの の評価も海外本社からも非常に高まっております。こういう相談というものは開発のみ ならず、その後の審査におきましてもその迅速な進行に対して極めて重要なプロセスと 認識しております。ただ、現在の相談の受け入れ体制が十分なものとは言いがたく、ポ イント制に基づく抽選方式から、一刻も早く申し込みのすべての相談に対応できる体制 を準備していただきたい、このように考えておりますし、また相談に対する助言の内容 につきましても、価値の高い助言が得られる場合が多くなっておりまして、PMDAの 皆様の努力に敬意を表しますが、一方で、いまだに審査各部・各担当者によりその相談 内容にばらつきが認められ、総合機構としての共通した見解を踏まえた助言がなされて いるのかどうか懸念を抱かざるを得ない場合も時として見られます。医療が求める新規 医薬品の合理的で妥当な開発を推進・支援するという立場で、具体的なPMDAからの 提案を含めて、有意義でより質の高い建設的な相談がなされるように相談体制並びに能 力のさらなる充実を要望いたしたいというふうに考えております。  また、承認審査制度に係る提言でございますが、先ほど冒頭にも申し上げましたよう に、欧米の企業が日本を含めた国際共同開発に慎重な姿勢を示している理由の1つに、 日本において申請後承認までの期間を推測することが往々にして困難であることが指摘 されております。この申請後の承認時期の予測可能性を高めることは、日本における開 発の促進につながるものでありまして、例えばEMEAの審査制度などを参考にいたし まして、申請後の各ステップ、例えば初回面談、照会事項、専門協議等々の各ステップ に審査側の持ち時間制度を導入していただきまして、確実に一定時間内に承認審査の結 論が出るような制度を早急に考えていただきたいと思っております。このように、各ス テップごとの一定の期間を定めることによりまして、結果として迅速な審査につながる ものと期待しております。  また、時として審査に時間を要する品目が存在するために、その後に審査を受ける予 定の品目の審査が遅れる場合が認められております。このような場合には、評価の困難 な品目に対する審査は新たな審査材料が用意されるまで一旦休止などしまして次の品目 の審査に移るなど、審査におきましての柔軟な対応がなされることを希望いたします。  さらに、欧米諸国におきまして5年以上前に承認・上市され、広く医療現場で使用さ れている医薬品に関しましては、有効性並びに安全性に関しまして情報が相応に蓄積さ れていると思われます。このような医薬品の申請に対しましては、申請書類や文書の簡 略を図りまして審査の業務量を軽減して、結果的に審査期間の短縮につながるような施 策の導入を望んでおります。  最後に、3番目といたしまして、医薬品の安全かつ迅速な提供に資する事項につきま して、現在当局から発表されております種々の改善策、議論の場の設定等はEFPIA Japanとしては歓迎しております。私どもも議論に積極的に参加し、提言をしていきた いと考えておりますので、このような機会を今後とも提供していただきたいと考えてお ります。  また、充実した相談体制や相談内容を実現し、定められた承認期間を常に遵守するこ とを可能とするPMDAの体制の確立を望んでおりますし、その実現のために発生する 財政的な課題に対してはEFPIA Japanといたしまして業務の一層の向上がもたら されるということを前提にいたしまして、その応分の負担をすることの議論を適切に行 っていきたいというふうに考えております。以上でございます。   ○高久座長  どうもありがとうございました。今5つの団体の方々から御意見をいただきましたが、 それ以外の団体からもたくさん御意見をいただいています。時間の関係がありますので、 事務局の方から簡単に説明をしていただきます。   ○事務局  ありがとうございます。お手元資料5の表紙を1枚めくっていただきますと、目次が ございますが、本日5つの団体から御意見ちょうだいいたしました。そのほかに9つの 団体からヒアリングの方に応募がございまして、またそのほか8つの団体から御意見の み御提出いただいた、そのような状況でございます。  まず、9つのヒアリングに応募のありました団体さんからの御意見につきまして簡単 に御紹介してまいりたいと思います。  お手元資料の46ページをごらんいただきたいと思います。まず、日本核医学会から御 意見をいただいております。この団体は核医学に関する研究を推進して、核医学の研究、 教育及び診療の向上を図ることを目的とした団体でございます。御意見の内容といたし ましては、1.意見(1)にございますとおり、体内診断用放射性医薬品のガイダンス の作成を御検討いただきたいという御意見。それから、意見(2)にございますように、 やはり体内診断用放射性医薬品の用量反応試験などにつきまして、国際標準をぜひ積極 的に採用していただきたいという御意見。47ページにまいりまして、放射性医薬品の治 験相談・承認審査に関して専門家の人材確保をお願いしたいという御意見。それから、 3.意見(1)にございますが、バイオマーカーとなり得るようなものにつきまして審 査基準に組み込むということであるとか、効能・効果に係る迅速な追加承認をお願いし たいという御意見。それから、意見(2)にございますとおり、外国で使用されていて 本邦で使用できていない放射性医薬品について迅速な承認審査の方法の御検討をお願い しますという御意見をちょうだいしております。  続きまして、49ページでございますが、EMBOFORUMから御意見をいただいて おります。この団体は子宮筋腫の動脈塞栓術について自由に話し合うフォーラムという ことでございまして、御指摘の内容でございますが、4の(1)にございますが、適応 外でいろいろな有用な使い方がなされているといったような医療用医薬品があるが、製 薬企業にはそれらを治験して、適応拡大するインセンティブがありません。それから、 保険診療でない場合は自由診療となって、患者さんが多額の負担をしておりますといっ たようなお話がございます。  50ページにまいりますと、適応外使用に関する問題点といたしまして、いわゆる2課 長通知などで適応外使用に関する取り扱いが示されているけれども、幾ら病院側が臨床 的に安全なデータをそろえても、製薬会社さんが乗り出してくれなければ、保険収載さ れる道が閉ざされてしまうといったような問題意識から、(3)の(1)にまいりますが、安 価な製薬会社の治験協力がなかなか得られないような薬剤といったものにつきまして、 一定の要件のもとで治験に準ずるような取り扱いを図っていただけないかと、こういっ たような御意見をいただいております。  続きまして、60ページにまいります。社団法人日本てんかん協会さんから御意見をい ただいておりまして、正式名称は社団法人日本てんかん協会で「波の会」という通称が あるそうでございます。  内容といたしましては61ページでございますが、下の部分、海外での使用が一定カ国、 一定期間以上経過したものにつきましては、治験プロセスを可能な限り簡略できるよう にといったような審査方針の基準の明確化、市販後安全対策といった御意見、62ページ の方では、治験相談・承認審査の体制の充実といったようなことに関して御意見をいた だいております。  続きまして、63ページでございますが、薬害オンブズパースン会議から御意見をちょ うだいしております。御意見の内容としましては、迅速性ばかりが強調され、臨床上の 必要性・有効性・安全性の吟味が不十分であってはならないといったような御意見。そ れから、審査の充実の方策とPMDAでの就業制限の規定についての御意見。それから、 64ページにまいりまして、市販後安全対策の強化の方策。こういったようなことに関し まして御意見をちょうだいしております。  続きまして、65ページでございますが、NPO法人医薬ビジランスセンターからの御 意見でございますが、御意見といたしましては、1、2、3、4と書いてありますが、 被害者保護法を制定して、治験はよりすべての臨床研究を対象に適切な制度を確立する べきではないかということ。2.として、より厳格な安全性の事前審査。3.として、 有害事象と副作用に関すること。4.として、迅速審査をお願いしたい。そのときに企 業出身者以外による十分な人的体制が必要である。こういった意見をちょうだいしてお ります。  105ページにまいります。薬害イレッサ訴訟の弁護団の方から御意見をいただいてお ります。ポイントとしましては、105ページの真ん中辺にございますが、迅速性ばかり が強調され、有効性や安全性の吟味が不十分であってはならないということ、患者の期 待を理由に拙速な承認をすることは許されないのではないかという御意見をいただいて おります。  106ページにまいりまして、この関係で承認時における十分な条件設定、十分な警告 表示、適応の限定、十分な市販後安全対策といったようなことに関しまして御意見をい ただいております。  次に、107ページでございますが、RHC USA Corporation日本支社から御意見を いただいております、107ページの下の段の方、国内における未承認薬のニーズがいか に高いかといったようなお話、それから、個人輸入された未承認薬使用に関して国とし てのルールが存在していないということ。108ページにまいりまして、こういったよう な未承認薬の使用に関する一定のルールを定めることが必要ではないかといったような 御意見をいただいております。  続きまして、109ページでございますが、日本大衆薬工業協会から御意見をいただい ております。一般薬に関しまして御意見をちょうだいしておりまして、110ページでご ざいますが、一般用医薬品の審査のあり方や実施体制に関する御意見、安全対策に関す る御意見をちょうだいしております。  111ページでございますが、日本放射性医薬品協会から御意見をいただいております。 こちらからの御意見といたしましては、欧米のガイダンスを本邦での審査基準との整合 を図っていただきたいということや、欧米と承認基準が異なる場合の審査の整合性、あ るいはマイクロドーズ試験のGCP下での実施の手当て、こういったようなことに関し まして御意見をちょうだいしております。  続きまして、意見のみ提出があった団体につきまして御紹介いたします。   ○高久座長  それは省略して、後でごらんになっていただいたらどうですか。時間がありませんの で。   ○事務局  わかりました。ありがとうございました。   ○高久座長  それでは、5つの団体の方のお話につきまして、どなたか御質問おありでしょうか。   ○山田安全使用推進室長  よろしいでしょうか。医薬食品局の安全対策課でございます。ちょっと一言申し上げ たいんですけれども、市販後安全対策の重要性等につきまして種々御意見を賜りまして ありがとうございます。私ども市販後安全対策を担当している立場といたしまして、安 全性情報を的確に収集をいたしまして、できる限り迅速な対応に努めているというとこ ろでございますので、その点については御理解をお願いしたいと思います。  特に全国薬害被害者団体連絡協議会の間宮さんの方から種々厳しい御意見をちょうだ いいたしましたけれども、その中で特にサリドマイドにつきましては、今現在承認申請 中の薬剤ということもございまして、難しい点もございますけれども、鋭意課内で検討 はさせていただいているところでございますし、特に安全管理体制につきまして、米国 に私どもの職員を派遣いたしまして、直接調査を行うということも検討しておりますの で、よろしくお願いしたいと思います。申しわけございません。一言だけ。   ○高久座長  ほかにどなたか御質問は。  私から1つ、これは米国の小林さんにお伺いしたいのですが、35ページの一番下のd のところの、国立病院、大学病院などのGCP手続きの書式の統一化と簡素化というこ とは非常に重要だと思います。フェーズによると思いますが、ある程度施設を限定する とか、それからちょっとおっしゃった、英語でも自由にできると。そこまでお考えなの でしょうか。   ○小林参考人  2点あると思いますが、1点は先生がおっしゃいました施設を限るということ。それ はそうしませんと、例えば国立病院といっても150前後ございますので、これ全部を含 むというのはなかなか難しいのではないかと。それから、2点目、私どもも時々PhR MAの会社として施設を訪ねたりしますと、かなりの部分のところ、20とか30は英語 のプロトコルでもいいですし、CRFも英語でも大丈夫ですというところがございます ので、これは施設と私どもも積極的にタイアップしていくことでできるのではないかと 思います。   ○高久座長  ほかにどなたか御質問は。よろしいでしょうか。きょうは時間がありませんので、最 後に資料6、有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会の論点整理ということ で、事務局の方から説明していただけますか。   ○事務局  これは今後の検討会の第3回以降の検討のための論点の整理ということで、今日いた だきましたヒアリングの意見、あるいは前回の御意見等踏まえて整理を試みたものでご ざいます。  まず、総論といたしまして枠の中に入っておりますのは、前回の配布資料の中でまと めておりました視点でございまして、安全性を確保しつつ医薬品を迅速に提供する観点 から求められることは何か。それから、治験、承認審査、市販後の各段階に応じた規制 のあり方についてどのように考えることができるか。そして、最新の科学技術を応用し た医薬品をどのように評価できるか。  このような観点からの総論的なことといたしまして論点として2つ整理を出しており ます。まず、第1に論点1。これは分子生物学などの近年の基礎研究が著しく進歩して いるのに対し、その成果が創薬に迅速に結びついていない。そのために国民がその利益 を享受できていないのではないかということにつきまして、その理由としては、医薬品 開発に必要な最新の評価方法・試験方法の導入に対する薬事規制の対応、そして、新し い医薬品の特性に合わせた治験や承認審査の対応といったことが不十分であるので、今 後は新しい科学技術に応じた柔軟な対応の可能性について検討すべきではないかという、 先ほど米国のクリティカルパスにおいても見られていた論点でございます。  論点2といたしましては、安全対策の論点でございまして、近年の科学技術の進展に より、鋭い効き目を示す一方で、重い副作用が生じるおそれがある医薬品も見られるこ ととか、治験を通じて承認前に得られる医薬品の安全性に関する情報は適正に検証を行 ったとしても限界があり、市販後における医薬品の安全性確保の重要性はますます高ま っていることから、承認前と市販後のそれぞれの段階に応じた、より適切な安全対策の 可能性について検討するべきではないか。こういう2点の全体的な論点の整理でござい ます。  それから、各論としての論点の整理でございますが、まず、制度的な検討課題として、 最適な治験に関してどのような方策があるかということにつきまして、論点3、まず(1) といたしましては、個々の医薬品の特性に応じた治験を実施するために、薬事規制の観 点からどのような方策が考えられるか。(2)としまして、欧米で開発された医薬品を可能 な限り早急に我が国に導入するために、国際共同治験を承認審査に際してどのように活 用するか、その考え方などについて整理・公表すべきではないか。(3)としまして、医薬 品の臨床試験の実施基準(GCP)についての運用上の課題を解決すべきというような 論点がございます。  1ページめくっていただきまして、論点4といたしましては、承認審査方法につきま しての論点でございまして、科学的合理性に基づく柔軟かつ効率的な承認審査の方法と して、現在の承認審査につきましてはガイドラインの適用や審査の手順などが一律な対 応となる傾向が見られますが、柔軟かつ効率的に承認審査を進めるための方策について の論点でございます。  論点5といたしましては、市販後の安全性及び有効性の検証のあり方についてで、市 販後の安全対策をより一層充実させるための方策としてどのようなものがあるかという 論点でございます。  体制的な検討課題といたしましては、治験相談の体制の充実方策ということで、まず 治験相談につきまして、適時適切に相談を可能とする体制にすべきではないか。それか ら、さらには新たな技術への対応など治験相談の質の向上を図るべきではないかという 視点でございます。  論点7といたしましては、承認審査体制の充実方策についてでございます。承認審査 の質の向上及び承認審査の効率化を図るべきではないかという点。それから、迅速かつ 適切な承認審査を可能とする体制のあり方についてということでございます。  その他として、論点8といたしましては、国の承認を経ない未承認薬についての考え 方の整理でございますが、承認審査の迅速化を図っても、医薬品の開発は日進月歩であ ることから、緊急の対応が必要な場合には、国の承認を経ない開発途上の医薬品や外国 の承認薬を使用したいとする医療現場のニーズは存在するわけでございまして、これに 対して、承認審査の迅速化を検討する際に、これら未承認薬の使用に対する問題点を整 理し、実際の対応の可能性を検討することが必要ではないかという点でございます。  論点9といたしましては、再生医療に関する取り扱いについてでございまして、細胞・ 組織利用製品を活用したいわゆる再生医療に関する医薬品について、品目の特性に応じ た薬事法上の規制はどうあるべきかという視点でございます。  前回を簡単にまとめた部分でさらにこのような形で整理をいたしたものでございます。   ○中垣審査管理課長  申しわけありません。1点だけ訂正をさせてください。  各論の(1)の論点3、1ページ目の下から5行目の(2)のところでございますが、こ こを「国内外で開発された医薬品を可能な限り早急に我が国の臨床の場で利用する、臨 床の場に提供する」というぐあいに訂正をさせていただきたいと思います。申しわけご ざいません。   ○高久座長  今この論点の整理ということで、総論、各論ありましたが、これはどれ1つとっても なかなか難しい問題で、果たして結論が出るかどうかわかりませんが、何とかまとめた いと考えていますので、よろしくお願いします。今の資料6の論点整理(案)について どなたか御質問、御意見おありでしょうか。   ○池田構成員  この論点整理に書かれていることは、恐らくこれまでも行政の場でも、あるいは機構 等でも十分に議論されてきて、それをどういう格好で実現しようかというその方法に問 題があるのではないかなというふうに、論点は整理され尽くしているのではないかなと いうふうに思うんですけれども、その1つとして、例えば機構の充実ということで人数 をFDA並みにふやせといっても、なかなか無理だと。それから、企業もそれほど十分 に品目調査等をやれるような体制に今必ずしもなっているところばかりではないという ような問題あると思うんですね。  それで、どうしていくかというときに、幾つか今日ヒアリングで話があったと思うん ですけれども、学会等の利用というと変な話ですが、協力をどういう格好で得ていった らいいかということが議論されてもいいのかなというふうに思うんですね。ただそのと きに一番問題なのは、先ほどもちょっと話が出ましたけれども、コンフリクト・オブ・ インタレストという点で整理をしながらその学会等の協力を得るような体制ができてい くと、例えば市販後の安全性の確保とか、あるいは審査体制のところに何らかの協力を することもできるというようなことはあると思うんですね。がんの治療薬でもそうです し、あるいは今までかつて薬害があったような、サリドマイドの問題もそうですけれど も、そのことをやはり現実の問題として考えていくのが1つの方向性かなというふうに 思いますので、ぜひ高久座長にその辺も御議論に加えていただけたらと思います。   ○高久座長  先ほど小林さんの方からもお話があったと思いますが、リウマチに対するレミケード だったと思いますけれども。これはリウマチ学会とリウマチ財団と共同して登録医の方 を中心にフォローしました。このフォローは厚労省の疾病対策課の方がリーダーシップ をとって学会と共同してやりました。これはおっしゃったようにかなりいい例だと思い ます。コンフリクト・オブ・インタレストに関しては徳島大学の曽根先生が中心になら れて、文科省から研究費をもらって、まとめておられます。日本医学界としてもコンフ リクト・オブ・インタレストの問題を含めて、今池田委員のおっしゃったことを検討し てみたいと思っています。どうもありがとうございました。  ほかにどなたか。   ○柴崎構成員  全体的なことでよろしいでしょうか。前回の第1回検討会の補足資料に関しての質問 ですが、貴重な資料を集めていただきまして、ありがとうございました。その中でどう 考えてもちょっと私自身が理解できないことは、一番最初の資料3、第1回検討会の補 足資料に関してですけれども、日米欧における治験の費用・症例数・期間。これは約2 割ぐらい日本が長いということですけれども、同一プロトコルでの費用比較になります とこれが2.5倍になると。これはさまざまな要因が入っているであろうというふうに御 説明されましたけれども、ここのところを追求することによって日本での治験等々の効 率化というのが図られると私は感じました。その点について、ここを徹底的に原因が何 なのかということを議論するというのはいかがなものでしょうか。   ○新木研究開発振興課長  御指摘のとおり、日本の治験が進まない理由がこのあたりに集約されているかと思い ます。したがって、これの原因を我々としても何らかの形で把握していきたいと思いま す。なかなかデータソースを得るのは難しいと。   ○柴崎構成員  先ほどおっしゃったのはよくわかります。ただ、やはりここがポイントで、これをク リアにすることによって建設的な議論ができるような気がするので、大変だと思います が、よろしくお願いします。   ○新木課長  御指摘のとおりだと思いますので、我々としても勉強していきたいと思います。   ○高久座長  よろしくお願いします。  ほかにどなたか。どうぞ。   ○森田構成員  論点整理の各論のところの(3)の(1)ですけれども、治験のスピードと質をいかに担 保できるかということがコストにも影響しますので、ここの文言の中の「薬事規制の観 点から」のみだけでなしに、やはり治験のフィールドに対して日本としてどういうフィ ールドをきっちりつくっていくかという、その辺の啓蒙とか実効性のあるような部分に ついても検討していくことがよろしいのではないかと思っております。   ○高久座長  わかりました。その点をつけ加えていただきたいと思います。よろしくお願いします。  ほかにどなたか。よろしいでしょうか。それでは、この論点につきましては今後とも 検討をこの委員会で続けていきたいと思います。  事務局から何か連絡事項ありますか。どうぞ。   ○中垣審査管理課長  本日はどうもありがとうございました。またヒアリングのために来訪していただいた 5つの団体の方々に厚く御礼を申し上げたいと思います。  この検討会は第1回目に大臣からもごあいさつ申し上げましたとおり、革新的な新し い医薬品をより早く国民の手元に届けるということを目的に、医薬品規制にかかわるあ り方を検討してもらおうというようなことで始められたものでございます。これと同時 に、例えば治験のあり方につきましては、医政局において次期治験活性化計画の検討会 が動いておりますし、また診療報酬と申しますか医療保険の薬価上の評価についても中 医協で御議論賜っているところでございます。ですから、そういう別の場とも連携しな がら、医薬品規制のあり方に中心に御議論をお願いできればというふうに考えていると ころでございます。  本日事務局の不手際でなかなか至らないところがあったかと思いますけれども、次回 は1月16日、14時から開催させていただきたいと考えておりますので、よろしく御協 力をお願い申し上げます。どうもありがとうございました。   ○高久座長 どうもありがとうございました。また、次回は来年になりますので、皆さ ん方よいお年をお迎えください。どうもありがとうございました。 (了)                 照会先 厚生労働省医薬食品局承認審査等推進室                           03−5253−1111